JP2004192969A - 有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光材料層の劣化を回避する。
【解決手段】基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、前記基板の他方の面側に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、前記基板の他方の面側に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL(Electro Luminescence)表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばアクティブ・マトリクス型の有機EL表示装置は、基板の一方の面に、そのx方向に延在しy方向に並設される各ゲート信号線とy方向に延在しx方向に並設される各ドレイン信号線とで囲まれる領域を画素領域とし、これら各画素領域にはゲート信号線からの走査信号によってオンされるスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極とを備えている。
この画素電極は、対向電極との間に発光材料層を介在させ該対向電極との間に流れる電流によって該発光材料層を発光させるようになっている。ここで、対向電極はたとえば各画素領域に共通に形成され、前記映像信号に対して基準となる電圧を有する信号が印加されるようになっている。
そして、画素電極と対向電極のうち少なくとも一方の電極を透光性の導電層で形成することによって、この一方の電極側へ前記発光材料層からの光を取り出すことができ、観察者の眼に到るようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−321381号公報
【特許文献2】
特開2000−223271号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された有機EL表示装置は、その発光材料層が太陽あるいは蛍光灯からの外来光に対して劣化されやすいということが指摘されるに至った。
発光材料層に含まれるたとえばポリフェニレンビニレン(PPV)等が外来光の照射によって光酸化を起して分解してしまうと考えられるからである。
このことから、有機EL表示装置の寿命・安定性が充分に確保できないという不都合を生じていた。
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は発光材料層の劣化を回避できる有機EL表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
手段1.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
手段2.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記発光材料層と前記基板との間に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
手段3.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段1の構成を前提とし、前記基板の他方の面側に、前記材料層とともに円偏光板が積層されて形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
手段4.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段3の構成を前提とし、前記円偏光板は前記材料層と接着材を介して固着され、該接着剤は紫外線吸収材が混入されていることを特徴とするものである。
【0009】
手段5.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段3の構成を前提とし、前記材料層は前記円偏光板を基板に固着させる接着剤を兼ねていることを特徴とするものである。
【0010】
手段6.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側にタッチパネルが配置され、このタッチパネルは波長350nm以上410nm以下の光を吸収する接着剤によって前記基板と固着されていることを特徴とするものである。
【0011】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による有機EL表示装置の実施例を図面を用いて説明をする。
実施例1.
《画素の構成》
図2は有機EL表示装置の画素の一実施例を示す平面図である。また、図2のI−I線における断面を図1に示している。
なお、図2に示す画素はマトリクス状に配置される各画素のうちの一つを示すもので、このため、当該画素の左右、上下における各画素も同様に構成されている。
【0013】
図2において、たとえばガラスからなる基板SUB1(図1参照)の表面の各画素領域のたとえば左下の個所に図中x方向に延在するポリシリコン層からなる半導体層PSが形成されている。この半導体層PSは薄膜トランジスタTFTの半導体層となるものである。
