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JP2004175935A - インク組成物、これを用いる記録方法および記録画像ならびにこれを用いるインクヘッド - Google Patents

インク組成物、これを用いる記録方法および記録画像ならびにこれを用いるインクヘッド Download PDF

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JP2004175935A
JP2004175935A JP2002344214A JP2002344214A JP2004175935A JP 2004175935 A JP2004175935 A JP 2004175935A JP 2002344214 A JP2002344214 A JP 2002344214A JP 2002344214 A JP2002344214 A JP 2002344214A JP 2004175935 A JP2004175935 A JP 2004175935A
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Japan
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ink composition
ink
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water
present
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Application number
JP2002344214A
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English (en)
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Takanori Kamoto
貴則 加本
Masanori Kinomoto
正紀 木ノ元
Hiromi Nakatsu
裕美 中津
Seita Suzuki
清太 鈴木
Hiroyuki Kageyama
洋行 景山
Hiroaki Nakaya
浩明 中彌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】本発明の課題は、吐出安定性ならびに記録媒体に対する浸透性および乾燥性に優れ、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みがない、高画質品位の記録画像を形成することができるインクジェット用インク組成物、それを用いる記録方法および記録画像ならびにそれを用いるインクヘッドを提供することである。
【解決手段】本発明のインク組成物は、少なくとも(a)電気伝導率が250μS/cm以下の水媒体、(b)染料および(c)一般式
【化7】
Figure 2004175935

〔式中、mおよびnはそれぞれ1≦m+n≦30の関係を満たす0〜30の整数を示す。xおよびyはそれぞれ1≦x+y≦10の関係を満たす0〜10の整数を示す。〕
で表されるアルキレングリコール化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク組成物、これを用いる記録方法および記録画像ならびにこれを用いるインクヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、複写機、ファクシミリ装置などの出力機器に採用されているインクジェット方式はインクの微小液滴を、吐出ノズルから記録媒体上に吐出して、記録媒体に画像を記録する印刷方式であり、静粛性に優れる、高密度化が容易である、カラー化が容易である、高速印刷に耐えることができる、高品位の記録画像を安価に印刷できるといった数々の好ましい特徴を有し、非常に有用な印刷方式である。
【0003】
インクジェット方式には、圧電素子を用いる記録方法、膜沸騰現象を用いて気泡を発生させインクを吐出させる記録方法などがよく知られている。
【0004】
インクジェット方式において使用されるインク組成物には、吐出安定性ならびに記録媒体に対する浸透性および乾燥性に優れていることが要求される。吐出安定性に優れるインク組成物は、吐出ノズル内で乾燥して目詰まりを起こすことがなく、連続的にかつ安定的に吐出される。また、記録媒体に対する浸透性および乾燥性に優れるインク組成物は、記録媒体の内部または裏面まで浸透せず、表面から浅い部分に浸透するという適度な浸透性を示し、しかも記録媒体上で速やかに乾燥して定着するので、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲み(フェザリング)などがない高品位の記録画像が形成される。
【0005】
インクジェット用インク組成物としては、一般に、色材である染料または顔料、有機溶剤、界面活性剤などを水に溶解または分散させてなるインク組成物が使用されている。これらの成分の中でも、界面活性剤は、インク組成物の吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性などに大きな影響を及ぼす重要な成分であることは周知の事実である。
【0006】
従来から、インクジェット用インク組成物には、種々の界面活性剤が配合されている。たとえば、水溶性染料、ジエチレングリコールなどの有機溶剤および水を含む組成物に、界面活性剤として、前記組成物全量の0.0001〜10重量%のアセチレングリコール・エチレンオキシド付加物を配合することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、このインク組成物は、特に高速印刷時の吐出安定性、記録媒体に対する乾燥性、記録画像におけるフェザリングの有無、記録画像の鮮明度などの点で充分満足できる性能を有していない。
【0007】
また、染料または顔料、グリセリン、チオジグリコール、尿素などの有機溶剤、非イオン界面活性剤であるアセチレングリコール・エチレンオキシド付加物および水を含有するインク組成物を、加熱している記録媒体に吐出するインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、インクジェット方式では、一日あたり数百枚、時には数千枚におよぶ印刷を行うこともあり、その場合には記録媒体を加熱するための消費電力が大きくなり過ぎるので、この記録方法は現実的ではない。さらに、高速印刷を行う場合には、熱の伝わり方にむらが生じて、記録画像の画質を高品位に保てなくなる。
【0008】
一方、水溶性染料、エチレングリコールなどの多価アルコールおよび水中におけるミセル濃度での表面張力が20〜50dyne/cmを示す界面活性剤を含有し、残部が水であるインク組成物が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。この従来技術によれば、特定の性質を有する界面活性剤を添加することによって、インク組成物の表面張力を下げ、記録媒体へのインク浸透性を高めている。しかしながら、このインク組成物は記録媒体へ浸透しすぎるので、フェザリングが生じたり、画像濃度および鮮明度が低下し、記録画像の画質品位が不充分になることを避けることができない。
【0009】
以上に述べたように、インクジェット方式では、インク組成物の記録媒体上での浸透性と乾燥性、および記録画像の画質品位をいかに両立させるかが大きな課題になっている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭56−5871号公報
【特許文献2】
特開平11−129460号公報
【特許文献3】
