JP2004185656A - 情報破壊方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置 - Google Patents
情報破壊方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる情報破壊方法を提供する。
【解決手段】記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし(ステップ403、405)、情報記録媒体を回転させながらレーザ光を破壊領域に照射する(ステップ411)ことにより、ユーザデータの重要度に応じた情報の破壊処理ができる。
【選択図】 図5
【解決手段】記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし(ステップ403、405)、情報記録媒体を回転させながらレーザ光を破壊領域に照射する(ステップ411)ことにより、ユーザデータの重要度に応じた情報の破壊処理ができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報破壊方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置に係り、更に詳しくは、追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法、情報記録装置の制御用コンピュータで実行されるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体、並びに情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)は、その機能向上及び低価格化に伴い、企業だけでなく一般家庭でも広く用いられるようになった。そして、記録容量の大きな情報記録媒体としてCD(compact disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、情報記録装置としての光ディスク装置がパソコンの周辺機器の一つとして普及するようになった。
【0003】
特に、CD−R(CD−recordable)などの追記型の光ディスクでは、ビット単価が非常に安いため、気軽に情報の移動やバックアップなどを目的としてさまざまな情報をCD−Rへ記録するようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
不用となった情報が記録されたCD−Rは、情報の書き換えができないために、廃棄処分にせざるを得ないが、安価で、かつ簡単な情報の破壊方法がCD−Rの使用者に提供されていないため、そのままの状態で廃棄されることがあり、個人情報や機密情報が漏洩するおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる情報破壊方法及び情報記録装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する工程を含む情報破壊方法である。
【0008】
これによれば、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域が破壊領域とされ、その破壊領域にレーザ光が照射されるため、記録されているユーザデータの重要度に応じた情報の破壊が可能となる。例えばユーザデータの重要度が低い場合には管理情報の少なくとも一部が記録されている領域のみを破壊領域とすることにより、一般の情報再生装置ではユーザデータの再生を不可能とすることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0009】
この場合において、請求項2に記載の情報破壊方法の如く、前記破壊領域は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されていない領域を更に含むこととすることができる。
【0010】
上記請求項1及び2に記載の各情報破壊方法において、請求項3に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、前記情報記録媒体の回転速度が記録時の回転速度を超えていることとすることができる。かかる場合には、処理時間を短縮することができる。
【0011】
上記請求項1〜3に記載の各情報破壊方法において、請求項4に記載の情報破壊方法の如く、前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むこととすることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させながらレーザ光を前記記録領域の少なくとも一部に照射する工程を含む情報破壊方法である。
【0013】
これによれば、情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させ、その回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光が照射されるため、従来よりも短時間で追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を不可能とすることができる。
【0014】
上記請求項1〜5に記載の各情報破壊方法において、請求項6に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することとすることができる。
【0015】
この場合において、請求項7に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、前記パルス発光されたレーザ光を照射し、前記記録領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成することとすることができる。かかる場合には、情報の再生が不可能な情報記録媒体であることを目視により確認することができる。
【0016】
この場合において、前記可視マークとしては種々のマークが考えられるが、例えば請求項8に記載の情報破壊方法の如く、前記可視マークは、前記溝の接線に直交する方向に延びる少なくとも1本の線状のマークを含むこととしても良い。
【0017】
この場合において、請求項9に記載の情報破壊方法の如く、前記線状マークの太さは前記各溝の1セクタに対応する長さ以下であることとすることができる。
【0018】
請求項10に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とする第1手順と;前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0019】
これによれば、本発明のプログラムがメインメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、その破壊領域にレーザ光を照射する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項1に記載の発明に係る情報破壊方法を実行させることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させる第1手順と;前記回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光を照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0021】
これによれば、本発明のプログラムがメインメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させ、その回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光を照射する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項5に記載の発明に係る情報破壊方法を実行させることができる。従って、従来よりも短時間で追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を不可能とすることができる。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
これによれば、請求項10又は11に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0024】
請求項13に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置であって、情報記録媒体の記録領域にレーザ光を照射する照射手段と;外部装置からの情報の破壊要求コマンドに応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記照射手段を介して前記破壊領域にレーザ光を照射する制御手段と;を備える情報記録装置である。
【0025】
これによれば、外部装置からの情報の破壊要求コマンドに応じて、制御手段により、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域が破壊領域とされ、その破壊領域に照射手段を介してレーザ光が照射される。そこで、記録されているユーザデータの重要度に応じた情報の破壊が可能となる。例えばユーザデータの重要度が低い場合には管理情報の少なくとも一部が記録されている領域のみを破壊領域とすることにより、一般の情報再生装置ではユーザデータの再生を不可能とすることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0026】
この場合において、請求項14に記載の情報記録装置の如く、前記制御手段は、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することとすることができる。
【0027】
上記請求項13及び14に記載の各情報記録装置において、請求項15に記載の情報記録装置の如く、前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に関する情報を含むこととすることができる。
【0028】
この場合において、請求項16に記載の情報記録装置の如く、前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報と、管理情報の少なくとも一部が記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報とを含むこととすることができる。
【0029】
この場合において、請求項17に記載の情報記録装置の如く、前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域全体を破壊領域とするか否かの情報を更に含むこととすることができる。
【0030】