【0014】
そして、この半導体層PSをも被って該基板SUB1の表面には絶縁膜GI(図1参照)が形成されている。この絶縁膜GIは薄膜トランジスタTFTの形成領域においてゲート絶縁膜として機能するものである。
【0015】
この絶縁膜GIの表面にはそのx方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線GLが形成されている。このゲート信号線GLは後述のドレイン信号線DLとで前記画素領域を画するようにして形成される。
【0016】
また、このゲート信号線GLは図中x方向に並設される各画素領域におけるそれと共通に形成されたものとなっている。
また、このゲート信号線GLは、その一部において前記半導体層PSのほぼ中央部を横切るようにして延在される延在部が形成され、この延在部は薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTとして機能するようになっている。
【0017】
なお、このゲート電極GTの形成後にはそれをマスクとして不純物イオンが打ち込まれ、該ゲート電極GTの直下以外の領域の前記半導体層PSの部分は低抵抗化されるようになっている。
【0018】
ゲート信号線GL(ゲート電極GT)をも被って前記基板SUB1の表面には絶縁膜IN(図1参照)が形成されている。この絶縁膜INは次に説明するドレイン信号線DLの形成領域においてゲート信号線GLに対する層間絶縁膜としての機能を有する。
【0019】
絶縁膜INの表面にはそのy方向に延在されx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成されている。このドレイン信号線DLの一部は前記半導体層PSの一端部にまで延在され、絶縁膜INおよび絶縁膜GIを貫通して予め形成されたスルーホールTH1を通して該半導体層PSと接続されている。すなわち、ドレイン信号線DLの前記延在部は薄膜トランジスタTFTのドレイン電極SD1として機能する。
また、このドレイン信号線DLは図中y方向に並設される各画素領域におけるそれと共通に形成されたものとなっている。
【0020】
また、前記半導体層PSの他端部には絶縁膜INおよび絶縁膜GIを貫通して予め形成されたスルーホールTH2を通して接続されたソース電極SD2が形成され、このソース電極SD2は後述の画素電極PXと接続させるための延在部が形成されている。
【0021】
そして、このようにドレイン信号線DL(ドレイン電極SD1)、ソース電極SD2が形成された基板SUB1の表面には絶縁膜IL(図1参照)が形成されている。
【0022】
この絶縁膜ILの上面には、各画素領域の僅かな周辺を除く中央に画素(陽極)電極PXが形成され、この画素電極PXは該絶縁膜ILに形成したスルーホールTH3を通して前記薄膜トランジスタTFTのソース電極SD2と接続されている。なお、この画素電極PXはたとえばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電膜で形成されている。後述する発光材料層FLRからの光を基板SUB1側へ透過させるためである。
【0023】
画素電極PXの上面には正孔輸送層HTPを介して発光材料層FLRが、さらには電子注入層EPRが積層されて形成され、これら発光材料層FLRを含む各層は隣接する他の画素領域の発光材料層等と有機材料層からなるバンク(隔壁)膜BNKによって画されて形成されている。
【0024】
電子注入層EPRとバンク膜BNKの上面には各画素領域に共通な対向(陰極)電極CTが形成され、この対向電極CTの上面には高分子樹脂シールPSLを介してたとえばガラスからなる基板SUB2が貼り合わされている。
【0025】
画素電極PXと対向電極CTの間に介在された発光材料層FLRに電流が流れることによって、該発光材料層FLRが発光し、この光LTは画素電極PX、基板SUB1を介して目視することができる。
【0026】
なお、前記対向電極CTには映像信号に対して基準となる電圧信号が印加され、該映像信号はドレイン信号線DLから前記薄膜トランジスタTFTを介して前記画素電極PXに印加されるようになっている。また、該薄膜トランジスタTFTはゲート信号線GLからの走査信号によってスイッチオンされるようになっている。
また、この実施例では、前記基板SUBの発光材料層FLRの形成面とは反対側の面、すなわち観察側の面において、まず保護膜PASが形成されている。
【0027】
この保護膜PASは、350nm以上410nm以下の低波長の光を吸収する材料から構成され、基板SUB1からの外来光のうち上記波長の光を前記発光材料層FLRに照射されないようにしている。
この保護膜PASとしては、たとえばUV GUARD(富士フィルム製)あるいは紫外線カットフイルタークリアタイプ(ルル製)等を選択することができる。
【0028】
すなわち、該保護膜PASは上記波長の光の照射による該発光材料層FLRの光酸化による分解を妨げ、該発光材料層FLRの寿命・安定性を充分に確保させるために設けられるものである。
