JP2004117373A - データ解析装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
空中計測された送電線及びその近くの樹木の位置データから送電線とその近接接樹との接触の可能性を精度よく算定する。
【解決手段】
測地座標を与えられたレーザ反射点のデータベースから電線データのみを抽出し(st.431)、その電線データを使い各電線のカテナリ(弛み)を求める(st.432)。電線カテナリからその交点を求め、支持点位置を決定する(st.433)。データファイルから鉄塔部のデータを抽出し、その中心点の座標を計算する(st.434)。電線カテナリと電線・鉄塔以外のデータを使い、接近木との離隔を解析する(st.435)。
【選択図】 図11
空中計測された送電線及びその近くの樹木の位置データから送電線とその近接接樹との接触の可能性を精度よく算定する。
【解決手段】
測地座標を与えられたレーザ反射点のデータベースから電線データのみを抽出し(st.431)、その電線データを使い各電線のカテナリ(弛み)を求める(st.432)。電線カテナリからその交点を求め、支持点位置を決定する(st.433)。データファイルから鉄塔部のデータを抽出し、その中心点の座標を計算する(st.434)。電線カテナリと電線・鉄塔以外のデータを使い、接近木との離隔を解析する(st.435)。
【選択図】 図11
Description
本発明は、データ解析装置及び方法に関し、より具体的には、航空機から地上の設備及び樹木等の三次元の座標データを計測する計測システムにおけるデータ解析装置及び方法に関する。
この種の空中レーザ計測システムでは、地物の相対的な離隔を計測するのではなく、すべてのレーザ反射点について測地座標を計測するので、地形図を作成でき、地形の経時変化を計測できる。
また、地上に標定点を設置する必要がないことから、現地立ち入りが困難な災害箇所の地形測量や積雪量調査などにも応用が可能である。とくに、データ収録およびデータ処理が自動化されているので、写真測量法に比べて結果を得るまでの時間が極端に短く、防災情報収集など緊急を要する業務に適用できる。
航空機、とくに、ヘリコプタにレーザ測距装置を搭載して送電線と線下の樹木との離隔を測定し、管理伐採のための基礎資料を得る方法として、特許文献1に記載される「地上断面のプロフィールおよび離隔測定方法および装置」、及び特許文献2に記載される「接近木離隔検出装置」が知られている。
特開平6−313715号公報
特開平7−043109号公報
しかし、特許文献1に記載の構成では、使用するレーザ測距装置のレーザパルス周波数が低くヘリコプタの移動速度を10km/h程度とせざるを得ない問題点があった。ヘリコプタは、この程度の速度では姿勢維持が極めて困難であり、離隔測定の規準となる機体位置の再現が困難となり、得られる結果が不正確に成らざるを得なかった。また、この程度の移動速度では、作業効率が悪く、実用性の点でも問題があった。
特許文献2に記載の構成では、測定時点における送電線と樹木との相対的な位置関係を測定することが強調され、これらの情報が測定結果の最終利用者(送電線管理者)が受ける法的規準を満たす内容になっていない問題があった。
また、技術的にも以下に示す幾つかの問題点があった。
第1に、航空機の機軸に直交するスキャニング方式であるので、レーザパルスの地上に於ける軌跡がジグザグになり、軌跡の折り返し点付近でレーザパルス同志が重なり合う一方、折り返し点同志の間隔が開いてしまう。すなわち、反射点データに粗密が生じ、測定漏れが起きやすかった。
第2に、送電線を横断するレーザパルスの軌跡断面で電線と樹木の離隔を測定しているので、軌跡断面が電線に直交していない場合、正しい電線との離隔が得られない。また、軌跡断面が通過していない部分では、接近木の情報が得られない。
第3に、レーザ出力が小さく且つビーム幅が大きいので、送電線に接近して斜めから測定を行うことになり、レーザパルスの地面への透過性が悪く、接近木の樹高が測定しにくい。重要な管理基準である樹木転倒時の離隔量を計算できない。
第4に、管理伐採の作業のためには、接近木の位置が正しく地図上に記載される事が必要であるが、従来の方法は、鉄塔からの相対距離をGPSで測定しており、機上で判定した樹木座標と現実の樹木座標との誤差が大きく、正しい接近木の位置が得られていない。
第5に、電線のカテナリとその支持点の位置は、異常温度の電線位置および横揺れ時の電線位置などを決める技術基準(架空送電線路調査測量基準)上、重要な情報である。しかし、従来の離隔測定では、レーザパルス軌跡断面上の電線と樹木反射点の離隔のみを対象としており、技術基準の要求を満たすことが出来ない。
