JP2004186919A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を増加させることなく、省電力機能を充実させる。
【解決手段】デジタルカメラは、操作信号の入力状況を監視して、所定時間Ta(30秒)の間、操作信号の入力がない場合には、省電力状態に移行し、さらに、省電力状態に移行した後、所定時間Tb(2min)の間、操作信号の入力がないと自動的に電源をオフする。さらに、所定時間Taの計測中に、取り込まれたスルー画のフレームに基づいてフレーム間の差分を調べることにより、カメラが放置されているかどうかを監視する。ケース2に示すように、フレーム間の差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(10秒)継続すると、所定時間Taの経過を待たずに、省電力状態へ移行する。
【選択図】 図4
【解決手段】デジタルカメラは、操作信号の入力状況を監視して、所定時間Ta(30秒)の間、操作信号の入力がない場合には、省電力状態に移行し、さらに、省電力状態に移行した後、所定時間Tb(2min)の間、操作信号の入力がないと自動的に電源をオフする。さらに、所定時間Taの計測中に、取り込まれたスルー画のフレームに基づいてフレーム間の差分を調べることにより、カメラが放置されているかどうかを監視する。ケース2に示すように、フレーム間の差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(10秒)継続すると、所定時間Taの経過を待たずに、省電力状態へ移行する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリの消費電力を抑える省電力機能を備えたデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなど、被写体像を光電変換してフレーム(撮影画像)を得る撮像手段を備え、取得されたフレームをデジタルデータとしてメモリーカードへ記録するデジタルカメラが知られている。デジタルカメラの多くには、LCDパネルが設けられており、再生モードでは、このLCDパネルに撮像したフレームを再生表示することができる。また、LCDパネルは、撮影モードにおいては、CCDイメージセンサが撮像したフレームをリアルタイムで再生し、これをスルー画として表示する電子ビューファインダとしても機能する。
【0003】
このように、デジタルカメラは、フイルムカメラでは実現不可能な様々な機能を持つ反面、その消費電力は極めて大きい。そこで、デジタルカメラには、バッテリの消費電力を抑えるための各種の省電力機能が設けられている。例えば、操作信号の入力が所定時間無い場合には、電源を自動的にオフしたり、あるいは省電力状態へ移行させる技術が実用化されている。省電力状態では、例えば、マイクロコンピュータなどの制御系の部位に対する電力供給は継続されるが、CCDイメージセンサや、LCDパネルなど消費電力の高い部位への電力供給は停止される。これにより、省電力化を図りつつ、オン状態へすばやく復帰できるようにしている。
【0004】
この省電力機能をさらに充実させるために、デジタルカメラに角速度センサなどの振動検出手段を設け、この振動検出手段からの出力信号に基づいて、カメラが放置されている状態か使用されている状態かを調べ、放置状態と判定した場合に電源をオフする技術なども提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−173970号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように振動検出手段を設けると、省電力化は達成できるものの、部品点数の増加により製造コストの上昇を招くという問題があった。
【0007】
本発明は、部品点数を増加させることなく、省電力機能が充実したデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のデジタルカメラは、被写体光を光電変換してフレームを得る撮像手段を備え、本体に着脱自在に装填されるバッテリによって給電を受けるデジタルカメラにおいて、前記撮像手段によって所定時間間隔でフレームを取得し、取得された前後2つのフレーム間の差分を求めるフレーム間差分算出手段と、前記フレーム間の差分が予め設定された基準値以下か否かを調べて、前記基準値以下の状態が予め設定された第1所定時間継続したときに、カメラ本体が放置されている放置状態と判定する放置状態判定手段と、この放置状態判定手段により前記放置状態と判定されたときに、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させる電源制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、前記電源制御手段は、前記放置状態判定手段の判定結果に関わらず、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第2所定時間継続した場合には、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させることが好ましい。
【0010】
また、前記電源制御手段は、電力供給状態が省電力状態へ移行された後、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第3所定時間継続した場合にはオフ状態へ移行させることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示すデジタルカメラ10の本体11には、バッテリ15が着脱自在にセットされる。カメラの各部はこのバッテリ15から電力供給を受けて動作する。
本体11前面には、撮影レンズが組み込まれたレンズ鏡筒12が設けられており、上面には、電源ボタン13及びシャッタボタン14が設けられている。また、カメラ本体11の背面には、ズームボタン16,4つのボタンが十字配列された汎用キー17,モード選択レバー18、LCD(Liquid Crystal Display)パネル19が設けられている。
【0012】