【0029】
そして、この保護膜PASに接着剤ADを介して円偏光板ORIが固着されている。この円偏光板ORIは外来光が対向電極CTに反射してしまうことによる表示面の見にくさを解消するために設けられている。
【0030】
この場合、円偏光板ORIも低波長の光を遮断させる機能を有することから、前記保護膜PASの機能と相俟って、発光材料層FLRの寿命・安定性の信頼性を向上させる効果も有する。
【0031】
さらに、保護膜PASに対する円偏光板ORIの固着に要する接着剤ADとして、紫外線吸収剤が含有されたものを用いることにより、さらなる効果の信頼性を得ることがでる。ここで、該紫外線吸収剤としては、たとえば、H.W.SANDS CORPの2−3(3−シアノ−3メチルスルフォニル−2−2プロペニリデン)−3−(3−スルフォブチル)−チアゾリン、ナトリウム塩などを用いることができ、これをたとえばアクリル系粘着材に適量混合して前記接着剤を得ることができる。
【0032】
《製造方法》
上述した構成において、基板SUB1としてその厚さがたとえば1.1mmのものを用いる。
また、画素電極PXとしてたとえばITO(Indium Tin Oxide)をたとえば150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラフィ技術による選択エッチング法でたとえば150μm×170μmの面積に形成する。
【0033】
バンク膜BNKとしてはアクリル系高分子樹脂をその膜厚たとえば1μmで塗布し、フォトリソグラフィ技術による選択エッチング法で形成する。なお、バンク膜BNKの形成後は、このバンク膜BNKを有する基板SUB1を洗浄し、UVオゾン照射処理を行い、該バンク膜BNKから露出されている画素電極PXの表面の残留有機成分を除去する。
【0034】
次に、蒸着シャドウマスクを用いて、バンク膜BNKに囲まれた画素電極PXの上面に正孔輸送層HTPを選択的に形成する。この正孔輸送層HTPは、たとえばN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−{1,1’−ビフェニル}−4,4’−ジアミン(αNPD)を10−6torr下で0.2nm/秒の蒸着速度で50nmの膜厚で形成する。
【0035】
さらに、前記蒸着シャドウマスクを用いて、正孔輸送層HTPの上面に発光材料層FLRを形成する。この発光材料層FLRは、たとえばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)を前記正孔輸送層HTPの形成と同じ条件で真空蒸着によってたとえば40nmの厚さに形成する。
【0036】
さらに、同様の条件で、たとえばLiFからなる電子注入層EPRを膜厚たとえば0.5nmで形成する。
その後、このように形成した基板SUB1の表面にアルミニウムをたとえば蒸着速度1nm/秒でたとえば100nmの厚さに形成し、このアルミニウム層によって対向電極CTを形成する。
【0037】
ついで、このように形成した基板SUB1を封止用グローブボックスに移し、紫外線硬化タイプの高分子樹脂シールPSLを用いて、対向電極CTが形成された面にたとえばガラスからなる基板SUB2を貼り合わせ、紫外線照射で前記高分子樹脂シールPSLを硬化させて封止する。
【0038】
そして、基板SUB1の発光材料層FLRが形成された面と反対側の面に、保護膜PASを形成する。この保護膜PASは410nmまでの低波長光を吸収する材料からなっている。
さらに、この保護膜PASの面に接着剤ADを介して円偏光板ORIを貼り合わせる。
【0039】
《効果》
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の電圧−輝度特性を測定したところ、電圧8Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は930cd/m2であった。
【0040】
ちなみに、前記構成の有機EL表示装置であって保護膜PASを設けない構成のものにおいて、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は600cd/m2であった。
【0041】
実施例2.
実施例1では、基板SUB1に対して高分子樹脂シールPSLによって基板SUB2を貼り合わせる際に、該高分子樹脂シールPSLをバンク膜BNKに囲まれた領域内にまで満たす構成としたものであるが、この部分を中空にするようにしてもよいことはいうまでもない。
【0042】
また、円偏光板の保護膜PASに対する接着における接着材ADとして、たとえばアクリル系粘着材にH.W.SANDS CORPの2−3(3−シアノ−3メチルスルフォニル−2−2プロペニリデン)−3−(3−スルフォブチル)−チアゾリン、ナトリウム塩を20%混合したものを用いてもよい。
【0043】
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は910cd/m2であった。
【0044】
実施例3.
