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JP2004062981A - 光ディスク製造用スタンパーの製造方法、光ディスク製造用スタンパー及び光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスク製造用スタンパーの製造方法、光ディスク製造用スタンパー及び光ディスクの製造方法 Download PDF

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JP2004062981A
JP2004062981A JP2002219285A JP2002219285A JP2004062981A JP 2004062981 A JP2004062981 A JP 2004062981A JP 2002219285 A JP2002219285 A JP 2002219285A JP 2002219285 A JP2002219285 A JP 2002219285A JP 2004062981 A JP2004062981 A JP 2004062981A
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JP
Japan
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resist
stamper
manufacturing
mold
optical disk
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002219285A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiko Ishii
石井 紀彦
Naoki Shimizu
清水 直樹
Nobuhiro Kinoshita
木下 延博
Haruki Tokumaru
徳丸 春樹
Seiji Morita
森田 成二
Hiroshi Konishi
小西 浩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp, Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2002219285A priority Critical patent/JP2004062981A/ja
Publication of JP2004062981A publication Critical patent/JP2004062981A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】波長やNAの改良ではない新たな手法により、微細なパターンを有する光ディスクを形成可能な光ディスク製造用スタンパーの製造方法を提供する。
【解決手段】上層に形成されるレジスト層3の感度より、下層に形成されるレジスト層2の感度を小さくし、レジスト層3の厚さを、レジスト層2の厚さより厚くしている。レジスト3の表面に照射された照射光は、レジスト3により徐々に吸収されながらのレジスト2の表面に到達する。レジスト2中に入った光は、急激に減衰する。露光を行う場合は、(b)に示すように、照射光のスポットが重なるようにして露光を行うと、照射光のスポット径より小さいピッチでレジストが除去される部分を形成することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク製造用スタンパーの製造方法、この製造方法により製造された光ディスク製造用スタンパー、及びこのスタンパーを使用した光ディスクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク、ハードディスク等の情報記録媒体は、大きな容量の情報を記録することができ、かつ、高速でアクセス、再生、記録、及び、場合により消去することができる。このため、これらの媒体は、CD(compact disc)、LD(laser disc)、DVD(digital video disc, digital versatile disc)等と呼ばれ、音楽や映像ソフト、ゲームソフト等を収納する媒体として使われると共に、コンピュータのメモリーとしても使用され、その需要が増大している。光ディスクやハードディスクは、マルチメディア時代のメインメモリーとして大きく発展すると期待されている。
【0003】
光ディスクは、記録層の有無及びその種類により、
(1)再生専用タイプ(CD、LD、CD−ROM、photo−CD、DVD−ROM、再生専用型MD等)
(2)一度だけ記録可能なライトワンスタイプ(write−once type:CD−R、DVD−R、DVD−WO等)
(3)記録した後、消去することができ、何度でも書き替え可能な(re−writable)タイプ(光磁気ディスク magneto−optical disk 、相変化(phase−change)型ディスク、MD、CD−E、DVD−RAM、DVD−RW等)
に分類される。さらに、将来使用される媒体として、高密度のHD−DVDも提唱されている。
