JP2004194118A - ソフト切換スイッチおよびアナログ信号処理回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】アナログ信号の切り換えにおいてコストアップを招来する特別の措置を講ずることなく切換ノイズの発生が低減でき、急激なレベル変化があっても滑らかな切り換えを行って聴感上の違和感を減少させることができるソフト切換スイッチおよび前記ソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路を得ること。
【解決手段】このソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとを並列に接続したアナログスイッチ1と、NMOSトランジスタ1aおよびPMOSトランジスタ1bのゲート電圧を直線状にまたは階段状に増減変化させ、前記アナログスイッチのオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が繋がるように補完するスイッチ制御回路2とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】このソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとを並列に接続したアナログスイッチ1と、NMOSトランジスタ1aおよびPMOSトランジスタ1bのゲート電圧を直線状にまたは階段状に増減変化させ、前記アナログスイッチのオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が繋がるように補完するスイッチ制御回路2とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソフト切換スイッチおよび前記ソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオの分野では、アナログ信号の切り換えを行う際に発生するノイズがスピーカから非常に耳障りな音として出力されるので、問題になっている。このアナログ信号の切り換えを行う回路として、例えば、設定値の切り換えを行うボリューム回路がある。ボリューム回路には、種々の形式があるが、ここでは、特許文献1に記載された電子ボリューム回路を例に挙げて説明する。
【0003】
この電子ボリューム回路は、複数の抵抗素子を直列に接続した抵抗ラダーと、その抵抗ラダーから1つの抵抗値を導出する複数のスイッチと、導出された1つの抵抗値を示す信号を増幅するOPアンプと、各スイッチをオン・オフ制御するボリューム制御回路とで構成されている。
【0004】
この電子ボリューム回路において、入力するアナログ信号は刻々変化するが、信号リファレンスレベルと一致したゼロクロス点でスイッチの切り換えが行えると、切換前後で信号レベルに変化がない場合には、切換ノイズは発生しない。しかし、前段回路の出力にDCオフセット成分が存在すると、無信号状態の場合にリファレンスレベルを跨ぐことがないので、ゼロクロス切換が実行できない。
【0005】
このような場合に備え、設定時間内にゼロクロスが発生しない場合には強制的にスイッチの切り換えを行うようになっているので、必然的に切換ノイズが発生することになる。そのため、前段回路の出力端と当該電子ボリューム回路の入力端との間にDC成分をカットするコンデンサを設けることで対処している場合が多い。この場合、DC成分をカットするコンデンサは容量が大きく、集積回路内に実現することが困難であるので、集積回路にコンデンサを外付けするピンを設けている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−26670号公報(0002〜0005、図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、切換ノイズの発生をDC成分をカットするコンデンサの外付けによって対処する方法では、集積回路の必要ピン数が扱う信号チャネルの数に応じて増大するので、集積回路のパッケージ代が高くなる。また、扱う信号チャネルの全てにおいて入力信号が異なるので、ゼロクロス検出回路は個別に必要になる。その結果、回路規模やチップ面積の増大を招来し、集積回路の価格に影響を与える。一方、正しくゼロクロス切換が実行できても、急激なレベル変化がある場合には、切換ノイズの発生時と同様に、聴感上違和感が発生する。
【0008】
以上の問題は、ボリューム回路だけでなく、ミュート回路やセレクタ回路など、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路において同様に生ずる問題であり、改善が望まれている。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、アナログ信号の切り換えにおいてコストアップを招来する特別の措置を講ずることなく切換ノイズの発生が低減でき、急激なレベル変化があっても滑らかな切り換えを行って聴感上の違和感を減少させることができるソフト切換スイッチおよび前記ソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列に接続したアナログスイッチと、前記NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのゲート電圧を直線状にまたは階段状に増減変化させ、前記アナログスイッチのオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が繋がるように補完するスイッチ制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、アナログスイッチのオン状態とオフ状態の間におけるオン抵抗が繋がるように補完し、それを入力するアナログ信号に適用するので、滑らかな切り換えが実現でき、アナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。したがって、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路が実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるソフト切換スイッチおよびアナログ信号処理回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。図1に示すソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとを並列に接続したアナログスイッチ1と、切換指令に応答してNMOSトランジスタ1aおよびPMOSトランジスタ1bのゲート電圧を制御してオン抵抗を連続的に変化させるスイッチ制御回路2とを備えている。