実施例1では、たとえば正孔輸入層HTPおよび発光材料層FLRを順次形成するのに蒸着シャドウマスクを用いたものであるが、たとえばインクジェット方法を用いて正孔注入層および発光材料層FLRを順次形成するようにしてもよいことはもちろんである。
【0045】
すなわち、インクジェット方法によってPEDOT/PSS水溶液(バイエル)をノズルより50pl噴出させて厚さ約50nmの正孔注入層HTPを形成し、その後、インクジェット方法によってポリフルオレン系高分子発光材料(ダウケミカル)を噴出させて厚さ40nmの発光材料層FLRを形成する。
【0046】
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vでの輝度は910cd/m2であった。
【0047】
ちなみに、前記構成の有機EL表示装置であって保護膜PASを設けない構成のものにおいて、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vでの輝度は490cd/m2であった。
【0048】
実施例4.
図3は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1に示した有機EL表示装置は、保護膜PASを特に基板SUB1の面に形成したものであるが、この保護膜PASの機能を、円偏光板を基板SUB1に接着させるための接着剤ADに兼用させるようにしてもよいことはいうまでもない。
すなわち、該接着剤に410nm以下の光を吸収させる材料を混入させるようにしてもよく、また、接着剤自体の材料として該材料を用いるようにしてもよい。
【0049】
実施例5.
図4は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1と異なる構成は、有機EL表示装置の基板SUB1の面にいわゆるタッチパネルTPを配置させた構成としたものであるが、該タッチパネルTPは前記基板SUB1の面に形成された円偏光板ORIに接着剤ADを介して貼付された構成となっている。
ここで、該接着剤ADは、350nm以上410nm以下の光を吸収させる材料を混入させるようにあるいは、接着剤AD自体の材料として該材料を用いるようにすることはもちろんである。
【0050】
実施例6.
図5は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、基板SUB1の観察側の面に形成した保護膜PASを発光材料層FLR側の面に形成していることにある。
たとえば、該保護膜PASは画素電極PXの下地層として形成されている。しかし、この構成に限定されることはなく、前記発光材料層FLRと基板SUB1の表面との間に形成される幾つかの絶縁膜IN、IL等のうち少なくとも一つの絶縁膜に前記保護膜PASと同様の機能をもたせるようにしてもよい。
【0051】
実施例7.
図6は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、まず、観察側の面が基板SUB2側となっていることにある。このため、少なくとも対向電極CTは透光性の導電層で形成されるようになる。この場合画素電極PXは非透光性の導電膜で形成されてもよい。また、基板SUB2は必然的にガラス等の透光性の材料で形成されることになる。
この場合において、保護膜PASは基板SUB2の観察側の面に形成され、この実施例の場合、該基板SUB2の観察側の面から前記保護膜PAS、接着剤AD、および円偏光板ORIが順次積層されて形成されている。
なお、このような構成において、基板SUB2の観察側の面には上述した各実施例(基板SUB1側に保護膜PASを設けた構成)に示した態様がそのまま適用できることはいうまでもない。
【0052】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による有機EL表示装置によれば、その発光材料層の劣化を回避できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機EL表示装置の画素の一実施例を示す構成図で、図2のI−I線における断面図である。
【図2】本発明による有機EL表示装置の画素の一実施例を示す平面図である。
【図3】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
SUB1…基板、SUB2…基板、GL…ゲート信号線、DL…ドレイン信号線、TFT…薄膜トラジスタ、PX…画素電極、CT…対向電極、IN…絶縁膜、GI…絶縁膜、FLR…発光材料層、BNK…バンク膜、PAS…保護膜、ORI…円偏光板、AD…接着剤、PSL…高分子樹脂シール。
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL(Electro Luminescence)表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばアクティブ・マトリクス型の有機EL表示装置は、基板の一方の面に、そのx方向に延在しy方向に並設される各ゲート信号線とy方向に延在しx方向に並設される各ドレイン信号線とで囲まれる領域を画素領域とし、これら各画素領域にはゲート信号線からの走査信号によってオンされるスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極とを備えている。
