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JP2004169058A - 無電解金めっき液及び無電解金めっき方法 - Google Patents

無電解金めっき液及び無電解金めっき方法 Download PDF

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JP2004169058A
JP2004169058A JP2002332927A JP2002332927A JP2004169058A JP 2004169058 A JP2004169058 A JP 2004169058A JP 2002332927 A JP2002332927 A JP 2002332927A JP 2002332927 A JP2002332927 A JP 2002332927A JP 2004169058 A JP2004169058 A JP 2004169058A
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electroless gold
gold
electroless
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JP2002332927A
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Hiroshi Yamamoto
弘 山本
Akio Takahashi
昭男 高橋
Kanji Murakami
敢次 村上
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Resonac Corp
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】シアン化合物を含まず、pHが7前後の中性であり、液温が50〜80℃の中低温であっても十分な金析出速度が得られ、金めっき皮膜外観が良好であり、且つ、液安定性が特に優れた無電解金めっき液、および該無電解金めっき液を用いた無電解金めっき方法を提供することを目的とする。
【解決手段】金塩、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、フェニル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびメルカプタン系化合物を含み、メルカプタン系化合物の含有量が1〜50ppmの範囲であることを特徴とする無電解金めっき液、および該無電解金めっき液を用いた無電解金めっき方法により課題を解決した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無電解金めっき液及び無電解金めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の金めっき処理は、電解金めっき法と無電解金めっき法の2通りが行われているが、コスト・液安定性の面から電解めっき法が主流である。しかしながら、電解めっき法は、近年の高密度実装化の要求の中で、電源リードに対する設計上の制約、孤立パターンへのめっき処理等の問題点があるため、無電解金めっき法が見直されてきている。
【0003】
無電解金めっき法には、置換金めっき法と自己触媒型の無電解金めっき法の2通りがある。置換金めっき法は、置換金めっき液に卑金属導体を浸漬することにより、めっき液中の金が卑金属導体上に置換析出するものであるが、置換反応であるため金が卑金属導体全面に析出したところで反応が止まり、厚付金めっきは不可能である。これに対し、自己触媒型の無電解金めっき法は、還元反応により金が析出するため、無電解金めっき液の各成分を分析補充管理することにより、数μmの任意の厚さまで金めっきを施すことが可能である。
【0004】
自己触媒型の無電解金めっき液については、今まで多くの液組成が報告されている。(例えば、特許文献1参照)しかし、それらのほとんどにシアン化合物が含まれているため、毒性が強く、そのほとんどが、に記載されているように、pHが11以上の高アルカリ性液であるため、めっきレジストを溶解し、パターンめっき性が悪くなるという問題点があった。
【0005】
この問題点を解決した、つまり、シアン化合物を含まず、中性で比較的中低温で使用可能な無電解金めっき液としては、例えば、チオ硫酸金ナトリウムとチオ尿素を主成分とするめっき液(特許文献2参照)、塩化金酸塩とアスコルビン酸を主成分とするめっき液(特許文献3参照)、塩化金酸塩とチオ尿素およびフェニル化合物を主成分とするめっき液(特許文献4参照)、亜硫酸金化合物とアミンとヒドラジン化合物を主成分とするめっき液(特許文献5参照)などが挙げられる。しかし、これらのめっき液は、めっき液中に銅イオンが混入した場合、液が数日で分解してしまうという別の課題が発生し、銅配線のプリント配線板の金めっき処理では、長期連続使用が困難であった。
