JP2004087168A - 非水電解液およびそれを含むリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩素原子置換ビフェニル、塩素原子置換ナフタレン、塩素原子置換フルオレン、塩素原子置換ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩素原子置換芳香族化合物と、スルホニル基を有する化合物、その他の非水溶媒およびリチウム含有電解質とからなる非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池。
上記電解液にさらにビニレンカーボネート類を添加した非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、過充電防止効果を有し、かつ高温保存特性に優れた非水電解液、およびそれを用いた過充電時の安全性に優れたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
非水電解液を用いた電池は、高電圧でかつ高エネルギ−密度を有しており、また貯蔵性などの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広く用いられている。
【0003】
そのような電池は二次電池としても製造されており、その代表例はリチウム二次電池である。それに用いられる電解液は、Jean−Paul Gabano編、”Lithium Battery”,ACADEMIC PRESS(1983)に紹介されているように、非プロトン性有機溶媒に、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、Li2SiF6などのリチウム電解質を混合した溶液が主に用いられている。
【0004】
非プロトン性有機溶媒の代表例としてカ−ボネ−ト類が知られており、特開平4−184872号、特開平10−27625号公報などにはエチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、ジメチルカ−ボネ−トなど各種カ−ボネ−ト化合物の使用が提案されている。その他に使用し得る非プロトン性溶媒としてイオウ系溶媒が知られている。例えば、特開昭57−187878号や特開昭61−16478号公報には環状スルホン類、特開平3−152879号や特開平8−241732号公報には鎖状スルホン類、特開昭57−141878号、特開昭61−16478号公報などにはスルホキシド類、特開昭63−102173号公報にはスルトン類、特開昭61−64080号公報にはスルファイト類などが記載されている。また、特開平4−14769号や特開平4−284374号公報にはエステル類、特開平4−249870号公報には芳香族化合物類の使用も提案されている。
【0005】
現在多く製造されているリチウム二次電池の一つとして、リチウムイオン二次電池がある。この電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な活物質を含む負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を含む正極と、電解液などから構成されている。
【0006】
その負極活物質には、リチウムの吸蔵、放出が可能な炭素材料が多く使用されており、特に黒鉛などの高結晶性炭素は、放電電位が平坦であり、真密度が高く、かつ充填性が良いなどの特徴を有していることから、市販リチウムイオン二次電池のほとんどの負極活物質として使用されている。
【0007】
また電解液には、プロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トなどの高誘電率カ−ボネ−ト溶媒と、ジエチルカ−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−トやジメチルカ−ボネ−トなどの低粘度カ−ボネ−ト溶媒との混合溶媒に、LiBF4、LiPF6などのリチウム電解質を混合した溶液が用いられている。
【0008】
ところでリチウムイオン二次電池の熱安定性は、電池の充電状態に関連していることが知られている。電池を規定電圧値以上に充電すると、すなわち過充電すると、負極上に金属リチウムが析出したり、あるいは正極の酸化度が高まって、電解液との化学反応が起こりやすくなり、電池の熱安定性が低下する可能性がある。熱安定性が低下した電池を高温状態におくと、自己発熱反応によって熱暴走が起こることが考えられるので、電池の熱安定性を向上させて安全性を確保するためには、電池を規定電圧値以上に充電させないことが重要である。
【0009】
そこで、特開平9−171840号、特開2000−58116号、特開2001−15155号公報などでは、ビフェニル類やアルキルベンゼン類を添加した電解液の使用を提案している。これらの添加される化合物には、電池の電圧が一定値以上に高くなると電気分解され、電池の充電がそれ以上進行することを防止する効果がある。以降、これらの化合物を過充電防止剤と呼ぶ。
【0010】
本発明者らの検討によると、前記したビフェニル類やアルキルベンゼン類は、室温における電池特性に及ぼす影響は小さいが、例えば4.2Vの電圧で60℃以上の高温にすると、電池特性が低下する実験結果が得られている。その原因の一つとして、過充電防止剤が高温下では電気分解されやすくなり、電気分解による自己放電や電気分解生成物の堆積等によって、電池の抵抗が増大することが考えられる。
【0011】
一方、高温における電池特性の低下が小さい過充電防止剤として、特開平11−162512号公報などには2個の芳香族基で置換されたアルキル化合物やフッ素原子置換芳香族化合物類などが提案されている。
【0012】
前記の公報によると、2個の芳香族基で置換されたアルキル化合物は、高温のサイクル試験で容量劣化が比較的に小さいことを示しているが、それを添加しない電解液と比較すると劣化度はなお大きい。また、フッ素原子置換芳香族化合物類も同様の効果を示すが、フッ素原子置換されてないビフェニルに比べても改良効果は小さく、前記の2個の芳香族基で置換されたアルキル化合物よりも効果は小さいとされている。
【0013】
またその公報には、過充電防止剤の添加量は、2.5重量%で十分であるとされている。しかし、過充電時の電池の安全性をさらに高めるためには、添加量を3重量%以上にすることが求められ、その場合には、高温下での電池特性の劣化がさらに大きくなると思われる。
【0014】
また塩素原子置換ビフェニルは、フッ素原子置換ビフェニルと類似の構造を持っているが、本発明者の検討によると、塩素置換ビフェニルをそれ単独で電解液に添加した電池は、初回の充放電効率が非常に悪く電池の初期特性が大幅に劣化し、また、高温下での電池特性の劣化は、全く改善されるものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、過充電防止効果が高く、かつ高温保存特性に優れた非水電解液の提供を目的にする。
また本発明は、そのような非水電解液を含み、過充電時の安全性を高めた二次電池の提供を目的にする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩素原子置換ビフェニル、塩素原子置換ナフタレン、塩素原子置換フルオレン、塩素原子置換ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩素原子置換芳香族化合物と、スルホニル基を有する化合物、その他の非水溶媒およびリチウム含有電解質とからなる非水電解液を提供する。
