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JP2004155681A - 口腔バイオフィルム抑制剤および口腔用組成物 - Google Patents

口腔バイオフィルム抑制剤および口腔用組成物 Download PDF

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JP2004155681A JP2002320885A JP2002320885A JP2004155681A JP 2004155681 A JP2004155681 A JP 2004155681A JP 2002320885 A JP2002320885 A JP 2002320885A JP 2002320885 A JP2002320885 A JP 2002320885A JP 2004155681 A JP2004155681 A JP 2004155681A
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Noriyuki Monoi
則幸 物井
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Abstract

【課題】口腔疾患の原因となる口腔細菌およびバイオフィルムを効率的に制御し得る有効成分を含み、口腔疾患(歯周病、う蝕、口臭、歯石等)の低減および予防を行うことのできる口腔バイオフィルム抑制剤を提供すること。
【解決手段】分子中に酸素原子含有官能基を少なくとも1つ有し、分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を有効成分とする口腔バイオフィルム抑制剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔バイオフィルム抑制剤およびこの口腔バイオフィルム抑制剤を含有する口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
口腔プラークおよびバイオフィルム(プラーク)中の細菌は、う蝕、歯周病および口臭の病原因子として捉えられており、これを除去することが、口腔衛生上重要であることは良く知られている。
従来、この細菌を除去するため、クロルヘキシジン(特許文献1参照)や、トリクロサン(特許文献2参照)等の殺菌剤が用いられてきており、さらに、これらの殺菌力を増強するために、殺菌剤の滞留性や(特許文献3参照)、浸透性を向上させる技術(特許文献4参照)が開発されてきた。
【0003】
しかしながら、口腔プラークおよびバイオフィルム中の細菌は、浮遊性細菌に比べて殺菌剤に対する抵抗力が一万倍程度増強している。したがって、上記殺菌剤を用いるとともに、滞留性および浸透性向上技術を最大限に活用したところで、充分な殺菌効果を得ることは難しい。
【0004】
一方、ラクトン化合物は、特有な香味を付加する物質であるため、従来から、香料として用いられてきている(特許文献5,6参照)。
また、近年、特定のラクトン化合物が、抗菌作用を有しており、これを口腔用組成物として用いることで、う蝕、歯周病および口臭を予防し得ることが報告されている(特許文献7,8参照)。
しかしながら、上述したように、バイオフィルム中の細菌は特殊な環境にあるため、抗菌作用を有するこれらのラクトン化合物を用いたとしても、充分な抗菌効果を得ることは難しい。
このため、殺菌剤、抗菌剤とは異なった作用機序を用いた、新しい口腔細菌およびバイオフィルム制御技術の開発が要望されているのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭54−98344号公報
【特許文献2】
特開平2−11511号公報
【特許文献3】
特開平4−139119号公報
【特許文献4】
特開平11−255629号公報
【特許文献5】
特開昭56−120678号公報
【特許文献6】
特開昭57−75978号公報
【特許文献7】
特開平6−92829号公報
【特許文献8】
特開平9−169624号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、口腔疾患の原因となる口腔細菌およびバイオフィルムを効率的に制御し得る有効成分を含み、口腔疾患(歯周病、う蝕、口臭、歯石等)の低減および予防を行うことのできる口腔バイオフィルム抑制剤およびこれを含有する口腔用組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、水酸基などの酸素原子含有官能基を分子中に少なくとも1つ有し、分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、従来のラクトン化合物などでは確認されたことのない口腔バイオフィルム抑制機能を有していることを見いだすとともに、これらの誘導体を有効成分とする口腔バイオフィルム抑制剤が、口腔疾患(歯周病、う蝕、口臭、歯石等)を効率的に低減または予防し得ることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
1. 分子中に酸素原子含有官能基を少なくとも1つ有し、分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を有効成分とすることを特徴とする口腔バイオフィルム抑制剤、
2. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、口腔細菌の2成分制御系に作用することを特徴とする1の口腔バイオフィルム抑制剤、
3. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、動植物由来化合物およびその誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする1または2の口腔バイオフィルム抑制剤、
4. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、下記式(1)〜(9)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする1〜3のいずれかの口腔バイオフィルム抑制剤、
【化2】
Figure 2004155681
5. 1〜4のいずれかの口腔バイオフィルム抑制剤を含有することを特徴とする口腔用組成物を提供する。
【0009】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る口腔バイオフィルム抑制剤は、分子中に酸素原子含有官能基を少なくとも1つ有し、分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を有効成分とするものである。
本発明において、酸素原子含有官能基とは、ラクトン骨格またはフラン骨格の酸素原子含有官能基を意味するものではない。当該酸素原子含有官能基としては、特に限定されるものではなく、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、エーテル基、アルデヒド基、エステル基、第1アミド基、ヒドロペルオキシ基などが挙げられるが、化合物の安定性や親和性などを考慮すると、好ましくは、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基であり、特に、水酸基であることが望ましい。また、酸素原子含有官能基の数は、1つ以上であれば特に限定はないが、バイオフィルムへの浸透性や分子量との兼ね合いなどを考慮すると、通常1〜8個程度である。
【0010】
上記各誘導体の分子量が220を超えると、バイオフィルムへの浸透性および細菌の細胞膜通過性が著しく低下し、その結果、充分なバイオフィルム抑制作用が発揮されない虞がある。このため、分子量は220以下であることが必要であり、好ましくは200以下、より好ましくは195以下である。
本発明において、バイオフィルム抑制剤の作用メカニズムは、特に限定されるものではなく、バイオフィルムの形成抑制、バイオフィルムの成熟阻害、バイオフィルムの分解促進、バイオフィルムの病原性発現抑制などを挙げることができる。
【0011】
特に、上記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、口腔細菌の情報伝達機能の1つである2成分制御系(Two Component System)に作用して、バイオフィルム抑制機能を発現するものであることが好ましい。このように、2成分制御系に作用してバイオフィルム抑制機能を発揮させることで、バイオフィルム内部からのバイオフィルム抑制が可能になる。
【0012】
上記ラクトン誘導体およびフラン誘導体としては、酸素原子含有官能基を少なくとも1つ有し、かつ、分子量が220以下であるとともに、それぞれラクトン骨格、フラン骨格を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、安全性が確認されており、供給が安易であるという点から、動植物由来化合物、その誘導体、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。ここで、動植物由来化合物およびその誘導体としては、例えば、フロレックス、アセチルフラン、アセチルメチルフラン、アセチルジメチルフラン、フル酸メチル、ソトロン、ローズフラン、アンゲリカラクトン、フル酸エチル、フルフラール、酢酸フルフリル、フランプロピオン酸イソブチル、吉草酸フルフリル、フランアクリル酸プロピル、リナロールオキサイド等が挙げられる。これらのラクトン誘導体およびフラン誘導体として、特に、下記式(1)〜(9)で表される化合物を用いることが、バイオフィルム抑制効果という点から、好ましい。なお、ラクトン誘導体およびフラン誘導体は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0013】
【化3】
Figure 2004155681
【0014】
なお、上記式で示される各化合物の名称および分子量は、以下の通りである。
式(1):フロイン、分子量:192.17
式(2):ヒドロキシメチルブチロラクトン、分子量:116.12
式(3):ガラクトノラクトン、分子量:178.14
式(4):グルコノラクトン、分子量:178.14
式(5):メバロニックアシッドラクトン、分子量:130.14
式(6):イソシトリックアシッドラクトン、分子量:174.11
式(7):エリスロノラクトン、分子量:118.09
式(8):ヒドロキシブチロラクトン、分子量:102.09
式(9):グルクロノラクトン、分子量:176.12
【0015】
本発明に係る口腔用組成物は、上述した口腔バイオフィルム抑制剤を含有してなるものである。
ここで、口腔用組成物は、練歯磨,潤製歯磨等の歯磨類、マウスウォッシュ、うがい用錠剤、歯肉マッサージクリーム、液状またはペースト状の局所塗布剤、トローチ、チューングガム等として調製され、適用されるものであり、口腔疾患を予防する目的で、上記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を有効成分とする口腔バイオフィルム抑制剤が配合されてなるものである。
【0016】
この場合、口腔バイオフィルム抑制剤の配合量は、口腔用組成物全体に対して1×10−8〜10質量%、好ましくは1×10−7〜5質量%、より好ましくは2×10−6〜1質量%である。
ここで、口腔バイオフィルム抑制剤の配合量が、1×10−8質量%未満であると、バイオフィルム抑制効果が充分に得られず、口腔疾患の予防および低減効果が充分に発揮されない虞があり、一方、10質量%を超えると、組成物のコストが高くなる、または組成物の安定性が低くなる虞がある。
【0017】
