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JP2004214067A - 複合誘電体用樹脂組成物および複合誘電体 - Google Patents

複合誘電体用樹脂組成物および複合誘電体 Download PDF

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JP2004214067A
JP2004214067A JP2003000777A JP2003000777A JP2004214067A JP 2004214067 A JP2004214067 A JP 2004214067A JP 2003000777 A JP2003000777 A JP 2003000777A JP 2003000777 A JP2003000777 A JP 2003000777A JP 2004214067 A JP2004214067 A JP 2004214067A
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JP
Japan
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meth
dielectric
resin composition
acrylate
acrylic polymer
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JP2003000777A
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English (en)
Inventor
Yuei Yamazaki
勇英 山▲崎▼
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】無機誘電体を樹脂中に高配合することができ、有機−無機複合誘電体とした場合に、高周波域においても高い誘電率をしめす複合誘電体用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル重合体、無機誘電体を含有する複合誘電体用樹脂組成物において、該アクリル重合体の100質量部に対して、該無機誘電体が700質量部以上の範囲内であることを特徴とする複合誘電体用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂と無機誘電体とからなる有機−無機複合誘電体用樹脂組成物と該組成物からなる複合誘電体に関する。
【0002】
【従来技術】
情報化社会の進行とともに、情報伝達の高速度化、これに伴う情報信号の高周波化のニーズがますます高まりつつある。これに対応するため、エレクトロニクス製品に使用される回路基板の高機能化・高密度実装が求められ、この課題を解決するため、抵抗・キャパシター・インダクターといった電子素子を回路基板の中に作りこむ技術であるEPD(Embedded Passive Device Techinology)が注目を集めている。
【0003】
一般に実装に使用されるキャパシターにはセラミック誘電体が用いられているが、EDPに使用した場合に回路基板の孔あけや切断等の後加工性や接着性が悪いことが問題となる。そこで、後加工性や接着性に優れた誘電体として樹脂と無機誘電体を複合化した有機−無機複合誘電体が提案されている。
【0004】
この有機−無機複合誘電体は、ポリフェニレンオキシド樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂に誘電率の大きい無機誘電体を分散させて成形あるいは成膜させたものである(特許文献1参照)が、樹脂は特に高周波域での誘電率が低いため、誘電率の大きい無機誘電体をできるだけ多く樹脂中に配合させる必要がある。しかし、従来使用されているポリフェニレンオキシド樹脂やエポキシ樹脂では、無機誘電体の分散性に劣るため配合量に限界があり、複合誘電体としての誘電率は満足いくレベルには達していない。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−225358号公報明細書
【本発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、無機誘電体を樹脂中に高配合することができ、有機−無機複合誘電体とした場合に、高周波域においても高い誘電率をしめす有機−無機複合誘電体用樹脂組成物を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明にかかる複合誘電体用樹脂組成物では、樹脂として(メタ)アクリル重合体を含み、該(メタ)アクリル重合体の100質量部に対して、無機誘電体を700質量部以上含有することが特徴である。(メタ)アクリル重合体を含む樹脂は無機誘電体の分散性に優れるため、無機誘電体を高配合することができ、複合誘電体として高い誘電率をしめすものが得られる。
【0007】
また、本発明の複合誘電体用樹脂組成物は、上記(メタ)アクリル重合体がモノマー構成成分として、ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートおよび/またはマレイミド化合物を必須成分として含有することが、該樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性や耐湿性を向上させることができるため好ましい実施態様である。
【0008】
さらに、本発明の複合誘電体用樹脂組成物は、(メタ)アクリル重合体と無機誘電体に加えて、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを必須成分として含有することが、該樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性や誘電特性を向上させることができるため、一層好ましい実施の態様である。
【0009】
また、本発明には、上記の複合誘電体用樹脂組成物からなる複合誘電体も含まれる。
【0010】
なお、本発明の複合誘電体とは、樹脂中に無機誘電体を分散させた樹脂組成物を所定の形状に成形したものをいい、樹脂マトリックス中に無機誘電体が高充填された成形体および成形膜等を表す。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明者等は、樹脂に無機誘電体を分散させる有機−無機複合誘電体用樹脂組成物について鋭意検討を重ねた結果、樹脂として(メタ)アクリル重合体を含むことにより、樹脂中の無機誘電体の配合量を高めることができ、複合誘電体の特に高周波域での誘電率が格段に向上することを見出し、上記の課題をみごと解決できることに想到した。