上記請求項15〜17に記載の各情報記録装置において、請求項18に記載の情報記録装置の如く、前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成するか否かの情報を更に含むこととすることができる。
【0031】
上記請求項13〜18に記載の各情報記録装置において、請求項19に記載の情報記録装置の如く、前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むこととすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置の概略構成を示すブロック図が示されている。
【0033】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、照射手段としての光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてCD−Rの規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
【0034】
前記光ピックアップ装置23は、光源としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射される光束を光ディスク15の記録面に導くとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置され戻り光束を受光する受光器、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ等)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。そして、受光器からは、その受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。
【0035】
前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)を検出する。そして、ウォブル信号からはATIP(Absolute Time In Pregroove)情報及び同期信号などが抽出され、ATIP情報はCPU40に、同期信号はエンコーダ25にそれぞれ出力される。CPU40はATIP情報から記録面に形成された光スポットの位置を知ることができる。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復調処理、及び誤り訂正処理などを行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号は、再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0036】
前記サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。各制御信号はサーボコントローラ33からモータドライバ27にそれぞれ出力される。
【0037】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいて、前記スピンドルモータ22及び光ピックアップ装置23のシークモータを駆動する。
【0038】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になると、CPU40に通知する。
【0039】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34から記録データを取り出し、その記録データを変調するとともに、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を作成する。そして、エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0040】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23の半導体レーザの発光パワー(出力)を制御する。一例として図2に示されるように、記録面にマーク(ピット)領域を形成するときには、記録パワーPwに対応する駆動電流Iwが半導体レーザに供給され、スペース領域を形成するときには、再生パワーPrに対応する駆動電流Irが半導体レーザに供給される。
【0041】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0042】
前記ROM39はプログラム領域とデータ領域とを備えており、プログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。このプログラムには、後述する光ディスク15の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする本発明に係るプログラム(以下「情報破壊プログラム」という)が含まれている。また、データ領域には、各種の制御データなどが格納されている。なお、光ディスク装置20の電源がオン状態になると、ROM39のプログラム領域に格納されているプログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU40はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。すなわち、CPU40はメインメモリやRAM41などとともに制御用コンピュータとしての機能を有している。
【0043】
CD−Rの規格に準拠している光ディスクに情報を記録する方式としては、ディスク・アット・ワンス方式、トラック・アット・ワンス方式、及びパッケット・ライト方式などがある。
【0044】
CD−Rの規格に準拠している光ディスクの記録領域は、図3(A)に示されるように、内周側から外周側に向かって、パワーキャリブレーションエリア(Power Calibration Area;以下「PCA」という)、プログラムメモリエリア(Program Memory Area;以下「PMA」という)、リードイン領域及びデータ領域などを含んでいる。PCAは書き込みパワーを調整するための試し書き(OPC:Optimum Power Control)を行う際に利用される領域である。PCAは100個のパーティションに分割されたテストエリアを有している。そして、テストエリアの各パーティションは15個のフレームで構成されている。PMAはトラック・アット・ワンス方式で書き込む場合に、各トラックの位置情報を一時的に記録しておくためのエリアである。なお、実際の光ディスクのトラックはスパイラル状であるが、図3(A)〜図3(D)では便宜上、トラックを直線状で示し、紙面左側を光ディスク15の内周側、紙面右側を光ディスクの外周側としている。また、図3(A)〜図3(D)は便宜上、簡略化して示されており、各領域の大きさは厳密なものではない。
【0045】
ここで、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に対するデータの記録を行なう場合の処理について簡単に説明する。なお、ここでは、一例としてトラック・アット・ワンス方式で記録するものとする。
【0046】
CPU40は、ホストから記録要求のコマンドを受信すると、先ずOPCを実行する。すなわち、PCAの1つのパーティションを用いて、一定の線速度でフレーム毎に発光パワーを段階的に変化させて所定のテストデータを試し書きした後、試し書きされたテストデータを再生し、その再生信号における上下対称性や振幅に基づいて記録品質をそれぞれ求め、その中で最も高い記録品質を示した発光パワーを最適な記録パワーとして選択する。なお、テストデータとしては、3T〜11T(Tはチャンネルクロックの周期)の幅を有するパルスがそれぞれほぼ等しい頻度で出現するデータが用いられる。
【0047】
OPCが終了し、最適な記録パワーを取得すると、CPU40は、記録速度に応じてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したデータ(以下、「ユーザデータ」という)をバッファRAM34に蓄積するようにバッファマネージャ37に指示する。
【0048】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてサーボ信号(トラックエラー信号及びフォーカスエラー信号)を検出し、その検出結果をサーボコントローラ33に出力する。
【0049】
サーボコントローラ33は、トラックエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御し、トラックずれを補正する。また、サーボコントローラ33はフォーカスエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御し、フォーカスずれを補正する。このようにして、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は記録処理が終了するまで随時行われる。
【0050】
また、再生信号処理回路28は光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号を検出し、そのウォブル信号から抽出したATIP情報をCPU40に通知する。そして、CPU40は再生信号処理回路28からのATIP情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。なお、再生信号処理回路28はATIP情報の抽出を所定のタイミング毎に行い、抽出したATIP情報をCPU40に通知する。
【0051】
CPU40はバッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータのデータ量が所定の量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の作成を指示する。光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、CPU40はエンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、図3(B)に示されるように、光ディスク15のデータ領域DZAに記録される。ホストからのユーザデータがすべて記録されると、上記PMAにユーザデータが記録されたトラックのアドレス情報などがPMA情報として記録され、記録処理を終了する。
【0052】
以後、ホストから記録要求のコマンドを受信すると、図3(C)に示されるように、上述の如くしてデータ領域DZAにユーザデータを追記する。
【0053】
ここで、ホストからディスクのクローズを要求するコマンドを受信すると、最後のトラックに続けてリードアウトLOTを書き込む。そして、リードイン領域LIAに所定の管理情報を記録する。このとき、リードイン領域LIAには、PMAに記録されている内容がテーブル・オブ・コンテンツ(Table of Contents、以下「TOC」という)情報として記録される。
【0054】
また、光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0055】
