JP2004203693A - 保水性硬化材およびそれを含む保水性硬化体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の保水性硬化体1は、アスファルト舗装体2の上に、道路等の表層部分として形成されるものであって、開粒度アスファルト混合物3の連続空隙内に保水性硬化材4を充填してなる。保水性硬化材4は、セメントと、セピオライトの如き繊維状のホルマイト系粘土鉱物と、減水剤とを含む。保水性硬化材4の材料であるホルマイト系粘土鉱物の配合量は、セメント100質量部に対して3〜150質量部である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車道、歩道、駐車場、建造物の屋上等の表面部分を構成する硬化体に関し、特に、夏季に表面の温度上昇を抑制することができる保水性硬化体、およびその材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セメント等の材料に、セピオライト等のホルマイト系粘土鉱物を添加して、セメント組成物の物性を向上させることが知られている。
例えば、セメントと、セピオライトの如きホルマイト鉱物と、軽量骨材と、特定のエマルジョン系混和剤とを特定の配合割合で混合してなるグラウト材組成物は、ホルマイト鉱物が吸水性を有することから、ブリーディングの発生を防止することができ、また、ホルマイト鉱物がチキソトロピー性を有することから、良好な保形性および可塑性を有することができる(特許文献1参照)。
また、セメントと砂と水とを混練する際に、セメントが水と反応してできる水和物の結晶よりも大きな繊維状物質(例えば、セピオライト等の繊維状粘土鉱物)を添加し混入させることによって、引張り応力が著しく向上したモルタル・コンクリートを得ることができる(特許文献2参照)。
上述の特許文献1や特許文献2の技術では、セピオライト等のホルマイト系粘土鉱物は、ブリーディングの発生の防止や、引張り応力の向上等のために、モルタルやコンクリートの材料として用いられている。
しかし、従来、セピオライト等のホルマイト系粘土鉱物を含む道路の舗装体は、知られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−19528号公報(特許請求の範囲、段落番号0013〜0015)
【特許文献2】
特開平5−238800号公報(段落番号0006〜0009)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
都市部等においては、夏季に、コンクリート建造物や道路の舗装体が太陽光エネルギーを吸収することによって、周辺環境の温度が上昇する現象(いわゆるヒートアイランド現象)が生じている。特に、夏季の晴天時における最も温度の高い時間帯には、道路の舗装体等の表面温度が約60℃にも達することがある。そのため、舗装体の表面温度が過度に上昇するのを抑制し得るような舗装材料が求められている。
そこで、本発明は、夏季に表面温度の上昇を抑制することができる舗装体等の硬化体、よびそれに用いる材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セメントと、セピオライトの如きホルマイト系粘土鉱物と、水とを含む保水性硬化材を調製したうえで、当該保水性硬化材を、開粒度アスファルト混合物の如き多孔質硬化体の連続空隙内に充填させることによって、表面温度の上昇を抑制し得る保水性硬化体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明(請求項1)の保水性硬化材は、セメントと、ホルマイト系粘土鉱物とを含むことを特徴としている。
本発明の保水性硬化材は、ホルマイト系粘土鉱物を含むため、良好な吸水性および保水性を有し、開粒度アスファルト混合物の如き多孔質硬化体の連続空隙内に充填するための材料として、水と混練した状態で用いた場合、当該多孔質硬化体が夏季に直射日光に曝されても、徐々に蒸発する水分の作用によって、当該多孔質硬化体の表面温度が過度に上昇するのを抑制することができる。
前述の保水性硬化材において、前記ホルマイト系粘土鉱物の配合量は、前記セメント100質量部に対して3〜150質量部であることが好ましい(請求項2)。