特開昭55−29546号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、泡立ちにくく、泡が発生しても泡抜けしやすく、吐出安定性に優れ、高速印刷を連続して安定的に行うことができ、また記録媒体に対する浸透性および乾燥性に優れ、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みがない、高画質品位の記録画像を形成することができ、高速印刷を行っても記録画像の高画質品位が維持されるインクジェット用インク組成物、それを用いる記録方法および記録画像ならびにそれを用いるインクヘッドを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも(a)電気伝導率が250μS/cm(25℃)以下の水媒体、(b)染料および(c)一般式
【0013】
【化2】
Figure 2004175935
【0014】
〔式中、mおよびnはそれぞれ1≦m+n≦30の関係を満たす0〜30の整数を示す。xおよびyはそれぞれ1≦x+y≦10の関係を満たす0〜10の整数を示す。〕
で表されるアルキレングリコール化合物(以後「アルキレングリコール化合物(1)」と呼ぶ)を含むことを特徴とするインク組成物である。
【0015】
本発明に従えば、特定の電気伝導率を有する水媒体および染料を含むインクに、アルキレングリコール化合物(1)を配合することによって、インクの泡立ちなどを防止するとともに、吐出ノズル内でのインクの乾燥を防止し、吐出安定性に優れたインク組成物を得ることができる。また、アルキレングリコール化合物(1)の配合によって、記録媒体に対して適度な浸透性を有し、かつ記録媒体上で速やかに乾燥する、定着性に優れたインク組成物を得ることができる。
【0016】
したがって、本発明のインク組成物を用いると、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどが発生しない、高画質品位の記録画像を、連続して安定的に記録することができる。さらに高速印刷を行っても、記録画像の画質品位が低下することがない。
【0017】
また本発明のインク組成物は、電気伝導率が15mS/cm(25℃)以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、本発明インク組成物の電気伝導率を特定の範囲とすることによって、吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性、記録画像の画質品位などをさらに高めることができる。
【0019】
また本発明のインク組成物は、さらに水溶性有機溶剤をインク組成物全量の10〜70重量%含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、特定の電気伝導率を有する水、顔料およびアルキレングリコール化合物(1)を含むインク組成物に、さらに特定量の水溶性有機溶剤を配合することによって、本発明のインク組成物の吐出ノズル内での泡立ちおよび乾燥をさらに防止でき、さらに安定した印刷を実施することができる。また、水溶性有機溶剤の配合によって、記録媒体に対する浸透性を容易に調整することができる。
【0021】
また本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤が、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類であることを特徴とする。
【0022】
また本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤が、蒸気圧6.6665Pa(0.05mmHg)(20℃)以下の水溶性有機溶剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、水溶性有機溶剤として、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類である水溶性有機溶剤、好ましくは20℃における蒸気圧6.6665Pa以下の水溶性有機溶剤を用いることによって、インク組成物の吐出安定性を一層向上させることができる。
【0024】
また本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび1,5−ペンタンジオールよりなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、水溶性有機溶剤として特定のものを用いることによって、本発明インク組成物の吐出安定性をさらに向上させることができる。
【0026】
また本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤が、水より大きい蒸気圧を有する水溶性有機溶剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、水溶性有機溶剤として、水よりも大きい蒸気圧を有する水溶性有機溶剤を用いることによって、本発明インク組成物の吐出ノズル内での乾燥固化が一層防止され、吐出ノズルの目詰まりがさらに起こり難くなる。
【0028】
また本発明のインク組成物は、アセチレングリコール化合物(1)を臨界ミセル濃度以上含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、アセチレングリコール化合物(1)を特定濃度以上含有することによって、インク組成物の、疎水性面に対する濡れ性を向上させることができる。すなわち、プリンタ部材、特にインクタンク、インクヘッド、吐出ノズルなどに対する濡れ性が良好になり、インク組成物の供給が円滑に行われる。
【0030】
また本発明のインク組成物は、染料が少なくともアシッドブルー7、アシッドブルー9およびダイレクトブルー199から選ばれる1種または2種以上の青系染料を含む青系インク組成物であることを特徴とする。
【0031】
また本発明のインク組成物は、染料が少なくともアシッドレッド52、アシッドレッド289、リアクティブレッド58、リアクティブレッド141およびリアクティブレッド180から選ばれる1種または2種以上の赤系染料を含む赤系インク組成物であることを特徴とする。
【0032】
また本発明のインク組成物は、染料が少なくともアシッドイエロー17、アシッドイエロー23およびダイレクトイエロー86から選ばれる1種または2種以上の黄色系染料を含む黄色系インク組成物であることを特徴とする。
【0033】
また本発明のインク組成物は、染料が少なくともフードブラック2およびダイレクトブラック154から選ばれる1種または2種以上の黒系染料を含む黒系インク組成物であることを特徴とする。
【0034】
また本発明のインク組成物は、前述の青系インク組成物、前述の赤系インク組成物および前述の黄色系インク組成物からなるインクセットであることを特徴とする。
【0035】
本発明に従えば、特定の青系染料を含む青系インク組成物、特定の赤系染料を含む赤系インク組成物、特定の黄色系染料を含む黄色系インク組成物、特定の黒系染料を含む黒系インク組成物、および前記青系インク組成物と赤系インク組成物と黄色系インク組成物とからなるインクセットが得られる。特に前記インクセットを用いれば、発色性に優れ、カラーバランスが極めて良好な記録画像を記録することができる。
【0036】
また本発明は、インク組成物を記録媒体上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
前記インク組成物には、前述のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法である。
【0037】
本発明に従えば、本発明インク組成物およびインクセットから選ばれるインク組成物を記録媒体上に付着させて、記録媒体に画像を記録する方法が提供される。
【0038】
