JP2004197827A - フランジ継手装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小さなクランプ力でシール性を維持できるフランジ継手装置を提供する。
【解決手段】背面側周囲に第1の傾斜部19、20が形成された対となるフランジ部13、14と、第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22を有し、第2の傾斜部21、22がフランジ部13、14の軸心方向に移動することによって、フランジ部13、14を締結するクランプ部材28とを有するフランジ継手装置10において、第1の傾斜部19、20に、フランジ部13、14の軸心方向にその傾斜角度β、γが順次小さくなる複数の外傾斜面15、16、17、18をそれぞれ設け、第2の傾斜部21、22に、外傾斜面15、16、17、18に対応する傾斜角度β、γを有する内傾斜面24、25、26、27を設け、クランプ部材28の締結を段階的に強化した。
【選択図】 図1
【解決手段】背面側周囲に第1の傾斜部19、20が形成された対となるフランジ部13、14と、第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22を有し、第2の傾斜部21、22がフランジ部13、14の軸心方向に移動することによって、フランジ部13、14を締結するクランプ部材28とを有するフランジ継手装置10において、第1の傾斜部19、20に、フランジ部13、14の軸心方向にその傾斜角度β、γが順次小さくなる複数の外傾斜面15、16、17、18をそれぞれ設け、第2の傾斜部21、22に、外傾斜面15、16、17、18に対応する傾斜角度β、γを有する内傾斜面24、25、26、27を設け、クランプ部材28の締結を段階的に強化した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対となるフランジ部の背面側周囲に形成された傾斜部に係合するクランプ部材の傾斜部をフランジ部の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部を締結するフランジ継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医薬品製造や食品製造等の衛生用の配管に使用するフランジ継手装置の一例として、図4(A)、(B)に示すフランジ継手装置70が知られている。フランジ継手装置70においては、腐食や劣化等によりシール性能が低下したり、また、配置する位置により液溜まりが生じ、その結果、管内でバクテリア等が繁殖して不衛生な状態を作り出す恐れのあるOリング等のシール部材を使用せず、メタルタッチによりシール性を維持すると共に、取替えを短時間で行えるように構成されている。このため、フランジ継手装置70においては、図4(A)に示すように、雄型継手部(左側継手部)71の端部に設けられたフランジ部79の軸端に形成され、弾性を有する密接片部72を、雌型継手部(右側継手部)73の端部に形成されたフランジ部80の軸端に中央部に段差状に形成されたシール面74に嵌合して当接させると共に、図4(B)に示すように、先端部同士がヒンジされ、2分割された半割リング75、76を備えたクランプ部材77を用い、半割リング75、76の後端部75a、76aを、蝶ねじ78を介して締め付け、半割リング75、76を半径方向(軸心方向)に縮小するように構成されている。即ち、雄型及び雌型継手部71、73のフランジ部79、80の背面側にはそれぞれ、傾斜面81、82が形成されており、半割リング75、76の内周部には、傾斜面81、82に当接して半径方向に摺動する傾斜面83、84が形成されている。蝶ねじ78により半割リング75、76を半径方向に縮小することにより、半割リング75、76の傾斜面83、84がフランジ部79、80の傾斜面81、82に沿って半径方向内側に摺動して、楔作用によりフランジ部79、80同士を近接させ、密接片部72の当接面85の外周部にリング状に形成されたシール突起86をシール面74に押し付けることにより、シール性を維持するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、シール構造については、ここで示す弾性を有する密接片部72とシール面74とのメタルタッチのシール構造以外にも、他のメタルタッチのシール構造もあり、さらに、Oリング等のシール部材を用いる場合もある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−30366号公報(図8〜図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されたフランジ継手装置70においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
雄型継手部71の密接片部72と雌型継手部73のシール面74とのメタルタッチによりシールする構造となっているので、シール部材を用いてシールする場合に比較して、クランプ部材77には蝶ねじ78による大きなクランプ力が必要となった。
