JP2004169790A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】白色組織剥離の発生がより抑えられ、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、JIS K2275で規定されるカール・フィッシャー法による含水率が2質量%以下であるグリースをシール部材により封止したことを特徴とする転がり軸受。
【選択図】 図1
【解決手段】内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、JIS K2275で規定されるカール・フィッシャー法による含水率が2質量%以下であるグリースをシール部材により封止したことを特徴とする転がり軸受。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関し、より詳細には、自動車の電装部品、エンジン補機であるオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ等のような高温高速高荷重条件下で使用される部品、あるいは水ポンプのように水と接触する部品に組み込まれる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は小型軽量化を目的としたFF車の普及により、更には居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、オルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の電装部品・エンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、これらの部品にも高性能化、高出力化が益々求められている、しかし、小型化により出力の低下は避けられず、例えばオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っており、それに伴ってアイドラプーリも高速化することになる。更に、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。
【0003】
また、これらの部品はエンジンルームの下部に取り付けられていることが多いことから、軸受には走行中に路面より跳ね上げられる泥水や雨水等がかかりやすく、更に水ポンプ用軸受ではエンジン冷却用循環水の浸入も受けやすい。軸受に接触ゴムシールを装着することにより水の浸入をある程度抑えることはできるが、完全な浸水防止はできていない状況にある。更に、自動車のエンジンは稼動と休止とを繰り返すため、エンジンが休止しているときに軸受のハウジング内の温度が低下して露点に達すると、周囲の空気中の水分が凝縮して水滴となり、軸受に付着したり、封入しているグリース等の潤滑剤に混入することがある。
【0004】
上記の部品は、上記のように高温、高速、高荷重下で使用されるため、組み込まれる転がり軸受では内外輪と転動体とが高面圧での接触状態となり、その表面に金属の新生面が発生しやすい。金属新生面は活性が高いため、グリースに混入した水分が分解して水素が発生し、この水素が軸受鋼中に侵入して水素脆性による白色組織変化剥離(以下、「白色組織剥離」という。)を誘発することがあり、新たな重要課題となってきている。
【0005】
このような白色組織剥離の発生を抑制するために、グリースに特殊な防錆剤を添加したり(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、軸受材料として特殊な鋼材を用いたる(例えば、特許文献3参照)、等の対策が講じられている。また、グリースの増ちょう剤組成を変更することも数多く試みられており、ウレア化合物を増ちょう剤に用いることも行われている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
【特許文献1】
特開2001−234935号公報(第2頁〜第4頁)
【特許文献2】
特開2002−121577号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献3】
特開2002−21856号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献4】
特開平5−98280号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特許第1817330号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、自動車の電装部品やエンジン補機等に組み込まれる転がり軸受では、白色組織剥離の発生が新たな重要課題となってきているが、従来の対処法では使用条件等によっては抑制効果が十分に得られないことがある。
【0007】
そこで、本発明は、今後益々高温高速高荷重化が進むことが予測される中で、この白色組織剥離の発生がより抑えられ、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
