JP2004066300A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることで、生産性が向上するレーザ加工装置に関する。
【解決手段】レーザ光1をガルバノミラー3で反射させ、集光レンズ4により集光して被加工物5に照射させることで加工を行うレーザ加工装置にあって、ガルバノミラーの目標回転角度と実際の回転移動角度との差を検出し、この差に基づいてフィードバック制御を行ってガルバノミラーを目標回転角度に位置決めし、制御装置7の移動指令から設定待ち時間後にガルバノミラーの目標回転角度と回転移動角度の差、およびテーブルの目標位置と検出位置の差が設定値より小さくなった時点を位置決めを完了したとみなし、位置決め完了後にレーザ光を照射することで、被加工物1枚あたりの加工タクトを短くする。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ光1をガルバノミラー3で反射させ、集光レンズ4により集光して被加工物5に照射させることで加工を行うレーザ加工装置にあって、ガルバノミラーの目標回転角度と実際の回転移動角度との差を検出し、この差に基づいてフィードバック制御を行ってガルバノミラーを目標回転角度に位置決めし、制御装置7の移動指令から設定待ち時間後にガルバノミラーの目標回転角度と回転移動角度の差、およびテーブルの目標位置と検出位置の差が設定値より小さくなった時点を位置決めを完了したとみなし、位置決め完了後にレーザ光を照射することで、被加工物1枚あたりの加工タクトを短くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物の穴あけ、切断、溶接などの加工に用いられるレーザ加工装置および加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にプリント基板等の被加工物に穴等を加工する作業に使用されるものとして、ガルバノミラーを用いたレーザ加工装置がある。このレーザ加工装置は、被加工物にレーザ光線を照射し、レーザ光線のエネルギーで被加工物を溶融あるいは蒸発させて穴をあける方法であり、ミクロン単位の微細な穴を正確な位置に加工する高密度配線のプリント基板の穴加工に採用されている。
【0003】
そして、高密度配線のプリント基板の穴加工に適したレーザ加工装置は、プリント基板における単位面積あたりの穴数が、穴の微細化、プリント基板の高密度化によりますます増加してきている。従って、このような高密度配線のプリント基板の製造にレーザ加工装置を利用するためには、穴加工の高速化が必要不可欠になっている。
【0004】
図6は、プリント基板の穴加工に使用されていた従来のレーザ加工装置の構成を示す。レーザ発振器101は、加工用のレーザ光102を出力する。ガルバノ装置103は2軸のモータにより角度が変更されるガルバノミラー104によって、レーザ光102の加工する位置決めを行う。加工テーブル105は、加工されるプリント基板106を搭載し、加工の位置決めを行う。制御装置107は、レーザ発振器101、ガルバノ装置103、加工テーブル105の制御を行う。集光レンズ108はガルバノミラー104により反射され、かつ加工の位置決めされたレーザ光102をプリント基板106上に集光する。
【0005】
上記構成のレーザ加工装置の動作を説明する。プリント基板106は加工テーブル105に固定される。そして、ガルバノ装置103はプリント基板106の加工するエリアの位置決めを行う。レーザ発振器101から出力されたレーザ光102は、ガルバノ装置103で反射され、かつ加工の位置決めが行われる。そして、加工の位置決めされたレーザ光102は、集光レンズ108によって集光され、プリント基板106の所定の位置に照射され、穴あけ加工を行うのである。
【0006】
近年、プリント基板などを使用する電子機器は、その小型・軽量化が求められている。そして、小型・軽量化のため電子機器は、多層プリント基板による電子部品の高密度実装が進んでいる。すなわち、高密度実装の電子部品は、一枚の多層プリント基板に形成されるIVH(Interstital Via Hole)の数が増加することになり、これに対応するためにはプリント基板を加工するレーザ加工装置の穴加工速度を高速化する必要があり、従って加工速度の高速化が求められている。
【0007】
上述のようなガルバノミラーを用いたレーザ加工装置の具体例としては、特開平8−174256号公報等に示されているように、レーザ光線をガルバノミラーで反射させ、集光レンズにより集光して、被加工物であるプリント基板に照射させることで、レーザ加工を行うようになっている。
【0008】
このようなレーザ加工装置に用いられるガルバノミラーは、マイクロラジアンオーダの高分解能を有するとともに、光学角±20°の駆動領域と高速位置決めの特性を有し、微小角が検知可能な静電容量センサを回転位置検出手段として設け、サーボ系のアナログフィードバック制御にて加工の位置決めを行っていた。
【0009】
このようなレーザ加工装置の制御は、具体的に説明すると、テーブルに制御部から移動指令が与えられると、実際の加工位置が加工の目標位置を超えないように制御しながら、目標位置に徐々に近づくようにテーブルを位置決め固定し、ガルバノミラーで加工するエリアが位置決めされる。続いて、制御部はガルバノミラーに対する移動の指令を与え、実際のガルバノミラーの回転移動角度が目標回転角度を超えないように制御しながら、目標回転角度に徐々に近づくようにガルバノミラーを回転制御する。そして、制御部はガルバノミラーが目標回転角度に達して安定した時点で、レーザ光の照射指令を発してレーザ加工を行うのである。
【0010】
ここで、レーザ加工装置における加工方法の概念を示す図7において、Mvはガルバノミラーに対する移動指令として目標回転角度を変動させている移動指令処理時間、Jdは移動指令処理時間Mvの後に目標回転角度までガルバノミラーが移動して位置決めされるまでの移動位置決め時間、Lonはレーザ光の照射時間、Sdはレーザ波尾待ち時間である。なお、ガルバノミラーの位置を検知する静電容量センサは微小なナノログ信号で出力され、ノイズ等の影響等により目標位置決め完了の判定に用いることは難しい。
【0011】
そこで、実際には制御部での目標位置決め完了の判定は、フィードバック制御におけるガルバノミラーに対する移動指令の変動値が終了した時点(移動指令処理時間Mvの終点)から一定の待ち時間を移動位置決め時間Jdとして設定し、この移動位置決め時間Jdを経過した時点で位置決めを完了したとみなして判定し、位置決め完了後にレーザ光の照射を開始している。
【0012】
従って、制御部は移動位置決め時間Jdとしては、ガルバノミラーの回転移動角度が大きくて時間がかかるワーストケースを想定して、長めの時間を設定している。
【0013】
しかしながら、従来のレーザ加工装置の制御部は上記のようにテーブル、ガルバノミラーを制御すると、ガルバノミラーの回転移動角度の大小にかかわらず、常に長めの時間を待ってから位置決めを完了したとみなしていた。さらに、ガルバノミラーで加工するエリアは、テーブルで目標位置に位置決め、固定してからガルバノミラーの位置決めをしていた。
【0014】
従って、制御部はテーブルの移動・位置決めに時間を要し、かつガルバノミラーの位置決めに比較的に長い時間がかかってしまっていたため、レーザ加工装置は被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることができないで処理能力が上がらず、生産性が向上しないという課題を有していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、被加工物の加工タクトを短くすることにより、生産性が向上するレーザ加工装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、レーザ光を出力するレーザ出力手段と、前記レーザ光の光路上に配置し、前記光路を変更する光路変更手段と、前記レーザ光で加工する被加工物を載置して移動するテーブルと、前記光路変更手段と前記テーブルと前記レーザ出力手段を制御する制御手段を備え、前記光路変更手段の変更状態を検出する光路変更状態検出手段と、前記テーブルの位置を検出するテーブル位置検出手段を設け、前記制御手段は前記光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの信号を入力し、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合に前記レーザ出力手段からレーザ光を出力させるレーザ加工装置である。
【0017】
この技術手段により被加工物の加工タクトを短くすることが可能となり、生産性が向上するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0019】
請求項1記載の本発明は、レーザ光を出力するレーザ出力手段と、前記レーザ光の光路上に配置し、前記光路を変更する光路変更手段と、前記レーザ光で加工する被加工物を載置して移動するテーブルと、前記光路変更手段と前記テーブルと前記レーザ出力手段を制御する制御手段を備え、前記光路変更手段の変更状態を検出する光路変更状態検出手段と、前記テーブルの位置を検出するテーブル位置検出手段を設け、前記制御手段は前記光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの信号を入力し、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合にレーザ出力手段からレーザを出力させるレーザ加工装置である。
