JP2004192163A - 生産計画立案システムと立案方法とそのためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】仮確定オーダに対して仮確定生産枠を確保し、商談中に回答した納期と、実際の納期とがずれることを防止する。また、確定したオーダに対しては、他のオーダ元のための見込み生産枠をも対象として探索し、オーダから生産完了までのリードタイムを短縮化する。
【解決手段】オーダ情報入力部23に仮確定オーダが入力されたときに、生産枠確保部25が最先の「未確定生産枠」を探索し、「仮確定生産枠」として確保する。仮確定オーダが確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する。オーダ情報入力部23に確定したオーダが入力されたときに、生産枠確保部25がオーダ元を異にする「未確定生産枠」をも含めて最先の「未確定生産枠」を探索し、確定オーダされた製品に引き当てる。
【選択図】 図1
【解決手段】オーダ情報入力部23に仮確定オーダが入力されたときに、生産枠確保部25が最先の「未確定生産枠」を探索し、「仮確定生産枠」として確保する。仮確定オーダが確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する。オーダ情報入力部23に確定したオーダが入力されたときに、生産枠確保部25がオーダ元を異にする「未確定生産枠」をも含めて最先の「未確定生産枠」を探索し、確定オーダされた製品に引き当てる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】多種多様な製品を生産する場合、受注生産方式が好ましい。しかしながら、受注を待って生産し始める単純な受注生産方式では、多くの不具合が生じる。例えば自動車のように多くの部品メーカが関与する製品の場合、受注を受けてから部品を生産し始める方式では、受注してから製品の生産が完了するまでの時間が長くなってしまう。さりとて、受注を見込んで生産する方式にも問題がある。見込みがずれると、過大在庫が発生したり欠品が発生したりする。
【0003】
そこで、見込みオーダといわれる手法が開発されている。製品の販売会社は、過去の販売実績を考慮して将来の販売計画を作成する。例えば、向こう三ヶ月の間に「製品Aを80台、製品Bを40台、製品Cを40台」販売するという計画を立案する。販売計画が確定したときに、販売会社は生産会社に見込みオーダを発注する。販売会社の作成する販売計画の精度は高く(さもなければ販売会社の経営が成り立たない)、各販売会社から生産会社に見込みオーダが発注されると生産会社の方で生産計画を立案することが可能となる。
各販売会社から生産会社に見込みオーダが発注されると、生産会社の方では、計画対象期間内に生産することが必要な種類別の生産数を把握することができ、製品生産計画を立案することが可能となる。また、製品生産計画が立案されると、部品の生産計画を立案することも可能となる。
【0004】
販売会社と需要者との間で商談が成立した時点で、販売会社は見込みオーダを確定オーダに変更する。「80台の製品A」を見込みオーダしていた販売会社で1台の製品Aの商談が成立すると、製品Aの見込みオーダが79台とされ、製品Aの確定オーダが1台とされる。
【0005】
見込みオーダを採用すると、商談が成立するよりも先の時点で種類別の生産数を把握できるために、合理的な生産計画が立案でき、部品の供給体制を整えることができる。
【0006】
見込みオーダに基づいて生産計画を立案する方式では、オーダが確定した時点で、確定したオーダにマッチする生産計画に修正できるようにしておく必要がある。
例えば、「製品Aを80台、製品Bを40台、製品Cを40台」という見込みオーダを受注した時点で、「A→B→A→C→A→B→A→C→・・・」の順序で生産する生産計画を作り、その後に、製品Cの商談成立が他種類のオーダ確定ペースよりも早く進行すると、見込みオーダに基づいて立案した生産計画と、売れ行きのよい製品Cを先に生産したいという要求とを折り合わせる技術が必要とされる。
【0007】
製品群を順次に生産するラインの生産計画を立案する場合、生産枠という手法が利用される。例えば10分に1台の製品を生産するラインの稼働日と稼働時間が決定されると、生産可能な生産枠が決まる。例えば、正規稼働時間が8時間のラインで2時間の残業をすることが決定されると、10分を1枠とする合計60個の製品生産枠が確保される。製品生産計画とは、どの生産枠でどの製品を生産するかを決定することに他ならない。
【0008】
一般的な生産計画立案システムは、生産枠を記憶している手段を備えている。例えば、1月1日には60個の生産枠が存在し、3時間の残業がある1月2日には66個の生産枠が存在するといったことを記憶している。
一般的な生産計画立案システムは、各販売会社から入力される見込みオーダを集約する手段を備えている。この集約手段によって、例えば1ヶ月単位で生産計画を立案する場合には、その1か月の間に生産する種類別の生産必要数を把握する。
【0009】
一般的な生産計画立案システムは、この場合、1か月分の生産枠と1か月分の種類別の生産必要数とを対比し、どの生産枠にどの種類を対応付けるかを決定していく。この段階では、製品種類と生産枠が対応付けられて生産計画が立案される。この対応付けは、販売会社からの見込みオーダに基づくものである。最初に立案される製品生産計画は、見込みオーダされた製品と生産枠とを対応付けたものである。
製品種類と対応付けられた生産枠は、見込みオーダの受注時点では商談が成立していないものであり、確定的な対応付けではない。その後に商談が成立した時点で製品種類と生産枠の対応付けが確定され、その生産枠が「確定生産枠」となる。
【0010】
ここで用語の定義を明確にしておく。
オーダ:販売会社などのオーダ元から生産工場への製品の生産依頼をいう。販売会社から生産会社に依頼されたオーダを基にして、生産会社から生産工場へオーダが依頼されることが多い。あるいは、販売会社や生産会社が夫々直接的に生産工場へオーダを依頼することもある。その他にも、同一の会社の中に販売部門と生産部門があり、販売部門から生産部門に依頼されたオーダを基にして、生産部門から生産工場へオーダが依頼されたり、販売部門や生産部門が夫々直接的に生産工場へオーダを依頼する場合もある。また、オーダの依頼先の生産会社と生産工場が同一の場合もある。なお、生産工場は一の場合も複数の場合もあり得る。
オーダは3種類に区別されている。
見込みオーダ:販売会社が過去の販売実績を考慮して作成した将来の販売計画に基づいてするオーダを「見込みオーダ」という。販売会社が在庫用製品を持っておくために発注する数を含んでいることがある。
確定オーダ:需要者と販売会社との間で商談が成立した時点で依頼されるオーダを「確定オーダ」という。見込みオーダの範囲内であることもあれば、見込みオーダにないオーダであることもある。例えば、見込みオーダをしなかった販売会社がいきなり確定オーダすることもある。
仮確定オーダ:需要者と販売会社との間で商談が開始され、商談の成立が見込める段階で依頼されるオーダを「仮確定オーダ」という。仮確定オーダは、本発明で創作された概念であり、従来から存在する概念ではない。
生産枠:一つの製品を生産することができる生産計画上での枠のことをいう。一つ一つの生産枠は、3種類のステータスに区別されている。
確定生産枠:確定オーダされた製品に引き当てられた生産枠を「確定生産枠」という。「見込みオーダ」された製品の商談が成立して「確定オーダ」となると「未確定生産枠」から「確定生産枠」に切換えられる。
仮確定生産枠:「仮確定オーダ」された製品に引き当てられた生産枠を「仮確定生産枠」という。「仮確定生産枠」には有効期間があり、有効期間内にオーダが確定すれば「確定生産枠」になり、オーダが確定しなければ「未確定生産枠」に戻される。
未確定生産枠:確定生産枠と仮確定生産枠以外の生産枠をいう。「未確定生産枠」には、見込みオーダされた製品に引き当てられた「見込み生産枠」と、オーダを受けていない「空生産枠」との2種類がある。
「見込み生産枠」が「確定生産枠」に切換えられないままに実際の生産日となることがある。この場合には「見込み生産枠」に引き当てられている製品を生産する。生産された製品は販売会社の在庫製品となる。実際の生産日になっても「空生産枠」のままに残されることがある。この場合には、生産会社の責任で生産する製品を決定する。生産能力を浪費することに代えて見込み生産することに相当する。生産された製品は生産会社の在庫製品となり、新たなオーダに引き当てられる。
【0011】
従来の技術では、販売会社と需要者との間で商談が成立すると、その販売会社の見込みオーダに確保されている「見込み生産枠」の中から最も早い生産枠を引き当てて確定生産枠とする。最先の「見込み生産枠」よりも早い時期に「空生産枠」があれば、その「空生産枠」に確定オーダされた製品を引き当てて「確定生産枠」を確保する。「見込みオーダ」を持たない販売会社から確定オーダが入力された場合、あるいは見込みオーダ数を超える確定オーダが入力された場合には、「空生産枠」のなかから最先の生産枠を引き当てて「確定生産枠」を確保する。
特許文献1には、見込み生産される製品と受注生産される製品とを区別することなく、見込み生産される製品に引き当てた生産枠も、受注生産される製品に引き当てた生産枠も共に確定生産枠として生産計画を立案する技術が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−350513号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、確定オーダがあったときにその販売会社の見込みオーダに確保されている「見込み生産枠」と「空生産枠」の中から最先の生産枠を探索し、探索された最先の生産枠に確定オーダを引き当てて確定生産枠を確保する。見込みオーダを持たない販売会社から確定オーダが入力された場合には「空生産枠」の中から最先の生産枠を引き当てて「確定生産枠」を確保する。
この場合、そうして確保される「確定生産枠」よりも早い生産枠に、他の販売会社のための「見込み生産枠」があることがある。本来なら顧客との商談が成立した製品は、見込みオーダのために確保している生産枠よりも優先して生産されるべきである。すなわち、同一販売会社のものであるか他の販売会社のものであるかを問わずに全ての「見込み生産枠」をも探索対象として最先の生産枠を確保するべきである。
また、需要者からの受注が確定した時点で「未確定生産枠」を探索すると、商談中に販売会社が生産会社に照会して顧客に回答した納期と、実際の納期とがずれてしまうことがある。これは、納期照会時には「未確定生産枠」であったものが商談の最中に他の確定オーダによって「確定生産枠」に変更されてしまった場合に生じる。このような納期のずれを回避するためには、確定していない暫定的な受注を受けたときに、「未確定生産枠」を「確定生産枠」に切換えておき、他の確定オーダに引き当てられないようにしておくことが必要とされる。もっとも確定オーダでなく暫定的なオーダに過ぎないことから、確定オーダにならないこともある。暫定的な受注時に「未確定生産枠」を「確定生産枠」に切換える一方で、確定オーダにならない際には「未確定生産枠」に戻す技術が必要とされる。
【0014】
前述の特許文献1に記載されている技術では、見込み生産される製品と受注生産される製品を区別することなく、見込み生産される製品に引き当てた生産枠と受注生産される製品に引き当てた生産枠の両方を確定生産枠として確保する。このような技術では、見込み生産枠の中から確定オーダされた製品に生産枠を引き当てることができない。
また、商談中に回答した納期と、確定オーダを受けてから立案する生産計画で可能な納期との間にずれが生じることが避けられない。
【0015】
以上の問題に鑑み、本発明では、商談が成立した製品に引き当てる生産枠を、空生産枠と同一オーダ元のための見込み生産枠に制限せず、他のオーダ元のための見込み生産枠をも探索対象に拡大して探索する。これによって、確定オーダから生産完了までのリードタイムを短縮化する。
また、確定していない暫定的な受注に基づいてオーダが入力されたときには未確定生産枠を探索し、探索された生産枠を「仮確定生産枠」として確保しておく。これによって、商談中に回答した納期と、確定オーダを受けてから生産する際の納期との間にずれが生じることを防止することができる。
【0016】
【課題を解決するための手段と作用】上記の課題を解決するために、本発明で創作したシステムでは、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する。このシステムは、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、各生産枠が「確定オーダに対応する確定生産枠」か「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、仮確定オーダが入力されたときに所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する手段と、仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する手段とを備えている。
【0017】
本システムにおいて特長的なことは、「仮確定生産枠」という分類を認めることである。この分類を認めることで、確定生産枠でも未確定生産枠でもない生産枠が発生する。
本システムによると、需要者と販売会社との間で商談が進行し、商談の成立が見込める段階で、販売会社は仮確定オーダをすることが許される。本システムに仮確定オーダが入力されると、システムは、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のうちで最も早い生産枠を探索し、探索された最先の「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当てて「仮確定生産枠」に変更する。この探索の段階では、仮確定生産枠を除外して探索されることから、例えば他の販売会社からの仮確定オーダに対応付けられた生産枠は探索対象から外され、その意味において仮確定オーダは確定オーダと同等に扱われる。ここでは仮確定オーダとはいえ確定オーダと同等に扱われるために、その後の他のオーダによって生産枠が奪われることがない。すなわち、仮確定オーダの入力時に探索された生産枠で生産されることとされ、仮確定オーダの入力時に予定した生産完了時点がずれることがない。
また、仮確定オーダが入力された時点で、他の確定オーダや仮確定オーダのための生産に支障がない範囲内で最も早く生産できる生産枠を探索することから、仮確定オーダから納期までの期間を短くすることができる。
もっとも仮確定オーダは仮であって、確定オーダに至らない場合もある。本システムでは、仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更する一方、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する手段とを備えている。このために、仮確定生産枠がいつまでも仮確定生産枠のままにおかれることはなく、「確定生産枠」「未確定生産枠」のいずれかに切換えられる。
【0018】
なお、仮確定オーダを受けて「未確定生産枠」のうちで最も早い生産枠を探索する場合、条件を課することができる。例えば生産枠ごとに生産可能な種類の制約が課されていれば、仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠のなかから探索される。あるいは、生産する製品種類の変更が一定の制約条件のもとで許容される場合には、その制約条件のもとで探索する。あるいは、仮確定オーダされた製品のための部品の手当てが可能な範囲内で最先の未確定生産枠を探索する。
【0019】
本システムによると、仮確定オーダされた製品のための仮確定生産枠を、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠からだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保された見込生産枠をも探索対象として探索するため、仮確定オーダされた製品の仮確定生産枠が他の販売会社の見込み生産枠よりも遅くなることを回避できる。
【0020】
「未確定生産枠」は「見込みオーダに対応する見込み生産枠」か「オーダを受けていない空生産枠」のいずれかである。
この場合、生産能力を有効に活用するとともに、早く生産できる生産枠を優先して活用する生産計画が作成できる。
【0021】
仮確定オーダされた製品に引き当てられる生産枠が同一販売会社の見込み生産枠である場合には、その見込み生産枠を仮確定生産枠に変更するだけでよく、他の生産枠を変更する必要ない。