CPU40は、ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0056】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くしてトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は再生処理が終了するまで随時行われる。そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてATIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、再生処理が終了するまで所定のタイミング毎にATIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0057】
CPU40は、ATIP情報に基づいて読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。そして、光ピックアップ装置23が読み出し開始地点に到達すると、CPU40は再生信号処理回路28に通知する。
【0058】
そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、復調処理、誤り訂正処理等を行った後、再生データとしてバッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0059】
ここで、光ディスク15の記録領域に記録されている情報を破壊するために、ホストにて発行されるコマンド(以下「破壊コマンド」という)について説明する。
【0060】
CD−Rの規格には破壊コマンドは定義されていないため、本実施形態では、一例として現在未定義のオペレーションコードE5hのコマンドを新たに破壊コマンドとして定義する。なお、破壊コマンドはこれに限定されるものではなく、その他の未定義のコマンドを破壊コマンドとしても良い。また、すでに定義されているコマンドにおける未使用のビットを利用しても良い。ここでは、一例として図4に示されるように、破壊コマンドは12バイト(バイト0〜バイト11)で構成され、破壊する領域(破壊領域)に関する情報がバイト2のビット0〜ビット3にそれぞれ割り当てられている。ビット0はPMAビットであり、PMA情報が記録されている領域(すなわちPMA)を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット1はTOCビットであり、TOC情報が記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット2はDATAビットであり、ユーザデータが記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット3はFULLビットであり、記録領域すべてを破壊領域とするか否かの情報がセットされる。また、本実施形態では、一例として破壊領域とする場合にはビットデータを「1」、破壊領域としない場合にはビットデータを「0」にセットするものとする。そこで、ユーザは、光ディスク15に記録されているデータの重要度及びデータ量などに応じて各ビットのビットデータを組み合わせて設定し、破壊レベルを選択することができる。
【0061】
また、破壊コマンドのバイト2のビット4はMARKビットであり、反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成するか否かの情報が割り当てられている。本実施形態では、一例として、可視マークを形成しないときにはMARKビットに「0」がセットされ、可視マークを形成するときには「1」がセットされる。なお、可視マークは、破壊処理中に所定のタイミング毎に所定の時間だけ再生パワーで照射することにより形成する。
【0062】
また、破壊コマンドのバイト2のビット5はPOWビットであり、破壊処理中の半導体レーザの発光パワーに関する情報が割り当てられている。本実施形態では、一例として、このPOWビットに「0」がセットされていれば、記録パワーで発光されたレーザ光を照射し、「1」がセットされていれば、記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射するものとする。なお、POWビットに「0」がセットされていても、MARKビットに「1」がセットされている場合には、可視マークを形成するため、所定のタイミング毎に所定の時間だけ再生パワーで照射される。
【0063】
次に、ホストから破壊コマンドを受信したときの処理について説明する。破壊コマンドを受信すると、CPU40のプログラムカウンタに図5のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図5のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
【0064】
最初のステップ401では、光ディスク15を記録時の約1.5倍の回転速度で回転させるための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、破壊コマンドを受信した旨を再生信号処理28に通知する。これにより、再生信号処理28では破壊処理に対応した処理モードに移行することとなる。
【0065】
次のステップ403では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット0〜ビット3のデータ、すなわち破壊領域情報を抽出する。
【0066】
次のステップ405では、上記抽出した各ビットデータから破壊モードを決定する。すなわち、図6に示されるように、PMAビットのみが「1」のときを破壊モード1、TOCビットのみが「1」のときを破壊モード2、PMAビットとTOCビットとが「1」のときを破壊モード3、DATAビットのみが「1」のときを破壊モード4とする。さらに、DATAビットとPMAビットとが「1」のときを破壊モード5、DATAビットとTOCビットとが「1」のときを破壊モード6、DATAビットとTOCビットとPMAビットとが「1」のときを破壊モード7とする。そして、FULLビットが「1」のときは他の3つのビットデータに関係なく破壊モード8とする。例えば、データの重要度が極めて高い場合に破壊モード8が選択され、データの重要度が比較的低く、短時間で処理を済ませるときには破壊モード1〜3が選択され、データ量が比較的少ないときには破壊モード4が選択される。また、データの重要度が比較的高いときには破壊モード4〜7が選択される。
【0067】
次のステップ407では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット4(MARKビット)のデータ、すなわち可視マーク情報を抽出する。そして、その内容をマークフラグfmにセットする。すなわち、ビットデータが「0」であればマークフラグfmに「0」がセットされ、ビットデータが「1」であればマークフラグfmに「1」がセットされる。
【0068】
次のステップ409では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット5のデータ、すなわち発光パワー情報を抽出する。そして、その内容をパワーフラグfpにセットする。すなわち、ビットデータが「0」であればパワーフラグfpに「0」がセットされ、ビットデータが「1」であればパワーフラグfpに「1」がセットされる。
【0069】
次のステップ411では、破壊モード、マークフラグfm及びパワーフラグfpに基づいて破壊条件を設定し、レーザコントロール回路24及び再生信号処理28に通知するとともに、情報の破壊を実施する。
【0070】
《マークフラグfm=「0」、パワーフラグfp=「0」の場合》
レーザコントロール回路24に対して、記録パワーPwに対応する電流Iwを駆動電流Idrvとするように指示する。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力をレーザコントロール回路24に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力停止をレーザコントロール回路24に指示する。これにより、破壊領域の殆どがマーク領域となる。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、その破壊領域のほぼ全域に記録パワーPwのレーザ光を照射する。従って、図7に示されるように、破壊モード1のときはPMA情報のみが破壊され、破壊モード2のときはTOC情報のみが破壊され、破壊モード3のときはPMA情報及びTOC情報が破壊される。破壊モード4のときはユーザデータのみが破壊され、破壊モード5のときはユーザデータ及びPMA情報が破壊される。また、破壊モード6のときはユーザデータ及びTOC情報が破壊され、破壊モード7のときはユーザデータ、PMA情報及びTOC情報が破壊される。さらに、破壊モード8のときは記録領域のすべてが破壊領域となる。
【0071】
《マークフラグfm=「1」、パワーフラグfp=「0」の場合》
レーザコントロール回路24に対して、記録パワーPwに対応する電流Iwを駆動電流Idrvとするように指示する。また、破壊領域のアドレス情報及び形成する可視マークに基づいて、レーザ光の照射中に発光パワーを再生パワーに低下させるタイミング(以下「マーク形成タイミング」という)を求める。ここでは、一例として記録面の溝の接線に直交する方向、すなわちトラッキング方向に延びる1本の線状マークを可視マークとして形成する。また、可視マークの太さ、すなわち溝の接線方向の長さは、一例として各溝の1セクタにほぼ対応する長さとする。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力をレーザコントロール回路24に指示する。なお、レーザ光の照射中は、マーク形成タイミングに応じて駆動電流Idrvの変更をレーザコントロール回路24に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力停止をレーザコントロール回路24に指示する。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、その破壊領域のほぼ全域に所定のレーザ光を照射する。これにより、例えば破壊モード8の場合には、一例として図8に示されるように、記録領域の最内周から最外周にかけてトラッキング方向に延びる1本の可視マークが形成されるとともに、記録領域に記録されているすべての情報は再生不能となる。
【0072】
《マークフラグfm=「0」、パワーフラグfp=「1」の場合》
エンコーダ25に対して、前述したOPCの際に用いたテストデータに基づいて書き込み信号を作成することを指示する。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、書き込み開始をエンコーダ25に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、書き込み停止をエンコーダ25に指示する。これにより、破壊領域にテストデータが上書きされることとなる。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、テストデータを書き込む。
