JP2004124348A - 複合織編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いマイナスイオン効果と、優れた抗菌性、さらに高い吸・放湿性を同時に満足し、洗濯における防しわ性などのW&W性に優れ、寸法変化の少ない形態安定性を有し、ハリ・腰・反発性、さらにはプリーツ性に優れた織編物を提供する。
【解決手段】竹を原料とするセルロース系繊維と合成繊維とを含み、マイナスイオンを発生する複合織編物。
【選択図】なし
【解決手段】竹を原料とするセルロース系繊維と合成繊維とを含み、マイナスイオンを発生する複合織編物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、織編物、特に衣料用織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問題が大きく取り上げられている。その中で、特に都会における日常生活では、排気ガス等により空気中のプラスイオンが増加し、マイナスイオンが減少した結果、環境に対して悪影響が生じ、我々の体に対しても、酸化腐敗、体内異常ならびに老化等の悪影響が生じていると言われている。環境、植物、水や我々の体までが弱酸性化している。
【0003】
一方、不足しているマイナスイオンを作り出し、弱酸性状態の環境や人体等を中性状態やアルカリ性状態に還元していくのがマイナスイオン効果である。マイナスイオンは自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生し、人々の心を安らげる癒し効果を発揮している。このようなマイナスイオンを発生するものにトルマリン鉱石や竹炭、などが見出されている。例えばトルマリン鉱石は、別名電気石と呼ばれ永久自発電気分極をしている物質で、外部からの応力でマイナスイオンを発生する。例えば、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着もしくは含有させたエレクトレット繊維が提案されている(特許文献1参照。)しかし、元来、トルマリン自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また微粒子化したものを繊維への付着させる場合、付着量が3〜4%と微量なため、マイナスイオン効果はそれほど期待できないという問題があった。
【0004】
また衣料用織編物としては、これまで数々のマイナスイオンを発生する製品が開発されているが、マイナスイオンを発生させるだけのものがほとんどであり、清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合、快適と感じるための適度な吸・放湿性を同時に有する衣料用織編物はこれまで存在しなかった。例えば、インド産の竹を原料とするセルロース繊維を含むセルロース繊維糸に関し、その繊維糸の繊度、繊維長、撚り数及びその範囲を規定し、従来のレーヨン繊維糸を使用した織編物に比較して、張りおよび腰、皺やへたりなどの課題を改善する繊維糸が提案されている(特許文献2参照。)しかしながら、この提案ではセルロースレーヨン繊維を合成繊維と複合混用する手段とその効果に関しては具体的に開示されておらず、マイナスイオンを発生し、竹を原料とするセルロース系繊維による洗濯性能改善、例えば寸法安定性、洗濯してもシワが出来にくく気軽に着られるウォッシュ・アンド・ウェア性(W&W性)、更には張り・腰と言った特性を改善することに関して言及されておらず、またその他伸縮性等の新しい効果を付与する新しい解決策を教示するものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−104926号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−115347号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高いマイナスイオン効果と、優れた抗菌性、さらに高い吸・放湿性を同時に満足し、洗濯における防しわ性などのW&W性に優れ、寸法変化の少ない形態安定性を有し、ハリ・腰・反発性、さらにはプリーツ性に優れた織編物を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、竹を原料とするセルロース系繊維と合成繊維とを含み、マイナスイオンを発生する複合織編物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、前記課題、つまり高いマイナスイオン効果と抗菌性と吸放湿性を有する繊維を求めて様々な繊維について鋭意検討し、竹を原料とするセルロース系繊維が極めて有効であることを見出したものである。
【0010】
なお、本発明において織編物とは織物と編物の総称を示す。
【0011】
本発明で用いる、竹を原料とするセルロース系繊維(以下、竹繊維とも呼ぶ。)は、天然に生育する竹あるいは栽培された竹を原料とする。
竹の原産地としては、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹が好ましく使用される。
【0012】
竹から繊維束として取り出したものあるいはこれら竹原料を一般の再生セルロース系繊維と同様な処理手段により、フィラメント糸や紡績糸を製造することができる。例えばビスコース法の場合、竹をアルカリ及び二硫化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造する。他の製法としては、銅アンモニア法、直接溶解法や、アセテートなどの半合成繊維あるいは、熱可塑性セルロースとして溶融紡糸により製造する(熱可塑性セルロース化溶融紡糸法)ことができる。
竹繊維は、マイナスイオンの発生、抗菌性や吸・放湿性さらにはドライなタッチ等の優れた特徴を有する。
【0013】
かかる繊維の形態としては、フィラメント糸または紡績糸の形態としたものを使用することができる、自然な斑感を付与でき、良好なタッチを得られる点で紡績糸の方が好ましく、また合成繊維との複合においては、追撚をして配列による交織、交編等によって新しい表面変化、風合い等を得ることが可能なフィラメント糸も好ましく使用できる。
【0014】
かかる竹繊維束あるいはビスコース法により製造した紡績糸は竹繊維成分100%を使用し、ビスコース法による竹セルロース成分100%で製造した原綿を使用し紡績した紡績糸を使用しても良いし、さらに該原綿と他の繊維、たとえば天然繊維、他のセルロース系化学繊維、あるいは、合成繊維との混紡糸の形態にして使用しても良い。また、織編物においては、これらの竹繊維を使用した紡績糸あるいはフィラメント糸は、竹繊維100%あるいは天然繊維や他のセルロース系化学繊維との組み合わせにより、最も風合い、表面感を表現できるが、着用時の物性面で問題、特に洗濯による寸法変化、着用時の皺の発生、耐久性に問題が多く、合成繊維と交織や交編の手段で布帛とすることが、最も風合いや表面感を表現し、着用や取り扱い上の問題を改善できるので好ましい。詳細には、竹繊維のみから織編物を作成すると、セルロース系繊維の特質であると考えられる湿潤時の繊維特性の変化、特に湿潤ヤング率の低下、膨潤性により、しわになりやすく、熱可塑性でないためプリーツ性がなく、また、ハリ、腰や反発性にも劣る。
【0015】
これに対し合成繊維を複合させた織編物とすることにより、防しわ性などのW&W性や、ハリ、腰を向上させ、更にはプリーツ性を付与することができる。
【0016】
竹繊維と合成繊維とを用いて複合織編物とする態様としては、前述のように混紡糸とするほか、例えば、織物または経編物においてはタテ糸またはヨコ糸に竹繊維を使用し、これに対してヨコ糸またはタテ糸に合成繊維を使用することができる。また、丸編物においては丸編機に仕掛ける際その配列を変更して交編することができる。
【0017】
複合織編物における合成繊維の混率は、30重量%〜70重量%が好ましい。30%以上とすることで、W&W性、腰、ハリ反発性等の合成繊維の効果を十分に発揮することができる。また70%以下とすることで、マイナスイオンの発生、抗菌性、吸・放湿性、独特のドライなタッチなど、竹繊維の性能を十分に発揮することができる。
【0018】
以下、本願発明において好ましく採用できる合成繊維の態様について順次説明する。
【0019】
(a)2種類以上のポリエステル系重合体がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された複合繊維が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。当該複合繊維は、織編物の染色加工工程に於けるリラックス熱処理で潜在する3次元捲縮をスプリング状に発現させることによって、構造的なふくらみとストレッチ性を付与する効果がある。
【0020】
当該複合繊維を構成する2成分のポリエステル系重合体としては、粘度差や共重合比率差を有することにより収縮率差を有することができる。また、その重合体自体が優れたストレッチ性を有することから、少なくとも1種類の重合体がポリトリメチレンテレフタレートであることが推奨できる。
【0021】
また当該複合繊維は、短繊維を紡績した紡績糸であっても良いが、特に優れたストレッチ性を得るには、マルチフィラメント糸としてその単繊維間の発現捲縮の位相が比較的揃った状態のコイル状に収束した状態で螺旋状コイル捲縮を発現させることにより、織編物に優れたストレッチ性、ハリ腰、反発性さらには軽量感を付与することができる。ここに示す螺旋状捲縮はフィラメント集合体の中心部に中空構造を有するもので形態概念としては、特開平11−43835号公報に示される形態を指すものである。この形態は、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維が、下記式で示す撚係数Kが5,000〜25,000の範囲でSまたはZ方向の実撚が付与されいることで得ることができる。
ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:複合糸条の繊度(dtex換算)
撚係数Kを5,000以上とすることで、布帛にハリ、腰、反発性およびストレッチ性を十分に付与することができる。また25,000以下とすることで、複合繊維の収束性をあまり大きくしすぎずに、ストレッチ性を得ることができる。
【0022】
また上記とは別の態様として、当該複合繊維の単繊維の断面形状をだるま型の様な非点対称形にすることによって単繊維間の発現捲縮の位相を不規則なものとし、実撚を付与しないで使用すると、織編物にシボを発生させず、優れたストレッチ性を付与することが可能となる。
【0023】
(b)湿熱処理または乾熱処理によって繊維収縮率を異にする少なくとも2種類以上からなる異収縮混繊糸が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0024】