この画素電極は、対向電極との間に発光材料層を介在させ該対向電極との間に流れる電流によって該発光材料層を発光させるようになっている。ここで、対向電極はたとえば各画素領域に共通に形成され、前記映像信号に対して基準となる電圧を有する信号が印加されるようになっている。
そして、画素電極と対向電極のうち少なくとも一方の電極を透光性の導電層で形成することによって、この一方の電極側へ前記発光材料層からの光を取り出すことができ、観察者の眼に到るようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−321381号公報
【特許文献2】
特開2000−223271号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された有機EL表示装置は、その発光材料層が太陽あるいは蛍光灯からの外来光に対して劣化されやすいということが指摘されるに至った。
発光材料層に含まれるたとえばポリフェニレンビニレン(PPV)等が外来光の照射によって光酸化を起して分解してしまうと考えられるからである。
このことから、有機EL表示装置の寿命・安定性が充分に確保できないという不都合を生じていた。
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は発光材料層の劣化を回避できる有機EL表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
手段1.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
手段2.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記発光材料層と前記基板との間に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
手段3.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段1の構成を前提とし、前記基板の他方の面側に、前記材料層とともに円偏光板が積層されて形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
手段4.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段3の構成を前提とし、前記円偏光板は前記材料層と接着材を介して固着され、該接着剤は紫外線吸収材が混入されていることを特徴とするものである。
【0009】
手段5.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、手段3の構成を前提とし、前記材料層は前記円偏光板を基板に固着させる接着剤を兼ねていることを特徴とするものである。
【0010】
手段6.
本発明による有機EL表示装置は、たとえば、基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側にタッチパネルが配置され、このタッチパネルは波長350nm以上410nm以下の光を吸収する接着剤によって前記基板と固着されていることを特徴とするものである。
【0011】
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による有機EL表示装置の実施例を図面を用いて説明をする。
実施例1.
《画素の構成》
図2は有機EL表示装置の画素の一実施例を示す平面図である。また、図2のI−I線における断面を図1に示している。
なお、図2に示す画素はマトリクス状に配置される各画素のうちの一つを示すもので、このため、当該画素の左右、上下における各画素も同様に構成されている。
【0013】
図2において、たとえばガラスからなる基板SUB1(図1参照)の表面の各画素領域のたとえば左下の個所に図中x方向に延在するポリシリコン層からなる半導体層PSが形成されている。この半導体層PSは薄膜トランジスタTFTの半導体層となるものである。
【0014】
そして、この半導体層PSをも被って該基板SUB1の表面には絶縁膜GI(図1参照)が形成されている。この絶縁膜GIは薄膜トランジスタTFTの形成領域においてゲート絶縁膜として機能するものである。
【0015】
この絶縁膜GIの表面にはそのx方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線GLが形成されている。このゲート信号線GLは後述のドレイン信号線DLとで前記画素領域を画するようにして形成される。
【0016】
また、このゲート信号線GLは図中x方向に並設される各画素領域におけるそれと共通に形成されたものとなっている。
また、このゲート信号線GLは、その一部において前記半導体層PSのほぼ中央部を横切るようにして延在される延在部が形成され、この延在部は薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTとして機能するようになっている。
