JP2004159139A - 携帯情報端末およびその制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを連動させることにより、ネットワーク接続ミスおよびスケジュール確認ミスの回避又はスケジュール管理の使い勝手向上を図る。
【解決手段】携帯情報端末1は、現在の日時を特定(60)し、特定された日時に対応したスケジュールを抽出(61)し、抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示(62)するが、たとえば、抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークとして、当該用途(私的用途)のネットワークを選択するように指示する。
【選択図】 図3
【解決手段】携帯情報端末1は、現在の日時を特定(60)し、特定された日時に対応したスケジュールを抽出(61)し、抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示(62)するが、たとえば、抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークとして、当該用途(私的用途)のネットワークを選択するように指示する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯情報端末およびその制御プログラムに関する。詳しくは、無線や有線等の通信媒体を介して最寄りのネットワークに接続して用いられ、当該ネットワークの端末として利用可能な携帯情報端末であって、且つ、複数のネットワークへの接続用プロファイル(接続情報)を管理するプログラムと、当該端末の利用者の行動予定を管理するプログラムとを実装した携帯情報端末およびその制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、多くのPDA(Personal Digital Assistance)等、携帯型情報通信端末は、スケジュール管理ソフトや電子メールソフトおよびブラウザソフト(インターネット閲覧用ソフト)などのアプリケーションプログラム(応用ソフト)を標準で実装する。
【0003】
また、近年のPDAは、ワイヤレスLANや、公衆無線回線網におけるパケット通信による接続をサポートするため、複数の通信デバイスをサポートし、受信電力や通信品質に応じて切り換える技術も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002‐199426号公報(第5−7頁、図3−図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の携帯情報端末にあっては、以下の点において、改善すべき問題点があった。
(1)従来の携帯情報端末は、複数種の通信デバイスを備えていることで、利用者は、複数のネットワークの中から“最寄り”のネットワークを選択できるが、登録済みのネットワーク接続プロファイル(ダイアルアップ等の接続種別やIPアドレス等の取得種別などの接続情報)と最寄りのネットワークとの対応関係を正しく把握していなければ、受信電力・通信品質を問わずネットワークに接続できないという問題点がある。
【0006】
(2)また、スケジュール管理に注目すると、一般に、PDAに登録されるスケジュールは、たとえば、私的なスケジュールと業務用のスケジュールなどに分けることができる。前者を「プライベートスケジュール」、後者を「ビジネススケジュール」と呼ぶことにすると、これら用途の異なるスケジュールを混在して一覧表示した場合は、スケジュールの把握に時間がかかるうえ、ミスも否めないという問題点がある。
【0007】
(3)(2)の問題点を踏まえ、スケジュールデータの各々に“プライベート”や“ビジネス”などの分類情報を付加できるようにし、分類毎にスケジュールデータを抽出して一覧表示できるようにしたスケジュール管理ソフトも存在する。しかし、このようなスケジュール管理ソフトにあっては、たとえば、
▲1▼最寄りのネットワークが社内ネットワークなどのビジネス用途で、且つ、その場所(社内)でスケジュールを確認したい場合と、
▲2▼最寄りのネットワークが自宅内(ホーム)ネットワークなどのプライベート用途で、且つ、その場所(自宅)でスケジュールを確認したい場合とを想定すると、
▲1▼の場合は、ビジネス用途の社内ネットワークであるから、高い必然性でビジネススケジュールの一覧表示が求められる一方、▲2▼の場合は、プライベート用途のホームネットワークであるから、高い必然性でプライベートスケジュールの一覧表示が求められるものの、利用者は、いちいち手作業でビジネススケジュール(▲1▼の場合)とプライベートスケジュール(▲2▼の場合)を選択して一覧表示を行わなければならず、使い勝手が悪いという問題点がある。
【0008】
したがって、本発明は、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させることにより、現在のスケジュールデータから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択できるようにし、また、その判別結果に対応させて特定分類のスケジュールデータのみを一覧表示できるようにし、もって、ネットワーク接続ミスの回避、スケジュール確認ミスの回避、又は、スケジュール管理の使い勝手向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る携帯情報端末は、複数種のネットワークの接続情報を管理する接続情報管理手段と、前記接続情報管理手段によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続する接続手段と、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理手段と、現在の日時を特定する日時特定手段と、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出する抽出手段と、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する指示手段とを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、「接続情報」とは、ネットワークの接続に必要な様々な情報のことをいう。たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル対応のローカルエリアネットワークであれば、使用するネットワークアダプタ(イーサネット(登録商標)ボード等)の明示情報、そのネットワーク上でユニークな(重複しない)IPアドレス(固定割り当ての場合)やサブネットマスク等のアドレス情報、ユーザ識別情報(ユーザID)やパスワード等のログイン情報などであり、又は、ダイアルアップ接続により、たとえば、インターネット接続事業者(いわゆるブロバイダ)のアクセスポイントを介してインターネットに接続したり、自営のアクセスポイントを介して社内ネットワークなどに接続したりする場合は、そのアクセスポイントの情報(電話番号)をさらに含む。又は、無線や光通信などのワイヤレスアクセスポイントを介してインターネットや社内ネットワークなどに接続したりする場合は、上記の電話番号の代わりに、そのワイヤレスアクセスポイントの識別情報(チャネル番号など)をさらに含む。
【0011】
本発明に係る携帯情報端末の利用者が、複数種のネットワーク(便宜的にネットワークAとネットワークBとする)について各々の正当なアクセス権(すなわち、ログイン情報)を有している場合、接続情報管理手段は、ネットワークAの接続情報とネットワークBの接続情報を保持する。そして、たとえば、ネットワークAを社内ネットワーク、ネットワークBを宅内ネットワークと仮定すると、ネットワークAは主にビジネス用途のネットワーク、ネットワークBは主に私的用途のネットワークである。
【0012】
さて、本発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理手段により、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理し、
日時特定手段により、現在の日時を特定し、
抽出手段により、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出すると共に、
指示手段により、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示するから、
たとえば、抽出手段によって抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合、指示手段は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する際、前記のネットワークB(すなわち私的用途のネットワーク)を選択するように指示する。これは、スケジュールとネットワークの接続情報とが関連付けられているからであり、スケジュールの用途(私的又はビジネス用途)に対応させて、ネットワークA(ビジネス用途)又はネットワークB(私的用途)を択一的に選択できるからである。
【0013】
したがって、この発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させたので、現在のスケジュールから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択でき、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0014】
又、好ましい態様は、前記指示手段は、前記抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように前記利用者に対して報知する報知手段を含むことを特徴とする。
【0015】
この態様では、現在のスケジュールに対応した適切なネットワークを選択するように携帯情報端末の利用者に対して報知することができる。したがって、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は、以上の「装置」カテゴリの発明に限定されない。先にも述べたとおり、PDAなどの携帯情報端末はコンピュータ応用機器の一つであるから、コンピュータに所定の処理機能を実行させるためのプログラムの形で実現してもよい。すなわち、最寄りのネットワークに接続されるネットワーク端末として利用可能で、且つ、複数種のネットワークへの接続情報と当該端末の利用者のスケジュールとを管理する携帯情報端末に適用される制御プログラムであって、複数種のネットワーク各々の接続情報を管理する接続情報管理機能と、前記接続情報管理機能によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続するネットワーク接続機能と、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理機能と、現在の日時を特定する日時特定機能と、前記日時特定機能によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理機能から抽出する抽出機能と、該抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように前記ネットワーク接続機能に指示する指示機能とを前記携帯情報端末内のコンピュータに実行させるための制御プログラムであってもよい。
【0017】
この制御プログラムにおいても、その好ましい態様は、前記指示機能は、前記抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように、前記利用者に対して報知する報知機能を含むことを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0019】
図1は、実施の形態における携帯情報端末の外観図とその概略的な内部ブロック構成図である。この図において、携帯情報端末1は、手持ちに適した任意形状のボディ2の前面に、液晶ディスプレイ等のタッチパネル付き平面型表示部(以下、単に「表示部」という)3、カーソルキー4およびいくつかのファンクションキー5〜7を配置すると共に、上面や側面の任意位置に、赤外線や無線などのワイヤレス通信媒体8の送受信窓9と、有線通信ケーブル10の接続端子11とを配置している。なお、上面や側面(又は下面)には、不図示の電源スイッチや外部機器用接続端子などが設けられている。
【0020】
携帯情報端末1は、そのボディ2の内部に、第1通信部12、第2通信部13、入力部14、タイマ部15、制御部16、メモリ部17、タッチパネル部18などを備える。
【0021】
第1通信部12および第2通信部13は、それぞれ外部の通信ネットワークに接続するためのハードウェア要素であり、携帯情報端末1の利用目的やその携帯情報端末1の移動範囲などを考慮した適切な通信仕様のものが実装される。たとえば、図示の例において、第1通信部12は光通信や無線通信に対応したもの、第2通信部13はイーサネット(登録商標)や携帯電話又は公衆電話通信網(ISDNなどのディジタル回線通信網を含む)に対応したものである。すなわち、第1通信部12には、光や無線などのワイヤレス通信媒体8を送受信するための送受信部9が設けられており、また、第2通信部13にはイーサネット(登録商標)や電話回線などの有線通信ケーブル10を接続するための接続端子11が設けられている。
【0022】
第1通信部12および第2通信部13は、そのいずれか一方が利用状態にあるとき、送受信部9又は接続端子11を介して外部のネットワークとの間でディジタルデータの双方向通信を行う。
【0023】
入力部14は、ボディ2の前面に設けられたカーソルキー4やファンクションキー5〜7からの操作信号を取り込み、それを信号整形し、適宜のキーコードに変換して制御部16に出力する。また、タイマ部15は極短い周期(たとえば、数ミリ秒程度)で逐次にカウントアップするタイマ信号を発生する。このタイマ部15はバッテリバックアップされており、バッテリ電圧が失われない限り、携帯情報端末1の電源スイッチ(不図示)をオフにした後もそのカウントアップ動作を継続する。
【0024】
タイマ信号は制御部16に出力され、制御部16において様々な目的に利用されるが、その代表的な用途の一つは現在日時の特定である。すなわち、制御部16は過去に遡った所定日時(たとえば、西暦1000年1月1日0時0分0秒)をスタートタイマ値とし、その日時からの累計タイマ値を現在日時として特定する。このような日時特定機能に注目した場合、タイマ部15は、単に過去の所定日時からの累計タイマ値をカウントするものにすぎず、日時の特定はもっぱら制御部16によって行われているが、本明細書中では説明の便宜上、日時特定のすべての機能をタイマ部15に実装しているものとする。すなわち、タイマ部15は、現在日時を特定し、その日時情報(年月日および時分秒)を制御部16に出力するものとする。
【0025】
メモリ部17は、制御部16のワークエリアとして動作する揮発性の高速記憶媒体(以下「RAM」という)17aと、オペレーティングシステム(OS)やそのOS上で動作する様々なアプリケーションプログラムを不揮発的且つ書き換え可能に記憶する大容量記憶媒体(以下「PROM」という)17bとを備える。なお、図示の例では、ワークエリア(RAM部17a)とプログラム記憶用の大容量記憶媒体(PROM部17b)とを別々に設けているが、これは、現在普及しているPDAなどの携帯情報端末のアーキテクチャに対応させているにすぎない。たとえば、半導体磁気メモリなどの記憶デバイスは、不揮発性且つ書き換え可能で、しかもRAMよりも高速性に優れると共に、大容量化も容易であるから、かかる新規デバイスを用いた場合は、ワークエリア(RAM部17a)とプログラム記憶用の大容量記憶媒体(PROM部17b)とを別々に設ける必要がない。ワークエリアにプログラムを記憶し、そのまま任意のプログラムを実行することができ、パワーオンスタート又はクイックオンスタート(電源投入直後に直ちにプログラムを実行すること)を実現できるから好ましい。また、図示の例では、プログラム記憶用の大容量記憶媒体に半導体不揮発性書き換え可能メモリ(PROM)を使用しているが、これに限定されない。ハードディスクなどの大容量磁気記憶デバイス又はその他の不揮発性書き換え可能記憶デバイスであってもよい。