【0014】
次に、図1〜図3を参照して、図1に示すソフト切換スイッチの動作について説明する。なお、図2は、図1に示すアナログスイッチのオン抵抗と制御電圧との関係を示す特性図である。図3は、図1に示すスイッチ制御回路が制御電圧を直線状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【0015】
図2において、横軸は、アナログスイッチ1に与える制御電圧、縦軸は、アナログスイッチ1が示すオン抵抗である。
【0016】
アナログスイッチ1は、一般には、オン状態とオフ状態の2状態で使用するようになっている。すなわち、スイッチオン時には、NMOSトランジスタ1aは最高電圧(完全オンの制御電圧ON)で制御し、PMOSトランジスタ1bは最低電圧(完全オンの制御電圧ON)で制御する。また、スイッチオフ時には、NMOSトランジスタ1aは最低電圧(完全オフの制御電圧OFF)で制御し、PMOSトランジスタ1bは最高電圧(完全オフの制御電圧OFF)で制御するようになっている。
【0017】
ここで、アナログスイッチ1を抵抗体と考えると、アナログスイッチ1が完全にオフの状態におけるオン抵抗Ronは、無限大(Ron(∞))であり、完全にONの状態におけるオン抵抗Ronは、最低(Ron(min))である。そして、その間の状態におけるオン抵抗Ronは、Ron(min)≦Ron≦Ron(∞)となるが、このオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗Ronは、図2に示すように、アナログスイッチ1に与える制御電圧を変化させることによって繋がるように補完することができる。
【0018】
つまり、スイッチ制御回路2は、アナログスイッチ1をオン状態とオフ状態の中間状態においても使用できるようにするものである。この実施の形態1では、スイッチ制御回路2は、抵抗素子と容量素子を用いたCR遅延回路やOPアンプを用いた積分器などのアナログ回路を使用して、例えば図3に示すように、直線状に増減する制御電圧を発生し、アナログ的に補完するようになっている。
【0019】
図3において、スイッチ制御回路2は、外部から入力される切換指令(1)が、低レベル(以下「“L”レベル」という)から高レベル(以下「“H”レベル」という)に立ち上がるのに応答して、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとに印加する制御電圧(2)(3)を発生する。NMOSトランジスタ1aのゲート電極には、(2)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って直線的に上昇する制御電圧が印加される。また、PMOSトランジスタ1bのゲート電極には、(3)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って直線的に降下する制御電圧が印加される。
【0020】
これによって、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が連続的に補完できるので、滑らかな切り換えが実現できる。したがって、コストアップを招来する特別の措置を講ずることなくアナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。要するに、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路が実現できる。
【0021】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。なお、図4では、図1に示した構成と同一ないしは同等である構成要素には、同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0022】
図4に示すソフト切換スイッチでは、図1に示した構成において、スイッチ制御回路2に代えて、スイッチ制御回路11が設けられている。スイッチ制御回路11は、デジタルアナログ変換回路を使用して、例えば図5に示すように、階段状に増減する制御電圧を発生し、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗を離散的に補完するようになっている。
【0023】
図5は、図4に示すスイッチ制御回路が制御電圧を階段状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。図5において、スイッチ制御回路11は、外部から入力される切換指令(1)が、低レベル(以下「“L”レベル」という)から高レベル(以下「“H”レベル」という)に立ち上がるのに応答して、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとに印加する制御電圧(2)(3)を発生する。NMOSトランジスタ1aのゲート電極には、(2)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に上昇する制御電圧が印加される。また、PMOSトランジスタ1bのゲート電極には、(3)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に降下する制御電圧が印加される。
【0024】
これによって、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗がほぼ連続的に補完できるので、実施の形態1と同様に滑らかな切り換えが実現でき、実施の形態1と同様の効果が得られる。加えて、デジタルアナログ変換回路のビット数を増やすと階段数(切換数)が増えるので、より細かい切り換えが可能になる。つまり、設計者は、自由に切換形式を設計することができ、ユーザは、それを自由に選択することができるようになる。
【0025】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。なお、図6では、図4に示した構成と同一ないしは同等である構成要素には、同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0026】
図6に示すソフト切換スイッチでは、図4に示した構成において、スイッチ制御回路11とアナログスイッチ1との間に、スイッチ制御回路11が出力する階段状の制御電圧を鈍らせる遅延素子12,13が設けられている。
【0027】