また、フランジ部79、80の傾斜面81、82及び半割リング75、76の傾斜面83、84は、軸方向に直交する方向に対して傾斜角度αで傾斜しているが、通常、傾斜角度αは30°程度と大きくして、傾斜面83、84の半径方向の移動量を小さくしているので、フランジ部79、80の軸心方向にメタルタッチによるシールを維持するために必要な力を付与するためには、蝶ねじ78にはさらに大きなクランプ力が必要となった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、小さなクランプ力でシール性を維持できるフランジ継手装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るフランジ継手装置は、背面側周囲に第1の傾斜部が形成された対となるフランジ部と、対となるフランジ部の第1の傾斜部に係合する第2の傾斜部を有し、第2の傾斜部がフランジ部の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部を締結するクランプ部材とを有するフランジ継手装置において、第1の傾斜部に、フランジ部の軸心方向にその傾斜角度が順次小さくなる複数の外傾斜面をそれぞれ設け、第2の傾斜部に、第1の傾斜部の複数の外傾斜面に対応する傾斜角度を有する複数の内傾斜面を設け、クランプ部材の締結を段階的に強化している。これによって、第1の傾斜部に設けられた複数の外傾斜面と第2の傾斜部に設けられた対応する複数の内傾斜面の傾斜角度が大きい最初の段階では、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面同士の楔作用により、軸心方向の移動距離が大きく、軸心方向の推進力が小さいが、段階的に傾斜角度が小さくなるに従って、軸心方向の移動距離が小さく、軸心方向の推進力が段階的に大きくなる。
【0007】
本発明に係るフランジ継手装置において、外傾斜面及び内傾斜面のいずれか一方又は双方には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われるように構成することもできる。これによって、第1の傾斜部に設けられた外傾斜面と第2の傾斜部に設けられた内傾斜面との間に作用する摩擦力を小さくできると共に、各傾斜面の硬度が高くなるので、クランプ部材に作用するクランプ力を軽減できると共に、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面の耐摩耗性が向上する。
【0008】
本発明に係るフランジ継手装置において、クランプ部材は、クランプ部材を対となるフランジ部に係合させて締結するねじ機構を備え、ねじ機構に用いる雄ねじ、雌ねじ及び座金には、締結時のねじ機構の抵抗力を下げる窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われるように構成することもできる。これによって、ねじ機構を介して作用させるクランプ力を軽減することができる。
【0009】
本発明に係るフランジ継手装置において、対となるフランジ部の一方のフランジ部の当接面側には、先側に1又は複数のリング状のシール突起が設けられたシール機構を備え、対向する他方のフランジ部のシール面とシール突起とのメタルタッチによって、対となるフランジ部のシールが行なわれるように構成することもできる。これによって、シール部材を使用することなくフランジ部の接続ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図、図2は同フランジ継手装置の締結動作の説明図、図3は本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【0011】
図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置10は、対となる雄型継手部(左側継手部)11及び雌型継手部(右側継手部)12のフランジ部13、14の背面側周囲に第1の傾斜部19、20が形成され、フランジ継手装置10に設けられたクランプ部材28には、第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22が形成されて、第2の傾斜部21、22がフランジ部13、14の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部13、14をクランプ部材28により締結するようになっている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0012】
図1に示すように、フランジ継手装置10のフランジ部13、14は、フランジ部13、14の軸心方向にその傾斜角度β、γが順次小さくなる2個の外傾斜面15、16、外傾斜面17、18がそれぞれ設けられた第1の傾斜部19、20を有し、フランジ継手装置10のクランプ部材28は、第1の傾斜部19、20に係合し、外傾斜面15、16、外傾斜面17、18に対応する(即ち、半径方向外側に順次小さくなる)傾斜角度β、γを有する内傾斜面24、25、内傾斜面26、27がそれぞれ設けられた第2の傾斜部21、22を備えている。なお、一例として、傾斜角度β=30°、γ=15°としている。
【0013】
雄型継手部11のフランジ部13の当接面側の軸端部には、弾性を有する環状の密接片部32が設けられており、密接片部32の当接面34の外周部にはリング状に形成されたシール突起35が設けられている。一方、対向する雌型継手部12のフランジ部14の当接面側の軸端部には、密接片部32のシール突起35が嵌合して当接可能なシール面33が段差状に形成されている。なお、シール機構はシール突起35及びシール面33を備えている。
