JP2004114964A - 農用車両の変速操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングハンドル近傍の操作パネルに、HST操作レバー及び副変速操作レバーを配置し変速操作を容易にする。
【解決手段】エンジン30からHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に動力を伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21にはメカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設ける。
【選択図】 図4
【解決手段】エンジン30からHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に動力を伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21にはメカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、農用車両の変速操作装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の農用車両のHST(油圧無段変速装置)の操作装置は、ぺダルに機体下部に沿って設けられているHST操作装置を経てHSTのトラニオン軸を操作し、HSTを変速する構成である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−170334号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
従来装置では、HST(油圧無段変速装置)の操作装置は、ぺダルに機体下部に沿って設けられているHST操作装置を経てHSTのトラニオン軸を操作し変速するので、HST操作装置が機体の中間下腹部に位置し、車高が低くなり、また、ステアリングハンドルや、他の変速操作レバーと離れた位置に配置しているため、変速操作具が分散し操作しにくいという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
このような技術的課題を解決するために、次のような技術的手段とする。
請求項1の発明は、エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明では、エンジン30の動力はHST14、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達され、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17のHST操作溝20に沿ってHST操作レバー22を移動操作してHST14を変速し、また、レバー操作部17aの副変速操作溝21に沿って副変速操作レバー23を移動操作してメカ式副変速装置を変速する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明に加えて、走行伝動経路におけるHST14の伝動上手側からPTO動力を分岐し、分岐したPTO動力をHST14の上方に配置しているライブPTO伝動軸15を経由して機体後部のライブPTO軸16に伝達し、前記HST14の入・出力軸を前後方向に沿わせた状態で、且つ、背面視でHST14のHSTポンプ34を左右方向一側上位に、HSTモータ35を左右方向他側下位に位置するように左右傾斜状に配置し、HST14のトラニオン軸28を斜上方を向けて突出し、前記トラニオン軸28に取り付けたトラニオンアーム37を前記ライブPTO伝動軸15の下方位置を経由して前記HST操作レバー22に連動連結したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、エンジン30の動力はHST14のHSTポンプ34に機体前側から入力され、変速された動力はHSTモータ35から機体後側に向けて出力され、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達される。
また、走行伝動経路のHST14の伝動上手側から分岐したPTO動力は、HST14の上方に配置しているライブPTO伝動軸15を経由して機体後部のライブPTO軸16に伝達される。
【0009】
また、HST14の入・出力軸を前後方向に沿わせた状態で、背面視で斜設されているHST14からは、トラニオン軸28が斜上方を向けて突出され、トラニオン軸28に連結されたトラニオンアーム37はライブPTO伝動軸15の下方位置を経てHST操作レバー22に連動連結される。
【0010】
請求項3の発明は、エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、該HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設け、前記HST操作レバー22にはレバー位置検出センサ38を設け、HST変速操作アクチュエータ39によりHST操作装置26、トラニオンアーム37を経由してHST14を変速可能に構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、エンジン30の動力はHST14、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達される。また、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17のるHST操作溝20に沿ってHST操作レバー22を移動操作すると、HST操作レバー22の操作位置がレバー位置検出センサ38により検出され、HST変速操作アクチュエータ39が検出情報に基づき関連的に駆動され、HST操作装置26、トラニオンアーム37を経由してHST14が変速される。また、レバー操作部17aの副変速操作溝21に沿って副変速操作レバー23を移動操作すると、メカ式副変速装置が変速される。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を操作し、HST14及びメカ式副変速装置を楽に操作でき、変速操作の容易化を図ることができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、HST14変速用のトラニオンアーム37をライブPTO軸16の下方に配置できて車高を高くすることができ、また、機体上部に設けたHST操作レバー22との連係構成を簡素化し、メンテナンスを容易にすることができる。
