JP2004092634A - 発電機搭載内燃機関駆動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電時に車両が暴走するおそれをなくすことができるようにした発電機搭載内燃機関駆動車両を提供する。
【解決手段】内燃機関1のクランク軸と駆動車輪8との間に遠心クラッチ2を有する動力伝達装置6を備えた内燃機関駆動車両において、内燃機関1のクランク軸に発電機11の回転子を取り付け、車両の運転休止時に発電機11を運転して負荷に電力を供給する。内燃機関11がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間のある回転速度で回転しているときに発電機11から定格出力を発生させる。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関1のクランク軸と駆動車輪8との間に遠心クラッチ2を有する動力伝達装置6を備えた内燃機関駆動車両において、内燃機関1のクランク軸に発電機11の回転子を取り付け、車両の運転休止時に発電機11を運転して負荷に電力を供給する。内燃機関11がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間のある回転速度で回転しているときに発電機11から定格出力を発生させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を搭載していて、車両の運転休止時に発電機から負荷に電力を供給するようにした内燃機関駆動車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、不整地を走行することを主目的とした内燃機関駆動車両であるATV(All Terrain Vehicle、いわゆるバギー車)や、トラクター、或いはレクリエーションビークルなどの内燃機関駆動車両において、電動工具や、家庭電化製品等の屋外での使用を可能にするために、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を搭載して、車両の運転休止時に、AC100VやAC200V(50Hzまたは60Hz)等の商用交流出力を負荷に供給することが行われるようになっている。このような車両は例えば、特許文献1に示されている。
【0003】
この種の車両では、内燃機関と駆動車輪との間に設ける動力伝達装置として、動力の伝達を断つギアポジションを有するCVT等の無断変速機と所定のクラッチイン速度(通常2000r/min〜3000r/min)以上の速度で接続状態になる遠心クラッチとを備えたものを用いることが多い。
【0004】
上記のように発電機を搭載した内燃機関駆動車両において、動力伝達装置として遠心クラッチを備えたものが用いられている場合には、動力伝達装置のギアポジションがニュートラル位置及びパーキング位置以外の位置にあって、動力伝達装置を通して動力の伝達が行われる状態で発電機の運転が開始されて、内燃機関の回転速度が所定の発電出力を得るために必要な回転速度まで上昇させられると、遠心クラッチがつながって車両が暴走することになる。このような事態が生じるのを防ぐため、この種の内燃機関駆動車両では、特許文献1に示されているように、動力伝達装置のギアポジションを検出するギアポジションセンサを設けて、ギアポジションが動力の伝達を断つポジションにあることが検出されているときにのみ、発電時制御モードでの回転速度の制御を行わせるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−231106号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、車両の運転休止時に、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を電源として負荷に電力を供給するようにした内燃機関駆動車両においては、発電時に車両が暴走するのを防ぐために、ギアポジションセンサを設けて、ギアポジションが動力の伝達を断つポジションにあることが検出されているときにのみ発電時制御モードでの回転速度の制御を行わせるようにしている。
【0007】
しかしながら、このように構成しても、ギアポジションセンサの故障、または変速機の故障により、動力伝達装置が動力の伝達を行う状態にあるにもかかわらずギアポジションセンサが動力の伝達が断たれているとの誤検出を行うと、発電機の運転が開始されてしまうため、発電時に車両が暴走するおそれを完全になくすことができないという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、ギアポジションセンサに頼ることなく、発電時に車両が暴走するのを防ぐことができるようにした発電機搭載内燃機関駆動車両を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて内燃機関のクランク軸と車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、内燃機関により駆動される発電機とを備えて、車両の運転停止時に発電機を運転して負荷に電力を供給する発電機搭載内燃機関駆動車両に適用されるもので、本発明においては、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成される。
【0010】
上記のように構成すると、発電機は機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに定格出力を発生するため、発電機を運転する際に内燃機関の回転速度がクラッチイン速度に達することはない。従って、発電機を運転する際に、遠心クラッチがつながって車両が暴走するおそれをなくすことができる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、内燃機関により駆動される発電機と、内燃機関の制御モードを車両運転時制御モードとするか発電時制御モードとするかを選択するモード選択手段と、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関を回転させるように内燃機関を制御する発電時機関制御手段を有する制御装置とが設けられて、発電機が内燃機関の回転速度よりも高い回転速度で回転するように、発電機の回転子が増速機構を介して内燃機関のクランク軸に接続され、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度が、内燃機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間に設定される。
【0012】
このように構成すると、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度よりも高い速度で発電機を回転させることができるため、高出力の発電機を小形に構成することができる。また発電機として同期発電機を用いて、その界磁電流を制御することにより発電機の出力を調整する構成をとる場合に、同期発電機の出力周波数を商用周波数とすることが容易になる。
【0013】
例えば、クラッチイン速度が2000r/minである場合に、回転速度が3600r/minのときに60Hzの交流出力を発生する同期発電機を用いることができる。
【0014】
上記制御装置は、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段と、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに制限値を車両運転時に適合した値とし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段とを備えた構成とすることができる。
【0015】
上記発電機として、界磁制御が可能な同期発電機を用いる場合には、発電時制御モードが選択されているときに発電機の出力周波数を商用周波数に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように発電時機関制御手段を構成する。
【0016】
上記発電機として磁石式交流発電機を用いる場合には、発電機の出力を直流出力に変換する直流変換器と該直流変換器の直流出力を交流出力に変換するインバータとが設けられる。この場合、制御装置は、インバータから商用周波数の交流出力を発生させるようにインバータを制御するインバータ制御手段を更に備えた構成とし、発電時機関制御手段は、発電時制御モードが選択されているときにインバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように構成する。
【0017】
上記直流変換器としては、ダイオードブリッジ全波整流回路等からなる整流器を用いてもよく、ダイオードとサイリスタやFETなどのスイッチ素子との混合ブリッジ回路からなる制御整流器などを用いてもよい。直流変換器として制御整流器を用いる場合には、該制御整流器を構成するスイッチ素子をオンオフ制御することにより、直流変換器の出力電圧を制御することができる。
【0018】
なおここで、「インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させる」とは、インバータの出力電圧を定格値に保つために、負荷の変化に応じて内燃機関の回転速度を変化させるように制御する場合と、内燃機関の回転速度を設定値に保持した状態で負荷の変化に応じて直流変換器の出力またはインバータのスイッチ素子のオンデューティを変化させてインバータの出力電圧を定格値に保つ制御を行う際に内燃機関の回転速度を設定値に保つように制御する場合との双方を含む意味である。
【0019】
本発明の好ましい態様では、上記発電機の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との切換の制御が可能な発電機用クラッチが設けられ、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオフ状態にし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段が設けられる。
【0020】
上記のように、発電機用クラッチを設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明が対象とする内燃機関駆動車両は、ATV(バギー車)、トラクタ、レクリエーショナルビークル等、車両を駆動する内燃機関に取り付けられた発電機を電源として用いて商用周波数の交流電力を発生する電源装置を搭載したものであればよく、車両の用途、構造、型式等は任意である。