【0026】
制御部16は、マイクロコンピュータチップおよびその周辺チップを実装した、いわゆるメインボードに相当するものである。この制御部16は、不図示の電源スイッチがオンにされたときに、メモリ部17のPROM部17bからRAM部17aにOSと所定のアプリケーションプログラムをロードし、それを実行することにより、表示部3に所定のユーザインターフェース画面を表示する。
【0027】
このユーザインターフェース画面は、たとえば、電源投入直後は、携帯情報端末1で実行可能な様々なアプリケーションプログラム(スケジュール管理ソフト、電子メールソフト、ブラウザソフトなど)をリスト表示するメニュー画面(又はランチャー画面)であり、携帯情報端末1の利用者は、そのメニュー画面を操作(リスト項目の一つをタッチするなど)して、所望のアプリケーションプログラムを選択起動する。
【0028】
また、メニュー画面には、システム設定に関する項目も表示されており、携帯情報端末1の利用者は、その項目(システム設定)を選択することにより、現在日時の初期設定(携帯情報端末1の購入時やバッテリ交換後に行われる設定操作)や、その他のシステム設定、たとえば、ネットワークへの接続用プロファイル設定などを行うことができるようになっている。
【0029】
ここで、ネットワークへの接続用プロファイル(以下、単に「プロファイル」という)とは、ネットワークの接続に必要な情報のことである。一つのネットワークに一つのプロファイルを設定する。
【0030】
図2(a)は、プロファイルの新規登録(追加)、削除又は編集を行うためのユーティリティ画面を示す図である。この図において、ユーティリティ画面20は、適当なタイトル文字列(図では“ネット設定ユーティリティ”)を表示するタイトルバー21の下に、設定済みプロファイルのアイコン22〜27を表示するプロファイル表示エリア28と、追加、削除および編集の三つのコマンドボタン29〜31とを有するクライアントエリア32を配置してレイアウトされている。
【0031】
アイコン22〜27はそれぞれ、適当にデザインされた絵柄でそのプロファイルの種類を表現すると共に、各々のアイコンの下にプロファイル名(“本社会議室”、“Bホテルロビー”、“Aスクエア”、“自宅”、“my desk”および“通信しない”)を表示している。ハッチング付きのアイコン22は、現在選択中のアイコンを示す。なお、“通信しない”という名前のプロファイル26は、厳密には上記定義のプロファイルに該当しない。このプロファイル26を選択した場合、いずれのネットワークにも接続しないことを明示的に指定するからである。
【0032】
ちなみに、上記“Bホテルロビー”、および、“Aスクエア”は、無線LAN(IEEE802.11bなど)によるインターネット接続サービスを提供するためのアクセスポイントを備えている。
【0033】
“通信しない”(プロファイル26)以外の各プロファイルを説明すると、まず、「本社会議室」というプロファイル22には、携帯情報端末1の利用者が所属する企業の本社会議室に設置されたネットワークへの接続情報が登録されている。また、「Bホテルロビー」というプロファイル23には、Bホテルのロビーに設置されたアクセスポイントからネットワークへの接続情報が登録されている。また、「Aスクエア」というプロファイル24には、たとえば、繁華街の特定場所に設置されたアクセスポイントからネットワークへの接続情報が登録されている。また、「自宅」というプロファイル25には、携帯情報端末1の利用者宅に設置されたネットワーク(ホームネットワーク又は宅内ネットワーク)への接続情報が登録されている。また、「my desk」というプロファイル27には、携帯情報端末1の利用者の執務場所に設置されたネットワーク(社内ネットワーク)への接続情報が登録されている。
【0034】
アイコン22、23、24、25および27のいずれかをクリックすると、それらのアイコンに対応したネットワークプロファイルを選択して、そのプロファイルで指定されたネットワークに接続できる。また、追加コマンドボタン29をクリックすると、プロファイルを新規登録することができ、削除コマンドボタン30をクリックすると、選択中のアイコンのプロファイルを削除することができる。あるいは、編集コマンドボタン31をクリックすると、選択中のアイコンのプロファイルを編集することができる。
【0035】
本発明を適用しない携帯情報端末、言い換えれば、従来からのPDAなどの携帯情報端末においても、図示のようなユーティリティ画面20に相当するものは用意されている。利用者は、あらかじめ自分の行動範囲等を予測して、適当なプロファイルを設定しておき、又は、移動先のネットワークに接続する必要を生じたときで、そのネットワークのプロファイルが未登録の場合にその都度プロファイルを設定する。そして、現在の場所に設置されているネットワークに対応したプロファイルのアイコンを選択して、そのネットワークに接続し、電子メールの送受信を行ったり、インターネットコンテンツを閲覧したり、又は、そのネットワークで提供される様々な資源を利用したりする。
【0036】
かかる従来技術に係るプロファイル利用法の不都合な点は、携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークを利用者が常に意識する必要があること、および、そのネットワークと登録済みプロファイルの対応関係を利用者が正しく認識する必要があることにある。携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものかわからなければ適切なプロファイルを選択できないし、あるいは、ネットワークの名前を知り得たとしても間違ったプロファイルを選択してしまった場合は、もはやそのネットワークに接続できないからである。このような不都合は、ネットワークについての充分な知識を持っている利用者であれば、支障なくクリアできるものの、多くの利用者(携帯情報端末1の利用者)はそれほど高度な知識を持ち合わせていないから、しばしばネットワークの接続ミスを生じ、せっかくの携帯情報端末1を使いこなせないという問題点がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、
(a)PDAなどの携帯情報端末の多くは、ネットワーク端末として利用可能な機能を標準で搭載している点、
(b)また、電子手帳としても利用可能な各種機能、とりわけ、スケジュール管理機能を標準で搭載している点、
(c)(b)のスケジュール管理機能は、携帯情報端末1の利用者の行動予定を記録し管理することを基本としている点、
に着目し、
(d)スケジュール管理機能と、前記のプロファイル設定ユーティリティで設定された各プロファイルとの連携を図り、
(e)現在日時におけるスケジュールデータを読み込み、そのスケジュールデータに関連付けされたプロファイルを用いてネットワーク接続を行い、又は、ネットワーク接続可能な状態とすることにより、
(f)携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか利用者が知らなくても適切なプロファイルを自動的に選択できるようにし、不適切なプロファイルの選択を回避して、ネットワークへの接続ミスを確実に防止するようにしたのである。これにより、ネットワークについての充分な知識を持ち合わせていない多くの利用者(携帯情報端末1の利用者)に対する利便性の向上を図ることができる。
【0038】
以下、この実施の形態におけるポイントについて詳しく説明する。
図2(b)は、プロファイル設定画面を示す図である。このプロファイル設定画面40は、まだ、設定情報が登録されていない新規の画面(プロファイル追加登録用の画面)であり、図2(a)のユーティリティ画面20の追加コマンドボタン29が選択されたときに開かれる画面である。プロファイル設定画面40は、適当なタイトル文字列(図では“ネット設定ユーティリティ作成画面”)を表示するタイトルバー41の下に、プロファイル名表示用テキストボックス42、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43、IPアドレス表示用テキストボックス44、プライマリDNS表示用テキストボックス45、セカンダリDNS表示用テキストボックス46、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47、ユーザID表示用テキストボックス48、パスワード表示用テキストボックス49、プロファイル属性表示用オプションボックス50、登録コマンドボタン51およびキャンセルコマンドボタン52を有するクライアントエリア53を配置してレイアウトされている。
【0039】
プロファイル名とは、各々のネットワークプロファイルに任意に設定する識別名であり、携帯情報端末1の内部で重複しない限り、自由に付けることができる文字列情報である。たとえば、図2(a)のユーティリティ画面20において、それぞれのアイコン22〜27の下に表示されている“本社会議室”、“Bホテルロビー”、“Aスクエア”、“自宅”および“my desk”は、登録済みの各プロファイルに設定されているプロファイル名である。
【0040】
IPアドレス取得種別とは、IPアドレス(次に説明する)をネットワーク(のDHCP:Dynamic Host Configuration Protocolサーバ)から自動で取得するか、あらかじめ指定された固定のIPアドレスを手動で設定するかを区別する情報であり、これらの種別はネットワーク毎に規定される。
【0041】
IPアドレスとは、TCP/IPプロトコル対応のネットワークにおいて、そのネットワーク上に存在するすべてのホスト(サーバや端末およびルータなどのネットワーク機器)を識別するための情報であり、所定ビット数(現行バージョンのIpv4の場合は32ビット、次期バージョンのIpv6の場合は128ビット)の情報列で表される。IPアドレスは実際は同ビット数の2進数表記であるが、見やすさを考慮して、Ipv4の場合は3桁区切りの四つの10進数列で表記される習わしになっている。たとえば、“123.123.055.066”(正しくは各区切りの頭の0を無視して“123.123.55.66”となる)のように表記する。IPアドレスはそのネットワーク内においてユニーク(唯一無二)な存在であり、地球的規模のインターネットのIPアドレスはグローバルアドレスと呼ばれ、閉じたネットワークのIPアドレスはプライベートアドレスと呼ばれる。各ホスト(又は端末)へのIPアドレスの設定は、DHCPサーバによる自動割り当てと固定割り当ての二種類である。
【0042】
DNSとはIPアドレスとURL(Uniform Resource Locator)との名前解決を行うためのサービス(Domain Name System)のことであり、プライマリDNSとは、主として用いられるDNSサーバのIPアドレスをいい、セカンダリDNSとは、従として用いられるDNSサーバのIPアドレスをいう。
【0043】
ネットワークアダプタとは、各種のネットワークに接続するためのハードウェア要素(イーサネット(登録商標)ボードやダイアルアップ用通信ボードなど)のことをいう。本実施の形態においては、図1(b)の第1通信部12や第2通信部13がそれに相当する。
【0044】
ユーザIDとは、そのネットワークに接続(アクセス)する際に必要となる個人識別名(単にID又はユーザアカウント情報若しくは単にアカウント情報ともいう)であり、パスワードとは、そのユーザID毎にあらかじめ設定された秘密(基本的にそのユーザのみが知っている秘密のキーワードである)の文字列のことをいう。
【0045】
プロファイル属性とは、本実施の形態における特有の情報であり、前述のスケジュールデータとの連携情報である。すなわち、この実施の形態においては、“ビジネス”と“プライベート”の二つのプロファイル属性が設定されており、これらは、私的用途のスケジュールデータ(プライベートスケジュールデータ)とビジネス用途のスケジュールデータ(ビジネススケジュールデータ)に各々連携する。
【0046】
図3は、本実施の形態の概念説明図であり、前記の(a)〜(f)を模式化したものである。この図において、60は現在日時を特定する部分、つまり、携帯情報端末1のタイマ部15に相当するものである。以下、この部分を日時特定部60と呼ぶことにすると、携帯情報端末1は、PROM17bに格納されている各種プログラム(オペレーティングシステムや所要のアプリケーションプログラムなど)のソフトウェアリソースと、制御部16(のマイクロコンピュータチップやその周辺チップ)などのハードウェアリソースとの有機的結合により、後述のスケジュール管理機能およびネットワーク接続用プロファイル管理機能などを実現する。図中のスケジュールデータの抽出部(以下、単に「抽出部」という)51やネットワーク接続用プロファイルの選択部(以下、単に「選択部」という)52は、それらの機能の一部である。
【0047】
すなわち、抽出部61は、日時特定部60によって特定された現在日時を取り込み、事前に設定されたスケジュールデータ群71の中から、上記の現在日時に対応する行動計画予定期間を有する一つのスケジュールデータを抽出する。今、説明の都合上、スケジュールデータ群71が第1のスケジュールデータ71a〜第4のスケジュールデータ71dの四つのデータで構成されているものとし、そのうちの一つ(たとえば、第4のスケジュールデータ71d)の行動予定期間を“2002年6月1日”の“12時0分”から同年同月同日の“16時0分”までとし、日時特定部60によって特定された現在日時を同年同月同日の“15時0分”とすると、この場合、抽出部61における抽出条件(現在日時に対応する行動計画予定期間を有する一つのスケジュールデータを抽出する)に該当するものは、第4のスケジュールデータ71dであるから、抽出部61は、このスケジュールデータ(第4のスケジュールデータ71d)を抽出する。
【0048】
抽出部61によって抽出されたスケジュールデータ(以下「抽出スケジュールデータ」という)は、選択部62に渡される。選択部62は、事前に設定されたプロファイルデータ群72の中から、上記の抽出スケジュールデータに登録されているプロファイル名と一致する名前を持つプロファイルデータを選択する。今、説明の都合上、プロファイルデータ群72が第1のプロファイルデータ72a〜第3のプロファイルデータ72cの三つのプロファイルで構成されているものとし、そのうちの一つ(たとえば、第2のプロファイルデータ72b)の名前を“ネットワークA”とし、抽出部61によって抽出された抽出スケジュールデータ71dに登録されているプロファイル名を“ネットワークA”とすると、この場合、選択部62における選択条件(抽出スケジュールデータに登録されているプロファイル名と一致する名前を持つプロファイルデータを選択する)に該当するものは、第2のプロファイルデータ72bであるから、選択部62は、このプロファイル(第2のプロファイルデータ72b)を選択する。
【0049】
携帯情報端末1は、このようにして選択された一つのプロファイルに基づいて、特定のネットワークへの接続を行い、結局、図示の例の場合は、ネットワークAに自動的に接続することができる。又は、ネットワークAに接続可能な状態で待機してもよい。この“待機”の態様は、携帯電話等の有料パケット通信網のように従量制の課金制度をとっているネットワークの場合は、思わぬ課金を回避するためにも、最終的な接続可否の判断を利用者にゆだねる必要があるからである。
【0050】
以上のとおりであるから、本実施の形態によれば、スケジュール管理機能と、プロファイル設定ユーティリティで設定された各プロファイルとの連携を図り、現在日時におけるスケジュールデータを読み込み、そのスケジュールデータに関連付けされたプロファイルを用いてネットワーク接続を行い、又は、ネットワーク接続可能な状態としたので、携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか利用者が知らなくても適切なプロファイルを自動的に選択できるようになり、その結果、不適切なプロファイルの選択を回避して、ネットワークへの接続ミスを確実に防止することができるという格別の効果を得ることができる。
【0051】