【0014】
請求項3の発明は、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を楽に操作できるものでありながら、HST操作レバー22の操作荷重を軽減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例の形態について説明する。
図1は乗用管理機1の全体側面図を、図2は要部の平面図を示すものである。左・右フレーム2,2の前端部にエンジン30を搭載し、左・右フレーム2,2の後部にリヤーアクスルケース3を取り付けている。左・右フレーム2,2の前部下方にはフロントアクスルケース4をセンターピポット回りに左右揺動自在に取り付け、フロントアクスルケース4の両端部にキングピンを介して左・右前輪5,5を操舵自在に取り付け、ステアリングハンドル6により左・右前輪5,5を操舵する構成としている。左・右フレーム2,2の中間部にミッションケース7を設け、左・右フレーム2,2の後部に取り付けたリヤーアクスルケース3には左・右後輪8,8を設けている。
【0016】
エンジン30をボンネット9で被覆し、ボンネット9の後部上方に位置するように、ハンドルポスト10を介してステアリングハンドル6を設け、ミッションケース7の上方に座席11を配置している。
エンジン30の動力は、前ミッションケース12により走行系の動力とPTO系の動力とに分岐され、走行系の動力は主クラッチ装置13、HST(油圧式無段変速装置)14を経由してミッションケース7に伝達され、走行伝動軸、リヤーデファレンシャル、リヤーアクスルを経て左・右後輪8,8に伝達される。また、PTO系の動力はライブPTO伝動軸15を経てライブPTO軸16に伝達され、ライブPTO伝動軸15の中途部から取り出された動力は、ベルト伝動装置31を経て散布用ポンプ32に伝達される。
【0017】
また、図3及び図4に示すように、左・右フレーム2,2にはハンドルポスト10を立設してステアリングハンドル6を設け、ハンドルポスト10の上部には操作パネル17を設け、操作パネル17には複数の計器18,…及び複数のスイッチ19,…を設けている。この操作パネル17の左側下部をレバー操作部17aとして、HST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にはHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、また、副変速操作溝21にはミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けている。
【0018】
また、図4及び図6に示すように、ハンドルポスト10の中途部には、二重軸の主・副軸24,25を軸架し、主軸24の一端部にHST操作レバー22の下端部を取り付け、主24の他端部にロッドやアームから構成されているHST操作装置26を連結し、HST14のトラニオン軸28を操作可能に構成している。また、副軸25の一端部には副変速操作レバー23の下端部を取り付け、副軸25の他端部にはロッドやアームからなら副変速操作装置27の一端部を取り付けて、ミッションケース7内の副変速装置(図示省略)を変速操作可能に構成している。
【0019】
そして、図5に示すように、副変速装置操作用の副変速操作溝21をレバー操作部17aの例えば右側に配置している。副変速操作溝21には高速変速位置(高)、中立位置(中立)、低速変速位置(低)を前後方向に直線状に配置し、高速変速位置(高)の下方に副変速停止部29を設け、これより後方には副変速操作レバー23を移動不能に構成している。
【0020】
また、HST14操作用のHST操作溝20は、レバー操作部17aの例えば左側に配置している。HST操作溝20は前進変速溝20a及び後進変速溝20bにより構成し、前進変速溝20aは中立位置Nから前進高速変速位置Fを前後方向に直線状に構成し、また、後進変速溝20bは前記副変速停止部29の後方位置に前後方向に沿わせて構成し、前進変速溝20aの後側部と後進変速溝20bの前側部とを中立位置Nで接続し、HST操作レバー22を中立位置Nから右側にシフトし次いで後方にシフトすることにより後進高速位置(R)に移動操作するように構成している。
【0021】
前記のように、ステアリングハンドル6の近傍の操作パネル17にHST14操作用のHST操作レバー22及びミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を設けたので、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を操作し、変速操作の容易化を図ることができる。
【0022】
次に、図2、図6及び図7に基づきHST14の左・右フレーム2,2への配置構成について説明する。
