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JP2004142032A - 歯車仕上げ装置 - Google Patents

歯車仕上げ装置 Download PDF

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JP2004142032A
JP2004142032A JP2002310329A JP2002310329A JP2004142032A JP 2004142032 A JP2004142032 A JP 2004142032A JP 2002310329 A JP2002310329 A JP 2002310329A JP 2002310329 A JP2002310329 A JP 2002310329A JP 2004142032 A JP2004142032 A JP 2004142032A
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Japan
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gear
rotation
angle phase
rotation angle
tool
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Pending
Application number
JP2002310329A
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English (en)
Inventor
Ryoji Yoshida
吉田 良二
Junichi Nagai
永射 淳一
Yasuhiro Kurokawa
黒川 泰浩
Naoya Hashimoto
橋本 直哉
Setsu Wakabayashi
若林 節
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP2002310329A priority Critical patent/JP2004142032A/ja
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Abstract

【課題】累積ピッチ誤差を効果的に低減するとともに、少ない補正用メモリ容量で制御を行うことができ、しかも汎用性に優れた歯車仕上げ装置を提供する。
【解決手段】制御手段は、所定の周期でサンプリングしたヘリカルギアの一回転周期分のサンプリングデータを格納するサンプリング要素を有する学習コントローラを備えており、この学習コントローラは、回転角位相偏差が入力されると、これに対応する位置の一回転前のサンプリングデータをサンプリング要素から出力して回転角位相偏差に加算して補正データを生成するとともに、この補正データを所定位置のサンプリングデータとしてサンプリング要素に格納するように構成されており、制御手段は、補正データに基づいて回転速度偏差を補正して、ワーク駆動モータのフィードバック制御を行う歯車仕上げ装置。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工対象となる被加工歯車に、仕上げ加工用の歯車形状工具を噛合させ、これらを同期回転させることで被加工歯車の仕上げ加工を行う歯車仕上げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯車に対する仕上げ加工として、例えばホーニング加工やシェービング加工が知られている。これらの加工においては、加工精度を向上させるため、ホーニング加工では加工対象となる被加工歯車と砥石用歯車とを、シェービング加工では被加工歯車とシェービングカッタとを同期回転させて仕上げ加工を行っているものがある。
【0003】
例えば特許文献1に開示された装置では、各歯車の目標回転数と実際の回転数との偏差、つまり回転偏差を調整するために通常行われるフィードバック制御に加え、次のような制御手段を有している。
【0004】
すなわち、この装置は、被加工歯車の回転偏差を、被加工歯車の一回転を周期とするサイン関数に近似させて回転偏差波形を求める調整値演算手段と、この調整値演算手段により導出される回転偏差波形を分析して被研削歯車の一回転を周期とするサイン波形を求めるとともに、このサイン波形での振幅の関数として求められた振幅と任意に指定できる位相差をもつ調整信号波形を作り出せる調整値演算手段とを有している。そして、調整値演算手段で導出された調整信号は、調整信号指令手段を介してモータに送られ、累積ピッチ誤差(一回転中における歯間ピッチの誤差の累積)を改善するようにその回転が調節される。
