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JP2004092491A - 蓄熱装置を備えた内燃機関 - Google Patents

蓄熱装置を備えた内燃機関 Download PDF

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JP2004092491A
JP2004092491A JP2002253583A JP2002253583A JP2004092491A JP 2004092491 A JP2004092491 A JP 2004092491A JP 2002253583 A JP2002253583 A JP 2002253583A JP 2002253583 A JP2002253583 A JP 2002253583A JP 2004092491 A JP2004092491 A JP 2004092491A
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一瀬 宏樹
Yutaka Sawada
沢田 裕
Takayuki Otsuka
大塚 孝之
Yasuhiro Kuze
久世 泰広
Rentaro Kuroki
黒木 錬太郎
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Abstract

【課題】本発明は、蓄熱装置を備えた内燃機関において、内燃機関の始動前または始動時に、暖機効率を悪化させることなく確実に内燃機関の暖機を行うことが出来る技術を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器15と、内燃機関を経由して熱媒体が循環する第1循環回路31と、内燃機関以外の装置を経由して熱媒体が循環する第2循環回路と、内燃機関の暖機実行指令を出す暖機実行指令手段39を備える内燃機関において、前記暖機実行指令手段39が内燃機関暖機実行指令を出す前に、循環回路切り換え手段16によって熱媒体の循環回路を前記第1循環回路に切り換える構成とした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などに搭載される内燃機関に関し、特に冷却水などの熱媒体を蓄熱状態で貯留可能な蓄熱装置を備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などに搭載される内燃機関では、冷間時の始動性、燃焼安定性、排気エミッション、或いは室内暖房性能などの向上を目的として、蓄熱装置を備えた内燃機関が提案されている。
【0003】
このような蓄熱装置を備えた内燃機関としては、例えば、特開平2002−4855号公報に記載されているような内燃機関がある。この公報に記載された蓄熱装置を備えた内燃機関は、熱媒体の循環により冷却又は加熱される内燃機関本体と、前記熱媒体と車室内暖房用の空気との間で熱交換を行うヒータコアと、前記内燃機関本体及び前記ヒータコアを経由して熱媒体を循環させる熱媒体流通回路と、前記ヒータコアを迂回するよう前記熱媒体流通回路に接続されたバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ、熱媒体が持つ熱を蓄熱する蓄熱容器と、前記バイパス通路に設けられ、該バイパス通路内の熱媒体を圧送するポンプ機構と、を備えている。
【0004】
上記したような蓄熱装置を備えた内燃機関においては、蓄熱容器及びポンプ機構は、熱媒体の流れ方向においてヒータコアと並列に位置することになるため、内燃機関とヒータコアと蓄熱容器とポンプ機構との全てを経由する循環回路と、内燃機関と蓄熱容器とポンプ機構のみを経由する循環回路と、内燃機関とヒータコアのみを経由する循環回路とを選択的に成立させることが可能となる。
【0005】
そのため、高温の熱媒体を所望の循環回路に循環させ、この熱媒体の持つ熱量を内燃機関又はヒータコアに選択的に伝達させることによって、内燃機関の効率的な予熱や車室内暖房用の性能向上を実現することが出来る。
【0006】
また、上記したような蓄熱装置を備えた内燃機関としては、例えば、特開平2002−89668号公報に記載されている暖機制御装置がある。この公報に開示された暖機制御装置は、内燃機関の冷却水系統に蓄熱タンクを備え、高温の冷却水を前記蓄熱タンクに保温貯蔵し、前記蓄熱タンクに貯蔵された冷却水を内燃機関と変速機とに供給して暖機を行う暖機制御装置において、前記内燃機関と前記変速機との温度に応じて、前記蓄熱タンクから内燃機関と変速機とに供給される冷却水量の割合を設定する構成となっている。
【0007】
上記したような暖機制御装置においては、上記構成により、内燃機関と変速機とに対し、それぞれの温度状態に応じた適切な暖機操作を行うことが可能となるため、機関排気性状や燃費の悪化を防止することが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような蓄熱装置を備えた内燃機関は、内燃機関を経由して熱媒体が循環する第1循環回路と、車室暖房用のヒータコアや変速機等の内燃機関以外の装置を経由して熱媒体が循環する第2循環回路とを備えており、内燃機関や内燃機関以外の装置の状態〈例えば、温度等)に応じて、熱媒体の循環回路を切り換える。
【0009】
ここで、従来、内燃機関の始動時または始動前に内燃機関の暖機をする際には、例えば車両に搭載されたECU等のような暖機実行指令手段から内燃機関の暖機実行指令が出され、蓄熱容器から供給される高温の熱媒体が第1循環回路を循環するように流路切換弁等のような循環回路切換手段によって熱媒体の循環回路は切り換えられる。そして、この高温の熱媒体が第1循環回路を循環することによって、熱媒体の熱量が内燃機関に伝達され、内燃機関の暖機が達成される。
【0010】
しかしながら、従来の蓄熱装置を備えた内燃機関においては、内燃機関の暖機を実行する時に、ECU等のような暖機実行指令手段から内燃機関の暖機実行指令が出された後、流路切換弁等のような循環回路切換手段によって実際に熱媒体の循環回路が第1循環回路に切り換わるまでには時間がかかる(例えば約5秒間)。そのため、ECU等のような暖機実行指令手段から内燃機関の暖機実行指令が出され、蓄熱容器からの高温の熱媒体の供給が開始された後、熱媒体の循環回路が完全に第1循環回路に切り換わるまでの間は、蓄熱容器から供給された高温の熱媒体は第2循環回路へも流れることになる。
