JP2004188281A - 廃水処理方法及び廃水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微好気の曝気処理を伴う廃水処理にいおて、高濃度の有機物を含む廃水が多量に流入してきた場合でも、水質基準を充分満たした放流水が得られるようにする。
【解決手段】流入槽1に流入した廃水原水には、上澄水再曝気槽4から返送された微生物の電子受容体調整水が混入されるとともに、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下で曝気される。この曝気処理水は反応槽2に送られ、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気される。つぎに処理水は沈殿槽4で上澄水と汚泥に分離され、沈殿汚泥の全量は反応槽2に返送される。上澄水は上澄水再曝気槽4で、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気される。この処理水の一部は流入槽1に返送され、残りは貯留槽6に静置貯留される。上澄水再曝気槽4と貯留槽6は一体化されている。
【選択図】 図1
【解決手段】流入槽1に流入した廃水原水には、上澄水再曝気槽4から返送された微生物の電子受容体調整水が混入されるとともに、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下で曝気される。この曝気処理水は反応槽2に送られ、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気される。つぎに処理水は沈殿槽4で上澄水と汚泥に分離され、沈殿汚泥の全量は反応槽2に返送される。上澄水は上澄水再曝気槽4で、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気される。この処理水の一部は流入槽1に返送され、残りは貯留槽6に静置貯留される。上澄水再曝気槽4と貯留槽6は一体化されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機物を含む廃水を微生物処理することにより浄化する廃水処理方法及び廃水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な活性汚泥処理法のプロセスは、以下の通りである。まず濾過・沈殿などの前処理をした流入廃水を曝気槽に送り、活性汚泥を攪拌・曝気して廃水中の水溶性有機化合物、コロイド状有機化合物等を無機化処理する。
【0003】
次に、廃水を沈殿槽に送って汚泥を分離・沈殿させ、上澄水を法定基準値以下となるように殺菌処理した後、河川等に放水する。沈殿槽の下層に沈殿した汚泥は貯留槽に送り、所定量溜まったときに適当な処分をしている。なお、必要により沈殿槽の汚泥の一部を曝気槽に返送し、曝気槽内の汚泥の微生物濃度調整に使用することもある。
【0004】
上述した従来の活性汚泥処理法は、一般に好気性微生物を用い、曝気槽の溶存酸素量(DO)を高い状態に保ち、好気性微生物の活性増殖を促進し、その好気呼吸で、基質としての有機汚物を酸化分解するものである。このため、微生物の死骸とともに廃水中の汚物が凝集して大量の汚泥が発生することになる。
【0005】
この汚泥の一部は上述のように曝気槽内に返送されてはいるが、多量の余剰汚泥は、これまで埋め立て処理、焼却処理等が行われてきた。しかし、余剰汚泥中には有害物質も含まれており、それ自身がさまざまな環境汚染を引き起こすことにもなるため、余剰汚泥をできるだけ出さないことが望まれている。
【0006】
また、活性汚泥処理法は、各処理工程で臭気の発生があるため、脱臭装置を設置しなければならず、設備コスト、ランニングコスト等が負担になっていた。
【0007】
さらに、前述の活性汚泥処理法と組み合せて、嫌気性ないし通性嫌気性の微生物を用いた廃水処理方法も知られているが、あらたに嫌気性処理装置が必要になるため、設備新設コストやそのランニングコストの負担が増大するという問題がある。
【0008】
一方、嫌気性及び通性嫌気性微生物を用いた汚泥処理法であって、廃水原水貯留機構、攪拌嫌気処理機構、曝気処理機構、分離処理機構を設け、分離処理機構の一定量の沈殿汚泥を曝気処理機構に返送するとともに、所定比率の上澄水と沈殿汚泥を攪拌嫌気処理機構に返送し、攪拌嫌気処理機構や曝気処理機構で、空気量を抑えた通性嫌気処理するシステムが提案されている(参考文献1)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−47787号公報
【0010】
しかし、この廃水浄化システムは、廃水原水の流入条件、曝気条件等によっては充分な微生物量を維持することができず、安定した浄化処理ができないという問題がある。また、分離処理機構の上澄水と沈殿汚泥とを所定比率で攪拌嫌気処理機構に返送するため、その制御システムが複雑化するという問題もある。
【0011】
このようなことから、本発明者等は、先に電子受容体調整水を混入し、微好気で曝気することにより、余剰汚泥の発生を抑え、無臭気で、しかもBOD濃度の低い廃水でも安定して効率的に廃水を浄化できる画期的な廃水処理システムを提案した(特願2001−175094号)。この廃水処理システムは、廃水原水に微生物の電子受容体調整水を混入し、溶存酸素量が実質的に1mg/Lの微好気状態で曝気した後、その処理液を沈殿分離処理し、次いで沈殿汚泥を、再度溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気するとともに、上澄水を電子受容体調整水として前記排水原水に返送するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その後さらに検討を重ねたところ、上述した本発明者等が開発した廃水処理システムを含め、微好気での曝気処理を伴う廃水処理システムでは、実操業上、以下のような問題が懸念されることが解った。