当該異収縮混繊糸は、染色加工工程において熱処理によって糸長差を発現し、複合織編物に豊かな嵩高性を付与し、ふくらみによる構成原糸間の空隙を増加してセルロース系繊維の風合いを引き出すことが出来る。竹繊維の紡績糸は、湿熱、乾熱における繊維自身の収縮は小さく染色加工工程で布帛を構成する糸はほとんど動かないので糸自身が膨らんだり、組織構造的に動いたりしないので一般的に平坦な構造となり、人が握ったりしたときに感じる「ふくらみ」と言う感性的な要素においてふくらみがないという欠点として表現される。通常この感性的な感覚は当業者における判断基準があり普遍的なものであり、本願発明での異収縮混繊糸との複合し得られたテキスタイルに得られるふくらみ感は、複合しないものに比較してはっきりと違うものとして判断される。
【0025】
異収縮混繊糸の複合による効果として、ふくらみの向上といった感性面の効果に加えて、寸法安定性の向上、ピリングの発生の抑制がある。また、防しわ性の効果についても、本発明の中でも特に好ましい態様として効果を奏することができる。これらの効果は、異収縮混繊糸のふくらみ構造による布帛での糸の交差点における適度な拘束力で説明することができる。この適度な拘束力により布帛の反発性が生じ、布帛としてのふくらみ感も向上する。また、竹繊維は膨潤性があるので湿潤時に体積膨潤して布帛を構成する糸の交錯点での屈曲が大きくなり、布帛として縮んだり、湿潤時にヤング率が低下し、すなわち洗濯時に布帛が外力を受けたときに逆に伸びたりなど、布帛の寸法安定性や防しわ性に難があるが、適度な拘束力により、寸法安定性や防しわ性も向上する。また、ピリングの発生は一般的に紡績糸からの短繊維の毛羽が着用時あるいは洗濯時の外力によって滑脱してきたときに、細い繊維やヤング率の小さい繊維が太い繊維にまとわりつき絡みついて発生すると考えられているが、適度な拘束力により、紡績糸における竹繊維の滑脱を少なくする効果がある。
【0026】
当該異収縮混繊糸の構成は、合成繊維の熱可塑性を応用し、染色工程の精練・リラックスの湿熱処理、次工程の乾熱処理、さらに液流染色における湿熱処理等の熱履歴を受けたときに繊維のポリマーの熱的収縮挙動の違いによって発生する収縮差を持たせた組み合わせ、繊維の分子配向度の異なる組み合わせによって発生する収縮差等通常一般的に用いられている手段による方法で作られた複合糸であれば良い。また、高収縮糸と低収縮糸の組み合わせとして、熱処理がされたときいずれも収縮する組み合わせでも良いし、または、湿熱処理時に高収縮サイドは収縮するが低収縮サイドはほとんど収縮せず、その後の乾熱処理において高収縮サイドは少し収縮し、一方低収縮サイドは収縮しないで伸長するいわゆる自発伸長型である場合も好ましい。
【0027】
また、異収縮混繊糸は、前述のサイドバイサイド型または偏心芯鞘型の複合繊維と同様に、実撚または仮撚加工を施して使用しても良い。実撚を施す場合の撚係数Kとしては、糸のふくらみが阻害されない範囲として、10,000以下が好ましい。
【0028】
(c)仮撚加工されたフィラメント糸が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0029】
仮撚り加工糸は、ウーリー加工糸や、ニット用に主に使用される2ヒーター仮撚加工をしたブレリア加工糸のどちらでも良く、また、延伸糸に仮撚加工を施しても良いし、部分配向未延伸糸に仮撚加工を施すPOY−DTY糸でも良く、織編物の設計に応じて適宜選択できる。
【0030】
複合織編物の効果を高めるためには、仮撚り加工は先撚仮撚やさらにSまたはZ方向に追撚(実撚)を施した加工であっても良い。また、竹繊維紡績糸の風合いを活かすうえでは、複合仮撚加工糸との交編織による複合が推奨される。複合仮撚加工糸の代表的な構成としては、伸度差のある2糸条以上を引き揃えて仮撚加工することによって、伸度の小さい原糸の周りに伸度の大きい原糸が被覆した構造の複合仮撚加工糸が得られる。当該複合仮撚加工糸は、伸度の小さい原糸による糸と伸度の大きい原糸による糸とが糸長差を有するため、追撚を施すと伸度の小さい原糸による糸が芯部を構成し、その周りに伸度の大きい原糸による糸がランダムに巻き付いていくために撚糸上がりの糸は、非常に紡績糸に似た構造の複合構造糸となる。この場合撚糸数が少なすぎると鞘糸が芯部の糸に十分巻き付かないため織編物を作るときに工程通過性の問題を発生する傾向にある。また撚糸数が多すぎると鞘部の糸がきつく巻き付きすぎて風合いが堅くなる傾向にある。竹繊維の紡績糸との複合における伸度差を利用した複合仮撚加工糸に付与する追撚の撚係数Kは、SまたはZ方向に3,000〜27,000の範囲が好ましい。またこの複合仮撚加工糸の芯糸と鞘糸の糸長差が5〜35%の範囲にある場合、上記撚糸数との効果により、特に竹繊維紡績糸と相性の良い効果が得られる。
【0031】
(d)中空率10〜40%を有する中空繊維を30%以上含有する合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。これを採用することによって重衣料用途で優れた軽量性を発揮できる。
【0032】
竹繊維紡績糸との複合に適する中空繊維としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系の、長繊維糸、紡績糸のいずれでも良いが、衣料用途、生活資材用途等の用途や、高次加工における工程通過性を考慮して選択すると良い。 また中空繊維の形態として、前記したように繊維一本一本すべてが中空であり、紡糸段階で口金形状自体が中空繊維を得られる用設計されたものの他に、中実の単繊維断面を有する繊維を後加工の段階で処理して中空繊維とするものがある。複合織編物に軽量感を付与するためには、中空繊維のフィラメント糸やスパン糸をそのまま使用できるが、中空繊維に撚糸や仮撚り加工を施す場合には、撚の締め付けによる横圧によって大概の中空はまず潰れてしまうので中実の単繊維断面を有する繊維から作製される中空繊維を使用することが好ましい。
【0033】
(e)単繊維繊度が1dtex以下の極細繊維からなる合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。これを採用することによって、竹繊維のみでは表現することが不可能な、しっとりしたソフトなタッチを付与する効果が得られる。竹繊維を原料とするセルロース系繊維の紡績糸に使用される繊維は、細くとも1dtex程度であり繊維の性質からタッチが極細の繊細なソフトさは得られないのでポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系の長繊維、紡績糸を使用し複合織編物で従来得られなかった新しい感覚の布帛が得られる。極細繊維には、通常単独ポリマーを口金から紡糸し得られる直紡型をそのまま生糸で使用するか、仮撚加工、エアー加工等施して使用するが、より極細繊維として、海島構造型、割繊型原糸を使用して後処理により極細繊維を発現させても良い。なかでも直紡型極細繊維を使用した複合織編物は、海島型や割繊型極細繊維のような染色加工工程での化学薬品処理をしないので特に好ましい。
【0034】
(f)ポリウレタン系弾性繊維またはポリエーテル・エステル系弾性繊維を含む合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0035】
竹繊維を原料とするセルロース系繊維の紡績糸の特性として繊維自身がまず伸びることはなく、スパン構造糸としてのストレッチ性はないのだが、これらの弾性繊維は初期の伸長応力が低いので、織編物や衣料としてソフトストレッチ性を得ることができる。
【0036】
上記の弾性繊維を精紡機あるいは撚糸工程で引き揃えて竹繊維との複合紡績糸として製造・使用しても良いが、さらにナイロン、ポリエステル系合成繊維のフィラメント糸の生糸または仮撚加工糸と上記の弾性繊維とを引き揃えてカバリング、撚糸、インタレース等により加工した糸を竹繊維と組み合わせることも、好ましい態様である。というのは、竹繊維使いの紡績糸は繊維間の収束性による摩擦が大きく、また通常、ポリウレタン系弾性繊維やポリエーテル・エステル系弾性繊維も摩擦が高いために、布帛が伸長されて伸長する外力が除かれたときのバック性が低くなる傾向にある。その点、上記の弾性繊維と更に他の合成繊維と組み合わせることにより、繊維間の摩擦が小さくなって布帛のストレッチ・バック性に寄与することが出来る。繊維間の摩擦を小さくするという観点からは、他の合成繊維としては、嵩高性のあるものを使用するのも良い。とりわけ、(a)として前述したような、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された、3次元捲縮を発現する複合繊維も好ましい。
【0037】
尚、上記の弾性繊維を使用した織編物に対して染色加工工程を施す際には、収縮加工において、タテ糸とヨコ糸の収縮のバランスを考慮しながら行うのが好ましい。例えば、ヨコ糸の収縮が初期段階で大きすぎるとヨコ糸がタテ糸を押しのけてシボになりやすいため、タテ糸の張力を上げて加工する、あるいは、織物設計の際タテ糸サイドの織り密度を大きくし、縦方向のパワーを大きくする。あるいはタテ糸に使用する弾性繊維の繊度を太くするとした対応で問題を解決することが出来ることを見いだした。
【0038】
また、竹繊維と混紡するのに用いる合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0039】
さらに、合成繊維を構成するポリマーとして分散染料可染型の他、カチオン染料可染型や、常温・常圧可染可能型のものを用いても良い。また、艶消し剤、顔料、黄編防止剤、発色性改善剤等を含有していても良い。
【0040】
次に、竹繊維と複合して好ましく使用できるその他の天然繊維としては、木綿、麻、絹、羊毛、カシミア、アルパカ、モヘア、アンゴラなどを挙げることができる。また、月桃、ケナフ、亜麻(リネン)・苧麻(ラミー)、大麻を原料とした天然繊維や再生繊維も竹繊維ほどではないがマイナスイオンを発生するので、これらを混用しても良い。
【0041】
本発明の複合織編物は、竹繊維が織編物の表・裏の少なくとも一方の表面に10%以上占めていることが好ましく、より好ましくは30%以上である。そうすることで、マイナスイオンの発生、抗菌性、吸湿性といった竹繊維の特性を十分に発揮することができる。
【0042】
本発明の複合織編物は、マイナスイオンを発生する。具体的な発生量としては、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生することが好ましい。
【0043】
イオン発生量は、測定装置内に3枚の平行に並べられたプレート(平行平板形)の間にイオンを含む空気を流入させることにより、イオンの測定を行う。外側のプレートと中央のプレートとの間隔はそれぞれ4mmであり、分極電解は1000V/mとする。測定原理としては、外側の2枚のプレートは分極電位(+または−)を有し、中央のプレートは線形の検出プレートであり、中央のプレートを任意の電位に帯電させ、空気を流入させた後、任意時間経過後の電位差によって生じた単位体積あたりのイオン個数で表す。この原理はエーベルトイオンカウンターに属するものである。