【0073】
《マークフラグfm=「1」、パワーフラグfp=「1」の場合》
エンコーダ25に対して、上記テストデータに基づいて書き込み信号を作成することを指示する。また、破壊領域のアドレス情報及び形成する可視マークに基づいてマーク形成タイミングを求める。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、書き込み開始をエンコーダ25に指示する。なお、レーザ光の照射中は、マーク形成タイミングに応じて書き込み信号の出力の中断をエンコーダ25に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、書き込み停止をエンコーダ25に指示する。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、テストデータを書き込む。
【0074】
すべての破壊領域へのレーザ光の照射が終了すると、ステップ413に移行する。
【0075】
このステップ413では、破壊処理が終了したことをホスト及び再生信号処理28に通知する。これにより、再生信号処理28では通常の処理モードに戻ることとなる。そして、ホストから破壊コマンドを受信したときの処理を終了する。
【0076】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって制御手段が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0077】
また、本実施形態では、ROM39にインストールされているプログラムのうち、図5のフローチャートで示される処理に対応するプログラムによって前記情報破壊プログラムが構成されている。
【0078】
そして、図5のステップ401〜411の処理によって本発明に係る情報破壊方法が実施されている。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置及び情報破壊方法によると、ホストからの指示により、光ディスクにおけるユーザデータが記録されている領域、PMA情報が記録されている領域及びTOC情報が記録されている領域の少なくともいずれかを含む領域を破壊領域とし、その破壊領域にレーザ光を照射している。それにより、光ディスクに記録されている情報の再生を不可能とすることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態によると、破壊処理の際における光ディスクの回転速度を記録時の約1.5倍としているために、従来よりも短時間で光ディスクに記録されている情報の再生を不可能とすることが可能となる。
【0081】
また、本実施形態によると、ホストからの指示により、可視マークを形成しているために、破壊処理が行われた光ディスクであることを目視で確認することができる。また、可視マークの形成位置によって破壊レベルを知ることが可能である。
【0082】
また、本実施形態によると、破壊処理の際に、ホストからの指示により、記録パワーで発光されたレーザ光及び記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光のいずれかを照射しているために、データの重要度に応じた破壊処理が可能となる。
【0083】
なお、上記実施形態では、破壊モードが8種類の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば不要なモードは削除しても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、破壊処理に際して、光ディスクを記録時の約1.5倍の回転速度で回転する場合について説明したが、これに限定されるものではない。さらに、例えばこのときの回転速度に関する情報を破壊コマンドに付加し、ホストから指定できるようにしても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、破壊処理に際して、半導体レーザをパルス発光させるか否かをホストからの指示に基づいて決定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば破壊モードに応じて決定しても良い。あるいは、いずれかに固定しても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、破壊対象の管理情報がPMA情報及びTOC情報の場合について説明したが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0087】
また、上記実施形態では、トラック・アット・ワンス方式で情報を記録する場合について説明したが、これに限らず、例えばパッケット・ライト方式であっても良い。
【0088】
また、上記実施形態では、トラッキング方向に延びる1本の線状マークを可視マークとして形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば複数本の線状マークであっても良い。さらに、上記実施形態では、可視マークの太さが各溝の1セクタにほぼ対応する長さである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各溝の1セクタに対応する長さ以下であっても良い。要するに、意味のあるデータが含まれず、かつ視認可能であれば、形状、数及び大きさなどは限定されない。
【0089】
また、上記実施形態では、可視マークが1種類の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば破壊モードに応じて視認性に優れた可視マークをそれぞれ形成しても良い。さらに、破壊コマンドの未使用ビットに可視マークの形状に関する情報がセットできるようにしても良い。この場合には、ユーザが好みの可視マークを選択することができる。また、例えばユーザがホストで可視マークをデザインし、光ディスク装置に送信することも可能である。
【0090】
また、上記実施形態では、可視マークを形成する際に、レーザ光の発光パワーを再生パワーに低下させる場合について説明したが、これに限らず、例えば半導体レーザの発光を停止しても良い。要するに、記録面の反射率低下を抑えることができれば良い。
【0091】
また、上記実施形態では、光ディスクがCD−Rの場合について説明したが、これに限らず、例えばDVD−R、DVD+Rであっても良い。要するに追記型の情報記録媒体であれば良い。
【0092】
また、上記実施形態では、前記情報破壊プログラムは、ROM39に記録されているが、他の記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応するドライブ装置を付加し、各ドライブ装置から情報破壊プログラムをインストールすることとなる。要するに、情報破壊プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。
【0093】
また、上記実施形態では、情報記録装置として情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る情報破壊方法及び情報記録装置によれば、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるという効果がある。
【0095】
また、本発明に係るプログラム及び記録媒体によれば、情報記録装置の制御用コンピュータに実行させることにより、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】記録時における半導体レーザの発光パワー及び半導体レーザに供給される駆動電流を説明するための図である。
【図3】図3(A)〜図3(D)は、それぞれ記録領域を説明するための図である。
【図4】破壊コマンドの構成を説明するための図である。
【図5】本発明に係る情報破壊処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】破壊コマンドにおける破壊領域に関する各ビットデータと破壊モードとの関係を説明するための図である。
【図7】破壊モードと破壊領域との関係を説明するための図である。
【図8】可視マークを説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置(情報記録装置)、23…光ピックアップ装置(照射手段)、39…ROM(記録媒体)、40…CPU(制御用コンピュータの一部、制御手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報破壊方法、プログラム及び記録媒体、並びに情報記録装置に係り、更に詳しくは、追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法、情報記録装置の制御用コンピュータで実行されるプログラム及び該プログラムが記録された記録媒体、並びに情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)は、その機能向上及び低価格化に伴い、企業だけでなく一般家庭でも広く用いられるようになった。そして、記録容量の大きな情報記録媒体としてCD(compact disc)などの光ディスクが注目されるようになり、その低価格化とともに、情報記録装置としての光ディスク装置がパソコンの周辺機器の一つとして普及するようになった。
【0003】
特に、CD−R(CD−recordable)などの追記型の光ディスクでは、ビット単価が非常に安いため、気軽に情報の移動やバックアップなどを目的としてさまざまな情報をCD−Rへ記録するようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
不用となった情報が記録されたCD−Rは、情報の書き換えができないために、廃棄処分にせざるを得ないが、安価で、かつ簡単な情報の破壊方法がCD−Rの使用者に提供されていないため、そのままの状態で廃棄されることがあり、個人情報や機密情報が漏洩するおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる情報破壊方法及び情報記録装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、情報記録装置の制御用コンピュータにて実行され、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する工程を含む情報破壊方法である。
【0008】
