JP2004207119A - リチウムイオンポリマー二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】折畳まれた帯状の正極シート又は負極シートの折目における電解質層から電解液が揮発することを抑制して電池性能の低下を防止するとともに、その部分に加わる外部からの衝撃を緩和する。
【解決手段】正極シート11又は負極シート14が帯状であって正極活物質13又は負極活物質16表面にポリマー電解質層17を有した状態で1又は2回以上折畳まれて形成され、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート14又は正極シート11が挟持される。外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆される。フィルム26がポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなる。
【選択図】 図1
【解決手段】正極シート11又は負極シート14が帯状であって正極活物質13又は負極活物質16表面にポリマー電解質層17を有した状態で1又は2回以上折畳まれて形成され、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート14又は正極シート11が挟持される。外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆される。フィルム26がポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー電解質層を介装して正極シート及び負極シートを積層したリチウムイオンポリマー二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のビデオカメラやノート型パソコン等のポータブル機器の普及により薄型の電池に対する需要が高まっている。この薄型の電池として、正極シートと負極シートを積層して形成されたリチウムイオンポリマー二次電池が知られている。この正極シートは、正極集電体箔の表面に活物質を形成することにより作られ、負極シートは負極集電体箔の表面に活物質を形成することにより作られる。正極シートの活物質と負極シートの活物質の間にはポリマー電解質層が介装される。この電池では、それぞれの活物質における電位差を電流として取出すための正極端子及び負極端子が正極集電体箔及び負極集電体箔に設けられ、このように積層されたものをパッケージで密閉することによりリチウムイオンポリマー二次電池が形成される。このリチウムイオンポリマー二次電池ではパッケージから引出された正極端子及び負極端子を電池の端子として使用することにより所望の電気が得られるようになっている。
【0003】
一方、このリチウムイオンポリマー二次電池の放電容量を増大させるには正極シート及び負極シートの面積を拡大させる必要がある。正極シート及び負極シートの面積を拡大させたリチウムイオンポリマー二次電池として、正極シート又は負極シートを帯状にし、この活物質表面にポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折畳み、その折畳まれた正極シート又は負極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート又は正極シートを挟持されたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。このリチウムイオンポリマー二次電池では、帯状の正極シート又は負極シートを折畳むので、その外形形状を拡大することはなく、放電容量を拡大することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−028273号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、活物質表面にポリマー電解質層を有した状態で帯状の正極シート又は負極シートを折畳むと、その折畳まれた正極シート又は負極シートの折畳んだ折目ではポリマー電解質層が外部に表出することになる。このポリマー電解質層には、電解液が含まれているため、電解質層がその折目から外部に表出すると、その折目における電解質層から電解液が揮発して電解液の不足を引き起こし、電池性能が低下する不具合がある。また、電解質層がゲル状である場合にはその折目に外部から衝撃が加わるとその折目における電解質層がダメージを受け、電池性能の低下や短絡の危険がある。
本発明の目的は、折畳まれた帯状の正極シート又は負極シートの折目における電解質層から電解液が揮発することを抑制して電池性能の低下を防止するとともに、その部分に加わる外部からの衝撃を緩和し得るリチウムイオンポリマー二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成された正極シート11と、負極集電体箔15の表面に負極活物質16が形成された負極シート14と、正極活物質13と負極活物質16との間に介装されたポリマー電解質層17と、ポリマー電解質層17を介して積層された正極シート11及び負極シート14を密封するパッケージシート24とを備え、正極シート11又は負極シート14が帯状であって正極活物質13又は負極活物質16表面にポリマー電解質層17を有した状態で1又は2回以上折畳まれて形成され、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート14又は正極シート11が挟持されたリチウムイオンポリマー二次電池の改良である。
その特徴ある構成は、外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆されたところにある。
【0007】
この請求項1に係る発明では、正極シート11又は負極シート14の折目における比較的乾燥しやすいポリマー電解質層17をフィルム26が被覆するので、その折目におけるポリマー電解質層17から電解液が揮発することをそのフィルム26が防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層17の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性を安定させる。また、このフィルム26の存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、フィルム26がポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項2に係る発明では、折目におけるポリマー電解質層17の乾燥を十分に抑制することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面に単一のフィルム26の両端部が積層されて正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆されたリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項3に係る発明では、正極シート11又は負極シート14の折目における全てのポリマー電解質層17を単一のフィルム26が被覆するので、その被覆が容易になる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、フィルム26に粘着材層27が積層され、粘着材層27を介してフィルム26が正極シート11又は負極シート14の折目を被覆するリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項4に係る発明では、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面にフィルム26の端部を積層するだけの単純な作業で正極シート11又は負極シート14の折目における全てのポリマー電解質層17を被覆することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1に示すように、リチウムイオンポリマー二次電池10は、正極シート11と負極シート14との間にポリマー電解質層17を介装し、その正極シート11及び負極シート14を積層したものである。正極シート11は正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成されたものであり、負極シート14は負極集電体箔15の表面に負極活物質16が形成されたものである。また、ポリマー電解質層17は正極集電体箔12に形成された正極活物質13と負極集電体箔15の表面に形成された負極活物質16との間に介装される。このリチウムイオンポリマー二次電池10は、放電容量を拡大するために帯状の負極集電体箔15を用い、その帯状の負極集電体箔15は活物質表面16にポリマー電解質層17を有した状態で折畳まれる。なお、この実施の形態における負極集電体箔15はCu箔であり、負極集電体箔15の負極活物質16にはグラファイト系の活物質が使用される。
【0012】
図6(a)及び(b)に示すように、負極活物質16の負極集電体箔15の表面への具体的な形成手順は、活物質を溶液に分散混合して作製したスラリーを帯状の負極集電体箔15の上面にドクターブレード法により塗布して乾燥することにより行われる。一方、負極活物質16は他方の側部15bを除いて表面である図における負極集電体箔15の上面に形成され、ポリマー電解質層17はその負極活物質16の上面に電解質スラリーを塗布乾燥することにより作られる。ポリマー電解質層17はこの負極活物質16を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図6(c)に示すように、電解質スラリーを負極活物質16を覆うように塗布し、その後乾燥することにより負極活物質16を被覆する面積に形成される。
図1に戻って、リチウムイオンポリマー二次電池10は、折畳まれた負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。挟持される正極シート11の正極活物質13の表面にもポリマー電解質層17が形成される、この実施の形態における正極集電体箔12はAl箔であり、正極活物質13には例えばLiCoO2が使用される。
【0013】
具体的な正極シート11の作製手順は、図5(a)及び(b)に示すように、活物質を溶液に分散混合したスラリーをドクターブレード法により塗布して乾燥することにより後に正極集電体箔になる帯状のAl箔18の上面に先ず正極活物質13を形成する。正極活物質13はAl箔18の一方の側部を除いて形成され、ポリマー電解質層17はこの正極活物質13を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図5(c)に示すように、電解質スラリーは正極活物質13を覆うように塗布し、その後乾燥することにより正極活物質13を被覆する面積に形成される。その後図5(d)に示すように、正極活物質13及びポリマー電解質層17を有する帯状のAl箔18は、その正極活物質13及びポリマー電解質層17とともに負極シート14の折畳み面積に相応した面積を有するように切断される。これにより、正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成され、その正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する所定の面積の正極シート11が複数枚作られる。