見込み生産枠が同一販売会社のものであるか否かを明らかにするためには、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶しておくだけでなく、オーダ元を対応付けて記憶しておくことが好ましい。その上で、探索された「未確定生産枠」が、仮確定オーダしたオーダ元の「見込み生産枠」のときには、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に変更することが好ましい。
【0022】
一方、仮確定オーダされた製品に引き当てられる生産枠が他の販売会社の見込みオーダのための見込み生産枠である場合には、その見込み生産枠を単純に仮確定生産枠に変更することはできない。他の販売会社のために確保されている見込み生産枠の数を減らすことはできないためである。他の販売会社のために確保されている見込み生産枠の数を減らすことなく仮確定生産枠を確保するためには、見込み生産枠を仮確定生産枠に置き換えるとともに、置き換えられた見込み生産枠を繰り下げる必要がある。置き換えられた見込み生産枠が繰り下がると、連動してその生産枠以降の未確定生産枠も繰り下がる。しかしながら際限なく繰下げればよいというわけでなく、仮確定オーダした販売会社のために確保されている次の見込み生産枠まで繰り下げるべきである。
探索された「未確定生産枠」が、仮確定オーダしたオーダ元とは異なるオーダ元の「見込み生産枠」であれば、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に置き換え、置き換えられた「見込み生産枠」から仮確定オーダしたオーダ元の次の「見込み生産枠」に至るまでの間の「未確定生産枠」を繰り下げることが好ましい。この場合、結果としては仮確定オーダしたオーダ元の「見込み生産枠」が「仮確定生産枠」に変更される。
【0023】
生産ラインでは、生産枠ごとに生産可能な製品種類が制約されていることがある。例えば、ある生産枠では種類A,Bのいずれかしか生産できず、その次の生産枠では種類C,Dのいずれかしか生産できないという制約が存在することがある。上記の制約を通常時の制約とし、特に必要とされれば、その制約を変更することが許される生産ラインが存在する。例えば、種類C、Dのいずれかしか通常なら生産できないはずの生産枠で、必要があれば、種類Aを生産するように変更できる場合がある。
この種の生産ラインの生産計画を立案する場合、生産枠とその生産枠で生産可能な製品種類を対応付けて記憶する手段と、それから変更可能な製品種類を記憶する手段とを備えており、仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠または変更すれば仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠の範囲内で「未確定生産枠」を探索することが好ましい。
この技術によると、例えば通常時の平準化された生産順序と、確定オーダされた製品を優先的に生産する順序とが両立する生産計画を立案することができる。この場合、見込みオーダに基づいて生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける場合には、変更可能な製品種類の情報を活用せず、変更しないで生産可能な製品種類の制約の中で対応付ける。
【0024】
製品を構成する全ての部品が揃っていなければ、製品を生産することができない。従って、仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた製品のための部品の手当てが可能な範囲内で最も早い「未確定生産枠」を探索することが好ましい。
【0025】
本発明で創作した方法は、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する。この方法では、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理、
・各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理、
・仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理、
・探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する処理、
・仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理を実行させる。
【0026】
本発明で創作したプログラムは、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案するために実行される。このプログラムでは、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理、
・各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理、
・仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理、
・探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」とする処理、
・仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理とを実行させる。
上記の方法とプログラムによると、商談の進行中に仮確定オーダすることが許容され、仮確定オーダすると生産計画が仮に確定されて完成予定時期等を確定することができる。この仮確定生産枠は、その後に他のオーダが入っても遅らせられることがない。仮確定オーダの入力時に探索された生産枠で生産されることになり、仮確定オーダの入力時に予定した生産完了時点がずれることがない。
また仮確定生産枠は、時間の進行に伴って確定生産枠か未確定生産枠かに変更され、仮確定オーダがキャンセルになっても不都合なく対処することができる。
【0027】
確定オーダされた製品のための生産枠を、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠とからだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠をも対象として探索するようにすると、確定オーダされた製品を早く生産することが可能となる。
このために、本発明の他の一つのシステムは、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、各生産枠が「オーダが確定している確定生産枠」か「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、オーダが確定したときにオーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を確定オーダされた製品に引き当てる手段とを備える。
この場合、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠とからだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保されている見込生産枠をも探索対象として確定オーダされた製品のための生産枠を探索する。したがって、見込みがあってもオーダが確定していない製品よりも、確定オーダされた製品を早く生産することができる。
この技術は、「仮確定生産枠」という分類を許すシステムにも、許さないシステムにも適用することができる。
【0028】
本発明の他の一つの方法では、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理と、
・各生産枠が、「オーダが確定している確定生産枠」か、「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理と、
・オーダが確定したときに、オーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理と、
・探索された「未確定生産枠」を確定オーダされた製品に引き当てる処理とを実行させる。
見込みがあってもオーダが確定していない製品よりも、確定オーダされた製品を早く生産することができる生産計画が立案される。
【0029】
【発明の実施の形態】下記に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 生産枠ごとに生産可能な製品種類が制約されている。例えば、ある生産枠では種類A,Bのいずれかしか生産できず、その次の生産枠では種類C,Dのいずれかしか生産できないという制約が存在する。通常の探索ロジック(見込みオーダに基づいて生産枠に製品を対応付ける処理)では、上記制約条件に従って探索する。その一方において、一定条件下では生産する種類の変更が認められることがある。例えば、種類CまたはDのいずれかしか生産できないはずの生産枠で種類Aを生産するように変更できることがある。優先探索ロジック(確定または仮確定オーダされた製品の生産枠を探索する処理)では上記変更条件を活用して探索する。
【0030】
【実施例】本実施例では自動車を順次生産するラインの生産計画を立案する。この自動車生産ラインでは、車種AとBとCを混合生産する。この自動車生産ラインの例えば1月の稼動日数は20日とされ、1日に20台分の生産枠群が設定されている。1月の合計生産枠は400台分が存在する。
製品を構成する部品は他のラインで生産されることとなっており、それぞれの部品生産ラインについても部品生産枠群が設定されている。
自動車生産ラインの生産計画は、生産枠群に含まれる一つ一つの生産枠に車種を引き当てていくことで立案されるが、以下では生産枠の引き当て処理をN日の前日(即ちN−1日)に実施するものとする。引き当ての対象となる生産枠を探索する期間を、N日からN+4日までとする。
【0031】
本実施例の生産計画立案システムの構成を図1に示す。生産計画立案コンピュータ2は、生産工場に設置されている。生産計画立案コンピュータ2は、販売会社などに設置されているオーダ元コンピュータ4とコンピュータ・ネットワーク6で接続されている。オーダ元コンピュータ4は、入力端末42と、オーダ情報入出力部44とを備えており、オペレータが操作する入力端末42からオーダ情報が入力され、入力されたオーダ情報をオーダ情報入出力部44から生産計画立案コンピュータ2へ出力する。オーダ情報入出力部44から出力されたオーダ情報は、生産計画立案コンピュータ2のオーダ情報入力部23によって入力され、生産計画立案コンピュータ2は入力されたオーダ情報に基づいて生産計画の立案処理を実行する。
オーダ元コンピュータ4は、オペレータが操作する入力端末42から納期の回答を求める情報が入力され、入力された納期回答要求情報を生産計画立案コンピュータ2に出力する納期回答要求情報入出力部46を備えている。
生産計画立案コンピュータ2は、オーダ情報入力部23で入力されたオーダ情報に基づいて生産計画を立案する。立案した生産計画を活用し、オーダされた製品をオーダした販売会社に納品できる時期を計算し(リードタイム・納期計算部29)、計算された納期を販売会社のオーダ元コンピュータ4に出力する(納期回答出力部31)。オーダ元コンピュータ4には回答された納期が入力され(納期回答入力部48)、入力された納期を納期表示部50に表示する。
【0032】
生産計画立案コンピュータ2は、主として記憶部10と演算処理部8とで構成されている。記憶部10に記憶されている情報を説明する。
生産工場在庫車両情報記憶部5には、生産工場が在庫として有している自動車の情報が記憶されている。前述したように、オーダで埋められなかった空生産枠は、生産能力の浪費を避けるために、生産計画の最終確定時点で、生産工場の責任で製造する製品を決定する。これはオーダに基づいて生産するのでなく、生産工場の見込みに基づいて生産することに相当し、生産工場の在庫となる。生産工場在庫車両情報記憶部5には、生産工場に在庫されている車種別に在庫台数が記憶されている。
【0033】
車両生産枠群情報記憶部7には、自動車生産ラインに設定された生産枠群が記憶されている。図8の最上段が、車両生産枠群情報記憶部7に記憶されている生産枠を例示しており、一つの枠が一つの生産枠に対応する。稼働日と、残業時間を含む稼働時間と、製品生産ペース(タクト)が決まると、生産枠群が決定される。車両生産枠群情報記憶部7には、生産枠のみが記憶されており、その生産枠で生産する製品種類の情報等は記憶されていない。
部品生産枠群情報記憶部9には、自動車生産ラインで生産される車種の構成部品を生産する部品生産ラインの生産枠群が記憶されている。
【0034】
生産枠/車種/オ−ダ元/ステータス情報記憶部11には、生産枠ごとに、その生産枠で生産する車種と(図8の第三段目以降に生産枠に車種が引き当てられている例が示されている)、その生産枠に引き当てられた製品をオーダしたオーダ元と(図8中の甲乙丙丁がオーダ元を例示している)、その生産枠と製品の対応付けのステータスが記憶されている。ステータスは、その生産枠で生産する製品のオーダが確定している「確定生産枠」であるか、後記する「仮確定生産枠」であるか、見込みオーダに基づいて生産枠に車種を引き当てたものであってその後に変更されることがあり得る「見込み生産枠」であるか、あるいは、「空生産枠」のいずれであるかで記憶されている。前記したオーダ元には、確定オーダ、仮確定オーダ、見込みオーダの区別なく、とにかくもオーダしたオーダ元が記憶されている。
生産枠/部品種類/オ−ダ元/ステータス情報記憶部13には、部品生産ラインのための同種の情報が記憶されている。
【0035】
生産枠/生産可能種類情報記憶部12には、生産枠毎にその生産枠で生産可能な製品種類が対応付けて記憶されている。図8の第二段目に各生産枠で生産可能な種類が例示されている。この場合の生産可能な製品の種類は、単位時間あたりの作業負荷を平準化させ、部品調達ペースを平準化させるために決められている。図8の場合、1日のうちに車種Aを10台、車種Bを5台、車種Cを5台生産する計画となっている。ここで、最初に車種Aを連続して10台生産し、ついで車種Bを5台、車種Cを5台連続して生産するのに比して、「車種A、車種B、車種A、車種C」の順で生産するサイクルを繰り返して生産する方が、単位時間あたりの作業負荷や部品調達ペースが平準化される。ここでは、平準化のために必要とされる生産枠とその生産枠で生産可能な種類が割り当てられている。なお生産枠で生産可能な種類が2種類以上存在することもある。
部品生産枠/生産可能部品種類情報記憶部14には、部品生産ラインのための同種の情報が記憶されている。
【0036】
変更可能車種情報記憶部15には、許容される車種の変更に関する情報が記憶されている。図14はその一例を示し、車種Bの生産を予定していた生産枠で車種Aを生産する変更が許容され、車種Cの生産を予定していた生産枠で車種Aを生産する変更が許容される。また、車種Cの生産を予定していた生産枠で車種Bを生産する変更が許容される。
変更可能部品種類情報記憶部17には、許容される部品種類の変更に関する同種の情報が記憶されている。
【0037】
リードタイム情報記憶部19には、生産枠に引き当てられた製品の完成時期を計算するのに必要な情報や、完成車点検に要する時間や輸送時間等の計算に必要な情報であって、オーダ元に納車する時期を計算するのに必要な情報が記憶されている。
営業日カレンダ情報記憶部21には、輸送会社や販売会社が営業している営業日や営業時間の情報が記憶されている。
【0038】
生産工場在庫引当部25では、生産工場在庫車両情報記憶部5の情報から、オーダされた製品に対して生産工場が在庫している製品を引き当てることができるかどうかの判断処理を実施する。生産枠確保部27では、生産工場の在庫製品を引き当てることができない場合に、生産枠/生産可能種類情報記憶手段12と変更可能車種情報記憶手段15の記憶内容を参照しながら、生産枠/車種/オ−ダ元/ステータス情報記憶部11の生産枠を探索し、探索された生産枠にオーダされた製品を引き当てる処理を実施する。必要に応じて、生産枠/部品種類/オ−ダ元/ステータス情報記憶部13の部品の生産枠も探索する。
リードタイム・納期計算部29では、リードタイム情報記憶部19と営業日カレンダ情報記憶部21の情報から、引き当てた生産枠で生産するときのリードタイムを計算して納期を算出する。
納期回答出力部31は、オーダ元コンピュータ4に、オーダされた製品の納期を回答する。オーダ元コンピュータ4には納期回答が入力され(納期回答入力部48)、納期表示部50に納期を表示する。
【0039】
販売会社は、過去の販売実績を考慮して販売計画を作成する。例えば、向こう3ヶ月のうちに「車種Aを80台、車種Bを40台、車種Cを40台」販売するという販売計画を立案する。販売計画の確定時に販売会社は生産会社に見込みオーダを発注する。この段階では、車種別の台数が指定される。販売会社のオーダ情報入出力部44からは、3ヶ月に1回、今後の3ヶ月間の見込みオーダが出力される。
【0040】
時間の進行に伴って見込んだ販売計画が現実化する。需要者と販売会社間での商談が成立する度に、販売会社のオーダ情報入出力部44から確定オーダが出力される。