【0012】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物は(メタ)アクリル重合体と無機誘電体を含有する。
【0013】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物において、(メタ)アクリル重合体と無機誘電体の含有量は、(メタ)アクリル重合体の100質量部に対して、無機誘電体が700質量部以上の範囲内である。無機誘電体の含有量が700質量部未満では、樹脂組成物からなる複合誘電体の誘電率が低くなる恐れがある。無機誘電体の含有量の好ましい下限は、(メタ)アクリル重合体の100質量部に対して2,000質量部以上であり、4,000質量部以上がさらに好ましい。また、無機誘電体の含有量の好ましい上限は、(メタ)アクリル重合体の100質量部に対して20,000質量部以下であり、10,000質量部以下であることがさらに好ましい。
【0014】
本発明における(メタ)アクリル重合体としては、ガラス転移点温度が120℃以上であることが好ましい。ガラス転移点温度が120℃未満では、樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性が低下するおそれがある。(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度は140℃〜400℃の範囲内がさらに好ましく、160℃〜300℃の範囲内が最も好ましい。
【0015】
本発明における(メタ)アクリル重合体は、モノマー構成成分として、ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートおよび/またはマレイミド化合物を必須成分として含有することが好ましい。
【0016】
モノマー構成成分中のノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートの割合は、5mol%〜100mol%の範囲内が好ましい。ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートの割合が5mol%未満では、樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性や耐湿性が低下するおそれがある。ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートの割合は、10mol%〜90mol%の範囲内がさらに好ましい。
【0017】
モノマー構成成分中のマレイミド化合物の割合は、5mol%〜50mol%の範囲内が好ましい。マレイミド化合物の割合が5mol%未満では、樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性が低下するおそれがある。また、50mol%を超えると複合誘電体の強度が低下するおそれがある。マレイミド化合物の割合は、10mol%〜40mol%の範囲内がさらに好ましい。
【0018】
本発明においてノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
本発明においてマレイミド化合物としては、マレイミド、マレイミドを含む単量体組成物を重合してなるプレ重合物を表す。
【0020】
上記マレイミドとしては、窒素原子が置換基を有するマレイミドである。このようなマレイミドとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のモノマレイミド類、N,N´−エチレンマレイミド、N,N´−トリメチレンマレイミド、N,N´−フェニレンマレイミド等のジマレイミド類が挙げられる。
【0021】
本発明における(メタ)アクリル重合体は、モノマー構成成分として、ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートやマレイミド化合物以外のその他モノマーを含んでもよい。
【0022】
上記のその他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0023】
本発明の(メタ)アクリル重合体の合成方法としては、一般的な重合反応を用いればよく、例えば、塊状重合(バルク重合)、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましく、さらに、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うことが好ましい。
【0024】
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトプロピオン酸、ドデシルメルカプタン、チオフェノール等のチオール化合物、α−スチレンダイマー、四塩化炭素等が挙げられる。
【0025】
上記連鎖移動剤の添加量としては、連鎖移動剤の種類やモノマー成分の種類により適宜設定すればよいが、例えば、モノマー成分に対して0.1重量〜15重量の範囲内が挙げられる。
【0026】
上記重合反応においては、重合開始剤を使用することが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
【0027】
本発明の(メタ)アクリル重合体は、樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性や強度を向上させることができることから、分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体を含むことが好ましい。
【0028】
分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体の二重結合の導入方法としては、例えば、分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体のカルボキシル基とグリシジル(メタ)アクリレート等の重合性二重結合を有するエポキシ化合物とをエステル化触媒を用いて反応させる方法が挙げられる。
【0029】