【0017】
なお、このゲート電極GTの形成後にはそれをマスクとして不純物イオンが打ち込まれ、該ゲート電極GTの直下以外の領域の前記半導体層PSの部分は低抵抗化されるようになっている。
【0018】
ゲート信号線GL(ゲート電極GT)をも被って前記基板SUB1の表面には絶縁膜IN(図1参照)が形成されている。この絶縁膜INは次に説明するドレイン信号線DLの形成領域においてゲート信号線GLに対する層間絶縁膜としての機能を有する。
【0019】
絶縁膜INの表面にはそのy方向に延在されx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成されている。このドレイン信号線DLの一部は前記半導体層PSの一端部にまで延在され、絶縁膜INおよび絶縁膜GIを貫通して予め形成されたスルーホールTH1を通して該半導体層PSと接続されている。すなわち、ドレイン信号線DLの前記延在部は薄膜トランジスタTFTのドレイン電極SD1として機能する。
また、このドレイン信号線DLは図中y方向に並設される各画素領域におけるそれと共通に形成されたものとなっている。
【0020】
また、前記半導体層PSの他端部には絶縁膜INおよび絶縁膜GIを貫通して予め形成されたスルーホールTH2を通して接続されたソース電極SD2が形成され、このソース電極SD2は後述の画素電極PXと接続させるための延在部が形成されている。
【0021】
そして、このようにドレイン信号線DL(ドレイン電極SD1)、ソース電極SD2が形成された基板SUB1の表面には絶縁膜IL(図1参照)が形成されている。
【0022】
この絶縁膜ILの上面には、各画素領域の僅かな周辺を除く中央に画素(陽極)電極PXが形成され、この画素電極PXは該絶縁膜ILに形成したスルーホールTH3を通して前記薄膜トランジスタTFTのソース電極SD2と接続されている。なお、この画素電極PXはたとえばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電膜で形成されている。後述する発光材料層FLRからの光を基板SUB1側へ透過させるためである。
【0023】
画素電極PXの上面には正孔輸送層HTPを介して発光材料層FLRが、さらには電子注入層EPRが積層されて形成され、これら発光材料層FLRを含む各層は隣接する他の画素領域の発光材料層等と有機材料層からなるバンク(隔壁)膜BNKによって画されて形成されている。
【0024】
電子注入層EPRとバンク膜BNKの上面には各画素領域に共通な対向(陰極)電極CTが形成され、この対向電極CTの上面には高分子樹脂シールPSLを介してたとえばガラスからなる基板SUB2が貼り合わされている。
【0025】
画素電極PXと対向電極CTの間に介在された発光材料層FLRに電流が流れることによって、該発光材料層FLRが発光し、この光LTは画素電極PX、基板SUB1を介して目視することができる。
【0026】
なお、前記対向電極CTには映像信号に対して基準となる電圧信号が印加され、該映像信号はドレイン信号線DLから前記薄膜トランジスタTFTを介して前記画素電極PXに印加されるようになっている。また、該薄膜トランジスタTFTはゲート信号線GLからの走査信号によってスイッチオンされるようになっている。
また、この実施例では、前記基板SUBの発光材料層FLRの形成面とは反対側の面、すなわち観察側の面において、まず保護膜PASが形成されている。
【0027】
この保護膜PASは、350nm以上410nm以下の低波長の光を吸収する材料から構成され、基板SUB1からの外来光のうち上記波長の光を前記発光材料層FLRに照射されないようにしている。
この保護膜PASとしては、たとえばUV GUARD(富士フィルム製)あるいは紫外線カットフイルタークリアタイプ(ルル製)等を選択することができる。
【0028】
すなわち、該保護膜PASは上記波長の光の照射による該発光材料層FLRの光酸化による分解を妨げ、該発光材料層FLRの寿命・安定性を充分に確保させるために設けられるものである。
【0029】
そして、この保護膜PASに接着剤ADを介して円偏光板ORIが固着されている。この円偏光板ORIは外来光が対向電極CTに反射してしまうことによる表示面の見にくさを解消するために設けられている。
【0030】
この場合、円偏光板ORIも低波長の光を遮断させる機能を有することから、前記保護膜PASの機能と相俟って、発光材料層FLRの寿命・安定性の信頼性を向上させる効果も有する。
【0031】
さらに、保護膜PASに対する円偏光板ORIの固着に要する接着剤ADとして、紫外線吸収剤が含有されたものを用いることにより、さらなる効果の信頼性を得ることがでる。ここで、該紫外線吸収剤としては、たとえば、H.W.SANDS CORPの2−3(3−シアノ−3メチルスルフォニル−2−2プロペニリデン)−3−(3−スルフォブチル)−チアゾリン、ナトリウム塩などを用いることができ、これをたとえばアクリル系粘着材に適量混合して前記接着剤を得ることができる。
【0032】
《製造方法》
上述した構成において、基板SUB1としてその厚さがたとえば1.1mmのものを用いる。