【0020】
上記実施の形態によれば、光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの検出位置の信号を取り込んだ制御手段は、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合にレーザ出力手段からレーザを出力させる作用を有する。
【0021】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載において制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定するレーザ加工装置である。
【0022】
上記実施の形態によれば、制御手段はレーザ出力中でも被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する作用を有する。
【0023】
請求項3記載の本発明は、請求項1記載において制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にアラーム信号を出力するレーザ加工装置である。
【0024】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲から外れるとアラームを吹鳴させる信号を出力する作用を有する。
【0025】
請求項4記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載の制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にその位置を記憶するレーザ加工装置である。
【0026】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲から外れている場合に、その位置を記憶する作用を有する。
【0027】
請求項5記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の制御手段は、所定時間以内に前記被加工物の加工の目標位置に前記光路変更状態検出手段の検出位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置が到達しない場合にアラーム信号を出力するレーザ加工装置で、制御手段によるアラームの吹鳴で、被加工物の加工の目標位置に光路変更状態検出手段の検出位置とテーブル位置検出手段の検出位置が到達しないことを知り、この不具合に即刻対処することが可能になる。
【0028】
請求項6記載の本発明は、請求項5記載の所定時間として、目標位置への光路変更手段とテーブルの移動最大時間を用いるレーザ加工装置で、制御手段は前記移動最大時間を用いた所定時間により、被加工物の加工の目標位置に光路変更状態検出手段の検出位置とテーブル位置検出手段の検出位置が到達しないことを確実に判定することが可能になる。
【0029】
請求項7記載の本発明は、請求項1から6のいずれかの記載において、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する制御手段は、少なくとも光路変更手段またはテーブルへの移動指令を出力してから設定時間だけ遅らせて前記判定を行うように構成したレーザ加工装置である。
【0030】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定するタイミングを、少なくとも光路変更手段またはテーブルへの移動指令を出力してから設定時間だけ遅らせて実行する作用を有する。
【0031】
請求項8記載の本発明は、請求項7記載の設定時間として、被加工物の最小加工距離を光路変更手段とテーブルの移動速度で除算した時間を用いるレーザ加工装置で、制御手段は光路変更手段の回転移動距離に応じた設定時間で、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する作用を有する。
【0032】
請求項9記載の本発明は、請求項1から8のいずれかに記載の光路変更手段として、ガルバノミラーを用いるレーザ加工装置である。
【0033】
請求項10に記載の本発明は、請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置を使用して電子部品を加工するレーザ加工方法で、電子部品の生産性を向上することが可能になる。
【0034】
請求項11に記載の本発明は、請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置であって、レーザ出力による加工後、一定時間おいて次のレーザ加工を行うレーザ加工方法で、電子部品の生産性を向上することが可能になる。
【0035】
上記レーザ加工装置またはレーザ加工方法によれば、ガルバノミラーの移動角度が小さい場合には設定待ち時間を少なくすることができるため、被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることが可能となり、生産性を向上できる。
【0036】
以下本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法につき、図面に従い説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1に示すように、レーザ加工装置は、レーザ光1を出力するレーザ出力手段としてのレーザ発振器2と、レーザ光1の光路を変更する光路変更手段としてのガルバノミラー3と、レーザ光1を平面上に集光する集光光学系としての集光レンズ4と、レーザ光1で加工するプリント基板などの電子部品としての被加工物5を載置して加工中、常に移動するテーブル6と、レーザ発振器2とガルバノミラー3とテーブル6とを制御する制御手段としての制御装置7と、ガルバノミラー3の変更状態(回転移動角ともいう)を検出する光路変更状態検出手段としてのエンコーダ8と、移動するテーブル6の位置を検出するテーブル位置検出手段であるリニアスケール9とにより基本構成されている。
【0038】
制御装置7は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成され、レーザ加工装置による穴あけ加工などの加工方法の基本的な制御シーケンス以外に、図4に示す、被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラー3およびテーブル6の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャートを実行するシーケンスが格納されているとともに、加工する被加工物5の対象が変わる度に、予め被加工物の加工の目標位置が使用者により入力されるものである。
【0039】
そして、制御装置7は図4に示す被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラー3およびテーブル6の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャートを実行するため、図2に示すように変換手段11、回転移動角変換テーブル12、レーザ照射制御手段13、位置記憶手段14、インポジション信号チエック制御手段15、加算器16、比較器17、位置決めタイマ18等を備えている。
【0040】
変換手段11は被加工物5の加工の目標位置に対応して回転するガルバノミラー3の回転移動角度を検出したエンコーダ8の検出位置(回転移動角度)を取り込んで、図3に示す回転移動角変換テーブル12により前記検出位置に対応するテーブル6上の位置に変換する。
【0041】
レーザ照射制御手段13は、前記目標位置に対してガルバノミラー3の位置決め位置の許容ずれ量が所定範囲としての設定範囲が予め格納してあり、エンコーダ8とリニアスケール9からの信号を入力し、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差、および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が、前記設定範囲に入っているかどうかを判定し、設定範囲に入っている場合はレーザ発振器2からレーザを出力させるとともに、レーザ出力中も前記したように設定範囲に前記差が入っているか判定作業を行い、設定範囲から外れた場合にはアラーム信号を出力してアラームを吹鳴させる。
【0042】
位置記憶手段14は被加工物5の加工の目標位置に対応して、レーザの照射位置(穴あけ位置)が、前記設定範囲から外れた穴の位置を記憶しておき、加工後に被加工物5の検査する時に利用するものである。
【0043】
インポジション信号チェック制御手段15はインポジションチェック信号により、後述する理由で、制御装置7がガルバノミラー3、テーブル6に次の加工位置への移動指令後から所定時間Tdだけ、インポジション信号のチェックを停止し、所定時間Tdの経過後にインポジション信号のチェックを行い、レーザ照射制御手段13に被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が前記設定範囲に入っているかの判定を行わせる。