モード選択レバー18は、撮影を行う撮影モードと、撮影画像を再生する再生モードとを切り替える。汎用キー17は、各種設定操作に使用される。LCDパネル19は、再生モードにおいては、撮影画像の再生表示に使用されるとともに、撮影モードでは、被写体確認用の画像であるスルー画を表示する電子ビューファインダとして使用される。
【0013】
ズームボタン16は、拡大ボタン16a、縮小ボタン16bからなり、これらを操作することにより、撮影レンズ26(図2参照)の撮影倍率が切り換えられる。撮影モードが選択されると、スルー画の取り込みが開始されて、取り込まれたスルー画がLCDパネル19へ表示される。
【0014】
スルー画の取り込みは、例えば、1秒間に30コマ程度のフレームレートで実行される。スルー画は、記録用に取り込まれる本画像と比較して、少ない画素数で取り込まれる。こうすることで、スルー画表示処理にかかる負荷を軽減させている。取り込み画素数を少なくすると当然に画質は損なわれるが、スルー画は表示用の画像であるから問題はない。このスルー画の画素数は、LCDパネルの解像度などによって適宜決定される。
【0015】
図2は、デジタルカメラ10の構成を示すブロック図である。カメラ本体11には、メモリーカード23が着脱自在にセットされる。このメモリーカード23には、本画像データが、例えば、JPG(Joint Photographic expert Group )形式の画像ファイルに変換されて記録される。
【0016】
マイクロコンピュータ21は、CPU,制御プログラムが格納されるROM,作業用のメモリであるRAMなどからなり、操作部22(電源ボタン14,シャッタボタン14,モード選択レバー18,ズームボタン16など)から入力される操作信号に応じてデジタルカメラ10の本体各部を制御する。レンズ鏡筒12内には、撮影レンズ26や絞り27からなる撮影光学系が組み込まれている。
【0017】
撮影レンズ26は、モータを含むレンズ駆動機構28によって駆動されて、光学撮影倍率の変更と焦点調節が行われる。絞り27は、モータを含む絞り駆動機構29によって駆動されて絞り径が切り換えられる。レンズ駆動機構28及び絞り駆動機構29は、マイクロコンピュータ21に制御されるモータドライバ31,32によって駆動される。
【0018】
撮影光学系の背後には、撮像素子としてCCDイメージセンサ33が配置されている。CCDイメージセンサ33は、周知のように、多数の受光素子をマトリックス状に配列された光電面を備えており、撮影光学系を通過して光電面に結像した被写体光を光電変換する。光電面の前方には、各画素に光を集光するためのマイクロレンズアレイと、各画素がそれぞれR,G,Bのいずれかに対応するように各色のフイルタが規則的に配列されたカラーフイルタアレイとが配置されている。
【0019】
CCDイメージセンサ33は、CCDドライバ36から供給される垂直転送クロック及び水平転送クロックに同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルな撮像信号として出力する。各画素の電荷蓄積時間(露出時間)は、CCDドライバ36から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決められる。
【0020】
CCDイメージセンサ33から取り込まれたアナログの撮像信号は、アナログ信号処理回路38に入力される。アナログ信号処理回路38は、相関2重サンプリング回路(CDS)と、オートゲインコントローラ(AGC)と、ADコンバータ(ADC)とからなる。CDSは、アナログ信号のノイズを除去し、AGCはアナログ信号のゲインを自動調節する。ADCは、アナログ信号をデジタル変換して画像データを生成する。この画像データは、各画素毎にR,G,Bの濃度値を持つCCD−RAWデータであり、このCCD−RAWデータがDSP(Digital Signal Processor) 41へ入力される。アナログ信号処理回路38にも、タイミングジェネレータ31からのタイミング信号が供給され、CCDイメージセンサ33から電荷が取り込みまれるタイミングと同期が取られている。
【0021】
CCDイメージセンサ33は、撮影モードが選択されると、スルー画の取り込みを開始する。シャッタボタン14が全押しされて本撮影指示がなされると、スルー画の取り込みをいったん中断して、本画像データを取り込む。本撮影が終了すると、スルー画の取り込みが再開される。
【0022】
DSP41へ入力されたスルー画や本画像のデータは、フレームメモリ39にいったん書き込まれる。DSP(Digital Signal Processor) 41は、フレームメモリ39にアクセスして、書き込まれた画像データに対して各種信号処理を施す。フレームメモリ39は、データバス55を介して、マイクロコンピュータ21とDSP41の各部と接続されている。フレームメモリ39としては、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0023】
電源制御回路57は、バッテリ15から供給される電力をデジタルカメラ10の各部へ分配する。デジタルカメラ10は、バッテリ15を長持ちさせるために、無駄な電力消費を抑えて省電力化を図る省電力機能を備えている。電源制御回路57は、マイクロコンピュータ21からの指示に従って、電力供給状態をオン状態、省電力状態、オフ状態の3段階に切り替える。電源制御回路57は、マイクロコンピュータ21から省電力状態への移行指示がなされると、例えば、CCDイメージセンサ33,レンズ駆動機構28,絞り駆動機構29,LCDパネル19など予め特定された部位への電力供給を停止させ、また、オフ状態への移行指示がなされると、すべての部位への電力供給を停止させる。
【0024】
省電力機能は、操作信号の入力状況に応じて、電力供給状態を省電力状態又は電源オフ状態へ移行させる第1省電力機能と、この第1省電力機能に加えて、取り込んだスルー画に基づいて、カメラ10が放置されている状態(放置状態)かどうかを判定して、電力供給状態を省電力状態へ移行させる第2省電力機能とからなる。
【0025】