これによれば、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域が破壊領域とされ、その破壊領域にレーザ光が照射されるため、記録されているユーザデータの重要度に応じた情報の破壊が可能となる。例えばユーザデータの重要度が低い場合には管理情報の少なくとも一部が記録されている領域のみを破壊領域とすることにより、一般の情報再生装置ではユーザデータの再生を不可能とすることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0009】
この場合において、請求項2に記載の情報破壊方法の如く、前記破壊領域は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されていない領域を更に含むこととすることができる。
【0010】
上記請求項1及び2に記載の各情報破壊方法において、請求項3に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、前記情報記録媒体の回転速度が記録時の回転速度を超えていることとすることができる。かかる場合には、処理時間を短縮することができる。
【0011】
上記請求項1〜3に記載の各情報破壊方法において、請求項4に記載の情報破壊方法の如く、前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むこととすることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させながらレーザ光を前記記録領域の少なくとも一部に照射する工程を含む情報破壊方法である。
【0013】
これによれば、情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させ、その回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光が照射されるため、従来よりも短時間で追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を不可能とすることができる。
【0014】
上記請求項1〜5に記載の各情報破壊方法において、請求項6に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することとすることができる。
【0015】
この場合において、請求項7に記載の情報破壊方法の如く、前記工程では、前記パルス発光されたレーザ光を照射し、前記記録領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成することとすることができる。かかる場合には、情報の再生が不可能な情報記録媒体であることを目視により確認することができる。
【0016】
この場合において、前記可視マークとしては種々のマークが考えられるが、例えば請求項8に記載の情報破壊方法の如く、前記可視マークは、前記溝の接線に直交する方向に延びる少なくとも1本の線状のマークを含むこととしても良い。
【0017】
この場合において、請求項9に記載の情報破壊方法の如く、前記線状マークの太さは前記各溝の1セクタに対応する長さ以下であることとすることができる。
【0018】
請求項10に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とする第1手順と;前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0019】
これによれば、本発明のプログラムがメインメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、その破壊領域にレーザ光を照射する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項1に記載の発明に係る情報破壊方法を実行させることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させる第1手順と;前記回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光を照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
【0021】
これによれば、本発明のプログラムがメインメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、情報記録装置の制御用コンピュータは、情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させ、その回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光を照射する。すなわち、本発明のプログラムによれば、情報記録装置の制御用コンピュータに請求項5に記載の発明に係る情報破壊方法を実行させることができる。従って、従来よりも短時間で追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を不可能とすることができる。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
これによれば、請求項10又は11に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0024】
請求項13に記載の発明は、情報記録媒体に記録を行う情報記録装置であって、情報記録媒体の記録領域にレーザ光を照射する照射手段と;外部装置からの情報の破壊要求コマンドに応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記照射手段を介して前記破壊領域にレーザ光を照射する制御手段と;を備える情報記録装置である。
【0025】
これによれば、外部装置からの情報の破壊要求コマンドに応じて、制御手段により、記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域が破壊領域とされ、その破壊領域に照射手段を介してレーザ光が照射される。そこで、記録されているユーザデータの重要度に応じた情報の破壊が可能となる。例えばユーザデータの重要度が低い場合には管理情報の少なくとも一部が記録されている領域のみを破壊領域とすることにより、一般の情報再生装置ではユーザデータの再生を不可能とすることができる。従って、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができる。
【0026】
この場合において、請求項14に記載の情報記録装置の如く、前記制御手段は、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することとすることができる。
【0027】
上記請求項13及び14に記載の各情報記録装置において、請求項15に記載の情報記録装置の如く、前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に関する情報を含むこととすることができる。
【0028】
この場合において、請求項16に記載の情報記録装置の如く、前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報と、管理情報の少なくとも一部が記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報とを含むこととすることができる。
【0029】
この場合において、請求項17に記載の情報記録装置の如く、前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域全体を破壊領域とするか否かの情報を更に含むこととすることができる。
【0030】
上記請求項15〜17に記載の各情報記録装置において、請求項18に記載の情報記録装置の如く、前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成するか否かの情報を更に含むこととすることができる。
【0031】
上記請求項13〜18に記載の各情報記録装置において、請求項19に記載の情報記録装置の如く、前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むこととすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る情報記録装置としての光ディスク装置の概略構成を示すブロック図が示されている。
【0033】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、照射手段としての光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてCD−Rの規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
【0034】
前記光ピックアップ装置23は、光源としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射される光束を光ディスク15の記録面に導くとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置され戻り光束を受光する受光器、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ等)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。そして、受光器からは、その受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。
【0035】
前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)を検出する。そして、ウォブル信号からはATIP(Absolute Time In Pregroove)情報及び同期信号などが抽出され、ATIP情報はCPU40に、同期信号はエンコーダ25にそれぞれ出力される。CPU40はATIP情報から記録面に形成された光スポットの位置を知ることができる。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復調処理、及び誤り訂正処理などを行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号は、再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0036】
前記サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。各制御信号はサーボコントローラ33からモータドライバ27にそれぞれ出力される。
【0037】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいて、前記スピンドルモータ22及び光ピックアップ装置23のシークモータを駆動する。
【0038】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になると、CPU40に通知する。