【0044】
所定時間Tdは、制御装置7が次の加工位置への移動指令してから、ガルバノミラー3およびテーブル6が移動を開始して前記設定範囲から十分に外れる時間を設定し、つまり被加工物5の最小加工距離をガルバノミラー3とテーブル6の移動速度で除算した時間を用いるものである。
【0045】
位置決めタイマ18は、被加工物5の対象物が変わるごとに所定時間である設定時間Twが変えられるもので、ガルバノミラー3およびテーブル6に次の加工位置への移動指令を制御装置7より発すると同時に起動し、設定時間Twがオーバーしても、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が前記設定範囲に入らない、つまり位置決めが完了しない場合には、タイマ停止の信号をレーザ照射制御手段13に送り、レーザ照射制御手段13によるアラームの吹鳴を行わせる。設定時間Twは、ガルバノミラー3、テーブル6の最大距離を移動して位置決めするに要する最大時間を設定する。
【0046】
なお、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置であるガルバノミラー3の加工位置決めは、電子部品であるプリント基板を被加工物5とすると、例えば長さ50mm×幅50mmのエリア5a内における任意の点の穴あけ加工のためレーザ照射可能位置を決めることであり、また被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置であるテーブルの加工位置決めは、例えば前記エリア5aが集合した長さ500mm×幅350mmの被加工物5における任意のエリア5aの位置を穴あけ加工ができるようにすることである。
【0047】
上記実施の形態におけるレーザ加工装置および加工方法について動作を説明する。制御装置7には、被加工物5の加工の目標位置に対応して移動するテーブル6の任意の目標位置5aと、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3における任意の目標位置5aの穴あけ加工位置が予め入力して格納されている。
【0048】
制御装置7は被加工物5の加工の目標位置に対応して動作するようにガルバノミラー3とテーブル6に指令を発する。そして、テーブル6は移動して被加工物5の加工の目標位置に対応して任意のエリア5aの加工位置決めを行い、一方、ガルバノミラー3は回転移動してテーブル6上におかれた被加工物5の前記選択された任意のエリア5a内の穴あけ加工位置に位置決めを行う。続いて、制御装置7は被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6とガルバノミラー3の前記加工位置決めの完了を判定した後に、レーザ発振器2よりレーザ光1を出力させる。レーザ光1はガルバノミラー3で反射され、かつ集光レンズ4で集光されて被加工物5の選択された任意のエリア5a内の穴あけ加工位置に照射されて穴あけ加工を行うのである。
【0049】
特に本実施の形態で制御装置7は、テーブル6には一定速度で移動する指令を、そしてガルバノミラー3には目標回転移動角度に基づき、被加工物5の加工すべき目標位置に対応したエリア5a内の穴あけ加工位置への位置決めをする指令を発行する。テーブル6は一定速度で移動し、テーブル6の移動位置はリニアスケール9により検出する。そして、ガルバノミラー3は指令位置に位置決めすると同時に、回転移動角度はエンコーダ8により検出される。検出したリニアスケール9とエンコーダ8の値である検出位置は制御装置7に送られる。
【0050】
エンコーダ8で検出した検出位置であるガルバノミラー3の回転移動角度は、変換手段11に送られてガルバノミラー3の真下からの位置に変換される。すなわち、図3に示すガルバノミラー3の回転移動角度とガルバノミラーの真下からの位置の対応表が回転移動角変換テーブル12に準備されていて、前記回転移動角度は、回転移動角変換テーブル12で回転移動角度に対応したテーブル6上の位置に変換される。例えば、回転移動角度は、0である場合には0であり、ガルバノミラー3の真下に相当する。回転移動角度は−10μrad.の場合には、−10μmと変換される。
【0051】
そして、エンコーダ8で検出して変換手段11で変換されたガルバノミラー3の回転移動角度の値は、リニアスケール9で検出したテーブル6の移動した値に加算器16により加算され、穴あけ加工位置決めを算出する。この穴あけ加工位置決めは、レーザを照射されて加工される位置になる。
【0052】
そして、被加工物5の加工の目標位置と前記算出した加工位置決めの位置とは、比較器17により比較されて差分、すなわち、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差がレーザ照射制御手段13に送られる。
【0053】
レーザ照射制御手段13では、予め被加工物の加工の目標位置に対して加工位置決め位置の許容ずれ量が設定範囲として準備してある。そして、レーザ照射制御手段13は、被加工物5の加工の目標位置と前記の加工位置決め位置との差が、図4に示すように前記設定範囲内に入っていれば、レーザ照射指令を発行する。
【0054】
レーザ照射指令を受けたレーザ発振器2はレーザ光1を出力し、ガルバノミラー3、集光レンズ4を経て被加工物5のエリア5a内に照射され穴あけ加工が行なわれる。
【0055】
また、レーザ照射制御手段13はレーザ発振器2よりレーザ照射中においても、テーブル6は移動しているので、ガルバノミラー3を回転移動させて加工位置を被加工物5の上面の目標位置に追従させるのである。すなわち、レーザ照射制御手段13は被加工物5の加工の目標位置とガルバノミラー3の加工位置決め位置の差分が設定範囲内に入っているかを検出して、設定範囲から前記差分が外れた場合にはアラーム信号を出力してアラーム(図示せず)を吹鳴させる。そして、レーザ加工装置の作業を監視している使用者は、アラームの音を聞いてレーザ加工装置の作業の不具合を調整する処置をする。
【0056】
さらに、位置記憶手段14は上記したように前記差分が設定範囲から、つまりレーザ照射位置が設定範囲から外れた穴あけ加工の位置を記憶しておき、この記憶した穴あけ加工位置を、被加工物5の加工後における検査する時などに利用するものである。すなわち、レーザ照射制御手段13からアラーム信号が出力されると、アラーム情報は位置記憶手段14に送られる。位置記憶手段14は、アラーム信号を検知すると目標位置を記憶する。この記憶した目標位置は加工すべき穴位置から実際に加工しようとした穴の座標が一致しなかったために加工できなかった穴である。これらの穴情報を集め、再度加工すれば、未加工穴が加工でき、未加工穴のない被加工物にすることができる。
【0057】
次に、制御装置7はテーブル6、ガルバノミラー3の加工位置決めする位置が、被加工物5の加工の目標位置に対応する所定範囲に入らない場合の制御について図4に従い説明する。インポジション信号は、上記目標位置と上記加工位置決め位置の差分が設定範囲に入るとHighレベルになり、設定範囲から外れるとLowレベルになる。
【0058】
従って、インポジション信号はテーブル6、ガルバノミラー3の加工位置決め後、Highになり、レーザ照射制御手段13はレーザ照射指令を発する。そして、インポジション信号は次の穴あけ加工位置への指令が発せられた時にLowレベルになり、前記穴あけ加工位置決めが完了するとHighレベルになる。なお、インポジション信号は図4に示すように、次の穴あけ加工位置への指令であるガルバノミラーの移動指令が発せられ、目標位置の波形が立ち上がっても、上記したように直ちにLowレベルにならず、実際には反応が種々の処理により遅れてLowレベルになるものである。
【0059】
以上の説明に基づき、ガルバノミラー3の回転移動距離の大きい場合と小さい場合とにおける加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングは、図5(a)、図5(b)に示すようにガルバノミラー3の移動距離が小さくなるとガルバノミラーの待ち時間が短くなるので、生産性が向上することになる。
【0060】
次に、制御装置7はガルバノミラー3、テーブル6が被加工物5の加工の目標位置に到達しない動作を防止する制御について図4に従い説明する。制御装置7は位置決めタイマ18を備えており、この位置決めタイマ18はガルバノミラー3に次の穴あけ加工位置への移動指令が発せられると同時に起動し、設定時間Twの終了前(タイマの停止前)に前記穴あけ加工位置へのガルバノミラー3の位置決めが完了すれば、レーザ照射制御手段13によりレーザ照射指令が発せられ穴あけ加工が行なわれる。
【0061】
そして、制御装置7のレーザ照射制御手段13は前記穴あけ加工位置へのガルバノミラー3の位置決めが完了する前に、位置決めタイマ18が設定時間Twをオーバーした場合には、この設定時間Twをオーバーした位置決めタイマ18の信号を取り込んでアラームを吹鳴させる。レーザ加工装置の作業を監視している使用者は、アラームの音を聞いてレーザ加工装置の作業の不具合を調整する処置をする。従って、レーザ加工装置は何らかの理由で位置決めが完了できなくて停止しつづけることが防止され、生産性の低下を防止できる。
【0062】
