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JP2004101882A - 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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JP2004101882A
JP2004101882A JP2002263867A JP2002263867A JP2004101882A JP 2004101882 A JP2004101882 A JP 2004101882A JP 2002263867 A JP2002263867 A JP 2002263867A JP 2002263867 A JP2002263867 A JP 2002263867A JP 2004101882 A JP2004101882 A JP 2004101882A
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organic photoreceptor
charge
image
image forming
titanyl phthalocyanine
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JP2002263867A
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English (en)
Inventor
Shingo Fujimoto
藤本 信吾
Kazumasa Watanabe
渡邉 一雅
Shinichi Hamaguchi
濱口 進一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、チタニルフタロシアニン顔料等を用いた場合の帯電特性、感度特性の温湿度変化を改良し、カブリ、黒ポチ、環境メモリ、白ヌケ等の画像欠陥の発生がない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
【解決手段】電荷発生物質として少なくともチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有し、また電荷輸送物質として下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【化1】
Figure 2004101882

【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる有機感光体、及び該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優れる有機感光体(以下、単に感光体ともいう)に主体が移り、様々な材料を用いた有機感光体が開発されている。
【0003】
近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異なる材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となっており、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層型の有機感光体が広く用いられている。
【0004】
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
【0005】
デジタル方式の画像形成では、デジタル電気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像として書き込む際の光源としてレーザ、特に半導体レーザやLEDが用いられている。
【0006】
これらのレーザ光やLED光の発振波長は、780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長波長光である。デジタル的に画像形成を行う際に使用される有機感光体にとって、まず第一に要求される特性としてはこれらの長波長光に対して高感度であることであり、これまで多種多様な材料についてそのような特性を有するか否かの検討がなされてきている。その中でもフタロシアニン顔料は、合成が比較的簡単である上、長波長光に対して高感度を示すものが多い点で、フタロシアニン顔料を用いた有機感光体が、幅広く検討され、実用化されている。
【0007】
なかでも、粉末X線回折スペクトルにてブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料(以後、単にY型チタニルフタロシアニン顔料とも云う)は高感度な素材として知られ学会報告もされている(非特許文献1)。更に、藤巻はこのY型チタニルフタロシアニン顔料が乾燥した不活性ガス中での脱水処理によっての光量子効率が低下することを見いだした。しかしながら、この光量子効率の低下は常温常湿度環境に放置して水を再吸収させると再び量子効率が上がることから、Y型チタニルフタロシアニン顔料は水を含んだ結晶構造を有し、この水分子が光によって生成した励起子のホールとエレクトロンとの解離を促進し、これが高い光量子効率を示す原因の一つと推測している。(非特許文献2)
このような素材を電荷発生物質として用いた場合、環境、特に湿度変動により、帯電特性、感度特性が変化し、環境メモリ(高温高湿の環境から低温低湿の環境に変わったとき、帯状の画像欠陥が発生する現象)や黒ポチが発生しやすい。
【0008】
これらの問題を解決するため、チタニルフタロシアニンのアルカンジオール付加体を電荷発生物質として用いた有機感光体が提案されている(特許文献1、2)。このアルカンジオール付加体は前記Y型チタニルフタロシアニン顔料に比し、感度等の温湿度依存性が改善されているが、該電荷発生物質の採用だけでは、尚環境メモリ等が完全に解決されない。また本アルカンジオール付加体は高温高湿等の厳しい環境下での耐黒ポチ性や長期の感光体使用時における耐久性に劣り、耐久末期では画像濃度が十分得られない、画像カブリが発生するなどの点で問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−273775号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平8−82949号公報
【0011】
【非特許文献1】
電子写真学会誌,29(3),250(1990)
【0012】
【非特許文献2】
Y.Fujimaki:IS&T’s 7th International Congress on Advance in Nonimpact Printing Technologies,Paper Summaries,269(1991)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、チタニルフタロシアニン顔料等を用いた場合の帯電特性、感度特性の温湿度変化を改良し、カブリ、環境メモリ、黒ポチ、白ヌケ等の画像欠陥の発生がない有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は有機感光体の前記したような課題の原因となっている電荷発生物質及び感光層全体について検討を加えた結果、電荷発生物質にチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体(以下、単にチタニルフタロシアニン付加体とも云う)を用いると共に、電荷輸送物質に特定の構造を有する化合物を用いることにより、感光体の帯電特性、感度特性の耐湿度依存性を改善し、カブリ、環境メモリ、黒ポチ、白ヌケ等の画像欠陥の発生も防止できることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は以下のような構成を有することにより、達成される。
