JP2004193047A - 押圧用突起付可動接点体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動接点14を下面の粘着層12で保持したベースフィルム11の上面、および円柱状に形成された円柱小片16の下面に、おのおのエステル系樹脂からなる樹脂層13、および17をコーティングしたものを用い、この樹脂層13と17との間に紫外線硬化性樹脂であるウレタンアクリレートからなる接着樹脂18を塗布してベースフィルム11と円柱小片16とを固着し、押圧用突起付可動接点体とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の操作パネル等に使用される押圧用突起付可動接点体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やポータブルAV機器等のように各種電子機器を携帯して使用するものが増え、小型化、薄型化、軽量化と同時に多機能化が進められているが、それら電子機器の操作パネル用スイッチにおいても、薄型化が図れて、操作感触が良好で、安定した電気的な接触が得られるものとして、ドーム状に加工された弾性を有する導電金属板からなる複数個の可動接点が絶縁性の樹脂フィルムに保持されたもの、いわゆる可動接点体が多く使用されるようになっている。
【0003】
そして、これらの機器は、携帯して使用されることからスイッチが操作される頻度も多く、スイッチ動作の高耐久性と操作感触の安定した可動接点体が求められている。
【0004】
以下に、このような操作パネル用スイッチに求められる従来の可動接点体について、図7を用いて説明する。
【0005】
図7は従来の可動接点体の正面断面図であり、同図において、1は外形を定型に加工された可撓性を有する絶縁性のベースフィルムで、その下面に形成された粘着層2によってドーム状に加工された弾性を有する導電金属薄板製の可動接点3を複数個互いに独立状態になるようにして、それらの上部を粘着保持している。
【0006】
そして、4は絶縁性のフィルムからなり表面が離型処理されたセパレータであり、このセパレータ4は、ベースフィルム1とで可動接点3を挟み込むようにして、ベースフィルム1下面の粘着層2によりベースフィルム1の下面全体を覆うように貼り付けられている。
【0007】
このセパレータ4は、ベースフィルム1とで可動接点3の外周全体を覆うように密着状態で貼り付けられることにより、可動接点3の腐食などを防止すると共に、輸送や保管中にベースフィルム1下面の粘着層2が、不用意に他の箇所に粘着することや異物の付着等を防止している。
【0008】
さらに、5Aは、樹脂フィルムを円柱状に打抜き加工して形成された円柱小片であり、ベースフィルム1と円柱小片5Aとは紫外線硬化型の樹脂であるエポキシアクリレートからなる接着樹脂5Bで固着され、両者で押圧用突起5を構成している。
【0009】
従来の可動接点体は上記のごとく構成されたものであり、その使用時には、図8の同可動接点体の装着状態である操作パネル用スイッチの部分断面図に示すように、セパレータ4を剥がした可動接点3付のベースフィルム1を、ベースフィルム1の粘着層2で各可動接点3に対応する固定接点6(6A、6B)が配設された配線基板7に貼り付け装着されて用いられる。
【0010】
このとき同図に示すように、それぞれの中央固定接点6Aの各可動接点3の中央部に対峙し、かつそれぞれの外側固定接点6B上に上記各可動接点3の外周下端が載置されることにより、各可動接点3は対応する固定接点6とで一つのスイッチとして構成される。
【0011】
さらに、ベースフィルム1上の押圧用突起5の上方に対応する位置には、機器の操作釦8が配設される。
【0012】
このように構成された従来の可動接点体を用いた操作パネル用スイッチの動作について図9を用いて説明する。
【0013】
同図に示すように、操作釦8を押下操作すると、操作釦8が下方に移動していくと共に、操作釦8の下面8Aに当接している円柱状の押圧用突起5の上端に押し下げ力が加わり、この押圧用突起5およびベースフィルム1を介して可動接点3の中央部に押圧力が加わっていく。
【0014】
そして、その押圧力が可動接点3の反転動作力より大きくなると、ドーム状に形成された可動接点3は節度感を持って反転動作し、その中央部の下面が中央固定接点6Aに接触することによって、配線基板7の中央固定接点6Aの外側固定接点6Bとの間が可動接点3を介して電気的に接続する。