図4は、本実施の形態における効果を示す図であり、携帯情報端末1を携行する利用者65の○○年○○月○○日における行動予定の模式図である。ここで、利用者65は時刻Taにおいて自宅から会社に移動し、時刻Tbにおいて会社からAスクエアに移動した後、時刻Tcにおいて帰宅するものとする。そして、これらの行動予定は、スケジュールa〜スケジュールdとしてそれぞれスケジュール登録されているものとし、且つ、予定通りに行動するものとする。また、自宅にはネットワークaが設けられており、さらに、会社にはネットワークb、Aスクエアにはネットワークcがそれぞれ設けられており、スケジュールa〜スケジュールdには、それぞれ対応するネットワークのプロファイル名が正しく登録されているものとする。
【0052】
このような場合、○○年○○月○○日の時刻Taまでの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールaが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークaのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、自宅に設けられたネットワークaに接続される。
【0053】
次に、○○年○○月○○日の時刻Ta〜Tbの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールbが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークbのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、会社に設けられたネットワークbに接続される。
【0054】
次に、○○年○○月○○日の時刻Tb〜Tcの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールcが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークcのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、Aスクエアに設けられたネットワークcに接続される。
【0055】
最後に、○○年○○月○○日の時刻Tc以降においては、前記の抽出部61によってスケジュールdが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークaのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、再び自宅に設けられたネットワークaに接続される。
【0056】
このように、本実施の形態における携帯情報端末1を持ち運ぶだけで、その場所に設置されているネットワーク用のプロファイルを選択して自動的に接続し、又は、接続可能な状態で待機することができるから、利用者65は、現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか全く知る必要がなく、きわめて使い勝手がよく利便性の高い携帯情報端末1を提供することができる。
【0057】
なお、以上の説明では、携帯情報端末1の現在位置に設置されているネットワーク用のプロファイルを選択して、そのネットワークに接続し、又は接続可能な状態で待機する例を示したが、本発明の技術思想はこの態様のみに限定されない。
【0058】
図5は、本実施の形態における他の態様の概念説明図であり、図3の選択部62以降を変形したものである。この図において、選択部62によって選択されたプロファイル(例:第2のプロファイルデータ72b)は、現在の選択ネットワークとの一致判定部(以下、単に「一致判定部」という)66に渡される。この一致判定部66は、現在接続対象(実際に接続状態にあるか否かを問わない)となっているネットワークが上記の選択プロファイルによって示されたネットワークであるか否かを判定する。たとえば、選択部62によって選択されたプロファイルが、図示のとおり、第2のプロファイルデータ72bであり、且つ、そのプロファイルによって指定されたネットワークが“ネットワークA”であった場合、現在接続対象となっているネットワークが“ネットワークA”であれば一致を判定(判定結果が真:Trueになり)し、そうでなければ不一致を判定する(判定結果が偽:Falseになる)。
【0059】
そして、Trueの場合は、スケジュール通りの正しいネットワークに接続されているため、処理を終了し、一方、Falseの場合は、スケジュールと異なる間違ったネットワークが接続対象となっているため、選択指示又は警告部67を起動して、正しいネットワーク(この場合、ネットワークA)に接続し直し、又は、利用者65に対して当該ネットワークへの接続変更指示メッセージを出し、若しくは、その旨を促す警告を出す。
【0060】
これらのメッセージ又は警告は、利用者65の感覚(視覚、聴覚、触覚)に訴える適切な方法で行われるべきである。たとえば、文字列、アイコン又はその他の画像若しくは警告色などを表示部3に表示させるようにすると利用者65の視覚に訴えることができ、又は、合成音声や警告音などを出力すると利用者65の聴覚に訴えることができ、又は、携帯情報端末1のボディ2を振動させたりすると利用者65の触覚に訴えることができる。
【0061】
図5の態様によれば、携帯情報端末1の現在位置に設けられたネットワークが接続対象となってない場合にのみ、そのネットワークへの接続を行い、又は、利用者65に接続を指示し、若しくは警告を発することができる。したがって、無用な接続処理(スケジュール通りの正しいネットワークに接続されているにも関わらず発生する無用な接続処理)を回避して、当該接続処理期間における送受信データの一時的途絶を防止することができる。
【0062】
図6は、本実施の形態における他の態様の概念説明図である。この態様は、先の実施の形態と同様に、現在日時のスケジュールデータからその行動予定場所におけるネットワークを特定してそのネットワークに接続することに加え、さらに、その場所に対応した属性を持つスケジュールデータをスケジュールデータ群から取り出して、その一覧を表示部3に表示できるようにしたものである。
【0063】
図において、スケジュール管理プログラム68、ネットワーク設定管理プログラム69およびプロセス部70は、いずれも、図1のPROM部17bにあらかじめ格納されたソフトウェアリソースである。これらのリソースは、制御部16によって適宜にRAM部17aにロードされ、その制御部16によって実行されることにより、以下に説明する諸機能を有機的に実現する。
【0064】
すなわち、スケジュール管理プログラム68は、利用者65によって適宜に入力された行動予定(スケジュール)を電子データ化したスケジュールデータ群71を生成し、それをPROM17bに格納する。スケジュールデータ群71は、一つのスケジュール毎に一つのデータ集合(たとえば、データレコード)を構成しており、すべてのスケジュールデータ71a〜71eは、各々のスケジュールをカテゴライズ(区分け)するための特別の属性フィールド71fを有している。この属性フィールド71fには、たとえば、そのスケジュールが私的用途であるのか、ビジネス用途であるのかを識別するための情報が格納される。以下、この識別情報を便宜的に文字列とし、前者の識別情報を“プライベート”、後者の識別情報を“ビジネス”とする。つまり、すべてのスケジュールデータ71a〜71eの属性フィールド71fには、その用途に応じて“プライベート”又は“ビジネス”が入力される。
【0065】
図7は、スケジュールデータのいくつかの例を示す図である。この図において、代表的に示す三つのスケジュールデータ71a〜71cは、いずれも、同一のフィールド構成を有している。すなわち、前記の属性フィールド71fを有すると共に、さらに、種類フィールド71g、内容フィールド71h、開始日時フィールド71i、終了日時フィールド71j、場所フィールド71k、ネットワーク名フィールド71m、アラームフィールド71nなどを有している。
【0066】
種類フィールド71gには、そのデータレコードがスケジュールに関するものであることを明示する固定情報(図では文字列“schedule”)が格納され、内容フィールド71hには、利用者65によって入力されたスケジュールの内容を表す任意の文字列(たとえば、スケジュールデータ71aには“営業支援打ち合わせ”、スケジュールデータ71bには“デザイン打ち合わせ”、スケジュールデータ71cには“ネットLive at YahooBB”)が入力される。また、開始日時フィールド71iには、利用者65によって入力されたそのスケジュールの開始日時が格納され、終了日時フィールド71jには、利用者65によって入力されたそのスケジュールの終了日時が格納される。なお、開始日時フィールド71iに格納された情報と、終了日時フィールド71jに格納された情報とにより、そのスケジュールの期間が表される。
【0067】
また、場所フィールド71kには、利用者65によって選択されたそのスケジュールの場所(すなわち、利用者65の行動予定場所)が格納され、ネットワーク名フィールド71mには、上記の利用者65の行動予定場所に設置されているネットワークに対応したプロファイルの名前(プロファイル名)が格納される。なお、アラームフィールド71nには、そのスケジュール開始時間の接近を知らせるためのアラーム通知を必要とする場合に、たとえば、開始時間の10分前というようなアラーム鼓動時刻を指定して格納することができる。
【0068】
一方、ネットワーク設定管理プログラム69は、利用者65(又はネットワーク管理者等であってもよい。以下「利用者65」とする)によって適宜に登録されたネットワークプロファイル(接続情報)を電子データ化したプロファイルデータ群72を生成し、それをPROM17bに格納する。プロファイルデータ群72は、一つのプロファイル毎に一つのデータ集合(たとえば、データレコード)を構成しており、すべてのプロファイルデータ72a〜72cは、各々のプロファイルをカテゴライズ(区分け)するための特別の属性フィールド72dを有している。この属性フィールド72dには、前記のスケジュールデータ71a〜71eの属性フィールド71fと共通の情報、すなわち、前記のスケジュールデータ71a〜71eの例に従えば、そのプロファイルが私的用途であるのか、ビジネス用途であるのかを識別するための情報が格納される。つまり、すべてのプロファイルデータ72a〜72cの属性フィールド72dには、その用途に応じて“プライベート”又は“ビジネス”が入力される。
【0069】
図8は、プロファイルデータの例を示す図である。この図において、代表的に示す三つのプロファイルデータ72a〜72cは、いずれも、同一のフィールド構成を有している。すなわち、前記の属性フィールド72dを有すると共に、さらに、プロファイル名フィールド72e、IPアドレス設定方法フィールド72f、IPアドレスフィールド72g、プライマリDNDフィールド72h、セカンダリDNSフィールド72i、ネットワークアダプタフィールド72j、ユーザIDフィールド72k、パスワードフィールド72mなどを有している。
【0070】
プロファイル名フィールド72eには、利用者65によって入力された任意のプロファイル名(図ではプロファイルデータ72aのプロファイル名として“本社会議室”)が格納され、IPアドレス設定方法フィールド72fには、利用者65によって選択されたIPアド例の設定方法の情報(手動:固定割り当てを意味する、自動:DHCPによる自動割り当てを意味する)が格納される。また、プライマリDNSフィールド71hには、そのネットワーク上の主たるDNSサーバのIPアドレスが格納され、セカンダリDNSフィールド71iには、そのネットワーク上の従たるDNSサーバのIPアドレスが格納される。また、ネットワークアダプタフィールド71jには、携帯情報端末1に実装されたネットワークアダプタ(図1の第1通信部12、第2通信部13)のうち、そのネットワークに適したものを表す文字列が格納される。また、ユーザIDフィールド71kには、そのネットワークに登録済みのユーザID(利用者65のアカウント)が格納され、パスワードフィールド71mには、当該アカウントと対をなしてそのネットワークに登録されているパスワード(利用者65の秘密のキーコード)が格納される。
【0071】
これらのプロファイルデータ72a〜72cは、前述のプロファイル設定画面40(図2(b)参照)を用いて登録される。
図9は、図8の三つのプロファイルデータ72a〜72cに対応するそれぞれの登録画面を示す図である。これらの図において、(a)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“本社会議室”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は手動設定が選択(選択:黒丸)され、IPアドレス表示用テキストボックス44には“123.123.55.66”が入力され、プライマリDNS表示用テキストボックス45には“123.123.11.22”が入力され、セカンダリDNS表示用テキストボックス46には“123.123.33.44”が入力され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter1”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“CASIOanonymous”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“ビジネス”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72aが作られ、PROM17bに格納される。
【0072】
また、(b)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“Aスクエア”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は自動設定が選択され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter2”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“mobile−ID”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“プライベート”が選択されている。なお、この場合、IPアドレス表示用テキストボックス44、プライマリDNS表示用テキストボックス45およびセカンダリDNS表示用テキストボックス46には何も情報が入力されていない。これらの情報は、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43の設定(自動取得)に従って、ネットワーク上のDHCPサーバより自動的に取得されるからである。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72bが作られ、PROM17bに格納される。
【0073】
また、(c)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“my desk”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は手動設定が選択され、IPアドレス表示用テキストボックス44には“124.124.77.88”が入力され、プライマリDNS表示用テキストボックス45には“124.124.12.34”が入力され、セカンダリDNS表示用テキストボックス46には“124.124.56.78”が入力され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter1”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“CASIOpro”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“ビジネス”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72cが作られ、PROM17bに格納される。
【0074】