第1省電力機能では、操作部からの操作信号の入力が無い状態が、予め設定された所定時間Ta(例えば、30秒)継続した場合に、電力供給状態を省電力状態へ移行させる。さらに、この省電力状態に移行した後、操作信号の入力が無い状態が、所定時間Tb(例えば、2分)継続した場合に、電源オフ状態へ移行させる。この第1省電力機能は、再生モード、撮影モードのいずれにおいても働く。
【0026】
第2省電力機能では、前記所定時間Taの計測中に、時間的に前後する2つのフレームを比較してフレーム間の差分を調べて、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(例えば、10秒)継続した場合には、デジタルカメラ10が放置状態であると判定する。そして、放置状態と判定された場合には、前記所定時間Taの経過を待たずに省電力状態へ移行させる。この第2省電力機能は、スルー画の取り込みが行われる撮影モードにおいてのみ働く。
【0027】
マイクロコンピュータ21は、時計回路58からの計時信号に基づいて、前記所定時間Ta〜Tcを計測し、電源制御回路57に対して省電力状態又はオフ状態への移行指示を与える。
【0028】
DSP41は、AF回路43,AE/AWB回路44,画像入力コントローラ46,フレーム間差分算出回路47,画像処理回路48,圧縮処理回路49,メディアコントローラ50,ビデオエンコーダ51からなるICチップであり、アナログ信号処理回路38から入力された画像データに対して、各種の信号処理を施すとともに、LCD19への画像の表示や、メモリーカード23へアクセスして画像ファイルの読み書きを行う。
【0029】
画像入力コントローラ46は、アナログ信号処理回路38から前記CCD−RAWデータを取り込んで、これをフレームメモリ39に書き込む。AF回路43は、CCDイメージセンサ33が撮像した画像に基づいて焦点位置を検出し、フォーカシングを行う。AE回路は、被写体輝度を測定し、絞り値やシャッタ速度等を決定する。AWB回路は、オートホワイトバランス回路であり、撮影時のホワイトバランスを自動調整する。
【0030】
圧縮処理回路49は、画像処理回路48によって各種の画像処理が施された本画像のデータに対して、圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。メディアコントローラ50は、メモリーカード23へアクセスして画像ファイルの書き込みと読み込みとを行う。再生モードにおいては、メモリーカード23から圧縮された画像データが読み出されて、圧縮処理回路49によって伸張処理が施された後、LCD19に出力される。
【0031】
画像処理回路48は、画像データに対して、ガンマ補正,シャープネス補正,コントラスト補正などの画質補正処理、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータ及び赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を施す。
【0032】
フレームメモリ39に書き込まれたスルー画は、簡易的な画像処理が施された後、ビデオエンコーダ51へ送られる。ビデオエンコーダ51は、デジタルデータをアナログのコンポジット信号に変換してLCD19に出力する。フレームメモリ39には、最新のスルー画のフレームと、その1つ前のフレームとを記憶できるように、2フレーム分のエリア39a,39bが設けられている。スルー画は、高速で書き換えられるので、2フレーム分のスルー画のデータを書き込むことで、CCDイメージセンサ33からフレームメモリ39へのデータの書き込みと、フレームメモリ39からビデオエンコーダ51へのデータの読み出しとを並行してできるようにしている。なお、1つのフレームメモリ内に2つのフレームを記憶する2つのエリアを設けた例で説明しているが、2つのフレームメモリを設けてもよい。
【0033】
フレーム間差分算出回路47は、前記第2省電力機能を実現するためのものであり、フレームメモリ39内の2つのスルー画のフレームを比較して、両フレーム間に差分があるか無いかを算出する。例えば、図3(A)に示すように、最新フレームと、その1つ前に取得した前フレームとの間に差分が無い場合には、カメラ本体11が動いていないと考えられる。他方、図3(B)に示すように、両フレーム間に差分がある場合には、カメラ本体11が動いていると考えられる。
マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分が予め設定された基準値以下かどうかを調べ、基準値以下の状態が所定時間Tc継続した場合に、デジタルカメラ10が放置状態であると判定する。
【0034】
ここで、基準値は、2つのフレーム間の差異をどの程度厳格に調べるかに応じて適宜決められる。例えば、基準値を「0」と設定すると、両フレームに僅かな輝度変化が生じた場合でも、フレーム間の差分が基準値を超えてしまうので、放置状態と判定されにくく、その反対に、基準値を大きくすると、両フレームに大きな変化がある場合でも、放置状態と判定されやすくなる。実際にカメラ本体11が放置されている場合でも、前後2つのフレーム間に僅かな輝度変化は生じると考えられるので、変化が僅かである場合には放置状態と判定できるように、基準値を設定することが好ましい。
【0035】
フレーム間差分の算出方法としては、例えば、2つのフレーム内の画素を1つずつ比較する方法が使用される。比較されるフレームは、画素数が少ないスルー画のデータなので、比較処理にかかる負担も少ない。もちろん、この方法以外でも、フレーム間差分の算出方法には、各種の方法が提案されているので、いずれを使用してもよい。例えば、フレーム内の動体検出技術などを応用してもよい。
また、フレーム間差分の算出は、スルー画のフレームレートと同期してスルー画が1フレーム取り込まれる度に行ってもよいし、スルー画のフレームレートとは別に算出間隔を設定してもよい。
【0036】
図4は、省電力機能が働く2つのケースを示すタイムチャートである。ケース1は、フレーム間差分により放置状態と判定されないケース、すなわち、第1省電力機能のみが働くケースであり、他方、ケース2は、フレーム間差分より放置状態と判定されるケース、すなわち、第1及び第2の2つの省電力機能が働くケースである。どちらのケースにおいても、操作信号が入力されると、マイクロコンピュータ21により、所定時間Taの計測が開始される。
