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JP2004161649A - 生体組織修復剤およびその製造方法 - Google Patents

生体組織修復剤およびその製造方法 Download PDF

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JP2004161649A
JP2004161649A JP2002327964A JP2002327964A JP2004161649A JP 2004161649 A JP2004161649 A JP 2004161649A JP 2002327964 A JP2002327964 A JP 2002327964A JP 2002327964 A JP2002327964 A JP 2002327964A JP 2004161649 A JP2004161649 A JP 2004161649A
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Sumihito Seki
純人 関
Kanchi Yasutake
幹智 安武
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

【課題】組織損傷部位において、より高い組織損傷治療効果をもつ組織損傷部の治癒を促進する生体組織修復剤を提供すること。
【解決手段】フィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液とを別々の形態で含み、有効成分として有核細胞を含む生体組織修復剤であって、該フィブリノーゲン溶液と該トロンビン溶液とが組織損傷部位に実質的に同時に投与されることを特徴とする、生体組織修復剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インビボで組織損傷部位に噴霧または塗布されて構造体となり、組織損傷部位の修復に優れた効果を示す生体組織修復剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外傷や熱傷、皮膚潰瘍(褥瘡を含む)、壊死/壊疽等の組織損傷部位の治療においては、壊死組織を除去し、ガーゼおよび/または抗菌剤、軟膏類で損傷部位を覆い、細菌の増殖を抑制しつつ患者の自然治癒力により、肉芽や表皮の再生を期待する方法が採られてきた。しかしながら、患者の自然治癒力のみでは、高齢者等の自然治癒力の衰えた患者では十分な治療効果が得られない症例もあり、患者の自然治癒力のみに頼らない新たな治療法が望まれていた。近年になって、いわゆる再生医療に関する基礎研究が盛んに行われるようになり、その成果として肉芽や表皮の再生を積極的に促進する医薬や治療法が種々開発され、臨床応用されるようになってきた。
【0003】
生体由来マトリックスであるコラーゲンゲル、フィブリンゲル等は、組織損傷被覆材のみならず止血剤、移植時の生体組織接着剤等として用いられている。例えば、特開昭58−185162号公報、特開昭57−153645号公報等には、フィブリンの創傷保護材としての利用が記載されており、また止血用、傷の手当用としては特開昭58−36545号公報に記載されている。特にフィブリンは、前駆体がフィブリノーゲンとトロンビンよりなり、両者を患部表面上で噴霧することで患部表面に皮膜を形成できるため、患部からの浸潤液の漏出軽減効果や、出血がある場合の止血効果が期待される。
【0004】
しかしながら、これらマトリックスのみでは、肉芽や表皮の再生を促進すると言うよりも、むしろ創傷を被覆または接着するための効果が主であり、創傷の治癒を促進する効果としては不十分である。またマトリックス自体には直接に壊死組織の除去に作用する因子がないため、治療の前処理としてデブリードマン(挫滅創や感染創等における壊死組織や異物を除去し、健常な創にする外科的処置)等の処置が必須であった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−185162号公報
【特許文献2】
特開昭57−153645号公報
【特許文献3】
特開昭58−36545号公報
【0006】
