JP2004189437A - 記録体送出方法、記録体送出装置、画像形成方法、画像形成装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも短い間隔で転写紙Pを送り出すことができる送出部40(紙送出手段)を提供することである。
【解決手段】搬送路53内で転写紙Pを両面から挟み込みながら搬送する搬送ローラ対49、及び手差し用搬送ローラ対50と、搬送路53内の転写紙Pを検知する第1検知センサ51、及び第2検知センサ52とを設けた。そして、2つの紙カセット(41,42)と、手差しトレイ43とのうち、少なくとも2つからレジストローラ対43への給紙動作を並行させ、そのうち更に少なくとも1つの供給動作については、その給紙動作で給紙中の転写紙Pの検知センサによる検知結果に基づいて一時停止させようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】搬送路53内で転写紙Pを両面から挟み込みながら搬送する搬送ローラ対49、及び手差し用搬送ローラ対50と、搬送路53内の転写紙Pを検知する第1検知センサ51、及び第2検知センサ52とを設けた。そして、2つの紙カセット(41,42)と、手差しトレイ43とのうち、少なくとも2つからレジストローラ対43への給紙動作を並行させ、そのうち更に少なくとも1つの供給動作については、その給紙動作で給紙中の転写紙Pの検知センサによる検知結果に基づいて一時停止させようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写紙等の記録体を、画像形成装置内に配設される転写手段等の送出先に向けて送出する記録体送出方法、並びにこれを用いる記録体送出装置、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。また、かかる記録体送出装置の制御に用いられるプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の記録体送出装置としては、例えば特許文献1に記載の給紙装置が知られている。この給紙装置は、2つのローラ間に挟み込んだ転写紙を所定のタイミングで送り出して転写手段に供給する送出手段たるレジストローラ対や、転写紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容する収容手段たる給紙カセットを備えている。また、転写紙を給紙カセット内から用紙搬送路に通して上記レジストローラ対に供給する供給手段も備えている。供給手段は、給紙カセット内の紙束における一番上の転写紙に当接する給紙ローラ、上述の用紙搬送路、この路内で転写紙を挟み込みながら搬送する搬送ローラ対などから構成されている。かかる構成の給紙装置によって送り出された転写紙は、転写手段内において、可視像を担持する感光体等の像担持体と向かい合わされながら、像担持体上の可視像が転写せしめられる。給紙装置から転写手段への送出タイミングにバラツキがあると、像担持体上の可視像と、これに向かい合わされる転写紙との相対位置がずれて、可視像が転写紙上の正規位置に転写されなくなる。そこで、上記レジストローラ対が像担持体上の可視像に正確に同期させ得るタイミングを見計らって、転写紙を送り出すようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−000740号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の画像形成装置においては、更なる高画質化に加えて、画像出力速度の更なる高速化が望まれている。高速化を図る方法の1つとして、連続出力時における紙間、即ち、先行する転写紙の後端から後続の転写紙の先端に至るまでの距離をできる限り短くすることが挙げられる。
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載の給紙装置では、転写紙を短い紙間で送出することが困難であった。これは、レジストローラ対において、その駆動終了から次の駆動開始までのタイムラグが、ある程度の余裕をもって設定されることに起因する。具体的には、給紙カセット内の紙束からは転写紙を1枚ずつ分離して取り出さなれければならい。そして、その分離性を向上させるためには、紙束の1番上の転写紙を適切な圧力で触れながら取り出す必要がある。過剰な圧力で触れてしまうと、2番目以降の転写紙も重ねて取り出してしまういわゆる重送と呼ばれる現象を引き起こすからである。そこで、重送を生じない程度に弱いが、スリップを生じない程度には強いという適切な圧力で給紙ローラを1番上の転写紙に押し当てることになる。しかしながら、カセット底に設けられたバネ等の付勢手段に付勢されて給紙ローラに押圧される紙束の厚みが変動すると、それに伴って1番上の転写紙と給紙ローラとの圧力も変動してしまう。そして、実際の圧力が適切な圧力値よりも弱くなると、転写紙が給紙ローラの表面上でスリップしながら取り出される。すると、スリップしない場合に比べて、給紙ローラの回転を開始してから転写紙をレジストローラ対に到達させるまでに要する時間が長くなる。このような時間変動が起こっても、駆動を開始する前のレジストローラ対に転写紙を確実に供給できるように、その駆動終了から次の駆動開始までのタイムラグにある程度の余裕をもたせるのである。このことが、転写紙を短い紙間で送出する上での大きな障害になっている。
【0006】
なお、これまで、記録体として転写紙を用いた例について説明したが、厚紙や封筒などといった他の記録体を用いた場合でも、同様の理由により、転写紙を短い紙間で送出することが困難である。また、記録体をローラによって給紙カセットから取り出したり、送出したりする例について説明したが、ローラ以外の手段で取り出しや送り出しを行う場合も同様である。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも短い間隔で記録体を送り出すことができる記録体送出方法を提供することである。また、かかる記録体送出方法を用いる記録体送出装置、画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。更には、かかる記録体送出装置の制御を実現することができるプログラムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録体を複数の収容手段に収容する収容工程と、該収容手段内の記録体を送出手段に供給すべく、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの該記録体に搬送力を付与する供給工程と、該記録体を所定のタイミングで該送出手段から送り出す送出工程とを実施する記録体送出方法において、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを配設しておき、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給工程を並行しておこない、少なくとも1つの供給工程については、該1つの供給工程で供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時中止することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段と、該送出手段及び供給手段の駆動を制御する送出制御手段とを備える記録体送出装置において、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に設け、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の記録体送出装置において、各収容手段に収容されている記録体について、それぞれそのサイズ情報を取得するためのサイズ情報取得手段を設け、一時停止させていた上記供給動作を該サイズ情報取得手段による取得結果に基づいて再開させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の記録体送出装置において、上記サイズ情報取得手段として、記録体のサイズを検知するサイズ検知手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の記録体送出装置において、上記記録体検知手段と上記挟込搬送手段との組合せを複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の記録体送出装置において、複数の上記収容手段の数以上に、上記組合せを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2、3、4、5又は6の記録体送出装置において、複数の上記収容手段の少なくとも1つとして、手差しトレイを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7の記録体送出装置において、複数の上記収容手段のうち、少なくとも上記手差しトレイを除くものについては、その内部に収容されている記録体のサイズを表示するためのサイズ表示手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2、3、4、5、6、7又は8の記録体送出装置において、外部から送られてくる記録体を受け入れるための外部受入口を上記搬送路に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、像担持体上に可視像を形成する可視像形成工程と、該像担持体上の可視像を転写手段によって記録体に転写する転写工程と、該転写手段に記録体を提供する提供工程とを実施する画像形成方法において、上記提供工程として、少なくとも、請求項1の記録体送出方法における上記収容工程、供給工程及び送出工程からなるものを実施することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成方法において、記録体たるシート材と、これとは異なる上記収容手段に収容されている記録体たる袋材とを、該シート材、袋材の順序あるいはこの逆の順序で連続して上記転写手段に送り出すことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に転写する転写手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、該画像情報取得手段による取得結果に基づいて少なくとも該像担持体、可視像形成手段及び転写手段の駆動を制御する画像形成制御手段と、該転写手段に向けて記録体を送り出す記録体送出装置とを備える画像形成装置において、上記記録体送出装置として、請求項2、3、4、5、6、7、8又は9のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記転写手段として、上記像担持体上の可視像を、中間転写体を介して記録体に転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記転写手段として、その内部に1回だけ通した記録体の両面に可視像を転写する1パス両面転写手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記画像情報取得手段によって連続して取得される複数の画像情報のそれぞれについて、上記1パス両面転写手段に連続して送り出される記録体の何れに対応し、且つその記録体の何れの面(第1面又は第2面)に対応するものなのかを特定するための特定処理手段を設け、該特定処理手段による処理結果に基づく駆動制御を実施させるように、上記画像形成制御手段及び送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、上記特定処理手段として、操作者からの指定情報に基づく特定処理を実施するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項15又は16の画像形成装置において、上記1パス両面転写手段として、上記像担持体上の可視像を第1中間転写体、第2中間転写体、記録体の第1面に1次転写、2次転写、3次転写していく一方で、上記像担持体上の別の可視像を該第1中間転写体、該記録体の第2面に1次転写、2次転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の画像形成装置において、上記画像情報取得手段によって連続して取得される少なくとも2以上の画像情報からなる情報群について、各画像情報に対応する記録体の搬送方向における長さの和が上記第2中間転写体の周長以下である場合には、上記第1面に対応する画像情報に基づく可視像を全て形成してから、上記第2面に形成する画像情報に基づく可視像を形成する制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記像担持体を複数設けるとともに、上記転写手段として、各像担持体上の可視像を上記中間転写体に重ね合わせて多重像とするものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17又は18の画像形成装置において、上記収容手段内に収容されている記録体の種類について、袋状のものであるか否の種類情報を取得する種類情報取得手段を設け、該種類情報取得手段による取得結果に基づいて、上記可視像を上下逆の姿勢で形成させる制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段とを備え、且つ、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に有する記録体送出装置に用いられるプログラムであって、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように上記供給手段を駆動制御する制御手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
【0009】
これらの発明においては、何れか1つの収容手段から送出手段に向けて記録体を供給している際に、記録体検知手段による検知結果に基づいて次の事項を確認することができる。即ち、他の収容手段から供給している記録体が挟込搬送手段(例えば搬送ローラ対)に挟み込まれたか否かである。挟み込まれていない場合、後者の記録体は、その上面に比較的弱い力で押圧される給紙ローラ等の表面移動だけに依存して搬送されるため、スリップしながら送出手段に向けて搬送されている可能性がある。一方、挟み込まれている場合、挟込搬送手段の駆動に追従してスリップを起こすことなく確実に搬送され始める。後者の記録体の供給動作ついて、このように搬送性能が確実になってから一時中止されたとき、前者の記録体についての供給動作はまだ完了しておらず、再開のタイミング次第で両記録体の間隔が自在に調整される。前者の記録体についての供給動作が完了する前に、後者の記録体の供給動作についてスリップを確実に解消した上で再開のタイミングを見計らうことで、両記録体の間隔を所望の長さに確実に調整できるのである。よって、記録体を従来よりも短い間隔で送出手段から送り出すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成図であり、プリンタをその正面方向から示している。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。感光体1Yは、直径10〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の中間転写ベルト8上に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電装置3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスユニット6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、中間転写ベルト8上に1次転写される。なお、現像装置は、トナーと磁性キャリアとを含有する2成分現像剤を用いるものでも、トナー粉体だけを用いるものでもよい。また、トナーは、粉砕法によって製造された粉砕トナーでも、重合法によって形成された球形トナーでもよく、粒径で6[μm]程度のものが良好である。
【0011】
先に示した図1において、上記プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中下方には露光装置7が配設されている。また、プリンタ本体の上部には画像データ処理装置E1が配設されている。画像データ処理装置E1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報信号に基づいて、露光走査制御信号を生成して露光装置7に送る。潜像形成手段たる露光装置7は、この露光走査制御信号に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射する。この照射を受けて露光された感光体1Y,M,C,K上には、Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。また、露光装置7の筐体には、その上方に配設された各感光体1Y,M,C,Kから落下してくるトナーによる内部部品の汚染を防止するために、図示しないシール部材を設けている。
【0012】
各プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、第1転写ユニット15と第2転写ユニット20とを有する転写手段が配設されている。第1転写ユニット15は、中間転写ベルト8やベルトクリーニング装置10などを有している。また、4つの1次転写ローラ9Y,M,C,K、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。中間転写体たる中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、1次転写ローラ以外の少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、図示しない電源の供給を受けて、トナーとは逆極性(例えばプラス)の1次転写バイアスを中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)に印加する。中間転写ベルト8は、この1次転写バイアスによるトナー像の静電転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、樹脂フィルムやゴムなどからなる50〜500[μm]の厚みのベルト基体に、低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014[Ωcm]になっている。また、表面抵抗率は、105〜1015[Ω/□]の範囲に調整されている。4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kの他に配設された3つのローラは、全て電気的に接地されている。
【0013】
上記中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく。各1次転写ニップでは、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像がニップ圧や1次転写バイアスの作用によって重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に多重像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0014】
