JP2004088032A - 電圧非直線抵抗体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】造粒粉の焙焼粉体に酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを用いることにより、酸化亜鉛素子の制限電圧特性を良好にすると共に、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対しても、酸化亜鉛素子による放電耐量を増強させ、かつ、造粒粉の製造コストも良好にする。
【解決手段】酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを混合粉砕し混合物スラリーを得(S11)、その混合物スラリーを乾燥解砕し(S12)、焙焼して焙焼粉体を得(S13)、その焙焼粉体を混合粉砕し(S14)、乾燥解砕して添加焙焼粉体原料を得(S15)、その添加焙焼粉体原料,添加金属酸化物粉体及び純水を混合し添加物スラリーを得(S16)、添加物スラリー,有機バインダー溶液及び酸化亜鉛を乳化混合し(S17)、脱泡し(18)、噴霧乾燥することにより(S19)、電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛素子の造粒粉を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを混合粉砕し混合物スラリーを得(S11)、その混合物スラリーを乾燥解砕し(S12)、焙焼して焙焼粉体を得(S13)、その焙焼粉体を混合粉砕し(S14)、乾燥解砕して添加焙焼粉体原料を得(S15)、その添加焙焼粉体原料,添加金属酸化物粉体及び純水を混合し添加物スラリーを得(S16)、添加物スラリー,有機バインダー溶液及び酸化亜鉛を乳化混合し(S17)、脱泡し(18)、噴霧乾燥することにより(S19)、電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛素子の造粒粉を製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化亜鉛を主成分とし、主に避雷器に組み込まれる電圧非直線抵抗体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電圧非直線抵抗体(非直線抵抗体)には、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするものが多く、その副添加物成分(以下、添加物スラリーと称す)として三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の複数個の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合からなっている。
【0003】
通常、前記添加物スラリーをボール・ミル等にて湿式予備粉砕した後、有機バインダー(結合剤)及び酸化亜鉛と十分混合して混合物(原料スラリー)を得、その混合物をスプレードライヤーにより噴霧乾燥して流動性の良好な造粒粉を得る。なお、前記有機バインダーには水系の有機バインダー、例えばポリビニルアルコール(PVA)が用いられている。
【0004】
次に、前記造粒粉を金型プレス機により例えば円盤状等の成形体に成形し、この成形体を脱脂し、脱脂した後800〜1000℃で仮焼することにより仮焼体を得る。その後、その仮焼体の側面部分に一次絶縁材を塗布し、塗布した後1000〜1300℃の温度で焼成して、側面部分に高抵抗層(絶縁層)を形成した焼結体を得る。更に、その焼結体の側面部分に二次絶縁材を塗布し、焼成する。そして、その二次絶縁材を焼成した焼結体の両端面を平滑に研磨した後、その研磨した両端面にアルミニウムから成る電極材料を溶射して電圧非直線抵抗体を完成させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記電圧非直線抵抗体(非直線抵抗体)は、避雷器用電圧−電流非直線抵抗体に使用されるが、一般の避雷器用弱電用サージ・アブソーバに比べると吸収し得るエネルギーが大きいため、大きな体積、または大口径サイズの酸化亜鉛素子が必要となる。
【0006】
前記酸化亜鉛素子の製造方法は、PVA(ポリビニルアルコール)等から成る有機バインダー溶液に主成分である酸化亜鉛と、その添加物スラリーとして三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合から成る原料スラリーを得、その原料スラリーを十分混合し、スプレードライヤーで噴霧乾燥して造粒粉を得る。
【0007】
前記造粒粉を金型成形プレス機で円柱状に成形し、脱脂後、800〜1000℃で仮焼する。この仮焼体の側面部分に絶縁性セラミック材料(一次絶縁材)を塗布し、1000〜1300℃で数時間焼成する。更に、焼結体の側面部分に低融点ガラス材料(二次絶縁材)を塗布し、焼き付けを行う。この後、その焼結体の両端面を研磨し、アルミニウムの電極を溶射して電圧非直線抵抗体を完成させる。
【0008】
上記電圧非直線抵抗体は、電力機器を雷インパルス等の異常電圧から保護する目的で使用されており、避雷器が担う本質的な性能を向上させている。前記電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛素子において、制限電圧特性を改良し、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対して、酸化亜鉛素子の放電耐量を増強することなどが、酸化亜鉛素子の重要な課題となる。
【0009】
本発明は、前記課題に基づいて成されたものであり、酸化亜鉛素子において、造粒粉の添加焙焼粉体原料にアンチモン酸亜鉛を用いることにより、電圧非直線抵抗体の制限電圧特性を向上させると共に、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対して素子の放電耐量を増強させる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図るために、第1発明は、原料スラリーの主成分として酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを使用し、その酸化亜鉛と三酸化アンチモンを所定量計量し、湿式混合し、乾燥し、焙焼し、微粉砕して調整した焙焼粉体を得、その焙焼粉体に複数個の金属酸化物の添加物成分を所定量添加して湿式混合し、粉砕して添加物スラリーを得、前記焙焼粉体を有機バインダー溶液に主成分である酸化亜鉛と添加物スラリーとを乳化混合する際に添加し、脱泡後噴霧乾燥して造粒粉を得ることを特徴とする。
【0011】
第2発明は、前記第1発明における焙焼粉体において、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を焙焼してアンチモン酸亜鉛の粉体を得、そのアンチモン酸亜鉛の分子量が893.08であり、アンチモン酸亜鉛の理論上の配合量が0.01〜1.0モル%と成ることを特徴とする。