また、画素電極PXとしてたとえばITO(Indium Tin Oxide)をたとえば150nmの厚さに成膜し、フォトリソグラフィ技術による選択エッチング法でたとえば150μm×170μmの面積に形成する。
【0033】
バンク膜BNKとしてはアクリル系高分子樹脂をその膜厚たとえば1μmで塗布し、フォトリソグラフィ技術による選択エッチング法で形成する。なお、バンク膜BNKの形成後は、このバンク膜BNKを有する基板SUB1を洗浄し、UVオゾン照射処理を行い、該バンク膜BNKから露出されている画素電極PXの表面の残留有機成分を除去する。
【0034】
次に、蒸着シャドウマスクを用いて、バンク膜BNKに囲まれた画素電極PXの上面に正孔輸送層HTPを選択的に形成する。この正孔輸送層HTPは、たとえばN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−{1,1’−ビフェニル}−4,4’−ジアミン(αNPD)を10−6torr下で0.2nm/秒の蒸着速度で50nmの膜厚で形成する。
【0035】
さらに、前記蒸着シャドウマスクを用いて、正孔輸送層HTPの上面に発光材料層FLRを形成する。この発光材料層FLRは、たとえばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)を前記正孔輸送層HTPの形成と同じ条件で真空蒸着によってたとえば40nmの厚さに形成する。
【0036】
さらに、同様の条件で、たとえばLiFからなる電子注入層EPRを膜厚たとえば0.5nmで形成する。
その後、このように形成した基板SUB1の表面にアルミニウムをたとえば蒸着速度1nm/秒でたとえば100nmの厚さに形成し、このアルミニウム層によって対向電極CTを形成する。
【0037】
ついで、このように形成した基板SUB1を封止用グローブボックスに移し、紫外線硬化タイプの高分子樹脂シールPSLを用いて、対向電極CTが形成された面にたとえばガラスからなる基板SUB2を貼り合わせ、紫外線照射で前記高分子樹脂シールPSLを硬化させて封止する。
【0038】
そして、基板SUB1の発光材料層FLRが形成された面と反対側の面に、保護膜PASを形成する。この保護膜PASは410nmまでの低波長光を吸収する材料からなっている。
さらに、この保護膜PASの面に接着剤ADを介して円偏光板ORIを貼り合わせる。
【0039】
《効果》
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の電圧−輝度特性を測定したところ、電圧8Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は930cd/m2であった。
【0040】
ちなみに、前記構成の有機EL表示装置であって保護膜PASを設けない構成のものにおいて、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は600cd/m2であった。
【0041】
実施例2.
実施例1では、基板SUB1に対して高分子樹脂シールPSLによって基板SUB2を貼り合わせる際に、該高分子樹脂シールPSLをバンク膜BNKに囲まれた領域内にまで満たす構成としたものであるが、この部分を中空にするようにしてもよいことはいうまでもない。
【0042】
また、円偏光板の保護膜PASに対する接着における接着材ADとして、たとえばアクリル系粘着材にH.W.SANDS CORPの2−3(3−シアノ−3メチルスルフォニル−2−2プロペニリデン)−3−(3−スルフォブチル)−チアゾリン、ナトリウム塩を20%混合したものを用いてもよい。
【0043】
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧8Vでの輝度は910cd/m2であった。
【0044】
実施例3.
実施例1では、たとえば正孔輸入層HTPおよび発光材料層FLRを順次形成するのに蒸着シャドウマスクを用いたものであるが、たとえばインクジェット方法を用いて正孔注入層および発光材料層FLRを順次形成するようにしてもよいことはもちろんである。
【0045】
すなわち、インクジェット方法によってPEDOT/PSS水溶液(バイエル)をノズルより50pl噴出させて厚さ約50nmの正孔注入層HTPを形成し、その後、インクジェット方法によってポリフルオレン系高分子発光材料(ダウケミカル)を噴出させて厚さ40nmの発光材料層FLRを形成する。
【0046】
このように構成した有機EL表示装置において、その画素電極PXと対向電極CTとの間に、直流電圧を印加して発光層からの緑色発光の輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vで約1000cd/m2の輝度が得られた。その後、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vでの輝度は910cd/m2であった。
【0047】
ちなみに、前記構成の有機EL表示装置であって保護膜PASを設けない構成のものにおいて、キセノンランプの光をその照度6mW/cm2(波長 405nm)で5時間照射し、その輝度−電圧特性を測定したところ、電圧5.5Vでの輝度は490cd/m2であった。
【0048】
実施例4.