【0014】
次いで図4に示すように、ポリマー電解質層17を間に介装して正極シート11及び負極シート14が積層される。この積層は熱圧着により行われる。即ち、負極シート14に折目の間隔に相応する所定のピッチで複数の正極シート11を配置し、その状態で所定の温度に加熱された反対方向にそれぞれ回転する一対のローラ19,19間に図の実線矢印に示すように通過させ、ポリマー電解質層17を介装した状態で正極シート11及び負極シート14を熱圧着する。複数の正極シート11の負極シート14上への配置は、帯状の負極集電体箔15の一方の側縁15aが複数の正極集電体箔12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体箔12の他方の側縁12bがその帯状の負極集電体箔15の他方の側縁15bから突出するように、またそれぞれの正極シート11が負極シート14の折目に相当する部分をあけて配置される。
【0015】
図3に示すように、このように正極シート11が積層された負極シート14の折畳みは、正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げることにより行われる。このように折畳むと、帯状の負極集電体箔15の一方の側縁15aは複数の正極集電体箔12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体箔12の他方の側縁12bは帯状の負極集電体箔15の他方の側縁15bから突出した状態で積層される。図1に示すように、このように折畳まれた負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間には、それぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。一方、図2及び図3に示すように、複数の正極集電体箔12の一端12aから突出した負極集電体箔15の複数の突出部15cにはこの突出部15cを相互に接続する負極端子21の一端が止め金具22により設けられ、負極集電体箔15の他端縁15bから突出した正極集電体箔12の複数の突出部12cにはこの突出部12cを相互に接続する正極端子23の一端が止め金具22により設けられる。
【0016】
図1に示すように、負極活物質16の表面にポリマー電解質層17を有した状態で帯状の負極シート14を折畳むと、その折畳まれた負極シート14の折畳んだ一方の折目ではポリマー電解質層17が外部に表出する。図1及び図3に示すように、この外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように負極シート14の折目はフィルム26で被覆される。この実施の形態におけるフィルム26はポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなり、厚さが0.01〜0.2mm好ましくは0.02〜0.08mmのフィルム26が使用される。図3に示すように、このフィルム26の幅は帯状の負極シート14の幅と略同一または僅かに大きく形成され、粘着材層27(図1)が積層される。図1に示すように、この粘着材層27が積層されたフィルム26の両端部は、折畳まれた負極シート14の最上層と最下層の外表面に積層され、フィルム26の両端部における粘着材層27がその最上層と最下層の外表面に接着されることにより、負極シート14の折目はそのフィルム26により被覆される。
【0017】
図1及び図2に示すように、このように折畳まれた帯状の負極シート14は複数の正極シート14とともにパッケージシート24で密封される。この実施の形態におけるパッケージシート24はポリプロピレンがラミネートされたアルミニウム箔であり、一対のパッケージシート24で折畳まれた帯状の負極シート14を複数の正極シート11とともに挟み、真空雰囲気中でパッケージシート24の周囲を熱圧着することにより密封される。一対のパッケージシート24は正極端子23の他端及び負極端子21の他端がそれぞれそのパッケージシート24の外部に表出するように周囲が熱圧着され、このようにして作られたリチウムイオンポリマー二次電池10は、パッケージシート24から引出された正極及び負極端子21,23の他端を電池の端子として使用することにより所望の電気を得ることができる。
【0018】
このように構成されたリチウムイオンポリマー二次電池10は、外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目をフィルム26で被覆したので、負極シート14の折目におけるポリマー電解質層17から電解液が揮発することをそのフィルム26が防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層17の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性が安定し、その信頼性を向上させることができる。特にこの実施の形態では、フィルム26が電解液の揮発を有効に防止するポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるので、折目におけるポリマー電解質層17の乾燥を十分に抑制することができる。
【0019】
また、フィルム26に粘着材層27を積層し、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面に単一のフィルム26の両端部を積層することにより負極シート14の折目を単一のフィルム26で被覆するので、折畳まれた負極シート14の最上層と最下層の外表面にフィルム26の端部を積層するだけの単純な作業で、その折目における全てのポリマー電解質層17を被覆することができ、このフィルム26の存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【0020】