なお、クランプ部材28(図4(B)の符号77に相当するもの)においては、フランジ部13、14に設けられた第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22が形成された2分割された半割リング23(図4の半割リング75に相当するもの)及び半割リング23と対となる2分割された半割リング(半割リング76に相当するもので省略している)の先端部同士がヒンジ金具を介してヒンジされている。
【0014】
外傾斜面15〜18及び内傾斜面24〜27のいずれか一方又は双方には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われており、これにより外傾斜面15〜18と内傾斜面24〜27との摩擦係数がフランジ部13、14の他の部分より小さくなると共に、外傾斜面15〜18、内傾斜面24〜27の硬度もフランジ部13、14の他の部分より高くなる。
【0015】
半割リング23と対となる半割リングとの後端部(図4(B)の符号75a、76aに相当)は、蝶ねじ(図示せず)を介して締め付け、半割リング23と対となる半割リングとを実質的に半径方向(軸心方向)に縮小するように構成されている。蝶ねじの雄ねじ、雄ねじに螺合する雌ねじ及び、締め付け時に蝶ねじの頭部と当接し、回転摺動する座金を有してねじ機構が構成されており、雄ねじ、雄ねじ及び座金についても、外傾斜面15〜18、内傾斜面24〜27と同様に、締結時のねじ機構の抵抗力を下げるために、窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。
【0016】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置10の作用について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、図2はわかりやすく説明するために、対向するフランジ部13、14をより広げた状態で記載している。
(1)雄型継手部11のフランジ部13の軸端部に設けられ、弾性を有する密接片部32を、雌型継手部12のフランジ部14の軸端部に段差状に形成されたシール面33に嵌合して、密接片部32の当接面34に形成されたシール突起35をシール面33に軽く当接するように配置する。
【0017】
(2)クランプ部材28の半割リング23及び対となる半割リングの内周部に形成された第2の傾斜部21、22の内傾斜面24、26(傾斜角度β)の先端側をそれぞれ、対となるフランジ部13、14の第1の傾斜部19、20の対応する外傾斜面15、17(傾斜角度β)の先端側に当接させるようにクランプ部材28を配置する。
(3)クランプ部材28のねじ機構により、半割リング23及び対となる半割リングを半径方向内側に縮小させると、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動し、軸心方向の推進力によりフランジ部13、14同士も接近して内傾斜面24と外傾斜面15とが、また、内傾斜面26と外傾斜面17とが略全面にわたり当接した状態となる。
【0018】
(4)ねじ機構により、さらに、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動すると、内傾斜面24、26の後端(図1の上側端)が、外傾斜面15、17の後端(図1の下側端)まで移動する。前記(3)及び(4)では、傾斜角度βでの楔作用のため、軸心方向の移動距離は大きいが推進力は小さい。
(5)もっと、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動すると、傾斜角度γの内傾斜面25、27の前端(内傾斜面24、26の後端)が外傾斜面16、18の前端(外傾斜面15、17の後端)から外傾斜面16、18に沿って摺動しながら移動する。この際、小さい傾斜角度γでの楔作用のため、軸心方向の移動距離は小さいが推進力は大きくなる。
【0019】
従って、前半の大きな傾斜角度βでの楔作用により、フランジ部13、14が大きな移動距離で接近し、後半の小さな傾斜角度γでの楔作用により、フランジ部13、14に大きな推進力により、密接片部32のシール突起35をシール面33に強く当接させて弾性変形させることができる。
また、後半の大きな推進力を発生させる際には、締結時のねじ機構の抵抗力を下げるために必要な処理が行われているので、小さな作用力又はモーメントにより締結でき、大きなクランプ力が不要となる。
【0020】
図3に示す本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置40が、フランジ継手装置10と基本的に異なる点は、シール構造がメタルタッチではなく、Oパッキン等のシール部材(図示せず)を嵌装する構造とした点である。なお、説明を簡略にするため、シール部材及びシール溝等を省略している。
【0021】
対となる左側継手部11a及び右側継手部12aのフランジ部13a、14aの背面側周囲にそれぞれ、第1の傾斜部19a、20aの一部を構成する2段の外傾斜面15a、16a、外傾斜面17a、18aが形成されており、一方、図示しないクランプ部材を構成する半割リング23a及び半割リング23aと対となる半割リング(図示せず)の内周部には、第1の傾斜部19a、20aに係合する第2の傾斜部21a、22aの一部をそれぞれ構成する2段の内傾斜面24a、25a、内傾斜面26a、27aが形成されている。
