JP2004072625A - 高周波電力増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅回路を提供する。
【解決手段】トランジスタ10と、このトランジスタ10の前段に配置された安定化回路20とを備えた高周波電力増幅回路であって、安定化回路20は、一端がトランジスタ10に接続され、他端が入力端子1に接続された直列抵抗(R1)21と、一端が直列抵抗21の他端に接続された抵抗素子(R2)22と、一端が抵抗素子22の他端に接続され、他端が容量素子24を介して接続されたショートスタブ(P1)23とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】トランジスタ10と、このトランジスタ10の前段に配置された安定化回路20とを備えた高周波電力増幅回路であって、安定化回路20は、一端がトランジスタ10に接続され、他端が入力端子1に接続された直列抵抗(R1)21と、一端が直列抵抗21の他端に接続された抵抗素子(R2)22と、一端が抵抗素子22の他端に接続され、他端が容量素子24を介して接続されたショートスタブ(P1)23とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波電力増幅回路に係り、特に高周波電力増幅回路の利得を安定化させる安定化回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波、準ミリ波、ミリ波帯で使用される高周波電力増幅回路(以下「増幅回路」と略称する。)やMMIC(monolithic microwave integrated circuit)を設計する場合、要求される周波数、利得および出力等に応じて、最適な能動素子の種類及びそのゲート幅ならびにバイアス条件等を選択する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発振器、ミクサ、逓倍器等を含めたマイクロ波/ミリ波システム全体(チップセット全体)で高性能化、低コスト化を実現しようとすると、必ずしも増幅回路にとって最適な能動素子の種類およびゲート幅、ならびにバイアス条件等を選択できない場合が生じる。
例えば、ミリ波システムに用いられる中間周波数の増幅回路を設計する際、必要以上に高周波で動作する能動素子を選択しなければならない場合がある。これは、上記増幅回路が、ミリ波システムの性能に直接影響を与えるデバイスではないため、他のデバイスが最適となる条件を優先させるためである。この場合、設計周波数帯域(以下「設計帯域」と略称する。)の前後の広い周波数範囲を安定化回路によって安定化させることが必要になる。
【0004】
図4は、従来の高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
図4において、参照符号10は能動素子としての電界効果トランジスタ(以下「トランジスタ」と略称する。)、40は能動素子10の前段に配置された安定化回路を示している。安定化回路40は、一端がトランジスタ10のゲート端子と入力端子1とに接続された抵抗素子42と、一端が抵抗素子42の他端に接続されたショートスタブ43と、一端がショートスタブ43の他端に接続され、他端が接地された容量素子44と、を備えている。
また、トランジスタ10のドレイン端子は出力端子に接続され、トランジスタ10のソース端子は接地されている。
【0005】
図5は、図4に示した従来の高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
図5において、点線Aは能動素子単体の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示し、実線Cは安定化回路を能動素子に付加した場合の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示している。なお、図5において、周波数を表す横軸は対数軸である。
【0006】
点線Aが示すように、能動素子単体の場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できておらず、MSG領域(安定化係数k<1となる不安定領域)となっている。
一方、実線Cが示すように、安定化回路40を能動素子10に付加した場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できている。
しかしながら、図5中の矢印で示すように、従来の安定化回路40を用いて設計帯域よりも高い周波数で利得を安定化しようとした場合、設計帯域における増幅回路の利得が著しく低下してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅回路を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る高周波電力増幅回路は、能動素子と、該能動素子の前段に配置された安定化回路とを備えた高周波電力増幅回路であって、
前記安定化回路は、
一端が前記能動素子に接続され、他端が入力端子に接続された第1の抵抗素子と、
一端が前記第1の抵抗素子の他端に接続された第2の抵抗素子と、
一端が前記第2の抵抗素子の他端に接続され、他端が接地されたショートスタブと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明に係る高周波電力増幅回路は、請求項1に記載の高周波電力増幅回路において、
前記能動素子は、ゲート端子が前記第1の抵抗素子に接続され、ソース端子が接地されたトランジスタであり、
前記ソース端子と、前記ショートスタブとが共通のグランドに接地されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明に係る高周波電力増幅回路は、請求項1又は2に記載の高周波電力増幅回路において、
前記ショートスタブが容量素子を介して接地されたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