図3は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1に示した有機EL表示装置は、保護膜PASを特に基板SUB1の面に形成したものであるが、この保護膜PASの機能を、円偏光板を基板SUB1に接着させるための接着剤ADに兼用させるようにしてもよいことはいうまでもない。
すなわち、該接着剤に410nm以下の光を吸収させる材料を混入させるようにしてもよく、また、接着剤自体の材料として該材料を用いるようにしてもよい。
【0049】
実施例5.
図4は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1と異なる構成は、有機EL表示装置の基板SUB1の面にいわゆるタッチパネルTPを配置させた構成としたものであるが、該タッチパネルTPは前記基板SUB1の面に形成された円偏光板ORIに接着剤ADを介して貼付された構成となっている。
ここで、該接着剤ADは、350nm以上410nm以下の光を吸収させる材料を混入させるようにあるいは、接着剤AD自体の材料として該材料を用いるようにすることはもちろんである。
【0050】
実施例6.
図5は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、基板SUB1の観察側の面に形成した保護膜PASを発光材料層FLR側の面に形成していることにある。
たとえば、該保護膜PASは画素電極PXの下地層として形成されている。しかし、この構成に限定されることはなく、前記発光材料層FLRと基板SUB1の表面との間に形成される幾つかの絶縁膜IN、IL等のうち少なくとも一つの絶縁膜に前記保護膜PASと同様の機能をもたせるようにしてもよい。
【0051】
実施例7.
図6は、本発明による有機EL表示装置の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、まず、観察側の面が基板SUB2側となっていることにある。このため、少なくとも対向電極CTは透光性の導電層で形成されるようになる。この場合画素電極PXは非透光性の導電膜で形成されてもよい。また、基板SUB2は必然的にガラス等の透光性の材料で形成されることになる。
この場合において、保護膜PASは基板SUB2の観察側の面に形成され、この実施例の場合、該基板SUB2の観察側の面から前記保護膜PAS、接着剤AD、および円偏光板ORIが順次積層されて形成されている。
なお、このような構成において、基板SUB2の観察側の面には上述した各実施例(基板SUB1側に保護膜PASを設けた構成)に示した態様がそのまま適用できることはいうまでもない。
【0052】
上述した各実施例はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施例での効果を単独であるいは相乗して奏することができるからである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による有機EL表示装置によれば、その発光材料層の劣化を回避できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機EL表示装置の画素の一実施例を示す構成図で、図2のI−I線における断面図である。
【図2】本発明による有機EL表示装置の画素の一実施例を示す平面図である。
【図3】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明による有機EL表示装置の画素の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
SUB1…基板、SUB2…基板、GL…ゲート信号線、DL…ドレイン信号線、TFT…薄膜トラジスタ、PX…画素電極、CT…対向電極、IN…絶縁膜、GI…絶縁膜、FLR…発光材料層、BNK…バンク膜、PAS…保護膜、ORI…円偏光板、AD…接着剤、PSL…高分子樹脂シール。
Claims (6)
- 基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記発光材料層と前記基板との間に、波長350nm以上410nm以下の光を吸収する材料層が形成されていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 前記基板の他方の面側に、前記材料層とともに円偏光板が積層されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
- 前記円偏光板は前記材料層と接着材を介して固着され、該接着剤は紫外線吸収材が混入されていることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置。
- 前記材料層は前記円偏光板を基板に固着させる接着剤を兼ねていることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置。
- 基板の一方の面側に発光材料層が形成され、この発光材料層からの光は前記基板側に取り出されるものであって、
前記基板の他方の面側にタッチパネルが配置され、このタッチパネルは波長350nm以上410nm以下の光を吸収する接着剤によって前記基板と固着されていることを特徴とする有機EL表示装置。
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