【0004】
これらの光ディスクを製造する工程は、まず、成形基板を原料樹脂で成形するところから始まる。最初にスタンパーと呼ばれる成形型が用意される。この成形型に原料樹脂(例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン等)を加熱流動化した後、押し付けることにより、成形基板が成形(製造)される。成形方法は、加圧成形の他、ほとんどは射出成形方法である。
【0005】
成形基板を製造する理由は、基板表面に細かな凹凸が必要であるからである。凹凸のある基板を大量に短時間で製造するには、樹脂成形が最も適している。凹凸の種類には、情報単位を表すピット(pit)や記録ヘッド(ピックアップ)のトラッキングのためのガイド溝(guide groove)がある。ピットや溝は、円形の基板上に同心円状または渦巻き状に設けられる。成形基板を半径方向に見たとき、溝と溝との間はランド(land)と呼ばれる。当初は、ランドをトラックとして、そこに記録するランド記録方式が主流であったが、逆に溝に記録するグルーブ記録方式も使用されていた。
【0006】
その後、記録密度を向上させるために、溝とランドの双方に記録するランド/グルーブ記録方式が開発された。この場合、両者がトラックであり、溝の幅とランドの幅はほぼ等しい。ただし、理由があって一方を他方に対して意図的に広くする場合もある。光は裏面(平滑な面)から基板に入射する。この場合には基板裏面側から見て奥にある方をランドと呼び、手前にある方を溝と呼ぶ。
【0007】
溝、ランドおよびピットの幅は、密度記録の向上に伴い、例えば、1μm以下、0.8μm以下、0.7μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下と段々狭くなってきている。
【0008】
溝、ランドおよびピットの深さも、高密度記録化に伴い、例えば、40nm以上、50nm以上、80nm以上、100nm以上、120nm以上、130nm以上、150nm以上、180nm以上、200nm以上、220nm以上、250nm以上と段々深くなってきている。
【0009】
幅が狭くなったり、深さが深くなると、つまり、高精度になると、成形基板の成形はますます難しくなり、良品の歩留りは低下する。
なお、成形された成形基板の上には、最終の製品仕様に応じて、反射層や記録層、保護層等が形成される。
【0010】
従来、スタンパーは一般に以下のようなプロセスで製造されている。まず、光学的面精度にまで研磨されたガラス基板(基板)を用意する。この基板を洗浄したあと、密着性を向上させるプライマー(例えば、シランカップリング剤)を塗布する。それからフォトレジストを スピンコートし、プリベ−クする。フォトレジストはポジ型(光が照射された部分が現像で除去されるタイプ)が多く使用されている。次にレ−ザービ−ムレコ−ダまたはレーザーカッティング装置を使って、ピットや溝のパタ−ンに従ってフォトレジストを露光する。一般に、ピットや溝の幅はレーザービームの径により決まり、また、ピットや溝の深さはフォトレジスト膜の厚さによって決定される。
【0011】
次に所定の現像処理を施すとガラス板表面にピットやグルーブのパターンを持ったレジストパターンが得られる。現像の後、場合により、レジストパターンは、80〜120℃で20〜60分間ポストベークされる。ポストベークをした場合には、レジストパターンが室温まで冷えるのを待つ。
【0012】
レジストパターンが形成された基板は、原盤(MASTER SUBSTRATE又はMASTER)と呼ばれる。以上の方法においては、基板の上にレジストを残したものを原盤としたが、このレジストをマスクとして基板をエッチングし、基板そのものが凹凸を持つようにして、その後レジストを洗浄して除去し、残された基板を原盤とするようにすることも行われている。
【0013】
次に原盤は導電化処理される。導電化処理は、一般にスパッタリング(乾式)で、場合により、無電解メッキ(湿式)で行われる。導電化処理された原盤の上に電鋳によりメッキ層が厚く形成される。メッキ層は一般にニッケル(Ni)である。導電層とNiメッキ層の2層構造体が目的とする成形型、すなわちスタンパーである。この成形型はファザー(FATHER)と呼ばれる。実際には、ファザーを原盤から剥がすことで、自由なファザーが得られる。
【0014】
ファザーは一般に200〜300μmと薄いので、剥がすときに注意する。剥がしたとき、レジストの一部がファザー上に残るのでアセトン等の溶剤で溶解除去する。仮にレジストが残っていると、凹凸を崩すので、レジストは確実に除去する。剥がしたとき、レジストパターンは破損するので、1枚の原盤から1枚のファザーのみが得られる。
【0015】
レジストを除去した後、ファザーの凹凸面を保護コートで覆う。そして、裏面を研磨する。ファザーの中心穴を打ち抜き、また、外径の外の不要な部分を打ち落とす。これによりドーナツ状のファザーが完成する。こうして完成したファザーは、極めて正確な凹凸パターンを有する。
【0016】
