JP2004103691A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレンチ素子分離領域を伴い、トレンチの疎密が著しい半導体基板において容易にCMPの研磨ムラを抑制し、少ない研磨量で膜厚ばらつきの少ない平坦化レベルを実現する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】研磨レートの異なる2層(シリコン窒化膜11とシリコン酸化窒化膜12)のCMPストッパ膜が用いられる。これにより、研磨レートの大きい方の、上層のシリコン酸化窒化膜12が凹凸のダミーパターンDMP1を形成する。その後、トレンチが形成され、素子分離用の酸化膜14が埋め込まれる。CMP時において、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされる。
【選択図】 図1
【解決手段】研磨レートの異なる2層(シリコン窒化膜11とシリコン酸化窒化膜12)のCMPストッパ膜が用いられる。これにより、研磨レートの大きい方の、上層のシリコン酸化窒化膜12が凹凸のダミーパターンDMP1を形成する。その後、トレンチが形成され、素子分離用の酸化膜14が埋め込まれる。CMP時において、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において化学的機械的研磨によって平坦化前処理を経る半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板上に形成した素子を互いに分離する方法としてトレンチ・アイソレーションが知られている。トレンチ・アイソレーションは、素子形成領域以外の半導体基板に溝(トレンチ)を形成し、溝内部を絶縁物、特に酸化シリコン膜などで充填し、素子間分離を実現する。トレンチ・アイソレーションは、LOCOS分離法(選択酸化分離)に比べて基板中に深く分離距離を稼げる。このため、分離幅を著しく縮小することが可能である。トレンチ・アイソレーションはSTI(Shallow Trench Isolation)と呼称され、半導体集積回路の高集積化に有利な構造である。
【0003】
図5(a)〜(d)は、それぞれ従来の半導体装置のSTI製造法を工程順に示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、半導体基板51上においてフォトリソグラフィ工程を経て窒化膜(シリコン窒化膜)52によるマスクパターンを形成する。このマスクパターンに従って基板51に所定深さの溝パターン、いわゆるトレンチ53をエッチング形成する。
【0004】
次に、図5(b)に示すように、トレンチ53を酸化した後(図示せず)、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)54を形成する。酸化膜54はトレンチ53の凹凸に従って堆積レベルが異なってくる。すなわち、酸化膜54に関し、トレンチ53の密度が高い領域は堆積レベルが低く、それに比べてトレンチ53があまり存在しない広い素子領域上は堆積レベルが高く、厚く形成された状態となる。
【0005】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を利用することにより、素子領域上など比較的厚く形成された状態の酸化膜54を選択的にエッチングし、ある程度薄くした領域541を作る。これにより、後に行われる平坦化工程における均一化を図る。
【0006】
次に、図5(d)に示すように、平坦化処理として化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing )技術を利用する。すなわち、被平坦化層の凹凸部に加わる研磨パッドの圧力差で研磨レートの選択性が生じ、所定時間経過後には凹凸部をなだらかにする。窒化膜52をCMPのストッパ膜として検出し、その後に窒化膜52を除去する。これにより、トレンチ53に酸化膜54が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のようにトレンチ・アイソレーションにCMPを実施すれば、誤差の少ない平坦化レベルを実現することができる。しかしながら、やはりトレンチ53の疎密によってCMP時に面内ばらつきが生じることが少なくない。ディシング等研磨ムラが起これば、窒化膜52が早く露出してしまう領域が現れる。これによってCMP処理終了の検出がなされれば、酸化膜54の残留領域が少なからず存在する。従って、その後の窒化膜52の除去工程に支障をきたす。
【0008】
このような事態の対策として、CMP処理は、窒化膜52の検出からさらに研磨時間を多く取り、窒化膜52上に残留した酸化膜54を完全に除去するといった過剰研磨を実行していた。この結果、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化の進行、トレンチ素子分離膜としての酸化膜54の膜厚ばらつきに影響を及ぼすといった問題がある。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、トレンチ素子分離領域を伴い、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において容易にCMPの研磨ムラを抑制することができ、少ない研磨量で膜厚ばらつきの少ない平坦化レベルを実現する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の[請求項1]に係る半導体装置の製造方法は、
