JP2004088888A - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング損失による発熱を低減する。
【解決手段】U相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入し、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値がアースGの電位(=0V)に設定される。また、U相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入し、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導入させる端子の目標電圧値が直流電源の発生電圧Vbに設定される。
【選択図】 図1
【解決手段】U相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入し、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値がアースGの電位(=0V)に設定される。また、U相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入し、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導入させる端子の目標電圧値が直流電源の発生電圧Vbに設定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、3相DCモータを駆動するためのモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、電動パワーステアリング装置の駆動源として採用されている3相DCブラシレスモータは、車両に搭載されたバッテリとアースとの間に2個のスイッチング素子(パワーMOSFET)の直列回路を3つ並列に接続した構成の3相インバータ回路で駆動するのが一般的である。
各スイッチング素子のオン/オフは、マイクロコンピュータによって制御されるようになっている。マイクロコンピュータは、モータ目標電流値を定め、さらに、そのモータ目標電流値に基づいて、電動モータの各相の目標端子電圧値を求める。そして、各相の目標端子電圧値に応じたデューティのPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を作成し、その作成したPWM制御信号を各直列回路の一方のスイッチング素子のゲート端子に与える。これにより、3個のスイッチング素子がそれぞれに与えられたPWM制御信号のデューティでオン/オフし、その結果、3相DCブラシレスモータにモータ目標電流値の電流が供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、3相インバータ回路で3相DCブラシレスモータを駆動する構成では、PWM制御信号によるスイッチング素子のスイッチングの際に、電力損失(スイッチング損失)が発生し、このスイッチング損失によってスイッチング素子が発熱するという問題があった。
そこで、この発明の目的は、スイッチング損失による発熱を低減することができるモータ駆動装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、3相DCモータ(M)を直流電源とアース(G)との間に接続された3相インバータ回路(1)で駆動する装置であって、3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入させ、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導出させる1つの端子の目標電圧をアース電位(=0V)に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導入させる2つの端子の目標電圧を設定する第1の目標端子電圧設定手段(2)と、3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入させ、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導入させる1つの端子の目標電圧を電源電位(Vb)に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導出させる2つの端子の目標電圧を設定する第2の目標端子電圧設定手段(2)と、上記第1または第2の目標端子電圧設定手段によって設定された各相端子の目標電圧(Vu’,Vv’,Vw’)に基づいて、上記3相インバータ回路を制御する回路制御手段(2)とを含むことを特徴とするモータ駆動装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0005】
この発明によれば、3つの界磁コイルのいずれか1つの目標端子電圧値がアース電位または電源電圧に設定される。
3相インバータ回路は、電源とアース(G)との間に2個のスイッチング素子(11〜16)の直列回路(1U,1V,1W)を3個並列に有しており、各直列回路の2個のスイッチング素子の接続点で3相DCモータの各相端子に接続されている。したがって、各直列回路の一方のスイッチング素子をオンすることにより、3相DCモータの各相界磁コイルに駆動電流を流すことができる。
【0006】