【0017】
前記の塩素原子置換芳香族化合物が、2−クロロビフェニルおよび4−クロロビフェニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【0018】
前記のスルホニル基を有する化合物が、下記一般式(1)で表されるスルトン、下記一般式(2)で表されるアリール基を有するスルホン酸エステル、およびスルホン酸イミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【0019】
【化4】
式(1)において、R1〜R4は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基であって、nは0から3の整数である。
【0020】
【化5】
式(2)において、R5〜R10は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、リチウム原子、ハロゲン原子、スルホン酸エステル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸リチウム基、および炭素数1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基からなる群から選ばれる原子または基である。
【0021】
前記の塩素原子置換芳香族化合物が、電解液中に0.1〜20重量%含有されている非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【0022】
前記のスルホニル基を有する化合物が、電解液中に0.01〜10重量%含有されている非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【0023】
前記電解液がさらに一般式(3)で表されるビニレンカーボネート類を電解液中に0.01〜10重量%含有している非水電解液は、本発明の好ましい態様である。
【化6】
式(3)において、R11およびR12は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基を表す。一般式(3)で表される化合物としては、ビニレンカーボネートが望ましい。
【0024】
さらに本発明は、負極、正極および前記した非水電解液を含むリチウム二次電池を提供する。
【0025】
前記負極が、その活物質としてリチウムイオンがド−プ・脱ド−プ可能な炭素材料を含んでいるリチウム二次電池は、本発明のリチウム二次電池の好ましい態様である。
【0026】
前記二次電池が、圧力が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えているリチウム二次電池は、本発明の好ましい態様である。
【0027】
また、電池の温度が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えているリチウム二次電池は、前記のリチウム二次電池の好ましい態様である。
【0028】
【発明の具体的な説明】
次に、本発明に係る非水電解液およびその非水電解液を用いたリチウム二次電池について、その構成を具体的に説明する。
【0029】
本発明に係る非水電解液は、塩素原子置換ビフェニル、塩素原子置換ナフタレン、塩素原子置換フルオレン、塩素原子置換ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩素原子置換芳香族化合物と、スルホニル基を有する化合物、その他の非水溶媒およびリチウム含有電解質とからなる非水電解液である。
また、本発明に係るリチウム二次電池は、本発明の非水電解液と、負極および正極含むリチウム二次電池である。
【0030】
塩素原子置換芳香族化合物
本発明に係わる非水電解液の一成分である塩素原子置換芳香族化合物は、過充電防止剤として機能する物質であって、芳香族環に結合した水素原子の一部または全部が塩素原子で置換された化合物である。ここで芳香族環を有する化合物とは、π電子の非局在化によって実質的に安定化される環状化合物を示している。
【0031】
本発明に係わる塩素原子置換芳香族化合物は、塩素原子置換ビフェニル、塩素原子置換ナフタレン、塩素原子置換フルオレン、塩素原子置換ジフェニルメタンからなる群から選ばれるものである。
これらの中で、塩素原子置換ビフェニルが、過充電防止効果が高く望ましい。
【0032】
塩素原子置換ビフェニルの具体例としては、2―クロロビフェニル、3―クロロビフェニル、4―クロロビフェニル、2,2’―ジクロロビフェニル、3,3’―ジクロロビフェニル、4,4’―ジクロロビフェニル、2,3’―ジクロロビフェニル、2,4’―ジクロロビフェニル、3,4’―ジクロロビフェニルが例示される。特に、過充電防止効果と、正極での電気分解への耐性から、2―クロロビフェニルおよび4−クロロビフェニルが最も望ましい。
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
これらの塩素原子置換ビフェニルにおいて、その1分子当りの塩素原子置換数は、1〜3個が好ましく、1個または2個がより好ましく、1個がさらに好ましい。塩素原子置換数が前記の範囲にあると、優れた過充電防止効果が得られる。
【0034】
塩素原子モノ置換ビフェニルの場合、その塩素原子置換位置は、2位置または4位置が望ましく、2または4位置が置換されると、塩素原子の電子吸引効果だけでなく立体効果によっても、ビフェニルの電気分解電圧がコントロ−ルされ、高温保存下での電池特性の劣化を可能な限り抑制することができ、かつ過充電防止効果を高めることができる。
【0035】
塩素原子ジ置換ビフェニルの場合、その塩素原子置換位置は、二つの環の2位置または4位置が望ましく、さらには4位置および4’位置が最も望ましい。塩素原子が前記の置換位置に結合していると、ビフェニルの電気分解電圧が適度にコントロ−ルされ、高温保存下での電池特性の劣化を抑制し、同時に過充電防止効果を高めることができる。
【0036】
塩素原子置換ナフタレンの具体例として、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、3−クロロナフタレン、1,2−ジクロロナフタレン、1,3−ジクロロナフタレン、1,4−ジクロロナフタレン、1,5−ジクロロナフタレン、1,6−ジクロロナフタレン、1,7−ジクロロナフタレン、1,8−ジクロロナフタレン、2,3−ジクロロナフタレン、2,6−ジクロロナフタレン、2,7−ジクロロナフタレン、1,3,5−トリクロロナフタレン、1,3,7−トリクロロナフタレン、1,3,5,7−テトラクロロナフタレン、ペンタクロロナフタレン、ヘキサクロロナフタレン、ヘプタクロロナフタレン、パ−クロロナフタレンなどの塩素原子置換ナフタレン:1−クロロ3−メチルナフタレンなどのアルキル基および塩素原子置換ナフタレン:1−クロロ3−メトキシナフタレンなどのアルキルオキシ基および塩素原子置換ナフタレンなどを挙げることができる。
【0037】