【0011】
従って、内燃機関以外の装置にも高温の熱媒体が供給されることになるため、内燃機関の暖機効率が悪化する。
【0012】
また、暖機実行指令手段から内燃機関の暖機実行指令が出された後、熱媒体の循環回路が第1循環回路に完全に切り換わってから蓄熱容器からの高温の熱媒体の供給を開始するようにした場合、実際に内燃機関に熱媒体が供給されるまでの時間が長くなる。
【0013】
従って、内燃機関の暖機が達成されるまでの時間が長くなることになるため、やはり内燃機関の暖機効率は悪化することになる。
【0014】
また、上記したような蓄熱装置を備えた内燃機関において、内燃機関の暖機終了後、車室暖房用ヒータコアや変速機等の内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給する必要がある場合は、熱媒体の循環回路を前記内燃機関以外の装置を経由して熱媒体が循環する第2循環回路に切り換えることによって蓄熱容器から供給される高温の熱媒体を内燃機関以外の装置に供給する。さらに、前記内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給した後、蓄熱容器内に新たな高温の熱媒体が回収される前に内燃機関が停止され、その後、内燃機関を再始動する前または内燃機関を再始動する時に内燃機関を暖機する場合は、前記内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給した後に蓄熱容器内に残った高温の熱媒体を内燃機関に供給することによって内燃機関の暖機を行うことになる。
【0015】
そのため、内燃機関以外の装置に蓄熱容器内に貯留されたの高温の熱媒体を供給する際に過剰な量の熱媒体を供給すると、内燃機関の再始動前または再始動時に内燃機関の暖機を十分に行うために必要な熱媒体が不足することになる。その結果、内燃機関の暖機を確実に行うことが出来なくなる。
【0016】
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、蓄熱装置を備えた内燃機関において、内燃機関の始動前または始動時に、暖機効率を悪化させることなく確実に内燃機関の暖機を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。
即ち、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、
熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、
内燃機関を経由して前記熱媒体が循環する第1循環回路と、
前記内燃機関以外の装置を経由して前記熱媒体が循環する第2循環回路と、
前記蓄熱容器に貯留された高温の熱媒体によって、前記内燃機関の始動前または始動時に前記内燃機関の暖機を実行する暖機実行手段と、
内燃機関の暖機を実行すべく前記暖機実行手段に内燃機関暖機実行指令を出す暖機実行指令手段と、
前記第1循環回路と前記第2循環回路とを切り換える循環回路切り換え手段と、を備え、
前記暖機実行指令手段から前記暖機実行手段に前記内燃機関暖機実行指令が出される前に、前記循環回路切り換え手段によって前記熱媒体の循環回路を第1循環回路に切り換える第1循環回路切り換え制御を行う構成とした。
【0018】
この構成によれば、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関の暖機を行う際には、暖機実行指令手段から暖機実行手段に内燃機関の暖機を実行すべく内燃機関暖機実行指令が出されるが、暖機実行指令手段からこの内燃機関暖機実行指令が出される前の時点で、熱媒体の循環回路は第1循環回路に切り換えられている。
【0019】
そのため、暖機実行手段によって暖機が実行され、蓄熱容器からの高温の熱媒体の供給が開始される時に、すでに熱媒体の循環回路は第1循環回路に切り換わっていることになる。従って、第2循環回路に高温の熱媒体が流入することを防ぐことが出来る。
【0020】
即ち、上記構成によれば、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関の暖機を行う際に、内燃機関以外の装置にも高温の熱媒体が供給されることがなくなる。また、内燃機関の暖機開始後、すぐに高温の熱媒体が内燃機関に供給されるため内燃機関の暖機が速やかに実行されることになる。従って、暖機効率を悪化させることなく内燃機関の暖機を行うことが出来る。
【0021】
ここで、本発明においては、前記内燃機関の停止時に、前記第1循環回路切り換え制御を行う構成としても良い。
【0022】
この構成によれば、内燃機関の停止時に熱媒体の循環回路は第1循環回路に切り換えられているため、次回、内燃機関を始動する前の時点で、すでに熱媒体の循環回路は前記第1循環回路となっている。
【0023】
そのため、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関の暖機を行う際に、内燃機関以外の装置にも高温の熱媒体が供給されることを防ぐことが出来る。また、内燃機関の暖機開始後、すぐに高温の熱媒体が内燃機関に供給されるため内燃機関の暖機が速やかに実行されることになる。従って、暖機効率を悪化させることなく内燃機関の暖機を行うことが出来る。
【0024】
また、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関は、
熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、
内燃機関を経由して前記熱媒体が循環する第1循環回路と、
前記内燃機関以外の装置を経由して前記熱媒体が循環する第2循環回路と、
前記蓄熱容器に貯留された高温の熱媒体を前記第1循環回路に循環させ前記内燃機関を暖機した後の前記蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量を算出する熱媒体熱容量算出手段と、
前記第1循環回路と前記第2循環回路とを切り換える循環回路切り換え手段と、を備え、
前記熱媒体熱容量算出手段によって算出された前記内燃機関を暖機した後に前記蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量が、所定量以上であり、且つ、前記内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給する必要がある場合には、前記循環回路切り換え手段によって循環回路を前記第2循環回路に切り換える第2循環回路切り換え制御を行う構成とした。