該配合量を前記数値範囲内に調整すれば、優れた機械的強度を確保しつつ、ホルマイト系粘土鉱物を配合することによる吸水性および保水性の向上の効果を十分に確保することができる。
前述の保水性硬化材において、前記ホルマイト系粘土鉱物の好ましい具体例としては、例えば、セピオライトが挙げられる(請求項3)。
【0006】
前述の保水性硬化材において、前記ホルマイト系粘土鉱物としては、好ましくは、200%以上の保水率を有するもの(例えば200%以上の保水率を有するセピオライト)が挙げられる(請求項4)。
前記保水性硬化材は、さらに水を含むことによって、後述の保水性硬化体を作製するための材料として好適に使用される(請求項5)。
当該水を含む保水性硬化材は、硬化前には流動性を有し、かつ硬化後には吸水性、保水性、機械的強度等の物性を発現するものである。
本発明(請求項6)の保水性硬化体は、連続空隙を有する多孔質硬化体(例えば、開粒度アスファルト混合物やポーラスコンクリート等の舗装体)と、該連続空隙内に充填された前記水を含む保水性硬化材(例えば、ペースト等)とからなることを特徴としている。
このように構成することによって、夏季の雨天時に吸水し保水した保水性硬化材が、天気の好転後の直射日光に曝露された高温の環境下においても、水分を急速に蒸散させることなく、徐々に水分を蒸発させ、その際に硬化体表面の熱を気化熱として奪うため、硬化体表面の温度の上昇を抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の保水性硬化材は、セメントと、ホルマイト系粘土鉱物とを含むものである。
本発明で使用するセメントの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を使用することができる。
【0008】
本発明で使用するホルマイト系粘土鉱物は、含水マグネシウム珪酸塩の如き含水珪酸塩を主成分とする天然無機粘土鉱物であり、乾燥固結性(水で練って乾燥すると固まる性質)を有するとともに、内部に微細な連続空隙を有することから、優れた吸水性および保水性を有するものである。
ホルマイト系粘土鉱物の形態としては、例えば、繊維状、粉末状、粒状、板状等が挙げられる。
中でも、繊維状のホルマイト系粘土鉱物は、セメント等と共に保水性硬化材を調製した場合、硬化前においては、チキソトロピー性(揺変性)を発現するため、保水性硬化材の流動性を向上させ、ブリーディングを防止し、しかも、当該保水性硬化材を充填させるべき場所(例えば、開粒度アスファルト混合物の連続空隙内)における付着性を高めるとともに、硬化後においては、当該繊維状のホルマイト系粘土鉱物の構成単位である繊維状のものが相互に絡み合ったような形となって、大きな奥行寸法を有する多数の微細な隙間を生じさせ、優れた吸水性および保水性を付与することができる。
なお、チキソトロピー性(揺変性)とは、剪断抵抗力を大きくすると粘度が小さくなり、逆に、剪断抵抗力を小さくすると粘度が大きくなる性質をいう。
【0009】
ホルマイト系粘土鉱物の具体例としては、例えば、セピオライト(主成分:含水マグネシウムシリケート;主成分の化学式:Mg4Si6O15(OH)2・6H2O)、アタパルジャイト(主成分:含水マグネシウムアルミニウムシリケート)、パリゴルスカイト(主成分:含水マグネシウムアルミニウムシリケート)等が挙げられる。
中でも、セピオライトは、原石を加工する過程で解繊することによって、繊維状の形態とすることができる。そして、繊維状のセピオライトは、セメント等と共に保水性硬化材を調製した場合、次のような利点を有する。
すなわち、第一に、繊維状のセピオライトを含む保水性硬化材は、チキソトロピー性(揺変性)を有するため、優れた流動性(施工作業の容易性)、材料分離抵抗性(ブリーディングの防止)、および付着性(施工後の連続空隙内での定着性)を示す。
第二に、繊維状のセピオライトの内部の結晶構造が、蜂の巣のようなチャンネル構造になっており、このチャンネル構造中の多数の細長い細孔が、高い吸水力および保水力を発揮するため、繊維状のセピオライトを含む保水性硬化材は、吸水性および保水性に優れる。