【0005】
また、特許文献2に開示された装置では、被加工歯車又は砥石歯車を回転駆動させるサーボモータへ供給する電流を、FFTアナライザによって周波数分析し、この周波数分析した電流成分が予め記憶された最適なモータ供給電流の周波数成分と類似するものになるようにNC装置によりサーボモータを制御している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−347423号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−164243号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に係る装置では、被研削歯車の回転の全周に亘って累積ピッチ誤差を改善する制御を行っているため、全周の位置偏差データを記憶するにはデータ数が膨大となり、メモリ容量を大きくしなければならないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の装置では、FFTアナライザ及びその解析データを処理するパーソナルコンピュータを常時設置しておかなければならないため、装置構成が煩雑になる。さらに、予め記憶されたデータに基づいてNC装置の制御を行っているため、ワークが変更されたときには、そのワークに対応した新たなデータの蓄積を行わなければならず、汎用性に欠けるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、累積ピッチ誤差を効果的に低減するとともに、少ない補正用メモリ容量で制御を行うことができ、しかも汎用性に優れた歯車仕上げ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、加工対象となる被加工歯車に、仕上げ加工用の歯車形状工具を噛合させ、これらを同期回転させることで前記被加工歯車の仕上げ加工を行う歯車仕上げ装置であって、前記被加工歯車を回転駆動する被加工歯車用駆動手段と、前記歯車形状工具を回転駆動する工具用駆動手段と、前記被加工歯車の回転速度及び回転角位相を検出する被加工歯車用検出手段と、前記歯車形状工具の回転速度及び回転角位相を検出する工具用検出手段と、前記被加工歯車の設定回転速度と前記被加工歯車用検出手段から検出された回転速度との回転速度偏差、及び前記被加工歯車の設定回転角位相と前記被加工歯車用検出手段から検出された回転角位相との回転角位相偏差のいずれか一方或いは双方に基づいて、前記被加工歯車の回転速度が、前記設定回転速度に等しくなるように前記被加工歯車用駆動手段にフィードバック制御を行う制御手段とを備え、該制御手段は、所定の周期でサンプリングした前記被加工歯車の一回転周期分のデータを格納するサンプリング手段を有する学習制御手段をさらに備えており、該学習制御手段は、前記回転角位相偏差が入力されると、これに対応する位置の一回転分前のサンプリング時のデータを前記サンプリング手段から出力し前記回転角位相偏差に加算して補正データを生成するとともに、この補正データを所定位置の補正データとして前記サンプリング手段に格納するように構成されており、前記制御手段は、前記サンプリング手段から出力された一回転分前に生成された補正データに基づいて、前記回転速度偏差又は前記回転角位相偏差を補正して、前記被加工歯車用駆動手段のフィードバック制御を行うことを特徴とする歯車仕上げ装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、加工対象となる被加工歯車に、仕上げ加工用の歯車形状工具を噛合させ、これらを同期回転させることで前記被加工歯車の仕上げ加工を行う歯車仕上げ装置であって、前記被加工歯車を回転駆動する被加工歯車用駆動手段と、前記歯車形状工具を回転駆動する工具用駆動手段と、前記被加工歯車の回転速度及び回転角位相を検出する被加工歯車用検出手段と、前記歯車形状工具の回転速度及び回転角位相を検出する工具用検出手段と、前記歯車形状工具の設定回転速度と前記工具用検出手段から検出された回転速度との回転速度偏差、及び前記歯車形状工具の設定回転角位相と前記工具用検出手段から検出された回転角位相との回転角位相偏差のいずれか一方或いは双方に基づいて、前記歯車形状工具の回転速度が、前記設定回転速度に等しくなるように前記工具用駆動手段にフィードバック制御を行う制御手段とを備え、該制御手段は、所定の周期でサンプリングした前記歯車形状工具の一回転周期分のデータを格納するサンプリング手段を有する学習制御手段をさらに備えており、該学習制御手段は、前記回転角位相偏差が入力されると、これに対応する位置の一回転分前のサンプリング時のデータを前記サンプリング手段から出力し前記回転角位相偏差に加算して補正データを生成するとともに、この補正データを所定位置の補正データとして前記サンプリング手段に格納するように構成されており、前記制御手段は、前記サンプリング手段から出力された一回転分前に生成された補正データに基づいて、前記回転速度偏差又は前記回転角位相偏差を補正して、前記工具用駆動手段のフィードバック制御を行うことを特徴とする歯車仕上げ装置を提供するものである。
