JP2004142406A - インクジェットプリンタ用インク供給チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】インク成分に対する高いバリア性を備え、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮するインク供給チューブを提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタにおけるインクタンクと印字部とを連通させるためのインク供給チューブであって、前記インク供給チューブは、内層10a、中間層10b及び外層10cの三層で構成されており、中間層10bは、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、前記混合物の全重量を基準とした前記エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなり、内層10a及び外層10cは、同一又は異なるポリ−αオレフィンからなることを特徴とするインク供給チューブ。
【選択図】 図2
【解決手段】インクジェットプリンタにおけるインクタンクと印字部とを連通させるためのインク供給チューブであって、前記インク供給チューブは、内層10a、中間層10b及び外層10cの三層で構成されており、中間層10bは、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、前記混合物の全重量を基準とした前記エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなり、内層10a及び外層10cは、同一又は異なるポリ−αオレフィンからなることを特徴とするインク供給チューブ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク供給チューブに関し、より詳しくは、インクジェットプリンタにおける、インクタンクと印字部とを接続するためのインク供給チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、インクタンクと印字部が一体型のものと、これらが分離した分離型のものとに大別され、後者の型の場合は、インクタンクから印字部へインクを供給するためのインク供給チューブ(例えば、特許文献1に開示されているインク供給チューブ)が必要となる。
【0003】
かかるインク供給チューブには、内部を通過するインクに対する耐久性と、インク成分が壁面を通して蒸散しないためのバリア性が要求される。また、印字の際に、印字部は記録用紙の幅方向に往復移動するため、インク供給チューブには柔軟性が要求される。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−300652号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報等に開示されたインク供給チューブは、常温(23℃程度)では充分な柔軟性を示すものの、5℃程度の低温では弾性率が急上昇して柔軟性を失い、印字部の移動に負荷がかかって印字部が正常に駆動しなくなる場合があった。また、5℃程度の低温では印字部の往復移動によってチューブが折れ曲がり、インクの通路が潰されてインクの流通が阻害されたり、チューブに亀裂が入ることがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリンタにおける、印字部とインクタンクとを接続するためのインク供給チューブであって、インク成分に対する高いバリア性を備え、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮するインク供給チューブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、インクジェットプリンタにおけるインクタンクと印字部とを連通させるためのインク供給チューブであって、
前記インク供給チューブは、内層、中間層及び外層の三層で構成されており、
前記中間層は、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、前記混合物の全重量を基準とした前記エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなり、
前記内層及び外層は、同一又は異なるポリ−αオレフィンからなることを特徴とするインク供給チューブを提供する。
【0008】
本発明のインク供給チューブにおいては、内層、中間層及び外層からなる三層構造を採用したこと、そして、内層及び外層としてポリ−αオレフィンを用い、これらと、所定の量のエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体で変性された塩化ビニリデン系重合体からなる中間層とを組み合わせたことにより、インク成分に対するバリア性を向上させることができ、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮させることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインク供給チューブの好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明のインク供給チューブが適用され得るインクジェットプリンタの印字部周辺を模式的に示す斜視図である。同図においては、インクジェットプリンタの筐体50内部に、インクを収容するインクタンク30と、インクを記録媒体へ印字する印字部20と、インクタンク30と印字部20とを連通するインク供給チューブ10と、が設置されており、印字部20の下部には記録媒体60が配置されている。また、印字部20は、モータによって駆動されるタイミングベルト(図示せず)を介し、ガイド部材40によりガイドされ、記録媒体60の幅方向に往復移動するように構成されている。
【0011】
インクタンク30は、単色インクタンク30a〜30dで構成され、それぞれ内部にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各インクを収容している。一方、印字部20は、単色サブタンク24a〜24dで構成されるサブタンク24と、サブタンク24に接続されサブタンク24から供給されたインクを記録媒体60に吐出するインクジェットヘッド22と、サブタンク24とインクジェットヘッド22とを保持するキャリッジ26と、を有している。そして、単色サブタンク24a〜24dは、チューブ10により、それぞれ単色インクタンク30a〜30dに接続されている。
【0012】
インクジェットプリンタを作動させる場合においては、インクタンク30に接続されたポンプ(図示せず)の駆動により、単色インクタンク30a〜30d中のインクがそれぞれ単色サブタンク24a〜24dに供給され、供給されたインクがインクジェットカートリッジ22から記録媒体60に吐出され、印字が行われる。
【0013】