本発明の口腔用組成物には、口腔バイオフィルム抑制剤に加えて、さらに、その目的、組成物の種類等に応じて、適宜その他の成分を配合することができる。歯磨類の場合、例えば、第2リン酸カルシウム・2水和物または無水物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂等から選ばれる1種または2種以上を配合することができる。この場合、配合量は、通常、組成物全体に対して20〜90質量%であり、特に練歯磨の場合、20〜60質量%である。
【0018】
練歯磨等のペースト状組成物の場合、粘結剤として、例えば、カラゲナン,カルボキシメチルセルロースナトリウム,メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩,アルギン酸プロピレングリコールエステル,キサンタンガム,トラガカントガム,カラヤガム,アラビヤガムなどのガム類、ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸ナトリウム,カルボキシビニルポリマー,ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤、シリカゲル,アルミニウムシリカゲル,ビーガム,ラポナイトなどの無機粘結剤等から選ばれる1種または2種以上を組成物全体に対して0.3〜5質量%配合することができる。
【0019】
歯磨類等のペースト状や液状口腔用組成物を製造する場合、粘ちょう剤として、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等から選ばれる1種または2種以上を、組成物全体に対して10〜70質量%配合することができる。
【0020】
また、本発明の口腔用組成物には、界面活性剤を配合することもでき、この場合、使用可能な界面活性剤としては、特に限定はなく、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤から選ばれる1種または2種以上を、組成物全体に対して0.1〜5.0質量%配合することができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム,ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム,N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。
【0021】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル,マルトース脂肪酸エステル,ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル,ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート,ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノまたはジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0022】
両性イオン界面活性剤としては、例えば、N−ラウリルジアミノエチルグリシン,N−ミリスチルジアミノエチルグリシンなどのN−アルキルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等が挙げられる。
【0023】
さらに、本発明の口腔用組成物には、メントール、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、オイゲノール、イソオイゲノール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、メチルアセテート、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、ピメント油、珪葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等から選ばれる1種または2種以上を、組成物全体に対して0〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%配合することができる。
【0024】
また、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒドなどの甘味剤を、組成物全体に対して0〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%配合することができる。
【0025】
なお、本発明の口腔用組成物においては、有効成分として、上述した口腔バイオフィルム抑制剤に加えて、クロルヘキシジン,ベンゼトニウムクロライド,ベンザルコニウムクロライド,セチルピリジニウムクロライド,デカリニウムクロライドなどの陽イオン性殺菌剤、トリクロサン,ヒノキチオール,ビオゾール等のフェノール性化合物、デキストラナーゼ,ムタナーゼ,リゾチーム,アミラーゼ,プロテアーゼ,溶菌酵素,スーパーオキサイドディスムターゼなどの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム,モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム,フッ化第1錫などのフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸類、ビサボロール、グリセロホスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物等の有効成分を1種または2種以上配合することもできる。
【0026】
この場合、これらの有効成分の配合量は、組成物全体に対して0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%である。