【0022】
また、外傾斜面15a〜18a及び内傾斜面24a〜27aにも、フランジ継手装置10と同様に、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。さらに、クランプ部材のねじ機構についても、フランジ継手装置10と同様に、窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。なお、フランジ継手装置40の作用については、フランジ継手装置10の場合と略同じであるので、説明を割愛する。
【0023】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフランジ継手装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、フランジ継手装置10(40も同じ)にて、第1の傾斜部及び第1の傾斜部に係合する第2の傾斜部にそれぞれ、2段の外及び内傾斜面を形成したが、これに限定されず、状況に応じて、3段以上の外及び内傾斜面を形成しても構わない。
【0024】
フランジ継手装置10(40も同じ)にて、フランジ部13、14の対となる外傾斜面15、16、外傾斜面17、18に対応する内傾斜面24、25、内傾斜面26、27を半割リング23に設けたが、これに限定されず、必要に応じて、半割リングの内傾斜面24、26を内傾斜面25、27と同一面(傾斜角度γ)に形成したり、また、フランジ部13、14の外傾斜面15、17を外傾斜面16、18と同一面(傾斜角度γ)に形成することもできる。
【0025】
半割リング23を備えたクランプ部材には、クランプ部材を対となるフランジ部に係合させて締結するねじ機構を備えたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の締結手段(例えば、楔作用による締結)を用いることもできる。
外及び内傾斜面には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理を行って、当接摺動する外及び内傾斜面の摩擦係数がフランジ部の他の部分より小さくなると共に、その硬度がフランジ部の他の部分より高くなるようにしたが、これに限定されず、状況に応じて、この処理を省略しても構わない。
【0026】
対となる一方のフランジ部13の当接面側には、先側に1状のリング状のシール突起35を設けたシール機構を備え、対向する他方のフランジ部14のシール面33とシール突起35とのメタルタッチによって、対となるフランジ部13、14のシールを行なうようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、他のシール構造のメタルタッチによって、対となるフランジ部のシールを行なうようにすることもできる。
フランジ部、半割リング及びねじ機構の材質について言及しなかったが、ステンレス鋼、軟質鋼、硬質鋼等を使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のフランジ継手装置においては、傾斜面の傾斜角度が大きい最初の段階では、軸心方向の移動距離が大きく、軸心方向の推進力が小さいが、段階的に傾斜角度が小さくなるに従って、軸心方向の移動距離が小さく、軸心方向の推進力が段階的に大きくなるので、従来の一段の傾斜面同士の楔作用に較べて、大きな軸心方向の推進力を発揮でき、この結果、小さなクランプ力の作用でフランジ部の締結ができる。
【0028】
特に、請求項2記載のフランジ継手装置においては、当接摺動する各傾斜面に作用する摩擦力を小さくできると共に、各傾斜面の硬度が高くなるので、クランプ部材に作用するクランプ力を軽減できると共に、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面の耐摩耗性が向上するため、締結の作業性が向上し、また、耐用年数が長くなる。
【0029】
請求項3記載のフランジ継手装置においては、ねじ機構を介して作用させるクランプ力を軽減することができるので、締結の作業性がさらに向上する。
請求項4記載のフランジ継手装置においては、シール部材を使用することなくフランジの接続ができるので、医薬品製造や食品製造等の衛生用の配管に使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【図2】同フランジ継手装置の締結動作の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【図4】(A)は従来例に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図、(B)はクランプ部材の斜視図である。
【符号の説明】