図1に示される実施形態においては、印字部がサブタンクを備えているが、印字部をインクジェットヘッド及びキャリッジのみから構成させ、インクタンクからのインクを直接インクジェットヘッドへ供給させるようにしてもよい。この場合は、インクタンクとインクジェットヘッドとが直接インク供給チューブにより連通される。
【0014】
図2は図1において用いられているインク供給チューブ10の斜視図である。図2に示されるインク供給チューブ10は、内層10a及び外層10cとこれらに挟まれた中間層10bとから構成される三層チューブである。インク供給チューブ10の内径、壁厚(内層10a、中間層10b及び外層10cの合計の厚さ)及び長さは任意であるが、インクジェットプリンタに適用されることを考慮すれば、内径は1〜4mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。また、壁厚は0.3〜0.6mmが好ましく、0.4〜0.5mmがより好ましい。なお、インク供給チューブ10の長さは、適用されるインクジェットプリンタの大きさや構造にしたがって適宜選択される。
【0015】
壁厚に占める中間層10bの厚さは、15〜30%が好ましく、15〜25%がより好ましく、15〜20%が更に好ましい。また、壁厚に占める内層10aの厚さは、30〜45%が好ましく、35〜40%がより好ましい。そして、壁厚に占める外層10cの厚さは、30〜45%が好ましく、35〜40%がより好ましい。なお、上記3つの厚さの割合の合計を100%とする。
【0016】
外層10cの厚さは、内層10aの厚さの1.5〜5倍であることが好ましく、2〜5倍であることがより好ましく、2〜3.5倍であることが更に好ましい。外層10cの厚さが内層10aの厚さの1.5〜5倍である場合は、インク供給チューブ10を屈曲させた状態で変形させるときの耐久性(屈曲耐久性)が格段に向上する。外層10cの厚さが内層10aの厚さの1.5倍未満では屈曲耐久性の大幅な向上は見られず、5倍超である場合は壁厚に占める内層10aの厚さが相対的に小さくなりすぎて、インク成分に対するバリア性並びにインク供給チューブ10全体としての均一性が損なわれる場合がある。
【0017】
中間層10bは、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、当該混合物の全重量を基準としたエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなっている。
【0018】
混合物を構成する塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデンの単独重合体、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体(全モノマーに占める塩化ビニルの重量比は10〜30重量%が好ましい。)、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体(全モノマーに占める(メタ)アクリロニトリルの重量比は10〜20重量%が好ましい。)、塩化ビニリデンと共重合モノマー(塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマー)との共重合体等が挙げられ、これらの中では、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体が好ましく、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体がより好ましい。なお、塩化ビニリデン系重合体は、可塑剤、安定剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよく、当該添加剤の合計の含有比は塩化ビニリデン系重合体の全重量を基準として0.1〜10重量%であることが好ましい。
【0019】
塩化ビニリデン系重合体は、JIS K−7126に基づく酸素透過量が10〜70cc/m2・24h・atmであることが好ましく、10〜50cc/m2・24h・atmであることがより好ましい。また、JIS K−7129に基づく水蒸気透過量が0.10〜2.5cc/m2・24h・atmであることが好ましく、0.3〜1.0cc/m2・24h・atmであることがより好ましい。
【0020】
本発明において用いることのできる塩化ビニリデン系重合体としては、呉羽化学工業社製クレハロン(塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体等)が挙げられる。
【0021】
混合物を構成するエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体は、エチレン単位40〜80重量%、酢酸ビニル単位10〜60重量%及び一酸化炭素単位3〜30重量%からなる共重合体が好ましい。酢酸ビニル単位は10〜50重量%であることがより好ましく、一酸化炭素単位は5〜20%であることがより好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体のメルトインデックスはJIS K−6730に基づいて、5〜40g/10minであることが好ましく、20〜40g/10minであることがより好ましい。かかるエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体としては、三井デュポンポリケミカル社製エルバロイシリーズ(エルバロイ741、エルバロイ742等)が挙げられる。
【0022】
中間層10bを構成する混合物は、上述の塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であるが、混合物の全重量を基準としたエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比は1〜28重量%(好ましくは、5〜25重量%、より好ましくは、8〜22重量%)でなければならない。
【0023】
中間層10bがエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を1重量%未満含む混合物(例えば、塩化ビニリデン系重合体のみ)である場合は、インク供給チューブのインク成分に対するバリア性(例えば、酸素透過量や水蒸気蒸発率)が非常に優れるようになるものの、低温(5℃付近)における弾性率(ヤング率)が高くなり、チューブの折れ曲がり等上述したような不都合が生じる。
【0024】
一方、中間層10bがエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を28重量%超含む混合物である場合は、常温(23℃付近)及び低温(5℃付近)において、高い柔軟性が得られるものの、インク成分に対するバリア性に劣るようになる。
【0025】