【0012】
第3発明は、前記第1発明及び第2発明における焙焼粉体において、酸化亜鉛と三酸化アンチモンの混合粉体を焙焼してアンチモン酸亜鉛を得るとき、焙焼温度を850℃以上とすることを特徴とする。
【0013】
上記第1発明〜第3発明によれば、焙焼粉体に酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを用いることにより、酸化亜鉛素子にアンチモン酸亜鉛を使用した素子を得、その酸化亜鉛素子を使用することにより、酸化亜鉛素子の制限電圧特性を向上させることがでると共に、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対しても、酸化亜鉛素子による放電耐量を増強させることができる電圧非直線抵抗体を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態では、酸化亜鉛素子の電気特性を向上させるために、焙焼粉体原料の添加効果の検証を実施し、添加する焙焼粉体原料は目的となる結晶構造となるように、あらかじめ所定の原料を所定量計量し、湿式混合、乾燥、焙焼、微粉砕して調製している。
【0015】
(実施の形態1)
ここで、本発明の実施の形態1について説明する。図1に、本発明の実施の形態1における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図を示す。図1において、ステップS11は湿式混合粉砕工程を示すものであり、この湿式混合粉砕工程では酸化亜鉛素子用の造粒粉における添加焙焼粉体原料の主成分として、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を計量し、固形分濃度50wt%となるように純水を投入して、湿式混合し、粉砕して混合物スラリーを得、その混合物スラリーをステップS12で乾燥し、解砕する。
【0016】
前記乾燥し、解砕された混合物スラリーは、ステップS13に示す焙焼工程で、900℃の温度で2時間焙焼し、焙焼粉体を得、この焙焼粉体はステップS14に示す湿式混合粉砕工程により、焙焼粉体を再び固形分濃度50wt%となるように湿式混合し、微粉砕して混合物スラリーを得、この混合物スラリーをステップS15に示す乾燥解砕工程により、再び乾燥し、解砕して添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)を得る。なお、ステップS11〜15において、湿式混合粉砕工程,乾燥解砕工程及び焙焼工程には既存の装置を使用し、例えば、湿式混合粉砕工程では石臼粉砕機及びボール・ミル等,乾燥解砕工程では、乾燥にスラリードライヤー及び流動式乾燥機等、解砕に石臼粉砕機等,焙焼工程ではロータリーキルン等が用いられる。
【0017】
次に、ステップS16に添加物混合粉砕工程を示す。この工程では酸化亜鉛素子に必要とされる種々の添加金属酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)をそれぞれ所定の配合量となるように計量し、前記添加焙焼粉体原料とを混合する。その添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)の添加量は、アンチモン酸亜鉛の分子量893.08の理論上のモル分率から、試料a1:0.005mol%,a2:0.01mol%,a3:0.02mol%,a4:0.05mol%,a5:0.1mol%,a6:0.2mol%,a7:0.5mol%,a8:1.0mol%,a9:2.0mol%,a10:3.0mol%の添加量となるように前記計量された添加金属酸化物粉体を配合し、この配合された添加金属酸化物粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、2時間混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。
ここで、ステップS17に乳化混合工程を示す。この工程では主成分である酸化亜鉛と、前記添加物スラリー及び結合剤と分散剤からなる有機バインダー溶液(カチオン系分散剤,PVA)とを各々所定量加え、ディスパーミル等により十分混合して原料スラリーを形成し、その原料スラリーを脱泡するステップS18の脱泡工程を行った後、ステップS19に示す噴霧乾燥工程において、前記脱泡された原料スラリーをスプレードライヤー等により噴霧乾燥して造粒粉を得る。
なお、ステップS16の添加物混合粉砕工程において、ステップS15の乾燥解砕工程で得られた添加焙焼粉体原料と添加金属酸化物粉体とを混合しているが、ステップS17の乳化混合工程において添加焙焼粉体原料を混合しても構わないが、ステップS16の添加物混合工程で添加物スラリーと同時に添加焙焼粉体原料を添加して、混合粉砕した方がより好ましい。
【0018】
次に、図2に本発明実施の形態1における電圧非直線抵抗体の製造工程図を示すものである。図2において、造粒粉とあるが、上記で述べた造粒粉工程により得られた造粒粉のことである。その造粒粉はステップS21に示す成形工程に送られ、この工程では、一定質量の造粒粉を計量し、その造粒粉を乾式金型プレス機により成形圧力を調整しながら、直径60mm、厚さ30mm(φ60−t30)の円盤状の成形体に成形する。そして、その成形体をステップS22に示す仮焼工程にて、例えば温度800〜1000℃で6時間仮焼して仮焼体を得る。
【0019】
前記仮焼体はステップS23に示すセラミック絶縁材塗布工程(第1絶縁材塗布工程)に送られる。なお、セラミック絶縁材としては、酸化亜鉛,三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,二酸化珪素を混合して混合粉体を形成し、その混合粉体に対して所定の添加量の純水、分散剤を添加した後、湿式混合粉砕して混合スラリーを得る。この混合スラリーをスラリードライヤー等により水分除去して乾燥粉体を得る。この乾燥粉体を例えばロータリーキルンにより焙焼し、その焙焼された乾燥粉体を石臼粉砕機等により微粉砕して焙焼粉体を得る。この焙焼粉体は、ペースト状に混練され所定の添加量の純水、分散剤、結合剤を添加した後、湿式混合粉砕してペースト状のセラミック絶縁材を得る。このペースト状のセラミック絶縁材をロール塗布またはスプレー塗布により、前記仮焼体の側面部分に対して塗布する。ステップS24は焼成工程を示すものであり、この工程では側面部分にセラミック絶縁材が塗布された前記仮焼体が、完成された酸化亜鉛素子の電気特性試験におけるDC小電流測定時(V1mA)で同等の特性を示すように試料別に調整するため、焼成温度は試料別にa1:1110℃,a2:1110℃,a3:1120℃,a4:1120℃,a5:1130℃,a6:1130℃,a7:1130℃,a8:1140℃,a9:1180℃,a10:1200℃の温度で10時間焼成し、側面部分にセラミック絶縁材から成る絶縁層が形成された焼結体を得る。
