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JP2004176869A - ディスクブレーキ - Google Patents

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JP2004176869A
JP2004176869A JP2002346395A JP2002346395A JP2004176869A JP 2004176869 A JP2004176869 A JP 2004176869A JP 2002346395 A JP2002346395 A JP 2002346395A JP 2002346395 A JP2002346395 A JP 2002346395A JP 2004176869 A JP2004176869 A JP 2004176869A
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disc brake
friction pad
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JP2002346395A
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Taitsuyuki Nakajima
太津之 中島
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Advics Co Ltd
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Advics Co Ltd
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Abstract

【課題】非制動時に摩擦パッドをディスクロータから安定的に引き離す構成のディスクブレーキを安価に提供する。
【解決手段】自動車に搭載されるディスクブレーキ10につき、インナパッド20の耳部23とサポートプレート14の延出片14bとを弾性部材50によって連結し、アウタパッド30の耳部33とサポートプレート14の延出片14bとを弾性部材60によって連結する。弾性部材50,60は、フッ素ゴムもしくはシリコンゴムによって構成され、非制動時にパッド20,30をディスクロータ40からの引き離し方向へ確実に引き離すように作用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキの構成に係り、詳しくは非制動時に摩擦パッドをディスクロータから引き離す引き離し手段の構成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ディスクロータを有する車両用ブレーキでは、制動時にそのディスクロータに一対の摩擦パッド(インナパッドおよびアウタパッド)が作用することで制動力が発生する。一方、非制動時には摩擦パッドをディスクロータから引き離し、これにより摩擦パッドとディスクロータとの接触による鳴きの防止や、引きずりトルクの低減を行うようになっている。従来、このように摩擦パッドをディスクロータから引き離す手段としては、略V字形の線材、いわゆるVばねを用いた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、一対の摩擦パッドのディスクロータ外周側の端面に設けた係止穴にVばねの両端部を挿入し、一対の摩擦パッドをこのVばねによってディスクロータの外周側を跨いで互いに連結させることにより、各摩擦パッドを互いに離間させる方向に付勢する。これにより、各摩擦パッドの外周側をディスクロータから引き離すようになっている。しかしながら、この種のVばねを用いた構成では、各摩擦パッドの外周側をディスクロータから引き離す構成ゆえ、各摩擦パッドの内周側をディスクロータから確実に引き離すことが難しい。また、Vバネは固定側に取付けられていないため、Vバネによってインナパッドに作用する力とアウタパッドに作用する力とが所望のバランスになり難いという問題がある。
そこで、このような問題を解消するために、例えば固定側に取付けられた既設のサポートプレートにスプリング機能を付与したパッドスプリングを用いることが考えられる(例えば、特許文献2参照。)。このような構成を用いれば、摩擦パッドをディスクロータから確実に引き離し、またインナパッドおよびアウタパッドに作用する力のバランスを所望のレベルに設定するのに有効である。
【0003】
【特許文献1】