【0039】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34から記録データを取り出し、その記録データを変調するとともに、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を作成する。そして、エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0040】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23の半導体レーザの発光パワー(出力)を制御する。一例として図2に示されるように、記録面にマーク(ピット)領域を形成するときには、記録パワーPwに対応する駆動電流Iwが半導体レーザに供給され、スペース領域を形成するときには、再生パワーPrに対応する駆動電流Irが半導体レーザに供給される。
【0041】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0042】
前記ROM39はプログラム領域とデータ領域とを備えており、プログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。このプログラムには、後述する光ディスク15の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする本発明に係るプログラム(以下「情報破壊プログラム」という)が含まれている。また、データ領域には、各種の制御データなどが格納されている。なお、光ディスク装置20の電源がオン状態になると、ROM39のプログラム領域に格納されているプログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU40はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。すなわち、CPU40はメインメモリやRAM41などとともに制御用コンピュータとしての機能を有している。
【0043】
CD−Rの規格に準拠している光ディスクに情報を記録する方式としては、ディスク・アット・ワンス方式、トラック・アット・ワンス方式、及びパッケット・ライト方式などがある。
【0044】
CD−Rの規格に準拠している光ディスクの記録領域は、図3(A)に示されるように、内周側から外周側に向かって、パワーキャリブレーションエリア(Power Calibration Area;以下「PCA」という)、プログラムメモリエリア(Program Memory Area;以下「PMA」という)、リードイン領域及びデータ領域などを含んでいる。PCAは書き込みパワーを調整するための試し書き(OPC:Optimum Power Control)を行う際に利用される領域である。PCAは100個のパーティションに分割されたテストエリアを有している。そして、テストエリアの各パーティションは15個のフレームで構成されている。PMAはトラック・アット・ワンス方式で書き込む場合に、各トラックの位置情報を一時的に記録しておくためのエリアである。なお、実際の光ディスクのトラックはスパイラル状であるが、図3(A)〜図3(D)では便宜上、トラックを直線状で示し、紙面左側を光ディスク15の内周側、紙面右側を光ディスクの外周側としている。また、図3(A)〜図3(D)は便宜上、簡略化して示されており、各領域の大きさは厳密なものではない。
【0045】
ここで、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に対するデータの記録を行なう場合の処理について簡単に説明する。なお、ここでは、一例としてトラック・アット・ワンス方式で記録するものとする。
【0046】
CPU40は、ホストから記録要求のコマンドを受信すると、先ずOPCを実行する。すなわち、PCAの1つのパーティションを用いて、一定の線速度でフレーム毎に発光パワーを段階的に変化させて所定のテストデータを試し書きした後、試し書きされたテストデータを再生し、その再生信号における上下対称性や振幅に基づいて記録品質をそれぞれ求め、その中で最も高い記録品質を示した発光パワーを最適な記録パワーとして選択する。なお、テストデータとしては、3T〜11T(Tはチャンネルクロックの周期)の幅を有するパルスがそれぞれほぼ等しい頻度で出現するデータが用いられる。
【0047】
OPCが終了し、最適な記録パワーを取得すると、CPU40は、記録速度に応じてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したデータ(以下、「ユーザデータ」という)をバッファRAM34に蓄積するようにバッファマネージャ37に指示する。
【0048】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてサーボ信号(トラックエラー信号及びフォーカスエラー信号)を検出し、その検出結果をサーボコントローラ33に出力する。
【0049】
サーボコントローラ33は、トラックエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御し、トラックずれを補正する。また、サーボコントローラ33はフォーカスエラー信号に基づいてモータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御し、フォーカスずれを補正する。このようにして、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は記録処理が終了するまで随時行われる。
【0050】
また、再生信号処理回路28は光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号を検出し、そのウォブル信号から抽出したATIP情報をCPU40に通知する。そして、CPU40は再生信号処理回路28からのATIP情報に基づいて、指定された書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。なお、再生信号処理回路28はATIP情報の抽出を所定のタイミング毎に行い、抽出したATIP情報をCPU40に通知する。
【0051】
CPU40はバッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータのデータ量が所定の量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の作成を指示する。光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、CPU40はエンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して、図3(B)に示されるように、光ディスク15のデータ領域DZAに記録される。ホストからのユーザデータがすべて記録されると、上記PMAにユーザデータが記録されたトラックのアドレス情報などがPMA情報として記録され、記録処理を終了する。
【0052】
以後、ホストから記録要求のコマンドを受信すると、図3(C)に示されるように、上述の如くしてデータ領域DZAにユーザデータを追記する。
【0053】
ここで、ホストからディスクのクローズを要求するコマンドを受信すると、最後のトラックに続けてリードアウトLOTを書き込む。そして、リードイン領域LIAに所定の管理情報を記録する。このとき、リードイン領域LIAには、PMAに記録されている内容がテーブル・オブ・コンテンツ(Table of Contents、以下「TOC」という)情報として記録される。
【0054】
また、光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0055】
CPU40は、ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0056】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くしてトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。なお、トラッキング制御及びフォーカス制御は再生処理が終了するまで随時行われる。そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてATIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、再生処理が終了するまで所定のタイミング毎にATIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0057】
CPU40は、ATIP情報に基づいて読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。そして、光ピックアップ装置23が読み出し開始地点に到達すると、CPU40は再生信号処理回路28に通知する。
【0058】
そして、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、復調処理、誤り訂正処理等を行った後、再生データとしてバッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0059】
ここで、光ディスク15の記録領域に記録されている情報を破壊するために、ホストにて発行されるコマンド(以下「破壊コマンド」という)について説明する。
【0060】
CD−Rの規格には破壊コマンドは定義されていないため、本実施形態では、一例として現在未定義のオペレーションコードE5hのコマンドを新たに破壊コマンドとして定義する。なお、破壊コマンドはこれに限定されるものではなく、その他の未定義のコマンドを破壊コマンドとしても良い。また、すでに定義されているコマンドにおける未使用のビットを利用しても良い。ここでは、一例として図4に示されるように、破壊コマンドは12バイト(バイト0〜バイト11)で構成され、破壊する領域(破壊領域)に関する情報がバイト2のビット0〜ビット3にそれぞれ割り当てられている。ビット0はPMAビットであり、PMA情報が記録されている領域(すなわちPMA)を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット1はTOCビットであり、TOC情報が記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット2はDATAビットであり、ユーザデータが記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報がセットされる。ビット3はFULLビットであり、記録領域すべてを破壊領域とするか否かの情報がセットされる。また、本実施形態では、一例として破壊領域とする場合にはビットデータを「1」、破壊領域としない場合にはビットデータを「0」にセットするものとする。そこで、ユーザは、光ディスク15に記録されているデータの重要度及びデータ量などに応じて各ビットのビットデータを組み合わせて設定し、破壊レベルを選択することができる。