【0015】
1.電荷発生物質として少なくともチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有し、また電荷輸送物質として前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【0016】
2.導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層は電荷発生物質として少なくともチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有し、該電荷輸送層は電荷輸送物質として前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【0017】
3.前記2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールが、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールであることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
【0018】
4.前記チタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体のX線回折スペクトルが、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0019】
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0020】
6.前記5に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0021】
7.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体と該有機感光体上を一様に帯電する帯電手段、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段、転写後の該有機感光体上の電荷を除去する除電手段及び転写後の該有機感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機感光体に使用する電荷発生物質としてはチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有することを特徴とする。本発明中、チタニルフタロシアニン化合物とは、一般式(2)で示すフタロシアニン残基中心にチタニル(O=Ti)基を持つものである。
【0023】
【化2】
Figure 2004101882
【0024】
一般式(2)中、X〜Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、n,m,l,kは0〜4の整数を表す。
【0025】
本発明の2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオール(以下、単に隣接ジオールとも云う)とは、脂肪族炭化水素の隣り合う炭素原子に一つずつ水酸基があるもので、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリンなどを挙げることができる。好ましくは一般式(3)、(4)で示されるような2つの隣接する各炭素原子が不斉炭素で構成される光学活性を有するジオールを挙げることができる。
【0026】
【化3】
Figure 2004101882
【0027】
(一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基を表す。)
上記R、R、R、Rのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル基が好ましい。即ち、R〜Rのアルキル基が比較的炭素数が少ないアルキル基である方がチタニルフタロシアニンとの付加体を形成しやすい。中でも、(2R,3R)−2,3ブタンジオール及び(2S,3S)−2,3ブタンジオールの少なくとも1つを用いたチタニルフタロシアニン付加体が最も好ましい。チタニルフタロシアニン付加体の構造は、例えば(2R,3R)−2,3ブタンジオールとの付加体で表すと、下記で示されるようなチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3ブタンジオールの脱水縮合により生成する付加体化合物と推定される。
【0028】
【化4】
Figure 2004101882
【0029】
本発明のチタニルフタロシアニン付加体は上記隣接ジオールとチタニルフタロシアニンを各種溶媒中で室温あるいは加熱下で反応させることで合成することができる。原料であるチタニルフタロシアニンはフタロニトリルと四塩化チタンから得る合成法、ジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得る合成法、フタロニトリルと尿素とアルコキシチタンから得る合成法等通常知られている何れの合成法も用いることが出来るが、特にはジイミノイソインドリンとアルコキシチタンから得られる塩素含有量の少ない高純度なチタニルフタロシアニンが好ましい。またチタニルフタロシアニンはアシッドペースト処理等の方法により無定形化してから隣接ジオールと反応させるものが好ましい。本発明のチタニルフタロシアニン付加体を得るには、隣接ジオールをチタニルフタロシアニンに対して0.5〜2.0モル当量を加え、反応させることが好ましく、必ずしもチタニルフタロシアニン化合物1.0モル当量に対して1.0モル当量以上の隣接ジオールを必要としない。これは本発明のチタニルフタロシアニン付加体が隣接ジオール付加チタニルフタロシアニンと隣接ジオール付加のないチタニルフタロシアニンとの混晶状態でも電荷発生物質として高感度で高性能な状態を保つことができるからと考えられる。
【0030】
チタニルフタロシアニンとジオールとの反応は、広範囲な温度条件下で行うことができ、反応温度は25〜300℃の範囲が好ましく、50〜150℃の範囲であることがより好ましい。
【0031】
反応溶剤としては各種有機溶媒を使用することができ、例えば、トルエン、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、α−クロロナフタレン等の芳香族系有機溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、テトラヒドロフラン、ジメチルセロソルブ等のエーテル系有機溶剤、酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン系極性有機溶剤、トリクロロエタン等のハロゲン系有機溶剤、ブタノール、オクタノール、ドデカノール等のアルコール系有機溶剤等を挙げることができる。
【0032】
結晶形
また本発明のチタニルフタロシアニン付加体としては、CuKαに対するX線回折スペクトルにおいて、少なくとも以下の1)又は2)のブラッグ角(2θ±0.2°)に明確なピーク(バックグランドと明確に区別できるピーク)を有するものが好ましい。
【0033】
1)少なくとも8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有するもの(図1のX線回折スペクトルに相当)
2)少なくとも9.5°、26.3°に明確な主たるピークを有するもの(図2のX線回折スペクトルに相当)
が好ましく、特には8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを示すものがより好ましい。