図1において、参照符号1は入力端子(外部入力端子)、2は出力端子(外部出力端子)、10は能動素子の一例である電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor、以下「トランジスタ」と略称する。)、20は安定化回路、21は第1の抵抗素子としての直列抵抗(R1)、22は第2の抵抗素子としての抵抗素子(R2)、23はショートスタブ(P1)、24は容量素子を示している。
【0013】
図1に示すように、トランジスタ10の前段(直前)に、安定化回路20が配置されている。言い換えれば、入力端子1とトランジスタ10との間に、安定化回路20が配置されている。
安定化回路20は、一端がトランジスタ10のゲート端子に接続された直列抵抗(R1)21と、この直列抵抗21の他端および入力端子1に一端が接続された抵抗素子(R2)22と、抵抗素子22の他端に一端が接続されたショートスタブ23と、一端がショートスタブ23の他端に接続され、他端が接地された直流成分分離用の容量素子24と、を備えている。
【0014】
すなわち、安定化回路20は、直列抵抗(R1)21と、抵抗素子(R2)22を有するショートスタブ23と、を組み合わせた回路構成である。また、ショートスタブ23の他端(ショート端)は、容量素子24を介して接地されている。
なお、トランジスタ10のソース端子は接地され、ドレイン端子は出力端子2に接続されている。
【0015】
図2は、図1に示した本実施の形態1による高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
図2において、点線Aは能動素子単体の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示し、実線Bは安定化回路を能動素子に付加した場合の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示している。なお、図2において、周波数を表す横軸は対数軸である。
【0016】
点線Aが示すように、能動素子単体の場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できておらず、MSG領域(安定化係数k<1となる不安定領域)となっている。
一方、実線Bが示すように、安定化回路20を能動素子10に付加した場合には、直列抵抗(R1)21によって設計帯域よりも高い周波数でのMSG領域を安定化し、抵抗素子(R2)22付きショートスタブ23(すなわち抵抗素子22及びショートスタブ23)によって設計帯域よりも低い周波数でのMSG領域を安定化できている。
また、設計帯域よりも高い周波数で、大きい利得抑制効果が得られる。
更に、設計帯域において、従来の増幅回路と比較して、利得の低下を大幅に低減できる。
【0017】
以上のように、本実施の形態1では、直列抵抗21と、抵抗素子22付きのショートスタブ23とを組み合わせてなる安定化回路20を、高周波電力増幅回路の能動素子10の前段に配置した。
【0018】
本実施の形態1によれば、直列抵抗21によって設計帯域よりも高い周波数領域の利得を安定させることができ、抵抗素子22及びショートスタブ23によって設計帯域よりも低い周波数領域の利得を安定化させることができる。よって、設計帯域前後の周波数領域での増幅回路の利得を安定化が可能である。また、本実施の形態1によれば、設計帯域での利得低下を従来よりも大幅に低減することができ、設計帯域での高利得化が可能である。
従って、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅回路を提供することができる。
【0019】
なお、本実施の形態1では、能動素子10の一例として電界効果トランジスタを用いたが、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:hetero−junction bi−polar transistor)を用いてもよい。
【0020】
また、本実施の形態1では、ショートスタブ23は容量素子24を介して接地されているが、直接ショートスタブ23を接地してもよい。
【0021】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
本実施の形態2による増幅回路は、前述した実施の形態1による増幅回路と概略同一の回路構成を有する。以下、本実施の形態2による増幅回路と、実施の形態1による増幅回路との相違点について説明する。
【0022】
本実施の形態2による増幅回路と、実施の形態1による増幅回路との相違点は、安定化回路30にある。詳細には、安定化回路30において、容量素子24と、トランジスタ10のソース端子とが共通のグランドに接地されている。言い換えれば、ショートスタブ23のグランドと、トランジスタ10のグランドとを共通化した。
【0023】
本実施の形態2によれば、前述した実施の形態1で得られる効果に加えて、ショートスタブ23のグランドと、トランジスタ10のグランドを共通化することにより増幅回路全体のレイアウトがコンパクトになり、回路全体を小型化することができるという効果が得られる。また、能動素子10と安定化回路30とを一体化したセルとして設計パラメータを取得することで、増幅回路の設計を容易にすることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図2】図1に示した本実施の形態1による高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図4】従来の高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図5】図4に示した従来の高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、 2 出力端子、 10 電界効果トランジスタ(能動素子)、 20,30 安定化回路、 21 直列抵抗(R1、第1の抵抗素子)、 22 抵抗素子(R2、第2の抵抗素子)、 23 ショートスタブ(P1)、