なお、上述した実施の形態では、正極及び負極活物質13,16及びポリマー電解質層17を負極及び正極集電体箔12,15の表面である一方の面に塗布乾燥し、帯状の負極シート14の一方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着して正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げたが、図8に示すように、正極及び負極活物質13,16及びポリマー電解質層17を負極及び正極集電体箔12,15の上下の双方の面にそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極シート14の上下の双方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着し、図7に示すように、正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げたリチウムイオンポリマー二次電池であってもよい。但し、図7に示すように、負極及び正極集電体箔12,15の表面である両面に正極活物質13,16及びポリマー電解質層17をそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極又は正極シート14、11を交互に折曲げると、折畳んだ両側にポリマー電解質層17が露出することになるため、この両側の外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように負極シート14の折目をフィルム26で被覆することが必要である。
【0021】
また、上述した実施の形態では、帯状の負極シート14を折畳む場合を示したが、図示しないが、帯状の正極シートをポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折畳み、折畳まれた正極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シートを挟持してもよい。この場合、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する場合を説明したが、このように、帯状の正極シートを折畳む場合には、挟持される負極シートの活物質表面にポリマー電解質層が形成される。
また、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する場合を説明したが、図示しないが、負極シートの活物質表面にポリマー電解質層を介装して正極シートが積層可能である限り、正極シートの活物質表面にポリマー電解質層を予め形成しなくても良い。
更に、図4に正極シートと負極シートの双方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示し、また図8に正極シートと負極シートの双方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示したが、本発明はこれらに限らず、正極シート又は負極シートの一方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設け、正極シート又は負極シートの他方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けてもよい。この場合、片面に活物質及びポリマー電解質層を有するシートは帯状のシートであることが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外部に露出するポリマー電解質層を覆うように正極シート又は負極シートの折目をフィルムで被覆するので、その折目におけるポリマー電解質層から電解液が揮発することをそのフィルムが防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性を安定させ、その信頼性を向上させることができる。この場合、フィルムがポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるものであれば、その折目におけるポリマー電解質層の乾燥を十分に抑制することができる。
【0023】
また、フィルムに粘着材層を積層し、折畳まれた正極シート又は負極シートの最上層と最下層の外表面に単一のフィルムの両端部が積層するようにすれば、折畳まれた正極シート又は負極シートの最上層と最下層の外表面にフィルムの端部を積層するだけの単純な作業で正極シート又は負極シートの折目における全てのポリマー電解質層を被覆することができ、その作業性が向上する。また、本発明のリチウムイオン二次電池では、このフィルムの存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池を示す図2のA−A線断面図。
【図2】その二次電池を示す図1のB−B線断面図。
【図3】その二次電池の構成を示す分解斜視図。
【図4】その負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示す斜視図。
【図5】その正極シートの製造工程を示す図。
【図6】その負極シートの製造工程を示す図。
【図7】本発明の別の二次電池を示す図1に対応する断面図。
【図8】その別の二次電池における負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示す図4に対応する斜視図。
【符号の説明】
10 リチウムイオンポリマー二次電池
11 正極シート