【0034】
一方、本発明の有機感光体に使用する電荷輸送物質としては、前記一般式(1)で表される化合物である。
【0035】
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては以下のような化合物が挙げられる。
【0036】
【化5】
Figure 2004101882
【0037】
【化6】
Figure 2004101882
【0038】
以上、本発明は前記した電荷発生物質と電荷輸送物質を組み合わせて用いることにより、従来問題となっていた、環境メモリ、黒ポチ及び白ヌケ等の画像欠陥を防止し、高温高湿から低温低湿環境まで、良好な電子写真画像を提供することができる。
【0039】
次に本発明の有機感光体の層構成について説明する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0040】
上記有機感光体の層構成は、特に限定はないが、基本的には電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層から構成されるが、その上に表面層を塗設した構成でもよい。又、表面層は保護層の機能と電荷輸送の機能を有していることが好ましい。
【0041】
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
【0042】
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0043】
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
【0044】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0045】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好まく、特にはポリアミド等のバインダー樹脂中に酸化チタン微粒子を分散含有させる中間層が好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
【0046】
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
【0047】
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましい。中でも複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものが好ましい。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
【0048】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0049】
この様に、酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0050】
表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはメチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキチシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の各種アルコキシシラン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
【0051】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0052】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0053】
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として前述のチタニルフタロシアニン付加体を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
【0054】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
【0055】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0056】
電荷輸送物質(CTM)としては前記一般式(1)で表される化合物を使用する。該一般式(1)で表される化合物以外の電荷輸送物質も併用できるが、主たる電荷輸送物質は一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0058】
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0059】
以上、本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
【0060】
感光層の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0061】
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0062】
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図5は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【0063】
図5に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0064】
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0065】
ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0066】
その静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材543、544、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cmの範囲である。
【0067】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図5のように現像位置上部に設けて行う。
【0068】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0069】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙Pにトナーと反対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
【0070】
次いで記録紙Pは分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成に備える。図5では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0071】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0072】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0073】
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0074】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
【0075】
合成例1
