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JP2004082742A - インクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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JP2004082742A
JP2004082742A JP2003420938A JP2003420938A JP2004082742A JP 2004082742 A JP2004082742 A JP 2004082742A JP 2003420938 A JP2003420938 A JP 2003420938A JP 2003420938 A JP2003420938 A JP 2003420938A JP 2004082742 A JP2004082742 A JP 2004082742A
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Hisayuki Koike
小池 久幸
Naoki Kobayashi
小林 直樹
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】インクエンドを精度良く検出し、カートリッジ内のインクを無駄なく使用できるインクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 インクジェットヘッド10は、複数のノズル4と、各ノズルに連通する吐出室6と、吐出室6に連通するリザーバ8とを備えている。吐出室6内に圧力を発生させることにより、ノズル4よりインク液滴が吐出される。リザーバ8の一部には、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラム55が形成されている。ダイヤフラム55と、これに対向する電極54間の静電容量の変化を検出回路203で検出し、所定値以上の静電容量の変化を検知したときにインクエンド報知手段204によりユーザにインクエンドを知らせる。
【選択図】  図4

Description

 本発明は、インクジェットヘッドに供給されるインクの残量を検出するインクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置の制御方法に関する。
 記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジもしくはインクタンク内のインク残量を検出する装置・方法には、記録ヘッドからインク貯留器内のインク供給路に圧力センサを設け、圧力の減少を検出することによりインク残量を検知し、これにより、インクの欠乏を直接検知し、インクの噴射停止を未然に防止するものがある。(例えば、特許文献1乃至3)
特開昭60−24954号公報 特開平4−77264号公報 特開平4−20353号公報
 図7は、インクの消費量と記録ヘッドにかかる圧力の変化を示すグラフである。なお、グラフ中(a)はアルミパックにインクを貯留し、記録ヘッドにインクを供給するタイプのインクジェットプリンタにおいて実際に圧力を測定した例を、(b)はインク貯留部にフォーム(スポンジ)を用いた例を示すものである。
 記録ヘッドのノズルからインクがたれることを防止するために、通常記録ヘッド内には一定な負の圧力(負圧)が保たれるようになっている。インクの消費が進み、パック内のインクの量が少なくなってくると、アルミパックの復元力、フォームに対するインクの浸透圧の増大により、急激に負圧が増大する。(以下、これらインク貯留部側に発生し、記録ヘッドからインクを戻す方向に働く力を背圧と呼ぶ。)
 記録ヘッドからインク滴が吐出されると、吐出によって不足した分のインクが記録ヘッドに供給される。即ち、インク滴の吐出によって記録ヘッド内の圧力が低下することによりインクが記録ヘッド内に流れ込む。インク貯留部側に発生する背圧が記録ヘッド自体が発生する負圧よりも大きくなると、インクを記録ヘッドに供給できなくなる。つまり、上述の各公報に記載されたインク残量検出装置は、背圧の大きさを検知してインクが終了(インクエンド)したことを報知するものである。
 しかしながら、これらは、記録ヘッドとインク貯留器を結ぶインク供給路に圧力センサを設けているため、インク貯留部側に発生する背圧が、記録ヘッド自体が発生する負圧よりも大きくなった時点を精度良く検知することが困難であった。このため、インク貯留部側に発生する背圧が記録ヘッド自体が発生する負圧よりも大きくなる前に、インクエンドを検出すると、使用できるインクが十分に残った状態で、インクカートリッジが交換されることになり、インクが無駄になる。また、インク貯留部側に発生する背圧が記録ヘッド自体が発生する負圧よりも大きくなった後に、インクエンドが検出されると、記録ヘッドにインクが供給されない状態、即ち、印刷されない状態で印刷動作がしばらく続いた後に、インクエンドが報知されるという不具合が生じる。