次に、図10は、図7のスケジュールデータ71a〜71cの登録に用いられる画面(スケジュール入力画面80)のレイアウトとその登録状態の一例を示す図である。スケジュール入力画面80は、適当なタイトル文字列(図では“schedule input”)を表示するタイトルバー81の下に、内容表示用テキストボックス82、開始日時表示用オプションボックス83、終了日時表示用テキストボックス84、場所表示用テキストボックス85、アラーム設定用チェックボックス86、アラーム時間選択用リストボックス87、スケジュール属性表示用オプションボックス88、ネットワーク選択用リストボックス89、備考表示用複数行テキストボックス90、登録コマンドボタン91およびキャンセルコマンドボタン92を配置してレイアウトされている。
【0075】
そして、その登録状態の一例においては、内容表示用テキストボックス82に“営業支援打ち合わせ”が入力され、開始日時表示用オプションボックス83に“2002年3月25日13時00分”が入力され、終了日時表示用テキストボックス84に“2002年3月25日15時00分”が入力され、場所表示用テキストボックス85に“本社21F会議室”が入力され、アラーム設定用チェックボックス86がチェック(アラームあり)され、アラーム時間選択用リストボックス87に“10分”が入力され、スケジュール属性表示用オプションボックス88の“ビジネス”が選択され、ネットワーク選択用リストボックス89の“本社会議室”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン91をクリックすると、図7のスケジュールデータ71aが作られ、PROM部17bに格納される。
【0076】
再び、図6に戻り、プロセス部70は、二つのプロセス部、つまり、スケジュール表示プロセス部70aとネットワーク接続プロセス部70bとから構成されている。
【0077】
スケジュール表示プロセス部70aは、先に説明したタイマ部15から現在日時を取得し、その現在日時をスケジュールの開始日時と終了日時の間に含む一つのスケジュールデータをスケジュールデータ群71から抽出する。説明の都合上、抽出されたスケジュールデータを、図7の最上段のスケジュールデータ71aとする。スケジュール表示プロセス部70aは、スケジュールデータ71aのネットワーク名フィールド71mを参照し、そのフィールドデータと一致するプロファイルデータをプロファイルデータ群72から選択し、その選択結果をネットワーク接続プロセス部70bに伝える。
【0078】
したがって、スケジュールデータ71aのネットワーク名フィールド71mには“本社会議室”が格納されているため、この例の場合、スケジュール表示プロセス部70aはプロファイルデータ群72から同名のプロファイルデータ、つまり、図8のプロファイルデータ72aを選択し、ネットワーク接続プロセス部70bに伝達する。ネットワーク接続プロセス部70bは、伝達されたプロファイル(図8のプロファイルデータ72a)に従って、ネットワークへの接続を行い、結局、現在日時に対応した一つのスケジュールの抽出→そのスケジュールデータに登録されている場所(たとえば、本社21F会議室)の特定の各ステップを経て、最終的にその場所に設置されているネットワーク(本社会議室のネットワーク)への接続を行うことができる。
【0079】
また、スケジュール表示プロセス部70aは、上記のステップ(現在日時に対応した一つのスケジュールの抽出→そのスケジュールデータに登録されている場所の特定)に加えて、さらに、スケジュールデータの一覧表示データ生成ステップを実行する。たとえば、現在日時に対応して抽出されたスケジュールデータが、図7のスケジュールデータ71aである場合は、その属性フィールド71mの情報(“ビジネス”)を取り出し、スケジュールデータ群71の中からその情報(“ビジネス”)を持つ、たとえば、当日のすべてのスケジュールデータを取り出し、それを所定の表示フォーマットに加工して表示部3に出力し、表示部3の画面上に一覧表示する(図12は一覧表示例である。詳細は後述)という処理ステップを実行する。
【0080】
これによれば、現在位置が私的用途に関する場所(自宅等)である場合は、プライベートスケジュールの一覧表示を行うことができ、一方、ビジネス用途に関する場所(会社等)である場合は、ビジネススケジュールの一覧表示を行うことができる。したがって、用途に応じたスケジュールデータだけを表示部3に一覧表示して利便性の向上を図ることができる。
【0081】
図11は、本実施の形態における携帯情報端末1の動作を示す簡略的なフローチャートである。この図において、携帯情報端末1の電源をオンにすると、まず、現在日時(日付と時刻)の設定を行い(ステップS11)、タイマ部15を起動する(ステップS12)。先にも説明したとおり、現在日時を取得するタイマ部15はバッテリバックアップされており、電源のオンオフに関わらず、常に正確に日時を刻んでいるから、購入時やバッテリ交換時に現在日時を正しく合わせておけば、これらのステップは通常パスしても構わない。
【0082】
次に、ユーザイベント(入力部14の入力操作又はタッチパネル部18のタッチ操作)を判定する(ステップS13)。ここで、携帯情報端末1のユーザイベントは多岐にわたるが、本発明に関係するものは、たとえば、「プロファイル切替え」、「プロファイル作成」および「スケジュール作成」の三種類であり、それ以外は「イベントなし」として取り扱うことにする。
【0083】
「プロファイル切替」イベントが発生したとき、つまり、図2(a)のユーティリティ画面20において、アイコン22〜27のいずれかがクリックされたときは、そのアイコンに対応したプロファイルを選択し、ネットワーク接続設定の変更処理を行う(ステップS14)。たとえば、本社会議室アイコン22がクリックされたときは本社会議室ネットワーク接続用のプロファイル(図8のプロファイルデータ72a)を選択し、当該ネットワークに接続する。このとき、変更前のネットワークの属性(プライベート/ビジネス)と変更後のネットワークの属性を調べ、両者の属性が異なるときは、一覧表示のための属性を変更後のネットワークの属性とする(ステップS15)。
【0084】
たとえば、変更前のネットワークの属性が“プライベート”で、変更後のネットワークの属性が“ビジネス”である場合は、一覧表示のための属性を“ビジネス”とする。これにより、用途に応じたスケジュールデータだけを表示部3に一覧表示する際に、ネットワークの変更に合わせて、その表示属性も変更することができ、たとえば、会社から自宅に戻ったときには、プライベートスケジュールデータだけを一覧表示することができる。
【0085】
「プロファイル作成」イベントが発生したとき、つまり、図2(a)のユーティリティ画面20において、追加コマンドボタン29がクリックされたときは、図2(b)のプロファイル設定画面40を表示する(ステップS16)。利用者65は、そのプロファイル設定画面40に所要のデータを入力して新規のプロファイルを作成し、登録コマンドボタン51をクリックしてプロファイルデータを新規作成する。
【0086】
「スケジュール作成」イベントが発生したとき、つまり、図12のスケジュール一覧画面100(詳細は後述)の新規コマンドボタン105がクリックされたときは、図10のスケジュール入力画面80を表示する(ステップS17)。利用者65は、そのスケジュール入力画面80に所要のデータを入力して新規のスケジュールを作成し、登録コマンドボタン91をクリックしてスケジュールデータを新規作成する。
【0087】
以上の各イベント処理(ステップS14〜ステップS17)の実行後、又は「イベントなし」の判定後は、表示属性判定処理を行う(ステップS18)。つまり、現在選択中のネットワークプロファイルの属性フィールド72dの情報(プライベート/ビジネス)を調べ、その情報に対応した一覧表示処理(ステップS19、ステップS20)を実行する。
【0088】
たとえば、属性フィールド72dの情報が“プライベート”であれば、スケジュールデータ群71からプライベートスケジュールだけを取り出し、それを所定の表示フォーマットに整形して表示部3に出力し、一覧表示する。又は、性フィールド72dの情報が“ビジネス”であれば、スケジュールデータ群71からビジネススケジュールだけを取り出し、それを所定の表示フォーマットに整形して表示部3に出力し、一覧表示する。
【0089】
最後に、タイマ部15のカウントアップ処理(日時の更新処理)を行い、再び、ステップS13に復帰する。
【0090】
図12は、スケジュールの一覧画面(以下、スケジュール一覧画面)を示す図である。このスケジュール一覧画面100は、適当なタイトル文字列(図では“schedule”)を表示するタイトルバー101の下に、日付表示用テキストボックス102、当該日のスケジュール一覧表示エリア103、スケジュール属性表示用テキストボックス104、新規コマンドボタン105、変更コマンドボタン106および削除コマンド107を配置してレイアウトされている。新規コマンドボタン105又は変更コマンドボタン106をクリックすると、図10のスケジュール入力画面80がオープンする。新規コマンドボタン105をクリックしてオープンした場合はスケジュールの新規登録モード、変更コマンドボタン106をクリックしてオープンした場合はスケジュール一覧表示エリア103の選択行のスケジュール変更モードとなる。また、削除コマンド107をクリックした場合は、スケジュール一覧表示エリア103の選択行のスケジュールを削除できる。
【0091】
さて、図12には、二つのスケジュール一覧画面100が示されている。これらのスケジュール一覧画面100は、同じ日(“3月25日”)のスケジュールでありながら、スケジュール一覧表示エリア103とスケジュール属性表示用テキストボックス104の表示内容に相違いがある。すなわち、(a)のスケジュール一覧画面100には、12:00〜14:00のスケジュールに“営業支援打ち合わせ”が登録されていると共に、15:00〜16:00のスケジュールに“デザイン打ち合わせ”が登録されており、且つ、スケジュール属性に“ビジネス”が表示されている。これに対して、(b)のスケジュール一覧画面100には、20:00〜21:00のスケジュールに“ネットLive”が登録されており、且つ、スケジュール属性に“プライベート”が表示されている。
【0092】
要するに、これら二つのスケジュール一覧画面100は、“営業支援打ち合わせ”や“デザイン打ち合わせ”などのビジネス用途のスケジュールと、“ネットLive”などの私的なネットサーフィン用途のスケジュールとを別々に表示するものであり、したがって、両者(プライベート/ビジネス)を混在することなく表示できるから、とりわけ大量のスケジュールを管理する場合に、スケジュール確認のミスを防止できるというメリットを得ることができる。
【0093】
なお、上記のフローチャートでは、ネットワークプロファイルの切替を手動で行って(ステップS14)いたが、先にも説明したとおり、手動切替の場合は不適切なネットワークプロファイルを選択する可能性を否定できない。
【0094】
図13は、この点を踏まえて上記のフローチャートを改良したものである。なお、上記のフローチャートと共通する処理部分には同一のステップ番号を付してある。図13において、波線で囲んだ範囲は改良により追加された処理部分である。すなわち、このフローチャートでは、現在日時に対応したスケジュールデータを抽出し(ステップ22)、そのスケジュールデータのネットワーク名フィールド71mに登録されているネットワーク名(つまり、プロファイル名)と、現在選択中のネットワークプロファイル名との一致判定を行う(ステップS23)。そして、プロファイル名が一致していれば、手動切替が正しく行われていると判断してステップS13に復帰し、一方、プロファイル名が一致していない場合は、手動切替が間違っている旨、利用者65に警告を発し(ステップS24)、又は、正しいネットワークプロファイルに自動的に切り換える(ステップS25)という処理を実行した後、ステップS13に復帰する。
【0095】
これによれば、ネットワークプロファイルの切替を手動で行った(ステップS14)際に、不適切なネットワークプロファイルを選択してしまった場合は、正しいネットワークプロファイルへの切替を促し、又は、自動的に正しいネットワークプロファイルへ切り換えることができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明に係る携帯情報端末によれば、スケジュール管理手段により、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理し、
日時特定手段により、現在の日時を特定し、
抽出手段により、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出すると共に、
指示手段により、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示するから、
たとえば、抽出手段によって抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合、指示手段は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する際、前記のネットワークB(すなわち私的用途のネットワーク)を選択するように指示する。これは、スケジュールとネットワークの接続情報とが関連付けられているからであり、スケジュールの用途(私的又はビジネス用途)に対応させて、ネットワークA(ビジネス用途)又はネットワークB(私的用途)を択一的に選択できるからである。
【0097】
したがって、この発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させたので、現在のスケジュールから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択でき、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0098】
又、好ましい態様によれば、前記指示手段は、前記抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように前記利用者に対して報知する報知手段を含むことを特徴とするので、現在のスケジュールに対応した適切なネットワークを選択するように携帯情報端末の利用者に対して報知することができる。したがって、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における携帯情報端末の外観図とその概略的な内部ブロック構成図である。
【図2】プロファイルの追加、削除又は編集を行うためのユーティリティ画面20を示す図およびプロファイル設定画面40を示す図である。
【図3】本実施の形態の概念説明図である。
【図4】本実施の形態における効果を示す図である。
【図5】本実施の形態における他の態様の概念説明図である。
【図6】本実施の形態における他の態様の概念説明図である。
【図7】スケジュールデータのいくつかの例を示す図である。
【図8】プロファイルデータの例を示す図である。
【図9】図8の三つのプロファイルデータ72a〜72cに対応するそれぞれの登録画面を示す図である。
【図10】スケジュール入力画面80のレイアウトとその登録状態の一例を示す図である。
【図11】本実施の形態における携帯情報端末1の動作を示す簡略的なフローチャートである。
【図12】スケジュール一覧画面100を示す図である。
【図13】改良されたフローチャートである。
【符号の説明】
1 携帯情報端末
15 タイマ部(日時特定手段)
16 制御部(接続情報管理手段、ネットワーク接続手段、スケジュール管理手段、抽出手段、指示手段)
60 日時特定部(日時特定手段)
61 抽出部(抽出手段)
62 選択部(指示手段)
63a〜63d スケジュールデータ(スケジュール)
64a〜64c プロファイルデータ(接続情報)
67 選指示又は警告部(指示手段)
68 スケジュール管理プログラム(スケジュール管理手段)
69 ネットワーク設定管理プログラム(接続情報管理手段)
70b ネットワーク接続プロセス部(ネットワーク接続手段)
71a〜71d スケジュールデータ(スケジュール)
72a〜72c プロファイルデータ(接続情報)