このような3相インバータ回路で3相DCモータを駆動する場合、端子電圧(端子電位)をアース電位または電源電圧に制御するためには、その端子(Y結線の場合、中性点とは反対側の端子)とアースまたは電源との間に介装されているスイッチング素子をオンし続けなければならない。よって、この発明の構成では、2個のスイッチング素子のみがスイッチング(オン/オフ)され、これにより各相界磁コイルに流れる電流が制御されることになる。ゆえに、3個のスイッチング素子をスイッチングさせる正弦波駆動方式の従来装置よりも、スイッチングさせるべきスイッチング素子の個数が1個少ないので、その分、従来装置よりもスイッチング損失による発熱を低減することができる。
【0007】
なお、この発明のモータ駆動装置によって駆動される3相DCモータの各端子間電圧は、正弦波駆動方式の従来装置で3相DCモータを駆動する場合と同様に変化するから、この発明の構成であっても、従来装置と同様な電動モータの動作を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るモータ駆動装置の構成を図解的に示すブロック図である。このモータ駆動装置は、電動モータMに駆動電流を供給するためのモータ駆動回路1と、CPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータ2とを備えている。
【0009】
電動モータMは、3相ブラシレスモータであり、U相界磁コイルCU、V相界磁コイルCVおよびW相界磁コイルCWがY結線(星形結線)されている。
モータ駆動回路1は、発生電圧Vbの直流電源(たとえば、車載バッテリ)とアースGとの間に、スイッチング素子(パワーMOSFET)11,12の直列回路1Uと、スイッチング素子13,14の直列回路1Vと、スイッチング素子15,16の直列回路1Wとを並列に接続した3相インバータ回路で構成されている。スイッチング素子11,12の直列回路1Uは、これら2個のスイッチング素子11,12の接続点で電動モータMのU相界磁コイルCU(U相端子)に接続されている。また、スイッチング素子13,14の直列回路1Vは、これら2個のスイッチング素子13,14の接続点で電動モータMのV相界磁コイルCV(V相端子)に接続されており、スイッチング素子15,16の直列回路1Wは、これら2個のスイッチング素子15,16の接続点で電動モータMのW相界磁コイルCW(W相端子)に接続されている。
【0010】
電動モータMに関連して、この電動モータMのロータの回転角θを検出するための回転角センサ3が設けられている。この回転角センサ3には、たとえば、ロータの回転角θの変化に対応して位相が変化する正弦波形の信号を出力するレゾルバを採用することができる。回転角センサ3の出力信号は、マイクロコンピュータ2に与えられるようになっている。
たとえば、このモータ駆動装置が電動パワーステアリング装置の電動モータMを駆動するために用いられる場合、マイクロコンピュータ2には、さらに、その電動パワーステアリング装置が搭載された車両の車速を検出するための車速センサ4の検出信号と、ステアリングホイールから入力された操舵トルクを検出するためのトルクセンサ5の検出信号とが与えられる。
【0011】
マイクロコンピュータ2は、車速センサ4およびトルクセンサ5の検出信号に基づいて目標電流値Iを設定する。また、マイクロコンピュータ2は、その設定した目標電流値Iと回転角センサ3によって検出される回転角θとに基づいて、モータ駆動回路1の各スイッチング素子11〜16のオン/オフを制御する。これにより、目標電流値Iの駆動電流が電動モータMに流れ、この電動モータMから車速および操舵トルクに応じた駆動力(操舵補助力)が発生される。
【0012】
ここで、従来のモータ駆動装置では、たとえば、図2に示すように、電動モータの各相端子(各相界磁コイルの中性点とは反対側の端点)に位相が2π/3ずつ異なる正弦波電圧を印加する正弦波駆動方式が採用されており、目標電流値Iが設定されると、その目標電流値Iに応じた正弦波電圧の振幅Aが求められ、この振幅Aと電動モータのロータの回転角θとに基づいて、下記第(1),(2),(3)式のとおりに、電動モータの各相の目標端子電圧値Vu,Vv,Vwが演算される。そして、目標端子電圧値Vu,Vv,Vwにそれぞれ対応したPWM制御信号Su,Sv,Swが作成され、その作成されたPWM制御信号Su,Sv,Swが、それぞれモータ駆動回路を構成する各直列回路の一方のスイッチング素子に与えられる。このとき、PWM制御信号Su,Sv,Swの入力されていないスイッチング素子は常にオフにされる。これにより、PWM制御信号Su,Sv,Swの入力されている3個のスイッチング素子が、それぞれPWM制御信号Su,Sv,Swのデューティでオン/オフし、各相の端子電圧(各相界磁コイルの中性点とは反対側の端点の電位)が、それぞれ目標端子電圧値Vu,Vv,Vwに制御される。
【0013】
Vu=A・sinθ+0.5Vb ・・・・・・(1)
Vv=A・sin(θ−2π/3)+0.5Vb ・・・・・・(2)
Vw=A・sin(θ+2π/3)+0.5Vb ・・・・・・(3)
このような構成の従来装置が有する問題の1つは、[発明が解決しようとする課題]の項でも記載したように、各スイッチング素子のスイッチング損失による発熱である。
【0014】
そこで、この実施形態のモータ駆動装置では、上記第(1)〜(3)式で求められる目標端子電圧値Vu,Vv,Vwのいずれか1つだけが中性点電圧(=0.5Vb)より小さい時、つまり、電動モータMのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入し、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値(目標端子電圧値)がアースGの電位(=0V)に設定される。そして、各端子間電圧が上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになるように、他の2つの端子の目標電圧値が設定される。