上記第2転写ユニット20は、第1転写ユニット15の図中左側方にて、その2次転写ローラ21と、第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12との間に中間転写ベルト8を挟み込むように配設されている。この挟み込みにより、第1転写ユニット15の中間転写ベルト8と、第2転写ユニット20の2次転写ローラ21とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップでは、第1転写ユニット15のアース接続された2次転写バックアップローラ12と、図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ21との間に2次転写電界が形成される。そして、後述の送出部40から送られてくる転写紙Pに、中間転写ベルト8上の4色トナー像が2次転写される。
【0015】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙P上に2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。具体的には、中間転写ベルト8は、そのループ外面(おもて面)側に当接するように配設されたベルトクリーニング装置10と、そのループ内面側に配設されたクリーニングバックアップローラ13との間に挟まれる。そして、おもて面上の転写残トナーがベルトクリーニング装置10に機械的あるいは静電的に回収されてクリーニングされる。なお、バイアス方式の4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kに代えて、電極から放電させるチャージャ方式のものを用いてもよい。
【0016】
プリンタ本体の下部には、記録体送出装置の一部である送出部40が配設されている。この送出部40は、収容手段たる第1紙カセット41、第2紙カセット42、及び手差しトレイ43を備えている。また、2つのローラの当接によってレジストニップを形成するレジストローラ対44、レジストクリーニングユニット45、これら収容手段からレジストローラ対44に転写紙を供給するための供給手段も備えている。更に、この供給手段は、第1給紙ローラ46、第2給紙ローラ47、手差し給紙ローラ48、搬送ローラ対49、手差し用搬送ローラ対50、搬送路53、図示しない路内紙センサなどを有している。記録体送出装置は、かかる構成の送出部40や、後述の制御部などから構成されている。なお、手差しトレイ43とは、それを装置本体から取り外さずに、その内部の記録体の補充や交換を行うことができる収容手段を意味する。
【0017】
上記第1紙カセット41と第2紙カセット42とは、露光装置7の図中下方で鉛直方向に重なるように配設されており、それぞれ記録体たる転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している。一方、手差しトレイ43は、図中矢印で示すように、プリンタ本体の筐体に対して開閉可能に構成され、開かれた状態で紙束を収容する。
【0018】
上記第1給紙ローラ46、第2給紙ローラ47は、それぞれ上記第1紙カセット41、第2紙カセット42内に収容されている紙束の一番の転写紙Pに当接している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、その一番上の転写紙Pを取り出しながら搬送路53に通す。この取り出しと前後して、レジストローラ対44の両ローラがレジストニップで互いの表面をそれぞれ順方向に移動させるように回転駆動せしめられる。送出手段たるレジストローラ対44の上方には、フォトセンサ等からなる図示しない紙検知センサが配設されている。紙カセットから取り出され始めた転写紙Pの先端側は、やがて搬送路53の先にあるレジストローラ対44のレジストニップを通過して上述の紙検知センサに検知される。すると、この検知信号に基づいてレジストローラ対44の駆動が停止して、転写紙Pの送り出しタイミングが計られる。
【0019】
上記手差し給紙ローラ48は、上記手差しトレイ27上に収容(載置)されている紙束の一番上の転写紙Pに当接している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、その一番上の転写紙Pを取り出しながら搬送路53に通す。そして、紙カセットの転写紙Pと同様にして、レジストローラ対44にセットされる。
【0020】
レジストローラ対44の両ローラは、レジストニップで転写紙Pを強く押圧しながら回転することで、表面に紙粉や埃などが転移してきて汚れる。転移した汚れはレジストクリーニングユニット45によってクリーニングされる。このクリーニング方式としては、ローラにブレードを押し当てて汚れを掻き取る掻き取り方式や、ローラにバイアスローラを当接させて汚れを静電的に除去するバイアス方式を採用することができる。
【0021】
上記レジストローラ対44は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト8上に1次転写された4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。すると、2次転写ニップで中間転写ベルト8上の4色トナー像がニップ圧や上述の2次転写電界の影響を受けて転写紙Pに2次転写され、紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
【0022】
転写手段の図中上方には、上述の画像データ処理装置E1の他、CPUやRAM等から構成される制御部E2、ボトル収容器60、定着装置61、排紙ローラ対64などが配設されている。ボトル収容器60内には、各プロセスユニット(6Y,M,C,K)内の現像器に補給するためのトナーを内包するトナーボトルBY,BM,BC,BKが収められている。
【0023】
上記定着装置61は、転写手段の2次転写ニップの上方に配設されており、互いの当接部でそれぞれ順方向に表面移動するように回転しながら定着ニップを形成する定着ローラ対62を有している。両定着ローラ内には、何れも図示しないハロゲンランプ等の発熱手段が配設されている。2次転写ニップを通過した転写紙Pは、定着装置61内の定着ニップに挟み込まれ、定着ローラ対62によって加圧されながら加熱される。この加熱により、転写紙P上のフルカラー画像が、これを構成するトナーの軟化によって紙面に定着せしめられる。定着後の転写紙Pは、反転ガイド部材63に沿って反転せしめられた後、排紙ローラ対64を経て機外へと排出される。そして、プリンタ本体の筺体の上面に形成されたスタック部65にスタックされる。
【0024】
上記定着ローラ対62は、それぞれ図示しない温度検知手段によって表面温度が検知される。この温度検知手段は、プリンタ本体の筺体内の最上部に配設された制御部E2に送信する。制御部E2は、温度検知手段から送られてくる表面温度の検知結果に基づいて、定着ローラ対62の上記発熱手段に対する電源供給をON/OFF制御して、定着ローラ対62の表面温度を一定範囲(目標範囲)に維持する。
【0025】
以上のようにして、本プリンタ100は転写紙Pにフルカラー画像を形成することができる。本プリンタ100のように、感光体等の像担持体を複数並べて配設し、それぞれで形成した可視像を連続的に重ね合わせ転写して多色画像等の重ね合わせ画像を形成する方式をタンデム方式という。これに対し、1つの像担持体に可視像を形成して中間転写体に転写した後、再び像担持体に可視像を形成して中間転写体上の可視像に重ね合わせ転写する工程を繰り返して重ね合わせ画像を形成する方式もある。この方式では、可視像の形成、転写という工程を繰り返し行わなくてはならない。一方、タンデム方式では、重ね合わせ転写すべき複数の可視像をそれぞれに対応する像担持体上でほぼ同時に形成することができるので、画像形成時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
一般に、紙に向けて押圧された部材は、どうしても紙から紙粉が付着せしめられる。感光体等の像担持体に紙粉が付着すると、潜像形成性能や現像性能に影響を与えて画質を劣化させ易くなる。しかしながら、本プリンタ100では、感光体1Y,M,C,K(以下、各感光体という)上のトナー像を、それぞれ中間転写体たる中間転写ベルト8を介して転写するため、各感光体と転写紙Pとの直接接触が回避される。中間転写ベルト8には転写紙Pを直接接触させているが、これに付着した紙粉については各感光体に到達させる前にベルトクリーニング装置10によってクリーニングすることができる。よって、記録体として転写紙P等の紙を用いても、各感光体に紙粉を付着させることによる画質劣化をほぼ解消することができる。
【0027】
また、転写紙P等の記録体を紙搬送ベルトなどによってベルト搬送する場合、搬送中の記録体をベルト上でスリップさせることがある。本プリンタのようにタンデム方式の転写を行う場合に、各感光体からベルト搬送中の転写紙Pにトナー像を直接転写する方式を採用すると、僅かなスリップによって転写紙P上における各トナー像の相対位置を微妙にずらしてしまう。そして、これにより、色ズレを起こしてフルカラー画像の色調を乱してしまう。しかし、本プリンタ100では、スリップのない中間転写ベルト8に対して各感光体上のトナー像を重ね合わせるので、色ズレを有効に抑えることができる。
【0028】
なお、複数枚の転写紙Pに対して連続して画像を形成する場合には、送出部40から上記2次転写ニップに向けて転写紙Pを連続して送り出すことになる。このとき、先行する転写紙Pの後端と、後続の転写紙Pの先端との間隔(以下、紙間という)が、レジストローラ対44の駆動制御によって正確に調整される。具体的には、先行する転写紙Pの後端が上記レジストニップを抜けて上記紙検知センサに検知されなくなると、制御部E2はレジストローラ対44からの転写紙Pの送り出しについて終了したと判断して計時処理を開始する。この後、レジストニップには後続の転写紙Pの先端が進入してきて紙検知センサによって検知される。この時点までの計時値Ctは紙間に相当し、「Ct=基準時間」である場合には、実際の紙間が設計紙間となる。また、「Ct<基準時間」である場合には、実際の紙間が設計紙間よりも狭まっている。そこで、この場合、制御部E2は「Ct=基準時間」になるまでレジストローラ対44の回転駆動を停止させて、実際の紙間を設計紙間に調整する。また、「Ct>基準時間」である場合には、何らかの理由により、紙カセットや手差しトレイからの転写紙Pの取り出しが正常に行われなかったことになる。そして、この場合、制御部E2は、画像形成プロセスを停止させた後、正常に取り出されていない旨のエラーメッセージを報知する。
【0029】
次に、本プリンタ100の特徴的な構成について説明する。
図3は、従来の紙間設定を説明するための模式図である。手差しトレイや2つの紙カセット(43,41,42)の何れか1つから転写紙を連続して取り出す場合、先行する転写紙の取り出しを終えて給紙ローラの駆動を停止した後、すぐに駆動を再開して後続の転写紙を取り出すことになる。このとき、後続の転写紙が速やかに取り出された場合、紙間が図3に示す最短間隔L1になるとする。ところが、後続の転写紙P2が給紙ローラ表面とスリップを起こしてその取り出しが遅れると、紙間が最短間隔L1よりも長くなる。上述の設計紙間を理論間隔L1に設定してしまうと、後続の転写紙P2が僅かにスリップしただけで、「Ct>基準時間」となるため、取り出しエラーが実用にそぐわなくなるほど頻発してしまう。そこで、従来は、図3に示すように、後続の転写紙P2のスリップを距離L2だけ許容できるように、設計紙間L3を最短間隔L1よりもかなり長めに設定していた。
【0030】
図4(a)から(e)は、本プリンタの送出部40によって実施される送出動作と供給動作とを説明するための模式図である。これらの図において、回転駆動中のローラについては、便宜上、黒く塗りつぶして示してある。搬送路53内において、第2紙カセット42よりも下流側には搬送ローラ対49が配設されている。また、手差しトレイよりも下流側には手差し用搬送ローラ対50が配設されている。送出部40は、搬送ローラ対49よりも少し下流側の路内の転写紙を検知する路内紙第1検知センサ51や、手差し用搬送ローラ対50よりも少し下流側の路内の転写紙を検知する路内紙第2検知センサ52を有している。また、レジストローラ対44のレジストニップを通過した直後の転写紙を検知する紙検知センサ54も有している。
【0031】
第1紙カセット41、第2紙カセット42には、それぞれ同サイズの転写紙P1、P2が収容されている。送出部40は、まず、図4(a)に示すように、レジストローラ対44を回転駆動させた状態で、第1給紙ローラ46を回転駆動させて、第1紙カセット41からレジストローラ対44への給紙動作を開始する。そして、図4(b)に示すように、これから少し遅れて、第2給紙ローラ47及び搬送ローラ対49の回転駆動も開始して、第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作も並行して始める。先に供給が開始された第1紙カセット41からの転写紙P1は、図4(c)に示すように、やがてその先端がレジストニップを通過して紙検知センサ54に検知される。すると、レジストローラ対44及び第1給紙ローラ46が回転駆動を停止する。画像形成装置全体の制御を司る画像形成制御手段であるとともに、送出部40を制御する送出制御手段でもある上記制御部(E2)は、この停止の瞬間から第1の計時処理をスタートし、レジストローラ対44に挟み込まれている転写紙P1の送出タイミングを見計らう。
【0032】
第1紙カセット41からレジストローラ対44への給紙動作は、一時的に停止しているだけで、完了しているわけではない。図示のように第1紙カセット41内には、まだ取り出されていない紙後端側が残っており、更なる給紙動作が必要になるからである。
【0033】
第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作は引き続き行われるが、このとき転写紙P2はスリップしながら搬送される可能性がある。但し、給紙動作の進行に伴ってその先端が搬送ローラ対49を通過した時点で、スリップが解消される。そして、この直後に路内紙第1検知センサ51に検知される。上記制御部(E2)は、この検知の瞬間から第2の計時処理をスタートする。
【0034】
その後、先にスタートしておいた第1の計時処理に基づいて、然るべきタイミングが到来したと判断した上記制御部(E2)は、レジストローラ対44の回転駆動を再開して先行する転写紙P1の送り出しを開始させる。このとき、同時に第1給紙ローラ46の駆動開始により、第1紙カセット41内に残されている紙後端側の給紙動作も再開させる。また、第3の計時処理をスタートする。
【0035】
一方、第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作については、次のタイミングで一時停止させる。即ち、図4(d)に示すように、第1紙カセット41から延びる搬送分路と、第2カセット42から延びる搬送分路との合流点近傍に第2カセット42からの転写紙P2の先端が到達したタイミングである。すると、先行する転写紙P1についての給紙動作が完了する前に、後続の転写紙P2のスリップを解消した上でその給紙動作を一時停止して、後続の転写紙P2先端を、先行する転写紙P1後端よりも搬送下流側に位置させることができる。なお、この一時停止のタイミングは、上述の第2の計時処理に基づいて演算される。
【0036】
第2紙カセット42からの給紙動作が一時停止してしばらくすると、図4(e)に示すように、第1紙カセット41内に残っていた転写紙P1の後端が完全に取り出される。上記制御部(E2)は、このタイミングを上述の第3の計時処理に基づいて判断し、第1給紙ローラ46の回転駆動を停止させて第1紙カセット41からの給紙動作を完了させる。また、その後、レジストローラ対44の送り出しに伴って進む転写紙P1の後端を、待機している後続の転写紙P2の先端よりも下流側まで進めるタイミングを、上述の第3の計時処理に基づいて判断する。そして、このタイミングの到来と同時に第2給紙ローラ47及び搬送ローラ対49の回転駆動を開始して、第2紙カセット42からの給紙動作を再開する。すると、図示のように、後続の転写紙P2がスリップすることなく速やかに搬送され始め、先行する転写紙P1の後端と微小の間隔を保持しながらレジストローラ対44に向けて供給され始める。このようにして、本プリンタは、従来よりも短い間隔で転写紙を送出部40から送り出すことができる。
【0037】
なお、第1紙カセット41からの給紙動作を、第2紙カセット42からの給紙動作に先行して開始する例について説明したが、開始タイミングを逆転、あるいは同時にしてもよい。
【0038】
本プリンタにおいては、第1紙カセット41をレジストローラ対44に接近させて配設している。このことに起因して、ローラ対等の挟込搬送手段を設けるスペースを第1紙カセット専用経路内に確保することができていない。この第1紙カセット専用経路とは、第1紙カセット41からレジストローラ対44に至るまでの経路のうち、他の紙カセットやトレイから延びてくる経路と合流する前の部分である。かかる構成では、第1紙カセット41内の転写紙P1と、これに先行する他の転写紙との間隔についてはスリップ分の余裕を考慮する必要がある。例えば、第1紙カセット41内の転写紙P1と、第2紙カセット内の転写紙P2とを交互に送出する場合には、図5に示すように、前者と後者との間隔L4については従来よりも短くすることができるが、後者と前者との間隔L5については従来と同様にする必要がある。但し、上述の経路内にも挟込搬送手段を設けるとともに、これに対応する路内紙検知センサを設ければ、前者〜後者、後者〜前者のいずれについても、図6に示すように従来よりも短い間隔L5にすることが可能である。
【0039】
ここで、第1紙カセット41、第2紙カセット42に、それぞれ互いにサイズの異なる転写紙をセットしたとする。すると、先行して供給され始めた転写紙の後端を、給紙動作の一時停止によって待機している後続の転写紙の先端よりも下流側に進めるタイミング(例えば図4(e)に示したタイミング)が異なってくる。例えば、第1紙カセット41内の転写紙を第2紙カセット42内の転写紙よりも小さくした場合、そのタイミングは同じサイズの場合よりも早くなるため、両転写紙の間隔を長くしてしまう。そこで、本プリンタにおいては、両カセットや手差しトレイ43に、それぞれ内部の転写紙のサイズを検知する公知のサイズ検知手段を設けている。たとえば、転写紙をカセット内に固定するための固定板の位置などに基づいてサイズを検知するものである。そうすると、その検知結果に基づいて、上記制御部(E2)にそのタイミングを自動で判断させることが可能になるため、サイズデータの入力操作を行わなくても、互いにサイズの異なる転写紙に対する連続出力を実現することができる。かかる連続出力は、例えば、住所や宛先を印字するための封筒と、その中に入れるための紙面との組合せを、宛先毎に出力する場合などに有効である。なお、紙サイズを検知させるのではなく、紙サイズのデータを入力操作によって上記制御部(E2)に取得させてもよい。但し、この場合、サイズデータの入力操作という手間を強いられることになる。
【0040】