上記分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体としては、モノマー構成成分としてカルボキシル基を含有する単量体を含むことにより得られる重合体である。
【0030】
上記のカルボキシル基を含有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、および、これら不飽和ジカルボン酸のモノエステル等が挙げられる。
【0031】
上記のカルボキシル基を含有する単量体のモノマー構成成分中の割合としては、モノマー構成成分の合計を100質量%として、0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。カルボキシル基を含有する単量体の割合が0.5質量%未満の場合には、二重結合の導入割合が少なくなるため、樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性や強度を十分に向上させることができないおそれがある。一方、上記割合が20質量%を超える樹脂組成物からなる複合誘電体が脆くなるおそれがある。カルボキシル基を含有する単量体のモノマー構成成分中の割合のさらに好ましい範囲は、1.0質量%〜15質量%であり、3.0質量%〜10質量%の範囲内が最も好ましい。
【0032】
上記分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体の重合性二重結合1個当たりの分子量は、200〜10,000の範囲内であることが好ましい。重合性二重結合1個当たりの分子量が200未満では樹脂組成物からなる複合誘電体の強度が低下するおそれがあり、一方、10,000を超えると樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性の向上が不十分となるおそれがある。上記重合性二重結合1個当たりの分子量は、1,000〜8,000の範囲内がさらに好ましく、2,000〜5,000の範囲内であるこのことが最も好ましい。
【0033】
本発明の(メタ)アクリル重合体の平均分子量は、数平均分子量(Mn)で5,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が5,000未満では樹脂組成物からなる複合誘電体の耐熱性が低下するおそれがあり、数平均分子量が500,000を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する。
【0034】
上記数平均分子量(Mn)は10,000〜100,000の範囲内がさらに好ましく、
10,000〜50,000の範囲内が最も好ましい。
【0035】
本発明における無機誘電体としては、ペルブスカイト結晶構造を有するABO型の誘電体およびこの2元系または3元系の複合ペルブスカイト系誘電体が好ましく、その他、酸化チタンも用いることができる。
【0036】
上記ABO型の誘電体としては、例えば、チタン酸鉛PbTiO、タングステン酸鉛PbWO、亜鉛酸鉛PbZnO、鉄酸鉛PbFeO、マグネシウム酸鉛PbMgO、ニオブ酸鉛PbZbO、ニッケル酸鉛PbNiO、ジルコン酸鉛PbZrO、チタン酸バリウムBaTiO、チタン酸ストロンチウムSrTiO、ジルコン酸カルシウムCaZrO、チタン酸カルシウムCaTiO、チタン酸亜鉛ZnTiO、チタン酸マグネシウムZnTiO、ジルコン酸バリウムBaZrO、ジルコン酸マグネシウムMgZrO、ジルコン酸亜鉛ZnZrO等が挙げられる。
【0037】
上記2元系または3元系の複合ペルブスカイト系誘電体としては、例えば、(BaSr(1−x))(SnTi(1−y))O、Ba(TiSn(1−x))O、BaSr(1−x)TiO、BaTiO−CaZrO3、BaTiO−BiTi12、(BaCa(1−x))(ZrTiO(1−y))O等が挙げられる。
【0038】
本発明の無機誘電体の形状としては、粒子状、繊維状、燐片状、円錐状等が挙げられる。
【0039】
上記無機誘電体の平均粒子径としては、樹脂組成物を用いてなる複合誘電体の厚みを考慮して適宜選択されるが、薄膜として用いる場合には、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜5μmの範囲内であることがさらに好ましく、2〜5μmの範囲内が最も好ましい。また、無機誘電体の体積当たりの比表面積は、1m/cm〜10m/cmの範囲内が好ましく、2m/cm〜8m/cmの範囲内がさらに好ましく、2m/cm〜5m/cmの範囲内が最も好ましい。
【0040】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物には、(メタ)アクリル重合体と無機誘電体に加えて、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを必須成分として含有することが好ましい。該多官能(メタ)アクリレートは重合性希釈剤としても作用し、樹脂組成物の粘度を下げて作業性を向上させることができる。
【0041】
本発明の樹脂組成物における、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートの含有量は、樹脂組成物中2質量%〜20質量%の範囲内が好ましい。該(メタ)アクリレートの含有量が2質量%未満では、樹脂組成物の粘度低減が十分でなかったり、複合誘電体の強度が低下するおそれがある。また、20質量%を超えると複合誘電体の誘電率が低下するおそれがある。
【0042】
本発明における2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチレーロプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0043】
本発明の樹脂組成物には、上記分子内に非芳香族系炭化水素鎖と、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート以外に、複合誘電体の性能を損なわない範囲内でその他の重合性希釈剤を配合することができる。
【0044】
上記その他の重合性希釈剤としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物には、粘度調節を目的として、溶剤を配合することが好ましい。
【0046】