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯情報端末およびその制御プログラムに関する。詳しくは、無線や有線等の通信媒体を介して最寄りのネットワークに接続して用いられ、当該ネットワークの端末として利用可能な携帯情報端末であって、且つ、複数のネットワークへの接続用プロファイル(接続情報)を管理するプログラムと、当該端末の利用者の行動予定を管理するプログラムとを実装した携帯情報端末およびその制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、多くのPDA(Personal Digital Assistance)等、携帯型情報通信端末は、スケジュール管理ソフトや電子メールソフトおよびブラウザソフト(インターネット閲覧用ソフト)などのアプリケーションプログラム(応用ソフト)を標準で実装する。
【0003】
また、近年のPDAは、ワイヤレスLANや、公衆無線回線網におけるパケット通信による接続をサポートするため、複数の通信デバイスをサポートし、受信電力や通信品質に応じて切り換える技術も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002‐199426号公報(第5−7頁、図3−図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の携帯情報端末にあっては、以下の点において、改善すべき問題点があった。
(1)従来の携帯情報端末は、複数種の通信デバイスを備えていることで、利用者は、複数のネットワークの中から“最寄り”のネットワークを選択できるが、登録済みのネットワーク接続プロファイル(ダイアルアップ等の接続種別やIPアドレス等の取得種別などの接続情報)と最寄りのネットワークとの対応関係を正しく把握していなければ、受信電力・通信品質を問わずネットワークに接続できないという問題点がある。
【0006】
(2)また、スケジュール管理に注目すると、一般に、PDAに登録されるスケジュールは、たとえば、私的なスケジュールと業務用のスケジュールなどに分けることができる。前者を「プライベートスケジュール」、後者を「ビジネススケジュール」と呼ぶことにすると、これら用途の異なるスケジュールを混在して一覧表示した場合は、スケジュールの把握に時間がかかるうえ、ミスも否めないという問題点がある。
【0007】
(3)(2)の問題点を踏まえ、スケジュールデータの各々に“プライベート”や“ビジネス”などの分類情報を付加できるようにし、分類毎にスケジュールデータを抽出して一覧表示できるようにしたスケジュール管理ソフトも存在する。しかし、このようなスケジュール管理ソフトにあっては、たとえば、
▲1▼最寄りのネットワークが社内ネットワークなどのビジネス用途で、且つ、その場所(社内)でスケジュールを確認したい場合と、
▲2▼最寄りのネットワークが自宅内(ホーム)ネットワークなどのプライベート用途で、且つ、その場所(自宅)でスケジュールを確認したい場合とを想定すると、
▲1▼の場合は、ビジネス用途の社内ネットワークであるから、高い必然性でビジネススケジュールの一覧表示が求められる一方、▲2▼の場合は、プライベート用途のホームネットワークであるから、高い必然性でプライベートスケジュールの一覧表示が求められるものの、利用者は、いちいち手作業でビジネススケジュール(▲1▼の場合)とプライベートスケジュール(▲2▼の場合)を選択して一覧表示を行わなければならず、使い勝手が悪いという問題点がある。
【0008】
したがって、本発明は、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させることにより、現在のスケジュールデータから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択できるようにし、また、その判別結果に対応させて特定分類のスケジュールデータのみを一覧表示できるようにし、もって、ネットワーク接続ミスの回避、スケジュール確認ミスの回避、又は、スケジュール管理の使い勝手向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る携帯情報端末は、複数種のネットワークの接続情報を管理する接続情報管理手段と、前記接続情報管理手段によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続する接続手段と、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理手段と、現在の日時を特定する日時特定手段と、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出する抽出手段と、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する指示手段とを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、「接続情報」とは、ネットワークの接続に必要な様々な情報のことをいう。たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル対応のローカルエリアネットワークであれば、使用するネットワークアダプタ(イーサネット(登録商標)ボード等)の明示情報、そのネットワーク上でユニークな(重複しない)IPアドレス(固定割り当ての場合)やサブネットマスク等のアドレス情報、ユーザ識別情報(ユーザID)やパスワード等のログイン情報などであり、又は、ダイアルアップ接続により、たとえば、インターネット接続事業者(いわゆるブロバイダ)のアクセスポイントを介してインターネットに接続したり、自営のアクセスポイントを介して社内ネットワークなどに接続したりする場合は、そのアクセスポイントの情報(電話番号)をさらに含む。又は、無線や光通信などのワイヤレスアクセスポイントを介してインターネットや社内ネットワークなどに接続したりする場合は、上記の電話番号の代わりに、そのワイヤレスアクセスポイントの識別情報(チャネル番号など)をさらに含む。
【0011】
本発明に係る携帯情報端末の利用者が、複数種のネットワーク(便宜的にネットワークAとネットワークBとする)について各々の正当なアクセス権(すなわち、ログイン情報)を有している場合、接続情報管理手段は、ネットワークAの接続情報とネットワークBの接続情報を保持する。そして、たとえば、ネットワークAを社内ネットワーク、ネットワークBを宅内ネットワークと仮定すると、ネットワークAは主にビジネス用途のネットワーク、ネットワークBは主に私的用途のネットワークである。
【0012】
さて、本発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理手段により、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理し、
日時特定手段により、現在の日時を特定し、
抽出手段により、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出すると共に、
指示手段により、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示するから、
たとえば、抽出手段によって抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合、指示手段は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する際、前記のネットワークB(すなわち私的用途のネットワーク)を選択するように指示する。これは、スケジュールとネットワークの接続情報とが関連付けられているからであり、スケジュールの用途(私的又はビジネス用途)に対応させて、ネットワークA(ビジネス用途)又はネットワークB(私的用途)を択一的に選択できるからである。
【0013】
したがって、この発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させたので、現在のスケジュールから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択でき、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0014】
又、好ましい態様は、前記指示手段は、前記抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように前記利用者に対して報知する報知手段を含むことを特徴とする。
【0015】
この態様では、現在のスケジュールに対応した適切なネットワークを選択するように携帯情報端末の利用者に対して報知することができる。したがって、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は、以上の「装置」カテゴリの発明に限定されない。先にも述べたとおり、PDAなどの携帯情報端末はコンピュータ応用機器の一つであるから、コンピュータに所定の処理機能を実行させるためのプログラムの形で実現してもよい。すなわち、最寄りのネットワークに接続されるネットワーク端末として利用可能で、且つ、複数種のネットワークへの接続情報と当該端末の利用者のスケジュールとを管理する携帯情報端末に適用される制御プログラムであって、複数種のネットワーク各々の接続情報を管理する接続情報管理機能と、前記接続情報管理機能によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続するネットワーク接続機能と、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理機能と、現在の日時を特定する日時特定機能と、前記日時特定機能によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理機能から抽出する抽出機能と、該抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように前記ネットワーク接続機能に指示する指示機能とを前記携帯情報端末内のコンピュータに実行させるための制御プログラムであってもよい。
【0017】
この制御プログラムにおいても、その好ましい態様は、前記指示機能は、前記抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように、前記利用者に対して報知する報知機能を含むことを特徴とするようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0019】
図1は、実施の形態における携帯情報端末の外観図とその概略的な内部ブロック構成図である。この図において、携帯情報端末1は、手持ちに適した任意形状のボディ2の前面に、液晶ディスプレイ等のタッチパネル付き平面型表示部(以下、単に「表示部」という)3、カーソルキー4およびいくつかのファンクションキー5〜7を配置すると共に、上面や側面の任意位置に、赤外線や無線などのワイヤレス通信媒体8の送受信窓9と、有線通信ケーブル10の接続端子11とを配置している。なお、上面や側面(又は下面)には、不図示の電源スイッチや外部機器用接続端子などが設けられている。
【0020】
携帯情報端末1は、そのボディ2の内部に、第1通信部12、第2通信部13、入力部14、タイマ部15、制御部16、メモリ部17、タッチパネル部18などを備える。
【0021】
第1通信部12および第2通信部13は、それぞれ外部の通信ネットワークに接続するためのハードウェア要素であり、携帯情報端末1の利用目的やその携帯情報端末1の移動範囲などを考慮した適切な通信仕様のものが実装される。たとえば、図示の例において、第1通信部12は光通信や無線通信に対応したもの、第2通信部13はイーサネット(登録商標)や携帯電話又は公衆電話通信網(ISDNなどのディジタル回線通信網を含む)に対応したものである。すなわち、第1通信部12には、光や無線などのワイヤレス通信媒体8を送受信するための送受信部9が設けられており、また、第2通信部13にはイーサネット(登録商標)や電話回線などの有線通信ケーブル10を接続するための接続端子11が設けられている。
【0022】
第1通信部12および第2通信部13は、そのいずれか一方が利用状態にあるとき、送受信部9又は接続端子11を介して外部のネットワークとの間でディジタルデータの双方向通信を行う。
【0023】
入力部14は、ボディ2の前面に設けられたカーソルキー4やファンクションキー5〜7からの操作信号を取り込み、それを信号整形し、適宜のキーコードに変換して制御部16に出力する。また、タイマ部15は極短い周期(たとえば、数ミリ秒程度)で逐次にカウントアップするタイマ信号を発生する。このタイマ部15はバッテリバックアップされており、バッテリ電圧が失われない限り、携帯情報端末1の電源スイッチ(不図示)をオフにした後もそのカウントアップ動作を継続する。
【0024】
タイマ信号は制御部16に出力され、制御部16において様々な目的に利用されるが、その代表的な用途の一つは現在日時の特定である。すなわち、制御部16は過去に遡った所定日時(たとえば、西暦1000年1月1日0時0分0秒)をスタートタイマ値とし、その日時からの累計タイマ値を現在日時として特定する。このような日時特定機能に注目した場合、タイマ部15は、単に過去の所定日時からの累計タイマ値をカウントするものにすぎず、日時の特定はもっぱら制御部16によって行われているが、本明細書中では説明の便宜上、日時特定のすべての機能をタイマ部15に実装しているものとする。すなわち、タイマ部15は、現在日時を特定し、その日時情報(年月日および時分秒)を制御部16に出力するものとする。
【0025】
メモリ部17は、制御部16のワークエリアとして動作する揮発性の高速記憶媒体(以下「RAM」という)17aと、オペレーティングシステム(OS)やそのOS上で動作する様々なアプリケーションプログラムを不揮発的且つ書き換え可能に記憶する大容量記憶媒体(以下「PROM」という)17bとを備える。なお、図示の例では、ワークエリア(RAM部17a)とプログラム記憶用の大容量記憶媒体(PROM部17b)とを別々に設けているが、これは、現在普及しているPDAなどの携帯情報端末のアーキテクチャに対応させているにすぎない。たとえば、半導体磁気メモリなどの記憶デバイスは、不揮発性且つ書き換え可能で、しかもRAMよりも高速性に優れると共に、大容量化も容易であるから、かかる新規デバイスを用いた場合は、ワークエリア(RAM部17a)とプログラム記憶用の大容量記憶媒体(PROM部17b)とを別々に設ける必要がない。ワークエリアにプログラムを記憶し、そのまま任意のプログラムを実行することができ、パワーオンスタート又はクイックオンスタート(電源投入直後に直ちにプログラムを実行すること)を実現できるから好ましい。また、図示の例では、プログラム記憶用の大容量記憶媒体に半導体不揮発性書き換え可能メモリ(PROM)を使用しているが、これに限定されない。ハードディスクなどの大容量磁気記憶デバイス又はその他の不揮発性書き換え可能記憶デバイスであってもよい。
【0026】
制御部16は、マイクロコンピュータチップおよびその周辺チップを実装した、いわゆるメインボードに相当するものである。この制御部16は、不図示の電源スイッチがオンにされたときに、メモリ部17のPROM部17bからRAM部17aにOSと所定のアプリケーションプログラムをロードし、それを実行することにより、表示部3に所定のユーザインターフェース画面を表示する。
【0027】
このユーザインターフェース画面は、たとえば、電源投入直後は、携帯情報端末1で実行可能な様々なアプリケーションプログラム(スケジュール管理ソフト、電子メールソフト、ブラウザソフトなど)をリスト表示するメニュー画面(又はランチャー画面)であり、携帯情報端末1の利用者は、そのメニュー画面を操作(リスト項目の一つをタッチするなど)して、所望のアプリケーションプログラムを選択起動する。
【0028】
また、メニュー画面には、システム設定に関する項目も表示されており、携帯情報端末1の利用者は、その項目(システム設定)を選択することにより、現在日時の初期設定(携帯情報端末1の購入時やバッテリ交換後に行われる設定操作)や、その他のシステム設定、たとえば、ネットワークへの接続用プロファイル設定などを行うことができるようになっている。
【0029】
ここで、ネットワークへの接続用プロファイル(以下、単に「プロファイル」という)とは、ネットワークの接続に必要な情報のことである。一つのネットワークに一つのプロファイルを設定する。
【0030】