一方、bFGF(塩基性繊維芽細胞成長因子)、TGF−β(形質転換性成長因子−β)、VEGF(血管内皮増殖因子)、PDGF(血小板由来成長因子)等のサイトカインや細胞成長因子は、組織損傷の治癒を促進する液性因子として、臨床応用が行われている(例えば、国際公開第89/05656号パンフレット等)。しかしながら、サイトカインや細胞成長因子はそれ自体を生体から簡便に単離/濃縮することが困難であるため、リコンビナントに頼らざるを得ない。そのため非常に高価であり、また局所へ投与しても、目的とする患部に滞留せず、拡散し、期待する効果が得られないため、筋肉内または皮下への注射に限られる。加えて、サイトカインや細胞成長因子は、複雑なネットワークを形成しているため、サイトカインや細胞成長因子等の液性因子を生体に高容量投与することは多大な副作用を惹起する危険性がある。
【0007】
【特許文献4】
国際公開第89/05656号パンフレット
【0008】
またサイトカインや細胞成長因子等の液性因子を産生する細胞や、それ自身が組織に分化し得る細胞を局所に投与する細胞治療も行われている。例えば好中球、単球/マクロファージは組織損傷治癒の過程における肉芽組織の形成に必須であり、これら細胞は局所において、種々の創傷治癒に有効な液性因子を産生する。また特に単球/マクロファージは壊死組織の貪食作用を有しており、これらを投与することで潰瘍等が治癒することが報告されている(例えば、ダビデ・ダノン(DAVID DANON)、「TREATMENT OF HUMAN ULCERS BY APPLICATION OF MACROPHAGES PREPARED FROM A BLOOD UNIT」、Experimental Gerontology、(米国)、Elsevier Science Inc.、1997年、第32巻、第6号、p.633−641等)。
【0009】
また骨髄細胞は、それ自身が血管内皮細胞に分化する分画を豊富に含有しており、これらを虚血部に投与することで血管が新生され、組織損傷部の治癒が促進されることが報告されている(例えば、室原、自家骨髄細胞移植による血管新生療法、「日本アフェレシス学会雑誌」、日本アフェレシス学会、2002年、第45巻、第2号、p.150−155等)。
【0010】
しかしながら、これらの細胞治療は、特に潰瘍や褥瘡に代表される開放性の創傷については、局所に投与しても、すぐに細胞が剥がれてしまうため、実際には、患部へ直接投与するのではなく、患部の周囲の皮下または筋肉内に、数十箇所に分けて注射器で投与すると言う煩雑な手法が採られてきた。
【0011】
【非特許文献1】
ダビデ・ダノン(DAVID DANON)、「TREATMENT OF HUMAN ULCERS BY APPLICATION OF MACROPHAGES PREPARED FROM A BLOOD UNIT」、Experimental Gerontology、(米国)、ElsevierScience Inc.、1997年、第32巻、第6号、p.633−641
【非特許文献2】
室原、自家骨髄細胞移植による血管新生療法、「日本アフェレシス学会雑誌」、日本アフェレシス学会、2002年、第45巻、第2号、p.150−155
【0012】
上述のように、外傷や熱傷、皮膚潰瘍、褥瘡、壊死/壊疽等の組織損傷部位の治療を促進する成分を大別すると、マトリックス、サイトカインや細胞成長因子等の液性因子、細胞に分類されるが、いずれの成分も一長一短があるため、近年では、組織損傷の治癒を促進するマトリックスや、生分解性のマトリックスをベースとして、更に組織損傷の治癒を促進する液性因子や細胞を混入させて相乗効果を期待する医薬や治療法が開発されている。例えば、特開昭63−54328号公報、特開昭63−96135号公報、および特開平2−112号公報に記載の製剤は、医薬上許容されうるゲル状担体と、成長因子、ホルモン等からなる創傷治癒用組成物が開示されている。また特開平8−198763号公報には、細胞成長因子を産生することのできる細胞をマトリックスに埋入した医療材料について、特開平10−259134号公報には、自己の白血球や骨髄細胞をマトリックスに埋入した創傷治癒促進剤が開示されている。
【0013】
しかしながら、これらの発明は、すでに移植前に形成し固化された組成物であるため、複雑な患部表面においては、実質的に患部表面と細胞マトリックスとの間に隙間が出来易くなってしまい、組成物自体が患部から脱落して、創傷の治癒が遅くなってしまう可能性が有る。またゲル状マトリックスとして患部表面への気密性を付与すると、ゲル特有の流動性より該組成物が流れ落ちる、あるいはガーゼや包帯に吸収されてしまい十分な治癒効果が得られない可能性がある。