【0006】
この長期連続使用を可能とした、つまり、銅イオンによるめっき液の寿命低下を改善した無電解金めっき液としては、例えば、亜硫酸金化合物とアミンとヒドラジン化合物を主成分とし、ベンゾトリアゾール系化合物を含有しためっき液(特許文献6参照)が挙げられる。このめっき液によれば、ベンゾトリアゾール系化合物の金属隠蔽効果により、銅イオン混入時の抑制及び液安定性の向上が可能になったが、還元剤であるヒドラジン化合物自体の安定性が低いため、数十日の、より長期間に渡る連続使用には不十分であった。
【0007】
また、本発明者らによっても、金塩とチオ尿素およびフェニル化合物を主成分とする系でのベンゾトリアゾール系化合物の金属遮蔽効果を検討が進められた結果、特許文献7に開示した無電解金めっき液の液組成を見出すことができた。この自己触媒型の無電解金めっき液は、シアン化合物を含まず、中性で比較的中低温で使用でき、さらには銅イオン混入時の問題点についても改善され、数十日の長期間使用することも可能となった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭57−169077号公報
【特許文献2】
特開昭62−86171号公報
【特許文献3】
特開平1−191782号公報
【特許文献4】
特開平3−104877号公報
【特許文献5】
特開平3−215677号公報
【特許文献6】
特開平4−314871号公報
【特許文献7】
特開平6−306623号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献7に開示された無電解金めっき液は、十分に量産使用できるが、実際に連続でプリント配線板に金めっき処理をすると、めっき槽の槽壁にも金が析出してしまうという問題があり、定期的なめっき液の槽空替えや槽に析出した金の剥離作業等を必要としていた。
【0010】
上記を鑑みて、本発明は、シアン化合物を含まず、pHが7前後の中性であり、液温が50〜80℃の中低温であっても十分な金析出速度が得られ、金めっき皮膜外観が良好であり、且つ、液安定性が特に優れた無電解金めっき液、および該無電解金めっき液を用いた無電解金めっき方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討を重ねた結果、金塩、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、フェニル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびメルカプタン系化合物を含み、メルカプタン系化合物の含有量が1〜50ppmの範囲である無電解金めっき液、およびこれを用いた無電解金めっき方法により、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
以下、本発明を実施の形態により詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の無電解金めっき液は、必須成分として、金塩、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、フェニル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびメルカプタン系化合物を含む。
【0014】
本発明の無電解金めっき液の金塩としては、従来公知の金塩でよく、特に限定されないが、好ましくは塩化金酸塩、亜硫酸金塩、またはチオ硫酸金塩を使用する。これらの金塩は1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、金塩の含有量は、金として1〜10g/Lの範囲であることが好ましく、2〜4g/Lの範囲であることがより好ましい。金の含有量が1g/L未満であると、金の析出反応が低下し、10g/Lを超えると、めっき液の安定性が低下すると共に、めっき液の持ち出しにより金消費量が多くなるため好ましくない。
【0015】
本発明の無電解めっき液の錯化剤としては、特に限定されないが、好ましくはチオ硫酸塩および亜硫酸塩を使用する。錯化剤を含有させることにより、金イオン(Au)が安定的に錯体化されて、金イオンの不均化反応(3Au⇒Au3++2Au)の発生を低下させ、めっき液が安定に保たれるという効果を奏する。錯化剤としてチオ硫酸塩および亜硫酸塩を用いた場合、その含有量は、合計で20〜100g/Lの範囲であることが好ましい。該錯化剤の含有量が20g/L未満である場合、金錯化力が低下し、安定性が低下する傾向があり、100g/Lを超えると、めっき液の安定性は向上するが、液中に再結晶が発生し、経済的に負担となる。
【0016】
