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JP2004072006A - 積層コモンモードノイズフィルタ - Google Patents

積層コモンモードノイズフィルタ Download PDF

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JP2004072006A
JP2004072006A JP2002232415A JP2002232415A JP2004072006A JP 2004072006 A JP2004072006 A JP 2004072006A JP 2002232415 A JP2002232415 A JP 2002232415A JP 2002232415 A JP2002232415 A JP 2002232415A JP 2004072006 A JP2004072006 A JP 2004072006A
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Japan
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conductor
coil
internal
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mode noise
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JP2002232415A
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English (en)
Inventor
Akifumi Miyauchi
宮内 昌文
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】本発明は、高いノイズ抑制効果を持つ小型で生産効率の良い積層コモンモードノイズフィルタを提供することを目的としている。
【解決手段】課題を解決するための手段として、一方のコイルの内部導体が他方のコイルの内部導体を挟み込むように互い違いに積層し、コイル内部導体の内側に、この内部導体と組となる他の内部導体とを連結するための導体スルーホールの他に、このコイル内部導体との連結には関係しない導体スルーホールを貫通させた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズの発生を抑制し、またノイズに対する耐性(イミュニティ)を高める様に電子機器の回路に組み込まれて使用される積層コモンモードノイズフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年電子機器のデジタル化が急速に進んでいる。デジタル化で電子機器は高性能・高機能化が進展した。しかし、デジタル機器は低い周波数から高い周波数まで多くの不要電磁波(以下ノイズ)を発生する。また、次世代携帯電話や無線LANなどはGHz帯の高い周波数を使っている。デジタルノイズが他の機器に影響を与えないようにするために、ノイズ規制は世界的に厳しくなってきている。
【0003】
積層セラミック電子部品の製造プロセスにおける代表的な工法であるシート法と印刷法の2つについて簡単に説明する。
【0004】
シート法はセラミック粉末に樹脂と溶剤を混ぜペースト状にし、このペーストを適当な厚さに延ばし適度に乾燥させセラミックシートを作製する。このセラミックシートにスルーホールを開け、さらに内部導体を転写・印刷してコイルパターンを形成する。このコイルパターンが形成されたシートを積層多層化し接着することにより、積層セラミック電子部品を作製する。
【0005】
印刷法はセラミック粉末に樹脂と溶剤を混ぜたペーストそのものを使用する。絶縁パターン状にセラッミクペーストを印刷し、これを乾燥して絶縁層を形成する。続いて内部導体を印刷してコイルパターンを形成する。これを連続して繰り返すことで、積層セラミック電子部品を作製する。
【0006】
次にシート法と印刷法により作られた従来のノイズ対策用積層コモンモードノイズフィルタの構造を説明する。
【0007】
図7は従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図である。複数の磁性体セラミックシート15,17,19,21,23の積層体から構成されている。内部導体16cと18cが導体スルーホール17cにより連結されコイルCを形成し、内部導体20dと22dが導体スルーホール21dにより連結されコイルDを形成している。コイルCとコイルDは上下に重ねなれ、内部導体18cと内部導体20dとの結合によりコモンモードノイズを減衰させ、内部導体16cと内部導体22dとによりノーマルモードノイズを減衰させるものである。
【0008】