【0013】
第1に、微好気(1mg/L以下)で運転する曝気槽に、高濃度(例えば5000ppm)の汚泥が多量に流入した場合、曝気槽で有機物が充分に消化されないまま、その処理水が沈殿槽に流入し、短時間で多量の汚泥が堆積することになる。この沈殿槽では微生物による脱窒が行われているため、発生した窒素ガスなどにより堆積汚泥が押し上げられ、スカム化して槽の表面に浮遊する心配がある(放流水質の悪化)。
【0014】
第2に、前述のように高濃度有機物の汚泥が多量に流入してきた場合、沈殿槽での汚泥高が高くなり、不充分な沈殿状態となり、放流水流に混じって汚泥が流出するおそれがある。
【0015】
第3に、微好気運転で、流入有機物が短時間に多量になる場合、沈殿槽の上澄水のSS(浮遊物質)が高くなり、白濁することがある。このSSが放流水質基準内であったとしても、異臭発生源になる可能性もある。
【0016】
本発明は、上述したような問題を解決するために提案されたものである。即ち、本発明は先願の特願2001−175094号のように微好気の曝気処理を伴う廃水処理において、高濃度の有機物を含む廃水が多量に流入してきた場合でも、水質基準を充分満たした放流水が得られるような廃水処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は特に最終処理工程での再曝気槽と貯留槽の一体化を図り、廃水処理装置のコンパクト化と低コスト化を実現できる廃水処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため検討を重ねた結果提案されたものであり、有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気処理工程と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿分離処理工程を有する廃水処理方法において、
前記沈殿分離処理工程の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気処理工程に返送するとともに、上澄水を再曝気処理工程に移送して微好気状態で再曝気することを特徴とする。
【0019】
前記廃水曝気処理工程及び上澄水再曝気処理工程は、溶存酸素量が実施的に1mg/L以下の条件で曝気される。また前記上澄水再曝気工程の処理水は、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気処理工程に送給される廃水に混入される。さらに、前記上澄水再曝気工程の処理水は静置貯留工程に移送され、該静置貯留工程の上澄水が下水道、河川等に放流される。
【0020】
また本発明の好ましい実施形態によれば、有機汚泥を含む廃水の処理方法は、廃水原水に、電子受容体調整水を混入し、溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第一工程と、
前記第一工程の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第2工程と、
前記第二工程の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記第2工程に返送する第三工程と、
前記第三工程で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気するとともに、該処理水の一部を電子受容体調整水として前記第一工程に返送し、残りの処理水を静置貯留する第4工程、からなっている。
【0021】
前記第四工程において、第一工程に返送した残りの処理水はそのまま放流することもできるが、いったん静置貯留し、沈殿分離処理をした後、その上澄水を放流すれば、水質基準を確実にクリアした清浄な放流水となる。
【0022】
本発明の廃水処理方法で処理される廃水は、屎尿廃水、家畜糞尿廃水、工場廃水等のあらゆる生活廃水又は産業廃水が含まれる。また本発明における曝気処理は、曝気槽の内部に空気を送給して内容物を攪拌曝気するものであれば、散気式曝気法、機械式曝気法等、通常の方法で充分である。曝気槽内の溶存酸素量(DO)は空気送気量を調節して上述の範囲に調節する。
【0023】
本発明で使用される電子受容体調整水とは、微生物がエネルギー源とする酸化能力を有する化学物質を多量に含んだ液体であり、具体的には、微生物学的に生成された硝酸塩、硫黄化合物、リン酸塩等を多量に含んだ無機溶液である。
【0024】
本発明において、曝気処理を行なう全ての工程で溶存酸素量を実質的に1mg/L以下とした理由は、微生物に必要最小限の酸素を供給するとともに、酸素以外の電子受容体の消費を促がし、微生物の活性増殖を促がすためである。また1mg/L以上になると、好気性微生物が活性増殖し、酸素主動の活性汚泥処理法になるためである。なお、各曝気処理槽には溶存酸素計が設けられ、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下となるように供給酸素量が制御されている。
【0025】