第6に、レーザパルス軌跡断面に沿って、1本の樹木でも複数の反射点データが得られる。しかし、技術基準の上では樹木が管理対象であることから、樹頂からの反射点を一つだけ選び出す必要がある。従来の技術では、樹木を代表する樹頂部と側の枝部が区別できないので、管理に必要な接近木の位置を正確に指定することが出来ない不都合があった。
第7に、接近木の位置及び電線との離隔は、正確に管理地図の上に描出される必要がある。しかし、従来の方式では、電線と樹木の相対的な離隔のみが計測されるので、地図への転写及び管理のためのデータベース化が困難であった。
第8に、これらの問題点が複合する事によって、迅速で正確な測定が妨げられ、また、管理伐採のための精度の高い最終的成果を提供することが困難であった。
ヘリコプタにレーザ測距装置を搭載して行う従来の接近木調査法は、測定漏れを防止するために、低速かつ低空で送電線に接近して運航せざるを得ず、作業効率が悪いばかりでなく、作業の安全性にも問題があった。特に、低速運航に伴う機体位置の不安定性は、測定結果の位置精度に大きく影響を与えていた。
また、管理伐採のための帳票や図面は、当該技術規準に即した形で出力することが求められる。このためには、送電線と樹木の位置を測地座標系に正しく関係づけることが必要であり、測定時ばかりでなく、異常温度時の電線位置、横揺れ時の電線位置と樹木との離隔、及び樹木転倒時の離隔を求める必要がある。
すなわち、安全でかつ作業効率の良い空中測定に精度の高い自動解析処理を付加し、測定から出力までを一貫した流れで実施する接近木調査法が求められていた。
本発明は、このような問題点に鑑み、空中計測された送電線及びその近くの樹木の位置データから送電線とその近接接樹との接触の可能性を精度よく算定できるデータ解析装置及び方法を提示することを目的とする。
本発明に係るデータ解析装置は、飛行体から地上にレーザ光を照射して計測した送電線及びその近くの樹木の位置データを解析するデータ解析装置であって、当該送電線の計測位置データからそのカテナリを算定するカテナリ算定手段と、当該樹木の代表点を決定する代表点決定手段と、当該カテナリ算定手段の算定結果及び当該送電線の近くの樹木の代表点の位置データを参照し、当該送電線の揺れ及び当該樹木の倒壊による当該送電線とその近くの樹木との接触の可能性を算定する接触可能性算定手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係るデータ解析方法は、飛行体から地上にレーザ光を照射して計測した送電線及びその近くの樹木の位置データを解析するデータ解析方法であって、当該送電線の計測位置データからそのカテナリを算定するカテナリ算定ステップと、当該樹木の代表点を決定する代表点決定ステップと、当該カテナリ算定ステップの算定結果及び当該送電線の近くの樹木の代表点の位置データを参照し、当該送電線の揺れ及び当該樹木の倒壊による当該送電線とその近くの樹木との接触の可能性を算定する接触可能性算定ステップとを具備することを特徴とする。
本発明によれば、送電線とその近接接樹との接触の可能性を精度よく算定できる。これにより、送電線の管理保守が容易になる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明の一実施例における航空機用空中レーザ計測装置100は、図1に示すように、地形・樹木・送電線の測地座標を計測する空中システム101と、接近木調査技術規準に則った解析を行う地上解析システム102からなり、従来の航空写真測量による接近木管理システム103とリンクする。
空中システム101の後述するレーザ測距装置は、反射鏡等を使用しないで長距離を測定できる高周波レーザ測距装置に2軸ガルボミラースキャナを一体化させたセンサ部と、レーザパルスの走時検出部を具備する。これらによって検出された走時データ、反射率データおよびミラースキャニングデータは、専用の操作パネルで制御する制御メインコンピュータおよびこれをサポートする副コンピュータによって処理され、記録部のデータテープに記録される。
空中測定システム101で使用する高周波レーザ測距装置は、クラス4の規格を持つ高出力のタイプで、ノンミラーの場合、一般の地物に対しては750m、直径1cmの電線に対しては、350mの距離から反射信号を捕らえることができる。すなわち、接近木調査で、150m程度の高度から測定する場合、より高い反射強度が得られることにより、測定漏れがなく計測精度が高い結果が得られる。また、レーザパルスの周波数は25kHzであり、高密度の反射データが得られるので、樹木の先端部の測定漏れが生じない。