図2(a)は、プロファイルの新規登録(追加)、削除又は編集を行うためのユーティリティ画面を示す図である。この図において、ユーティリティ画面20は、適当なタイトル文字列(図では“ネット設定ユーティリティ”)を表示するタイトルバー21の下に、設定済みプロファイルのアイコン22〜27を表示するプロファイル表示エリア28と、追加、削除および編集の三つのコマンドボタン29〜31とを有するクライアントエリア32を配置してレイアウトされている。
【0031】
アイコン22〜27はそれぞれ、適当にデザインされた絵柄でそのプロファイルの種類を表現すると共に、各々のアイコンの下にプロファイル名(“本社会議室”、“Bホテルロビー”、“Aスクエア”、“自宅”、“my desk”および“通信しない”)を表示している。ハッチング付きのアイコン22は、現在選択中のアイコンを示す。なお、“通信しない”という名前のプロファイル26は、厳密には上記定義のプロファイルに該当しない。このプロファイル26を選択した場合、いずれのネットワークにも接続しないことを明示的に指定するからである。
【0032】
ちなみに、上記“Bホテルロビー”、および、“Aスクエア”は、無線LAN(IEEE802.11bなど)によるインターネット接続サービスを提供するためのアクセスポイントを備えている。
【0033】
“通信しない”(プロファイル26)以外の各プロファイルを説明すると、まず、「本社会議室」というプロファイル22には、携帯情報端末1の利用者が所属する企業の本社会議室に設置されたネットワークへの接続情報が登録されている。また、「Bホテルロビー」というプロファイル23には、Bホテルのロビーに設置されたアクセスポイントからネットワークへの接続情報が登録されている。また、「Aスクエア」というプロファイル24には、たとえば、繁華街の特定場所に設置されたアクセスポイントからネットワークへの接続情報が登録されている。また、「自宅」というプロファイル25には、携帯情報端末1の利用者宅に設置されたネットワーク(ホームネットワーク又は宅内ネットワーク)への接続情報が登録されている。また、「my desk」というプロファイル27には、携帯情報端末1の利用者の執務場所に設置されたネットワーク(社内ネットワーク)への接続情報が登録されている。
【0034】
アイコン22、23、24、25および27のいずれかをクリックすると、それらのアイコンに対応したネットワークプロファイルを選択して、そのプロファイルで指定されたネットワークに接続できる。また、追加コマンドボタン29をクリックすると、プロファイルを新規登録することができ、削除コマンドボタン30をクリックすると、選択中のアイコンのプロファイルを削除することができる。あるいは、編集コマンドボタン31をクリックすると、選択中のアイコンのプロファイルを編集することができる。
【0035】
本発明を適用しない携帯情報端末、言い換えれば、従来からのPDAなどの携帯情報端末においても、図示のようなユーティリティ画面20に相当するものは用意されている。利用者は、あらかじめ自分の行動範囲等を予測して、適当なプロファイルを設定しておき、又は、移動先のネットワークに接続する必要を生じたときで、そのネットワークのプロファイルが未登録の場合にその都度プロファイルを設定する。そして、現在の場所に設置されているネットワークに対応したプロファイルのアイコンを選択して、そのネットワークに接続し、電子メールの送受信を行ったり、インターネットコンテンツを閲覧したり、又は、そのネットワークで提供される様々な資源を利用したりする。
【0036】
かかる従来技術に係るプロファイル利用法の不都合な点は、携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークを利用者が常に意識する必要があること、および、そのネットワークと登録済みプロファイルの対応関係を利用者が正しく認識する必要があることにある。携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものかわからなければ適切なプロファイルを選択できないし、あるいは、ネットワークの名前を知り得たとしても間違ったプロファイルを選択してしまった場合は、もはやそのネットワークに接続できないからである。このような不都合は、ネットワークについての充分な知識を持っている利用者であれば、支障なくクリアできるものの、多くの利用者(携帯情報端末1の利用者)はそれほど高度な知識を持ち合わせていないから、しばしばネットワークの接続ミスを生じ、せっかくの携帯情報端末1を使いこなせないという問題点がある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、
(a)PDAなどの携帯情報端末の多くは、ネットワーク端末として利用可能な機能を標準で搭載している点、
(b)また、電子手帳としても利用可能な各種機能、とりわけ、スケジュール管理機能を標準で搭載している点、
(c)(b)のスケジュール管理機能は、携帯情報端末1の利用者の行動予定を記録し管理することを基本としている点、
に着目し、
(d)スケジュール管理機能と、前記のプロファイル設定ユーティリティで設定された各プロファイルとの連携を図り、
(e)現在日時におけるスケジュールデータを読み込み、そのスケジュールデータに関連付けされたプロファイルを用いてネットワーク接続を行い、又は、ネットワーク接続可能な状態とすることにより、
(f)携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか利用者が知らなくても適切なプロファイルを自動的に選択できるようにし、不適切なプロファイルの選択を回避して、ネットワークへの接続ミスを確実に防止するようにしたのである。これにより、ネットワークについての充分な知識を持ち合わせていない多くの利用者(携帯情報端末1の利用者)に対する利便性の向上を図ることができる。
【0038】
以下、この実施の形態におけるポイントについて詳しく説明する。
図2(b)は、プロファイル設定画面を示す図である。このプロファイル設定画面40は、まだ、設定情報が登録されていない新規の画面(プロファイル追加登録用の画面)であり、図2(a)のユーティリティ画面20の追加コマンドボタン29が選択されたときに開かれる画面である。プロファイル設定画面40は、適当なタイトル文字列(図では“ネット設定ユーティリティ作成画面”)を表示するタイトルバー41の下に、プロファイル名表示用テキストボックス42、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43、IPアドレス表示用テキストボックス44、プライマリDNS表示用テキストボックス45、セカンダリDNS表示用テキストボックス46、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47、ユーザID表示用テキストボックス48、パスワード表示用テキストボックス49、プロファイル属性表示用オプションボックス50、登録コマンドボタン51およびキャンセルコマンドボタン52を有するクライアントエリア53を配置してレイアウトされている。
【0039】
プロファイル名とは、各々のネットワークプロファイルに任意に設定する識別名であり、携帯情報端末1の内部で重複しない限り、自由に付けることができる文字列情報である。たとえば、図2(a)のユーティリティ画面20において、それぞれのアイコン22〜27の下に表示されている“本社会議室”、“Bホテルロビー”、“Aスクエア”、“自宅”および“my desk”は、登録済みの各プロファイルに設定されているプロファイル名である。
【0040】
IPアドレス取得種別とは、IPアドレス(次に説明する)をネットワーク(のDHCP:Dynamic Host Configuration Protocolサーバ)から自動で取得するか、あらかじめ指定された固定のIPアドレスを手動で設定するかを区別する情報であり、これらの種別はネットワーク毎に規定される。
【0041】
IPアドレスとは、TCP/IPプロトコル対応のネットワークにおいて、そのネットワーク上に存在するすべてのホスト(サーバや端末およびルータなどのネットワーク機器)を識別するための情報であり、所定ビット数(現行バージョンのIpv4の場合は32ビット、次期バージョンのIpv6の場合は128ビット)の情報列で表される。IPアドレスは実際は同ビット数の2進数表記であるが、見やすさを考慮して、Ipv4の場合は3桁区切りの四つの10進数列で表記される習わしになっている。たとえば、“123.123.055.066”(正しくは各区切りの頭の0を無視して“123.123.55.66”となる)のように表記する。IPアドレスはそのネットワーク内においてユニーク(唯一無二)な存在であり、地球的規模のインターネットのIPアドレスはグローバルアドレスと呼ばれ、閉じたネットワークのIPアドレスはプライベートアドレスと呼ばれる。各ホスト(又は端末)へのIPアドレスの設定は、DHCPサーバによる自動割り当てと固定割り当ての二種類である。
【0042】
DNSとはIPアドレスとURL(Uniform Resource Locator)との名前解決を行うためのサービス(Domain Name System)のことであり、プライマリDNSとは、主として用いられるDNSサーバのIPアドレスをいい、セカンダリDNSとは、従として用いられるDNSサーバのIPアドレスをいう。
【0043】
ネットワークアダプタとは、各種のネットワークに接続するためのハードウェア要素(イーサネット(登録商標)ボードやダイアルアップ用通信ボードなど)のことをいう。本実施の形態においては、図1(b)の第1通信部12や第2通信部13がそれに相当する。
【0044】
ユーザIDとは、そのネットワークに接続(アクセス)する際に必要となる個人識別名(単にID又はユーザアカウント情報若しくは単にアカウント情報ともいう)であり、パスワードとは、そのユーザID毎にあらかじめ設定された秘密(基本的にそのユーザのみが知っている秘密のキーワードである)の文字列のことをいう。
【0045】
プロファイル属性とは、本実施の形態における特有の情報であり、前述のスケジュールデータとの連携情報である。すなわち、この実施の形態においては、“ビジネス”と“プライベート”の二つのプロファイル属性が設定されており、これらは、私的用途のスケジュールデータ(プライベートスケジュールデータ)とビジネス用途のスケジュールデータ(ビジネススケジュールデータ)に各々連携する。
【0046】
図3は、本実施の形態の概念説明図であり、前記の(a)〜(f)を模式化したものである。この図において、60は現在日時を特定する部分、つまり、携帯情報端末1のタイマ部15に相当するものである。以下、この部分を日時特定部60と呼ぶことにすると、携帯情報端末1は、PROM17bに格納されている各種プログラム(オペレーティングシステムや所要のアプリケーションプログラムなど)のソフトウェアリソースと、制御部16(のマイクロコンピュータチップやその周辺チップ)などのハードウェアリソースとの有機的結合により、後述のスケジュール管理機能およびネットワーク接続用プロファイル管理機能などを実現する。図中のスケジュールデータの抽出部(以下、単に「抽出部」という)51やネットワーク接続用プロファイルの選択部(以下、単に「選択部」という)52は、それらの機能の一部である。
【0047】
すなわち、抽出部61は、日時特定部60によって特定された現在日時を取り込み、事前に設定されたスケジュールデータ群71の中から、上記の現在日時に対応する行動計画予定期間を有する一つのスケジュールデータを抽出する。今、説明の都合上、スケジュールデータ群71が第1のスケジュールデータ71a〜第4のスケジュールデータ71dの四つのデータで構成されているものとし、そのうちの一つ(たとえば、第4のスケジュールデータ71d)の行動予定期間を“2002年6月1日”の“12時0分”から同年同月同日の“16時0分”までとし、日時特定部60によって特定された現在日時を同年同月同日の“15時0分”とすると、この場合、抽出部61における抽出条件(現在日時に対応する行動計画予定期間を有する一つのスケジュールデータを抽出する)に該当するものは、第4のスケジュールデータ71dであるから、抽出部61は、このスケジュールデータ(第4のスケジュールデータ71d)を抽出する。
【0048】
抽出部61によって抽出されたスケジュールデータ(以下「抽出スケジュールデータ」という)は、選択部62に渡される。選択部62は、事前に設定されたプロファイルデータ群72の中から、上記の抽出スケジュールデータに登録されているプロファイル名と一致する名前を持つプロファイルデータを選択する。今、説明の都合上、プロファイルデータ群72が第1のプロファイルデータ72a〜第3のプロファイルデータ72cの三つのプロファイルで構成されているものとし、そのうちの一つ(たとえば、第2のプロファイルデータ72b)の名前を“ネットワークA”とし、抽出部61によって抽出された抽出スケジュールデータ71dに登録されているプロファイル名を“ネットワークA”とすると、この場合、選択部62における選択条件(抽出スケジュールデータに登録されているプロファイル名と一致する名前を持つプロファイルデータを選択する)に該当するものは、第2のプロファイルデータ72bであるから、選択部62は、このプロファイル(第2のプロファイルデータ72b)を選択する。
【0049】
携帯情報端末1は、このようにして選択された一つのプロファイルに基づいて、特定のネットワークへの接続を行い、結局、図示の例の場合は、ネットワークAに自動的に接続することができる。又は、ネットワークAに接続可能な状態で待機してもよい。この“待機”の態様は、携帯電話等の有料パケット通信網のように従量制の課金制度をとっているネットワークの場合は、思わぬ課金を回避するためにも、最終的な接続可否の判断を利用者にゆだねる必要があるからである。
【0050】
以上のとおりであるから、本実施の形態によれば、スケジュール管理機能と、プロファイル設定ユーティリティで設定された各プロファイルとの連携を図り、現在日時におけるスケジュールデータを読み込み、そのスケジュールデータに関連付けされたプロファイルを用いてネットワーク接続を行い、又は、ネットワーク接続可能な状態としたので、携帯情報端末の現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか利用者が知らなくても適切なプロファイルを自動的に選択できるようになり、その結果、不適切なプロファイルの選択を回避して、ネットワークへの接続ミスを確実に防止することができるという格別の効果を得ることができる。
【0051】
図4は、本実施の形態における効果を示す図であり、携帯情報端末1を携行する利用者65の○○年○○月○○日における行動予定の模式図である。ここで、利用者65は時刻Taにおいて自宅から会社に移動し、時刻Tbにおいて会社からAスクエアに移動した後、時刻Tcにおいて帰宅するものとする。そして、これらの行動予定は、スケジュールa〜スケジュールdとしてそれぞれスケジュール登録されているものとし、且つ、予定通りに行動するものとする。また、自宅にはネットワークaが設けられており、さらに、会社にはネットワークb、Aスクエアにはネットワークcがそれぞれ設けられており、スケジュールa〜スケジュールdには、それぞれ対応するネットワークのプロファイル名が正しく登録されているものとする。
【0052】
このような場合、○○年○○月○○日の時刻Taまでの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールaが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークaのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、自宅に設けられたネットワークaに接続される。
【0053】
次に、○○年○○月○○日の時刻Ta〜Tbの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールbが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークbのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、会社に設けられたネットワークbに接続される。
【0054】