【0037】
この所定時間Taの計測と同時に、マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分により放置状態かどうかの監視を開始する。ケース1では、フレーム間に基準値を越える変化が生じて、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc継続しないので、放置状態とは判定されない。この場合でも、所定時間Taが経過する間、次の操作信号が入力されなければ第1省電力機能が働き、省電力状態へ移行する。他方、ケース2では、フレーム間に基準値を超える変化がなく、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc継続するので、マイクロコンピュータ21は、放置状態と判定し、所定時間Taの経過を待たずに省電力状態へ移行させる。そして、省電力状態へ移行すると、マイクロコンピュータ21は、所定時間Tbの計測を開始し、その計測中に次の操作信号が入力されなければ、電源をオフにする。
【0038】
以下、上記構成による作用について、図5及び6に示すフローチャートを参照しながら説明する。電源ボタン13が押下されて電源が投入されると、バッテリ15から電源供給が開始されて電源オン状態になる。このとき、モード選択レバー18の選択位置に応じて、動作モードが撮影モードか再生モードのいずれかに決定される。撮影モードが選択されている場合には、デジタルカメラ10は、スルー画の取り込みを開始する。同時に、所定時間Taの計測と、フレーム間差分が基準値以下かどうかの監視が開始される。マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(10秒)継続した場合には、放置状態と判定する。放置状態と判定されると、前記所定時間Taの経過を待たずに、スルー画取り込みが停止されて省電力状態へ移行する。
【0039】
放置状態と判定されない場合でも、所定時間Ta(30秒)が経過する間、次の操作信号が入力されなければ、省電力状態へ移行する。所定時間Taが経過するまでに次の操作信号が入力されると、所定時間Taの計測が中断されて、はじめから計測が再開される。省電力状態へ移行した後、操作信号が入力されない状態が所定時間Tb(2分)継続した場合には、電源がオフされる。他方、所定時間Tbが経過しない間に操作信号が入力されると、電源オン状態に復帰する。
【0040】
再生モードが選択された場合には、メモリーカード23内の画像ファイルを読み出して再生表示する。この再生モードにおいても、撮影モードの時と同様に、マイクロコンピュータ21は、操作信号の入力状況を監視して、操作信号が入力されない状態が、所定時間Ta(30秒)継続した場合には、電源制御回路57を介して省電力状態に移行させる。そして、省電力状態に移行した後、操作信号が入力されない状態が所定時間Tb(2分)経過すると、電源をオフする。
【0041】
このように、従来から周知の技術である第1省電力機能に加えて、第2省電力機能を追加したことで、省電力機能を充実させることができる。しかも、この第2省電力機能は、CCDイメージセンサによって取得されたフレームを調べて、カメラの放置状態を判定することにより実現している。フレーム間の差分算出手段は、上記DSPの改良により設けることができるから、部品点数の増加もない。
【0042】
上記実施形態では、第1省電力機能と第2省電力機能とを組み合わせた例で説明しているが、第2省電力機能のみを設けてもよい。また、第2省電力機能の例としては、フレームに変化が無い場合に、省電力状態へ移行させる例で説明しているが、省電力状態を経由せずにいきなりオフ状態へ移行させてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、いったん省電力状態に移行した後は、フレーム間差分の算出を行わない例で説明しているが、省電力状態に移行した後も、フレーム間差分の算出により、放置状態の監視を続け、所定時間、フレームに変化がないような場合には電源オフするようにしてもよい。ただし、こうすると、省電力状態に移行した後もCCDイメージセンサを駆動しなければならないので、その分の電力が消費されることになる。このため、上記実施形態のように、いったん省電力状態に移行した後は、フレーム間差分による放置状態の監視も停止させることが好ましい。
【0044】
なお、上記実施形態では、所定時間Ta〜Tcを、それぞれ30秒、2分、10秒として説明したが、これは1例であり、具体的な値は適宜設定することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のデジタルカメラは、撮像手段によって所定時間間隔でフレームを取得し、取得された前後2つのフレーム間の差分を求めるフレーム間差分算出手段と、前記フレーム間の差分が予め設定された基準値以下の状態が予め設定された第1所定時間継続したときに、カメラ本体が放置されている放置状態と判定する放置状態判定手段と、この放置状態判定手段により前記放置状態と判定されたときに、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させる電源制御手段とを設けたから、部品点数を増加させることなく、省電力機能が充実したデジタルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの背面斜視図である。
【図2】デジタルカメラの電気構成を示すブロック図である。
【図3】フレーム間差分の説明図である。
【図4】省電力機能が働く2つのケースを示すタイムチャートである。
【図5】電源制御フローを示すフローチャートである。
【図6】再生モードが選択された場合の電源制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
15 バッテリ
21 マイクロコンピュータ
33 CCDイメージセンサ
39 フレームメモリ
47 フレーム間差分算出回路
57 電源制御回路