図8は従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図である。複数の磁性体セラミックシート24,26,28の積層体から構成されている。内部導体25eと27eが導体スルーホール26eにより連結されコイルEを形成し、内部導体25fと27fが導体スルーホール26fにより連結されコイルFを形成している。内部導体25e,25fと内部導体27e,27fはそれぞれ平行2線構造を取っているのでコイルEとコイルF間には強い結合が得られコモンモードノイズを減衰させるものである。図11に平行2線構造で作られた代表的コモンモードノイズフィルタのインピーダンスの周波数特性グラフを示しておく。
【0009】
図9は従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図である。当該公報に開示された積層コモンモードチョークコイルは、フォトリソグラフィ等の薄膜プロセスを用い、一対の磁性体基板29,36とその間に積層された複数の絶縁層31,33,35の積層体から構成されている。内部電極34gはスルーホール33g,31gを介して引き出し電極30gに接続されてコイルGを形成する。また内部電極32hはスルーホール31hを介して引き出し電極30hに接続されてコイルHを形成する。
【0010】
絶縁層31,33,35の厚みを10μm以下にしても高い絶縁を確保できるので内部電極34gと内部電極32hとの間には強い結合が得られコモンモードノイズを減衰させるものである。
【0011】
また従来の技術に用いられているコイルパターンの形状は図5に示すように概略長方形のものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す2モードノイズフィルタのコイル構成では、2つのコイル間の結合に強く影響するのは、隣接している内部導体18cと20dだけであるので、結合が小さく十分なコモンモードノイズ除去効果が得られない課題があった。
【0013】
図8に示すコモンモードノイズフィルタでは、平行2線構造をとっているのでコイルパターン25eと25f間、コイルパターン27eと27f間は結合が大きくなるが、コイル線幅が細くなることから定格電流が小さくなるという課題と、コイル線間距離が小さいことからコイルパターン25eと25f間とコイルパターン27eと27f間の絶縁が弱くなるという課題があった。また、1線巻きに比べて最大巻き数が少なくなることから高いインピーダンスには対応しにくいという課題もあった。
【0014】
図9に示す積層コモンモードチョークコイルでは、磁性体基板と絶縁材料との張り合わせ構造になり層の剥離等の不良が発生しやすい課題があった。また2つのコイル間の結合に強く影響するのは、隣接している内部導体34gと32hだけであるので、結合が小さく十分なコモンモードノイズ除去効果が得られない課題や、第1コイル・第2コイルをそれぞれ1層の内部導体で形成しているので高いインピーダンスには対応しにくいという課題もあった。
【0015】
また従来の概略長方形のコイルパターンを積層した場合、対向しあう面積が大きくなるため浮遊容量が大きくなり結果インピーダンス特性が高周波域まで延びないという課題があった。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するもので、特性を向上させるか、高いインピーダンスに対応するか、高周波域までインピーダンス特性を伸ばすことの少なくとも一つの実現する積層コモンモードノイズフィルタを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一方のコイルの内部導体が他方のコイルの内部導体を挟み込むように互い違いに積層し、コイル内部導体の内側に、この内部導体と組となる他の内部導体とを連結するための導体スルーホールの他に、このコイル内部導体との連結には関係しない導体スルーホールを貫通させた。
【0018】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、複数の磁性体セラミックシートからなる積層体の内部に、磁性体セラミックシートを介して対向された2つの内部導体が導体スルーホールを介して連結された第1コイルと、同様に磁性体セラミックシートを介して対向された2つの内部導体が導体スルーホールを介して連結された第2コイルとが形成されていて、第1コイル・第2コイルがそれぞれ積層体端部に設置された4個の外部電極に連結された積層コモンモードノイズフィルタにおいて、第1コイル1層目内部導体、第2コイル1層目内部導体、第1コイル2層目内部導体、第2コイル2層目内部導体の順番に交互に挟み込むように積層し、渦巻状に形成された内部導体の内側でこのコイル内部導体との連結には関係しない複数個の導体スルーホールを重ね合わせて貫通させることで、第1コイル1層目内部導体と第1コイル2層目内部導体、第2コイル1層目内部導体と第2コイル2層目内部導体を連結したことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタである。請求項1記載の発明を用いることで、導体スルーホールで連結したい内部導体の間に複数の内部導体がある場合でも他の内部導体と接触することなく最短距離で連結でき小型化に優れる。
【0019】