【0014】
【特許文献5】
特開昭63−54328号公報
【特許文献6】
特開昭63−96135号公報
【特許文献7】
特開平2−112号公報
【特許文献8】
特開平8−198763号公報
【特許文献9】
特開平10−259134号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、組織損傷部位において、より高い組織損傷治療効果をもつ組織損傷部の治癒を促進する生体組織修復剤を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、組織損傷部位に有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液が実質的に同時に塗布または噴霧されることによりインビボで組織損傷部位に固定化された生体組織修復剤によって、驚くべきことに組織損傷部位の形状に合わせて密着し、剥がれ難く、止血効果が高く、また有核細胞が組織損傷部位へ固定されることにより治癒を促進することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
【0017】
すなわち、本発明によれば、以下の(1)〜(8)に記載の発明が提供される。
(1)フィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液とを別々の形態で含み、有効成分として有核細胞を含む生体組織修復剤であって、該フィブリノーゲン溶液と該トロンビン溶液とが組織損傷部位に実質的に同時に投与されることを特徴とする、生体組織修復剤。
【0018】
(2)損傷した組織を修復するために脊椎動物の組織損傷部位に直接投与するための生体組織修復剤であって、
(a)有効成分として有核細胞を含み、
(b)組織損傷部位でフィブリンネットを形成するためのフィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液とを別々の形態で含み、
(c)該有核細胞、該フィブリノーゲン溶液及び該トロンビン溶液がインビボで組織損傷部位に実質的に同時に噴霧または塗布され、その際に該組織損傷部位に形成されるフィブリンネットに該有核細胞が捕捉されることにより組織修復性の構造体が形成され、これにより生体組織修復剤が該組織損傷部位に固定化される、
ことを特徴とする生体組織修復剤。
【0019】
(3)原料が血液および/または骨髄液である(1)又は(2)に記載の生体組織修復剤。
(4) 有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンが同一原料から分離されるものである、(1)乃至(3)のいずれかに記載の生体組織修復剤。
(5) 有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンが損傷した組織を有する脊椎動物と同一個体から得られた原料から分離されたものである、(1)乃至(4)のいずれかに記載の生体組織修復剤。
【0020】
(6) 有核細胞が、フィブリノーゲン溶液および/またはトロンビン溶液に分散されている、(1)乃至(5)のいずれかに記載の生体組織修復剤。
(7) フィブリノーゲンが血漿からクリオプリシピテートとして得られたものであり、さらにトロンビンが該クリオリシピテートを除去した血漿から得られたものである、(1)乃至(6)のいずれかに記載の生体組織修復剤。
【0021】
(8) 有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液を目的部位に実質的に同時に塗布または噴霧することを特徴とする有核細胞含有フィブリンネットの製造方法。
【0022】
本発明のさらに別の側面によれば、有核細胞、フィブリノーゲン溶液及びトロンビン溶液をインビボで組織損傷部位に実質的に同時に投与して、該有核細胞が捕捉されたフィブリンネットを形成する工程を含む、生体組織を修復する方法が提供される。
【0023】
本発明の生体組織を修復する方法において好ましくは、有核細胞、フィブリノーゲン溶液及びトロンビン溶液をインビボで組織損傷部位に実質的に同時に噴霧または塗布し、その際に該組織損傷部位に形成されるフィブリンネットに該有核細胞が捕捉されることにより組織修復性の構造体が形成され、これにより生体組織修復剤が該組織損傷部位に固定化される。