図7は、空中測定システム101の概略構成ブロック図を示す。図7を参照して、空中測定システム100のスキャニングレーザ測距装置210/220を説明する。
レーザ発生器211で作られたレーザパルスは、レーザヘッドより一旦コリメータ212に送られ、ビーム幅が広狭の2段階に調整され、2軸ガルボミラースキャナ213に送られる。2軸で振動するスキャナ213は、コリメータ212からの調整の済んだレーザパルスを反射し、平行な軌跡を地上に描いて移動するように地上に向けて送信する。この時、レーザパルスの一部は参照光としてレーザレシーバ221に直接、送られる。また、スキャナ213のスキャニング角θx,θyが記録され、制御コンピュ−タ200に送られる。
地上設備及び樹木などからの反射レーザパルスは、スキャナミラー213でレーザレシーバ221に導かれる。レーザレシーバ221は、反射レーザパルスを上述の参照光と比較し、弁別器222は、ファーストモード或いはラストモードでレシーバ221の比較結果を識別する。走時計測器223は、弁別器222の弁別結果を走時データに変換し、反射率データRと共に制御コンピュータ200に送信する。
レーザレシーバ221は、レーザパルスの走時データの他に、反射強度を測定できる。針葉樹では反射強度が相対的に小さく広葉樹では大きい性質を利用して、反射強度は、樹種を判別することに使われる。特に、本実施例では、地理的に高密度なデータを得られるので、地表の3次元情報に濃淡が加わった疑似画像モデルが得られ、ビデオ映像と組み合わせて詳細な解析が出来る。
2軸ガルボミラースキャナ213は、航空機の進行方向(Y軸)と、その直交方向(X軸)の両方向に同時に振動する機構を持つ。すなわち、航空機が静止している時、レーザパルスの軌跡は図2の121に示すX字状となり、Voの速度で飛行している時、X軸方向のスキャン速度Vyを同期させることにより、図2の122に示す平行な走査線が得られるようになっている。
走査線の幅(W)及びスキャン速度(Vx,Vy)は、調査の目的にあわせ飛行速度(Vo)と共にオペレータが決定し、操作パネルで制御する。走査線の幅(W)及びスキャン速度(Vx,Vy)の例を図2に123/124として図示した。図2に124で示すように、レーザビームの像が互いに接するように測定すると、効率的に調査出来るが、測定から漏れる部分ができる。図2の123に示すように、レーザパルスを50%重ねると、測定漏れは起きないが、調査効率が悪い実際には、この中間の状態でオペレータが制御する。
接近木測定では、図3の131で示すような広いビームのレーザパルスを用い、地形測定では、枝葉を通過しやすい狭いビームのレーザパルスを使う。
測定モードには、図3の132に示すように、最初の反射パルスをとるファーストモード(F)と、最後の反射パルスをとるラストモードがあり、前者を接近木測定に使い、後者を地形測量に使う。それぞれ、t1,t2の往復走時より距離を計算する。レーザパルスと測定モードの組み合わせ例を図3の133に示す。
レーザパルスの送受信点Aから反射点Bまでの距離(D)は、往復走時(t)を使い、
D=c×t/2
で求められる。但し、cはレーザ光の大気中の速度を示す。図4の141は、点A,Bの位置関係と座標系を示す。
D=c×t/2
で求められる。但し、cはレーザ光の大気中の速度を示す。図4の141は、点A,Bの位置関係と座標系を示す。
D、送受信点Aの位置(X0,Y0,Z0)および反射点Bの位置(X1,Y1,Z1)の間には、
D=√{(X1−X0)2+(Y1−Y0)2+(Z1−Z0)2}
になる関係がある。測地座標に対するヘリコプタの傾きとスキャナ213のスキャニング角度とから、図4に142で示すように、鉛直方向Cに対するレーザパルスの方向角(θx,θy)を求め、その角度θx,θyと、送受信点Aの座標(X0,Y0,Z0)と、距離Dとから、反射点Bの座標(X1,Y1,Z1)を求めることができる。
D=√{(X1−X0)2+(Y1−Y0)2+(Z1−Z0)2}
になる関係がある。測地座標に対するヘリコプタの傾きとスキャナ213のスキャニング角度とから、図4に142で示すように、鉛直方向Cに対するレーザパルスの方向角(θx,θy)を求め、その角度θx,θyと、送受信点Aの座標(X0,Y0,Z0)と、距離Dとから、反射点Bの座標(X1,Y1,Z1)を求めることができる。
座標計算において、スキャナ213の走査角及び機体の姿勢による送受信器の回転角から得られるレーザパルスの方向角の誤差は、150mの距離でたかだか20cm以下であり、実用上、問題ない。例えば、振動角の精度は0.05度以内であり、150mでは13cmに過ぎない。