12 正極集電体箔
13 正極活物質
14 負極シート
15 負極集電体箔
16 負極活物質
17 ポリマー電解質層
24 パッケージシート
26 フィルム
27 粘着材層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー電解質層を介装して正極シート及び負極シートを積層したリチウムイオンポリマー二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のビデオカメラやノート型パソコン等のポータブル機器の普及により薄型の電池に対する需要が高まっている。この薄型の電池として、正極シートと負極シートを積層して形成されたリチウムイオンポリマー二次電池が知られている。この正極シートは、正極集電体箔の表面に活物質を形成することにより作られ、負極シートは負極集電体箔の表面に活物質を形成することにより作られる。正極シートの活物質と負極シートの活物質の間にはポリマー電解質層が介装される。この電池では、それぞれの活物質における電位差を電流として取出すための正極端子及び負極端子が正極集電体箔及び負極集電体箔に設けられ、このように積層されたものをパッケージで密閉することによりリチウムイオンポリマー二次電池が形成される。このリチウムイオンポリマー二次電池ではパッケージから引出された正極端子及び負極端子を電池の端子として使用することにより所望の電気が得られるようになっている。
【0003】
一方、このリチウムイオンポリマー二次電池の放電容量を増大させるには正極シート及び負極シートの面積を拡大させる必要がある。正極シート及び負極シートの面積を拡大させたリチウムイオンポリマー二次電池として、正極シート又は負極シートを帯状にし、この活物質表面にポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折畳み、その折畳まれた正極シート又は負極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート又は正極シートを挟持されたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。このリチウムイオンポリマー二次電池では、帯状の正極シート又は負極シートを折畳むので、その外形形状を拡大することはなく、放電容量を拡大することができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−028273号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、活物質表面にポリマー電解質層を有した状態で帯状の正極シート又は負極シートを折畳むと、その折畳まれた正極シート又は負極シートの折畳んだ折目ではポリマー電解質層が外部に表出することになる。このポリマー電解質層には、電解液が含まれているため、電解質層がその折目から外部に表出すると、その折目における電解質層から電解液が揮発して電解液の不足を引き起こし、電池性能が低下する不具合がある。また、電解質層がゲル状である場合にはその折目に外部から衝撃が加わるとその折目における電解質層がダメージを受け、電池性能の低下や短絡の危険がある。
本発明の目的は、折畳まれた帯状の正極シート又は負極シートの折目における電解質層から電解液が揮発することを抑制して電池性能の低下を防止するとともに、その部分に加わる外部からの衝撃を緩和し得るリチウムイオンポリマー二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成された正極シート11と、負極集電体箔15の表面に負極活物質16が形成された負極シート14と、正極活物質13と負極活物質16との間に介装されたポリマー電解質層17と、ポリマー電解質層17を介して積層された正極シート11及び負極シート14を密封するパッケージシート24とを備え、正極シート11又は負極シート14が帯状であって正極活物質13又は負極活物質16表面にポリマー電解質層17を有した状態で1又は2回以上折畳まれて形成され、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート14又は正極シート11が挟持されたリチウムイオンポリマー二次電池の改良である。
その特徴ある構成は、外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆されたところにある。
【0007】
この請求項1に係る発明では、正極シート11又は負極シート14の折目における比較的乾燥しやすいポリマー電解質層17をフィルム26が被覆するので、その折目におけるポリマー電解質層17から電解液が揮発することをそのフィルム26が防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層17の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性を安定させる。また、このフィルム26の存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、フィルム26がポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項2に係る発明では、折目におけるポリマー電解質層17の乾燥を十分に抑制することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面に単一のフィルム26の両端部が積層されて正極シート11又は負極シート14の折目がフィルム26で被覆されたリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項3に係る発明では、正極シート11又は負極シート14の折目における全てのポリマー電解質層17を単一のフィルム26が被覆するので、その被覆が容易になる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、フィルム26に粘着材層27が積層され、粘着材層27を介してフィルム26が正極シート11又は負極シート14の折目を被覆するリチウムイオンポリマー二次電池である。