【0044】
また本発明の複合織編物は、後述する実施例にて定義される静菌活性値が2.2以上の抗菌性有することが好ましい。
そうすることで、衣料用途として十分な抗菌防臭性を得ることができる。
【0045】
また本発明の複合織編物は、30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上であることが好ましく、吸・放湿率差(△MR)が9%以上あることが好ましい。
そうすることで、衣料用として十分に快適なものを得ることができる。より詳細な測定方法は、実施例中に後述する。
【0046】
本発明の複合織編物は衣料用途や生活資材用途に広く適用、対応できる。
比較的薄地の織編物は、比較的肌に直接接触する衣料として適用することによって、マイナスイオンによる癒しの効果や抗菌、防臭性および吸・放湿による着用の快適さの効果が実感でき肌着、ドレスシャツ、婦人用シャツ・ブラウスやオーバーブラウス、学童用スクールシャツ、ユニフォーム、スポーツ衣料、老人の衣料、介護衣料にも好ましく使用される。また、ポロシャツにも適しておりゴルフシャツだけでなく、一般的なカジュアルシャツにも好ましく採用される。また比較的厚地の織編物は薄地と違いどちらかと言えば外衣に適用するが最近は外衣も裏地を付けないで肌に直接着ることが増加し、着用時の快適性要求が高まっていることに対応できるものである。従って婦人用・紳士用のジャケット、パンツおよびスーツのような上物用途、また和装用途にも適用できる和装用途では浴衣、白衣、襦袢、半衿、作務衣にも適する。また生活資材用途としては、布団側地、シーツ、いすのカバー、イス張地、カーテン等、インテリア用途にも好ましく適用できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限り重量基準である。
【0048】
<評価方法>
実施例中での品質評価は次の方法に従った。
【0049】
[切断強度及び切断伸度]
JIS L1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」の「引張強さ及び伸び率」に準じて測定した。
【0050】
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、サンプルサイズ30cm×20cm
評価基準:測定時間10秒後のイオン平均発生量(個/cc)
で計測する。マイナスイオンが発生する場合は負の値、プラスイオンが発生する場合は正の値で示される。負の値と正の値の差し引きによってマイナスイオンの発生数とし、マイナス側で絶対値が1000個/cc以上のものを合格とした。
【0051】
[吸湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。
【0052】
ΔMRは、衣服を着用してから運動した時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
【0053】
[抗菌性]
評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
【0054】
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
【0055】
[織編物の品質]
洗濯寸法変化率、洗濯によるしわによる外観変化等の評価は、織物についてはJIS L1096「一般織物の試験方法」を、編物についてはJIS L1018「ニット生地試験方法」を適用した。
【0056】
(実施例1)
竹繊維として、中国産の竹を原料として単糸繊度1.1dtex、繊維長51mmの再生セルロース繊維のステープルファイバーをビスコース法により製造し、スフ紡方式により撚数22.6T/2.5cmで綿番手50番単糸の紡績糸を紡績した。この紡績糸をタテ糸としてサイジング、整経し、エアージェット織機に仕掛けた。
【0057】
合成繊維として、固有粘度(IV)が0.47のポリエチレンテレフタレートからなる低粘度成分と、固有粘度(IV)が0.75のポリエチレンテレフタレートからなる高粘度成分とを、重量複合比50:50で並列型(サイドバイサイド型)に貼り合わせた複合繊維を紡糸・延伸し、55dtex−12フィラメントの糸を製造した。このマルチフィラメントの収縮応力は0.38cN/dtexであった。このマルチフィラメント糸を2本用いて合糸後、ダブルツイスターで1,200T/M(撚り係数α=12,700)の追撚を施した。撚方向としては、S撚の糸条とZ撚の糸条の2種類を製造した。次いで、80℃で40分間真空スチームセットにより撚止めセットを行い、ヨコ糸とした。
【0058】
製織は生機のタテおよびヨコ密度をそれぞれ100本/2.54cm、75本/2.54cmとした。尚、ヨコ糸は、S撚のものとZ撚のものとを1本おきに打ち込んだ。
【0059】
当該生機に対して、120℃液流リラクッスを行い、180℃乾熱でピンテンターにより幅、長さ方向のしわのない状態でプレセットを実施し、引き続いてアルカリによる合成繊維部分の10%減量を行った後、液流染色機で130℃で合成繊維部分の分散染料による染色を行い、その後、竹セルロース繊維サイドを反応染料で染色し、160℃乾燥仕上げセットを実施した。
【0060】
仕上げ加工後のタテ、ヨコ密度はそれぞれ103本/2.54cm、98本/2.54cmであった。得られた織物の性能を調べた結果、ヨコ方向の織物伸長率は17%を有し、着用時に快適なストレッチ性を感じるレベルであった。表面のタッチはポリエステル100%使いに感じられる様なぬめり感がなく、竹セルロース繊維のサラッとした感触を持ち、表面感は紡績糸の糸むらによる自然な感じがし、スポーティーカジュアル感覚なアウトドアー用途やカジュアルパンツに適する交織織物であった。また、通常の紡績糸100%織物では得られないような、織物を握ったときのプリプリとした反発性があり、ガーメントにしたときシルエットのきっちりした仕立て映えのする生地であった。また、織物のヨコ糸断面を切断し、走査型顕微鏡で観察した結果、複合合成繊維のマルチフィラメント糸は撚糸されたマルチフィラメントの中心部に中空状の空洞構造を有するものが大半を占めていた。
【0061】
染色加工後のJIS L0217の103法洗濯条件による生地のJIS L1096による洗濯寸法変化率は、タテ・ヨコそれぞれ+0.3%、+0.2%であった。また、W&W性評価として行ったJIS L0217の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0062】
(実施例2)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同じ紡績糸を用いた。
【0063】
合成繊維として、ポリトリメチレンテレフタレート重合体を使用したサイドバイサイド型の複合繊維糸を用いた。
その製造の詳細は次の通りである。艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38(溶融粘度1280poise)のホモポリトリメチレンテレフタレートと、酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.65(溶融粘度280poise)のホモポリトリメチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度260℃で36孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り、179dtex、24フィラメントのサイドバイサイド型複合繊維の未延伸糸を得た。該未延伸糸の最大延伸倍率は4.6倍であった。さらに未延伸糸を環境温度25℃×2日間エージングした後、延伸機を用い、第1ホットロールの温度70℃、鏡面仕上げ(表面粗度0.8S)の第2ホットロールの温度35℃、第1ホットロールと第2ホットロール間の延伸倍率3.2倍(最大延伸倍率の70%)で延伸し、さらに第3ホットロールの温度170℃で第2ホットロールと第3ホットロール間のリラックス率13%とし、第3ホットロールとドローロールの間で1.02倍に延伸し、約56dtex、24フィラメントの延伸糸を得 た。なお、リラックス処理ゾーンの糸条張力は0.01cN/dtexであった。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。当該原糸は熱セット前の伸縮伸長率が30.8%の半顕在化捲縮により捲縮の位相がズレ、優れた嵩高性および伸縮特性を示した。また熱処理伸縮伸長率は63.9%であった。
【0064】
このサイドバイサイド型複合繊維糸を無撚でヨコ糸とし、竹繊維紡績糸のタテ糸に平組織に打ち込み、生機巾173cm(タテ密度101本/2.5cm、ヨコ密度96本/2.5cm)の生機をつくり、ソフサーにて60℃〜95℃の3槽のリラックス処理をした。処理後の巾は125cm、ヨコ密度は97本/2.5cmであった。続いてシルケット加工工程を通した。加工後の巾は120cm、ヨコ密度は98本/2.5cmであった。ピンテンターで180℃有り巾でセットを行い、染色温度120℃で分散染料で染色を行い、160℃で仕上げセットし、幅121cm、ヨコ密度99本/2.5cmの複合織物を得た。織物の表面はフラットでシボの発生がなく、ヨコ方向の捲縮発現により幅が大きく入ったため、経糸密度のコンパクトで従来の綿織物とひと味異なる高質感を有するものであった。また、従来のPET等のポリエステル系にはなかったソフトストレッチ性を有し、ソフトでふくらみのある風合いのものであった。当該織物の品質を検討した結果、洗濯寸法変化率は、一般織物の試験方法L1096法による寸法変化率はタテが+1.2%、ヨコが−0.5%、ストレッチ性評価として伸長率が33.3%、伸長回復率1時間後85.7%であった。W&W性評価としてJIS L2017の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0065】
(実施例3)
合成繊維として、ポリエチレンテレフタレートからなる複合混繊加工糸を用いた。その詳細は次の通りである。固有粘度(IV)が0.64のポリエチレンテレフタレート100%からなるポリマーを紡糸速度3,700m/分で巻き取り、繊度55dtex、24フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その物性測定の結果は切断強度2.9cN/dtex(3.3g/d)、切断伸度109%、沸水収縮率42%、複屈折率(△n)59×10−3であった。この高配向未延伸糸ドラムを愛機製作所製の、非接触型ヒーター付の混繊加工機AT501型のクリールに仕掛け、ヒーター温度を180℃に設定し、フィードローラーとデリベリーローラー間のオーバーフィード率を20%とし熱処理した。この弛緩熱処理をした高配向未延伸糸を単独で巻き取り、その原糸物性を測定した結果、98℃沸水収縮率は−1.6%、98℃沸水で熱処理した試料をさらに180℃乾熱フリーで処理したときの収縮率は−7.3%と、自発伸長性を示すものであった。