また本発明は、インク組成物に圧力をかけることによって前記インク組成物の液滴を吐出させ、前記液滴を記録媒体上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
前記インク組成物には、前述のインク組成物を用いることを特徴とする記録方法である。
【0039】
本発明に従えば、本発明のインク組成物に加圧して液滴とし、この液滴を記録媒体上に付着させて、記録媒体に画像を記録する方法が提供される。
【0040】
また本発明の記録方法は、前記インク組成物に、少なくとも、前述のインクセットであるインク組成物を用いることを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、本発明の記録方法において、インク組成物として、前述のインクセットである本発明のインク組成物を用いることによって、さらに高い画質品位を有する記録画像を記録することができる。
【0042】
また本発明は、本発明の記録方法によって記録されることを特徴とする記録画像である。
【0043】
本発明に従えば、本発明の記録方法によって、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどがない、高画質品位の記録画像を形成することができる。
【0044】
本発明は、前述のインク組成物を貯留するインクタンクと、
前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、
前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物に対して圧力をかける圧電素子と、
前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッドである。
【0045】
また本発明は、前述のインク組成物を貯留するインクタンクと、
前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物を加熱して気泡を発生させることによって前記インク組成物に対して圧力をかける発熱体と、
前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを有することを特徴とするインクヘッドである。
【0046】
本発明に従えば、ピエゾ式またはバブル式のインクジェット記録用インクヘッドに、本発明のインク組成物を組合わせて用いることによって、連続してかつ安定的な吐出を行うことができ、この吐出性能は高速印刷を行っても、劣化することがない。
【0047】
また本発明は、本発明のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、記録媒体上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像である。
【0048】
本発明に従えば、本発明のインクヘッドから本発明のインク組成物の液滴を吐出し、この液滴を記録媒体上に付着させることによって得られる記録画像は、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどがなく、極めて良好な画質品位を有している。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明のインク組成物は、(a)電気伝導率が250μS/cm(25℃)以下の水媒体、(b)染料および(c)アセチレングリコール化合物(1)を必須成分として含んでいる。
【0050】
すなわち、本発明のインク組成物は、顔料およびアセチレングリコール化合物(1)を必須成分とし、残部が電気伝導率250μS/cm(25℃)以下の水媒体である水性組成物である。
【0051】
本発明のインク組成物は、好ましくは、電気伝導率が15mS/cm(25℃)以下である。電気伝導率を15mS/cm以下にすると、インク組成物の吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性、記録画像の画質品位などをさらに高めることができる。電気伝導率を15mS/cm以下にするには、電気伝導率を15mS/cm以下にするには、本発明のインク組成物の必須成分および添加可能成分以外のイオン性物質をできるだけ排除すればよい。たとえば、電気伝導率250μS/cm以下の水媒体を使用することによって、インク組成物の電気伝導率を15mS/cm以下にすることができる。
【0052】
なお、本明細書において、電気伝導率は、東亜電波工業(株)製の装置(商品名:CM−40G)を用い、上記所定の温度で測定した。
【0053】
本発明のインク組成物は、25℃における粘度が好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下である。粘度を20mPa・s以下にすることによって、インク組成物を一層適正に吐出することが可能となる。また、表面張力が好ましくは20〜60mN/m、より好ましくは20〜50mN/mである。表面張力を20〜60mN/mの範囲にすることによって、インク組成物が一層スムーズにインク供給系内に供給される。
【0054】
粘度または表面張力を前述の範囲に調整するには、たとえば、アルキレングリコール化合物(1)の含有量を調整したり、必要に応じて、アルキレングリコール化合物(1)ならびに後述するエチレンオキシド含有化合物および水溶性有機溶剤のそれぞれの含有量を所定の範囲内で適宜選択すればよい。
【0055】
本発明のインク組成物において、(a)成分である水媒体は、純水(不純物を含まない水)または不純物を含む水である。不純物とは、通常水に含まれる微量成分であり、たとえば、無機塩その他のミネラル分などを挙げることができる。
【0056】
本発明においては、電気伝導率は、水の純度を示す指標、換言すれば、水に含まれる不純物の量を示す指標として用いられる。
【0057】
本発明において使用される水媒体の電気伝導率(25℃)は、好ましくは250μS/cm以下、より好ましくは10μS/cm以下である。電気伝導率が250μS/cmを超えると、水媒体中の不純物量が多くなりすぎ、吐出安定性ならびに記録媒体に対する浸透性および乾燥性に優れたインク組成物を得ることができない。これは、水媒体中に、電気伝導率が250μS/cmを超えるような量の不純物が存在すると、不純物がアセチレングリコール化合物(1)の周囲を取り囲み、アセチレングリコール化合物(1)が所望の効果を充分に発揮できないことによるものと考えられる。
【0058】
(b)成分である染料としては、公知の水溶性染料を使用できる。具体的には、たとえば、酸性染料、直接染料、反応性染料などを挙げることができる。その中でも、耐水性および/または耐光性に優れるもの、人体に対する安全性に優れるものなどが好ましい。その具体例をカラーインデックスナンバー(CI)で示すと、青系染料としては、たとえば、アシッドブルー7、9、29、45、92、249、ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、90、98、163、165、199、202、リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、38、41、63、80、95などを挙げることができる。これらの中でも、アシッドブルー7、9およびダイレクトブルー199から選ばれる青系染料が好ましい。赤系染料としては、たとえば、アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289、ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、ダイレクトオレンジ26、29、62、102、リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97、141、147、181などを挙げることができる。これらの中でも、アシッドレッド52、289、リアクティブレッド58、141および180から選ばれる赤系染料が好ましい。黄色系染料としては、たとえば、アシッドイエロー1、7、17、23、42、44、79、142、ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67などを挙げることができる。これらの中でも、アシッドイエロー17、23およびダイレクトイエロー86から選ばれる黄色系染料が好ましい。黒系染料としては、たとえば、フードブラック2、ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171、リアクティブブラック3、4、7、11、12、17などを挙げることができる。これらの中でも、フードブラック2およびダイレクトブラック154から選ばれる黒系染料が好ましい。染料は1種を単独で使用できまたは同色系もしくは異色系のものを2種以上併用できる。