【0025】
この構成によれば、内燃機関を暖機した後に蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量が、所定量以上であり、且つ、内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給する必要がある場合は、蓄熱容器内に残った高温の熱媒体を第2循環回路に循環させる、即ち、内燃機関以外の装置に供給する。
【0026】
換言すれば、蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量が所定量より少ない時に、この高温の熱媒体を内燃機関以外の装置に供給してしまうことを防ぐことが出来る。
【0027】
ここで、前記所定量は、前記内燃機関を一旦停止させた後に、次回、前記内燃機関を再始動させる前または再始動させる時に前記内燃機関を暖機するために必要となる次回機関暖機必要熱容量である構成としても良い。
【0028】
この構成によれば、前記所定量は、内燃機関を一旦停止させた後に、内燃機関を再始動させる前または再始動させる時に内燃機関を暖機するために必要となる高温の熱媒体の熱容量である。そのため、内燃機関を暖機した後に蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量が所定量より少ない時に、その熱媒体を内燃機関以外の装置に供給してしまうことによって内燃機関の再始動前または再始動時に内燃機関を暖機するために必要となる熱媒体が不足することを防ぐことが出来る。
【0029】
つまり、上記構成によれば、蓄熱容器内に新たな高温の熱媒体が回収される前に内燃機関を一旦停止させた場合においても、次回、内燃機関を再始動させる前または再始動させる時に内燃機関を暖機するために必要となる熱媒体を蓄熱容器内に確保しておくことによって、内燃機関の暖機を確実に行うことが出来る。
【0030】
また、内燃機関の暖機に必要とされる熱媒体の熱容量は、暖機前の内燃機関の温度に応じて変化する。つまり、暖機前の内燃機関の温度が高ければ暖機に必要とされる熱媒体の熱容量は少なくなり、暖機前の内燃機関の温度が低ければ暖機に必要とされる熱媒体の熱容量は多くなる。
【0031】
そこで、本発明において、前記次回機関暖機必要熱容量は、前記第1循環回路内の前記熱媒体の温度によって決定される構成としても良い。
【0032】
この構成によれば、内燃機関を経由する第1循環回路内の熱媒体の温度によって、内燃機関を一旦停止させた後の内燃機関の再始動前または再始動時に内燃機関を暖機するために必要となる熱媒体の熱容量が決定される。そのため、内燃機関の暖機に対し、過剰または過少に高温の熱媒体を確保することを防ぐことが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0034】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の冷却水循環系を示す図である。
【0035】
内燃機関1は、軽油を燃料とする圧縮着火式の内燃機関(ディーゼル機関)又はガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関(ガソリン機関)であり、自動車に搭載される機関である。
【0036】
前記内燃機関1は、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bを備えている。シリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bの各々には、本発明に係る熱媒体としての冷却水を流通させるためのヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが形成され、それらヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが相互に連通している。
【0037】
前記ヘッド側冷却水路2aには、第1冷却水路4が接続され、この第1冷却水路4は、ラジエター5の冷却水流入口に接続されている。前記ラジエター5の冷却水流出口は、第2冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。
【0038】
前記サーモスタットバルブ7には、前記第2冷却水路6に加えて、第3冷却水路8とバイパス水路9とが接続されている。前記第3冷却水路8は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転トルクを駆動源とする機械式ウォーターポンプ10の吸込口に接続され、前記バイパス水路9は、ヘッド側冷却水路2aに接続されている。
【0039】
前記した機械式ウォーターポンプ10の吐出口には、前記ブロック側冷却水路2bが接続されている。
【0040】
また、前記したサーモスタットバルブ7は、冷却水の温度に応じて、第2冷却水路6とバイパス水路9との何れか一方を遮断する流路切換バルブである。具体的には、サーモスタットバルブ7は、このサーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が所定の開弁温度:Temp1(例えば、80℃〜90℃)未満であるときは、第2冷却水路6を遮断すると同時にバイパス水路9を開放して、第3冷却水路8とバイパス水路9とを導通させる。前記サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流れる冷却水の温度が前記開弁温度:Temp1以上であるときは、第2冷却水路6を開放すると同時にバイパス水路9を遮断して、第3冷却水路8と第2冷却水路6とを導通させる。
【0041】
次に、前記した第1冷却水路4の途中にはヒータホース11が接続され、このヒータホース11は前記した第3冷却水路8の途中に接続されている。前記ヒータホース11の途中には、冷却水と室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコア12が配置されている。
【0042】