10:フランジ継手装置、11:雄型継手部、11a:左側継手部、12:雌型継手部、12a:右側継手部、13、13a:フランジ部、14、14a:フランジ部、15、15a:外傾斜面、16、16a:外傾斜面、17、17a:外傾斜面、18、18a:外傾斜面、19、19a:第1の傾斜部、20、20a:第1の傾斜部、21、21a:第2の傾斜部、22、22a:第2の傾斜部、23、23a:半割リング、24、24a:内傾斜面、25、25a:内傾斜面、26、26a:内傾斜面、27、27a:内傾斜面、28:クランプ部材、32:密接片部、33:シール面、34:当接面、35:シール突起、40:フランジ継手装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、対となるフランジ部の背面側周囲に形成された傾斜部に係合するクランプ部材の傾斜部をフランジ部の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部を締結するフランジ継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医薬品製造や食品製造等の衛生用の配管に使用するフランジ継手装置の一例として、図4(A)、(B)に示すフランジ継手装置70が知られている。フランジ継手装置70においては、腐食や劣化等によりシール性能が低下したり、また、配置する位置により液溜まりが生じ、その結果、管内でバクテリア等が繁殖して不衛生な状態を作り出す恐れのあるOリング等のシール部材を使用せず、メタルタッチによりシール性を維持すると共に、取替えを短時間で行えるように構成されている。このため、フランジ継手装置70においては、図4(A)に示すように、雄型継手部(左側継手部)71の端部に設けられたフランジ部79の軸端に形成され、弾性を有する密接片部72を、雌型継手部(右側継手部)73の端部に形成されたフランジ部80の軸端に中央部に段差状に形成されたシール面74に嵌合して当接させると共に、図4(B)に示すように、先端部同士がヒンジされ、2分割された半割リング75、76を備えたクランプ部材77を用い、半割リング75、76の後端部75a、76aを、蝶ねじ78を介して締め付け、半割リング75、76を半径方向(軸心方向)に縮小するように構成されている。即ち、雄型及び雌型継手部71、73のフランジ部79、80の背面側にはそれぞれ、傾斜面81、82が形成されており、半割リング75、76の内周部には、傾斜面81、82に当接して半径方向に摺動する傾斜面83、84が形成されている。蝶ねじ78により半割リング75、76を半径方向に縮小することにより、半割リング75、76の傾斜面83、84がフランジ部79、80の傾斜面81、82に沿って半径方向内側に摺動して、楔作用によりフランジ部79、80同士を近接させ、密接片部72の当接面85の外周部にリング状に形成されたシール突起86をシール面74に押し付けることにより、シール性を維持するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、シール構造については、ここで示す弾性を有する密接片部72とシール面74とのメタルタッチのシール構造以外にも、他のメタルタッチのシール構造もあり、さらに、Oリング等のシール部材を用いる場合もある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−30366号公報(図8〜図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載されたフランジ継手装置70においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
雄型継手部71の密接片部72と雌型継手部73のシール面74とのメタルタッチによりシールする構造となっているので、シール部材を用いてシールする場合に比較して、クランプ部材77には蝶ねじ78による大きなクランプ力が必要となった。
また、フランジ部79、80の傾斜面81、82及び半割リング75、76の傾斜面83、84は、軸方向に直交する方向に対して傾斜角度αで傾斜しているが、通常、傾斜角度αは30°程度と大きくして、傾斜面83、84の半径方向の移動量を小さくしているので、フランジ部79、80の軸心方向にメタルタッチによるシールを維持するために必要な力を付与するためには、蝶ねじ78にはさらに大きなクランプ力が必要となった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、小さなクランプ力でシール性を維持できるフランジ継手装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るフランジ継手装置は、背面側周囲に第1の傾斜部が形成された対となるフランジ部と、対となるフランジ部の第1の傾斜部に係合する第2の傾斜部を有し、第2の傾斜部がフランジ部の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部を締結するクランプ部材とを有するフランジ継手装置において、第1の傾斜部に、フランジ部の軸心方向にその傾斜角度が順次小さくなる複数の外傾斜面をそれぞれ設け、第2の傾斜部に、第1の傾斜部の複数の外傾斜面に対応する傾斜角度を有する複数の内傾斜面を設け、クランプ部材の締結を段階的に強化している。これによって、第1の傾斜部に設けられた複数の外傾斜面と第2の傾斜部に設けられた対応する複数の内傾斜面の傾斜角度が大きい最初の段階では、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面同士の楔作用により、軸心方向の移動距離が大きく、軸心方向の推進力が小さいが、段階的に傾斜角度が小さくなるに従って、軸心方向の移動距離が小さく、軸心方向の推進力が段階的に大きくなる。
【0007】