上記口腔用組成物は、常法に従って製造すればよく、その性状も固体、固形物、液体、液状、ゲル体、ペースト状、ガム状等、適宜選択することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0028】
[1]口腔バイオフィルム抑制剤
[実施例1]
ヘミン5μg/mlとメナジオン1μg/mlとを含むTodd Hewitt Broth(THBHM)培地4mlに、口腔バイオフィルム抑制剤の有効成分である上記式(1)で示されるフラン誘導体(フロイン)を最終濃度50μg/mlとなるように添加した。このTHBHM培地に、予めTHBHM培地中で培養したポルフィロモナス ジンジバリス(Porhyromonas gingvalis(ATCC33277))を50μl添加した後、37℃で48時間嫌気培養を行い、培養液を調製した。
【0029】
[実施例2〜7]
式(1)で示される化合物を、式(2)で示されるラクトン誘導体(ヒドロキシメチルブチロラクトン)、式(3)で示されるラクトン誘導体(ガラクトノラクトン)、式(4)で示されるラクトン誘導体(グルコノラクトン)、式(5)で示されるラクトン誘導体(メバロニックアシッドラクトン)、式(6)で示されるラクトン誘導体(イソシトリックアシッドラクトン)、式(7)で示されるラクトン誘導体(エリスロノラクトン)にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、培養液を調製した。
【0030】
[比較例1]
口腔バイオフィルム抑制剤の有効成分を添加しない以外は、実施例1と同様にして、培養液を調製した。
上記実施例1〜7および比較例1で調製した培養液について、細菌数およびプロテアーゼ活性を測定し、これらの値から病原性を算出した。この結果を図1に示す。
【0031】
なお、細菌数、プロテアーゼ活性および病原性は、以下のようにして求めた。
(1)細菌数
各培養液について、吸光計(AE−200、ERMA INC.製)を用い、OD550nmにて吸光度を測定し、この値を細菌数とした。
(2)プロテアーゼ活性
各培養液を200μl採取し、遠心分離器(冷却遠心機1920、(株)クボタ製)にて遠心分離(15分間、15,000g)を行い、上清を10μl採取し、1.1mMBAPNA(シグマ社製)90μlを含むTris/HCl緩衝液(0.1M NaCl、5mM CaCl、10mMシステイン含有、pH7.6)に添加した。この混合液を37℃で1時間インキュベートした後、上記吸光計にてOD405nmで吸光度を測定し、この値をプロテアーゼ活性値とした。
(3)病原性
病原性は、下記式より算出した。
病原性=プロテアーゼ活性値(OD405nm)/細菌数(OD550nm)
【0032】
図1に示されるように、比較例1(対照)の培養液の病原性を100とした場合、本発明の口腔バイオフィルム抑制剤の有効成分である式(1)〜(7)の化合物をそれぞれ添加した実施例1〜7の培養液の病原性は、いずれも100未満であり、これらの化合物の口腔バイオフィルム抑制作用により、病原性が低減していることがわかる。
【0033】
[2]口腔用組成物
各成分を以下に示す割合で配合し、実施例8〜19の各口腔用組成物を製造した。
Figure 2004155681
【0034】
Figure 2004155681
【0035】
Figure 2004155681
【0036】
Figure 2004155681
【0037】
Figure 2004155681
【0038】
Figure 2004155681
【0039】
Figure 2004155681
【0040】
Figure 2004155681
【0041】
Figure 2004155681
【0042】
Figure 2004155681
【0043】
Figure 2004155681
【0044】
Figure 2004155681
【0045】
【発明の効果】
本発明の口腔バイオフィルム抑制剤によれば、酸素原子含有官能基を分子中に少なくとも1つ有する分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を、口腔細菌およびバイオフィルムを制御し得る有効成分として含んでいるから、口腔バイオフィルムが原因となって生じる各種口腔疾患(歯周病、う蝕、口臭、歯石等)の低減および予防を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7および比較例1で調製した培養液の病原性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 分子中に酸素原子含有官能基を少なくとも1つ有し、分子量220以下のラクトン誘導体および/またはフラン誘導体を有効成分とすることを特徴とする口腔バイオフィルム抑制剤。
  2. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、口腔細菌の2成分制御系に作用することを特徴とする請求項1記載の口腔バイオフィルム抑制剤。
  3. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、動植物由来化合物およびその誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の口腔バイオフィルム抑制剤。
  4. 前記ラクトン誘導体および/またはフラン誘導体が、下記式(1)〜(9)で表される化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔バイオフィルム抑制剤。
    Figure 2004155681
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の口腔バイオフィルム抑制剤を含有することを特徴とする口腔用組成物。
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