次に、○○年○○月○○日の時刻Tb〜Tcの間においては、前記の抽出部61によってスケジュールcが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークcのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、Aスクエアに設けられたネットワークcに接続される。
【0055】
最後に、○○年○○月○○日の時刻Tc以降においては、前記の抽出部61によってスケジュールdが抽出されると共に、前記の選択部62によってネットワークaのプロファイルが選択されるため、携帯情報端末1は、再び自宅に設けられたネットワークaに接続される。
【0056】
このように、本実施の形態における携帯情報端末1を持ち運ぶだけで、その場所に設置されているネットワーク用のプロファイルを選択して自動的に接続し、又は、接続可能な状態で待機することができるから、利用者65は、現在位置に設置されたネットワークが何という名前のものか全く知る必要がなく、きわめて使い勝手がよく利便性の高い携帯情報端末1を提供することができる。
【0057】
なお、以上の説明では、携帯情報端末1の現在位置に設置されているネットワーク用のプロファイルを選択して、そのネットワークに接続し、又は接続可能な状態で待機する例を示したが、本発明の技術思想はこの態様のみに限定されない。
【0058】
図5は、本実施の形態における他の態様の概念説明図であり、図3の選択部62以降を変形したものである。この図において、選択部62によって選択されたプロファイル(例:第2のプロファイルデータ72b)は、現在の選択ネットワークとの一致判定部(以下、単に「一致判定部」という)66に渡される。この一致判定部66は、現在接続対象(実際に接続状態にあるか否かを問わない)となっているネットワークが上記の選択プロファイルによって示されたネットワークであるか否かを判定する。たとえば、選択部62によって選択されたプロファイルが、図示のとおり、第2のプロファイルデータ72bであり、且つ、そのプロファイルによって指定されたネットワークが“ネットワークA”であった場合、現在接続対象となっているネットワークが“ネットワークA”であれば一致を判定(判定結果が真:Trueになり)し、そうでなければ不一致を判定する(判定結果が偽:Falseになる)。
【0059】
そして、Trueの場合は、スケジュール通りの正しいネットワークに接続されているため、処理を終了し、一方、Falseの場合は、スケジュールと異なる間違ったネットワークが接続対象となっているため、選択指示又は警告部67を起動して、正しいネットワーク(この場合、ネットワークA)に接続し直し、又は、利用者65に対して当該ネットワークへの接続変更指示メッセージを出し、若しくは、その旨を促す警告を出す。
【0060】
これらのメッセージ又は警告は、利用者65の感覚(視覚、聴覚、触覚)に訴える適切な方法で行われるべきである。たとえば、文字列、アイコン又はその他の画像若しくは警告色などを表示部3に表示させるようにすると利用者65の視覚に訴えることができ、又は、合成音声や警告音などを出力すると利用者65の聴覚に訴えることができ、又は、携帯情報端末1のボディ2を振動させたりすると利用者65の触覚に訴えることができる。
【0061】
図5の態様によれば、携帯情報端末1の現在位置に設けられたネットワークが接続対象となってない場合にのみ、そのネットワークへの接続を行い、又は、利用者65に接続を指示し、若しくは警告を発することができる。したがって、無用な接続処理(スケジュール通りの正しいネットワークに接続されているにも関わらず発生する無用な接続処理)を回避して、当該接続処理期間における送受信データの一時的途絶を防止することができる。
【0062】
図6は、本実施の形態における他の態様の概念説明図である。この態様は、先の実施の形態と同様に、現在日時のスケジュールデータからその行動予定場所におけるネットワークを特定してそのネットワークに接続することに加え、さらに、その場所に対応した属性を持つスケジュールデータをスケジュールデータ群から取り出して、その一覧を表示部3に表示できるようにしたものである。
【0063】
図において、スケジュール管理プログラム68、ネットワーク設定管理プログラム69およびプロセス部70は、いずれも、図1のPROM部17bにあらかじめ格納されたソフトウェアリソースである。これらのリソースは、制御部16によって適宜にRAM部17aにロードされ、その制御部16によって実行されることにより、以下に説明する諸機能を有機的に実現する。
【0064】
すなわち、スケジュール管理プログラム68は、利用者65によって適宜に入力された行動予定(スケジュール)を電子データ化したスケジュールデータ群71を生成し、それをPROM17bに格納する。スケジュールデータ群71は、一つのスケジュール毎に一つのデータ集合(たとえば、データレコード)を構成しており、すべてのスケジュールデータ71a〜71eは、各々のスケジュールをカテゴライズ(区分け)するための特別の属性フィールド71fを有している。この属性フィールド71fには、たとえば、そのスケジュールが私的用途であるのか、ビジネス用途であるのかを識別するための情報が格納される。以下、この識別情報を便宜的に文字列とし、前者の識別情報を“プライベート”、後者の識別情報を“ビジネス”とする。つまり、すべてのスケジュールデータ71a〜71eの属性フィールド71fには、その用途に応じて“プライベート”又は“ビジネス”が入力される。
【0065】
図7は、スケジュールデータのいくつかの例を示す図である。この図において、代表的に示す三つのスケジュールデータ71a〜71cは、いずれも、同一のフィールド構成を有している。すなわち、前記の属性フィールド71fを有すると共に、さらに、種類フィールド71g、内容フィールド71h、開始日時フィールド71i、終了日時フィールド71j、場所フィールド71k、ネットワーク名フィールド71m、アラームフィールド71nなどを有している。
【0066】
種類フィールド71gには、そのデータレコードがスケジュールに関するものであることを明示する固定情報(図では文字列“schedule”)が格納され、内容フィールド71hには、利用者65によって入力されたスケジュールの内容を表す任意の文字列(たとえば、スケジュールデータ71aには“営業支援打ち合わせ”、スケジュールデータ71bには“デザイン打ち合わせ”、スケジュールデータ71cには“ネットLive at YahooBB”)が入力される。また、開始日時フィールド71iには、利用者65によって入力されたそのスケジュールの開始日時が格納され、終了日時フィールド71jには、利用者65によって入力されたそのスケジュールの終了日時が格納される。なお、開始日時フィールド71iに格納された情報と、終了日時フィールド71jに格納された情報とにより、そのスケジュールの期間が表される。
【0067】
また、場所フィールド71kには、利用者65によって選択されたそのスケジュールの場所(すなわち、利用者65の行動予定場所)が格納され、ネットワーク名フィールド71mには、上記の利用者65の行動予定場所に設置されているネットワークに対応したプロファイルの名前(プロファイル名)が格納される。なお、アラームフィールド71nには、そのスケジュール開始時間の接近を知らせるためのアラーム通知を必要とする場合に、たとえば、開始時間の10分前というようなアラーム鼓動時刻を指定して格納することができる。
【0068】
一方、ネットワーク設定管理プログラム69は、利用者65(又はネットワーク管理者等であってもよい。以下「利用者65」とする)によって適宜に登録されたネットワークプロファイル(接続情報)を電子データ化したプロファイルデータ群72を生成し、それをPROM17bに格納する。プロファイルデータ群72は、一つのプロファイル毎に一つのデータ集合(たとえば、データレコード)を構成しており、すべてのプロファイルデータ72a〜72cは、各々のプロファイルをカテゴライズ(区分け)するための特別の属性フィールド72dを有している。この属性フィールド72dには、前記のスケジュールデータ71a〜71eの属性フィールド71fと共通の情報、すなわち、前記のスケジュールデータ71a〜71eの例に従えば、そのプロファイルが私的用途であるのか、ビジネス用途であるのかを識別するための情報が格納される。つまり、すべてのプロファイルデータ72a〜72cの属性フィールド72dには、その用途に応じて“プライベート”又は“ビジネス”が入力される。
【0069】
図8は、プロファイルデータの例を示す図である。この図において、代表的に示す三つのプロファイルデータ72a〜72cは、いずれも、同一のフィールド構成を有している。すなわち、前記の属性フィールド72dを有すると共に、さらに、プロファイル名フィールド72e、IPアドレス設定方法フィールド72f、IPアドレスフィールド72g、プライマリDNDフィールド72h、セカンダリDNSフィールド72i、ネットワークアダプタフィールド72j、ユーザIDフィールド72k、パスワードフィールド72mなどを有している。
【0070】
プロファイル名フィールド72eには、利用者65によって入力された任意のプロファイル名(図ではプロファイルデータ72aのプロファイル名として“本社会議室”)が格納され、IPアドレス設定方法フィールド72fには、利用者65によって選択されたIPアド例の設定方法の情報(手動:固定割り当てを意味する、自動:DHCPによる自動割り当てを意味する)が格納される。また、プライマリDNSフィールド71hには、そのネットワーク上の主たるDNSサーバのIPアドレスが格納され、セカンダリDNSフィールド71iには、そのネットワーク上の従たるDNSサーバのIPアドレスが格納される。また、ネットワークアダプタフィールド71jには、携帯情報端末1に実装されたネットワークアダプタ(図1の第1通信部12、第2通信部13)のうち、そのネットワークに適したものを表す文字列が格納される。また、ユーザIDフィールド71kには、そのネットワークに登録済みのユーザID(利用者65のアカウント)が格納され、パスワードフィールド71mには、当該アカウントと対をなしてそのネットワークに登録されているパスワード(利用者65の秘密のキーコード)が格納される。
【0071】
これらのプロファイルデータ72a〜72cは、前述のプロファイル設定画面40(図2(b)参照)を用いて登録される。
図9は、図8の三つのプロファイルデータ72a〜72cに対応するそれぞれの登録画面を示す図である。これらの図において、(a)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“本社会議室”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は手動設定が選択(選択:黒丸)され、IPアドレス表示用テキストボックス44には“123.123.55.66”が入力され、プライマリDNS表示用テキストボックス45には“123.123.11.22”が入力され、セカンダリDNS表示用テキストボックス46には“123.123.33.44”が入力され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter1”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“CASIOanonymous”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“ビジネス”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72aが作られ、PROM17bに格納される。
【0072】
また、(b)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“Aスクエア”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は自動設定が選択され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter2”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“mobile−ID”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“プライベート”が選択されている。なお、この場合、IPアドレス表示用テキストボックス44、プライマリDNS表示用テキストボックス45およびセカンダリDNS表示用テキストボックス46には何も情報が入力されていない。これらの情報は、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43の設定(自動取得)に従って、ネットワーク上のDHCPサーバより自動的に取得されるからである。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72bが作られ、PROM17bに格納される。
【0073】
また、(c)のプロファイル名表示用テキストボックス42には“my desk”が入力され、IPアドレス取得種別表示用オプションボックス43は手動設定が選択され、IPアドレス表示用テキストボックス44には“124.124.77.88”が入力され、プライマリDNS表示用テキストボックス45には“124.124.12.34”が入力され、セカンダリDNS表示用テキストボックス46には“124.124.56.78”が入力され、ネットワークアダプタ選択用リストボックス47は“adapter1”が選択され、ユーザID表示用テキストボックス48には“CASIOpro”が入力され、パスワード表示用テキストボックス49には所定のパスワード(盗み読みを防ぐためにアスタリスクで置換表示される)が入力され、プロファイル属性表示用オプションボックス50は“ビジネス”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン51をクリックすると、図8のプロファイルデータ72cが作られ、PROM17bに格納される。
【0074】
次に、図10は、図7のスケジュールデータ71a〜71cの登録に用いられる画面(スケジュール入力画面80)のレイアウトとその登録状態の一例を示す図である。スケジュール入力画面80は、適当なタイトル文字列(図では“schedule input”)を表示するタイトルバー81の下に、内容表示用テキストボックス82、開始日時表示用オプションボックス83、終了日時表示用テキストボックス84、場所表示用テキストボックス85、アラーム設定用チェックボックス86、アラーム時間選択用リストボックス87、スケジュール属性表示用オプションボックス88、ネットワーク選択用リストボックス89、備考表示用複数行テキストボックス90、登録コマンドボタン91およびキャンセルコマンドボタン92を配置してレイアウトされている。
【0075】
そして、その登録状態の一例においては、内容表示用テキストボックス82に“営業支援打ち合わせ”が入力され、開始日時表示用オプションボックス83に“2002年3月25日13時00分”が入力され、終了日時表示用テキストボックス84に“2002年3月25日15時00分”が入力され、場所表示用テキストボックス85に“本社21F会議室”が入力され、アラーム設定用チェックボックス86がチェック(アラームあり)され、アラーム時間選択用リストボックス87に“10分”が入力され、スケジュール属性表示用オプションボックス88の“ビジネス”が選択され、ネットワーク選択用リストボックス89の“本社会議室”が選択されている。この状態で、登録コマンドボタン91をクリックすると、図7のスケジュールデータ71aが作られ、PROM部17bに格納される。
【0076】
再び、図6に戻り、プロセス部70は、二つのプロセス部、つまり、スケジュール表示プロセス部70aとネットワーク接続プロセス部70bとから構成されている。
【0077】
スケジュール表示プロセス部70aは、先に説明したタイマ部15から現在日時を取得し、その現在日時をスケジュールの開始日時と終了日時の間に含む一つのスケジュールデータをスケジュールデータ群71から抽出する。説明の都合上、抽出されたスケジュールデータを、図7の最上段のスケジュールデータ71aとする。スケジュール表示プロセス部70aは、スケジュールデータ71aのネットワーク名フィールド71mを参照し、そのフィールドデータと一致するプロファイルデータをプロファイルデータ群72から選択し、その選択結果をネットワーク接続プロセス部70bに伝える。