特許第3077191号公報(第3頁、図1〜図6)
【特許文献2】
特開平10−26157号公報(段落番号(0025)〜(0033)、図3,図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のようにパッドスプリングを用いる構成では、摩擦パッドをディスクロータから確実に引き離すことが可能となる反面、パッドスプリング自体の形状が複雑化しコスト高となる。
そこで、本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、非制動時に摩擦パッドをディスクロータから安定的に引き離す構成のディスクブレーキを安価に提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のディスクブレーキは、請求項1〜6の通りに構成される。これら各請求項に係る発明は、ディスクロータと、制動時にこのディスクロータに対し押圧される摩擦パッドと、非制動時にこの摩擦パッドをディスクロータから引き離す引き離し手段とを有する構成のディスクブレーキに適用される技術である。
【0006】
請求項1に記載したディスクブレーキは、ディスクロータ、摩擦パッド、引き離し手段等によって構成される。車両の制動時に、摩擦パッドがディスクロータ40に対し押圧されることで、車両に制動力が付与されることとなる。引き離し手段は、非制動時に摩擦パッドをディスクロータから引き離すための手段であり、摩擦パッドとディスクロータとの接触による鳴きの防止や、引きずりトルクの低減を行う。摩擦パッドとしては、ディスクロータをインナ側から押圧するインナ側摩擦パッド(インナパッド)と、ディスクロータをアウタ側から押圧するアウタ側摩擦パッド(アウタパッド)とがある。本発明では、摩擦パッドをディスクロータから引き離す引き離し手段が弾性部材を用いて構成される。すなわち、引き離し手段の全部または一部が弾性部材によって構成される。この弾性部材はゴム系材料ないし樹脂系材料からなる。このような弾性部材は、例えば金属材料を用いたものに比して材料コストが安価になる。例えば、本発明を自動車のディスクブレーキに適用する場合、使用環境下における耐熱性を考慮し、この弾性部材として例えばフッ素ゴムないしシリコンゴムを好適に用いる。
また本発明では、この弾性部材が摩擦パッドの側方延出部と基体部材とを連結することで、摩擦パッドに対し引き離し方向への弾性付勢力を付与する構成になっている。摩擦パッドの側方延出部は、パッド本体の外周側と内周側との間において側方へ延出する箇所であり、通常、基体部材の凹形状に対応した凸形状に形成される。ここでいう「基体部材」とは、車両の非回転部分に一体的に取付けられる固定側の部材であり、例えばマウンティングや、このマウンティングと摩擦パッドとの間に介在してこの摩擦パッドを支持するサポートプレート等が基体部材に相当する。摩擦パッドの側方延出部と基体部材とが、弾性部材を介して常時弾性付勢力が付与された状態で連結されることで、摩擦パッドは非制動時にディスクロータから確実に引き離される。すなわち、摩擦パッドの側方延出部を引き離し方向へ付勢することで摩擦パッドの外周側から内周側にわたって均一にディスクロータから引き離すことが可能となる。一方、制動時に摩擦パッドは弾性付勢力に抗してディスクロータに押圧されることとなる。また、弾性部材は基体部材に固定されているためインナパッドに作用する力と、アウタパッドに作用する力とを所望のバランスに容易に設定することができる。弾性部材の具体的な構成としては、軸部の両端に環状の環状部を設け、環状部を側方延出部と基体部材とに引っ掛けるような構成を用いることができる。このような構成は、弾性部材自体が引き離し手段に相当するものであり一体成形が可能となる。従って、この弾性部材をゴム系材料ないし樹脂系材料を用いて一体成形で製作する場合は、材料コストに加え加工コストが安価になる。
以上のように、請求項1に記載した発明によれば、非制動時に摩擦パッドをディスクロータから安定的に引き離す構成のディスクブレーキを安価に提供することが可能となる。
【0007】
ここで、請求項1に記載の弾性部材は、請求項2に記載のように摩擦パッドの側方延出部とサポートプレート(基体部材)とを連結する構成であるのが好ましい。このサポートプレートは、摩擦パッドとマウンティングとの間に介在し、摩擦パッドとマウンティングが直接的に当接して互いに磨耗するのを防止するものである。具体的には、サポートプレートの一部を弾性部材に対応した位置まで延出させて、この延出箇所に弾性部材の一方を固定するように構成する。このような構成によれば、弾性部材の連結先としてサポートプレートを用いることで、ディスクブレーキの簡便な構成が可能となる。