塩素原子置換フルオレンの具体例としては、1−クロロフルオレン、2−クロロフルオレン、3−クロロフルオレン、4−クロロフルオレン、9−クロロフルオレン、1,2−ジクロロフルオレン、1,3−ジクロロフルオレン、1,4−ジクロロフルオレン、1,5−ジクロロフルオレン、1,6−ジクロロフルオレン、1,7−ジクロロフルオレン、1,8−ジクロロフルオレン、2,3−ジクロロフルオレン、2,6−ジクロロフルオレン、2,7−ジクロロフルオレン、2,8−ジクロロフルオレン、3,4−ジクロロフルオレン、3,5−ジクロロフルオレン、3,6−ジクロロフルオレン、4,5−ジクロロフルオレン、9,9−ジクロロフルオレン、1,3,5−トリクロロフルオレン、2,3,7−トリクロロフルオレン、1,3,5,7−テトラクロロフルオレン、ペンタクロロフルオレン、ヘキサクロロフルオレン、ヘプタクロロフルオレン、パ−クロロフルオレンなどの塩素原子置換フルオレン:1−クロロ3−メチルフルオレンなどのアルキル基および塩素原子置換フルオレン:1−クロロ3−メトキシフルオレンなどのアルキルオキシ基および塩素原子置換フルオレンなどを挙げることができる。
スルホニル基を有する化合物
本発明に係わる非水電解液では、塩素原子置換芳香族化合物と共にスルホニル基を有する化合物が非水溶媒を構成するー成分として加えられる。また、この化合物は、塩素原子置換芳香族化合物の添加によって起る、電池の初期特性の低下および高温条件下での電池特性の劣化を大幅に改善する効果がある。
【0038】
スルホニル基を含有する化合物として、次の例を挙げることができる。
(1)スルホランなどの環状スルホン
(2)ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、ジエチルスルホンなどの飽和炭化水素基を有するスルホン
(3)ジビニルスルホン、ジメチピン、アリルフェニルスルホン、ジアリルスルホン、フェニルビニルスルホン、メチルビニルスルホン、スルホレンなどの不飽和炭化水素基を有するスルホン
(4)1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ブスルファンなどの飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステル
(5)トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムなどのフッ素原子置換炭化水素基を有するスルホン酸エステル
(6)不飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステル
(7)アリール基を有するスルホン酸エステル
(8)スルホン酸イミド
(9)硫酸ジメチル、硫酸エチレン、硫酸ビニレンなどの硫酸エステル
【0039】
これらのスルホニル基を有する化合物の内、不飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステル、アリール基を有するスルホン酸エステル、およびスルホン酸イミドが好ましい。次に、それらの具体例を示す。
【0040】
不飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステルとして、ビニルスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸ビニルのような直鎖状不飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステル、および一般式(1)で表されるような環状で不飽和炭化水素基を有するスルホン酸エステルが挙げられ、特に一般式(1)で表される環状スルホン酸エステルが好ましい。
【0041】
【化7】
【0042】
ここで、R1〜R4は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基であり、nは0から3の整数である。
【0043】
一般式(1)で表される化合物の具体例として、次の化合物を挙げることができる。
エチレンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン、1,5−ペンテンスルトン、1−メチル−1,3−プロペンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロペンスルトン、2−メチル−1,3−プロペンスルトン、3−メチル−1,3−プロペンスルトン、1−トリフルオロメチル−1,3−プロペンスルトン。これらの化合物の内、1,3−プロペンスルトンおよび1,4−ブテンスルトンがより好ましい。
【0044】
アリール基を有するスルホン酸エステルとして、一般式(2)で表される化合物が好ましい。
【0045】
【化8】
【0046】
ここで、R5〜R10は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、リチウム原子、ハロゲン原子、スルホン酸エステル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸リチウム基、および炭素数1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基からなる群から選ばれる原子または基である。
【0047】
一般式(2)で表される化合物の具体例として、次の化合物を挙げることができる。
ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンジ(スルホン酸メチル)、ベンゼンジ(スルホン酸エチル)、ベンゼンジ(スルホン酸プロピル)、ベンゼン(スルホン酸メチル)(スルホン酸エチル)、ベンゼンジ(スルホン酸アリル)、ベンゼンジ(スルホン酸ビニル)、ベンゼンジ(スルホン酸エチニル)、ベンゼントリ(スルホン酸メチル)、スルホ安息香酸無水物、スルホ安息香酸ジメチル、トルエンスルホン酸メチル、トルエンジ(スルホン酸エチル)、トルエントリ(スルホン酸プロピル)、トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメチルベンゼンジ(スルホン酸メチル)、トリフルオロメチルベンゼントリ(スルホン酸エチル)、ナフタレンスルホン酸リチウム塩、ベンゼンスルホン酸リチウム塩、トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸リチウム塩、ベンゼンジスルホン酸ジリチウム塩、トリフルオロメチルベンゼンジスルホン酸ジリチウム塩、ベンゼントリスルホン酸トリリチウム塩、スルホ安息香酸ジリチウム塩、トルエンスルホン酸リチウム塩、トルエンジスルホン酸ジリチウム塩。
【0048】
これらの化合物の中でも、ベンゼンジ(スルホン酸エステル)が好ましく、特にメタ位置置換のベンゼンジ(スルホン酸エステル)が好ましい。
【0049】
スルホン酸イミドとして、次の化合物を例示することができる。
N−メチル−ジ(メタンスルホン酸)イミド、N,N−ジメチル−メタンスルホン酸イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド、N−メチル−ジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド、ジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミドリチウム塩、N,N−ジメチル−トリフルオロメタンスルホン酸イミド、N−エチル−ジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド、N,N−ジエチル−トリフルオロメタンスルホン酸イミド、N−メチル−ジ(ペンタフルオロエタンスルホン酸)イミド、ジ(ペンタフルオロエタンスルホン酸)イミドリチウム塩、N,N−ジメチル−ペンタフルオロエタンスルホン酸イミド、N−メチル−ジ(パーフルオロプロパンスルホン酸)イミド、N,N−ジメチル−パーフルオロプロパンスルホン酸イミド、N−メチル−ジ(パーフルオロブタンスルホン酸)イミド、N,N−ジメチル−パーフルオロブタンスルホン酸イミド。