前記焼結体はステップS25に示す低融点ガラス絶縁材塗布工程(第2絶縁材塗布工程)に送られ、焼結体の高低抗層に低融点ガラス絶縁材を塗布し、ステップS25の焼付け工程に送られる。前記低融点ガラス絶縁材を塗布された焼結体を例えば550〜700℃で焼付けた後、ステップS26に示す研磨工程にて前記焼結体の両端面を研磨し、ステップS27に示す電極付け工程にて前記研磨された両端面の表面に対して、アルミニウムから成る電極を溶射して酸化亜鉛素子を製造する。
【0020】
ここで、上記電圧非直線抵抗体の製造工程から得られた各試料の酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の焙焼温度,添加量及び酸化亜鉛素子の焼成温度を下記表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
上記のようにして得られた本発明の実施の形態1における酸化亜鉛素子に対して電気特性試験を実施し、その電気特性試験結果を表2に示す。この電気特性試験の測定結果としては、酸化亜鉛素子の制限電圧比・ワットロスを求めたもので、DC小電流試験(V1mA,V0.1mA)を実施し、酸化亜鉛素子のα値(電圧非直線係数・α=1/{log(V1mA)−log(V0.1mA)})を求め、8/20μsで10kAの制限電圧比較試験及びワットロス試験(ワットロスの測定条件は温度115℃、課電率85%)を実施し、4/10μsで120kAの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を2回実施し、2msで700Aの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を20回実施している。
【0023】
【表2】
【0024】
上記表2の電気特性試験の測定結果から、酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の配合量が0.01mol%以下の場合は添加効果がなく、添加焙焼粉体原料の配合量が1.0mol%以上だと制限電圧特性が悪化し、酸化亜鉛素子の焼成温度を上昇させる。以上より添加焙焼粉体原料の配合量が0.01mol%〜1.0mol%の時に、酸化亜鉛素子の電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させている。
【0025】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記実施の形態1と同様に、図1により本発明の実施の形態2における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図を示す。図1において、ステップS11は湿式混合粉砕工程を示すものであり、この湿式混合粉砕工程では酸化亜鉛素子用の造粒粉における添加焙焼粉体原料の主成分として、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を計量し、固形分濃度50wt%となるように純水を投入して、例えば石臼粉砕機,ボール・ミル等を用いて、湿式混合し、粉砕して混合物スラリーを得、その混合物スラリーをステップS12の乾燥解砕工程から、例えば乾燥にスラリードライヤー,流動式乾燥機等を用い、解砕に石臼粉砕機等を用いる。
【0026】
前記乾燥し、解砕された混合物スラリーは、ステップS13に示す焙焼工程で、例えばロータリーキルン等を用いて、比較試料別に各a11:800℃,a12:850℃,a13:900℃,a14:950℃,a15:1000℃の温度で2時間焙焼し、焙焼粉体を得、この焙焼粉体はステップS14に示す湿式混合粉砕工程により、例えば石臼粉砕機,ボール・ミル等を用いて、この焙焼粉体を再び固形分濃度50wt%となるように湿式混合し、微粉砕して混合物スラリーを得、この混合物スラリーをステップS15に示す乾燥解砕工程により、再びスラリードライヤー,流動式乾燥機等を用いて乾燥した後、石臼粉砕機等を用いて解砕し、添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)を得る。
【0027】
次に、ステップS16に添加物混合粉砕工程を示す。この工程では酸化亜鉛素子に必要とされる種々の添加金属酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)をそれぞれ所定の配合量となるように計量し、前記添加焙焼粉体原料とを混合する。その添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)の添加量は、アンチモン酸亜鉛の分子量893.08の理論上のモル分率から、各試料a11〜a15で0.1mol%の添加量となるように前記計量された添加金属酸化物粉体を配合し、この配合された添加金属酸化物粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、2時間混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。ここで、ステップS17に乳化混合工程を示す。この工程では主成分である酸化亜鉛と、前記添加物スラリー及び結合剤と分散剤からなる有機バインダー溶液(カチオン系分散剤,PVA)とを各々所定量加え、ディスパーミル等により十分混合して原料スラリーを形成し、その原料スラリーを脱泡するステップS18の脱泡工程を行った後、ステップS19に示す噴霧乾燥工程において、前記脱泡された原料スラリーをスプレードライヤー等により噴霧乾燥して造粒粉を得る。
なお、ステップS16の添加物混合粉砕工程において、ステップS15の乾燥解砕工程で得られた添加焙焼粉体原料と添加金属酸化物粉体とを混合しているが、ステップS17の乳化混合工程において添加焙焼粉体原料を混合しても構わないが、ステップS16の添加物混合工程で添加物スラリーと同時に添加焙焼粉体原料を添加して、混合粉砕した方がより好ましい。
【0028】
次に、上記実施の形態1と同様に、図2に本発明実施の形態2における電圧非直線抵抗体の製造工程図を示すものである。図2において、造粒粉とあるが、上記で述べた造粒粉工程により得られた造粒粉のことである。その造粒粉はステップS21に示す成形工程に送られ、この工程では、一定質量の造粒粉を計量し、その造粒粉を乾式金型プレス機により成形圧力を調整しながら、直径60mm、厚さ30mm(φ60−t30)の円盤状の成形体に成形する。そして、その成形体をステップS22に示す仮焼工程にて、例えば温度800〜1000℃で6時間仮焼して仮焼体を得る。
【0029】