【0013】
上記各歯車仕上げ装置は、前記工具用検出手段により検出された前記歯車形状工具の回転角位相に基づいて、前記被加工歯車と歯車形状工具とを同期回転させるものとすることができる。これにより、同期回転の制御がより容易になる。
【0014】
なお、前記学習制御手段におけるサンプリング手段では、一回転周期分前のサンプリング時のデータを出力しているが、それまでに学習を何回か行った後の、回転角位相偏差の平均値に基づくデータをサンプリング手段に記憶しておき、これを出力するようにすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯車仕上げ装置をホーニング加工装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1、図2、及び図3は、それぞれ本実施形態に係るホーニング加工装置の正面図、側面図、及び平面図である。また、図4は、このホーニング加工装置の動作部分を中心に説明する正面図である。
【0016】
以下の説明では、被加工歯車としてヘリカルギアを仕上げ研削加工する場合について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るホーニング加工装置は、基台B上に支持されたテーブル10を備えており、このテーブル10上には、同図中のX軸方向に互いに近接離反してヘリカルギアを回転自在に挟持する主軸台30及び心押し台40が設けられている。また、これら主軸台30と心押し台40との間には、砥石(歯車形状工具)を保持する砥石ユニット50が設けられている。
【0017】
図4に示すように、主軸台30は、テーブル10上に摺動自在に支持された主軸台本体31と、この主軸台本体31に上記X軸周りに回転自在に支持されたワーク支持軸32と、このワーク支持軸32を回転駆動するワーク駆動モータ(被加工歯車用駆動手段)33とを備えている。このワーク駆動モータ33は、例えばサーボモータで構成することができる。また、主軸台30には、ヘリカルギアWの回転速度及び回転角位相を検出するための図示を省略するロータリエンコーダ(被加工歯車用検出手段)が設けられている。
【0018】
一方、心押し台40は、テーブル10上に摺動自在に支持された心押し台本体41と、この心押し台本体41にX軸周りに回転自在に支持されたワーク支持軸42とを備えている。この心押し台40側のワーク支持軸42内には、図示を省略するクランプ軸がX方向に摺動自在に内蔵されており、このクランプ軸によってヘリカルギアWがクランプされる。
【0019】
図3及び図4に示すように、砥石ユニット50は、内歯車状に形成された砥石51と、その外周を保持するヘッド52と、ヘッド52をワーク支持軸32,42に垂直な水平軸、つまりZ軸周りに回転させるための保持部53とを備えている。また、保持部53は、砥石51をX軸周りに回転させる砥石駆動モータ(工具用駆動手段)531と、ヘッド52をZ軸周りに回動させるヘッド傾動モータ532とを備えている。なお、砥石駆動モータは、例えばサーボモータで構成することができる。
【0020】
図2に示すように、砥石駆動モータ531の出力軸には、駆動歯車533が固着されており、この駆動歯車533にはシザースギア534が中間の歯車として噛合している。そして、このシザースギア534は、ヘッド52の外周に亘って設けられた歯車(図示省略)に噛合している。すなわち、砥石駆動モータ531の回転駆動がシザースギア534を介してヘッド52に伝達され、砥石51が回転する。このようにシザースギアを使用することにより、ローバックラッシュ化を図ることができる。また、図4に示すように、砥石ユニット50には、砥石51の回転速度及び回転角位相を検出するためのロータリエンコーダ(工具用検出手段)521が設けられている。
【0021】
また、図2に示すように、砥石ユニット50は、保持部53をヘッド52とともにZ軸方向に移動させる切り込み駆動部60をさらに備えている。この切り込み駆動部60には、切り込み用駆動モータ61が設けられており、これによって砥石51をヘリカルギアWに対してZ方向に近接離反させることができ、研削の際には、ヘリカルギアWに対して切り込みが行われる。切り込み用駆動モータ61は、例えばサーボモータにより構成することができる。
【0022】