先に図4に示したように、本プリンタでは、第2紙カセット42用、手差しトレイ43用として、搬送ローラ対と路内紙検知センサとの組合せを複数設けている(49、51、50、52)。このことにより、図7に示すように、第2紙カセット42から取り出した転写紙P2と、手差しトレイ43から取り出した転写紙P3とを搬送路内に同時に待機させることができる。組合せを複数設けることで、複数の転写紙を搬送路内に同時に待機させることができるのである。かかる構成では、「互いにサイズの異なる3種類の紙」、「同サイズ、異サイズ、同サイズ」、「同サイズ、同サイズ、異サイズ」などといった具合に、3組以上の転写紙から構成されるサイズパターンの連続出力を行う場合でも、それぞれの間隔を短くすることができる。
【0041】
また、本プリンタでは、収容手段の1つとして、転写紙P3を外気に露出させた状態で収容する手差しトレイ43を用いている。このような手差しトレイ43は、プリンタ本体に対する収容手段の着脱操作を行わなくても、転写紙P3の交換やセットが可能であることから、厚紙や定形外紙などといった使用頻度の比較的低い転写紙P3を一時的に使用する場合に適している。よって、収容手段の着脱といった手間のかかる作業を行わずに使用頻度の比較的低い転写紙P3を容易にセットして、それに対する連続出力を従来よりも短い間隔で行うことができる。
【0042】
図8は、プリンタ本体に設けられた操作表示部の一例を示す模式図である。この操作表示部66は、液晶ディスプレイ等からなる表示部66aと、複数の操作ボタンからなる操作部66bとを有している。そして、上記のサイズ検知手段による検知結果と、操作者によるボタン操作とに基づいて第1紙カセット41、第2紙カセット42内の転写紙のサイズをそれぞれ表示部66aに表示するようになっている。サイズ表示手段としての役割を果たしているのである。本プリンタのように複数の収容手段で給紙動作を切り替えるものにおいては、連続出力の紙サイズパターンに応じて、それぞれの収容手段に収容する転写紙のサイズを適宜変更する必要がある。例えば、同じサイズの転写紙に対して連続出力を行う場合、少なくとも2つの収容手段については互いに同じサイズの転写紙を入れておく必要があるため、必要に応じて転写紙の入れ替え作業を行わなければならない。このとき、サイズ表示手段がないと、転写紙を視認することができない2つの紙カセット(41,42)については、プリンタ本体から引き出してサイズを確認するといった手間を強いられることになる。一方、本プリンタのようにサイズ表示手段を設けていれば、かかる手間を強いられることなく、2つの紙カセット内における転写紙のサイズを容易に確認して、入れ替え作業を効率良く行うことができる。なお、サイズ表示手段として、転写紙をセットした際に、そのカセットに設けられた回転表示盤を手動で回転させて表示窓に表示されるサイズを変更するものなど、表示サイズを手動で変更するものを用いてもよい。但し、この場合、表示サイズを手動で変更するという手間を強いられることに加えて、誤操作によって実際とは異なったサイズを表示させるおそれがある。また、手差しトレイ43については、セットされている転写紙を容易に視認することが可能であるので、サイズ表示手段を省略してもよい。
【0043】
先に図1に示したように、本プリンタにおいては、搬送路53の最上流側に、プリンタ外部から送られてくる転写紙を受け入れるための外部受入口53aを設けている。かかる構成では、外部受入口53aに向けて給紙を行う給紙バンク等の収容手段を増設した場合に、その収容手段内の転写紙についても従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。この場合、図示していないが、搬送路53内の外部受入項53aの近傍、あるいはプリンタ本体の下方に増設する給紙バンクに、搬送ローラ対等の挟込搬送手段を設けておけばよい。
【0044】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例について説明する。
図9は、本実施例に係るプリンタを示す概略構成図である。図において、本プリンタの第2転写ユニット20は、第2中間転写ベルト22、第2クリーニング装置23、転写チャージャ24などを有している。また、2次転写ローラ25、ニップ拡張ローラ26、テンションローラ27、3次転写バックアップローラ28、第2クリーニングバックアップローラ29なども有している。第2中間転写ベルト22は、これら5つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめられる。第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12は、2次転写ローラ25とニップ拡張ローラ26との間の第2中間転写ベルト22展張部分に食い込んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ25は、金属製ローラか、あるいは芯金に導電性のゴム層が被覆されたローラからなり、図示しない電源によってトナーと反対極性(例えばプラス極性)の2次転写バイアスが供給される。第2転写ユニット20におけるこれ以外のローラは全て接地されている。
【0045】
送出部40のレジストローラ対44は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、第1転写ユニット15の中間転写ベルト8上の4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。但し、この4色トナー像が、転写紙Pの第1面(スタック部65上で上を向く面)に転写されるべき第1トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よって、このとき、中間転写ベルト8上の第1トナー像は、2次転写ニップでニップ圧や2次転写バイアスの影響を受けて第2中間転写ベルト22上に2次転写される。これに対し、中間転写ベルト8上の4色トナー像が転写紙Pの第2面(スタック部65上で下を向く面)に転写されるべき第2トナー像である場合には、レジストローラ対44がこの第2トナー像に同期させて転写紙Pを送り出す。よって、第2トナー像は、2次転写ニップで転写紙Pの第2面に2次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このとき、2次転写ニップで転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト22との間に挟まれている第1トナー像は、2次転写バイアスの作用によってベルト側に引き寄せられる。このため、転写紙Pの第1面に密着しているが、そこに2次転写されるわけではない。第2中間転写ベルト22は、このような静電的な2次転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、ポリイミドやポリアミドイミドなどからなる厚み50〜500[μm]のベルト基体に、フッ素などの低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014になっている。また、表面抵抗率が105〜1015[Ω/□]に調整されている。
【0046】
第1転写ユニット15において、2次転写バックアップローラ12は、中間転写ベルト8を、その移動方向をほぼ反転させるような形状で張架している。そして、移動方向を反転させつつある中間転写ベルト部分を第2中間転写ベルト22に当接させて2次転写ニップを形成せしめている。このような2次転写ニップの出口では、転写紙Pが中間転写ベルト8から分離されて、第2中間転写ベルト22の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、第2中間転写ベルト22の無端移動に伴って3次転写部に送られる。この3次転写部では、第2中間転写ベルト22の3次転写バックアップローラ28による張架部分に対し、転写チャージャ24が所定の間隙を介して配設されている。第2中間転写ベルト22上の転写紙Pは、転写チャージャ24によって第2面側にトナーと反対極性(例えばプラス極性)の電荷が付与される。この電荷の付与により、転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト22との間に挟まれていた第1トナー像が転写紙Pの第1面に3次転写されてフルカラー画像になる。
【0047】
このようにして両面にトナー像が転写された転写紙Pは、3次転写バックアップローラ28の曲率に沿って移動方向を急激に変化させる第2中間転写ベルト22から分離されて定着装置61に送られる。上記3次転写部を通過した後の第2中間転写ベルト22は、第2クリーニングバックアップローラ29と第2クリーニング装置23との間に挟み込まれて、表面の転写残トナーが機械的又は静電的にクリーニングされる。この第2クリーニング装置23が第2中間転写ベルト22に常に当接していると、第2中間転写ベルト22上に2次転写された第1トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置23は、図示しない揺動機構によって揺動軸23aを中心に図中矢印方向に揺動せしめられることで、第2中間転写ベルト22に接離するようになっている。そして、少なくともそのクリーニング位置を第1トナー像が通過する間は、第2中間転写ベルト22から離間して、第1トナー像のクリーニングを回避する。
【0048】
かかる構成の本プリンタにおいて、第1転写ユニット15と第2転写ユニット20とからなる転写手段は、その内部に1回だけ通した転写紙Pの両面にトナー像を転写する1パス両面転写手段として機能する。このような1パス方式の両面転写ではなく、スイッチバック方式による両面転写も従来から知られている。スイッチバック方式とは、転写紙を転写手段と定着手段とに通してその一方の面だけに可視像を形成した後、転写紙を反転させた後に転写手段及び定着手段にスイッチバックさせて、もう一方の面にもトナー像を形成する方式である。かかる方式では、定着手段に一旦通した転写紙を反転させて転写手段に戻すための複雑なスイッチバック機構が必要になってコスト高になるという不具合がある。転写紙のスイッチバックによって両面転写の高速化が困難になったり、1回目の定着の際に熱によって転写紙にカールを発生させ、これによってスイッチバック時のジャムを発生させ易くなったりといった不具合もある。これに対し、1パス方式では、スイッチバック機構が必要ないので、その付設によるコストアップやスイッチバック時のジャムを解消することができる。また、スイッチバックによって両面転写の高速化を妨げるといった事態も解消することができる。
【0049】
1パス両面転写方式で、転写紙Pの片面にだけ画像を形成する片面プリントモードを実行する場合には、両面プリントモードの場合に比べて少ない熱量で画像を定着させることができる。片面にしか画像が形成されていないため、両面のときよりも転写紙P上のトナー量が少なくなるからである。よって、片面プリントモードのときに、両面プリントモードのときよりも定着ローラ対62の表面温度の目標範囲を低くすれば、省エネルギー化を図ることが可能になる。また、単色画像はフルカラー画像よりもトナー量が少なくなるので、単色プリントモードとフルカラープリントモードとの違いに応じて上記表面温度の目標範囲を切り替えることによっても、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【0050】
上記第1トナー像は、先に説明したように、上記第2トナー像に先行して形成される。そして、2次転写ニップで中間転写ベルト8から第2中間転写ベルト22に2次転写された後、上記3次転写部で転写紙Pの第1面に3次転写される。この第1面とは、上記スタック部65で上方を向く面である。よって、スタック部65にスタックされる転写紙Pは、先行して形成された第1トナー像を上に向け、且つその後に形成された第2トナー像を上に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタ100は、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を第1トナー像として形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部65において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順に形成していき、それぞれ転写紙Pの第2面に2次転写せしめる。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部65で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0051】
4つの感光体1Y,M,C,Kにおいて、上記第2トナー像用に形成される各色トナー像は非鏡像(以下、正像という)として形成される。これは、形成された各色トナー像が、1次転写、2次転写という2回の転写工程を経て転写紙Pに至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各感光体上で正像として形成されることで、転写紙Pの第2面においても正像になるのである。これに対し、第1トナー像用に形成される各色トナー像は、3次転写まで行われるため、第2トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体上で鏡像として形成される。このことにより、転写毎に正像、鏡像、正像と変化して、転写紙Pの第1面において正像となることができる。
【0052】
本プリンタ100は、図10に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)200などから送られてくる画像情報信号に基づいて画像を形成する。図10では、パソコン200とプリンタ100とを通信ケーブルによって接続した画像形成システムの例を示したが、無線方式による接続を採用してもよい。プリンタ本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示部66が固定されている。ユーザーは、この操作表示部66のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や用紙条件等の各種パラメータを入力することができる。上述の片面プリントモードと、両面プリントモードとの切替については、この操作表示部66に用意されているモード切替ボタンを操作することによって行うことができる。また、パーソナルコンピュータ200から設定信号を送信させることによっても行うことができる。
【0053】
プリンタ本体の前面には、前扉67が開閉自在に設けられている。前扉67が開かれると、図示しない上記第1転写ユニット(15)を支持する支持体68が大きく露出する。この支持体68は、図示しないガイドレール上をプリンタ本体の前後方向にスライド移動可能に構成され、プリンタ本体内から前面側に向けて引き出されることで、上記第1転写ユニット(15)を露出させる。そして、この露出により、上記第1転写ユニットの保守点検作業を容易にしている。また、前扉67が開かれると、支持体68の上方に配設されたボトル収容器60内のトナーボトルBY、BM、BC、BKの端面が露出する。それぞれ端面を露出させたトナーボトルBY、BM、BC、BKは、ボトル収容器60に対してプリンタ前後方向に着脱可能される。前扉67を開けば、プリンタ本体に対するトナーボトルBY、BM、BC、BKの前後方向への着脱が可能になる構成である。スタック部65が形成されているプリンタ本体上面を開閉自在な上扉とし、これを開いてトナーボトルBY、BM、BC、BKを上下方向に着脱するといった構成ではない。このため、図11に示すようにオプションのスキャナ装置300をプリンタ100の上方に配設してコピー機を構成する場合でも、トナーボトルBY、BM、BC、BKを着脱することができる。第1紙カセット41、第2紙カセット42は、前扉67の下方に配設され、前後方向のスライド移動によってプリンタ本体から着脱されるように構成されている。前扉67を開いても、第1紙カセット41、第2紙カセット42の着脱や、操作表示部66への入力の操作性を損ねることはない。なお、同図では、プリンタ100の下に給紙バンク400を配設し、これから上述の外部受入口(53a)に向けて給紙させるようにした例を示している。
【0054】
図12は、本プリンタの側端部を示す部分構成図である、同図において、第2転写ユニット20は、回動軸20aを中心にして回動するようになっている。そして、図中時計回りに回転せしめられた位置で、プリンタ本体から引き抜かれる。すると、送出部40の搬送路53や、その上の転写通路が大きく縦断されるため、通路内のジャム紙の処理や第2転写ユニット20の保守が容易に行われるようになる。また、第2転写ユニット20内の第2クリーニング装置23の保守も容易に行われるようになる。
【0055】
本プリンタにおいて、画像データ処理装置E1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報を取得する画像情報取得手段として機能している。1パス両面転写方式に限らず、何らかの方式で両面転写を連続して行う場合には、画像データ処理装置E1に連続して取得させる複数の画像情報のそれぞれについて、次のような特定処理を実施させる必要がある。即ち、レジストニップから両面転写手段に向けて連続して送り出される記録体の何番目に対応し、且つその記録体の何れの面(第1面又は第2面)に対応するのかを特定させる処理である。本プリンタでは、画像データ処理装置E1にこの特定処理を実施させるようにしている。画像データ処理装置E1を特定処理手段として機能させているのである。
【0056】
上述の特定処理については、取得していく順番に基づいて、1番目の記録体の第2面、1番目の記録体の第1面、2番目の記録体の第2面、2番目の記録体の第1面・・・と特定していく取得順依存方式の処理が最もシンプルである。しかしながら、かかる取得順依存方式の特定処理では、いわゆる面飛ばし連続出力を行わせることができない。具体的には、例えば、図13は面飛ばし連続出力の一例を説明するための模式図である。調剤薬局で用いられる袋材たる薬袋Fと、シート材たる転写紙Pとの組合せに対して面飛ばし連続出力が行われる例を示している。両者は出力前にはそれぞれ白紙の状態である。図示の面飛ばし連続出力では、まず始めに、薬袋Fの第1面に対する出力が飛ばされ、薬袋Fの第2面に患者名や処方に合わせた患者固有のカスタマイズ画像が出力される。このカスタマイズ画像は、「内服薬」「○○薬局」「〒××」「東京都△△」「電話・・・」という定形文章や罫線などからなる定形テンプレートと、患者名、薬形状、用法などを示すカスタマイズ文章などから構成されている。薬袋Fの第2面への画像出力が終わると、次に、転写紙Pの第1面、第2面にそれぞれ、薬の写真画像と、その薬に対応する説明文章とからなるカスタマイズ画像が出力される。調剤された図示しない複数種類の薬は、出力が終わった薬袋Fや転写紙Pの画像と照らし合わされながら、薬袋F内に投入される。また、転写紙Pは、患者に対する用法等の口頭説明が行われる際に患者に掲示された後、折り畳まれて薬袋F内に投入され、患者に引き渡される。
【0057】
上述の取得順依存方式の特定処理を用いて、図13に示した面飛ばし連続出力を実施させようとすると、転写紙Pの第2面に出力すべきカスタマイズ画像が薬袋Fの第1面に出力すべきものと誤認されてしまう。また、薬袋Fの第2面に出力すべきカスタマイズ画像が、薬袋Fの第1面に出力すべきものと誤認されてしまう。更には、転写紙Pの第1面に出力すべきカスタマイズ画像が、転写紙Pの第2面に出力すべきものと誤認されてしまう。
【0058】