この請求項4に係る発明では、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面にフィルム26の端部を積層するだけの単純な作業で正極シート11又は負極シート14の折目における全てのポリマー電解質層17を被覆することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1に示すように、リチウムイオンポリマー二次電池10は、正極シート11と負極シート14との間にポリマー電解質層17を介装し、その正極シート11及び負極シート14を積層したものである。正極シート11は正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成されたものであり、負極シート14は負極集電体箔15の表面に負極活物質16が形成されたものである。また、ポリマー電解質層17は正極集電体箔12に形成された正極活物質13と負極集電体箔15の表面に形成された負極活物質16との間に介装される。このリチウムイオンポリマー二次電池10は、放電容量を拡大するために帯状の負極集電体箔15を用い、その帯状の負極集電体箔15は活物質表面16にポリマー電解質層17を有した状態で折畳まれる。なお、この実施の形態における負極集電体箔15はCu箔であり、負極集電体箔15の負極活物質16にはグラファイト系の活物質が使用される。
【0012】
図6(a)及び(b)に示すように、負極活物質16の負極集電体箔15の表面への具体的な形成手順は、活物質を溶液に分散混合して作製したスラリーを帯状の負極集電体箔15の上面にドクターブレード法により塗布して乾燥することにより行われる。一方、負極活物質16は他方の側部15bを除いて表面である図における負極集電体箔15の上面に形成され、ポリマー電解質層17はその負極活物質16の上面に電解質スラリーを塗布乾燥することにより作られる。ポリマー電解質層17はこの負極活物質16を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図6(c)に示すように、電解質スラリーを負極活物質16を覆うように塗布し、その後乾燥することにより負極活物質16を被覆する面積に形成される。
図1に戻って、リチウムイオンポリマー二次電池10は、折畳まれた負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。挟持される正極シート11の正極活物質13の表面にもポリマー電解質層17が形成される、この実施の形態における正極集電体箔12はAl箔であり、正極活物質13には例えばLiCoO2が使用される。
【0013】
具体的な正極シート11の作製手順は、図5(a)及び(b)に示すように、活物質を溶液に分散混合したスラリーをドクターブレード法により塗布して乾燥することにより後に正極集電体箔になる帯状のAl箔18の上面に先ず正極活物質13を形成する。正極活物質13はAl箔18の一方の側部を除いて形成され、ポリマー電解質層17はこの正極活物質13を被覆する面積を有するように形成される。具体的には、図5(c)に示すように、電解質スラリーは正極活物質13を覆うように塗布し、その後乾燥することにより正極活物質13を被覆する面積に形成される。その後図5(d)に示すように、正極活物質13及びポリマー電解質層17を有する帯状のAl箔18は、その正極活物質13及びポリマー電解質層17とともに負極シート14の折畳み面積に相応した面積を有するように切断される。これにより、正極集電体箔12の表面に正極活物質13が形成され、その正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する所定の面積の正極シート11が複数枚作られる。
【0014】
次いで図4に示すように、ポリマー電解質層17を間に介装して正極シート11及び負極シート14が積層される。この積層は熱圧着により行われる。即ち、負極シート14に折目の間隔に相応する所定のピッチで複数の正極シート11を配置し、その状態で所定の温度に加熱された反対方向にそれぞれ回転する一対のローラ19,19間に図の実線矢印に示すように通過させ、ポリマー電解質層17を介装した状態で正極シート11及び負極シート14を熱圧着する。複数の正極シート11の負極シート14上への配置は、帯状の負極集電体箔15の一方の側縁15aが複数の正極集電体箔12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体箔12の他方の側縁12bがその帯状の負極集電体箔15の他方の側縁15bから突出するように、またそれぞれの正極シート11が負極シート14の折目に相当する部分をあけて配置される。
【0015】
図3に示すように、このように正極シート11が積層された負極シート14の折畳みは、正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げることにより行われる。このように折畳むと、帯状の負極集電体箔15の一方の側縁15aは複数の正極集電体箔12の一方の側縁12aから突出し、複数の正極集電体箔12の他方の側縁12bは帯状の負極集電体箔15の他方の側縁15bから突出した状態で積層される。図1に示すように、このように折畳まれた負極シート14の折目を除くポリマー電解質層17の間には、それぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の正極シート11が挟持される。一方、図2及び図3に示すように、複数の正極集電体箔12の一端12aから突出した負極集電体箔15の複数の突出部15cにはこの突出部15cを相互に接続する負極端子21の一端が止め金具22により設けられ、負極集電体箔15の他端縁15bから突出した正極集電体箔12の複数の突出部12cにはこの突出部12cを相互に接続する正極端子23の一端が止め金具22により設けられる。