【0024】
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の生体組織修復剤の製造のための、有核細胞、フィブリノーゲン溶液及びトロンビン溶液の使用が提供される。
【0025】
本発明によれば、いかなる複雑な凹凸のある組織損傷部においても、有効成分である有核細胞とフィブリンネットからなる混合物が気密性の高い状態で患部に接着してただちに固化するため、生体組織修復剤の患部からの脱落を防止し、同時に治癒の促進効果も得られる。また、患部の表面で直接固定化される生体組織修復剤であるため、体液の浸潤や出血を防止する効果も抜群である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の生体組織修復剤とその製造方法について詳細に説明する。
本発明で言う損傷した組織とは、皮膚、皮下、肉芽、血管、筋肉、臓器等の組織が、炎症や化膿、壊死/壊疽、腐敗等により、正常の組織としての機能が少なくとも低下した状態、または事故や外科手術により組織自体が欠損した状態を指し、より具体的に例示すると、損傷直後から痕跡期までにおける外傷、熱傷、皮膚潰瘍(褥瘡を含む)、皮膚炎、凍傷、凍瘡、化膿部位、細菌感染部位、虚血部位、腐敗部位、事故による組織の欠損、外科手術中の手術部位を指すが、これらに限定されない。
【0027】
本発明で言う修復とは、組織損傷の直後に対して、少なくとも組織が損傷する以前の状態に近づいた状態を指し、再生や治癒と同義語である。より具体的に例示すると、炎症の沈静化や疼痛の減少、潰瘍の表面積の縮小、虚血部位における血流量の増加、組織欠損部における肉芽形成等の状態を指すが、これらに限定されない。
【0028】
本発明で言う脊椎動物とは、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類に代表される、いわゆる脊椎を有する動物を指す。また本発明の生体組織修復剤を調製するには、原料である体液に十分量の有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンを有する必要があるため、好ましくは中型から大型の哺乳類または鳥類であり、より具体的に例示するとヒト、ブタ、イヌ、ウマ、ウサギ、ネコ、ウシ、ウマ等の哺乳類、ニワトリ、ダチョウ、ハト、タカ等の鳥類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明で言う血液とは、末梢血、臍帯血、またはアフェレーシスにより末梢血中における特定の細胞分画を濃縮したアフェレーシス血および血漿成分を濃縮したアフェレーシス血漿を指す。
【0030】
本発明で言う有核細胞とは細胞内に核を有する細胞を指し、例えば白血球、単球、マクロファージ、顆粒球、好中球、好塩基球、好酸球、骨髄球、赤芽球、リンパ球、Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、サプレッサーTリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、NKT細胞、樹状細胞、破骨細胞、骨芽細胞、造血幹/前駆細胞(以下、造血幹細胞と略す)、線維芽細胞、軟骨芽細胞、間葉系幹/前駆細胞、神経細胞等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
該有核細胞は、血液や骨髄から例えば比重遠心分離や細胞分離フィルターにより得ることができる。これらは単一種の細胞集団でも、複数の細胞種が含まれた細胞集団でもどちらでもよく、また血液や骨髄から得られる組織損傷の治癒に有利に作用する細胞であれば限定されるものではない。また分離される細胞の種類と濃度、組成に応じて、分離後そのまま用いても、刺激を与えて組織損傷の治癒に有利に作用する細胞へ分化誘導する、あるいは単に賦活化させて用いてもよい。
【0032】
該有核細胞への刺激や賦活の方法としては、浸透圧刺激、電気的刺激、超音波刺激、熱的刺激、酸化ストレス、LPS刺激、サイトカインや細胞成長因子による賦活、その他薬剤による賦活等が挙げられる。また組織損傷の治癒に有利に作用する細胞種をある程度濃縮して用いてもよい。損傷した組織の治癒促進効果のあるサイトカインを産生し、また壊死組織を貪食して自ら血管を新生する作用を有する単球/マクロファージ系の貪食細胞または自らが毛細血管に分化し得る造血前駆細胞、間葉系前駆細胞、血管内皮前駆細胞等の未分化細胞を少なくとも含有することが望ましい。