【0023】
図1は、本発明が対象とする内燃機関駆動車両の全体的な構成の一例を示したものである。同図において1は内燃機関で、内燃機関1のクランク軸1aの一端は遠心クラッチ2と、ベルト変速機構3及びギアボックス4を有するCVT(無断変速機)5とからなる動力伝達装置6と歯車機構7とを通して車両の駆動輪8が取り付けられた車軸9に接続されている。ギアボックス4にはギアポジション選択レバー4aが取り付けられていて、このレバーを操作することにより、ギアポジションをパーキングポジションP、ハイポジションH、ローポジションL、ニュートラルポジションN及びリバース(後退)ポジションRにそれぞれ切り換えることができるようになっている。ギアボックス4には、ギアポジションを検出するギアポジションセンサ10が取り付けられている。これらのギアポジションの内、ニュートラルポジションN及びパーキングポジションPは、内燃機関から駆動車輪側への動力の伝達を断つポジションであり、ハイポジションH、ローポジションL及びリバース(後退)ポジションRは、内燃機関から駆動車輪側へ動力を伝達するポジションである。
【0024】
内燃機関1のクランク軸1aの他端にはオンオフ制御が可能な発電機用クラッチ19を介して発電機11の回転子が取り付けられている。発電機11の固定子は機関のケースやカバーなどに設けられた取付け部に固定されている。
【0025】
図示の発電機11は、界磁制御が可能な同期発電機からなっていて、車両の運転休止時に、この発電機11により、商用周波数の交流電圧を発生する電源装置が構成される。
【0026】
内燃機関の吸気管1bにはスロットルバルブ12が取り付けられ、このスロットルバルブの操作軸に電気式のアクチュエータ13の出力軸が連結されている。スロットルバルブ12の操作軸にはまたスロットルバルブの開度に比例した電気信号を発生するスロットルセンサ14の入力軸が接続されている。
【0027】
図示してないが、内燃機関1の吸気管1bにインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられ、内燃機関のシリンダヘッドに点火プラグが取り付けられている。
【0028】
15はマイクロプロセッサを備えた制御装置で、この制御装置には、手動操作される切換スイッチからなるモード選択手段16から制御モードを車両運転時制御モードとするか、発電時制御モードとするかを選択する選択指令が与えられるようになっている。
【0029】
内燃機関1にはまた、機関の特定のクランク角位置でパルス信号を発生する信号発生器17が取り付けられ、この信号発生器の出力がギアポジションセンサ10の出力及びスロットルセンサ14の出力とともに制御装置15に入力されている。
【0030】
図示の信号発生器17は、発電機11のクランク軸1aに直結されたロータ17Aの外周に設けられた突起からなるリラクタ(誘導子)17aの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときにパルス信号を発生するように構成されている。
【0031】
また内燃機関の点火時期及び燃料噴射量を制御するために用いる制御条件(機関の温度、大気圧等)を検出する各種のセンサ(図示せず。)が設けられ、これらのセンサの出力が制御装置15に入力されている。
【0032】
制御装置15は、マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより、内燃機関の運転に必要な制御を行う内燃機関制御部(ECU)と、モード選択手段により選択された制御モードに応じて内燃機関を所要の回転速度で回転させるようにスロットルバルブ開度を制御するスロットル制御部と、発電機の出力を定格出力に保つように発電機の界磁電流を制御する界磁制御部とを構成する。
【0033】
図1の実施形態において、発電機用クラッチ19は、オン状態とオフ状態との切換制御が可能な電磁クラッチからなっていて、このクラッチ19をオンオフすることにより、発電機11の回転子を機関のクランク軸に接続したり、クランク軸から切り離したりすることができるようになっている。
【0034】
図4は、図1の実施形態で用いる制御装置の構成を示したもので、図4において20は内燃機関制御部(ECU)である。図示の内燃機関制御部は、点火回路21と、インジェクタ駆動回路22と、回転速度検出手段23と、点火時期制御手段24と、燃料噴射制御手段25と、制限値設定手段26と、過回転防止手段27と、制限値切換手段28とにより構成されている。
【0035】
これらの各部を説明すると、点火回路21は、点火時期制御手段24から点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する回路である。この点火回路が発生する点火用高電圧は、内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられた点火プラグに印加される。
【0036】
インジェクタ駆動回路22は、内燃機関の吸気管などに取り付けられたインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)に駆動電流を供給する回路である。インジェクタ駆動回路22は、燃料噴射制御手段25から噴射指令信号が与えられている間インジェクタに駆動電流を与える。インジェクタは、インジェクタ駆動回路22から駆動電流が与えられている間その弁を開いて燃料を噴射する。インジェクタには燃料ポンプから燃料が与えられる。インジェクタに与えられる燃料の圧力は圧力レギュレータにより一定に保たれるため、燃料噴射量はインジェクタが燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)により決められる。
【0037】
回転速度検出手段23は、機関の回転速度を検出する手段である。この検出手段23は、例えば、機関に取り付けられて特定のクランク角位置でパルスを発生する信号発生器の出力を入力として、この信号発生器が出力するパルスの発生間隔(機関が一定の角度を回転するのに要する時間)から機関の回転速度を演算することにより、機関の回転速度を検出する。
【0038】
点火時期制御手段24は、回転速度検出手段により検出された回転速度や、スロットルセンサ14により検出されたスロットルバルブ開度などの各種の制御条件に対して機関の点火時期を演算して、演算した点火時期が検出されたときに点火回路21に点火信号を与える。
【0039】
燃料噴射制御手段25は、機関の回転速度、スロットルバルブ開度、大気圧、機関の温度などの各種の制御条件に応じてインジェクタから噴射させる燃料の噴射量を演算して、演算した噴射量に相当する信号幅を有する矩形波状の噴射指令信号をインジェクタ駆動回路22に与える。
【0040】
制限値設定手段26は、内燃機関の回転速度の制限値(上限値)を与える手段で、車両運転時及び発電時にそれぞれ適合した車両運転時用制限値及び発電時用制限値をメモリに記憶している。制限値設定手段26は、制限値切換手段28から与えられる読み出し指令に応じて所定の制限値をメモリから読み出して過回転防止手段27に与える。
【0041】
過回転防止手段27は、内燃機関の回転速度が制限値を超えないように制御する手段である。図示の過回転防止手段は、回転速度検出手段23により検出された回転速度が、制限値設定手段26から与えられる制限値を超えたときに点火時期制御手段24からの点火信号の出力を停止させて、点火回路が点火用高電圧を出力するのを阻止することにより機関を失火させると同時に、燃料噴射制御手段25からインジェクタ駆動回路22への噴射指令信号の供給を停止させることにより燃料噴射を停止させて、機関の回転速度を制限値以下に低下させるように構成されている。
【0042】
なお過回転防止手段27は、上記の構成を有するものに限られるものではなく、種々の構成をとることができる。過回転防止手段27は、例えば、内燃機関の回転速度が制限値を超えたときに内燃機関の点火時期を遅らせることにより、機関の回転速度を制限値以下に低下させるように構成されたものでもよい。
【0043】
制限値切換手段28は、本発明において特に設けられたもので、モード選択手段16が選択している制御モードに応じて機関の回転速度の制限値を切り換える手段である。図示の制限値切換手段は、モード選択手段16が車両運転時制御モードを選択しているときに、制限値設定手段26が車両運転時用制限値をメモリから読み出して過回転防止手段27に与え、モード選択手段16が発電時制御モードを選択しているときに制限値設定手段26が発電時用制限値をメモリから読み出して過回転防止手段に与えるように、選択されている制御モードに応じて、制限値設定手段26に読み出し指令を与える。
【0044】
上記車両運転時用制限値は、車両の最高速度との関係で適宜に設定する。また発電時用制限値は、遠心クラッチ2のクラッチイン速度未満の値に設定しておく。
【0045】
内燃機関制御部20の構成は、制限値切換手段28が設けられている点を除き、従来のものと同様である。
【0046】
またスロットル制御部30は、車両運転時スロットル制御手段31と、発電時スロットル制御手段32とにより構成されている。
【0047】
車両運転時スロットル制御手段31は、モード制御手段16により車両運転時制御モードが選択されているときに、運転者が操作するアクセル操作部(アクセルグリップやアクセルペダル)の変位量を検出しているアクセルセンサ33の出力から演算される目標スロットル開度と、スロットルバルブ開度を検出しているスロットルセンサ14の出力とを入力として、スロットルバルブ開度を運転者によるアクセル操作部材の操作量に相応した大きさとするように、アクチュエータ13を制御する。
【0048】
また発電時スロットル制御手段32は、モード選択手段16により発電時制御モードが選択されているときに発電機11から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関1を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御する手段である。この例では、発電機11として、界磁制御が可能な同期発電機を用いているため、発電時スロットル制御手段は、発電時制御モードが選択されているときに発電機の出力周波数を商用周波数に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべくアクチュエータ13を制御して、スロットルバルブ開度を制御する。
【0049】