【0015】
たとえば、図2に示すように、ロータの回転角θが0〜60度の範囲内の時には、上記第(2)式で求められる目標端子電圧値Vvのみが中性点電圧よりも小さく、モータ駆動回路1から供給される駆動電流は、U相界磁コイルCUおよびW相界磁コイルCWに流れ込み、中性点で合流して、V相界磁コイルCVを通って流れ出る。この時には、V相目標端子電圧値Vv’が、アースGの電位(=0V)に設定される。そして、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、U−V相端子間電圧Vu’−Vv’がVu−Vvに一致し、W−V相端子間電圧Vw’−Vv’がVw−Vvに一致するような値に設定される。具体的には、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ下記第(4),(5)式のとおりに設定される。
【0016】
Vu’=A・{sinθ−sin(θ−2π/3)} ・・・・・・(4)
Vw’=A・{sin(θ+2π/3)−sin(θ−2π/3)}
・・・・・・(5)
また、ロータの回転角θが120〜180度の範囲内の時には、W相目標端子電圧値Vw’がアースGの電位に設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびV相目標端子電圧値Vv’は、それぞれ、U−W相端子間電圧Vu’−Vw’がVu−Vwに一致し、V−W相端子間電圧Vv’−Vw’がVv−Vwに一致するような値に設定される。
【0017】
さらに、ロータの回転角θが240〜300度の範囲内の時には、U相目標端子電圧値Vu’がアースGの電位に設定され、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、V−U相端子間電圧Vv’−Vu’がVv−Vuに一致し、W−U相端子間電圧Vw’−Vu’がVw−Vuに一致するような値に設定される。
一方、上記第(1)〜(3)式で求められる目標端子電圧値Vu,Vv,Vwのいずれか1つだけが中性点電圧より大きい時、つまり、電動モータMのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入し、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値(目標端子電圧値)が直流電源の発生電圧Vbに設定される。そして、各端子間電圧が上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになるように、他の2つの界磁コイルの目標端子電圧値が設定される。
【0018】
たとえば、ロータの回転角θが60〜120度の範囲内の時には、上記第(2)式で求められる目標端子電圧値Vuのみが中性点電圧よりも大きく、モータ駆動回路1から供給される駆動電流は、U相界磁コイルCUに流れ込み、中性点で分流して、V相界磁コイルCVおよびW相界磁コイルCWを通って流れ出る。この時には、U相目標端子電圧値Vu’が、直流電源の発生電圧Vbに設定される。そして、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、U−V相端子間電圧Vu’−Vv’がVu−Vvに一致し、U−W相端子間電圧Vu’−Vw’がVu−Vwに一致するような値に設定される。具体的には、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ下記第(6),(7)式のとおりに設定される。
【0019】
Vv’=Vb−A・{sinθ−sin(θ−2π/3)} ・・・・・・(6)
Vw’=Vb−A・{sinθ−sin(θ+2π/3)} ・・・・・・(7)
また、ロータの回転角θが180〜240度の範囲内の時には、V相目標端子電圧値Vv’が電源電圧Vbに設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、V−U相端子間電圧Vv’−Vu’がVv−Vuに一致し、V−W相端子間電圧Vv’−Vw’がVv−Vwに一致するような値に設定される。
【0020】
さらに、ロータの回転角θが300〜360度の範囲内の時には、W相目標端子電圧値Vw’が電源電圧Vbに設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびV相目標端子電圧値Vv’は、それぞれ、W−U相端子間電圧Vw’−Vu’がVw−Vuに一致し、W−V相端子間電圧Vw’−Vv’がVw−Vvに一致するような値に設定される。