そこで、本プリンタにおいては、ユーザーから提供される指定情報に基づいて特定処理を行わせるように、画像データ処理装置E1を構成している。具体的には、例えば、連続出力用の複数の画像情報をパソコン等から本プリンタに送るのに先立ち、プリンタドライバソフト等の操作によってパソコン等を介して指定情報を送るのである。この指定情報は、例えば、各画像情報を送信順に「先行する記録体の第2面、後続の記録体の第2面、後続の記録体の第1面」と指定した情報である。この指定した情報に基づけば、図13に示したような面飛ばし連続出力を実施することができる。なお、薬袋Fの第1面(袋の裏面)に画像を形成してもよいことは、言うまでもない。
【0059】
1パス両面転写方式では、次に説明する理由により、図13に示した薬袋Fなどといった袋状部材の両面に画像を形成するのに適している。即ち、開口側を前にした正向き姿勢で袋状部材を搬送すると、搬送に伴って開口からその内部に空気を進入させ易い。そして、空気の進入によって若干膨らんだ袋状部材を転写ニップや定着ニップで押圧することで、皺を発生させ易くなる。よって、袋状部材については、その底側を前にした逆向き姿勢で搬送することが望ましい。ところが、スイッチバック方式によって袋状部材の両面に画像を形成する場合、袋状部材を逆向き姿勢で搬送しても、スイッチバックの際には一時的に正向き姿勢に切り替えて搬送することになる。そして、このときに空気を進入させて皺を引き起こし易くなる。一方、1パス両面転写方式では、先に図1や図9に示したように、給紙開始から排紙まで袋状部材等の記録体を同じ向きで搬送することができるため、正向き姿勢で搬送することによる袋状部材の皺を解消することができる。
【0060】
しかしながら、逆向き姿勢で搬送している袋状部材に対しては、画像を上下逆に形成することになる。そうすると、例えば図14に示すように、開口を上にした薬袋Fでは、文字が上下逆さまになってしまうため、実使用に適さなくなってしまう。そこで、本プリンタにおいては、各紙カセット(41,42)や、手差しトレイ43に収容されている記録体の種類について、袋状のものであるか否かの種類情報を取得する種類情報取得手段を設けている。具体的は、例えば上記操作表示部(66)に対する入力操作や、パーソナルコンピュータなどから送られてくる信号に基づいて、各紙カセットや手差しトレイ43内の記録体の種類情報を取得させるように、この種類情報取得手段を構成している。そして、これによる取得結果が袋状である旨の情報であった記録体については、それに対する静電潜像を上下逆に形成する制御を実施させるように、上記制御部(E2)や画像データ処理装置(E1)を構成している。
【0061】
図15は、かかる制御によって連続出力が行われた薬袋Fと転写紙Pとを示す模式図である。逆向きの姿勢で搬送された薬袋Fの第2面に対し、上下逆の画像が形成されることで、薬袋Fに対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態が回避されていることがわかる。よって、本プリンタでは、正向き姿勢で搬送することによる袋状部材の皺を解消しつつ、その袋状部材に対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態を回避することができる。
【0062】
ところで、1パス両面転写方式としては、本プリンタのように第1面用の第1トナー像の転写工程を1回余分に3次まで実施する方法の他、第1、第2トナー像ともに2次転写で留める方法もある。具体的には、例えば図16に示すように、転写紙Pの第2面,第1面用として、それぞれ専用のプロセスユニット群A,Bと、中間転写ベルト8a,8bとを用いるのである。それぞれの中間転写ベルト8a,8bに形成された4色トナー像は、両ベルトの当接によって形成された2次転写ニップに挟まれた図示しない転写紙の第2面、第1面に転写される。ところが、この方式では、図示のように転写紙の各面についてそれぞれ専用のプロセスユニット群を設ける必要があるため、コストアップと装置の大型化とを引き起こしてしまう。また、2次転写ニップで2つのトナー像を互いに近づける方向に静電移動させる必要があるため、プロセスユニット群A,Bとして、互いに極性の異なるトナーを用いるものを設ける必要がある。そして、このことにより、トナーやプロセスユニット群の管理を非常に厄介にしてしまう。一方、本プリンタのように第1トナー像に対して3次転写まで実施するものにおいては、各面に対して1つのプロセスユニット群を共用できるので、これらの不具合を解消することができる。
【0063】
しかしながら、3次転写まで実施する方式では、次のような不具合がある。即ち、先行する転写紙を2次転写ニップに通した後、後続の転写紙を2次転写ニップに通すのに先立ち、2次転写ニップで中間転写ベルト8から第2中間転写ベルト22に第1トナー像を2次転写しなければならない。このため、複数のカセットやトレイからの給紙動作を並行しておこなっても、短い間隔で転写紙をレジストローラ対44から送り出すことができないのである。
【0064】
そこで、本プリンタにおいては、先に示した図9における第2中間転写ベルト22の周長を、紙カセット(41,42)や手差しトレイ43にセットし得る最大サイズの転写紙における縦寸の2倍以上にしている。例えば、カセット等(41,42,43)にセットし得る最大サイズの転写紙がA3版である場合、A3版縦寸の2倍以上の周長にしているのである。そうすると、第2中間転写ベルト22には、1周あたりに2枚分以上の第1トナー像を担持させることができる。
【0065】
一方、連続出力の際には、連続して送られてくる少なくとも2以上の画像情報からなる情報群について、次のような処理を実施させるように、画像データ処理装置E1を構成している。即ち、各画像情報に対応する転写紙の搬送方向における長さの和が第2中間転写ベルト22の周長以下である場合に、それら画像情報のうち、転写紙の第1面に対応するものに基づく画像形成を全て先行する処理である。例えば、第2中間転写ベルト22はA3版縦寸の2倍以上の周長になっているので、その一周あたりに、横長の姿勢で搬送されるA4版転写紙の4面分の画像を担持することができる。よって、画像データ処理装置E1は、横長の姿勢で搬送されるA4版転写紙に対する4枚以上の連続出力命令があった場合、まず、4枚両面分の8つの画像情報のうち、第1面用の4つに基づく画像処理を他に先行しておこなう。そして、4つの第1トナー像を連続して形成させ、これらを第2中間転写ベルト22に連続して2次転写させる。次に、第2面用の4つに基づく画像処理を連続して行い、4つの第2トナー像を中間転写ベルト15に連続して1次転写させる。そうすると、1枚目から4枚目の転写紙については、それぞれ第2トナー像の第2中間転写ベルト22への2次転写を待つことなく2次転写ニップに通すことができる。よって、従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。5枚目については、第2トナー像が第2中間転写ベルト22に2次転写されてから送り出す必要があるが、6枚目以降に対する両面転写命令もなされている場合には、5枚目〜8枚目について同様の処理を実施させればよい。そうすると、図17に示すように、4枚単位で従来よりも間隔を短くした送り出しを実現することができる。なお、図示のような4枚単位の給紙を実現させるには、例えば、1枚目をレジストローラ対44に最も近い第1紙カセット41から給紙させた後、2、3、4枚目を、第2紙カセット42と手差しトレイ43とに交互に給紙させればよい。2、3、4枚目を、第2紙カセット4、手差しトレイ43、第2紙カセット42、あるいは、手差しトレイ43、第2紙カセット42、手差しトレイ43という順で、給紙させるのである。また例えば、プリンタ本体の下方に給紙バンクを設け、第2紙カセット42や手差しトレイ43の他に、この給紙バンク内の紙カセットからも給紙させるようにしてもよい。
【0066】
これまで、像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト上の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などもものでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。
【0067】
以上、実施形態や実施例のプリンタにおいては、各カセット等に収容されている転写紙について、それぞれサイズ情報を取得するためのサイズ情報取得手段たるサイズ検知手段を設けている。そして、一時停止させていた給紙動作をこのサイズ検知手段によるサイズ取得結果に基づいて再開させるようにしている。かかる構成では、互いにサイズの異なる転写紙に対して連続出力を行いながら、それら転写紙を従来よりも短い間隔で転写手段に送り出することができる。
また、サイズ情報取得手段として、転写紙のサイズを検知するサイズ検知手段を用いているので、サイズのデータを入力するという手間を強いられることなく、互いにサイズの異なる転写紙を従来よりも短い間隔で転写手段に送り出することができる。
また、記録体検知手段たる路内紙検知センサと、挟込搬送手段たる搬送ローラ対との組合せを複数設けていることで、複数の転写紙を搬送路53内に同時に待機させることができる。このことにより、「同サイズ、異サイズ、同サイズ」、「同サイズ、同サイズ、異サイズ」などといった具合に、3組以上の転写紙から構成されるサイズパターンの連続出力を行う場合でも、それぞれの間隔を短くすることができる。
【0068】
また、実施形態に係るプリンタにおいて、各カセット等の数以上に、上記組合せを設ければ、全てのカセット等からの転写紙を搬送路53内で待機させることが可能になる。そして、このことにより、実施例のプリンタのように3次転写まで行う1パス両面転写方式を採用しない限り、全ての転写紙を従来よりも短い間隔で2次転写ニップに向けて送り出すことができる。
【0069】
また、実施形態や実施例に係るプリンタにおいては、複数のカセット等の1つとして、手差しトレイ43を用いている。かかる構成では、紙カセット(41,42)の着脱といった手間のかかる作業を行わずに使用頻度の比較的低い転写紙を容易にセットして、それに対する連続出力を従来よりも短い間隔で行うことができる。
また、少なくとも手差しトレイ43を除く紙カセット(41、42)については、サイズ表示手段を設けている。かかる構成では、紙カセットをプリンタ本体から引き出して内部のサイズを確認するといった手間を強いられることなく紙カセット内における転写紙のサイズを容易に確認することができる。このことにより、連続出力の態様に応じて紙の入れ替え作業が必要になった場合に、入れ替え作業を効率良く行うことができる。
また、外部から送られてくる転写紙を送出部40に受け入れるための外部受入口53aを搬送路53に設けている。かかる構成では、外部受入口53aに向けて給紙を行う給紙バンク等の収容手段を増設した場合に、その収容手段内の転写紙についても従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。
【0070】
また、シート材たる転写紙と、これとは異なるカセット等に収容されている袋材とを、この順序あるいは逆の順序で連続して転写手段に向けて送り出せば、袋材とこれに投入する転写紙とのセットに対して連続出力しながら、両者を短い間隔で送り出すことができる。
【0071】
また、実施形態や実施例に係るプリンタにおいては、送出部40から転写手段に短い間隔で転写紙を連続して送り出すことで、連続出力時における画像形成速度を高速化することができる。
また、転写手段として各感光体のトナー像を、中間転写体を介して転写紙に転写するものを用いているので、各感光体に紙粉を付着させることによる画質劣化をほぼ解消することができる。更には、スリップのない中間転写体8に対して各感光体上のトナー像を重ね合わせるので、色ズレを有効に抑えることができる。
【0072】
また、実施例に係るプリンタにおいては、両面転写が可能な転写手段として、スイッチバック機構が不要な1パス両面転写手段を用いているので、その付設によるコストアップやスイッチバック時のジャムを解消することができる。更には、スイッチバックによって両面転写の高速化を妨げるといった事態も解消することができる。
また、連続出力時に、連続して取得される複数の画像情報について、連続して送り出される転写紙の何れで且つその何れの面に対応するのかを特定する特定処理手段たる画像データ処理装置E1を設けている。そして、これによる特定処理結果に基づく駆動制御を実施させている。かかる構成では、上記特定処理を実施させながら、各転写紙を短い間隔で送出部40から送り出すことができる。
また、ユーザーからの指定情報に基づく特定処理を実施させるようにしているので、面飛ばし連続出力を確実に行わせることができる。
また、1パス両面転写手段として、第1トナー像を3次転写まですることで、転写紙の第1面用と第2面用とでプロセスユニット群を共用するものを用いている。かかる構成では、各面用としてプロセスユニット群をそれぞれ個別に設ける場合に生ずるコストアップ、装置の大型化、トナーやプロセスユニット群の管理の煩雑化を何れも解消することができる。
また、2以上の画像情報からなる情報群について、それらに対応する転写紙の搬送方向における長さの和が第2中間転写ベルト22の周長以下である場合には、第1面用の全ての画像情報に基づく画像処理を、第2画像用の画像処理よりも先行して行う。かかる構成では、第1トナー像を3次転写までして転写紙の第1面に転写せしめて装置の小型化や低コスト化を図っていても、数枚単位で間隔を短くした転写紙の送り出しを行うことができる。
また、複数の感応体のトナー像を中間転写ベルトに重ね合わせて1次転写することで、フルカラー画像等の多色画像を形成することができる。
また、種類情報取得手段による取得結果に基づいて、トナー像を上下逆の姿勢で形成するので、袋状部材の皺を解消しつつ、その袋状部材に対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態を回避することができる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1乃至21の発明によれば、従来よりも短い間隔で記録体を送出先たる転写手段に向けて送り出すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】従来の紙間設定を説明するための模式図。
【図4】(a)から(e)は、それぞれ同プリンタの送出部によって実施される送出動作と供給動作とを説明するための模式図。
【図5】同プリンタの紙間を説明するための模式図。
【図6】同プリンタの変形例装置における紙間を説明するための模式図。
【図7】複数の転写紙を搬送路内に同時に待機させている同送出部を示す要部構成図。
【図8】同プリンタの操作表示部の一例を示す模式図。
【図9】実施例に係るプリンタを示す概略構成図。
【図10】同プリンタとパソコン等とからなる画像形成システムを示す斜視図。
【図11】スキャナ装置を同プリンタの上方に配設した同画像形成システムを示す斜視図。
【図12】同プリンタの側端部を示す部分構成図。
【図13】同プリンタによって行われる連続出力の一例を説明するための模式図。
【図14】上下逆の画像が形成されてしまった薬袋を示す模式図。
【図15】同プリンタによって行われる連続出力の他の一例を説明するための模式図。
【図16】第1、第2トナー像ともに2次転写で留める1パス両面転写手段の一例を示す要部構成図。
【図17】同プリンタによって行われる連続出力の他の一例を説明するための模式図。
【符号の説明】
1Y,M,C,K 感光体(像担持体)
8 中間転写ベルト
15 第1転写ユニット(転写手段の一部)
20 第2転写ユニット(転写手段の一部)
22 第2中間転写ベルト(第2中間転写体)
40 送出部
41 第1紙カセット(収容手段)
42 第2紙カセット(収容手段)
43 手差しトレイ
44 レジストローラ対(送出手段)
46 第1給紙ローラ(供給手段の一部)
47 第2給紙ローラ(供給手段の一部)
48 手差し給紙ローラ(供給手段の一部)
49 搬送ローラ対(挟込搬送手段)
50 手差し用搬送ローラ対(挟込搬送手段)
51 第1検知センサ(記録体検知手段)
52 第2検知センサ(記録体検知手段)
53 搬送路(供給手段の一部)
53a 外部受入口
66 操作表示部(サイズ表示手段)
E1 画像データ処理装置(特定処理手段)
E2 制御部(送出制御手段、画像形成制御手段)
P 転写紙(シート材)
F 薬袋(袋材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写紙等の記録体を、画像形成装置内に配設される転写手段等の送出先に向けて送出する記録体送出方法、並びにこれを用いる記録体送出装置、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。また、かかる記録体送出装置の制御に用いられるプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の記録体送出装置としては、例えば特許文献1に記載の給紙装置が知られている。この給紙装置は、2つのローラ間に挟み込んだ転写紙を所定のタイミングで送り出して転写手段に供給する送出手段たるレジストローラ対や、転写紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容する収容手段たる給紙カセットを備えている。また、転写紙を給紙カセット内から用紙搬送路に通して上記レジストローラ対に供給する供給手段も備えている。供給手段は、給紙カセット内の紙束における一番上の転写紙に当接する給紙ローラ、上述の用紙搬送路、この路内で転写紙を挟み込みながら搬送する搬送ローラ対などから構成されている。かかる構成の給紙装置によって送り出された転写紙は、転写手段内において、可視像を担持する感光体等の像担持体と向かい合わされながら、像担持体上の可視像が転写せしめられる。給紙装置から転写手段への送出タイミングにバラツキがあると、像担持体上の可視像と、これに向かい合わされる転写紙との相対位置がずれて、可視像が転写紙上の正規位置に転写されなくなる。そこで、上記レジストローラ対が像担持体上の可視像に正確に同期させ得るタイミングを見計らって、転写紙を送り出すようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−000740号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の画像形成装置においては、更なる高画質化に加えて、画像出力速度の更なる高速化が望まれている。高速化を図る方法の1つとして、連続出力時における紙間、即ち、先行する転写紙の後端から後続の転写紙の先端に至るまでの距離をできる限り短くすることが挙げられる。
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載の給紙装置では、転写紙を短い紙間で送出することが困難であった。これは、レジストローラ対において、その駆動終了から次の駆動開始までのタイムラグが、ある程度の余裕をもって設定されることに起因する。具体的には、給紙カセット内の紙束からは転写紙を1枚ずつ分離して取り出さなれければならい。そして、その分離性を向上させるためには、紙束の1番上の転写紙を適切な圧力で触れながら取り出す必要がある。過剰な圧力で触れてしまうと、2番目以降の転写紙も重ねて取り出してしまういわゆる重送と呼ばれる現象を引き起こすからである。そこで、重送を生じない程度に弱いが、スリップを生じない程度には強いという適切な圧力で給紙ローラを1番上の転写紙に押し当てることになる。しかしながら、カセット底に設けられたバネ等の付勢手段に付勢されて給紙ローラに押圧される紙束の厚みが変動すると、それに伴って1番上の転写紙と給紙ローラとの圧力も変動してしまう。そして、実際の圧力が適切な圧力値よりも弱くなると、転写紙が給紙ローラの表面上でスリップしながら取り出される。すると、スリップしない場合に比べて、給紙ローラの回転を開始してから転写紙をレジストローラ対に到達させるまでに要する時間が長くなる。このような時間変動が起こっても、駆動を開始する前のレジストローラ対に転写紙を確実に供給できるように、その駆動終了から次の駆動開始までのタイムラグにある程度の余裕をもたせるのである。このことが、転写紙を短い紙間で送出する上での大きな障害になっている。