本実施形態では、上記発電時スロットル制御手段32により、発電時制御モードが選択されているときに発電機11から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関1を回転させるように機関を制御する発電時機関制御手段が構成されている。
【0050】
発電時機関制御手段は、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関を回転させるように内燃機関を制御する手段である。上記の例では、発電時制御モードが選択されているときに、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で機関を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御する手段により発電時機関制御手段を構成しているが、発電時機関制御手段の構成は上記の例に限定されない。例えば、内燃機関にスロットルバルブをバイパスするエアバイパス通路が設けられていて、このエアバイパス通路を流れるエアの量(エアバイパス量)を制御することにより機関の回転速度を制御することができるようになっている場合には、発電時制御モードが選択されているときに、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で機関を回転させるようにエアバイパス量を制御する手段により発電時機関制御手段を構成することができる。
【0051】
図4に示した例ではまた、界磁制御部34と、クラッチ制御手段35とが設けられている。界磁制御部34は、発電機11の出力電圧と定格値との偏差を零にするように発電機の界磁電流を制御する手段で、この手段は、例えば、発電機11の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、この検出手段により検出された出力電圧と定格値との偏差を演算する電圧偏差演算手段と、電圧偏差演算手段により演算された偏差を零にするために必要な界磁電流を演算する界磁電流演算手段と、発電機の界磁コイルに流す界磁電流の大きさを界磁電流演算手段により演算された値に等しくするように調整する界磁電流調整手段とにより構成することができる。
【0052】
また、クラッチ制御手段35は、モード選択手段16により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオフ状態にし、モード選択手段16により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御する手段で、この手段は、モード選択手段16により選択された制御モードに応じて発電機用クラッチ19を構成する電磁クラッチへの通電電流を制御する手段により構成される。
【0053】
上記の実施形態では、発電機として界磁制御が可能な同期発電機を用いたが、図2に示したように、発電機11として磁石式交流発電機を用いて、発電機11の出力を整流器とインバータとを通して商用周波数の交流電圧に変換する場合には、制御装置を図5に示したように構成する。
【0054】
即ち、発電機として磁石式交流発電機を用いる場合には、発電機の出力を直流出力に変換する直流変換器と、該直流変換器の直流出力を交流出力に変換するインバータとが設けられ、制御装置15には、インバータから商用周波数の交流出力を発生させるようにインバータを制御するインバータ制御手段が更に設けられる。
【0055】
この場合、発電時機関制御手段は、発電時制御モードが選択されているときにインバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように構成される。
【0056】
直流変換器としては、ダイオードブリッジ全波整流回路等からなる整流器を用いてもよく、ダイオードとサイリスタやFETなどのスイッチ素子との混合ブリッジ回路からなる制御整流器などを用いてもよい。直流変換器として制御整流器を用いる場合には、該制御整流器を構成するスイッチ素子をオンオフ制御することにより、直流変換器の出力電圧を制御することができる。
【0057】
なおここで、「インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させる」とは、インバータの出力電圧を定格値に保つために、負荷の変化に応じて内燃機関の回転速度を変化させるように制御する場合と、内燃機関の回転速度を設定値に保持した状態で負荷の変化に応じて直流変換器の出力またはインバータのスイッチ素子のオンデューティを変化させてインバータの出力電圧を定格値に保つ制御を行う際に内燃機関の回転速度を設定値に保つように制御する場合との双方を含む意味である。
【0058】
図5に示した例では、発電機11の出力が直流変換器を構成する整流器36とインバータ37とを通して商用周波数の交流出力に変換されて図示しない負荷に供給される。この場合、制御装置にインバータ制御部34が設けられる。インバータ制御部34は、インバータ37から商用周波数の交流電圧を出力させるようにインバータ37を構成するスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0059】
またこの場合は、インバータ37の出力電圧の目標値(定格値)と整流器36(直流変換器)の出力電圧との偏差に基づいて、インバータ37の出力電圧を目標値に一致させるために必要な回転速度を目標回転速度として演算する目標回転速度演算手段(図示せず。)が設けられ、この演算手段により演算された目標回転速度が、発電時スロットル制御手段32に与えられる。
【0060】
発電時スロットル制御手段32は、発電時制御モードが選択されているときに、内燃機関の回転速度を上記目標回転速度に一致させるように制御するべく、アクチュエータ13を制御する。これにより、発電機11が定格出力を発生するように制御され、インバータ37から定格電圧が出力されるように内燃機関の回転速度が制御される。図5に示した制御装置のその他の構成は、図4に示したものと同様である。
【0061】
なお、図5において、整流器36に代えて、ダイオードと、サイリスタやFET等のスイッチ素子との混合ブリッジ回路等からなる制御整流器(出力電圧,電流を制御する機能を有する整流器)を用いて、この制御整流器により直流変換部を構成するようにしてもよい。
【0062】
上記の説明では、インバータ制御部34が、インバータ37から商用周波数の交流電圧を出力させるようにインバータ37を制御し、発電時スロットル制御手段32が、インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御するとしたが、発電時スロットル制御手段32は内燃機関の回転速度を設定速度に保持するように制御し、インバータ制御部34が、負荷の変化に対してインバータ37の出力電圧を定格値に保つようにインバータ37を構成するスイッチ素子のオンデューティ比を制御するようにしてもよい。
【0063】
また整流器36に代えて制御整流器を用いる場合には、、発電時スロットル制御手段32により内燃機関の回転速度を設定速度に保持するようにスロットルバルブ開度を制御し、別途設けた制御手段により、負荷の変化に対してインバータ37の出力電圧を定格値に保つように制御整流器の出力電圧を制御する(この場合インバータ制御部34はインバータ37の出力周波数を商用周波数に保つようにインバータ37を制御する。)ようにしてもよい。
【0064】
本発明においては、内燃機関1がアイドル回転速度とクラッチイン速度(遠心クラッチ2がつながる回転速度)との間にある回転速度で回転しているときに発電機11が定格出力を発生するように構成される。
【0065】
このように、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度(遠心クラッチ2がつながる回転速度)との間のある回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成しておくと、発電時スロットル制御手段32は、発電時制御モードが選択されているときに、内燃機関をアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の速度で回転させるように制御することになるため、発電時に機関の回転速度がクラッチイン速度に達することはない。従って、発電時に遠心クラッチがつながって車両が走り出すのを防ぐことができる。
【0066】
内燃機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で発電機から定格出力を発生させるようにするために採り得る手段は数多くある。一般に発電機の出力対回転速度特性は、発電機の界磁と、電機子巻線の巻数とを調整することにより、適宜に設定することができる。従って例えば、発電機の電機子巻線の巻数を従来よりも多くしたり、界磁を強くしたりすることにより、より低い回転速度で発電機から定格出力を発生させることが可能になり、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに、発電機から定格出力を発生させるように発電機を設計することができる。
【0067】
また場合によっては、遠心クラッチのクラッチイン速度を高くすることにより、アイドル回転速度とクラッチイン速度との間の速度で発電機から定格出力を発生させることを可能にしてもよい。即ち、発電機から定格出力を発生させるために、従来用いられていた遠心クラッチのクラッチイン速度が低すぎる場合には、該クラッチイン速度を、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度よりも高くするように変更するようにしてもよい。
【0068】
またクラッチイン速度を高く設定し直すと車両の運転感覚が悪くなる場合には、図3に示すように、内燃機関のクランク軸1aと発電機11の回転子との間に歯車機構などからなる増速機構40を設けて、クランク軸の回転速度よりも高い速度で発電機の回転子を回転させることにより、クラッチイン速度以上の速度で定格出力を発生させていた従来の発電機と同等の発電機を用いて、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で発電機から定格出力を発生させるようにすることができる。
【0069】
図3に示すように、増速機構40を設けて、発電機11の回転子をクランク軸の回転速度よりも高い速度で回転させるように構成すると、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度よりも高い速度で発電機を回転させることができるため、高出力の発電機を小形に構成することができる。また発電機として同期発電機を用いて、その界磁電流を制御することにより発電機の出力を調整する構成をとる場合に、同期発電機の出力周波数を商用周波数とすることが容易になる。