【0008】
また、請求項1に記載の弾性部材は、請求項3に記載のように摩擦パッドの側方延出部と基体部材としてのマウンティングとを連結する構成であるのが好ましい。具体的には、マウンティングの一部を弾性部材に対応した位置まで突出させて、この突出箇所に弾性部材の一方を固定するように構成する。このような構成によれば、弾性部材の連結先としてマウンティングを用いることで、ディスクブレーキの簡便な構成が可能となる。
【0009】
また、請求項1〜3に記載のディスクブレーキは、基体部材側、例えばサポートプレートないしマウンティングに設けられた支持部を備える。この支持部は、弾性部材のうち側方延出部との連結箇所である第1連結部と、基体部材との連結箇所である第2連結部との間を支持する構成を有する。本発明では、この支持部は弾性部材との当接箇所が曲面状に形成されている。ここでいう「曲面状」とは、弾性部材との当接箇所が例えば曲面ないし曲線(非先鋭状)を形成することで弾性部材の損傷を極力防止する形態をいう。具体的には、例えばサポートプレートのうち弾性部材との当接箇所をカール形状(波板状)に形成する構成を好適に用いる。これにより、弾性部材が支持部に当接してすることで損傷するのを極力防止することが可能となる。
【0010】
また、請求項1〜4に記載のディスクブレーキは、弾性部材としてインナ側弾性部材とアウタ側弾性部材とを備える。インナ側の摩擦パッド(インナパッド)は、制動時にディスクロータをインナ側から押圧する一方、アウタ側の摩擦パッド(アウタパッド)は、制動時にディスクロータをアウタ側から押圧する。本発明では、これらインナ側弾性部材とアウタ側弾性部材とでは、摩擦パッドに対する引き離し方向への弾性付勢力が異なる構成になっている。例えば、インナ側弾性部材とアウタ側弾性部材とで、摩擦パッドに対する引き離し方向への弾性付勢力に関与する箇所の太さを異ならせる構成や、この弾性付勢力に関与する箇所の材質(弾性材料の種類)を異ならせる構成によって、両部材の弾性付勢力を異ならせることが可能となる。
例えば、インナパッド側のみに摩擦パッドを作動させるシリンダ装置を配する構成では、その構成上アウタパッドの方がインナパッドに比して引き離し時の摺動抵抗が大きくなる。このような場合に、アウタ側弾性部材のうち引き離し方向への弾性付勢力に関与する箇所をインナ側弾性部材よりも太くして、アウタパッドに対する引き離し方向への弾性付勢力が、インナパッドに対する引き離し方向への弾性付勢力よりも大きくなるように構成する。これにより、非制動時にインナパッドのみならずアウタパッドをもディスクロータから確実に引き離すことが可能となる。従って、このような構成によれば、アウタパッドとインナパッドとで作動時における摺動抵抗が異なる構成において特に有効である。
【0011】
ここで、請求項5に記載のディスクブレーキは、請求項6に記載のようにインナ側弾性部材とアウタ側弾性部材とで、摩擦パッドに対する引き離し方向への弾性付勢力に関与する箇所の太さが異なる構成であるのが好ましい。具体的には、インナ側弾性部材およびアウタ側弾性部材のいずれも、軸部の両端に環状の環状部を備えた構成とし、インナ側弾性部材の軸部の太さとアウタ側弾性部材の太さとを異ならせる。これにより、アウタパッドに対する引き離し方向への弾性付勢力が、インナパッドに対する引き離し方向への弾性付勢力よりも大きくなる。従って、このような構成によれば、簡便な構成によって、摩擦パッドに対する引き離し方向への弾性付勢力を異ならせることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1実施の形態および第2実施の形態を図面を用いて説明する。
まず、第1実施の形態を図1〜図5を参照しながら説明する。ここで、図1は本発明の第1実施の形態のディスクブレーキ10の平面図であって部分的に断面を示すものである。図2は図1中のA−A線断面矢視図であり、図3は図1中のB−B線断面矢視図である。図4はインナパッド20用の弾性部材50およびアウタパッド30用の弾性部材60を示す図である。図5は図1中のC−C線断面矢視図である。
【0013】
〔第1実施の形態〕
本実施の形態のディスクブレーキ10は、自動車の車輪に対して搭載されるものである。このディスクブレーキ10は、図1に示すように、大別して車両の非回転部分に一体的に取付けられるマウンティング12、マウンティング12に固定されたサポートプレート14、マウンティング12に摺動可能に支持されたキャリパ16、このキャリパ16に搭載されインナパッド20およびアウタパッド30を作動させるシリンダ装置18、自動車の車輪と共に回転するディスクロータ40、一対の摩擦パッド(インナパッド20およびアウタパッド30)、弾性部材50,60等によって構成されている。