ファザーは、そのまま光ディスクを樹脂成形のための成形型(スタンパー)に使用することができる。特に、DVD、HD−DVDその他の高密度記録媒体(溝幅0.8μm以下)の場合には、極めて高精度な凹凸パターンが要求されるので、ファザーがそのまま射出成形に使用される。
【0017】
しかし、この方法では、前述のように1枚の原盤から1枚のファザーしか得られないので経済的に不利である。よって、基板そのものを原盤として用いる場合には、1枚の原盤から複数の第1のレプリカをとり、さらにこの第1のレプリカのレプリカ(第2のレプリカ)を作成し、この第2のレプリカに対して前述のような電鋳処理を行ってスタンパーを製造することも行われている。
【0018】
この第1のレプリカのことをマザー、第2のレプリカのことをサンと呼ぶこともある。第1のレプリカは、一般に、原盤に樹脂を押し付けて型取りをした後、樹脂を硬化することによって製造される。第2のレプリカは、一般に、第1のレプリカに樹脂を押し付けて型取りをした後、樹脂を硬化することによって製造される。このようにすれば、1個の原盤から複数のスタンパーを製造することが可能になる。
【0019】
また、基板上に塗布するレジストにネガ型レジストを使用した場合には、ポジ型レジストを使用した場合と凹凸が逆になる。この場合には、前述のような方法によって第1のレプリカを作成し、これを原盤とみなして、上述と同じ処理を行えばよい。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
極めて高精度で微細な凹凸パターンが要求される場合、凹凸の幅、グルーブの幅が極端に細くなったり、トラックピッチが狭くなるので、これに対応するレジストパターンの形成が非常に難しくなる。一般に、レジストに照射されるレーザービームの径がピットや溝の幅を決めるので、微細な凹凸を形成するためには、レーザー光のスポット径を小さくすることが必要である。レーザー光のスポット径はレーザー光の波長と、レーザーを集光する対物レンズ開口数(NA)により決まり、レーザー光の波長が短いほど、また、対物レンズの開口数が大きいほど、スポット径を小さくできる。
【0021】
しかしながら、現在実用化されている連続発振レーザーでは、遠紫外光線(DUV、波長193〜266nm)が短波長の限界である。さらに波長の短い露光源としてはX線、軟X線、シンクロトロン放射光、EUV(波長10〜100nm程度)があるが、これらの光源は、リソグラフィ用として実用可能なレベルに達していない。
【0022】
さらにDUVレーザーを使用した場合には、現在一般的に使用されているノボラック樹脂をベースにしたフォトレジストでは、光の吸収が大きくなり、その結果高解像度のパターニングが難しくなるという問題が生じる。したがって、化学増幅型レジストをする必要があるが、化学増幅型レジストは、リソグラフィプロセスにおけるロバスト性に乏しいという欠点がある。
【0023】
したがって、将来の高密度光ディスクのスタンパーを製作するためのメイン技術と考えられているのは、より短波長である電子線により露光する方法である。しかしながら、この方法では電子の散乱により露光感度が著しく低下する。
【0024】
その他、対物レンズの開口数NAを大きくする試みがある。この技術は、従来0.90〜0.95であったNAを、近接場光線(エバネッセント光)を利用することで、見かけ上1.0〜2.0程度に大きくする技術であるが、基板と対物レンズとの距離を数百nm以下、好ましくは数十nm以下まで接近させる必要があるため、基板上に高さを持ったゴミ等が付着していると対物レンズと衝突しフォーカシングエラーを発生させる等の問題がある。以上のように、波長を短くするアプローチ、対物レンズNAを大きくするアプローチ共に課題が多いため、他の手法により微細トラックを形成する手段が要望されていた。
【0025】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、波長やNAの改良ではない新たな手法により、微細なパターンを有する光ディスクを形成可能な光ディスク製造用スタンパーの製造方法、この製造方法により製造された光ディスク製造用スタンパー、及びこのスタンパーを使用した光ディスクの製造方法を提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、基板の表面に、第1のレジスト層を形成する第1の工程、第1のレジスト層の上に第1のレジストより感度の高い第2のレジスト層を、第1のレジスト層の厚さより厚く形成する第2の工程、第2のレジスト層の上から、光を照射してレジストを感光させる第3の工程、感光したレジストを現像する第4の工程、残存するレジストをマスクとして基板をエッチングする第5の工程、エッチングが終了した基板からレジストを除去する第6の工程、レジストを除去した基板を型として電鋳を行い、電鋳品を基板から除去してスタンパーとする第7の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法(請求項1)である。
【0027】
一般に、照射されるレーザービームの強度は、スポットの中心からの距離をxとすると、ガウシアン分布で近似できる。すなわち、
【0028】
【数1】