【0070】
例えば、クラッチイン速度が2000r/minである場合に、回転速度が3600r/minのときに60Hzの交流出力を発生する同期発電機を用いることができる。
【0071】
図1、図2及び図3にそれぞれ示した実施形態のように、機関のクランク軸と発電機の回転子との間に発電機用クラッチ19を設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、図3に示したように、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構40を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0072】
上記の実施形態のように、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段27と、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに上記制限値を車両運転時に適合した値とし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに上記制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段26とを制御装置15に設けて、発電時制御モードが選択されているときに内燃機関の回転速度の制限値をクラッチイン速度未満の値に切り換えるようにしておくと、発電機11の負荷が急に軽くなったときにスロットルバルブ12が閉じるのが遅れて、機関の回転速度が一時的な上昇を示した場合に遠心クラッチがつながるのを防ぐことができるため、安全性を向上させることができる。
【0073】
過回転防止手段27及び制限値切換手段28を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。このアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1においてエンジンの回転速度Nを検出する。この回転速度の検出は、内燃機関制御部20に設けられている回転速度検出手段23により演算されてメモリに記憶されている回転速度を読み出すことにより行うことができる。次いで、ステップ2においてモード選択手段16により選択されている制御モードを判定する。この判定の過程で、制御モードが発電時制御モードであると判定されたときには、ステップ3に進んでクラッチイン速度よりも低く設定された発電時用制限値NOGを過回転防止制御における回転速度の制限値NOVERとして設定する。またステップ2において、選択されている制御モードが発電時制御モードでない(車両運転時制御モードである)と判定されたときには、ステップ4に進んで車両運転時制限値NORを過回転防止制御における回転速度の制限値NOVERとして設定する。
【0074】
次いで、ステップ5において、ステップ1で検出された機関の回転速度Nを制限値NOVERと比較する。この比較の結果、N≧NOVERであると判定されたときには、ステップ6に進んで過回転防止制御を行わせる。この過回転防止制御では、インジェクタ駆動回路22への噴射指令信号の供給を停止させて燃料噴射を停止させるとともに、点火回路21への点火信号の供給を停止させることにより点火動作を停止させて機関を失火させることにより、内燃機関の回転速度を制限値以下に低下させる。またステップ5において、N<NOVERであると判定されたときには、ステップ7に進んで燃料噴射の停止と点火動作の停止とを解除し、通常の制御を行わせる。
【0075】
上記のように、発電機11の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との間の切換制御が可能な発電機用クラッチ19を設けるとともに、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオフ状態にし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段35を設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機11の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0076】
上記のように、本発明においては、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間のある回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成したため、変速機のギアポジションの如何に関わりなく発電時に車両が暴走するのを防ぐことができるが、安全性を更に向上させるために、ギアポジションセンサ10がニュートラルポジションまたはパーキングポジションを検出しているときにのみ、発電機から定格出力を発生させるように内燃機関の回転速度を制御する制御動作を行わせるように発電時機関制御手段(図4及び図5に示した例では発電時スロットル制御手段32)を構成することを何ら妨げない。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成したので、発電時制御モードが選択されて発電機から負荷に電力を供給しているときに、遠心クラッチがつながって車両が暴走するおそれをなくすことができる。
【0078】
また本発明において、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段を設けるとともに、車両運転時制御モードが選択されているときに制限値を車両運転時に適合した値とし、発電時制御モードが選択されているときに制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段を設けた場合には、発電機の負荷が急に軽くなったときにスロットルバルブが閉じるのが遅れて、機関の回転速度が一時的な上昇を示した場合に遠心クラッチがつながるのを防ぐことができるため、安全性を更に向上させることができる。
【0079】
更に本発明において、発電機の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との間の切換の制御が可能な発電機用クラッチを設けるとともに、車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオフ状態にし、発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段を設けた場合には、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合に、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を概略的に示した模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態の構成例を示した模式図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態の構成例を示した模式図である。
【図4】図1の実施形態で用いる制御装置の構成を示したブロック図である。
【図5】図2の実施形態で用いる制御装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図6】図4または図5に示した制御装置において、過回転防止手段及び制限値切換手段を実現するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムの要部を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…遠心クラッチ、3…ベルト変速機、4…ギアボックス、5…無断変速機、6…動力伝達装置、8…車両の駆動輪、11…発電機、12…スロットルバルブ、13…アクチュエータ、14…スロットルセンサ、15…制御装置、16…制御モード選択手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を搭載していて、車両の運転休止時に発電機から負荷に電力を供給するようにした内燃機関駆動車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、不整地を走行することを主目的とした内燃機関駆動車両であるATV(All Terrain Vehicle、いわゆるバギー車)や、トラクター、或いはレクリエーションビークルなどの内燃機関駆動車両において、電動工具や、家庭電化製品等の屋外での使用を可能にするために、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を搭載して、車両の運転休止時に、AC100VやAC200V(50Hzまたは60Hz)等の商用交流出力を負荷に供給することが行われるようになっている。このような車両は例えば、特許文献1に示されている。
【0003】
この種の車両では、内燃機関と駆動車輪との間に設ける動力伝達装置として、動力の伝達を断つギアポジションを有するCVT等の無断変速機と所定のクラッチイン速度(通常2000r/min〜3000r/min)以上の速度で接続状態になる遠心クラッチとを備えたものを用いることが多い。
【0004】
上記のように発電機を搭載した内燃機関駆動車両において、動力伝達装置として遠心クラッチを備えたものが用いられている場合には、動力伝達装置のギアポジションがニュートラル位置及びパーキング位置以外の位置にあって、動力伝達装置を通して動力の伝達が行われる状態で発電機の運転が開始されて、内燃機関の回転速度が所定の発電出力を得るために必要な回転速度まで上昇させられると、遠心クラッチがつながって車両が暴走することになる。このような事態が生じるのを防ぐため、この種の内燃機関駆動車両では、特許文献1に示されているように、動力伝達装置のギアポジションを検出するギアポジションセンサを設けて、ギアポジションが動力の伝達を断つポジションにあることが検出されているときにのみ、発電時制御モードでの回転速度の制御を行わせるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−231106号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、車両の運転休止時に、車両駆動用の内燃機関により駆動される発電機を電源として負荷に電力を供給するようにした内燃機関駆動車両においては、発電時に車両が暴走するのを防ぐために、ギアポジションセンサを設けて、ギアポジションが動力の伝達を断つポジションにあることが検出されているときにのみ発電時制御モードでの回転速度の制御を行わせるようにしている。