水分と潤滑性との関係に関して、例えば古村らは、潤滑油(#180タービン油)に6%の水が混入すると、混入が無い場合に比べて数分の1〜20分の1に転がり疲れ強さが低下することを報告している(古村恭三郎、城田伸一、平川清;表面起点および内部起点の転がり疲れについて、NSK Bearing Journal, No.636, pp.1−10, 1977)。また、Schatzbergらは、潤滑油中に僅か100ppmの水分が混入するだけで鋼の転がり強さが32〜48%も低下することを報告している(P.Schatzberg, I.M.Felsen ; Effects of water and oxygen during rolling contact lubrication, wear, 12, pp.331−342, 1968)。
【0009】
これらの報告にもあるように、潤滑剤中に水分が混入すると軸受寿命の低下が見られる。本発明はこのような知見に基づき、グリースの含水率と白色組織剥離との関係を検証した結果、グリースの含水率が特定値以下であれば白色組織剥離を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、JIS K2275で規定されるカール・フィッシャー法による含水率が2質量%以下であるグリースをシール部材により封止したことを特徴とする転がり軸受を提供する。
【0011】
軸受の内輪や外輪、転動体は軸受鋼等で形成されているが、その表面状態は一様ではなく、腐食形態としては局部腐食となる。具体的には、表面(軌道面、転動体)の非金属介在物とマトリクス(素材)との界面は引張り応力下で微小な隙間となり、このとき水が存在すると、毛細管現象によりこの微小隙間に水が入り込み、腐食反応が起こる。そして、腐食生成物が微小隙間の入り口を塞ぎ、微小隙間の内部の酸素が不足するようになり、その後の微小隙間の腐食反応は水素発生型となる。尚、微小隙間に引張り応力が負荷されるのは、微小隙間の近くに転がり接触部が存在するときや、内輪と軸との嵌め合いが締まりばめのときである。従って、転がり軸受の軌道面や転動面上の非金属介在物とマトリクスとの界面は必ず引張り応力を受ける。
【0012】
上記の水素発生型の腐食反応は、具体的には以下のように進行する。微小隙間内では隙間最深部のマトリクスがアノードとなり、隙間最深部以外のマトリクス及び炭化物がカソードとなる。そして、アノード部では下記(1)式に示す反応が起こり、カソードでは下記(2)〜(4)式に示す反応が起こり、水素が発生する。尚、Hadsは表面に吸着する水素原子を表し、Habsは内部に吸収される水素原子を表す。
Fe+2H2O → Fe(OH)2+2e−+2H+ (1)
2H++2e− → 2Hads (2)
2Hads → 2Habs (3)
2Habs → H2↑ (4)
【0013】
即ち、(3)式で表される反応は、表面に吸着された水素原子が内部に拡散していく反応であり、(4)式で表される反応は、表面に吸着された水素原子同士が結合して分子(ガス)として外部に放出される反応である。カソードでは、第1ステップとして(2)式で表される反応が起こり、第2ステップとして(3)式または(4)式で表される反応が起こる。炭化物上では(3)式で表される反応は無視でき、(4)式で表される反応が進行する。また、マトリックス上では(3)式及び(4)式で表される反応が起こる。従って、稼動中の転がり軸受では、僅かでも腐食が起こると、水素の吸収反応が起こる。そして、鋼に水素が僅かでも吸収されると、鋼は水素脆化するため、転がり疲れ強さが大きく低下して白色組織剥離が発生する。
【0014】
そのため、白色組織剥離を抑えるには、上記(1)〜(4)式で表される反応の何れかの進行を抑制すればよく、本発明ではグリース中の水分量を抑えることにより(1)式で表されるアノード反応の進行を抑制する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本発明の転がり軸受は、グリースを封止し、かつ外部からの水分の浸入を防止するためのシール部材を備えること以外は、特に構造上の制限は無く、例えば図1に断面図として示される玉軸受1を例示することができる。この玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、更に、内輪10と外輪11と玉13とで形成される軸受空間Sに、後述されるグリース(図示せず)を充填し、シール部材14により封止して構成されている。
【0017】
本発明において、グリースは、含水率が2質量%以下、好ましくは1質量%に規定されている。グリースの含水率が2質量%を超えると、後述される実施例にも示すように白色組織剥離の抑制効果が得られなくなる。尚、本発明において含水率とは、JIS K2275で規定されているカール・フィッシャー法によるものである。このカール・フィッシャー法は、水と選択的かつ定量的に反応するカール・フィッシャー試薬(ヨウ素、二酸化硫黄、塩素及びアルコール等の溶剤により構成)を用いて被検体中の水分を測定する方法である。また、このカール・フィッシャー法は、(1)電量滴定法と(2)容量滴定法とに大別されているが、本発明においては何れの滴定法によってもよい。
【0018】
グリースは、含水率が2質量%以下であれば、その組成には制限されないが、好適には以下の基油、増ちょう剤を用いる。
【0019】
[基油]
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコールは吸湿性が高いことから、本発明ではポリグリコール以外の潤滑油を基油に用いる。また、グリースの低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が、好ましくは10〜400mm2/sec、より好ましくは20〜250mm2/sec、さらに好ましくは40〜150mm2/secである基油が望ましい。
【0020】