【0015】
そして、その押圧力を除くと、可動接点3自身の弾性復元力で可動接点3は元の状態に復元し、その中央部の下面が中央固定接点6Aと離れることによって、配線基板7の中央固定接点6Aと外側固定接点6Bとの間が電気的な独立状態に戻るものであり、その操作時に適度な節度感を備えた操作感触の良い操作パネル用スイッチが構成できるものであった。
【0016】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献上方としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0017】
【特許文献1】
特開2002−216582号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯用機器は、小形化に加えた機能化が急速に進み、このため、一つのスイッチに割り付けられる機能も増大し、スイッチの押圧操作回数も増加するため、スイッチ動作の耐久性を向上させる必要があった。
【0019】
つまり、上記従来の可動接点体において、押圧用突起5のベースフィルム1への固着強度の向上を図ると共に、繰り返し操作を行っても感触の安定した可動接点体への要望が高まってきた。
【0020】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、使用部品点数を増加させることなく、また製造工程が複雑とならずにベースフィルムと押圧用突起とが強固に接着された接着状態で維持された押圧用突起付可動接点体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために発明は、以下の達成を有するものである。
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、押下により反転動作するドーム状の導電金属薄板からなる複数個の可動接点と、この複数個の可動接点の上面を下面に形成された粘着層で保持するベースフィルムと、上記各可動接点の中央部に対応する上記ベースフィルムの上面位置に接着剤によって固着された複数個の押圧用突起とを備え、上記ベースフィルムの上面及び上記各押圧用突起の下面のそれぞれに易接着層を有することを特徴とした押圧用突起付可動接点体としたものであり、特に、ベースフィルムと押圧用突起の接着面側に設けた易接着層と接着剤間の接着状態が強固なものにでき、使用部品点数を増加させることなく、また製造工程が複雑とならずに押圧用突起がベースフィルムに強い接着強度で接着され、その状態を長期間に亘って維持できる信頼性に優れた押圧用突起付可動接点体を得ることができるという作用を有する。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ベースフィルム及び各押圧用突起の易接着層が、ウレタン系樹脂またはエステル系樹脂がコーティングされた樹脂層であるものであり、易接着層の接着剤との濡れ性がよくなるために、押圧用突起の接着強度や耐久性の向上を図ることができるという作用を有する。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ベースフィルムと各押圧用突起の間の接着剤として、紫外線硬化型の接着樹脂を硬化させて固着させたものであり、紫外線硬化型であるので硬化反応が早く生産効率よく安価な押圧用突起付可動接点体を実現できるという作用を有する。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、紫外線硬化型の接着樹脂として、ウレタンアクリレートを用いたものであり、請求項3に記載の発明による作用に加えて、押圧用突起とベースフィルムとの間に介在する接着樹脂が弾性を備えたものにできるため、当該接着樹脂層の緩衝作用により、押圧用突起の接着耐久性に優れたものにできるという作用を有する。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項3記載の発明において、紫外線硬化型の接着樹脂は、硬化後の硬さが、JIS K 7215タイプDデュロメータ硬さでHDD80〜65であるものであり、この硬度の接着樹脂は、適度な弾性を備えるものであるため、押圧用突起の接着強度を確保しつつ接着耐久性にも優れたものが得られるという作用を有する。