第三に、繊維状のセピオライトが吸水しても、当該セピオライトを含む保水性硬化材の膨張率が小さいことから、多孔質硬化体の連続空隙内で保水性硬化材が膨張して応力が発生したり、透水性が低下するおそれが少なく、多孔質硬化体に保水性硬化材を充填してなる保水性硬化体の耐久性等を向上させることができる。
【0010】
本発明で用いるセピオライト(特に繊維状のもの)を調製するには、まず、天然鉱物であるセピオライト原石を粗砕機で粉砕した後、さらに微粉砕機(例えば、ハンマーミル、レイモンドミル、竪型ローラミル、ボールミル等)で粉砕し解繊する。解繊後、必要に応じて、水簸、篩い分け、および分級の操作のいずれか単独またはこれらの2つ以上の操作の組み合わせによって、繊維形状を有するものの純度を高めるような処理を行なう。こうして得られたセピオライトを用いて、保水性硬化材を調製すれば、より一層優れた保水性を得ることができる。
【0011】
また、充分な保水性能を付与するセピオライトを得るためには、粉砕条件を打撃力から剪断力を主とするものに限定すると効果的である。例えば、チューブミルで粉砕する場合、粉砕媒体に関し、セピオライト原石等に過度の衝撃力を与えず、揉み解すような剪断力で解繊するものとなるように、条件を限定する必要がある。
また、原石を粗砕後、水中で長時間かけて解繊する方法を採ることもできる。本発明で用いる繊維状のセピオライトの長さ(繊維長)は、1μm以上のものが好適である。繊維状のセピオライトは、粉砕による繊維の折れが少なく、結果的にアスペクト比が大きく、保水性能が大きく、本発明において好適に用い得る材料である。
【0012】
繊維状のセピオライトを10質量%のスラリーとし、その粘度をB型粘度計で測定すると、ロータが回転し始めて3回転目の粘度は、1,500cps(センチポイズ)以上である。このように1,500cps以上の粘度を有するスラリー(保水性硬化材)は、保水性能が高く、好適に用いられる。
【0013】
本発明において、セピオライトの好適な保水率は、200%以上である。
ここで、保水率とは、一定量のセピオライトを秤量し、大型濾紙上に載置した後、セピオライトがブリーディングを発生し始める時点まで水を加えて、その時点における質量の増加量を測定し、その結果算出されるセピオライトに保持された水量(質量)を、当初のセピオライトの質量で除することによって得られる値をいう。なお、水を加える際、濾紙上に挟持する形でセピオライトを支持し、ブリーディングによって発生した水は、一定の圧力を加えて、保持の不完全な水とともに濾紙に沁み込ませることによって除去される。
【0014】
本発明の保水性硬化材において、ホルマイト系粘土鉱物の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは3〜150質量部、より好ましくは5〜120質量部、特に好ましくは20〜60質量部である。
該配合量が3質量部未満では、当該保水性硬化材を多孔質硬化体の連続空隙内に充填しても、十分な吸水性および保水性が得られないことがある。該配合量が150質量部を超えると、保水性硬化材の材料分離が生じ易くなったり、あるいは、曲げ強度等の機械的強度が低下して、多孔質硬化体の連続空隙内に当該保水性硬化材を充填することによる剛性および耐久性の向上の効果を十分に得ることができなくなるなどの問題が生じ得る。
【0015】
セメントおよびホルマイト系粘土鉱物の合計量100質量部に対する水の配合量は、セメントとホルマイト系粘土鉱物の配合割合によって異なるが、通常、50〜150質量部、好ましくは60〜130質量部である。
本発明の保水性硬化材を調製するに際し、減水剤を配合することができる。減水剤を用いることによって、単位水量を増大させずに、保水性硬化材の流動性を向上させ、多孔質硬化体の連続空隙内に保水性硬化材を充填する際の作業性を向上させることができる。
減水剤の具体例としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤が挙げられる。減水剤の形態は、液体でも粉末状でもよい。
減水剤の配合量は、減水剤の種類によっても異なるが、通常、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.1〜9質量部である。
なお、減水剤以外の混和剤として、必要に応じて、凝結遅延剤等を用いてもよい。
【0016】