【0061】
また、破壊コマンドのバイト2のビット4はMARKビットであり、反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成するか否かの情報が割り当てられている。本実施形態では、一例として、可視マークを形成しないときにはMARKビットに「0」がセットされ、可視マークを形成するときには「1」がセットされる。なお、可視マークは、破壊処理中に所定のタイミング毎に所定の時間だけ再生パワーで照射することにより形成する。
【0062】
また、破壊コマンドのバイト2のビット5はPOWビットであり、破壊処理中の半導体レーザの発光パワーに関する情報が割り当てられている。本実施形態では、一例として、このPOWビットに「0」がセットされていれば、記録パワーで発光されたレーザ光を照射し、「1」がセットされていれば、記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射するものとする。なお、POWビットに「0」がセットされていても、MARKビットに「1」がセットされている場合には、可視マークを形成するため、所定のタイミング毎に所定の時間だけ再生パワーで照射される。
【0063】
次に、ホストから破壊コマンドを受信したときの処理について説明する。破壊コマンドを受信すると、CPU40のプログラムカウンタに図5のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図5のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
【0064】
最初のステップ401では、光ディスク15を記録時の約1.5倍の回転速度で回転させるための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、破壊コマンドを受信した旨を再生信号処理28に通知する。これにより、再生信号処理28では破壊処理に対応した処理モードに移行することとなる。
【0065】
次のステップ403では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット0〜ビット3のデータ、すなわち破壊領域情報を抽出する。
【0066】
次のステップ405では、上記抽出した各ビットデータから破壊モードを決定する。すなわち、図6に示されるように、PMAビットのみが「1」のときを破壊モード1、TOCビットのみが「1」のときを破壊モード2、PMAビットとTOCビットとが「1」のときを破壊モード3、DATAビットのみが「1」のときを破壊モード4とする。さらに、DATAビットとPMAビットとが「1」のときを破壊モード5、DATAビットとTOCビットとが「1」のときを破壊モード6、DATAビットとTOCビットとPMAビットとが「1」のときを破壊モード7とする。そして、FULLビットが「1」のときは他の3つのビットデータに関係なく破壊モード8とする。例えば、データの重要度が極めて高い場合に破壊モード8が選択され、データの重要度が比較的低く、短時間で処理を済ませるときには破壊モード1〜3が選択され、データ量が比較的少ないときには破壊モード4が選択される。また、データの重要度が比較的高いときには破壊モード4〜7が選択される。
【0067】
次のステップ407では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット4(MARKビット)のデータ、すなわち可視マーク情報を抽出する。そして、その内容をマークフラグfmにセットする。すなわち、ビットデータが「0」であればマークフラグfmに「0」がセットされ、ビットデータが「1」であればマークフラグfmに「1」がセットされる。
【0068】
次のステップ409では、受信した破壊コマンドにおけるバイト2のビット5のデータ、すなわち発光パワー情報を抽出する。そして、その内容をパワーフラグfpにセットする。すなわち、ビットデータが「0」であればパワーフラグfpに「0」がセットされ、ビットデータが「1」であればパワーフラグfpに「1」がセットされる。
【0069】
次のステップ411では、破壊モード、マークフラグfm及びパワーフラグfpに基づいて破壊条件を設定し、レーザコントロール回路24及び再生信号処理28に通知するとともに、情報の破壊を実施する。
【0070】
《マークフラグfm=「0」、パワーフラグfp=「0」の場合》
レーザコントロール回路24に対して、記録パワーPwに対応する電流Iwを駆動電流Idrvとするように指示する。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力をレーザコントロール回路24に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力停止をレーザコントロール回路24に指示する。これにより、破壊領域の殆どがマーク領域となる。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、その破壊領域のほぼ全域に記録パワーPwのレーザ光を照射する。従って、図7に示されるように、破壊モード1のときはPMA情報のみが破壊され、破壊モード2のときはTOC情報のみが破壊され、破壊モード3のときはPMA情報及びTOC情報が破壊される。破壊モード4のときはユーザデータのみが破壊され、破壊モード5のときはユーザデータ及びPMA情報が破壊される。また、破壊モード6のときはユーザデータ及びTOC情報が破壊され、破壊モード7のときはユーザデータ、PMA情報及びTOC情報が破壊される。さらに、破壊モード8のときは記録領域のすべてが破壊領域となる。
【0071】
《マークフラグfm=「1」、パワーフラグfp=「0」の場合》
レーザコントロール回路24に対して、記録パワーPwに対応する電流Iwを駆動電流Idrvとするように指示する。また、破壊領域のアドレス情報及び形成する可視マークに基づいて、レーザ光の照射中に発光パワーを再生パワーに低下させるタイミング(以下「マーク形成タイミング」という)を求める。ここでは、一例として記録面の溝の接線に直交する方向、すなわちトラッキング方向に延びる1本の線状マークを可視マークとして形成する。また、可視マークの太さ、すなわち溝の接線方向の長さは、一例として各溝の1セクタにほぼ対応する長さとする。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力をレーザコントロール回路24に指示する。なお、レーザ光の照射中は、マーク形成タイミングに応じて駆動電流Idrvの変更をレーザコントロール回路24に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、駆動電流Idrvの出力停止をレーザコントロール回路24に指示する。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、その破壊領域のほぼ全域に所定のレーザ光を照射する。これにより、例えば破壊モード8の場合には、一例として図8に示されるように、記録領域の最内周から最外周にかけてトラッキング方向に延びる1本の可視マークが形成されるとともに、記録領域に記録されているすべての情報は再生不能となる。
【0072】
《マークフラグfm=「0」、パワーフラグfp=「1」の場合》
エンコーダ25に対して、前述したOPCの際に用いたテストデータに基づいて書き込み信号を作成することを指示する。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、書き込み開始をエンコーダ25に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、書き込み停止をエンコーダ25に指示する。これにより、破壊領域にテストデータが上書きされることとなる。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、テストデータを書き込む。
【0073】
《マークフラグfm=「1」、パワーフラグfp=「1」の場合》
エンコーダ25に対して、上記テストデータに基づいて書き込み信号を作成することを指示する。また、破壊領域のアドレス情報及び形成する可視マークに基づいてマーク形成タイミングを求める。そして、シークモータを介して光ピックアップ装置を破壊領域の先頭位置に駆動する。光ピックアップ装置が破壊領域の先頭位置に到達すると、書き込み開始をエンコーダ25に指示する。なお、レーザ光の照射中は、マーク形成タイミングに応じて書き込み信号の出力の中断をエンコーダ25に指示する。その後、光ピックアップ装置が破壊領域の最終位置に到達すると、書き込み停止をエンコーダ25に指示する。なお、破壊領域が複数ある場合には同様にして、テストデータを書き込む。
【0074】
すべての破壊領域へのレーザ光の照射が終了すると、ステップ413に移行する。
【0075】
このステップ413では、破壊処理が終了したことをホスト及び再生信号処理28に通知する。これにより、再生信号処理28では通常の処理モードに戻ることとなる。そして、ホストから破壊コマンドを受信したときの処理を終了する。
【0076】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって制御手段が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0077】
また、本実施形態では、ROM39にインストールされているプログラムのうち、図5のフローチャートで示される処理に対応するプログラムによって前記情報破壊プログラムが構成されている。
【0078】
そして、図5のステップ401〜411の処理によって本発明に係る情報破壊方法が実施されている。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置及び情報破壊方法によると、ホストからの指示により、光ディスクにおけるユーザデータが記録されている領域、PMA情報が記録されている領域及びTOC情報が記録されている領域の少なくともいずれかを含む領域を破壊領域とし、その破壊領域にレーザ光を照射している。それにより、光ディスクに記録されている情報の再生を不可能とすることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態によると、破壊処理の際における光ディスクの回転速度を記録時の約1.5倍としているために、従来よりも短時間で光ディスクに記録されている情報の再生を不可能とすることが可能となる。
【0081】
また、本実施形態によると、ホストからの指示により、可視マークを形成しているために、破壊処理が行われた光ディスクであることを目視で確認することができる。また、可視マークの形成位置によって破壊レベルを知ることが可能である。
【0082】