また、渦巻状であるため電気的性能を高めることができる。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のセラミック電子部品であり、渦巻状に形成された内部導体の内側に導体スルーホールの連結を目的とした中間ダミーパッドを設置したことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタである。請求項2記載の発明を用いることで、積層時の位置ずれに対して余裕ができ導体スルーホールの連結に関する不良を低減できる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1、請求項2記載のセラミック電子部品であり、内部導体コイルパターンを概略台形とし互い違いの向きに積層したことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタである。請求項3記載の発明を用いることで、内部導体間の浮遊容量を低減できインピーダンスの周波数特性を高周波域まで延ばすことができる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2、及び請求項3記載の内部導体と導体スルーホールにより構成される機能を基体内に複数個並列に配置して含んだアレイ型積層コモンモードノイズフィルタである。請求項4記載の発明を用いることで電子回路基板への実装面積及び実装工数を低減できる。
【0023】
請求項5記載の発明は、順に積層された渦巻き状の複数の内部導体と、前記各内部導体を埋設する磁性を有する基体とを備え、上から奇数番目の内部導体間をそれぞれ電気的に接続して第1のコイルを構成し、上から偶数番目の内部導体間を電気的に接続して第2のコイルを構成し、隣り合う内部導体間は電気的に非接触としたことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタとすることで、導体スルーホールで連結したい内部導体の間に複数の内部導体がある場合でも他の内部導体と接触することなく最短距離で連結でき小型化に優れる。
【0024】
請求項6記載の発明は、基体上に独立した複数の外部電極を備え、第1のコイルの両端部及び第2のコイルの両端部をそれぞれ前記複数の外部電極に一つずつ接合させたことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、面実装部品として使用できる。
【0025】
請求項7記載の発明は、基体を複数の磁性シートを積層して構成するとともに、前記複数の磁性シート間にそれぞれ複数の内部導体をそれぞれ挟み込んだことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、製造が容易になる。
【0026】
請求項8記載の発明は、磁性シートに導体スルーホールを備え、前記導体スルーホールを介して基体内部で各内部導体間を電気的に接合したことを特徴とする請求項7記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、内部での電気的接続が可能となるので、小型化を実現できる。
【0027】
請求項9記載の発明は、n番目の内部導体とn+2番目の内部導体を電気的に接続する際に、n番目の内部導体と前記n+2番目の内部導体によって挟まれた磁性シートに導体スルーホールを設け、この導体スルーホールを介してn番目の内部導体とn+2番目の内部導体を電気的に接続し、少なくとも前記n+1番目の内部導体が設けられた磁性シート間に前記導体スルーホールと接合し、前記n+1番目の内部導体と非接触のダミーパッドを設けたことを特徴とする請求項8記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、積層時の位置ずれに対して余裕ができ導体スルーホールの連結に関する不良を低減できる。
【0028】
請求項10記載の発明は、複数の内部導体の内で、外部電極と接合する両端部を含む内部導体には一体に引出部を設け、前記引出部と前記外部電極を電気的に接合した請求項6記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、別途引出部を設けなくても良いので、生産性などを向上させることができる。
【0029】
請求項11記載の発明は、複数の内部導体の渦巻き形状を一方の端部の幅が狭く他方の端部の幅が広い台形状とするとともに、隣り合う内部導体間は幅の狭い部分と幅の広い部分が対向し、前記隣り合う内部導体間の対向部分を減少させたことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタとすることで、内部導体間の浮遊容量を低減できインピーダンスの周波数特性を高周波域まで延ばすことができる。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタを示す外観図、図2は本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタを示す分解構造斜視図、図3は本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図を示している。