ヒータホース11においてヒータコア12と第3冷却水路8との間に位置する部位には第1バイパス通路13aが接続され、この第1バイパス通路13aは電動ウォーターポンプ14の冷却水吸い込み口に接続されている。続いて、電動ウォーターポンプ14の冷却水吐出口は第2バイパス通路13bを介して蓄熱容器15の冷却水入口15aに接続されている。更に、蓄熱容器15の冷却水出口15bは、第3バイパス通路13cを介して、ヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置するヒータホース11に接続されている。
【0043】
前記蓄熱容器15は、冷却水が持つ熱を蓄熱しつつ冷却水を貯蔵する容器であり、冷却水入口15aから新規の冷却水が流入すると、それと入れ代わりにこの蓄熱容器15内に貯蔵されていた冷却水を前記冷却水出口15bから排出するよう構成されている。尚、蓄熱容器15の冷却水入口15aと冷却水出口15bとの各々には、冷却水の逆流を防止するワンウェイバルブが取り付けられている。
【0044】
前記電動ウォーターポンプ14は、バッテリ43の出力電力を駆動源とするウォーターポンプであり、冷却水吸込口から吸い込んだ冷却水を前記した冷却水吐出口から吐出するよう構成されている。
【0045】
ここで、ヒータコア12と第1冷却水路4との間に位置するヒータホース11において、第3バイパス通路13cの接続部位を基準にして第1冷却水路4側の部位を第1ヒータホース11aと称するとともに、ヒータコア12側の部位を第2ヒータホース11bと称するものとする。更に、ヒータコア12と第3冷却水路8との間に位置するヒータホース11において、第1バイパス通路13aの接続部位を基準にしてヒータコア12側の部位を第3ヒータホース11cと称するとともに、第3冷却水路8側の部位を第4ヒータホース11dと称するものとする。
【0046】
次に、前記ヒータホース11と前記第3バイパス通路13cとの接続部位には更にウォーマホース19が接続され、このウォーマホース19は前記第3ヒータホース11cの途中に接続されている。前記ウォーマホース19の途中には、冷却水と変速機用油(ATF:Autmatic Transmission Fluid)との間で熱交換を行うATFウォーマ20が配置されている。
【0047】
ここで、前記ウォーマホース19において、前記ヒータホース11と前記第3バイパス通路13cとの接続部位と前記ATFウォーマ20との間の部位を第1ウォーマホース19aと称し、前記ATFウォーマ20と前記第3ヒータホース11cとの接続部位との間の部位を第2ウォーマホース19bと称するものとする。
【0048】
前記した第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cと第1ウォーマホース19aとの接続部には、流路切換弁16が設けられている。この流路切換弁16は、前記4つの通路の内、何れか1つ以上の通路を選択的に遮断するよう構成されており、ステップモータ等からなるアクチュエータによって駆動される。
【0049】
第3バイパス通路13cにおける蓄熱容器15との連通部近傍には、この第3バイパス通路13c内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する第1水温センサ17が取り付けられている。また、ヘッド側冷却水路2aにおける第1冷却水路4との接続部位近傍には、ヘッド側冷却水路2a内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する第2水温センサ18が取り付けられている。
【0050】
このように構成された冷却水循環系には、当該冷却水循環系の作動状態を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)39が併設されている。このECU39は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入力ポート、出力ポート、A/Dコンバータ等から構成される算術論理演算回路である。このECU39は、内燃機関1の運転状態を制御するためのECUと独立して設けられるようにしてもよく、或いは兼用されるにしてもよい。
【0051】
ECU39には、前述した第1水温センサ17、第2水温センサ18、及びバッテリ43に加えて、車室内に設けられたイグニッションスイッチ40、スタータスイッチ41、及び室内暖房装置のスイッチ(ヒータスイッチ)42が電気的に接続され、それら各種センサの出力信号がECU39へ入力されるようになっている。
【0052】
更に、ECU39は、前述した電動ウォーターポンプ14及び流路切換弁16と電気的に接続され、ECU39が電動ウォーターポンプ14及び流路切換弁16を制御することが可能となっている。
【0053】
具体的には、ECU39は、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムに従って動作し、前記冷却水循環系における冷却水の循環回路を切り換えるための循環回路切り換え制御を実行する。
【0054】
次に、本実施の形態における内燃機関1の始動前暖機時の冷却水の循環について述べる。
【0055】
図2は、本実施の形態における内燃機関1の始動前暖機時の冷却水の循環を示す図である。
【0056】
ECU39は、内燃機関1の始動前暖機を実行する前に、本発明に係る第2循環回路に相当する第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとを遮断させるべく、本発明に係る循環回路切り換え手段に相当する流路切換弁16を制御する(本発明に係る第1循環回路切り換え制御に相当)。
【0057】
その後、内燃機関1の始動前(内燃機関1のクランキングが開始される前)に、ECU39は、本発明に係る内燃機関暖機実行指令を出し、電動ウォーターポンプ14を作動させるべくバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電力供給を許容する。
【0058】
ここで、ECU39は本発明に係る暖機実行指令手段に相当し、バッテリ43及び電動ウォーターポンプ14は本発明に係る暖機実行手段に相当する。
【0059】
この場合、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとが連通するとともに、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動することになる。