【0016】
図1に示すように、負極活物質16の表面にポリマー電解質層17を有した状態で帯状の負極シート14を折畳むと、その折畳まれた負極シート14の折畳んだ一方の折目ではポリマー電解質層17が外部に表出する。図1及び図3に示すように、この外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように負極シート14の折目はフィルム26で被覆される。この実施の形態におけるフィルム26はポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなり、厚さが0.01〜0.2mm好ましくは0.02〜0.08mmのフィルム26が使用される。図3に示すように、このフィルム26の幅は帯状の負極シート14の幅と略同一または僅かに大きく形成され、粘着材層27(図1)が積層される。図1に示すように、この粘着材層27が積層されたフィルム26の両端部は、折畳まれた負極シート14の最上層と最下層の外表面に積層され、フィルム26の両端部における粘着材層27がその最上層と最下層の外表面に接着されることにより、負極シート14の折目はそのフィルム26により被覆される。
【0017】
図1及び図2に示すように、このように折畳まれた帯状の負極シート14は複数の正極シート14とともにパッケージシート24で密封される。この実施の形態におけるパッケージシート24はポリプロピレンがラミネートされたアルミニウム箔であり、一対のパッケージシート24で折畳まれた帯状の負極シート14を複数の正極シート11とともに挟み、真空雰囲気中でパッケージシート24の周囲を熱圧着することにより密封される。一対のパッケージシート24は正極端子23の他端及び負極端子21の他端がそれぞれそのパッケージシート24の外部に表出するように周囲が熱圧着され、このようにして作られたリチウムイオンポリマー二次電池10は、パッケージシート24から引出された正極及び負極端子21,23の他端を電池の端子として使用することにより所望の電気を得ることができる。
【0018】
このように構成されたリチウムイオンポリマー二次電池10は、外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように正極シート11又は負極シート14の折目をフィルム26で被覆したので、負極シート14の折目におけるポリマー電解質層17から電解液が揮発することをそのフィルム26が防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層17の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性が安定し、その信頼性を向上させることができる。特にこの実施の形態では、フィルム26が電解液の揮発を有効に防止するポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるので、折目におけるポリマー電解質層17の乾燥を十分に抑制することができる。
【0019】
また、フィルム26に粘着材層27を積層し、折畳まれた正極シート11又は負極シート14の最上層と最下層の外表面に単一のフィルム26の両端部を積層することにより負極シート14の折目を単一のフィルム26で被覆するので、折畳まれた負極シート14の最上層と最下層の外表面にフィルム26の端部を積層するだけの単純な作業で、その折目における全てのポリマー電解質層17を被覆することができ、このフィルム26の存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【0020】
なお、上述した実施の形態では、正極及び負極活物質13,16及びポリマー電解質層17を負極及び正極集電体箔12,15の表面である一方の面に塗布乾燥し、帯状の負極シート14の一方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着して正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げたが、図8に示すように、正極及び負極活物質13,16及びポリマー電解質層17を負極及び正極集電体箔12,15の上下の双方の面にそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極シート14の上下の双方の面に所定のピッチで複数の正極シート11を熱圧着し、図7に示すように、正極シート11が配置されていない負極シート14の折目を交互に折曲げたリチウムイオンポリマー二次電池であってもよい。但し、図7に示すように、負極及び正極集電体箔12,15の表面である両面に正極活物質13,16及びポリマー電解質層17をそれぞれ塗布乾燥した帯状の負極又は正極シート14、11を交互に折曲げると、折畳んだ両側にポリマー電解質層17が露出することになるため、この両側の外部に露出するポリマー電解質層17を覆うように負極シート14の折目をフィルム26で被覆することが必要である。
【0021】