上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、メチルセルゾルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0047】
上記溶剤の配合量は、樹脂組成物中2質量%〜20質量%の範囲内が好ましい。溶剤の配合量が2質量%未満では、樹脂組成物の粘度低減が十分でないおそれがある。また、20質量%を超えると得られた複合誘電体中に溶剤が残存して誘電率が低下するおそれがある。
【0048】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物の成形方法は、求められる複合誘電体の形状により適宜選択される。
【0049】
例えば、複合誘電体を薄膜として用いる場合には、フイルムや基板上に樹脂組成物をディッピングコート、スピンコート、ロールコート、バーコート、スクリーン印刷等の方法により塗布して塗膜を形成した後、必要により溶剤を乾燥し、さらに熱や紫外線、電子線、γ−線等の活性エネルギー線により硬化させる。
【0050】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物を熱により硬化させる場合には硬化剤を用いることが好ましい。
【0051】
上記硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジメチルプロピルパーオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0052】
本発明の樹脂組成物における硬化剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、0.005質量部〜5.0質量部の範囲内が好ましい。硬化剤の使用量が0.005重量部未満では、複合誘電体の耐熱性が不十分となるおそれがある。また、使用量が5.0質量部を超えると、樹脂組成物の可使時間が短くなり、作業性が低下するおそれがある。
【0053】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物を紫外線により硬化させる場合には光重合開始剤や光増感剤を配合することが好ましい。
【0054】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾインエーテル類、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、アシルスルフィンオキシド類等が挙げられる。また、光増感剤としては、例えば、アミン化合物、尿素化合物、硫黄化合物、ニトリル化合物、リン化合物等が挙げられる。
【0055】
本発明の樹脂組成物における光重合開始剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、0.005質量部〜5.0質量部の範囲内が好ましい。硬化剤の使用量が0.005重量部未満では、複合誘電体の耐熱性が不十分となるおそれがある。また、使用量が1.0質量部を超えると、樹脂組成物の可使時間が短くなり、作業性が低下するおそれがある。
【0056】
本発明の複合誘電体用組成物からなる複合誘電体の形状としては、例えば、シート状、チップ状、薄膜状等が挙げられる。複合誘電体の大きさとしては、例えば薄膜状の場合には厚み3μm〜100μmの範囲内が好ましく、10μm〜50μmの範囲内がさらに好ましい。
【0057】
本発明の複合誘電体の用途としては、例えば、バイパスコンデンサー、充電素子、微分素子、終端負荷素子、フィルター、アンテナ等が挙げられる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0059】
合成例1
温度計、冷却管、ガス導入管、および攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル93部と、カルボキシル基を含有する単量体としてメタクリル酸7部と仕込んだ後、反応器内を窒素ガスに置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、重合開始剤として2,2´‐アゾビスイゾブチロニトリル1部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4部を添加して、4時間重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を得た。
【0060】
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物に、不飽和エポキシ化合物としてグリシジルメタクリレート10部と、エステル化触媒としてオクチル酸亜鉛0.03部と、重合禁止剤としてハイドロキノンとを添加した後、100℃に昇温して、空気雰囲気下で5時間かけてエステル化反応を行った。これにより、
分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物(1)を得た。なお、未重合モノマーはそのまま重合性希釈剤として使用する。該混合物(1)は、固形分濃度が52%、(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度110℃、数平均分子量17,000であった。
【0061】
合成例2
合成例1と同様の反応器に、ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレートとしてイソボルニルメタクリレート40部、メタクリル酸メチル53部と、メタクリル酸7部と仕込んだ後、合成例1と同様に重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を得た。
【0062】
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を合成例1と同様にエステル化反応を行い、分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物(2)を得た。なお、未重合モノマーはそのまま重合性希釈剤として使用する。該混合物(2)は、固形分濃度が54%、(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度133℃、数平均分子量20,000であった。
【0063】
合成例3