【0050】
これらの化合物の中でも、ジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド類、ジ(ペンタフルオロエタンスルホン酸)イミド類が好ましく、特にジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミドリチウム塩やジ(ペンタフルオロスルホン酸)イミドリチウム塩は、電解質としても作用し、電解液のイオン伝導性を向上させるので望ましい。
【0051】
ビニレンカーボネート類
本発明に係わる非水電解液では、先に記した2種類の化合物に加えて、さらにビニレンカーボネート類を添加することができる。そのような化合物を加えることによって、前述のスルホニル基を有する化合物と相乗的に、電池の初期特性の低下と、高温保存時の電池特性の低下を抑制することが可能になる。
【0052】
ビニレンカーボネート類は、次に示す一般式(3)で表される化合物である。
【化9】
【0053】
ここで、R11およびR12は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基を表す。
【0054】
一般式(3)で表されるビニレンカーボネート類の具体例として、次の化合物を挙げることができる。
ビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、フルオロメチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、プロピルビニレンカーボネート、ブチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ジプロピルビニレンカーボネート。これらの化合物の中でも、ビニレンカーボネートが最も好ましい。
【0055】
その他の非水溶媒
本発明に係わる非水電解液は、非水溶媒と電解質とから基本的に構成されており、その非水溶媒は、前記した塩素原子置換芳香族化合物とスルホニル基を有する化合物に加えて、通常使用されている非水溶媒を用いる。ここでは、「通常使用されている非水溶媒」を「その他の非水溶媒」と呼び、次に具体的に説明する。
【0056】
使用可能なその他の非水溶媒として、環状の非プロトン性溶媒および/または鎖状の非プロトン性溶媒を挙げることができる。その内、環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカ−ボネ−トのような環状カ−ボネ−ト、γ−ブチロラクトンのような環状エステル、ジオキソランのような環状エ−テルを例示することができる。また鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカ−ボネ−トのような鎖状カ−ボネ−ト、プロピオン酸メチルのような鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖状エ−テル、リン酸トリメチルのような鎖状リン酸エステルを例示することができる。
【0057】
電池の負荷特性や低温特性の向上を特に意図した場合には、環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒とを混合して用いることが望ましい。また、電解液の電気化学的安定性を重視する場合には、環状の非プロトン性溶媒として環状カ−ボネ−トを、鎖状の非プロトン性溶媒として鎖状カ−ボネ−トを選択して混合使用することが望ましい。
【0058】
環状カ−ボネ−トの例として、エチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、1,2−ブチレンカ−ボネ−ト、2,3−ブチレンカ−ボネ−ト、1,2−ペンチレンカ−ボネ−ト、2,3−ペンチレンカ−ボネ−トを挙げることができる。誘電率の高いエチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トは、好適である。負極活物質に黒鉛を使用する場合には、特にエチレンカ−ボネ−トが好ましい。これら環状カ−ボネ−トは、2種以上を混合使用してもよい。
【0059】
鎖状カ−ボネ−トの例として、ジメチルカ−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、メチルプロピルカ−ボネ−ト、メチルイソプロピルカ−ボネ−ト、ジプロピルカ−ボネ−ト、メチルブチルカ−ボネ−ト、ジブチルカ−ボネ−ト、エチルプロピルカ−ボネ−ト、メチルトリフルオロエチルカ−ボネ−トを挙げることができる。粘度の低いジメチルカ−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−トは好適に使用できる。これら鎖状カ−ボネ−トは、2種以上を混合使用してもよい。
【0060】
環状カ−ボネ−トと鎖状カ−ボネ−トとを混合使用する場合、次の組合せ例を挙げることができる。
エチレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとジメチルカ−ボネ−トとメチルエチルカ−ボネ−トとジエチルカ−ボネ−ト。
【0061】
環状カ−ボネ−トと鎖状カ−ボネ−トとの混合割合(環状カ−ボネ−ト:鎖状カ−ボネ−ト)は、重量比で表して、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95〜70:30、さらに好ましくは10:90〜60:40である。このような混合割合の範囲内にあると、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるので、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を増加させることができる。従って、常温から低温の範囲で良好な電気伝導性を示す電解液になることから、常温から低温における電池の負荷特性を改良することができる。
【0062】
一方、電池の火災に対する安全性向上の観点から溶媒の引火点を高くする場合には、その他の非水溶媒として、環状の非プロトン性溶媒を単独で使用するか、あるいは鎖状の非プロトン性溶媒の混合割合をその他の非水溶媒全体に対して20重量%以下に調整することが望ましい。
【0063】
この場合の環状の非プロトン性溶媒としては、特に、エチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルオキサゾリノンから選ばれる1種またはこれらを組み合わせて用いることが望ましい。具体的な溶媒の組み合わせとしては、エチレンカ−ボネ−トとスルホラン、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−トとγ−ブチロラクトン、エチレンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トとγ−ブチロラクトンを挙げることができる。
【0064】
鎖状の非プロトン性溶媒をその他の非水溶媒全体に対して20重量%以下の割合で使用する場合には、鎖状の非プロトン性溶媒として、鎖状カ−ボネ−ト、鎖状カルボン酸エステル、鎖状リン酸エステルを使用することができる。特に、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、ジプロピルカ−ボネ−ト、ジブチルカ−ボネ−ト、ジヘプチルカ−ボネ−ト、ジオクチルカーボネート、メチルエチルカ−ボネ−ト、メチルプロピルカ−ボネ−ト、メチルブチルカ−ボネ−ト、メチルヘプチルカ−ボネ−ト、メチルオクチルカーボネートなどの鎖状カ−ボネ−トが望ましい。環状カ−ボネ−トと鎖状カ−ボネ−トとの混合割合(環状カ−ボネ−ト:鎖状カ−ボネ−ト)は、重量比で表して、80:20〜99.5:0.5が望ましく、さらには90:10〜99:1が望ましい。