また、塩化ビニリデン系重合体に添加する重合体をエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体から他のものに変更すると、バリア性や低温柔軟性が不充分となる。以下の実施例において詳述するように、内層10a及び外層10bにポリエチレンを用い、中間層10bとして塩化ビニリデン系重合体のみを用いたインク供給チューブ(外径3mm、内径2mm)の5℃におけるヤング率は300MPa以上であり、内層10a及び外層10bに上記と同様のポリエチレンを用い、中間層10bとしてエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を20重量%含む混合物を用いたインク供給チューブ(外径3mm、内径2mm)の5℃におけるヤング率は100〜150MPaである。したがって、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の添加により大幅な弾性率低下が見られ、バリア性も充分となる。
【0026】
これに対して、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体に代えて、他の重合体、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMA)、エチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等を同一重量添加した混合物を中間層10bに用いた場合は、5℃におけるヤング率は300MPa程度であり、弾性率の低減効果がないばかりでなく、バリア性が悪化する。また、中間層としてガスバリア性の高いエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)のみを用いた場合は、上記と同様の構成のインク供給チューブの5℃におけるヤング率は500MPa以上の高い値となってしまう。
【0027】
以上のように、塩化ビニリデン系重合体に添加するポリマーをエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体とし、その添加比率を上記の範囲にすることにより、特異的に、高バリア性及び低温柔軟性の両立が可能になる。
【0028】
中間層10bを構成する塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合方法は公知の方法が採用できる。例えば、両重合体を軟化温度以上で混練機(一軸又は二軸押出機等)で混練すればよい。両ポリマーの混合状態も特に制限はないが、連続層中の分散層の粒径はなるべく小さくすることが均一性の観点から好ましい。
【0029】
インク供給チューブ10は、その内層10a及び外層10cが同一又は異なるポリ−αオレフィンで構成されている。ここで、「異なるポリ−αオレフィン」には、同一モノマーからなるが、分子量、分子量分布、分岐・架橋度、結晶化度、密度等の特性が異なるものが含まれる。
【0030】
インク供給チューブ10においては、内層10aを構成するポリ−αオレフィンの密度が、外層10cを構成するポリ−αオレフィンの密度以上であることが好ましい。密度が高いポリ−αオレフィンは、密度が低いものに比較して硬度が高くなる傾向にあるが、上記のように内層10aと外層10cとで密度差を設けて、内層10aの硬度を外層10cの硬度より高くすることにより、インク供給チューブ10が屈曲したときに潰れが生じ難くなる。
【0031】
この場合において、内層10aを構成するポリ−αオレフィンの密度を0.905〜0.925とし、外層10cを構成するポリ−αオレフィンの密度を0.850〜0.905とすることが特に好ましい。外層10cの密度を上記範囲にすることで中間層10bとの相乗効果により、曲率50R〜30Rで折り曲げたときのチューブの潰れが生じなくなる。また、内層10aの密度を0.925超にすると、インク供給チューブ10が硬くなりすぎる傾向にあり、曲率50R以下の曲げが困難になる。一方、内層10aの密度が0.905未満の場合は、インク供給チューブ10の剛性が低下しすぎて、曲げたときに潰れが生じやすくなる。
【0032】
内層10a及び外層10cを構成するポリ−αオレフィンは、同一又は異なるポリエチレンであることが好ましい。そして、内層10aが密度0.905〜0.925のポリエチレンからなり、外層10bが密度0.850〜0.905のポリエチレンからなることが、室温及び低温におけるチューブの潰れ及び剛性の観点から特に好ましい。
【0033】
インク供給チューブ10の酸素透過量は、以下の測定法に基づき70cc/m2・24h・atm以下であることが好ましく、50cc/m2・24h・atm以下であることがより好ましい。
【0034】
酸素透過量測定法:
内径2mm、外径3mm、長さ300mmのインク供給チューブ内部に窒素ガス(純度99.99%)を吹き込みながらチューブの両端をヒートシールし、40℃、90%RHに保持した大気中に3日間保存する。そして、ヒートシールしたチューブ内のガスを24時間毎にサンプリングし、その酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定する。得られた酸素濃度からヒートシールしたチューブ内の酸素量を算出し、これを内部ガスに接触している内層の面積で除して、24時間当たりの酸素透過量(cc/m2・24h・atm)とする。
【0035】
また、インク供給チューブ10の水蒸気蒸発率は、以下の測定法に基づき20%以下であることが好ましく、15%以下であることがよりより好ましい。
【0036】
水蒸気蒸発率:
内径2mm、外径3mm、長さ450mmのインク供給チューブの一端をヒートシールして、気泡が入らないように注意深くイオン交換水を充填する。充填終了後、他端をヒートシールして両端がシールされたチューブを得、直ぐにこの質量を精密天秤で測定する。そして、重量測定済みの両端がシールされたチューブを、50℃のオーブン中で保存し24時間毎、6日間にわたり精密天秤で質量を測定する。初期の質量と所定時間経過後の質量との差を求め、これを初期の質量で除して、百分率を算出する。
【0037】
インク供給チューブ10の水蒸気蒸発率は、以下の測定法に基づき、5℃のヤング率が100〜150MPaであり、23℃のヤング率が50〜100MPaであることが好ましい。
【0038】
ヤング率:
内径2mm、外径3mm、長さ100mmのインク供給チューブを、チャック間距離が100mmになるように引張試験機にセットする。そして、環境温度5℃又は23℃で、引張速度10m/minで引張り、応力−歪み曲線を得、初期直線領域(1%伸長時)におけるヤング率を求める。
【0039】
インク供給チューブ10の酸素透過量及び水蒸気蒸発率が上記範囲内である場合は、インク成分のバリア性が特に優れるようになり、5℃及び23℃におけるヤング率が上記範囲内である場合は、常温のみならず低温においても高い柔軟性を発揮するため、インクジェットプリンタの印字部の往復移動によってチューブが折れ曲がらず、インクの通路が潰されてインクの流通が阻害されなくなる。また、チューブに亀裂が入ることも防止される。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1〜2及び比較例1〜9)
表1に示す中間層の構成材料を170℃に加熱しつつ混練し、180℃に加熱された外層の構成材料、及び180℃に加熱された内層の構成材料とともに、プラ技研社製の共押出機を用いてで共押出しを行い、内径2mm、外径3mmのインク供給チューブを作製した。壁厚0.5mmのうち、中間層の厚さは100μmであり、内層の厚さは200μmであり、外層の厚さは200μmであった。