【0006】
なお、これまで、記録体として転写紙を用いた例について説明したが、厚紙や封筒などといった他の記録体を用いた場合でも、同様の理由により、転写紙を短い紙間で送出することが困難である。また、記録体をローラによって給紙カセットから取り出したり、送出したりする例について説明したが、ローラ以外の手段で取り出しや送り出しを行う場合も同様である。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来よりも短い間隔で記録体を送り出すことができる記録体送出方法を提供することである。また、かかる記録体送出方法を用いる記録体送出装置、画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。更には、かかる記録体送出装置の制御を実現することができるプログラムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録体を複数の収容手段に収容する収容工程と、該収容手段内の記録体を送出手段に供給すべく、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの該記録体に搬送力を付与する供給工程と、該記録体を所定のタイミングで該送出手段から送り出す送出工程とを実施する記録体送出方法において、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを配設しておき、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給工程を並行しておこない、少なくとも1つの供給工程については、該1つの供給工程で供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時中止することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段と、該送出手段及び供給手段の駆動を制御する送出制御手段とを備える記録体送出装置において、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に設け、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の記録体送出装置において、各収容手段に収容されている記録体について、それぞれそのサイズ情報を取得するためのサイズ情報取得手段を設け、一時停止させていた上記供給動作を該サイズ情報取得手段による取得結果に基づいて再開させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の記録体送出装置において、上記サイズ情報取得手段として、記録体のサイズを検知するサイズ検知手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の記録体送出装置において、上記記録体検知手段と上記挟込搬送手段との組合せを複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の記録体送出装置において、複数の上記収容手段の数以上に、上記組合せを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2、3、4、5又は6の記録体送出装置において、複数の上記収容手段の少なくとも1つとして、手差しトレイを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7の記録体送出装置において、複数の上記収容手段のうち、少なくとも上記手差しトレイを除くものについては、その内部に収容されている記録体のサイズを表示するためのサイズ表示手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項2、3、4、5、6、7又は8の記録体送出装置において、外部から送られてくる記録体を受け入れるための外部受入口を上記搬送路に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、像担持体上に可視像を形成する可視像形成工程と、該像担持体上の可視像を転写手段によって記録体に転写する転写工程と、該転写手段に記録体を提供する提供工程とを実施する画像形成方法において、上記提供工程として、少なくとも、請求項1の記録体送出方法における上記収容工程、供給工程及び送出工程からなるものを実施することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成方法において、記録体たるシート材と、これとは異なる上記収容手段に収容されている記録体たる袋材とを、該シート材、袋材の順序あるいはこの逆の順序で連続して上記転写手段に送り出すことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に転写する転写手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、該画像情報取得手段による取得結果に基づいて少なくとも該像担持体、可視像形成手段及び転写手段の駆動を制御する画像形成制御手段と、該転写手段に向けて記録体を送り出す記録体送出装置とを備える画像形成装置において、上記記録体送出装置として、請求項2、3、4、5、6、7、8又は9のものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記転写手段として、上記像担持体上の可視像を、中間転写体を介して記録体に転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記転写手段として、その内部に1回だけ通した記録体の両面に可視像を転写する1パス両面転写手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、上記画像情報取得手段によって連続して取得される複数の画像情報のそれぞれについて、上記1パス両面転写手段に連続して送り出される記録体の何れに対応し、且つその記録体の何れの面(第1面又は第2面)に対応するものなのかを特定するための特定処理手段を設け、該特定処理手段による処理結果に基づく駆動制御を実施させるように、上記画像形成制御手段及び送出制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の画像形成装置において、上記特定処理手段として、操作者からの指定情報に基づく特定処理を実施するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項15又は16の画像形成装置において、上記1パス両面転写手段として、上記像担持体上の可視像を第1中間転写体、第2中間転写体、記録体の第1面に1次転写、2次転写、3次転写していく一方で、上記像担持体上の別の可視像を該第1中間転写体、該記録体の第2面に1次転写、2次転写するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の画像形成装置において、上記画像情報取得手段によって連続して取得される少なくとも2以上の画像情報からなる情報群について、各画像情報に対応する記録体の搬送方向における長さの和が上記第2中間転写体の周長以下である場合には、上記第1面に対応する画像情報に基づく可視像を全て形成してから、上記第2面に形成する画像情報に基づく可視像を形成する制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、上記像担持体を複数設けるとともに、上記転写手段として、各像担持体上の可視像を上記中間転写体に重ね合わせて多重像とするものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17又は18の画像形成装置において、上記収容手段内に収容されている記録体の種類について、袋状のものであるか否の種類情報を取得する種類情報取得手段を設け、該種類情報取得手段による取得結果に基づいて、上記可視像を上下逆の姿勢で形成させる制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段とを備え、且つ、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に有する記録体送出装置に用いられるプログラムであって、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように上記供給手段を駆動制御する制御手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
【0009】
これらの発明においては、何れか1つの収容手段から送出手段に向けて記録体を供給している際に、記録体検知手段による検知結果に基づいて次の事項を確認することができる。即ち、他の収容手段から供給している記録体が挟込搬送手段(例えば搬送ローラ対)に挟み込まれたか否かである。挟み込まれていない場合、後者の記録体は、その上面に比較的弱い力で押圧される給紙ローラ等の表面移動だけに依存して搬送されるため、スリップしながら送出手段に向けて搬送されている可能性がある。一方、挟み込まれている場合、挟込搬送手段の駆動に追従してスリップを起こすことなく確実に搬送され始める。後者の記録体の供給動作ついて、このように搬送性能が確実になってから一時中止されたとき、前者の記録体についての供給動作はまだ完了しておらず、再開のタイミング次第で両記録体の間隔が自在に調整される。前者の記録体についての供給動作が完了する前に、後者の記録体の供給動作についてスリップを確実に解消した上で再開のタイミングを見計らうことで、両記録体の間隔を所望の長さに確実に調整できるのである。よって、記録体を従来よりも短い間隔で送出手段から送り出すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成図であり、プリンタをその正面方向から示している。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。感光体1Yは、直径10〜100[mm]のアルミ製円筒に、光導電性物質である有機半導体の表面層が被覆されている。アモルファスシリコン性の表面層が被覆されたものであってもよい。また、ドラム状ではなく、ベルト状のものであってもよい。帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、後述の中間転写ベルト8上に1次転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、除電装置3Yは、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスユニット6M,C,Kにおいても、同様にして感光体1M,C,K上にM,C,Kトナー像が形成され、中間転写ベルト8上に1次転写される。なお、現像装置は、トナーと磁性キャリアとを含有する2成分現像剤を用いるものでも、トナー粉体だけを用いるものでもよい。また、トナーは、粉砕法によって製造された粉砕トナーでも、重合法によって形成された球形トナーでもよく、粒径で6[μm]程度のものが良好である。
【0011】
先に示した図1において、上記プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中下方には露光装置7が配設されている。また、プリンタ本体の上部には画像データ処理装置E1が配設されている。画像データ処理装置E1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報信号に基づいて、露光走査制御信号を生成して露光装置7に送る。潜像形成手段たる露光装置7は、この露光走査制御信号に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射する。この照射を受けて露光された感光体1Y,M,C,K上には、Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。かかる構成の露光装置7に代えて、LEDアレイからのLED光を照射する露光手段を採用しても良い。また、露光装置7の筐体には、その上方に配設された各感光体1Y,M,C,Kから落下してくるトナーによる内部部品の汚染を防止するために、図示しないシール部材を設けている。
【0012】
各プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、第1転写ユニット15と第2転写ユニット20とを有する転写手段が配設されている。第1転写ユニット15は、中間転写ベルト8やベルトクリーニング装置10などを有している。また、4つの1次転写ローラ9Y,M,C,K、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。中間転写体たる中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、1次転写ローラ以外の少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、図示しない電源の供給を受けて、トナーとは逆極性(例えばプラス)の1次転写バイアスを中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)に印加する。中間転写ベルト8は、この1次転写バイアスによるトナー像の静電転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、樹脂フィルムやゴムなどからなる50〜500[μm]の厚みのベルト基体に、低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014[Ωcm]になっている。また、表面抵抗率は、105〜1015[Ω/□]の範囲に調整されている。4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kの他に配設された3つのローラは、全て電気的に接地されている。
【0013】
上記中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく。各1次転写ニップでは、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像がニップ圧や1次転写バイアスの作用によって重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に多重像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0014】
上記第2転写ユニット20は、第1転写ユニット15の図中左側方にて、その2次転写ローラ21と、第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12との間に中間転写ベルト8を挟み込むように配設されている。この挟み込みにより、第1転写ユニット15の中間転写ベルト8と、第2転写ユニット20の2次転写ローラ21とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップでは、第1転写ユニット15のアース接続された2次転写バックアップローラ12と、図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ21との間に2次転写電界が形成される。そして、後述の送出部40から送られてくる転写紙Pに、中間転写ベルト8上の4色トナー像が2次転写される。
【0015】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙P上に2次転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。具体的には、中間転写ベルト8は、そのループ外面(おもて面)側に当接するように配設されたベルトクリーニング装置10と、そのループ内面側に配設されたクリーニングバックアップローラ13との間に挟まれる。そして、おもて面上の転写残トナーがベルトクリーニング装置10に機械的あるいは静電的に回収されてクリーニングされる。なお、バイアス方式の4つの1次転写ローラ9Y,M,C,Kに代えて、電極から放電させるチャージャ方式のものを用いてもよい。
【0016】
プリンタ本体の下部には、記録体送出装置の一部である送出部40が配設されている。この送出部40は、収容手段たる第1紙カセット41、第2紙カセット42、及び手差しトレイ43を備えている。また、2つのローラの当接によってレジストニップを形成するレジストローラ対44、レジストクリーニングユニット45、これら収容手段からレジストローラ対44に転写紙を供給するための供給手段も備えている。更に、この供給手段は、第1給紙ローラ46、第2給紙ローラ47、手差し給紙ローラ48、搬送ローラ対49、手差し用搬送ローラ対50、搬送路53、図示しない路内紙センサなどを有している。記録体送出装置は、かかる構成の送出部40や、後述の制御部などから構成されている。なお、手差しトレイ43とは、それを装置本体から取り外さずに、その内部の記録体の補充や交換を行うことができる収容手段を意味する。
【0017】
上記第1紙カセット41と第2紙カセット42とは、露光装置7の図中下方で鉛直方向に重なるように配設されており、それぞれ記録体たる転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している。一方、手差しトレイ43は、図中矢印で示すように、プリンタ本体の筐体に対して開閉可能に構成され、開かれた状態で紙束を収容する。
【0018】
上記第1給紙ローラ46、第2給紙ローラ47は、それぞれ上記第1紙カセット41、第2紙カセット42内に収容されている紙束の一番の転写紙Pに当接している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、その一番上の転写紙Pを取り出しながら搬送路53に通す。この取り出しと前後して、レジストローラ対44の両ローラがレジストニップで互いの表面をそれぞれ順方向に移動させるように回転駆動せしめられる。送出手段たるレジストローラ対44の上方には、フォトセンサ等からなる図示しない紙検知センサが配設されている。紙カセットから取り出され始めた転写紙Pの先端側は、やがて搬送路53の先にあるレジストローラ対44のレジストニップを通過して上述の紙検知センサに検知される。すると、この検知信号に基づいてレジストローラ対44の駆動が停止して、転写紙Pの送り出しタイミングが計られる。
【0019】
上記手差し給紙ローラ48は、上記手差しトレイ27上に収容(載置)されている紙束の一番上の転写紙Pに当接している。そして、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、その一番上の転写紙Pを取り出しながら搬送路53に通す。そして、紙カセットの転写紙Pと同様にして、レジストローラ対44にセットされる。
【0020】