24 容量素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波電力増幅回路に係り、特に高周波電力増幅回路の利得を安定化させる安定化回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波、準ミリ波、ミリ波帯で使用される高周波電力増幅回路(以下「増幅回路」と略称する。)やMMIC(monolithic microwave integrated circuit)を設計する場合、要求される周波数、利得および出力等に応じて、最適な能動素子の種類及びそのゲート幅ならびにバイアス条件等を選択する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発振器、ミクサ、逓倍器等を含めたマイクロ波/ミリ波システム全体(チップセット全体)で高性能化、低コスト化を実現しようとすると、必ずしも増幅回路にとって最適な能動素子の種類およびゲート幅、ならびにバイアス条件等を選択できない場合が生じる。
例えば、ミリ波システムに用いられる中間周波数の増幅回路を設計する際、必要以上に高周波で動作する能動素子を選択しなければならない場合がある。これは、上記増幅回路が、ミリ波システムの性能に直接影響を与えるデバイスではないため、他のデバイスが最適となる条件を優先させるためである。この場合、設計周波数帯域(以下「設計帯域」と略称する。)の前後の広い周波数範囲を安定化回路によって安定化させることが必要になる。
【0004】
図4は、従来の高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
図4において、参照符号10は能動素子としての電界効果トランジスタ(以下「トランジスタ」と略称する。)、40は能動素子10の前段に配置された安定化回路を示している。安定化回路40は、一端がトランジスタ10のゲート端子と入力端子1とに接続された抵抗素子42と、一端が抵抗素子42の他端に接続されたショートスタブ43と、一端がショートスタブ43の他端に接続され、他端が接地された容量素子44と、を備えている。
また、トランジスタ10のドレイン端子は出力端子に接続され、トランジスタ10のソース端子は接地されている。
【0005】
図5は、図4に示した従来の高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
図5において、点線Aは能動素子単体の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示し、実線Cは安定化回路を能動素子に付加した場合の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示している。なお、図5において、周波数を表す横軸は対数軸である。
【0006】
点線Aが示すように、能動素子単体の場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できておらず、MSG領域(安定化係数k<1となる不安定領域)となっている。
一方、実線Cが示すように、安定化回路40を能動素子10に付加した場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できている。
しかしながら、図5中の矢印で示すように、従来の安定化回路40を用いて設計帯域よりも高い周波数で利得を安定化しようとした場合、設計帯域における増幅回路の利得が著しく低下してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅回路を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る高周波電力増幅回路は、能動素子と、該能動素子の前段に配置された安定化回路とを備えた高周波電力増幅回路であって、
前記安定化回路は、
一端が前記能動素子に接続され、他端が入力端子に接続された第1の抵抗素子と、
一端が前記第1の抵抗素子の他端に接続された第2の抵抗素子と、
一端が前記第2の抵抗素子の他端に接続され、他端が接地されたショートスタブと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明に係る高周波電力増幅回路は、請求項1に記載の高周波電力増幅回路において、
前記能動素子は、ゲート端子が前記第1の抵抗素子に接続され、ソース端子が接地されたトランジスタであり、
前記ソース端子と、前記ショートスタブとが共通のグランドに接地されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明に係る高周波電力増幅回路は、請求項1又は2に記載の高周波電力増幅回路において、
前記ショートスタブが容量素子を介して接地されたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
図1において、参照符号1は入力端子(外部入力端子)、2は出力端子(外部出力端子)、10は能動素子の一例である電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor、以下「トランジスタ」と略称する。)、20は安定化回路、21は第1の抵抗素子としての直列抵抗(R1)、22は第2の抵抗素子としての抵抗素子(R2)、23はショートスタブ(P1)、24は容量素子を示している。
【0013】
図1に示すように、トランジスタ10の前段(直前)に、安定化回路20が配置されている。言い換えれば、入力端子1とトランジスタ10との間に、安定化回路20が配置されている。
安定化回路20は、一端がトランジスタ10のゲート端子に接続された直列抵抗(R1)21と、この直列抵抗21の他端および入力端子1に一端が接続された抵抗素子(R2)22と、抵抗素子22の他端に一端が接続されたショートスタブ23と、一端がショートスタブ23の他端に接続され、他端が接地された直流成分分離用の容量素子24と、を備えている。
【0014】
すなわち、安定化回路20は、直列抵抗(R1)21と、抵抗素子(R2)22を有するショートスタブ23と、を組み合わせた回路構成である。また、ショートスタブ23の他端(ショート端)は、容量素子24を介して接地されている。