空中測定システム101には、レーザ送受信点位置を決定するためにGPS(Global Positioning System)部240,250が組み込まれている。GPS部240は、複数のアンテナと受信機からなり、ヘリコプタに設置される。GPS部250は、地上の定点に設置され、参照データを測定する。地上GPS250は、参照精度を高めるために、必要に応じ複数を用意される。GPS部240,250の構成及び配置例を図6に示す。
反射点Bの座標に最も大きく影響するのは、GPS側位による送受信点Aの位置精度である。GPS測位では、衛星の配置や電離層の影響で、時々刻々、測定位置が図5の151に示すように変化する。これらの測定位置は、図5の152に示すように、統計的に真の座標に近づけることができるので、地上GPS250(163)の測定データを参照して、デファレンシャル処理を行う。また、GPS信号の搬送波の位相成分を利用するキネマテック処理を行い、より正確な位置を求める。
デファレンシャル処理では、地上のGPSデータと空中のGPSデータは同一の衛星(複数)からの電波を測定したものであることが条件になるが、航空機ではアンテナの設置場所が限られるので、ヘリコプタのマスト164(図6)など、受信している衛星の一部が機体により遮蔽される事がおきる。これを避けるには、空中GPS部240として、複数のアンテナ161,162とそれぞれに対応するレシーバを用意する。複数の受信結果を相互に参照することで、精度の悪化を防止する。
GPS時計の計時データは、制御コンピュータ200に送られ、他のデータとのタイミングをとるのにも使用される。
図7に示すように、空中測定システム101には、機体姿勢検出のための慣性センサ装置260が組み込まれている。これにより、機体の運動方向、並びに、測地座標に対するレーザ測距装置の傾き及び位置が検出され、制御コンピュータ200を介してレーザ反射走時等のデータと共に記録媒体に記録される。
空中測定システム101には更に、直下の測定対象の映像を記録するビデオカメラ270が備えてあり、レーザ反射率データと組み合わせて、正確な樹種・林相判別に利用される。ビデオカメラ270からの映像信号は、制御コンピュータ200からの注釈情報をスーパーインポーズされて、ビデオレコーダ232に記録される。この注釈情報は、他のデータとの整合をとるのに使用される。
レーザデータ及び慣性センサデータは、原データファイルに編集され、テープドライブ231に送られ記録される。
測定結果を記録する原データファイル、GPSデータ(GPS1,2,・・・)ファイル及びビデオテープを、地上解析システム290に持ち込み、各データを解析する。
図8は、地上解析システム102(290)の概略構成ブロック図を示す。図8に示すように、地上解析システム290は、大容量記憶装置340を接続するパーソナルコンピュータ320をメインとし、レーザデータ読取器310、解析結果表示モニタ331、図表及び画像イメージ出力装置332、ビデオ再生装置333並びにバックアップデータ読取器350から構成される。
空中データの収録時間は、最大2時間である。原データテープ301に記録されるレーザ反射データは約2億個となる。原データテープ301に記録される原データは、大容量記憶装置340に一旦格納され、解析の必要に応じコンピュータ320に読み出される。
GPSデータ302は、直接、コンピュ−タ320に読み込まれ、内蔵の記憶装置に格納される。
ビデオテープ303の記録映像は、ビデオ再生装置で再生されるが、コンピュータ320によってその再生動作が制御され、必要な箇所の映像が再生される。
データ処理及び解析に必要な送電線や鉄塔の情報304は、オペレータによって決まったフォーマットに従ってコンピュータ320に入力され、データベースに格納される。
オペレータは、解析結果表示モニタ331で各ステップの結果を確認しながら、対話式にデータ処理・解析を行う。データ処理・解析の個々のプロセスは、それぞれ自動的に実行される。
解析結果は、コンピュータ320のデータベースに保管されると共に、目的に応じて図表および画像出力装置332から出力され、バックアップテープ350に別途保管される。管理伐採情報は、接近木管理システム360にオフラインで提供出来るようになっている。
図9は、コンピュータ320におけるデータ処理・解析処理の構成図を示す。図9に示すように、データ処理・解析は、データ処理st.401、1次解析処理st.402、2次解析処理st.403、図表出力st.405及び成果作成st.406から成り、オペレータが個々の処理を任意に選択し、必要な情報をデータベース及びバックアップ400から読み出して実行する。