【0031】
図1に示すように、5は基体で、基体5の外観は略直方体形状となっており、角部に面取りなどが施されている。また、基体5は磁性体で構成されており、しかもその磁性体中に後述する複数のコイルを埋設して構成される。基体5の第1の側面には外部電極1,3が設けられ、第1の側面に対向した第2の側面には外部電極2,4が設けられている。この外部電極1〜4は埋設された2つのコイルの両端部がそれぞれ接続されている。なお、本実施の形態では、実装性等を向上させるために、外部電極1〜4はそれぞれ第1及び第2の側面に近接する基体1の上下面の一部にも設けられており、外部電極1〜4の断面形状は略コ字型となっている。また、外部電極1〜4はそれぞれ互いに非接触となうように基体5の表面に設けられており、構成としては、銀ペーストなどの導体を基体5上に設け、その導体上に例えば、ニッケルメッキ膜や半田メッキ膜,鉛フリーメッキ膜,Sn膜などの接合膜の少なくとも一つが設けられる。
【0032】
上述の様に基体5の表面の角部に面取りなどを設けているので、基体5の欠け等の発生確率を抑えてくずの発生を防止でき、しかも外部電極1〜4を図1に示すように複数の面に跨って形成する場合に、外部電極1〜4が切れたり、途中部分が薄くなって電気的特性が劣化することなどを防止できる。
【0033】
なお、本実施の形態では、基体5の外形形状を略直方体形状としたが、略直方体形状でも良く、円柱状などとしても良い。また、断面五角形以上の多角柱形状としても良い。また、上記形状の基体5の一部を削って窪みを設けたり、貫通孔等を設けても良い。
【0034】
更に、基体5の構成材料としては、フェライトなどの磁性材料の他、所定の絶縁性を有する磁性材料であればよい。
【0035】
以下、この積層コモンモードノイズフィルタについてその製法の一例を示す。
【0036】
始めに準備品として、ドクターブレード法で作成した厚さ約100μmのフェライトシートを2枚(フェライトシート6,フェライトシート14)、前記フェライトシートにレーザー又は機械的パンチにより穴をあけた後銀ペーストを注入した導体スルーホールフェライトシートを3種類(導体スルーホールフェライトシート8,導体スルーホールフェライトシート10,導体スルーホールフェライトシート12)、ステンレス板にフォトレジスト液を塗布し光学的にコイルパターンを焼き付けた後現像したものに電解メッキ法で銀メッキコイルパターンを析出させたものを4パターン(コイルパターン7a,コイルパターン9b,コイルパターン11a,コイルパターン13b)用意する。
【0037】
図2において、固定用の粘着シートを貼り付けたベース板に下から順番にフェライトシート6、1番目コイル1層目コイルパターン7a、導体スルーホールフェライトシート8、2番目コイル1層目コイルパターン9b、導体スルーホールフェライトシート10、1番目コイル2層目コイルパターン11a、導体スルーホールフェライトシート12、2番目コイル2層目コイルパターン13b、フェライトシート14の順番で軽くプレスしながら積層していく。
【0038】
次に上記の積層体を強くプレスし全体の密着をあげた後、所定の大きさに切断し篩などでばらしておく。所定の温度で焼結させたものを、バレル研磨機で面取りすると図1に示すフェライトの基体5ができる。フェライトの基体5に銀ペーストを塗布し焼成し外部電極1〜4を設置する。最後に外部電極1,2,3,4の表面にNiメッキ膜及びSnメッキ膜等を施すことで完成する。
【0039】
図3において、螺旋状に形成されたコイルパターン9bの内側を、このコイルパターン9bとの連結には関係しない1個の導体スルーホール(導体スルーホール8a,10aが連結したもの)を貫通させることで、面平行に積層された2層のコイルパターン7a,11aが導体スルーホール8a,10aにより連結されコイルAが形成されている。
【0040】
また螺旋状に形成されたコイルパターン11aの内側を、このコイルパターン11aとの連結には関係しない1個の導体スルーホール(導体スルーホール10b,12bが連結したもの)を貫通させることで、面平行に積層された2層のコイルパターン9b,13bが導体スルーホール10b,12bより連結されコイルBが形成されている。
【0041】
このように導体スルーホールを配置することで、4層のコイルパターン7a,9b,11a,13bが1巻き以上の螺旋状である場合でも他のコイルと接触することなく最短距離で連結でき小型化に優れた積層コモンモードノイズフィルタとすることができる。またコイルパターン9bがコイルパターン7a,11aに挟まれ、コイルパターン11aがコイルパターン9b,13bに挟まれるので、コイルAとコイルB間の磁気的な相互結合を強めノイズ除去効果の優れた積層セラミック電子部品とすることができる。
【0042】
以上の工程によりフェライトを利用した高結合ノイズ対策用積層コモンモードノイズフィルタを得ることが出来る。
【0043】