図7に示すように、HST14を背面視では左・右フレーム2,2の内側に配置し、HST14のHSTポンプ34には前方に突出する入力軸から動力が伝達され、HST14のHSTモータ35から後方に突出した出力軸から動力が取り出される構成である。そして、背面視において、HSTポンプ34を左側上位に、HSTモータ35を右側下位に位置するように傾斜して配置し、HSTポンプ34の上方に前記ライブPTO伝動軸15が位置し、HST14のトラニオン軸28を斜上方を向けて前記ライブPTO伝動軸15の中央寄りに位置するように延出し、HST14及びライブPTO軸16の上部をステップカバー36により被覆している。
【0023】
そして、トラニオン軸28にトラニオンアーム37を取り付け、トラニオンアーム37をロッドやアーム等から構成されているHST操作装置26を経由してHST操作レバー22の下端部に連結している。
しかして、前記ように、HST14のトラニオン軸28を操作するトラニオンアーム37をステップカバー36の下方で、且つ、ライブPTO軸16とHST14との間に配置したので、機体上部に設けたHST操作レバー22との連係構成を簡素化すると共に車高を高くすることができ、また、メンテナンスを容易なものとすることができる。
【0024】
次に、図5及び図8に基づきHST14の操作装置の他の実施例について説明する。
操作パネル17の左側下部をレバー操作部17aとして、図5に示すように、HST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にはHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21にはミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けている。
【0025】
ハンドルポスト10の中途部には、HST操作レバー22を軸支し、HST操作レバー22の下端部にはレバー位置検出センサ38を設けて、HST操作レバー22の操作位置を検出できるように構成している。ハンドルポスト10の中途部には二重軸構成の主・副軸24,25を軸架し、主軸24の一端にはロッドやアーム等から構成されているHST操作装置26の一端を連結し、HST操作装置26の他端部をHST14のトラニオン軸28に連結し、HST14を変速可能に構成している。また、主軸24の他端側にはHST変速操作モータ39を取り付けて、HST変速操作モータ39の回動によりHST操作装置26を介してトラニオン軸28を操作しHST14を変速可能に構成し、主軸24の一端側にはトラニオン軸検出センサ40を設けている。
【0026】
しかして、HST操作レバー22を操作すると、操作位置がレバー位置検出センサ38により検出され、検出位置情報が制御部(図示省略)に入力される。すると、制御部から検出位置情報に関連したトラニオン軸28の作動指令が出されて、HST変速操作モータ39が駆動され、HST操作装置26を介してトラニオン軸28が回動されて変速され、トラニオン軸検出センサ40が指令の所定回動角度を検出すると、HST変速操作モータ39の駆動が停止される。
【0027】
前記のように、HST操作レバー22の操作位置をレバー位置検出センサ38により検出し、HST変速操作モータ39によりHST14のトラニオン軸28を作動するようにしたので、HST操作レバー22の操作荷重を軽減することができる。
【0028】
なお、HST変速操作モータ39をトラニオンアーム37に連係し、HST14のトラニオン軸28を作動するように構成してもよい。
次に、図9に基づきHST14のトラニオン軸28の中立位置復帰構成について説明する。
【0029】
機体フレーム2に支架したぺダル軸41に前進ぺダル42及び後進ぺダル43(図9では前進ぺダル42の後側に隠れている)を軸支し、前進ぺダル42の前進作動片42aを前進変速ロッド44を介してトラニオンアーム37にピン連結し、また、後進ぺダル43の後進作動片43aを伸縮調節自在の後進変速ロッド45を介してトラニオンアーム37にピン連結し、HST14のトラニオン軸28を回動し、HST14の前進変速及び後進変速をするように構成している。
【0030】
また、トラニオンアーム37には中立係止機構46を連係して設け、前進ぺダル42及び後進ぺダル43から足を離すと、自動的にトラニオンアーム37が中立位置に復帰するように構成している。この中立係止機構46は次のように構成している。機体フレーム2に支持アーム47の下端部を前後方向に回動自在に軸支し、支持アーム47の上端部に中立アーム48の後端部を上下回動自在に軸支し、中立アーム48の中途部には側面視で逆V字型のカム面の形成されている復帰凹部49を構成している。そして、トラニオンアーム37の上端部に設けたローラー50に復帰凹部49を当接連係し、中立アーム48の前端部にスプリング50を連結し、中立アーム48の復帰凹部49をトラニオンアーム37側のローラー50に向けて押圧するように構成している。
【0031】
そして、オイルダンパー52の後端を機体フレーム2に軸支し、オイルダンパー52の前端部を前進ぺダル42側の前進作動片42aに連結している。そして、オイルダンパー52には前後方向の復帰バランス及び中立位置復帰に比例した減衰力が前進ぺダル42に作用するように設定している。なお、オイルダンパー52を後進ぺダル43に連結してもよく、また、オイルダンパー52をトラニオンアーム37に直接連結する構成としてもよい。
【0032】
しかして、前進ぺダル42の中立位置復帰に際し、前進ぺダル42に作用する復帰バランスが向上し、また、中立位置への復帰慣性力に比例してオイルダンパー52の減衰力が減少し、停止時のショックを緩和することができる。
次に、図10に基づきHST14の操作装置の他の実施例について説明する。
【0033】
機体フレーム2にHSTぺダル53を軸支し、HSTぺダル53の作動片をHST操作装置26を介してHST14のトラニオンアーム37に連結している。電気ソレノイド式の無段階ダンパー54の下端部を機体フレーム2に連結し、無段階ダンパー54の上端部をHSTぺダル53に連結している。