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、可動接点の中央部分を押圧する押圧用突起の大きさを、上記可動接点の外径寸法の1/4〜1/2としたものであり、押圧操作時の安定した動作感触が得られるものにできると共に、接着面積も比較的大きいものとなるため、ベースフィルムと押圧用突起との接着状態が安定した状態で長期間維持されるという作用を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0029】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成部分には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態による押圧用突起付可動接点体の断面図であり、同図において、11は外形を定型に加工された可撓性を有するPET製の樹脂フィルムからなるベースフィルムで、その上面には、エステル系樹脂によって易接着層としての樹脂層13がコーティングされている。
【0031】
そして、このベースフィルム11は、下面全体に形成された粘着層12によって、ドーム状に加工された弾性を有する導電金属薄板からなる可動接点14を、複数個互いに独立状態で所定の配列関係になるようにして、各上面を粘着保持している。
【0032】
なお、このベースフィルム11は、上記各可動接点14に対応する位置が各可動接点14のドーム状に沿って凸部状に形成されている。
【0033】
そして、15は絶縁樹脂フィルムからなり表面が離型処理されたセパレータであり、従来例と同様に可動接点14の腐食や異物の付着等を防止するために、ベースフィルム11下面の粘着層12によってベースフィルム11の下面全体を覆うように貼り付けられている。
【0034】
そして、このベースフィルム11の上面で各ドーム状の可動接点14中央部に対応する位置には、ベースフィルム11上面と同じく易接着層として、エステル系樹脂からなる樹脂層17が下面にコーティングされたPET製の樹脂フィルムからなる円柱小片16が、接着樹脂18により固着され、これらで押圧用突起19が構成されている。
【0035】
この円柱小片16の樹脂層17と、ベースフィルム11の樹脂層13との間を固着する接着樹脂18は、紫外線硬化性樹脂であるウレタンアクリレートからなっている。
【0036】
以上のように構成される本実施の形態による押圧用突起付可動接点体は、図2の装着状態である操作パネル用スイッチの部分断面図に示すように、まず図1に示すものからセパレータ15を剥がし、それぞれの可動接点14に対応する固定接点6(6A,6B)が配設された配線基板7上に、上記各可動接点14を上記各固定接点6に対応させるようにしてベースフィルム11下面の粘着層12で貼り付けられて使用される。
【0037】
このとき、各可動接点14は、中央部下面が中央固定接点6Aに対峙するように外周下端が外側固定接点6B上に載せられて、各々に対応する固定接点6とで各々個別のスイッチが構成される。
【0038】
そして、ベースフィルム11上に設けた押圧用突起19に対応させて、その上方位置に機器の操作釦8が配設され、これらの部材で操作パネル用スイッチを構成することは従来の場合と同じである。
【0039】
また、上記構成の操作パネル用スイッチは、図3に示すように操作釦8を押下して可動接点14を反転動作させ、外側固定接点6B上に配置された可動接点14の中央部を中央固定接点6Aに当接させてスイッチを作動させるなどの動作は従来の技術の場合と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0040】
続いて、本実施の形態による押圧用突起付可動接点体における各種比較試験の内容や結果について説明する。
【0041】
まず、押圧用突起19とベースフィルム11との接着強度について複数の試料を作成して測定した内容について説明する。
【0042】
接着強度用試料として、ウレタンアクリレートである接着樹脂18は、硬化後の硬さがJIS K 7215タイプDデュロメータ硬さ(以下デュロメータ硬さという)HDD80〜65までのHDD5間隔の4水準のものを用い、これを検討例1〜検討例4とした。
【0043】
このとき、円形ドーム状の可動接点14は、外形の寸法がφ4mmのものを用い、押圧用突起19の径寸法としては、φ0.5mmからφ2.5mmまでの0.5mm間隔の5種類の寸法で各々設けたものを製作して試験を行った。
【0044】