本発明においては、必要に応じて、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、高炉スラグ、炭酸カルシウム等の無機質微粒子を、混和材として配合することができる。
無機質微粒子の配合割合は、セメント100質量部に対して、0〜40質量部、好ましくは0〜30質量部である。
セメントおよびホルマイト系粘土鉱物の合計量100質量部に対する水の配合量は、セメントとホルマイト系粘土鉱物の配合割合によって異なるが、通常、50〜150質量部、好ましくは60〜130質量部である。
【0017】
本発明の保水性硬化材を調製するには、二軸練りミキサ、パンタイプミキサ、揺動型ミキサ等のミキサに、保水性硬化材を構成する上述の各材料を投入して混練すればよい。
この際、各材料の投入方法としては、セメント、ホルマイト系粘土鉱物、減水剤、および水を一括して投入する方法や、水以外の材料(具体的には、セメント、ホルマイト系粘土鉱物、粉末状の減水剤)を予め混合してプレミックス材を調製した後、このプレミックス材を水と共にミキサに投入する方法等が挙げられる。
【0018】
次に、本発明の保水性硬化体について説明する。
本発明の保水性硬化体は、多孔質硬化体の連続空隙内に、上述の保水性硬化材を充填してなるものである。
ここで、多孔質硬化体としては、例えば、開粒度アスファルト混合物や、ポーラスコンクリート等が挙げられる。
多孔質硬化体として開粒度アスファルト混合物を用いた場合、本発明の保水性硬化体は、アスファルト舗装を本体として用いることによるたわみ性と、上述の保水性硬化材(セメント質硬化体)による良好な剛性および耐久性とを備えているため、半たわみ性舗装体として、特に、道路の交差点、バス停留所、空港等において好適に用いることができる。
多孔質硬化体としてポーラスコンクリートを用いた場合、本発明の保水性硬化体は、排水性、植物植栽性等の特性を有し得る舗装体として、特に、歩道、護岸、ビルの屋上等において好適に用いることができる。
なお、ポーラスコンクリートとしては、例えば、粒径10〜40mm程度の粗骨材を含み、かつ20〜40%程度の空隙率を有するものを用いることができる。
【0019】
本発明の保水性硬化体の一例の施工方法を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の保水性硬化体の一例を模式的に示す断面図である。
まず、既設のアスファルト舗装体2の上に、所定の厚さ(例えば、3〜10cm)となるように開粒度アスファルト混合物3を層状に打設して締め固める。これにより、アスファルト舗装体2を基層とし、開粒度アスファルト混合物3を表層とする積層体が形成される。なお、アスファルト舗装体2の材料としては、例えば、「道路工事設計基準」の規格に合致する基層用加熱アスファルト混合物を用いることができる。
次に、開粒度アスファルト混合物3の上面に、本発明の保水性硬化材4を供給し、開粒度アスファルト混合物3の連続空隙内に保水性硬化材4を自然流下または加圧によって充填する。この際、作業の効率化を図るために、バイブレータ等の充填手段を用いることが望ましい。
保水性硬化材4の充填作業が終了すると、開粒度アスファルト混合物3の連続空隙内に保水性硬化材4を充填してなる保水性硬化体1が完成する。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実験例に基づいて説明する。
[1.使用材料]
▲1▼ セメント;早強ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
▲2▼ ホルマイト系粘土鉱物;セピオライト(太平洋セメント社製)
▲3▼ 減水剤; (ナフタレンスルホン酸系の高性能AE減水剤「マイティ150」(商品名;花王社製))
▲4▼ 水;水道水
【0021】
[2.保水性硬化材の調製および物性の評価]
セメント、ホルマイト系粘土鉱物、減水剤の各材料を、表1に示す配合割合で混練り容器に入れ、高速ハンドミキサを用いて予め空練りし、プレミックス材を得た。次いで、得られたプレミックス材に水を加えて、再度、高速ハンドミキサで混練し、試料No.1〜No.5を調製した。
なお、表1中、セピオライトの添加量を増加させるにしたがって、水の添加量も増加させているのは、保水性硬化材(試料No.1〜No.5)の流動性(フロー値)をほぼ同じにするためである(表2を参照)。
