[go: up one dir, main page]

JP2004137617A - 防汚ウエア - Google Patents

防汚ウエア Download PDF

Info

Publication number
JP2004137617A
JP2004137617A JP2002301736A JP2002301736A JP2004137617A JP 2004137617 A JP2004137617 A JP 2004137617A JP 2002301736 A JP2002301736 A JP 2002301736A JP 2002301736 A JP2002301736 A JP 2002301736A JP 2004137617 A JP2004137617 A JP 2004137617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fiber
antifouling
weight
wear according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002301736A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenobu Honda
本田 秀信
Chiharu Hirata
平田 千春
Yukio Kodama
児玉 之男
Kazuji Yamada
山田 一二
Toshitaro Shobu
菖蒲 敏太郎
Norio Sumita
住田 則夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAKAINAGOYA CO Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
SAKAINAGOYA CO Ltd
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAKAINAGOYA CO Ltd, Toray Industries Inc filed Critical SAKAINAGOYA CO Ltd
Priority to JP2002301736A priority Critical patent/JP2004137617A/ja
Publication of JP2004137617A publication Critical patent/JP2004137617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Socks And Pantyhose (AREA)
  • Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

【課題】親水性汚れ、特に泥汚れに対する防汚性に優れ、汚れを付着し難くするとともに、付着した汚れを洗濯により落ちやすくし、かつ洗濯耐久性に優れた防汚ウエアを提供する。
【解決手段】繊維表面に該繊維表面のゼータ電位をマイナスにする電荷調整剤とアミノ樹脂とが付着した布帛からなる防汚ウエアである。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防汚ウエアに関し、さらに詳しくは、親水性汚れ、特に泥汚れに対する防汚性が優れている防汚ウエアに関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維業界において衣服の汚れ防止に対する関心は高く、繊維に汚れが付着することを防止したり、付着した汚れを落ちやすくしたり、洗濯時に汚れが再付着しないようにしたりする防汚処理技術が多数提案されている。
【0003】
このような防汚処理法の一つとして、繊維表面に親水性を付与するSR(soil release)処理剤の水溶液に繊維を浸漬し、マングルで絞液することにより一定付着量を付与し、次いで乾燥処理するSR処理法が知られている。SR処理を施すと、繊維の表面が親水性になり、皮脂や油等の親油性の汚れの付着力が弱められるとともに、繊維の吸水性が増大するため、洗濯によって容易に汚れを落とすことができる。また、落とした汚れが再付着することも防止することができる。特に、繊維が作業ウェア等の衣料製品である場合、汗の吸収性も良くなり、快適な着心地を得ることができる。
【0004】
このようなSR処理剤としては、繊維に付着しやすい成分に親水基が結合した化合物、例えば、ポリエステル繊維に対しては、ポリエステルに親水基としてのポリエチレングリコールが結合した化合物等が用いられている。しかし、洗濯を繰り返していくと、SR処理剤が少しづつ脱落または溶出するため防汚効果が低下していき、洗濯耐久性に劣るという欠点があった。特に作業ウエアや子供ウエア等のように洗濯が何度も行われる衣料に対して、その欠点が顕著であった。
【0005】
一方、SR処理とは逆に、繊維の表面をシリコーン系やフッ素系の撥水・撥油剤で被覆するSG(soil guard)処理が知られている。SG処理を行うと、繊維の表面に撥水性および撥油性が付与され、繊維に汚れを付着することを防止することができる。しかし、SG処理は、汚れは付着し難くするものの、繊維表面が撥水性になるため繊維の吸水力が低下し、洗濯を行ってもその汚れが落ち難くなるという欠点があった。
【0006】