図12に図1〜図3で示した実施の形態の構造で作られたノイズ対策用積層コモンモードノイズフィルタのインピーダンスの周波数特性グラフを示す。図11の従来品に比べてデェファレンシャルモードインピーダンス(Zdiff)の値が約半分になっていることがわかる。
【0044】
また、改良例を図4,図5に示す。図4,図5において面平行に積層された2層のコイルパターン7a,11aが導体スルーホール8a,10aにより連結されたコイルAと、面平行に積層された2層のコイルパターン9b,13bが導体スルーホール10b,12bより連結されたコイルBが2固形成されている。コイルパターン9bがコイルパターン7a,11aに挟まれ、コイルパターン11aがコイルパターン9b,13bに挟まれるので、コイルAとコイルB間の磁気的な相互結合を強めノイズ除去効果の優れた積層セラミック電子部品とすることができる。この時導体スルーホール8a,10aを直接連結させる代わりに中間ダミーパッド9aを、導体スルーホール10b,12bを直接連結させる代わりに中間ダミーパッド11bを設置することで、積層時の位置ずれに対して余裕ができ導体スルーホールの連結に関する不良を低減できる。なお、この場合、中間ダミーパッド9a,11bは導体スルーホールを塞ぐように設けられる。この場合、中間ダミーパッド9a,11bは、メッキの転写などを用いて形成される。なお、中間ダミーパッド9a,11bは、導体スルーホールを塞がないように、しかも導体スルーホールと電気的に接触し、導体スルーホールの周りに印刷などで設けても良い。
【0045】
次の改良例について図6を用いて説明する。内部導体のコイルパターン13b,11a,9b,7aを概略台形とし互い違いの向きに積層することで、対向しあう面積が小さくなるため浮遊容量が小さくなり結果内部導体間の浮遊容量を低減できインピーダンスの周波数特性を高周波域まで延ばすことができる。すなわち、内部導体のコイルパターン13b,11a,9b,7aの一端の幅が狭く、他端部が広くなるような台形形状となるように内部導体を渦巻き状に形成し、しかも隣り合う内部導体のコイルパターン13b,11a,9b,7aの幅が狭い端部と幅が広い部分を図6に示すように交互に積層することで、コイルパターの重なり部分をわずかにすることができる。
【0046】
図13にこのように構成されたノイズ対策用積層コモンモードノイズフィルタのインピーダンスの周波数特性グラフを示す。図11の従来品に比べてデェファレンシャルモードインピーダンス(Zdiff)の値は約半分になっている。また図12に示す様に図1〜3に示す実施の形態でのデェファレンシャルモードインピーダンスピーク周波数約350MHzに対し、図13に示す図6のコイルパターンを有する実施の形態では約450MHzとなり高周波側まで延びている。
【0047】
また、上述の実施の形態では、同軸に2つのコイルを設けた例を示したが、図10に示すように、一つの基体5中に2個のコモンモードノイズフィルタを並列に配置したビーズアレイのコイル構成としても良い。図10に示すビーズアレイとすることで電子回路基板への実装面積及び実装工数を低減できる。また、基体5中に3個以上のコモンモードノイズフィルタを並列に配置しても良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、一方のコイルの内部導体が他方のコイルの内部導体を挟み込むように互い違いに積層し、コイル内部導体の内側に、この内部導体と組となる他の内部導体とを連結するための導体スルーホールの他に、このコイル内部導体との連結には関係しない導体スルーホールを貫通させたことで、導体スルーホールで連結したい内部導体の間に複数の内部導体がある場合でも他の内部導体と接触することなく最短距離で連結でき小型化に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタを示す外観図
【図2】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタを示す分解構造斜視図
【図3】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図
【図4】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図
【図5】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図
【図6】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図
【図7】従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図
【図8】従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図
【図9】従来のノイズフィルタを示す分解構造斜視図
【図10】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのコイルを示す図
【図11】従来のコモンモードノイズフィルタのインピーダンス特性を示すグラフ