一方、従来例としても、接着樹脂5Bとして、硬化後の硬さがデュロメータ硬さHDD80であるエポキシアクリレートからなるものを、上記の径毎に各々設けたものを準備して同一の試験を行った。
【0045】
そして、接着強度の測定方法は、図4に示すように、上記に説明した本実施の形態による押圧用突起付可動接点体のセパレータ15および可動接点14をベースフィルム11から剥がして、ベースフィルム11の可動接点14のドーム状に沿った凸部状の部分を含めほぼ平板状にして、上面の押圧用突起19の円柱小片16に側面から図に示す矢印のようにせん断荷重をかけて押圧用突起19が脱落する強度を測定する方法を取った。
【0046】
その結果を、(表1)に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
なお、接着強度については、実用的に必要な接着強度は10N以上が望ましいので、同表中の評価欄の印については、10N以上の強度であったものを○印とし、10N未満の強度であったものを×印としている。
【0049】
まず、試験を行った後の各試料を観察すると、従来例のせん断位置が、ベースフィルム1表面と接着樹脂5B表面との間で剥がれていることが確認でき、それらの部材間の密着性に接着強度が依存していることが推察できた。
【0050】
これに対して、検討例1〜4のせん断位置は、押圧用突起19が固着されている位置のベースフィルム11自体がせん断剥離されていた。
【0051】
これは、PET製のベースフィルム11および円柱小片16と、易接着層としてコーティングされたエステル系樹脂からなる樹脂層13,17との密着性がよく、しかもこれらの樹脂層13,17とウレタンアクリレートからなる紫外線硬化性の接着樹脂18との密着性が大であることによると考えられる。
【0052】
このように、エステル系樹脂からなる樹脂層13,17を設けたことにより、これらの樹脂層13,17に対して相手方の樹脂との濡れ性がよくなり、強固な接着状態のものを得ることができる。
【0053】
そして、(表1)に示すように、検討例1〜4のものは、小径のものを除いて従来例よりも相対的に接着強度が強く、接着樹脂18のデュロメータ硬さが硬いものほど強い接着強度のものが得られたが、これは、紫外線硬化後の接着樹脂18の硬さが硬いほどベースフィルム11との密着性が良くなると推察できる。
【0054】
なお、検討例3では押圧用突起19の寸法がφ0.5mm以下、検討例4は同寸法がφ1.0mm以下で強度的には従来例のものよりも劣っていたが、そのせん断状態を考えると、押圧用突起19の寸法がφ1.0mmであれば規格値も満足すると共に、接着剤の塗布ムラなどを考慮すると従来品と同等以上の耐久性を有すると推測される。
【0055】
また、接着樹脂18の硬さがデュロメータ硬さHDD80〜70である検討例1〜検討例3の試料も、押圧用突起19の寸法がφ1.0mm〜φ2.5mmの場合は強いが、φ0.5mmの場合は強度不足であった。
【0056】
これは、従来例も同様の効果であり、この試験結果から、押圧用突起19の寸法は、可動接点14の径に対して1/4以上とすることが好ましいことが確認できた。
【0057】
次に、操作感触用試料としては、上記検討例3のものと上記従来例のものを押圧操作して節度感触を対比して判定を行った。
【0058】
その結果を、(表2)に示すが、同表中の評価欄の印については、感触が良好なものを○印、感触が劣るものを×印で表わしている。
【0059】
【表2】
【0060】
同表に示すように、この操作感触については、従来例、検討例3共に同じ結果であり、押圧用突起19の寸法がφ0.5mm〜φ2.0mmのものが良好で、φ2.5mmのものは節度感が劣るものであった。
【0061】
この感触不良は、円形ドーム状の可動接点14において、固定されている径が、ドーム状に曲げ加工してある外周部の変曲部に押圧範囲が近くなるために、ドーム状の反転は生じるものの軽快な節度感が得られなくなってしまうと考えられる。
【0062】
なお、この操作感触の傾向は、易接着層であるエステル系樹脂のコーティングの有無に拘わらず、並びに紫外線硬化樹脂の材質がウレタン系でも、また従来例のようにエポキシ系であっても同様な結果で得られ、操作感触は押圧用突起19の寸法に依存されるものであった。
【0063】
この操作感触の結果より、押圧用突起19の寸法は、可動接点14の径に対して1/2以下が好ましいことが判る。
【0064】
次に、耐久性についての評価として、まず押圧動作回数と接着強度について試験を実施した。