【0033】
本発明で言う有効成分とは、少なくとも組織損傷の治癒に有利に作用する有核細胞を指し、より好ましくは、前記組織損傷の治癒に有利に作用するサイトカインや細胞成長因子等の液性因子を産生する有核細胞を指す。前記組織損傷の治癒に有利に作用する液性因子とは、有核細胞の種類や組成、分化誘導や賦活化の種類で変化するが、組織損傷の治癒に有利に作用する液性因子であれば何でもよく、好ましくはbFGF(塩基性繊維芽細胞成長因子)、TGF−α(形質転換性成長因子−α)、TGF−β(形質転換性成長因子−β)、VEGF(血管内皮増殖因子)、TNF−α(腫瘍壊死因子−α)、PD−ECGF(血小板由来内皮細胞成長因子)、PDGF(血小板由来成長因子)、f−ECGF(繊維芽細胞由来内皮細胞成長因子)、HGF(幹細胞成長因子)、CTGF(結合性組織成長因子)、MCP−1(単球走化性タンパク質−1)、GM−CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、IFN−γ(インターフェロン−γ)、IL−1α(インターロイキン−1α)、IL−1β(インターロイキン−1β)、IL−4(インターロイキン−4)、IL−6(インターロイキン−6)等の少なくとも1種以上を指す。これらのサイトカインや細胞成長因子が組織損傷へ直接作用し、また有効成分である有核細胞自体にも作用することで相乗効果が得られ、組織損傷の治癒を促進する。
【0034】
本発明で言うフィブリノーゲンとは、トロンビンによって加水分解を受けてフィブリンに転ずる血液凝固に関与する糖タンパク質を指し、例えばヒトにおいては血液凝固第I因子と称される物質を指す。また本発明で言うフィブリノーゲン溶液とは、実質的に少なくとも該物質を含む溶液を指す。
【0035】
フィブリノーゲンは、例えば血液または骨髄より得られた血漿を、中性付近で0℃前後の低温下、8%エタノールによる分別沈殿を採取し、pH6.4、0.05Mリン酸緩衝液に溶解し、0.25M硫酸アンモニウムで沈殿させて精製する。通常、組織の接着を目的として用いられるフィブリノーゲン溶液は、前記製法に限らずとも精製フィブリノーゲンあるいは組換え型フィブリノーゲンを適当な溶媒に分散させることで得る。
【0036】
しかし、より凝固性能の高いフィブリノーゲン溶液を得るためには、更に他の血液凝固因子を添加する必要があるため、コスト面や操作性の面から、より好ましくは血漿をディープフリーザーやドライアイスアルコールで急速凍結させ、5℃前後の低温下でゆっくり融解すると現れる白色沈殿物、即ちクリオプリシピテートを採取する。前記製法によれば、簡便、短時間に種々の血液凝固因子を豊富に含有する凝固性能の高いフィブリノーゲン溶液を得ることができる。
【0037】
本発明で言うトロンビンとは、フィブリノーゲンをフィブリンに転化させる血液凝固に関与するエンドプロテアーゼを指し、例えばヒトにおいては活性化第II因子と称される物質を指す。また本発明で言うトロンビン溶液とは、実質的に少なくとも該物質を含む溶液を指す。
【0038】
トロンビンは、例えば血液または骨髄より得られた血漿に、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの塩類を作用させた後に食塩水やクエン酸で抽出する方法、または高圧二酸化炭素の作用で遊離する方法により得られるプロトロンビンを、活性化第X因子および/またはカルシウムイオン、リン脂質、活性化第V因子に作用させて得られる。
【0039】
通常、組織の接着を目的として用いられるトロンビン溶液は、前記製法に限らずとも精製トロンビンあるいは組換え型トロンビンを適当な溶媒、好ましくはカルシウムイオンを含む溶媒に分散させることで得る。しかし、より簡便で短時間にトロンビン溶液を調製するためには、ガラスやセラミック等の陰性荷電を有する表面の存在下において、血漿にカルシウムイオンおよびエタノールを作用させ、析出したフィブリン塊を除去する方法により、カルシウムイオンを含有したトロンビン溶液をワンステップで簡単に得ることができる点で好ましい。
【0040】