58 時計回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリの消費電力を抑える省電力機能を備えたデジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなど、被写体像を光電変換してフレーム(撮影画像)を得る撮像手段を備え、取得されたフレームをデジタルデータとしてメモリーカードへ記録するデジタルカメラが知られている。デジタルカメラの多くには、LCDパネルが設けられており、再生モードでは、このLCDパネルに撮像したフレームを再生表示することができる。また、LCDパネルは、撮影モードにおいては、CCDイメージセンサが撮像したフレームをリアルタイムで再生し、これをスルー画として表示する電子ビューファインダとしても機能する。
【0003】
このように、デジタルカメラは、フイルムカメラでは実現不可能な様々な機能を持つ反面、その消費電力は極めて大きい。そこで、デジタルカメラには、バッテリの消費電力を抑えるための各種の省電力機能が設けられている。例えば、操作信号の入力が所定時間無い場合には、電源を自動的にオフしたり、あるいは省電力状態へ移行させる技術が実用化されている。省電力状態では、例えば、マイクロコンピュータなどの制御系の部位に対する電力供給は継続されるが、CCDイメージセンサや、LCDパネルなど消費電力の高い部位への電力供給は停止される。これにより、省電力化を図りつつ、オン状態へすばやく復帰できるようにしている。
【0004】
この省電力機能をさらに充実させるために、デジタルカメラに角速度センサなどの振動検出手段を設け、この振動検出手段からの出力信号に基づいて、カメラが放置されている状態か使用されている状態かを調べ、放置状態と判定した場合に電源をオフする技術なども提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−173970号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように振動検出手段を設けると、省電力化は達成できるものの、部品点数の増加により製造コストの上昇を招くという問題があった。
【0007】
本発明は、部品点数を増加させることなく、省電力機能が充実したデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のデジタルカメラは、被写体光を光電変換してフレームを得る撮像手段を備え、本体に着脱自在に装填されるバッテリによって給電を受けるデジタルカメラにおいて、前記撮像手段によって所定時間間隔でフレームを取得し、取得された前後2つのフレーム間の差分を求めるフレーム間差分算出手段と、前記フレーム間の差分が予め設定された基準値以下か否かを調べて、前記基準値以下の状態が予め設定された第1所定時間継続したときに、カメラ本体が放置されている放置状態と判定する放置状態判定手段と、この放置状態判定手段により前記放置状態と判定されたときに、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させる電源制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、前記電源制御手段は、前記放置状態判定手段の判定結果に関わらず、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第2所定時間継続した場合には、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させることが好ましい。
【0010】
また、前記電源制御手段は、電力供給状態が省電力状態へ移行された後、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第3所定時間継続した場合にはオフ状態へ移行させることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示すデジタルカメラ10の本体11には、バッテリ15が着脱自在にセットされる。カメラの各部はこのバッテリ15から電力供給を受けて動作する。
本体11前面には、撮影レンズが組み込まれたレンズ鏡筒12が設けられており、上面には、電源ボタン13及びシャッタボタン14が設けられている。また、カメラ本体11の背面には、ズームボタン16,4つのボタンが十字配列された汎用キー17,モード選択レバー18、LCD(Liquid Crystal Display)パネル19が設けられている。
【0012】
モード選択レバー18は、撮影を行う撮影モードと、撮影画像を再生する再生モードとを切り替える。汎用キー17は、各種設定操作に使用される。LCDパネル19は、再生モードにおいては、撮影画像の再生表示に使用されるとともに、撮影モードでは、被写体確認用の画像であるスルー画を表示する電子ビューファインダとして使用される。
【0013】
ズームボタン16は、拡大ボタン16a、縮小ボタン16bからなり、これらを操作することにより、撮影レンズ26(図2参照)の撮影倍率が切り換えられる。撮影モードが選択されると、スルー画の取り込みが開始されて、取り込まれたスルー画がLCDパネル19へ表示される。
【0014】
スルー画の取り込みは、例えば、1秒間に30コマ程度のフレームレートで実行される。スルー画は、記録用に取り込まれる本画像と比較して、少ない画素数で取り込まれる。こうすることで、スルー画表示処理にかかる負荷を軽減させている。取り込み画素数を少なくすると当然に画質は損なわれるが、スルー画は表示用の画像であるから問題はない。このスルー画の画素数は、LCDパネルの解像度などによって適宜決定される。
【0015】
図2は、デジタルカメラ10の構成を示すブロック図である。カメラ本体11には、メモリーカード23が着脱自在にセットされる。このメモリーカード23には、本画像データが、例えば、JPG(Joint Photographic expert Group )形式の画像ファイルに変換されて記録される。
【0016】