次に、制御装置7のインポジション信号チェック制御手段15は、上記したようにインポジション信号が種々の処理により遅れた場合の制御について説明する。インポジション信号は、図4に示すように種々の処理により遅れが発生し、次の穴あけ加工位置への指令であるガルバノミラーの移動指令が発せられ、目標位置の波形が立ち上がっても、直ちにLowレベルにならず、前回の穴あけ加工位置決め後におけるHighレベルを保持しており、被加工物5の加工の目標位置に対応するガルバノミラー3の回転移動の動作波形が設定範囲に入らない、穴あけ加工位置決めができていない状態でレーザ照射制御手段13からレーザ照射指令を発してしまう誤制御が起こることになる。
【0063】
そこで、インポジション信号チェック制御手段15はインポジション信号の機能を有効・無効を決めるインポジションチェック信号を備えている。そして、インポジション信号チェック制御手段15はレーザ照射制御手段13より次の穴あけ加工位置への移動指令後の所定の設定時間Tdだけ、インポジションチェック信号をLowレベルにしてチェック停止を行い、この設定時間Tdの経過後に遅れてHighレベルになり、この時にインポジション信号は種々の処理により遅れてLowレベルにあるので、上記したように誤ってレーザ照射の制御が起こることはないのである。
【0064】
従って、レーザ照射制御手段13は、インポジション信号チェック制御手段15のインポジションチェック信号により、前記被加工物の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が設定範囲に入っているか判定するタイミングを、ガルバノミラー3とテーブル6への移動指令を出力してから設定時間Tdだけ遅らせて前記判定を行うようにしている。
【0065】
ここで、設定時間Tdは、次の穴あけ加工位置を指令してから、ガルバノミラー3とテーブル6が移動して設定範囲から十分はずれる時間を設定する。これにより、種々の処理によりインポジション信号の反応が遅れても、所定の動作をさせることができる。そして、設定時間Tdは被加工物5に加工する穴の最小移動距離を移動するに要する時間、つまり、最小移動距離をテーブル6、ガルバノミラー3の移動速度で除算した時間を設定する。例えば、被加工物5に加工する穴径が決まれば、そのラウンド径が決まり、さらにラウンド間の絶縁距離が決まるため、その穴間を移動するに要する時間の最小値を設定することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では穴あけを加工する方法として、ガルバノミラーを1つの穴に位置決めを行い以降、規定パルス数を規定周期でレーザ照射するバーストモード加工を実施しており、位置決め完了後に1ショット目のレーザ照射後にさらにレーザ照射する。このように必要パルス数を照射して加工する。2ショット目の照射直前にガルバノミラーのレーザ照射位置が目標照射位置からのずれが設定範囲内であれば、レーザを照射し、設定範囲外であれば、アラーム状態にする。
【0067】
さらに、レーザ照射中もレーザ照射位置が目標照射位置からのずれが設定範囲内であることを検出し、レーザ照射中に設定範囲から外れる場合には、アラーム状態にする。
【0068】
以上のように本実施の形態は、レーザ光をガルバノで反射させ、集光レンズにより集光して加工対象物に照射させることでレーザ加工を行うレーザ加工装置、および方法であって、ガルバノミラーの目標回転移動角度と実際の回転移動角度との差を検出し、この差に基づいてフィードバック制御を行ってガルバノミラーを目標回転角度に位置決めし、制御装置からの移動指令から設定待ち時間後にガルバノミラーの目標回転移動角度と実際の回転移動角度の差、およびテーブルの目標位置と検出位置の差が設定値より小さくなった時点を位置決めを完了したとみなし、位置決め完了後にレーザ光を照射するものである。
【0069】
従って、本実施の形態は、従来のレーザ加工装置で、ガルバノミラーの回転移動角度が小さい場合でも、常に長めの時間を待ってから位置決めを完了したとみなして、被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラーの位置決めに比較的長い時間がかかっていたのに対し、ガルバノミラー3の回転移動角度が小さい場合には、待ち時間が少なくなるため、被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることが可能となり、生産性を向上できる。
【0070】
また、ガルバノミラー3の位置決めができない不具合の場合は、レーザ加工装置の停止を外部にアラームで警告し、この不具合に即刻対処できるようにしてレーザ加工装置の停止時間を極力短縮するので、生産性を向上できる。
【0071】
なお、本実施の形態では、被加工物に穴あけ加工するのに、1つの穴あけ加工置に対応して位置決めを行い、規定パルス数を規定周期でレーザ照射するバーストモード加工方法を採用したが、穴あけ加工置へ位置決めを行い1パルスだけレーザを照射し、次の穴あけ加工置への位置決めを行い1パルスだけレーザを照射することを繰り返して、1つの穴あけ加工置に必要パルス数を照射して穴あけ加工を行うサイクルモード加工方法も採用できるもので、穴あけ加工置への位置決めごとに上記事例を繰り返すのである。なお、レーザ照射ごとにパルス幅を変えてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、被加工物の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が設定範囲に入っているか制御装置7が判定するタイミングを、ガルバノミラー3とテーブル6への移動指令を出力してから設定時間Tdだけ遅らせて実行したが、少なくともガルバノミラーまたはテーブルへのいずれかに移動指令を出力してから、前記判定を行うようにしてもよい。
【0073】
また、本実施の形態は、レーザ発振器2のレーザ光1を1つの被加工物5に照射する形態のレーザ加工装置に採用したが、図1に示すレーザ加工装置において、レーザ光1をビームスプリッタやAOM(Acoustic Optic Modulation)、EOM(Electro Optic Modulation)、MOM(Magnetic Optic Modulation)などにより複数のレ−ザ光に分岐して、それぞれのレーザ光1に対して、ガルバノミラー3、集光レンズ4、テーブル6を配置して、複数の被加工物5を加工するレーザ加工装置に実施しても、本実施の形態と同じように作用効果を期待できるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法によれば、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入れば、光路変更手段およびテーブルの位置決めが完了したとみなして加工を行うので、加工タクトを短くでき生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるレーザ加工装置及びその加工方法の概略構成図
【図2】同レーザ加工装置の制御装置の構成図
【図3】同レーザ加工装置の制御装置が備える回転移動角変換テーブルの図
【図4】同レーザ加工装置の加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングチャート
【図5】(a)同レーザ加工装置の移動距離が大きい加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングチャート
(b)同レーザ加工装置の移動距離が小さい加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャート
【図6】従来のレーザ加工装置の構成図
【図7】同レーザ加工方法の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャート
【符号の説明】
1 レーザ光
2 レーザ発振器(レーザ出力手段)
3 ガルバノミラー(光路変更手段)
4 集光レンズ(集光光学系)
5 被加工物
6 テーブル
7 制御装置(制御手段)
8 エンコーダ(光路変更状態検出手段)
9 リニアスケール(テーブル位置検出手段)
11 変換手段
12 回転移動角変換テーブル
13 レーザ照射制御手段
14 位置記憶手段
15 インポジション信号チェック制御手段
18 位置決めタイマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物の穴あけ、切断、溶接などの加工に用いられるレーザ加工装置および加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にプリント基板等の被加工物に穴等を加工する作業に使用されるものとして、ガルバノミラーを用いたレーザ加工装置がある。このレーザ加工装置は、被加工物にレーザ光線を照射し、レーザ光線のエネルギーで被加工物を溶融あるいは蒸発させて穴をあける方法であり、ミクロン単位の微細な穴を正確な位置に加工する高密度配線のプリント基板の穴加工に採用されている。
【0003】
そして、高密度配線のプリント基板の穴加工に適したレーザ加工装置は、プリント基板における単位面積あたりの穴数が、穴の微細化、プリント基板の高密度化によりますます増加してきている。従って、このような高密度配線のプリント基板の製造にレーザ加工装置を利用するためには、穴加工の高速化が必要不可欠になっている。
【0004】