半導体基板上において第1の研磨レートを有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に前記第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2の層を形成する工程と、
少なくとも前記第2の層が複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンを形成する工程と、
リソグラフィ技術を経て前記基板への素子分離用の溝パターンを形成する工程と、
前記第2の層上を含んで前記溝パターンを埋め込む素子分離用の離絶縁膜を堆積する工程と、
少なくとも前記第1の層が露出するまで化学的機械的研磨により平坦化する工程と、
前記第1の層を除去する工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0011】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、研磨レートの異なる第1、第2の層を有し、第1の層上にそれより研磨レートの大きい第2の層が主に凹凸のダミーパターンを形成する。これにより、化学的機械的研磨の際、素子分離用の絶縁膜と第2の層、第2の層と第1の層において研磨速度に差をつけ、かつ研磨圧力の偏りを防止する。これにより、平坦化不均一性をなくす。また、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨を実現する。
【0012】
本発明の[請求項2]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]に従属され、
前記第2の層は前記第1の層よりも厚く形成することを特徴とする。第2の層は、第1の層よりも研磨レートが大きく、また凹凸を形成する関係上、より望ましい構成である。
【0013】
本発明の[請求項3]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]または[請求項2]に従属され、
前記ダミーパターンにおける凹部の底部は第1の層が露出することを特徴とする。凹凸を形成するリソグラフィ工程の関係による。
【0014】
本発明の[請求項4]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項3]いずれか一つに従属され、
前記溝パターン形成周辺における前記第2の層はダミーパターンの凹部のみ、または凸部のみで構成されることを特徴とする。リソグラフィ工程の精度向上に寄与する。
【0015】
本発明の[請求項5]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項4]いずれか一つに従属され、
前記ダミーパターンは、格子溝パターンを有することを特徴とする。
本発明の[請求項6]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項4]いずれか一つに従属され、
前記ダミーパターンは、複数の開口パターンを有することを特徴とする。
これらのダミーパターンは、均一的な化学的機械的研磨を実現するために好ましい構成である。
【0016】
本発明の[請求項7]に係る半導体装置は、前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された半導体基板を構成することを特徴とする。
【0017】
本発明の[請求項8]に係る半導体装置は、前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された評価用半導体ウェハを構成することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、半導体基板10において、CMP(化学的機械的研磨)のストッパ膜として第1の研磨レートを有する第1層、例えばシリコン窒化膜11を形成する。このシリコン窒化膜11上に、機能的にはストッパ膜ではあるが実質的には研磨速度調整用として働く第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2層、例えばシリコン酸化窒化膜12を形成する。
【0019】
次に図1(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成されるレジストマスク(図示せず)及び反応性イオンエッチング技術を利用して、シリコン酸化窒化膜12に対し複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンDMP1を形成する。ここでは、第1層であるシリコン窒化膜11が露出しないようにエッチング時間を制御してダミーパターンDMP1の凹凸が形成されている。また、素子分離用の溝パターン形成予定領域周辺は、ダミーパターンの凹凸を配列しない。図ではエッチングをしない凸部のみの状態としているが、エッチングして凹部のみの状態としてもよい。
【0020】