本発明に係るフランジ継手装置において、外傾斜面及び内傾斜面のいずれか一方又は双方には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われるように構成することもできる。これによって、第1の傾斜部に設けられた外傾斜面と第2の傾斜部に設けられた内傾斜面との間に作用する摩擦力を小さくできると共に、各傾斜面の硬度が高くなるので、クランプ部材に作用するクランプ力を軽減できると共に、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面の耐摩耗性が向上する。
【0008】
本発明に係るフランジ継手装置において、クランプ部材は、クランプ部材を対となるフランジ部に係合させて締結するねじ機構を備え、ねじ機構に用いる雄ねじ、雌ねじ及び座金には、締結時のねじ機構の抵抗力を下げる窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われるように構成することもできる。これによって、ねじ機構を介して作用させるクランプ力を軽減することができる。
【0009】
本発明に係るフランジ継手装置において、対となるフランジ部の一方のフランジ部の当接面側には、先側に1又は複数のリング状のシール突起が設けられたシール機構を備え、対向する他方のフランジ部のシール面とシール突起とのメタルタッチによって、対となるフランジ部のシールが行なわれるように構成することもできる。これによって、シール部材を使用することなくフランジ部の接続ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図、図2は同フランジ継手装置の締結動作の説明図、図3は本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【0011】
図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置10は、対となる雄型継手部(左側継手部)11及び雌型継手部(右側継手部)12のフランジ部13、14の背面側周囲に第1の傾斜部19、20が形成され、フランジ継手装置10に設けられたクランプ部材28には、第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22が形成されて、第2の傾斜部21、22がフランジ部13、14の軸心方向に移動することによって、対となるフランジ部13、14をクランプ部材28により締結するようになっている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0012】
図1に示すように、フランジ継手装置10のフランジ部13、14は、フランジ部13、14の軸心方向にその傾斜角度β、γが順次小さくなる2個の外傾斜面15、16、外傾斜面17、18がそれぞれ設けられた第1の傾斜部19、20を有し、フランジ継手装置10のクランプ部材28は、第1の傾斜部19、20に係合し、外傾斜面15、16、外傾斜面17、18に対応する(即ち、半径方向外側に順次小さくなる)傾斜角度β、γを有する内傾斜面24、25、内傾斜面26、27がそれぞれ設けられた第2の傾斜部21、22を備えている。なお、一例として、傾斜角度β=30°、γ=15°としている。
【0013】
雄型継手部11のフランジ部13の当接面側の軸端部には、弾性を有する環状の密接片部32が設けられており、密接片部32の当接面34の外周部にはリング状に形成されたシール突起35が設けられている。一方、対向する雌型継手部12のフランジ部14の当接面側の軸端部には、密接片部32のシール突起35が嵌合して当接可能なシール面33が段差状に形成されている。なお、シール機構はシール突起35及びシール面33を備えている。
なお、クランプ部材28(図4(B)の符号77に相当するもの)においては、フランジ部13、14に設けられた第1の傾斜部19、20に係合する第2の傾斜部21、22が形成された2分割された半割リング23(図4の半割リング75に相当するもの)及び半割リング23と対となる2分割された半割リング(半割リング76に相当するもので省略している)の先端部同士がヒンジ金具を介してヒンジされている。
【0014】
外傾斜面15〜18及び内傾斜面24〜27のいずれか一方又は双方には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われており、これにより外傾斜面15〜18と内傾斜面24〜27との摩擦係数がフランジ部13、14の他の部分より小さくなると共に、外傾斜面15〜18、内傾斜面24〜27の硬度もフランジ部13、14の他の部分より高くなる。
【0015】
半割リング23と対となる半割リングとの後端部(図4(B)の符号75a、76aに相当)は、蝶ねじ(図示せず)を介して締め付け、半割リング23と対となる半割リングとを実質的に半径方向(軸心方向)に縮小するように構成されている。蝶ねじの雄ねじ、雄ねじに螺合する雌ねじ及び、締め付け時に蝶ねじの頭部と当接し、回転摺動する座金を有してねじ機構が構成されており、雄ねじ、雄ねじ及び座金についても、外傾斜面15〜18、内傾斜面24〜27と同様に、締結時のねじ機構の抵抗力を下げるために、窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。
【0016】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置10の作用について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、図2はわかりやすく説明するために、対向するフランジ部13、14をより広げた状態で記載している。