レジストローラ対44の両ローラは、レジストニップで転写紙Pを強く押圧しながら回転することで、表面に紙粉や埃などが転移してきて汚れる。転移した汚れはレジストクリーニングユニット45によってクリーニングされる。このクリーニング方式としては、ローラにブレードを押し当てて汚れを掻き取る掻き取り方式や、ローラにバイアスローラを当接させて汚れを静電的に除去するバイアス方式を採用することができる。
【0021】
上記レジストローラ対44は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、中間転写ベルト8上に1次転写された4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。すると、2次転写ニップで中間転写ベルト8上の4色トナー像がニップ圧や上述の2次転写電界の影響を受けて転写紙Pに2次転写され、紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
【0022】
転写手段の図中上方には、上述の画像データ処理装置E1の他、CPUやRAM等から構成される制御部E2、ボトル収容器60、定着装置61、排紙ローラ対64などが配設されている。ボトル収容器60内には、各プロセスユニット(6Y,M,C,K)内の現像器に補給するためのトナーを内包するトナーボトルBY,BM,BC,BKが収められている。
【0023】
上記定着装置61は、転写手段の2次転写ニップの上方に配設されており、互いの当接部でそれぞれ順方向に表面移動するように回転しながら定着ニップを形成する定着ローラ対62を有している。両定着ローラ内には、何れも図示しないハロゲンランプ等の発熱手段が配設されている。2次転写ニップを通過した転写紙Pは、定着装置61内の定着ニップに挟み込まれ、定着ローラ対62によって加圧されながら加熱される。この加熱により、転写紙P上のフルカラー画像が、これを構成するトナーの軟化によって紙面に定着せしめられる。定着後の転写紙Pは、反転ガイド部材63に沿って反転せしめられた後、排紙ローラ対64を経て機外へと排出される。そして、プリンタ本体の筺体の上面に形成されたスタック部65にスタックされる。
【0024】
上記定着ローラ対62は、それぞれ図示しない温度検知手段によって表面温度が検知される。この温度検知手段は、プリンタ本体の筺体内の最上部に配設された制御部E2に送信する。制御部E2は、温度検知手段から送られてくる表面温度の検知結果に基づいて、定着ローラ対62の上記発熱手段に対する電源供給をON/OFF制御して、定着ローラ対62の表面温度を一定範囲(目標範囲)に維持する。
【0025】
以上のようにして、本プリンタ100は転写紙Pにフルカラー画像を形成することができる。本プリンタ100のように、感光体等の像担持体を複数並べて配設し、それぞれで形成した可視像を連続的に重ね合わせ転写して多色画像等の重ね合わせ画像を形成する方式をタンデム方式という。これに対し、1つの像担持体に可視像を形成して中間転写体に転写した後、再び像担持体に可視像を形成して中間転写体上の可視像に重ね合わせ転写する工程を繰り返して重ね合わせ画像を形成する方式もある。この方式では、可視像の形成、転写という工程を繰り返し行わなくてはならない。一方、タンデム方式では、重ね合わせ転写すべき複数の可視像をそれぞれに対応する像担持体上でほぼ同時に形成することができるので、画像形成時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
一般に、紙に向けて押圧された部材は、どうしても紙から紙粉が付着せしめられる。感光体等の像担持体に紙粉が付着すると、潜像形成性能や現像性能に影響を与えて画質を劣化させ易くなる。しかしながら、本プリンタ100では、感光体1Y,M,C,K(以下、各感光体という)上のトナー像を、それぞれ中間転写体たる中間転写ベルト8を介して転写するため、各感光体と転写紙Pとの直接接触が回避される。中間転写ベルト8には転写紙Pを直接接触させているが、これに付着した紙粉については各感光体に到達させる前にベルトクリーニング装置10によってクリーニングすることができる。よって、記録体として転写紙P等の紙を用いても、各感光体に紙粉を付着させることによる画質劣化をほぼ解消することができる。
【0027】
また、転写紙P等の記録体を紙搬送ベルトなどによってベルト搬送する場合、搬送中の記録体をベルト上でスリップさせることがある。本プリンタのようにタンデム方式の転写を行う場合に、各感光体からベルト搬送中の転写紙Pにトナー像を直接転写する方式を採用すると、僅かなスリップによって転写紙P上における各トナー像の相対位置を微妙にずらしてしまう。そして、これにより、色ズレを起こしてフルカラー画像の色調を乱してしまう。しかし、本プリンタ100では、スリップのない中間転写ベルト8に対して各感光体上のトナー像を重ね合わせるので、色ズレを有効に抑えることができる。
【0028】
なお、複数枚の転写紙Pに対して連続して画像を形成する場合には、送出部40から上記2次転写ニップに向けて転写紙Pを連続して送り出すことになる。このとき、先行する転写紙Pの後端と、後続の転写紙Pの先端との間隔(以下、紙間という)が、レジストローラ対44の駆動制御によって正確に調整される。具体的には、先行する転写紙Pの後端が上記レジストニップを抜けて上記紙検知センサに検知されなくなると、制御部E2はレジストローラ対44からの転写紙Pの送り出しについて終了したと判断して計時処理を開始する。この後、レジストニップには後続の転写紙Pの先端が進入してきて紙検知センサによって検知される。この時点までの計時値Ctは紙間に相当し、「Ct=基準時間」である場合には、実際の紙間が設計紙間となる。また、「Ct<基準時間」である場合には、実際の紙間が設計紙間よりも狭まっている。そこで、この場合、制御部E2は「Ct=基準時間」になるまでレジストローラ対44の回転駆動を停止させて、実際の紙間を設計紙間に調整する。また、「Ct>基準時間」である場合には、何らかの理由により、紙カセットや手差しトレイからの転写紙Pの取り出しが正常に行われなかったことになる。そして、この場合、制御部E2は、画像形成プロセスを停止させた後、正常に取り出されていない旨のエラーメッセージを報知する。
【0029】
次に、本プリンタ100の特徴的な構成について説明する。
図3は、従来の紙間設定を説明するための模式図である。手差しトレイや2つの紙カセット(43,41,42)の何れか1つから転写紙を連続して取り出す場合、先行する転写紙の取り出しを終えて給紙ローラの駆動を停止した後、すぐに駆動を再開して後続の転写紙を取り出すことになる。このとき、後続の転写紙が速やかに取り出された場合、紙間が図3に示す最短間隔L1になるとする。ところが、後続の転写紙P2が給紙ローラ表面とスリップを起こしてその取り出しが遅れると、紙間が最短間隔L1よりも長くなる。上述の設計紙間を理論間隔L1に設定してしまうと、後続の転写紙P2が僅かにスリップしただけで、「Ct>基準時間」となるため、取り出しエラーが実用にそぐわなくなるほど頻発してしまう。そこで、従来は、図3に示すように、後続の転写紙P2のスリップを距離L2だけ許容できるように、設計紙間L3を最短間隔L1よりもかなり長めに設定していた。
【0030】
図4(a)から(e)は、本プリンタの送出部40によって実施される送出動作と供給動作とを説明するための模式図である。これらの図において、回転駆動中のローラについては、便宜上、黒く塗りつぶして示してある。搬送路53内において、第2紙カセット42よりも下流側には搬送ローラ対49が配設されている。また、手差しトレイよりも下流側には手差し用搬送ローラ対50が配設されている。送出部40は、搬送ローラ対49よりも少し下流側の路内の転写紙を検知する路内紙第1検知センサ51や、手差し用搬送ローラ対50よりも少し下流側の路内の転写紙を検知する路内紙第2検知センサ52を有している。また、レジストローラ対44のレジストニップを通過した直後の転写紙を検知する紙検知センサ54も有している。
【0031】
第1紙カセット41、第2紙カセット42には、それぞれ同サイズの転写紙P1、P2が収容されている。送出部40は、まず、図4(a)に示すように、レジストローラ対44を回転駆動させた状態で、第1給紙ローラ46を回転駆動させて、第1紙カセット41からレジストローラ対44への給紙動作を開始する。そして、図4(b)に示すように、これから少し遅れて、第2給紙ローラ47及び搬送ローラ対49の回転駆動も開始して、第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作も並行して始める。先に供給が開始された第1紙カセット41からの転写紙P1は、図4(c)に示すように、やがてその先端がレジストニップを通過して紙検知センサ54に検知される。すると、レジストローラ対44及び第1給紙ローラ46が回転駆動を停止する。画像形成装置全体の制御を司る画像形成制御手段であるとともに、送出部40を制御する送出制御手段でもある上記制御部(E2)は、この停止の瞬間から第1の計時処理をスタートし、レジストローラ対44に挟み込まれている転写紙P1の送出タイミングを見計らう。
【0032】
第1紙カセット41からレジストローラ対44への給紙動作は、一時的に停止しているだけで、完了しているわけではない。図示のように第1紙カセット41内には、まだ取り出されていない紙後端側が残っており、更なる給紙動作が必要になるからである。
【0033】
第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作は引き続き行われるが、このとき転写紙P2はスリップしながら搬送される可能性がある。但し、給紙動作の進行に伴ってその先端が搬送ローラ対49を通過した時点で、スリップが解消される。そして、この直後に路内紙第1検知センサ51に検知される。上記制御部(E2)は、この検知の瞬間から第2の計時処理をスタートする。
【0034】
その後、先にスタートしておいた第1の計時処理に基づいて、然るべきタイミングが到来したと判断した上記制御部(E2)は、レジストローラ対44の回転駆動を再開して先行する転写紙P1の送り出しを開始させる。このとき、同時に第1給紙ローラ46の駆動開始により、第1紙カセット41内に残されている紙後端側の給紙動作も再開させる。また、第3の計時処理をスタートする。
【0035】
一方、第2紙カセット42からレジストローラ対44への給紙動作については、次のタイミングで一時停止させる。即ち、図4(d)に示すように、第1紙カセット41から延びる搬送分路と、第2カセット42から延びる搬送分路との合流点近傍に第2カセット42からの転写紙P2の先端が到達したタイミングである。すると、先行する転写紙P1についての給紙動作が完了する前に、後続の転写紙P2のスリップを解消した上でその給紙動作を一時停止して、後続の転写紙P2先端を、先行する転写紙P1後端よりも搬送下流側に位置させることができる。なお、この一時停止のタイミングは、上述の第2の計時処理に基づいて演算される。
【0036】
第2紙カセット42からの給紙動作が一時停止してしばらくすると、図4(e)に示すように、第1紙カセット41内に残っていた転写紙P1の後端が完全に取り出される。上記制御部(E2)は、このタイミングを上述の第3の計時処理に基づいて判断し、第1給紙ローラ46の回転駆動を停止させて第1紙カセット41からの給紙動作を完了させる。また、その後、レジストローラ対44の送り出しに伴って進む転写紙P1の後端を、待機している後続の転写紙P2の先端よりも下流側まで進めるタイミングを、上述の第3の計時処理に基づいて判断する。そして、このタイミングの到来と同時に第2給紙ローラ47及び搬送ローラ対49の回転駆動を開始して、第2紙カセット42からの給紙動作を再開する。すると、図示のように、後続の転写紙P2がスリップすることなく速やかに搬送され始め、先行する転写紙P1の後端と微小の間隔を保持しながらレジストローラ対44に向けて供給され始める。このようにして、本プリンタは、従来よりも短い間隔で転写紙を送出部40から送り出すことができる。
【0037】
なお、第1紙カセット41からの給紙動作を、第2紙カセット42からの給紙動作に先行して開始する例について説明したが、開始タイミングを逆転、あるいは同時にしてもよい。
【0038】
本プリンタにおいては、第1紙カセット41をレジストローラ対44に接近させて配設している。このことに起因して、ローラ対等の挟込搬送手段を設けるスペースを第1紙カセット専用経路内に確保することができていない。この第1紙カセット専用経路とは、第1紙カセット41からレジストローラ対44に至るまでの経路のうち、他の紙カセットやトレイから延びてくる経路と合流する前の部分である。かかる構成では、第1紙カセット41内の転写紙P1と、これに先行する他の転写紙との間隔についてはスリップ分の余裕を考慮する必要がある。例えば、第1紙カセット41内の転写紙P1と、第2紙カセット内の転写紙P2とを交互に送出する場合には、図5に示すように、前者と後者との間隔L4については従来よりも短くすることができるが、後者と前者との間隔L5については従来と同様にする必要がある。但し、上述の経路内にも挟込搬送手段を設けるとともに、これに対応する路内紙検知センサを設ければ、前者〜後者、後者〜前者のいずれについても、図6に示すように従来よりも短い間隔L5にすることが可能である。
【0039】
ここで、第1紙カセット41、第2紙カセット42に、それぞれ互いにサイズの異なる転写紙をセットしたとする。すると、先行して供給され始めた転写紙の後端を、給紙動作の一時停止によって待機している後続の転写紙の先端よりも下流側に進めるタイミング(例えば図4(e)に示したタイミング)が異なってくる。例えば、第1紙カセット41内の転写紙を第2紙カセット42内の転写紙よりも小さくした場合、そのタイミングは同じサイズの場合よりも早くなるため、両転写紙の間隔を長くしてしまう。そこで、本プリンタにおいては、両カセットや手差しトレイ43に、それぞれ内部の転写紙のサイズを検知する公知のサイズ検知手段を設けている。たとえば、転写紙をカセット内に固定するための固定板の位置などに基づいてサイズを検知するものである。そうすると、その検知結果に基づいて、上記制御部(E2)にそのタイミングを自動で判断させることが可能になるため、サイズデータの入力操作を行わなくても、互いにサイズの異なる転写紙に対する連続出力を実現することができる。かかる連続出力は、例えば、住所や宛先を印字するための封筒と、その中に入れるための紙面との組合せを、宛先毎に出力する場合などに有効である。なお、紙サイズを検知させるのではなく、紙サイズのデータを入力操作によって上記制御部(E2)に取得させてもよい。但し、この場合、サイズデータの入力操作という手間を強いられることになる。
【0040】
先に図4に示したように、本プリンタでは、第2紙カセット42用、手差しトレイ43用として、搬送ローラ対と路内紙検知センサとの組合せを複数設けている(49、51、50、52)。このことにより、図7に示すように、第2紙カセット42から取り出した転写紙P2と、手差しトレイ43から取り出した転写紙P3とを搬送路内に同時に待機させることができる。組合せを複数設けることで、複数の転写紙を搬送路内に同時に待機させることができるのである。かかる構成では、「互いにサイズの異なる3種類の紙」、「同サイズ、異サイズ、同サイズ」、「同サイズ、同サイズ、異サイズ」などといった具合に、3組以上の転写紙から構成されるサイズパターンの連続出力を行う場合でも、それぞれの間隔を短くすることができる。
【0041】
また、本プリンタでは、収容手段の1つとして、転写紙P3を外気に露出させた状態で収容する手差しトレイ43を用いている。このような手差しトレイ43は、プリンタ本体に対する収容手段の着脱操作を行わなくても、転写紙P3の交換やセットが可能であることから、厚紙や定形外紙などといった使用頻度の比較的低い転写紙P3を一時的に使用する場合に適している。よって、収容手段の着脱といった手間のかかる作業を行わずに使用頻度の比較的低い転写紙P3を容易にセットして、それに対する連続出力を従来よりも短い間隔で行うことができる。
【0042】
図8は、プリンタ本体に設けられた操作表示部の一例を示す模式図である。この操作表示部66は、液晶ディスプレイ等からなる表示部66aと、複数の操作ボタンからなる操作部66bとを有している。そして、上記のサイズ検知手段による検知結果と、操作者によるボタン操作とに基づいて第1紙カセット41、第2紙カセット42内の転写紙のサイズをそれぞれ表示部66aに表示するようになっている。サイズ表示手段としての役割を果たしているのである。本プリンタのように複数の収容手段で給紙動作を切り替えるものにおいては、連続出力の紙サイズパターンに応じて、それぞれの収容手段に収容する転写紙のサイズを適宜変更する必要がある。例えば、同じサイズの転写紙に対して連続出力を行う場合、少なくとも2つの収容手段については互いに同じサイズの転写紙を入れておく必要があるため、必要に応じて転写紙の入れ替え作業を行わなければならない。このとき、サイズ表示手段がないと、転写紙を視認することができない2つの紙カセット(41,42)については、プリンタ本体から引き出してサイズを確認するといった手間を強いられることになる。一方、本プリンタのようにサイズ表示手段を設けていれば、かかる手間を強いられることなく、2つの紙カセット内における転写紙のサイズを容易に確認して、入れ替え作業を効率良く行うことができる。なお、サイズ表示手段として、転写紙をセットした際に、そのカセットに設けられた回転表示盤を手動で回転させて表示窓に表示されるサイズを変更するものなど、表示サイズを手動で変更するものを用いてもよい。但し、この場合、表示サイズを手動で変更するという手間を強いられることに加えて、誤操作によって実際とは異なったサイズを表示させるおそれがある。また、手差しトレイ43については、セットされている転写紙を容易に視認することが可能であるので、サイズ表示手段を省略してもよい。
【0043】
先に図1に示したように、本プリンタにおいては、搬送路53の最上流側に、プリンタ外部から送られてくる転写紙を受け入れるための外部受入口53aを設けている。かかる構成では、外部受入口53aに向けて給紙を行う給紙バンク等の収容手段を増設した場合に、その収容手段内の転写紙についても従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。この場合、図示していないが、搬送路53内の外部受入項53aの近傍、あるいはプリンタ本体の下方に増設する給紙バンクに、搬送ローラ対等の挟込搬送手段を設けておけばよい。
【0044】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例について説明する。
図9は、本実施例に係るプリンタを示す概略構成図である。図において、本プリンタの第2転写ユニット20は、第2中間転写ベルト22、第2クリーニング装置23、転写チャージャ24などを有している。また、2次転写ローラ25、ニップ拡張ローラ26、テンションローラ27、3次転写バックアップローラ28、第2クリーニングバックアップローラ29なども有している。第2中間転写ベルト22は、これら5つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめられる。第1転写ユニット15の2次転写バックアップローラ12は、2次転写ローラ25とニップ拡張ローラ26との間の第2中間転写ベルト22展張部分に食い込んで2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ25は、金属製ローラか、あるいは芯金に導電性のゴム層が被覆されたローラからなり、図示しない電源によってトナーと反対極性(例えばプラス極性)の2次転写バイアスが供給される。第2転写ユニット20におけるこれ以外のローラは全て接地されている。