本発明で言うフィブリンネットとは、フィブリノーゲン溶液にトロンビン溶液を作用させて得ることのできるフィブリンが、血液凝固第XIII因子およびカルシウムイオン存在下において3次元的に分子間架橋された構造体であり、患部表面において安定に固定化される十分な強度を有するものを指す。ここでカルシウムイオンは、トロンビンと共に血液凝固第XIII因子を活性化し、フィブリンの分子間架橋を促進し物理的強度を付与する作用を有する。
【0041】
フィブリンネットは、例えば血液凝固第XIII因子を含むフィブリノーゲン溶液およびカルシウムイオンを含むトロンビン溶液をそれぞれ調製して、両者を患部表面上において噴霧または塗布することで得られるが、より好ましくは本明細書中上記した製法に従い、即ちクリオプリシピテートおよびカルシウムイオンを含有したトロンビン溶液をそれぞれ調製して、両者を患部表面上において噴霧または塗布することで、十分な強度を有するフィブリンネットを簡便、短時間に得ることができる。
【0042】
本発明で言う塗布または噴霧とは、有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液を患部表面上において液状または霧状で接触させる状態を指す。塗布する場合は、例えば液体の供給に適度な射出口を有する注射器等を用い、あるいは、筆状の繊維束に液体を染み込ませて患部表面へ塗り込む。噴霧する場合は、例えば少なくとも有核細胞の直径以上の射出口径を有するスプレーを用いるとよい。
【0043】
本発明の生体組織修復剤は、有効成分としての有核細胞、組織損傷部位でフィブリンネットを形成するためのフィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液を少なくとも含むもので、患部表面へより気密性の高い状態で固定化するために、患部表面上において、インビボで組織損傷部位に実質的に同時に噴霧または塗布されるとき、前記有核細胞がフィブリンネットに捕捉された組織修復性の構造体を形成し、損傷部位に固定化されるものである。
【0044】
ここで有核細胞は、塗布または噴霧するために適当な溶媒に分散させる必要があるが、溶媒としては生体由来または生体内に投与しても甚大な毒性を有さない溶媒であれば何でもよく、例示するとフィブリノーゲン溶液、トロンビン溶液、血漿、血清、生理食塩水、PBS(−)やHBSS等の等張液、RPMI1640等の培地、ヒアルロン酸やコラーゲン溶液等が挙げられる。より好ましくは、塗布または噴霧する目的で調製されたフィブリノーゲン溶液またはトロンビン溶液に直接有核細胞を分散させて、合計2種類の溶液により本発明の生体組織修復剤を調製することによって、有核細胞の分散性の良好なフィブリンネット、即ち本発明の生体組織修復剤を簡便に得ることができる。
【0045】
有核細胞を分散させる溶媒はフィブリノーゲン溶液でもトロンビン溶液でもどちらでも良く、また両者共に分散させても良いが、トロンビン溶液の調製時にエタノールを用いる場合には、有核細胞へのダメージ等の影響を少なくするために、フィブリノーゲン溶液の方へ分散させた方が好ましい。但し、純物質または組換え型のトロンビンを原料として本発明の生体組織修復剤を調製する場合はこの限りではない。
【0046】
本発明の生体組織修復剤が患部表面で安定に固定化されるためには、有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンを所定の濃度範囲内で接触させる必要がある。有核細胞は調製のしやすさや効果の点で、1×10個/ml〜1×10個/ml、より好ましくは1×10個/ml〜1×10個/mlの濃度範囲が適切である。有核細胞はフィブリノーゲン溶液またはトロンビン溶液の一方に上記濃度範囲内で含まれてことが好ましい。フィブリノーゲンおよびトロンビンにはそれぞれ適した濃度範囲が存在し、低濃度では患部表面において固定化されるまでに要する時間がかかり過ぎるため好ましくなく、また高濃度では余分な原料コストがかかり、かつ過剰に高濃度にしても凝固性能にさほど変化が無いため好ましくない。例えば、少なくとも血液凝固第XIII因子を含むフィブリノーゲン溶液および少なくともカルシウムイオンを含むトロンビン溶液を等量で噴霧または塗布する場合、フィブリノーゲン濃度としては3〜500mg/ml、より好ましくは10〜300mg/ml、かつトロンビン活性が40〜800IU/ml、より好ましくは、60〜700IU/mlであれば、投与後速やかに固化するため、組織と密着したままその形状を保つことができる。
【0047】