【0014】
インナパッド20およびアウタパッド30は、いずれも横長の略扇形状に形成されている。インナパッド20は、摩擦材21とこの摩擦材21の裏面側に固着された裏金22とによって構成され、アウタパッド30は、摩擦材31とこの摩擦材31の裏面側に固着された裏金32とによって構成されている。本実施の形態では、ディスクロータ40のインナ側にはインナパッド20が設置され、アウタ側にはアウタパッド30が設置されるようになっている。車両の制動時に、これらインナパッド20およびアウタパッド30がディスクロータ40の両側に押圧されることで、車両に制動力が付与されることとなる。また、インナパッド20には、パッド本体の外周側と内周側との間において側方へ延出する耳部23が形成され、アウタパッド30には、パッド本体の外周側と内周側との間において側方へ延出する耳部33が形成されている。この耳部23,33が本発明における側方延出部に対応している。
【0015】
各インナパッド20および各アウタパッド30は、前方側(図1中の上方側)および後方側(図1中の下方側)からマウンティング12によって支持される構成になっている。ここでは、図2〜図4を参照しながら、マウンティング12とインナパッド20との関係、およびマウンティング12とアウタパッド30との関係等について説明する。なお、図2および図3では、インナパッド20およびアウタパッド30について後方側のみの構成を示しているが、前方側についても同様の構成になっている。
【0016】
図2に示すように、マウンティング12には凹形状のガイド部13が形成されている。このガイド部13に、インナパッド20の耳部23に対応した形状のサポートプレート14が固定されている。このサポートプレート14は、板片状に形成され、パッドとマウンティング12とが直接的に当接して互いに磨耗するのを防止するようになっている。このような構成によって、インナパッド20は、サポートプレート14を介してディスクロータ40の軸方向(図1中の左右方向)へ摺動可能に案内される。また、このサポートプレート14には、プレート本体から図1中左方向へ延びる箇所に、支持部14aおよび延出片14bが設けられている。
【0017】
図2に示すように、弾性部材50はインナパッド20の耳部23とサポートプレート14の延出片14bとを連結する構成になっている。このサポートプレート14(延出片14b)が本発明における基体部材に対応しており、弾性部材50が本発明における引き離し手段およびインナ側弾性部材に対応している。弾性部材50としては、自動車における使用環境を考慮し例えば300℃程度までの耐熱性を有する弾性材料(ゴム系材料ないし樹脂系材料)を用いるのが好ましい。本実施の形態では、例えばフッ素ゴムもしくはシリコンゴムによって弾性部材50が構成されている。この弾性部材50は、図4に示すように、インナパッド20の耳部23に固定される第1環状部51、サポートプレート14の延出片14bに固定される第2環状部52、これら第1環状部51と第2環状部52とをつなぐ軸部53を備えている。第1環状部51(本発明における第1連結部に対応している)がインナパッド20の耳部23に引っ掛けられて固定され、第2環状部52(本発明における第2連結部に対応している)がサポートプレート14の延出片14bに引っ掛けられて固定される。この弾性部材50は、例えば弾性材料(フッ素ゴムもしくはシリコンゴム)による一体成形によって得ることができる。
【0018】
また、弾性部材50の軸部53はサポートプレート14の支持部14aによって支持されるようになっており、軸部53が支持部14aによって支持された状態では、インナパッド20にはディスクロータ40から引き離される方向への弾性付勢力が付与される。すなわち、本実施の形態の弾性部材50は、インナパッド20をディスクロータ40から離間させる方向(ディスクロータ40の軸方向外向き)へ常時弾性付勢力を作用させる機能を有する。
【0019】
なお、本実施の形態では、弾性部材50の軸部53はサポートプレート14の支持部14aによって支持されるようになっている。この態様が、本発明における「弾性部材は、側方延出部との第1連結部と基体部材との第2連結部との間において、この基体部材側に設けられた支持部によって支持される」との態様に対応している。この支持部14aはカール形状(波板状)になっており、しかも軸部53との当接箇所が曲面状(非先鋭状)になっているため、この支持部14aの当接によって弾性部材50の軸部53が損傷するのが極力防止される。