こうして各相目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’が設定されると、その設定された目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’にそれぞれ対応したデューティのPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’が作成される。そして、その作成されたPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’が、それぞれモータ駆動回路を構成する各直列回路の一方のスイッチング素子に与えられる。このとき、PWM制御信号Su’,Sv’,Sw’の入力されていないスイッチング素子は常にオフにされる。これにより、PWM制御信号Su’,Sv’,Sw’の入力されている3個のスイッチング素子が、それぞれPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’のデューティでオン/オフし、各相端子電圧がそれぞれ目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’に制御される。その結果、各相界磁コイルCU,CV,CWに流れる電流量は、上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになり、その場合と同様な電動モータMの動作が実現される。
【0021】
ここで、V相端子電圧をアースGの電位(=0V)に制御するためには、PWM制御信号Sv’のデューティを100%に設定して、モータ駆動回路1の直列回路1Vに含まれるスイッチング素子14をオンし続けなければならない。すなわち、ロータの回転角θが0〜60度の範囲内の時には、直列回路1Vに含まれるスイッチング素子13,14はスイッチングされず、直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11および直列回路1Wに含まれるスイッチング素子15のみがスイッチングされることになる。よって、スイッチング素子13,14のスイッチング損失による発熱がない。
【0022】
また同様に、W相端子電圧をアースGの電位に制御するためには、直列回路1Wのスイッチング素子16をオンし続けなければならず、U相端子電圧をアースGの電位に制御するためには、直列回路1Uのスイッチング素子12をオンし続けなければならない。ゆえに、ロータの回転角θが120〜180度の範囲内の時には、直列回路1Wのスイッチング素子11,12からのスイッチング損失による発熱がなく、また、ロータの回転角θが240〜300度の範囲内の時には、直列回路1Uのスイッチング素子11,12からのスイッチング損失による発熱がない。
【0023】
さらに、U相端子電圧を電源電圧(=Vb)に制御するためには、PWM制御信号Su’のデューティを100%に設定して、モータ駆動回路1の直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11をオンし続けなければならない。すなわち、ロータの回転角θが60〜120度の範囲内の時には、直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11,12はスイッチングされず、直列回路1Vに含まれるスイッチング素子14および直列回路1Wに含まれるスイッチング素子16のみがスイッチングされることになる。よって、スイッチング素子11,12のスイッチング損失による発熱がない。
【0024】
また同様に、V相端子電圧を電源電圧に制御するためには、直列回路1Vのスイッチング素子13をオンし続けなければならず、W相端子電圧を電源電圧に制御するためには、直列回路1Wのスイッチング素子15をオンし続けなければならない。ゆえに、ロータの回転角θが180〜240度の範囲内の時には、直列回路1Vのスイッチング素子13,14からのスイッチング損失による発熱がなく、また、ロータの回転角θが300〜360度の範囲内の時には、直列回路1Wのスイッチング素子15,16からのスイッチング損失による発熱がない。
【0025】
以上のように、この実施形態によれば、U相端子、V相端子およびW相端子のうちのいずれか1つの端子の目標電圧値がアースGの電位または電源電圧に設定されて、スイッチング素子11〜16のうちの2個のスイッチング素子をスイッチングさせることにより、3個のスイッチング素子をスイッチングさせる正弦波駆動方式の従来装置と同様なモータ動作が実現される。スイッチングさせるべきスイッチング素子の個数が従来装置よりも1個少ないので、その分、従来装置よりもスイッチング損失による発熱を低減することができる。
【0026】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、この発明は、電動パワーステアリング装置に備えられた電動モータを駆動するものに限らず、他の装置に備えられた電動モータを駆動するものに対して広く適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るモータ駆動装置の構成を図解的に示すブロック図である。
【図2】正弦波駆動方式によるモータ駆動時の各相端子電圧の波形を示すとともに、連続通電させる界磁コイルを示す図である。
【符号の説明】
1 モータ駆動回路
1U 直列回路
1V 直列回路
1W 直列回路
2 マイクロコンピュータ(第1の目標端子電圧設定手段、第2の目標端子電圧設定手段、回路制御手段)
3 回転角センサ
4 車速センサ
5 トルクセンサ
11 スイッチング素子
12 スイッチング素子
13 スイッチング素子
14 スイッチング素子
15 スイッチング素子
16 スイッチング素子
CU U相界磁コイル
CV V相界磁コイル
CW W相界磁コイル
G アース
M 電動モータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、3相DCモータを駆動するためのモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、電動パワーステアリング装置の駆動源として採用されている3相DCブラシレスモータは、車両に搭載されたバッテリとアースとの間に2個のスイッチング素子(パワーMOSFET)の直列回路を3つ並列に接続した構成の3相インバータ回路で駆動するのが一般的である。