マイクロコンピュータ21は、CPU,制御プログラムが格納されるROM,作業用のメモリであるRAMなどからなり、操作部22(電源ボタン14,シャッタボタン14,モード選択レバー18,ズームボタン16など)から入力される操作信号に応じてデジタルカメラ10の本体各部を制御する。レンズ鏡筒12内には、撮影レンズ26や絞り27からなる撮影光学系が組み込まれている。
【0017】
撮影レンズ26は、モータを含むレンズ駆動機構28によって駆動されて、光学撮影倍率の変更と焦点調節が行われる。絞り27は、モータを含む絞り駆動機構29によって駆動されて絞り径が切り換えられる。レンズ駆動機構28及び絞り駆動機構29は、マイクロコンピュータ21に制御されるモータドライバ31,32によって駆動される。
【0018】
撮影光学系の背後には、撮像素子としてCCDイメージセンサ33が配置されている。CCDイメージセンサ33は、周知のように、多数の受光素子をマトリックス状に配列された光電面を備えており、撮影光学系を通過して光電面に結像した被写体光を光電変換する。光電面の前方には、各画素に光を集光するためのマイクロレンズアレイと、各画素がそれぞれR,G,Bのいずれかに対応するように各色のフイルタが規則的に配列されたカラーフイルタアレイとが配置されている。
【0019】
CCDイメージセンサ33は、CCDドライバ36から供給される垂直転送クロック及び水平転送クロックに同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつシリアルな撮像信号として出力する。各画素の電荷蓄積時間(露出時間)は、CCDドライバ36から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決められる。
【0020】
CCDイメージセンサ33から取り込まれたアナログの撮像信号は、アナログ信号処理回路38に入力される。アナログ信号処理回路38は、相関2重サンプリング回路(CDS)と、オートゲインコントローラ(AGC)と、ADコンバータ(ADC)とからなる。CDSは、アナログ信号のノイズを除去し、AGCはアナログ信号のゲインを自動調節する。ADCは、アナログ信号をデジタル変換して画像データを生成する。この画像データは、各画素毎にR,G,Bの濃度値を持つCCD−RAWデータであり、このCCD−RAWデータがDSP(Digital Signal Processor) 41へ入力される。アナログ信号処理回路38にも、タイミングジェネレータ31からのタイミング信号が供給され、CCDイメージセンサ33から電荷が取り込みまれるタイミングと同期が取られている。
【0021】
CCDイメージセンサ33は、撮影モードが選択されると、スルー画の取り込みを開始する。シャッタボタン14が全押しされて本撮影指示がなされると、スルー画の取り込みをいったん中断して、本画像データを取り込む。本撮影が終了すると、スルー画の取り込みが再開される。
【0022】
DSP41へ入力されたスルー画や本画像のデータは、フレームメモリ39にいったん書き込まれる。DSP(Digital Signal Processor) 41は、フレームメモリ39にアクセスして、書き込まれた画像データに対して各種信号処理を施す。フレームメモリ39は、データバス55を介して、マイクロコンピュータ21とDSP41の各部と接続されている。フレームメモリ39としては、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が使用される。
【0023】
電源制御回路57は、バッテリ15から供給される電力をデジタルカメラ10の各部へ分配する。デジタルカメラ10は、バッテリ15を長持ちさせるために、無駄な電力消費を抑えて省電力化を図る省電力機能を備えている。電源制御回路57は、マイクロコンピュータ21からの指示に従って、電力供給状態をオン状態、省電力状態、オフ状態の3段階に切り替える。電源制御回路57は、マイクロコンピュータ21から省電力状態への移行指示がなされると、例えば、CCDイメージセンサ33,レンズ駆動機構28,絞り駆動機構29,LCDパネル19など予め特定された部位への電力供給を停止させ、また、オフ状態への移行指示がなされると、すべての部位への電力供給を停止させる。
【0024】
省電力機能は、操作信号の入力状況に応じて、電力供給状態を省電力状態又は電源オフ状態へ移行させる第1省電力機能と、この第1省電力機能に加えて、取り込んだスルー画に基づいて、カメラ10が放置されている状態(放置状態)かどうかを判定して、電力供給状態を省電力状態へ移行させる第2省電力機能とからなる。
【0025】
第1省電力機能では、操作部からの操作信号の入力が無い状態が、予め設定された所定時間Ta(例えば、30秒)継続した場合に、電力供給状態を省電力状態へ移行させる。さらに、この省電力状態に移行した後、操作信号の入力が無い状態が、所定時間Tb(例えば、2分)継続した場合に、電源オフ状態へ移行させる。この第1省電力機能は、再生モード、撮影モードのいずれにおいても働く。
【0026】
第2省電力機能では、前記所定時間Taの計測中に、時間的に前後する2つのフレームを比較してフレーム間の差分を調べて、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(例えば、10秒)継続した場合には、デジタルカメラ10が放置状態であると判定する。そして、放置状態と判定された場合には、前記所定時間Taの経過を待たずに省電力状態へ移行させる。この第2省電力機能は、スルー画の取り込みが行われる撮影モードにおいてのみ働く。
【0027】
マイクロコンピュータ21は、時計回路58からの計時信号に基づいて、前記所定時間Ta〜Tcを計測し、電源制御回路57に対して省電力状態又はオフ状態への移行指示を与える。
【0028】
DSP41は、AF回路43,AE/AWB回路44,画像入力コントローラ46,フレーム間差分算出回路47,画像処理回路48,圧縮処理回路49,メディアコントローラ50,ビデオエンコーダ51からなるICチップであり、アナログ信号処理回路38から入力された画像データに対して、各種の信号処理を施すとともに、LCD19への画像の表示や、メモリーカード23へアクセスして画像ファイルの読み書きを行う。
【0029】