【0045】
送出部40のレジストローラ対44は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを、第1転写ユニット15の中間転写ベルト8上の4色トナー像に密着させ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り出す。但し、この4色トナー像が、転写紙Pの第1面(スタック部65上で上を向く面)に転写されるべき第1トナー像である場合には、転写紙Pを送り出さない。よって、このとき、中間転写ベルト8上の第1トナー像は、2次転写ニップでニップ圧や2次転写バイアスの影響を受けて第2中間転写ベルト22上に2次転写される。これに対し、中間転写ベルト8上の4色トナー像が転写紙Pの第2面(スタック部65上で下を向く面)に転写されるべき第2トナー像である場合には、レジストローラ対44がこの第2トナー像に同期させて転写紙Pを送り出す。よって、第2トナー像は、2次転写ニップで転写紙Pの第2面に2次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。このとき、2次転写ニップで転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト22との間に挟まれている第1トナー像は、2次転写バイアスの作用によってベルト側に引き寄せられる。このため、転写紙Pの第1面に密着しているが、そこに2次転写されるわけではない。第2中間転写ベルト22は、このような静電的な2次転写を実現するのに適した電気抵抗条件になっている。具体的には、ポリイミドやポリアミドイミドなどからなる厚み50〜500[μm]のベルト基体に、フッ素などの低表面エネルギーの材料からなる表面層がコートされ、全体の体積抵抗値が106〜1014になっている。また、表面抵抗率が105〜1015[Ω/□]に調整されている。
【0046】
第1転写ユニット15において、2次転写バックアップローラ12は、中間転写ベルト8を、その移動方向をほぼ反転させるような形状で張架している。そして、移動方向を反転させつつある中間転写ベルト部分を第2中間転写ベルト22に当接させて2次転写ニップを形成せしめている。このような2次転写ニップの出口では、転写紙Pが中間転写ベルト8から分離されて、第2中間転写ベルト22の表面だけに保持されて搬送されるようになる。そして、第2中間転写ベルト22の無端移動に伴って3次転写部に送られる。この3次転写部では、第2中間転写ベルト22の3次転写バックアップローラ28による張架部分に対し、転写チャージャ24が所定の間隙を介して配設されている。第2中間転写ベルト22上の転写紙Pは、転写チャージャ24によって第2面側にトナーと反対極性(例えばプラス極性)の電荷が付与される。この電荷の付与により、転写紙Pの第1面と第2中間転写ベルト22との間に挟まれていた第1トナー像が転写紙Pの第1面に3次転写されてフルカラー画像になる。
【0047】
このようにして両面にトナー像が転写された転写紙Pは、3次転写バックアップローラ28の曲率に沿って移動方向を急激に変化させる第2中間転写ベルト22から分離されて定着装置61に送られる。上記3次転写部を通過した後の第2中間転写ベルト22は、第2クリーニングバックアップローラ29と第2クリーニング装置23との間に挟み込まれて、表面の転写残トナーが機械的又は静電的にクリーニングされる。この第2クリーニング装置23が第2中間転写ベルト22に常に当接していると、第2中間転写ベルト22上に2次転写された第1トナー像もクリーニングしてしまうことになる。そこで、第2クリーニング装置23は、図示しない揺動機構によって揺動軸23aを中心に図中矢印方向に揺動せしめられることで、第2中間転写ベルト22に接離するようになっている。そして、少なくともそのクリーニング位置を第1トナー像が通過する間は、第2中間転写ベルト22から離間して、第1トナー像のクリーニングを回避する。
【0048】
かかる構成の本プリンタにおいて、第1転写ユニット15と第2転写ユニット20とからなる転写手段は、その内部に1回だけ通した転写紙Pの両面にトナー像を転写する1パス両面転写手段として機能する。このような1パス方式の両面転写ではなく、スイッチバック方式による両面転写も従来から知られている。スイッチバック方式とは、転写紙を転写手段と定着手段とに通してその一方の面だけに可視像を形成した後、転写紙を反転させた後に転写手段及び定着手段にスイッチバックさせて、もう一方の面にもトナー像を形成する方式である。かかる方式では、定着手段に一旦通した転写紙を反転させて転写手段に戻すための複雑なスイッチバック機構が必要になってコスト高になるという不具合がある。転写紙のスイッチバックによって両面転写の高速化が困難になったり、1回目の定着の際に熱によって転写紙にカールを発生させ、これによってスイッチバック時のジャムを発生させ易くなったりといった不具合もある。これに対し、1パス方式では、スイッチバック機構が必要ないので、その付設によるコストアップやスイッチバック時のジャムを解消することができる。また、スイッチバックによって両面転写の高速化を妨げるといった事態も解消することができる。
【0049】
1パス両面転写方式で、転写紙Pの片面にだけ画像を形成する片面プリントモードを実行する場合には、両面プリントモードの場合に比べて少ない熱量で画像を定着させることができる。片面にしか画像が形成されていないため、両面のときよりも転写紙P上のトナー量が少なくなるからである。よって、片面プリントモードのときに、両面プリントモードのときよりも定着ローラ対62の表面温度の目標範囲を低くすれば、省エネルギー化を図ることが可能になる。また、単色画像はフルカラー画像よりもトナー量が少なくなるので、単色プリントモードとフルカラープリントモードとの違いに応じて上記表面温度の目標範囲を切り替えることによっても、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【0050】
上記第1トナー像は、先に説明したように、上記第2トナー像に先行して形成される。そして、2次転写ニップで中間転写ベルト8から第2中間転写ベルト22に2次転写された後、上記3次転写部で転写紙Pの第1面に3次転写される。この第1面とは、上記スタック部65で上方を向く面である。よって、スタック部65にスタックされる転写紙Pは、先行して形成された第1トナー像を上に向け、且つその後に形成された第2トナー像を上に向けた状態で順次スタックされていく。本プリンタ100は、このようにスタックされていく転写紙Pの頁番号を小さい方から順に揃えるべく、奇数、偶数と連続する2つの頁番号の画像について、頁番号の大きい方を先に上記第1トナー像として形成する。例えば1頁目の画像に先行して2頁目の画像を第1トナー像として形成するのである。そうすると、数頁にわたる原稿を連続して出力しても、スタック部65において、頁番号を下から順に揃えることが可能になる。但し、転写紙Pの第2面だけに画像を形成する片面プリントモードを実行する際には、頁番号の小さい画像から順に形成していき、それぞれ転写紙Pの第2面に2次転写せしめる。このことにより、片面プリントモードにおいても、スタック部65で頁番号を下から順に揃えることができる。
【0051】
4つの感光体1Y,M,C,Kにおいて、上記第2トナー像用に形成される各色トナー像は非鏡像(以下、正像という)として形成される。これは、形成された各色トナー像が、1次転写、2次転写という2回の転写工程を経て転写紙Pに至る過程で鏡像、正像と変化するからである。各感光体上で正像として形成されることで、転写紙Pの第2面においても正像になるのである。これに対し、第1トナー像用に形成される各色トナー像は、3次転写まで行われるため、第2トナー像よりも転写工程が1回多くなる。よって、各感光体上で鏡像として形成される。このことにより、転写毎に正像、鏡像、正像と変化して、転写紙Pの第1面において正像となることができる。
【0052】
本プリンタ100は、図10に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)200などから送られてくる画像情報信号に基づいて画像を形成する。図10では、パソコン200とプリンタ100とを通信ケーブルによって接続した画像形成システムの例を示したが、無線方式による接続を採用してもよい。プリンタ本体の前面左隅には、タッチパネル等からなる操作表示部66が固定されている。ユーザーは、この操作表示部66のディスプレイに現れるガイド表示に従って、作像プロセス条件や用紙条件等の各種パラメータを入力することができる。上述の片面プリントモードと、両面プリントモードとの切替については、この操作表示部66に用意されているモード切替ボタンを操作することによって行うことができる。また、パーソナルコンピュータ200から設定信号を送信させることによっても行うことができる。
【0053】
プリンタ本体の前面には、前扉67が開閉自在に設けられている。前扉67が開かれると、図示しない上記第1転写ユニット(15)を支持する支持体68が大きく露出する。この支持体68は、図示しないガイドレール上をプリンタ本体の前後方向にスライド移動可能に構成され、プリンタ本体内から前面側に向けて引き出されることで、上記第1転写ユニット(15)を露出させる。そして、この露出により、上記第1転写ユニットの保守点検作業を容易にしている。また、前扉67が開かれると、支持体68の上方に配設されたボトル収容器60内のトナーボトルBY、BM、BC、BKの端面が露出する。それぞれ端面を露出させたトナーボトルBY、BM、BC、BKは、ボトル収容器60に対してプリンタ前後方向に着脱可能される。前扉67を開けば、プリンタ本体に対するトナーボトルBY、BM、BC、BKの前後方向への着脱が可能になる構成である。スタック部65が形成されているプリンタ本体上面を開閉自在な上扉とし、これを開いてトナーボトルBY、BM、BC、BKを上下方向に着脱するといった構成ではない。このため、図11に示すようにオプションのスキャナ装置300をプリンタ100の上方に配設してコピー機を構成する場合でも、トナーボトルBY、BM、BC、BKを着脱することができる。第1紙カセット41、第2紙カセット42は、前扉67の下方に配設され、前後方向のスライド移動によってプリンタ本体から着脱されるように構成されている。前扉67を開いても、第1紙カセット41、第2紙カセット42の着脱や、操作表示部66への入力の操作性を損ねることはない。なお、同図では、プリンタ100の下に給紙バンク400を配設し、これから上述の外部受入口(53a)に向けて給紙させるようにした例を示している。
【0054】
図12は、本プリンタの側端部を示す部分構成図である、同図において、第2転写ユニット20は、回動軸20aを中心にして回動するようになっている。そして、図中時計回りに回転せしめられた位置で、プリンタ本体から引き抜かれる。すると、送出部40の搬送路53や、その上の転写通路が大きく縦断されるため、通路内のジャム紙の処理や第2転写ユニット20の保守が容易に行われるようになる。また、第2転写ユニット20内の第2クリーニング装置23の保守も容易に行われるようになる。
【0055】
本プリンタにおいて、画像データ処理装置E1は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報を取得する画像情報取得手段として機能している。1パス両面転写方式に限らず、何らかの方式で両面転写を連続して行う場合には、画像データ処理装置E1に連続して取得させる複数の画像情報のそれぞれについて、次のような特定処理を実施させる必要がある。即ち、レジストニップから両面転写手段に向けて連続して送り出される記録体の何番目に対応し、且つその記録体の何れの面(第1面又は第2面)に対応するのかを特定させる処理である。本プリンタでは、画像データ処理装置E1にこの特定処理を実施させるようにしている。画像データ処理装置E1を特定処理手段として機能させているのである。
【0056】
上述の特定処理については、取得していく順番に基づいて、1番目の記録体の第2面、1番目の記録体の第1面、2番目の記録体の第2面、2番目の記録体の第1面・・・と特定していく取得順依存方式の処理が最もシンプルである。しかしながら、かかる取得順依存方式の特定処理では、いわゆる面飛ばし連続出力を行わせることができない。具体的には、例えば、図13は面飛ばし連続出力の一例を説明するための模式図である。調剤薬局で用いられる袋材たる薬袋Fと、シート材たる転写紙Pとの組合せに対して面飛ばし連続出力が行われる例を示している。両者は出力前にはそれぞれ白紙の状態である。図示の面飛ばし連続出力では、まず始めに、薬袋Fの第1面に対する出力が飛ばされ、薬袋Fの第2面に患者名や処方に合わせた患者固有のカスタマイズ画像が出力される。このカスタマイズ画像は、「内服薬」「○○薬局」「〒××」「東京都△△」「電話・・・」という定形文章や罫線などからなる定形テンプレートと、患者名、薬形状、用法などを示すカスタマイズ文章などから構成されている。薬袋Fの第2面への画像出力が終わると、次に、転写紙Pの第1面、第2面にそれぞれ、薬の写真画像と、その薬に対応する説明文章とからなるカスタマイズ画像が出力される。調剤された図示しない複数種類の薬は、出力が終わった薬袋Fや転写紙Pの画像と照らし合わされながら、薬袋F内に投入される。また、転写紙Pは、患者に対する用法等の口頭説明が行われる際に患者に掲示された後、折り畳まれて薬袋F内に投入され、患者に引き渡される。
【0057】
上述の取得順依存方式の特定処理を用いて、図13に示した面飛ばし連続出力を実施させようとすると、転写紙Pの第2面に出力すべきカスタマイズ画像が薬袋Fの第1面に出力すべきものと誤認されてしまう。また、薬袋Fの第2面に出力すべきカスタマイズ画像が、薬袋Fの第1面に出力すべきものと誤認されてしまう。更には、転写紙Pの第1面に出力すべきカスタマイズ画像が、転写紙Pの第2面に出力すべきものと誤認されてしまう。
【0058】
そこで、本プリンタにおいては、ユーザーから提供される指定情報に基づいて特定処理を行わせるように、画像データ処理装置E1を構成している。具体的には、例えば、連続出力用の複数の画像情報をパソコン等から本プリンタに送るのに先立ち、プリンタドライバソフト等の操作によってパソコン等を介して指定情報を送るのである。この指定情報は、例えば、各画像情報を送信順に「先行する記録体の第2面、後続の記録体の第2面、後続の記録体の第1面」と指定した情報である。この指定した情報に基づけば、図13に示したような面飛ばし連続出力を実施することができる。なお、薬袋Fの第1面(袋の裏面)に画像を形成してもよいことは、言うまでもない。
【0059】
1パス両面転写方式では、次に説明する理由により、図13に示した薬袋Fなどといった袋状部材の両面に画像を形成するのに適している。即ち、開口側を前にした正向き姿勢で袋状部材を搬送すると、搬送に伴って開口からその内部に空気を進入させ易い。そして、空気の進入によって若干膨らんだ袋状部材を転写ニップや定着ニップで押圧することで、皺を発生させ易くなる。よって、袋状部材については、その底側を前にした逆向き姿勢で搬送することが望ましい。ところが、スイッチバック方式によって袋状部材の両面に画像を形成する場合、袋状部材を逆向き姿勢で搬送しても、スイッチバックの際には一時的に正向き姿勢に切り替えて搬送することになる。そして、このときに空気を進入させて皺を引き起こし易くなる。一方、1パス両面転写方式では、先に図1や図9に示したように、給紙開始から排紙まで袋状部材等の記録体を同じ向きで搬送することができるため、正向き姿勢で搬送することによる袋状部材の皺を解消することができる。
【0060】
しかしながら、逆向き姿勢で搬送している袋状部材に対しては、画像を上下逆に形成することになる。そうすると、例えば図14に示すように、開口を上にした薬袋Fでは、文字が上下逆さまになってしまうため、実使用に適さなくなってしまう。そこで、本プリンタにおいては、各紙カセット(41,42)や、手差しトレイ43に収容されている記録体の種類について、袋状のものであるか否かの種類情報を取得する種類情報取得手段を設けている。具体的は、例えば上記操作表示部(66)に対する入力操作や、パーソナルコンピュータなどから送られてくる信号に基づいて、各紙カセットや手差しトレイ43内の記録体の種類情報を取得させるように、この種類情報取得手段を構成している。そして、これによる取得結果が袋状である旨の情報であった記録体については、それに対する静電潜像を上下逆に形成する制御を実施させるように、上記制御部(E2)や画像データ処理装置(E1)を構成している。
【0061】
図15は、かかる制御によって連続出力が行われた薬袋Fと転写紙Pとを示す模式図である。逆向きの姿勢で搬送された薬袋Fの第2面に対し、上下逆の画像が形成されることで、薬袋Fに対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態が回避されていることがわかる。よって、本プリンタでは、正向き姿勢で搬送することによる袋状部材の皺を解消しつつ、その袋状部材に対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態を回避することができる。
【0062】
ところで、1パス両面転写方式としては、本プリンタのように第1面用の第1トナー像の転写工程を1回余分に3次まで実施する方法の他、第1、第2トナー像ともに2次転写で留める方法もある。具体的には、例えば図16に示すように、転写紙Pの第2面,第1面用として、それぞれ専用のプロセスユニット群A,Bと、中間転写ベルト8a,8bとを用いるのである。それぞれの中間転写ベルト8a,8bに形成された4色トナー像は、両ベルトの当接によって形成された2次転写ニップに挟まれた図示しない転写紙の第2面、第1面に転写される。ところが、この方式では、図示のように転写紙の各面についてそれぞれ専用のプロセスユニット群を設ける必要があるため、コストアップと装置の大型化とを引き起こしてしまう。また、2次転写ニップで2つのトナー像を互いに近づける方向に静電移動させる必要があるため、プロセスユニット群A,Bとして、互いに極性の異なるトナーを用いるものを設ける必要がある。そして、このことにより、トナーやプロセスユニット群の管理を非常に厄介にしてしまう。一方、本プリンタのように第1トナー像に対して3次転写まで実施するものにおいては、各面に対して1つのプロセスユニット群を共用できるので、これらの不具合を解消することができる。
【0063】
しかしながら、3次転写まで実施する方式では、次のような不具合がある。即ち、先行する転写紙を2次転写ニップに通した後、後続の転写紙を2次転写ニップに通すのに先立ち、2次転写ニップで中間転写ベルト8から第2中間転写ベルト22に第1トナー像を2次転写しなければならない。このため、複数のカセットやトレイからの給紙動作を並行しておこなっても、短い間隔で転写紙をレジストローラ対44から送り出すことができないのである。
【0064】
そこで、本プリンタにおいては、先に示した図9における第2中間転写ベルト22の周長を、紙カセット(41,42)や手差しトレイ43にセットし得る最大サイズの転写紙における縦寸の2倍以上にしている。例えば、カセット等(41,42,43)にセットし得る最大サイズの転写紙がA3版である場合、A3版縦寸の2倍以上の周長にしているのである。そうすると、第2中間転写ベルト22には、1周あたりに2枚分以上の第1トナー像を担持させることができる。
【0065】