図6は、プリント基板の穴加工に使用されていた従来のレーザ加工装置の構成を示す。レーザ発振器101は、加工用のレーザ光102を出力する。ガルバノ装置103は2軸のモータにより角度が変更されるガルバノミラー104によって、レーザ光102の加工する位置決めを行う。加工テーブル105は、加工されるプリント基板106を搭載し、加工の位置決めを行う。制御装置107は、レーザ発振器101、ガルバノ装置103、加工テーブル105の制御を行う。集光レンズ108はガルバノミラー104により反射され、かつ加工の位置決めされたレーザ光102をプリント基板106上に集光する。
【0005】
上記構成のレーザ加工装置の動作を説明する。プリント基板106は加工テーブル105に固定される。そして、ガルバノ装置103はプリント基板106の加工するエリアの位置決めを行う。レーザ発振器101から出力されたレーザ光102は、ガルバノ装置103で反射され、かつ加工の位置決めが行われる。そして、加工の位置決めされたレーザ光102は、集光レンズ108によって集光され、プリント基板106の所定の位置に照射され、穴あけ加工を行うのである。
【0006】
近年、プリント基板などを使用する電子機器は、その小型・軽量化が求められている。そして、小型・軽量化のため電子機器は、多層プリント基板による電子部品の高密度実装が進んでいる。すなわち、高密度実装の電子部品は、一枚の多層プリント基板に形成されるIVH(Interstital Via Hole)の数が増加することになり、これに対応するためにはプリント基板を加工するレーザ加工装置の穴加工速度を高速化する必要があり、従って加工速度の高速化が求められている。
【0007】
上述のようなガルバノミラーを用いたレーザ加工装置の具体例としては、特開平8−174256号公報等に示されているように、レーザ光線をガルバノミラーで反射させ、集光レンズにより集光して、被加工物であるプリント基板に照射させることで、レーザ加工を行うようになっている。
【0008】
このようなレーザ加工装置に用いられるガルバノミラーは、マイクロラジアンオーダの高分解能を有するとともに、光学角±20°の駆動領域と高速位置決めの特性を有し、微小角が検知可能な静電容量センサを回転位置検出手段として設け、サーボ系のアナログフィードバック制御にて加工の位置決めを行っていた。
【0009】
このようなレーザ加工装置の制御は、具体的に説明すると、テーブルに制御部から移動指令が与えられると、実際の加工位置が加工の目標位置を超えないように制御しながら、目標位置に徐々に近づくようにテーブルを位置決め固定し、ガルバノミラーで加工するエリアが位置決めされる。続いて、制御部はガルバノミラーに対する移動の指令を与え、実際のガルバノミラーの回転移動角度が目標回転角度を超えないように制御しながら、目標回転角度に徐々に近づくようにガルバノミラーを回転制御する。そして、制御部はガルバノミラーが目標回転角度に達して安定した時点で、レーザ光の照射指令を発してレーザ加工を行うのである。
【0010】
ここで、レーザ加工装置における加工方法の概念を示す図7において、Mvはガルバノミラーに対する移動指令として目標回転角度を変動させている移動指令処理時間、Jdは移動指令処理時間Mvの後に目標回転角度までガルバノミラーが移動して位置決めされるまでの移動位置決め時間、Lonはレーザ光の照射時間、Sdはレーザ波尾待ち時間である。なお、ガルバノミラーの位置を検知する静電容量センサは微小なナノログ信号で出力され、ノイズ等の影響等により目標位置決め完了の判定に用いることは難しい。
【0011】
そこで、実際には制御部での目標位置決め完了の判定は、フィードバック制御におけるガルバノミラーに対する移動指令の変動値が終了した時点(移動指令処理時間Mvの終点)から一定の待ち時間を移動位置決め時間Jdとして設定し、この移動位置決め時間Jdを経過した時点で位置決めを完了したとみなして判定し、位置決め完了後にレーザ光の照射を開始している。
【0012】
従って、制御部は移動位置決め時間Jdとしては、ガルバノミラーの回転移動角度が大きくて時間がかかるワーストケースを想定して、長めの時間を設定している。
【0013】
しかしながら、従来のレーザ加工装置の制御部は上記のようにテーブル、ガルバノミラーを制御すると、ガルバノミラーの回転移動角度の大小にかかわらず、常に長めの時間を待ってから位置決めを完了したとみなしていた。さらに、ガルバノミラーで加工するエリアは、テーブルで目標位置に位置決め、固定してからガルバノミラーの位置決めをしていた。
【0014】
従って、制御部はテーブルの移動・位置決めに時間を要し、かつガルバノミラーの位置決めに比較的に長い時間がかかってしまっていたため、レーザ加工装置は被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることができないで処理能力が上がらず、生産性が向上しないという課題を有していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、被加工物の加工タクトを短くすることにより、生産性が向上するレーザ加工装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、レーザ光を出力するレーザ出力手段と、前記レーザ光の光路上に配置し、前記光路を変更する光路変更手段と、前記レーザ光で加工する被加工物を載置して移動するテーブルと、前記光路変更手段と前記テーブルと前記レーザ出力手段を制御する制御手段を備え、前記光路変更手段の変更状態を検出する光路変更状態検出手段と、前記テーブルの位置を検出するテーブル位置検出手段を設け、前記制御手段は前記光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの信号を入力し、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合に前記レーザ出力手段からレーザ光を出力させるレーザ加工装置である。
【0017】
この技術手段により被加工物の加工タクトを短くすることが可能となり、生産性が向上するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記した本発明の目的は、各請求項に記載した構成を実施の形態とすることにより達成できるので、以下には各請求項の構成にその構成による作用効果を併記し併せて請求項記載の構成のうち説明を必要とする特定用語については詳細な説明を加えて、本発明における実施の形態の説明とする。
【0019】
請求項1記載の本発明は、レーザ光を出力するレーザ出力手段と、前記レーザ光の光路上に配置し、前記光路を変更する光路変更手段と、前記レーザ光で加工する被加工物を載置して移動するテーブルと、前記光路変更手段と前記テーブルと前記レーザ出力手段を制御する制御手段を備え、前記光路変更手段の変更状態を検出する光路変更状態検出手段と、前記テーブルの位置を検出するテーブル位置検出手段を設け、前記制御手段は前記光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの信号を入力し、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合にレーザ出力手段からレーザを出力させるレーザ加工装置である。
【0020】
上記実施の形態によれば、光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの検出位置の信号を取り込んだ制御手段は、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合にレーザ出力手段からレーザを出力させる作用を有する。
【0021】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載において制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定するレーザ加工装置である。
【0022】
上記実施の形態によれば、制御手段はレーザ出力中でも被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する作用を有する。
【0023】
請求項3記載の本発明は、請求項1記載において制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にアラーム信号を出力するレーザ加工装置である。
【0024】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲から外れるとアラームを吹鳴させる信号を出力する作用を有する。
【0025】
請求項4記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載の制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にその位置を記憶するレーザ加工装置である。
【0026】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲から外れている場合に、その位置を記憶する作用を有する。
【0027】