次に図1(c)に示すように、新たにフォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクRMを形成し、反応性イオンエッチング技術を利用して、素子分離用の溝パターン、いわゆるトレンチ13をエッチング形成する。すなわち、シリコン酸化窒化膜12及びシリコン窒化膜11、さらには基板10を反応ガスの切替えを伴い連続的にエッチングする。例えばシリコン酸化窒化膜12及びシリコン窒化膜11はCF4やCHF3等で、また、基板10はCl2をエッチングガス種として利用する。ここでは、素子領域の関係上、トレンチ13の疎密の差が現れている領域を示す。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。
【0021】
次に、図1(d)に示すように、レジスト除去後、トレンチ13を熱酸化し酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)14を形成する。酸化膜14はトレンチ13が形成する凹凸やダミーパターンDMP1の凹凸に従った堆積レベルとなる。大面積の素子領域A2上にもダミーパターンDMP1があるため、堆積レベルの著しい変化は抑制される。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、酸化膜14を主としたCMPを施す。CMP途中、シリコン酸化窒化膜12のダミーパターンDMP1により研磨圧力の偏りが防止されつつ、全体的に研磨速度が落ちる。やがてシリコン酸化窒化膜12とシリコン窒化膜11が混在する研磨に至り、シリコン酸化窒化膜12の割合が極小になるとさらに研磨速度が落ちて研磨終了となる。
【0023】
その後、図1(f)に示すように、熱リン酸浸漬等によるシリコン窒化膜11の除去工程を経る。これにより、トレンチ13に酸化膜14が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0024】
上記第1実施形態及び方法によれば、研磨レートの異なる2層(シリコン窒化膜11とシリコン酸化窒化膜12)のCMPストッパ膜が用いられる。これにより、研磨レートの大きい上層のシリコン酸化窒化膜12がダミーパターンDMP1を形成し、研磨圧力の偏り防止に寄与する。また、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨が達成される。
【0025】
すなわち、従来の残留酸化膜の懸念は解消される。しかも、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化を最小限に抑えつつ、より適切な状態でシリコン窒化膜11の除去工程に移行できる。よって、トレンチ素子分離膜としての酸化膜14の膜厚ばらつきの影響は非常に小さいものとなり、以降の素子製造工程に高信頼性を保つことができる。
【0026】
図2(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。上記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
図2(a)に示すように、半導体基板10上に第1の研磨レートを有する第1層、例えばシリコン窒化膜11、その上に第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2層、例えばシリコン酸化窒化膜12を形成する。この構成は第1実施形態の図1(a)と同様である。
【0027】
次に図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成されるレジストマスク(図示せず)及び反応性イオンエッチング技術を利用して、シリコン酸化窒化膜12に対し複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンDMP2を形成する。ここでは、底部に第1層であるシリコン窒化膜11を露出させる形態となっている。また、素子分離用の溝パターン形成予定領域周辺は、ダミーパターンの凹凸を配列しない。図ではエッチングしてシリコン窒化膜11を露出させた凹部のみの状態としているが、エッチングせずに凸部のみの状態としてもよい。
【0028】
次に図2(c)に示すように、新たにフォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクRMを形成し、反応性イオンエッチング技術を利用して、素子分離用の溝パターン、いわゆるトレンチ13をエッチング形成する。すなわち、シリコン窒化膜11、基板10を反応ガスの切替えを伴い連続的にエッチングする。例えばシリコン窒化膜11はCF4やCHF3等で、また、基板10はCl2をエッチングガス種として利用する。ここでは、素子領域の関係上、トレンチ13の疎密の差が現れている領域を示す。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。
【0029】
次に、図2(d)に示すように、レジスト除去後、トレンチ13を熱酸化し酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)14を形成する。酸化膜14はトレンチ13が形成する凹凸やダミーパターンDMP2の凹凸に従った堆積レベルとなる。大面積の素子領域A2上にもダミーパターンDMP2があるため、堆積レベルの著しい変化は抑制される。