(1)雄型継手部11のフランジ部13の軸端部に設けられ、弾性を有する密接片部32を、雌型継手部12のフランジ部14の軸端部に段差状に形成されたシール面33に嵌合して、密接片部32の当接面34に形成されたシール突起35をシール面33に軽く当接するように配置する。
【0017】
(2)クランプ部材28の半割リング23及び対となる半割リングの内周部に形成された第2の傾斜部21、22の内傾斜面24、26(傾斜角度β)の先端側をそれぞれ、対となるフランジ部13、14の第1の傾斜部19、20の対応する外傾斜面15、17(傾斜角度β)の先端側に当接させるようにクランプ部材28を配置する。
(3)クランプ部材28のねじ機構により、半割リング23及び対となる半割リングを半径方向内側に縮小させると、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動し、軸心方向の推進力によりフランジ部13、14同士も接近して内傾斜面24と外傾斜面15とが、また、内傾斜面26と外傾斜面17とが略全面にわたり当接した状態となる。
【0018】
(4)ねじ機構により、さらに、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動すると、内傾斜面24、26の後端(図1の上側端)が、外傾斜面15、17の後端(図1の下側端)まで移動する。前記(3)及び(4)では、傾斜角度βでの楔作用のため、軸心方向の移動距離は大きいが推進力は小さい。
(5)もっと、第2の傾斜部21、22が軸心方向に移動すると、傾斜角度γの内傾斜面25、27の前端(内傾斜面24、26の後端)が外傾斜面16、18の前端(外傾斜面15、17の後端)から外傾斜面16、18に沿って摺動しながら移動する。この際、小さい傾斜角度γでの楔作用のため、軸心方向の移動距離は小さいが推進力は大きくなる。
【0019】
従って、前半の大きな傾斜角度βでの楔作用により、フランジ部13、14が大きな移動距離で接近し、後半の小さな傾斜角度γでの楔作用により、フランジ部13、14に大きな推進力により、密接片部32のシール突起35をシール面33に強く当接させて弾性変形させることができる。
また、後半の大きな推進力を発生させる際には、締結時のねじ機構の抵抗力を下げるために必要な処理が行われているので、小さな作用力又はモーメントにより締結でき、大きなクランプ力が不要となる。
【0020】
図3に示す本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置40が、フランジ継手装置10と基本的に異なる点は、シール構造がメタルタッチではなく、Oパッキン等のシール部材(図示せず)を嵌装する構造とした点である。なお、説明を簡略にするため、シール部材及びシール溝等を省略している。
【0021】
対となる左側継手部11a及び右側継手部12aのフランジ部13a、14aの背面側周囲にそれぞれ、第1の傾斜部19a、20aの一部を構成する2段の外傾斜面15a、16a、外傾斜面17a、18aが形成されており、一方、図示しないクランプ部材を構成する半割リング23a及び半割リング23aと対となる半割リング(図示せず)の内周部には、第1の傾斜部19a、20aに係合する第2の傾斜部21a、22aの一部をそれぞれ構成する2段の内傾斜面24a、25a、内傾斜面26a、27aが形成されている。
【0022】
また、外傾斜面15a〜18a及び内傾斜面24a〜27aにも、フランジ継手装置10と同様に、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。さらに、クランプ部材のねじ機構についても、フランジ継手装置10と同様に、窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われている。なお、フランジ継手装置40の作用については、フランジ継手装置10の場合と略同じであるので、説明を割愛する。
【0023】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフランジ継手装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、フランジ継手装置10(40も同じ)にて、第1の傾斜部及び第1の傾斜部に係合する第2の傾斜部にそれぞれ、2段の外及び内傾斜面を形成したが、これに限定されず、状況に応じて、3段以上の外及び内傾斜面を形成しても構わない。
【0024】
フランジ継手装置10(40も同じ)にて、フランジ部13、14の対となる外傾斜面15、16、外傾斜面17、18に対応する内傾斜面24、25、内傾斜面26、27を半割リング23に設けたが、これに限定されず、必要に応じて、半割リングの内傾斜面24、26を内傾斜面25、27と同一面(傾斜角度γ)に形成したり、また、フランジ部13、14の外傾斜面15、17を外傾斜面16、18と同一面(傾斜角度γ)に形成することもできる。
【0025】
半割リング23を備えたクランプ部材には、クランプ部材を対となるフランジ部に係合させて締結するねじ機構を備えたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の締結手段(例えば、楔作用による締結)を用いることもできる。