図7は、図6に示す遅延素子の動作を説明するタイムチャートである。図7(2)において、スイッチ制御回路11は、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に上昇する制御電圧を発生するが、遅延素子12は、この階段状の制御電圧を鈍らせてNMOSトランジスタ1aのゲート電極に印加する。図7(3)において、スイッチ制御回路11は、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に降下する制御電圧を発生するが、遅延素子13は、この階段状の制御電圧を鈍らせてPMOSトランジスタ1bのゲート電極に印加する。
【0028】
これによって、階段状の制御電圧を実施の形態1にて説明した連続的に変化する制御電圧に近づけることができるので、実施の形態1と同様に滑らかな切り換えが実現でき、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0029】
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態4では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その1)として可変ボリューム回路(その1)の構成例が示されている。但し、実施の形態3に示したソフト切換スイッチにおける遅延素子は、図示を省略した。この点は、以下に示す各実施の形態においても同様である。
【0030】
図8において、ソフト切換スイッチ19は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ20とスイッチ制御回路21とで構成される。図8に示す可変ボリューム回路は、このソフト切換スイッチ19の一方の端子に固定抵抗素子27を接続し、その接続点25を分圧出力端としたものである。
【0031】
図9は、図8に示す信号処理回路(可変ボリューム回路)の動作を説明する図である。この可変ボリューム回路の等価回路は、図9(1)に示すように、アナログスイッチ20のオン抵抗値Ron(V)と固定抵抗素子27の抵抗値Rとの直列回路である。
【0032】
分圧出力端25に現れる分圧電圧は、アナログスイッチ20に印加されるアナログ信号電圧をVin1とし、固定抵抗素子27に印加されるアナログ信号電圧をVin2とすると、図9(2)に示すように、{R/(Ron(V)+R)}×Vin1+{Ron(V)/(Ron(V)+R)}×Vin2と表せる。オン抵抗値Ron(V)は、スイッチ制御回路21によって可変設定できるので、分圧出力端25には、可変した分圧電圧が得られる。
【0033】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態5では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その2)として可変ボリューム回路の構成例(その2)が示されている。
【0034】
図10において、ソフト切換スイッチ29,32は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ30,33とスイッチ制御回路31,34とで構成される。図10に示す可変ボリューム回路は、この2つのソフト切換スイッチ29,32を直列に接続し、その接続点36を分圧出力端としたものである。
【0035】
図11は、図10に示す信号処理回路(可変ボリューム回路)の動作を説明する図である。この可変ボリューム回路の等価回路は、図9(1)に示すように、アナログスイッチ30のオン抵抗値Ron(V1)とアナログスイッチ33のオン抵抗値Ron(V2)との直列回路である。
【0036】
さらに、具体的に抵抗素子を表す記号で示すと、オン抵抗値Ron(V1),Ron(V2)は、スイッチ制御回路31,34によって可変設定できるので、図11(2)に示すように、2つの可変抵抗素子の直列回路である。
【0037】
分圧出力端36に現れる分圧電圧は、アナログスイッチ30に印加されるアナログ信号電圧をVin(1)とし、アナログスイッチ33に印加されるアナログ信号電圧をVin(2)とすると、図11(3)に示すように、{Ron(V2)/(Ron(V1)+Ron(V2))}×Vin(1)+{Ron(V1)/(Ron(V1)+Ron(V2))}×Vin(2)と表せる。
【0038】
この構成によれば、オン抵抗値Ron(V1),Ron(V2)は、共に可変設定できるので、実施の形態4よりも一層細かく制御した分圧電圧が得られる。
【0039】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態6では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その3)としてミュート回路の構成例が示されている。
【0040】
図12において、ソフト切換スイッチ39,42は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ40,43とスイッチ制御回路41,44とで構成される。
【0041】
図12に示すミュート回路は、この2つのソフト切換スイッチ39,42において、一方のソフト切換スイッチ39の一方の端子にアナログ信号を入力し、他方のソフト切換スイッチ42の一方の端子に信号基準電圧として例えば接地電位を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してミュートしたアナログ信号を出力するようにしたものである。
【0042】
この構成によれば、アナログ信号入力と信号基準電圧(図示例では接地電位)入力とを切り換えることにより、滑らかなミュート動作を行うミュート回路が実現できる。
【0043】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態7では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その4)としてセレクタ回路の構成例が示されている。
【0044】
図13において、ソフト切換スイッチ45,48は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ46,49とスイッチ制御回路47,50とで構成される。
【0045】
図13に示すミュート回路は、この2つのソフト切換スイッチ45,48において、一方のソフト切換スイッチ45の一方の端子にアナログ信号Aを入力し、他方のソフト切換スイッチ48の一方の端子にアナログ信号Bを入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続して選択したアナログ信号を出力するようにしたものである。
【0046】
この構成によれば、信号の切り換えが滑らかに行われるので、外部ミュートを必要としないセレクタ回路が得られる。なお、図13では、2個のソフト切換スイッチを用いた構成例を示したが、3以上のソフト切換スイッチを用いたセレクタ回路も同様に構成することができ、同様の効果が得られる。
【0047】
実施の形態8.