さらに、親水性基を有するフッ素系のSR剤を繊維に付与した後、フッ素系撥水・撥油剤でSG処理して、撥水・撥油性付与処理を行うSG/SR処理が知られている(例えば、特許文献1など)。しかし、SG/SR処理は、SR剤によって親水性を付与し、SG剤による撥水・撥油性を付与するという二律背反的な技術であるため、SR剤によって親水性を付与した効果は、SG剤によって撥水性を付与する効果によって低減され、また、SG剤によって撥水性を付与した効果は、SR剤によって親水性を付与する効果によって低減される。
【0007】
このため、繊維に汚れが付着し難くなる効果や、付着した汚れが洗濯で落ちやすくなる効果は、それぞれSR処理やSG処理を単独で行った場合の効果に比べ劣っている。また、洗濯耐久性においてもSG/SR処理剤が少しづつ脱落または溶出するため防汚効果が低下し、洗濯耐久性に劣るという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−296371号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解消し、親水性汚れ、特に泥汚れに対する防汚性に優れ、汚れを付着し難くするとともに、付着した汚れを洗濯により落ちやすくし、かつ洗濯耐久性に優れた防汚ウエアを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の防汚ウエアは、繊維表面に該繊維表面のゼータ電位をマイナスにする電荷調整剤とアミノ樹脂とが付着した布帛を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
上記布帛の構成により特に泥汚れを付着し難くするとともに、付着した汚れを洗濯により落ちやすくし、かつ洗濯耐久性も向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において防汚ウエアとは、主に泥汚れの付着防止や水洗濯による汚れ落ち易さを期待するウエアのことをいう。その防汚ウエアの例としては、例えば作業ウエア、子供ウエア、靴下類などを挙げることができる。これらのウエアの汚れは、主として一般にいう水性汚れが対象であって、水洗濯により汚れ成分が落ち易くなっているものである。具体的には泥、醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、水性化粧品等を挙げることができる。
【0013】
本発明の防汚ウエアは、これを構成する布帛の繊維表面のゼータ電位がマイナスに帯電していることが特徴である。これに対して、汚れの主要な成分である泥は、主として石英や珪酸塩鉱物からなり、それらの成分の表面電位はマイナスに帯電しているため、電気的反発力により泥の付着を防止することが出来るのである。また、たとえ布帛に泥が付着したとしても、その付着力は静電的な反発力が弱いため、洗濯によって容易に落とすことが出来るのである。さらに、泥以外の汚れであっても、その表面のゼータ電位がマイナスとなっている汚れ粒子であれば、同様の効果を発揮することができる。
【0014】
本発明において、防汚ウエアの素材及び組織は特に限定されない。素材としては、繊維表面のゼータ電位がプラスになりやすいポリエステル繊維、ナイロン繊維、アセテート繊維や、それらの繊維を含んだ混紡糸、混繊糸、不織布からなる布帛が好適である。特にポリエステル繊維を50重量%以上含有した布帛の場合は、従来は泥汚れが特に落ち難いことが問題であったので、これを解消する効果が歴然と現れるので好適である。
【0015】
かかるポリエステル系合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどが好ましく使用される。また、かかるポリエステル系合成繊維を構成するポリエステルとしては、第3成分を共重合したものも使用することができ、かかる第3成分としては、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、メトオキシポリオキシエチレングリコールなどを共重合させたものが好ましく使用される。布帛を構成する繊維には、ポリエステル系繊維のほかに、たとえばポリアミド、ポリアクリル等の合成繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維が含まれていてもよい。
【0016】
布帛の組織としては、例えば、編物、織物、不織布などのいずれであってもよい。
【0017】
布帛を構成する繊維表面のゼータ電位をマイナスにする電荷調整剤としては、高分子重合体に親水性の側鎖が結合した親水性樹脂が好ましい。この親水性樹脂により、繊維表面が親水性になり、布帛の吸水性が増大するため、泥汚れが付着しても、水洗濯時に泥汚れの付着した部分に水が急速に浸透することにより、その汚れ物を容易に落とすことが可能になる。
【0018】
電荷調整剤の付着態様は、略均一な厚さの皮膜状に付着させることが好ましい。このように電荷調整剤を略均一な厚さの皮膜として付着させることにより、洗濯に対する耐久性が良好となり、50回の洗濯を繰り返した場合でも防汚性、吸水性、制電性を維持することができるレベルにすることができる。このようにして達成される洗濯耐久性は、洗濯50回後のJIS L1097規定の注射針法吸水試験による評価で5秒以下にすることができる。また、制電性も洗濯50回後のJIS L1094規定の摩擦帯電圧試験による評価で1000V以下にすることができる。なお、ここで洗濯50回後とは、後述する実施例における〔家庭洗濯の耐久性評価〕の項に説明される洗濯法に基づくものをいう。