また、本実施形態によると、破壊処理の際に、ホストからの指示により、記録パワーで発光されたレーザ光及び記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光のいずれかを照射しているために、データの重要度に応じた破壊処理が可能となる。
【0083】
なお、上記実施形態では、破壊モードが8種類の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば不要なモードは削除しても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、破壊処理に際して、光ディスクを記録時の約1.5倍の回転速度で回転する場合について説明したが、これに限定されるものではない。さらに、例えばこのときの回転速度に関する情報を破壊コマンドに付加し、ホストから指定できるようにしても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、破壊処理に際して、半導体レーザをパルス発光させるか否かをホストからの指示に基づいて決定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば破壊モードに応じて決定しても良い。あるいは、いずれかに固定しても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、破壊対象の管理情報がPMA情報及びTOC情報の場合について説明したが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0087】
また、上記実施形態では、トラック・アット・ワンス方式で情報を記録する場合について説明したが、これに限らず、例えばパッケット・ライト方式であっても良い。
【0088】
また、上記実施形態では、トラッキング方向に延びる1本の線状マークを可視マークとして形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば複数本の線状マークであっても良い。さらに、上記実施形態では、可視マークの太さが各溝の1セクタにほぼ対応する長さである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各溝の1セクタに対応する長さ以下であっても良い。要するに、意味のあるデータが含まれず、かつ視認可能であれば、形状、数及び大きさなどは限定されない。
【0089】
また、上記実施形態では、可視マークが1種類の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば破壊モードに応じて視認性に優れた可視マークをそれぞれ形成しても良い。さらに、破壊コマンドの未使用ビットに可視マークの形状に関する情報がセットできるようにしても良い。この場合には、ユーザが好みの可視マークを選択することができる。また、例えばユーザがホストで可視マークをデザインし、光ディスク装置に送信することも可能である。
【0090】
また、上記実施形態では、可視マークを形成する際に、レーザ光の発光パワーを再生パワーに低下させる場合について説明したが、これに限らず、例えば半導体レーザの発光を停止しても良い。要するに、記録面の反射率低下を抑えることができれば良い。
【0091】
また、上記実施形態では、光ディスクがCD−Rの場合について説明したが、これに限らず、例えばDVD−R、DVD+Rであっても良い。要するに追記型の情報記録媒体であれば良い。
【0092】
また、上記実施形態では、前記情報破壊プログラムは、ROM39に記録されているが、他の記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応するドライブ装置を付加し、各ドライブ装置から情報破壊プログラムをインストールすることとなる。要するに、情報破壊プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。
【0093】
また、上記実施形態では、情報記録装置として情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る情報破壊方法及び情報記録装置によれば、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるという効果がある。
【0095】
また、本発明に係るプログラム及び記録媒体によれば、情報記録装置の制御用コンピュータに実行させることにより、追記型の情報記録媒体に記録されている情報の再生を短時間で不可能とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】記録時における半導体レーザの発光パワー及び半導体レーザに供給される駆動電流を説明するための図である。
【図3】図3(A)〜図3(D)は、それぞれ記録領域を説明するための図である。
【図4】破壊コマンドの構成を説明するための図である。
【図5】本発明に係る情報破壊処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】破壊コマンドにおける破壊領域に関する各ビットデータと破壊モードとの関係を説明するための図である。
【図7】破壊モードと破壊領域との関係を説明するための図である。
【図8】可視マークを説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置(情報記録装置)、23…光ピックアップ装置(照射手段)、39…ROM(記録媒体)、40…CPU(制御用コンピュータの一部、制御手段)。
Claims (19)
- スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、
前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する工程を含む情報破壊方法。 - 前記破壊領域は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されていない領域を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の情報破壊方法。
- 前記工程では、前記情報記録媒体の回転速度が記録時の回転速度を超えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報破壊方法。
- 前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報破壊方法。
- スパイラル状又は同心円状の溝が形成された追記型情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の再生を不可能とする情報破壊方法であって、
前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させながらレーザ光を前記記録領域の少なくとも一部に照射する工程を含む情報破壊方法。 - 前記工程では、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報破壊方法。
- 前記工程では、前記パルス発光されたレーザ光を照射し、前記記録領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成することを特徴とする請求項6に記載の情報破壊方法。
- 前記可視マークは、前記溝の接線に直交する方向に延びる少なくとも1本の線状のマークを含むことを特徴とする請求項7に記載の情報破壊方法。
- 前記線状マークの太さは前記各溝の1セクタに対応する長さ以下であることを特徴とする請求項8に記載の情報破壊方法。
- 情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、
情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とする第1手順と;
前記情報記録媒体を回転させながらレーザ光を前記破壊領域に照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。 - 情報記録媒体に記録を行う情報記録装置で用いられるプログラムであって、
情報記録媒体の記録領域に記録されている情報の破壊要求に応じて、前記情報記録媒体を記録時の回転速度を超える回転速度で回転させる第1手順と;
前記回転している情報記録媒体の記録領域の少なくとも一部にレーザ光を照射する第2手順と;を前記情報記録装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。 - 請求項10又は11に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 情報記録媒体に記録を行う情報記録装置であって、
情報記録媒体の記録領域にレーザ光を照射する照射手段と;
外部装置からの情報の破壊要求コマンドに応じて、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域及び管理情報の少なくとも一部が記録されている領域の少なくとも一方を含む領域を破壊領域とし、前記照射手段を介して前記破壊領域にレーザ光を照射する制御手段と;を備える情報記録装置。 - 前記制御手段は、記録パワーで発光されたレーザ光又は記録パワーをピークレベルとしてパルス発光されたレーザ光を照射することを特徴とする請求項13に記載の情報記録装置。
- 前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に関する情報を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の情報記録装置。
- 前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域におけるユーザデータが記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報と、管理情報の少なくとも一部が記録されている領域を破壊領域とするか否かの情報とを含むことを特徴とする請求項15に記載の情報記録装置。
- 前記破壊領域に関する情報は、前記記録領域全体を破壊領域とするか否かの情報を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の情報記録装置。
- 前記破壊要求コマンドは、前記破壊領域に反射率の違いにより視認可能な所定の可視マークを形成するか否かの情報を更に含むことを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の情報記録装置。
- 前記管理情報は、PMA情報及びTOC情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の情報記録装置。
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