【0078】
したがって、スケジュールデータ71aのネットワーク名フィールド71mには“本社会議室”が格納されているため、この例の場合、スケジュール表示プロセス部70aはプロファイルデータ群72から同名のプロファイルデータ、つまり、図8のプロファイルデータ72aを選択し、ネットワーク接続プロセス部70bに伝達する。ネットワーク接続プロセス部70bは、伝達されたプロファイル(図8のプロファイルデータ72a)に従って、ネットワークへの接続を行い、結局、現在日時に対応した一つのスケジュールの抽出→そのスケジュールデータに登録されている場所(たとえば、本社21F会議室)の特定の各ステップを経て、最終的にその場所に設置されているネットワーク(本社会議室のネットワーク)への接続を行うことができる。
【0079】
また、スケジュール表示プロセス部70aは、上記のステップ(現在日時に対応した一つのスケジュールの抽出→そのスケジュールデータに登録されている場所の特定)に加えて、さらに、スケジュールデータの一覧表示データ生成ステップを実行する。たとえば、現在日時に対応して抽出されたスケジュールデータが、図7のスケジュールデータ71aである場合は、その属性フィールド71mの情報(“ビジネス”)を取り出し、スケジュールデータ群71の中からその情報(“ビジネス”)を持つ、たとえば、当日のすべてのスケジュールデータを取り出し、それを所定の表示フォーマットに加工して表示部3に出力し、表示部3の画面上に一覧表示する(図12は一覧表示例である。詳細は後述)という処理ステップを実行する。
【0080】
これによれば、現在位置が私的用途に関する場所(自宅等)である場合は、プライベートスケジュールの一覧表示を行うことができ、一方、ビジネス用途に関する場所(会社等)である場合は、ビジネススケジュールの一覧表示を行うことができる。したがって、用途に応じたスケジュールデータだけを表示部3に一覧表示して利便性の向上を図ることができる。
【0081】
図11は、本実施の形態における携帯情報端末1の動作を示す簡略的なフローチャートである。この図において、携帯情報端末1の電源をオンにすると、まず、現在日時(日付と時刻)の設定を行い(ステップS11)、タイマ部15を起動する(ステップS12)。先にも説明したとおり、現在日時を取得するタイマ部15はバッテリバックアップされており、電源のオンオフに関わらず、常に正確に日時を刻んでいるから、購入時やバッテリ交換時に現在日時を正しく合わせておけば、これらのステップは通常パスしても構わない。
【0082】
次に、ユーザイベント(入力部14の入力操作又はタッチパネル部18のタッチ操作)を判定する(ステップS13)。ここで、携帯情報端末1のユーザイベントは多岐にわたるが、本発明に関係するものは、たとえば、「プロファイル切替え」、「プロファイル作成」および「スケジュール作成」の三種類であり、それ以外は「イベントなし」として取り扱うことにする。
【0083】
「プロファイル切替」イベントが発生したとき、つまり、図2(a)のユーティリティ画面20において、アイコン22〜27のいずれかがクリックされたときは、そのアイコンに対応したプロファイルを選択し、ネットワーク接続設定の変更処理を行う(ステップS14)。たとえば、本社会議室アイコン22がクリックされたときは本社会議室ネットワーク接続用のプロファイル(図8のプロファイルデータ72a)を選択し、当該ネットワークに接続する。このとき、変更前のネットワークの属性(プライベート/ビジネス)と変更後のネットワークの属性を調べ、両者の属性が異なるときは、一覧表示のための属性を変更後のネットワークの属性とする(ステップS15)。
【0084】
たとえば、変更前のネットワークの属性が“プライベート”で、変更後のネットワークの属性が“ビジネス”である場合は、一覧表示のための属性を“ビジネス”とする。これにより、用途に応じたスケジュールデータだけを表示部3に一覧表示する際に、ネットワークの変更に合わせて、その表示属性も変更することができ、たとえば、会社から自宅に戻ったときには、プライベートスケジュールデータだけを一覧表示することができる。
【0085】
「プロファイル作成」イベントが発生したとき、つまり、図2(a)のユーティリティ画面20において、追加コマンドボタン29がクリックされたときは、図2(b)のプロファイル設定画面40を表示する(ステップS16)。利用者65は、そのプロファイル設定画面40に所要のデータを入力して新規のプロファイルを作成し、登録コマンドボタン51をクリックしてプロファイルデータを新規作成する。
【0086】
「スケジュール作成」イベントが発生したとき、つまり、図12のスケジュール一覧画面100(詳細は後述)の新規コマンドボタン105がクリックされたときは、図10のスケジュール入力画面80を表示する(ステップS17)。利用者65は、そのスケジュール入力画面80に所要のデータを入力して新規のスケジュールを作成し、登録コマンドボタン91をクリックしてスケジュールデータを新規作成する。
【0087】
以上の各イベント処理(ステップS14〜ステップS17)の実行後、又は「イベントなし」の判定後は、表示属性判定処理を行う(ステップS18)。つまり、現在選択中のネットワークプロファイルの属性フィールド72dの情報(プライベート/ビジネス)を調べ、その情報に対応した一覧表示処理(ステップS19、ステップS20)を実行する。
【0088】
たとえば、属性フィールド72dの情報が“プライベート”であれば、スケジュールデータ群71からプライベートスケジュールだけを取り出し、それを所定の表示フォーマットに整形して表示部3に出力し、一覧表示する。又は、性フィールド72dの情報が“ビジネス”であれば、スケジュールデータ群71からビジネススケジュールだけを取り出し、それを所定の表示フォーマットに整形して表示部3に出力し、一覧表示する。
【0089】
最後に、タイマ部15のカウントアップ処理(日時の更新処理)を行い、再び、ステップS13に復帰する。
【0090】
図12は、スケジュールの一覧画面(以下、スケジュール一覧画面)を示す図である。このスケジュール一覧画面100は、適当なタイトル文字列(図では“schedule”)を表示するタイトルバー101の下に、日付表示用テキストボックス102、当該日のスケジュール一覧表示エリア103、スケジュール属性表示用テキストボックス104、新規コマンドボタン105、変更コマンドボタン106および削除コマンド107を配置してレイアウトされている。新規コマンドボタン105又は変更コマンドボタン106をクリックすると、図10のスケジュール入力画面80がオープンする。新規コマンドボタン105をクリックしてオープンした場合はスケジュールの新規登録モード、変更コマンドボタン106をクリックしてオープンした場合はスケジュール一覧表示エリア103の選択行のスケジュール変更モードとなる。また、削除コマンド107をクリックした場合は、スケジュール一覧表示エリア103の選択行のスケジュールを削除できる。
【0091】
さて、図12には、二つのスケジュール一覧画面100が示されている。これらのスケジュール一覧画面100は、同じ日(“3月25日”)のスケジュールでありながら、スケジュール一覧表示エリア103とスケジュール属性表示用テキストボックス104の表示内容に相違いがある。すなわち、(a)のスケジュール一覧画面100には、12:00〜14:00のスケジュールに“営業支援打ち合わせ”が登録されていると共に、15:00〜16:00のスケジュールに“デザイン打ち合わせ”が登録されており、且つ、スケジュール属性に“ビジネス”が表示されている。これに対して、(b)のスケジュール一覧画面100には、20:00〜21:00のスケジュールに“ネットLive”が登録されており、且つ、スケジュール属性に“プライベート”が表示されている。
【0092】
要するに、これら二つのスケジュール一覧画面100は、“営業支援打ち合わせ”や“デザイン打ち合わせ”などのビジネス用途のスケジュールと、“ネットLive”などの私的なネットサーフィン用途のスケジュールとを別々に表示するものであり、したがって、両者(プライベート/ビジネス)を混在することなく表示できるから、とりわけ大量のスケジュールを管理する場合に、スケジュール確認のミスを防止できるというメリットを得ることができる。
【0093】
なお、上記のフローチャートでは、ネットワークプロファイルの切替を手動で行って(ステップS14)いたが、先にも説明したとおり、手動切替の場合は不適切なネットワークプロファイルを選択する可能性を否定できない。
【0094】
図13は、この点を踏まえて上記のフローチャートを改良したものである。なお、上記のフローチャートと共通する処理部分には同一のステップ番号を付してある。図13において、波線で囲んだ範囲は改良により追加された処理部分である。すなわち、このフローチャートでは、現在日時に対応したスケジュールデータを抽出し(ステップ22)、そのスケジュールデータのネットワーク名フィールド71mに登録されているネットワーク名(つまり、プロファイル名)と、現在選択中のネットワークプロファイル名との一致判定を行う(ステップS23)。そして、プロファイル名が一致していれば、手動切替が正しく行われていると判断してステップS13に復帰し、一方、プロファイル名が一致していない場合は、手動切替が間違っている旨、利用者65に警告を発し(ステップS24)、又は、正しいネットワークプロファイルに自動的に切り換える(ステップS25)という処理を実行した後、ステップS13に復帰する。
【0095】
これによれば、ネットワークプロファイルの切替を手動で行った(ステップS14)際に、不適切なネットワークプロファイルを選択してしまった場合は、正しいネットワークプロファイルへの切替を促し、又は、自動的に正しいネットワークプロファイルへ切り換えることができる。
【0096】
【発明の効果】
本発明に係る携帯情報端末によれば、スケジュール管理手段により、利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理し、
日時特定手段により、現在の日時を特定し、
抽出手段により、前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出すると共に、
指示手段により、該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示するから、
たとえば、抽出手段によって抽出されたスケジュールが「私的用途」である場合、指示手段は、そのスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する際、前記のネットワークB(すなわち私的用途のネットワーク)を選択するように指示する。これは、スケジュールとネットワークの接続情報とが関連付けられているからであり、スケジュールの用途(私的又はビジネス用途)に対応させて、ネットワークA(ビジネス用途)又はネットワークB(私的用途)を択一的に選択できるからである。
【0097】
したがって、この発明に係る携帯情報端末では、スケジュール管理機能とネットワーク接続プロファイル管理機能とを「連動」させたので、現在のスケジュールから最寄りのネットワークを判別して適切なネットワーク接続プロファイルを選択でき、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【0098】
又、好ましい態様によれば、前記指示手段は、前記抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように前記利用者に対して報知する報知手段を含むことを特徴とするので、現在のスケジュールに対応した適切なネットワークを選択するように携帯情報端末の利用者に対して報知することができる。したがって、ネットワーク接続ミスの回避を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における携帯情報端末の外観図とその概略的な内部ブロック構成図である。
【図2】プロファイルの追加、削除又は編集を行うためのユーティリティ画面20を示す図およびプロファイル設定画面40を示す図である。
【図3】本実施の形態の概念説明図である。
【図4】本実施の形態における効果を示す図である。
【図5】本実施の形態における他の態様の概念説明図である。
【図6】本実施の形態における他の態様の概念説明図である。
【図7】スケジュールデータのいくつかの例を示す図である。
【図8】プロファイルデータの例を示す図である。
【図9】図8の三つのプロファイルデータ72a〜72cに対応するそれぞれの登録画面を示す図である。
【図10】スケジュール入力画面80のレイアウトとその登録状態の一例を示す図である。
【図11】本実施の形態における携帯情報端末1の動作を示す簡略的なフローチャートである。
【図12】スケジュール一覧画面100を示す図である。
【図13】改良されたフローチャートである。
【符号の説明】
1 携帯情報端末
15 タイマ部(日時特定手段)
16 制御部(接続情報管理手段、ネットワーク接続手段、スケジュール管理手段、抽出手段、指示手段)
60 日時特定部(日時特定手段)
61 抽出部(抽出手段)
62 選択部(指示手段)
63a〜63d スケジュールデータ(スケジュール)
64a〜64c プロファイルデータ(接続情報)
67 選指示又は警告部(指示手段)
68 スケジュール管理プログラム(スケジュール管理手段)
69 ネットワーク設定管理プログラム(接続情報管理手段)
70b ネットワーク接続プロセス部(ネットワーク接続手段)
71a〜71d スケジュールデータ(スケジュール)
72a〜72c プロファイルデータ(接続情報)
Claims (4)
- 複数種のネットワークの接続情報を管理する接続情報管理手段と、
前記接続情報管理手段によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続する接続手段と、
利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理手段と、
現在の日時を特定する日時特定手段と、
前記日時特定手段によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理手段から抽出する抽出手段と、
該抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように指示する指示手段と
を有することを特徴とする携帯情報端末。 - 前記指示手段は、前記抽出手段によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように前記利用者に対して報知する報知手段を含むことを特徴とする請求項1記載の携帯情報端末。
- 最寄りのネットワークに接続されるネットワーク端末として利用可能で、且つ、複数種のネットワークへの接続情報と当該端末の利用者のスケジュールとを管理する携帯情報端末に適用される制御プログラムであって、
複数種のネットワーク各々の接続情報を管理する接続情報管理機能と、
前記接続情報管理機能によって管理されている接続情報の一つを選択して該接続情報に対応したネットワークに接続するネットワーク接続機能と、
利用者のスケジュールと当該スケジュールにおける場所データに近いネットワークの接続情報とを関連付けて管理するスケジュール管理機能と、
現在の日時を特定する日時特定機能と、
前記日時特定機能によって特定された日時に対応したスケジュールを前記スケジュール管理機能から抽出する抽出機能と、
該抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークを選択するように前記ネットワーク接続機能に指示する指示機能と
を前記携帯情報端末内のコンピュータに実行させるための制御プログラム。 - 前記指示機能は、前記抽出機能によって抽出されたスケジュールに関連付けられている接続情報に対応するネットワークが選択されていない場合に、そのネットワークを選択するように、前記利用者に対して報知する報知機能を含むことを特徴とする請求項3記載の制御プログラム。
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