請求項5記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の制御手段は、所定時間以内に前記被加工物の加工の目標位置に前記光路変更状態検出手段の検出位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置が到達しない場合にアラーム信号を出力するレーザ加工装置で、制御手段によるアラームの吹鳴で、被加工物の加工の目標位置に光路変更状態検出手段の検出位置とテーブル位置検出手段の検出位置が到達しないことを知り、この不具合に即刻対処することが可能になる。
【0028】
請求項6記載の本発明は、請求項5記載の所定時間として、目標位置への光路変更手段とテーブルの移動最大時間を用いるレーザ加工装置で、制御手段は前記移動最大時間を用いた所定時間により、被加工物の加工の目標位置に光路変更状態検出手段の検出位置とテーブル位置検出手段の検出位置が到達しないことを確実に判定することが可能になる。
【0029】
請求項7記載の本発明は、請求項1から6のいずれかの記載において、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する制御手段は、少なくとも光路変更手段またはテーブルへの移動指令を出力してから設定時間だけ遅らせて前記判定を行うように構成したレーザ加工装置である。
【0030】
上記実施の形態によれば、制御手段は被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定するタイミングを、少なくとも光路変更手段またはテーブルへの移動指令を出力してから設定時間だけ遅らせて実行する作用を有する。
【0031】
請求項8記載の本発明は、請求項7記載の設定時間として、被加工物の最小加工距離を光路変更手段とテーブルの移動速度で除算した時間を用いるレーザ加工装置で、制御手段は光路変更手段の回転移動距離に応じた設定時間で、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と光路変更状態検出手段の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する作用を有する。
【0032】
請求項9記載の本発明は、請求項1から8のいずれかに記載の光路変更手段として、ガルバノミラーを用いるレーザ加工装置である。
【0033】
請求項10に記載の本発明は、請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置を使用して電子部品を加工するレーザ加工方法で、電子部品の生産性を向上することが可能になる。
【0034】
請求項11に記載の本発明は、請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置であって、レーザ出力による加工後、一定時間おいて次のレーザ加工を行うレーザ加工方法で、電子部品の生産性を向上することが可能になる。
【0035】
上記レーザ加工装置またはレーザ加工方法によれば、ガルバノミラーの移動角度が小さい場合には設定待ち時間を少なくすることができるため、被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることが可能となり、生産性を向上できる。
【0036】
以下本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法につき、図面に従い説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1に示すように、レーザ加工装置は、レーザ光1を出力するレーザ出力手段としてのレーザ発振器2と、レーザ光1の光路を変更する光路変更手段としてのガルバノミラー3と、レーザ光1を平面上に集光する集光光学系としての集光レンズ4と、レーザ光1で加工するプリント基板などの電子部品としての被加工物5を載置して加工中、常に移動するテーブル6と、レーザ発振器2とガルバノミラー3とテーブル6とを制御する制御手段としての制御装置7と、ガルバノミラー3の変更状態(回転移動角ともいう)を検出する光路変更状態検出手段としてのエンコーダ8と、移動するテーブル6の位置を検出するテーブル位置検出手段であるリニアスケール9とにより基本構成されている。
【0038】
制御装置7は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成され、レーザ加工装置による穴あけ加工などの加工方法の基本的な制御シーケンス以外に、図4に示す、被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラー3およびテーブル6の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャートを実行するシーケンスが格納されているとともに、加工する被加工物5の対象が変わる度に、予め被加工物の加工の目標位置が使用者により入力されるものである。
【0039】
そして、制御装置7は図4に示す被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラー3およびテーブル6の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャートを実行するため、図2に示すように変換手段11、回転移動角変換テーブル12、レーザ照射制御手段13、位置記憶手段14、インポジション信号チエック制御手段15、加算器16、比較器17、位置決めタイマ18等を備えている。
【0040】
変換手段11は被加工物5の加工の目標位置に対応して回転するガルバノミラー3の回転移動角度を検出したエンコーダ8の検出位置(回転移動角度)を取り込んで、図3に示す回転移動角変換テーブル12により前記検出位置に対応するテーブル6上の位置に変換する。
【0041】
レーザ照射制御手段13は、前記目標位置に対してガルバノミラー3の位置決め位置の許容ずれ量が所定範囲としての設定範囲が予め格納してあり、エンコーダ8とリニアスケール9からの信号を入力し、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差、および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が、前記設定範囲に入っているかどうかを判定し、設定範囲に入っている場合はレーザ発振器2からレーザを出力させるとともに、レーザ出力中も前記したように設定範囲に前記差が入っているか判定作業を行い、設定範囲から外れた場合にはアラーム信号を出力してアラームを吹鳴させる。
【0042】
位置記憶手段14は被加工物5の加工の目標位置に対応して、レーザの照射位置(穴あけ位置)が、前記設定範囲から外れた穴の位置を記憶しておき、加工後に被加工物5の検査する時に利用するものである。
【0043】
インポジション信号チェック制御手段15はインポジションチェック信号により、後述する理由で、制御装置7がガルバノミラー3、テーブル6に次の加工位置への移動指令後から所定時間Tdだけ、インポジション信号のチェックを停止し、所定時間Tdの経過後にインポジション信号のチェックを行い、レーザ照射制御手段13に被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が前記設定範囲に入っているかの判定を行わせる。
【0044】
所定時間Tdは、制御装置7が次の加工位置への移動指令してから、ガルバノミラー3およびテーブル6が移動を開始して前記設定範囲から十分に外れる時間を設定し、つまり被加工物5の最小加工距離をガルバノミラー3とテーブル6の移動速度で除算した時間を用いるものである。
【0045】
位置決めタイマ18は、被加工物5の対象物が変わるごとに所定時間である設定時間Twが変えられるもので、ガルバノミラー3およびテーブル6に次の加工位置への移動指令を制御装置7より発すると同時に起動し、設定時間Twがオーバーしても、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が前記設定範囲に入らない、つまり位置決めが完了しない場合には、タイマ停止の信号をレーザ照射制御手段13に送り、レーザ照射制御手段13によるアラームの吹鳴を行わせる。設定時間Twは、ガルバノミラー3、テーブル6の最大距離を移動して位置決めするに要する最大時間を設定する。
【0046】
なお、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置であるガルバノミラー3の加工位置決めは、電子部品であるプリント基板を被加工物5とすると、例えば長さ50mm×幅50mmのエリア5a内における任意の点の穴あけ加工のためレーザ照射可能位置を決めることであり、また被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置であるテーブルの加工位置決めは、例えば前記エリア5aが集合した長さ500mm×幅350mmの被加工物5における任意のエリア5aの位置を穴あけ加工ができるようにすることである。
【0047】
上記実施の形態におけるレーザ加工装置および加工方法について動作を説明する。制御装置7には、被加工物5の加工の目標位置に対応して移動するテーブル6の任意の目標位置5aと、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3における任意の目標位置5aの穴あけ加工位置が予め入力して格納されている。
【0048】