【0019】
電荷調整剤に使用する親水性樹脂としては、ポリエステル系樹脂が特に好ましい。ポリエステル樹脂であれば、特にポリエステル繊維に対して親和力が大きいので強固に付着させ易くなる。これにより耐洗濯性が向上し、極めて効果的な防汚繊維布帛とすることができる。
【0020】
このようなポリエステル系樹脂の親水性樹脂としては、ポリエステルにポリエチレングリコールの側鎖が結合した化合物;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;ジメチルテレフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;テレフタル酸、アジピン酸、5−スルホイソフタル酸、ポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;ポリアルキレングリコールとテレフタル酸またはイソフタル酸とエチレングリコールを主体とする共重合ポリエステル樹脂などを採用することが出来る。
【0021】
親水性樹脂を略均一に付着させる方法としては、特に限定されないが、例えば親水性樹脂を溶解させた熱水中に浸漬させて樹脂を浴中吸着させる方法とか、また、親水性樹脂の分散液をパディングした後、樹脂分散体の凝集温度以上で熱処理(乾または湿)する方法などで行うことが出来る。
【0022】
繊維の表面に親水性樹脂が略均一に付着している状態とは、主として単繊維表面に付着し、単繊維同士が独立していて、繊維表面の周囲におおよそ均一に付着した状態をいう。繊維束のヨリが強く束状になっている場合は、単繊維同士が独立した状態にならないため、繊維束の状態で周囲に付着する場合もある。親水性樹脂の付着状態は、布帛の断面写真を見ればはっきりと判る。パッド/ドライ法での樹脂付与では、繊維表面に付着するが略均一に繊維表面に付着せず、乾燥時、樹脂溶液がマイグレーションを起して、繊維の交点や繊維表面の一部に固まって付着する、いわゆる斑付きになっている。
【0023】
本発明において、上述した電荷調整剤の付着量としては、繊維重量に対して0.1〜10.0重量%とすることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜5.0重量%にするのがよい。
【0024】
本発明の防汚ウエアは、繊維表面の電位をマイナスにする電荷調整剤を付着した上に、さらにアミノ樹脂を付着していることが特徴である。アミノ樹脂を付着することにより布帛における繊維の隙間が塞がれるため、繊維の隙間に泥などの汚れ粒子が入り込み難くなり、一層高い防汚効果が得られるようになると考えられる。
【0025】
アミノ樹脂で加工すると、布帛の表面電位がマイナスに帯電する。泥成分の表面電位はマイナスに帯電しているので、同種類の電荷の静電的な反発力により泥の付着を防止するからである。さらにアミノ樹脂は略均一に付着した親水性樹脂による効果と同じで、親水性のため布帛の吸水性を増大し、泥汚れが付着しても、水洗濯時に泥汚れが付着した部分に水が急速に浸透して、その汚れ物を容易に落とすことができるようにする。
【0026】
アミノ樹脂としては、尿素樹脂が好ましい。アミノ樹脂が尿素樹脂である場合に特に防汚効果を高くすることができるからである。また、アミノ樹脂はグリオキザールで架橋されていることが好ましい。グリオキザールはホルマリンのような強い刺激臭がなく、人間の皮膚に対する安全性も高いため、本発明品の製造時および使用時における安全性を高めることができる。
【0027】
このアミノ樹脂の付与方法としては、パッド/ドライ法での樹脂加工でおこなうことが好ましい。このパッド/ドライ法により、アミノ樹脂は繊維表面に付着するが略均一には付着せず、繊維の交点(隙間)や繊維表面の一部に固まって、いわゆる斑付き状態になって付着する。このアミノ樹脂の付着量としては、繊維重量に対して0.1〜8.0重量%が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜4.0重量%にするのがよい。
【0028】
本発明における防汚ウエアとしては、主に泥汚れの付着防止および水洗濯による汚れ落ち易さを期待するウエアとして、作業ウエア、子供ウエア、靴下類に好ましく適用される。さらに具体的には、作業ウエアとしては、例えば農作業ウエア、鉱山労働者ウエア、食品製造業ウエア、飲食業ウエアなどを、また子供ウエアとしては、例えば園児ウエア、児童ウエアなどを挙げることができる。また、靴下類としては、例えばタイツ、ストッキング、ソックス、足袋などを挙げることができる。
【0029】
本発明の防汚ウエアには、防汚性以外に、さらに別の特性を追加付与することも可能である。例えば、消臭性、抗菌性、制菌性、マイナスイオン発生物質などを組み合わせることができる。
【0030】