Figure 2004062981
【0029】
一方、レジストの表面での照射光の強さをIとすると、レジスト深さzの点における照射光の強度は、
【0030】
【数2】
Figure 2004062981
【0031】
となると考えられる。ここでkは吸収係数である。従って、(x,z)における照射光の強度は
【0032】
【数3】
Figure 2004062981
【0033】
となる。照射時間をtとすると、点(x,z)に蓄積される光エネルギーは
【0034】
【数4】
Figure 2004062981
【0035】
となり、ポジ型レジストを例にとると、この値がレジストに特有の閾値を超えた部分が現像により除去されることになる。
【0036】
この性質を利用すると、レジストを厚く塗布することにより、レジスト底部における、最終的に現像されて除去されるレジストの径を、照射光のスポットの径よりも小さくすることができる。しかしながら、(3)式を見ると分かるように、ある程度zの値が大きくなると、I’の減少率が飽和してきて、レジストの厚さ、すなわちzを大きくしてもそれほど現像されて除去されるレジストの径を小さくできなくなってくる。
【0037】
ところで、高い温度でベーキングし、感度を低下させたレジストは、化学反応を起こすために必要なエネルギーが大きくなる。従って、感光領域を伝搬した光路中の光吸収率kは大きくなる傾向にある。また、感度が高いレジストを、(4)式で示した強度分布を有する光線で露光した場合、感度が高いレジストを露光した場合に比して、細い径の感光領域を形成することができる。
【0038】
そこで、感度の低いレジストを使用すれば、厚さを厚くしなくても、現像されて除去されるレジストの径を小さくできる。しかし、I’のzに対する変化率が大きいということは、zの変動に対してI’が大きく変動するということを意味し、レジストの膜厚が目的値から外れた場合、レジストの膜厚の不均一性が大きい場合、レジストの閾値が変化した場合に、現像されて除去されるレジストの径が大きく変動することとなり(ロバスト性が悪い)好ましくない。
【0039】
本手段においては、このような問題を解決する手段として、レジスト層を2層とし、上層に形成されるレジスト層(第2のレジスト層)の感度を、下層に形成されるレジスト層(第1のレジスト層)の感度より大きくし、その代わり、上層に形成されるレジスト層の厚さを、下層に形成されるレジスト層の厚さより厚くしている。
【0040】
すなわち、第2のレジストの表面に照射された照射光は、第2のレジストにより徐々に吸収されながら第1のレジストの表面に到達する。このときの第2のレジストの厚さは、吸収される光量が飽和せず、有効に光量を減衰させることができるような厚さとすればよく、光吸収係数、現像における閾値を勘案して決定することが好ましい。
【0041】
第1のレジスト中に入った光は、急激に減衰する。第1のレジストの厚さは、レジスト厚さの変動や現像における閾値を考慮し、これらが変動しても、現像されて除去される部分の径の変動が目標とされる値以内となるような厚さとすることが好ましい。
【0042】
このような方法により、ポジ型レジストを例にとると、現像により除去される部分の断面図は図1(a)に示すようになる。図1(a)において1は基板、2は第1のレジスト、3は第2のレジストであり、ハッチングを施した部分が除去されずに残っている部分に相当する。
【0043】
露光を行う場合は、図1(b)に示すように、照射光のスポットが重なるようにして露光を行うと、照射光のスポット径より小さいピッチでレジストが除去される部分を形成することができる。図1(b)は、スポット径が2dの照射光をdの間隔で照射し、トラックピッチがdのレジストパターンを形成する様子を示している。
【0044】
この状態で、図1(c)に示すように、レジストをマスクとして基板をエッチングし、エッチングの終了後にレジストを除去することにより、図1(d)に示すような微小な凹凸を基板に形成することができ、原盤4が完成する。その後は、通常行われている電鋳により電鋳品を形成し、電鋳品をスタンパーとする。もちろん、電鋳品そのものは薄いものであるので、これに補強のための裏打ち材を設けてスタンパーとして使用することは従来の方法と変わらない。
【0045】
このように、本手段によれば、光照射スポットより小さな径を有するピットを基板に形成することができるので、光照射スポットの径より小さなトラックピッチ、グルーブ幅、ランド幅を有する光ディスクを製造するためのスタンパーを容易に製作することができる。
【0046】
なお、本手段が有する効果を得るためにはレジスト層を2層にすることで十分である。本手段の技術的思想を利用すれば、レジスト層を3層以上にすることもでき、且つ、本手段の作用効果を有する2層のレジスト層に加えて他の効果を有するレジスト層を付加することもできるが、このようなものが、本手段の均等物であることは言うまでもない。
【0047】
また、本明細書において「電鋳」というのは、明らかに電界メッキのみを意味する場合を除いて、電界メッキのみを意味するものではなく、乾式メッキ(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等)、無電解メッキによる成形を含む広義の概念である。