【0065】
その他の非水溶媒には、本発明の目的から逸脱しない範囲内で前記以外の溶媒を含んでいてもよい。そのような溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、メチル−N,N−ジメチルカ−バメ−トなどの鎖状カ−バメ−ト類、N−メチルピロリドンなどの環状アミド類、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア類、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリ(トリメチルシリル)等のホウ酸エステル類、およびエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ポリエチレングリコ−ルジメチルエ−テルのようなエチレングリコ−ル誘導体などを例示することができる。
【0066】
リチウム含有電解質
本発明の非水電解液に使用可能なリチウムを含有する電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、特に制限されることなくいずれをも使用することができる。
【0067】
電解質の具体例として、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF(2k+1)(k=1〜8の整数)、LiPFn{CkF(2k+1)}(6−n)(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。
【0068】
また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiC(SO2R11)(SO2R12)(SO2R13)、LiN(SO2OR14)(SO2OR15)、LiN(SO2R16)(SO2OR17)、LiN(SO2R18)(SO2R19)。ここで、R11〜R19は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、炭素数1〜8のパ−フルオロアルキル基である。
【0069】
これらのリチウム塩は単独で使用してもよいし、また2種類以上を混合して使用してもよい。これらの内、特に、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2R18)(SO2R19)が好ましい。
【0070】
なお、ここで例示した化合物の中には前記したスルホニル基を有する化合物と部分的に重複しているものがあるが、それらの化合物は、電解質として作用すると同時に、非水電解液の高温条件下における電池特性の劣化を抑制する効果を併せ持っているので、いずれの目的で使用してもよい。
【0071】
非 水 電 解 液
本発明に係わる非水電解液は、その構成成分として塩素原子置換芳香族化合物、スルホニル基を有する化合物、およびその他の非水溶媒とを含む非水溶媒、およびリチウム含有電解質とを少なくとも含有している。
【0072】
塩素原子置換芳香族化合物の含有量は、電解液全体に対して、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは3〜10重量%が望ましい。この範囲内であると高い過充電防止効果が得られると共に、電解液のリチウムイオン伝導度の低下がほとんどないので電池の負荷特性を良好に保つことができる。
【0073】
スルホニル基を有する化合物の含有量は、電解液全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%が望ましい。この範囲内であると、電解液のリチウムイオン伝導度をほとんど低下させることなく、また電極の界面抵抗をほとんど増大させることなく、塩素原子置換芳香族化合物のみを添加したときに起こる初期充電時および高温保存時の電池特性の低下を抑制することができる。
【0074】
またリチウム含有電解質は、好ましくは0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。それによって、良好な負荷特性、低温特性等の電気特性を得ることができる。
【0075】
本発明に係わる非水電解液の一態様として、前記した塩素原子置換芳香族化合物、スルホニル基を有する化合物、その他の非水溶媒、電解質から基本構成された非水電解液に加えて、さらにビニレンカーボネート類を添加した構成へと変えることができる。その含有量は、電解液全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%が望ましい。添加量が前記の範囲内にあると、前記した過充電防止剤のみを添加したときに起こる初期充電時および高温保存時の電池特性の低下を抑制することが可能になる。また電解液のリチウムイオン導電性の低下や電極の界面抵抗増大による電池の負荷特性の低下を抑制することができる。
【0076】
この非水電解液には、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、必要に応じて他の添加剤を加えることができる。そのような添加物質として、無水マレイン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、ジグリコール酸などに例示されるカルボン酸無水物類、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−4−ビニルエチレンカーボネートなどのビニルエチレンカーボネート類、ベンゼン、トルエン、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物、フッ化水素、水、酸素、窒素などを挙げることができる。
【0077】
フッ化水素は、保存時における電池の負荷特性低下を防止ないし抑制する目的で添加される。その添加方法として、例えば電解液にフッ化水素ガスを所定量吹き込む方法を挙げることができる。電解質としてLiPF6やLiBF4などのフッ素含有リチウム塩を用いる場合には、次式に示した水と電解質(LiMFn)との反応を利用して、水を電解液に添加し、電解液中でフッ化水素を発生させる方法を採用してもよい。
LiMFn + H2O → LiMF(n−2)O +2HF
式中、MはPやBなどの原子を示し、MがPの時にはn=6、MがBの時にはn=4である。
【0078】
水を電解液に添加する方法は、電解液に直接水を添加してもよいし、あるいは電極中にあらかじめ水を含有させておき、電池中に電解液を注液した後、電極から電解液中へと水を供給する方法でもよい。水を電解液に添加し、間接的にHFを電解液中に生成させる場合、水1分子からHFがほぼ定量的に2分子生成するので、水の添加量は、望みのHF添加濃度にあわせて計算し添加する。具体的には、必要なHF量の0.45倍(重量比)の水を添加する。
【0079】
電解質に酸性度の強いプロトン性化合物を接触させる方法によっても、フッ化水素を発生させることができる。そのような化合物の具体例として、メタノ−ル、エタノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、酢酸、アクリル酸、マレイン酸、1,4−ジカルボキシ−2−ブテンを挙げることができる。