制御装置7は被加工物5の加工の目標位置に対応して動作するようにガルバノミラー3とテーブル6に指令を発する。そして、テーブル6は移動して被加工物5の加工の目標位置に対応して任意のエリア5aの加工位置決めを行い、一方、ガルバノミラー3は回転移動してテーブル6上におかれた被加工物5の前記選択された任意のエリア5a内の穴あけ加工位置に位置決めを行う。続いて、制御装置7は被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6とガルバノミラー3の前記加工位置決めの完了を判定した後に、レーザ発振器2よりレーザ光1を出力させる。レーザ光1はガルバノミラー3で反射され、かつ集光レンズ4で集光されて被加工物5の選択された任意のエリア5a内の穴あけ加工位置に照射されて穴あけ加工を行うのである。
【0049】
特に本実施の形態で制御装置7は、テーブル6には一定速度で移動する指令を、そしてガルバノミラー3には目標回転移動角度に基づき、被加工物5の加工すべき目標位置に対応したエリア5a内の穴あけ加工位置への位置決めをする指令を発行する。テーブル6は一定速度で移動し、テーブル6の移動位置はリニアスケール9により検出する。そして、ガルバノミラー3は指令位置に位置決めすると同時に、回転移動角度はエンコーダ8により検出される。検出したリニアスケール9とエンコーダ8の値である検出位置は制御装置7に送られる。
【0050】
エンコーダ8で検出した検出位置であるガルバノミラー3の回転移動角度は、変換手段11に送られてガルバノミラー3の真下からの位置に変換される。すなわち、図3に示すガルバノミラー3の回転移動角度とガルバノミラーの真下からの位置の対応表が回転移動角変換テーブル12に準備されていて、前記回転移動角度は、回転移動角変換テーブル12で回転移動角度に対応したテーブル6上の位置に変換される。例えば、回転移動角度は、0である場合には0であり、ガルバノミラー3の真下に相当する。回転移動角度は−10μrad.の場合には、−10μmと変換される。
【0051】
そして、エンコーダ8で検出して変換手段11で変換されたガルバノミラー3の回転移動角度の値は、リニアスケール9で検出したテーブル6の移動した値に加算器16により加算され、穴あけ加工位置決めを算出する。この穴あけ加工位置決めは、レーザを照射されて加工される位置になる。
【0052】
そして、被加工物5の加工の目標位置と前記算出した加工位置決めの位置とは、比較器17により比較されて差分、すなわち、被加工物5の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差がレーザ照射制御手段13に送られる。
【0053】
レーザ照射制御手段13では、予め被加工物の加工の目標位置に対して加工位置決め位置の許容ずれ量が設定範囲として準備してある。そして、レーザ照射制御手段13は、被加工物5の加工の目標位置と前記の加工位置決め位置との差が、図4に示すように前記設定範囲内に入っていれば、レーザ照射指令を発行する。
【0054】
レーザ照射指令を受けたレーザ発振器2はレーザ光1を出力し、ガルバノミラー3、集光レンズ4を経て被加工物5のエリア5a内に照射され穴あけ加工が行なわれる。
【0055】
また、レーザ照射制御手段13はレーザ発振器2よりレーザ照射中においても、テーブル6は移動しているので、ガルバノミラー3を回転移動させて加工位置を被加工物5の上面の目標位置に追従させるのである。すなわち、レーザ照射制御手段13は被加工物5の加工の目標位置とガルバノミラー3の加工位置決め位置の差分が設定範囲内に入っているかを検出して、設定範囲から前記差分が外れた場合にはアラーム信号を出力してアラーム(図示せず)を吹鳴させる。そして、レーザ加工装置の作業を監視している使用者は、アラームの音を聞いてレーザ加工装置の作業の不具合を調整する処置をする。
【0056】
さらに、位置記憶手段14は上記したように前記差分が設定範囲から、つまりレーザ照射位置が設定範囲から外れた穴あけ加工の位置を記憶しておき、この記憶した穴あけ加工位置を、被加工物5の加工後における検査する時などに利用するものである。すなわち、レーザ照射制御手段13からアラーム信号が出力されると、アラーム情報は位置記憶手段14に送られる。位置記憶手段14は、アラーム信号を検知すると目標位置を記憶する。この記憶した目標位置は加工すべき穴位置から実際に加工しようとした穴の座標が一致しなかったために加工できなかった穴である。これらの穴情報を集め、再度加工すれば、未加工穴が加工でき、未加工穴のない被加工物にすることができる。
【0057】
次に、制御装置7はテーブル6、ガルバノミラー3の加工位置決めする位置が、被加工物5の加工の目標位置に対応する所定範囲に入らない場合の制御について図4に従い説明する。インポジション信号は、上記目標位置と上記加工位置決め位置の差分が設定範囲に入るとHighレベルになり、設定範囲から外れるとLowレベルになる。
【0058】
従って、インポジション信号はテーブル6、ガルバノミラー3の加工位置決め後、Highになり、レーザ照射制御手段13はレーザ照射指令を発する。そして、インポジション信号は次の穴あけ加工位置への指令が発せられた時にLowレベルになり、前記穴あけ加工位置決めが完了するとHighレベルになる。なお、インポジション信号は図4に示すように、次の穴あけ加工位置への指令であるガルバノミラーの移動指令が発せられ、目標位置の波形が立ち上がっても、上記したように直ちにLowレベルにならず、実際には反応が種々の処理により遅れてLowレベルになるものである。
【0059】
以上の説明に基づき、ガルバノミラー3の回転移動距離の大きい場合と小さい場合とにおける加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングは、図5(a)、図5(b)に示すようにガルバノミラー3の移動距離が小さくなるとガルバノミラーの待ち時間が短くなるので、生産性が向上することになる。
【0060】
次に、制御装置7はガルバノミラー3、テーブル6が被加工物5の加工の目標位置に到達しない動作を防止する制御について図4に従い説明する。制御装置7は位置決めタイマ18を備えており、この位置決めタイマ18はガルバノミラー3に次の穴あけ加工位置への移動指令が発せられると同時に起動し、設定時間Twの終了前(タイマの停止前)に前記穴あけ加工位置へのガルバノミラー3の位置決めが完了すれば、レーザ照射制御手段13によりレーザ照射指令が発せられ穴あけ加工が行なわれる。
【0061】
そして、制御装置7のレーザ照射制御手段13は前記穴あけ加工位置へのガルバノミラー3の位置決めが完了する前に、位置決めタイマ18が設定時間Twをオーバーした場合には、この設定時間Twをオーバーした位置決めタイマ18の信号を取り込んでアラームを吹鳴させる。レーザ加工装置の作業を監視している使用者は、アラームの音を聞いてレーザ加工装置の作業の不具合を調整する処置をする。従って、レーザ加工装置は何らかの理由で位置決めが完了できなくて停止しつづけることが防止され、生産性の低下を防止できる。
【0062】
次に、制御装置7のインポジション信号チェック制御手段15は、上記したようにインポジション信号が種々の処理により遅れた場合の制御について説明する。インポジション信号は、図4に示すように種々の処理により遅れが発生し、次の穴あけ加工位置への指令であるガルバノミラーの移動指令が発せられ、目標位置の波形が立ち上がっても、直ちにLowレベルにならず、前回の穴あけ加工位置決め後におけるHighレベルを保持しており、被加工物5の加工の目標位置に対応するガルバノミラー3の回転移動の動作波形が設定範囲に入らない、穴あけ加工位置決めができていない状態でレーザ照射制御手段13からレーザ照射指令を発してしまう誤制御が起こることになる。
【0063】
そこで、インポジション信号チェック制御手段15はインポジション信号の機能を有効・無効を決めるインポジションチェック信号を備えている。そして、インポジション信号チェック制御手段15はレーザ照射制御手段13より次の穴あけ加工位置への移動指令後の所定の設定時間Tdだけ、インポジションチェック信号をLowレベルにしてチェック停止を行い、この設定時間Tdの経過後に遅れてHighレベルになり、この時にインポジション信号は種々の処理により遅れてLowレベルにあるので、上記したように誤ってレーザ照射の制御が起こることはないのである。
【0064】
従って、レーザ照射制御手段13は、インポジション信号チェック制御手段15のインポジションチェック信号により、前記被加工物の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物5の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が設定範囲に入っているか判定するタイミングを、ガルバノミラー3とテーブル6への移動指令を出力してから設定時間Tdだけ遅らせて前記判定を行うようにしている。
【0065】