各スイッチング素子のオン/オフは、マイクロコンピュータによって制御されるようになっている。マイクロコンピュータは、モータ目標電流値を定め、さらに、そのモータ目標電流値に基づいて、電動モータの各相の目標端子電圧値を求める。そして、各相の目標端子電圧値に応じたデューティのPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を作成し、その作成したPWM制御信号を各直列回路の一方のスイッチング素子のゲート端子に与える。これにより、3個のスイッチング素子がそれぞれに与えられたPWM制御信号のデューティでオン/オフし、その結果、3相DCブラシレスモータにモータ目標電流値の電流が供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、3相インバータ回路で3相DCブラシレスモータを駆動する構成では、PWM制御信号によるスイッチング素子のスイッチングの際に、電力損失(スイッチング損失)が発生し、このスイッチング損失によってスイッチング素子が発熱するという問題があった。
そこで、この発明の目的は、スイッチング損失による発熱を低減することができるモータ駆動装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、3相DCモータ(M)を直流電源とアース(G)との間に接続された3相インバータ回路(1)で駆動する装置であって、3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入させ、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導出させる1つの端子の目標電圧をアース電位(=0V)に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導入させる2つの端子の目標電圧を設定する第1の目標端子電圧設定手段(2)と、3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入させ、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導入させる1つの端子の目標電圧を電源電位(Vb)に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導出させる2つの端子の目標電圧を設定する第2の目標端子電圧設定手段(2)と、上記第1または第2の目標端子電圧設定手段によって設定された各相端子の目標電圧(Vu’,Vv’,Vw’)に基づいて、上記3相インバータ回路を制御する回路制御手段(2)とを含むことを特徴とするモータ駆動装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0005】
この発明によれば、3つの界磁コイルのいずれか1つの目標端子電圧値がアース電位または電源電圧に設定される。
3相インバータ回路は、電源とアース(G)との間に2個のスイッチング素子(11〜16)の直列回路(1U,1V,1W)を3個並列に有しており、各直列回路の2個のスイッチング素子の接続点で3相DCモータの各相端子に接続されている。したがって、各直列回路の一方のスイッチング素子をオンすることにより、3相DCモータの各相界磁コイルに駆動電流を流すことができる。
【0006】
このような3相インバータ回路で3相DCモータを駆動する場合、端子電圧(端子電位)をアース電位または電源電圧に制御するためには、その端子(Y結線の場合、中性点とは反対側の端子)とアースまたは電源との間に介装されているスイッチング素子をオンし続けなければならない。よって、この発明の構成では、2個のスイッチング素子のみがスイッチング(オン/オフ)され、これにより各相界磁コイルに流れる電流が制御されることになる。ゆえに、3個のスイッチング素子をスイッチングさせる正弦波駆動方式の従来装置よりも、スイッチングさせるべきスイッチング素子の個数が1個少ないので、その分、従来装置よりもスイッチング損失による発熱を低減することができる。
【0007】
なお、この発明のモータ駆動装置によって駆動される3相DCモータの各端子間電圧は、正弦波駆動方式の従来装置で3相DCモータを駆動する場合と同様に変化するから、この発明の構成であっても、従来装置と同様な電動モータの動作を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るモータ駆動装置の構成を図解的に示すブロック図である。このモータ駆動装置は、電動モータMに駆動電流を供給するためのモータ駆動回路1と、CPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータ2とを備えている。
【0009】
電動モータMは、3相ブラシレスモータであり、U相界磁コイルCU、V相界磁コイルCVおよびW相界磁コイルCWがY結線(星形結線)されている。
モータ駆動回路1は、発生電圧Vbの直流電源(たとえば、車載バッテリ)とアースGとの間に、スイッチング素子(パワーMOSFET)11,12の直列回路1Uと、スイッチング素子13,14の直列回路1Vと、スイッチング素子15,16の直列回路1Wとを並列に接続した3相インバータ回路で構成されている。スイッチング素子11,12の直列回路1Uは、これら2個のスイッチング素子11,12の接続点で電動モータMのU相界磁コイルCU(U相端子)に接続されている。また、スイッチング素子13,14の直列回路1Vは、これら2個のスイッチング素子13,14の接続点で電動モータMのV相界磁コイルCV(V相端子)に接続されており、スイッチング素子15,16の直列回路1Wは、これら2個のスイッチング素子15,16の接続点で電動モータMのW相界磁コイルCW(W相端子)に接続されている。