【0042】
なお、表1中の、PE1はダウケミカル社製ポリエチレン KC8852(密度:0.825)、PVDCは呉羽化学工業社製塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体 クレハロン(全モノマーに占める塩化ビニルの重量比は10〜30重量%)、共重合体は三井デュポンポリケミカル社製エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体 エルバロイ741、PEはダウケミカル社製ポリエチレン エリート5220(密度:0.915)、EVAは三井デュポンポリケミカル社製エチレン酢酸ビニル共重合体 エバフレックスV−527−4(酢酸ビニル含有量:17モル%)、EMAはエクソン社製エチレンメタクリル酸共重合体 オプティマTC−221(メタクリル酸含有量:28モル%)、EMMAは住友化学社製エチレンメタクリル酸メチル共重合体 アクリフトWH303(メタクリル酸メチル含有量:18重量%)、TPUはクラレ社製熱可塑性ポリウレタン クラミロンU1780、をそれぞれ意味する。
【0043】
【表1】
【0044】
(インク供給チューブの特性)
実施例1〜2及び比較例1〜9のインク供給チューブについて、上記記載の方法に基づいて、酸素透過量、水蒸気蒸発率、ヤング率を測定した。なお、酸素透過量の評価に用いたガスクロマトグラフィーは、柳本製作所製G3800(キャリアガス:ヘリウム、カラム充填モレキュラーシーブ5A(シーエルサイエンス社製))であった。また、水蒸気蒸発率の評価に用いた精密天秤は、シーベル機械社製メトラーAT250(秤量精度:0.0001g)であり、水蒸気蒸発率の評価に用いたオーブンはISUZU製作所社製BY−Hであった。そして、ヤング率評価に用いた引張試験機は、オリエンテック社製テンシロンRTM−100であり、測定は5℃、10℃及び23℃で行った。酸素透過量及び水蒸気蒸発率の結果を表2に示し、ヤング率の結果を表3に示す。また、温度ごとのヤング率を図3の折れ線グラフで示した。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
図3から明らかなように、実施例1及び2のインク供給チューブのヤング率は、5℃、10℃及び23℃の全てにおいて比較例1〜9のものに比べて、非常に低い値を示し、柔軟性が常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても良好であった。比較例1の柔軟性は実施例1及び2と同等であったが、中間層を構成する混合物におけるエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が28重量%を超しているため、バリア性(酸素透過量及び水蒸気蒸発率)が不充分であった(表2)。
【0048】
(実施例3〜5)
内層、中間層及び外層の厚さを表4に示す厚さにした他は、実施例1と同様の構成材料と製造方法を採用して、内径2mmのインク供給チューブを作製した。なお、外層の厚さを内層の厚さで除した値も表4に示した。
【表4】
【0049】
実施例3〜5のインク供給チューブについて、図4(a)及び(b)に模式的に示す屈曲耐久性試験機を用い、以下の方法で屈曲耐久性を評価した。
【0050】
屈曲耐久性評価方法:
図4(a)はインク供給チューブを屈曲させた状態で取り付けた屈曲耐久性試験機の初期の状態を示す模式図であり、図4(b)はインク供給チューブを屈曲させた状態で変形させた時の屈曲耐久性試験機を示す模式図である。図4(a)及び(b)に示す屈曲耐久性試験機100は、インク供給チューブ10の一端を保持する固定式チャック70と、インク供給チューブ10の他端を保持する可動式チャック72とを備えており、両チャックにより、インク供給チューブ10を曲率半径RでU字型に屈曲させることができるようになっている。
【0051】
屈曲耐久性は、固定式チャック70を固定した状態で可動式チャック72のみを往復運動させることにより、固定式チャック70と可動式チャック72との間のインク供給チューブ10の長さが実質的に変わらない状態で、屈曲部の曲率半径が常にRになるようにしてインク供給チューブ10を変形させ、インク供給チューブ10に亀裂が生じるまでの可動式チャック72の往復回数により評価した。この場合において、図4(a)に示す状態を初期状態として、可動式チャック72を図4(b)に示す距離Xだけ移動させた後、再び図4(a)に示す状態に戻す運動を1往復の往復運動とした。また、曲率半径Rは50mm、距離Xは200mm、評価温度は10℃、評価湿度は50%RHであり、1分当たり120往復させた。屈曲耐久性の評価結果を表5に示す。
【表5】
【0052】
表5に示すように、外層の厚さが内層の厚さの1.5〜5倍という条件を満たさない実施例4及び5において、30万往復以上の高い屈曲耐久性が得られたが、外層の厚さが内層の厚さの1.5〜5倍という条件を満たす実施例3では、150万往復という特に高い屈曲耐久性が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェットプリンタにおける、印字部とインクタンクとを接続するためのインク供給チューブであって、インク成分に対する高いバリア性を備え、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮するインク供給チューブを提供することが可能になる。特に、外層の厚さを内層の厚さの1.5〜5倍とすることでインク供給チューブの屈曲耐久性を顕著に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク供給チューブが適用され得るインクジェットプリンタの印字部周辺を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1において用いられているインク供給チューブ10の斜視図である。
【図3】実施例及び比較例のインク供給チューブの温度ごとのヤング率を示す折れ線グラフである。
【図4】(a)はインク供給チューブを屈曲させた状態で取り付けた屈曲耐久性試験機の初期の状態を示す模式図であり、(b)はインク供給チューブを屈曲させた状態で変形させた時の屈曲耐久性試験機を示す模式図である。
【符号の説明】
10…インク供給チューブ、10a…内層、10b…中間層、10c…外層、20…印字部、22…インクジェットヘッド、24…サブタンク、24a…単色サブタンク、24b…単色サブタンク、24c…単色サブタンク、24d…単色サブタンク、26…キャリッジ、30…インクタンク、30a…単色インクタンク、30b…単色インクタンク、30c…単色インクタンク、30d…単色インクタンク、40…ガイド部材、50…筐体、60…記録媒体、70…固定式チャック、72…可動式チャック、100…屈曲耐久性試験機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク供給チューブに関し、より詳しくは、インクジェットプリンタにおける、インクタンクと印字部とを接続するためのインク供給チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、インクタンクと印字部が一体型のものと、これらが分離した分離型のものとに大別され、後者の型の場合は、インクタンクから印字部へインクを供給するためのインク供給チューブ(例えば、特許文献1に開示されているインク供給チューブ)が必要となる。