図14は、この発明の実施の形態8であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態8では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その5)としてボリューム設定回路の構成例が示されている。
【0048】
図14において、ソフト切換スイッチ57,60は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ58,61とスイッチ制御回路59,62とで構成される。
【0049】
図14に示すボリューム設定回路は、この2つのソフト切換スイッチ57,60において、一方のソフト切換スイッチ57の一方の端子Aに第1ボリューム設定値を入力し、他方のソフト切換スイッチ60の一方の端子Bに第2ボリューム設定値を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してボリューム設定値を順々に出力するようにしたものである。
【0050】
第1ボリューム設定値と第2ボリューム設定値は、図14では、次のようにして発生するようになっている。すなわち、電圧入力端51と接地との間に、複数の抵抗素子を直列に接続した抵抗ラダー52に対し、その抵抗ラダー52から1つの抵抗値を導出する複数のスイッチで構成されるスイッチ群53,54が設けられている。ボリューム制御回路56がスイッチ群53,54の各スイッチをオン・オフ制御することで、スイッチ群53,54は、抵抗ラダー52から分圧したある抵抗値(ボリューム設定値)を示す電圧信号を端子A,Bに出力する。
【0051】
例えば、端子Aに入力する第1ボリューム設定値が切換前設定ゲインで、端子Bに入力する第2ボリューム設定値が切換後設定ゲインであるとすれば、これは設定時に信号レベルが変動し、また切換時にも変動している。
【0052】
しかし、この実施の形態によれば、それに影響されることなく、切換前設定ゲインから切換後設定ゲインに切り換えることができる。そして、その値をソフト切換スイッチにて減少方向に調整することができる。また、2つのソフト切換スイッチの共通接続する他方の端子に増幅器を接続すれば、設定ゲインを増大方向に調整することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、アナログスイッチのオン状態とオフ状態の間におけるオン抵抗が繋がるように補完し、それを入力するアナログ信号に適用するので、滑らかな切り換えが実現できる。したがって、コストアップを招来する特別の措置を講ずることなくアナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。その結果、この発明によるソフト切換スイッチを用いることによって、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならないアナログ信号処理回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すアナログスイッチのオン抵抗と制御電圧との関係を示す特性図である。
【図3】図1に示すスイッチ制御回路が制御電圧を直線状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図5】図4に示すスイッチ制御回路が制御電圧を階段状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図7】図6に示す遅延素子の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示す信号処理回路の動作を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態5であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図11】図10に示す信号処理回路の動作を説明する図である。
【図12】この発明の実施の形態6であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図13】この発明の実施の形態7であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図14】この発明の実施の形態8であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1,40,43,46,49,58,61 アナログスイッチ、1a NMOSトランジスタ、1b PMOSトランジスタ、2,11,21,31,34,41,44,47,50,59,62 スイッチ制御回路、12,13 遅延素子、39,42,45,48,57,60 ソフト切換スイッチ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソフト切換スイッチおよび前記ソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオの分野では、アナログ信号の切り換えを行う際に発生するノイズがスピーカから非常に耳障りな音として出力されるので、問題になっている。このアナログ信号の切り換えを行う回路として、例えば、設定値の切り換えを行うボリューム回路がある。ボリューム回路には、種々の形式があるが、ここでは、特許文献1に記載された電子ボリューム回路を例に挙げて説明する。
【0003】
この電子ボリューム回路は、複数の抵抗素子を直列に接続した抵抗ラダーと、その抵抗ラダーから1つの抵抗値を導出する複数のスイッチと、導出された1つの抵抗値を示す信号を増幅するOPアンプと、各スイッチをオン・オフ制御するボリューム制御回路とで構成されている。
【0004】
この電子ボリューム回路において、入力するアナログ信号は刻々変化するが、信号リファレンスレベルと一致したゼロクロス点でスイッチの切り換えが行えると、切換前後で信号レベルに変化がない場合には、切換ノイズは発生しない。しかし、前段回路の出力にDCオフセット成分が存在すると、無信号状態の場合にリファレンスレベルを跨ぐことがないので、ゼロクロス切換が実行できない。
【0005】