【0080】
いずれの方法を採用しても、フッ化水素としての添加量は、電解液全体に対して好ましくは0.00001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.3重量%、さらに好ましくは0.0005〜0.1重量%、最も好ましくは0.0005〜0.05 重量%である。
【0081】
前述した構成を有する本発明に係る非水電解液は、リチウム二次電池用の非水電解液として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液、電気化学キャパシタ用の非水電解液、電気二重層キャパシタやアルミ電解コンデンサ用の非水電解液としても用いることができる。
【0082】
二 次 電 池
本発明に係るリチウム二次電池は、負極、正極、それらを互いに分離するセパレ−タ−、および前記した非水電解液とから基本的に構成されている。
【0083】
負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な酸化スズ、酸化シリコン、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属酸化物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な遷移金属窒素化合物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な炭素材料、あるいはこれらの混合物のいずれをも用いることができる。
【0084】
これらの中でもリチウムイオンをド−ブ・脱ド−ブすることが可能な炭素材料が好ましい。そのような炭素材料としては、カ−ボンブラック、活性炭、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素材料等を挙げることができる。その形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレ−ク状等のいずれであってもよい。
【0085】
非晶質炭素材料として、具体的にはハ−ドカ−ボン、コ−クス、1500℃以下で焼成したメソカ−ボンマイクロビ−ズ(MCMB)、メソフェ−ズピッチカ−ボンファイバ−(MCF)などを例示することができる。黒鉛材料としては、天然黒鉛、黒鉛化コ−クス、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなど、またホウ素を含有するもの、さらに金、白金、銀、銅、Sn、Si等金属で被覆したもの、あるいは非晶質炭素で被覆したもの等を使用することができる。これらの炭素材料は、1種類を使用してもよいし、2種類以上を適宜組み合わせ混合使用してもよい。また、導電助剤としてカーボンブラック、アモルファスウイスカーカーボン等を加えて使用してもよい。
【0086】
炭素材料としては、特にX線回折法で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギ−密度を高くすることができる。
【0087】
正極を構成する正極活物質としては、FeS2、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属硫化物または遷移金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNiXCo(1−X)O2、LiNixCoyMn(1−x−y)O2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾ−ル・ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料、フッ素化炭素、活性炭などの炭素材料等を挙げることができる。
【0088】
これらの中でも、特にリチウムと遷移金属との複合酸化物が好ましい。正極活物質は1種類を使用してもよいし、2種類以上を混合使用してもよい。正極活物質は通常導電性が十分でないために、導電助剤とともに使用して正極を構成する。そのような導電助剤としては、カ−ボンブラック、アモルファスウィスカ−カ−ボン、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
【0089】
セパレ−タは、正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜であればよく、多孔性膜や高分子電解質が使用される。多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。これら多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れた他の樹脂がコ−ティングされていてもよい。
【0090】
高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子物質や、電解液で膨潤させた高分子物質等が挙げられる。本発明の非水電解液は、高分子物質を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
【0091】
このような構成のリチウム二次電池は、円筒型、コイン型、角型、フィルム型、その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は形状によらずほぼ同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
【0092】
本発明に係わるリチウム二次電池には、非水電解液の持つ過充電防止効果を発揮させるために、電池内部のガス圧力が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構、および/または電池の温度が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えていることが好ましい。
【0093】
一般に電池を過充電すると、電解液が電気分解されてガスおよび熱を発生する。前記した電流遮断機構は、このガスおよび/または熱を検知して電池の充電を遮断し、電池が過充電されることを防止する機構である。本発明に係わる非水電解液は、電池の電圧が一定値以上に高くなると電気分解されて電池の充電をそれ以上進めない機能の他に、この電気分解時にガスおよび熱が発生することから、電流遮断機構を早く作動させることができる。従って、電池の過充電時の安全性をより一層高めることができる。
【0094】
電池内部のガス圧力が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構としては、電池の内圧が上昇することによって変形して充電電流の接点が切れる機構、電池の内圧をセンサ−で検知して充電を停止する外部回路、電池の内圧による電池の変形をセンサ−で検知して充電を停止する外部回路、電池の内圧が上昇することによって変形して正極と負極とを短絡させて電池が充電されないようにする機構などを例示することができる。この内、電池の内圧が上昇することによって変形して充電電流の接点が切れる機構は、シンプルな構造であってかつ効果が高いので好ましい。
【0095】
電池の温度が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構としては、電池の温度上昇をセンサ−で検知して充電を停止する外部回路、電池の温度が上昇すると溶融して目詰まりを起こしイオンの通過を阻止するセパレ−タ−、電池の温度が上昇すると電池の不活性化物質を放散するカプセル類、電池の温度が上昇すると電気抵抗が上昇する素子、電池の温度が上昇すると溶融して充電電流の接点が切れる機構、電池の温度が上昇すると電気抵抗が上昇する導電材を含んだ電極などを例示することができる。