また、上述した実施の形態では、帯状の負極シート14を折畳む場合を示したが、図示しないが、帯状の正極シートをポリマー電解質層を有した状態で1又は2回以上折畳み、折畳まれた正極シートの折目を除くポリマー電解質層の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シートを挟持してもよい。この場合、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する場合を説明したが、このように、帯状の正極シートを折畳む場合には、挟持される負極シートの活物質表面にポリマー電解質層が形成される。
また、上述した実施の形態では、挟持される正極シート11がその正極活物質13表面にポリマー電解質層17を有する場合を説明したが、図示しないが、負極シートの活物質表面にポリマー電解質層を介装して正極シートが積層可能である限り、正極シートの活物質表面にポリマー電解質層を予め形成しなくても良い。
更に、図4に正極シートと負極シートの双方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示し、また図8に正極シートと負極シートの双方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設けた例を示したが、本発明はこれらに限らず、正極シート又は負極シートの一方の両面に活物質及びポリマー電解質層を設け、正極シート又は負極シートの他方の片面に活物質及びポリマー電解質層を設けてもよい。この場合、片面に活物質及びポリマー電解質層を有するシートは帯状のシートであることが好ましい。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外部に露出するポリマー電解質層を覆うように正極シート又は負極シートの折目をフィルムで被覆するので、その折目におけるポリマー電解質層から電解液が揮発することをそのフィルムが防止する。その結果、その折目におけるポリマー電解質層の乾燥は抑制され、放電容量のサイクル特性及び高率充放電特性を安定させ、その信頼性を向上させることができる。この場合、フィルムがポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなるものであれば、その折目におけるポリマー電解質層の乾燥を十分に抑制することができる。
【0023】
また、フィルムに粘着材層を積層し、折畳まれた正極シート又は負極シートの最上層と最下層の外表面に単一のフィルムの両端部が積層するようにすれば、折畳まれた正極シート又は負極シートの最上層と最下層の外表面にフィルムの端部を積層するだけの単純な作業で正極シート又は負極シートの折目における全てのポリマー電解質層を被覆することができ、その作業性が向上する。また、本発明のリチウムイオン二次電池では、このフィルムの存在によりその折目に加わる外部からの衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池を示す図2のA−A線断面図。
【図2】その二次電池を示す図1のB−B線断面図。
【図3】その二次電池の構成を示す分解斜視図。
【図4】その負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示す斜視図。
【図5】その正極シートの製造工程を示す図。
【図6】その負極シートの製造工程を示す図。
【図7】本発明の別の二次電池を示す図1に対応する断面図。
【図8】その別の二次電池における負極シートに正極シートが熱圧着される状態を示す図4に対応する斜視図。
【符号の説明】
10 リチウムイオンポリマー二次電池
11 正極シート
12 正極集電体箔
13 正極活物質
14 負極シート
15 負極集電体箔
16 負極活物質
17 ポリマー電解質層
24 パッケージシート
26 フィルム
27 粘着材層
Claims (4)
- 正極集電体箔(12)の表面に正極活物質(13)が形成された正極シート(11)と、負極集電体箔(15)の表面に負極活物質(16)が形成された負極シート(14)と、前記正極活物質(13)と前記負極活物質(16)との間に介装されたポリマー電解質層(17)と、前記ポリマー電解質層(17)を介して積層された前記正極シート(11)及び前記負極シート(14)を密封するパッケージシート(24)とを備え、
前記正極シート(11)又は負極シート(14)が帯状であって前記正極活物質(13)又は前記負極活物質(16)表面に前記ポリマー電解質層(17)を有した状態で1又は2回以上折畳まれて形成され、前記折畳まれた正極シート(11)又は負極シート(14)の折目を除く前記ポリマー電解質層(17)の間にそれぞれ折畳み面積に相応した面積を有する複数の負極シート(14)又は正極シート(11)が挟持されたリチウムイオンポリマー二次電池において、
外部に露出する前記ポリマー電解質層(17)を覆うように前記正極シート(11)又は負極シート(14)の折目がフィルム(26)で被覆されたことを特徴とするリチウムイオンポリマー二次電池。 - フィルム(26)がポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなる請求項1記載のリチウムイオンポリマー二次電池。
- 折畳まれた正極シート(11)又は負極シート(14)の最上層と最下層の外表面に単一のフィルム(26)の両端部が積層されて前記正極シート(11)又は負極シート(14)の折目が前記フィルム(26)で被覆された請求項1又は2記載のリチウムイオンポリマー二次電池。
- フィルム(26)に粘着材層(27)が積層され、前記粘着材層(27)を介して前記フィルム(26)が前記正極シート(11)又は負極シート(14)の折目を被覆する請求項13記載のリチウムイオンポリマー二次電池。
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