このような場合に備え、設定時間内にゼロクロスが発生しない場合には強制的にスイッチの切り換えを行うようになっているので、必然的に切換ノイズが発生することになる。そのため、前段回路の出力端と当該電子ボリューム回路の入力端との間にDC成分をカットするコンデンサを設けることで対処している場合が多い。この場合、DC成分をカットするコンデンサは容量が大きく、集積回路内に実現することが困難であるので、集積回路にコンデンサを外付けするピンを設けている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−26670号公報(0002〜0005、図6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、切換ノイズの発生をDC成分をカットするコンデンサの外付けによって対処する方法では、集積回路の必要ピン数が扱う信号チャネルの数に応じて増大するので、集積回路のパッケージ代が高くなる。また、扱う信号チャネルの全てにおいて入力信号が異なるので、ゼロクロス検出回路は個別に必要になる。その結果、回路規模やチップ面積の増大を招来し、集積回路の価格に影響を与える。一方、正しくゼロクロス切換が実行できても、急激なレベル変化がある場合には、切換ノイズの発生時と同様に、聴感上違和感が発生する。
【0008】
以上の問題は、ボリューム回路だけでなく、ミュート回路やセレクタ回路など、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路において同様に生ずる問題であり、改善が望まれている。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、アナログ信号の切り換えにおいてコストアップを招来する特別の措置を講ずることなく切換ノイズの発生が低減でき、急激なレベル変化があっても滑らかな切り換えを行って聴感上の違和感を減少させることができるソフト切換スイッチおよび前記ソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列に接続したアナログスイッチと、前記NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのゲート電圧を直線状にまたは階段状に増減変化させ、前記アナログスイッチのオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が繋がるように補完するスイッチ制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、アナログスイッチのオン状態とオフ状態の間におけるオン抵抗が繋がるように補完し、それを入力するアナログ信号に適用するので、滑らかな切り換えが実現でき、アナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。したがって、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路が実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるソフト切換スイッチおよびアナログ信号処理回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。図1に示すソフト切換スイッチは、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとを並列に接続したアナログスイッチ1と、切換指令に応答してNMOSトランジスタ1aおよびPMOSトランジスタ1bのゲート電圧を制御してオン抵抗を連続的に変化させるスイッチ制御回路2とを備えている。
【0014】
次に、図1〜図3を参照して、図1に示すソフト切換スイッチの動作について説明する。なお、図2は、図1に示すアナログスイッチのオン抵抗と制御電圧との関係を示す特性図である。図3は、図1に示すスイッチ制御回路が制御電圧を直線状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【0015】
図2において、横軸は、アナログスイッチ1に与える制御電圧、縦軸は、アナログスイッチ1が示すオン抵抗である。
【0016】
アナログスイッチ1は、一般には、オン状態とオフ状態の2状態で使用するようになっている。すなわち、スイッチオン時には、NMOSトランジスタ1aは最高電圧(完全オンの制御電圧ON)で制御し、PMOSトランジスタ1bは最低電圧(完全オンの制御電圧ON)で制御する。また、スイッチオフ時には、NMOSトランジスタ1aは最低電圧(完全オフの制御電圧OFF)で制御し、PMOSトランジスタ1bは最高電圧(完全オフの制御電圧OFF)で制御するようになっている。
【0017】
ここで、アナログスイッチ1を抵抗体と考えると、アナログスイッチ1が完全にオフの状態におけるオン抵抗Ronは、無限大(Ron(∞))であり、完全にONの状態におけるオン抵抗Ronは、最低(Ron(min))である。そして、その間の状態におけるオン抵抗Ronは、Ron(min)≦Ron≦Ron(∞)となるが、このオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗Ronは、図2に示すように、アナログスイッチ1に与える制御電圧を変化させることによって繋がるように補完することができる。
【0018】
つまり、スイッチ制御回路2は、アナログスイッチ1をオン状態とオフ状態の中間状態においても使用できるようにするものである。この実施の形態1では、スイッチ制御回路2は、抵抗素子と容量素子を用いたCR遅延回路やOPアンプを用いた積分器などのアナログ回路を使用して、例えば図3に示すように、直線状に増減する制御電圧を発生し、アナログ的に補完するようになっている。
【0019】
図3において、スイッチ制御回路2は、外部から入力される切換指令(1)が、低レベル(以下「“L”レベル」という)から高レベル(以下「“H”レベル」という)に立ち上がるのに応答して、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとに印加する制御電圧(2)(3)を発生する。NMOSトランジスタ1aのゲート電極には、(2)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って直線的に上昇する制御電圧が印加される。また、PMOSトランジスタ1bのゲート電極には、(3)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って直線的に降下する制御電圧が印加される。