【0059】
染料含有量は特に制限されるものではないけれども、本発明のインク組成物全量の0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の範囲から選択される。0.05重量%未満では、画像濃度が著しく低くなり、色を表現することが困難になる。一方20重量%を超えると、粘度上昇が起こり、インクとしての適正粘度範囲を有するインク組成物を得ることができない。
【0060】
(c)成分であるアセチレングリコール化合物(1)は、アセチレングリコールにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが付加した公知の有機化合物である。アセチレングリコール化合物(1)を添加することによって、吐出ノズルなどのプリンタ部材に対する濡れ性が向上し、インクを安定的に供給することが可能となり、高速印刷の際にもインクの供給がスムーズに行われる。また、インク内に泡が発生しにくく、発生しても比較的泡が抜けやすい。さらに、インクの浸透性を向上させるので、記録媒体、特に普通紙に印刷すると、浸透速度が早められる。
【0061】
アセチレングリコール化合物(1)におけるエチレンオキシドの付加割合は、アセチレングリコール1モルに対して1〜30モルである。エチレンオキシド付加割合が1モル未満では、水溶性が低下する、一方30モルを超えて付加してもその性質は変化しないので、付加する技術的な意義がない。プロピレンオキシドの付加割合は、アセチレングリコール1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。プロピレンオキシドの付加割合が1モル未満では、プロピレンオキシドを付加する効果(たとえば、泡立ちしにくいという効果)が発現しにくくなる。一方10モルを超えると、親水性が低下し、水に溶解しにくくなる。
【0062】
アセチレングリコール化合物(1)の含有量は特に制限されるわけではないけれども、アセチレングリコール化合物(1)の水に対する臨界ミセル濃度(0.05重量%、25℃)以上、好ましくは0.05〜5重量%の範囲から選択される。アセチレングリコール化合物(1)の含有量が水に対する臨界ミセル濃度を下回ると、アセチレングリコール化合物(1)の効果が充分に発現しない。
【0063】
したがって、水媒体の使用量に応じて、アセチレングリコール化合物(1)が臨界ミセル濃度以上に含有されるように、その使用量を決定すればよい。
【0064】
本発明のインク組成物は、エチレンオキシドを含有する化合物を含んでいてもよい。エチレンオキシド含有化合物としては、たとえば、一般式
【0065】
【化3】
Figure 2004175935
【0066】
〔式中、eおよびfはそれぞれ、0≦e+f≦30の関係を満たす0〜30の整数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール・エチレンオキシド付加物、一般式
【0067】
【化4】
Figure 2004175935
【0068】
〔式中、kは11〜13の整数を示す。lは3〜30の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
【0069】
【化5】
Figure 2004175935
【0070】
〔式中、hおよびiはそれぞれ0〜11の整数を示す。jは3〜50の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
【0071】
【化6】
Figure 2004175935
【0072】
〔式中、aは5〜9の整数を示す。bは2.5〜5の正数を示す。wおよびzはそれぞれ、9≦w+z≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で表される化合物、一般式
HO(CHCHO)(CHCHCHO)(CHCHO)H (6)
〔式中、pは0〜78の整数を示す。qは2〜15の整数を示す。rは0〜18の整数を示す。〕
で表される化合物などを挙げることができる。エチレンオキシド含有化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0073】
エチレンオキシド含有化合物の含有量は特に制限されることはないけれども、通常本発明インク組成物全量の0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲から選択される。
【0074】
本発明のインク組成物は、その吐出安定性、記録媒体への浸透性などを向上させるために、水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。水溶性有機溶剤としては特に制限されないけれども、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールなどのグリコール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオールなどの3価以上の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどの多価アルコールエーテル類、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの硫黄含有化合物、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタムなどの窒素含有ヘテロ環化合物、γ−ブチロラクトンなどの酸素含有ヘテロ環化合物、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、モルホリンなどの多官能化合物などを挙げることができる。
【0075】
これらの水溶性有機溶剤の中でも、吐出安定性、記録媒体への浸透性などを向上させる度合いを考慮すると、グリコールエーテル類、多価アルコール類などが好ましく、さらにその中でも、20℃における蒸気圧が6.6665Pa(0.05mmHg)以下であるもの、たとえば、グリセリン、1,2−ヘキサンジオールなどの多価アルコール類がより好ましい。
【0076】
また、吐出安定性を向上させるという観点からは、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび1,5−ペンタンジオールよりなる群から選ばれる1種または2種以上の水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。
【0077】
また、前記に例示の水溶性有機溶剤のほかに、蒸気圧が水の蒸気圧より大きい水溶性有機溶剤を用いることもできる。このような水溶性有機溶剤の配合によって、吐出ノズル内での本発明インク組成物の乾燥が防止され、吐出ノズルの目詰まりがさらに起こり難くなる。蒸気圧が水よりも大きい水溶性有機溶剤としては、たとえば、イソプロパノール、エタノールなどを挙げることができる。
【0078】