【0020】
一方、このような構成はアウタパッド30に関しても同様である。すなわち、図3に示すように、アウタパッド30の耳部33に対応した形状のサポートプレート14がマウンティング12のガイド部13に固定され、アウタパッド30は、サポートプレート14を介してディスクロータ40の軸方向(図1中の左右方向)へ摺動可能に案内される。
【0021】
弾性部材60はアウタパッド30の耳部33とサポートプレート14の延出片14bとを連結する構成になっている。この弾性部材60が本発明における引き離し手段およびアウタ側弾性部材に対応している。弾性部材60は、弾性部材50と同様にフッ素ゴムもしくはシリコンゴム等によって構成されている。この弾性部材60は、図4に示すように、アウタパッド30の耳部33に固定される第1環状部61、サポートプレート14の延出片14bに固定される第2環状部62、これら第1環状部61と第2環状部62とをつなぐ軸部63を備えている。第1環状部61(本発明における第1連結部に対応している)がアウタパッド30の耳部33に引っ掛けられて固定され、第2環状部62(本発明における第2連結部に対応している)がサポートプレート14の延出片14bに引っ掛けられて固定される。この弾性部材60は、例えば弾性材料(フッ素ゴムもしくはシリコンゴム)による一体成形によって得ることができる。
【0022】
また、弾性部材60の軸部63はサポートプレート14の支持部14aによって支持されるようになっており、軸部63が支持部14aによって支持された状態では、アウタパッド30にはディスクロータ40から引き離される方向への弾性付勢力が付与される。すなわち、本実施の形態の弾性部材60は、アウタパッド30をディスクロータ40から離間させる方向(ディスクロータ40の軸方向外向き)へ常時弾性付勢力を作用させる機能を有する。なお、弾性部材50と同様に、この支持部14aのカール形状(波板状)によって弾性部材60の軸部63が損傷するのが極力防止される。
【0023】
また、図4に示すように、本実施の形態では、弾性部材60の軸部63が弾性部材50の軸部53よりも太くなっている。この軸部53,63は、主に摩擦パッドの引き離し方向への弾性付勢力(引張り荷重)に関与する箇所であるため、軸部63の方を太くすることでインナパッド20側よりもアウタパッド30側の弾性付勢力(引張り荷重)が大きくなる。これは、通常インナパッド20側のみにシリンダ装置18を配する構成では、アウタパッド30の方がインナパッド20に比して摺動抵抗が大きいことを勘案しているからである。これにより、インナパッド20およびアウタパッド30を確実に作動させることが可能となる。
【0024】
キャリパ16には、マウンティング12に形成されたピン穴(図示省略)内を摺動可能な摺動ピン(図示省略)が取付けられている。これにより、キャリパ16は、マウンティング12に対してディスクロータ40の軸方向(図1中の上下方向)に摺動変位可能になっている。また、図5に示すようにこのキャリパ16のシリンダ装置18には、ピストン18bを摺動可能とするシリンダ18aが設けられており、このピストン18bに外部からブレーキ液圧が供給されることによりピストン18bがシリンダ18a内を摺動する。これにより、インナパッド20は図5中の左方向へ作動しアウタパッド30は図5中の右方向へ作動し、ディスクロータ40はこれらインナパッド20およびアウタパッド30によって両面から押圧される。
【0025】
次に、上記実施の形態のディスクブレーキ10の作動について説明する。
まず、運転者がブレーキ操作を行うと、シリンダ装置18に設けられたピストン18bは、外部からのブレーキ液圧供給によりシリンダ18a内をディスクロータ40側に摺動する。このピストン18bの摺動によってインナパッド20およびアウタパッド30がディスクロータ40の両面を押圧し、これによりディスクロータ40に制動力を与える。このとき、インナパッド20およびアウタパッド30は、各パッドをディスクロータ40から引き離そうとする弾性部材50,60の弾性付勢力に抗して作動しディスクロータ40を押圧する。
【0026】
一方、運転者がブレーキ操作を解除したときには、ピストン18bへのブレーキ液圧供給が停止され、このピストン18bがシリンダ18a内を反ディスクロータ40側に摺動する。このピストン18bの摺動によってインナパッド20およびアウタパッド30はディスクロータ40から離間し、これによりよりディスクロータ40への制動力は解除される。このとき、インナパッド20およびアウタパッド30は、各パッドをディスクロータ40から引き離そうとする弾性部材50,60の弾性付勢力にしたがって作動しディスクロータ40への押圧を解除する。