図10は、データ処理(St.401)の詳細なフロー構成を示す。ファーストモードデータ421は、専用のソフトウエアにより以下のステップで自動的に処理される。即ち、レーザ原データ、GPSデータ(地上・空中)および送電線情報を読み取り、再配列する(st.411)。空中GPSデータ及び地上GPSデータを用いて、キネマテックデファレンシャル処理を行う(st.412)。航空機の3次元航跡を計算する(st.413)。時刻、走時、スキャナ振動角、姿勢回転角データ及びGPSデータから、レーザパルス反射点の測地座標値を計算する(st.414)。データ処理結果をデータベースに格納する(st.415)。地形測量モードのデータ422も同様に処理して、データベースに格納する。
図11は、1次解析処理の詳細なフロー構成を示す。1次解析処理は、測地座標を与えられたレーザ反射点のデータベース430を処理し、図11に示す各ファイルを作成する行程である。即ち、電線データのみを後述の方法で抽出し(st.431)、その電線データを使い各電線のカテナリ(弛み)を求める(st.432)。電線カテナリからその交点を求め、支持点位置を決定する(st.433)。データファイルから鉄塔部のデータを抽出し、その中心点の座標を計算する(st.434)。電線カテナリと電線・鉄塔以外のデータを使い、接近木との離隔を解析する(st.435)。この段階における離隔解析は、測定時点の電線位置に対して実行される。従って、この解析結果は、速報としてユーザに報告される。次に、各データファイルを作成し、記録する(st.436)。
地形測量モードで測定されたデータは、データベースから同一の演算部に読み出され、次の処理が行われてそれぞれのデータファイルが作成される。即ち、地盤以外のデータを除去し(st.437)、DTMを作成する(st.438)。
レーザパルスのスキャニングの結果は、通常、図12のようになる。すなわち、電線441、樹木442及び地面443からの反射点が、レーザパルスの軌跡に沿って分布している。これらのデータから電線を分離するには、スキャニングの順序に従って順番に航空機からの離隔を比較し、その変動を調べる。例えば、a点からb点に移った時、d1という大きな差があり、c点に戻ったときd2なる小さな離隔に戻った場合、
d1=|a−b| >>> d2=|a−c|
b点を電線と判定する。このように電線と判定したデータのみを残し、電線データファイルを作成する。
d1=|a−b| >>> d2=|a−c|
b点を電線と判定する。このように電線と判定したデータのみを残し、電線データファイルを作成する。
地形計測に於ける地表面データ抽出でも、同じように前後のデータを比較することによって、不要なデータを取り除くことが出来る。
次に、電線データを垂直方向に一定の層準(上の例では第1層から第4層まで)に区分し、さらに水平方向に区分することで、電線1本毎のデータ群が求められる。
各電線のデータを用い、3次元で最適な電線カテナリ曲線式を求めることにより、測定時点のカテナリモデルが各電線について得られる。次に、同一層準の片側の電線について、隣り合う鉄塔区間のカテナリーモデル445/446(図12)を使い、支持点447の座標を計算によって求める。すなわち、2つの2次曲線の共通の解が、支持点447の座標値である。
2次解析(st.403)では、異常温度カテナリ・横揺計算処理、樹木代表点抽出処理及び樹高計算処理の後、接近木離隔解析及び林相解析を実行する。
図13に示すように、異常温度カテナリ・横揺計算処理では、鉄塔・支持点ファイル501並びに鉄塔の形状及びガイシ型などの送電線設備情報ファイル502を使い、異常温度の時の電線カテナリ及び電線が風などで横揺れしたときの位置を計算し(st.503)、ファイルを作成する(st.504)。
図14及び図15において、電線カテナリから支持点2,4が得られる。1−2間及び4−5間のガイシの長さは、予め分かっている。したがって、支持点2,4の位置及び少なくとも1点の電線位置3が分かれば、電線のカテナリ521(図14)が再現可能である。異常温度の時の電線カテナリ522(図14)は、異常な電線温度を与えたときの電線の伸びについて、線膨張率を用いて弛みを計算し、最下点3’の位置を決定して求められる。
電線の横揺れ解析では、支持点を固定して縄跳びのような運動した時に電線が掃く曲面531(図15)を求める。静止時にaに位置する電線は風などによりbを経てcに移動する。この時、図15に532で示すように、支持点を結んだ架空の線上のP点を中心とした円弧を描く。P点を支持点から次の支持点まで移動させ、各位置での円弧の軌跡を求めれば、電線の横揺れ位置が決定できる。横揺れの角度は、通常、せいぜい±60度程度まででよい。