水溶性有機溶剤は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
水溶性有機溶剤の含有量は、特に制限されることはないけれども、色滲みの発生を一層防止したり、記録媒体に対する乾燥性をさらに向上させるということを考慮すると、通常本発明のインク組成物全量の10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲から選択される。ただし、水溶性有機溶剤よりも水媒体を多く含む本発明のインク組成物を得ようとする場合は、水溶性有機溶剤の含有量は、色滲みの発生防止、記録媒体に対する乾燥性などを考慮すると、本発明のインク組成物全量の10〜40重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲から選択される。
【0079】
本発明のインク組成物は、その好ましい特性を損なわない範囲で、防カビ剤、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、紫外線吸収剤などの、インクジェット用インク組成物の一般的な添加剤を含んでいてもよい。防カビ剤としては、たとえば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。pH調整剤としては、たとえば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどのアルカリ金属硝酸塩などが挙げられる。キレート試薬としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。防錆剤としては、たとえば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート化合物などが挙げられる。添加剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0080】
さらに本発明のインク組成物は、必要に応じて、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、目詰まり防止剤などを含んでいてもよい。
【0081】
本発明のインク組成物は、たとえば、染料およびアルキレングリコール化合物(1)の適量、ならびに必要に応じてエチレンオキシド含有化合物、水溶性有機溶剤、その他の添加剤などの適量を用い、これに特定の電気伝導率を有する水媒体を加えて全量を100重量%に調整し、各成分を水媒体に分散または溶解させることによって製造できる。
【0082】
分散は、通常の分散機を用いて行われる。該分散機には、たとえば、ディスパ、サンドミル、ホモジナイザ、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカ、超音波分散機などを挙げることができる。混合は、攪拌用の羽根を備えている攪拌機、高速の分散機、乳化機などによって行われる。
【0083】
本発明においては、各成分を水媒体に混合または分散させた後に、濾過を行ってもよい。濾過は、たとえば、孔径0.8μm以下のフィルター、孔径0.45μm以下のフィルターなどを用い、常圧下または減圧下に行われる。
【0084】
このようにして得られる本発明インク組成物の好ましい形態としては、
(a)染料が、アシッドブルー7、アシッドブルー9およびダイレクトブルー199から選ばれる1種または2種以上の青系染料を含むインク組成物、
(b)染料が、アシッドレッド52、アシッドレッド289、リアクティブレッド58、リアクティブレッド141およびリアクティブレッド180から選ばれる1種または2種以上の赤系染料を含むインク組成物、
(c)染料が、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23およびダイレクトイエロー86から選ばれる1種または2種以上の黄色系染料を含むインク組成物、
(d)染料が、フードブラック2およびダイレクトブラック154から選ばれる1種または2種以上の黒系染料を含むインク組成物、
(e)前記(a)、(b)および(c)のインク組成物からなるインクセット、
などを挙げることができる。これらの中でも、色のバランスなどから、(e)のインクセットが特に好ましい。
【0085】
本発明のインク組成物は、インクジェット記録方式用の水性インクとして好適に用いられる。また本発明のインク組成物は、インクジェット記録方式用の水性インクとして用いられるだけでなく、水性インクが用いられる実質的に全ての用途に用いることができる。該用途の具体例としては、たとえば、グラビアインクなどの印刷インク、水性塗料、化粧品、筆記具用インク、トナー、液体現像剤、電子写真用材料などを挙げることができる。
【0086】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を、インクジェット記録装置によって、記録媒体上に吐出することによって、行われる。
【0087】
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を使用する以外は、従来のインクジェット記録方法と同様に実施できる。
【0088】
インクジェット記録装置としては、従来から知られているものを用いることができ、たとえば、圧電素子を用いるインクジェット記録装置、インクに圧力をかけてインクの液滴を吐出するインクジェット記録装置、膜沸騰現象を利用して気泡を発生させ、インクを吐出するインクジェット記録装置などを挙げることができる。
【0089】
記録媒体としては、従来から使用されているものを用いることができ、たとえば、普通紙、葉書、カラーコピー用紙、インクジェット用紙、プラスチックシート、プラスチックフィルムなどを挙げることができる。
【0090】
本発明のインクジェット記録方法によって、記録媒体上に形成される画像は、ひげ状の色滲みなどがなく、画像濃度および鮮明度が高く、極めて良好な画質品位を有している。
【0091】
次に、本発明のインクヘッドについて説明する。図1は、本発明インクヘッド1の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すインクヘッド1を構成するヘッドプレート10の構成の一部を拡大して示す図である。なお、図1では、図2に示す駆動電極13は、図が錯綜して理解が困難になるので記載を省略する。
【0092】
インクヘッド1は、圧電材料からなる平板状の底壁部11および底壁部11から予め定める間隔をあけて垂直に立ち上がるように形成される複数の隔壁部12とを有するヘッドプレート10と、隔壁部12の上面に接して設けられる天板20と、複数の吐出口31を備え底壁部11の一方の端部11aに設けられるノズルプレート30と、底壁部11の他方の端部11bに設けられる図示しない背面板と、天板20の上面に接して設けられる開口部51を有するインクタンク50とを含んで構成される。複数の隔壁部12は、底壁部11上で一端部から他端部に向かって垂直に延びて互いに平行に配置されており、複数の隔壁部12と底壁部11と天板20とノズルプレート30と図示しない背面板とによって複数のインク室40が形成されている。天板20には、各インク室40に連通するインク供給路21と、インク供給路21とインクタンク50の開口部51とを連結するインク供給管22とが形成される。インクタンク50には実施の第1形態のインク組成物60が貯留されており、このインク組成物60はインク供給路21内を流過して各インク室40に供給される。
【0093】
また図2に示すように、ヘッドプレート10の底壁部11および複数の隔壁部12のインク室40に臨む表面には、複数の隔壁部12に電圧を印加する駆動電極13が設けられる。また複数の隔壁部12をなす圧電材料は、矢符70の方向に分極しており、複数の隔壁部12は圧電素子として機能する。
【0094】