このような観点から、基油として具体的には、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油等が挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としては、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。これらの基油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
【0021】
[増ちょう剤]
増ちょう剤は、吸湿性が低く、更には耐熱性に優れることから、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物及びこれらの混合物を用いる。これらの具体例としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物及びこれらの混合物が挙げられる。音響特性を考慮すると、ジウレア化合物を配合することが特に好ましい。
【0022】
また、増ちょう剤の配合量は、上記基油とともにグリースを形成し得る量であれば制限されるものではないが、グリース全量の10〜35質量%とすることが好ましい。
【0023】
[添加剤]
グリースには、各種性能を高めるために各種の添加剤を添加することができるが、吸湿性の低いものを選択する必要がある。好適には、アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等を単独または2種以上組み合わせて添加することができる。また、これら添加剤の添加量は本発明の所期の目的を達成できれば特に制限されるものではないが、通常、グリース全量の20質量%以下である。
【0024】
[製法]
上記のグリースを調製する方法には特に制限はないが、一般的には基油中で増ちょう剤を反応させて得られる。この操作は、外気からの水分の混入を防ぐために、より低露点の空気中で行うことが望ましい。尚、加熱時間や攪拌・混合時間等の製造条件は、使用する基油や増ちょう剤、添加剤等により適宜設定される。
【0025】
また、このようにして調製されるグリースの混和ちょう度は、NLGI No.1〜3であることが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0027】
(試験グリースの調製)
第1の容器にポリα−オレフィン油(PAO:動粘度50mm2/s、40℃)の半量とp−トルイジンとを入れ、70〜80℃に加温した。第2の容器にPAOの半量とジフェニルメタンジイソシアネートとを入れ、70〜80℃に加温し、内容物を第1の容器に加えて攪拌した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤と防錆剤とを合計で5質量%となるように添加し、十分混練した後、ロールミルを通し、混和ちょう度NLGI No.2となるように調整してベースグリースを得た。これら一連の操作は、乾燥空気中で行った。
【0028】
そして、ベースグリースに蒸留水を0.1〜5質量%となるように混入し、試験グリースを得た。尚、蒸留水混入後の含水量をカール・フィッシャー法にて測定した。試験グリースの性状を表1にまとめて示す。
【0029】
【表1】
【0030】
(急加減速試験)
内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に、上記試験グリースを2.3g封入して試験軸受を作製した。そして、図2に示す試験装置を用いて剥離発生確率を求めた。図示される試験装置では、一対の支持用軸受71,71で支持されたシャフト70の端部に試験軸受75の内輪を嵌合させ、更に外輪をホルダー72に固定し、プーリ73を介してモータ(図示せず)からの回転を試験軸受75に伝達する構成となっている。試験は、室温にて、内輪回転速度2000〜14000min−1までの急加速と14000〜2000min−1までの急減速との繰り返し、プーリ荷重1570Nの条件で試験軸受75を連続回転させ、試験軸受75の外輪転走面に剥離が生じて振動が発生したとき、あるいは振動が発生しない場合には1000時間経過した時点で試験を終了し、白色組織変化の有無を観察した。試験数は各試験軸受とも10回であり、剥離及び白色組織変化の発生回数から剥離発生確率及び白色組織変化発生確率を下式により算出した。
剥離発生確率(%)=(剥離発生回数/試験数)×100
白色組織変化発生確率(%)=(白色組織変化発生数/試験数)×100
【0031】
上記の急加減速試験による剥離及び白色組織変化の発生の結果を図3に示すが、含水率が2質量%以下であれば、剥離及び白色組織変化の発生が少なく、特に1質量%以下であれば殆ど発生しないことがわかる。尚、剥離発生の軸受軌道面の内部には全て白色組織変化が観察された。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、白色組織剥離の抑制効果に優れ、特にオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の自動車用電装部品、エンジン補機用の転がり軸受に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図2】実施例において、急加減速試験に用いた試験装置を示す概略断面図である。