 本発明のインクジェット記録装置の制御方法は、上述の課題を解決するものであり、インクエンドを精度良く検出し、カートリッジ内のインクを無駄なく使用できるインクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置の制御方法を提供するものである。
 本発明のインクジェット制御方法は、以下の点を特徴とする制御方法である。
(1)複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段を有するインクジェット記録装置の制御方法において、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する印刷工程と、前記印刷工程中に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行う。
(2)(1)において、前記インクエンド検出手段は、前記ダイヤフラムに空隙をもって対向する電極を備え、前記ダイヤフラムと電極間の間隔の変化に応じて変化するダイヤフラム−電極間の静電容量の変化を検出する圧力センサであり、前記インクエンド検出工程は、定電圧を前記ダイヤフラム−電極間に印加し、ダイヤフラムと電極間の間隔の減少に応じて低下する出力電圧と、予め定められた基準電圧と比較する工程である。
(3)(2)において、前記基準電圧は、インク貯留部側に発生する背圧が、前記ノズルよりインク液滴を吐出する際に前記吐出室から伝播する負圧よりも大きくなる時点に相当する値に定められている。
(4)複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段を有するインクジェット記録装置の制御方法において、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する印刷工程と、前記印刷工程の前もしくは後に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行う。
(5)(4)において、前記インクエンド検出手段は、前記ダイヤフラムに空隙をもって対向する電極を備え、前記ダイヤフラムと電極間の間隔の変化に応じて変化するダイヤフラム−電極間の静電容量の変化を検出する圧力センサであり、前記インクエンド検出工程は、前記ダイヤフラム−電極間に接続された基準抵抗を介しえて、基準パルスを前記ダイヤフラム−電極間に印加することによって出力される出力波形の立ち上がり時間と、予め定められた基準時間を比較する工程である。
(6)(5)において、前記基準時間は、インク貯留部側に発生する背圧が、前記ノズルよりインク液滴を吐出する際に前記吐出室から伝播する負圧よりも大きくなる時点に相当する立ち上がり時間に定められている。
(7)(4)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法において、1ライン印刷毎に前記インクエンド検出工程を行う。
(8)(4)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法において、インク滴吐出毎に前記インクエンド検出工程を行う。
(9) 複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段と、前記ノズルよりインクを吸引する回復処理手段とを有するインクジェット記録装置の制御方法において、前記回復処理手段により、ノズルよりインクを排出する回復処理工程と、前記回復処理工程の前もしくは後に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行う。
 以上述べたように本発明によれば、インクエンドを精度良く検出し、カートリッジ内のインクを無駄なく使用できるインクエンド検出器を備えたインクジェット記録装置を提供することができる。また、これにより、使用できるインクが十分に残った状態で、インクカートリッジが交換されることもなく、印刷されない状態で印刷動作がしばらく続いた後に、インクエンドが報知されるという不具合が生じないという効果を奏する。
 以下、本発明の一実施形態を、静電容量検出型のインクエンドセンサを静電アクチュエータを用いてインク滴を吐出させる記録ヘッドに適用した例を用いて説明する。
 図1は本実施形態のインクジェットヘッドの分解斜視図であり、一部断面図で示してある。本実施形態はインク液滴を基板の端部に設けたノズル孔か吐出させるエッジイジェクトタイプの例を示すものであるが、基板の上面部に設けたノズル孔からインク液滴を吐出させるフェイスイジェクトタイプでもよい。図2は組み立てられたインクジェットヘッド全体の斜視図、図3はインクジェットヘッドのインク流路部の断面側面図である。以下図に従い、本発明の実施形態について説明する。
 本実施形態のインクジェットヘッド10は次に詳述する構造を持つ3枚の基板1、2、3を重ねて接合した積層構造となっている。