自動車のような高価な商品の場合、商談の開始から商談の成立までに時間を要することが多い。商談の最中に納期が話題となることも多い。納期が話題となる場合、販売会社はオーダ元コンピュータ4を生産会社の生産計画立案コンピュータ2に接続して納期情報を得て需要者に回答する。納期を計算する場合には、納期の照会時点で未確定生産枠を探索し、探索された生産枠で生産するものとして納期を計算する。商談の開始から商談の成立までに時間を要すると、納期の照会時には未確定であった生産枠が、商談成立時には確定生産枠となっており(他の販売会社から確定オーダが入れば確定生産枠とされる)、納期の照会時に想定した生産枠が利用不能となっていることが多い。この場合、納期の照会時に回答した納期が守れないことになる。
【0041】
納期照会時に回答した納期が守れるようにするために、本実施例のシステムでは、販売会社がオーダ情報入出力部44から仮確定オーダを出力することを許容する。仮確定オーダ情報には、仮確定オーダする販売会社と、車種と、仮確定オーダの有効期間の情報が含まれる。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダとなると、仮確定オーダは確定オーダとされ、仮確定オーダの有効期間内に確定オーダにならないと、仮確定オーダはキャンセルされて未確定生産枠に戻される。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダとなれば、納期の照会時に回答した納期が守られる。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダにならないと、仮確定オーダはキャンセルされるので、受注されていない製品を生産することにはならない。
【0042】
以下では、自動車生産ラインの1日の生産枠群について、それに含まれる生産枠の数(この場合20枠)は決められているが、各生産枠で生産する製品の種類が決められていない状態から、生産計画が立案されていく過程を説明する。
図8に、生産枠/車種/オーダ元/ステータス情報記憶部11に記憶される情報が模式的に示されている。最上段に示される予定の生産枠群の欄では、20個の生産枠が設定されている。生産計画の立案開始時点では、生産枠には車種が対応付けられていない。
【0043】
図8の第二段目に各生産枠で生産可能な種類が例示されている。この場合、生産可能な製品の種類は、単位時間あたりの作業負荷を平準化させ、部品調達ペースを平準化させるために決められている。図8の場合、1日のうちに車種Aを10台、車種Bを5台、車種Cを5台生産する計画となっている。ここで、最初に車種Aを連続して10台生産し、ついで車種Bを5台、車種Cを5台連続して生産するのに比して、「車種A、車種B、車種A、車種C」の順で生産するサイクルを繰り返して生産する方が、単位時間あたりの作業負荷や部品調達ペースが平準化される。ここでは、平準化のために必要とされる生産枠の一つ一つで生産可能な種類が割り当てられている。図8では説明の簡単化のために、生産枠で生産可能な種類の数が1種類に限定される場合を例示しているが、実際には、生産枠で生産可能な種類は1種類に限られない。
【0044】
図8の第二段目に例示される生産枠と車種の制約条件は、後記する優先探索ロジックでは変更される。図14に、変更可能車種情報記憶部15に記憶されている変更可能な車種の組合せを例示する。車種BまたはCの生産が可能な生産枠で車種Aを生産するように変更でき、車種Cの生産が可能な生産枠で車種Bを生産するように変更できることを例示している。
上記の車種変更条件は、作業負荷等の平準化の観点から、許容される変更と許容されない変更が定められている。また納期短縮の優先度によって変更条件を決めてもよい。車種Aの納期短縮要求が強くて、車種BとCの納期要求が甘い場合には、本来は車種BとCの生産が可能な枠で車種Aを生産するような変更条件を設けておくことができる。
【0045】
図2に、オーダされた製品に生産工場が有する在庫用製品を引き当てる処理の手順を示す。図2の処理に先立って、需要者からオーダされた製品に販売会社が在庫している製品を引き当てる処理が実施される。即ち、商談が成立した車種と販売会社が在庫している車種とが対応していれば、そのオーダに対して販売会社の在庫車両で対応できることから、生産工場にはオーダされない。販売会社の在庫車両で対応できないときに生産工場にオーダされ、図2以降の処理が開始される。
【0046】
本実施例では、N日の前日(N−1日)に販売会社甲から「車種A」が指定された確定オーダが出力された場合を説明する。生産工場にオーダが入力されたときに、オーダされた車種を生産工場が在庫していれば、そのオーダに対して生産工場の在庫車両で対応できることから、生産工場の生産計画には反映されない。生産工場の在庫車両で対応できない場合に(ステップS4でNOのときに)、図3以降を参照して説明する生産計画の立案処理が実行される。
【0047】
図3に、オーダされた製品に生産枠を引き当てて生産計画を立案する処理の手順を示す。
ステップS10では、オーダのカテゴリを判別する。販売会社からのオーダが見込みオーダである場合には、ステップS12の通常ロジック(既に引き当てた生産枠と車種の対応付けを変更しないという条件で生産計画を立案するロジックであり、空生産枠にオーダされた製品を対応付ける処理手順に相当する)が採用される。販売会社からのオーダが確定オーダまたは仮確定オーダである場合には、納期の短縮を実現するためにステップS14の優先ロジック(既に引き当てた生産枠と車種の対応付けであってもまだ確定していない対応付けを変更して生産計画を立案するロジックであり、見込み生産枠と空生産枠に確定オーダされた製品を対応付ける処理手順に相当する)を実行する。ステップS14の優先ロジックによって生産枠が引き当てられたあとに、ステップS16でリードタイムと納期が計算され、納期計算の前提とした生産枠と製品の対応付けが所定条件で確定される(ステップS18)。生産枠との対応付けが確定されるために、その後の他の受注によって納期が遅れることがない。
【0048】
図4に、ステップS12の通常ロジックを用いて、見込みオーダのために見込み生産枠を引き当てる処理の手順を示す。図4のステップS121では、オーダされた車種を生産可能である空生産枠であって最先の生産枠が探索される。空生産枠は「未確定生産枠」に分類されている。
図8は、空生産枠の探索が開始される前の生産枠の一例を示している。図8の第二段目の生産枠の上に記載された数字は、1日のうちでその生産枠が何番目に当たるのかを示している。第二段目の生産枠の枠内には、その生産枠で生産可能な車種の情報が記憶されている。図8の第二段目の場合、「車種A、B、A、C」の順で生産するサイクルを極力維持したいことから、生産可能な車種には「A、B、A、C」のサイクルが繰り返されている。
図8には、N日からN+4日までの生産枠が示されている。N日以降の段の一番左の欄の「甲、乙、丙、丁」の記載は、販売会社の名称を表している。「N日以降の表の縦の一列(4つの欄からなる)は、1日のうちでの生産順序が同じである。例えば、生産枠群の1番目の生産枠には、N日の最初の縦の一列(甲の行に太字の「A」が記載された欄の下に続く4つの欄)が対応している。生産枠中の「A」の記載は、生産枠で生産される車種を表している。太字で表された車種は確定オーダが入力されたもの、細字で表された車種は見込みオーダが入力されたものであることを表している。これらの記載から、例えば、N日の1番目の生産枠は、販売会社甲から確定オーダが入力された車種Aのために確保されていることがわかる。生産枠に対応する縦の一列の4つの欄のどれにも車種の記載がない場合は、その生産枠が空生産枠であることを示している。N+2日の14番目の生産枠の縦の一列の4つの欄のどれにも車種の記載がなく、N日以降の中では最先の空生産枠であることがわかる。N+3日の18番目から20番目までの生産枠と、N+4日の14番目から20番目までの生産枠も空生産枠である。
【0049】
図4のステップS121では、最先の空生産枠が探索される。ただし、生産枠に対して生産可能な種類が制約されているために、オーダされた種類を生産可能な生産枠の中から最先の生産枠が探索される。
図8の場合、N+2日の14番目の生産枠が最先の空生産枠であるが、その生産枠で生産可能な車種はBであり、オーダされた車種Aを生産できないことからステップS121の条件を満たさない。この場合、ステップS121を実施することで、N+3日の19番目の生産枠が探索される。
図9に、図8の車種Aの生産枠をステータス別にまとめた数が示されている。例えば、N+3日については、車種Aの予定生産枠10個のうち、確定生産枠が6個、見込み生産枠が3個空生産枠が1個となっており、N+3日に最先の空生産枠があることがわかる。
【0050】
図4のステップS123では、探索された生産枠までに部品が手当てできるか否を判断する。部品が手当てできなければ、次の空生産枠を探索する(ステップS125)。例えば、ステップS121で図8のN+3日の19番目の空生産枠が探索された場合に、それまでに車種Aの構成部品群の部品生産枠を確保できなければ、ステップS125では、N+4日の15番目の空生産枠が探索される。N+4日の15番目の生産枠までに車種Aの構成部品群の部品生産枠を確保できれば、ステップS123がYESとなり、ステップS127で、探索された生産枠に見込みオーダされた車種を引き当てる。引き当てられた生産枠のステータスを「未確定生産枠」に分類する。見込みオーダに対しては、生産枠を一応引き当てるものの、その対応付けは確定的なものでないため、その後に必要に応じて変更可能なように、「未確定生産枠」に分類しておくのである。なお、空生産枠は「未確定生産枠」に分類されているので、処理の実際としては、見込みオーダに引き当てた生産枠は「未確定生産枠」の分類に維持される。
以上の処理をすべての見込みオーダに対して実行することで、「未確定生産枠」が「見込み生産枠」に変更され、「空生産枠」が減少していく。
【0051】
図10に、車種Aを構成する部品の空生産枠の数をまとめた表を例示する。図10では、車種Aを構成する5つの部品が例示されている。IDは、車種を生産する生産系の識別番号を示している。例えば、ID52は、構成部品のラインから自動車の組立ラインまで、車種Aを生産するために用いられるラインの生産系に属するものであることを示している。なお、一つのIDが複数の車種を生産する生産系である場合もある。例えば、ID52は、車種Aを生産するために用いられるラインの生産系と、車種Bを生産するために用いられるラインの生産系を識別している。構成部品の空生産枠について、前述の車種Aの最も早い空生産枠があったN+3日の状況を見てみると、N+3日までには、構成部品AA4YY0のための空生産枠がないことがわかる。N+3日ではAA4YY0という構成部品が足りないため、車種Aを生産することができない。次にN+4日を見てみると、全ての構成部品について空生産枠があることがわかる。N+4日には、15番目に、車種Aの空生産枠もある(図8を参照)。図4のステップS121からS125を実行することによって、見込みオーダされた車種(この場合A)を生産可能な空生産枠であり、それまでに部品を手当てできる最先の生産枠が探索される。この場合、N+4日の15番目の空生産枠を車種Aの見込みオーダに引き当てることができる(ステップS127)。
【0052】
見込みオーダに基づいて「見込み生産枠」を引き当てていく場合、見込みオーダ量を勘案し、見込みオーダに対する生産ペースが販売会社によって大きく偏ることがないように引き当てていく。例えば、販売会社甲乙からの見込みオーダが販売会社丙丁からの見込みオーダの2倍であれば、生産枠が、「甲乙丙甲乙丁甲乙丙甲乙丁・・」の順で引き当てられる。この対応付けによって、見込みオーダに対する生産ペースが販売会社によって大きく偏ることが防止される。
【0053】
図3のステップS14で実行される優先ロジックの処理の手順を図5に示す。ここでは、販売会社甲から「車種A」が指定された確定オーダまたは仮確定オーダが生産計画立案コンピュータ2に出力されたとする。
優先ロジックでは、所定の条件下で、未確定生産枠(空生産枠と見込み生産枠)を探索対象として、確定または仮確定オーダされた製品に生産枠を引き当てる。
図5のステップS141では、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠から探索する。生産枠と生産可能な種類の関係は、図8の第二段目を参照して説明したものであり、種類の変更は図14を参照して説明したものである。
図5のステップS141では、空生産枠と、確定または仮確定オーダを入れた販売会社の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠と、確定または仮確定オーダを入れた販売会社とは異なる販売会社(他社)の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠の全部を探索対象とする。即ち、確定生産枠と仮確定生産枠以外の未確定生産枠の全部を探索対象とする。
【0054】
図5のステップS141では、確定または仮確定オーダに引き当てられた生産枠は探索対象とされない。確定または仮確定オーダに引き当てられた生産枠は、その後の確定オーダまたは仮確定オーダによって変更されることはない。なお、仮確定オーダに引き当てられていた生産枠が未確定生産枠に分類されなおすことがあり、未確定生産枠に分類され直したあとに、他の確定オーダまたは仮確定オーダに変更されることがあるが、これについては後述する。
【0055】
図8に例示した例では、N日からN+4日までの間に11個の空生産枠が存在する。販売会社甲(自社)の見込み生産枠は、N+2日に4個(10番目、12番目、16番目、20番目)、N+3日に1個(15番目)、N+4日に1個(8番目)ある。販売会社乙の見込み生産枠は、N+1日の16番目等に存在し、販売会社丙の見込み生産枠は、N日の20番目等に存在し、販売会社丁の見込み生産枠は、N日の19番目等に存在する。
図5のステップS141では、上記した未確定生産枠の中から最先の未確定生産枠を探索する。ただし、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠のみを探索する。図14に例示するように、車種Aの優先度は高く、車種BまたはCの生産枠を使って車種Aを生産できることから、確定または仮オーダされた車種がAであれば、図14の制約条件の場合、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠を探索するという条件は、実質上制約条件にならない。
図11に、自動車生産ラインで生産される車種A、車種B、車種Cの生産枠の詳細を数でまとめた表を示す。表から、N日に車種Aの見込み生産枠が1個、車種Cの見込み生産枠が1個あることがわかる。
【0056】
図5のステップS143では、探索された生産枠までに、車種Aの構成部品に引当可能な部品生産枠があるか否かが判断される。例えば図8の例では、最初の未確定枠は、N日の19番目の見込み生産枠である。ステップS143では、それまでに車種Aの構成部品のために部品生産枠が確保できるか否かを判別する。図12には、車種Aを構成する部品の一つであるEEIZZFEのN日の生産枠の状況を、生産系のIDごとにまとめた表が示されている。この表は、変更可能優先部品種類情報記憶部17に記憶されている。EEIZZFEは、車種Aの生産系であるID52だけでなく、車種Cの生産系であるID53、車種H(及び車種J)の生産系であるID75、車種Xの生産系であるID10でも生産されていることがわかる。優先ロジックでは、他の車種のために生産される部品であっても共通するものがあれば、それらも対象として生産枠を探索する。したがって、ID52だけでなく、ID53、ID75、ID10の生産系で生産される全てのEEIZZFEの生産枠を探索する。表からは、車種Cの生産系であるID53でのEEIZZFEの生産枠の10番目と13番目が、見込み生産枠となっていることがわかる。
【0057】
図13に、ライン01で生産される車種Aを構成する部品であるEEIZZFE、BB3XXD、AA4YYOの引き当て可能な生産枠の数をまとめた表が示されている。例えば、EEIZZFEのN日の生産枠については、図12に示されたように、車種Cの生産系であるID53で見込み生産枠が2個あり、引当可能数が2個となっている。図13で構成部品の生産枠の数の状況を見てみると、N日にはEEIZZFEについては2個の生産枠が引当可能であるが、BB3XXDとAA4YYOについては引当可能な生産枠がないことがわかる。したがって、N日には車種Aに必要な全ての構成部品の生産枠を確保することができない。次に、N+1日について見てみると、EEIZZFE、BB3XXD、AA4YYOのいずれについても引当可能な生産枠があることがわかる。その他の構成部品である11FF3EE、9UUKKJについてもN+1日に引当可能な生産枠があるとすると、車種Aの構成部品の生産枠は、N+1日にやっと確保できことになり、N日の19番目の生産枠を引き当てることはできない。