【0007】
しかしながら、このように構成しても、ギアポジションセンサの故障、または変速機の故障により、動力伝達装置が動力の伝達を行う状態にあるにもかかわらずギアポジションセンサが動力の伝達が断たれているとの誤検出を行うと、発電機の運転が開始されてしまうため、発電時に車両が暴走するおそれを完全になくすことができないという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、ギアポジションセンサに頼ることなく、発電時に車両が暴走するのを防ぐことができるようにした発電機搭載内燃機関駆動車両を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて内燃機関のクランク軸と車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、内燃機関により駆動される発電機とを備えて、車両の運転停止時に発電機を運転して負荷に電力を供給する発電機搭載内燃機関駆動車両に適用されるもので、本発明においては、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成される。
【0010】
上記のように構成すると、発電機は機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに定格出力を発生するため、発電機を運転する際に内燃機関の回転速度がクラッチイン速度に達することはない。従って、発電機を運転する際に、遠心クラッチがつながって車両が暴走するおそれをなくすことができる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、内燃機関により駆動される発電機と、内燃機関の制御モードを車両運転時制御モードとするか発電時制御モードとするかを選択するモード選択手段と、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関を回転させるように内燃機関を制御する発電時機関制御手段を有する制御装置とが設けられて、発電機が内燃機関の回転速度よりも高い回転速度で回転するように、発電機の回転子が増速機構を介して内燃機関のクランク軸に接続され、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度が、内燃機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間に設定される。
【0012】
このように構成すると、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度よりも高い速度で発電機を回転させることができるため、高出力の発電機を小形に構成することができる。また発電機として同期発電機を用いて、その界磁電流を制御することにより発電機の出力を調整する構成をとる場合に、同期発電機の出力周波数を商用周波数とすることが容易になる。
【0013】
例えば、クラッチイン速度が2000r/minである場合に、回転速度が3600r/minのときに60Hzの交流出力を発生する同期発電機を用いることができる。
【0014】
上記制御装置は、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段と、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに制限値を車両運転時に適合した値とし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段とを備えた構成とすることができる。
【0015】
上記発電機として、界磁制御が可能な同期発電機を用いる場合には、発電時制御モードが選択されているときに発電機の出力周波数を商用周波数に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように発電時機関制御手段を構成する。
【0016】
上記発電機として磁石式交流発電機を用いる場合には、発電機の出力を直流出力に変換する直流変換器と該直流変換器の直流出力を交流出力に変換するインバータとが設けられる。この場合、制御装置は、インバータから商用周波数の交流出力を発生させるようにインバータを制御するインバータ制御手段を更に備えた構成とし、発電時機関制御手段は、発電時制御モードが選択されているときにインバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように構成する。
【0017】
上記直流変換器としては、ダイオードブリッジ全波整流回路等からなる整流器を用いてもよく、ダイオードとサイリスタやFETなどのスイッチ素子との混合ブリッジ回路からなる制御整流器などを用いてもよい。直流変換器として制御整流器を用いる場合には、該制御整流器を構成するスイッチ素子をオンオフ制御することにより、直流変換器の出力電圧を制御することができる。
【0018】
なおここで、「インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させる」とは、インバータの出力電圧を定格値に保つために、負荷の変化に応じて内燃機関の回転速度を変化させるように制御する場合と、内燃機関の回転速度を設定値に保持した状態で負荷の変化に応じて直流変換器の出力またはインバータのスイッチ素子のオンデューティを変化させてインバータの出力電圧を定格値に保つ制御を行う際に内燃機関の回転速度を設定値に保つように制御する場合との双方を含む意味である。
【0019】
本発明の好ましい態様では、上記発電機の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との切換の制御が可能な発電機用クラッチが設けられ、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオフ状態にし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段が設けられる。
【0020】
上記のように、発電機用クラッチを設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明が対象とする内燃機関駆動車両は、ATV(バギー車)、トラクタ、レクリエーショナルビークル等、車両を駆動する内燃機関に取り付けられた発電機を電源として用いて商用周波数の交流電力を発生する電源装置を搭載したものであればよく、車両の用途、構造、型式等は任意である。
【0023】
図1は、本発明が対象とする内燃機関駆動車両の全体的な構成の一例を示したものである。同図において1は内燃機関で、内燃機関1のクランク軸1aの一端は遠心クラッチ2と、ベルト変速機構3及びギアボックス4を有するCVT(無断変速機)5とからなる動力伝達装置6と歯車機構7とを通して車両の駆動輪8が取り付けられた車軸9に接続されている。ギアボックス4にはギアポジション選択レバー4aが取り付けられていて、このレバーを操作することにより、ギアポジションをパーキングポジションP、ハイポジションH、ローポジションL、ニュートラルポジションN及びリバース(後退)ポジションRにそれぞれ切り換えることができるようになっている。ギアボックス4には、ギアポジションを検出するギアポジションセンサ10が取り付けられている。これらのギアポジションの内、ニュートラルポジションN及びパーキングポジションPは、内燃機関から駆動車輪側への動力の伝達を断つポジションであり、ハイポジションH、ローポジションL及びリバース(後退)ポジションRは、内燃機関から駆動車輪側へ動力を伝達するポジションである。
【0024】
内燃機関1のクランク軸1aの他端にはオンオフ制御が可能な発電機用クラッチ19を介して発電機11の回転子が取り付けられている。発電機11の固定子は機関のケースやカバーなどに設けられた取付け部に固定されている。
【0025】
図示の発電機11は、界磁制御が可能な同期発電機からなっていて、車両の運転休止時に、この発電機11により、商用周波数の交流電圧を発生する電源装置が構成される。
【0026】
内燃機関の吸気管1bにはスロットルバルブ12が取り付けられ、このスロットルバルブの操作軸に電気式のアクチュエータ13の出力軸が連結されている。スロットルバルブ12の操作軸にはまたスロットルバルブの開度に比例した電気信号を発生するスロットルセンサ14の入力軸が接続されている。
【0027】
図示してないが、内燃機関1の吸気管1bにインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられ、内燃機関のシリンダヘッドに点火プラグが取り付けられている。
【0028】
15はマイクロプロセッサを備えた制御装置で、この制御装置には、手動操作される切換スイッチからなるモード選択手段16から制御モードを車両運転時制御モードとするか、発電時制御モードとするかを選択する選択指令が与えられるようになっている。
【0029】
内燃機関1にはまた、機関の特定のクランク角位置でパルス信号を発生する信号発生器17が取り付けられ、この信号発生器の出力がギアポジションセンサ10の出力及びスロットルセンサ14の出力とともに制御装置15に入力されている。
【0030】
図示の信号発生器17は、発電機11のクランク軸1aに直結されたロータ17Aの外周に設けられた突起からなるリラクタ(誘導子)17aの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出したときにパルス信号を発生するように構成されている。
【0031】
また内燃機関の点火時期及び燃料噴射量を制御するために用いる制御条件(機関の温度、大気圧等)を検出する各種のセンサ(図示せず。)が設けられ、これらのセンサの出力が制御装置15に入力されている。
【0032】
制御装置15は、マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより、内燃機関の運転に必要な制御を行う内燃機関制御部(ECU)と、モード選択手段により選択された制御モードに応じて内燃機関を所要の回転速度で回転させるようにスロットルバルブ開度を制御するスロットル制御部と、発電機の出力を定格出力に保つように発電機の界磁電流を制御する界磁制御部とを構成する。