【0003】
かかるインク供給チューブには、内部を通過するインクに対する耐久性と、インク成分が壁面を通して蒸散しないためのバリア性が要求される。また、印字の際に、印字部は記録用紙の幅方向に往復移動するため、インク供給チューブには柔軟性が要求される。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−300652号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報等に開示されたインク供給チューブは、常温(23℃程度)では充分な柔軟性を示すものの、5℃程度の低温では弾性率が急上昇して柔軟性を失い、印字部の移動に負荷がかかって印字部が正常に駆動しなくなる場合があった。また、5℃程度の低温では印字部の往復移動によってチューブが折れ曲がり、インクの通路が潰されてインクの流通が阻害されたり、チューブに亀裂が入ることがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリンタにおける、印字部とインクタンクとを接続するためのインク供給チューブであって、インク成分に対する高いバリア性を備え、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮するインク供給チューブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、インクジェットプリンタにおけるインクタンクと印字部とを連通させるためのインク供給チューブであって、
前記インク供給チューブは、内層、中間層及び外層の三層で構成されており、
前記中間層は、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、前記混合物の全重量を基準とした前記エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなり、
前記内層及び外層は、同一又は異なるポリ−αオレフィンからなることを特徴とするインク供給チューブを提供する。
【0008】
本発明のインク供給チューブにおいては、内層、中間層及び外層からなる三層構造を採用したこと、そして、内層及び外層としてポリ−αオレフィンを用い、これらと、所定の量のエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体で変性された塩化ビニリデン系重合体からなる中間層とを組み合わせたことにより、インク成分に対するバリア性を向上させることができ、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮させることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインク供給チューブの好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本発明のインク供給チューブが適用され得るインクジェットプリンタの印字部周辺を模式的に示す斜視図である。同図においては、インクジェットプリンタの筐体50内部に、インクを収容するインクタンク30と、インクを記録媒体へ印字する印字部20と、インクタンク30と印字部20とを連通するインク供給チューブ10と、が設置されており、印字部20の下部には記録媒体60が配置されている。また、印字部20は、モータによって駆動されるタイミングベルト(図示せず)を介し、ガイド部材40によりガイドされ、記録媒体60の幅方向に往復移動するように構成されている。
【0011】
インクタンク30は、単色インクタンク30a〜30dで構成され、それぞれ内部にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各インクを収容している。一方、印字部20は、単色サブタンク24a〜24dで構成されるサブタンク24と、サブタンク24に接続されサブタンク24から供給されたインクを記録媒体60に吐出するインクジェットヘッド22と、サブタンク24とインクジェットヘッド22とを保持するキャリッジ26と、を有している。そして、単色サブタンク24a〜24dは、チューブ10により、それぞれ単色インクタンク30a〜30dに接続されている。
【0012】
インクジェットプリンタを作動させる場合においては、インクタンク30に接続されたポンプ(図示せず)の駆動により、単色インクタンク30a〜30d中のインクがそれぞれ単色サブタンク24a〜24dに供給され、供給されたインクがインクジェットカートリッジ22から記録媒体60に吐出され、印字が行われる。
【0013】
図1に示される実施形態においては、印字部がサブタンクを備えているが、印字部をインクジェットヘッド及びキャリッジのみから構成させ、インクタンクからのインクを直接インクジェットヘッドへ供給させるようにしてもよい。この場合は、インクタンクとインクジェットヘッドとが直接インク供給チューブにより連通される。
【0014】
図2は図1において用いられているインク供給チューブ10の斜視図である。図2に示されるインク供給チューブ10は、内層10a及び外層10cとこれらに挟まれた中間層10bとから構成される三層チューブである。インク供給チューブ10の内径、壁厚(内層10a、中間層10b及び外層10cの合計の厚さ)及び長さは任意であるが、インクジェットプリンタに適用されることを考慮すれば、内径は1〜4mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。また、壁厚は0.3〜0.6mmが好ましく、0.4〜0.5mmがより好ましい。なお、インク供給チューブ10の長さは、適用されるインクジェットプリンタの大きさや構造にしたがって適宜選択される。
【0015】
壁厚に占める中間層10bの厚さは、15〜30%が好ましく、15〜25%がより好ましく、15〜20%が更に好ましい。また、壁厚に占める内層10aの厚さは、30〜45%が好ましく、35〜40%がより好ましい。そして、壁厚に占める外層10cの厚さは、30〜45%が好ましく、35〜40%がより好ましい。なお、上記3つの厚さの割合の合計を100%とする。
【0016】
外層10cの厚さは、内層10aの厚さの1.5〜5倍であることが好ましく、2〜5倍であることがより好ましく、2〜3.5倍であることが更に好ましい。外層10cの厚さが内層10aの厚さの1.5〜5倍である場合は、インク供給チューブ10を屈曲させた状態で変形させるときの耐久性(屈曲耐久性)が格段に向上する。外層10cの厚さが内層10aの厚さの1.5倍未満では屈曲耐久性の大幅な向上は見られず、5倍超である場合は壁厚に占める内層10aの厚さが相対的に小さくなりすぎて、インク成分に対するバリア性並びにインク供給チューブ10全体としての均一性が損なわれる場合がある。
【0017】