【0030】
次に、図2(e)に示すように、酸化膜14を主としたCMPを施す。CMP途中、シリコン酸化窒化膜12のダミーパターンDMP2により研磨圧力の偏りが防止されつつ、全体的に研磨速度が落ちる。やがてシリコン酸化窒化膜12とシリコン窒化膜11が混在する研磨に至り、シリコン酸化窒化膜12の割合が極小になるとさらに研磨速度が落ちて研磨終了となる。
【0031】
その後、図2(f)に示すように、熱リン酸浸漬等によるシリコン窒化膜11の除去工程を経る。これにより、トレンチ13に酸化膜14が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0032】
上記第2実施形態及び方法によっても前記第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、2層CMPストッパ膜として、下層よりも研磨レートの大きい上層のシリコン酸化窒化膜12がダミーパターンDMP2を形成することにより、研磨圧力の偏り防止に寄与する。また、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨が達成される。
【0033】
そして、従来の残留酸化膜の懸念は解消され、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化が最小限に抑えられる。従って、より適切な状態でシリコン窒化膜11の除去工程に移行できる。よって、トレンチ素子分離膜としての酸化膜14の膜厚ばらつきの影響は非常に小さいものとなり、以降の素子製造工程に高信頼性を保つことができる。
【0034】
図3(a),(b)は、それぞれ図1や図2に示すようなダミーパターンDMP1,2いずれにも使用可能な具体例を示す平面図である。図3(a)では、格子溝パターン31をフォトリソグラフィ技術により形成する。また、図3(b)では、複数の開口パターン32をフォトリソグラフィ技術により形成する。つまり斜線で示すパターン31、32はいずれも凹部溝パターンとなり、研磨パッドの圧力の偏り防止に寄与し、より均一なCMPを実現する。
【0035】
図4は、前記第1、第2実施形態及び方法が採用される評価用ウェハの部分平面図である。微細化素子を含む半導体集積回路の設計、開発化に伴い、ゲート電極や配線形成に必要なリソグラフィ技術の評価、素子としての製造に関する膜質などの諸条件の評価は重要であり、予め評価用ウェハで評価される。すなわち、評価用ウェハにおいて、実際の設計に則した寸法、ピッチ等、所条件を盛り込んだ様々な素子のパターンが形成され、製造工程の評価がなされるのである。このような評価用ウェハ41のチップ領域部分42には容量形成領域等、大面積の素子領域が設けられることがある。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。素子分離領域STIは斜線で示してあり、図のようにトレンチの疎密の差が著しい。このような構成に前記第1、第2実施形態及び方法が採用されることによって、高信頼性の素子分離領域が得られ、適正な評価用ウェハが構成できるのである。
【0036】
なお、各実施形態において、CMPのストッパ膜として第1の研磨レートを有する第1層はシリコン窒化膜(11)、第2層はシリコン酸化窒化膜(12)を示したが、これに限らない。第1層上により大きい研磨レートの第2層が研磨速度調整用として凹凸が構成されれば、他の材料を用いても構わない。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CMPストッパとして、研磨レートの異なる第1、第2の層を有し、第1の層上にそれより研磨レートの大きい第2の層が主に凹凸のダミーパターンを形成する。これにより、化学的機械的研磨の際、素子分離用の絶縁膜と第2の層、第2の層と第1の層において研磨速度に差をつけ、かつ研磨圧力の偏りを防止する。これにより、平坦化不均一性をなくす。また、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨を実現する。この結果、トレンチ素子分離領域を伴い、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において容易にCMPの研磨ムラを抑制することができ、少ない研磨量で膜厚ばらつきの少ない平坦化レベルを実現する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれ図1や図2に示すようなダミーパターンDMP1,2いずれにも使用可能な具体例を示す平面図である。
【図4】前記第1、第2実施形態及び方法が採用される評価用ウェハの部分平面図である。
【図5】(a)〜(d)は、それぞれ従来の半導体装置のSTI製造法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
10,51…半導体基板、11,52…シリコン窒化膜、
12…シリコン酸化窒化膜、13,53…トレンチ、14,54…酸化膜、
31,32…凹部溝パターン、41…評価用ウェハ、42…チップ領域部分、