ここで「実質的に」としたのは、1mg/L以上であっても本発明と同等の効果を得られる微差範囲を含める趣旨である。なお、溶存酸素量は0であってもよい。これは微生物が、供給酸素量以上の酸素を消費している状態を含むことを意味している。
【0026】
上述の本発明の廃水処理方法を実現する装置は、有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気槽と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿槽を有する廃水処理装置において、前記沈殿槽の後に、該沈殿槽から移送された上澄水を微好気状態で再曝気する上澄水再曝気槽を設けるとともに、前記沈殿槽の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気槽に移送する手段を設けることを特徴とする。沈殿槽の沈殿汚泥の全量を廃水曝気槽に移送する手段とは、該沈殿汚泥の全量を連続的に又は所定定時間毎に汲み上げて移送管等により廃水曝気槽に移送する装置であり、その具体的構成は問わない。
【0027】
前記廃水曝気槽と前記上澄水再曝気槽は、溶存酸素量を実質的に1mg/L以下にして曝気する曝気槽である。また前記上澄水再曝気槽の処理水を、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気槽に供給される廃水に混入する手段が設けられる。具体的には上澄再曝気槽と廃水曝気槽又は廃水曝気槽の前工程に有する槽とを送給管で連結し、連続的、定期的又は廃水曝気槽に供給される廃水の微生物学的条件に応じてその処理水を返送すればよく、その具体的構成は問わない。
【0028】
さらに前記上澄水再曝気槽には、該上澄水再曝気槽の処理水を静置貯留する貯留槽が併設されている。この貯留槽は、上澄水再曝気槽とは別に設けてもよいが、好ましくは該上澄水再曝気槽と一体化させて設けられる。
【0029】
本発明の廃水処理装置の好ましい実施形態は、有機汚泥を含む廃水の処理装置において、
廃水原水を貯留し、該廃水原水を溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する流入槽と、
前記流入槽の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する反応槽と、
前記反応槽の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記反応槽に返送する沈殿槽と、
前記沈殿槽で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気し、該処理水の一部を前記流入槽に返送するとともに、残りの処理水を静置貯留する貯留槽が併設された上澄水再曝気槽、からなっている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。同図において1は廃水原水流入槽、2は反応槽、3は沈殿槽、4は上澄液再曝気槽、5は貯留槽である。
【0031】
原水廃水流入槽1には、処理すべき原水廃水が流入され、スクリーニング処理等の前処理がされるとともに、廃水原水を一旦貯留することで、刻々変化する廃水原水の流量調節がなされる。
【0032】
流入槽1には後述するように、上澄水再曝気槽4における処理水が電子受容体調整水として混入される。この電子受容体調整水は、硝酸塩、硫黄化合物、リン酸塩を多量に含んだ無機溶液であり、必要により適当な濃度に薄めて使用される。なお、廃水処理装置の立ち上げの時には、別の廃水処理装置で生成された電子受容体調整水が投入される。
【0033】
流入槽1では、廃水原水に電子受容体調整水が混入された後、溶存酸素量が1mg/L以下の条件で曝気処理される。この流入槽1では、主として消臭微生物が増殖される。消臭微生物の電子受容体は酸素主動であり、前述の低い溶存酸素量の下では、消臭微生物は電子受容体調整水に含まれる硝酸塩を使い始め、その領域に入り込んでくる酸素も同時に使用される。
【0034】
消臭微生物は、たとえば化学合成菌、メトファイル菌等であり、アンモニア、硫化メチル等の臭い成分を電子供与体として分解使用し、消臭する。流入槽1で増殖した消臭微生物は全工程で使用され、全工程における臭気の発生を微生物学的に抑えることができる。なお、化学合成菌は硝酸を生成し、メトファイル菌は硫化物を合成する。これらは次の工程で使用される。
【0035】
流入槽1の処理水は反応槽2に移送され、流入槽1と同じように溶存酸素量が1mg/L以下の条件で所定時間(日数)曝気処理される。反応槽2は処理水中の有機物を完全に無機化することが目的である。反応槽2では、主として電子受容体調整水に含まれる硝酸塩を電子受容体として発酵性微生物及び通性嫌気性微生物が処理水中の有機物の殆どを消化分解し、窒素を生成放出する(脱窒)。電子供与体は微生物であり、より分子量の小さい有機物に分解される。発酵性微生物、通性嫌気性微生物とは、たとえば酵母、バシラス、アルカリゲネス、クロストリジウム、シュードモナス、乳酸菌等である。
【0036】
また発酵性微生物及び通性嫌気性微生物の生成物、特にH2は、メトファイル菌、古細菌、硫黄還元菌等により消費され、発酵性微生物の増殖と、これに伴う有機物の消化が促進される。なお、発酵性微生物及び通性嫌気性微生物により生成された臭い成分は、流入槽1で増殖され、移送された消臭微生物により消費される。
【0037】