【0033】
図1の実施形態において、発電機用クラッチ19は、オン状態とオフ状態との切換制御が可能な電磁クラッチからなっていて、このクラッチ19をオンオフすることにより、発電機11の回転子を機関のクランク軸に接続したり、クランク軸から切り離したりすることができるようになっている。
【0034】
図4は、図1の実施形態で用いる制御装置の構成を示したもので、図4において20は内燃機関制御部(ECU)である。図示の内燃機関制御部は、点火回路21と、インジェクタ駆動回路22と、回転速度検出手段23と、点火時期制御手段24と、燃料噴射制御手段25と、制限値設定手段26と、過回転防止手段27と、制限値切換手段28とにより構成されている。
【0035】
これらの各部を説明すると、点火回路21は、点火時期制御手段24から点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する回路である。この点火回路が発生する点火用高電圧は、内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられた点火プラグに印加される。
【0036】
インジェクタ駆動回路22は、内燃機関の吸気管などに取り付けられたインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)に駆動電流を供給する回路である。インジェクタ駆動回路22は、燃料噴射制御手段25から噴射指令信号が与えられている間インジェクタに駆動電流を与える。インジェクタは、インジェクタ駆動回路22から駆動電流が与えられている間その弁を開いて燃料を噴射する。インジェクタには燃料ポンプから燃料が与えられる。インジェクタに与えられる燃料の圧力は圧力レギュレータにより一定に保たれるため、燃料噴射量はインジェクタが燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)により決められる。
【0037】
回転速度検出手段23は、機関の回転速度を検出する手段である。この検出手段23は、例えば、機関に取り付けられて特定のクランク角位置でパルスを発生する信号発生器の出力を入力として、この信号発生器が出力するパルスの発生間隔(機関が一定の角度を回転するのに要する時間)から機関の回転速度を演算することにより、機関の回転速度を検出する。
【0038】
点火時期制御手段24は、回転速度検出手段により検出された回転速度や、スロットルセンサ14により検出されたスロットルバルブ開度などの各種の制御条件に対して機関の点火時期を演算して、演算した点火時期が検出されたときに点火回路21に点火信号を与える。
【0039】
燃料噴射制御手段25は、機関の回転速度、スロットルバルブ開度、大気圧、機関の温度などの各種の制御条件に応じてインジェクタから噴射させる燃料の噴射量を演算して、演算した噴射量に相当する信号幅を有する矩形波状の噴射指令信号をインジェクタ駆動回路22に与える。
【0040】
制限値設定手段26は、内燃機関の回転速度の制限値(上限値)を与える手段で、車両運転時及び発電時にそれぞれ適合した車両運転時用制限値及び発電時用制限値をメモリに記憶している。制限値設定手段26は、制限値切換手段28から与えられる読み出し指令に応じて所定の制限値をメモリから読み出して過回転防止手段27に与える。
【0041】
過回転防止手段27は、内燃機関の回転速度が制限値を超えないように制御する手段である。図示の過回転防止手段は、回転速度検出手段23により検出された回転速度が、制限値設定手段26から与えられる制限値を超えたときに点火時期制御手段24からの点火信号の出力を停止させて、点火回路が点火用高電圧を出力するのを阻止することにより機関を失火させると同時に、燃料噴射制御手段25からインジェクタ駆動回路22への噴射指令信号の供給を停止させることにより燃料噴射を停止させて、機関の回転速度を制限値以下に低下させるように構成されている。
【0042】
なお過回転防止手段27は、上記の構成を有するものに限られるものではなく、種々の構成をとることができる。過回転防止手段27は、例えば、内燃機関の回転速度が制限値を超えたときに内燃機関の点火時期を遅らせることにより、機関の回転速度を制限値以下に低下させるように構成されたものでもよい。
【0043】
制限値切換手段28は、本発明において特に設けられたもので、モード選択手段16が選択している制御モードに応じて機関の回転速度の制限値を切り換える手段である。図示の制限値切換手段は、モード選択手段16が車両運転時制御モードを選択しているときに、制限値設定手段26が車両運転時用制限値をメモリから読み出して過回転防止手段27に与え、モード選択手段16が発電時制御モードを選択しているときに制限値設定手段26が発電時用制限値をメモリから読み出して過回転防止手段に与えるように、選択されている制御モードに応じて、制限値設定手段26に読み出し指令を与える。
【0044】
上記車両運転時用制限値は、車両の最高速度との関係で適宜に設定する。また発電時用制限値は、遠心クラッチ2のクラッチイン速度未満の値に設定しておく。
【0045】
内燃機関制御部20の構成は、制限値切換手段28が設けられている点を除き、従来のものと同様である。
【0046】
またスロットル制御部30は、車両運転時スロットル制御手段31と、発電時スロットル制御手段32とにより構成されている。
【0047】
車両運転時スロットル制御手段31は、モード制御手段16により車両運転時制御モードが選択されているときに、運転者が操作するアクセル操作部(アクセルグリップやアクセルペダル)の変位量を検出しているアクセルセンサ33の出力から演算される目標スロットル開度と、スロットルバルブ開度を検出しているスロットルセンサ14の出力とを入力として、スロットルバルブ開度を運転者によるアクセル操作部材の操作量に相応した大きさとするように、アクチュエータ13を制御する。
【0048】
また発電時スロットル制御手段32は、モード選択手段16により発電時制御モードが選択されているときに発電機11から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関1を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御する手段である。この例では、発電機11として、界磁制御が可能な同期発電機を用いているため、発電時スロットル制御手段は、発電時制御モードが選択されているときに発電機の出力周波数を商用周波数に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべくアクチュエータ13を制御して、スロットルバルブ開度を制御する。
【0049】
本実施形態では、上記発電時スロットル制御手段32により、発電時制御モードが選択されているときに発電機11から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関1を回転させるように機関を制御する発電時機関制御手段が構成されている。
【0050】
発電時機関制御手段は、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で内燃機関を回転させるように内燃機関を制御する手段である。上記の例では、発電時制御モードが選択されているときに、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で機関を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御する手段により発電時機関制御手段を構成しているが、発電時機関制御手段の構成は上記の例に限定されない。例えば、内燃機関にスロットルバルブをバイパスするエアバイパス通路が設けられていて、このエアバイパス通路を流れるエアの量(エアバイパス量)を制御することにより機関の回転速度を制御することができるようになっている場合には、発電時制御モードが選択されているときに、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で機関を回転させるようにエアバイパス量を制御する手段により発電時機関制御手段を構成することができる。
【0051】
図4に示した例ではまた、界磁制御部34と、クラッチ制御手段35とが設けられている。界磁制御部34は、発電機11の出力電圧と定格値との偏差を零にするように発電機の界磁電流を制御する手段で、この手段は、例えば、発電機11の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、この検出手段により検出された出力電圧と定格値との偏差を演算する電圧偏差演算手段と、電圧偏差演算手段により演算された偏差を零にするために必要な界磁電流を演算する界磁電流演算手段と、発電機の界磁コイルに流す界磁電流の大きさを界磁電流演算手段により演算された値に等しくするように調整する界磁電流調整手段とにより構成することができる。
【0052】
また、クラッチ制御手段35は、モード選択手段16により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオフ状態にし、モード選択手段16により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御する手段で、この手段は、モード選択手段16により選択された制御モードに応じて発電機用クラッチ19を構成する電磁クラッチへの通電電流を制御する手段により構成される。
【0053】
上記の実施形態では、発電機として界磁制御が可能な同期発電機を用いたが、図2に示したように、発電機11として磁石式交流発電機を用いて、発電機11の出力を整流器とインバータとを通して商用周波数の交流電圧に変換する場合には、制御装置を図5に示したように構成する。
【0054】
即ち、発電機として磁石式交流発電機を用いる場合には、発電機の出力を直流出力に変換する直流変換器と、該直流変換器の直流出力を交流出力に変換するインバータとが設けられ、制御装置15には、インバータから商用周波数の交流出力を発生させるようにインバータを制御するインバータ制御手段が更に設けられる。
【0055】
この場合、発電時機関制御手段は、発電時制御モードが選択されているときにインバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるべく内燃機関を制御するように構成される。
【0056】