図16は、樹木代表点抽出処理のフローを示す。レーザ原データファイルを処理し、電線反射点データを除いた残りの反射点データファイルを、主として樹木反射点から成る樹木反射点ファイルとする(st.541)。これに樹木代表点抽出処理を適用し(st.542)、樹木代表点ファイルを作成する(st.543)。
レーザデータは、レーザパルスが走査した全域をカバーしているが、1本の樹木についてみると、1つのデータが対応しているわけでなく、多数のデータから構成されている。管理伐採における樹木管理は、1本毎の樹木単位で行われているので、樹木の代表点を決める必要がある。樹木代表点抽出処理(st.542)では、樹形の対称性を考慮し、最も高い標高を示す反射点を樹木代表点とする。図17は、各樹木の代表点551,552,553を例示する。
樹木反射点データを地平面に展開すると、図18の561に示すように、標高の高い点を標高点の低い点が取り巻くように分布する。斜面では、標高の高い点Hが一方の縁に偏るが、低い点に囲まれる関係は変わらない。これらのデータに対して、任意の大きさのメッシュエリア562を用意し、周囲のメッシュに比べ高い標高を示す反射点を含むメッシュを抽出する。抽出したメッシュの枠内にサイズの小さいメッシュを更に設定し、最も高い点を持つメッシュを選ぶ。これを繰り返し、最終的に残った点を、代表点とする。
図19に示すように、樹木代表点データ571と地形データ(DTM)572とから、各樹高を計算する。地形データファイルはDTMの形で格納されている(図20の581参照)。すなわち、地表反射点の粗密によるデータのばらつきを押さえるため、非測定個所のデータが補完されている。図20の582に示すように、この地形データに樹木代表点の平面座標値(X,Y)を重ねると、DTMから作られる斜めの三角平面に点が落とされる。図20の583に示すように、三角平面上の標高を内挿計算し、その点の標高を求め、樹木代表点の標高との差を取れば、樹高が得られる。
図21及び図22に示すように、接近木離隔解析では、1次解析及び2次解析の結果から得られる各種データファイル601〜606から、解析装置607が、接近木に関わる電線静止離隔、電線横揺れ離隔、樹木転倒離隔及び異常温度時の離隔を解析する。出力装置610が、その解析結果を、接近木離隔平面図、接近木離隔検討図及び離隔解析結果表として出力すると共に、これらのデータは、データファイル609としてFDなどの媒体に記録され、接近木管理システム620に送られる。
ユーザは、接近木管理システム620で、新しい接近木離隔情報によってデータを更新すると共に、これらを管理伐採計画の立案や接近木の管理に利用する。
レーザ反射点データは、反射点の座標(X,Y,Z)の他に、反射強度Reの情報を持っている。これを利用すると樹種が判別できる。例えば、このシステムで使用しているレーザ光の波長は近赤外領域にあり、植物の活性度に関係する。例えば、広葉樹では針葉樹に比べて反射率が高いことが知られている。高密度で隙間なく測定された反射率を用いると、図23に示すように、植生情報の疑似画像631を形成できる。DTMを作成する要領で、ビデオ画像632の画素に整合するようにデータを再配置すると、1画素の領域について7つの次元(X,Y,Z,Re,R,G,B)の情報が得られることになる。これらの情報の内、Re,R,G及びBを使い、画像処理システム626で強調処理を施す。強調処理の結果から、樹種を判定でき(628)、その分布領域を識別することにより林相が区分できる(627)。これらの解析結果は、平面図ばかりでなく、任意の断面図として出力することもできる。
図24は、離隔検討の内容を模式的に示す。任意の温度の電線の静止位置に対する樹木との離隔は、A点とB点との離隔(例えば△で表す部分)である。その電線が横揺れした場合に最も接近する離隔は、P点とB点を結ぶ直線と電線AがP点を中心に描く弧との交点とB点との離隔(例えば+で表す部分)である。また、樹木が転倒するときの離隔は、A点又はA点がPを中心に描く弧と、C点を支点としてB点が描く弧との最短距離(例えば○で表す)である。これらの検討結果は、樹木毎にファイル702に整理され、離隔検討図とともに出力される。
離隔検討の結果は、図25に示すように、離隔平面図710としてもファイリングされ、また、出力される。各検討離隔は、離隔の種別毎に色分けして任意の縮尺で図示される。図25では、△、+及び○の記号で示す。付近の樹木を点線の○で示し、その中央の数値は、樹木の位置を示す。