【図12】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのインピーダンス特性を示すグラフ
【図13】本発明の一実施の形態における積層コモンモードノイズフィルタのインピーダンス特性を示すグラフ
【符号の説明】
1,2,3,4 外部電極
5 基体
6,14 フェライトシート
7a,9b,11a,13b コイルパターン
8,10,12 導体スルーホールフェライトシート
8a,10a,10b,12b 導体スルーホール
9a,11b 中間ダミーパッド

Claims (11)

  1. 複数の磁性体セラミックシートからなる積層体の内部に、磁性体セラミックシートを介して対向された2つの内部導体が導体スルーホールを介して連結された第1コイルと、同様に磁性体セラミックシートを介して対向された2つの内部導体が導体スルーホールを介して連結された第2コイルとが形成されていて、第1コイル・第2コイルがそれぞれ積層体端部に設置された4個の外部電極に連結された積層コモンモードノイズフィルタであって、第1コイル1層目内部導体、第2コイル1層目内部導体、第1コイル2層目内部導体、第2コイル2層目内部導体の順番に交互に挟み込むように積層し、渦巻状に形成された内部導体の内側でこのコイル内部導体との連結には関係しない複数個の導体スルーホールを重ね合わせて貫通させることで、第1コイル1層目内部導体と第1コイル2層目内部導体、第2コイル1層目内部導体と第2コイル2層目内部導体を連結したことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタ。
  2. 渦巻状に形成された内部導体の内側に導体スルーホールの連結を目的とした中間ダミーパッドを設置したことを特徴とする請求項1記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  3. 内部導体コイルパターンを概略台形とし互い違いの向きに積層したことを特徴とする請求項1,2いずれか1記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  4. 内部導体と導体スルーホールにより構成される機能を基体内に複数個並列に配置して含ませてアレイ型としたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  5. 順に積層された渦巻き状の複数の内部導体と、前記各内部導体を埋設する磁性を有する基体とを備え、上から奇数番目の内部導体間を電気的にそれぞれ接続して第1のコイルを構成し、上から偶数番目の内部導体間をそれぞれ電気的に接続して第2のコイルを構成し、隣り合う内部導体間は電気的に非接触としたことを特徴とする積層コモンモードノイズフィルタ。
  6. 基体上に独立した複数の外部電極を備え、第1のコイルの両端部及び第2のコイルの両端部をそれぞれ前記複数の外部電極に一つずつ接合させたことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  7. 基体を複数の磁性シートを積層して構成するとともに、前記複数の磁性シート間にそれぞれ複数の内部導体をそれぞれ挟み込んだことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  8. 磁性シートに導体スルーホールを備え、前記導体スルーホールを介して基体内部で各内部導体間を電気的に接合したことを特徴とする請求項7記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  9. n番目の内部導体とn+2番目の内部導体を電気的に接続する際に、n番目の内部導体と前記n+2番目の内部導体によって挟まれた磁性シートに導体スルーホールを設け、この導体スルーホールを介してn番目の内部導体とn+2番目の内部導体を電気的に接続し、少なくとも前記n+1番目の内部導体が設けられた磁性シート間に前記導体スルーホールと接合し、前記n+1番目の内部導体と非接触のダミーパッドを設けたことを特徴とする請求項8記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  10. 複数の内部導体の内で、外部電極と接合する両端部を含む内部導体には一体に引出部を設け、前記引出部と前記外部電極を電気的に接合した請求項6記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
  11. 複数の内部導体の渦巻き形状を一方の端部の幅が狭く他方の端部の幅が広い台形状とするとともに、隣り合う内部導体間は幅の狭い部分と幅の広い部分が対向し、前記隣り合う内部導体間の対向部分を減少させたことを特徴とする請求項5記載の積層コモンモードノイズフィルタ。
JP2002232415A 2002-08-09 2002-08-09 積層コモンモードノイズフィルタ Withdrawn JP2004072006A (ja)

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