DMP…ダミーパターン、A1,A2…素子領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において化学的機械的研磨によって平坦化前処理を経る半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板上に形成した素子を互いに分離する方法としてトレンチ・アイソレーションが知られている。トレンチ・アイソレーションは、素子形成領域以外の半導体基板に溝(トレンチ)を形成し、溝内部を絶縁物、特に酸化シリコン膜などで充填し、素子間分離を実現する。トレンチ・アイソレーションは、LOCOS分離法(選択酸化分離)に比べて基板中に深く分離距離を稼げる。このため、分離幅を著しく縮小することが可能である。トレンチ・アイソレーションはSTI(Shallow Trench Isolation)と呼称され、半導体集積回路の高集積化に有利な構造である。
【0003】
図5(a)〜(d)は、それぞれ従来の半導体装置のSTI製造法を工程順に示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、半導体基板51上においてフォトリソグラフィ工程を経て窒化膜(シリコン窒化膜)52によるマスクパターンを形成する。このマスクパターンに従って基板51に所定深さの溝パターン、いわゆるトレンチ53をエッチング形成する。
【0004】
次に、図5(b)に示すように、トレンチ53を酸化した後(図示せず)、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)54を形成する。酸化膜54はトレンチ53の凹凸に従って堆積レベルが異なってくる。すなわち、酸化膜54に関し、トレンチ53の密度が高い領域は堆積レベルが低く、それに比べてトレンチ53があまり存在しない広い素子領域上は堆積レベルが高く、厚く形成された状態となる。
【0005】
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を利用することにより、素子領域上など比較的厚く形成された状態の酸化膜54を選択的にエッチングし、ある程度薄くした領域541を作る。これにより、後に行われる平坦化工程における均一化を図る。
【0006】
次に、図5(d)に示すように、平坦化処理として化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing )技術を利用する。すなわち、被平坦化層の凹凸部に加わる研磨パッドの圧力差で研磨レートの選択性が生じ、所定時間経過後には凹凸部をなだらかにする。窒化膜52をCMPのストッパ膜として検出し、その後に窒化膜52を除去する。これにより、トレンチ53に酸化膜54が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のようにトレンチ・アイソレーションにCMPを実施すれば、誤差の少ない平坦化レベルを実現することができる。しかしながら、やはりトレンチ53の疎密によってCMP時に面内ばらつきが生じることが少なくない。ディシング等研磨ムラが起これば、窒化膜52が早く露出してしまう領域が現れる。これによってCMP処理終了の検出がなされれば、酸化膜54の残留領域が少なからず存在する。従って、その後の窒化膜52の除去工程に支障をきたす。
【0008】
このような事態の対策として、CMP処理は、窒化膜52の検出からさらに研磨時間を多く取り、窒化膜52上に残留した酸化膜54を完全に除去するといった過剰研磨を実行していた。この結果、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化の進行、トレンチ素子分離膜としての酸化膜54の膜厚ばらつきに影響を及ぼすといった問題がある。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、トレンチ素子分離領域を伴い、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において容易にCMPの研磨ムラを抑制することができ、少ない研磨量で膜厚ばらつきの少ない平坦化レベルを実現する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の[請求項1]に係る半導体装置の製造方法は、
半導体基板上において第1の研磨レートを有する第1の層を形成する工程と、前記第1の層上に前記第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2の層を形成する工程と、
少なくとも前記第2の層が複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンを形成する工程と、
リソグラフィ技術を経て前記基板への素子分離用の溝パターンを形成する工程と、
前記第2の層上を含んで前記溝パターンを埋め込む素子分離用の離絶縁膜を堆積する工程と、
少なくとも前記第1の層が露出するまで化学的機械的研磨により平坦化する工程と、
前記第1の層を除去する工程と、
を具備したことを特徴とする。
【0011】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、研磨レートの異なる第1、第2の層を有し、第1の層上にそれより研磨レートの大きい第2の層が主に凹凸のダミーパターンを形成する。これにより、化学的機械的研磨の際、素子分離用の絶縁膜と第2の層、第2の層と第1の層において研磨速度に差をつけ、かつ研磨圧力の偏りを防止する。これにより、平坦化不均一性をなくす。また、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨を実現する。