中間層10bは、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、当該混合物の全重量を基準としたエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなっている。
【0018】
混合物を構成する塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビニリデンの単独重合体、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体(全モノマーに占める塩化ビニルの重量比は10〜30重量%が好ましい。)、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体(全モノマーに占める(メタ)アクリロニトリルの重量比は10〜20重量%が好ましい。)、塩化ビニリデンと共重合モノマー(塩化ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマー)との共重合体等が挙げられ、これらの中では、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体が好ましく、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体がより好ましい。なお、塩化ビニリデン系重合体は、可塑剤、安定剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよく、当該添加剤の合計の含有比は塩化ビニリデン系重合体の全重量を基準として0.1〜10重量%であることが好ましい。
【0019】
塩化ビニリデン系重合体は、JIS K−7126に基づく酸素透過量が10〜70cc/m2・24h・atmであることが好ましく、10〜50cc/m2・24h・atmであることがより好ましい。また、JIS K−7129に基づく水蒸気透過量が0.10〜2.5cc/m2・24h・atmであることが好ましく、0.3〜1.0cc/m2・24h・atmであることがより好ましい。
【0020】
本発明において用いることのできる塩化ビニリデン系重合体としては、呉羽化学工業社製クレハロン(塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体等)が挙げられる。
【0021】
混合物を構成するエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体は、エチレン単位40〜80重量%、酢酸ビニル単位10〜60重量%及び一酸化炭素単位3〜30重量%からなる共重合体が好ましい。酢酸ビニル単位は10〜50重量%であることがより好ましく、一酸化炭素単位は5〜20%であることがより好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体のメルトインデックスはJIS K−6730に基づいて、5〜40g/10minであることが好ましく、20〜40g/10minであることがより好ましい。かかるエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体としては、三井デュポンポリケミカル社製エルバロイシリーズ(エルバロイ741、エルバロイ742等)が挙げられる。
【0022】
中間層10bを構成する混合物は、上述の塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であるが、混合物の全重量を基準としたエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比は1〜28重量%(好ましくは、5〜25重量%、より好ましくは、8〜22重量%)でなければならない。
【0023】
中間層10bがエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を1重量%未満含む混合物(例えば、塩化ビニリデン系重合体のみ)である場合は、インク供給チューブのインク成分に対するバリア性(例えば、酸素透過量や水蒸気蒸発率)が非常に優れるようになるものの、低温(5℃付近)における弾性率(ヤング率)が高くなり、チューブの折れ曲がり等上述したような不都合が生じる。
【0024】
一方、中間層10bがエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を28重量%超含む混合物である場合は、常温(23℃付近)及び低温(5℃付近)において、高い柔軟性が得られるものの、インク成分に対するバリア性に劣るようになる。
【0025】
また、塩化ビニリデン系重合体に添加する重合体をエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体から他のものに変更すると、バリア性や低温柔軟性が不充分となる。以下の実施例において詳述するように、内層10a及び外層10bにポリエチレンを用い、中間層10bとして塩化ビニリデン系重合体のみを用いたインク供給チューブ(外径3mm、内径2mm)の5℃におけるヤング率は300MPa以上であり、内層10a及び外層10bに上記と同様のポリエチレンを用い、中間層10bとしてエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体を20重量%含む混合物を用いたインク供給チューブ(外径3mm、内径2mm)の5℃におけるヤング率は100〜150MPaである。したがって、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の添加により大幅な弾性率低下が見られ、バリア性も充分となる。
【0026】
これに対して、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体に代えて、他の重合体、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMA)、エチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等を同一重量添加した混合物を中間層10bに用いた場合は、5℃におけるヤング率は300MPa程度であり、弾性率の低減効果がないばかりでなく、バリア性が悪化する。また、中間層としてガスバリア性の高いエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)のみを用いた場合は、上記と同様の構成のインク供給チューブの5℃におけるヤング率は500MPa以上の高い値となってしまう。
【0027】
以上のように、塩化ビニリデン系重合体に添加するポリマーをエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体とし、その添加比率を上記の範囲にすることにより、特異的に、高バリア性及び低温柔軟性の両立が可能になる。
【0028】
中間層10bを構成する塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合方法は公知の方法が採用できる。例えば、両重合体を軟化温度以上で混練機(一軸又は二軸押出機等)で混練すればよい。両ポリマーの混合状態も特に制限はないが、連続層中の分散層の粒径はなるべく小さくすることが均一性の観点から好ましい。