【0058】
図5のステップS143でNOとなると、ステップS145が実行され、次に早い未確定生産枠が探索される。この場合にも、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠のみを探索する。図8の場合、ステップS145によってN日の20番目(丙社の車種Cの見込み生産枠)が探索され、ステップS143に戻って構成部品の手当てが可能か否かが判断される。
ステップS141から145までによって、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠であり、確定または仮確定オーダされた車種の構成部品の部品生産枠が引き当て可能であり、空生産枠あるいは自社及び他社の見込み生産枠であるという条件を満たす生産枠の中から最先の生産枠が探索され、探索された生産枠が確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられる。
【0059】
図8の例では、ステップS141でN日の19番目の他社(丁社)の見込み生産枠が探索されるが、N日の19番目の生産枠では部品の生産枠を確保することができないためにステップS143がNOとなる。そこで、ステップS145が実行され、N日の20番目の他社(丙社)の見込み生産枠が探索されるが、N日の20番目の生産枠でもステップS143がNOとなる。そこで、ステップS145が再び実行され、今度はN+1日の16番目の他社(乙社)の見込み生産枠が探索される。N+1日の16番目の生産枠までには、部品の生産枠を確保することができるために(前記したように、優先ロジックでは、他の車種のために生産される部品であっても共通するものがあれば、それらも対象として部品生産枠を探索するために、N+1日には部品生産枠が確保される)ステップS143がイエスとなる。
図8の例では、確定または仮確定オーダされた車種Aを生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種Aに変更可能な生産枠であり、確定または仮確定オーダされた車種Aの構成部品の部品生産枠が引き当て可能であり、空生産枠あるいは自社及び他社の見込み生産枠であるという条件を満たす生産枠の中から、最先の生産枠(N+1日の16番目の生産枠)が探索される。
【0060】
図5のステップS147では、ステップS141またはステップS145で探索された生産枠が、確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられる。その生産枠に、確定または仮確定オーダされた車種Aを引き当てる。
【0061】
確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられた生産枠が他社の見込み生産枠であることがある(若しくは空き生産枠または自社の見込み生産枠であることもある)。前者の場合には、ステップS149がYESとなり、ステップS151を実行する。ステップS151では、置き換えられる他社の見込み生産枠を繰り下げる。それに連動して、引き当てられた生産枠から確定オーダまたは仮確定オーダしたオーダ元のための次の見込み生産枠までの間にある未確定生産枠の全部を将来方向にシフトさせる。
例えば、図8のN+1日の16番目の販売会社乙の見込み生産枠が販売会社甲のための仮確定生産枠として引き当てられた場合、N+1日の16番目以降で販売会社甲のための次の未確定生産枠(N+2日の10番目)までの間の未確定生産枠が将来方向にシフトされる。シフトされる結果、N+1日の16番目の販売会社乙の見込み生産枠は、N+1日の18番目(乙の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の18番目の乙の見込み生産枠は、N+1日の19番目(丁の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の19番目の見込み生産枠は、N+1日の20番目(丙の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の20番目の見込み生産枠は、N+2日の10番目(甲の見込み生産枠として確保されている)まで繰り下がる。N+2日の10番目(甲の見込み生産枠として確保されている)の生産枠は、N+1日の16番目の生産枠が甲に引き当てられたために消される。消されることは、見込みオーダであったものを確定または仮確定オーダに変更したことに対応する。
【0062】
引き当てた生産枠が空き生産枠であるときには、引き当てた空生産枠を確定または仮確定生産枠とし、確定オーダまたは仮確定オーダしたオーダ元のための次の見込み生産枠を空生産枠とする。この処理によって、生産しすぎることを防止できる。
【0063】
引き当てた生産枠が自社の見込み生産枠であるときには、引き当てた見込み生産枠を確定または仮確定生産枠とする。この場合、他の処理をして手当てする必要がない。
【0064】
以上の処理をすべての確定オーダまたは仮確定オーダに対して実行する。タクシ会社等の大口顧客から一度に多数の製品が発注された場合には、オーダされた最後の一台に至るまで上記の手順が繰り返されるために、オーダされた全部の製品に生産枠が引き当てられ、最終製品の納期まで正確に計算することが可能となる。
【0065】
以上のようにして確定オーダまたは仮確定オーダに対して優先ロジックによって生産枠が確保されると、図3のステップS16に進み、リードタイム納期計算部29により、リードタイムと納期が計算される。ステップS18では、回答した納期の前提とした生産枠が確保されてその後に入力される他のオーダによって納期がずれないようにして処理を終了する。
【0066】
販売会社甲から出力されたオーダ情報が仮確定オーダであった場合は、仮確定生産枠として確保できる有効期間が指定されている。通常の有効期間は、納期から計算される最終的な生産日時のリミットまでとされることが多い。有効期間内に商談が成立すれば、仮確定生産枠は確定生産枠に変更される。一方、有効期間内に商談が成立しなければ、仮確定生産枠は見込み生産枠または空生産枠に戻される。
このように仮確定オーダに有効期間を設けておくことで、商談が成立する前に生産枠の探索を開始することができ、商談中に生産会社に照会して顧客に回答した納期と実際の納期とがずれてしまうことがない。また、商談が有効期間内に確定しなければ、他の製品のために生産枠を開放することができる。
【0067】
図6に、商談が成立してから生産枠を探索する従来の技術を示す。図6は販売会社側の店舗でN−1日に商談が開始された場合を例示している。その時点で納期を照会した結果、納期はN+10日であるという回答を得た場合を例示している。自動車のような高価な商品は一度の商談で成立することは珍しい。通常は複数日に亘ることが多い。ここではスムースに商談が進行してN日には商談が成立したとする。需要者の方では、迅速に商談成立させたことから回答された納期が遵守されるものと期待する。N日に商談が成立してオーダが確定した旨の情報は、販売会社の本部に送られる。本部は、在庫として有する自動車や他の受注状況のバランスを勘案し、送られてきた受注の内容(車種など)の変更や受注のキャンセルを想定したうえで確定オーダを発注しなければならない。結果としてN+1日に生産会社へ確定オーダが発注されたことを例示している。生産会社の本社は確定オーダをN+1日に受け付け、生産計画を立案しなおす。このときに未確定生産枠が探索される。N−1日の商談開始時点では未確定生産枠であったものが、N+1日までの間に確定生産枠に変わっていることがある。このためにN+1日に未確定生産枠が探索して生産計画を立案すると、納期がN+14日となってしまうことがある。
従来の技術では、確定オーダを受けてから未確定生産枠を探索して生産計画を立案するため、商談時に顧客に回答した納期と実際の納期がずれてしまうことがある。
【0068】
図7に、仮確定オーダを許容する本システムによる場合を例示する。N−1日で商談が開始した時点で仮確定オーダを入れて納期を照会する。このときに、未確定生産枠が探索される。本システムでは、他社の見込み生産枠までをも対象にして探索することから、従来よりも早い生産枠を探索することができる。従来の技術によるときの納期N+10日よりも早い納期(この場合N+7日)を回答することができる。商談が長引いてN+2日に確定し、販売会社がN+3日に確定オーダを発注したとすると、生産会社ではN+3日に生産計画を立案しなおす(図6の場合よりもいずれも2日遅い)。この場合、仮確定生産枠を確定生産枠とすることで生産計画が確定する。N−1日の時点で仮確定生産枠が引き当てられており、仮確定生産枠に引き当てられ生産枠は他の確定オーダ等に引き当てられることがないために、N+3日に生産計画を確定しても、N−1日に回答した納期(N+7日)から遅れることがない。
本発明では、納期照会を受けた時点で未確定生産枠を探索し、探索された生産枠を仮確定生産枠として他のオーダのために確定生産枠として引き当てることを禁止することから、回答した納期と実際の納期とがずれてしまうことがない。
【0069】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる
・本実施例では生産会社自身が在庫しておく製品のための生産枠を考慮していない。空生産枠が生じたときに、生じた空生産枠を利用して見込み生産をする。これに代えて、生産会社が計算した在庫用製品の生産数に基づいて生産枠を設けることも可能である。このような生産枠は「未確定生産枠」に分類することができる。
・本実施例では「確定生産枠」と「仮確定生産枠」と「未確定生産枠」にステータスを分類している。これに代えて、オーダが確定している生産枠と、オーダが確定していない生産枠の2つに分類することできる。空生産枠と見込み生産枠は、オーダが確定していない生産枠に分類される。
・オーダが確定している生産枠と、オーダが確定していない生産枠に分類する場合、仮確定生産枠は存在しない。この場合、本実施例の仮確定オーダを許容しない場合もあれば、仮確定オーダを許容して仮確定オーダがあれば確定オーダに分類する場合もある。前者の場合でも、図5の優先ロジックでは他社の見込み生産枠を含めて探索する技術が有効に機能する。後者の場合でも、「仮確定生産枠」が「未確定生産枠」に変更されない限り、即ち「仮確定生産枠」が「仮確定生産枠」であるかぎり「確定生産枠」として扱い、図5の優先ロジックでは探索対象とせず、オーダが確定されているものと扱うことができる。
・本実施例では、図5の優先ロジックで、仮確定オーダされた製品に引き当てる見込み生産枠の探索対象に、他のオーダ元からの見込み生産枠も含めているが、同一オーダ元からの見込み生産枠に限定してもよい。探索対象を広く確保したほうが、より早い生産枠を探索しやすくなるが、同一オーダ元からの見込みオーダに限定しても、仮確定オーダを利用して商談中に回答した納期がずれないようにする本技術の利点が得られる。
・本実施例では、最先の生産枠の探索時に用いる所定条件に、生産枠とその生産枠で生産可能な車種の制約条件、その制約条件から変更可能な変更条件、さらには製品を構成する部品の手当てが可能であるという条件等を用いているが、これらはあくまで例示にすぎない。生産枠と生産可能な車種の関係が制約されていない場合には、これらの条件は不要となる。あるいは、同一車種を連続して生産することが許容される最大連続数が決められていれば、それを条件としてもよい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明では、確定していない暫定的な仮確定オーダが入力されたときに生産枠の探索を開始し、探索された生産枠を確保しておく。このため、商談中に顧客に回答した納期と実際の納期とがずれることが回避される。
また、確定オーダされた製品に引き当てる生産枠を、空生産枠と同一オーダ元の見込みオーダに基づく見込み生産枠とからだけでなく、他のオーダ元の見込オーダに対応する見込み生産枠をも対象として探索する。このため、確定オーダされた製品のための生産枠が、他の未確定生産枠よりも優先的に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】生産計画立案システムの構成を示す。
【図2】オーダされた製品に生産会社が有する在庫製品を引き当てる処理の手順を示す。
【図3】オーダされた製品に生産枠を引き当てる処理の手順を示す。
【図4】通常ロジックを用いて生産枠を引き当てる処理の手順を示す。
【図5】優先ロジックを用いて生産枠を引き当てる処理の手順を示す
【図6】確定オーダを受けてから生産枠を探索する従来例を示す。
【図7】仮確定オーダが入力されたときに生産枠を探索する本実施例を示す。
【図8】生産枠の探索が開始される前の生産枠の一例を示す。
【図9】車種Aの生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図10】車種Aの構成部品の生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図11】ライン01の生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図12】車種Aの構成部品の一つの生産枠の状況を、生産系のIDごとにまとめた図を示す。
【図13】車種Aの構成部品の一部の生産枠の状況を数でまとめた図を示す。
【図14】変更可能な車種を例示する。
【符号の説明】
2 :生産計画立案コンピュータ、
4 :オーダ元コンピュータ、
6 :コンピュータ・ネットワーク、
8 :演算部、
10:記憶部、
5 :生産工場在庫車両情報記憶部、
7 :車両生産枠群情報記憶部、
9 :部品生産枠群情報記憶部、
11:生産枠/車種/オーダ元/ステータス情報記憶部、
12:生産枠/生産可能種類情報記憶部、
13:生産枠/部品種類/オーダ元/ステータス情報記憶部、
14:部品生産枠/生産可能部品種類情報記憶部、
15:変更可能車種情報記憶部、
17:変更可能部品種類情報記憶部、
19:リードタイム情報記憶部、
21:営業日カレンダ記憶部、
23:オーダ情報入力部、
25:生産工場在庫引当部、
27:生産枠確保部、
29:リードタイム・納期計算部、
31:納期回答出力部
【発明の属する技術分野】本発明は、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】多種多様な製品を生産する場合、受注生産方式が好ましい。しかしながら、受注を待って生産し始める単純な受注生産方式では、多くの不具合が生じる。例えば自動車のように多くの部品メーカが関与する製品の場合、受注を受けてから部品を生産し始める方式では、受注してから製品の生産が完了するまでの時間が長くなってしまう。さりとて、受注を見込んで生産する方式にも問題がある。見込みがずれると、過大在庫が発生したり欠品が発生したりする。
【0003】
そこで、見込みオーダといわれる手法が開発されている。製品の販売会社は、過去の販売実績を考慮して将来の販売計画を作成する。例えば、向こう三ヶ月の間に「製品Aを80台、製品Bを40台、製品Cを40台」販売するという計画を立案する。販売計画が確定したときに、販売会社は生産会社に見込みオーダを発注する。販売会社の作成する販売計画の精度は高く(さもなければ販売会社の経営が成り立たない)、各販売会社から生産会社に見込みオーダが発注されると生産会社の方で生産計画を立案することが可能となる。
各販売会社から生産会社に見込みオーダが発注されると、生産会社の方では、計画対象期間内に生産することが必要な種類別の生産数を把握することができ、製品生産計画を立案することが可能となる。また、製品生産計画が立案されると、部品の生産計画を立案することも可能となる。
【0004】
販売会社と需要者との間で商談が成立した時点で、販売会社は見込みオーダを確定オーダに変更する。「80台の製品A」を見込みオーダしていた販売会社で1台の製品Aの商談が成立すると、製品Aの見込みオーダが79台とされ、製品Aの確定オーダが1台とされる。
【0005】
見込みオーダを採用すると、商談が成立するよりも先の時点で種類別の生産数を把握できるために、合理的な生産計画が立案でき、部品の供給体制を整えることができる。
【0006】
見込みオーダに基づいて生産計画を立案する方式では、オーダが確定した時点で、確定したオーダにマッチする生産計画に修正できるようにしておく必要がある。
例えば、「製品Aを80台、製品Bを40台、製品Cを40台」という見込みオーダを受注した時点で、「A→B→A→C→A→B→A→C→・・・」の順序で生産する生産計画を作り、その後に、製品Cの商談成立が他種類のオーダ確定ペースよりも早く進行すると、見込みオーダに基づいて立案した生産計画と、売れ行きのよい製品Cを先に生産したいという要求とを折り合わせる技術が必要とされる。
【0007】