【0027】
以上のような第1実施の形態によれば、弾性部材50によってインナパッド20の耳部23とサポートプレート14の延出片14bとを連結し、弾性部材60によってアウタパッド30の耳部33とサポートプレート14の延出片14bとを連結することで、非制動時にインナパッド20およびアウタパッド30をディスクロータ40から確実に引き離し、またインナパッド20およびアウタパッド30に作用する力のバランスを所望のレベルに設定するのに有効である。
また、上記第1実施の形態によれば、第1環状部51,61、第2環状部52,62、軸部53,63を有する弾性部材50,60は、フッ素ゴムもしくはシリコンゴムによる一体成形によって得ることができるため、材料コストおよび加工コストを安価に抑えることが可能となる。
また、上記第1実施の形態によれば、弾性部材50,60の連結箇所として既設のサポートプレート14に延出片14bを設けるのみで対応可能であるため、ディスクブレーキ10の簡便な構成が可能となる。
また、上記第1実施の形態によれば、サポートプレート14の支持部14aをカール形状(波板状)としたため、弾性部材50,60が支持部14aに当接してすることで損傷するのを極力防止することができる。
また、上記第1実施の形態によれば、インナ側に配置される弾性部材50の軸部53よりも、アウタ側に配置される弾性部材60の軸部63の方を太くすることで、インナパッド20摺動抵抗の大きいアウタパッド30をもディスクロータ40から確実に引き離すことができる。
【0028】
次に、第2実施の形態を主に図6を参照しながら説明する。この第2実施の形態は、弾性部材50,60の取付け態様のみが第1実施の形態と異なる。ここで、図6は本発明の第2実施の形態であって、弾性部材50の別の取付け態様を示す部分断面図である。なお、図6において図2に示す要素と同一の要素には同一の符号を付している。
【0029】
〔第2実施の形態〕
図6に示す第2実施の形態では、弾性部材50の第2環状部52を連結する箇所が図2に示す第1実施の形態と異なっている。すなわち、この実施の形態では、サポートプレート14の延出片14bを省略するかわりに、マウンティング12に突出部12aを設ける。このマウンティング12(突出部12a)が本発明における基体部材に対応している。本実施の形態では、突出部12aは弾性部材50の第2環状部52が引っ掛かる形状に形成されている。従って、第1環状部51がインナパッド20の耳部23に引っ掛けられて固定され、第2環状部52がマウンティング12に突出部12aに引っ掛けられて固定される。なお、マウンティング12の突出部12aを用いることで弾性部材60についても同様の連結態様を実現することができる。
このような第2実施の形態によっても、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。とりわけ、弾性部材50,60の連結箇所として既設のマウンティング12に突出部12aを設けるのみで対応可能であるため、ディスクブレーキ10の簡便な構成が可能となる。
【0030】
なお、本発明は上記の第1および第2実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0031】
(A)上記実施の形態では、弾性部材50,60の一方を連結する基体部材としてサポートプレート14や、マウンティング12を用いる場合について記載したが、基体部材は車両の非回転部分に一体的に取付けられる箇所であればよく、サポートプレート14やマウンティング12以外の箇所に弾性部材50,60が連結されてもよい。
【0032】
(B)また、上記実施の形態では、弾性部材50,60をフッ素ゴムないしシリコンゴムを用いて構成する場合について記載したが、必要に応じて他のゴム系材料ないし樹脂系材料を用いることもできる。この場合、特に使用環境における耐熱性を考慮したうえで材料を選定するのが好ましい。
【0033】
(C)また、上記実施の形態では、弾性部材60の軸部63を弾性部材50の軸部53よりも太くすることで、インナパッド20側よりもアウタパッド30側の弾性付勢力(引張り荷重)を大きくする構成について記載したが、この形態にかえて、弾性部材50よりも弾性付勢力(引張り荷重)の大きい弾性材料によって弾性部材60を構成することもできる。
【0034】