【0020】
これによって、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が連続的に補完できるので、滑らかな切り換えが実現できる。したがって、コストアップを招来する特別の措置を講ずることなくアナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。要するに、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならない回路が実現できる。
【0021】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。なお、図4では、図1に示した構成と同一ないしは同等である構成要素には、同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0022】
図4に示すソフト切換スイッチでは、図1に示した構成において、スイッチ制御回路2に代えて、スイッチ制御回路11が設けられている。スイッチ制御回路11は、デジタルアナログ変換回路を使用して、例えば図5に示すように、階段状に増減する制御電圧を発生し、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗を離散的に補完するようになっている。
【0023】
図5は、図4に示すスイッチ制御回路が制御電圧を階段状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。図5において、スイッチ制御回路11は、外部から入力される切換指令(1)が、低レベル(以下「“L”レベル」という)から高レベル(以下「“H”レベル」という)に立ち上がるのに応答して、NMOSトランジスタ1aとPMOSトランジスタ1bとに印加する制御電圧(2)(3)を発生する。NMOSトランジスタ1aのゲート電極には、(2)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に上昇する制御電圧が印加される。また、PMOSトランジスタ1bのゲート電極には、(3)に示すように、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に降下する制御電圧が印加される。
【0024】
これによって、アナログスイッチ1のオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗がほぼ連続的に補完できるので、実施の形態1と同様に滑らかな切り換えが実現でき、実施の形態1と同様の効果が得られる。加えて、デジタルアナログ変換回路のビット数を増やすと階段数(切換数)が増えるので、より細かい切り換えが可能になる。つまり、設計者は、自由に切換形式を設計することができ、ユーザは、それを自由に選択することができるようになる。
【0025】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。なお、図6では、図4に示した構成と同一ないしは同等である構成要素には、同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0026】
図6に示すソフト切換スイッチでは、図4に示した構成において、スイッチ制御回路11とアナログスイッチ1との間に、スイッチ制御回路11が出力する階段状の制御電圧を鈍らせる遅延素子12,13が設けられている。
【0027】
図7は、図6に示す遅延素子の動作を説明するタイムチャートである。図7(2)において、スイッチ制御回路11は、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に上昇する制御電圧を発生するが、遅延素子12は、この階段状の制御電圧を鈍らせてNMOSトランジスタ1aのゲート電極に印加する。図7(3)において、スイッチ制御回路11は、完全オフレベルから完全オンレベルに向かってある傾斜を持って階段状に降下する制御電圧を発生するが、遅延素子13は、この階段状の制御電圧を鈍らせてPMOSトランジスタ1bのゲート電極に印加する。
【0028】
これによって、階段状の制御電圧を実施の形態1にて説明した連続的に変化する制御電圧に近づけることができるので、実施の形態1と同様に滑らかな切り換えが実現でき、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0029】
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態4では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その1)として可変ボリューム回路(その1)の構成例が示されている。但し、実施の形態3に示したソフト切換スイッチにおける遅延素子は、図示を省略した。この点は、以下に示す各実施の形態においても同様である。
【0030】
図8において、ソフト切換スイッチ19は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ20とスイッチ制御回路21とで構成される。図8に示す可変ボリューム回路は、このソフト切換スイッチ19の一方の端子に固定抵抗素子27を接続し、その接続点25を分圧出力端としたものである。
【0031】
図9は、図8に示す信号処理回路(可変ボリューム回路)の動作を説明する図である。この可変ボリューム回路の等価回路は、図9(1)に示すように、アナログスイッチ20のオン抵抗値Ron(V)と固定抵抗素子27の抵抗値Rとの直列回路である。
【0032】
分圧出力端25に現れる分圧電圧は、アナログスイッチ20に印加されるアナログ信号電圧をVin1とし、固定抵抗素子27に印加されるアナログ信号電圧をVin2とすると、図9(2)に示すように、{R/(Ron(V)+R)}×Vin1+{Ron(V)/(Ron(V)+R)}×Vin2と表せる。オン抵抗値Ron(V)は、スイッチ制御回路21によって可変設定できるので、分圧出力端25には、可変した分圧電圧が得られる。