このような微生物の生態サイクルにより、処理水中の大量の有機物が分解消費されるとともに、反応槽2の微生物量を安定に保つことができる。実験では、反応槽2のMLSS(混合液懸濁浮遊物質)を10000mg/L前後に維持することができた。
【0038】
反応槽2の処理水は、ついで沈殿槽3に移送され、所定時間(日数)処理水を静置することにより、処理水に含まれる汚泥を沈殿させ、上澄水と分離する。沈殿槽3では、前述の反応槽2が充分に機能していれば、発酵性微生物及び通性嫌気性微生物により有機物がほとんど消費尽くされ、無機化される。また硫黄還元微生物等の微生物により汚泥が消化され、リン酸吸収性微生物により脱リン処理が行なわれ、上澄水のリン成分が少なくなる。
【0039】
沈殿槽3に堆積するすべての沈殿汚泥は、連続的に又は所定時間毎に反応槽2に返送され、反応槽2において曝気処理が繰り返される。
【0040】
沈殿槽3の上澄水は、上澄水再曝気槽4に移送される。上澄水再曝気槽4は、1つの処理槽内を隔壁6で仕切って貯留槽5を併設したものである。沈殿槽3の上澄水には、上述のごとく廃水の有機物濃度、流量、その他の運転環境等によって、放流水質基準を外れることも懸念され、そのまま放流できなくなることもある。そこで、この上澄水を再曝気槽4に移送させ、前述と同じように溶存酸素量が1mg/L以下の条件で上澄水を所定時間(日数)再曝気する。これにより、上澄水に含まれる有機物が、残存する発酵微生物及び通性嫌気性微生物等により消費され、充分に無機化される。
【0041】
上澄水再曝気槽4の処理液は、その一部が電子受容体調整水として流入槽1に返送され、残りの処理水は、併設する貯留槽5に移送される。貯留槽5は前記再曝気処理水の貯留が目的であるが、その処理水にわずかに含まれる微生物死骸等の汚泥は下層に沈殿し、上澄水は必要に応じで殺菌処理等がされた後、下水道、河川等に放流される。沈殿した汚泥は残存する微生物により消化されるか、定期的に抜き取られるなお、この貯留槽5の上澄水を電子受容体調整水として流入槽1に返送してもよい。
【0042】
本発明では、流入槽1にBOD2000ppm程度の廃水原水が流入した場合であっても、貯留槽5からの放流水は、BOD300ppm以下、SS200ppm以下、n−Hex10ppm以下の基準値をクリアすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、微生物の電子受容体を調整し、各処理工程で必要な微生物の活性増殖を図ることにより、廃水を環境基準値以下まで浄化するとともに、余剰汚泥の発生を皆無若しくは極力抑えることができる。また全処理工程を無臭気状態で実施することができる。このため、汚泥処理コストや脱臭装置などの設備コストを軽減することができる。
【0044】
また本発明によれば、処理工程、特に反応槽での微生物量を安定した状態に保つことができるため、BOD濃度の低い廃水であっても、安定して効率的に浄化することができる。
【0045】
さらに本発明によれば、高濃度の有機物を含む廃水が多量に流入してきた場合でも、水質基準を充分満たした放流水が得られる。しかも、最終処理工程での再曝気槽と貯留槽の一体化を図り、廃水処理装置のコンパクト化と低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための廃水処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1は流入槽
2は反応槽
3は沈殿槽
4は再曝気槽
5は貯留槽
6は隔壁
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機物を含む廃水を微生物処理することにより浄化する廃水処理方法及び廃水処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な活性汚泥処理法のプロセスは、以下の通りである。まず濾過・沈殿などの前処理をした流入廃水を曝気槽に送り、活性汚泥を攪拌・曝気して廃水中の水溶性有機化合物、コロイド状有機化合物等を無機化処理する。
【0003】
次に、廃水を沈殿槽に送って汚泥を分離・沈殿させ、上澄水を法定基準値以下となるように殺菌処理した後、河川等に放水する。沈殿槽の下層に沈殿した汚泥は貯留槽に送り、所定量溜まったときに適当な処分をしている。なお、必要により沈殿槽の汚泥の一部を曝気槽に返送し、曝気槽内の汚泥の微生物濃度調整に使用することもある。
【0004】
上述した従来の活性汚泥処理法は、一般に好気性微生物を用い、曝気槽の溶存酸素量(DO)を高い状態に保ち、好気性微生物の活性増殖を促進し、その好気呼吸で、基質としての有機汚物を酸化分解するものである。このため、微生物の死骸とともに廃水中の汚物が凝集して大量の汚泥が発生することになる。
【0005】
この汚泥の一部は上述のように曝気槽内に返送されてはいるが、多量の余剰汚泥は、これまで埋め立て処理、焼却処理等が行われてきた。しかし、余剰汚泥中には有害物質も含まれており、それ自身がさまざまな環境汚染を引き起こすことにもなるため、余剰汚泥をできるだけ出さないことが望まれている。
【0006】
また、活性汚泥処理法は、各処理工程で臭気の発生があるため、脱臭装置を設置しなければならず、設備コスト、ランニングコスト等が負担になっていた。
【0007】
さらに、前述の活性汚泥処理法と組み合せて、嫌気性ないし通性嫌気性の微生物を用いた廃水処理方法も知られているが、あらたに嫌気性処理装置が必要になるため、設備新設コストやそのランニングコストの負担が増大するという問題がある。
【0008】