(D)また、上記実施の形態では、弾性部材50,60のうち、第1環状部51,61、第2環状部52,62、軸部53,63の全てをフッ素ゴムないしシリコンゴムを用いて構成する場合について記載したが、少なくとも軸部53,63をゴム系材料ないし樹脂系材料を用いて構成すれば足りる。この場合、例えば、第1環状部51,61および第2環状部52,62を金属材料を用いて構成し、軸部53,63をゴム系材料ないし樹脂系材料を用いて構成することができる。
【0035】
(E)また、上記実施の形態では、ディスクブレーキを自動車に適用した場合について記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の車両にも適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非制動時に摩擦パッドをディスクロータから安定的に引き離す構成のディスクブレーキを安価に提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態のディスクブレーキ10の平面図であって部分的に断面を示すものである。
【図2】図1中のA−A線断面矢視図である。
【図3】図1中のB−B線断面矢視図である。
【図4】インナパッド20用の弾性部材50およびアウタパッド30用の弾性部材60を示す図である。
【図5】図1中のC−C線断面矢視図である。
【図6】本発明の第2実施の形態であって、弾性部材50の別の取付け態様を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10…ディスクブレーキ
12…マウンティング
12a…突出部
13…ガイド部
14…サポートプレート
14a…支持部
14b…延出片
16…キャリパ
18…シリンダ装置
20…インナパッド
21,31…摩擦材
22,32…裏金
23,33…耳部
30…アウタパッド
40…ディスクロータ
50,60…弾性部材
51,61…第1環状部
52,62…第2環状部
53,63…軸部

Claims (6)

  1. ディスクロータと、制動時にこのディスクロータに対し押圧される摩擦パッドと、非制動時にこの摩擦パッドを前記ディスクロータから引き離す引き離し手段とを有するディスクブレーキであって、
    前記引き離し手段は、ゴム系材料ないし樹脂系材料からなる弾性部材を備え、この弾性部材は、基体部材と前記摩擦パッドの側方へ延出する側方延出部とを連結することで、前記摩擦パッドに対し引き離し方向への弾性付勢力を付与するように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 請求項1に記載したディスクブレーキであって、
    前記基体部材として前記摩擦パッドとマウンティングとの間に介在するサポートプレートを備え、前記弾性部材は、前記摩擦パッドの側方延出部と前記サポートプレートとを連結する構成であることを特徴とするディスクブレーキ。
  3. 請求項1に記載したディスクブレーキであって、
    前記弾性部材は、前記摩擦パッドの側方延出部と前記基体部材としてのマウンティングとを連結する構成であることを特徴とするディスクブレーキ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載したディスクブレーキであって、
    前記弾性部材は、前記側方延出部との第1連結部と前記基体部材との第2連結部との間において、この基体部材側に設けられた支持部によって支持される構成であり、この支持部は前記弾性部材との当接箇所が曲面状に形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載したディスクブレーキであって、
    前記弾性部材としてインナ側の摩擦パッドに対応したインナ側弾性部材と、アウタ側の摩擦パッドに対応したアウタ側弾性部材とを備え、これらインナ側弾性部材とアウタ側弾性部材とでは、前記摩擦パッドに対する引き離し方向への弾性付勢力が異なるように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  6. 請求項5に記載したディスクブレーキであって、
    前記インナ側弾性部材と前記アウタ側弾性部材とでは、前記弾性付勢力に関与する箇所の太さが異なるように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
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