本発明の無電解金めっき液の還元剤としては、めっき液に一般的に使用される還元剤でよく、特に限定されないが、好ましくは尿素系化合物を使用する。尿素系化合物としては、例えば、チオ尿素、メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等が挙げられる。還元剤の含有量は、0.5〜3g/Lの範囲であることが好ましい。還元剤の含有量が0.5g/L未満である場合、金析出速度が著しく遅く、3g/Lを超えると、めっき液が不安定性になり、短い時間で液が分解する。
【0017】
本発明の無電解金めっき液のpH緩衝剤としては、特に限定されないが、好ましくはホウ酸塩を使用する。pH緩衝剤を含有させることにより、めっき液のpHを一定に保つことができ、また、析出速度を所望の値に調整することができる。pH緩衝剤の含有量は、10〜100g/Lの範囲であることが好ましい。pH緩衝剤の含有量が10g/L未満であると、pHの緩衝効果がなく、めっき液の状態が変化する場合があり、100g/Lを超えると、めっき液中で再結晶化が進行する傾向がある。
【0018】
本発明の無電解金めっき液においては、還元促進剤としてフェニル系化合物を使用する。還元促進剤は、還元剤との相互作用により、金析出速度を速くしたり、金に対する還元効率をあげる効果がある。フェニル系化合物としては、特に限定されないが、好ましくはヒドロキノン、メチルヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンからなる群から選択される1種又は2種以上を用いる。また、フェニル系化合物の含有量は、0.5〜5g/Lの範囲であることが好ましい。フェニル系化合物の含有量が0.5g/L未満であると、実用的な金析出速度を得ることが困難となる傾向があり、5g/Lを超えると、めっき液の安定性が低下する傾向がある。
【0019】
本発明の無電解金めっき液には、金属イオン隠蔽剤としてベンゾトリアゾール系化合物を使用する。めっき処理中、無電解金めっき液にめっき装置の錆や金属破片混入した場合や、銅、ニッケルなど下地金属がめっき液中に溶出した場合でも、めっき液の異常反応を抑制することが可能となる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されないが、好ましくは1,2,3−ベンゾトリアゾール、または5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールを用いる。また、ベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、0.5〜10g/Lの範囲であることが好ましく、コスト及び効果の観点から2〜5g/Lの範囲であることがより好ましい。ベンゾトリアゾール系化合物の含有量が0.5g/L未満であると、不純物金属の隠蔽効果が少なく、充分な液安定性を確保できない傾向がある。一方、10g/Lを超えると、めっき液中で再結晶化が生じる場合がある。
【0020】
本発明の無電解金めっき液には、液安定剤としてメルカプタン系化合物を使用する。メルカプタン系化合物の無電解金めっき液中での作用については不明であるが、金めっき処理時、めっき槽壁への金析出を抑制する効果がある。メルカプタン系化合物としては、特に限定されないが、好ましくは、1,1−ジメチルチタンチオール、1−メチル−オクタンチオール、ドデカンチオール、1,2−エタンジチオール、チオフェノール、o−チオクレゾール、p−チオクレゾール、o−ジメルカプトベンゼン、m−ジメルカプトベンゼン、p−ジメルカプトベンゼン、チオグリコール、チオジグリコール、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、チオリンゴ酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール、3−メルカプト−1,2−テトラゾールからなる群から選択される1種又は2種以上を用いる。また、メルカプタン系化合物の含有量は1〜50ppmの範囲とするが、1〜30ppmの範囲であることが好ましく、1〜10ppmの範囲であることがより好ましい。メルカプタン系化合物の含有量が1ppm未満では、めっき液の安定性向上に効果が少なく、濃度管理も困難になる。また、50ppmを超えると金析出速度が低下したり、めっき付き回り不良を生じたりして、金めっき皮膜外観が悪化する傾向がある。
【0021】
本発明の無電解金めっき液のpHとしては、5〜10の範囲であることが好ましく、還元剤の析出効率や金析出速度を向上させる観点から7〜8の範囲であることがより好ましい。めっき液のpHが5未満であると、錯化剤が亜硫酸塩やチオ硫酸塩である場合、これらが分解し、毒性の亜硫酸ガスが発生する恐れがある。pHが10を超える場合、めっき液の安定性が低下する傾向がある。
【0022】