【0048】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段における第7の工程に変えて、レジストを除去した基板のレプリカを作成し、当該レプリカを型として電鋳を行い、電鋳品を型から外してスタンパーとする第8の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法(請求項2)である。
【0049】
前記第1の手段においては、原盤に直接電鋳を行うことにより電鋳品を得て、これをスタンパーとしていた。しかし、この場合には、原盤のパターンと同じパターンを有する光ディスクがこのスタンパーから形成されることになる。本手段においては、原盤のレプリカを作成し、このレプリカを型として電鋳品を得て、これをスタンパーとしている。よって、原盤のパターンを反転したパターンを有する光ディスクを製造することができる。なお、本明細書における「レプリカ」においては、基となる型と凹凸が同じものではなく、凹凸が反転したものとなっていることは言うまでもない。
【0050】
また、本手段によれば、高価な原盤1枚から、樹脂成形等により安価なレプリカを製造し、このレプリカに電鋳処理を行うことによりスタンパーを得ることができるので、全体としてスタンパーを安価に製造することができる。
【0051】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段における第8の工程に変えて、レジストを除去した基板のレプリカを作成し、さらにレプリカのレプリカをとる工程を1回又は複数回繰り返し、最後に得られたレプリカを型として電鋳を行い、電鋳品を型から外してスタンパーとする第9の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法(請求項3)である。
【0052】
本手段によれば、原盤のレプリカをとる工程を複数回繰り返すので、1枚の原盤から多数のスタンパーを得ることができる。
【0053】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、第2のレジストを第1のレジストよりも低温でベーキングすることにより、第2のレジストの感度を、第1のレジストの感度より高くすることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0054】
レジストの感度は、レジスト塗布後のベーキング温度で左右され、高温でベークすると感度が低下する。よって、本手段によれば、簡単な手法で、第2のレジストの感度を、第1のレジストに対して高くすることができる。
【0055】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、第1のレジストがSi含有型レジストであり、第2のレジストがノボラック樹脂ベースのレジストであって、第1のレジストのベーキング温度が150〜250℃、第2のレジストのベーキング温度が80〜120℃であることを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法(請求項5)である。
【0056】
本手段によれば、第2のレジストの感度を、第1のレジストに対して高くすることができる。
【0057】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第5の手段であって、第1のレジストの厚さが3〜10nm、第2のレジストの厚さが200〜1000nmであることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0058】
本手段によれば、確実に照射される光のスポット径より小さな径のピットを基板に形成することができる。第1のレジストの厚さが3nm未満であると、ピット径を小さくする効果が小さくなるほか、レジスト層の厚さを均一にすることができにくくなる。また、第1のレジストの厚さが10nmを超えると、ピット径が小さくなりすぎ、あるいはピットが形成されなくなる可能性がある。
【0059】
第2のレジストの厚さが200nm未満では、十分にピット径を小さくすることができにくくなる。また、第2のレジストの厚さが1000nmを超えると、ピット径を小さくする効果が飽和し易くなる。以上のことより、本手段においては、各レジスト層の厚さを以上のように限定する。
【0060】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第1の手段から第6の手段のいずれかである光ディスク製造用スタンパーの製造方法により製造された光ディスク製造用スタンパー(請求項7)である。
【0061】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段である光ディスク製造用スタンパーを使用し、当該スタンパーの表面に形成された凹凸を、表面に転写する工程を有することを特徴とする光ディスクの製造方法(請求項8)である。
【0062】