【0096】
次に、円筒型およびコイン型電池の構造の一例について説明するが、各電池を構成する負極活物質、正極活物質およびセパレ−タは、前記したものを共通して使用することができる。
【0097】
円筒型リチウム二次電池では、銅箔などの負極集電体に負極活物質を塗布した負極と、アルミニウム箔などの正極集電体に正極活物質を塗布した正極とを、非水電解液を注入したセパレ−タを介して巻回し、巻回体の上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納されている。そして、電池の内圧が上昇すると変形して切れる電流接点や、あるいは電池の温度が上昇すると電気抵抗が上昇する素子が取り付けられた封口体を用いて、電池缶に蓋をして電池缶の端部をかしめた構造になっている。
【0098】
コイン型リチウム二次電池では、円盤状負極、非水電解液を注入したセパレ−タ、円盤状正極、必要に応じて、ステンレスまたはアルミニウムなどのスペ−サ−板が、この順序に積層された状態でコイン型電池缶に収納されている。また、電池の内圧による電池の変形を検知する歪みゲ−ジなどが取り付けられていてもよい。
【0099】
【実施例】
次に実施例を通して本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0100】
1.電池の作製
<非水電解液の調製>
非水溶媒としてエチレンカ−ボネ−ト(EC)とメチルエチルカ−ボネ−ト(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合し、次に電解質であるLiPF6を前記した非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルになるように非水電解液を調製した。
【0101】
次にこの非水電解液に対して、表1に記載した各種の化合物を所定量添加して電解液を調製した。
なお、表1において、化合物の種類を次のように略して記した。
CBP:4−クロロビフェニル、PES:1,3−プロペンスルトン、
PS:1,3−プロパンスルトン
また、カッコ内の数値は、各化合物の電解液中における含有量を重量%で表した値である。
【0102】
【表1】
【0103】
<負極の作製>
メソカーボンマイクロビーズ(大阪ガス(株)製 MCMB10−28)74重量部、天然黒鉛((株)中越黒鉛工業所製 LF18A)20重量部、および結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)6重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリジノンに分散させて負極合剤スラリ−を調製した。次に、この負極合剤スラリ−を厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥した。
【0104】
<正極の作製>
LiCoO2(本荘FMCエナジ−システムズ(株)製 HLC−22)82重量部、導電剤の黒鉛7重量部、アセチレンブラック3重量部、および結着剤のポリフッ化ビニリデン8重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散させてLiCoO2合剤スラリ−を調製した。このLiCoO2合剤スラリ−を厚さ20μmのアルミ箔に塗布し、乾燥した。
【0105】
<コイン型電池の作製>
コイン型電池用負極には、前記の負極を圧縮成型し、直径14mmの円盤状に打ち抜いてコイン状の負極を得た。負極合剤の厚さは70μm、重量は20mg/14mmφであった。
【0106】
コイン型電池用正極には、前記の正極を圧縮成型し、直径13.5mmの円盤状に打ち抜いてコイン状のLiCoO2電極を得た。LiCoO2合剤の厚さは70μm、重量は42mg/13.5mmφであった。
【0107】
直径14mmの負極、直径13.5mmの正極、および厚さ25μmで直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレ−タを、ステンレス製の2032サイズの電池缶内に負極、セパレ−タ−、正極の順序で積層した。その後、セパレ−タに前記の非水電解液0.04mlを注入し、さらにアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)およびバネを収納した。最後に、ポリプロピレン製のガスケットを介して電池缶蓋をかしめることによって電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
【0108】
<ラミネ−ト電池の作製>
前記したと同一の電極を使用して寸法21mm×21mmの負極、および寸法20mm×20mmの正極を切り出し、幅25mm×長さ50mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレ−タを介して対向させて電極体とした。この電極体を、アルミニウムラミネ−トフィルム(昭和ラミネ−ト工業(株)製)で作製した筒状の袋に、正極と負極の両リ−ド線が片方の開放部から引き出されるように収容し、そしてリ−ド線が引き出された側を熱融着して閉じた。次に、電解液0.15mlを電極体に注入して含浸させ、その後、残った開放部を熱融着して電極体を袋中に密封し、ラミネ−ト電池を得た。
【0109】
2.電池特性の評価
<過充電防止効果の評価方法:過充電時のガス発生量の測定>
前述のラミネ−ト電池を4.1Vに充電し、45℃で24時間保存後、4.2Vから3.0Vの充放電を行い、電池の容量を確認した。この時の電池の容量は10mAhであった。この電池を5mAの定電流で5時間充電し、電池を過充電させた。
【0110】
過充電前の電池の容積と過充電後の電池の容積とを測定し、その差分から過充電時の発生ガス量を測定した。
【0111】
<初期特性の評価方法>
電池の初期特性を、「初回充放電効率」と「初期容量比」によって評価した。前述のコイン電池を、0.3mAの定電流で、また4.2Vの定電圧で充電し、4.2Vでの電流値が0.05mAになった時点で充電を終了した。つづいて、0.5mAで放電し、電池の電圧が3Vになった時点で放電を終了した。この時の充電に要した電気量(充電容量)に対する放電に要した電気量(放電容量)の比率を「初回充放電効率」(%)とした。
また、化合物を加えなかった電解液を使用した電池の放電容量に対する、化合物を加えた電解液を使用した電池の放電容量の比率を「初期容量比」(%)とした。
【0112】
<高温保存特性の評価方法>
前述のコイン型電池を4.1Vに充電し、45℃で7日間保存後、4.2Vから3.0Vの充放電を行い、電池の容量を確認した。この時の電池の容量は5mAhであった。コイン型電池の保存試験は、同じ電池について、電池を4.1Vに充電後45℃で7日間保存する条件(「エ−ジング」と呼ぶ)と、電池を4.2Vに充電後85℃で3日間保存する条件(「高温保存」と呼ぶ)との2条件で続けて行った。
【0113】
保存中の「自己放電量」と、保存前後での電池の「5mA放電容量」とをそれぞれ測定し、その後「自己放電比」と「放電容量比」とを算出し、その結果から高温保存特性の評価を行った。ここで「自己放電量」とは、保存前に電池に貯えられた電気量と、保存後に電池に残存している電気量の差分のことである。