【0034】
また、ブレーキぺダル55をアームやリンクからからなるブレーキ作動装置56、ブレーキアーム57を経由して、後輪ブレーキ装置(図示省略)を作動可能に構成している。また、パーキングブレーキアーム58をロッド59を介してブレーキ作動装置56の中途部に連結し、ブレーキぺダル55及びパーキングブレーキアーム57により制動可能に構成している。
【0035】
そして、操作パネル17にはオートクルーズスイッチ60を設け、後輪ブレーキ装置(図示省略)もは制動状態を検出するブレーキセンサスイッチ61を設けている。また、制御回路62には、オートクルーズスイッチ60、ブレーキセンサスイッチ61、ダンパーソレノイド63を設けている。
【0036】
しかして、ブレーキぺダル55あるいはパーキングブレーキアーム57が非制動状態にあると、ブレーキセンサスイッチ61がONする。この状態でHSTぺダル53を操作する、HST14が変速されると共に、無段階ダンパー54が伸縮する。次いで、オートクルーズスイッチ60をONにすると、ダンパーソレノイド63が作動して、無段階ダンパー54がロック状態となり、HSTぺダル53を所定操作位置で固定し、所定速度で車体を走行させることができる。
【0037】
従来装置では、オートクルーズ用のダンパーをHSTぺダルや、ブレーキ関係とも連係させているため、構成が複雑になるという不具合があった。しかし、この実施例では、前記のようにHSTぺダル53に無段階ダンパー54を連結し、ブレーキの制動状態を検出するブレーキセンサスイッチ61を設ける構成とし、構成を簡素化しながらオートクルーズ装置を構成することができ、後付けでもオートクルーズ装置を容易に付加することができる。
【0038】
次に、図11に基づきHST14のトラニオン軸28の中立位置復帰装置の他の実施例について説明する。
この実施例では、トラニオンアーム37を中立位置に復帰させる中立係止機構46を次のように構成している。機体フレーム2に支持アーム47の下端部を前後方向に回動自在に軸支し、その支持アーム47の上端部に中立アーム48の後端部を上下回動自在に軸支し、中立アーム48の中途部には側面視で逆V字型を形成する前進カム面49a、及び、後進カム面49bからなる復帰凹部49を構成している。トラニオンアーム37の上端部に設けたローラー50に、中立アーム48の復帰凹部49を当接連係し、中立アーム48の前側部あるいは後側部にスプリング50を択一的に連結し、中立アーム48を下方に押圧するように構成している。
【0039】
そして、トラニオンアーム37の中立位置復帰に際し、後進側に重心があり中立位置から後進寄りに復帰しがちな場合には、中立アーム48の後進カム面49b側に位置するようにスプリング50を取り付け、また、トラニオンアーム37の中立位置復帰に際し前進側に重心があり、中立位置から前進寄りに復帰しがちな場合には、中立アーム48の先端側である前進カム面49a側に位置するようにスプリング50を取り付ける。しかして、前進変速及び後進変速からの中立位置復帰を均等化し、停止時のショックを緩和することができる。
【0040】
なお、HST14のトラニオン軸28の中立位置復帰構成を図12に示すように構成してもよい。中立アーム48を基部中立アーム48aと先端中立アーム48bとに、復帰凹部49の中途部から分割して、基部中立アーム48a側に復帰凹部49の後進カム面49bを構成すると共に、先端中立アーム48b側に復帰凹部49の前進カム面49aを構成し、基部中立アーム48の先端部に先端中立アーム48の基部を軸支して、復帰凹部49の前進カム面49a、後進カム面49bの傾斜角度を調節できる構成としする。HST14のトラニオンアーム37が中立位置への復帰に際し、後進側に重心があり中立位置から後進寄りに復帰しがちな場合や逆の場合が生じるが、復帰凹部49のカム面の傾斜角度を調節することにより、前後進変速からの中立位置復帰を均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用管理機の全体側面図
【図2】要部の平面図
【図3】要部の斜視図
【図4】要部の背面図、平面図
【図5】要部の平面図
【図6】要部の切断側面図
【図7】要部の切断背面図
【図8】要部の背面図、側面図
【図9】要部の側面図
【図10】要部の側面図、切断側面図、回路図
【図11】要部の側面図
【図12】要部の側面図
【符号の説明】
1 乗用管理機
2 左・右フレーム
6 ステアリングハンドル
14 HST
15 ライブPTO伝動軸
16 ライブPTO軸
17 操作パネル
17a レバー操作部
20 HST操作溝
21 副変速操作溝
22 HST操作レバー
23 副変速操作レバー
28 トラニオン軸
30 エンジン
34 HSTポンプ
35 HSTモータ
37 トラニオンアーム
38 レバー位置検出センサ
39 HST変速操作アクチュエータ(HST変速操作モータ)
【発明の属する技術分野】
この発明は、農用車両の変速操作装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の農用車両のHST(油圧無段変速装置)の操作装置は、ぺダルに機体下部に沿って設けられているHST操作装置を経てHSTのトラニオン軸を操作し、HSTを変速する構成である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−170334号公報(第1頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