【0029】
インク供給チューブ10は、その内層10a及び外層10cが同一又は異なるポリ−αオレフィンで構成されている。ここで、「異なるポリ−αオレフィン」には、同一モノマーからなるが、分子量、分子量分布、分岐・架橋度、結晶化度、密度等の特性が異なるものが含まれる。
【0030】
インク供給チューブ10においては、内層10aを構成するポリ−αオレフィンの密度が、外層10cを構成するポリ−αオレフィンの密度以上であることが好ましい。密度が高いポリ−αオレフィンは、密度が低いものに比較して硬度が高くなる傾向にあるが、上記のように内層10aと外層10cとで密度差を設けて、内層10aの硬度を外層10cの硬度より高くすることにより、インク供給チューブ10が屈曲したときに潰れが生じ難くなる。
【0031】
この場合において、内層10aを構成するポリ−αオレフィンの密度を0.905〜0.925とし、外層10cを構成するポリ−αオレフィンの密度を0.850〜0.905とすることが特に好ましい。外層10cの密度を上記範囲にすることで中間層10bとの相乗効果により、曲率50R〜30Rで折り曲げたときのチューブの潰れが生じなくなる。また、内層10aの密度を0.925超にすると、インク供給チューブ10が硬くなりすぎる傾向にあり、曲率50R以下の曲げが困難になる。一方、内層10aの密度が0.905未満の場合は、インク供給チューブ10の剛性が低下しすぎて、曲げたときに潰れが生じやすくなる。
【0032】
内層10a及び外層10cを構成するポリ−αオレフィンは、同一又は異なるポリエチレンであることが好ましい。そして、内層10aが密度0.905〜0.925のポリエチレンからなり、外層10bが密度0.850〜0.905のポリエチレンからなることが、室温及び低温におけるチューブの潰れ及び剛性の観点から特に好ましい。
【0033】
インク供給チューブ10の酸素透過量は、以下の測定法に基づき70cc/m2・24h・atm以下であることが好ましく、50cc/m2・24h・atm以下であることがより好ましい。
【0034】
酸素透過量測定法:
内径2mm、外径3mm、長さ300mmのインク供給チューブ内部に窒素ガス(純度99.99%)を吹き込みながらチューブの両端をヒートシールし、40℃、90%RHに保持した大気中に3日間保存する。そして、ヒートシールしたチューブ内のガスを24時間毎にサンプリングし、その酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定する。得られた酸素濃度からヒートシールしたチューブ内の酸素量を算出し、これを内部ガスに接触している内層の面積で除して、24時間当たりの酸素透過量(cc/m2・24h・atm)とする。
【0035】
また、インク供給チューブ10の水蒸気蒸発率は、以下の測定法に基づき20%以下であることが好ましく、15%以下であることがよりより好ましい。
【0036】
水蒸気蒸発率:
内径2mm、外径3mm、長さ450mmのインク供給チューブの一端をヒートシールして、気泡が入らないように注意深くイオン交換水を充填する。充填終了後、他端をヒートシールして両端がシールされたチューブを得、直ぐにこの質量を精密天秤で測定する。そして、重量測定済みの両端がシールされたチューブを、50℃のオーブン中で保存し24時間毎、6日間にわたり精密天秤で質量を測定する。初期の質量と所定時間経過後の質量との差を求め、これを初期の質量で除して、百分率を算出する。
【0037】
インク供給チューブ10の水蒸気蒸発率は、以下の測定法に基づき、5℃のヤング率が100〜150MPaであり、23℃のヤング率が50〜100MPaであることが好ましい。
【0038】
ヤング率:
内径2mm、外径3mm、長さ100mmのインク供給チューブを、チャック間距離が100mmになるように引張試験機にセットする。そして、環境温度5℃又は23℃で、引張速度10m/minで引張り、応力−歪み曲線を得、初期直線領域(1%伸長時)におけるヤング率を求める。
【0039】
インク供給チューブ10の酸素透過量及び水蒸気蒸発率が上記範囲内である場合は、インク成分のバリア性が特に優れるようになり、5℃及び23℃におけるヤング率が上記範囲内である場合は、常温のみならず低温においても高い柔軟性を発揮するため、インクジェットプリンタの印字部の往復移動によってチューブが折れ曲がらず、インクの通路が潰されてインクの流通が阻害されなくなる。また、チューブに亀裂が入ることも防止される。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
(実施例1〜2及び比較例1〜9)
表1に示す中間層の構成材料を170℃に加熱しつつ混練し、180℃に加熱された外層の構成材料、及び180℃に加熱された内層の構成材料とともに、プラ技研社製の共押出機を用いてで共押出しを行い、内径2mm、外径3mmのインク供給チューブを作製した。壁厚0.5mmのうち、中間層の厚さは100μmであり、内層の厚さは200μmであり、外層の厚さは200μmであった。
【0042】
なお、表1中の、PE1はダウケミカル社製ポリエチレン KC8852(密度:0.825)、PVDCは呉羽化学工業社製塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体 クレハロン(全モノマーに占める塩化ビニルの重量比は10〜30重量%)、共重合体は三井デュポンポリケミカル社製エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体 エルバロイ741、PEはダウケミカル社製ポリエチレン エリート5220(密度:0.915)、EVAは三井デュポンポリケミカル社製エチレン酢酸ビニル共重合体 エバフレックスV−527−4(酢酸ビニル含有量:17モル%)、EMAはエクソン社製エチレンメタクリル酸共重合体 オプティマTC−221(メタクリル酸含有量:28モル%)、EMMAは住友化学社製エチレンメタクリル酸メチル共重合体 アクリフトWH303(メタクリル酸メチル含有量:18重量%)、TPUはクラレ社製熱可塑性ポリウレタン クラミロンU1780、をそれぞれ意味する。
【0043】
【表1】
【0044】
(インク供給チューブの特性)
実施例1〜2及び比較例1〜9のインク供給チューブについて、上記記載の方法に基づいて、酸素透過量、水蒸気蒸発率、ヤング率を測定した。なお、酸素透過量の評価に用いたガスクロマトグラフィーは、柳本製作所製G3800(キャリアガス:ヘリウム、カラム充填モレキュラーシーブ5A(シーエルサイエンス社製))であった。また、水蒸気蒸発率の評価に用いた精密天秤は、シーベル機械社製メトラーAT250(秤量精度:0.0001g)であり、水蒸気蒸発率の評価に用いたオーブンはISUZU製作所社製BY−Hであった。そして、ヤング率評価に用いた引張試験機は、オリエンテック社製テンシロンRTM−100であり、測定は5℃、10℃及び23℃で行った。酸素透過量及び水蒸気蒸発率の結果を表2に示し、ヤング率の結果を表3に示す。また、温度ごとのヤング率を図3の折れ線グラフで示した。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