【0033】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態5では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その2)として可変ボリューム回路の構成例(その2)が示されている。
【0034】
図10において、ソフト切換スイッチ29,32は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ30,33とスイッチ制御回路31,34とで構成される。図10に示す可変ボリューム回路は、この2つのソフト切換スイッチ29,32を直列に接続し、その接続点36を分圧出力端としたものである。
【0035】
図11は、図10に示す信号処理回路(可変ボリューム回路)の動作を説明する図である。この可変ボリューム回路の等価回路は、図9(1)に示すように、アナログスイッチ30のオン抵抗値Ron(V1)とアナログスイッチ33のオン抵抗値Ron(V2)との直列回路である。
【0036】
さらに、具体的に抵抗素子を表す記号で示すと、オン抵抗値Ron(V1),Ron(V2)は、スイッチ制御回路31,34によって可変設定できるので、図11(2)に示すように、2つの可変抵抗素子の直列回路である。
【0037】
分圧出力端36に現れる分圧電圧は、アナログスイッチ30に印加されるアナログ信号電圧をVin(1)とし、アナログスイッチ33に印加されるアナログ信号電圧をVin(2)とすると、図11(3)に示すように、{Ron(V2)/(Ron(V1)+Ron(V2))}×Vin(1)+{Ron(V1)/(Ron(V1)+Ron(V2))}×Vin(2)と表せる。
【0038】
この構成によれば、オン抵抗値Ron(V1),Ron(V2)は、共に可変設定できるので、実施の形態4よりも一層細かく制御した分圧電圧が得られる。
【0039】
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態6では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その3)としてミュート回路の構成例が示されている。
【0040】
図12において、ソフト切換スイッチ39,42は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ40,43とスイッチ制御回路41,44とで構成される。
【0041】
図12に示すミュート回路は、この2つのソフト切換スイッチ39,42において、一方のソフト切換スイッチ39の一方の端子にアナログ信号を入力し、他方のソフト切換スイッチ42の一方の端子に信号基準電圧として例えば接地電位を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してミュートしたアナログ信号を出力するようにしたものである。
【0042】
この構成によれば、アナログ信号入力と信号基準電圧(図示例では接地電位)入力とを切り換えることにより、滑らかなミュート動作を行うミュート回路が実現できる。
【0043】
実施の形態7.
図13は、この発明の実施の形態7であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態7では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その4)としてセレクタ回路の構成例が示されている。
【0044】
図13において、ソフト切換スイッチ45,48は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ46,49とスイッチ制御回路47,50とで構成される。
【0045】
図13に示すミュート回路は、この2つのソフト切換スイッチ45,48において、一方のソフト切換スイッチ45の一方の端子にアナログ信号Aを入力し、他方のソフト切換スイッチ48の一方の端子にアナログ信号Bを入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続して選択したアナログ信号を出力するようにしたものである。
【0046】
この構成によれば、信号の切り換えが滑らかに行われるので、外部ミュートを必要としないセレクタ回路が得られる。なお、図13では、2個のソフト切換スイッチを用いた構成例を示したが、3以上のソフト切換スイッチを用いたセレクタ回路も同様に構成することができ、同様の効果が得られる。
【0047】
実施の形態8.
図14は、この発明の実施の形態8であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。この実施の形態8では、実施の形態1〜3に示したソフト切換スイッチを用いたアナログ信号処理回路(その5)としてボリューム設定回路の構成例が示されている。
【0048】
図14において、ソフト切換スイッチ57,60は、実施の形態1〜3に示したようにアナログスイッチ58,61とスイッチ制御回路59,62とで構成される。
【0049】
図14に示すボリューム設定回路は、この2つのソフト切換スイッチ57,60において、一方のソフト切換スイッチ57の一方の端子Aに第1ボリューム設定値を入力し、他方のソフト切換スイッチ60の一方の端子Bに第2ボリューム設定値を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してボリューム設定値を順々に出力するようにしたものである。
【0050】
第1ボリューム設定値と第2ボリューム設定値は、図14では、次のようにして発生するようになっている。すなわち、電圧入力端51と接地との間に、複数の抵抗素子を直列に接続した抵抗ラダー52に対し、その抵抗ラダー52から1つの抵抗値を導出する複数のスイッチで構成されるスイッチ群53,54が設けられている。ボリューム制御回路56がスイッチ群53,54の各スイッチをオン・オフ制御することで、スイッチ群53,54は、抵抗ラダー52から分圧したある抵抗値(ボリューム設定値)を示す電圧信号を端子A,Bに出力する。
【0051】
例えば、端子Aに入力する第1ボリューム設定値が切換前設定ゲインで、端子Bに入力する第2ボリューム設定値が切換後設定ゲインであるとすれば、これは設定時に信号レベルが変動し、また切換時にも変動している。
【0052】