【図3】実施例で得られた、グリースの含水率と、剥離または白色組織変化の発生確率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関し、より詳細には、自動車の電装部品、エンジン補機であるオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ等のような高温高速高荷重条件下で使用される部品、あるいは水ポンプのように水と接触する部品に組み込まれる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は小型軽量化を目的としたFF車の普及により、更には居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、オルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の電装部品・エンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、これらの部品にも高性能化、高出力化が益々求められている、しかし、小型化により出力の低下は避けられず、例えばオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っており、それに伴ってアイドラプーリも高速化することになる。更に、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。
【0003】
また、これらの部品はエンジンルームの下部に取り付けられていることが多いことから、軸受には走行中に路面より跳ね上げられる泥水や雨水等がかかりやすく、更に水ポンプ用軸受ではエンジン冷却用循環水の浸入も受けやすい。軸受に接触ゴムシールを装着することにより水の浸入をある程度抑えることはできるが、完全な浸水防止はできていない状況にある。更に、自動車のエンジンは稼動と休止とを繰り返すため、エンジンが休止しているときに軸受のハウジング内の温度が低下して露点に達すると、周囲の空気中の水分が凝縮して水滴となり、軸受に付着したり、封入しているグリース等の潤滑剤に混入することがある。
【0004】
上記の部品は、上記のように高温、高速、高荷重下で使用されるため、組み込まれる転がり軸受では内外輪と転動体とが高面圧での接触状態となり、その表面に金属の新生面が発生しやすい。金属新生面は活性が高いため、グリースに混入した水分が分解して水素が発生し、この水素が軸受鋼中に侵入して水素脆性による白色組織変化剥離(以下、「白色組織剥離」という。)を誘発することがあり、新たな重要課題となってきている。
【0005】
このような白色組織剥離の発生を抑制するために、グリースに特殊な防錆剤を添加したり(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、軸受材料として特殊な鋼材を用いたる(例えば、特許文献3参照)、等の対策が講じられている。また、グリースの増ちょう剤組成を変更することも数多く試みられており、ウレア化合物を増ちょう剤に用いることも行われている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
【特許文献1】
特開2001−234935号公報(第2頁〜第4頁)
【特許文献2】
特開2002−121577号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献3】
特開2002−21856号公報(第2頁〜第3頁)
【特許文献4】
特開平5−98280号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特許第1817330号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、自動車の電装部品やエンジン補機等に組み込まれる転がり軸受では、白色組織剥離の発生が新たな重要課題となってきているが、従来の対処法では使用条件等によっては抑制効果が十分に得られないことがある。
【0007】
そこで、本発明は、今後益々高温高速高荷重化が進むことが予測される中で、この白色組織剥離の発生がより抑えられ、特に自動車の電装部品やエンジン補機等に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
水分と潤滑性との関係に関して、例えば古村らは、潤滑油(#180タービン油)に6%の水が混入すると、混入が無い場合に比べて数分の1〜20分の1に転がり疲れ強さが低下することを報告している(古村恭三郎、城田伸一、平川清;表面起点および内部起点の転がり疲れについて、NSK Bearing Journal, No.636, pp.1−10, 1977)。また、Schatzbergらは、潤滑油中に僅か100ppmの水分が混入するだけで鋼の転がり強さが32〜48%も低下することを報告している(P.Schatzberg, I.M.Felsen ; Effects of water and oxygen during rolling contact lubrication, wear, 12, pp.331−342, 1968)。
【0009】
これらの報告にもあるように、潤滑剤中に水分が混入すると軸受寿命の低下が見られる。本発明はこのような知見に基づき、グリースの含水率と白色組織剥離との関係を検証した結果、グリースの含水率が特定値以下であれば白色組織剥離を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、JIS K2275で規定されるカール・フィッシャー法による含水率が2質量%以下であるグリースをシール部材により封止したことを特徴とする転がり軸受を提供する。