消臭性を付与する方法としては、物理吸着系、中和系、酸化分解系、マスキング系のいずれの消臭機構をも採用することができる。また、これらの機構を有する種々消臭剤をアミノ樹脂の中に添加することも可能である。中でもチタンとケイ素からなる複合酸化物が好ましい。その複合酸化物は、100〜300m2 /gの比表面積を有し平均一次粒子径1〜20nmであることがより好ましい。この複合酸化物の繊維構造物に対する付着量としては、0.05重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。また、マイナスイオン発生物質をアミノ樹脂の中に添加することも可能である。
【0031】
また、抗菌性、制菌性を付与する方法としては、分子量200〜700、無機性/有機性=0.3〜1.4、かつ平均粒径が2μm以下であるピリジン系抗菌剤を含む液中に繊維構造物を浸し、常圧または加圧の下で、摂氏90度〜160度の条件で液中処理する方法が挙げられる。また、この条件に当てはまるピリジン系抗菌剤を、パディング処理またはスプレー処理によって繊維構造物に付与した後、摂氏160度〜200度の条件で乾熱または湿熱の過熱処理をする方法も挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0033】
なお、実施例中の「%」および「部」とは、断らない限り重量基準である。また、実施例中での品質評価は次の方法に従った。
【0034】
〔ゼータ電位〕
レーザーゼータ電位計ELS−8000を用いて電気泳動光散乱測定を行った。測定セルは平板セルを用い、溶媒に水を用いた。
【0035】
求めた電気移動度より、スモルコウスキー(Smoluchowski)の下記式を用いてゼータ(ζ)電位を計算した。
U=εζ/4πη
(U:電気移動度、ε:溶媒の誘電率、η:溶媒の粘度)
【0036】
〔防汚性〕
赤玉土:通常の土:水を重量比で1:1:1となるように量り取り、乳鉢に入れて粉砕混合し、これを汚染用泥とする。汚染用泥をドクターナイフによってそれぞれ5回づつ塗布し、1日放置した後、汚染用泥を手で叩き落とし、JIS L0217−103法によって洗濯を行い、汚染用泥の落ち具合を目視により評価した。
【0037】
評価は、洗濯を行う前の状態を評価1とし、目視による汚れが確認できないものを評価5とし、0.5刻みの9段階のレイティングナンバーで評価した。
【0038】
〔吸水性〕
JIS L1079 吸水試験(注射針法)を行った。
【0039】
〔摩擦帯電圧〕
JIS L1094 織物及び編物の帯電性試験方法を行った。
【0040】
〔家庭洗濯の耐久性評価〕
自動反転うず巻き式電気洗濯機の洗濯槽に40±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗剤(JIS K3371弱アルカリ性・第1種)水溶液25リッターを入れ、さらに試験片と追加布を合わせた重さが約500gになるように調整したのち、25分間洗濯を行い、次に遠心脱水機に移し、約30秒間脱水後、再び常温水を満たした洗濯槽に移す。水をオーバーフローさせながら10分間すすぐ。このすすぎ操作を2度繰り返す。次に遠心脱水機に移し、約30秒間脱水し、タンブラー乾燥機にて乾燥する。この全工程が、家庭洗濯5回洗濯に相当する。家庭洗濯50回の場合は、この操作を10回繰り返す。
【0041】
〔実着用評価〕
下記に記載する各実施例及び比較例で得た加工布について、種々のウエアを作製し、実着用試験を行った。着用期間は2ヶ月であり、この間通常の一般家庭で行われる家庭洗濯を通常の頻度で実施してもらった。2ヶ月後の洗濯上がりでの汚れの状態を下記の基準で判断した。この時各々10名のパネラーを用いた。
○:汚れがほとんど目立たない。
△:汚れの程度が中位い。
×:汚れがひどく目立ち、見苦しい。
【0042】
実施例1
167デシテックス、72フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を用いて、タテ95本/inch、ヨコ82本/inchの平織物を製織し、この平織物を精練、乾燥、中間セットを行って白色に染色をした。その後、染色機を用いて親水性ポリエステル樹脂15%水分散体液を繊維重量に対して10重量%の割合で染色機に投入し、ポリエチレンテレフタレート織物を135℃で30分間加熱処理を行った。ここで親水性ポリエステル樹脂としては、ジメチルテレフタレート5000部、エチレングリコール400部、ポリエチレングリコール(分子量3000)700部を共重合して得られたポリエステル樹脂を用いた。その後水洗、乾燥した。この時のポリエステル樹脂の付着量は繊維重量に対して1.3重量%であった。このポリエステル樹脂の付着状態を顕微鏡で観察したところ、繊維表面に均一に皮膜状に付着していた。
【0043】
次に、グリオキザール系尿素樹脂水溶液(高松油脂社製 ハイレジンK−56N)3%と帯電防止剤1%の水溶液を調整し、通常のパディング法にて含浸させ、120℃で乾燥し、170℃×60秒の熱処理を行った。この時の尿素樹脂の付着量は0.7重量%であった。
【0044】
この生地を用いて上下のコック服を作成し、レストランのコックさんに着用してもらった。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0045】
実施例2