前記仮焼体はステップS23に示すセラミック絶縁材塗布工程(第1絶縁材塗布工程)に送られる。なお、セラミック絶縁材としては、酸化亜鉛,三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,二酸化珪素を混合して混合粉体を形成し、その混合粉体に対して所定の添加量の純水、分散剤を添加した後、湿式混合粉砕して混合スラリーを得る。この混合スラリーをスラリードライヤー等により水分除去して乾燥粉体を得る。この乾燥粉体を例えばロータリーキルンにより焙焼し、その焙焼された乾燥粉体を石臼粉砕機等により微粉砕して焙焼粉体を得る。この焙焼粉体は、ペースト状に混練され所定の添加量の純水、分散剤、結合剤を添加した後、湿式混合粉砕してペースト状のセラミック絶縁材を得る。このペースト状のセラミック絶縁材をロール塗布またはスプレー塗布により前記仮焼体の側面部分に対して塗布する。ステップS24は焼成工程を示すものであり、この工程では側面部分にセラミック絶縁材が塗布された前記仮焼体が、完成された酸化亜鉛素子の電気特性試験におけるDC小電流測定時(V1mA)で同等の特性を示すように試料別に調整するため、焼成温度は試料別にa11:1110℃,a12:1120℃,a13:1130℃,a14:1130℃,a15:1130℃の温度で10時間焼成し、側面部分にセラミック絶縁材から成る絶縁層が形成された焼結体を得る。
前記焼結体はステップS25に示す低融点ガラス絶縁材塗布工程(第2絶縁材塗布工程)に送られ、焼結体の高低抗層に低融点ガラス絶縁材を塗布し、ステップS25の焼付け工程に送られる。前記低融点ガラス絶縁材を塗布された焼結体を例えば550〜700℃で焼付けた後、ステップS26に示す研磨工程にて前記焼結体の両端面を研磨し、ステップS27に示す電極付け工程にて前記研磨された両端面の表面に対して、アルミニウムから成る電極を溶射して酸化亜鉛素子を製造する。
【0030】
ここで、上記電圧非直線抵抗体の製造工程から得られた各試料の酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の焙焼温度,添加量及び酸化亜鉛素子の焼成温度を下記表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
上記のようにして得られた本発明の実施の形態2における酸化亜鉛素子に対して電気特性試験を実施し、その電気特性試験結果を表4に示す。この電気特性試験の測定結果としては、酸化亜鉛素子の制限電圧比・ワットロスを求めたもので、DC小電流試験(V1mA,V0.1mA)を実施し、酸化亜鉛素子のα値(電圧非直線係数・α=1/{log(V1mA)−log(V0.1mA)})を求め、8/20μsで10kAの制限電圧比較試験及びワットロス試験(ワットロスの測定条件は温度115℃、課電率85%)を実施し、4/10μsで120kAの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を2回実施し、及び2msで700Aの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を20回実施している。
【0033】
【表4】
【0034】
上記表4の電気特性試験の測定結果から、酸化亜鉛と三酸化アンチモンの混合粉体を焙焼する際に、焙焼温度が850℃以上とすることで、酸化亜鉛素子の電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させている。
【0035】
なお、実施の形態1の表1及び表2,実施の形態2の表3及び表4において、本発明の各試料a1〜a15との比較に使用された試料a0は従来技術により製造された酸化亜鉛素子のことであり、この比較試料a0の酸化亜鉛素子の製造工程は、酸化亜鉛を主成分とし、その添加金属酸化物粉体(添加物スラリー)として三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の複数個の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合からなり、前記添加物スラリーをボール・ミル等にて湿式予備粉砕した後、有機バインダー(水系の結合剤であるPVA等)及び酸化亜鉛と十分混合して混合物(原料スラリー)を得、その混合物をスプレードライヤーにより噴霧乾燥して流動性の良好な造粒粉を得る。
【0036】
次に、前記造粒粉を金型プレス機により例えばφ60−30tの円盤状等の成形体に成形し、この成形体を脱脂し、脱脂した後800〜1000℃で仮焼することにより仮焼体を得る。その後、その仮焼体の側面部分に一次絶縁材を塗布し、塗布した後1000〜1300℃の温度で焼成して、側面部分に高抵抗層(絶縁層)を形成した焼結体を得る。更に、その焼結体の側面部分に二次絶縁材を塗布し、焼成する。そして、その二次絶縁材を焼成した焼結体の両端面を平滑に研磨した後、その研磨した両端面にアルミニウムから成る電極材料を溶射して電圧非直線抵抗体の酸化亜鉛素子を完成させている。
【0037】
【発明の効果】
以上示したように本発明によれば、酸化亜鉛素子(ZnO素子)の製造方法における造粒粉工程において、あらかじめ酸化亜鉛と三酸化アンチモンを所定量計量し、湿式混合し、乾燥し、焙焼し、微粉砕することにより、焙焼粉体(アンチモン酸亜鉛)を調製して、造粒粉に配合させている。
【0038】
前記アンチモン酸亜鉛である焙焼粉体は、分子量に対するモル分率から、配合量を0.01〜1.0モル%の添加量となるように、添加酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)を配合し、この配合された添加金属酸化粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。
【0039】
前記添加物スラリーを用いた酸化亜鉛素子を電圧非直線抵抗体に使用することにより、電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させることができる。
【0040】
この時、前記焙焼粉体の配合量が0.01mol%を下回ると添加効果がなく、1.0mol%を上回ると制限電圧特性が悪化する。また、過剰配合は焙焼粉体の製造コストを上昇させ、酸化亜鉛素子の焼成温度の上昇により焼成エネルギーのコストを上昇させる。
【0041】
更に、前記焙焼粉体であるアンチモン酸亜鉛は、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%の混合粉体であり、このアンチモン酸亜鉛を焙焼する際、焙焼温度を850℃以上とすることで、前記アンチモン酸亜鉛を用いた酸化亜鉛素子における電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させることができる。
【0042】
この時、アンチモン酸亜鉛を焙焼する温度が850℃を下回る場合、アンチモン酸亜鉛の生成が不十分となり、焙焼粉体の製造コストを上昇させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図。
【図2】本発明実施の形態における電圧非直線抵抗体の製造工程図。
【符号の説明】
S11,S14…湿式混合粉砕工程
S12,S15…乾燥解砕工程
S13…焙焼工程
S16…添加物混合粉砕工程
S17…乳化混合工程
S18…脱泡工程
S19…噴霧乾燥工程