【0011】
軸受の内輪や外輪、転動体は軸受鋼等で形成されているが、その表面状態は一様ではなく、腐食形態としては局部腐食となる。具体的には、表面(軌道面、転動体)の非金属介在物とマトリクス(素材)との界面は引張り応力下で微小な隙間となり、このとき水が存在すると、毛細管現象によりこの微小隙間に水が入り込み、腐食反応が起こる。そして、腐食生成物が微小隙間の入り口を塞ぎ、微小隙間の内部の酸素が不足するようになり、その後の微小隙間の腐食反応は水素発生型となる。尚、微小隙間に引張り応力が負荷されるのは、微小隙間の近くに転がり接触部が存在するときや、内輪と軸との嵌め合いが締まりばめのときである。従って、転がり軸受の軌道面や転動面上の非金属介在物とマトリクスとの界面は必ず引張り応力を受ける。
【0012】
上記の水素発生型の腐食反応は、具体的には以下のように進行する。微小隙間内では隙間最深部のマトリクスがアノードとなり、隙間最深部以外のマトリクス及び炭化物がカソードとなる。そして、アノード部では下記(1)式に示す反応が起こり、カソードでは下記(2)〜(4)式に示す反応が起こり、水素が発生する。尚、Hadsは表面に吸着する水素原子を表し、Habsは内部に吸収される水素原子を表す。
Fe+2H2O → Fe(OH)2+2e−+2H+ (1)
2H++2e− → 2Hads (2)
2Hads → 2Habs (3)
2Habs → H2↑ (4)
【0013】
即ち、(3)式で表される反応は、表面に吸着された水素原子が内部に拡散していく反応であり、(4)式で表される反応は、表面に吸着された水素原子同士が結合して分子(ガス)として外部に放出される反応である。カソードでは、第1ステップとして(2)式で表される反応が起こり、第2ステップとして(3)式または(4)式で表される反応が起こる。炭化物上では(3)式で表される反応は無視でき、(4)式で表される反応が進行する。また、マトリックス上では(3)式及び(4)式で表される反応が起こる。従って、稼動中の転がり軸受では、僅かでも腐食が起こると、水素の吸収反応が起こる。そして、鋼に水素が僅かでも吸収されると、鋼は水素脆化するため、転がり疲れ強さが大きく低下して白色組織剥離が発生する。
【0014】
そのため、白色組織剥離を抑えるには、上記(1)〜(4)式で表される反応の何れかの進行を抑制すればよく、本発明ではグリース中の水分量を抑えることにより(1)式で表されるアノード反応の進行を抑制する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
本発明の転がり軸受は、グリースを封止し、かつ外部からの水分の浸入を防止するためのシール部材を備えること以外は、特に構造上の制限は無く、例えば図1に断面図として示される玉軸受1を例示することができる。この玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、更に、内輪10と外輪11と玉13とで形成される軸受空間Sに、後述されるグリース(図示せず)を充填し、シール部材14により封止して構成されている。
【0017】
本発明において、グリースは、含水率が2質量%以下、好ましくは1質量%に規定されている。グリースの含水率が2質量%を超えると、後述される実施例にも示すように白色組織剥離の抑制効果が得られなくなる。尚、本発明において含水率とは、JIS K2275で規定されているカール・フィッシャー法によるものである。このカール・フィッシャー法は、水と選択的かつ定量的に反応するカール・フィッシャー試薬(ヨウ素、二酸化硫黄、塩素及びアルコール等の溶剤により構成)を用いて被検体中の水分を測定する方法である。また、このカール・フィッシャー法は、(1)電量滴定法と(2)容量滴定法とに大別されているが、本発明においては何れの滴定法によってもよい。
【0018】
グリースは、含水率が2質量%以下であれば、その組成には制限されないが、好適には以下の基油、増ちょう剤を用いる。
【0019】
[基油]
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコールは吸湿性が高いことから、本発明ではポリグリコール以外の潤滑油を基油に用いる。また、グリースの低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、40℃における動粘度が、好ましくは10〜400mm2/sec、より好ましくは20〜250mm2/sec、さらに好ましくは40〜150mm2/secである基油が望ましい。
【0020】
このような観点から、基油として具体的には、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油等が挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としては、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。これらの基油は、単独または混合物として用いることができ、上述した好ましい動粘度に調整される。
【0021】
[増ちょう剤]
増ちょう剤は、吸湿性が低く、更には耐熱性に優れることから、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物及びこれらの混合物を用いる。これらの具体例としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物及びこれらの混合物が挙げられる。音響特性を考慮すると、ジウレア化合物を配合することが特に好ましい。