167デシテックス、72フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を用いて、タテ138本/inch、ヨコ107本/inchの綾織物を製織し、この綾織物を精練、乾燥、中間セットを行ってライトブルーに染色をした。その後、染色機を用いて、実施例1と同様の親水性ポリエステル樹脂15%水分散体液を繊維重量に対して15重量%の割合で染色機に投入し、ポリエチレンテレフタレート織物を135℃で30分間加熱処理をおこなった。その後水洗、乾燥した。この時のポリエステル樹脂の付着量は繊維重量に対した2.0重量%であった。付着状態を顕微鏡で観察したところ、繊維表面に均一に皮膜状に付着していた。
【0046】
次に、グリオキザール系尿素樹脂水溶液(高松油脂社製 ハイレジンK−56N)4%と帯電防止剤1%の水溶液を調整し、通常のパディング法にて含浸させ、120℃で乾燥し、170℃×60秒の熱処理を行った。この時の尿素樹脂の付着量は1.0重量%であった。
【0047】
この生地を用いて幼稚園児のスモック(上着)を作成し、園児に着用してもらった。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0048】
実施例3
167デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸と綿糸40番手1本とを交編して、ソックスを編み上げた。このソックスを高圧パドル染色機で蛍光色の白に染色した。その後、染色機を用いて、実施例1と同様の親水性ポリエステル樹脂15%水分散体液を繊維重量に対して15重量%の割合で染色機に投入し、ポリエチレンテレフタレート織物を135℃で30分間加熱処理を行った。その後水洗、乾燥した。この時のポリエステル樹脂の付着量は繊維重量に対した2.0重量%であった。ポリエステル樹脂の付着状態を顕微鏡で観察したところ、繊維表面に均一に皮膜状に付着していた。
【0049】
次に、グリオキザール系尿素樹脂水溶液(高松油脂社製 ハイレジンK−56N)8%と帯電防止剤2%の水溶液を調整し、その加工液に浸漬させ、遠心脱水機で一定量になるように脱水し、その後120℃で乾燥し、150℃×60秒の熱処理を行った。この時の尿素樹脂の付着量は1.2重量%であった。
【0050】
このソックスを女子高生に着用してもらった。着用方法として、片足は実施例3のソックスとし、あとの片足は比較例3のソックスとした。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0051】
比較例1
実施例1と同じ仮撚加工糸を用い、染色まで実施例1と同じ工程を経て、次にカチオン系帯電防止剤1%の水溶液を調整し、通常のパディング法にて含浸させ、120℃で乾燥し、170℃×60秒の熱処理を行った。
【0052】
この生地を用いて上下のコック服を作成し、レストランのコックさんに着用してもらった。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0053】
比較例2
実施例2と同じ仮撚加工糸を用い、染色まで実施例2と同じ工程を経て、次にカチオン系帯電防止剤1%の水溶液を調整し、パディング法にて含浸させ、120℃で乾燥し、170℃×60秒の熱処理を行った。
【0054】
この生地を用いて実施例2と同じ幼稚園児のスモック(上着)を作成し、園児に着用してもらった。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0055】
比較例3
実施例3と同じ編上げソックスを用い、染色まで実施例3と同じとした。次に染色機にカチオン系帯電防止剤を投入し1%溶液としソックスに含浸させ、遠心脱水機で一定量になるように脱水し、その後120℃で乾燥し、150℃×60秒の熱処理を行った。
【0056】
このソックスを女子高生に着用してもらった。着用方法として、片足は実施例3のソックスとし、あとの片足は比較例3のソックスとした。その時の実着用評価結果を表−1に示した。また、用いた生地の家庭洗濯0回、および50回のゼータ電位、防汚性、吸水性、摩擦帯電圧の評価を表−1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 2004137617
【0058】
【発明の効果】
本発明の防汚ウエアによれば、繊維表面に該繊維表面のゼータ電位をマイナスにする電荷調整剤とアミノ樹脂とが付着した布帛から構成されることにより、親水性汚れ、特に泥汚れに対する防汚性に優れ、かつ優れた洗濯耐久性を併せ持つことができる。

Claims (10)

  1. 繊維表面に該繊維表面のゼータ電位をマイナスにする電荷調整剤とアミノ樹脂とが付着した布帛を用いた防汚ウエア。
  2. 前記布帛がポリエステル系繊維を少なくとも50重量%含む繊維構造体からなる請求項1に記載の防汚ウエア。
  3. 前記電荷調整剤が高分子重合体に親水性の側鎖が結合した親水性樹脂である請求項1又は2に記載の防汚ウエア。
  4. 前記親水性樹脂が、ポリエステルにポリエチレングリコールの側鎖が結合した化合物;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;ジメチルテレフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;及びテレフタル酸、アジピン酸、5−スルホイソフタル酸、ポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂;ポリアルキレングリコールとテレフタル酸またはイソフタル酸とエチレングリコールを主体とする共重合ポリエステル樹脂の群から選ばれた1種である請求項3に記載の防汚ウエア。