直流変換器としては、ダイオードブリッジ全波整流回路等からなる整流器を用いてもよく、ダイオードとサイリスタやFETなどのスイッチ素子との混合ブリッジ回路からなる制御整流器などを用いてもよい。直流変換器として制御整流器を用いる場合には、該制御整流器を構成するスイッチ素子をオンオフ制御することにより、直流変換器の出力電圧を制御することができる。
【0057】
なおここで、「インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させる」とは、インバータの出力電圧を定格値に保つために、負荷の変化に応じて内燃機関の回転速度を変化させるように制御する場合と、内燃機関の回転速度を設定値に保持した状態で負荷の変化に応じて直流変換器の出力またはインバータのスイッチ素子のオンデューティを変化させてインバータの出力電圧を定格値に保つ制御を行う際に内燃機関の回転速度を設定値に保つように制御する場合との双方を含む意味である。
【0058】
図5に示した例では、発電機11の出力が直流変換器を構成する整流器36とインバータ37とを通して商用周波数の交流出力に変換されて図示しない負荷に供給される。この場合、制御装置にインバータ制御部34が設けられる。インバータ制御部34は、インバータ37から商用周波数の交流電圧を出力させるようにインバータ37を構成するスイッチ素子をオンオフ制御する。
【0059】
またこの場合は、インバータ37の出力電圧の目標値(定格値)と整流器36(直流変換器)の出力電圧との偏差に基づいて、インバータ37の出力電圧を目標値に一致させるために必要な回転速度を目標回転速度として演算する目標回転速度演算手段(図示せず。)が設けられ、この演算手段により演算された目標回転速度が、発電時スロットル制御手段32に与えられる。
【0060】
発電時スロットル制御手段32は、発電時制御モードが選択されているときに、内燃機関の回転速度を上記目標回転速度に一致させるように制御するべく、アクチュエータ13を制御する。これにより、発電機11が定格出力を発生するように制御され、インバータ37から定格電圧が出力されるように内燃機関の回転速度が制御される。図5に示した制御装置のその他の構成は、図4に示したものと同様である。
【0061】
なお、図5において、整流器36に代えて、ダイオードと、サイリスタやFET等のスイッチ素子との混合ブリッジ回路等からなる制御整流器(出力電圧,電流を制御する機能を有する整流器)を用いて、この制御整流器により直流変換部を構成するようにしてもよい。
【0062】
上記の説明では、インバータ制御部34が、インバータ37から商用周波数の交流電圧を出力させるようにインバータ37を制御し、発電時スロットル制御手段32が、インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で内燃機関を回転させるようにスロットルバルブ開度を制御するとしたが、発電時スロットル制御手段32は内燃機関の回転速度を設定速度に保持するように制御し、インバータ制御部34が、負荷の変化に対してインバータ37の出力電圧を定格値に保つようにインバータ37を構成するスイッチ素子のオンデューティ比を制御するようにしてもよい。
【0063】
また整流器36に代えて制御整流器を用いる場合には、、発電時スロットル制御手段32により内燃機関の回転速度を設定速度に保持するようにスロットルバルブ開度を制御し、別途設けた制御手段により、負荷の変化に対してインバータ37の出力電圧を定格値に保つように制御整流器の出力電圧を制御する(この場合インバータ制御部34はインバータ37の出力周波数を商用周波数に保つようにインバータ37を制御する。)ようにしてもよい。
【0064】
本発明においては、内燃機関1がアイドル回転速度とクラッチイン速度(遠心クラッチ2がつながる回転速度)との間にある回転速度で回転しているときに発電機11が定格出力を発生するように構成される。
【0065】
このように、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度(遠心クラッチ2がつながる回転速度)との間のある回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成しておくと、発電時スロットル制御手段32は、発電時制御モードが選択されているときに、内燃機関をアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の速度で回転させるように制御することになるため、発電時に機関の回転速度がクラッチイン速度に達することはない。従って、発電時に遠心クラッチがつながって車両が走り出すのを防ぐことができる。
【0066】
内燃機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で発電機から定格出力を発生させるようにするために採り得る手段は数多くある。一般に発電機の出力対回転速度特性は、発電機の界磁と、電機子巻線の巻数とを調整することにより、適宜に設定することができる。従って例えば、発電機の電機子巻線の巻数を従来よりも多くしたり、界磁を強くしたりすることにより、より低い回転速度で発電機から定格出力を発生させることが可能になり、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに、発電機から定格出力を発生させるように発電機を設計することができる。
【0067】
また場合によっては、遠心クラッチのクラッチイン速度を高くすることにより、アイドル回転速度とクラッチイン速度との間の速度で発電機から定格出力を発生させることを可能にしてもよい。即ち、発電機から定格出力を発生させるために、従来用いられていた遠心クラッチのクラッチイン速度が低すぎる場合には、該クラッチイン速度を、発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度よりも高くするように変更するようにしてもよい。
【0068】
またクラッチイン速度を高く設定し直すと車両の運転感覚が悪くなる場合には、図3に示すように、内燃機関のクランク軸1aと発電機11の回転子との間に歯車機構などからなる増速機構40を設けて、クランク軸の回転速度よりも高い速度で発電機の回転子を回転させることにより、クラッチイン速度以上の速度で定格出力を発生させていた従来の発電機と同等の発電機を用いて、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で発電機から定格出力を発生させるようにすることができる。
【0069】
図3に示すように、増速機構40を設けて、発電機11の回転子をクランク軸の回転速度よりも高い速度で回転させるように構成すると、機関のアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度よりも高い速度で発電機を回転させることができるため、高出力の発電機を小形に構成することができる。また発電機として同期発電機を用いて、その界磁電流を制御することにより発電機の出力を調整する構成をとる場合に、同期発電機の出力周波数を商用周波数とすることが容易になる。
【0070】
例えば、クラッチイン速度が2000r/minである場合に、回転速度が3600r/minのときに60Hzの交流出力を発生する同期発電機を用いることができる。
【0071】
図1、図2及び図3にそれぞれ示した実施形態のように、機関のクランク軸と発電機の回転子との間に発電機用クラッチ19を設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、図3に示したように、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構40を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0072】
上記の実施形態のように、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段27と、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに上記制限値を車両運転時に適合した値とし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに上記制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段26とを制御装置15に設けて、発電時制御モードが選択されているときに内燃機関の回転速度の制限値をクラッチイン速度未満の値に切り換えるようにしておくと、発電機11の負荷が急に軽くなったときにスロットルバルブ12が閉じるのが遅れて、機関の回転速度が一時的な上昇を示した場合に遠心クラッチがつながるのを防ぐことができるため、安全性を向上させることができる。
【0073】
過回転防止手段27及び制限値切換手段28を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。このアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1においてエンジンの回転速度Nを検出する。この回転速度の検出は、内燃機関制御部20に設けられている回転速度検出手段23により演算されてメモリに記憶されている回転速度を読み出すことにより行うことができる。次いで、ステップ2においてモード選択手段16により選択されている制御モードを判定する。この判定の過程で、制御モードが発電時制御モードであると判定されたときには、ステップ3に進んでクラッチイン速度よりも低く設定された発電時用制限値NOGを過回転防止制御における回転速度の制限値NOVERとして設定する。またステップ2において、選択されている制御モードが発電時制御モードでない(車両運転時制御モードである)と判定されたときには、ステップ4に進んで車両運転時制限値NORを過回転防止制御における回転速度の制限値NOVERとして設定する。
【0074】
次いで、ステップ5において、ステップ1で検出された機関の回転速度Nを制限値NOVERと比較する。この比較の結果、N≧NOVERであると判定されたときには、ステップ6に進んで過回転防止制御を行わせる。この過回転防止制御では、インジェクタ駆動回路22への噴射指令信号の供給を停止させて燃料噴射を停止させるとともに、点火回路21への点火信号の供給を停止させることにより点火動作を停止させて機関を失火させることにより、内燃機関の回転速度を制限値以下に低下させる。またステップ5において、N<NOVERであると判定されたときには、ステップ7に進んで燃料噴射の停止と点火動作の停止とを解除し、通常の制御を行わせる。