合成例1と同様の反応器に、イソボルニルメタクリレート93部と、メタクリル酸7部と仕込んだ後、合成例1と同様に重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を得た。
【0064】
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を合成例1と同様にエステル化反応を行い、分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物(3)を得た。なお、未重合モノマーはそのまま重合性希釈剤として使用する。該混合物(3)は、固形分濃度が60%、(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度185℃、数平均分子量22,000であった。
【0065】
合成例4
合成例1と同様の反応器に、メチルメタクリレート68部と、マレイミド化合物としてN‐フェニルマレイミド25部、メタクリル酸7部と仕込んだ後、合成例1と同様に重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を得た。
【0066】
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を合成例1と同様にエステル化反応を行い、分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物(4)を得た。なお、未重合モノマーはそのまま重合性希釈剤として使用する。該混合物(4)は、固形分濃度が55%、(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度135℃、数平均分子量30,000であった。
【0067】
合成例5
合成例1と同様の反応器に、イソボルニルメタクリレート30部、メチルメタクリレート38部と、N‐フェニルマレイミド25部、メタクリル酸7部と仕込んだ後、合成例1と同様に重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を得た。
【0068】
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物を合成例1と同様にエステル化反応を行い、分子内に二重結合を有する(メタ)アクリル重合体と未重合モノマーの混合物(5)を得た。なお、未重合モノマーはそのまま重合性希釈剤として使用する。該混合物(5)は、固形分濃度が59%、(メタ)アクリル重合体のガラス転移点温度155℃、数平均分子量40,000であった。
【0069】
実施例1〜6、比較例1〜3
本発明にかかる複合誘電体用樹脂組成物として、表1に記載した配合量で樹脂中に硬化剤、分散剤、さらに無機誘電体の順に配合して、ケミスターラーにより均一に混合して、樹脂組成物を得た。また、比較の樹脂組成物として、表2に記載した配合量で同様に混合して樹脂組成物を得た。
次に、ガラス板上にスピンコーターにより樹脂組成物を塗布した後、オーブン中で100℃‐1時間、150℃−1時間かけて硬化させて厚み50μmの複合誘電体を得た。以下に示す方法により、得られた複合誘電体を評価した。その結果を表3に記載した。
【0070】
評価方法
誘電特性
得られた各複合誘電体の表面にイオンスパッターによりAg膜を形成し、インピーダンス・アナライザにより比誘電率および誘電正接を測定した。ここで、誘電正接(tanδ)とは誘電体中の位相差δ(90°−θ)の正接のことであり、誘電正接が大きいほど電気エネルギーが熱エネルギーとして消費される量が多くなり、誘電体の発熱によるエネルギーロスと誘電体そのものの熱劣化が起こりやすくなる。
(2)耐熱特性
得られた各複合誘電体をサーマルアナライザ(TG−DTA分析)により、300℃までの減量率を測定した。
【0071】
【表1】
Figure 2004214067
【0072】
【表2】
Figure 2004214067
【0073】
【表3】
Figure 2004214067
【0074】
表3から明らかなように、実施例1〜6の複合誘電体用樹脂組成物から得られた複合誘電体は無機誘電体を高配合しているため、高い比誘電率と低い誘電正接を有する。また、耐熱性を高めた実施例2〜6では熱減量率も低い特性を示している。
【0075】
一方、比較例1は無機誘電体の配合量が少ないので、比誘電率が低く、誘電正接は高く、さらに、熱減量率も高くなっている。また、比較例2の従来使用されているエポキシ樹脂では無機誘電体を高配合できないので、比誘電率が低く、誘電正接は高くなった。比較例3ではエポキシ樹脂に無機誘電体の高配合を試みたが樹脂組成物の流動性がなく、複合誘電体を成形することができなかった。
【0076】
【発明の効果】
本発明の複合誘電体用樹脂組成物は、上述の構成よりなるので、無機誘電体を高配合することができる。また、本発明の複合誘電体用樹脂組成物より得られた複合誘電体は高い誘電率と低い誘電正接、さらに、高い耐熱性を有するので、バイパスコンデンサー、充電素子、微分素子、終端負荷素子、フィルター、アンテナ等の電子素子として有効に利用することができる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル重合体、無機誘電体を含有する複合誘電体用樹脂組成物において、該(メタ)アクリル重合体の100質量部に対して、該無機誘電体が700質量部以上の範囲内であることを特徴とする複合誘電体用樹脂組成物。
  2. 上記(メタ)アクリル重合体がモノマー構成成分として、ノルボルネン骨格を有する(メタ)アクリレート、および/または、マレイミド化合物を必須成分として含有することを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体用樹脂組成物。
  3. さらに、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合誘電体用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3に記載の複合誘電体用樹脂組成物からなる複合誘電体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5146450B2 (ja) * 2008-01-18 2013-02-20 東レ株式会社 高誘電率ペースト組成物およびそれを用いた誘電体組成物

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