  5. 前記アミノ樹脂が尿素樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の防汚ウエア。
  6. 前記アミノ樹脂がグリオキザールで架橋されている請求項1〜5のいずれかに記載の防汚ウエア。
  7. 前記電荷調整剤の付着量が、繊維重量に対して0.1〜10.0重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の防汚ウエア。
  8. 前記アミノ樹脂の付着量が、繊維重量に対して0.1〜8.0重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚ウエア。
  9. 作業ウエア、子供ウエアまたは靴下類の用途に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の防汚ウエア。
  10. 洗濯50回後のJIS L1097規定の注射針法吸水試験による評価が5秒以下である請求項1〜9のいずれかに記載の防汚ウエア。
JP2002301736A 2002-10-16 2002-10-16 防汚ウエア Pending JP2004137617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301736A JP2004137617A (ja) 2002-10-16 2002-10-16 防汚ウエア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002301736A JP2004137617A (ja) 2002-10-16 2002-10-16 防汚ウエア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004137617A true JP2004137617A (ja) 2004-05-13

Family

ID=32450006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002301736A Pending JP2004137617A (ja) 2002-10-16 2002-10-16 防汚ウエア

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004137617A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336145A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Gunze Ltd 汚れ洗濯性向上機能付与ポリエステル繊維の製造方法
JP2012107346A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Gunze Ltd ポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法
JP2013072164A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Unitika Trading Co Ltd 防汚制菌性布帛およびその製造方法
JP2014190742A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Toray Ind Inc 泥防汚性評価方法
JP2015034366A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セーレン株式会社 消臭性繊維布帛
JP2016121413A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 コンビ株式会社 ポケット取外式エプロン
EP3187047A1 (en) * 2015-12-30 2017-07-05 Green Impact Holding AG Wash-durable, absorbent textile with antimicrobial properties and/or improved washability, in particular for reusable sanitary napkin
EP3287009A1 (en) * 2016-08-26 2018-02-28 Green Impact Holding AG Non-leaching surface sanitizer and wipe with improved washability and/or absorbency
WO2019176654A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 東レ株式会社 ポリエステル系繊維構造物
CN115003877A (zh) * 2020-06-30 2022-09-02 美津浓株式会社 纤维结构物及其制造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336145A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Gunze Ltd 汚れ洗濯性向上機能付与ポリエステル繊維の製造方法