【0066】
そして、デリベリーローラー後の弛緩熱処理された高配向未延伸糸に固有粘度(IV)0.64のポリエチレンテレフタレート100%ポリマーから通常の紡糸延伸条件で得た33dtex、6フィラメントの高収縮マルチフィラメント糸を引き揃える形で同時に供給し、第2デリベリーローラー間に設置した交絡ノズルに交絡のかかる張力が0以下になるようにオーバーフィードで供給しインタレースによる混繊加工をした。供給糸である33dtex、6フィラメント糸のマルチフィラメント糸の原糸特性は、切断強度4.7cN/dtex(5.3g/d)、沸水収縮率19.0%、180℃乾熱収縮率15.5%であった。得られた2糸条複合混繊加工糸の特性は、繊度100dtex、切断強度1.8cN/dtex(2g/d)、切断伸度32.9%、沸水収縮率10.5%であった。この複合混繊加工糸のチーズからパーンワインダーでボビンに分割巻き取りし、次いで、村田機械(株)製ダブルツイスター308型で600T/Mの撚り数で追撚を行った。この追撚糸をワーパー(糊付無し)、ビーミングし、ウォータージェットルームのタテ糸として仕掛けた。
【0067】
竹繊維として、実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用い、ヨコ糸とした。
【0068】
上記のタテ糸、ヨコ糸から、平織物を製織した。生機のタテおよびヨコ密度は、それぞれ130本/2.54cm、75本/2.54cmとした。
【0069】
当該生機に対して、まず120℃液流リラクッスを行い、180℃乾熱でピンテンターにより幅、長さ方向のしわのない状態でプレセットを実施し、引き続いてアルカリによるポリエステルサイドの10%減量を行った後、液流染色機で130℃でポリエステルサイドの染色を行いその後竹繊維サイドを染色し、160℃乾燥仕上げセットを実施した。仕上げ加工後のタテ、ヨコ密度はそれぞれ1134本/2.54cm、89本/2.54cmであった。得られた織物の性能を調べた結果、表面のタッチは竹繊維のサラッとした感触にポリエステル自発伸長複合糸のふくらみとしっとりしたタッチが融合されて独特のソフトなタッチを持ち、表面感は紡績糸の糸むらによる自然な感じがし、エレガントカジュアル感覚な婦人用用途のジャケットに適する交織織物であった。また、通常の紡績糸100%織物では得られないような織物を握った時のプリプリとした反発性があり、ガーメントにしたときシルエットのきっちりした仕立て映えのする生地が得られた。
【0070】
生地の洗濯寸法変化率はタテ・ヨコそれぞれ+0.7%、+0.5%であった。また、W&W性評価としてJIS L0217の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−2,500(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.0%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0071】
(実施例4)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同じ紡績糸を用いた。
【0072】
合成繊維として、ポリエステル系伸度差複合POY−DTYを用いた。セミダルのポリエチレンテレフタレートを紡速3500m/分で紡糸した88dtex、24フィラメントの高配向未延伸糸と、それと同一のポリマーを紡糸・延伸して得た110dtex、36フィラメントの延伸糸という、配向特性を異にする2種のポリエステルマルチフィラメント糸を、それぞれ高速延伸仮撚加工機のクリールに仕掛け、フィードローラーに同時供給し、圧空による交絡インターレース処理に続いて、摩擦仮撚加工をし、巻き取った。得られた複合混繊加工糸は、延伸糸による糸を芯として高配向未延伸糸による糸がその周囲に絡み合った形態を有し、芯・鞘糸長差が25%で、繊度が198dtex、沸水収縮率が5.5%であった。当該複合混繊加工糸に対して、撚糸機でS撚り1500T/M(α=21,000)の追撚を施し、ヨコ糸とした。
【0073】
上記のタテ糸、ヨコ糸から、平織物を製織した。生機巾173cm、経密度130本/2.54cm、緯密度73本/2.54cmの生機をつくり、120℃液流リラックス処理をした後は、巾154cm、ヨコ密度76本/2.54cmであった。ピンテンターにて180℃有り巾でセットを行い、染色温度130℃で分散染料で染色を行い、160℃仕上げセットをし、幅152cm、ヨコ密度75本/2.54cmの複合布帛を得た。布帛の表面はフラットでシボの発生がなく、コンパクトで従来の紡績糸織物とはひと味異なるソフトでふくらみのある風合いの高質感を有するものであった。当該織物の品質を検討した結果、JISL0217の103法による洗濯寸法変化率は、JIS L 1096「一般織物の試験方法」でタテが+1.2%、ヨコが−0.5%であった。W&W性評価としてJIS L2017の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定は4級と5級の間でW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0074】
(実施例5)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同様の紡績糸を使用した。
【0075】
合成繊維として、カチオン可染型ポリエステルによる単繊維断面の中空率35%のマルチフィラメントの44dtex、12フィラメントを2本引きそろえて用いた。
【0076】
上記合成繊維を両面丸編機のダイアル側に給糸して編地裏面側構成糸とし、上記竹繊維紡績糸をシリンダー側に供給して編地表面側構成糸として、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。
【0077】
この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥、仕上加工を行い、40ウエル/2.54cm、50コース/2.54cm、目付が160g/m2 の編地を得た。JIS L0217の103法洗濯によるJIS L 1018「ニット生地試験方法」による洗濯寸法変化率は、タテ方向に+3%、ヨコ方向に−1%と問題のないレベルであった。また、マイナスイオン発生量−4,000(個/cc)、吸・放湿性5.2%、静菌活性値3.0の結果を得、いずれも合格のレベルにあった。生地は、非常に軽量感のあるものが得られた。
【0078】
(実施例6)
竹繊維として、中国産の竹を原料とするパルプをビスコース法によりアルカリザンテート化、ビスコース原液とし湿式紡糸法による110dtex、30フィラメントのマルチフィラメントを使用し合成繊維との複合織物を試作した。
【0079】
複合織物のに使用する合成繊維として、実施例2に使用したポリトリメチレンテレフタレート重合体を使用したサイドバイサイド型複合繊維糸56dtex24フィラメント糸を用いて、2本引き揃えて合糸し、フィラメント用ダブルツイスターで撚り数1,000T/Mの追撚を付与した。また竹を原料とするマルチフィラメント糸も1,500T/Mの追撚を施した。いずれの追撚糸も湿熱真空セット機で70℃で40分間の撚り止めセットを行った。引き続いて、部分整経のクリールに撚糸チーズを掛けて、1:1の配列による整経を行いウイバースビームを作成、経通しし、エアージェット織機に仕掛けた。緯糸には、緯糸には、竹繊維1.7dtex38mmの短繊維を100%で綿紡績式で得られたスパン糸tex番手14.75(英式綿番手40番)と経糸に使用した合成繊維の追撚糸を1:1の配列で緯糸打ち込みし、平織りものを製織した。生機の密度は、タテ87本/2.54cm、ヨコ80本/2.54cmであった。当該生機を、実施例2の染色加工条件に準じて実施した。仕上げセット後のタテ密度108本/2.54cm、ヨコ密度104本/2.54cmに設定し仕上げた。得られた織物は、タテおよびヨコ方向2ウエイに伸縮を有し、ナチュラルな光沢と斑感のあるきわめて新鮮な外観および従来になかった新しいタッチの有する織物であった。当該織物の性能評価を行った結果次のようであった。吸放湿性△MRは5.6%、マイナスイオン発生量は−3,500(個/cc)、抗菌防臭性は洗濯5回後の制菌活性値2.5、W&W性として洗濯5回後における寸法変化率および外観変化は、JIS L0217の103法洗濯によるJIS L1096評価基準で、寸法変化率がタテ−1.0%、ヨコ1.5%、外観変化4級であった。
【0080】
(比較例1)
天然セルロース系繊維である綿のコーマー通しの粗糸と繊度56dtex、36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を使用し、通常の綿紡式紡績工程の精紡機に仕掛け長短複合により、撚数22.6t/2.5cm(換算繊度116dtex、撚係数K=9,736)で50番手の長短複合糸を得た。この複合糸を単糸使いで、タテ糸、ヨコ糸に用い、タテ、ヨコ密度がそれぞれ113本/2.54cm、68本/2.54cmの平織物を得た。目付は117g/m2であった。当該生機に対して精練、漂白、シルケット加工を行ない、無地染し、仕上げ剤を付着させた後仕上げセットを行い、ドレスシャツ用織物を得た。当該織物の洗濯における寸法変化率は合格範囲であったが、機能性評価において、マイナスイオン発生量は、+500で発生は認められなかった。吸・放湿性は2.6%と低く、静菌活性値は0.3で不合格範囲のものであった。
【0081】
【発明の効果】
本発明により、高いマイナスイオン効果と、優れた抗菌性、さらに高い吸・放湿性を同時に満足し、洗濯における防しわ性などのW&W性に優れ、寸法変化の少ない形態安定性を有し、ハリ・腰・反発性、さらにはプリーツ性に優れた織編物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、織編物、特に衣料用織編物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問題が大きく取り上げられている。その中で、特に都会における日常生活では、排気ガス等により空気中のプラスイオンが増加し、マイナスイオンが減少した結果、環境に対して悪影響が生じ、我々の体に対しても、酸化腐敗、体内異常ならびに老化等の悪影響が生じていると言われている。環境、植物、水や我々の体までが弱酸性化している。
【0003】