従来装置では、HST(油圧無段変速装置)の操作装置は、ぺダルに機体下部に沿って設けられているHST操作装置を経てHSTのトラニオン軸を操作し変速するので、HST操作装置が機体の中間下腹部に位置し、車高が低くなり、また、ステアリングハンドルや、他の変速操作レバーと離れた位置に配置しているため、変速操作具が分散し操作しにくいという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
このような技術的課題を解決するために、次のような技術的手段とする。
請求項1の発明は、エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明では、エンジン30の動力はHST14、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達され、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17のHST操作溝20に沿ってHST操作レバー22を移動操作してHST14を変速し、また、レバー操作部17aの副変速操作溝21に沿って副変速操作レバー23を移動操作してメカ式副変速装置を変速する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明に加えて、走行伝動経路におけるHST14の伝動上手側からPTO動力を分岐し、分岐したPTO動力をHST14の上方に配置しているライブPTO伝動軸15を経由して機体後部のライブPTO軸16に伝達し、前記HST14の入・出力軸を前後方向に沿わせた状態で、且つ、背面視でHST14のHSTポンプ34を左右方向一側上位に、HSTモータ35を左右方向他側下位に位置するように左右傾斜状に配置し、HST14のトラニオン軸28を斜上方を向けて突出し、前記トラニオン軸28に取り付けたトラニオンアーム37を前記ライブPTO伝動軸15の下方位置を経由して前記HST操作レバー22に連動連結したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明では、エンジン30の動力はHST14のHSTポンプ34に機体前側から入力され、変速された動力はHSTモータ35から機体後側に向けて出力され、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達される。
また、走行伝動経路のHST14の伝動上手側から分岐したPTO動力は、HST14の上方に配置しているライブPTO伝動軸15を経由して機体後部のライブPTO軸16に伝達される。
【0009】
また、HST14の入・出力軸を前後方向に沿わせた状態で、背面視で斜設されているHST14からは、トラニオン軸28が斜上方を向けて突出され、トラニオン軸28に連結されたトラニオンアーム37はライブPTO伝動軸15の下方位置を経てHST操作レバー22に連動連結される。
【0010】
請求項3の発明は、エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、該HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設け、前記HST操作レバー22にはレバー位置検出センサ38を設け、HST変速操作アクチュエータ39によりHST操作装置26、トラニオンアーム37を経由してHST14を変速可能に構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、エンジン30の動力はHST14、メカ式副変速装置を経由して車輪に伝達される。また、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17のるHST操作溝20に沿ってHST操作レバー22を移動操作すると、HST操作レバー22の操作位置がレバー位置検出センサ38により検出され、HST変速操作アクチュエータ39が検出情報に基づき関連的に駆動され、HST操作装置26、トラニオンアーム37を経由してHST14が変速される。また、レバー操作部17aの副変速操作溝21に沿って副変速操作レバー23を移動操作すると、メカ式副変速装置が変速される。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を操作し、HST14及びメカ式副変速装置を楽に操作でき、変速操作の容易化を図ることができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、HST14変速用のトラニオンアーム37をライブPTO軸16の下方に配置できて車高を高くすることができ、また、機体上部に設けたHST操作レバー22との連係構成を簡素化し、メンテナンスを容易にすることができる。
【0014】
請求項3の発明は、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を楽に操作できるものでありながら、HST操作レバー22の操作荷重を軽減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例の形態について説明する。
図1は乗用管理機1の全体側面図を、図2は要部の平面図を示すものである。左・右フレーム2,2の前端部にエンジン30を搭載し、左・右フレーム2,2の後部にリヤーアクスルケース3を取り付けている。左・右フレーム2,2の前部下方にはフロントアクスルケース4をセンターピポット回りに左右揺動自在に取り付け、フロントアクスルケース4の両端部にキングピンを介して左・右前輪5,5を操舵自在に取り付け、ステアリングハンドル6により左・右前輪5,5を操舵する構成としている。左・右フレーム2,2の中間部にミッションケース7を設け、左・右フレーム2,2の後部に取り付けたリヤーアクスルケース3には左・右後輪8,8を設けている。
【0016】