【0065】
試験方法は、配線基板7にセパレータ15を剥がした押圧用突起付可動接点体を貼り付けてパネル用スイッチの構成にして、押圧用突起19の上方から、押圧力3Nで押圧と解除を繰り返し行って可動接点14の反転と復帰を1回として動作させ、上述に図4を用いて説明した接着強度の測定方法によって、初期(0回)、10万回、50万回、100万回、200万回の各動作回数後の接着強度を測定した。
【0066】
試料としては、押圧用突起19の寸法をφ1.5mmとし、接着樹脂18のデュロメータ硬さHDD80〜65をHDD5間隔で4種類(以下、検討例5〜検討例8と記載する。)の水準のものに対し、試験を行った。
【0067】
また、上記に説明した従来例のもので、径寸法がφ1.5mmのものも比較用に同様に試験を行った。
【0068】
その結果を(表3)に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
なお、図5は、同結果を見易くするためにグラフ化したものである。
【0071】
上記(表3)および図5によれば、初期の接着強度が一番強かった、デュロメータ硬さHDD80の検討例5において、動作回数の増加と共に急激に接着強度が低下する傾向があったが、従来例よりは有利な結果であった。
【0072】
この検討例5の強度劣化は、接着樹脂18の硬さが硬すぎると押圧操作による可動接点14の反転、復帰の繰り返し圧力を接着樹脂18が吸収し難いため、上記結果になるものと推測される。
【0073】
しかし、この検討例5のものでも、200万回動作後の接着強度は、実用的に望ましい接着強度である10Nであった。
【0074】
一方、デュロメータ硬さHDD75〜65の検討例6〜検討例8においては、初期の接着強度からの強度低下が100万回動作後で初期の80%以上を確保し、200万回動作後でも70%以上であり、高い耐久性を備えているものであった。
【0075】
これら検討例6〜検討例8の結果が得られたのは、ウレタンアクリレートからなる接着樹脂18の硬さを低くして弾性を備えたものとしたことにより、当該接着樹脂18が、上述の押圧操作の繰り返し圧力をその弾性により吸収する緩衝材としても機能するからであると考えられる。
【0076】
上記のように接着樹脂18が弾性を備えるということは、材料構造的に多孔構造になっているものと推測されるため、さらに高温高湿度環境下での接着強度について試験を実施した。
【0077】
この試験の試料も、上記動作回数と接着強度についての試験と同じ検討例5〜検討例8およびそれに応じた従来例を用いて実施し、測定方法も同じ内容で行った。
【0078】
試験条件としては、温度60℃、湿度90〜95%RHの環境下で、10万回押圧動作させた後の接着強度を測定した。
【0079】
その結果を(表4)に、また、それをグラフにしたものを図6に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
この(表4)および図6から判るように、検討例8と検討例5は、従来例とほぼ同じ程度の相対的な接着強度の低下がみられたが、従来例のものより検討例5〜8はいずれも絶対値では高い接着強度に維持されることが確認できた。
【0082】
なお、上記検討例8の強度低下は、上述したように弾性を備える多孔構造に接着樹脂19が形成されて吸湿性が増加したためと考えられ、また検討例5の強度低下は、上記動作回数と接着強度の試験でみられたように、接着樹脂19の硬さが硬いことによるものと考えられる。
【0083】
そして、検討例6〜検討例7は、試験後も初期強度の75%以上の接着強度を有しており、非常に高い耐久性を備えたものであった。
【0084】
以上に説明した押圧用突起19のベースフィルム11への接着強度の確認試験により、円形ドーム状の可動接点14を保持したPET製のベースフィルム11の上面と、押圧用突起19を構成するPET製の円柱小片16の下面に、おのおの易接着層としてエステル系樹脂のコーティングからなる樹脂層13と17を施したものとすることにより、接着状態が強固なものにでき、耐久性にも優れたものとなることが判った。
【0085】
また、接着樹脂18として、紫外線硬化型のウレタンアクリレートを用いた場合には、硬化反応が早くて生産効率も良く、安価なものとすることができる。
【0086】
さらに、その硬度をデュロメータ硬さでHDD80〜65とすると、接着樹脂18自身も適度な弾性を備えたものにできるので、押圧操作時の繰り返し加わる力に対して緩衝材としても機能し、接着強度と耐久性に優れたものにできる。