なお、図1に示すように、上記した主軸台30、心押し台40、ワーク駆動モータ33、砥石駆動モータ531等の移動や回転の制御は、操作盤71を備えた制御装置70によって行われる。
【0023】
次に、このホーニング加工装置における制御方式について説明する。図5は制御方式の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
同図に示すように、この制御方式は、数値制御装置(CNC)とサーボ系とを備えている。サーボ系では、砥石駆動モータ531をマスタ側とする一方、ワーク駆動モータ33をスレーブ側として各モータ531,33の回転を制御している。まず、マスタ側から説明する。CNCにおいて砥石駆動モータ531に、図示を省略するPMC(プログラマブルコントローラ)からの一定の回転速度指令がなされると、この指令信号は学習制御可能な位置指令u1に変換される。
【0025】
サーボ系における位置制御72は伝達関数であり、Kpは、位置ループにおけるポジションゲインを表している。速度制御73は、速度ループにおける速度ゲインを表す伝達関数である。電流制御74は、砥石駆動モータ531に流される電流を制御するものであり、モータの発熱を抑えたり、電圧電流不足時に電流が不安定にならないようにするものである。75は、位置のフィードフォワード項であり、αは位置のフィードフォワード係数である。このフィードフォワード制御により、特に高速切削を行う場合にサーボ系の追従遅れを防止することができる。
【0026】
次に、上記のように構成されたサーボ系の制御について説明する。図5に示すように、CNCから出力された位置指令u1には、ロータリエンコーダ521で検出された砥石51の回転角位相を表す位置信号が負帰還として加算され位置偏差(回転角位相偏差)ε1が導出される。次いで位置偏差ε1に、ポジションゲインKpが乗じられて速度指令Vcaが求められる。この速度指令Vcaには、位置指令を微分して位置のフィードフォワード係数αを乗じた値が加算されてフィードフォワード制御されるとともに、ロータリエンコーダ521で検出された砥石51の回転速度を表す速度信号が負帰還として加算され、速度指令Vc1が求められる。
【0027】
速度制御73では、この速度指令Vc1に基づいて砥石駆動モータ531駆動用の電流指令Ic1が生成され、この電流指令Ic1が電流制御74に入力された後、砥石駆動モータ531へ通電される。以上の構成により、位置偏差ε1が収束するようなフィードバック制御が行われ、砥石駆動モータ531は、所定の回転速度で安定して回転することが可能となる。
【0028】
一方、ワーク駆動モータ33は、スレーブ側であるため、砥石駆動モータ531からの指令により同期回転するように構成されている。より詳細には、マスタ側のロータリエンコーダ521から出力された回転角位相を表す位置信号は、EGB(Electrical Gear Box)78に入力され、砥石51と被加工歯車であるヘリカルギアWとの歯数比に応じた回転角位相が演算され、それに対応する位置指令u2がスレーブ側に出力される。
【0029】
スレーブ側には、マスタ側と同一構成の位置制御81、フィードフォワード82、速度制御83、電流制御84が設けられている。そして、EGB78から出力された位置指令u2は、上記マスタ側と同様に処理され、ロータリエンコーダで検出されたヘリカルギアWの実際の回転角位相を表す位置信号と位置指令u1との偏差、つまり位置偏差(回転角位相偏差)ε2を収束させるようにフィードバック制御が行われる。その結果、ワーク駆動モータ33の回転速度が、所望の回転速度となるように修正される。
【0030】
また、スレーブ側には、累積ピッチ誤差を修正するために、学習コントローラ(学習制御手段)85がさらに設けられている。この学習コントローラ85には、上記した位置偏差ε2が入力され、位置制御85から出力された速度指令Vcbに加算される補正信号を出力するように構成されている。
【0031】
図6は、学習コントローラ85の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、この学習コントローラ85は、帯域制限フィルタF、ヘリカルギアの一回転周期T分のデータを格納するサンプリング要素(サンプリング手段)Z、及びゲイン低下を補償するための動特性補償要素Gxで構成されている。この学習コントローラ85では、所定のサンプリング周期L毎に位置偏差ε2に対し、その一回転分前のサンプリング時のデータ、つまり同一の回転位置のデータxをサンプリング要素Zから出力して加算する。そして、加算後のデータε2+xは、帯域制限フィルタFで処理を行った後、補正データとしてサンプリング要素Zのメモリに格納される。サンプリング要素Zには、n(=T/L)個のデータが所定の順に格納されている。そして、サンプリング要素Zから出力された一回転分前の補正データxは、微分されて動特性補償要素Gxに出力される。動特性補償要素Gxに入力されたデータは、ゲイン低下が補償されて学習コントローラ85の出力として位置制御81から出力された速度指令Vcbに加算される。つまり、学習コントローラ85からの出力が補正のためのデータとして加算される。なお、ワークの一回転の周期T及びサンプリング周期Lは、ワークの種類に応じてCNCから入力可能である。