 中間の第1の基板1は、シリコン基板であり、複数のノズル孔4を構成するように、基板1の表面に一端より平行に等間隔で形成された複数のノズル溝11と、各々のノズル溝11に連通し、底壁を振動板5とする圧力発生部である吐出室6を構成することになる凹部12と、凹部12の後部に設けられたオリフィス7を構成することになるインク流入口のための細溝13と、各々の吐出室6にインクを供給するためインク供給部であるリザーバ(共通インク室)8を構成することになる凹部14と、凹部14の後部に設けられたフィルター51を構成することになるフィルター溝52を有する。凹部14の底壁には、インクエンド検出部の一部となるダイヤフラム55が形成されている。
 本実施形態においては、振動板5とこれに対向して配置される電極21との対向間隔の長さG(図3参照、以下「ギャップ長」と記す。)が、凹部15の深さと電極の厚さとの差になるように、間隔保持手段を第2の基板2に形成した振動室用の凹部15により構成している。また、別の例として凹部の形成は第1の基板1の下面でもよい。また、ダイヤフラム55とこれに対向して配置されるインクエンドセンサ用の電極54との対向間隔もおよそ長さGとなっている。
 また、第1の基板1への共通電極17の付与については、半導体及び電極である金属の材料による仕事関数の大小が重要であり、本実施形態では共通電極材料にはチタンを下付けとし白金、またはクロムを下付けとし金を使用しているが、本実施形態に限定されるものではなく、基板1がP型半導体の場合は仕事関数が共通電極材料の方が大きくなるものであれば何でもよく、N形半導体の場合は仕事関数が共通電極材料の方が小さくなるような材料であれば何でもよい。
 第1の基板1の下面に接合される下側の第2の基板にはホウ珪酸系ガラスを使用し、第1の基板1の振動板5の下部に電極21を装着するため振動室9を構成することになる凹部15が設けられている。また、ダイヤフラム55の下部に電極54を形成するための凹部16が、凹部15に隣接して設けられている。
 この第2の基板2を第1の基板1に接合することによって振動室9、圧力センサの一部となる室53が形成される。第2の基板2上の振動板5、ダイヤフラム55に対応する各々の位置に、ITO導電膜を0.1μmスパッタし、振動板5、ダイヤフラム55とほぼ同じ形状にITOパターンを形成して駆動電極21、センサ電極54としている。駆動電極21はリード部22aによって端子部23aに連絡され、センサ電極54はリード部22bによって端子部23bに連絡されている。
 第1の基板1の上面に接合される上側の第3の基板3は、第2の基板2と同じくホウ珪酸ガラスを用いている。この第3の基板3の接合によって、ノズル孔4、吐出室6、オリフィス7、リザーバ8及びフィルター51が構成される。
 本実施形態においてはフィルター51は同時にインク供給口となっていおり、接続パイプ32が接続され、チューブ33を介して図示しないインクタンクに接続されている。
 第1の基板1と第2の基板2は、温度300〜500℃、電圧500〜1000Vの印加で陽極接合され、また同条件で第1の基板1と第3の基板3を接合され、図3のようにインクジェットヘッドが組み立てられる。
 また、基板1の表面には熱酸化により酸化シリコン膜が形成されており、駆動電極21と振動板5、ダイヤフラム55とセンサ電極54が接触しても短絡しないよう構成されている。絶縁膜としての熱酸化膜は厚すぎると電界が弱くなる原因となる一方、薄過ぎると繰り返し電界ストレスにより絶縁破壊しやすくなる。
本実施形態ではこの熱酸化膜の厚さを0.13μmとしている。
 図2に説明されるようにインクジェットヘッドを組み立てた後は、共通電極17と駆動電極21の端子部23a間、及びセンサ電極54の端子部23bにFPC101により駆動回路、検出回路を接続し、インクジェットヘッドユニットを構成する。インク103は、図示しないインクタンクよりヘッドフォルダ32、フィルター51を経てインクジェットヘッド10の内部に供給され、リザーバ8、吐出室6等を満たしている。
 図3は上述のインクジェットヘッドユニットを搭載した本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を示す概要図である。300は記録紙105を搬送するプラテン、301は内部にインクを貯蔵するインクタンクであり、インク供給チューブ306を介してインクジェットヘッド10にインクを供給する。302はキャリッジであり、インクジェットヘッド10を記録紙105の搬送方向と直行する方向に移動させる。キャリッジ302を移動させながら、駆動回路40により適時インクジェットヘッド10よりインク104を吐出させることにより、記録紙105に任意の文字や画像を印刷することができる。
 符号303はポンプであり、インクジェットヘッド10のインク吐出不良時の回復動作を行ったり、インクの詰め替えを行う等の場合、キャップ304、廃インク回収チューブ308を介してインクを吸引し、排インク溜305に回収する機能を果たしている。