ここで、設定時間Tdは、次の穴あけ加工位置を指令してから、ガルバノミラー3とテーブル6が移動して設定範囲から十分はずれる時間を設定する。これにより、種々の処理によりインポジション信号の反応が遅れても、所定の動作をさせることができる。そして、設定時間Tdは被加工物5に加工する穴の最小移動距離を移動するに要する時間、つまり、最小移動距離をテーブル6、ガルバノミラー3の移動速度で除算した時間を設定する。例えば、被加工物5に加工する穴径が決まれば、そのラウンド径が決まり、さらにラウンド間の絶縁距離が決まるため、その穴間を移動するに要する時間の最小値を設定することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では穴あけを加工する方法として、ガルバノミラーを1つの穴に位置決めを行い以降、規定パルス数を規定周期でレーザ照射するバーストモード加工を実施しており、位置決め完了後に1ショット目のレーザ照射後にさらにレーザ照射する。このように必要パルス数を照射して加工する。2ショット目の照射直前にガルバノミラーのレーザ照射位置が目標照射位置からのずれが設定範囲内であれば、レーザを照射し、設定範囲外であれば、アラーム状態にする。
【0067】
さらに、レーザ照射中もレーザ照射位置が目標照射位置からのずれが設定範囲内であることを検出し、レーザ照射中に設定範囲から外れる場合には、アラーム状態にする。
【0068】
以上のように本実施の形態は、レーザ光をガルバノで反射させ、集光レンズにより集光して加工対象物に照射させることでレーザ加工を行うレーザ加工装置、および方法であって、ガルバノミラーの目標回転移動角度と実際の回転移動角度との差を検出し、この差に基づいてフィードバック制御を行ってガルバノミラーを目標回転角度に位置決めし、制御装置からの移動指令から設定待ち時間後にガルバノミラーの目標回転移動角度と実際の回転移動角度の差、およびテーブルの目標位置と検出位置の差が設定値より小さくなった時点を位置決めを完了したとみなし、位置決め完了後にレーザ光を照射するものである。
【0069】
従って、本実施の形態は、従来のレーザ加工装置で、ガルバノミラーの回転移動角度が小さい場合でも、常に長めの時間を待ってから位置決めを完了したとみなして、被加工物の加工の目標位置に対応してガルバノミラーの位置決めに比較的長い時間がかかっていたのに対し、ガルバノミラー3の回転移動角度が小さい場合には、待ち時間が少なくなるため、被加工物の1枚あたりの加工タクトを短くすることが可能となり、生産性を向上できる。
【0070】
また、ガルバノミラー3の位置決めができない不具合の場合は、レーザ加工装置の停止を外部にアラームで警告し、この不具合に即刻対処できるようにしてレーザ加工装置の停止時間を極力短縮するので、生産性を向上できる。
【0071】
なお、本実施の形態では、被加工物に穴あけ加工するのに、1つの穴あけ加工置に対応して位置決めを行い、規定パルス数を規定周期でレーザ照射するバーストモード加工方法を採用したが、穴あけ加工置へ位置決めを行い1パルスだけレーザを照射し、次の穴あけ加工置への位置決めを行い1パルスだけレーザを照射することを繰り返して、1つの穴あけ加工置に必要パルス数を照射して穴あけ加工を行うサイクルモード加工方法も採用できるもので、穴あけ加工置への位置決めごとに上記事例を繰り返すのである。なお、レーザ照射ごとにパルス幅を変えてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、被加工物の加工の目標位置に対応したガルバノミラー3の目標位置とエンコーダ8の検出位置との差および被加工物の加工の目標位置に対応したテーブル6の目標位置とリニアスケール9の検出位置との差が設定範囲に入っているか制御装置7が判定するタイミングを、ガルバノミラー3とテーブル6への移動指令を出力してから設定時間Tdだけ遅らせて実行したが、少なくともガルバノミラーまたはテーブルへのいずれかに移動指令を出力してから、前記判定を行うようにしてもよい。
【0073】
また、本実施の形態は、レーザ発振器2のレーザ光1を1つの被加工物5に照射する形態のレーザ加工装置に採用したが、図1に示すレーザ加工装置において、レーザ光1をビームスプリッタやAOM(Acoustic Optic Modulation)、EOM(Electro Optic Modulation)、MOM(Magnetic Optic Modulation)などにより複数のレ−ザ光に分岐して、それぞれのレーザ光1に対して、ガルバノミラー3、集光レンズ4、テーブル6を配置して、複数の被加工物5を加工するレーザ加工装置に実施しても、本実施の形態と同じように作用効果を期待できるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工方法によれば、被加工物の加工の目標位置に対応した光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応したテーブルの目標位置とテーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入れば、光路変更手段およびテーブルの位置決めが完了したとみなして加工を行うので、加工タクトを短くでき生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるレーザ加工装置及びその加工方法の概略構成図
【図2】同レーザ加工装置の制御装置の構成図
【図3】同レーザ加工装置の制御装置が備える回転移動角変換テーブルの図
【図4】同レーザ加工装置の加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングチャート
【図5】(a)同レーザ加工装置の移動距離が大きい加工位置決めおよびレーザの照射のタイミングチャート
(b)同レーザ加工装置の移動距離が小さい加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャート
【図6】従来のレーザ加工装置の構成図
【図7】同レーザ加工方法の加工位置決め、およびレーザの照射のタイミングチャート
【符号の説明】
1 レーザ光
2 レーザ発振器(レーザ出力手段)
3 ガルバノミラー(光路変更手段)
4 集光レンズ(集光光学系)
5 被加工物
6 テーブル
7 制御装置(制御手段)
8 エンコーダ(光路変更状態検出手段)
9 リニアスケール(テーブル位置検出手段)
11 変換手段
12 回転移動角変換テーブル
13 レーザ照射制御手段
14 位置記憶手段
15 インポジション信号チェック制御手段
18 位置決めタイマ
Claims (11)
- レーザ光を出力するレーザ出力手段と、前記レーザ光の光路上に配置し、前記光路を変更する光路変更手段と、前記レーザ光で加工する被加工物を載置して移動するテーブルと、前記光路変更手段と前記テーブルと前記レーザ出力手段を制御する制御手段を備え、前記光路変更手段の変更状態を検出する光路変更状態検出手段と、前記テーブルの位置を検出するテーブル位置検出手段を設け、前記制御手段は前記光路変更状態検出手段とテーブル位置検出手段からの信号を入力し、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っている場合にレーザ出力手段からレーザを出力させるレーザ加工装置。
- 制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定する請求項1記載のレーザ加工装置。
- 制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にアラーム信号を出力する請求項1記載のレーザ加工装置。
- 制御手段は、前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差がレーザ出力中も所定範囲に入っているか判定し、所定範囲から外れている場合にその位置を記憶する請求項1から3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 制御手段は、所定時間以内に前記被加工物の加工の目標位置に前記光路変更状態検出手段の検出位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置が到達しない場合にアラーム信号を出力する請求項1から4のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 前記所定時間として、目標位置への光路変更手段とテーブルの移動最大時間を用いる請求項5記載のレーザ加工装置。
- 前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記光路変更手段の目標位置と前記光路変更状態検出手段の検出位置との差および前記被加工物の加工の目標位置に対応した前記テーブルの目標位置と前記テーブル位置検出手段の検出位置との差が所定範囲に入っているか判定する制御手段は、少なくとも光路変更手段またはテーブルへの移動指令を出力してから設定時間だけ遅らせて前記判定を行うように構成した請求項1から6のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 前記設定時間として、被加工物の最小加工距離を光路変更手段とテーブルの移動速度で除算した時間を用いる請求項7記載のレーザ加工装置。
- 光路変更手段として、ガルバノミラーを用いる請求項1から8のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置を使用して電子部品を加工するレーザ加工方法。
- 請求項1から9のいずれかに記載のレーザ加工装置であって、レーザ出力による加工後、一定時間おいて次のレーザ加工を行うレーザ加工方法。
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