【0032】
このような学習コントローラ85による学習制御は、次のように作動する。本実施形態のようにヘリカルギアWを回転させて研削する場合、つまり所定周期で同一パターンの処理が繰り返される際に、例えばあるサンプリング時において前周期でそのサンプリング時に対応する位置偏差ε2が大きい値の場合には、今周期においては、学習コントローラ85から大きい値の補正用のデータが出力され、速度指令Vcbに加算されることになる。そのため、速度指令Vc2は大きく変化し、実際の回転角位相もそれに対して変化するので、位置偏差ε2はその値が収束するように修正される。これにより、累積ピッチ誤差が改善され、ワーク駆動モータ33を高精度で制御することができる。
【0033】
なお、サンプリング要素Zは、種々の構成を採ることができるが、例えば次のようにすることができる。すなわち、サンプリング毎に、メモリを1番地シフトして1番地のメモリに入力データを格納するとともに、n番地のメモリのデータを出力する。これにより、サンプリング要素Zからは1周期分遅れた、同一位置のデータが出力される。
【0034】
また、このCNCには、ヘリカルギア補正指令部90が設けられている。後述するように、Z方向に切り込みとして砥石51を移動させただけでは、面粗度が荒いことが多いので、本実施形態では、砥石51を切り込み方向に移動させた後、砥石51をさらにX軸方向に移動させてヘリカルギアWを研削し面粗度を向上するようにしている。このとき、研削対象となるワークはヘリカルギアであり、歯が所定の捩り角を有しているため、砥石をX方向に移動させると砥石51とヘリカルギアとの回転角位相にズレが生じるという問題がある。そこで、CNCには、このズレを補正するヘリカルギア補正を指令するヘリカルギア補正指令部90を設けている。
【0035】
次に、上記のように構成されたホーニング加工装置の動作について説明する。研削を行うには、まず、図4に示すように、研削対象となるヘリカルギアを主軸台30と心押し台40とで挟持するようにセットし、ヘッド傾動モータ532を駆動してヘッド52を所定の角度に傾けた後、ワーク駆動モータ33及び砥石駆動モータ531を駆動する。続いて、切り込み用駆動モータ61を駆動して砥石51をヘリカルギア側へ所定の切り込み量だけ近接させる。これにより、ヘリカルギアWと砥石51との歯面同士のすべり接触によってヘリカルギアWの歯面に研削仕上げ加工が施される。この切り込み動作中に上記サーボ系における学習制御が行われ、累積ピッチ誤差の改善されつつ研削仕上げ加工が行われる。
【0036】
そして、砥石51が所定の切り込み量だけ近接されると、これに続いて、ヘリカルギアWを挟持する主軸台30及び心押し台40をX方向に往復動させる。これにより、ヘリカルギアWが砥石に対してX方向に送られ歯面の面粗度が向上するようにさらに研削加工が行われる。ヘリカルギアの往復動が終了すると、砥石51は、ヘリカルギアから離反するように移動され、初期位置に復帰した時点で研削加工が終了する。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、ワーク駆動モータ33の回転において学習制御を行っているため、次のような利点がある。すなわち、この装置では、ヘリカルギアWが回転しながら加工が行われるため、所定の歯の位置の回転角位相が一回転毎に繰り返し検出可能となる。したがって、学習コントローラ85では、一回転周期分のデータをサンプリング要素Zに記憶しておき、ヘリカルギアの所定箇所の回転角位相偏差が入力されたときには、サンプリング要素852からその一回転前の対応する位置のデータを補正データとして出力し、これに基づいて回転速度偏差を収束させるための補正用のデータを生成する。これにより、同一箇所の回転角位相が繰り返し現れるホーニング加工において、累積ピッチ誤差が効果的に改善され、精度の高い加工が可能になる。また、ワーク毎に予め補正データ等を作成する必要がないため、汎用性の高いものとすることができる。
【0038】