本発明の生体組織修復剤は、必要に応じてサイトカインや細胞成長因子等の液性因子を添加しておいてもよい。液性因子が均一に分散した生体組織修復剤を得るためには、予めフィブリノーゲン溶液またはトロンビン溶液の少なくとも一方に、任意の液性因子を添加しておけばよい。フィブリンネットに混入させるサイトカイン又は細胞成長因子としては、例えばM−CSF、GM−CSF、IFN−γ、IL−4等が単球やマクロファージを活性化させ好ましく使用できるが、これらに限らない。
【0048】
前記有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンは、同一原料から得ることが、生体材料を無駄なく有効に利用でき、またドナーの負担が少ない点で好ましい。
【0049】
前記原料は、血液または骨髄液から得ることが、有核細胞、フィブリノーゲンおよびプロトロンビンが全て含有されているので、簡便に調製できる点で好ましい。
【0050】
前記有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンは、損傷した組織を有する脊椎動物と同一個体から得られた原料から分離されたものであることが、ウイルス等の感染の危険性を減少でき、また有核細胞のHLAを合わせる必要も無いため、免疫学的な副作用の危険性も同時に排除することができる点で好ましい。
【0051】
前記有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液を目的部位に実質的に同時に塗布または噴霧することを特徴とする有核細胞含有フィブリンネットの製造方法は、移植の際に複雑な患部表面においても、瞬時に皮膜を形成できるため、患部表面からの本発明の生体組織修復剤の脱落を防ぐ効果と、更に患部からの浸潤液の漏出軽減効果や、出血がある場合の止血効果も得られる点で好ましい。
【0052】
【実施例】
以下の実施例により本発明の一例を具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例1
(1)有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液の調製
全身麻酔下のウサギから心臓採血した血液40mlを(抗凝固剤としてCPD液を5ml用いた)遠心分離して、血漿成分と赤血球、白血球を含む細胞成分に分離した。得られた血漿成分のうち、1mlを採取して、0.75mM塩化ナトリウム0.125ml、特級エタノール0.25ml、ガラスビーズ0.6gの入ったプラスチックチューブに加えて静置した後、フィルターでガラスビーズを除去してトロンビン溶液を得た。残りの血漿は、−80℃のディープフリーザーで急速冷凍した後、5℃水浴下でゆっくりと解凍して、析出したクリオプリシピテート約1mlを採取した。細胞成分は、フィコールにより単核球層を採取し、無血清RPMI−1640培地へ浮遊させ、培養シャーレ(Falcon社)を用いて1時間インキュベートした後、浮遊細胞を除去し、付着細胞をラバーポリスマンで採取した。付着細胞2×10個/mlになるようにクリオプリシピテートに浮遊させて、有核細胞含有フィブリノーゲン溶液を調製した後、トロンビン溶液と別々のシリンジに入れた。
【0053】
(2)組織損傷モデルの作成
全身麻酔下のウサギの背部を剃毛した後、直径30mmの全層皮膚欠損創を作製した。
【0054】
(3)組織損傷部への適用
有核細胞含有フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液の入ったシリンジを噴霧装置へセットし、欠損部から5cmほど離した位置から両液を同時に噴霧して欠損部を覆った。
組織損傷治癒効果は、欠損部の直径を5点ノギスで測定し、欠損部を円とみなして、平均直径から欠損部の面積{(平均直径)×3.14÷4}}を求め、初期(0日目)の欠損部面積に対する、測定日の欠損部面積の割合を治癒率として、下記の式から求めることにより評価した。
治癒率(%)={1−(測定日の欠損部面積/初期の欠損部面積)}×100
【0055】
(4)結果
欠損部作成後7日目に測定した結果、治癒率は72.7±9.5%であった(n=6)。
【0056】
比較例1
有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液の調整、ならびに組織損傷モデルの準備は実施例1と同様に行った。
(1)組織損傷部への適用