【0010】
電動モータMに関連して、この電動モータMのロータの回転角θを検出するための回転角センサ3が設けられている。この回転角センサ3には、たとえば、ロータの回転角θの変化に対応して位相が変化する正弦波形の信号を出力するレゾルバを採用することができる。回転角センサ3の出力信号は、マイクロコンピュータ2に与えられるようになっている。
たとえば、このモータ駆動装置が電動パワーステアリング装置の電動モータMを駆動するために用いられる場合、マイクロコンピュータ2には、さらに、その電動パワーステアリング装置が搭載された車両の車速を検出するための車速センサ4の検出信号と、ステアリングホイールから入力された操舵トルクを検出するためのトルクセンサ5の検出信号とが与えられる。
【0011】
マイクロコンピュータ2は、車速センサ4およびトルクセンサ5の検出信号に基づいて目標電流値Iを設定する。また、マイクロコンピュータ2は、その設定した目標電流値Iと回転角センサ3によって検出される回転角θとに基づいて、モータ駆動回路1の各スイッチング素子11〜16のオン/オフを制御する。これにより、目標電流値Iの駆動電流が電動モータMに流れ、この電動モータMから車速および操舵トルクに応じた駆動力(操舵補助力)が発生される。
【0012】
ここで、従来のモータ駆動装置では、たとえば、図2に示すように、電動モータの各相端子(各相界磁コイルの中性点とは反対側の端点)に位相が2π/3ずつ異なる正弦波電圧を印加する正弦波駆動方式が採用されており、目標電流値Iが設定されると、その目標電流値Iに応じた正弦波電圧の振幅Aが求められ、この振幅Aと電動モータのロータの回転角θとに基づいて、下記第(1),(2),(3)式のとおりに、電動モータの各相の目標端子電圧値Vu,Vv,Vwが演算される。そして、目標端子電圧値Vu,Vv,Vwにそれぞれ対応したPWM制御信号Su,Sv,Swが作成され、その作成されたPWM制御信号Su,Sv,Swが、それぞれモータ駆動回路を構成する各直列回路の一方のスイッチング素子に与えられる。このとき、PWM制御信号Su,Sv,Swの入力されていないスイッチング素子は常にオフにされる。これにより、PWM制御信号Su,Sv,Swの入力されている3個のスイッチング素子が、それぞれPWM制御信号Su,Sv,Swのデューティでオン/オフし、各相の端子電圧(各相界磁コイルの中性点とは反対側の端点の電位)が、それぞれ目標端子電圧値Vu,Vv,Vwに制御される。
【0013】
Vu=A・sinθ+0.5Vb ・・・・・・(1)
Vv=A・sin(θ−2π/3)+0.5Vb ・・・・・・(2)
Vw=A・sin(θ+2π/3)+0.5Vb ・・・・・・(3)
このような構成の従来装置が有する問題の1つは、[発明が解決しようとする課題]の項でも記載したように、各スイッチング素子のスイッチング損失による発熱である。
【0014】
そこで、この実施形態のモータ駆動装置では、上記第(1)〜(3)式で求められる目標端子電圧値Vu,Vv,Vwのいずれか1つだけが中性点電圧(=0.5Vb)より小さい時、つまり、電動モータMのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入し、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値(目標端子電圧値)がアースGの電位(=0V)に設定される。そして、各端子間電圧が上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになるように、他の2つの端子の目標電圧値が設定される。
【0015】
たとえば、図2に示すように、ロータの回転角θが0〜60度の範囲内の時には、上記第(2)式で求められる目標端子電圧値Vvのみが中性点電圧よりも小さく、モータ駆動回路1から供給される駆動電流は、U相界磁コイルCUおよびW相界磁コイルCWに流れ込み、中性点で合流して、V相界磁コイルCVを通って流れ出る。この時には、V相目標端子電圧値Vv’が、アースGの電位(=0V)に設定される。そして、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、U−V相端子間電圧Vu’−Vv’がVu−Vvに一致し、W−V相端子間電圧Vw’−Vv’がVw−Vvに一致するような値に設定される。具体的には、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ下記第(4),(5)式のとおりに設定される。
【0016】
Vu’=A・{sinθ−sin(θ−2π/3)} ・・・・・・(4)
Vw’=A・{sin(θ+2π/3)−sin(θ−2π/3)}
・・・・・・(5)
また、ロータの回転角θが120〜180度の範囲内の時には、W相目標端子電圧値Vw’がアースGの電位に設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびV相目標端子電圧値Vv’は、それぞれ、U−W相端子間電圧Vu’−Vw’がVu−Vwに一致し、V−W相端子間電圧Vv’−Vw’がVv−Vwに一致するような値に設定される。
【0017】