【0114】
「自己放電比」は、化合物を加えた電解液の自己放電量を化合物を添加しなかった時の電解液の自己放電量に対する比率で表した。この指標を高温保存後について求め、その値を高温保存後の自己放電比とした。自己放電比は、電解液の電気分解され易さを示す指標であって、この値が小さい程、電解液の電気分解が進まず、電解液として優れていることを意味している。
【0115】
自己放電比=(A/B) ×100 (%)
A=(化合物を加えた時の電解液の充電容量)−(化合物を加えた時の電解液の残存容量)
B=(化合物を加えなかった時の電解液の充電容量)−(化合物を加えなかった時の電解液の残存容量)
【0116】
「放電容量比」は、保存後(エ−ジング後または高温保存後)の5mA放電容量を未保存時の5mA放電容量に対する比率で表し、それぞれエ−ジング後の放電容量比、高温保存後の放電容量比とした。
【0117】
放電容量比=(C/D) ×100 (%)
C=保存後の5mA放電容量
D=未保存時の5mA放電容量
【0118】
ここで保存中の「自己放電量」は、保存前の電池の充電容量と、保存後の電池の残存容量の差分である。電池の「5mA放電容量」は、コイン型電池を4.2Vに充電後、5mAの電流で3.0Vまで放電させたときの放電容量である。
【0119】
(実施例1、比較例1および2)
塩素原子置換芳香族化合物(4−クロロビフェニル)およびスルホニル基を有する化合物(1,3−プロペンスルトン)との両者を添加した電解液2を用いて、上記過充電防止効果の評価方法に従い過充電時のガス発生量を測定した。測定結果を表2に示した。
また、比較ために、電解液2に代えて電解液5(比較例1)、または電解液6(比較例2)を用いて同様の測定を行い、測定結果を表2に示した。
【0120】
【表2】
【0121】
表2の結果より、塩素原子置換芳香族化合物(4−クロロフェニル)およびスルホニル基を有する化合物(1,3−プロペンスルトン)との両者を添加した電解液2は、スルホニル基を有する化合物の添加を省略した電解液5(比較例1)や、塩素原子置換芳香族化合物およびスルホニル基を有する化合物の添加をともに省略した電解液6(比較例2)と比べて過充電時のガス発生量が多く、過充電防止効果が向上していることを示している。従って、この電解液を電池の圧力に連動して充電を停止する機構を備えた電池に適用すると、電池の過充電時の安全性が高められる可能性を示している。
【0122】
また、実施例1の実験時に電池からの発熱量を測定したところ、電解液6(比較例2)よりも多くの発熱が起こっていることを確認した。従って、この電解液は、特に、電池の温度に連動して充電を停止する機構を備えた電池に適用すると、電池の過充電時の安全性が高く、高温保存時の劣化が小さい電池が得られる可能性を示している。
【0123】
(実施例2〜4、比較例3〜5)
表3に示した電解液を使用して、上記した電池の初期特性および高温保存特性を測定した。測定結果を表3に示した。
【0124】
【表3】
【0125】
表3の結果より、塩素原子置換芳香族化合物(4−クロロビフェニル)およびスルホニル基を有する化合物(1,3−プロペンスルトンまたは1,3−プロパンスルトン)の両化合物を含んだ電解液1〜3(実施例2〜4)は、スルホニル基を有する化合物の添加を省略した電解液5(比較例4)が大幅に電池特性が低下したのに対して、大幅に初期特性および、高温保存時の劣化が抑制され、塩素原子置換芳香族化合物およびスルホニル基を有する化合物の添加をともに省略した電解液6(比較例5)に比べても、優れたものであることが分かった。
【0126】
さらに、ビニレンカーボネートを塩素原子置換芳香族化合物およびスルホニル基を有する化合物と共に添加した電解液2および3(実施例3および4)は、ビニレンカーボネートを加えなかった電解液1(実施例2)に比べて、電解液の電気分解の指標である自己放電比が小さくなっている。したがって、ビニレンカーボネートを添加することによって、高温保存時の劣化がさらに抑制されることを示している。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係わる非水電解液は、過充電時の発生ガス量が多いことから高い過充電防止効果が得られ、かつ高温保存特性に優れている。このような非水電解液を含むリチウム二次電池は、過充電時の安全性が高められており、かつ高温保存特性に優れている。また、この非水電解液を電池の内圧および/または温度に連動して充電を停止する機構を備えた電池に適用すると、電池の過充電時における安全性が高く、高温保存時の劣化が小さい電池を得ることができる。
Claims (14)
- 塩素原子置換ビフェニル、塩素原子置換ナフタレン、塩素原子置換フルオレン、塩素原子置換ジフェニルメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩素原子置換芳香族化合物と、スルホニル基を有する化合物、その他の非水溶媒およびリチウム含有電解質とからなる非水電解液。
- 前記の塩素原子置換芳香族化合物が、2−クロロビフェニルおよび4−クロロビフェニルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
- 前記のスルホニル基を有する化合物が、一般式(1)で表されるスルトン、一般式(2)で表されるアリール基を有するスルホン酸エステル、およびスルホン酸イミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記のスルトンが、1,3−プロペンスルトンまたは1,4−ブテンスルトンであることを特徴とする請求項3に記載の非水電解液。
- 前記のアリール基を有するスルホン酸エステルが、ベンゼンジ(スルホン酸エステル)であることを特徴とする請求項3または4に記載の非水電解液。
- 前記のスルホン酸イミドが、ジ(トリフルオロメタンスルホン酸)イミド類またはジ(ペンタフルオロエタンスルホン酸)イミド類であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記の塩素原子置換芳香族化合物が、電解液中に0.1〜20重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記のスルホニル基を有する化合物が、電解液中に0.01〜10重量%含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記の一般式(3)で表される化合物が、ビニレンカーボネートであることを特徴とする請求項9に記載の非水電解液。
- 負極、正極および請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液を含むリチウム二次電池。
- 前記の負極が、その活物質としてリチウムイオンがド−プ・脱ド−プ可能な炭素材料を含むことを特徴とする請求項11に記載のリチウム二次電池。
- 二次電池がさらに電池内部のガス圧力が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えていることを特徴とする請求項11または12に記載のリチウム二次電池。
- 二次電池がさらに電池の温度が所定値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えていることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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