外及び内傾斜面には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理を行って、当接摺動する外及び内傾斜面の摩擦係数がフランジ部の他の部分より小さくなると共に、その硬度がフランジ部の他の部分より高くなるようにしたが、これに限定されず、状況に応じて、この処理を省略しても構わない。
【0026】
対となる一方のフランジ部13の当接面側には、先側に1状のリング状のシール突起35を設けたシール機構を備え、対向する他方のフランジ部14のシール面33とシール突起35とのメタルタッチによって、対となるフランジ部13、14のシールを行なうようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、他のシール構造のメタルタッチによって、対となるフランジ部のシールを行なうようにすることもできる。
フランジ部、半割リング及びねじ機構の材質について言及しなかったが、ステンレス鋼、軟質鋼、硬質鋼等を使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のフランジ継手装置においては、傾斜面の傾斜角度が大きい最初の段階では、軸心方向の移動距離が大きく、軸心方向の推進力が小さいが、段階的に傾斜角度が小さくなるに従って、軸心方向の移動距離が小さく、軸心方向の推進力が段階的に大きくなるので、従来の一段の傾斜面同士の楔作用に較べて、大きな軸心方向の推進力を発揮でき、この結果、小さなクランプ力の作用でフランジ部の締結ができる。
【0028】
特に、請求項2記載のフランジ継手装置においては、当接摺動する各傾斜面に作用する摩擦力を小さくできると共に、各傾斜面の硬度が高くなるので、クランプ部材に作用するクランプ力を軽減できると共に、当接摺動する外傾斜面及び内傾斜面の耐摩耗性が向上するため、締結の作業性が向上し、また、耐用年数が長くなる。
【0029】
請求項3記載のフランジ継手装置においては、ねじ機構を介して作用させるクランプ力を軽減することができるので、締結の作業性がさらに向上する。
請求項4記載のフランジ継手装置においては、シール部材を使用することなくフランジの接続ができるので、医薬品製造や食品製造等の衛生用の配管に使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【図2】同フランジ継手装置の締結動作の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図である。
【図4】(A)は従来例に係るフランジ継手装置の締結前の要部断面図、(B)はクランプ部材の斜視図である。
【符号の説明】
10:フランジ継手装置、11:雄型継手部、11a:左側継手部、12:雌型継手部、12a:右側継手部、13、13a:フランジ部、14、14a:フランジ部、15、15a:外傾斜面、16、16a:外傾斜面、17、17a:外傾斜面、18、18a:外傾斜面、19、19a:第1の傾斜部、20、20a:第1の傾斜部、21、21a:第2の傾斜部、22、22a:第2の傾斜部、23、23a:半割リング、24、24a:内傾斜面、25、25a:内傾斜面、26、26a:内傾斜面、27、27a:内傾斜面、28:クランプ部材、32:密接片部、33:シール面、34:当接面、35:シール突起、40:フランジ継手装置
Claims (4)
- 背面側周囲に第1の傾斜部が形成された対となるフランジ部と、該対となるフランジ部の前記第1の傾斜部に係合する第2の傾斜部を有し、該第2の傾斜部が前記フランジ部の軸心方向に移動することによって、該対となるフランジ部を締結するクランプ部材とを有するフランジ継手装置において、
前記第1の傾斜部に、前記フランジ部の軸心方向にその傾斜角度が順次小さくなる複数の外傾斜面をそれぞれ設け、前記第2の傾斜部に、前記第1の傾斜部の複数の外傾斜面に対応する傾斜角度を有する複数の内傾斜面を設け、前記クランプ部材の締結を段階的に強化したことを特徴とするフランジ継手装置。 - 請求項1記載のフランジ継手装置において、前記外傾斜面及び内傾斜面のいずれか一方又は双方には、窒化、メッキ、溶射、表面研摩及び他金属コーティングのいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われていることを特徴とするフランジ継手装置。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のフランジ継手装置において、前記クランプ部材は、該クランプ部材を前記対となるフランジ部に係合させて締結するねじ機構を備え、該ねじ機構に用いる雄ねじ、雌ねじ及び座金には、該締結時のねじ機構の抵抗力を下げる窒化、メッキ、溶射及び表面研摩のいずれか1又は2以上からなる摩擦係数低減処理が行われていることを特徴とするフランジ継手装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフランジ継手装置において、前記対となるフランジ部の一方のフランジ部の当接面側には、先側に1又は複数のリング状のシール突起が設けられたシール機構を備え、対向する他方のフランジ部のシール面と前記シール突起とのメタルタッチによって、前記対となるフランジ部のシールが行なわれることを特徴とするフランジ継手装置。
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