【0022】
また、増ちょう剤の配合量は、上記基油とともにグリースを形成し得る量であれば制限されるものではないが、グリース全量の10〜35質量%とすることが好ましい。
【0023】
[添加剤]
グリースには、各種性能を高めるために各種の添加剤を添加することができるが、吸湿性の低いものを選択する必要がある。好適には、アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等を単独または2種以上組み合わせて添加することができる。また、これら添加剤の添加量は本発明の所期の目的を達成できれば特に制限されるものではないが、通常、グリース全量の20質量%以下である。
【0024】
[製法]
上記のグリースを調製する方法には特に制限はないが、一般的には基油中で増ちょう剤を反応させて得られる。この操作は、外気からの水分の混入を防ぐために、より低露点の空気中で行うことが望ましい。尚、加熱時間や攪拌・混合時間等の製造条件は、使用する基油や増ちょう剤、添加剤等により適宜設定される。
【0025】
また、このようにして調製されるグリースの混和ちょう度は、NLGI No.1〜3であることが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0027】
(試験グリースの調製)
第1の容器にポリα−オレフィン油(PAO:動粘度50mm2/s、40℃)の半量とp−トルイジンとを入れ、70〜80℃に加温した。第2の容器にPAOの半量とジフェニルメタンジイソシアネートとを入れ、70〜80℃に加温し、内容物を第1の容器に加えて攪拌した。反応熱のため反応物の温度は上昇するが、約30分間この状態で攪拌を続け、反応を十分に行った後、昇温して170〜180℃で30分間保持し、冷却した。その後、酸化防止剤と防錆剤とを合計で5質量%となるように添加し、十分混練した後、ロールミルを通し、混和ちょう度NLGI No.2となるように調整してベースグリースを得た。これら一連の操作は、乾燥空気中で行った。
【0028】
そして、ベースグリースに蒸留水を0.1〜5質量%となるように混入し、試験グリースを得た。尚、蒸留水混入後の含水量をカール・フィッシャー法にて測定した。試験グリースの性状を表1にまとめて示す。
【0029】
【表1】
【0030】
(急加減速試験)
内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受(図1参照)に、上記試験グリースを2.3g封入して試験軸受を作製した。そして、図2に示す試験装置を用いて剥離発生確率を求めた。図示される試験装置では、一対の支持用軸受71,71で支持されたシャフト70の端部に試験軸受75の内輪を嵌合させ、更に外輪をホルダー72に固定し、プーリ73を介してモータ(図示せず)からの回転を試験軸受75に伝達する構成となっている。試験は、室温にて、内輪回転速度2000〜14000min−1までの急加速と14000〜2000min−1までの急減速との繰り返し、プーリ荷重1570Nの条件で試験軸受75を連続回転させ、試験軸受75の外輪転走面に剥離が生じて振動が発生したとき、あるいは振動が発生しない場合には1000時間経過した時点で試験を終了し、白色組織変化の有無を観察した。試験数は各試験軸受とも10回であり、剥離及び白色組織変化の発生回数から剥離発生確率及び白色組織変化発生確率を下式により算出した。
剥離発生確率(%)=(剥離発生回数/試験数)×100
白色組織変化発生確率(%)=(白色組織変化発生数/試験数)×100
【0031】
上記の急加減速試験による剥離及び白色組織変化の発生の結果を図3に示すが、含水率が2質量%以下であれば、剥離及び白色組織変化の発生が少なく、特に1質量%以下であれば殆ど発生しないことがわかる。尚、剥離発生の軸受軌道面の内部には全て白色組織変化が観察された。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、白色組織剥離の抑制効果に優れ、特にオルタネータやカーエアコン用電磁クラッチ、コンプレッサ用プーリ、アイドラプーリ、電動ファンモータ、水ポンプ等の自動車用電装部品、エンジン補機用の転がり軸受に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。
【図2】実施例において、急加減速試験に用いた試験装置を示す概略断面図である。
【図3】実施例で得られた、グリースの含水率と、剥離または白色組織変化の発生確率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール
Claims (1)
- 内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転動自在に保持してなり、かつ、JIS K2275で規定されるカール・フィッシャー法による含水率が2質量%以下であるグリースをシール部材により封止したことを特徴とする転がり軸受。
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2002
- 2002-11-19 JP JP2002335201A patent/JP2004169790A/ja not_active Withdrawn
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