次に、本発明の無電解金めっき方法について説明する。
【0023】
本発明の無電解金めっき方法は、上述した本発明の無電解金めっき液中に被めっき体を浸漬して、被めっき体表面に金皮膜を形成させることを特徴としている。
【0024】
無電解金めっき皮膜の形成は、めっき液の液温が50〜80℃の範囲で行うことが好ましく、60〜70℃の範囲で行うことがより好ましい。液温が50℃未満である場合は、金析出速度が低いため効率が悪く、80℃を超えると液安定性が低下する傾向がある。
【0025】
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(被めっき材サンプルの作成)
被めっき材となる5cm×5cm×0.3mmの圧延銅板の表面の錆や有機物等を、酸性脱脂であるCLC−5000(日立化成工業(株)製、商品名)を用いて50℃、4分間処理することで除去し、湯洗(50℃、純水)を1分間実施して余分な界面活性剤を除去し、水洗処理を1分間行った後、過硫酸アンモニウム溶液(120g/L)に室温で2分間浸漬して表面の形状を均一化するソフトエッチング処理を実施し、水洗処理を1分間行った。さらに、硫酸(10%)に室温で1分間浸漬して表面の酸化膜の除去を行い、水洗処理を1分間行った後、置換パラジウム触媒液であるSA−100(日立化成工業(株)製、商品名)に室温で5分間浸漬し、水洗処理を1分間行うことで、被めっき材の表面処理を行った。次に、表面処理された被めっき材を無電解Ni−Pめっき液であるNIPS−100(日立化成工業(株)製、製品名)に85℃で、25分間浸漬して、その表面にニッケル−リンの合金めっき皮膜を5μm程度形成し、水洗処理を1分間行った後、置換金めっき液であるHGS−500(日立化成工業(株)製、製品名)に85℃で10分間浸漬して、0.05〜0.1μm程度の膜厚の金めっき膜を形成させて水洗処理を1分間行い、被めっき材サンプルとした。
【0027】
(無電解金めっき液安定性の評価方法)
無電解金めっき液安定性評価方法には、PP(ポリプロピレン製)樹脂製の1Lビーカーをめっき槽として使用した。また、槽内に付着している不純物を除去するために、実験前に槽内を王水(1:3=硝酸:塩酸、50%に純水で希釈)で6時間以上、常温で洗浄した後、水洗、純水洗を順次、充分行い、80℃で乾燥して実験に使用した。
【0028】
無電解金めっき液安定性は、次の3条件に分類して評価した。
【0029】
(1)上記めっき槽を使用し、各条件の無電解金めっき液を85℃の高温に加温して1時間放置した後、めっき槽壁への金析出面積の割合(槽内異常析出発生面積(%))を目視で観察し、液安定性を評価した。
【0030】
(2)各条件の無電解金めっき液が入ったそれぞれの上記めっき槽に上記で作成した被めっき材サンプルを浸漬させ、65℃、1時間、0.5dm/Lのめっき負荷条件でめっき処理し、その後、各条件のめっき液を85℃の高温に加温して1時間放置した後、めっき槽壁への金析出面積の割合(槽内異常析出発生面積(%))を目視で観察し、液安定性を評価した。
【0031】
(3)(2)で使用しためっき液を自然冷却し、室温で1日放置した後、めっき槽壁への金析出面積の割合(槽内異常析出発生面積(%))を目視で観察し、液安定性を評価した。
【0032】
なお、液安定性の評価基準は表1に示す通りである。
【0033】
【表1】
Figure 2004169058
【0034】
(皮膜外観、及びめっき付き回り不良評価方法)
上記(2)で無電解金めっきを施した被めっき材サンプルの無電解金めっき皮膜外観およびめっき付き回り不良を電解金めっき皮膜(0.5μm相当)に近い外観を標準として評価した。また、めっき付き回り性については、めっき端部を顕微鏡(20〜50倍相当)で目視観察して、変色、めっきむらの発生の有無を評価した。
【0035】
(無電解金めっき液の評価)
(実施例1〜4)
表2に示す組成になるように実施例1〜4の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいてその評価を行った。なお、実施例1〜4は、主成分濃度を一定にし、メルカプタン系化合物の種類を換えて評価した。メルカプタン系化合物としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、3−メルカプト−1,2−テトラゾールをそれぞれ1ppm用いた。
【0036】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液の安定性について表2にまとめて示す。実施例1〜4とも約0.8μm/hrの実用的な金析出速度を示した。また、金めっき皮膜外観は、均一なレモンイエローで、めっき付き回り不良の発生もなく良好であった。更に、液安定性は、上記評価方法の(1)、(2)および(3)のいずれの場合においても槽内に異常析出の発生はなく良好であった。
【0037】