また、学習制御を行うのに際し、ヘリカルギアの一回転分のデータを連続的にサンプリングするのではなく、所定のサンプリング周期で、例えば歯車の歯数分のデータのみを離散的にサンプリングすることができるため、少ないメモリ容量で学習することができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記学習コントローラ85では、サンプリング要素Zから出力された補正データが微分されて速度指令用の補正のためのデータとして出力されているが、微分を行わず位置指令用の補正のためのデータとして出力させることもできる。こうすることにより、学習コントローラ85からの出力は、回転角位相偏差を補正するようために使用される。この場合には、出力された補正データは、位置制御81の伝達関数に入力される。
【0040】
また、上記学習コントローラ85におけるサンプリング要素Zでは、一周期分前のサンプリング時のデータを出力しているが、学習を何回か行った後の、平均データをサンプリング要素に記憶しておき、これを出力するようにすることもできる。
【0041】
上記実施形態では、学習コントローラ85をヘリカルギアの回転制御に使用しているが、図7に示すように、砥石51の回転制御に用いることもできる。この場合には次の利点がある。すなわち、このような学習制御を用いることにより、回転の脈動が小さくなりスムーズに回転するため、砥石に対する衝撃を低減することができる。その結果、砥石の寿命、つまり工具寿命を延ばすことが可能となる。
【0042】
或いは、図8に示すように、砥石側及びヘリカルギア側の両方に学習コントローラを設けることもでき、これによっても精度の高い回転を実現することができる。
【0043】
上記実施形態における制御では、回転角位相偏差と、回転速度偏差とが収束するようにフィードバック制御を行っているが、これに限定されるものではなく、いずれか一方のみが収束するようにフィードバック制御を行うこともできる。
【0044】
また、上記実施形態では、砥石51側の砥石駆動モータ531をマスタ側、ワーク側のワーク駆動モータ33をスレーブ側として、EGB78を介して両モータ531,33が同期回転を行うように制御しているが、それぞれのモータをCNCからの信号で独立して回転駆動させるようにすることもできる。
【0045】
上記説明では、本発明に係る歯車仕上げ装置をホーニング加工装置に適用した例を示したが、これをシェービング加工装置に適用することもできる。すなわち、ホーニング加工装置では、ヘリカルギアを研削加工する砥石を内歯車状に形成したが、シェービング加工装置では、加工対象となる歯車に噛合する外歯車状に形成した工具を使用する。この場合にも、制御装置は、ホーニング加工装置の場合と同様のものを適用することができ、累積ピッチ誤差を改善する精度の高い仕上げ加工を行うことができる。
【0046】
また、上記説明では、ヘリカルギアを研削する場合について説明したが、例えば平歯車を研削することができるのは勿論である。この場合、平歯車にはヘリカルギアのように歯の捩りがないため、上記制御装置においては、ヘリカルギア補正指令部を省略することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る歯車仕上げ装置によれば、被加工歯車と歯車形状工具とを噛合させた状態で同期回転させて被加工歯車の加工を行う際に、学習制御手段を用いたフィードバック制御を行っている。すなわち、この装置では、被加工歯車が回転しながら加工が行われるため、所定の歯の位置の回転角位相が一回転毎に繰り返し検出可能である。したがって、学習制御手段では、一回転周期分のデータをサンプリング手段に記憶しておき、被加工歯車の所定箇所の回転角位相偏差が入力されたときには、サンプリング手段からその一回転分前のサンプリング時に生成された補正データを出力し、これを参照して回転速度偏差又は回転角位相偏差を収束させるための補正用のデータを生成する。これにより、同一位置の回転角位相が繰り返し現れるホーニング加工やシェービング加工等において、累積ピッチ誤差が効果的に改善され、精度の高い加工が可能になる。また、ワーク毎に予め補正データ等の作成が不要であるため、汎用性の高いものとすることができる。
【0048】
また、学習制御手段を歯車形状工具側の制御手段に設けた場合には、次のような利点がある。すなわち、回転の脈動が小さくなりスムーズに回転するため、工具に対する衝撃を低減することができる。その結果、工具寿命を延ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る歯車仕上げ装置をホーニング加工装置に適用した場合の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のホーニング加工装置の側面図である。
【図3】図1のホーニング加工装置の平面図である。
【図4】図1のホーニング加工装置の動作部分を中心に説明する正面図である。