【0012】
本発明の[請求項2]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]に従属され、
前記第2の層は前記第1の層よりも厚く形成することを特徴とする。第2の層は、第1の層よりも研磨レートが大きく、また凹凸を形成する関係上、より望ましい構成である。
【0013】
本発明の[請求項3]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]または[請求項2]に従属され、
前記ダミーパターンにおける凹部の底部は第1の層が露出することを特徴とする。凹凸を形成するリソグラフィ工程の関係による。
【0014】
本発明の[請求項4]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項3]いずれか一つに従属され、
前記溝パターン形成周辺における前記第2の層はダミーパターンの凹部のみ、または凸部のみで構成されることを特徴とする。リソグラフィ工程の精度向上に寄与する。
【0015】
本発明の[請求項5]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項4]いずれか一つに従属され、
前記ダミーパターンは、格子溝パターンを有することを特徴とする。
本発明の[請求項6]に係る半導体装置の製造方法は、[請求項1]〜[請求項4]いずれか一つに従属され、
前記ダミーパターンは、複数の開口パターンを有することを特徴とする。
これらのダミーパターンは、均一的な化学的機械的研磨を実現するために好ましい構成である。
【0016】
本発明の[請求項7]に係る半導体装置は、前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された半導体基板を構成することを特徴とする。
【0017】
本発明の[請求項8]に係る半導体装置は、前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された評価用半導体ウェハを構成することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、半導体基板10において、CMP(化学的機械的研磨)のストッパ膜として第1の研磨レートを有する第1層、例えばシリコン窒化膜11を形成する。このシリコン窒化膜11上に、機能的にはストッパ膜ではあるが実質的には研磨速度調整用として働く第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2層、例えばシリコン酸化窒化膜12を形成する。
【0019】
次に図1(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成されるレジストマスク(図示せず)及び反応性イオンエッチング技術を利用して、シリコン酸化窒化膜12に対し複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンDMP1を形成する。ここでは、第1層であるシリコン窒化膜11が露出しないようにエッチング時間を制御してダミーパターンDMP1の凹凸が形成されている。また、素子分離用の溝パターン形成予定領域周辺は、ダミーパターンの凹凸を配列しない。図ではエッチングをしない凸部のみの状態としているが、エッチングして凹部のみの状態としてもよい。
【0020】
次に図1(c)に示すように、新たにフォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクRMを形成し、反応性イオンエッチング技術を利用して、素子分離用の溝パターン、いわゆるトレンチ13をエッチング形成する。すなわち、シリコン酸化窒化膜12及びシリコン窒化膜11、さらには基板10を反応ガスの切替えを伴い連続的にエッチングする。例えばシリコン酸化窒化膜12及びシリコン窒化膜11はCF4やCHF3等で、また、基板10はCl2をエッチングガス種として利用する。ここでは、素子領域の関係上、トレンチ13の疎密の差が現れている領域を示す。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。
【0021】
次に、図1(d)に示すように、レジスト除去後、トレンチ13を熱酸化し酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)14を形成する。酸化膜14はトレンチ13が形成する凹凸やダミーパターンDMP1の凹凸に従った堆積レベルとなる。大面積の素子領域A2上にもダミーパターンDMP1があるため、堆積レベルの著しい変化は抑制される。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、酸化膜14を主としたCMPを施す。CMP途中、シリコン酸化窒化膜12のダミーパターンDMP1により研磨圧力の偏りが防止されつつ、全体的に研磨速度が落ちる。やがてシリコン酸化窒化膜12とシリコン窒化膜11が混在する研磨に至り、シリコン酸化窒化膜12の割合が極小になるとさらに研磨速度が落ちて研磨終了となる。
【0023】