一方、連続出力の際には、連続して送られてくる少なくとも2以上の画像情報からなる情報群について、次のような処理を実施させるように、画像データ処理装置E1を構成している。即ち、各画像情報に対応する転写紙の搬送方向における長さの和が第2中間転写ベルト22の周長以下である場合に、それら画像情報のうち、転写紙の第1面に対応するものに基づく画像形成を全て先行する処理である。例えば、第2中間転写ベルト22はA3版縦寸の2倍以上の周長になっているので、その一周あたりに、横長の姿勢で搬送されるA4版転写紙の4面分の画像を担持することができる。よって、画像データ処理装置E1は、横長の姿勢で搬送されるA4版転写紙に対する4枚以上の連続出力命令があった場合、まず、4枚両面分の8つの画像情報のうち、第1面用の4つに基づく画像処理を他に先行しておこなう。そして、4つの第1トナー像を連続して形成させ、これらを第2中間転写ベルト22に連続して2次転写させる。次に、第2面用の4つに基づく画像処理を連続して行い、4つの第2トナー像を中間転写ベルト15に連続して1次転写させる。そうすると、1枚目から4枚目の転写紙については、それぞれ第2トナー像の第2中間転写ベルト22への2次転写を待つことなく2次転写ニップに通すことができる。よって、従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。5枚目については、第2トナー像が第2中間転写ベルト22に2次転写されてから送り出す必要があるが、6枚目以降に対する両面転写命令もなされている場合には、5枚目〜8枚目について同様の処理を実施させればよい。そうすると、図17に示すように、4枚単位で従来よりも間隔を短くした送り出しを実現することができる。なお、図示のような4枚単位の給紙を実現させるには、例えば、1枚目をレジストローラ対44に最も近い第1紙カセット41から給紙させた後、2、3、4枚目を、第2紙カセット42と手差しトレイ43とに交互に給紙させればよい。2、3、4枚目を、第2紙カセット4、手差しトレイ43、第2紙カセット42、あるいは、手差しトレイ43、第2紙カセット42、手差しトレイ43という順で、給紙させるのである。また例えば、プリンタ本体の下方に給紙バンクを設け、第2紙カセット42や手差しトレイ43の他に、この給紙バンク内の紙カセットからも給紙させるようにしてもよい。
【0066】
これまで、像担持体としてドラム状の感光体を用いた例について説明したが、ベルト上の感光体など、他の方式のものを用いてもよい。また、中間転写体については、ベルト方式のものに限られず、ローラ方式などもものでも良い。また、粉体トナーではなく、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤を用いる画像形成装置にも本発明の適用が可能である。また、電子写真方式のプリンタについて説明したが、直接記録方式の画像形成装置にも本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を中間転写体や記録体に直接付着させて画素像を形成することで、画像を直接形成する方式である。
【0067】
以上、実施形態や実施例のプリンタにおいては、各カセット等に収容されている転写紙について、それぞれサイズ情報を取得するためのサイズ情報取得手段たるサイズ検知手段を設けている。そして、一時停止させていた給紙動作をこのサイズ検知手段によるサイズ取得結果に基づいて再開させるようにしている。かかる構成では、互いにサイズの異なる転写紙に対して連続出力を行いながら、それら転写紙を従来よりも短い間隔で転写手段に送り出することができる。
また、サイズ情報取得手段として、転写紙のサイズを検知するサイズ検知手段を用いているので、サイズのデータを入力するという手間を強いられることなく、互いにサイズの異なる転写紙を従来よりも短い間隔で転写手段に送り出することができる。
また、記録体検知手段たる路内紙検知センサと、挟込搬送手段たる搬送ローラ対との組合せを複数設けていることで、複数の転写紙を搬送路53内に同時に待機させることができる。このことにより、「同サイズ、異サイズ、同サイズ」、「同サイズ、同サイズ、異サイズ」などといった具合に、3組以上の転写紙から構成されるサイズパターンの連続出力を行う場合でも、それぞれの間隔を短くすることができる。
【0068】
また、実施形態に係るプリンタにおいて、各カセット等の数以上に、上記組合せを設ければ、全てのカセット等からの転写紙を搬送路53内で待機させることが可能になる。そして、このことにより、実施例のプリンタのように3次転写まで行う1パス両面転写方式を採用しない限り、全ての転写紙を従来よりも短い間隔で2次転写ニップに向けて送り出すことができる。
【0069】
また、実施形態や実施例に係るプリンタにおいては、複数のカセット等の1つとして、手差しトレイ43を用いている。かかる構成では、紙カセット(41,42)の着脱といった手間のかかる作業を行わずに使用頻度の比較的低い転写紙を容易にセットして、それに対する連続出力を従来よりも短い間隔で行うことができる。
また、少なくとも手差しトレイ43を除く紙カセット(41、42)については、サイズ表示手段を設けている。かかる構成では、紙カセットをプリンタ本体から引き出して内部のサイズを確認するといった手間を強いられることなく紙カセット内における転写紙のサイズを容易に確認することができる。このことにより、連続出力の態様に応じて紙の入れ替え作業が必要になった場合に、入れ替え作業を効率良く行うことができる。
また、外部から送られてくる転写紙を送出部40に受け入れるための外部受入口53aを搬送路53に設けている。かかる構成では、外部受入口53aに向けて給紙を行う給紙バンク等の収容手段を増設した場合に、その収容手段内の転写紙についても従来よりも短い間隔でレジストローラ対44から送り出すことができる。
【0070】
また、シート材たる転写紙と、これとは異なるカセット等に収容されている袋材とを、この順序あるいは逆の順序で連続して転写手段に向けて送り出せば、袋材とこれに投入する転写紙とのセットに対して連続出力しながら、両者を短い間隔で送り出すことができる。
【0071】
また、実施形態や実施例に係るプリンタにおいては、送出部40から転写手段に短い間隔で転写紙を連続して送り出すことで、連続出力時における画像形成速度を高速化することができる。
また、転写手段として各感光体のトナー像を、中間転写体を介して転写紙に転写するものを用いているので、各感光体に紙粉を付着させることによる画質劣化をほぼ解消することができる。更には、スリップのない中間転写体8に対して各感光体上のトナー像を重ね合わせるので、色ズレを有効に抑えることができる。
【0072】
また、実施例に係るプリンタにおいては、両面転写が可能な転写手段として、スイッチバック機構が不要な1パス両面転写手段を用いているので、その付設によるコストアップやスイッチバック時のジャムを解消することができる。更には、スイッチバックによって両面転写の高速化を妨げるといった事態も解消することができる。
また、連続出力時に、連続して取得される複数の画像情報について、連続して送り出される転写紙の何れで且つその何れの面に対応するのかを特定する特定処理手段たる画像データ処理装置E1を設けている。そして、これによる特定処理結果に基づく駆動制御を実施させている。かかる構成では、上記特定処理を実施させながら、各転写紙を短い間隔で送出部40から送り出すことができる。
また、ユーザーからの指定情報に基づく特定処理を実施させるようにしているので、面飛ばし連続出力を確実に行わせることができる。
また、1パス両面転写手段として、第1トナー像を3次転写まですることで、転写紙の第1面用と第2面用とでプロセスユニット群を共用するものを用いている。かかる構成では、各面用としてプロセスユニット群をそれぞれ個別に設ける場合に生ずるコストアップ、装置の大型化、トナーやプロセスユニット群の管理の煩雑化を何れも解消することができる。
また、2以上の画像情報からなる情報群について、それらに対応する転写紙の搬送方向における長さの和が第2中間転写ベルト22の周長以下である場合には、第1面用の全ての画像情報に基づく画像処理を、第2画像用の画像処理よりも先行して行う。かかる構成では、第1トナー像を3次転写までして転写紙の第1面に転写せしめて装置の小型化や低コスト化を図っていても、数枚単位で間隔を短くした転写紙の送り出しを行うことができる。
また、複数の感応体のトナー像を中間転写ベルトに重ね合わせて1次転写することで、フルカラー画像等の多色画像を形成することができる。
また、種類情報取得手段による取得結果に基づいて、トナー像を上下逆の姿勢で形成するので、袋状部材の皺を解消しつつ、その袋状部材に対して相対的に上下逆の画像を形成するといった事態を回避することができる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1乃至21の発明によれば、従来よりも短い間隔で記録体を送出先たる転写手段に向けて送り出すことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】従来の紙間設定を説明するための模式図。
【図4】(a)から(e)は、それぞれ同プリンタの送出部によって実施される送出動作と供給動作とを説明するための模式図。
【図5】同プリンタの紙間を説明するための模式図。
【図6】同プリンタの変形例装置における紙間を説明するための模式図。
【図7】複数の転写紙を搬送路内に同時に待機させている同送出部を示す要部構成図。
【図8】同プリンタの操作表示部の一例を示す模式図。
【図9】実施例に係るプリンタを示す概略構成図。
【図10】同プリンタとパソコン等とからなる画像形成システムを示す斜視図。
【図11】スキャナ装置を同プリンタの上方に配設した同画像形成システムを示す斜視図。
【図12】同プリンタの側端部を示す部分構成図。
【図13】同プリンタによって行われる連続出力の一例を説明するための模式図。
【図14】上下逆の画像が形成されてしまった薬袋を示す模式図。
【図15】同プリンタによって行われる連続出力の他の一例を説明するための模式図。
【図16】第1、第2トナー像ともに2次転写で留める1パス両面転写手段の一例を示す要部構成図。
【図17】同プリンタによって行われる連続出力の他の一例を説明するための模式図。
【符号の説明】
1Y,M,C,K 感光体(像担持体)
8 中間転写ベルト
15 第1転写ユニット(転写手段の一部)
20 第2転写ユニット(転写手段の一部)
22 第2中間転写ベルト(第2中間転写体)
40 送出部
41 第1紙カセット(収容手段)
42 第2紙カセット(収容手段)
43 手差しトレイ
44 レジストローラ対(送出手段)
46 第1給紙ローラ(供給手段の一部)
47 第2給紙ローラ(供給手段の一部)
48 手差し給紙ローラ(供給手段の一部)
49 搬送ローラ対(挟込搬送手段)
50 手差し用搬送ローラ対(挟込搬送手段)
51 第1検知センサ(記録体検知手段)
52 第2検知センサ(記録体検知手段)
53 搬送路(供給手段の一部)
53a 外部受入口
66 操作表示部(サイズ表示手段)
E1 画像データ処理装置(特定処理手段)
E2 制御部(送出制御手段、画像形成制御手段)
P 転写紙(シート材)
F 薬袋(袋材)
Claims (21)
- 記録体を複数の収容手段に収容する収容工程と、該収容手段内の記録体を送出手段に供給すべく、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの該記録体に搬送力を付与する供給工程と、該記録体を所定のタイミングで該送出手段から送り出す送出工程とを実施する記録体送出方法において、
上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを配設しておき、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給工程を並行しておこない、少なくとも1つの供給工程については、該1つの供給工程で供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時中止することを特徴とする記録体送出方法。 - 記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段と、該送出手段及び供給手段の駆動を制御する送出制御手段とを備える記録体送出装置において、
上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に設け、且つ、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項2の記録体送出装置において、
各収容手段に収容されている記録体について、それぞれそのサイズ情報を取得するためのサイズ情報取得手段を設け、一時停止させていた上記供給動作を該サイズ情報取得手段による取得結果に基づいて再開させる制御を実施させるように、上記送出制御手段を構成したことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項3の記録体送出装置において、
上記サイズ情報取得手段として、記録体のサイズを検知するサイズ検知手段を用いたことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項4の記録体送出装置において、
上記記録体検知手段と上記挟込搬送手段との組合せを複数設けたことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項5の記録体送出装置において、
複数の上記収容手段の数以上に、上記組合せを設けたことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項2、3、4、5又は6の記録体送出装置において、
複数の上記収容手段の少なくとも1つとして、手差しトレイを用いたことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項6又は7の記録体送出装置において、
複数の上記収容手段のうち、少なくとも上記手差しトレイを除くものについては、その内部に収容されている記録体のサイズを表示するためのサイズ表示手段を設けたことを特徴とする記録体送出装置。 - 請求項2、3、4、5、6、7又は8の記録体送出装置において、
外部から送られてくる記録体を受け入れるための外部受入口を上記搬送路に設けたことを特徴とする記録体送出装置。 - 像担持体上に可視像を形成する可視像形成工程と、該像担持体上の可視像を転写手段によって記録体に転写する転写工程と、該転写手段に記録体を提供する提供工程とを実施する画像形成方法において、
上記提供工程として、少なくとも、請求項1の記録体送出方法における上記収容工程、供給工程及び送出工程からなるものを実施することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項10の画像形成方法において、
記録体たるシート材と、これとは異なる上記収容手段に収容されている記録体たる袋材とを、該シート材、袋材の順序あるいはこの逆の順序で連続して上記転写手段に送り出すことを特徴とする画像形成方法。 - 可視像を担持する像担持体と、該像担持体上に可視像を形成する可視像形成手段と、該像担持体上の可視像を記録体に転写する転写手段と、画像情報を取得する画像情報取得手段と、該画像情報取得手段による取得結果に基づいて少なくとも該像担持体、可視像形成手段及び転写手段の駆動を制御する画像形成制御手段と、該転写手段に向けて記録体を送り出す記録体送出装置とを備える画像形成装置において、
上記記録体送出装置として、請求項2、3、4、5、6、7、8又は9のものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12の画像形成装置において、
上記転写手段として、上記像担持体上の可視像を、中間転写体を介して記録体に転写するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13の画像形成装置において、
上記転写手段として、その内部に1回だけ通した記録体の両面に可視像を転写する1パス両面転写手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14の画像形成装置において、
上記画像情報取得手段によって連続して取得される複数の画像情報のそれぞれについて、上記1パス両面転写手段に連続して送り出される記録体の何れに対応し、且つその記録体の何れの面(第1面又は第2面)に対応するものなのかを特定するための特定処理手段を設け、該特定処理手段による処理結果に基づく駆動制御を実施させるように、上記画像形成制御手段及び送出制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15の画像形成装置において、
上記特定処理手段として、操作者からの指定情報に基づく特定処理を実施するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15又は16の画像形成装置において、
上記1パス両面転写手段として、上記像担持体上の可視像を第1中間転写体、第2中間転写体、記録体の第1面に1次転写、2次転写、3次転写していく一方で、上記像担持体上の別の可視像を該第1中間転写体、該記録体の第2面に1次転写、2次転写するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17の画像形成装置において、
上記画像情報取得手段によって連続して取得される少なくとも2以上の画像情報からなる情報群について、各画像情報に対応する記録体の搬送方向における長さの和が上記第2中間転写体の周長以下である場合には、上記第1面に対応する画像情報に基づく可視像を全て形成してから、上記第2面に形成する画像情報に基づく可視像を形成する制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13、14、15、16、17、18又は19の画像形成装置において、
上記像担持体を複数設けるとともに、上記転写手段として、各像担持体上の可視像を上記中間転写体に重ね合わせて多重像とするものを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項17又は18の画像形成装置において、
上記収容手段内に収容されている記録体の種類について、袋状のものであるか否かの種類情報を取得する種類情報取得手段を設け、
該種類情報取得手段による取得結果に基づいて、上記可視像を上下逆の姿勢で形成させる制御を実施させるように、上記画像形成制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 記録体を所定のタイミングで送出先に向けて送り出す送出手段と、記録体を収容する複数の収容手段と、該収容手段内から搬送路に通して該送出手段に到達させるまでの記録体に搬送力を付与する供給動作を行って、該記録体を該送出手段に供給する供給手段とを備え、且つ、上記搬送路内で記録体を両面から挟み込みながら搬送する挟込搬送手段と、上記搬送路内の記録体を検知する記録体検知手段とを上記供給手段に有する記録体送出装置に用いられるプログラムであって、2以上の上記収容手段からの上記供給動作を並行させ、そのうちの少なくとも1つの供給動作については、該1つの供給動作によって供給されている途中の記録体の上記記録体検知手段による検知結果に基づいて一時停止させる制御を実施させるように上記供給手段を駆動制御する制御手段として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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