画像入力コントローラ46は、アナログ信号処理回路38から前記CCD−RAWデータを取り込んで、これをフレームメモリ39に書き込む。AF回路43は、CCDイメージセンサ33が撮像した画像に基づいて焦点位置を検出し、フォーカシングを行う。AE回路は、被写体輝度を測定し、絞り値やシャッタ速度等を決定する。AWB回路は、オートホワイトバランス回路であり、撮影時のホワイトバランスを自動調整する。
【0030】
圧縮処理回路49は、画像処理回路48によって各種の画像処理が施された本画像のデータに対して、圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。メディアコントローラ50は、メモリーカード23へアクセスして画像ファイルの書き込みと読み込みとを行う。再生モードにおいては、メモリーカード23から圧縮された画像データが読み出されて、圧縮処理回路49によって伸張処理が施された後、LCD19に出力される。
【0031】
画像処理回路48は、画像データに対して、ガンマ補正,シャープネス補正,コントラスト補正などの画質補正処理、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータ及び赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を施す。
【0032】
フレームメモリ39に書き込まれたスルー画は、簡易的な画像処理が施された後、ビデオエンコーダ51へ送られる。ビデオエンコーダ51は、デジタルデータをアナログのコンポジット信号に変換してLCD19に出力する。フレームメモリ39には、最新のスルー画のフレームと、その1つ前のフレームとを記憶できるように、2フレーム分のエリア39a,39bが設けられている。スルー画は、高速で書き換えられるので、2フレーム分のスルー画のデータを書き込むことで、CCDイメージセンサ33からフレームメモリ39へのデータの書き込みと、フレームメモリ39からビデオエンコーダ51へのデータの読み出しとを並行してできるようにしている。なお、1つのフレームメモリ内に2つのフレームを記憶する2つのエリアを設けた例で説明しているが、2つのフレームメモリを設けてもよい。
【0033】
フレーム間差分算出回路47は、前記第2省電力機能を実現するためのものであり、フレームメモリ39内の2つのスルー画のフレームを比較して、両フレーム間に差分があるか無いかを算出する。例えば、図3(A)に示すように、最新フレームと、その1つ前に取得した前フレームとの間に差分が無い場合には、カメラ本体11が動いていないと考えられる。他方、図3(B)に示すように、両フレーム間に差分がある場合には、カメラ本体11が動いていると考えられる。
マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分が予め設定された基準値以下かどうかを調べ、基準値以下の状態が所定時間Tc継続した場合に、デジタルカメラ10が放置状態であると判定する。
【0034】
ここで、基準値は、2つのフレーム間の差異をどの程度厳格に調べるかに応じて適宜決められる。例えば、基準値を「0」と設定すると、両フレームに僅かな輝度変化が生じた場合でも、フレーム間の差分が基準値を超えてしまうので、放置状態と判定されにくく、その反対に、基準値を大きくすると、両フレームに大きな変化がある場合でも、放置状態と判定されやすくなる。実際にカメラ本体11が放置されている場合でも、前後2つのフレーム間に僅かな輝度変化は生じると考えられるので、変化が僅かである場合には放置状態と判定できるように、基準値を設定することが好ましい。
【0035】
フレーム間差分の算出方法としては、例えば、2つのフレーム内の画素を1つずつ比較する方法が使用される。比較されるフレームは、画素数が少ないスルー画のデータなので、比較処理にかかる負担も少ない。もちろん、この方法以外でも、フレーム間差分の算出方法には、各種の方法が提案されているので、いずれを使用してもよい。例えば、フレーム内の動体検出技術などを応用してもよい。
また、フレーム間差分の算出は、スルー画のフレームレートと同期してスルー画が1フレーム取り込まれる度に行ってもよいし、スルー画のフレームレートとは別に算出間隔を設定してもよい。
【0036】
図4は、省電力機能が働く2つのケースを示すタイムチャートである。ケース1は、フレーム間差分により放置状態と判定されないケース、すなわち、第1省電力機能のみが働くケースであり、他方、ケース2は、フレーム間差分より放置状態と判定されるケース、すなわち、第1及び第2の2つの省電力機能が働くケースである。どちらのケースにおいても、操作信号が入力されると、マイクロコンピュータ21により、所定時間Taの計測が開始される。
【0037】
この所定時間Taの計測と同時に、マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分により放置状態かどうかの監視を開始する。ケース1では、フレーム間に基準値を越える変化が生じて、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc継続しないので、放置状態とは判定されない。この場合でも、所定時間Taが経過する間、次の操作信号が入力されなければ第1省電力機能が働き、省電力状態へ移行する。他方、ケース2では、フレーム間に基準値を超える変化がなく、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc継続するので、マイクロコンピュータ21は、放置状態と判定し、所定時間Taの経過を待たずに省電力状態へ移行させる。そして、省電力状態へ移行すると、マイクロコンピュータ21は、所定時間Tbの計測を開始し、その計測中に次の操作信号が入力されなければ、電源をオフにする。
【0038】