JP2012107346A (ja) * 2010-11-15 2012-06-07 Gunze Ltd ポリエステル系繊維製品の防汚機能付与方法
JP2013072164A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Unitika Trading Co Ltd 防汚制菌性布帛およびその製造方法
JP2014190742A (ja) * 2013-03-26 2014-10-06 Toray Ind Inc 泥防汚性評価方法
JP2015034366A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セーレン株式会社 消臭性繊維布帛
JP2016121413A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 コンビ株式会社 ポケット取外式エプロン
EP3187047A1 (en) * 2015-12-30 2017-07-05 Green Impact Holding AG Wash-durable, absorbent textile with antimicrobial properties and/or improved washability, in particular for reusable sanitary napkin
EP3287009A1 (en) * 2016-08-26 2018-02-28 Green Impact Holding AG Non-leaching surface sanitizer and wipe with improved washability and/or absorbency
WO2018036888A1 (en) * 2016-08-26 2018-03-01 Green Impact Holding Ag Non-leaching surface sanitizer and wipe with improved washability and/or absorbency
WO2019176654A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 東レ株式会社 ポリエステル系繊維構造物
JPWO2019176654A1 (ja) * 2018-03-12 2021-01-14 東レ株式会社 ポリエステル系繊維構造物
CN115003877A (zh) * 2020-06-30 2022-09-02 美津浓株式会社 纤维结构物及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4917920A (en) Fibrous structures having a durable fragrance and a process for preparing the same
US7841022B2 (en) Garment having various functional finishes
JP2004137617A (ja) 防汚ウエア
JP2006515905A (ja) 洗濯耐久性汚れ放出特性および水分吸収特性を示すフルオロケミカル含有テキスタイル仕上げ剤
JPH07145560A (ja) 繊維用仕上げ剤組成物
JP7544028B2 (ja) 撥水性繊維構造物の製造方法、繊維構造物および衣料
MX2007004083A (es) Tela con desempeno ionizado.
JPH10273881A (ja) 制電・吸汗且つ抗菌性二重織物構造体
JP4622530B2 (ja) 花粉付着防止繊維構造物
JP6503439B1 (ja) 織編物及びその製造方法
JPH02264080A (ja) 芳香繊維構造物及びその製造方法
JP2002161478A (ja) ポリ乳酸繊維からなる黒染め繊維構造物
JPH0610268A (ja) 繊維処理剤組成物および処理された繊維
JP6260963B1 (ja) 布帛の吸出し脱水
JPH0357227B2 (ja)
US20050215145A1 (en) Liquid resistant articles and method of producing the same
JP4110447B2 (ja) 高吸放湿性ポリエステル繊維及びそれより構成されてなる布帛
JPH09268476A (ja) ドレスシャツ
JP2005023465A (ja) 繊維構造物
JP2022021872A (ja) 織編物及び織編物の製造方法
JPH01272875A (ja) 芳香不織布及び芳香シート
JP2022129753A (ja) 繊維構造物
JPH0827671A (ja) ダニ忌避効果を有する繊維構造物の製造方法
JPH1143818A (ja) 保湿性繊維、その製造方法およびその染色方法
JP6982782B2 (ja) 編織物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071017

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090224