得られた試料(No.1〜No.5)の流動性(フロー値)を、「土木学会コンクリート標準示方書基準編(JSCA)のプレパックドコンクリート用注入モルタル試験方法」中の「流動性試験Pロート法」に準じて測定した。結果を表2に示す。
【0022】
[3.保水性硬化材の作製および物性の評価]
各試料(No.1〜No.5)を4cm×4cm×16cmの型枠内に充填し、24時間後に脱型して、保水性硬化材(ペースト)の試験体を得た。
脱型後、温度20℃、相対湿度65%にて保水性硬化材の試験体の気中養生を行い、材齢7日における圧縮強度および曲げ強度を、「JIS R5201」に準じて測定した。結果を表2に示す。
また、材齢7日の保水性硬化材の試験体を、60℃のエアーバス中で24時間乾燥した後、質量を測定した。次いで、乾燥後の保水性硬化材の試験体を、20℃の水中に24時間浸漬し、浸漬後の質量を測定した。エアーバスで乾燥した後の保水性硬化材の試験体の質量と、水中に浸漬した後の保水性硬化材の試験体の質量とに基づいて、以下の式によって、質量基準の吸水率(%)、および保水性硬化材試験体の単位体積当たりの吸水量(g/cm3)を算出した。
吸水率(質量%)=[(水中浸漬後の試験体の質量)−(乾燥後の試験体の質量)]×100/(乾燥後の試験体の質量)
吸水量(g/cm3)=[(水中浸漬後の試験体の質量)−(乾燥後の試験体の質量)]×100/(乾燥後の試験体の体積)
結果を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
表2から、セピオライトを配合していない比較例1では、吸水率(質量%)および単位体積当たりの吸水量(g/cm3)が小さいことがわかる。一方、セピオライトを配合した実施例1〜4では、大きな吸水率(質量%)および単位体積当たりの吸水量(g/cm3)を得ている。
なお、保水性硬化体で用いられる保水材の標準的な性状は、一般に、材齢7日における圧縮強度で0.5N/mm2以上、材齢7日における曲げ強度で1.0N/mm2以上とされている。実施例1〜4の保水性硬化材は、これらの条件を満たしている。
したがって、実施例1〜4の保水性硬化材は、比較例1の保水性硬化材と比べて、開粒度アスファルト混合物の如き多孔質硬化体(具体的には、道路等の表層の舗装体)の連続空隙内に充填した場合に、夏季における直射日光への曝露下において、当該多孔質硬化体の表面温度の上昇を効果的に抑制することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の保水性硬化材は、ホルマイト系粘土鉱物を含むため、優れた吸水性及び保水性を有し、開粒度アスファルト混合物の如き道路等の表層を形成する多孔質硬化体の連続空隙内に充填することによって、夏季の直射日光への曝露下における当該多孔質硬化体の表面温度の上昇を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保水性硬化体の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 保水性硬化体
2 既設のアスファルト舗装体(基層)
3 開粒度アスファルト混合物(表層)
4 保水性硬化材
Claims (6)
- セメントと、ホルマイト系粘土鉱物を含むことを特徴とする保水性硬化材。
- 前記ホルマイト系粘土鉱物の配合量が、前記セメント100質量部に対して3〜150質量部である請求項1に記載の保水性硬化材。
- 前記ホルマイト系粘土鉱物がセピオライトである請求項1又は2に記載の保水性硬化材。
- 前記ホルマイト系粘土鉱物が200%以上の保水率を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の保水性硬化材。
- さらに水を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の保水性硬化材。
- 連続空隙を有する多孔質硬化体と、該連続空隙内に充填された請求項5に記載の保水性硬化材とからなることを特徴とする保水性硬化体。
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