一方、不足しているマイナスイオンを作り出し、弱酸性状態の環境や人体等を中性状態やアルカリ性状態に還元していくのがマイナスイオン効果である。マイナスイオンは自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生し、人々の心を安らげる癒し効果を発揮している。このようなマイナスイオンを発生するものにトルマリン鉱石や竹炭、などが見出されている。例えばトルマリン鉱石は、別名電気石と呼ばれ永久自発電気分極をしている物質で、外部からの応力でマイナスイオンを発生する。例えば、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着もしくは含有させたエレクトレット繊維が提案されている(特許文献1参照。)しかし、元来、トルマリン自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また微粒子化したものを繊維への付着させる場合、付着量が3〜4%と微量なため、マイナスイオン効果はそれほど期待できないという問題があった。
【0004】
また衣料用織編物としては、これまで数々のマイナスイオンを発生する製品が開発されているが、マイナスイオンを発生させるだけのものがほとんどであり、清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合、快適と感じるための適度な吸・放湿性を同時に有する衣料用織編物はこれまで存在しなかった。例えば、インド産の竹を原料とするセルロース繊維を含むセルロース繊維糸に関し、その繊維糸の繊度、繊維長、撚り数及びその範囲を規定し、従来のレーヨン繊維糸を使用した織編物に比較して、張りおよび腰、皺やへたりなどの課題を改善する繊維糸が提案されている(特許文献2参照。)しかしながら、この提案ではセルロースレーヨン繊維を合成繊維と複合混用する手段とその効果に関しては具体的に開示されておらず、マイナスイオンを発生し、竹を原料とするセルロース系繊維による洗濯性能改善、例えば寸法安定性、洗濯してもシワが出来にくく気軽に着られるウォッシュ・アンド・ウェア性(W&W性)、更には張り・腰と言った特性を改善することに関して言及されておらず、またその他伸縮性等の新しい効果を付与する新しい解決策を教示するものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−104926号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−115347号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高いマイナスイオン効果と、優れた抗菌性、さらに高い吸・放湿性を同時に満足し、洗濯における防しわ性などのW&W性に優れ、寸法変化の少ない形態安定性を有し、ハリ・腰・反発性、さらにはプリーツ性に優れた織編物を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、竹を原料とするセルロース系繊維と合成繊維とを含み、マイナスイオンを発生する複合織編物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、前記課題、つまり高いマイナスイオン効果と抗菌性と吸放湿性を有する繊維を求めて様々な繊維について鋭意検討し、竹を原料とするセルロース系繊維が極めて有効であることを見出したものである。
【0010】
なお、本発明において織編物とは織物と編物の総称を示す。
【0011】
本発明で用いる、竹を原料とするセルロース系繊維(以下、竹繊維とも呼ぶ。)は、天然に生育する竹あるいは栽培された竹を原料とする。
竹の原産地としては、アジアを中心に世界各国に広がっているが、特に中国産の竹が好ましく使用される。
【0012】
竹から繊維束として取り出したものあるいはこれら竹原料を一般の再生セルロース系繊維と同様な処理手段により、フィラメント糸や紡績糸を製造することができる。例えばビスコース法の場合、竹をアルカリ及び二硫化炭素と反応させ、アルカリデンサートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造する。他の製法としては、銅アンモニア法、直接溶解法や、アセテートなどの半合成繊維あるいは、熱可塑性セルロースとして溶融紡糸により製造する(熱可塑性セルロース化溶融紡糸法)ことができる。
竹繊維は、マイナスイオンの発生、抗菌性や吸・放湿性さらにはドライなタッチ等の優れた特徴を有する。
【0013】
かかる繊維の形態としては、フィラメント糸または紡績糸の形態としたものを使用することができる、自然な斑感を付与でき、良好なタッチを得られる点で紡績糸の方が好ましく、また合成繊維との複合においては、追撚をして配列による交織、交編等によって新しい表面変化、風合い等を得ることが可能なフィラメント糸も好ましく使用できる。
【0014】
かかる竹繊維束あるいはビスコース法により製造した紡績糸は竹繊維成分100%を使用し、ビスコース法による竹セルロース成分100%で製造した原綿を使用し紡績した紡績糸を使用しても良いし、さらに該原綿と他の繊維、たとえば天然繊維、他のセルロース系化学繊維、あるいは、合成繊維との混紡糸の形態にして使用しても良い。また、織編物においては、これらの竹繊維を使用した紡績糸あるいはフィラメント糸は、竹繊維100%あるいは天然繊維や他のセルロース系化学繊維との組み合わせにより、最も風合い、表面感を表現できるが、着用時の物性面で問題、特に洗濯による寸法変化、着用時の皺の発生、耐久性に問題が多く、合成繊維と交織や交編の手段で布帛とすることが、最も風合いや表面感を表現し、着用や取り扱い上の問題を改善できるので好ましい。詳細には、竹繊維のみから織編物を作成すると、セルロース系繊維の特質であると考えられる湿潤時の繊維特性の変化、特に湿潤ヤング率の低下、膨潤性により、しわになりやすく、熱可塑性でないためプリーツ性がなく、また、ハリ、腰や反発性にも劣る。
【0015】
これに対し合成繊維を複合させた織編物とすることにより、防しわ性などのW&W性や、ハリ、腰を向上させ、更にはプリーツ性を付与することができる。
【0016】
竹繊維と合成繊維とを用いて複合織編物とする態様としては、前述のように混紡糸とするほか、例えば、織物または経編物においてはタテ糸またはヨコ糸に竹繊維を使用し、これに対してヨコ糸またはタテ糸に合成繊維を使用することができる。また、丸編物においては丸編機に仕掛ける際その配列を変更して交編することができる。
【0017】
複合織編物における合成繊維の混率は、30重量%〜70重量%が好ましい。30%以上とすることで、W&W性、腰、ハリ反発性等の合成繊維の効果を十分に発揮することができる。また70%以下とすることで、マイナスイオンの発生、抗菌性、吸・放湿性、独特のドライなタッチなど、竹繊維の性能を十分に発揮することができる。
【0018】
以下、本願発明において好ましく採用できる合成繊維の態様について順次説明する。
【0019】
(a)2種類以上のポリエステル系重合体がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された複合繊維が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。当該複合繊維は、織編物の染色加工工程に於けるリラックス熱処理で潜在する3次元捲縮をスプリング状に発現させることによって、構造的なふくらみとストレッチ性を付与する効果がある。
【0020】
当該複合繊維を構成する2成分のポリエステル系重合体としては、粘度差や共重合比率差を有することにより収縮率差を有することができる。また、その重合体自体が優れたストレッチ性を有することから、少なくとも1種類の重合体がポリトリメチレンテレフタレートであることが推奨できる。
【0021】
また当該複合繊維は、短繊維を紡績した紡績糸であっても良いが、特に優れたストレッチ性を得るには、マルチフィラメント糸としてその単繊維間の発現捲縮の位相が比較的揃った状態のコイル状に収束した状態で螺旋状コイル捲縮を発現させることにより、織編物に優れたストレッチ性、ハリ腰、反発性さらには軽量感を付与することができる。ここに示す螺旋状捲縮はフィラメント集合体の中心部に中空構造を有するもので形態概念としては、特開平11−43835号公報に示される形態を指すものである。この形態は、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維が、下記式で示す撚係数Kが5,000〜25,000の範囲でSまたはZ方向の実撚が付与されいることで得ることができる。
ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:複合糸条の繊度(dtex換算)
撚係数Kを5,000以上とすることで、布帛にハリ、腰、反発性およびストレッチ性を十分に付与することができる。また25,000以下とすることで、複合繊維の収束性をあまり大きくしすぎずに、ストレッチ性を得ることができる。
【0022】
また上記とは別の態様として、当該複合繊維の単繊維の断面形状をだるま型の様な非点対称形にすることによって単繊維間の発現捲縮の位相を不規則なものとし、実撚を付与しないで使用すると、織編物にシボを発生させず、優れたストレッチ性を付与することが可能となる。
【0023】
(b)湿熱処理または乾熱処理によって繊維収縮率を異にする少なくとも2種類以上からなる異収縮混繊糸が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0024】
当該異収縮混繊糸は、染色加工工程において熱処理によって糸長差を発現し、複合織編物に豊かな嵩高性を付与し、ふくらみによる構成原糸間の空隙を増加してセルロース系繊維の風合いを引き出すことが出来る。竹繊維の紡績糸は、湿熱、乾熱における繊維自身の収縮は小さく染色加工工程で布帛を構成する糸はほとんど動かないので糸自身が膨らんだり、組織構造的に動いたりしないので一般的に平坦な構造となり、人が握ったりしたときに感じる「ふくらみ」と言う感性的な要素においてふくらみがないという欠点として表現される。通常この感性的な感覚は当業者における判断基準があり普遍的なものであり、本願発明での異収縮混繊糸との複合し得られたテキスタイルに得られるふくらみ感は、複合しないものに比較してはっきりと違うものとして判断される。
【0025】
異収縮混繊糸の複合による効果として、ふくらみの向上といった感性面の効果に加えて、寸法安定性の向上、ピリングの発生の抑制がある。また、防しわ性の効果についても、本発明の中でも特に好ましい態様として効果を奏することができる。これらの効果は、異収縮混繊糸のふくらみ構造による布帛での糸の交差点における適度な拘束力で説明することができる。この適度な拘束力により布帛の反発性が生じ、布帛としてのふくらみ感も向上する。また、竹繊維は膨潤性があるので湿潤時に体積膨潤して布帛を構成する糸の交錯点での屈曲が大きくなり、布帛として縮んだり、湿潤時にヤング率が低下し、すなわち洗濯時に布帛が外力を受けたときに逆に伸びたりなど、布帛の寸法安定性や防しわ性に難があるが、適度な拘束力により、寸法安定性や防しわ性も向上する。また、ピリングの発生は一般的に紡績糸からの短繊維の毛羽が着用時あるいは洗濯時の外力によって滑脱してきたときに、細い繊維やヤング率の小さい繊維が太い繊維にまとわりつき絡みついて発生すると考えられているが、適度な拘束力により、紡績糸における竹繊維の滑脱を少なくする効果がある。