エンジン30をボンネット9で被覆し、ボンネット9の後部上方に位置するように、ハンドルポスト10を介してステアリングハンドル6を設け、ミッションケース7の上方に座席11を配置している。
エンジン30の動力は、前ミッションケース12により走行系の動力とPTO系の動力とに分岐され、走行系の動力は主クラッチ装置13、HST(油圧式無段変速装置)14を経由してミッションケース7に伝達され、走行伝動軸、リヤーデファレンシャル、リヤーアクスルを経て左・右後輪8,8に伝達される。また、PTO系の動力はライブPTO伝動軸15を経てライブPTO軸16に伝達され、ライブPTO伝動軸15の中途部から取り出された動力は、ベルト伝動装置31を経て散布用ポンプ32に伝達される。
【0017】
また、図3及び図4に示すように、左・右フレーム2,2にはハンドルポスト10を立設してステアリングハンドル6を設け、ハンドルポスト10の上部には操作パネル17を設け、操作パネル17には複数の計器18,…及び複数のスイッチ19,…を設けている。この操作パネル17の左側下部をレバー操作部17aとして、HST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にはHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、また、副変速操作溝21にはミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けている。
【0018】
また、図4及び図6に示すように、ハンドルポスト10の中途部には、二重軸の主・副軸24,25を軸架し、主軸24の一端部にHST操作レバー22の下端部を取り付け、主24の他端部にロッドやアームから構成されているHST操作装置26を連結し、HST14のトラニオン軸28を操作可能に構成している。また、副軸25の一端部には副変速操作レバー23の下端部を取り付け、副軸25の他端部にはロッドやアームからなら副変速操作装置27の一端部を取り付けて、ミッションケース7内の副変速装置(図示省略)を変速操作可能に構成している。
【0019】
そして、図5に示すように、副変速装置操作用の副変速操作溝21をレバー操作部17aの例えば右側に配置している。副変速操作溝21には高速変速位置(高)、中立位置(中立)、低速変速位置(低)を前後方向に直線状に配置し、高速変速位置(高)の下方に副変速停止部29を設け、これより後方には副変速操作レバー23を移動不能に構成している。
【0020】
また、HST14操作用のHST操作溝20は、レバー操作部17aの例えば左側に配置している。HST操作溝20は前進変速溝20a及び後進変速溝20bにより構成し、前進変速溝20aは中立位置Nから前進高速変速位置Fを前後方向に直線状に構成し、また、後進変速溝20bは前記副変速停止部29の後方位置に前後方向に沿わせて構成し、前進変速溝20aの後側部と後進変速溝20bの前側部とを中立位置Nで接続し、HST操作レバー22を中立位置Nから右側にシフトし次いで後方にシフトすることにより後進高速位置(R)に移動操作するように構成している。
【0021】
前記のように、ステアリングハンドル6の近傍の操作パネル17にHST14操作用のHST操作レバー22及びミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を設けたので、ステアリングハンドル6を操作しながら、HST操作レバー22及び副変速操作レバー23を操作し、変速操作の容易化を図ることができる。
【0022】
次に、図2、図6及び図7に基づきHST14の左・右フレーム2,2への配置構成について説明する。
図7に示すように、HST14を背面視では左・右フレーム2,2の内側に配置し、HST14のHSTポンプ34には前方に突出する入力軸から動力が伝達され、HST14のHSTモータ35から後方に突出した出力軸から動力が取り出される構成である。そして、背面視において、HSTポンプ34を左側上位に、HSTモータ35を右側下位に位置するように傾斜して配置し、HSTポンプ34の上方に前記ライブPTO伝動軸15が位置し、HST14のトラニオン軸28を斜上方を向けて前記ライブPTO伝動軸15の中央寄りに位置するように延出し、HST14及びライブPTO軸16の上部をステップカバー36により被覆している。
【0023】
そして、トラニオン軸28にトラニオンアーム37を取り付け、トラニオンアーム37をロッドやアーム等から構成されているHST操作装置26を経由してHST操作レバー22の下端部に連結している。
しかして、前記ように、HST14のトラニオン軸28を操作するトラニオンアーム37をステップカバー36の下方で、且つ、ライブPTO軸16とHST14との間に配置したので、機体上部に設けたHST操作レバー22との連係構成を簡素化すると共に車高を高くすることができ、また、メンテナンスを容易なものとすることができる。
【0024】
次に、図5及び図8に基づきHST14の操作装置の他の実施例について説明する。
操作パネル17の左側下部をレバー操作部17aとして、図5に示すように、HST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にはHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21にはミッションケース7内の副変速装置(図示省略)操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けている。
【0025】