このように構成されるインクヘッド1は、圧電素子である複数の隔壁部12に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるピエゾ方式のインクヘッドである。
【0095】
インクヘッド1において、インク室40からインク組成物60を吐出させる際の動作について説明する。図3は、図1に示すインクヘッド1をインク室40の延長方向から見た断面図である。ここでは、インク室40bからインク組成物60を吐出させる場合の動作について説明する。
【0096】
インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bに電圧が印加されていないとき、すなわちインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40aの駆動電極13aとの間、およびインク室40bの駆動電極13bとインク室40bに隣接するインク室40cの駆動電極13cとの間に電位差が生じていないとき、インク室40bは、毛管作用によってインクタンク50から供給されるインク組成物60で充填された状態になっている。同様に、インク室40aおよび40cもインク組成物60で充填された状態になっている。
【0097】
駆動電極13aおよび駆動電極13cに電圧が印加されると、駆動電極13bと駆動電極13aとの間、および駆動電極13bと駆動電極13cとの間に電位差が生じ、インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bに電圧が印加される。この電圧によって、隔壁部12aおよび12bにそれぞれ矢符71および72の方向の電界が発生し、この電界の作用によって、インク室40bを構成する隔壁部12aおよび12bにひずみが生じ、インク室40b側に凸になるように変形する。これによって、圧力波が発生し、インク室40b内に充填されているインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴が吐出口31から吐出する。
【0098】
駆動電極13aおよび駆動電極13cへの電圧の印加を止めると、隔壁部12aおよび12bの形状が元に戻ってインク室40bの体積が元に戻り、復元された体積分のインク組成物60がインク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40bは、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0099】
本実施の形態によるインクヘッド1では、前述のようにインクタンク50は本発明のインク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いピエゾ方式のインクジェット記録装置を実現することができる。
【0100】
本実施の形態によるインクヘッド1を備えるピエゾ方式のインクジェット記録装置において、本発明のインク組成物を用いて記録を行うと、ヘッド内のインク供給系への濡れ性が向上し、インクの供給がスムーズに行われるため、信頼性の高いピエゾ方式のインクジェット記録装置が実現できる。
【0101】
本実施の形態では、インク室40を構成する隔壁部12を圧電材料で形成し、圧電素子として機能させるけれども、これに限定されることなく、インク室を構成する隔壁を圧電材料以外の材料で形成し、隔壁の内方または外方に圧電素子を設けてもよい。
【0102】
図4は、本発明の第3の実施形態であるインクヘッド2の構成を簡略化して示す分解斜視図であり、図5は、図4に示すインクヘッド2の構成の一部を示す平面図である。なお、図5では、図4に示す天板20およびインクタンク50は、図が錯綜して理解が困難になるので、記載を省略する。本実施の形態のインクヘッド2は、実施の第2形態のインクヘッド1と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0103】
注目すべきは、ヘッドプレート100が、基板101と、基板101上で予め定める間隔をあけ、一端部から他端部へ向かって垂直に延びて互いに平行に配置される複数の隔壁102と、基板101のインク室40に臨む表面上に設けられる発熱体であるヒータ103と、ヒータ103に電圧を印加する駆動電極104および105とを含んで構成されることである。
【0104】
このように構成されるインクヘッド2は、発熱体であるヒータ103に印加される電圧に応じて、吐出口31からインク組成物60の液滴を吐出させることのできるサーマルインクジェット方式のインクヘッドである。
【0105】
インクヘッド2において、インク室40からインク組成物60を吐出させる際の動作について説明する。図6は、インク室40からインク組成物60の液滴61が吐出する状態を示す図である。図6では、図5に示すインクヘッド2の切断面線I−Iにおける断面構成を示す。
【0106】
ヒータ103に電圧が印加されていないとき、実施の第2形態のインクヘッド1において隔壁部12に電圧が印加されていないときと同様に、インク室40はインク組成物60が充填された状態になっている。
【0107】
駆動電極104および105によってヒータ103に電圧が印加されると、ヒータ103が発熱し、インク室40内に充填されているインク組成物60が加熱されて、気泡62が発生する。これによって、圧力波が発生し、インク室40内に充填されているインク組成物60に大きな圧力がかかり、インク組成物60の液滴61が吐出口31から吐出する。
【0108】
ヒータ103への電圧の印加を止めると、インク室40内のインク組成物60が冷却されて気泡62が消滅し、消滅した気泡の体積分のインク組成物60がインク供給路21を介してインクタンク50から供給され、インク室40は、インク組成物60が充填された初期の状態に戻る。
【0109】
本実施の形態によるインクヘッド2では、前述の実施の第2形態のインクヘッド1と同様に、インクタンク50は実施の第1形態のインク組成物60を貯留し、このインク組成物60がインク室40に供給されて吐出口31から液滴61として吐出するので、安定して吐出口31からインク組成物60の液滴61を吐出させることができる。このようなインクヘッドを用いれば、信頼性の高いサーマルインクジェット方式のインクジェット記録装置を実現することができる。
【0110】
本実施の形態によるインクヘッドを備えるサーマルインクジェット方式のインクジェット記録装置において、本発明のインク組成物を用いて記録を行うと、ヘッド内のインク供給系への濡れ性が向上し、インクの供給がスムーズに行われるため、信頼性の高いサーマル方式のインクジェット記録装置が実現できる。
【0111】
本発明のインクヘッドを備えるインクジェット記録装置および本発明のインク組成物を用いれば、ひげ状の色滲みがなく、画像濃度および鮮明度が高く、高い画質品位を有する記録画像を形成することができる。
【0112】
[実施例]
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、以下において「%」とあるのは、特に断らないかぎり「重量%」を意味する。
【0113】
実施例1〜6および比較例1〜5
表1に示す割合(%)で各成分を混合し、これに水を加えて全量を100%とした。この混合物を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、次いで脱気処理し、本発明のインク組成物および比較例のインク組成物を調製した。
【0114】
なお、表1において、商品名で記載されている界面活性剤およびアセチレングリコール化合物(1)は、具体的には次のとおりである。
【0115】
[界面活性剤]
ソフタノールEP9050(商品名):非イオン界面活性剤(第2級高級アルコールエトキシレート界面活性剤)、(株)日本触媒製
サーフィノール465(商品名):非イオン界面活性剤、エアープロダクツ社製
【0116】
[アセチレングリコール化合物(1)]
商品名サーフィノール2505、m+n=5、x+y=2、エアープロダクツ社製