 なお、本実施形態では、インクジェットヘッド10のみをキャリッジ302に配設したものを示すが、これに限定されるものでものはなく、インクタンクはキャリッジ上に配設されてもよいし、インクタンクをヘッドと一体に構成したいわゆるディスポーザブルタイプ(インクタンクのインクが空になった時点でインクジェットヘッドごと交換するタイプ)に適用してもよい。
 図4は、本発明の実施形態を示す機能ブロック図である。符号201は振動板5−駆動電極間21に充放電を行い、吐出室6内に圧力を発生させてノズル4よりインク滴を吐出させるための駆動回路、符号203はダイヤフラム55−センサ電極54間の静電容量、または静電容量の変化を検出するための検出回路である。また、符号202はプリンタを制御する演算回路(CPU)であり、符号204はインクエンドを検出したときにユーザにその旨を警告するためのインクエンド報知手段である。この報知手段204は、例えばLEDを点灯させたり、警告音を発生したりしてユーザにインクエンドを報知する。
 不図示のホストから送られた印刷データ、コマンドがCPU202によって処理されて、駆動回路201が制御される。これにより、振動板5−駆動電極21間に充放電を行い、記録紙に画像が記録される。検出回路203は、リザーバ8内の圧力の変化を適宜検出し、所定値を越える圧力の変化が検出回路203によって検出されると、CPU202を介して、例えば、インクエンド報知手段204によってユーザにインクエンドが報知される。
 図7に示したように、インクの消費が進み、パック内のインクの量が少なくなってくると、アルミパックの復元力、もしくはフォームに対するインクの浸透圧の増大により、急激に負圧(背圧)が増大する。これに伴い、ダイヤフラム55は上方(矢印方向)に撓む。この撓みにより、ダイヤフラム55−センサ電極54間で構成されるコンデンサの静電容量が減少する。この静電容量の変化が検出回路203によって検出される。
 以下、検出回路203の具体例及びその作用について図5、図6を用いて説明する。
 図5(a)は、基準電圧を前記ダイヤフラム−電極間に印加し、該ダイヤフラム−センサ電極間の電圧の変化を検出するための検出回路203aを示す回路図である。図5(b)は、インクジェットヘッド駆動時の振動板5−電極間21間の電圧波形V1と、検出回路203aの出力である電圧波形V2を示す波形図である。
 検出回路203aは、主に抵抗R1、R2、ダイオードD1及びオペアンプOPから構成され、図示のように、定電圧がダイヤフラム55−センサ電極54からなるコンデンサに印加されるように各素子が接続されている。ダイヤフラム55−センサ電極54からなるコンデンサの静電容量の変化に従って、出力端子T0からは、ダイヤフラム55−センサ電極54間の電圧変化が出力される。
 図5(b)に示されるように、時刻t0〜t1まで振動板5−駆動電極21間の充電が行われ、振動板5は駆動電極21側に撓む。このとき、振動室6内には負圧が発生し、ノズル4に形成されているメニスカスが振動室6側に後退すると共に、リザーバ8内のインクも振動室6内流れ込み、リザーバ8内にも負圧が発生することになる。この負圧によってダイヤフラム55が上方に変形し、検出回路203aの出力電圧V2は図示(w1部分)のように低下する。
 時刻t1で振動板5−駆動電極21間の充電を停止する。振動板5は電極21に引きつけられたまま保持される。振動室内6に発生した負圧は、リザーバ8からインクが流れ込むことにより、徐々になくなっていく。そして、ダイヤフラム55は元の状態に戻り、検出回路203aの出力電圧V2も図示(w1部分)のように時刻t0以前の電圧に戻る。
 時刻t2〜t3にかけて、振動板5−駆動電極21間の放電が行われ、振動板5はその弾性力によって、元の形状に復元する方向に撓む。このとき、振動室内6に正圧が発生し、ノズル4よりインク滴が吐出される。ここで生じた正圧はリザーバ8内にも伝搬し、ダイヤフラム55が下方に変形し、ダイヤフラム55−電極54間の静電容量が増加し、検出回路203aの出力電圧V2は図示(w2部分)のように上昇する。
 ノズル4からインク滴が吐出され、振動板5が元の形状に復元すると、再び吐出室6内に負圧が発生する。この負圧はリザーバ8内に伝搬し、再びダイヤフラム55が上方に変形し、検出回路203aの出力電圧V2は図示(w3部分)のように低下する。このようにリザーバ8内に負圧が発生するとダイヤフラムは上方に撓み、静電容量が減少し、出力電圧V2は低下する。発生する負圧が大きいほどダイヤフラムは大きく撓み、出力電圧V2も大きく低下する。
 吐出室6から伝搬する負圧の他に、図7に示されるインク貯留部側に発生する背圧がリザーバ8内に加わることは前述したとおりである。この背圧が大きくなるほど、電圧波形V2の一部w1、w3の振幅が増大する。(図5(b)の波線で示す部分。)
 この電圧波形の振幅の大きさを検出することにより、インクエンドを精度良く検知する事ができる。例えば、検出回路203aの出力電圧V2を、不図示のコンパレータを用いて、基準電圧Vrefと比較し、電圧V2が基準電圧Vrefより低下したことを検出すると、インクエンドをユーザに報知し、カートリッジの交換を促す。この基準電圧Vrefの大きさは、インク貯留部側に発生する背圧が記録ヘッド自体が発生する負圧よりも大きくなる時点の電圧波形V2の振幅に相当する値に予め設定されている。