ハンドルポスト10の中途部には、HST操作レバー22を軸支し、HST操作レバー22の下端部にはレバー位置検出センサ38を設けて、HST操作レバー22の操作位置を検出できるように構成している。ハンドルポスト10の中途部には二重軸構成の主・副軸24,25を軸架し、主軸24の一端にはロッドやアーム等から構成されているHST操作装置26の一端を連結し、HST操作装置26の他端部をHST14のトラニオン軸28に連結し、HST14を変速可能に構成している。また、主軸24の他端側にはHST変速操作モータ39を取り付けて、HST変速操作モータ39の回動によりHST操作装置26を介してトラニオン軸28を操作しHST14を変速可能に構成し、主軸24の一端側にはトラニオン軸検出センサ40を設けている。
【0026】
しかして、HST操作レバー22を操作すると、操作位置がレバー位置検出センサ38により検出され、検出位置情報が制御部(図示省略)に入力される。すると、制御部から検出位置情報に関連したトラニオン軸28の作動指令が出されて、HST変速操作モータ39が駆動され、HST操作装置26を介してトラニオン軸28が回動されて変速され、トラニオン軸検出センサ40が指令の所定回動角度を検出すると、HST変速操作モータ39の駆動が停止される。
【0027】
前記のように、HST操作レバー22の操作位置をレバー位置検出センサ38により検出し、HST変速操作モータ39によりHST14のトラニオン軸28を作動するようにしたので、HST操作レバー22の操作荷重を軽減することができる。
【0028】
なお、HST変速操作モータ39をトラニオンアーム37に連係し、HST14のトラニオン軸28を作動するように構成してもよい。
次に、図9に基づきHST14のトラニオン軸28の中立位置復帰構成について説明する。
【0029】
機体フレーム2に支架したぺダル軸41に前進ぺダル42及び後進ぺダル43(図9では前進ぺダル42の後側に隠れている)を軸支し、前進ぺダル42の前進作動片42aを前進変速ロッド44を介してトラニオンアーム37にピン連結し、また、後進ぺダル43の後進作動片43aを伸縮調節自在の後進変速ロッド45を介してトラニオンアーム37にピン連結し、HST14のトラニオン軸28を回動し、HST14の前進変速及び後進変速をするように構成している。
【0030】
また、トラニオンアーム37には中立係止機構46を連係して設け、前進ぺダル42及び後進ぺダル43から足を離すと、自動的にトラニオンアーム37が中立位置に復帰するように構成している。この中立係止機構46は次のように構成している。機体フレーム2に支持アーム47の下端部を前後方向に回動自在に軸支し、支持アーム47の上端部に中立アーム48の後端部を上下回動自在に軸支し、中立アーム48の中途部には側面視で逆V字型のカム面の形成されている復帰凹部49を構成している。そして、トラニオンアーム37の上端部に設けたローラー50に復帰凹部49を当接連係し、中立アーム48の前端部にスプリング50を連結し、中立アーム48の復帰凹部49をトラニオンアーム37側のローラー50に向けて押圧するように構成している。
【0031】
そして、オイルダンパー52の後端を機体フレーム2に軸支し、オイルダンパー52の前端部を前進ぺダル42側の前進作動片42aに連結している。そして、オイルダンパー52には前後方向の復帰バランス及び中立位置復帰に比例した減衰力が前進ぺダル42に作用するように設定している。なお、オイルダンパー52を後進ぺダル43に連結してもよく、また、オイルダンパー52をトラニオンアーム37に直接連結する構成としてもよい。
【0032】
しかして、前進ぺダル42の中立位置復帰に際し、前進ぺダル42に作用する復帰バランスが向上し、また、中立位置への復帰慣性力に比例してオイルダンパー52の減衰力が減少し、停止時のショックを緩和することができる。
次に、図10に基づきHST14の操作装置の他の実施例について説明する。
【0033】
機体フレーム2にHSTぺダル53を軸支し、HSTぺダル53の作動片をHST操作装置26を介してHST14のトラニオンアーム37に連結している。電気ソレノイド式の無段階ダンパー54の下端部を機体フレーム2に連結し、無段階ダンパー54の上端部をHSTぺダル53に連結している。
【0034】
また、ブレーキぺダル55をアームやリンクからからなるブレーキ作動装置56、ブレーキアーム57を経由して、後輪ブレーキ装置(図示省略)を作動可能に構成している。また、パーキングブレーキアーム58をロッド59を介してブレーキ作動装置56の中途部に連結し、ブレーキぺダル55及びパーキングブレーキアーム57により制動可能に構成している。
【0035】
そして、操作パネル17にはオートクルーズスイッチ60を設け、後輪ブレーキ装置(図示省略)もは制動状態を検出するブレーキセンサスイッチ61を設けている。また、制御回路62には、オートクルーズスイッチ60、ブレーキセンサスイッチ61、ダンパーソレノイド63を設けている。
【0036】
しかして、ブレーキぺダル55あるいはパーキングブレーキアーム57が非制動状態にあると、ブレーキセンサスイッチ61がONする。この状態でHSTぺダル53を操作する、HST14が変速されると共に、無段階ダンパー54が伸縮する。次いで、オートクルーズスイッチ60をONにすると、ダンパーソレノイド63が作動して、無段階ダンパー54がロック状態となり、HSTぺダル53を所定操作位置で固定し、所定速度で車体を走行させることができる。
【0037】
従来装置では、オートクルーズ用のダンパーをHSTぺダルや、ブレーキ関係とも連係させているため、構成が複雑になるという不具合があった。しかし、この実施例では、前記のようにHSTぺダル53に無段階ダンパー54を連結し、ブレーキの制動状態を検出するブレーキセンサスイッチ61を設ける構成とし、構成を簡素化しながらオートクルーズ装置を構成することができ、後付けでもオートクルーズ装置を容易に付加することができる。
【0038】
次に、図11に基づきHST14のトラニオン軸28の中立位置復帰装置の他の実施例について説明する。