【0117】
また、実施例1〜6および比較例1〜5で使用される水溶性有機溶剤の蒸気圧(20℃)は次のとおりである。ちなみに水は2.3KPa(20℃)である。
ジエチレングリコール:79Pa
グリセリン:0.1Pa
1,2−ヘキサンジオール:1.33Pa以下
【0118】
試験例1
実施例1〜6および比較例1〜5で得られたインク組成物について、次の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0119】
[高速印刷性]
インクジェットプリンタ(商品名:AJ2000、シャープ(株)製)のインクヘッドを本発明のインクヘッドに交換できるよう改造を行った。このプリンタを用い、印刷濃度5%とし、7PPM(7枚/分)で連続的に印刷を行い、印字可能枚数を調べた。印刷枚数が200枚を超えるものを「○」、150〜200枚であるものを「△」、150枚未満のものを「×」と評価した。
【0120】
[乾燥性]
印刷終了直後、印刷面に印刷紙と同じ紙を15秒間押し当て、印刷が転写しないものを「○」、転写するものを「×」と評価した。
【0121】
[色滲み性]
PPC用紙(商品名:SF4AM3、シャープ(株)製)に特定のパターンを印刷して1日間放置後、該パターンのライン幅を測定し、滲みがないと仮定した場合のライン幅を100とし、それに対する相対値として評価を行った。150未満のものを「○」、150〜250のものを「△」および250を超えるものを「×」と評価した。
【0122】
[泡立ち性]
インク組成物を20秒間振とうして5分間静置した後、泡高さを測定し、10mm以下のものを「○」および10mmを超えるものを「×」と評価した。
【0123】
【表1】
Figure 2004175935
【0124】
表1から、アセチレングリコール化合物(1)を含み、かつ水の電気伝導率が250μS/cm以下である水を含む本発明品(実施例1〜6)は、高速印刷性、乾燥性、色滲み性および泡立ち性を高い水準で満たし、インクジェット用インク組成物として極めて好適であることが判る。
【0125】
試験例2
実施例1〜6のインク組成物および比較例1〜3のインク組成物について、表2に示す青系インク、赤系インクおよび黄色系インクの3種類を組合わせ、印字率1:1:1で印刷し、スリーカラーブラックを光沢紙上に印刷した。このスリーカラーブラックを測色計(商品名:X−Rite938、マクベス社製)によって測定した。さらに、このスリーカラーブラックのサンプルを室内で2カ月放置した後、再度測色計(X−Rite938)によって測定し、色差ΔEを求めた。また、2カ月放置後のサンプルについて、目視で観察を行った。評価は、色差ΔEと目視観察とを総合して行い、ΔEが15以上または目視観察にて青、赤および黄のいずれか単色が退色し、色が変化していることが判るものを「×」、それ以外のものを「○」とした。
【0126】
【表2】
Figure 2004175935
【0127】
表2から、実施例1〜5から選ばれる3種のインク組成物を重ね合わせて得られるNo.1〜4の黒色画像は、比較例1〜3の3種類のインク組成物を重ね合わせて得られる黒色画像に比べ、高い画像濃度を有する黒色画像であることが判る。すなわち、実施例のインクセットであるNo.1〜4は、比較例のインクセットであるNo.5に比べ、黒色再現性が良好であり、カラーバランスに優れることが判る。
【0128】
以上のように、アシッドブルー7、アシッドブルー9およびダイレクトブルー199の少なくとも1種の染料を含有する青系インク組成物と、アシッドレッド52、アシッドレッド289、リアクティブレッド58、リアクティブレッド141およびリアクティブレッド180の少なくとも1種の染料を含有する赤系インク組成物と、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23およびダイレクトイエロー86の少なくとも1種の染料を含有する黄色系インク組成物とを組合せることによって、カラーバランスに優れるインクセットを得られることが判る。
【0129】
また、表2の結果から、ヘッド内のインク供給系への濡れ性が高い本発明のインク組成物を用いることによって、インク組成物の供給がスムーズに行われるため、信頼性の高いサーマル方式のインクジェット記録装置が実現できることが判る。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の電気伝導率を有する水媒体および染料を含むインクに、アルキレングリコール化合物(1)を配合することによって、インクの泡立ちなどを防止するとともに、吐出ノズル内でのインクの乾燥を防止し、吐出安定性に優れたインク組成物を得ることができる。また、アルキレングリコール化合物(1)の配合によって、記録媒体に対して適度な浸透性を有し、かつ記録媒体上で速やかに乾燥する、定着性に優れたインク組成物を得ることができる。
【0131】
したがって、本発明のインク組成物を用いると、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどが発生しない、高画質品位の記録画像を、連続して安定的に記録することができる。さらに高速印刷を行っても、記録画像の画質品位が低下することがない。
【0132】
本発明によれば、本発明インク組成物の電気伝導率を特定の範囲とすることによって、吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性、記録画像の画質品位などをさらに高めることができる。
【0133】
本発明によれば、特定の電気伝導率を有する水、染料およびアルキレングリコール化合物(1)を含むインク組成物に、さらに特定量の水溶性有機溶剤を配合することによって、本発明のインク組成物の吐出ノズル内での泡立ちおよび乾燥をさらに防止でき、さらに安定した印刷を実施することができる。また、水溶性有機溶剤の配合によって、記録媒体に対する浸透性を容易に調整することができる。
【0134】
本発明によれば、水溶性有機溶剤として、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類である水溶性有機溶剤、好ましくは20℃における蒸気圧6.6665Pa以下の水溶性有機溶剤を用いることによって、インク組成物の吐出安定性を一層向上させることができる。
【0135】
本発明によれば、水溶性有機溶剤として、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび1,5−ペンタンジオールから選ばれる特定のものを用いることによって、本発明インク組成物の吐出安定性をさらに向上させることができる。
【0136】
本発明によれば、水溶性有機溶剤として、水よりも大きい蒸気圧を有する水溶性有機溶剤を用いることによって、本発明インク組成物の吐出ノズル内での乾燥固化が一層防止され、吐出ノズルの目詰まりがさらに起こり難くなる。
【0137】
本発明によれば、アセチレングリコール化合物(1)を特定濃度以上含有することによって、インク組成物の、疎水性面に対する濡れ性を向上させることができる。すなわち、プリンタ部材、特にインクタンク、インクヘッド、吐出ノズルなどに対する濡れ性が良好になり、インク組成物の供給が円滑に行われる。
【0138】
本発明によれば、特定の青系染料を含む青系インク組成物、特定の赤系染料を含む赤系インク組成物、特定の黄色系染料を含む黄色系インク組成物、特定の黒系染料を含む黒系インク組成物、および前記青系インク組成物と赤系インク組成物と黄色系インク組成物とからなるインクセットが得られる。特に前記インクセットを用いれば、発色性に優れ、カラーバランスが極めて良好な記録画像を記録することができる
本発明によれば、本発明インク組成物を記録媒体上に付着させて、記録媒体に画像を記録する方法が提供される。
【0139】
本発明によれば、本発明インク組成物を加圧して液滴とし、この液滴を記録媒体上に付着させて、記録媒体に画像を記録する方法が提供される。