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化亜鉛を主成分とし、主に避雷器に組み込まれる電圧非直線抵抗体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電圧非直線抵抗体(非直線抵抗体)には、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするものが多く、その副添加物成分(以下、添加物スラリーと称す)として三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の複数個の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合からなっている。
【0003】
通常、前記添加物スラリーをボール・ミル等にて湿式予備粉砕した後、有機バインダー(結合剤)及び酸化亜鉛と十分混合して混合物(原料スラリー)を得、その混合物をスプレードライヤーにより噴霧乾燥して流動性の良好な造粒粉を得る。なお、前記有機バインダーには水系の有機バインダー、例えばポリビニルアルコール(PVA)が用いられている。
【0004】
次に、前記造粒粉を金型プレス機により例えば円盤状等の成形体に成形し、この成形体を脱脂し、脱脂した後800〜1000℃で仮焼することにより仮焼体を得る。その後、その仮焼体の側面部分に一次絶縁材を塗布し、塗布した後1000〜1300℃の温度で焼成して、側面部分に高抵抗層(絶縁層)を形成した焼結体を得る。更に、その焼結体の側面部分に二次絶縁材を塗布し、焼成する。そして、その二次絶縁材を焼成した焼結体の両端面を平滑に研磨した後、その研磨した両端面にアルミニウムから成る電極材料を溶射して電圧非直線抵抗体を完成させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記電圧非直線抵抗体(非直線抵抗体)は、避雷器用電圧−電流非直線抵抗体に使用されるが、一般の避雷器用弱電用サージ・アブソーバに比べると吸収し得るエネルギーが大きいため、大きな体積、または大口径サイズの酸化亜鉛素子が必要となる。
【0006】
前記酸化亜鉛素子の製造方法は、PVA(ポリビニルアルコール)等から成る有機バインダー溶液に主成分である酸化亜鉛と、その添加物スラリーとして三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合から成る原料スラリーを得、その原料スラリーを十分混合し、スプレードライヤーで噴霧乾燥して造粒粉を得る。
【0007】
前記造粒粉を金型成形プレス機で円柱状に成形し、脱脂後、800〜1000℃で仮焼する。この仮焼体の側面部分に絶縁性セラミック材料(一次絶縁材)を塗布し、1000〜1300℃で数時間焼成する。更に、焼結体の側面部分に低融点ガラス材料(二次絶縁材)を塗布し、焼き付けを行う。この後、その焼結体の両端面を研磨し、アルミニウムの電極を溶射して電圧非直線抵抗体を完成させる。
【0008】
上記電圧非直線抵抗体は、電力機器を雷インパルス等の異常電圧から保護する目的で使用されており、避雷器が担う本質的な性能を向上させている。前記電圧非直線抵抗体における酸化亜鉛素子において、制限電圧特性を改良し、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対して、酸化亜鉛素子の放電耐量を増強することなどが、酸化亜鉛素子の重要な課題となる。
【0009】
本発明は、前記課題に基づいて成されたものであり、酸化亜鉛素子において、造粒粉の添加焙焼粉体原料にアンチモン酸亜鉛を用いることにより、電圧非直線抵抗体の制限電圧特性を向上させると共に、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対して素子の放電耐量を増強させる電圧非直線抵抗体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図るために、第1発明は、原料スラリーの主成分として酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを使用し、その酸化亜鉛と三酸化アンチモンを所定量計量し、湿式混合し、乾燥し、焙焼し、微粉砕して調整した焙焼粉体を得、その焙焼粉体に複数個の金属酸化物の添加物成分を所定量添加して湿式混合し、粉砕して添加物スラリーを得、前記焙焼粉体を有機バインダー溶液に主成分である酸化亜鉛と添加物スラリーとを乳化混合する際に添加し、脱泡後噴霧乾燥して造粒粉を得ることを特徴とする。
【0011】
第2発明は、前記第1発明における焙焼粉体において、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を焙焼してアンチモン酸亜鉛の粉体を得、そのアンチモン酸亜鉛の分子量が893.08であり、アンチモン酸亜鉛の理論上の配合量が0.01〜1.0モル%と成ることを特徴とする。
【0012】
第3発明は、前記第1発明及び第2発明における焙焼粉体において、酸化亜鉛と三酸化アンチモンの混合粉体を焙焼してアンチモン酸亜鉛を得るとき、焙焼温度を850℃以上とすることを特徴とする。
【0013】
上記第1発明〜第3発明によれば、焙焼粉体に酸化亜鉛及び三酸化アンチモンを用いることにより、酸化亜鉛素子にアンチモン酸亜鉛を使用した素子を得、その酸化亜鉛素子を使用することにより、酸化亜鉛素子の制限電圧特性を向上させることがでると共に、過大な雷インパルス及び開閉インパルスに対しても、酸化亜鉛素子による放電耐量を増強させることができる電圧非直線抵抗体を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施の形態では、酸化亜鉛素子の電気特性を向上させるために、焙焼粉体原料の添加効果の検証を実施し、添加する焙焼粉体原料は目的となる結晶構造となるように、あらかじめ所定の原料を所定量計量し、湿式混合、乾燥、焙焼、微粉砕して調製している。
【0015】
(実施の形態1)
ここで、本発明の実施の形態1について説明する。図1に、本発明の実施の形態1における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図を示す。図1において、ステップS11は湿式混合粉砕工程を示すものであり、この湿式混合粉砕工程では酸化亜鉛素子用の造粒粉における添加焙焼粉体原料の主成分として、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を計量し、固形分濃度50wt%となるように純水を投入して、湿式混合し、粉砕して混合物スラリーを得、その混合物スラリーをステップS12で乾燥し、解砕する。
【0016】
前記乾燥し、解砕された混合物スラリーは、ステップS13に示す焙焼工程で、900℃の温度で2時間焙焼し、焙焼粉体を得、この焙焼粉体はステップS14に示す湿式混合粉砕工程により、焙焼粉体を再び固形分濃度50wt%となるように湿式混合し、微粉砕して混合物スラリーを得、この混合物スラリーをステップS15に示す乾燥解砕工程により、再び乾燥し、解砕して添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)を得る。なお、ステップS11〜15において、湿式混合粉砕工程,乾燥解砕工程及び焙焼工程には既存の装置を使用し、例えば、湿式混合粉砕工程では石臼粉砕機及びボール・ミル等,乾燥解砕工程では、乾燥にスラリードライヤー及び流動式乾燥機等、解砕に石臼粉砕機等,焙焼工程ではロータリーキルン等が用いられる。