その後、図1(f)に示すように、熱リン酸浸漬等によるシリコン窒化膜11の除去工程を経る。これにより、トレンチ13に酸化膜14が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0024】
上記第1実施形態及び方法によれば、研磨レートの異なる2層(シリコン窒化膜11とシリコン酸化窒化膜12)のCMPストッパ膜が用いられる。これにより、研磨レートの大きい上層のシリコン酸化窒化膜12がダミーパターンDMP1を形成し、研磨圧力の偏り防止に寄与する。また、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨が達成される。
【0025】
すなわち、従来の残留酸化膜の懸念は解消される。しかも、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化を最小限に抑えつつ、より適切な状態でシリコン窒化膜11の除去工程に移行できる。よって、トレンチ素子分離膜としての酸化膜14の膜厚ばらつきの影響は非常に小さいものとなり、以降の素子製造工程に高信頼性を保つことができる。
【0026】
図2(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。上記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
図2(a)に示すように、半導体基板10上に第1の研磨レートを有する第1層、例えばシリコン窒化膜11、その上に第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2層、例えばシリコン酸化窒化膜12を形成する。この構成は第1実施形態の図1(a)と同様である。
【0027】
次に図2(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術により形成されるレジストマスク(図示せず)及び反応性イオンエッチング技術を利用して、シリコン酸化窒化膜12に対し複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンDMP2を形成する。ここでは、底部に第1層であるシリコン窒化膜11を露出させる形態となっている。また、素子分離用の溝パターン形成予定領域周辺は、ダミーパターンの凹凸を配列しない。図ではエッチングしてシリコン窒化膜11を露出させた凹部のみの状態としているが、エッチングせずに凸部のみの状態としてもよい。
【0028】
次に図2(c)に示すように、新たにフォトリソグラフィ技術を利用してレジストマスクRMを形成し、反応性イオンエッチング技術を利用して、素子分離用の溝パターン、いわゆるトレンチ13をエッチング形成する。すなわち、シリコン窒化膜11、基板10を反応ガスの切替えを伴い連続的にエッチングする。例えばシリコン窒化膜11はCF4やCHF3等で、また、基板10はCl2をエッチングガス種として利用する。ここでは、素子領域の関係上、トレンチ13の疎密の差が現れている領域を示す。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。
【0029】
次に、図2(d)に示すように、レジスト除去後、トレンチ13を熱酸化し酸化膜(図示せず)を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(シリコン酸化膜)14を形成する。酸化膜14はトレンチ13が形成する凹凸やダミーパターンDMP2の凹凸に従った堆積レベルとなる。大面積の素子領域A2上にもダミーパターンDMP2があるため、堆積レベルの著しい変化は抑制される。
【0030】
次に、図2(e)に示すように、酸化膜14を主としたCMPを施す。CMP途中、シリコン酸化窒化膜12のダミーパターンDMP2により研磨圧力の偏りが防止されつつ、全体的に研磨速度が落ちる。やがてシリコン酸化窒化膜12とシリコン窒化膜11が混在する研磨に至り、シリコン酸化窒化膜12の割合が極小になるとさらに研磨速度が落ちて研磨終了となる。
【0031】
その後、図2(f)に示すように、熱リン酸浸漬等によるシリコン窒化膜11の除去工程を経る。これにより、トレンチ13に酸化膜14が埋め込まれたトレンチ素子分離絶縁膜が形成される。
【0032】
上記第2実施形態及び方法によっても前記第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、2層CMPストッパ膜として、下層よりも研磨レートの大きい上層のシリコン酸化窒化膜12がダミーパターンDMP2を形成することにより、研磨圧力の偏り防止に寄与する。また、素子分離用の酸化膜14、シリコン酸化窒化膜12、シリコン窒化膜11の占める割合に応じて研磨速度に差がつく。これにより、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨が達成される。
【0033】
そして、従来の残留酸化膜の懸念は解消され、CMP効率の低下、研磨パッドの劣化が最小限に抑えられる。従って、より適切な状態でシリコン窒化膜11の除去工程に移行できる。よって、トレンチ素子分離膜としての酸化膜14の膜厚ばらつきの影響は非常に小さいものとなり、以降の素子製造工程に高信頼性を保つことができる。
【0034】