製品群を順次に生産するラインの生産計画を立案する場合、生産枠という手法が利用される。例えば10分に1台の製品を生産するラインの稼働日と稼働時間が決定されると、生産可能な生産枠が決まる。例えば、正規稼働時間が8時間のラインで2時間の残業をすることが決定されると、10分を1枠とする合計60個の製品生産枠が確保される。製品生産計画とは、どの生産枠でどの製品を生産するかを決定することに他ならない。
【0008】
一般的な生産計画立案システムは、生産枠を記憶している手段を備えている。例えば、1月1日には60個の生産枠が存在し、3時間の残業がある1月2日には66個の生産枠が存在するといったことを記憶している。
一般的な生産計画立案システムは、各販売会社から入力される見込みオーダを集約する手段を備えている。この集約手段によって、例えば1ヶ月単位で生産計画を立案する場合には、その1か月の間に生産する種類別の生産必要数を把握する。
【0009】
一般的な生産計画立案システムは、この場合、1か月分の生産枠と1か月分の種類別の生産必要数とを対比し、どの生産枠にどの種類を対応付けるかを決定していく。この段階では、製品種類と生産枠が対応付けられて生産計画が立案される。この対応付けは、販売会社からの見込みオーダに基づくものである。最初に立案される製品生産計画は、見込みオーダされた製品と生産枠とを対応付けたものである。
製品種類と対応付けられた生産枠は、見込みオーダの受注時点では商談が成立していないものであり、確定的な対応付けではない。その後に商談が成立した時点で製品種類と生産枠の対応付けが確定され、その生産枠が「確定生産枠」となる。
【0010】
ここで用語の定義を明確にしておく。
オーダ:販売会社などのオーダ元から生産工場への製品の生産依頼をいう。販売会社から生産会社に依頼されたオーダを基にして、生産会社から生産工場へオーダが依頼されることが多い。あるいは、販売会社や生産会社が夫々直接的に生産工場へオーダを依頼することもある。その他にも、同一の会社の中に販売部門と生産部門があり、販売部門から生産部門に依頼されたオーダを基にして、生産部門から生産工場へオーダが依頼されたり、販売部門や生産部門が夫々直接的に生産工場へオーダを依頼する場合もある。また、オーダの依頼先の生産会社と生産工場が同一の場合もある。なお、生産工場は一の場合も複数の場合もあり得る。
オーダは3種類に区別されている。
見込みオーダ:販売会社が過去の販売実績を考慮して作成した将来の販売計画に基づいてするオーダを「見込みオーダ」という。販売会社が在庫用製品を持っておくために発注する数を含んでいることがある。
確定オーダ:需要者と販売会社との間で商談が成立した時点で依頼されるオーダを「確定オーダ」という。見込みオーダの範囲内であることもあれば、見込みオーダにないオーダであることもある。例えば、見込みオーダをしなかった販売会社がいきなり確定オーダすることもある。
仮確定オーダ:需要者と販売会社との間で商談が開始され、商談の成立が見込める段階で依頼されるオーダを「仮確定オーダ」という。仮確定オーダは、本発明で創作された概念であり、従来から存在する概念ではない。
生産枠:一つの製品を生産することができる生産計画上での枠のことをいう。一つ一つの生産枠は、3種類のステータスに区別されている。
確定生産枠:確定オーダされた製品に引き当てられた生産枠を「確定生産枠」という。「見込みオーダ」された製品の商談が成立して「確定オーダ」となると「未確定生産枠」から「確定生産枠」に切換えられる。
仮確定生産枠:「仮確定オーダ」された製品に引き当てられた生産枠を「仮確定生産枠」という。「仮確定生産枠」には有効期間があり、有効期間内にオーダが確定すれば「確定生産枠」になり、オーダが確定しなければ「未確定生産枠」に戻される。
未確定生産枠:確定生産枠と仮確定生産枠以外の生産枠をいう。「未確定生産枠」には、見込みオーダされた製品に引き当てられた「見込み生産枠」と、オーダを受けていない「空生産枠」との2種類がある。
「見込み生産枠」が「確定生産枠」に切換えられないままに実際の生産日となることがある。この場合には「見込み生産枠」に引き当てられている製品を生産する。生産された製品は販売会社の在庫製品となる。実際の生産日になっても「空生産枠」のままに残されることがある。この場合には、生産会社の責任で生産する製品を決定する。生産能力を浪費することに代えて見込み生産することに相当する。生産された製品は生産会社の在庫製品となり、新たなオーダに引き当てられる。
【0011】
従来の技術では、販売会社と需要者との間で商談が成立すると、その販売会社の見込みオーダに確保されている「見込み生産枠」の中から最も早い生産枠を引き当てて確定生産枠とする。最先の「見込み生産枠」よりも早い時期に「空生産枠」があれば、その「空生産枠」に確定オーダされた製品を引き当てて「確定生産枠」を確保する。「見込みオーダ」を持たない販売会社から確定オーダが入力された場合、あるいは見込みオーダ数を超える確定オーダが入力された場合には、「空生産枠」のなかから最先の生産枠を引き当てて「確定生産枠」を確保する。
特許文献1には、見込み生産される製品と受注生産される製品とを区別することなく、見込み生産される製品に引き当てた生産枠も、受注生産される製品に引き当てた生産枠も共に確定生産枠として生産計画を立案する技術が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−350513号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、確定オーダがあったときにその販売会社の見込みオーダに確保されている「見込み生産枠」と「空生産枠」の中から最先の生産枠を探索し、探索された最先の生産枠に確定オーダを引き当てて確定生産枠を確保する。見込みオーダを持たない販売会社から確定オーダが入力された場合には「空生産枠」の中から最先の生産枠を引き当てて「確定生産枠」を確保する。
この場合、そうして確保される「確定生産枠」よりも早い生産枠に、他の販売会社のための「見込み生産枠」があることがある。本来なら顧客との商談が成立した製品は、見込みオーダのために確保している生産枠よりも優先して生産されるべきである。すなわち、同一販売会社のものであるか他の販売会社のものであるかを問わずに全ての「見込み生産枠」をも探索対象として最先の生産枠を確保するべきである。
また、需要者からの受注が確定した時点で「未確定生産枠」を探索すると、商談中に販売会社が生産会社に照会して顧客に回答した納期と、実際の納期とがずれてしまうことがある。これは、納期照会時には「未確定生産枠」であったものが商談の最中に他の確定オーダによって「確定生産枠」に変更されてしまった場合に生じる。このような納期のずれを回避するためには、確定していない暫定的な受注を受けたときに、「未確定生産枠」を「確定生産枠」に切換えておき、他の確定オーダに引き当てられないようにしておくことが必要とされる。もっとも確定オーダでなく暫定的なオーダに過ぎないことから、確定オーダにならないこともある。暫定的な受注時に「未確定生産枠」を「確定生産枠」に切換える一方で、確定オーダにならない際には「未確定生産枠」に戻す技術が必要とされる。
【0014】
前述の特許文献1に記載されている技術では、見込み生産される製品と受注生産される製品を区別することなく、見込み生産される製品に引き当てた生産枠と受注生産される製品に引き当てた生産枠の両方を確定生産枠として確保する。このような技術では、見込み生産枠の中から確定オーダされた製品に生産枠を引き当てることができない。
また、商談中に回答した納期と、確定オーダを受けてから立案する生産計画で可能な納期との間にずれが生じることが避けられない。
【0015】
以上の問題に鑑み、本発明では、商談が成立した製品に引き当てる生産枠を、空生産枠と同一オーダ元のための見込み生産枠に制限せず、他のオーダ元のための見込み生産枠をも探索対象に拡大して探索する。これによって、確定オーダから生産完了までのリードタイムを短縮化する。
また、確定していない暫定的な受注に基づいてオーダが入力されたときには未確定生産枠を探索し、探索された生産枠を「仮確定生産枠」として確保しておく。これによって、商談中に回答した納期と、確定オーダを受けてから生産する際の納期との間にずれが生じることを防止することができる。
【0016】
【課題を解決するための手段と作用】上記の課題を解決するために、本発明で創作したシステムでは、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する。このシステムは、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、各生産枠が「確定オーダに対応する確定生産枠」か「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、仮確定オーダが入力されたときに所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する手段と、仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する手段とを備えている。
【0017】
本システムにおいて特長的なことは、「仮確定生産枠」という分類を認めることである。この分類を認めることで、確定生産枠でも未確定生産枠でもない生産枠が発生する。
本システムによると、需要者と販売会社との間で商談が進行し、商談の成立が見込める段階で、販売会社は仮確定オーダをすることが許される。本システムに仮確定オーダが入力されると、システムは、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のうちで最も早い生産枠を探索し、探索された最先の「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当てて「仮確定生産枠」に変更する。この探索の段階では、仮確定生産枠を除外して探索されることから、例えば他の販売会社からの仮確定オーダに対応付けられた生産枠は探索対象から外され、その意味において仮確定オーダは確定オーダと同等に扱われる。ここでは仮確定オーダとはいえ確定オーダと同等に扱われるために、その後の他のオーダによって生産枠が奪われることがない。すなわち、仮確定オーダの入力時に探索された生産枠で生産されることとされ、仮確定オーダの入力時に予定した生産完了時点がずれることがない。
また、仮確定オーダが入力された時点で、他の確定オーダや仮確定オーダのための生産に支障がない範囲内で最も早く生産できる生産枠を探索することから、仮確定オーダから納期までの期間を短くすることができる。
もっとも仮確定オーダは仮であって、確定オーダに至らない場合もある。本システムでは、仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更する一方、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する手段とを備えている。このために、仮確定生産枠がいつまでも仮確定生産枠のままにおかれることはなく、「確定生産枠」「未確定生産枠」のいずれかに切換えられる。
【0018】
なお、仮確定オーダを受けて「未確定生産枠」のうちで最も早い生産枠を探索する場合、条件を課することができる。例えば生産枠ごとに生産可能な種類の制約が課されていれば、仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠のなかから探索される。あるいは、生産する製品種類の変更が一定の制約条件のもとで許容される場合には、その制約条件のもとで探索する。あるいは、仮確定オーダされた製品のための部品の手当てが可能な範囲内で最先の未確定生産枠を探索する。
【0019】
本システムによると、仮確定オーダされた製品のための仮確定生産枠を、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠からだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保された見込生産枠をも探索対象として探索するため、仮確定オーダされた製品の仮確定生産枠が他の販売会社の見込み生産枠よりも遅くなることを回避できる。
【0020】
「未確定生産枠」は「見込みオーダに対応する見込み生産枠」か「オーダを受けていない空生産枠」のいずれかである。
この場合、生産能力を有効に活用するとともに、早く生産できる生産枠を優先して活用する生産計画が作成できる。
【0021】
仮確定オーダされた製品に引き当てられる生産枠が同一販売会社の見込み生産枠である場合には、その見込み生産枠を仮確定生産枠に変更するだけでよく、他の生産枠を変更する必要ない。
見込み生産枠が同一販売会社のものであるか否かを明らかにするためには、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶しておくだけでなく、オーダ元を対応付けて記憶しておくことが好ましい。その上で、探索された「未確定生産枠」が、仮確定オーダしたオーダ元の「見込み生産枠」のときには、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に変更することが好ましい。
【0022】
一方、仮確定オーダされた製品に引き当てられる生産枠が他の販売会社の見込みオーダのための見込み生産枠である場合には、その見込み生産枠を単純に仮確定生産枠に変更することはできない。他の販売会社のために確保されている見込み生産枠の数を減らすことはできないためである。他の販売会社のために確保されている見込み生産枠の数を減らすことなく仮確定生産枠を確保するためには、見込み生産枠を仮確定生産枠に置き換えるとともに、置き換えられた見込み生産枠を繰り下げる必要がある。置き換えられた見込み生産枠が繰り下がると、連動してその生産枠以降の未確定生産枠も繰り下がる。しかしながら際限なく繰下げればよいというわけでなく、仮確定オーダした販売会社のために確保されている次の見込み生産枠まで繰り下げるべきである。
探索された「未確定生産枠」が、仮確定オーダしたオーダ元とは異なるオーダ元の「見込み生産枠」であれば、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に置き換え、置き換えられた「見込み生産枠」から仮確定オーダしたオーダ元の次の「見込み生産枠」に至るまでの間の「未確定生産枠」を繰り下げることが好ましい。この場合、結果としては仮確定オーダしたオーダ元の「見込み生産枠」が「仮確定生産枠」に変更される。
【0023】
生産ラインでは、生産枠ごとに生産可能な製品種類が制約されていることがある。例えば、ある生産枠では種類A,Bのいずれかしか生産できず、その次の生産枠では種類C,Dのいずれかしか生産できないという制約が存在することがある。上記の制約を通常時の制約とし、特に必要とされれば、その制約を変更することが許される生産ラインが存在する。例えば、種類C、Dのいずれかしか通常なら生産できないはずの生産枠で、必要があれば、種類Aを生産するように変更できる場合がある。
この種の生産ラインの生産計画を立案する場合、生産枠とその生産枠で生産可能な製品種類を対応付けて記憶する手段と、それから変更可能な製品種類を記憶する手段とを備えており、仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠または変更すれば仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠の範囲内で「未確定生産枠」を探索することが好ましい。
この技術によると、例えば通常時の平準化された生産順序と、確定オーダされた製品を優先的に生産する順序とが両立する生産計画を立案することができる。この場合、見込みオーダに基づいて生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける場合には、変更可能な製品種類の情報を活用せず、変更しないで生産可能な製品種類の制約の中で対応付ける。
【0024】
製品を構成する全ての部品が揃っていなければ、製品を生産することができない。従って、仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた製品のための部品の手当てが可能な範囲内で最も早い「未確定生産枠」を探索することが好ましい。
【0025】
本発明で創作した方法は、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する。この方法では、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理、
・各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理、
・仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理、
・探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する処理、
・仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理を実行させる。