【図5】図1のホーニング加工装置における制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す制御装置における学習コントローラの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図5の制御装置の他の例を示すブロック図である。
【図8】図5の制御装置の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
33  ワーク駆動モータ(被加工歯車用駆動手段)
51  砥石(歯車形状工具)
521 ロータリエンコーダ(工具用検出手段)
531 ヘッド駆動モータ(工具用駆動手段)
85  学習コントローラ(学習制御手段)
Z   サンプリング要素(サンプリング手段)
W   ヘリカルギア(被加工歯車)

Claims (3)

  1. 加工対象となる被加工歯車に、仕上げ加工用の歯車形状工具を噛合させ、これらを同期回転させることで前記被加工歯車の仕上げ加工を行う歯車仕上げ装置であって、
    前記被加工歯車を回転駆動する被加工歯車用駆動手段と、
    前記歯車形状工具を回転駆動する工具用駆動手段と、
    前記被加工歯車の回転速度及び回転角位相を検出する被加工歯車用検出手段と、
    前記歯車形状工具の回転速度及び回転角位相を検出する工具用検出手段と、
    前記被加工歯車の設定回転速度と前記被加工歯車用検出手段から検出された回転速度との回転速度偏差、及び前記被加工歯車の設定回転角位相と前記被加工歯車用検出手段から検出された回転角位相との回転角位相偏差のいずれか一方或いは双方に基づいて、前記被加工歯車の回転速度が、前記設定回転速度に等しくなるように前記被加工歯車用駆動手段にフィードバック制御を行う制御手段とを備え、
    該制御手段は、所定の周期でサンプリングした前記被加工歯車の一回転周期分のデータを格納するサンプリング手段を有する学習制御手段をさらに備えており、
    該学習制御手段は、前記回転角位相偏差が入力されると、これに対応する位置の一回転分前のサンプリング時のデータを前記サンプリング手段から出力し前記回転角位相偏差に加算して補正データを生成するとともに、この補正データを所定位置の補正データとして前記サンプリング手段に格納するように構成されており、
    前記制御手段は、前記サンプリング手段から出力された一回転分前に生成された補正データに基づいて、前記回転速度偏差又は前記回転角位相偏差を補正して、前記被加工歯車用駆動手段のフィードバック制御を行うことを特徴とする歯車仕上げ装置。
  2. 加工対象となる被加工歯車に、仕上げ加工用の歯車形状工具を噛合させ、これらを同期回転させることで前記被加工歯車の仕上げ加工を行う歯車仕上げ装置であって、
    前記被加工歯車を回転駆動する被加工歯車用駆動手段と、
    前記歯車形状工具を回転駆動する工具用駆動手段と、
    前記被加工歯車の回転速度及び回転角位相を検出する被加工歯車用検出手段と、
    前記歯車形状工具の回転速度及び回転角位相を検出する工具用検出手段と、
    前記歯車形状工具の設定回転速度と前記工具用検出手段から検出された回転速度との回転速度偏差、及び前記歯車形状工具の設定回転角位相と前記工具用検出手段から検出された回転角位相との回転角位相偏差のいずれか一方或いは双方に基づいて、前記歯車形状工具の回転速度が、前記設定回転速度に等しくなるように前記工具用駆動手段にフィードバック制御を行う制御手段とを備え、
    該制御手段は、所定の周期でサンプリングした前記歯車形状工具の一回転周期分のデータを格納するサンプリング手段を有する学習制御手段をさらに備えており、
    該学習制御手段は、前記回転角位相偏差が入力されると、これに対応する位置の一回転分前のサンプリング時のデータを前記サンプリング手段から出力し前記回転角位相偏差に加算して補正データを生成するとともに、この補正データを所定位置の補正データとして前記サンプリング手段に格納するように構成されており、
    前記制御手段は、前記サンプリング手段から出力された一回転分前に生成された補正データに基づいて、前記回転速度偏差又は前記回転角位相偏差を補正して、前記工具用駆動手段のフィードバック制御を行うことを特徴とする歯車仕上げ装置。
  3. 前記工具用検出手段により検出された前記歯車形状工具の回転角位相に基づいて、前記被加工歯車と歯車形状工具とを同期回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯車仕上げ装置。
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