【0026】
当該異収縮混繊糸の構成は、合成繊維の熱可塑性を応用し、染色工程の精練・リラックスの湿熱処理、次工程の乾熱処理、さらに液流染色における湿熱処理等の熱履歴を受けたときに繊維のポリマーの熱的収縮挙動の違いによって発生する収縮差を持たせた組み合わせ、繊維の分子配向度の異なる組み合わせによって発生する収縮差等通常一般的に用いられている手段による方法で作られた複合糸であれば良い。また、高収縮糸と低収縮糸の組み合わせとして、熱処理がされたときいずれも収縮する組み合わせでも良いし、または、湿熱処理時に高収縮サイドは収縮するが低収縮サイドはほとんど収縮せず、その後の乾熱処理において高収縮サイドは少し収縮し、一方低収縮サイドは収縮しないで伸長するいわゆる自発伸長型である場合も好ましい。
【0027】
また、異収縮混繊糸は、前述のサイドバイサイド型または偏心芯鞘型の複合繊維と同様に、実撚または仮撚加工を施して使用しても良い。実撚を施す場合の撚係数Kとしては、糸のふくらみが阻害されない範囲として、10,000以下が好ましい。
【0028】
(c)仮撚加工されたフィラメント糸が竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0029】
仮撚り加工糸は、ウーリー加工糸や、ニット用に主に使用される2ヒーター仮撚加工をしたブレリア加工糸のどちらでも良く、また、延伸糸に仮撚加工を施しても良いし、部分配向未延伸糸に仮撚加工を施すPOY−DTY糸でも良く、織編物の設計に応じて適宜選択できる。
【0030】
複合織編物の効果を高めるためには、仮撚り加工は先撚仮撚やさらにSまたはZ方向に追撚(実撚)を施した加工であっても良い。また、竹繊維紡績糸の風合いを活かすうえでは、複合仮撚加工糸との交編織による複合が推奨される。複合仮撚加工糸の代表的な構成としては、伸度差のある2糸条以上を引き揃えて仮撚加工することによって、伸度の小さい原糸の周りに伸度の大きい原糸が被覆した構造の複合仮撚加工糸が得られる。当該複合仮撚加工糸は、伸度の小さい原糸による糸と伸度の大きい原糸による糸とが糸長差を有するため、追撚を施すと伸度の小さい原糸による糸が芯部を構成し、その周りに伸度の大きい原糸による糸がランダムに巻き付いていくために撚糸上がりの糸は、非常に紡績糸に似た構造の複合構造糸となる。この場合撚糸数が少なすぎると鞘糸が芯部の糸に十分巻き付かないため織編物を作るときに工程通過性の問題を発生する傾向にある。また撚糸数が多すぎると鞘部の糸がきつく巻き付きすぎて風合いが堅くなる傾向にある。竹繊維の紡績糸との複合における伸度差を利用した複合仮撚加工糸に付与する追撚の撚係数Kは、SまたはZ方向に3,000〜27,000の範囲が好ましい。またこの複合仮撚加工糸の芯糸と鞘糸の糸長差が5〜35%の範囲にある場合、上記撚糸数との効果により、特に竹繊維紡績糸と相性の良い効果が得られる。
【0031】
(d)中空率10〜40%を有する中空繊維を30%以上含有する合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。これを採用することによって重衣料用途で優れた軽量性を発揮できる。
【0032】
竹繊維紡績糸との複合に適する中空繊維としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系の、長繊維糸、紡績糸のいずれでも良いが、衣料用途、生活資材用途等の用途や、高次加工における工程通過性を考慮して選択すると良い。 また中空繊維の形態として、前記したように繊維一本一本すべてが中空であり、紡糸段階で口金形状自体が中空繊維を得られる用設計されたものの他に、中実の単繊維断面を有する繊維を後加工の段階で処理して中空繊維とするものがある。複合織編物に軽量感を付与するためには、中空繊維のフィラメント糸やスパン糸をそのまま使用できるが、中空繊維に撚糸や仮撚り加工を施す場合には、撚の締め付けによる横圧によって大概の中空はまず潰れてしまうので中実の単繊維断面を有する繊維から作製される中空繊維を使用することが好ましい。
【0033】
(e)単繊維繊度が1dtex以下の極細繊維からなる合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。これを採用することによって、竹繊維のみでは表現することが不可能な、しっとりしたソフトなタッチを付与する効果が得られる。竹繊維を原料とするセルロース系繊維の紡績糸に使用される繊維は、細くとも1dtex程度であり繊維の性質からタッチが極細の繊細なソフトさは得られないのでポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系の長繊維、紡績糸を使用し複合織編物で従来得られなかった新しい感覚の布帛が得られる。極細繊維には、通常単独ポリマーを口金から紡糸し得られる直紡型をそのまま生糸で使用するか、仮撚加工、エアー加工等施して使用するが、より極細繊維として、海島構造型、割繊型原糸を使用して後処理により極細繊維を発現させても良い。なかでも直紡型極細繊維を使用した複合織編物は、海島型や割繊型極細繊維のような染色加工工程での化学薬品処理をしないので特に好ましい。
【0034】
(f)ポリウレタン系弾性繊維またはポリエーテル・エステル系弾性繊維を含む合成繊維が、竹繊維と組み合わせる合成繊維として好ましい。
【0035】
竹繊維を原料とするセルロース系繊維の紡績糸の特性として繊維自身がまず伸びることはなく、スパン構造糸としてのストレッチ性はないのだが、これらの弾性繊維は初期の伸長応力が低いので、織編物や衣料としてソフトストレッチ性を得ることができる。
【0036】
上記の弾性繊維を精紡機あるいは撚糸工程で引き揃えて竹繊維との複合紡績糸として製造・使用しても良いが、さらにナイロン、ポリエステル系合成繊維のフィラメント糸の生糸または仮撚加工糸と上記の弾性繊維とを引き揃えてカバリング、撚糸、インタレース等により加工した糸を竹繊維と組み合わせることも、好ましい態様である。というのは、竹繊維使いの紡績糸は繊維間の収束性による摩擦が大きく、また通常、ポリウレタン系弾性繊維やポリエーテル・エステル系弾性繊維も摩擦が高いために、布帛が伸長されて伸長する外力が除かれたときのバック性が低くなる傾向にある。その点、上記の弾性繊維と更に他の合成繊維と組み合わせることにより、繊維間の摩擦が小さくなって布帛のストレッチ・バック性に寄与することが出来る。繊維間の摩擦を小さくするという観点からは、他の合成繊維としては、嵩高性のあるものを使用するのも良い。とりわけ、(a)として前述したような、サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された、3次元捲縮を発現する複合繊維も好ましい。
【0037】
尚、上記の弾性繊維を使用した織編物に対して染色加工工程を施す際には、収縮加工において、タテ糸とヨコ糸の収縮のバランスを考慮しながら行うのが好ましい。例えば、ヨコ糸の収縮が初期段階で大きすぎるとヨコ糸がタテ糸を押しのけてシボになりやすいため、タテ糸の張力を上げて加工する、あるいは、織物設計の際タテ糸サイドの織り密度を大きくし、縦方向のパワーを大きくする。あるいはタテ糸に使用する弾性繊維の繊度を太くするとした対応で問題を解決することが出来ることを見いだした。
【0038】
また、竹繊維と混紡するのに用いる合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維およびアクリル系繊維から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0039】
さらに、合成繊維を構成するポリマーとして分散染料可染型の他、カチオン染料可染型や、常温・常圧可染可能型のものを用いても良い。また、艶消し剤、顔料、黄編防止剤、発色性改善剤等を含有していても良い。
【0040】
次に、竹繊維と複合して好ましく使用できるその他の天然繊維としては、木綿、麻、絹、羊毛、カシミア、アルパカ、モヘア、アンゴラなどを挙げることができる。また、月桃、ケナフ、亜麻(リネン)・苧麻(ラミー)、大麻を原料とした天然繊維や再生繊維も竹繊維ほどではないがマイナスイオンを発生するので、これらを混用しても良い。
【0041】
本発明の複合織編物は、竹繊維が織編物の表・裏の少なくとも一方の表面に10%以上占めていることが好ましく、より好ましくは30%以上である。そうすることで、マイナスイオンの発生、抗菌性、吸湿性といった竹繊維の特性を十分に発揮することができる。
【0042】
本発明の複合織編物は、マイナスイオンを発生する。具体的な発生量としては、1000個/cc以上のマイナスイオンが発生することが好ましい。
【0043】
イオン発生量は、測定装置内に3枚の平行に並べられたプレート(平行平板形)の間にイオンを含む空気を流入させることにより、イオンの測定を行う。外側のプレートと中央のプレートとの間隔はそれぞれ4mmであり、分極電解は1000V/mとする。測定原理としては、外側の2枚のプレートは分極電位(+または−)を有し、中央のプレートは線形の検出プレートであり、中央のプレートを任意の電位に帯電させ、空気を流入させた後、任意時間経過後の電位差によって生じた単位体積あたりのイオン個数で表す。この原理はエーベルトイオンカウンターに属するものである。
【0044】
また本発明の複合織編物は、後述する実施例にて定義される静菌活性値が2.2以上の抗菌性有することが好ましい。
そうすることで、衣料用途として十分な抗菌防臭性を得ることができる。
【0045】
また本発明の複合織編物は、30℃×90%RHにおける吸湿率が18%以上であることが好ましく、吸・放湿率差(△MR)が9%以上あることが好ましい。
そうすることで、衣料用として十分に快適なものを得ることができる。より詳細な測定方法は、実施例中に後述する。
【0046】
本発明の複合織編物は衣料用途や生活資材用途に広く適用、対応できる。
比較的薄地の織編物は、比較的肌に直接接触する衣料として適用することによって、マイナスイオンによる癒しの効果や抗菌、防臭性および吸・放湿による着用の快適さの効果が実感でき肌着、ドレスシャツ、婦人用シャツ・ブラウスやオーバーブラウス、学童用スクールシャツ、ユニフォーム、スポーツ衣料、老人の衣料、介護衣料にも好ましく使用される。また、ポロシャツにも適しておりゴルフシャツだけでなく、一般的なカジュアルシャツにも好ましく採用される。また比較的厚地の織編物は薄地と違いどちらかと言えば外衣に適用するが最近は外衣も裏地を付けないで肌に直接着ることが増加し、着用時の快適性要求が高まっていることに対応できるものである。従って婦人用・紳士用のジャケット、パンツおよびスーツのような上物用途、また和装用途にも適用できる和装用途では浴衣、白衣、襦袢、半衿、作務衣にも適する。また生活資材用途としては、布団側地、シーツ、いすのカバー、イス張地、カーテン等、インテリア用途にも好ましく適用できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限り重量基準である。