さらに、ロータの回転角θが240〜300度の範囲内の時には、U相目標端子電圧値Vu’がアースGの電位に設定され、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、V−U相端子間電圧Vv’−Vu’がVv−Vuに一致し、W−U相端子間電圧Vw’−Vu’がVw−Vuに一致するような値に設定される。
一方、上記第(1)〜(3)式で求められる目標端子電圧値Vu,Vv,Vwのいずれか1つだけが中性点電圧より大きい時、つまり、電動モータMのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入し、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時には、その駆動電流を導出させる端子の目標電圧値(目標端子電圧値)が直流電源の発生電圧Vbに設定される。そして、各端子間電圧が上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになるように、他の2つの界磁コイルの目標端子電圧値が設定される。
【0018】
たとえば、ロータの回転角θが60〜120度の範囲内の時には、上記第(2)式で求められる目標端子電圧値Vuのみが中性点電圧よりも大きく、モータ駆動回路1から供給される駆動電流は、U相界磁コイルCUに流れ込み、中性点で分流して、V相界磁コイルCVおよびW相界磁コイルCWを通って流れ出る。この時には、U相目標端子電圧値Vu’が、直流電源の発生電圧Vbに設定される。そして、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、U−V相端子間電圧Vu’−Vv’がVu−Vvに一致し、U−W相端子間電圧Vu’−Vw’がVu−Vwに一致するような値に設定される。具体的には、V相目標端子電圧値Vv’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ下記第(6),(7)式のとおりに設定される。
【0019】
Vv’=Vb−A・{sinθ−sin(θ−2π/3)} ・・・・・・(6)
Vw’=Vb−A・{sinθ−sin(θ+2π/3)} ・・・・・・(7)
また、ロータの回転角θが180〜240度の範囲内の時には、V相目標端子電圧値Vv’が電源電圧Vbに設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびW相目標端子電圧値Vw’は、それぞれ、V−U相端子間電圧Vv’−Vu’がVv−Vuに一致し、V−W相端子間電圧Vv’−Vw’がVv−Vwに一致するような値に設定される。
【0020】
さらに、ロータの回転角θが300〜360度の範囲内の時には、W相目標端子電圧値Vw’が電源電圧Vbに設定され、U相目標端子電圧値Vu’およびV相目標端子電圧値Vv’は、それぞれ、W−U相端子間電圧Vw’−Vu’がVw−Vuに一致し、W−V相端子間電圧Vw’−Vv’がVw−Vvに一致するような値に設定される。
こうして各相目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’が設定されると、その設定された目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’にそれぞれ対応したデューティのPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’が作成される。そして、その作成されたPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’が、それぞれモータ駆動回路を構成する各直列回路の一方のスイッチング素子に与えられる。このとき、PWM制御信号Su’,Sv’,Sw’の入力されていないスイッチング素子は常にオフにされる。これにより、PWM制御信号Su’,Sv’,Sw’の入力されている3個のスイッチング素子が、それぞれPWM制御信号Su’,Sv’,Sw’のデューティでオン/オフし、各相端子電圧がそれぞれ目標端子電圧値Vu’,Vv’,Vw’に制御される。その結果、各相界磁コイルCU,CV,CWに流れる電流量は、上記第(1)〜(3)式に従って目標端子電圧値Vu,Vv,Vwを設定した場合と同じになり、その場合と同様な電動モータMの動作が実現される。
【0021】
ここで、V相端子電圧をアースGの電位(=0V)に制御するためには、PWM制御信号Sv’のデューティを100%に設定して、モータ駆動回路1の直列回路1Vに含まれるスイッチング素子14をオンし続けなければならない。すなわち、ロータの回転角θが0〜60度の範囲内の時には、直列回路1Vに含まれるスイッチング素子13,14はスイッチングされず、直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11および直列回路1Wに含まれるスイッチング素子15のみがスイッチングされることになる。よって、スイッチング素子13,14のスイッチング損失による発熱がない。
【0022】
また同様に、W相端子電圧をアースGの電位に制御するためには、直列回路1Wのスイッチング素子16をオンし続けなければならず、U相端子電圧をアースGの電位に制御するためには、直列回路1Uのスイッチング素子12をオンし続けなければならない。ゆえに、ロータの回転角θが120〜180度の範囲内の時には、直列回路1Wのスイッチング素子11,12からのスイッチング損失による発熱がなく、また、ロータの回転角θが240〜300度の範囲内の時には、直列回路1Uのスイッチング素子11,12からのスイッチング損失による発熱がない。