この実施例では、トラニオンアーム37を中立位置に復帰させる中立係止機構46を次のように構成している。機体フレーム2に支持アーム47の下端部を前後方向に回動自在に軸支し、その支持アーム47の上端部に中立アーム48の後端部を上下回動自在に軸支し、中立アーム48の中途部には側面視で逆V字型を形成する前進カム面49a、及び、後進カム面49bからなる復帰凹部49を構成している。トラニオンアーム37の上端部に設けたローラー50に、中立アーム48の復帰凹部49を当接連係し、中立アーム48の前側部あるいは後側部にスプリング50を択一的に連結し、中立アーム48を下方に押圧するように構成している。
【0039】
そして、トラニオンアーム37の中立位置復帰に際し、後進側に重心があり中立位置から後進寄りに復帰しがちな場合には、中立アーム48の後進カム面49b側に位置するようにスプリング50を取り付け、また、トラニオンアーム37の中立位置復帰に際し前進側に重心があり、中立位置から前進寄りに復帰しがちな場合には、中立アーム48の先端側である前進カム面49a側に位置するようにスプリング50を取り付ける。しかして、前進変速及び後進変速からの中立位置復帰を均等化し、停止時のショックを緩和することができる。
【0040】
なお、HST14のトラニオン軸28の中立位置復帰構成を図12に示すように構成してもよい。中立アーム48を基部中立アーム48aと先端中立アーム48bとに、復帰凹部49の中途部から分割して、基部中立アーム48a側に復帰凹部49の後進カム面49bを構成すると共に、先端中立アーム48b側に復帰凹部49の前進カム面49aを構成し、基部中立アーム48の先端部に先端中立アーム48の基部を軸支して、復帰凹部49の前進カム面49a、後進カム面49bの傾斜角度を調節できる構成としする。HST14のトラニオンアーム37が中立位置への復帰に際し、後進側に重心があり中立位置から後進寄りに復帰しがちな場合や逆の場合が生じるが、復帰凹部49のカム面の傾斜角度を調節することにより、前後進変速からの中立位置復帰を均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用管理機の全体側面図
【図2】要部の平面図
【図3】要部の斜視図
【図4】要部の背面図、平面図
【図5】要部の平面図
【図6】要部の切断側面図
【図7】要部の切断背面図
【図8】要部の背面図、側面図
【図9】要部の側面図
【図10】要部の側面図、切断側面図、回路図
【図11】要部の側面図
【図12】要部の側面図
【符号の説明】
1 乗用管理機
2 左・右フレーム
6 ステアリングハンドル
14 HST
15 ライブPTO伝動軸
16 ライブPTO軸
17 操作パネル
17a レバー操作部
20 HST操作溝
21 副変速操作溝
22 HST操作レバー
23 副変速操作レバー
28 トラニオン軸
30 エンジン
34 HSTポンプ
35 HSTモータ
37 トラニオンアーム
38 レバー位置検出センサ
39 HST変速操作アクチュエータ(HST変速操作モータ)
Claims (3)
- エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設けたことを特徴とする農用車両の変速操作装置。
- 走行伝動経路におけるHST14の伝動上手側からPTO動力を分岐し、分岐したPTO動力をHST14の上方に配置しているライブPTO伝動軸15を経由して機体後部のライブPTO軸16に伝達し、前記HST14の入・出力軸を前後方向に沿わせた状態で、且つ、背面視でHST14のHSTポンプ34を左右方向一側上位に、HSTモータ35を左右方向他側下位に位置するように左右傾斜状に配置し、HST14のトラニオン軸28を斜上方を向けて突出し、前記トラニオン軸28に取り付けたトラニオンアーム37を前記ライブPTO伝動軸15の下方位置を経由して前記HST操作レバー22に連動連結したことを特徴とする請求項1記載の農用車両の変速操作装置。
- エンジン30の動力をHST14、メカ式副変速装置の設けられている走行伝動経路を経由して車輪に伝達す農用車両において、ステアリングハンドル6の下部近傍に設けられている操作パネル17の一部をレバー操作部17aとし、該レバー操作部17aにHST操作溝20及び副変速操作溝21を設け、該HST操作溝20にHST14変速操作用のHST操作レバー22を移動自在に設け、副変速操作溝21には前記メカ式副変速装置操作用の副変速操作レバー23を移動自在に設け、前記HST操作レバー22にはレバー位置検出センサ38を設け、HST変速操作アクチュエータ39によりHST操作装置26、トラニオンアーム37を経由してHST14を変速可能に構成したことを特徴とする農用車両の変速操作装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007076458A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Kubota Corp | トラクタの変速操作装置 |
US7648001B2 (en) | 2005-09-13 | 2010-01-19 | Kubota Corporation | Speed shift arrangement for work vehicle |
JP2014213614A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-11-17 | 三菱農機株式会社 | 作業車輌 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002284443A patent/JP2004114964A/ja active Pending
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