【0140】
本発明によれば、本発明の記録方法において、インク組成物として、本発明のインクセットを用いることによって、さらに高い画質品位を有する記録画像を記録することができる。
【0141】
本発明によれば、本発明の記録方法によって、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどがない、高画質品位の記録画像を形成することができる。
【0142】
本発明によれば、ピエゾ式またはバブル式のインクジェット記録用インクヘッドに、本発明インク組成物を組合わせて用いることによって、連続してかつ安定的な吐出をおこなうことができ、この吐出性能は高速印刷を行っても、劣化することがない。
【0143】
本発明によれば、本発明のインクヘッドから本発明インク組成物の液滴を吐出し、この液滴を記録媒体上に付着させることによって得られる記録画像は、画像濃度および鮮明度が高く、ひげ状の色滲みなどがなく、極めて良好な画質品位を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクヘッドを構成するヘッドプレートの構成の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1に示すインクヘッドをインク室の延長方向から見た断面図である。
【図4】本発明のインクヘッドの構成を簡略化して示す分解斜視図である。
【図5】図4に示すインクヘッドの構成の一部を示す平面図である。
【図6】インク室からインク組成物の液滴が吐出する様子を示す図であり、図5に示すインクヘッドの切断面線I−Iにおける断面構成を示す。
【符号の説明】
1,2 インクヘッド
10,100 ヘッドプレート
11 底壁部
11a 一方の端部
11b 他方の端部
12,12a,12b 隔壁部
13,13a,13b,13c,104,105 駆動電極
20 天板
21 インク供給路
30 ノズルプレート
31 吐出口
40,40a,40b,40c インク室
50 インクタンク
51 開口部
60 インク組成物
61 液滴
62 気泡
70,71,72 矢符
101 基板
102 隔壁
103 ヒータ

Claims (20)

  1. 少なくとも(a)電気伝導率が250μS/cm(25℃)以下の水媒体、(b)染料および(c)一般式
    Figure 2004175935
    〔式中、mおよびnはそれぞれ1≦m+n≦30の関係を満たす0〜30の整数を示す。xおよびyはそれぞれ1≦x+y≦10の関係を満たす0〜10の整数を示す。〕
    で表されるアルキレングリコール化合物を含むことを特徴とするインク組成物。
  2. 電気伝導率が15mS/cm(25℃)以下であることを特徴とする請求項1記載のインク組成物。
  3. さらに水溶性有機溶剤をインク組成物全量の10〜70重量%含むことを特徴とする請求項1または2記載のインク組成物。
  4. 水溶性有機溶剤が、グリコールエーテル類および/または多価アルコール類であることを特徴とする請求項3に記載のインク組成物。
  5. 水溶性有機溶剤が、蒸気圧6.6665Pa(20℃)以下の水溶性有機溶剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項4記載のインク組成物。
  6. 水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルおよび1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項3記載のインク組成物。
  7. 水溶性有機溶剤が、水より大きい蒸気圧を有する水溶性有機溶剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載のインク組成物。
  8. アセチレングリコール化合物を臨界ミセル濃度以上含むことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  9. 染料が少なくともアシッドブルー7、アシッドブルー9およびダイレクトブルー199から選ばれる1種または2種以上の青系染料を含むことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  10. 染料が少なくともアシッドレッド52、アシッドレッド289、リアクティブレッド58、リアクティブレッド141およびリアクティブレッド180から選ばれる1種または2種以上の赤系染料を含むことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  11. 染料が少なくともアシッドイエロー17、アシッドイエロー23およびダイレクトイエロー86から選ばれる1種または2種以上の黄色系染料を含むことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  12. 染料が少なくともフードブラック2およびダイレクトブラック154から選ばれる1種または2種以上の黒系染料を含むことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  13. 請求項9記載のインク組成物、請求項10記載のインク組成物および請求項11のインク組成物からなるインクセットであることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれかに記載のインク組成物。
  14. インク組成物を記録媒体上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
    前記インク組成物には、請求項1〜13のうちのいずれかに記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. インク組成物に圧力をかけることによって前記インク組成物の液滴を吐出させ、前記液滴を記録媒体上に付着させることによって画像を記録する記録方法であって、
    前記インク組成物には、請求項1〜13のうちのいずれかに記載のインク組成物を用いることを特徴とする記録方法。
  16. 前記インク組成物には、少なくとも、請求項13記載のインク組成物を用いることを特徴とする請求項14または15記載の記録方法。
  17. 請求項14〜16のうちのいずれかに記載の記録方法によって記録されることを特徴とする記録画像。
  18. 請求項1〜13のうちのいずれかに記載のインク組成物を貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
    印加される電圧に応答してひずみを生じる圧電素子であって、
    前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物に対して圧力をかける圧電素子と、
    前記圧電素子に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッド。
  19. 請求項1〜13のうちのいずれかに記載のインク組成物を貯留するインクタンクと、
    前記インク組成物の液滴を吐出する吐出口を有し、前記インクタンクから前記インク組成物が供給されるインク室と、
    前記インク室の少なくとも一部に設けられ、前記インク室に収容される前記インク組成物を加熱して気泡を発生させることによって前記インク組成物に対して圧力をかける発熱体と、
    前記発熱体に電圧を印加するために設けられる電極とを含むことを特徴とするインクヘッド。
  20. 請求項18または19記載のインクヘッドによって吐出されるインク組成物の液滴が、被記録材上に付着されることによって記録されることを特徴とする記録画像。
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