一方、嫌気性及び通性嫌気性微生物を用いた汚泥処理法であって、廃水原水貯留機構、攪拌嫌気処理機構、曝気処理機構、分離処理機構を設け、分離処理機構の一定量の沈殿汚泥を曝気処理機構に返送するとともに、所定比率の上澄水と沈殿汚泥を攪拌嫌気処理機構に返送し、攪拌嫌気処理機構や曝気処理機構で、空気量を抑えた通性嫌気処理するシステムが提案されている(参考文献1)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−47787号公報
【0010】
しかし、この廃水浄化システムは、廃水原水の流入条件、曝気条件等によっては充分な微生物量を維持することができず、安定した浄化処理ができないという問題がある。また、分離処理機構の上澄水と沈殿汚泥とを所定比率で攪拌嫌気処理機構に返送するため、その制御システムが複雑化するという問題もある。
【0011】
このようなことから、本発明者等は、先に電子受容体調整水を混入し、微好気で曝気することにより、余剰汚泥の発生を抑え、無臭気で、しかもBOD濃度の低い廃水でも安定して効率的に廃水を浄化できる画期的な廃水処理システムを提案した(特願2001−175094号)。この廃水処理システムは、廃水原水に微生物の電子受容体調整水を混入し、溶存酸素量が実質的に1mg/Lの微好気状態で曝気した後、その処理液を沈殿分離処理し、次いで沈殿汚泥を、再度溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気するとともに、上澄水を電子受容体調整水として前記排水原水に返送するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その後さらに検討を重ねたところ、上述した本発明者等が開発した廃水処理システムを含め、微好気での曝気処理を伴う廃水処理システムでは、実操業上、以下のような問題が懸念されることが解った。
【0013】
第1に、微好気(1mg/L以下)で運転する曝気槽に、高濃度(例えば5000ppm)の汚泥が多量に流入した場合、曝気槽で有機物が充分に消化されないまま、その処理水が沈殿槽に流入し、短時間で多量の汚泥が堆積することになる。この沈殿槽では微生物による脱窒が行われているため、発生した窒素ガスなどにより堆積汚泥が押し上げられ、スカム化して槽の表面に浮遊する心配がある(放流水質の悪化)。
【0014】
第2に、前述のように高濃度有機物の汚泥が多量に流入してきた場合、沈殿槽での汚泥高が高くなり、不充分な沈殿状態となり、放流水流に混じって汚泥が流出するおそれがある。
【0015】
第3に、微好気運転で、流入有機物が短時間に多量になる場合、沈殿槽の上澄水のSS(浮遊物質)が高くなり、白濁することがある。このSSが放流水質基準内であったとしても、異臭発生源になる可能性もある。
【0016】
本発明は、上述したような問題を解決するために提案されたものである。即ち、本発明は先願の特願2001−175094号のように微好気の曝気処理を伴う廃水処理において、高濃度の有機物を含む廃水が多量に流入してきた場合でも、水質基準を充分満たした放流水が得られるような廃水処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は特に最終処理工程での再曝気槽と貯留槽の一体化を図り、廃水処理装置のコンパクト化と低コスト化を実現できる廃水処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため検討を重ねた結果提案されたものであり、有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気処理工程と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿分離処理工程を有する廃水処理方法において、
前記沈殿分離処理工程の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気処理工程に返送するとともに、上澄水を再曝気処理工程に移送して微好気状態で再曝気することを特徴とする。
【0019】
前記廃水曝気処理工程及び上澄水再曝気処理工程は、溶存酸素量が実施的に1mg/L以下の条件で曝気される。また前記上澄水再曝気工程の処理水は、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気処理工程に送給される廃水に混入される。さらに、前記上澄水再曝気工程の処理水は静置貯留工程に移送され、該静置貯留工程の上澄水が下水道、河川等に放流される。
【0020】
また本発明の好ましい実施形態によれば、有機汚泥を含む廃水の処理方法は、廃水原水に、電子受容体調整水を混入し、溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第一工程と、
前記第一工程の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第2工程と、
前記第二工程の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記第2工程に返送する第三工程と、
前記第三工程で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気するとともに、該処理水の一部を電子受容体調整水として前記第一工程に返送し、残りの処理水を静置貯留する第4工程、からなっている。
【0021】
前記第四工程において、第一工程に返送した残りの処理水はそのまま放流することもできるが、いったん静置貯留し、沈殿分離処理をした後、その上澄水を放流すれば、水質基準を確実にクリアした清浄な放流水となる。