【0087】
なお、他の材質の接着樹脂を用いた場合でも、その硬度をデュロメータ硬さでHDD80〜65とすると、当該接着樹脂は適度な弾性を有し緩衝材として機能するものにでき、上記同様の効果が期待できる。
【0088】
そして、押圧用突起19の寸法は、円形ドーム状の可動接点14の寸法に対し1/4〜1/2とすると、良好で安定した動作感触が得られるものにでき、しかも、その接着面積も比較的広くとれるため、押圧用突起19が強い接着強度で接着され、かつその接着状態を長期間に亘って安定した状態に維持できるものとなる。
【0089】
ただし、紫外線硬化型のウレタンアクリレートからなる接着樹脂18がデュロメータ硬さでHDD65の場合は、円形ドーム状の可動接点14の寸法に対し、3/8〜1/2とすることが望ましい。
【0090】
なお、本実施の形態では、易接着層としてエステル系樹脂のコーティングで構成したものを説明したが、ウレタン系樹脂のコーティングで易接着層を形成してあるものでも良く、このウレタン系樹脂のコーティングの場合でも相手方の樹脂との濡れ性がよくなり、これに加えて接着剤として上述のウレタンアクリレートからなる接着樹脂18を用いるようにすると、当該易接着層と接着樹脂18が同系材質であるのでさらに密着性の向上を図ることができる。
【0091】
このように本実施の形態によれば、押圧用突起とベースフィルムの対向する表面にエステル系樹脂またはウレタン系樹脂がコーティングされた易接着層を備えたものを用い、両者の易接着層の間を紫外線硬化型のウレタンアクリレートで接着する構成としたので、易接着層と接着剤などとの濡れ性が向上して接着強度が高く、長期間に亘ってその接着状態を維持できる押圧用突起付可動接点体を実現することができる。
【0092】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、使用部品点数を増加させることなく、また製造工程が複雑とならずにベースフィルムと押圧用突起の接着が強固に維持され信頼性に優れた押圧用突起付可動接点体を提供できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による押圧用突起付可動接点体の正面断面図
【図2】同装着状態である操作パネル用スイッチの部分断面図
【図3】同操作パネル用スイッチの動作を説明する図
【図4】同要部である押圧用突起の接着強度を測定する方法を説明する図
【図5】同押圧動作回数と接着強度の試験結果を示すグラフ
【図6】同高温高湿度環境下での押圧動作回数と接着強度の試験結果を示すグラフ
【図7】従来の可動接点体の正面断面図
【図8】同装着状態である操作パネル用スイッチの部分断面図
【図9】同操作パネル用スイッチの動作を説明する図
【符号の説明】
6 固定接点
6A 中央固定接点
6B 外側固定接点
7 配線基板
8 操作釦
11 ベースフィルム
12 粘着層
13,17 樹脂層
14 可動接点
15 セパレータ
16 円柱小片
18 接着樹脂
19 押圧用突起
Claims (6)
- 押下により反転動作するドーム状の導電金属薄板からなる複数個の可動接点と、この複数個の可動接点の上面を下面に形成された粘着層で保持するベースフィルムと、上記各可動接点の中央部に対応する上記ベースフィルムの上面位置に接着剤によって固着された複数個の押圧用突起とを備え、上記ベースフィルムの上面及び上記各押圧用突起の下面のそれぞれに易接着層を有することを特徴とした押圧用突起付可動接点体。
- ベースフィルム及び各押圧用突起の易接着層が、ウレタン系樹脂またはエステル系樹脂がコーティングされた樹脂層である請求項1記載の押圧用突起付可動接点体。
- ベースフィルムと各押圧用突起の間の接着剤として、紫外線硬化型の接着樹脂を硬化させて固着させた請求項1記載の押圧用突起付可動接点体。
- 紫外線硬化型の接着樹脂として、ウレタンアクリレートを用いた請求項3記載の押圧用突起付可動接点体。
- 紫外線硬化型の接着樹脂は、硬化後の硬さが、JIS K 7215タイプDデュロメータ硬さでHDD80〜65である請求項3記載の押圧用突起付可動接点体。
- 可動接点の中央部分を押圧する押圧用突起の大きさを、上記可動接点の外径寸法の1/4〜1/2とした請求項1記載の押圧用突起付可動接体。
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