 これにより、まさに背圧が急激に上昇し(図7のX部分)インクがヘッドに供給できなくなった瞬間を検出できるため、使用できるインクが十分に残った状態で、インクカートリッジが交換されることがなく、また、印刷されない状態で印刷動作がしばらく続いた後に、インクエンドが報知されるという不具合が起こらない。
 以上述べた検出方法は、印刷工程中に常にインクエンドを検出する場合に好適な方法である。
 図6(a)は、検出回路の他の実施形態を示す回路図であり、図6(b)はこの検出回路の入力と出力の電圧波形を示す波形図である。
 ダイヤフラム55−電極54からなるコンデンサには、図示のごとく基準抵抗Rrefが接続されている。矩形上の基準パルスP0を検出回路203bの入力端子Vinに印加すると、出力端子Voutには、図示のように1次遅系の波形が出力される。この出力波形の立ち上がり時間は、検出回路の時定数(基準抵抗Rrefの抵抗値×コンデンサの容量C)で決まる。従って、リザーバ8内の負圧(カートリッジの背圧)が増大すれば、コンデンサの時定数によって変化するため、ダイヤフラム55−センサ電極54間の静電容量が減少し、立ち上がり時間も短くなる。(図6(b)において実線の波形が波線の波形に移行する。)
 この出力波形Voutの立ち上がり時間の変化を検出することにより、インクエンドを精度良く検知する事ができる。例えば、検出回路203bの出力電圧Voutを、不図示のコンパレータを用いて、基準電圧Vrefと比較し、時刻t0から出力電圧Voutが基準電圧Vrefまで到達する時間t2,t3を計測し、この立ち上がり時間が基準時間より短くなったことを検出すると、インクエンドをユーザに報知し、カートリッジの交換を促す。この基準時間は、ダイヤフラム55、電極55からなるコンデンサが、インク貯留部側に発生する背圧が記録ヘッド自体の発生する負圧よりも大きくなる時点の静電容量を示したときの立ち上がり時間とほぼ等しくなるように予め設定されている。
 これにより、まさに背圧が急激に上昇し(図7のX部分)インクがヘッドに供給できなくなった瞬間を検出できるため、使用できるインクが十分に残った状態で、インクカートリッジが交換されることがなく、また、印刷されない状態で印刷動作がしばらく続いた後に、インクエンドが報知されるという不具合が起こらない。
 なお、基準パルスP0は例えば、印刷工程の前後にダイヤフラム55−電極54間に印加され、インクエンドが確認される。シリアル型のプリンタの場合、1行印刷する毎に基準パルスP0を印加し、インクエンドを確認しても良い。
 以上述べた検出方法は、印刷工程の前後にインクエンドを検出する場合に好適な方法である。
 また、図3に示したように、インク吐出不良時には、ポンプ303を駆動してインクジェットヘッド10のノズルより不良インクを排出する回復処理工程を適宜行うことになるが、この場合、回復処理工程の前もしくは後に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程を行うことが望ましい。これは、回復処理工程中、記録ヘッド内の負圧が増加するため、正確にインクエンドを検知できないためである。
 なお、本実施形態では、インク滴を吐出するために吐出室に圧力を加えるための圧力発生手段として静電アクチュエータにパルス電圧を印加して得られる静電気力によって吐出室内の振動板を変形させてインク滴を吐出させる方式を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、吐出室内の振動板に固着された圧電素子に電気パルスを印加することによって振動板を変形させてインク滴を吐出させる方式(ピエゾ方式)、吐出室の内部に設けられた発熱素子に電気パルスを印加することによって、吐出室内に発生する気化圧力により前記ノズルからインク液滴を吐出させる方式(サーマルジェット方式)等を用いることができる。
本発明の一実施形態のインクジェットヘッドの分解斜視図。 本発明の一実施形態のインクジェットヘッドの斜視図。 本発明の一実施形態のインクジェットプリンタの斜視図。 本発明のインクジェットプリンタの一実施形態を示す機能ブロック図である。 本発明のインクエンド検出回路の一実施形態を示す回路図及び波形図。 本発明のインクエンド検出回路の他の実施形態を示す回路図及び波形図。 カートリッジ内のインクの消費量に伴う記録ヘッドにかかる圧力の変化を示すグラフである。
符号の説明
4   ノズル
5   振動板
6   吐出室
8   リザーバ
10  インクジェットヘッド
21  駆動電極
54  センサ電極
55  ダイヤフラム
201 駆動回路
202 演算回路(CPU)
203 静電容量検出回路
204 インクエンド報知手段

Claims (9)

  1.  複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段を有するインクジェット記録装置の制御方法において、