【0060】
従って、図2に示すような、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→流路切換弁16→第1ヒータホース11a→第1冷却水路4→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11d→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる内燃機関循環回路31(本発明に係る第1循環回路に相当)が成立する。
【0061】
内燃機関循環回路31が成立すると、蓄熱容器15内に貯留されていた高温の冷却水(以下、温水と称する)が、冷却水出口15bから排出され、第3バイパス通路13c、流路切換弁16、第1ヒータホース11a、及び第1冷却水路4を介して内燃機関1のヘッド側冷却水路2aへ流入する。
【0062】
ヘッド側冷却水路2aへ流入した温水は、次いでブロック側冷却水路2bへ流入することになり、流入した温水によってシリンダヘッド1a及びシリンダブロック1bが加熱され、内燃機関1の暖機が行われる。
【0063】
ここで、ECU39がバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電力供給を許容する時期、即ち、ECU39が本発明に係る内燃機関暖機実行指令を出す時期としては、例えば、▲1▼車両のドアが開けられ、ドアスイッチ(図示なし)がONとなったとき、▲2▼車室内のシートに運転者が着座し、シート内の着座センサ(図示なし)がON信号を発信したとき、▲3▼車両停止時にONとなっていた盗難防止装置が車両発進のためにOFFとなったとき、等を例示することが出来る。
【0064】
また、例えば、上記▲2▼車室内のシートに運転者が着座し、シート内の着座センサ(図示なし)がON信号を発信したときに、ECU39がバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電力供給を許容するとした場合、流路切換弁16を制御することによって冷却水の循環回路を内燃機関循環回路31側に切り換える時期、即ち、本発明に係る第1循環回路切り換え制御を行う時期としては、車両のドアが開けられ、ドアスイッチ(図示なし)がONとなったとき、等が例示出来る。
【0065】
また、流路切換弁16を制御することによって冷却水の循環回路を内燃機関循環回路31側に切り換える時期、即ち、本発明に係る第1循環回路切り換え制御を行う時期は、内燃機関1が停止されたときとしても良い。この場合、内燃機関1の始動前暖機を実行する時点では、冷却水の循環回路は内燃機関循環回路31側に切り換わっていることになる。
【0066】
本実施の形態によれば、ECU39がバッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電力供給を許容する前、即ち、ECU39が本発明に係る内燃機関暖機実行指令を出す前に、流路切換弁16によって第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとが遮断され、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとが連通し、冷却水の循環回路は内燃機関循環回路31側に切り換わる。そのため、電動ウォーターポンプ14が作動した後、蓄熱容器15から流出した温水が第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとに流入することを防ぐことが出来る。
【0067】
次に、本実施の形態において内燃機関1が停止されたときに冷却水の循環回路を内燃機関循環回路31側に切り換える場合の循環回路切り換え制御について図3に沿って具体的に説明する。
図3は、本実施の形態における、内燃機関停止時の冷却水の循環回路切り換え制御ルーチンを示すフローチャート図である。
【0068】
先ず、ECU39は、S101において、イグニッションスイッチ40がOFFとなったか否かを判別する。
【0069】
前記S101において、イグニッションスイッチ40がOFFとなっていないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0070】
前記S101において、イグニッションスイッチ40がOFFになったと判断された場合は、ECU39は、S102に進み、内燃機関1の停止指令を出す。
【0071】
次に、ECU39は、S103に進み、第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとを遮断し、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとを連通させるべく流路切換弁16を制御する(即ち、本発明に係る第1循環回路切り換え制御を行う)。
【0072】
前記S103において第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとを遮断し、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとを連通させた後、S104において、ECU39は停止し本ルーチンの実行を終了する。
【0073】
本ルーチンのS104において停止したECU39は、次回、内燃機関1の暖機を実行する前に再起動する。例えば、前述した▲1▼、▲2▼、▲3▼等の時期にECU39は起動するとしても良い。この場合、ECU39は起動した後に本発明に係る内燃機関暖機実行指令を出す。
【0074】
本ルーチンを実行することにより、内燃機関1が停止されたときに、第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとが遮断され、第1ヒータホース11aと第3バイパス通路13cとを連通される、つまり、冷却水の循環回路が上記した内燃機関循環回路31側に切り換えられる。
【0075】
従って、次回、内燃機関1の始動前に内燃機関1の暖機を実行する時点(ECU39から本発明に係る内燃機関暖機実行指令が出される時点)では、冷却水の循環回路は内燃機関循環回路31側となっているため、内燃機関の1の暖機開始後、蓄熱容器15から循環回路に流出した温水が第2ヒータホース11bと第1ウォーマホース19aとに流出することはない。
【0076】