チタニルフタロシアニン−アモルファス品の合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2gをオルトジクロルベンゼン200mlに分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4gを加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱する。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥後、26.2g(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得る。ついで粗チタニルフタロシアニンを5℃以下で濃硫酸250ml中で1時間攪拌して溶解し、これを20℃の水5Lに注ぎ込む。析出した結晶を濾過し、充分に水洗してウェットペースト品225gを得る。ついでウェットペースト品を冷凍庫にて凍結し、再度解凍した後、濾過、乾燥してチタニルフタロシアニン−アモルファス品24.8g(収率86%)を得た。
【0076】
合成例2
チタニルフタロシアニン付加体CG−1の作製((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体)
トルエン200mlと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール1.8g(0.6モル当量)を溶解し、これにチタニルフタロシアニン−アモルファス品19.6gを加える。次いでエステル管を備えて加熱還流し、生成する水をトルエンとの共沸によって除去しながら3時間反応させる。放冷後、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする付加体(CG−1)19.8gを得た。CG−1のX線回折スペクトルを図1に示す。
【0077】
合成例3
チタニルフタロシアニン付加体CG−2の作製((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体)
トルエン200mlと(2R,3R)−2,3−ブタンジオール3.7g(1.2モル当量)を溶解し、これにチタニルフタロシアニン−アモルファス品19.6gを加える。次いでエステル管を備えて加熱還流し、生成する水をトルエンとの共沸によって除去しながら3時間反応させる。放冷後、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする付加体(CG−2)20.7gを得た。CG−2のX線回折スペクトルを図2に示す。
【0078】
合成例4
チタニルフタロシアニン付加体CG−3の作製((2S,3S)−2,3−ブタンジオール付加体)
トルエン200mlと(2S,3S)−2,3−ブタンジオール2.1g(0.7モル当量)を溶解し、これにチタニルフタロシアニン−アモルファス品19.6gを加える。次いでエステル管を備えて加熱還流し、生成する水をトルエンとの共沸によって除去しながら3時間反応させる。放冷後、(2S,3S)−2,3−ブタンジオール付加体を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的とする付加体(CG−3)20.0gを得た。
【0079】
感光体1の作製
円筒状アルミニウム基体上に、下記の組成の中間層塗布液を浸漬塗布して、膜厚4.0μmの中間層を形成した。
【0080】
〈中間層塗布液〉
下記組成を循環式湿式分散機を用いて分散した。
【0081】
ポリアミド樹脂「CM8000」(東レ社製)          10部
酸化チタン(数平均一次粒径35nm、一次表面処理;シリカ・アルミナ処理
、二次表面処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン処理)    30部
メタノール                         100部
その上に下記の電荷発生層塗布液を、浸漬塗布して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0082】
〈電荷発生層塗布液〉
下記組成を混合しサンドグラインダーにて分散した。
【0083】
Figure 2004101882
その上に下記の組成を混合した電荷輸送層塗布液を塗布して、110℃;60分加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製した。
【0084】
〈電荷輸送層塗布液〉
電荷輸送物質:化合物CT−2                200部
ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱瓦斯化学社製) 300部
2,6−ジ−t−ブチル−4−フェニルフェノール         5部
トルエン/テトラヒドロフラン=1/9(v/v)      2000部
尚、上記電荷発生層を透明ペットベース上に塗布乾燥した試料を用いて、X線回折スペクトルを測定したデータを図3に示す。図3のX線回折スペクトルは電荷発生層のバインダー(ポリビニルブチラール樹脂)の影響を受け、図1のCG−1の顔料のX線回折スペクトルに比し、0.2°〜0.3°低角度側にシフトしている。
【0085】
感光体2〜12の作製
感光体1において、電荷発生物質のチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとの付加体CG−1と電荷輸送物質の化合物CT−2を表1のように変更した以外は同様にして感光体2〜12を作製した。
【0086】
感光体13の作製
感光体1において、電荷発生物質のチタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとの付加体CG−1を、下記に示す合成法で得たX線回折スペクトルで、27.3°に最大ピークを有するY型チタニルフタロシアニン顔料(表1ではY−TiOPc)に変更した以外は同様にして感光体13を作製した。
【0087】
Y型チタニルフタロシアニン顔料の合成例
ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラブトキシドからチタニルフタロシアニン粗品を作り、これを硫酸に溶かし水に注いで生じた沈殿を濾過し水で十分に洗って無定型チタニルフタロシアニン顔料含水ペーストを得る。この顔料含水ペースト(固形分換算約10g)をオルトジクロルベンゼン100mlと水100mlの混合液(水層は分離している)に分散し、70℃で6時間加熱後、メタノールに注いで生じた結晶を濾過し、乾燥してY型チタニルフタロシアニン顔料(Y−TiOPc:X線回折スペクトルは図4)を得た。
【0088】
感光体14
感光体1において、電荷輸送物質の化合物CT−2を下記化合物T−1に変更した以外は同様にして感光体14を作製した。
【0089】
感光体15
感光体1において、電荷輸送物質の化合物CT−2を下記化合物T−2に変更した以外は同様にして感光体15を作製した。
【0090】
【化7】
Figure 2004101882
【0091】
【表1】
Figure 2004101882
【0092】
評価
Konica7050(コニカ社製レーザデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている)改造機に感光体1〜15を装着し、反転現像で評価した。高温高湿(HH)環境下(33℃;80%)にて5万回の実写試験及び低温低湿(LL)環境下(15℃;30%)にて5万回の実写試験を行い、画像評価を行った。帯電条件及びクリーニング条件等の画像形成条件は下記のように設定した。
【0093】
帯電条件
帯電器;初期帯電電位を−650V