     前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する印刷工程と、
     前記印刷工程中に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、
     該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  2.  請求項1記載のインクジェット記録装置の制御方法において、前記インクエンド検出手段は、前記ダイヤフラムに空隙をもって対向する電極を備え、前記ダイヤフラムと電極間の間隔の変化に応じて変化するダイヤフラム−電極間の静電容量の変化を検出する圧力センサであり、
     前記インクエンド検出工程は、定電圧を前記ダイヤフラム−電極間に印加し、ダイヤフラムと電極間の間隔の減少に応じて低下する出力電圧と、予め定められた基準電圧と比較する工程であることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  3.  請求項2記載のインクジェット記録装置の制御方法において、前記基準電圧は、インク貯留部側に発生する背圧が、前記ノズルよりインク液滴を吐出する際に前記吐出室から伝播する負圧よりも大きくなる時点に相当する値に定められていることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  4.  複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段を有するインクジェット記録装置の制御方法において、
     前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する印刷工程と、
     前記印刷工程の前もしくは後に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、
     該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  5.  請求項4記載のインクジェット記録装置の制御方法において、前記インクエンド検出手段は、前記ダイヤフラムに空隙をもって対向する電極を備え、前記ダイヤフラムと電極間の間隔の変化に応じて変化するダイヤフラム−電極間の静電容量の変化を検出する圧力センサであり、
     前記インクエンド検出工程は、前記ダイヤフラム−電極間に接続された基準抵抗を介しえて、基準パルスを前記ダイヤフラム−電極間に印加することによって出力される出力波形の立ち上がり時間と、予め定められた基準時間を比較する工程であることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  6.  請求項5記載のインクジェット記録装置の制御方法において、前記基準時間は、インク貯留部側に発生する背圧が、前記ノズルよりインク液滴を吐出する際に前記吐出室から伝播する負圧よりも大きくなる時点に相当する立ち上がり時間に定められていることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  7.  請求項4乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法において、1ライン印刷毎に前記インクエンド検出工程を行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  8.  請求項4乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法において、インク滴吐出毎に前記インクエンド検出工程を行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  9.  複数のノズルと、該ノズルの各々に連通する独立の吐出室と、該吐出室に連通する共通インク室とを備え、前記吐出室内に圧力を発生させて前記ノズルよりインク液滴を吐出する圧力発生手段と、前記共通インク室の一部に形成された、室内の圧力に応じて変形可能なダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出手段と、前記ノズルよりインクを吸引する回復処理手段とを有するインクジェット記録装置の制御方法において、
     前記回復処理手段により、ノズルよりインクを排出する回復処理工程と、
     前記回復処理工程の前もしくは後に前記ダイヤフラムの形状の変化を検出するインクエンド検出工程とを含み、
     該インクエンド検出工程で、所定量以上のダイヤフラムの形状の変化を検出したときに、インクエンド処理を行うことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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