【0026】
本発明で創作したプログラムは、製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案するために実行される。このプログラムでは、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理、
・各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理、
・仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理、
・探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」とする処理、
・仮確定オーダが所定の有効期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定の有効期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理とを実行させる。
上記の方法とプログラムによると、商談の進行中に仮確定オーダすることが許容され、仮確定オーダすると生産計画が仮に確定されて完成予定時期等を確定することができる。この仮確定生産枠は、その後に他のオーダが入っても遅らせられることがない。仮確定オーダの入力時に探索された生産枠で生産されることになり、仮確定オーダの入力時に予定した生産完了時点がずれることがない。
また仮確定生産枠は、時間の進行に伴って確定生産枠か未確定生産枠かに変更され、仮確定オーダがキャンセルになっても不都合なく対処することができる。
【0027】
確定オーダされた製品のための生産枠を、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠とからだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保された見込み生産枠をも対象として探索するようにすると、確定オーダされた製品を早く生産することが可能となる。
このために、本発明の他の一つのシステムは、生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、各生産枠が「オーダが確定している確定生産枠」か「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、オーダが確定したときにオーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を確定オーダされた製品に引き当てる手段とを備える。
この場合、空生産枠と同一販売会社の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠とからだけでなく、他の販売会社の見込みオーダのために確保されている見込生産枠をも探索対象として確定オーダされた製品のための生産枠を探索する。したがって、見込みがあってもオーダが確定していない製品よりも、確定オーダされた製品を早く生産することができる。
この技術は、「仮確定生産枠」という分類を許すシステムにも、許さないシステムにも適用することができる。
【0028】
本発明の他の一つの方法では、コンピュータに下記処理、即ち、
・生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理と、
・各生産枠が、「オーダが確定している確定生産枠」か、「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理と、
・オーダが確定したときに、オーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理と、
・探索された「未確定生産枠」を確定オーダされた製品に引き当てる処理とを実行させる。
見込みがあってもオーダが確定していない製品よりも、確定オーダされた製品を早く生産することができる生産計画が立案される。
【0029】
【発明の実施の形態】下記に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 生産枠ごとに生産可能な製品種類が制約されている。例えば、ある生産枠では種類A,Bのいずれかしか生産できず、その次の生産枠では種類C,Dのいずれかしか生産できないという制約が存在する。通常の探索ロジック(見込みオーダに基づいて生産枠に製品を対応付ける処理)では、上記制約条件に従って探索する。その一方において、一定条件下では生産する種類の変更が認められることがある。例えば、種類CまたはDのいずれかしか生産できないはずの生産枠で種類Aを生産するように変更できることがある。優先探索ロジック(確定または仮確定オーダされた製品の生産枠を探索する処理)では上記変更条件を活用して探索する。
【0030】
【実施例】本実施例では自動車を順次生産するラインの生産計画を立案する。この自動車生産ラインでは、車種AとBとCを混合生産する。この自動車生産ラインの例えば1月の稼動日数は20日とされ、1日に20台分の生産枠群が設定されている。1月の合計生産枠は400台分が存在する。
製品を構成する部品は他のラインで生産されることとなっており、それぞれの部品生産ラインについても部品生産枠群が設定されている。
自動車生産ラインの生産計画は、生産枠群に含まれる一つ一つの生産枠に車種を引き当てていくことで立案されるが、以下では生産枠の引き当て処理をN日の前日(即ちN−1日)に実施するものとする。引き当ての対象となる生産枠を探索する期間を、N日からN+4日までとする。
【0031】
本実施例の生産計画立案システムの構成を図1に示す。生産計画立案コンピュータ2は、生産工場に設置されている。生産計画立案コンピュータ2は、販売会社などに設置されているオーダ元コンピュータ4とコンピュータ・ネットワーク6で接続されている。オーダ元コンピュータ4は、入力端末42と、オーダ情報入出力部44とを備えており、オペレータが操作する入力端末42からオーダ情報が入力され、入力されたオーダ情報をオーダ情報入出力部44から生産計画立案コンピュータ2へ出力する。オーダ情報入出力部44から出力されたオーダ情報は、生産計画立案コンピュータ2のオーダ情報入力部23によって入力され、生産計画立案コンピュータ2は入力されたオーダ情報に基づいて生産計画の立案処理を実行する。
オーダ元コンピュータ4は、オペレータが操作する入力端末42から納期の回答を求める情報が入力され、入力された納期回答要求情報を生産計画立案コンピュータ2に出力する納期回答要求情報入出力部46を備えている。
生産計画立案コンピュータ2は、オーダ情報入力部23で入力されたオーダ情報に基づいて生産計画を立案する。立案した生産計画を活用し、オーダされた製品をオーダした販売会社に納品できる時期を計算し(リードタイム・納期計算部29)、計算された納期を販売会社のオーダ元コンピュータ4に出力する(納期回答出力部31)。オーダ元コンピュータ4には回答された納期が入力され(納期回答入力部48)、入力された納期を納期表示部50に表示する。
【0032】
生産計画立案コンピュータ2は、主として記憶部10と演算処理部8とで構成されている。記憶部10に記憶されている情報を説明する。
生産工場在庫車両情報記憶部5には、生産工場が在庫として有している自動車の情報が記憶されている。前述したように、オーダで埋められなかった空生産枠は、生産能力の浪費を避けるために、生産計画の最終確定時点で、生産工場の責任で製造する製品を決定する。これはオーダに基づいて生産するのでなく、生産工場の見込みに基づいて生産することに相当し、生産工場の在庫となる。生産工場在庫車両情報記憶部5には、生産工場に在庫されている車種別に在庫台数が記憶されている。
【0033】
車両生産枠群情報記憶部7には、自動車生産ラインに設定された生産枠群が記憶されている。図8の最上段が、車両生産枠群情報記憶部7に記憶されている生産枠を例示しており、一つの枠が一つの生産枠に対応する。稼働日と、残業時間を含む稼働時間と、製品生産ペース(タクト)が決まると、生産枠群が決定される。車両生産枠群情報記憶部7には、生産枠のみが記憶されており、その生産枠で生産する製品種類の情報等は記憶されていない。
部品生産枠群情報記憶部9には、自動車生産ラインで生産される車種の構成部品を生産する部品生産ラインの生産枠群が記憶されている。
【0034】
生産枠/車種/オ−ダ元/ステータス情報記憶部11には、生産枠ごとに、その生産枠で生産する車種と(図8の第三段目以降に生産枠に車種が引き当てられている例が示されている)、その生産枠に引き当てられた製品をオーダしたオーダ元と(図8中の甲乙丙丁がオーダ元を例示している)、その生産枠と製品の対応付けのステータスが記憶されている。ステータスは、その生産枠で生産する製品のオーダが確定している「確定生産枠」であるか、後記する「仮確定生産枠」であるか、見込みオーダに基づいて生産枠に車種を引き当てたものであってその後に変更されることがあり得る「見込み生産枠」であるか、あるいは、「空生産枠」のいずれであるかで記憶されている。前記したオーダ元には、確定オーダ、仮確定オーダ、見込みオーダの区別なく、とにかくもオーダしたオーダ元が記憶されている。
生産枠/部品種類/オ−ダ元/ステータス情報記憶部13には、部品生産ラインのための同種の情報が記憶されている。
【0035】
生産枠/生産可能種類情報記憶部12には、生産枠毎にその生産枠で生産可能な製品種類が対応付けて記憶されている。図8の第二段目に各生産枠で生産可能な種類が例示されている。この場合の生産可能な製品の種類は、単位時間あたりの作業負荷を平準化させ、部品調達ペースを平準化させるために決められている。図8の場合、1日のうちに車種Aを10台、車種Bを5台、車種Cを5台生産する計画となっている。ここで、最初に車種Aを連続して10台生産し、ついで車種Bを5台、車種Cを5台連続して生産するのに比して、「車種A、車種B、車種A、車種C」の順で生産するサイクルを繰り返して生産する方が、単位時間あたりの作業負荷や部品調達ペースが平準化される。ここでは、平準化のために必要とされる生産枠とその生産枠で生産可能な種類が割り当てられている。なお生産枠で生産可能な種類が2種類以上存在することもある。
部品生産枠/生産可能部品種類情報記憶部14には、部品生産ラインのための同種の情報が記憶されている。
【0036】
変更可能車種情報記憶部15には、許容される車種の変更に関する情報が記憶されている。図14はその一例を示し、車種Bの生産を予定していた生産枠で車種Aを生産する変更が許容され、車種Cの生産を予定していた生産枠で車種Aを生産する変更が許容される。また、車種Cの生産を予定していた生産枠で車種Bを生産する変更が許容される。
変更可能部品種類情報記憶部17には、許容される部品種類の変更に関する同種の情報が記憶されている。
【0037】
リードタイム情報記憶部19には、生産枠に引き当てられた製品の完成時期を計算するのに必要な情報や、完成車点検に要する時間や輸送時間等の計算に必要な情報であって、オーダ元に納車する時期を計算するのに必要な情報が記憶されている。
営業日カレンダ情報記憶部21には、輸送会社や販売会社が営業している営業日や営業時間の情報が記憶されている。
【0038】
生産工場在庫引当部25では、生産工場在庫車両情報記憶部5の情報から、オーダされた製品に対して生産工場が在庫している製品を引き当てることができるかどうかの判断処理を実施する。生産枠確保部27では、生産工場の在庫製品を引き当てることができない場合に、生産枠/生産可能種類情報記憶手段12と変更可能車種情報記憶手段15の記憶内容を参照しながら、生産枠/車種/オ−ダ元/ステータス情報記憶部11の生産枠を探索し、探索された生産枠にオーダされた製品を引き当てる処理を実施する。必要に応じて、生産枠/部品種類/オ−ダ元/ステータス情報記憶部13の部品の生産枠も探索する。
リードタイム・納期計算部29では、リードタイム情報記憶部19と営業日カレンダ情報記憶部21の情報から、引き当てた生産枠で生産するときのリードタイムを計算して納期を算出する。
納期回答出力部31は、オーダ元コンピュータ4に、オーダされた製品の納期を回答する。オーダ元コンピュータ4には納期回答が入力され(納期回答入力部48)、納期表示部50に納期を表示する。
【0039】
販売会社は、過去の販売実績を考慮して販売計画を作成する。例えば、向こう3ヶ月のうちに「車種Aを80台、車種Bを40台、車種Cを40台」販売するという販売計画を立案する。販売計画の確定時に販売会社は生産会社に見込みオーダを発注する。この段階では、車種別の台数が指定される。販売会社のオーダ情報入出力部44からは、3ヶ月に1回、今後の3ヶ月間の見込みオーダが出力される。
【0040】
時間の進行に伴って見込んだ販売計画が現実化する。需要者と販売会社間での商談が成立する度に、販売会社のオーダ情報入出力部44から確定オーダが出力される。
自動車のような高価な商品の場合、商談の開始から商談の成立までに時間を要することが多い。商談の最中に納期が話題となることも多い。納期が話題となる場合、販売会社はオーダ元コンピュータ4を生産会社の生産計画立案コンピュータ2に接続して納期情報を得て需要者に回答する。納期を計算する場合には、納期の照会時点で未確定生産枠を探索し、探索された生産枠で生産するものとして納期を計算する。商談の開始から商談の成立までに時間を要すると、納期の照会時には未確定であった生産枠が、商談成立時には確定生産枠となっており(他の販売会社から確定オーダが入れば確定生産枠とされる)、納期の照会時に想定した生産枠が利用不能となっていることが多い。この場合、納期の照会時に回答した納期が守れないことになる。
【0041】
納期照会時に回答した納期が守れるようにするために、本実施例のシステムでは、販売会社がオーダ情報入出力部44から仮確定オーダを出力することを許容する。仮確定オーダ情報には、仮確定オーダする販売会社と、車種と、仮確定オーダの有効期間の情報が含まれる。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダとなると、仮確定オーダは確定オーダとされ、仮確定オーダの有効期間内に確定オーダにならないと、仮確定オーダはキャンセルされて未確定生産枠に戻される。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダとなれば、納期の照会時に回答した納期が守られる。仮確定オーダの有効期間内に確定オーダにならないと、仮確定オーダはキャンセルされるので、受注されていない製品を生産することにはならない。
【0042】
以下では、自動車生産ラインの1日の生産枠群について、それに含まれる生産枠の数(この場合20枠)は決められているが、各生産枠で生産する製品の種類が決められていない状態から、生産計画が立案されていく過程を説明する。
図8に、生産枠/車種/オーダ元/ステータス情報記憶部11に記憶される情報が模式的に示されている。最上段に示される予定の生産枠群の欄では、20個の生産枠が設定されている。生産計画の立案開始時点では、生産枠には車種が対応付けられていない。
【0043】
図8の第二段目に各生産枠で生産可能な種類が例示されている。この場合、生産可能な製品の種類は、単位時間あたりの作業負荷を平準化させ、部品調達ペースを平準化させるために決められている。図8の場合、1日のうちに車種Aを10台、車種Bを5台、車種Cを5台生産する計画となっている。ここで、最初に車種Aを連続して10台生産し、ついで車種Bを5台、車種Cを5台連続して生産するのに比して、「車種A、車種B、車種A、車種C」の順で生産するサイクルを繰り返して生産する方が、単位時間あたりの作業負荷や部品調達ペースが平準化される。ここでは、平準化のために必要とされる生産枠の一つ一つで生産可能な種類が割り当てられている。図8では説明の簡単化のために、生産枠で生産可能な種類の数が1種類に限定される場合を例示しているが、実際には、生産枠で生産可能な種類は1種類に限られない。
【0044】
図8の第二段目に例示される生産枠と車種の制約条件は、後記する優先探索ロジックでは変更される。図14に、変更可能車種情報記憶部15に記憶されている変更可能な車種の組合せを例示する。車種BまたはCの生産が可能な生産枠で車種Aを生産するように変更でき、車種Cの生産が可能な生産枠で車種Bを生産するように変更できることを例示している。
上記の車種変更条件は、作業負荷等の平準化の観点から、許容される変更と許容されない変更が定められている。また納期短縮の優先度によって変更条件を決めてもよい。車種Aの納期短縮要求が強くて、車種BとCの納期要求が甘い場合には、本来は車種BとCの生産が可能な枠で車種Aを生産するような変更条件を設けておくことができる。
【0045】
図2に、オーダされた製品に生産工場が有する在庫用製品を引き当てる処理の手順を示す。図2の処理に先立って、需要者からオーダされた製品に販売会社が在庫している製品を引き当てる処理が実施される。即ち、商談が成立した車種と販売会社が在庫している車種とが対応していれば、そのオーダに対して販売会社の在庫車両で対応できることから、生産工場にはオーダされない。販売会社の在庫車両で対応できないときに生産工場にオーダされ、図2以降の処理が開始される。