【0023】
さらに、U相端子電圧を電源電圧(=Vb)に制御するためには、PWM制御信号Su’のデューティを100%に設定して、モータ駆動回路1の直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11をオンし続けなければならない。すなわち、ロータの回転角θが60〜120度の範囲内の時には、直列回路1Uに含まれるスイッチング素子11,12はスイッチングされず、直列回路1Vに含まれるスイッチング素子14および直列回路1Wに含まれるスイッチング素子16のみがスイッチングされることになる。よって、スイッチング素子11,12のスイッチング損失による発熱がない。
【0024】
また同様に、V相端子電圧を電源電圧に制御するためには、直列回路1Vのスイッチング素子13をオンし続けなければならず、W相端子電圧を電源電圧に制御するためには、直列回路1Wのスイッチング素子15をオンし続けなければならない。ゆえに、ロータの回転角θが180〜240度の範囲内の時には、直列回路1Vのスイッチング素子13,14からのスイッチング損失による発熱がなく、また、ロータの回転角θが300〜360度の範囲内の時には、直列回路1Wのスイッチング素子15,16からのスイッチング損失による発熱がない。
【0025】
以上のように、この実施形態によれば、U相端子、V相端子およびW相端子のうちのいずれか1つの端子の目標電圧値がアースGの電位または電源電圧に設定されて、スイッチング素子11〜16のうちの2個のスイッチング素子をスイッチングさせることにより、3個のスイッチング素子をスイッチングさせる正弦波駆動方式の従来装置と同様なモータ動作が実現される。スイッチングさせるべきスイッチング素子の個数が従来装置よりも1個少ないので、その分、従来装置よりもスイッチング損失による発熱を低減することができる。
【0026】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、この発明は、電動パワーステアリング装置に備えられた電動モータを駆動するものに限らず、他の装置に備えられた電動モータを駆動するものに対して広く適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るモータ駆動装置の構成を図解的に示すブロック図である。
【図2】正弦波駆動方式によるモータ駆動時の各相端子電圧の波形を示すとともに、連続通電させる界磁コイルを示す図である。
【符号の説明】
1 モータ駆動回路
1U 直列回路
1V 直列回路
1W 直列回路
2 マイクロコンピュータ(第1の目標端子電圧設定手段、第2の目標端子電圧設定手段、回路制御手段)
3 回転角センサ
4 車速センサ
5 トルクセンサ
11 スイッチング素子
12 スイッチング素子
13 スイッチング素子
14 スイッチング素子
15 スイッチング素子
16 スイッチング素子
CU U相界磁コイル
CV V相界磁コイル
CW W相界磁コイル
G アース
M 電動モータ
Claims (1)
- 3相DCモータを直流電源とアースとの間に接続された3相インバータ回路で駆動する装置であって、
3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの2つの端子から駆動電流を導入させ、他の1つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導出させる1つの端子の目標電圧をアース電位に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導入させる2つの端子の目標電圧を設定する第1の目標端子電圧設定手段と、
3相DCモータのU相端子、V相端子およびW相端子のうちの1つの端子から駆動電流を導入させ、他の2つの端子から駆動電流を導出させるべき時に、その駆動電流を導入させる1つの端子の目標電圧を電源電位に設定し、さらに、各端子間電圧の変化が正弦波駆動方式で各相端子の目標電圧を設定した場合と同じになるように、3相DCモータのロータの回転角に応じて、駆動電流を導出させる2つの端子の目標電圧を設定する第2の目標端子電圧設定手段と、
上記第1または第2の目標端子電圧設定手段によって設定された各相端子の目標電圧に基づいて、上記3相インバータ回路を制御する回路制御手段とを含むことを特徴とするモータ駆動装置。
Priority Applications (1)
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JP2002245471A JP2004088888A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | モータ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9866155B2 (en) | 2015-02-03 | 2018-01-09 | Nsk Ltd. | Motor control unit and electric power steering apparatus equipped with the same |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002245471A patent/JP2004088888A/ja active Pending
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