また、内燃機関1の暖機開始後すぐに蓄熱容器15内に貯留されていた温水が内燃機関1へ供給されることになる。
【0077】
本実施の形態においては、内燃機関1の始動前暖機よりも前に前記した第1循環回路切り換え制御を行っているが、内燃機関1の始動前暖機を行わず、内燃機関1の始動時に内燃機関1の暖機を実行する場合においても同様に、ECU39が本発明に係る内燃機関暖機実行指令を出す前に上記第1循環回路切り換え制御を行う。
【0078】
内燃機関1の始動時に内燃機関1の暖機を実行する場合、ECU39から内燃機関1の始動指令が出され、内燃機関1の始動と共に機械式ウォーターポンプ10が作動する。機械式ウォーターポンプ10が作動することによって内燃機関循環回路31を温水が循環し内燃機関1が暖機される。このとき、上記第1循環回路切り換え制御は、ECU39から内燃機関1の始動指令が出される前(例えば、内燃機関1の停止時)に行われる。
【0079】
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の第2の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0080】
本実施の形態における蓄熱装置を備えた内燃機関の構成は図1と同様である。
【0081】
本実施の形態においては、内燃機関1の始動前暖機終了後、蓄熱容器15内に残った温水の量が所定値以上であり、且つ、必要があればヒータコア12、ATFウォーマ20等の内燃機関1以外の装置へ蓄熱容器15内に残った温水を供給する。
【0082】
図4は、本実施の形態におけるヒータコア12へ温水を供給するときの冷却水の循環回路を示す図である。また、図5は、ATFウォーマ20へ温水を供給するときの冷却水の循環回路を示す図である。
【0083】
内燃機関1の始動前暖機終了後、蓄熱容器15内に残った温水の量が所定値以上であり、且つ、ヒータコア12へ温水を供給する必要のある場合、ECU39は、第1ヒータホース11aと第1ウォーマホース19aとを遮断させ、第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cとを連通させるべく、本発明に係る循環回路切り換え手段に相当する流路切換弁16を制御する(本発明に係る第2循環回路切り換え制御に相当)。
【0084】
その後、ECU39が電動ウォーターポンプ14を作動させることにより、図4に示すような、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→流路切換弁16→第2ヒータホース11b→ヒータコア12→第3ヒータホース11c→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れるヒータコア循環回路32(本発明に係る第2循環回路に相当)が成立する。
【0085】
上記ヒータ循環回路32が成立すると、蓄熱容器15内に貯留されている温水がヒータコア12に供給される。
【0086】
また、内燃機関1の始動前暖機終了後、蓄熱容器15内に残った温水の量が所定値以上であり、且つ、ATFウォーマ20へ温水を供給する必要のある場合は、ECU39は、第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bとを遮断させ、第1ウォーマホース19aと第3バイパス通路13cとを連通させるべく、本発明に係る循環回路切り換え手段に相当する流路切換弁16を制御する(本発明に係る第2循環回路切り換え制御に相当)。
【0087】
その後、ECU39が電動ウォーターポンプ16を作動させることにより、図5に示すような、電動ウォーターポンプ14→第2バイパス通路13b→蓄熱容器15→第3バイパス通路13c→流路切換弁16→第1ウォーマホース19a→ATFウォーマ20→第2ウォーマホース19b→第3ヒータホース11c→第1バイパス通路13a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れるATFウォーマ循環回路33(本発明に係る第2循環回路に相当)が成立する。
【0088】
上記ATFウォーマ循環回路33が成立すると、蓄熱容器15内に貯留されている温水がATFウォーマ20に供給される。
【0089】
次に、本実施の形態において、内燃機関1の始動前暖機が終了した後、ヒータコア12およびまたはATFウォーマ20等の内燃機関1以外の装置へ温水を供給する場合の温水供給制御について図9に沿って具体的に説明する。
図9は、本実施の形態において、内燃機関1の始動前暖機が終了した後、ヒータコア12およびまたはATFウォーマ20等の内燃機関1以外の装置へ温水を供給する場合の温水供給制御ルーチンを示すフローチャート図である。
【0090】
先ず、ECU39は、S201において、内燃機関1の始動前暖機が終了したか否かを判別する。例えば、内燃機関1の始動前暖機時に作動している電動ウォーターポンプ14へのバッテリ43からの電力供給が停止していれば、ECU39は内燃機関1の始動前暖機が終了したと判断する。
【0091】
前記S201において、内燃機関1の始動前暖機が終了していないと判断された場合は、ECU39は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0092】
前記S201において、内燃機関1の始動前暖機が終了したと判断された場合は、ECU39は、S202に進み、内燃機関1の始動前暖機時に蓄熱容器15から内燃機関1へ供給した温水の量である始動前暖機時温水供給量Vphを算出する。
【0093】
冷却水は温度によって粘度が変化するため、図6に示すとおり、電動ウォータポンプ14の作動時間(即ち、内燃機関1の始動前暖機実施時間)が同じであっても温度が高いほど、内燃機関1の始動前暖機時に蓄熱容器15から内燃機関1へ供給した温水の量である始動前暖機時温水供給量Vphは多くなる。
【0094】
ECU39のROMなどには、図6に示すような、始動前暖機時温水供給量Vphと、第2水温センサ18によって検出された内燃機関1の始動前暖機前の内燃機関内水温Tef、と内燃機関1の始動前暖機実施時間、即ち、電動ウォーターポンプ14の作動時間tppと、の関係が3次元マップとしてあらかじめ記録されている。
【0095】
ECU39は、前記S202において、この3次元マップに基づき上記始動前暖機時温水供給量Vphを算出する。
【0096】