【表2】
Figure 2004169058
【0038】
(実施例5〜8)
表3に示す組成になるように実施例5〜8の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいて評価を行った。なお、実施例5〜8は、メルカプタン系化合物として2−メルカプトベンゾオキサゾールを用い、その濃度を、2、3、5、10ppmとなるようにし、メルカプタン系化合物以外の主成分濃度は一定とした。
【0039】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液安定性について表3にまとめて示す。2−メルカプトベンゾオキサゾールの濃度を実施例1の2〜10倍に増やしたことで、金析出速度が若干低下したが、金めっき皮膜外観は均一なレモンイエローで、めっき付き回り不良の発生もなく良好であった。更に、液安定性は、上記評価方法の(1)、(2)および(3)のいずれの場合においても槽内に異常析出の発生はなく良好であった。
【0040】
【表3】
Figure 2004169058
【0041】
(実施例9〜12)
表4に示す組成になるように実施例9〜12の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいて評価を行った。なお、実施例9〜12は、メルカプタン系化合物として2−メルカプト−1−メチルイミダゾールを用い、その濃度を、2、3、5、10ppmとなるようにし、メルカプタン系化合物以外の主成分濃度は一定とした。
【0042】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液安定性について表3にまとめて示す。2−メルカプト−1−メチルイミダゾールの濃度を実施例1の2〜10倍に増やしたことで、金析出速度が若干低下したが、金めっき皮膜外観は均一なレモンイエローで、めっき付き回り不良の発生もなく良好であった。更に、液安定性は、上記評価方法の(1)、(2)および(3)のいずれの場合においても槽内に異常析出の発生はなく良好であった。
【0043】
【表4】
Figure 2004169058
【0044】
(実施例13〜16)
表5に示す組成になるように実施例13〜16の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいて評価を行った。なお実施例13〜16は、メルカプタン系化合物として3−メルカプト−1,2−テトラゾールを用い、その濃度を、2、3、5、10ppmとなるようにし、メルカプタン系化合物以外の主成分濃度は一定とした。
【0045】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液安定性について表3にまとめて示す。3−メルカプト−1,2−テトラゾールの濃度を実施例1の2〜10倍に増やしたことで、金析出速度が若干低下したが、金めっき皮膜外観は均一なレモンイエローで、めっき付き回り不良の発生もなく良好であった。更に、液安定性は、上記評価方法の(1)、(2)および(3)のいずれの場合においても槽内に異常析出の発生はなく良好であった。
【0046】
【表5】
Figure 2004169058
【0047】
(比較例1および2)
表6に示す組成になるように比較例1および2の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいて評価を行った。比較例1および2では、メルカプタン系化合物として、2−メルカプトベンゾオキサゾールを用い、その含有量をそれぞれ0.1および100ppmとなるようにし、メルカプタン系化合物以外の主成分濃度は一定とした。
【0048】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液の安定性について表6にまとめて示す。比較例1では、液安定性向上の効果が無く、上記評価方法の(3)において、めっき槽壁の約50%に金が析出した。また、比較例2では、金めっき液の安定性は良好であったが、2−メルカプトベンゾオキサゾールの含有量が大きすぎたため、金析出速度が初期の50%以下に低下し、めっき皮膜外観も茶褐色に変色して、めっきムラも発生した。
【0049】
【表6】
Figure 2004169058
【0050】
(比較例3〜6)
表7に示す組成になるように比較例3〜6の無電解金めっき液を作製し、上述した評価方法に基づいて評価を行った。比較例3〜6では安定剤であるメルカプタン系化合物を添加せず、無電解金めっきを行った。
【0051】
金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良及び金めっき液の安定性について表7にまとめて示す。比較例3では、金析出速度、金めっき皮膜外観、めっき付き回り不良に関しては良好な結果であったが、金めっき液の液安定性は悪く、上記評価方法の(3)において、めっき槽壁の約50%に金が析出した。