【0017】
次に、ステップS16に添加物混合粉砕工程を示す。この工程では酸化亜鉛素子に必要とされる種々の添加金属酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)をそれぞれ所定の配合量となるように計量し、前記添加焙焼粉体原料とを混合する。その添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)の添加量は、アンチモン酸亜鉛の分子量893.08の理論上のモル分率から、試料a1:0.005mol%,a2:0.01mol%,a3:0.02mol%,a4:0.05mol%,a5:0.1mol%,a6:0.2mol%,a7:0.5mol%,a8:1.0mol%,a9:2.0mol%,a10:3.0mol%の添加量となるように前記計量された添加金属酸化物粉体を配合し、この配合された添加金属酸化物粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、2時間混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。
ここで、ステップS17に乳化混合工程を示す。この工程では主成分である酸化亜鉛と、前記添加物スラリー及び結合剤と分散剤からなる有機バインダー溶液(カチオン系分散剤,PVA)とを各々所定量加え、ディスパーミル等により十分混合して原料スラリーを形成し、その原料スラリーを脱泡するステップS18の脱泡工程を行った後、ステップS19に示す噴霧乾燥工程において、前記脱泡された原料スラリーをスプレードライヤー等により噴霧乾燥して造粒粉を得る。
なお、ステップS16の添加物混合粉砕工程において、ステップS15の乾燥解砕工程で得られた添加焙焼粉体原料と添加金属酸化物粉体とを混合しているが、ステップS17の乳化混合工程において添加焙焼粉体原料を混合しても構わないが、ステップS16の添加物混合工程で添加物スラリーと同時に添加焙焼粉体原料を添加して、混合粉砕した方がより好ましい。
【0018】
次に、図2に本発明実施の形態1における電圧非直線抵抗体の製造工程図を示すものである。図2において、造粒粉とあるが、上記で述べた造粒粉工程により得られた造粒粉のことである。その造粒粉はステップS21に示す成形工程に送られ、この工程では、一定質量の造粒粉を計量し、その造粒粉を乾式金型プレス機により成形圧力を調整しながら、直径60mm、厚さ30mm(φ60−t30)の円盤状の成形体に成形する。そして、その成形体をステップS22に示す仮焼工程にて、例えば温度800〜1000℃で6時間仮焼して仮焼体を得る。
【0019】
前記仮焼体はステップS23に示すセラミック絶縁材塗布工程(第1絶縁材塗布工程)に送られる。なお、セラミック絶縁材としては、酸化亜鉛,三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,二酸化珪素を混合して混合粉体を形成し、その混合粉体に対して所定の添加量の純水、分散剤を添加した後、湿式混合粉砕して混合スラリーを得る。この混合スラリーをスラリードライヤー等により水分除去して乾燥粉体を得る。この乾燥粉体を例えばロータリーキルンにより焙焼し、その焙焼された乾燥粉体を石臼粉砕機等により微粉砕して焙焼粉体を得る。この焙焼粉体は、ペースト状に混練され所定の添加量の純水、分散剤、結合剤を添加した後、湿式混合粉砕してペースト状のセラミック絶縁材を得る。このペースト状のセラミック絶縁材をロール塗布またはスプレー塗布により、前記仮焼体の側面部分に対して塗布する。ステップS24は焼成工程を示すものであり、この工程では側面部分にセラミック絶縁材が塗布された前記仮焼体が、完成された酸化亜鉛素子の電気特性試験におけるDC小電流測定時(V1mA)で同等の特性を示すように試料別に調整するため、焼成温度は試料別にa1:1110℃,a2:1110℃,a3:1120℃,a4:1120℃,a5:1130℃,a6:1130℃,a7:1130℃,a8:1140℃,a9:1180℃,a10:1200℃の温度で10時間焼成し、側面部分にセラミック絶縁材から成る絶縁層が形成された焼結体を得る。
前記焼結体はステップS25に示す低融点ガラス絶縁材塗布工程(第2絶縁材塗布工程)に送られ、焼結体の高低抗層に低融点ガラス絶縁材を塗布し、ステップS25の焼付け工程に送られる。前記低融点ガラス絶縁材を塗布された焼結体を例えば550〜700℃で焼付けた後、ステップS26に示す研磨工程にて前記焼結体の両端面を研磨し、ステップS27に示す電極付け工程にて前記研磨された両端面の表面に対して、アルミニウムから成る電極を溶射して酸化亜鉛素子を製造する。
【0020】
ここで、上記電圧非直線抵抗体の製造工程から得られた各試料の酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の焙焼温度,添加量及び酸化亜鉛素子の焼成温度を下記表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
上記のようにして得られた本発明の実施の形態1における酸化亜鉛素子に対して電気特性試験を実施し、その電気特性試験結果を表2に示す。この電気特性試験の測定結果としては、酸化亜鉛素子の制限電圧比・ワットロスを求めたもので、DC小電流試験(V1mA,V0.1mA)を実施し、酸化亜鉛素子のα値(電圧非直線係数・α=1/{log(V1mA)−log(V0.1mA)})を求め、8/20μsで10kAの制限電圧比較試験及びワットロス試験(ワットロスの測定条件は温度115℃、課電率85%)を実施し、4/10μsで120kAの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を2回実施し、2msで700Aの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を20回実施している。
【0023】
【表2】
【0024】
上記表2の電気特性試験の測定結果から、酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の配合量が0.01mol%以下の場合は添加効果がなく、添加焙焼粉体原料の配合量が1.0mol%以上だと制限電圧特性が悪化し、酸化亜鉛素子の焼成温度を上昇させる。以上より添加焙焼粉体原料の配合量が0.01mol%〜1.0mol%の時に、酸化亜鉛素子の電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させている。