しかし、この実施の形態によれば、それに影響されることなく、切換前設定ゲインから切換後設定ゲインに切り換えることができる。そして、その値をソフト切換スイッチにて減少方向に調整することができる。また、2つのソフト切換スイッチの共通接続する他方の端子に増幅器を接続すれば、設定ゲインを増大方向に調整することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、アナログスイッチのオン状態とオフ状態の間におけるオン抵抗が繋がるように補完し、それを入力するアナログ信号に適用するので、滑らかな切り換えが実現できる。したがって、コストアップを招来する特別の措置を講ずることなくアナログ信号の切換時に発生する切換ノイズの低減が可能となる。また、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化があってもその変化を鈍らすことができ、聴感上の違和感を減少させることが可能となる。その結果、この発明によるソフト切換スイッチを用いることによって、アナログ信号の切り換えの際に急激な変化が起こってはならないアナログ信号処理回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すアナログスイッチのオン抵抗と制御電圧との関係を示す特性図である。
【図3】図1に示すスイッチ制御回路が制御電圧を直線状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図5】図4に示すスイッチ制御回路が制御電圧を階段状に増減変化させて発生する場合のタイムチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3であるソフト切換スイッチの構成を示す回路図である。
【図7】図6に示す遅延素子の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8に示す信号処理回路の動作を説明する図である。
【図10】この発明の実施の形態5であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図11】図10に示す信号処理回路の動作を説明する図である。
【図12】この発明の実施の形態6であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図13】この発明の実施の形態7であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【図14】この発明の実施の形態8であるアナログ信号処理回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1,40,43,46,49,58,61 アナログスイッチ、1a NMOSトランジスタ、1b PMOSトランジスタ、2,11,21,31,34,41,44,47,50,59,62 スイッチ制御回路、12,13 遅延素子、39,42,45,48,57,60 ソフト切換スイッチ。
Claims (9)
- NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列に接続したアナログスイッチと、
前記NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのゲート電圧を制御して前記アナログスイッチのオン状態とオフ状態の中間状態におけるオン抵抗が繋がるように補完するスイッチ制御回路と、
を備えたことを特徴とするソフト切換スイッチ。 - 前記スイッチ制御回路は、
前記ゲート電圧を直線状に増減変化させる制御電圧を発生するアナログ回路、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のソフト切換スイッチ。 - 前記スイッチ制御回路は、
前記ゲート電圧を階段状に増減変化させるデジタルアナログ変換回路、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のソフト切換スイッチ。 - 前記デジタルアナログ変換回路の出力端と前記PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタそれぞれのゲート電極との間に、前記デジタルアナログ変換回路が出力する階段状信号を滑らかな信号に変成する遅延素子を備えたことを特徴とする請求項3に記載のソフト切換スイッチ。
- 請求項1に記載のソフト切換スイッチの一方の端子に固定抵抗素子を接続し、接続点に信号レベルを減衰させた分圧出力を行うことを特徴とするアナログ信号処理回路。
- 請求項1に記載のソフト切換スイッチの2個を直列に接続し、接続点に信号レベルを減衰させた分圧出力を行うことを特徴とするアナログ信号処理回路。
- 請求項1に記載のソフト切換スイッチの2個において、
一方のソフト切換スイッチの一方の端子にアナログ信号を入力し、他方のソフト切換スイッチの一方の端子に信号基準電圧を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してミュートしたアナログ信号を出力することを特徴とするアナログ信号処理回路。 - 請求項1に記載のソフト切換スイッチの複数個において、それぞれの一方の端子に互いに異なるアナログ信号を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続して選択したアナログ信号を出力することを特徴とするアナログ信号処理回路。
- 請求項1に記載のソフト切換スイッチの2個において、一方のソフト切換スイッチの一方の端子に第1ボリューム設定値を入力し、他方のソフト切換スイッチの一方の端子に第2ボリューム設定値を入力し、それぞれの他方の端子を共通に接続してボリューム設定値を順々に出力することを特徴とするアナログ信号処理回路。
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JP2014116693A (ja) * | 2012-12-06 | 2014-06-26 | Rohm Co Ltd | ミキシング回路、それを用いた車載用オーディオ装置、オーディオコンポーネント装置、電子機器 |
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