【0022】
本発明の廃水処理方法で処理される廃水は、屎尿廃水、家畜糞尿廃水、工場廃水等のあらゆる生活廃水又は産業廃水が含まれる。また本発明における曝気処理は、曝気槽の内部に空気を送給して内容物を攪拌曝気するものであれば、散気式曝気法、機械式曝気法等、通常の方法で充分である。曝気槽内の溶存酸素量(DO)は空気送気量を調節して上述の範囲に調節する。
【0023】
本発明で使用される電子受容体調整水とは、微生物がエネルギー源とする酸化能力を有する化学物質を多量に含んだ液体であり、具体的には、微生物学的に生成された硝酸塩、硫黄化合物、リン酸塩等を多量に含んだ無機溶液である。
【0024】
本発明において、曝気処理を行なう全ての工程で溶存酸素量を実質的に1mg/L以下とした理由は、微生物に必要最小限の酸素を供給するとともに、酸素以外の電子受容体の消費を促がし、微生物の活性増殖を促がすためである。また1mg/L以上になると、好気性微生物が活性増殖し、酸素主動の活性汚泥処理法になるためである。なお、各曝気処理槽には溶存酸素計が設けられ、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下となるように供給酸素量が制御されている。
【0025】
ここで「実質的に」としたのは、1mg/L以上であっても本発明と同等の効果を得られる微差範囲を含める趣旨である。なお、溶存酸素量は0であってもよい。これは微生物が、供給酸素量以上の酸素を消費している状態を含むことを意味している。
【0026】
上述の本発明の廃水処理方法を実現する装置は、有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気槽と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿槽を有する廃水処理装置において、前記沈殿槽の後に、該沈殿槽から移送された上澄水を微好気状態で再曝気する上澄水再曝気槽を設けるとともに、前記沈殿槽の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気槽に移送する手段を設けることを特徴とする。沈殿槽の沈殿汚泥の全量を廃水曝気槽に移送する手段とは、該沈殿汚泥の全量を連続的に又は所定定時間毎に汲み上げて移送管等により廃水曝気槽に移送する装置であり、その具体的構成は問わない。
【0027】
前記廃水曝気槽と前記上澄水再曝気槽は、溶存酸素量を実質的に1mg/L以下にして曝気する曝気槽である。また前記上澄水再曝気槽の処理水を、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気槽に供給される廃水に混入する手段が設けられる。具体的には上澄再曝気槽と廃水曝気槽又は廃水曝気槽の前工程に有する槽とを送給管で連結し、連続的、定期的又は廃水曝気槽に供給される廃水の微生物学的条件に応じてその処理水を返送すればよく、その具体的構成は問わない。
【0028】
さらに前記上澄水再曝気槽には、該上澄水再曝気槽の処理水を静置貯留する貯留槽が併設されている。この貯留槽は、上澄水再曝気槽とは別に設けてもよいが、好ましくは該上澄水再曝気槽と一体化させて設けられる。
【0029】
本発明の廃水処理装置の好ましい実施形態は、有機汚泥を含む廃水の処理装置において、
廃水原水を貯留し、該廃水原水を溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する流入槽と、
前記流入槽の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する反応槽と、
前記反応槽の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記反応槽に返送する沈殿槽と、
前記沈殿槽で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気し、該処理水の一部を前記流入槽に返送するとともに、残りの処理水を静置貯留する貯留槽が併設された上澄水再曝気槽、からなっている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。同図において1は廃水原水流入槽、2は反応槽、3は沈殿槽、4は上澄液再曝気槽、5は貯留槽である。
【0031】
原水廃水流入槽1には、処理すべき原水廃水が流入され、スクリーニング処理等の前処理がされるとともに、廃水原水を一旦貯留することで、刻々変化する廃水原水の流量調節がなされる。
【0032】
流入槽1には後述するように、上澄水再曝気槽4における処理水が電子受容体調整水として混入される。この電子受容体調整水は、硝酸塩、硫黄化合物、リン酸塩を多量に含んだ無機溶液であり、必要により適当な濃度に薄めて使用される。なお、廃水処理装置の立ち上げの時には、別の廃水処理装置で生成された電子受容体調整水が投入される。
【0033】
流入槽1では、廃水原水に電子受容体調整水が混入された後、溶存酸素量が1mg/L以下の条件で曝気処理される。この流入槽1では、主として消臭微生物が増殖される。消臭微生物の電子受容体は酸素主動であり、前述の低い溶存酸素量の下では、消臭微生物は電子受容体調整水に含まれる硝酸塩を使い始め、その領域に入り込んでくる酸素も同時に使用される。
【0034】