【0046】
本実施例では、N日の前日(N−1日)に販売会社甲から「車種A」が指定された確定オーダが出力された場合を説明する。生産工場にオーダが入力されたときに、オーダされた車種を生産工場が在庫していれば、そのオーダに対して生産工場の在庫車両で対応できることから、生産工場の生産計画には反映されない。生産工場の在庫車両で対応できない場合に(ステップS4でNOのときに)、図3以降を参照して説明する生産計画の立案処理が実行される。
【0047】
図3に、オーダされた製品に生産枠を引き当てて生産計画を立案する処理の手順を示す。
ステップS10では、オーダのカテゴリを判別する。販売会社からのオーダが見込みオーダである場合には、ステップS12の通常ロジック(既に引き当てた生産枠と車種の対応付けを変更しないという条件で生産計画を立案するロジックであり、空生産枠にオーダされた製品を対応付ける処理手順に相当する)が採用される。販売会社からのオーダが確定オーダまたは仮確定オーダである場合には、納期の短縮を実現するためにステップS14の優先ロジック(既に引き当てた生産枠と車種の対応付けであってもまだ確定していない対応付けを変更して生産計画を立案するロジックであり、見込み生産枠と空生産枠に確定オーダされた製品を対応付ける処理手順に相当する)を実行する。ステップS14の優先ロジックによって生産枠が引き当てられたあとに、ステップS16でリードタイムと納期が計算され、納期計算の前提とした生産枠と製品の対応付けが所定条件で確定される(ステップS18)。生産枠との対応付けが確定されるために、その後の他の受注によって納期が遅れることがない。
【0048】
図4に、ステップS12の通常ロジックを用いて、見込みオーダのために見込み生産枠を引き当てる処理の手順を示す。図4のステップS121では、オーダされた車種を生産可能である空生産枠であって最先の生産枠が探索される。空生産枠は「未確定生産枠」に分類されている。
図8は、空生産枠の探索が開始される前の生産枠の一例を示している。図8の第二段目の生産枠の上に記載された数字は、1日のうちでその生産枠が何番目に当たるのかを示している。第二段目の生産枠の枠内には、その生産枠で生産可能な車種の情報が記憶されている。図8の第二段目の場合、「車種A、B、A、C」の順で生産するサイクルを極力維持したいことから、生産可能な車種には「A、B、A、C」のサイクルが繰り返されている。
図8には、N日からN+4日までの生産枠が示されている。N日以降の段の一番左の欄の「甲、乙、丙、丁」の記載は、販売会社の名称を表している。「N日以降の表の縦の一列(4つの欄からなる)は、1日のうちでの生産順序が同じである。例えば、生産枠群の1番目の生産枠には、N日の最初の縦の一列(甲の行に太字の「A」が記載された欄の下に続く4つの欄)が対応している。生産枠中の「A」の記載は、生産枠で生産される車種を表している。太字で表された車種は確定オーダが入力されたもの、細字で表された車種は見込みオーダが入力されたものであることを表している。これらの記載から、例えば、N日の1番目の生産枠は、販売会社甲から確定オーダが入力された車種Aのために確保されていることがわかる。生産枠に対応する縦の一列の4つの欄のどれにも車種の記載がない場合は、その生産枠が空生産枠であることを示している。N+2日の14番目の生産枠の縦の一列の4つの欄のどれにも車種の記載がなく、N日以降の中では最先の空生産枠であることがわかる。N+3日の18番目から20番目までの生産枠と、N+4日の14番目から20番目までの生産枠も空生産枠である。
【0049】
図4のステップS121では、最先の空生産枠が探索される。ただし、生産枠に対して生産可能な種類が制約されているために、オーダされた種類を生産可能な生産枠の中から最先の生産枠が探索される。
図8の場合、N+2日の14番目の生産枠が最先の空生産枠であるが、その生産枠で生産可能な車種はBであり、オーダされた車種Aを生産できないことからステップS121の条件を満たさない。この場合、ステップS121を実施することで、N+3日の19番目の生産枠が探索される。
図9に、図8の車種Aの生産枠をステータス別にまとめた数が示されている。例えば、N+3日については、車種Aの予定生産枠10個のうち、確定生産枠が6個、見込み生産枠が3個空生産枠が1個となっており、N+3日に最先の空生産枠があることがわかる。
【0050】
図4のステップS123では、探索された生産枠までに部品が手当てできるか否を判断する。部品が手当てできなければ、次の空生産枠を探索する(ステップS125)。例えば、ステップS121で図8のN+3日の19番目の空生産枠が探索された場合に、それまでに車種Aの構成部品群の部品生産枠を確保できなければ、ステップS125では、N+4日の15番目の空生産枠が探索される。N+4日の15番目の生産枠までに車種Aの構成部品群の部品生産枠を確保できれば、ステップS123がYESとなり、ステップS127で、探索された生産枠に見込みオーダされた車種を引き当てる。引き当てられた生産枠のステータスを「未確定生産枠」に分類する。見込みオーダに対しては、生産枠を一応引き当てるものの、その対応付けは確定的なものでないため、その後に必要に応じて変更可能なように、「未確定生産枠」に分類しておくのである。なお、空生産枠は「未確定生産枠」に分類されているので、処理の実際としては、見込みオーダに引き当てた生産枠は「未確定生産枠」の分類に維持される。
以上の処理をすべての見込みオーダに対して実行することで、「未確定生産枠」が「見込み生産枠」に変更され、「空生産枠」が減少していく。
【0051】
図10に、車種Aを構成する部品の空生産枠の数をまとめた表を例示する。図10では、車種Aを構成する5つの部品が例示されている。IDは、車種を生産する生産系の識別番号を示している。例えば、ID52は、構成部品のラインから自動車の組立ラインまで、車種Aを生産するために用いられるラインの生産系に属するものであることを示している。なお、一つのIDが複数の車種を生産する生産系である場合もある。例えば、ID52は、車種Aを生産するために用いられるラインの生産系と、車種Bを生産するために用いられるラインの生産系を識別している。構成部品の空生産枠について、前述の車種Aの最も早い空生産枠があったN+3日の状況を見てみると、N+3日までには、構成部品AA4YY0のための空生産枠がないことがわかる。N+3日ではAA4YY0という構成部品が足りないため、車種Aを生産することができない。次にN+4日を見てみると、全ての構成部品について空生産枠があることがわかる。N+4日には、15番目に、車種Aの空生産枠もある(図8を参照)。図4のステップS121からS125を実行することによって、見込みオーダされた車種(この場合A)を生産可能な空生産枠であり、それまでに部品を手当てできる最先の生産枠が探索される。この場合、N+4日の15番目の空生産枠を車種Aの見込みオーダに引き当てることができる(ステップS127)。
【0052】
見込みオーダに基づいて「見込み生産枠」を引き当てていく場合、見込みオーダ量を勘案し、見込みオーダに対する生産ペースが販売会社によって大きく偏ることがないように引き当てていく。例えば、販売会社甲乙からの見込みオーダが販売会社丙丁からの見込みオーダの2倍であれば、生産枠が、「甲乙丙甲乙丁甲乙丙甲乙丁・・」の順で引き当てられる。この対応付けによって、見込みオーダに対する生産ペースが販売会社によって大きく偏ることが防止される。
【0053】
図3のステップS14で実行される優先ロジックの処理の手順を図5に示す。ここでは、販売会社甲から「車種A」が指定された確定オーダまたは仮確定オーダが生産計画立案コンピュータ2に出力されたとする。
優先ロジックでは、所定の条件下で、未確定生産枠(空生産枠と見込み生産枠)を探索対象として、確定または仮確定オーダされた製品に生産枠を引き当てる。
図5のステップS141では、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠から探索する。生産枠と生産可能な種類の関係は、図8の第二段目を参照して説明したものであり、種類の変更は図14を参照して説明したものである。
図5のステップS141では、空生産枠と、確定または仮確定オーダを入れた販売会社の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠と、確定または仮確定オーダを入れた販売会社とは異なる販売会社(他社)の見込みオーダのために確保されている見込み生産枠の全部を探索対象とする。即ち、確定生産枠と仮確定生産枠以外の未確定生産枠の全部を探索対象とする。
【0054】
図5のステップS141では、確定または仮確定オーダに引き当てられた生産枠は探索対象とされない。確定または仮確定オーダに引き当てられた生産枠は、その後の確定オーダまたは仮確定オーダによって変更されることはない。なお、仮確定オーダに引き当てられていた生産枠が未確定生産枠に分類されなおすことがあり、未確定生産枠に分類され直したあとに、他の確定オーダまたは仮確定オーダに変更されることがあるが、これについては後述する。
【0055】
図8に例示した例では、N日からN+4日までの間に11個の空生産枠が存在する。販売会社甲(自社)の見込み生産枠は、N+2日に4個(10番目、12番目、16番目、20番目)、N+3日に1個(15番目)、N+4日に1個(8番目)ある。販売会社乙の見込み生産枠は、N+1日の16番目等に存在し、販売会社丙の見込み生産枠は、N日の20番目等に存在し、販売会社丁の見込み生産枠は、N日の19番目等に存在する。
図5のステップS141では、上記した未確定生産枠の中から最先の未確定生産枠を探索する。ただし、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠のみを探索する。図14に例示するように、車種Aの優先度は高く、車種BまたはCの生産枠を使って車種Aを生産できることから、確定または仮オーダされた車種がAであれば、図14の制約条件の場合、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠を探索するという条件は、実質上制約条件にならない。
図11に、自動車生産ラインで生産される車種A、車種B、車種Cの生産枠の詳細を数でまとめた表を示す。表から、N日に車種Aの見込み生産枠が1個、車種Cの見込み生産枠が1個あることがわかる。
【0056】
図5のステップS143では、探索された生産枠までに、車種Aの構成部品に引当可能な部品生産枠があるか否かが判断される。例えば図8の例では、最初の未確定枠は、N日の19番目の見込み生産枠である。ステップS143では、それまでに車種Aの構成部品のために部品生産枠が確保できるか否かを判別する。図12には、車種Aを構成する部品の一つであるEEIZZFEのN日の生産枠の状況を、生産系のIDごとにまとめた表が示されている。この表は、変更可能優先部品種類情報記憶部17に記憶されている。EEIZZFEは、車種Aの生産系であるID52だけでなく、車種Cの生産系であるID53、車種H(及び車種J)の生産系であるID75、車種Xの生産系であるID10でも生産されていることがわかる。優先ロジックでは、他の車種のために生産される部品であっても共通するものがあれば、それらも対象として生産枠を探索する。したがって、ID52だけでなく、ID53、ID75、ID10の生産系で生産される全てのEEIZZFEの生産枠を探索する。表からは、車種Cの生産系であるID53でのEEIZZFEの生産枠の10番目と13番目が、見込み生産枠となっていることがわかる。
【0057】
図13に、ライン01で生産される車種Aを構成する部品であるEEIZZFE、BB3XXD、AA4YYOの引き当て可能な生産枠の数をまとめた表が示されている。例えば、EEIZZFEのN日の生産枠については、図12に示されたように、車種Cの生産系であるID53で見込み生産枠が2個あり、引当可能数が2個となっている。図13で構成部品の生産枠の数の状況を見てみると、N日にはEEIZZFEについては2個の生産枠が引当可能であるが、BB3XXDとAA4YYOについては引当可能な生産枠がないことがわかる。したがって、N日には車種Aに必要な全ての構成部品の生産枠を確保することができない。次に、N+1日について見てみると、EEIZZFE、BB3XXD、AA4YYOのいずれについても引当可能な生産枠があることがわかる。その他の構成部品である11FF3EE、9UUKKJについてもN+1日に引当可能な生産枠があるとすると、車種Aの構成部品の生産枠は、N+1日にやっと確保できことになり、N日の19番目の生産枠を引き当てることはできない。
【0058】
図5のステップS143でNOとなると、ステップS145が実行され、次に早い未確定生産枠が探索される。この場合にも、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠のみを探索する。図8の場合、ステップS145によってN日の20番目(丙社の車種Cの見込み生産枠)が探索され、ステップS143に戻って構成部品の手当てが可能か否かが判断される。
ステップS141から145までによって、確定または仮確定オーダされた車種を生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種に変更可能な生産枠であり、確定または仮確定オーダされた車種の構成部品の部品生産枠が引き当て可能であり、空生産枠あるいは自社及び他社の見込み生産枠であるという条件を満たす生産枠の中から最先の生産枠が探索され、探索された生産枠が確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられる。
【0059】
図8の例では、ステップS141でN日の19番目の他社(丁社)の見込み生産枠が探索されるが、N日の19番目の生産枠では部品の生産枠を確保することができないためにステップS143がNOとなる。そこで、ステップS145が実行され、N日の20番目の他社(丙社)の見込み生産枠が探索されるが、N日の20番目の生産枠でもステップS143がNOとなる。そこで、ステップS145が再び実行され、今度はN+1日の16番目の他社(乙社)の見込み生産枠が探索される。N+1日の16番目の生産枠までには、部品の生産枠を確保することができるために(前記したように、優先ロジックでは、他の車種のために生産される部品であっても共通するものがあれば、それらも対象として部品生産枠を探索するために、N+1日には部品生産枠が確保される)ステップS143がイエスとなる。
図8の例では、確定または仮確定オーダされた車種Aを生産可能な生産枠もしくは確定または仮確定オーダされた車種Aに変更可能な生産枠であり、確定または仮確定オーダされた車種Aの構成部品の部品生産枠が引き当て可能であり、空生産枠あるいは自社及び他社の見込み生産枠であるという条件を満たす生産枠の中から、最先の生産枠(N+1日の16番目の生産枠)が探索される。
【0060】
図5のステップS147では、ステップS141またはステップS145で探索された生産枠が、確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられる。その生産枠に、確定または仮確定オーダされた車種Aを引き当てる。
【0061】
確定生産枠または仮確定生産枠として引き当てられた生産枠が他社の見込み生産枠であることがある(若しくは空き生産枠または自社の見込み生産枠であることもある)。前者の場合には、ステップS149がYESとなり、ステップS151を実行する。ステップS151では、置き換えられる他社の見込み生産枠を繰り下げる。それに連動して、引き当てられた生産枠から確定オーダまたは仮確定オーダしたオーダ元のための次の見込み生産枠までの間にある未確定生産枠の全部を将来方向にシフトさせる。
例えば、図8のN+1日の16番目の販売会社乙の見込み生産枠が販売会社甲のための仮確定生産枠として引き当てられた場合、N+1日の16番目以降で販売会社甲のための次の未確定生産枠(N+2日の10番目)までの間の未確定生産枠が将来方向にシフトされる。シフトされる結果、N+1日の16番目の販売会社乙の見込み生産枠は、N+1日の18番目(乙の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の18番目の乙の見込み生産枠は、N+1日の19番目(丁の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の19番目の見込み生産枠は、N+1日の20番目(丙の見込み生産枠として確保されている)に繰り下がる。N+1日の20番目の見込み生産枠は、N+2日の10番目(甲の見込み生産枠として確保されている)まで繰り下がる。N+2日の10番目(甲の見込み生産枠として確保されている)の生産枠は、N+1日の16番目の生産枠が甲に引き当てられたために消される。消されることは、見込みオーダであったものを確定または仮確定オーダに変更したことに対応する。