図3から明らかなように、実施例1及び2のインク供給チューブのヤング率は、5℃、10℃及び23℃の全てにおいて比較例1〜9のものに比べて、非常に低い値を示し、柔軟性が常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても良好であった。比較例1の柔軟性は実施例1及び2と同等であったが、中間層を構成する混合物におけるエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が28重量%を超しているため、バリア性(酸素透過量及び水蒸気蒸発率)が不充分であった(表2)。
【0048】
(実施例3〜5)
内層、中間層及び外層の厚さを表4に示す厚さにした他は、実施例1と同様の構成材料と製造方法を採用して、内径2mmのインク供給チューブを作製した。なお、外層の厚さを内層の厚さで除した値も表4に示した。
【表4】
【0049】
実施例3〜5のインク供給チューブについて、図4(a)及び(b)に模式的に示す屈曲耐久性試験機を用い、以下の方法で屈曲耐久性を評価した。
【0050】
屈曲耐久性評価方法:
図4(a)はインク供給チューブを屈曲させた状態で取り付けた屈曲耐久性試験機の初期の状態を示す模式図であり、図4(b)はインク供給チューブを屈曲させた状態で変形させた時の屈曲耐久性試験機を示す模式図である。図4(a)及び(b)に示す屈曲耐久性試験機100は、インク供給チューブ10の一端を保持する固定式チャック70と、インク供給チューブ10の他端を保持する可動式チャック72とを備えており、両チャックにより、インク供給チューブ10を曲率半径RでU字型に屈曲させることができるようになっている。
【0051】
屈曲耐久性は、固定式チャック70を固定した状態で可動式チャック72のみを往復運動させることにより、固定式チャック70と可動式チャック72との間のインク供給チューブ10の長さが実質的に変わらない状態で、屈曲部の曲率半径が常にRになるようにしてインク供給チューブ10を変形させ、インク供給チューブ10に亀裂が生じるまでの可動式チャック72の往復回数により評価した。この場合において、図4(a)に示す状態を初期状態として、可動式チャック72を図4(b)に示す距離Xだけ移動させた後、再び図4(a)に示す状態に戻す運動を1往復の往復運動とした。また、曲率半径Rは50mm、距離Xは200mm、評価温度は10℃、評価湿度は50%RHであり、1分当たり120往復させた。屈曲耐久性の評価結果を表5に示す。
【表5】
【0052】
表5に示すように、外層の厚さが内層の厚さの1.5〜5倍という条件を満たさない実施例4及び5において、30万往復以上の高い屈曲耐久性が得られたが、外層の厚さが内層の厚さの1.5〜5倍という条件を満たす実施例3では、150万往復という特に高い屈曲耐久性が得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェットプリンタにおける、印字部とインクタンクとを接続するためのインク供給チューブであって、インク成分に対する高いバリア性を備え、常温(23℃付近)のみならず低温(5℃付近)においても高い柔軟性を発揮するインク供給チューブを提供することが可能になる。特に、外層の厚さを内層の厚さの1.5〜5倍とすることでインク供給チューブの屈曲耐久性を顕著に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク供給チューブが適用され得るインクジェットプリンタの印字部周辺を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1において用いられているインク供給チューブ10の斜視図である。
【図3】実施例及び比較例のインク供給チューブの温度ごとのヤング率を示す折れ線グラフである。
【図4】(a)はインク供給チューブを屈曲させた状態で取り付けた屈曲耐久性試験機の初期の状態を示す模式図であり、(b)はインク供給チューブを屈曲させた状態で変形させた時の屈曲耐久性試験機を示す模式図である。
【符号の説明】
10…インク供給チューブ、10a…内層、10b…中間層、10c…外層、20…印字部、22…インクジェットヘッド、24…サブタンク、24a…単色サブタンク、24b…単色サブタンク、24c…単色サブタンク、24d…単色サブタンク、26…キャリッジ、30…インクタンク、30a…単色インクタンク、30b…単色インクタンク、30c…単色インクタンク、30d…単色インクタンク、40…ガイド部材、50…筐体、60…記録媒体、70…固定式チャック、72…可動式チャック、100…屈曲耐久性試験機。
Claims (9)
- インクジェットプリンタにおけるインクタンクと印字部とを連通させるためのインク供給チューブであって、
前記インク供給チューブは、内層、中間層及び外層の三層で構成されており、
前記中間層は、塩化ビニリデン系重合体とエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体との混合物であって、前記混合物の全重量を基準とした前記エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体の重量比が1〜28重量%である混合物からなり、
前記内層及び外層は、同一又は異なるポリ−αオレフィンからなることを特徴とするインク供給チューブ。 - 前記内層を構成するポリ−αオレフィンの密度が、前記外層を構成するポリ−αオレフィンの密度以上であることを特徴とする請求項1記載のインク供給チューブ。
- 前記内層を構成するポリ−αオレフィンの密度が0.905〜0.925であり、前記外層を構成するポリ−αオレフィンの密度が0.850〜0.905であることを特徴とする請求項1又は2記載のインク供給チューブ。
- 前記ポリ−αオレフィンはポリエチレンであること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
- 酸素透過量が、70cc/m2・24h・atm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
- 水蒸気蒸発率が、20%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
- 5℃のヤング率が100〜150MPaであり、23℃のヤング率が50〜100MPaであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
- 前記外層の厚さは、前記内層の厚さの1.5〜5倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
- 前記中間層の厚さは、前記内層、中間層及び外層の合計の厚さの15〜30%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク供給チューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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