【0048】
<評価方法>
実施例中での品質評価は次の方法に従った。
【0049】
[切断強度及び切断伸度]
JIS L1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」の「引張強さ及び伸び率」に準じて測定した。
【0050】
[イオン発生量]
測定装置:AIR ION COUNTER IC−1000(アルファ・LAB社(USA)製)
測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ3m×5m×5m、測定時間10秒、吸引量12L/分、サンプル振動周期3回/秒、サンプルサイズ30cm×20cm
評価基準:測定時間10秒後のイオン平均発生量(個/cc)
で計測する。マイナスイオンが発生する場合は負の値、プラスイオンが発生する場合は正の値で示される。負の値と正の値の差し引きによってマイナスイオンの発生数とし、マイナス側で絶対値が1000個/cc以上のものを合格とした。
【0051】
[吸湿性(ΔMR)]
ΔMR(%)=MR2−MR1
ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当する。
【0052】
ΔMRは、衣服を着用してから運動した時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4%、ウールで6%と言われている。
【0053】
[抗菌性]
評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
【0054】
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とした。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
【0055】
[織編物の品質]
洗濯寸法変化率、洗濯によるしわによる外観変化等の評価は、織物についてはJIS L1096「一般織物の試験方法」を、編物についてはJIS L1018「ニット生地試験方法」を適用した。
【0056】
(実施例1)
竹繊維として、中国産の竹を原料として単糸繊度1.1dtex、繊維長51mmの再生セルロース繊維のステープルファイバーをビスコース法により製造し、スフ紡方式により撚数22.6T/2.5cmで綿番手50番単糸の紡績糸を紡績した。この紡績糸をタテ糸としてサイジング、整経し、エアージェット織機に仕掛けた。
【0057】
合成繊維として、固有粘度(IV)が0.47のポリエチレンテレフタレートからなる低粘度成分と、固有粘度(IV)が0.75のポリエチレンテレフタレートからなる高粘度成分とを、重量複合比50:50で並列型(サイドバイサイド型)に貼り合わせた複合繊維を紡糸・延伸し、55dtex−12フィラメントの糸を製造した。このマルチフィラメントの収縮応力は0.38cN/dtexであった。このマルチフィラメント糸を2本用いて合糸後、ダブルツイスターで1,200T/M(撚り係数α=12,700)の追撚を施した。撚方向としては、S撚の糸条とZ撚の糸条の2種類を製造した。次いで、80℃で40分間真空スチームセットにより撚止めセットを行い、ヨコ糸とした。
【0058】
製織は生機のタテおよびヨコ密度をそれぞれ100本/2.54cm、75本/2.54cmとした。尚、ヨコ糸は、S撚のものとZ撚のものとを1本おきに打ち込んだ。
【0059】
当該生機に対して、120℃液流リラクッスを行い、180℃乾熱でピンテンターにより幅、長さ方向のしわのない状態でプレセットを実施し、引き続いてアルカリによる合成繊維部分の10%減量を行った後、液流染色機で130℃で合成繊維部分の分散染料による染色を行い、その後、竹セルロース繊維サイドを反応染料で染色し、160℃乾燥仕上げセットを実施した。
【0060】
仕上げ加工後のタテ、ヨコ密度はそれぞれ103本/2.54cm、98本/2.54cmであった。得られた織物の性能を調べた結果、ヨコ方向の織物伸長率は17%を有し、着用時に快適なストレッチ性を感じるレベルであった。表面のタッチはポリエステル100%使いに感じられる様なぬめり感がなく、竹セルロース繊維のサラッとした感触を持ち、表面感は紡績糸の糸むらによる自然な感じがし、スポーティーカジュアル感覚なアウトドアー用途やカジュアルパンツに適する交織織物であった。また、通常の紡績糸100%織物では得られないような、織物を握ったときのプリプリとした反発性があり、ガーメントにしたときシルエットのきっちりした仕立て映えのする生地であった。また、織物のヨコ糸断面を切断し、走査型顕微鏡で観察した結果、複合合成繊維のマルチフィラメント糸は撚糸されたマルチフィラメントの中心部に中空状の空洞構造を有するものが大半を占めていた。
【0061】
染色加工後のJIS L0217の103法洗濯条件による生地のJIS L1096による洗濯寸法変化率は、タテ・ヨコそれぞれ+0.3%、+0.2%であった。また、W&W性評価として行ったJIS L0217の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0062】
(実施例2)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同じ紡績糸を用いた。
【0063】
合成繊維として、ポリトリメチレンテレフタレート重合体を使用したサイドバイサイド型の複合繊維糸を用いた。
その製造の詳細は次の通りである。艶消し剤として酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.38(溶融粘度1280poise)のホモポリトリメチレンテレフタレートと、酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.65(溶融粘度280poise)のホモポリトリメチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸温度260℃で36孔の複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し、紡糸速度1400m/分で引取り、179dtex、24フィラメントのサイドバイサイド型複合繊維の未延伸糸を得た。該未延伸糸の最大延伸倍率は4.6倍であった。さらに未延伸糸を環境温度25℃×2日間エージングした後、延伸機を用い、第1ホットロールの温度70℃、鏡面仕上げ(表面粗度0.8S)の第2ホットロールの温度35℃、第1ホットロールと第2ホットロール間の延伸倍率3.2倍(最大延伸倍率の70%)で延伸し、さらに第3ホットロールの温度170℃で第2ホットロールと第3ホットロール間のリラックス率13%とし、第3ホットロールとドローロールの間で1.02倍に延伸し、約56dtex、24フィラメントの延伸糸を得 た。なお、リラックス処理ゾーンの糸条張力は0.01cN/dtexであった。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。当該原糸は熱セット前の伸縮伸長率が30.8%の半顕在化捲縮により捲縮の位相がズレ、優れた嵩高性および伸縮特性を示した。また熱処理伸縮伸長率は63.9%であった。
【0064】
このサイドバイサイド型複合繊維糸を無撚でヨコ糸とし、竹繊維紡績糸のタテ糸に平組織に打ち込み、生機巾173cm(タテ密度101本/2.5cm、ヨコ密度96本/2.5cm)の生機をつくり、ソフサーにて60℃〜95℃の3槽のリラックス処理をした。処理後の巾は125cm、ヨコ密度は97本/2.5cmであった。続いてシルケット加工工程を通した。加工後の巾は120cm、ヨコ密度は98本/2.5cmであった。ピンテンターで180℃有り巾でセットを行い、染色温度120℃で分散染料で染色を行い、160℃で仕上げセットし、幅121cm、ヨコ密度99本/2.5cmの複合織物を得た。織物の表面はフラットでシボの発生がなく、ヨコ方向の捲縮発現により幅が大きく入ったため、経糸密度のコンパクトで従来の綿織物とひと味異なる高質感を有するものであった。また、従来のPET等のポリエステル系にはなかったソフトストレッチ性を有し、ソフトでふくらみのある風合いのものであった。当該織物の品質を検討した結果、洗濯寸法変化率は、一般織物の試験方法L1096法による寸法変化率はタテが+1.2%、ヨコが−0.5%、ストレッチ性評価として伸長率が33.3%、伸長回復率1時間後85.7%であった。W&W性評価としてJIS L2017の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0065】
(実施例3)
合成繊維として、ポリエチレンテレフタレートからなる複合混繊加工糸を用いた。その詳細は次の通りである。固有粘度(IV)が0.64のポリエチレンテレフタレート100%からなるポリマーを紡糸速度3,700m/分で巻き取り、繊度55dtex、24フィラメントの高配向未延伸糸を得た。その物性測定の結果は切断強度2.9cN/dtex(3.3g/d)、切断伸度109%、沸水収縮率42%、複屈折率(△n)59×10−3であった。この高配向未延伸糸ドラムを愛機製作所製の、非接触型ヒーター付の混繊加工機AT501型のクリールに仕掛け、ヒーター温度を180℃に設定し、フィードローラーとデリベリーローラー間のオーバーフィード率を20%とし熱処理した。この弛緩熱処理をした高配向未延伸糸を単独で巻き取り、その原糸物性を測定した結果、98℃沸水収縮率は−1.6%、98℃沸水で熱処理した試料をさらに180℃乾熱フリーで処理したときの収縮率は−7.3%と、自発伸長性を示すものであった。
【0066】
そして、デリベリーローラー後の弛緩熱処理された高配向未延伸糸に固有粘度(IV)0.64のポリエチレンテレフタレート100%ポリマーから通常の紡糸延伸条件で得た33dtex、6フィラメントの高収縮マルチフィラメント糸を引き揃える形で同時に供給し、第2デリベリーローラー間に設置した交絡ノズルに交絡のかかる張力が0以下になるようにオーバーフィードで供給しインタレースによる混繊加工をした。供給糸である33dtex、6フィラメント糸のマルチフィラメント糸の原糸特性は、切断強度4.7cN/dtex(5.3g/d)、沸水収縮率19.0%、180℃乾熱収縮率15.5%であった。得られた2糸条複合混繊加工糸の特性は、繊度100dtex、切断強度1.8cN/dtex(2g/d)、切断伸度32.9%、沸水収縮率10.5%であった。この複合混繊加工糸のチーズからパーンワインダーでボビンに分割巻き取りし、次いで、村田機械(株)製ダブルツイスター308型で600T/Mの撚り数で追撚を行った。この追撚糸をワーパー(糊付無し)、ビーミングし、ウォータージェットルームのタテ糸として仕掛けた。
【0067】
竹繊維として、実施例1で用いたのと同様の紡績糸を用い、ヨコ糸とした。
【0068】