【0075】
上記のように、発電機11の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との間の切換制御が可能な発電機用クラッチ19を設けるとともに、モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオフ状態にし、モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチ19をオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段35を設けておくと、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機11の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合には、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【0076】
上記のように、本発明においては、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間のある回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成したため、変速機のギアポジションの如何に関わりなく発電時に車両が暴走するのを防ぐことができるが、安全性を更に向上させるために、ギアポジションセンサ10がニュートラルポジションまたはパーキングポジションを検出しているときにのみ、発電機から定格出力を発生させるように内燃機関の回転速度を制御する制御動作を行わせるように発電時機関制御手段(図4及び図5に示した例では発電時スロットル制御手段32)を構成することを何ら妨げない。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、内燃機関がアイドル回転速度とクラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに発電機が定格出力を発生するように構成したので、発電時制御モードが選択されて発電機から負荷に電力を供給しているときに、遠心クラッチがつながって車両が暴走するおそれをなくすことができる。
【0078】
また本発明において、内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段を設けるとともに、車両運転時制御モードが選択されているときに制限値を車両運転時に適合した値とし、発電時制御モードが選択されているときに制限値をクラッチイン速度未満の値とするように制限値を切り換える制限値切換手段を設けた場合には、発電機の負荷が急に軽くなったときにスロットルバルブが閉じるのが遅れて、機関の回転速度が一時的な上昇を示した場合に遠心クラッチがつながるのを防ぐことができるため、安全性を更に向上させることができる。
【0079】
更に本発明において、発電機の回転子と内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との間の切換の制御が可能な発電機用クラッチを設けるとともに、車両運転時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオフ状態にし、発電時制御モードが選択されているときに発電機用クラッチをオン状態にするように発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段を設けた場合には、車両走行時に発電機が過大な出力を発生するのを防ぐことができる。特に、発電機の回転子とクランク軸との間に増速機構を設ける場合に、車両運転時に発電機の回転速度が上昇して、機械的な高速回転限界を超えるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を概略的に示した模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態の構成例を示した模式図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態の構成例を示した模式図である。
【図4】図1の実施形態で用いる制御装置の構成を示したブロック図である。
【図5】図2の実施形態で用いる制御装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図6】図4または図5に示した制御装置において、過回転防止手段及び制限値切換手段を実現するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムの要部を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…遠心クラッチ、3…ベルト変速機、4…ギアボックス、5…無断変速機、6…動力伝達装置、8…車両の駆動輪、11…発電機、12…スロットルバルブ、13…アクチュエータ、14…スロットルセンサ、15…制御装置、16…制御モード選択手段。
Claims (8)
- 車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて前記内燃機関のクランク軸と前記車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、前記内燃機関により駆動される発電機とを備え、前記内燃機関がアイドル回転速度と前記クラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに前記発電機が定格出力を発生するように構成されている発電機搭載内燃機関駆動車両。
- 車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて前記内燃機関のクランク軸と前記車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、前記内燃機関により駆動される発電機と、前記内燃機関の制御モードを車両運転時制御モードとするか発電時制御モードとするかを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに前記発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で前記内燃機関を回転させるように前記内燃機関を制御する発電時機関制御手段を有する制御装置とを備え、前記発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度は、前記内燃機関のアイドル回転速度と前記クラッチイン速度との間に設定されている発電機搭載内燃機関駆動車両。
- 車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて前記内燃機関のクランク軸と前記車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、前記内燃機関により駆動される発電機とを備え、前記発電機はその回転子が前記内燃機関のクランク軸の回転速度よりも高い回転速度で回転するように設けられ、前記内燃機関がアイドル回転速度と前記クラッチイン速度との間の回転速度で回転しているときに前記発電機が定格出力を発生するように構成されている発電機搭載内燃機関駆動車両。
- 車両を駆動するために設けられた内燃機関と、所定のクラッチイン速度以上の速度で接続状態になる遠心クラッチを備えて前記内燃機関のクランク軸と前記車両の駆動輪との間に設けられた動力伝達装置と、前記内燃機関により駆動される発電機と、前記内燃機関の制御モードを車両運転時制御モードとするか発電時制御モードとするかを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに前記発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度で前記内燃機関を回転させるように前記内燃機関を制御する発電時機関制御手段を有する制御装置とを備え、
前記発電機が前記内燃機関の回転速度よりも高い回転速度で回転するように、前記発電機の回転子が増速機構を介して前記内燃機関のクランク軸に接続され、前記発電機から定格出力を発生させるために必要な回転速度は、前記内燃機関のアイドル回転速度と前記クラッチイン速度との間に設定されている、
発電機搭載内燃機関駆動車両。 - 前記制御装置は、前記内燃機関の回転速度を制限値以下に制限する過回転防止手段と、前記モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときには前記制限値を車両運転時に適合した値とし、前記モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときには前記制限値を前記クラッチイン速度未満の値とするように前記制限値を切り換える制限値切換手段とを備えている請求項2または4に記載の発電機搭載内燃機関駆動車両。
- 前記発電機は界磁制御が可能な同期発電機からなり、
前記発電時機関制御手段は、前記発電時制御モードが選択されているときに前記発電機の出力周波数を商用周波数に保つために必要な回転速度で前記内燃機関を回転させるべく前記内燃機関を制御するように構成されている請求項2または4に記載の発電機搭載内燃機関駆動車両。 - 前記発電機は磁石式交流発電機からなっていて、前記発電機の出力を直流出力に変換する直流変換器と該直流変換器の直流出力を交流出力に変換するインバータとが設けられ、
前記制御装置は、前記インバータから商用周波数の交流出力を発生させるように前記インバータを制御するインバータ制御手段を更に備え、
前記発電時機関制御手段は、前記発電時制御モードが選択されているときに前記インバータの出力電圧を定格値に保つために必要な回転速度で前記内燃機関を回転させるべく前記内燃機関を制御する請求項2または4に記載の発電機搭載内燃機関駆動車両。 - 前記発電機の回転子と前記内燃機関のクランク軸との間に、オン状態とオフ状態との切換の制御が可能な発電機用クラッチが設けられ、
前記モード選択手段により車両運転時制御モードが選択されているときには前記発電機用クラッチをオフ状態にし、前記モード選択手段により発電時制御モードが選択されているときに前記発電機用クラッチをオン状態にするように前記発電機用クラッチを制御するクラッチ制御手段が設けられている請求項2または4に記載の発電機搭載内燃機関駆動車両。
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