【0062】
引き当てた生産枠が空き生産枠であるときには、引き当てた空生産枠を確定または仮確定生産枠とし、確定オーダまたは仮確定オーダしたオーダ元のための次の見込み生産枠を空生産枠とする。この処理によって、生産しすぎることを防止できる。
【0063】
引き当てた生産枠が自社の見込み生産枠であるときには、引き当てた見込み生産枠を確定または仮確定生産枠とする。この場合、他の処理をして手当てする必要がない。
【0064】
以上の処理をすべての確定オーダまたは仮確定オーダに対して実行する。タクシ会社等の大口顧客から一度に多数の製品が発注された場合には、オーダされた最後の一台に至るまで上記の手順が繰り返されるために、オーダされた全部の製品に生産枠が引き当てられ、最終製品の納期まで正確に計算することが可能となる。
【0065】
以上のようにして確定オーダまたは仮確定オーダに対して優先ロジックによって生産枠が確保されると、図3のステップS16に進み、リードタイム納期計算部29により、リードタイムと納期が計算される。ステップS18では、回答した納期の前提とした生産枠が確保されてその後に入力される他のオーダによって納期がずれないようにして処理を終了する。
【0066】
販売会社甲から出力されたオーダ情報が仮確定オーダであった場合は、仮確定生産枠として確保できる有効期間が指定されている。通常の有効期間は、納期から計算される最終的な生産日時のリミットまでとされることが多い。有効期間内に商談が成立すれば、仮確定生産枠は確定生産枠に変更される。一方、有効期間内に商談が成立しなければ、仮確定生産枠は見込み生産枠または空生産枠に戻される。
このように仮確定オーダに有効期間を設けておくことで、商談が成立する前に生産枠の探索を開始することができ、商談中に生産会社に照会して顧客に回答した納期と実際の納期とがずれてしまうことがない。また、商談が有効期間内に確定しなければ、他の製品のために生産枠を開放することができる。
【0067】
図6に、商談が成立してから生産枠を探索する従来の技術を示す。図6は販売会社側の店舗でN−1日に商談が開始された場合を例示している。その時点で納期を照会した結果、納期はN+10日であるという回答を得た場合を例示している。自動車のような高価な商品は一度の商談で成立することは珍しい。通常は複数日に亘ることが多い。ここではスムースに商談が進行してN日には商談が成立したとする。需要者の方では、迅速に商談成立させたことから回答された納期が遵守されるものと期待する。N日に商談が成立してオーダが確定した旨の情報は、販売会社の本部に送られる。本部は、在庫として有する自動車や他の受注状況のバランスを勘案し、送られてきた受注の内容(車種など)の変更や受注のキャンセルを想定したうえで確定オーダを発注しなければならない。結果としてN+1日に生産会社へ確定オーダが発注されたことを例示している。生産会社の本社は確定オーダをN+1日に受け付け、生産計画を立案しなおす。このときに未確定生産枠が探索される。N−1日の商談開始時点では未確定生産枠であったものが、N+1日までの間に確定生産枠に変わっていることがある。このためにN+1日に未確定生産枠が探索して生産計画を立案すると、納期がN+14日となってしまうことがある。
従来の技術では、確定オーダを受けてから未確定生産枠を探索して生産計画を立案するため、商談時に顧客に回答した納期と実際の納期がずれてしまうことがある。
【0068】
図7に、仮確定オーダを許容する本システムによる場合を例示する。N−1日で商談が開始した時点で仮確定オーダを入れて納期を照会する。このときに、未確定生産枠が探索される。本システムでは、他社の見込み生産枠までをも対象にして探索することから、従来よりも早い生産枠を探索することができる。従来の技術によるときの納期N+10日よりも早い納期(この場合N+7日)を回答することができる。商談が長引いてN+2日に確定し、販売会社がN+3日に確定オーダを発注したとすると、生産会社ではN+3日に生産計画を立案しなおす(図6の場合よりもいずれも2日遅い)。この場合、仮確定生産枠を確定生産枠とすることで生産計画が確定する。N−1日の時点で仮確定生産枠が引き当てられており、仮確定生産枠に引き当てられ生産枠は他の確定オーダ等に引き当てられることがないために、N+3日に生産計画を確定しても、N−1日に回答した納期(N+7日)から遅れることがない。
本発明では、納期照会を受けた時点で未確定生産枠を探索し、探索された生産枠を仮確定生産枠として他のオーダのために確定生産枠として引き当てることを禁止することから、回答した納期と実際の納期とがずれてしまうことがない。
【0069】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる
・本実施例では生産会社自身が在庫しておく製品のための生産枠を考慮していない。空生産枠が生じたときに、生じた空生産枠を利用して見込み生産をする。これに代えて、生産会社が計算した在庫用製品の生産数に基づいて生産枠を設けることも可能である。このような生産枠は「未確定生産枠」に分類することができる。
・本実施例では「確定生産枠」と「仮確定生産枠」と「未確定生産枠」にステータスを分類している。これに代えて、オーダが確定している生産枠と、オーダが確定していない生産枠の2つに分類することできる。空生産枠と見込み生産枠は、オーダが確定していない生産枠に分類される。
・オーダが確定している生産枠と、オーダが確定していない生産枠に分類する場合、仮確定生産枠は存在しない。この場合、本実施例の仮確定オーダを許容しない場合もあれば、仮確定オーダを許容して仮確定オーダがあれば確定オーダに分類する場合もある。前者の場合でも、図5の優先ロジックでは他社の見込み生産枠を含めて探索する技術が有効に機能する。後者の場合でも、「仮確定生産枠」が「未確定生産枠」に変更されない限り、即ち「仮確定生産枠」が「仮確定生産枠」であるかぎり「確定生産枠」として扱い、図5の優先ロジックでは探索対象とせず、オーダが確定されているものと扱うことができる。
・本実施例では、図5の優先ロジックで、仮確定オーダされた製品に引き当てる見込み生産枠の探索対象に、他のオーダ元からの見込み生産枠も含めているが、同一オーダ元からの見込み生産枠に限定してもよい。探索対象を広く確保したほうが、より早い生産枠を探索しやすくなるが、同一オーダ元からの見込みオーダに限定しても、仮確定オーダを利用して商談中に回答した納期がずれないようにする本技術の利点が得られる。
・本実施例では、最先の生産枠の探索時に用いる所定条件に、生産枠とその生産枠で生産可能な車種の制約条件、その制約条件から変更可能な変更条件、さらには製品を構成する部品の手当てが可能であるという条件等を用いているが、これらはあくまで例示にすぎない。生産枠と生産可能な車種の関係が制約されていない場合には、これらの条件は不要となる。あるいは、同一車種を連続して生産することが許容される最大連続数が決められていれば、それを条件としてもよい。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明では、確定していない暫定的な仮確定オーダが入力されたときに生産枠の探索を開始し、探索された生産枠を確保しておく。このため、商談中に顧客に回答した納期と実際の納期とがずれることが回避される。
また、確定オーダされた製品に引き当てる生産枠を、空生産枠と同一オーダ元の見込みオーダに基づく見込み生産枠とからだけでなく、他のオーダ元の見込オーダに対応する見込み生産枠をも対象として探索する。このため、確定オーダされた製品のための生産枠が、他の未確定生産枠よりも優先的に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】生産計画立案システムの構成を示す。
【図2】オーダされた製品に生産会社が有する在庫製品を引き当てる処理の手順を示す。
【図3】オーダされた製品に生産枠を引き当てる処理の手順を示す。
【図4】通常ロジックを用いて生産枠を引き当てる処理の手順を示す。
【図5】優先ロジックを用いて生産枠を引き当てる処理の手順を示す
【図6】確定オーダを受けてから生産枠を探索する従来例を示す。
【図7】仮確定オーダが入力されたときに生産枠を探索する本実施例を示す。
【図8】生産枠の探索が開始される前の生産枠の一例を示す。
【図9】車種Aの生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図10】車種Aの構成部品の生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図11】ライン01の生産枠の詳細を数でまとめた図を示す。
【図12】車種Aの構成部品の一つの生産枠の状況を、生産系のIDごとにまとめた図を示す。
【図13】車種Aの構成部品の一部の生産枠の状況を数でまとめた図を示す。
【図14】変更可能な車種を例示する。
【符号の説明】
2 :生産計画立案コンピュータ、
4 :オーダ元コンピュータ、
6 :コンピュータ・ネットワーク、
8 :演算部、
10:記憶部、
5 :生産工場在庫車両情報記憶部、
7 :車両生産枠群情報記憶部、
9 :部品生産枠群情報記憶部、
11:生産枠/車種/オーダ元/ステータス情報記憶部、
12:生産枠/生産可能種類情報記憶部、
13:生産枠/部品種類/オーダ元/ステータス情報記憶部、
14:部品生産枠/生産可能部品種類情報記憶部、
15:変更可能車種情報記憶部、
17:変更可能部品種類情報記憶部、
19:リードタイム情報記憶部、
21:営業日カレンダ記憶部、
23:オーダ情報入力部、
25:生産工場在庫引当部、
27:生産枠確保部、
29:リードタイム・納期計算部、
31:納期回答出力部
Claims (10)
- 製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案するシステムであって、
生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、
各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、
仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する手段と、
仮確定オーダが所定期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する手段と、
を備える生産計画立案システム。 - 「未確定生産枠」は、「見込みオーダに対応する見込み生産枠」又は「オーダを受けていない空生産枠」のいずれかであることを特徴とする請求項1の生産計画立案システム。
- 生産枠と製品を対応付けて記憶する手段では、オーダされた製品に引き当てられた生産枠とオーダ元とが対応付けて記憶されており、
探索された「未確定生産枠」が仮確定オーダしたオーダ元の「見込み生産枠」であれば、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に変更することを特徴とする請求項2の生産計画立案システム。 - 生産枠と製品を対応付けて記憶する手段では、オーダされた製品に引き当てられた生産枠とオーダ元とが対応付けて記憶されており、
探索された「未確定生産枠」が仮確定オーダしたオーダ元とは異なるオーダ元の「見込み生産枠」であれば、その「見込み生産枠」を「仮確定生産枠」に置き換え、置き換えられた「見込み生産枠」から仮確定オーダしたオーダ元の次の「見込み生産枠」に至るまでの間の「未確定生産枠」を繰り下げることを特徴とする請求項2の生産計画立案システム。 - 生産枠とその生産枠で生産可能な製品種類を対応付けて記憶する手段と、それから変更可能な製品種類を記憶する手段とを備えており、
仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠または変更すれば仮確定オーダされた種類を生産可能な生産枠の範囲内で「未確定生産枠」を探索することを特徴とする請求項1の生産計画立案システム。 - 仮確定オーダが入力されたときに、仮確定オーダされた製品のための部品の手当てが可能な範囲内で最先の「未確定生産枠」を探索することを特徴とする請求項1の生産計画立案システム。
- 製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する方法であって、コンピュータに下記処理、即ち、
生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理と、
各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理と、
仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理と、
探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する処理と、
仮確定オーダが所定期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理と、
を実行させることを特徴とする生産計画立案方法。 - 製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案するためのプログラムであって、コンピュータに下記処理、即ち、
生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理と、
各生産枠が、「確定オーダに対応する確定生産枠」か、「仮確定オーダに対応する仮確定生産枠」か、「確定生産枠でも仮確定生産枠でもない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理と、
仮確定オーダが入力されたときに、所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理と、
探索された「未確定生産枠」を仮確定オーダされた製品に引き当て、「仮確定生産枠」に変更する処理と、
仮確定オーダが所定期間内に確定したときには「仮確定生産枠」を「確定生産枠」に変更し、仮確定オーダが取り消されたとき又は所定期間内に確定しないときには「仮確定生産枠」を「未確定生産枠」に変更する処理と、
を実行させることを特徴とする生産計画立案用プログラム。 - 製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案するシステムであって、
生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付けて記憶している手段と、
各生産枠が、「オーダが確定している確定生産枠」か、「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを記憶している手段と、
オーダが確定したときに、オーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索し、探索された「未確定生産枠」を確定したオーダの製品に引き当てる手段と、
を備える生産計画立案システム。 - 製品群を順次に生産するラインのための生産計画を立案する方法であって、コンピュータに下記処理、即ち、
生産枠とその生産枠で生産する製品を対応付ける処理と、
各生産枠が、「オーダが確定している確定生産枠」か、「オーダが確定していない未確定生産枠」のいずれであるかを分類する処理と、
オーダが確定したときに、オーダ元を異にする「未確定生産枠」をも探索対象にして所定条件下で最先の「未確定生産枠」を探索する処理と、
探索された「未確定生産枠」を確定したオーダの製品に引き当てる処理と、
を実行させることを特徴とする生産計画立案方法。
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JP2002357245A JP2004192163A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | 生産計画立案システムと立案方法とそのためのプログラム |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006082808A1 (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-10 | Hitachi, Ltd. | 納期回答プログラム、納期回答方法、及びこの方法を実行するシステム |
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-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002357245A patent/JP2004192163A/ja active Pending
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