有核細胞含有フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液の入ったシリンジを噴霧装置へセットし、直径36mmのシャーレから5cmほど離した位置から両液を同時に噴霧して細胞マトリックスシートを作成した。シャーレから細胞マトリックスシートを剥がして、組織損傷モデルの欠損部を覆った。
【0057】
(2)結果
欠損部作成後7日目に測定した結果、治癒率は49.3±6.1%であった(n=4)。
【0058】
【発明の効果】
本発明の生体組織修復剤は、有核細胞とフィブリンネットの混合物であるので、除放性を具備している。従って、過度の液性因子の放出が抑制されて、適度な量の液性因子が長時間に渡って放出されるため、治癒効果も持続し、かつ、多大な副作用を惹起する危険性を排除できる。
【0059】
また、本発明の生体組織修復剤の有効成分である有核細胞は、投与された組織の壊死状態や感染症の進行状況にもよるが、投与後も局所にて一定期間生存し続け、組織損傷の修復に有利に作用するサイトカインや細胞成長因子等の液性因子を産生し続ける。従って、単に液性因子をマトリックスと混ぜて投与するのに比べて、はるかに治癒を促進する効果が期待できる。
【0060】
本発明によれば、いかなる複雑な凹凸のある組織損傷部においても、有効成分である有核細胞とフィブリンネットからなる混合物が気密性の高い状態で患部に接着してただちに固化するため、生体組織修復剤の患部からの脱落を防止し、同時に治癒の促進効果も得られる。また、患部の表面で直接固定化される生体組織修復剤であるため、浸潤液や出血を防止する効果も抜群である。
【0061】
本発明の生体組織修復剤は、原料を組織損傷の治療をしようとする個体から採取する場合は、ウイルス感染の危険性、更に免疫学的な副作用の危険性も同時に排除することができる。

Claims (8)

  1. フィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液とを別々の形態で含み、有効成分として有核細胞を含む生体組織修復剤であって、該フィブリノーゲン溶液と該トロンビン溶液とが組織損傷部位に実質的に同時に投与されることを特徴とする、生体組織修復剤。
  2. 損傷した組織を修復するために脊椎動物の組織損傷部位に直接投与するための生体組織修復剤であって、
    (a)有効成分として有核細胞を含み、
    (b)組織損傷部位でフィブリンネットを形成するためのフィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液とを別々の形態で含み、
    (c)該有核細胞、該フィブリノーゲン溶液及び該トロンビン溶液がインビボで組織損傷部位に実質的に同時に噴霧または塗布され、その際に該組織損傷部位に形成されるフィブリンネットに該有核細胞が捕捉されることにより組織修復性の構造体が形成され、これにより生体組織修復剤が該組織損傷部位に固定化される、
    ことを特徴とする生体組織修復剤。
  3. 原料が血液および/または骨髄液である請求項1又は2に記載の生体組織修復剤。
  4. 有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンが同一原料から分離されるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の生体組織修復剤。
  5. 有核細胞、フィブリノーゲンおよびトロンビンが損傷した組織を有する脊椎動物と同一個体から得られた原料から分離されたものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の生体組織修復剤。
  6. 有核細胞が、フィブリノーゲン溶液および/またはトロンビン溶液に分散されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の生体組織修復剤。
  7. フィブリノーゲンが血漿からクリオプリシピテートとして得られたものであり、さらにトロンビンが該クリオリシピテートを除去した血漿から得られたものである、請求項1乃至6のいずれかに記載の生体組織修復剤。
  8. 有核細胞、フィブリノーゲン溶液およびトロンビン溶液を目的部位に実質的に同時に塗布または噴霧することを特徴とする有核細胞含有フィブリンネットの製造方法。
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