図3(a),(b)は、それぞれ図1や図2に示すようなダミーパターンDMP1,2いずれにも使用可能な具体例を示す平面図である。図3(a)では、格子溝パターン31をフォトリソグラフィ技術により形成する。また、図3(b)では、複数の開口パターン32をフォトリソグラフィ技術により形成する。つまり斜線で示すパターン31、32はいずれも凹部溝パターンとなり、研磨パッドの圧力の偏り防止に寄与し、より均一なCMPを実現する。
【0035】
図4は、前記第1、第2実施形態及び方法が採用される評価用ウェハの部分平面図である。微細化素子を含む半導体集積回路の設計、開発化に伴い、ゲート電極や配線形成に必要なリソグラフィ技術の評価、素子としての製造に関する膜質などの諸条件の評価は重要であり、予め評価用ウェハで評価される。すなわち、評価用ウェハにおいて、実際の設計に則した寸法、ピッチ等、所条件を盛り込んだ様々な素子のパターンが形成され、製造工程の評価がなされるのである。このような評価用ウェハ41のチップ領域部分42には容量形成領域等、大面積の素子領域が設けられることがある。すなわち、素子領域A1に比べて大面積の素子領域A2が設けられる部分を含んでいる。素子分離領域STIは斜線で示してあり、図のようにトレンチの疎密の差が著しい。このような構成に前記第1、第2実施形態及び方法が採用されることによって、高信頼性の素子分離領域が得られ、適正な評価用ウェハが構成できるのである。
【0036】
なお、各実施形態において、CMPのストッパ膜として第1の研磨レートを有する第1層はシリコン窒化膜(11)、第2層はシリコン酸化窒化膜(12)を示したが、これに限らない。第1層上により大きい研磨レートの第2層が研磨速度調整用として凹凸が構成されれば、他の材料を用いても構わない。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CMPストッパとして、研磨レートの異なる第1、第2の層を有し、第1の層上にそれより研磨レートの大きい第2の層が主に凹凸のダミーパターンを形成する。これにより、化学的機械的研磨の際、素子分離用の絶縁膜と第2の層、第2の層と第1の層において研磨速度に差をつけ、かつ研磨圧力の偏りを防止する。これにより、平坦化不均一性をなくす。また、研磨パッドにおける研磨レートの選択性が活かされ、過剰研磨など無駄のない均一的な化学的機械的研磨を実現する。この結果、トレンチ素子分離領域を伴い、特に素子分離領域用の溝の疎密が著しい半導体基板において容易にCMPの研磨ムラを抑制することができ、少ない研磨量で膜厚ばらつきの少ない平坦化レベルを実現する半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれ図1や図2に示すようなダミーパターンDMP1,2いずれにも使用可能な具体例を示す平面図である。
【図4】前記第1、第2実施形態及び方法が採用される評価用ウェハの部分平面図である。
【図5】(a)〜(d)は、それぞれ従来の半導体装置のSTI製造法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
10,51…半導体基板、11,52…シリコン窒化膜、
12…シリコン酸化窒化膜、13,53…トレンチ、14,54…酸化膜、
31,32…凹部溝パターン、41…評価用ウェハ、42…チップ領域部分、
DMP…ダミーパターン、A1,A2…素子領域
Claims (8)
- 半導体基板上において第1の研磨レートを有する第1の層を形成する工程と、
前記第1の層上に前記第1の研磨レートより大きい第2の研磨レートを有する第2の層を形成する工程と、
少なくとも前記第2の層が複数の凹凸を有するように所定深さのダミーパターンを形成する工程と、
リソグラフィ技術を経て前記基板への素子分離用の溝パターンを形成する工程と、
前記第2の層上を含んで前記溝パターンを埋め込む素子分離用の絶縁膜を堆積する工程と、
少なくとも前記第1の層が露出するまで化学的機械的研磨により平坦化する工程と、
前記第1の層を除去する工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第2の層は前記第1の層よりも厚く形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ダミーパターンにおける凹部の底部は第1の層が露出することを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記溝パターン形成周辺における前記第2の層はダミーパターンの凹部のみ、または凸部のみで構成されることを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ダミーパターンは、格子溝パターンを有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
半導体装置。 - 前記ダミーパターンは、複数の開口パターンを有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された半導体基板を構成することを特徴とする半導体装置。
- 前記[請求項1]〜[請求項6]いずれかの方法を用いて素子分離領域及びこれに囲まれた素子領域が形成された評価用半導体ウェハを構成することを特徴とする半導体装置。
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