消臭微生物は、たとえば化学合成菌、メトファイル菌等であり、アンモニア、硫化メチル等の臭い成分を電子供与体として分解使用し、消臭する。流入槽1で増殖した消臭微生物は全工程で使用され、全工程における臭気の発生を微生物学的に抑えることができる。なお、化学合成菌は硝酸を生成し、メトファイル菌は硫化物を合成する。これらは次の工程で使用される。
【0035】
流入槽1の処理水は反応槽2に移送され、流入槽1と同じように溶存酸素量が1mg/L以下の条件で所定時間(日数)曝気処理される。反応槽2は処理水中の有機物を完全に無機化することが目的である。反応槽2では、主として電子受容体調整水に含まれる硝酸塩を電子受容体として発酵性微生物及び通性嫌気性微生物が処理水中の有機物の殆どを消化分解し、窒素を生成放出する(脱窒)。電子供与体は微生物であり、より分子量の小さい有機物に分解される。発酵性微生物、通性嫌気性微生物とは、たとえば酵母、バシラス、アルカリゲネス、クロストリジウム、シュードモナス、乳酸菌等である。
【0036】
また発酵性微生物及び通性嫌気性微生物の生成物、特にH2は、メトファイル菌、古細菌、硫黄還元菌等により消費され、発酵性微生物の増殖と、これに伴う有機物の消化が促進される。なお、発酵性微生物及び通性嫌気性微生物により生成された臭い成分は、流入槽1で増殖され、移送された消臭微生物により消費される。
【0037】
このような微生物の生態サイクルにより、処理水中の大量の有機物が分解消費されるとともに、反応槽2の微生物量を安定に保つことができる。実験では、反応槽2のMLSS(混合液懸濁浮遊物質)を10000mg/L前後に維持することができた。
【0038】
反応槽2の処理水は、ついで沈殿槽3に移送され、所定時間(日数)処理水を静置することにより、処理水に含まれる汚泥を沈殿させ、上澄水と分離する。沈殿槽3では、前述の反応槽2が充分に機能していれば、発酵性微生物及び通性嫌気性微生物により有機物がほとんど消費尽くされ、無機化される。また硫黄還元微生物等の微生物により汚泥が消化され、リン酸吸収性微生物により脱リン処理が行なわれ、上澄水のリン成分が少なくなる。
【0039】
沈殿槽3に堆積するすべての沈殿汚泥は、連続的に又は所定時間毎に反応槽2に返送され、反応槽2において曝気処理が繰り返される。
【0040】
沈殿槽3の上澄水は、上澄水再曝気槽4に移送される。上澄水再曝気槽4は、1つの処理槽内を隔壁6で仕切って貯留槽5を併設したものである。沈殿槽3の上澄水には、上述のごとく廃水の有機物濃度、流量、その他の運転環境等によって、放流水質基準を外れることも懸念され、そのまま放流できなくなることもある。そこで、この上澄水を再曝気槽4に移送させ、前述と同じように溶存酸素量が1mg/L以下の条件で上澄水を所定時間(日数)再曝気する。これにより、上澄水に含まれる有機物が、残存する発酵微生物及び通性嫌気性微生物等により消費され、充分に無機化される。
【0041】
上澄水再曝気槽4の処理液は、その一部が電子受容体調整水として流入槽1に返送され、残りの処理水は、併設する貯留槽5に移送される。貯留槽5は前記再曝気処理水の貯留が目的であるが、その処理水にわずかに含まれる微生物死骸等の汚泥は下層に沈殿し、上澄水は必要に応じで殺菌処理等がされた後、下水道、河川等に放流される。沈殿した汚泥は残存する微生物により消化されるか、定期的に抜き取られるなお、この貯留槽5の上澄水を電子受容体調整水として流入槽1に返送してもよい。
【0042】
本発明では、流入槽1にBOD2000ppm程度の廃水原水が流入した場合であっても、貯留槽5からの放流水は、BOD300ppm以下、SS200ppm以下、n−Hex10ppm以下の基準値をクリアすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、微生物の電子受容体を調整し、各処理工程で必要な微生物の活性増殖を図ることにより、廃水を環境基準値以下まで浄化するとともに、余剰汚泥の発生を皆無若しくは極力抑えることができる。また全処理工程を無臭気状態で実施することができる。このため、汚泥処理コストや脱臭装置などの設備コストを軽減することができる。
【0044】
また本発明によれば、処理工程、特に反応槽での微生物量を安定した状態に保つことができるため、BOD濃度の低い廃水であっても、安定して効率的に浄化することができる。
【0045】
さらに本発明によれば、高濃度の有機物を含む廃水が多量に流入してきた場合でも、水質基準を充分満たした放流水が得られる。しかも、最終処理工程での再曝気槽と貯留槽の一体化を図り、廃水処理装置のコンパクト化と低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための廃水処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1は流入槽
2は反応槽
3は沈殿槽
4は再曝気槽
5は貯留槽
6は隔壁
Claims (10)
- 有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気処理工程と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿分離処理工程を有する廃水処理方法において、
前記沈殿分離処理工程の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気処理工程に返送するとともに、上澄水を再曝気処理工程に移送して微好気状態で再曝気することを特徴とする廃水処理方法。 - 前記廃水曝気処理工程及び上澄水再曝気処理工程は、溶存酸素量が実施的に1mg/L以下の条件で曝気することを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