上記のタテ糸、ヨコ糸から、平織物を製織した。生機のタテおよびヨコ密度は、それぞれ130本/2.54cm、75本/2.54cmとした。
【0069】
当該生機に対して、まず120℃液流リラクッスを行い、180℃乾熱でピンテンターにより幅、長さ方向のしわのない状態でプレセットを実施し、引き続いてアルカリによるポリエステルサイドの10%減量を行った後、液流染色機で130℃でポリエステルサイドの染色を行いその後竹繊維サイドを染色し、160℃乾燥仕上げセットを実施した。仕上げ加工後のタテ、ヨコ密度はそれぞれ1134本/2.54cm、89本/2.54cmであった。得られた織物の性能を調べた結果、表面のタッチは竹繊維のサラッとした感触にポリエステル自発伸長複合糸のふくらみとしっとりしたタッチが融合されて独特のソフトなタッチを持ち、表面感は紡績糸の糸むらによる自然な感じがし、エレガントカジュアル感覚な婦人用用途のジャケットに適する交織織物であった。また、通常の紡績糸100%織物では得られないような織物を握った時のプリプリとした反発性があり、ガーメントにしたときシルエットのきっちりした仕立て映えのする生地が得られた。
【0070】
生地の洗濯寸法変化率はタテ・ヨコそれぞれ+0.7%、+0.5%であった。また、W&W性評価としてJIS L0217の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定はクラス4レベルでW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−2,500(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.0%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0071】
(実施例4)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同じ紡績糸を用いた。
【0072】
合成繊維として、ポリエステル系伸度差複合POY−DTYを用いた。セミダルのポリエチレンテレフタレートを紡速3500m/分で紡糸した88dtex、24フィラメントの高配向未延伸糸と、それと同一のポリマーを紡糸・延伸して得た110dtex、36フィラメントの延伸糸という、配向特性を異にする2種のポリエステルマルチフィラメント糸を、それぞれ高速延伸仮撚加工機のクリールに仕掛け、フィードローラーに同時供給し、圧空による交絡インターレース処理に続いて、摩擦仮撚加工をし、巻き取った。得られた複合混繊加工糸は、延伸糸による糸を芯として高配向未延伸糸による糸がその周囲に絡み合った形態を有し、芯・鞘糸長差が25%で、繊度が198dtex、沸水収縮率が5.5%であった。当該複合混繊加工糸に対して、撚糸機でS撚り1500T/M(α=21,000)の追撚を施し、ヨコ糸とした。
【0073】
上記のタテ糸、ヨコ糸から、平織物を製織した。生機巾173cm、経密度130本/2.54cm、緯密度73本/2.54cmの生機をつくり、120℃液流リラックス処理をした後は、巾154cm、ヨコ密度76本/2.54cmであった。ピンテンターにて180℃有り巾でセットを行い、染色温度130℃で分散染料で染色を行い、160℃仕上げセットをし、幅152cm、ヨコ密度75本/2.54cmの複合布帛を得た。布帛の表面はフラットでシボの発生がなく、コンパクトで従来の紡績糸織物とはひと味異なるソフトでふくらみのある風合いの高質感を有するものであった。当該織物の品質を検討した結果、JISL0217の103法による洗濯寸法変化率は、JIS L 1096「一般織物の試験方法」でタテが+1.2%、ヨコが−0.5%であった。W&W性評価としてJIS L2017の103法洗濯、乾燥5回繰り返し後の洗濯による外観変化いわゆる皺のレベルは、判定基準としてのレプリカの防しわ性6段階による判定は4級と5級の間でW&W性を有していた。また機能性は、マイナスイオン発生量が−3,000(個/cc)、吸・放湿性△MRが5.7%、静菌活性値が3.0でそれぞれ効果有りの合格結果を得た。
【0074】
(実施例5)
竹繊維として、実施例1で用いたのと同様の紡績糸を使用した。
【0075】
合成繊維として、カチオン可染型ポリエステルによる単繊維断面の中空率35%のマルチフィラメントの44dtex、12フィラメントを2本引きそろえて用いた。
【0076】
上記合成繊維を両面丸編機のダイアル側に給糸して編地裏面側構成糸とし、上記竹繊維紡績糸をシリンダー側に供給して編地表面側構成糸として、裏面側ハニカムリバーシブル編組織となる丸編地を編成した。
【0077】
この編地を通常の丸編地の染色法に準じ、リラックス・精練と染色および乾燥、仕上加工を行い、40ウエル/2.54cm、50コース/2.54cm、目付が160g/m2 の編地を得た。JIS L0217の103法洗濯によるJIS L 1018「ニット生地試験方法」による洗濯寸法変化率は、タテ方向に+3%、ヨコ方向に−1%と問題のないレベルであった。また、マイナスイオン発生量−4,000(個/cc)、吸・放湿性5.2%、静菌活性値3.0の結果を得、いずれも合格のレベルにあった。生地は、非常に軽量感のあるものが得られた。
【0078】
(実施例6)
竹繊維として、中国産の竹を原料とするパルプをビスコース法によりアルカリザンテート化、ビスコース原液とし湿式紡糸法による110dtex、30フィラメントのマルチフィラメントを使用し合成繊維との複合織物を試作した。
【0079】
複合織物のに使用する合成繊維として、実施例2に使用したポリトリメチレンテレフタレート重合体を使用したサイドバイサイド型複合繊維糸56dtex24フィラメント糸を用いて、2本引き揃えて合糸し、フィラメント用ダブルツイスターで撚り数1,000T/Mの追撚を付与した。また竹を原料とするマルチフィラメント糸も1,500T/Mの追撚を施した。いずれの追撚糸も湿熱真空セット機で70℃で40分間の撚り止めセットを行った。引き続いて、部分整経のクリールに撚糸チーズを掛けて、1:1の配列による整経を行いウイバースビームを作成、経通しし、エアージェット織機に仕掛けた。緯糸には、緯糸には、竹繊維1.7dtex38mmの短繊維を100%で綿紡績式で得られたスパン糸tex番手14.75(英式綿番手40番)と経糸に使用した合成繊維の追撚糸を1:1の配列で緯糸打ち込みし、平織りものを製織した。生機の密度は、タテ87本/2.54cm、ヨコ80本/2.54cmであった。当該生機を、実施例2の染色加工条件に準じて実施した。仕上げセット後のタテ密度108本/2.54cm、ヨコ密度104本/2.54cmに設定し仕上げた。得られた織物は、タテおよびヨコ方向2ウエイに伸縮を有し、ナチュラルな光沢と斑感のあるきわめて新鮮な外観および従来になかった新しいタッチの有する織物であった。当該織物の性能評価を行った結果次のようであった。吸放湿性△MRは5.6%、マイナスイオン発生量は−3,500(個/cc)、抗菌防臭性は洗濯5回後の制菌活性値2.5、W&W性として洗濯5回後における寸法変化率および外観変化は、JIS L0217の103法洗濯によるJIS L1096評価基準で、寸法変化率がタテ−1.0%、ヨコ1.5%、外観変化4級であった。
【0080】
(比較例1)
天然セルロース系繊維である綿のコーマー通しの粗糸と繊度56dtex、36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を使用し、通常の綿紡式紡績工程の精紡機に仕掛け長短複合により、撚数22.6t/2.5cm(換算繊度116dtex、撚係数K=9,736)で50番手の長短複合糸を得た。この複合糸を単糸使いで、タテ糸、ヨコ糸に用い、タテ、ヨコ密度がそれぞれ113本/2.54cm、68本/2.54cmの平織物を得た。目付は117g/m2であった。当該生機に対して精練、漂白、シルケット加工を行ない、無地染し、仕上げ剤を付着させた後仕上げセットを行い、ドレスシャツ用織物を得た。当該織物の洗濯における寸法変化率は合格範囲であったが、機能性評価において、マイナスイオン発生量は、+500で発生は認められなかった。吸・放湿性は2.6%と低く、静菌活性値は0.3で不合格範囲のものであった。
【0081】
【発明の効果】
本発明により、高いマイナスイオン効果と、優れた抗菌性、さらに高い吸・放湿性を同時に満足し、洗濯における防しわ性などのW&W性に優れ、寸法変化の少ない形態安定性を有し、ハリ・腰・反発性、さらにはプリーツ性に優れた織編物を提供することができる。
Claims (12)
- 竹を原料とするセルロース系繊維と合成繊維とを含み、マイナスイオンを発生する複合織編物。
- 合成繊維が、2種類以上のポリエステル系重合体がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維である請求項1記載の複合織編物。
- 2種類以上のポリエステル系重合体のうち、少なくとも1種類がポリトリメチレンテレフタレートを主たる構成成分としたポリエステルである請求項2に記載の複合織編物。
- サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合した複合繊維が、下記式で示す撚係数Kが5,000〜25,000の範囲でSまたはZ方向の実撚を付与され、マルチフィラメント糸条としての螺旋状捲縮を有しまたは発現し、糸軸方向に中空状の空洞構造を有するまたは発現する請求項2または3に記載の複合織編物。
ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:複合糸条の繊度(dtex換算) - 合成繊維が、湿熱処理または乾熱処理によって繊維収縮率を異にする少なくとも2種類以上の合成繊維からなる異収縮混繊糸である請求項1記載の複合織編物。
- 合成繊維が、仮撚加工されたフィラメント糸である請求項1〜5のいずれかに記載の複合織編物。
- 仮撚加工された合成繊維が、伸度の異なる少なくとも2種類以上の合成繊維からなり5〜35%の糸長差を有する複合仮撚加工糸である請求項6に記載の複合織編物。
- 合成繊維の複合仮撚加工糸が、下記式で示す撚係数Kが3,000〜27,000の範囲でSまたはZ方向の実撚を付与されてなる請求項7に記載の複合織編物。
ただし、撚係数K=T×D0.5
T:糸長1m当たりの撚数、
D:複合糸条の繊度(dtex換算) - 合成繊維が、中空率10〜40%の中空繊維を30%以上含有する請求項1記載の複合織編物。
- 合成繊維が、単繊維繊度が1dtex以下の極細繊維からなる請求項1記載の複合織編物。
- 合成繊維が、ポリウレタン系弾性繊維またはポリエーテル・エステル系弾性繊維を含む請求項1記載の複合織編物。
- 竹を原料とするセルロース系繊維がビスコース法、銅アンモニア法、溶剤紡糸法および熱可塑性セルロース化溶融紡糸法、から選ばれるいずれかの方法で製糸したフィラメント糸である請求項1〜10のいずれかに記載の複合織編物。
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