以下、上記構成による作用について、図5及び6に示すフローチャートを参照しながら説明する。電源ボタン13が押下されて電源が投入されると、バッテリ15から電源供給が開始されて電源オン状態になる。このとき、モード選択レバー18の選択位置に応じて、動作モードが撮影モードか再生モードのいずれかに決定される。撮影モードが選択されている場合には、デジタルカメラ10は、スルー画の取り込みを開始する。同時に、所定時間Taの計測と、フレーム間差分が基準値以下かどうかの監視が開始される。マイクロコンピュータ21は、フレーム間差分が基準値以下の状態が所定時間Tc(10秒)継続した場合には、放置状態と判定する。放置状態と判定されると、前記所定時間Taの経過を待たずに、スルー画取り込みが停止されて省電力状態へ移行する。
【0039】
放置状態と判定されない場合でも、所定時間Ta(30秒)が経過する間、次の操作信号が入力されなければ、省電力状態へ移行する。所定時間Taが経過するまでに次の操作信号が入力されると、所定時間Taの計測が中断されて、はじめから計測が再開される。省電力状態へ移行した後、操作信号が入力されない状態が所定時間Tb(2分)継続した場合には、電源がオフされる。他方、所定時間Tbが経過しない間に操作信号が入力されると、電源オン状態に復帰する。
【0040】
再生モードが選択された場合には、メモリーカード23内の画像ファイルを読み出して再生表示する。この再生モードにおいても、撮影モードの時と同様に、マイクロコンピュータ21は、操作信号の入力状況を監視して、操作信号が入力されない状態が、所定時間Ta(30秒)継続した場合には、電源制御回路57を介して省電力状態に移行させる。そして、省電力状態に移行した後、操作信号が入力されない状態が所定時間Tb(2分)経過すると、電源をオフする。
【0041】
このように、従来から周知の技術である第1省電力機能に加えて、第2省電力機能を追加したことで、省電力機能を充実させることができる。しかも、この第2省電力機能は、CCDイメージセンサによって取得されたフレームを調べて、カメラの放置状態を判定することにより実現している。フレーム間の差分算出手段は、上記DSPの改良により設けることができるから、部品点数の増加もない。
【0042】
上記実施形態では、第1省電力機能と第2省電力機能とを組み合わせた例で説明しているが、第2省電力機能のみを設けてもよい。また、第2省電力機能の例としては、フレームに変化が無い場合に、省電力状態へ移行させる例で説明しているが、省電力状態を経由せずにいきなりオフ状態へ移行させてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、いったん省電力状態に移行した後は、フレーム間差分の算出を行わない例で説明しているが、省電力状態に移行した後も、フレーム間差分の算出により、放置状態の監視を続け、所定時間、フレームに変化がないような場合には電源オフするようにしてもよい。ただし、こうすると、省電力状態に移行した後もCCDイメージセンサを駆動しなければならないので、その分の電力が消費されることになる。このため、上記実施形態のように、いったん省電力状態に移行した後は、フレーム間差分による放置状態の監視も停止させることが好ましい。
【0044】
なお、上記実施形態では、所定時間Ta〜Tcを、それぞれ30秒、2分、10秒として説明したが、これは1例であり、具体的な値は適宜設定することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のデジタルカメラは、撮像手段によって所定時間間隔でフレームを取得し、取得された前後2つのフレーム間の差分を求めるフレーム間差分算出手段と、前記フレーム間の差分が予め設定された基準値以下の状態が予め設定された第1所定時間継続したときに、カメラ本体が放置されている放置状態と判定する放置状態判定手段と、この放置状態判定手段により前記放置状態と判定されたときに、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させる電源制御手段とを設けたから、部品点数を増加させることなく、省電力機能が充実したデジタルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの背面斜視図である。
【図2】デジタルカメラの電気構成を示すブロック図である。
【図3】フレーム間差分の説明図である。
【図4】省電力機能が働く2つのケースを示すタイムチャートである。
【図5】電源制御フローを示すフローチャートである。
【図6】再生モードが選択された場合の電源制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
15 バッテリ
21 マイクロコンピュータ
33 CCDイメージセンサ
39 フレームメモリ
47 フレーム間差分算出回路
57 電源制御回路
58 時計回路
Claims (3)
- 被写体光を光電変換してフレームを得る撮像手段を備え、本体に着脱自在に装填されるバッテリによって給電を受けるデジタルカメラにおいて、
前記撮像手段によって所定時間間隔でフレームを取得し、取得された前後2つのフレーム間の差分を求めるフレーム間差分算出手段と、
前記フレーム間の差分が予め設定された基準値以下か否かを調べて、前記基準値以下の状態が予め設定された第1所定時間継続したときに、カメラ本体が放置されている放置状態と判定する放置状態判定手段と、
この放置状態判定手段により前記放置状態と判定されたときに、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させる電源制御手段とを設けたことを特徴とするデジタルカメラ。 - 前記電源制御手段は、前記放置状態判定手段の判定結果に関わらず、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第2所定時間継続した場合には、電力供給状態をオン状態から省電力状態又はオフ状態へ移行させることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
- 前記電源制御手段は、電力供給状態が省電力状態へ移行された後、操作部からの操作信号の入力が無い状態が第3所定時間継続した場合にはオフ状態へ移行させることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルカメラ。
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