【0025】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記実施の形態1と同様に、図1により本発明の実施の形態2における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図を示す。図1において、ステップS11は湿式混合粉砕工程を示すものであり、この湿式混合粉砕工程では酸化亜鉛素子用の造粒粉における添加焙焼粉体原料の主成分として、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%を計量し、固形分濃度50wt%となるように純水を投入して、例えば石臼粉砕機,ボール・ミル等を用いて、湿式混合し、粉砕して混合物スラリーを得、その混合物スラリーをステップS12の乾燥解砕工程から、例えば乾燥にスラリードライヤー,流動式乾燥機等を用い、解砕に石臼粉砕機等を用いる。
【0026】
前記乾燥し、解砕された混合物スラリーは、ステップS13に示す焙焼工程で、例えばロータリーキルン等を用いて、比較試料別に各a11:800℃,a12:850℃,a13:900℃,a14:950℃,a15:1000℃の温度で2時間焙焼し、焙焼粉体を得、この焙焼粉体はステップS14に示す湿式混合粉砕工程により、例えば石臼粉砕機,ボール・ミル等を用いて、この焙焼粉体を再び固形分濃度50wt%となるように湿式混合し、微粉砕して混合物スラリーを得、この混合物スラリーをステップS15に示す乾燥解砕工程により、再びスラリードライヤー,流動式乾燥機等を用いて乾燥した後、石臼粉砕機等を用いて解砕し、添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)を得る。
【0027】
次に、ステップS16に添加物混合粉砕工程を示す。この工程では酸化亜鉛素子に必要とされる種々の添加金属酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)をそれぞれ所定の配合量となるように計量し、前記添加焙焼粉体原料とを混合する。その添加焙焼粉体原料(アンチモン酸亜鉛)の添加量は、アンチモン酸亜鉛の分子量893.08の理論上のモル分率から、各試料a11〜a15で0.1mol%の添加量となるように前記計量された添加金属酸化物粉体を配合し、この配合された添加金属酸化物粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、2時間混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。ここで、ステップS17に乳化混合工程を示す。この工程では主成分である酸化亜鉛と、前記添加物スラリー及び結合剤と分散剤からなる有機バインダー溶液(カチオン系分散剤,PVA)とを各々所定量加え、ディスパーミル等により十分混合して原料スラリーを形成し、その原料スラリーを脱泡するステップS18の脱泡工程を行った後、ステップS19に示す噴霧乾燥工程において、前記脱泡された原料スラリーをスプレードライヤー等により噴霧乾燥して造粒粉を得る。
なお、ステップS16の添加物混合粉砕工程において、ステップS15の乾燥解砕工程で得られた添加焙焼粉体原料と添加金属酸化物粉体とを混合しているが、ステップS17の乳化混合工程において添加焙焼粉体原料を混合しても構わないが、ステップS16の添加物混合工程で添加物スラリーと同時に添加焙焼粉体原料を添加して、混合粉砕した方がより好ましい。
【0028】
次に、上記実施の形態1と同様に、図2に本発明実施の形態2における電圧非直線抵抗体の製造工程図を示すものである。図2において、造粒粉とあるが、上記で述べた造粒粉工程により得られた造粒粉のことである。その造粒粉はステップS21に示す成形工程に送られ、この工程では、一定質量の造粒粉を計量し、その造粒粉を乾式金型プレス機により成形圧力を調整しながら、直径60mm、厚さ30mm(φ60−t30)の円盤状の成形体に成形する。そして、その成形体をステップS22に示す仮焼工程にて、例えば温度800〜1000℃で6時間仮焼して仮焼体を得る。
【0029】
前記仮焼体はステップS23に示すセラミック絶縁材塗布工程(第1絶縁材塗布工程)に送られる。なお、セラミック絶縁材としては、酸化亜鉛,三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,二酸化珪素を混合して混合粉体を形成し、その混合粉体に対して所定の添加量の純水、分散剤を添加した後、湿式混合粉砕して混合スラリーを得る。この混合スラリーをスラリードライヤー等により水分除去して乾燥粉体を得る。この乾燥粉体を例えばロータリーキルンにより焙焼し、その焙焼された乾燥粉体を石臼粉砕機等により微粉砕して焙焼粉体を得る。この焙焼粉体は、ペースト状に混練され所定の添加量の純水、分散剤、結合剤を添加した後、湿式混合粉砕してペースト状のセラミック絶縁材を得る。このペースト状のセラミック絶縁材をロール塗布またはスプレー塗布により前記仮焼体の側面部分に対して塗布する。ステップS24は焼成工程を示すものであり、この工程では側面部分にセラミック絶縁材が塗布された前記仮焼体が、完成された酸化亜鉛素子の電気特性試験におけるDC小電流測定時(V1mA)で同等の特性を示すように試料別に調整するため、焼成温度は試料別にa11:1110℃,a12:1120℃,a13:1130℃,a14:1130℃,a15:1130℃の温度で10時間焼成し、側面部分にセラミック絶縁材から成る絶縁層が形成された焼結体を得る。
前記焼結体はステップS25に示す低融点ガラス絶縁材塗布工程(第2絶縁材塗布工程)に送られ、焼結体の高低抗層に低融点ガラス絶縁材を塗布し、ステップS25の焼付け工程に送られる。前記低融点ガラス絶縁材を塗布された焼結体を例えば550〜700℃で焼付けた後、ステップS26に示す研磨工程にて前記焼結体の両端面を研磨し、ステップS27に示す電極付け工程にて前記研磨された両端面の表面に対して、アルミニウムから成る電極を溶射して酸化亜鉛素子を製造する。
【0030】
ここで、上記電圧非直線抵抗体の製造工程から得られた各試料の酸化亜鉛素子に対する添加焙焼粉体原料の焙焼温度,添加量及び酸化亜鉛素子の焼成温度を下記表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
上記のようにして得られた本発明の実施の形態2における酸化亜鉛素子に対して電気特性試験を実施し、その電気特性試験結果を表4に示す。この電気特性試験の測定結果としては、酸化亜鉛素子の制限電圧比・ワットロスを求めたもので、DC小電流試験(V1mA,V0.1mA)を実施し、酸化亜鉛素子のα値(電圧非直線係数・α=1/{log(V1mA)−log(V0.1mA)})を求め、8/20μsで10kAの制限電圧比較試験及びワットロス試験(ワットロスの測定条件は温度115℃、課電率85%)を実施し、4/10μsで120kAの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を2回実施し、及び2msで700Aの時の供試素子20個の破壊率における放電耐量試験を20回実施している。
【0033】
【表4】
【0034】