- 前記上澄水再曝気工程の処理水を、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気処理工程に送給される廃水に混入することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃水処理方法。
- 前記上澄水再曝気工程の処理水を静置貯留工程に移送し、該静置貯留工程の上澄水を放流することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに1項に記載の廃水処理方法。
- 有機汚泥を含む廃水の処理方法において、
廃水原水に、電子受容体調整水を混入し、溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第一工程と、
前記第一工程の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する第2工程と、
前記第二工程の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記第2工程に返送する第三工程と、
前記第三工程で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気するとともに、該処理水の一部を電子受容体調整水として前記第一工程に返送し、残りの処理水を静置貯留する第4工程、
を有することを特徴とする廃水処理方法。 - 有機汚泥を含む廃水を微好気状態で曝気する廃水曝気槽と、その処理液を沈殿汚泥と上澄水に分離する沈殿槽を有する廃水処理装置において、
前記沈殿槽の後に、該沈殿槽から移送された上澄水を微好気状態で再曝気する上澄水再曝気槽を設けるとともに、前記沈殿槽の沈殿汚泥の全量を前記廃水曝気槽に移送する手段を設けることを特徴とする廃水処理装置。 - 前記廃水曝気槽と前記上澄水再曝気槽は、溶存酸素量を実質的に1mg/L以下にして曝気する曝気槽であることを特徴とする請求項6に記載の廃水処理装置。
- 前記上澄水再曝気槽の処理水を、微生物の電子受容体調整水として前記廃水曝気槽に供給する廃水に混入する手段を設けたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の廃水処理装置。
- 前記上澄水再曝気槽に、該上澄水再曝気槽の処理水を静置貯留する貯留槽を、該上澄水再曝気槽と一体化させて設けたことを特徴とする請求項6から請求項8の何れか1項に記載の廃水処理装置。
- 有機汚泥を含む廃水の処理装置において、
廃水原水を貯留し、該廃水原水を溶存酸素容量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する流入槽と、
前記流入槽の処理水を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で曝気する反応槽と、
前記反応槽の処理水を沈殿分離処理し、沈殿汚泥の全量を前記反応槽に返送する沈殿槽と、
前記沈殿槽で分離された上澄液を、溶存酸素量が実質的に1mg/L以下の条件で再曝気し、該処理水の一部を前記流入槽に返送するとともに、残りの処理水を静置貯留する貯留槽が併設された上澄水再曝気槽、
を有することを特徴とする廃水処理装置。
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JP2002357479A JP2004188281A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 廃水処理方法及び廃水処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006239510A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Sumiju Kankyo Engineering Kk | 有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置 |
JP2007117790A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Saitama Univ | 有機性廃棄物の処理方法 |
JP2011502776A (ja) * | 2007-11-16 | 2011-01-27 | ブルーウォーター バイオ テクノロジーズ リミテッド | 溶存酸素濃度の制御を含む廃水処理方法およびプラント |
JP2011045837A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Kurarisu Kankyo Kk | 廃水処理方法 |
JP2013512096A (ja) * | 2009-12-01 | 2013-04-11 | リ、ジンミン | 汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法、及び汚泥処理装置と装置 |
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2002
- 2002-12-10 JP JP2002357479A patent/JP2004188281A/ja active Pending
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