現像条件
DCバイアス ;約−500V
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像スリーブ径;40mm
転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA
クリーニング条件
弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線圧):15g/cm
画像評価
画像評価は画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4紙に複写を行い評価した。
【0094】
各評価項目及び判定基準は、下記に示す通りである。
画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。)
◎:黒ベタ画像が1.2以上
○:黒ベタ画像が1.0〜1.2未満
×:黒ベタ画像が1.0未満
カブリ
マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字されていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、コピー画像の白地部分を同様に20ヵ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。帯電電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。
【0095】
◎:ベタ白画像濃度が0.005未満(良好)
○:ベタ白画像濃度が0.005以上0.01未満(実用上問題なし)
×:0.01以上(実用上問題あり)
環境メモリ:上記Konica7050複写機をHH下に24時間放置後、低湿低温下(LL:10℃、20RH%)に置き、30分後、コピーした。オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度にコピー、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
黒ポチ(HH及びLL環境下で評価した)
黒ポチについては、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0096】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
白抜け(HH及びLL環境下で評価した)
白抜けの評価は、ハーフトーン画像で評価した。周期性が感光体の周期と一致し、目視できる白抜けが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0097】
A:0.4mm以上の白抜け頻度:全ての複写画像が5個/A4以下(良好)
B:0.4mm以上の白抜け頻度:6個/A4以上、19個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
C:0.4mm以上の白抜け頻度:20個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
評価結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
Figure 2004101882
【0099】
表2より電荷発生物質にチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を用い、且つ電荷輸送物質に一般式(1)で表される化合物を用いた感光体1〜12は、上記画像濃度、カブリ、環境メモリ、黒ポチ、白抜けの評価が良好な或いは実用上問題ない特性を示しているのに対し、本発明外の電荷発生物質を有する感光体13では環境メモリ、白抜けの評価項目で性能が低下している。一方、電荷輸送物質に本発明外の電荷輸送物質を用いた感光体14、15は耐黒ポチ性に劣り、さらに画像濃度低下、カブリ発生を起こしていることが示されている。
【0100】
【発明の効果】
実施例からも明らかなように、本発明の構成を有する有機感光体を用いることにより、カブリ、黒ポチ特性が良好であり、更に温湿度条件の環境変化に対して発生しやすい画像不良の発生が防止され、良好な電子写真画像を形成することができる。又該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】CG−1のX線回折スペクトルの図である。
【図2】CG−2のX線回折スペクトルの図である。
【図3】感光体1の電荷発生層のX線回折スペクトルを示す図である。
【図4】Y型チタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの図である。
【図5】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543,544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (7)

  1. 電荷発生物質として少なくともチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有し、また電荷輸送物質として下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 2004101882
    (一般式(1)中、R、R、Rは、各々水素原子、もしくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表し、p、q、rは0〜4の整数を表し、Arは置換、無置換の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表し、Rは水素原子、置換、無置換の芳香族炭化水素基、又は複素環基を表す。nは0又は1の整数を表す。)
  2. 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する有機感光体において、該電荷発生層は電荷発生物質として少なくともチタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体を含有し、該電荷輸送層は電荷輸送物質として前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
  3. 前記2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールが、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール及び/又は(2S,3S)−2,3−ブタンジオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体。
  4. 前記チタニルフタロシアニンと2つの隣接する各炭素原子に水酸基を有するジオールとの付加体のX線回折スペクトルが、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項5に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体と該有機感光体上を一様に帯電する帯電手段、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段、転写後の該有機感光体上の電荷を除去する除電手段及び転写後の該有機感光体上の残留するトナーを除去するクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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