なお、トランジスタ10のソース端子は接地され、ドレイン端子は出力端子2に接続されている。
【0015】
図2は、図1に示した本実施の形態1による高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
図2において、点線Aは能動素子単体の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示し、実線Bは安定化回路を能動素子に付加した場合の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示している。なお、図2において、周波数を表す横軸は対数軸である。
【0016】
点線Aが示すように、能動素子単体の場合には、設計帯域の前後の広い周波数範囲において増幅回路の利得を安定化できておらず、MSG領域(安定化係数k<1となる不安定領域)となっている。
一方、実線Bが示すように、安定化回路20を能動素子10に付加した場合には、直列抵抗(R1)21によって設計帯域よりも高い周波数でのMSG領域を安定化し、抵抗素子(R2)22付きショートスタブ23(すなわち抵抗素子22及びショートスタブ23)によって設計帯域よりも低い周波数でのMSG領域を安定化できている。
また、設計帯域よりも高い周波数で、大きい利得抑制効果が得られる。
更に、設計帯域において、従来の増幅回路と比較して、利得の低下を大幅に低減できる。
【0017】
以上のように、本実施の形態1では、直列抵抗21と、抵抗素子22付きのショートスタブ23とを組み合わせてなる安定化回路20を、高周波電力増幅回路の能動素子10の前段に配置した。
【0018】
本実施の形態1によれば、直列抵抗21によって設計帯域よりも高い周波数領域の利得を安定させることができ、抵抗素子22及びショートスタブ23によって設計帯域よりも低い周波数領域の利得を安定化させることができる。よって、設計帯域前後の周波数領域での増幅回路の利得を安定化が可能である。また、本実施の形態1によれば、設計帯域での利得低下を従来よりも大幅に低減することができ、設計帯域での高利得化が可能である。
従って、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅回路を提供することができる。
【0019】
なお、本実施の形態1では、能動素子10の一例として電界効果トランジスタを用いたが、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:hetero−junction bi−polar transistor)を用いてもよい。
【0020】
また、本実施の形態1では、ショートスタブ23は容量素子24を介して接地されているが、直接ショートスタブ23を接地してもよい。
【0021】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
本実施の形態2による増幅回路は、前述した実施の形態1による増幅回路と概略同一の回路構成を有する。以下、本実施の形態2による増幅回路と、実施の形態1による増幅回路との相違点について説明する。
【0022】
本実施の形態2による増幅回路と、実施の形態1による増幅回路との相違点は、安定化回路30にある。詳細には、安定化回路30において、容量素子24と、トランジスタ10のソース端子とが共通のグランドに接地されている。言い換えれば、ショートスタブ23のグランドと、トランジスタ10のグランドとを共通化した。
【0023】
本実施の形態2によれば、前述した実施の形態1で得られる効果に加えて、ショートスタブ23のグランドと、トランジスタ10のグランドを共通化することにより増幅回路全体のレイアウトがコンパクトになり、回路全体を小型化することができるという効果が得られる。また、能動素子10と安定化回路30とを一体化したセルとして設計パラメータを取得することで、増幅回路の設計を容易にすることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、設計帯域前後の周波数領域での利得の安定化と、設計帯域での高利得化とを両立する高周波電力増幅を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図2】図1に示した本実施の形態1による高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2による高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図4】従来の高周波電力増幅回路を説明するための回路図である。
【図5】図4に示した従来の高周波電力増幅回路の利得(MAG,MSG)の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子、 2 出力端子、 10 電界効果トランジスタ(能動素子)、 20,30 安定化回路、 21 直列抵抗(R1、第1の抵抗素子)、 22 抵抗素子(R2、第2の抵抗素子)、 23 ショートスタブ(P1)、
24 容量素子。
Claims (3)
- 能動素子と、該能動素子の前段に配置された安定化回路とを備えた高周波電力増幅回路であって、
前記安定化回路は、
一端が前記能動素子に接続され、他端が入力端子に接続された第1の抵抗素子と、
一端が前記第1の抵抗素子の他端に接続された第2の抵抗素子と、
一端が前記第2の抵抗素子の他端に接続され、他端が接地されたショートスタブと、
を備えたことを特徴とする高周波電力増幅回路。 - 請求項1に記載の高周波電力増幅回路において、
前記能動素子は、ゲート端子が前記第1の抵抗素子に接続され、ソース端子が接地されたトランジスタであり、
前記ソース端子と、前記ショートスタブとが共通のグランドに接地されたことを特徴とする高周波電力増幅回路。 - 請求項1又は2に記載の高周波電力増幅回路において、
前記ショートスタブが容量素子を介して接地されたことを特徴とする高周波電力増幅回路。
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