次に、ECU39はS203に進み、蓄熱容器15の容量V0から前記S202にて算出した始動前暖機時温水供給量Vphを減算することによって蓄熱容器15内に残っている温水の量である蓄熱容器内残湯量Vlefを算出する。
ここで、ECU39は本発明に係る熱媒体熱容量算出手段に相当する。
【0097】
ECU39は、前記S203にて蓄熱容器内残湯量Vlefを算出した後、S204に進み、次回、内燃機関1を始動するときの内燃機関1の始動前暖機のために必要となる温水の量である次回始動前暖機時温水供給量Vres(本発明に係る次回機関暖機必要熱容量に相当)を算出する。
【0098】
内燃機関1の温度と蓄熱容器15内に貯留されている温水の温度とに応じて、次回、内燃機関1を始動するときの内燃機関1の始動前暖機のために必要となる温水の量である次回始動前暖機時温水供給量Vresは変化する。つまり、図7に示すとおり、内燃機関1の始動前暖機後の内燃機関内水温Teaが高いほど、また、蓄熱容器15内に残っている温水の温度Tcが高いほど、次回始動前暖機時温水供給量Vresは少なくなる。
【0099】
ECU39のROMなどには、図7に示すような、次回始動前暖機時温水供給量Vresと、第2水温センサ18によって検出された内燃機関1の始動前暖機後の内燃機関内水温Teaと、第1水温センサ17によって検出された蓄熱容器出口水温Tcと、の関係が3次元マップとしてあらかじめ記録されている。
【0100】
ECU39は、前記S204において、この3次元マップに基づき、前記次回始動前暖機時温水供給量Vresを算出する。
【0101】
次に、ECU39はS205に進み、前記S203にて算出した蓄熱容器内残湯量Vlefから前記S204にて算出した次回始動前暖機時温水供給量Vresを減算することによって、内燃機関1の始動前暖機後に、ヒータコア12およびまたはATFウォーマ20等の内燃機関以外の装置へ供給できる温水の量であるアフターヒート温水供給量Vahを算出する。
【0102】
ECU39は、前記S205にてアフターヒート温水供給量Vahを算出した後、S206に進み、前記S205にて算出されたアフターヒート温水供給量Vahが0より多いか否かを判別する。
【0103】
前記S206において、アフターヒート温水供給量Vahが0以下と判断された場合は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0104】
前記S206において、アフターヒート温水供給量Vahが0以上と判断された場合は、ECU39は、S207に進み、ヒータコア12およびまたはATFウォーマ20等の内燃機関1以外の装置の状態に応じて、どの装置へ蓄熱容器15内に残った温水を供給するかを決定する。
【0105】
次に、ECU39は、S208に進み、前記S207において決定された温水の供給先である内燃機関1以外の装置(例えば、ヒータコア12およびまたはATFウォーマ20等)へ蓄熱容器15内に残った温水を供給することが可能となるように冷却水の循環回路を切り換える。
【0106】
例えば、前記S207において、温水の供給先がヒータコア12と決定された場合は、ECU39は、第1ヒータホース11aと第1ウォーマホース19aとを遮断させ、第2ヒータホース11bと第3バイパス通路13cとを連通させるべく流路切換弁16を制御する。また、例えば、前記S207において、温水の供給先がATFウォーマ20と決定された場合は、ECU39は、第1ヒータホース11aと第2ヒータホース11bとを遮断させ、第1ウォーマホース19aと第3バイパス通路13cとを連通させるべく流路切換弁16を制御する。
【0107】
次に、ECU39は、前記S208において、温水の供給先となる内燃機関1以外の装置側へ冷却水の循環回路を切り換えた後、S209に進み、温水の供給先として決定された内燃機関以外の装置へ温水を供給するために温水を循環させる電動ウォーターポンプ14の必要作動時間tahを算出する。
【0108】
上記したように冷却水は温度によって粘度が変化するため、前記S205にて算出された、内燃機関以外の装置に供給する温水の量であるアフターヒート温水供給量Vahが同じであっても、内燃機関以外の装置へ温水を供給するために温水を循環させる電動ウォーターポンプ14の必要作動時間tahは異なる。つまり、図8に示すとおり、内燃機関1の始動前暖機後の内燃機関内水温Teaが高いほど電動ウォーターポンプ必要作動時間tahは短くなる。また、アフターヒート温水供給量Vahが多いほど電動ウォーターポンプ必要作動時間tahは長くなる。
【0109】
ECU39のROMなどには、図8に示すような、電動ウォーターポンプ必要作動時間tahと、第2水温センサ18によって検出された内燃機関1の始動前暖機後の内燃機関内水温Teaと、アフターヒート温水供給量Vahと、の関係が3次元マップとしてあらかじめ記録されている。
【0110】
ECU39は、前記S209において、この3次元マップに基づき、上記電動ウォーターポンプ必要作動時間tahを算出する。
【0111】
次に、ECU39は、S210に進み、バッテリ43から電動ウォーターポンプ14への電力供給を許容し、電動ウォーターポンプ14を作動させる。
【0112】
ECU39は、S211において、電動ウォーターポンプ14の作動時間tpが前記S209にて算出された電動ウォーターポンプ必要作動時間tahを経過したか否かを判別する。
【0113】
ECU39は、前記S211において、電動ウォーターポンプ14の作動時間tpが上記電動ウォーターポンプ必要作動時間tahを経過していないと判断した場合は電動ウォーターポンプ14の作動を継続し、電動ウォーターポンプ14の作動時間tpが上記電動ウォーターポンプ必要作動時間tahを経過したと判断した場合は、S212に進み、電動ウォーターポンプ14の作動を停止させ本ルーチンの実行をする。
【0114】
このように、本ルーチンを実行することによって、内燃機関1を一旦停止させた後、次回、内燃機関1を再始動させる前に内燃機関1の始動前暖機をするために必要となる温水を蓄熱容器15内に確保しておくことが出来る。そのため、内燃機関1以外に温水を供給した後、蓄熱容器15内に新たな温水が回収される前に内燃機関1が停止された場合であっても、次回、内燃機関1の再始動させる前の内燃機関1の始動前暖機を十分に行うことが出来る。
【0115】
尚、本実施の形態にあっては、内燃機関1の暖機は内燃機関1の始動前暖機としたが、内燃機関1の始動時の暖機としても良い。
【0116】
【発明の効果】