上記表4の電気特性試験の測定結果から、酸化亜鉛と三酸化アンチモンの混合粉体を焙焼する際に、焙焼温度が850℃以上とすることで、酸化亜鉛素子の電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させている。
【0035】
なお、実施の形態1の表1及び表2,実施の形態2の表3及び表4において、本発明の各試料a1〜a15との比較に使用された試料a0は従来技術により製造された酸化亜鉛素子のことであり、この比較試料a0の酸化亜鉛素子の製造工程は、酸化亜鉛を主成分とし、その添加金属酸化物粉体(添加物スラリー)として三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の複数個の金属酸化物を添加し、非直線性が高く、熱損失の小さい組成配合からなり、前記添加物スラリーをボール・ミル等にて湿式予備粉砕した後、有機バインダー(水系の結合剤であるPVA等)及び酸化亜鉛と十分混合して混合物(原料スラリー)を得、その混合物をスプレードライヤーにより噴霧乾燥して流動性の良好な造粒粉を得る。
【0036】
次に、前記造粒粉を金型プレス機により例えばφ60−30tの円盤状等の成形体に成形し、この成形体を脱脂し、脱脂した後800〜1000℃で仮焼することにより仮焼体を得る。その後、その仮焼体の側面部分に一次絶縁材を塗布し、塗布した後1000〜1300℃の温度で焼成して、側面部分に高抵抗層(絶縁層)を形成した焼結体を得る。更に、その焼結体の側面部分に二次絶縁材を塗布し、焼成する。そして、その二次絶縁材を焼成した焼結体の両端面を平滑に研磨した後、その研磨した両端面にアルミニウムから成る電極材料を溶射して電圧非直線抵抗体の酸化亜鉛素子を完成させている。
【0037】
【発明の効果】
以上示したように本発明によれば、酸化亜鉛素子(ZnO素子)の製造方法における造粒粉工程において、あらかじめ酸化亜鉛と三酸化アンチモンを所定量計量し、湿式混合し、乾燥し、焙焼し、微粉砕することにより、焙焼粉体(アンチモン酸亜鉛)を調製して、造粒粉に配合させている。
【0038】
前記アンチモン酸亜鉛である焙焼粉体は、分子量に対するモル分率から、配合量を0.01〜1.0モル%の添加量となるように、添加酸化物粉体(三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等)を配合し、この配合された添加金属酸化粉体及び焙焼粉体の粉体総質量と同量の純水を投入し、バイプロ・ミル等により、混合粉砕を行い添加物スラリーを得る。
【0039】
前記添加物スラリーを用いた酸化亜鉛素子を電圧非直線抵抗体に使用することにより、電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させることができる。
【0040】
この時、前記焙焼粉体の配合量が0.01mol%を下回ると添加効果がなく、1.0mol%を上回ると制限電圧特性が悪化する。また、過剰配合は焙焼粉体の製造コストを上昇させ、酸化亜鉛素子の焼成温度の上昇により焼成エネルギーのコストを上昇させる。
【0041】
更に、前記焙焼粉体であるアンチモン酸亜鉛は、酸化亜鉛66.15wt%と三酸化アンチモン33.85wt%の混合粉体であり、このアンチモン酸亜鉛を焙焼する際、焙焼温度を850℃以上とすることで、前記アンチモン酸亜鉛を用いた酸化亜鉛素子における電圧−電流非直線特性及び放電耐量特性を飛躍的に向上させることができる。
【0042】
この時、アンチモン酸亜鉛を焙焼する温度が850℃を下回る場合、アンチモン酸亜鉛の生成が不十分となり、焙焼粉体の製造コストを上昇させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における酸化亜鉛素子用の造粒粉工程図。
【図2】本発明実施の形態における電圧非直線抵抗体の製造工程図。
【符号の説明】
S11,S14…湿式混合粉砕工程
S12,S15…乾燥解砕工程
S13…焙焼工程
S16…添加物混合粉砕工程
S17…乳化混合工程
S18…脱泡工程
S19…噴霧乾燥工程
Claims (3)
- 三酸化ビスマス,三酸化アンチモン,三酸化コバルト,二酸化マンガン,三酸化クロム,酸化ニッケル,二酸化珪素等の複数個の金属酸化物を混合して添加物成分を得た後、原料スラリーとしての主成分及び有機バインダーと共に湿式混合し、乾燥し、粉砕して造粒粉を得、その造粒粉を円盤状等の成形体に成形し、脱脂してから、仮焼して仮焼体を形成した後、その仮焼体の側面部分に絶縁材を塗布し、焼成して焼結体を得、その焼結体の両端面に電極を設けて成る電圧非直線抵抗体の製造方法において、
前記原料スラリーとしての主成分は、酸化亜鉛と三酸化アンチモンを計量し、湿式混合し、乾燥し、焙焼し、微粉砕して調整した焙焼粉体であるアンチモン酸亜鉛を得た後、前記焙焼粉体に複数個の金属酸化物の添加物成分を所定量添加して湿式混合し、粉砕して添加物スラリーを得、
前記アンチモン酸亜鉛を有機バインダー溶液に酸化亜鉛と添加物スラリーとを乳化混合する際に添加し、脱泡後噴霧乾燥して造粒粉を得ることを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。 - 前記アンチモン酸亜鉛は、酸化亜鉛と三酸化アンチモンを焙焼した粉体からなり、この粉体の配合量が0.01〜1.0モル%と成ることを特徴とする請求項1記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。
- 前記焙アンチモン酸亜鉛は、酸化亜鉛と三酸化アンチモンの混合粉体を焙焼するときの焙焼温度を850℃以上とすることを特徴とする請求項1及び2記載の電圧非直線抵抗体の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100382205C (zh) * | 2005-04-26 | 2008-04-16 | 华东师范大学 | 高电位梯度氧化锌压敏电阻材料的制备和应用 |
JP2020047685A (ja) * | 2018-09-18 | 2020-03-26 | 株式会社明電舎 | 酸化亜鉛素子 |
CN114400121A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-04-26 | 南阳金牛电气有限公司 | 一种高通流密度的氧化锌电阻片的制造方法 |
-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002250297A patent/JP2004088032A/ja active Pending
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
CN100382205C (zh) * | 2005-04-26 | 2008-04-16 | 华东师范大学 | 高电位梯度氧化锌压敏电阻材料的制备和应用 |
JP2020047685A (ja) * | 2018-09-18 | 2020-03-26 | 株式会社明電舎 | 酸化亜鉛素子 |
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