従来の空中写真測量による森林地域の地形測量では樹高を推定して地面標高を計測しており、不正確な要因が必ず伴っていたが、本実施例の空中レーザ測定システムは、樹木等の地物を除去して地形のみのDTMDTM(Digital Terrain Model;数値地形モデル)を発生する機能を具備しており、正確な土工量が求められる土木分野で基礎的な設計資料を収集するのに利用できる。逆に、森林部分のデータから森林経営に必要な材積を求めることができる。
100 調査のためのシステム
101 空中測定システム
102 地上解析システム
103 接近木管理システム
200 機器制御のためのコンピュータ
201 操作パネル
210 スキャニングレーザ測距装置
220 スキャニングレーザ測距装置
230 データ記録装置
240 キネマテックGPS受信機
250 キネマテックGPS受信機
260 慣性航法装置
270 ビデオ映像装置
290 地上解析システム
310 データ読み取り装置
320 データ処理・解析用コンピュータ
331 モニタ映像再生装置
332 図表出力装置
333 モニタ映像再生装置
340 大容量記憶装置
350 任意の媒体のバックアップ
360 接近木管理システム
101 空中測定システム
102 地上解析システム
103 接近木管理システム
200 機器制御のためのコンピュータ
201 操作パネル
210 スキャニングレーザ測距装置
220 スキャニングレーザ測距装置
230 データ記録装置
240 キネマテックGPS受信機
250 キネマテックGPS受信機
260 慣性航法装置
270 ビデオ映像装置
290 地上解析システム
310 データ読み取り装置
320 データ処理・解析用コンピュータ
331 モニタ映像再生装置
332 図表出力装置
333 モニタ映像再生装置
340 大容量記憶装置
350 任意の媒体のバックアップ
360 接近木管理システム
Claims (4)
- 飛行体から地上にレーザ光を照射して計測した送電線及びその近くの樹木の位置データを解析するデータ解析装置であって、
当該送電線の計測位置データからそのカテナリを算定するカテナリ算定手段と、
当該樹木の代表点を決定する代表点決定手段と、
当該カテナリ算定手段の算定結果及び当該送電線の近くの樹木の代表点の位置データを参照し、当該送電線の揺れ及び当該樹木の倒壊による当該送電線とその近くの樹木との接触の可能性を算定する接触可能性算定手段
とを具備することを特徴とするデータ解析装置。 - 更に、当該解析装置の解析結果を図表出力する出力装置を具備する請求項1に記載のデータ解析装置。
- 飛行体から地上にレーザ光を照射して計測した送電線及びその近くの樹木の位置データを解析するデータ解析方法であって、
当該送電線の計測位置データからそのカテナリを算定するカテナリ算定ステップと、
当該樹木の代表点を決定する代表点決定ステップと、
当該カテナリ算定ステップの算定結果及び当該送電線の近くの樹木の代表点の位置データを参照し、当該送電線の揺れ及び当該樹木の倒壊による当該送電線とその近くの樹木との接触の可能性を算定する接触可能性算定ステップ
とを具備することを特徴とするデータ解析方法。 - 更に、当該解析装置の解析結果を図表出力する出力ステップを具備する請求項3に記載のデータ解析方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003400967A JP2004117373A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | データ解析装置及び方法 |
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JP2003400967A JP2004117373A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | データ解析装置及び方法 |
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JP (1) | JP2004117373A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP7561934B1 (ja) | 2023-08-10 | 2024-10-04 | 九州電技開発株式会社 | 離隔距離処理方法、離隔距離処理装置、表示装置及びプログラム |
-
2003
- 2003-12-01 JP JP2003400967A patent/JP2004117373A/ja active Pending
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