本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関によれば、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関を暖機する際に、暖機実行指令手段から暖機実行手段に内燃機関暖機実行指令が出される前の時点で、内燃機関を経由して熱媒体が循環する第1循環回路に熱媒体の循環回路が切り換えられているため、内燃機関以外に高温の熱媒体が供給されることがなくなると共に、内燃機関の暖機開始後、すぐに高温の熱媒体が内燃機関に供給されることになり、内燃機関の暖機を速やかに行うことが出来る。
【0117】
また、内燃機関を一旦停止させた後、次回、内燃機関の始動前または始動時に内燃機関を暖機するために必要となる高温の熱媒体を蓄熱容器内に確保しておくことによって、内燃機関を暖機するための熱媒体が不足することを防ぐことが出来る。
【0118】
この結果、本発明に係る蓄熱容器を備えた内燃機関によれば、暖機効率を悪化させることなく確実に内燃機関の暖機を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱装置を備えた内燃機関の冷却水循環系を示す図
【図2】第1の実施の形態における、蓄熱装置を備えた内燃機関の始動前暖機時の冷却水の循環を示す図
【図3】第1の実施の形態における、内燃機関停止時の第1循環回路切り換え制御を示すフローチャート図
【図4】第2の実施の形態における、 蓄熱装置を備えた内燃機関のヒータコアへ温水を供給するときの循環回路を示す図
【図5】第2の実施の形態における、 蓄熱装置を備えた内燃機関のATFウォーマへ温水を供給するときの循環回路を示す図
【図6】始動前暖機前内燃機関内水温と電動ウォータポンプ作動時間と始動前暖機時温水供給量との関係を示す図
【図7】始動前暖機後内燃機関内水温と蓄熱容器出口水温と次回始動前暖機時温水供給量との関係を示す図
【図8】始動前暖機後内燃機関内水温とアフターヒート温水供給量と電動ウォータポンプ必要作動時間との関係を示す図
【図9】第2の実施例における、内燃機関以外の装置へ温水を供給する場合の温水供給制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
1a・・・シリンダヘッド
1b・・・シリンダブロック
2a・・・ヘッド側冷却水路
2b・・・ブロック側冷却水路
5・・・・ラジエータ
10・・・機械式ウォータポンプ
11a・・・第1ヒータホース
11b・・・第2ヒータホース
11c・・・第3ヒータホース
11d・・・第4ヒータホース
12・・・ヒータコア
13a・・・第1バイパス通路
13b・・・第2バイパス通路
13c・・・第3バイパス通路
14・・・電動ウォーターポンプ
15・・・蓄熱容器
15a・・・冷却水入口
15b・・・冷却水出口
16・・・流路切換弁
17・・・第1水温センサ
18・・・第2水温センサ
19a・・・第1ウォーマホース
19b・・・第2ウォーマホース
20・・・ATFウォーマ
31・・・内燃機関循環回路
32・・・ヒータコア循環回路
33・・・ATFウォーマ循環回路
39・・・ECU
40・・・イグニッションスイッチ
41・・・スタータスイッチ
42・・・ヒータスイッチ
43・・・バッテリ

Claims (5)

  1. 熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、
    内燃機関を経由して前記熱媒体が循環する第1循環回路と、
    前記内燃機関以外の装置を経由して前記熱媒体が循環する第2循環回路と、
    前記蓄熱容器に貯留された高温の熱媒体によって、前記内燃機関の始動前または始動時に前記内燃機関の暖機を実行する暖機実行手段と、
    内燃機関の暖機を実行すべく前記暖機実行手段に内燃機関暖機実行指令を出す暖機実行指令手段と、
    前記第1循環回路と前記第2循環回路とを切り換える循環回路切り換え手段と、を備え、
    前記暖機実行指令手段から前記暖機実行手段に前記内燃機関暖機実行指令が出される前に、前記循環回路切り換え手段によって前記熱媒体の循環回路を前記第1循環回路に切り換える第1循環回路切り換え制御を行うことを特徴とする蓄熱装置を備えた内燃機関。
  2. 前記内燃機関の停止時に、前記第1循環回路切り換え制御を行うことを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
  3. 熱媒体を蓄熱状態で貯留する蓄熱容器と、
    内燃機関を経由して前記熱媒体が循環する第1循環回路と、
    前記内燃機関以外の装置を経由して前記熱媒体が循環する第2循環回路と、
    前記蓄熱容器に貯留された高温の熱媒体を前記第1循環回路に循環させ前記内燃機関を暖機した後の前記蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量を算出する熱媒体熱容量算出手段と、
    前記第1循環回路と前記第2循環回路とを切り換える循環回路切り換え手段と、を備え、
    前記熱媒体熱容量算出手段によって算出された前記内燃機関を暖機した後に前記蓄熱容器内に残った高温の熱媒体の熱容量が、所定量以上であり、且つ、前記内燃機関以外の装置に高温の熱媒体を供給する必要がある場合には、前記循環回路切り換え手段によって循環回路を前記第2循環回路に切り換える第2循環回路切り換え制御を行うことを特徴とする蓄熱装置を備えた内燃機関。
  4. 前記所定量は、前記内燃機関を一旦停止させた後に、次回、前記内燃機関を再始動させる前または再始動させる時に前記内燃機関を暖機するために必要となる次回機関暖機必要熱容量であることを特徴とする請求項3記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
  5. 前記次回機関暖機必要熱容量は、前記第1循環回路内の前記熱媒体の温度によって決定されることを特徴とする請求項4記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009299548A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Toyota Motor Corp 冷却水循環装置

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