また、比較例4では、比較例3の金めっき液のpHを7.4から6.5に変更することにより金めっき液の液安定性が改善したものの、金析出速度が0.2μm/hrと著しく低下してしまった。さらに、比較例5および6では、還元剤のチオ尿素濃度と還元促進効果のあるフェニル系化合物のヒドロキノン濃度を下げてみたが、金析出速度の低下または金めっき液の液安定性低下のどちらかが起こり、管理できる範囲が見出せなかった。
【0052】
【表7】
Figure 2004169058
【0053】
以上の結果から、本発明の無電解金めっき液は、メルカプタン系化合物を1〜50ppm添加することによって、添加しない場合に比べて金めっき液の安定性を大幅に向上させることが可能であることがわかった。また、本発明の無電解金めっき液は、中低温(60〜70℃)においても実用的な金析出速度(約0.8μm/hr)でめっきを行うことが可能であった。更に、金めっき後の皮膜外観も均一なレモンイエローで、めっき付き回り不良も発生しなかった。このことから、本発明の無電解金めっき用めっき液は、良好な無電解金めっきを行うことが可能であり、適用できる材料や電子部品等の範囲を大幅に拡大することが可能になる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シアン化合物を含まず、pHが7前後の中性であり、液温が50〜80℃の中低温であっても十分な金析出速度が得られ、金めっき皮膜外観が良好であり、且つ、液安定性が特に優れた無電解金めっき液、および該無電解金めっき液を用いた無電解金めっき方法を提供することが可能となる。

Claims (10)

  1. 金塩、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、フェニル系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物およびメルカプタン系化合物を含み、前記メルカプタン系化合物の含有量が1〜50ppmの範囲であることを特徴とする無電解金めっき液。
  2. 前記金塩が、亜硫酸金塩、塩化金酸塩、またはチオ硫酸金塩であることを特徴とする請求項1記載の無電解金めっき液。
  3. 前記錯化剤が、チオ硫酸塩および亜硫酸塩であることを特徴とする請求項1または2記載の無電解金めっき液。
  4. 前記還元剤が、尿素系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の無電解金めっき液。
  5. 前記pH緩衝剤が、ホウ酸塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の無電解金めっき液。
  6. 前記フェニル系化合物が、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、アミノフェノール、およびフェニレンジアミンからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の無電解金めっき液。
  7. 前記ベンゾトリアゾール系化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、または5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の無電解金めっき液。
  8. 前記メルカプタン系化合物が、1,1−ジメチルチタンチオール、1−メチル−オクタンチオール、ドデカンチオール、1,2−エタンジチオール、チオフェノール、o−チオクレゾール、p−チオクレゾール、o−ジメルカプトベンゼン、m−ジメルカプトベンゼン、p−ジメルカプトベンゼン、チオグリコール、チオジグリコール、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、チオリンゴ酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾイミダゾール、3−メルカプト−1,2−テトラゾールからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜7記載の無電解金めっき液。
  9. pH値が5〜10であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の無電解金めっき液。
  10. 無電解金めっき液中に被めっき体を浸漬して該被めっき体表面に金皮膜を形成させる無電解金めっき方法において、前記無電解金めっき液が請求項1〜9のいずれか1項記載の前記無電解金めっき液であることを特徴とする無電解金めっき方法。
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