本手段によれば、波長やNAの改良ではない新たな手法により、微細なパターンを有する光ディスクを製造することが可能である。本手段は、前記第7の手段である光ディスク製造用スタンパーを使用する方法の発明である。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を説明する。
[原盤の製造]
まず、基板(substrate)を用意する。一般的に基板は円板状である。基板材料としては主にソーダライムガラス(音板ガラス)、アルミノシリケートガラス(白板ガラス)、無アルカリガラス、低膨張化ガラス、結晶化ガラス等のガラス材料やセラミックス材料等が用いられる。セラミックス材料としては、溶融石英、合成石英等の石英が用いられ、Siでもよい。場合によっては、基板材料はA1、Fe、Cu等の金属でもよい。
【0064】
基板の表面は、高精度な表面精度(平滑面)を得るため精密に研磨される。基板表面に表面層を形成しても良い。表面層の材料としては、SiOのような表面層を形成してもよい。表面層の材料としては、SiOのようなSi酸化物、SiのようなのSi窒化物、TiSi、MoSiのようなSi金属化合物、またはTi,A1,Cu,Cr,Ta,Au,Ag,Pt等の金属、あるいはTiO、TiN、A1、A1N、TaO、Ta、Ta等の金属酸化物や金属窒化物、その他の材料が用いられる。
【0065】
表面層は、基板表面を酸化又は窒化することで形成してもよい。多くの場合、表面層は、薄膜の積層技術(例えば、真空蒸着、スパッタリング)により形成される。その場合に、表面層は、前記材料を2種以上組み合わせて積層した多層構造からできていてもよい。また、表面層は、平滑性を向上させるためにCMP(Chemical Mechanical Polishing)やその他の手法で精密研磨してもよい。
【0066】
次に基板表面にフォトレジストを塗布する。一般には、フォトレジストの塗布の前に、基板にシランカップリング剤のようなプライマー(primer)を塗布する。プライマーは、基板とフォトレジストとの密着性を向上させるものである。しかし、表面層にCr、TiN等が存在する場合、プライマーは必要ないこともある。
【0067】
そして、第1のレジストをスピンコートのような方法で塗布する。この第1のレジストは通常のフォトレジストを使用できるが、Si含有型レジストの方が好ましい。すなわち、Si含有レジストの場合、感度を低くすることができる。また、薄く塗布することが好ましい。膜厚は3〜10nm程度が好ましい。第1レジスト塗布後に、比較的高い温度でプリベークを行う。好ましい温度範囲は、150〜250℃程度である。
【0068】
次に第2のフォトレジストを塗布する。すなわち第2のレジストをスピンコートのような方法で塗布する。この第2のレジストは一般的なノボラック樹脂ベースのフォトレジストが好ましい。これらのレジストにおいては、感度を高いまま維持することが容易である。塗布に際しては、第1のレジストが溶解しない溶媒を用いて塗布することが好ましい。第2レジストは、厚く塗布することが好ましい。膜厚は、200〜1000nm程度が好ましい。第2レジスト塗布後に、比較的低い温度でプリベークを行う。好ましい温度範囲とは80〜100℃程度である。
【0069】
その後、レーザビームレコーダを使って、ピットや溝その他のパターンに沿ってレーザービームをレジストに照射する。これにより第2レジスト及び第1レジストを露光する。
【0070】
次いで、露光したレジストを現像液に浸して現像する。現像液としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ溶液が使用できる。無機アルカリ溶液に代えて有機アルカリ溶液も使用することができる。フォトレジストがポジ型の場合、露光した部分が現像液に溶ける。ネガ型の場合、露光しなかった部分が現像液に溶ける。その後、超純水でレジストを洗浄する。溶けた部分では、下地の基板が露出している。
【0071】
第2レジストは普通に現像され、台形状のプロファイルとなる。第2レジスト表面でのパターン幅に比較し、第1レジストとの境界領域付近での幅は細くなる。第1レジスト膜厚が厚いほど、第1レジストとの境界付近の幅は狭くなる。つまり、第2レジストは露光幅をより狭くするためのマスクの働きをしている。
【0072】
これに対し第2レジスト下部に位置する第1レジストは高温プリベーク処理のため焼き付けられており極端に感度が悪く、なおかつ、現像がなされにくい。つまり、さらにパターン幅を狭くする働きを有する。第1レジストがSi含有型であれば、より低感度にできる。第1レジストは、感度は悪いが、膜厚が薄いので、パターン形成ができないということはない。第1レジストは狭い溝や小さなピットを形成するための超解像的なマスクの役割を果たしている。
【0073】
狭トラックピッチの場合、隣接トラック間隔が小さいため露光干渉、クロストークが発生しやすくなり、微細なパターン形成ができなくなる。しかし、第2レジストが、この露光干渉、露光クロストークのバリヤの役目を果たしている。たとえ第2レジストが全て現像されてしまったとしても、第1レジストによりパターニングがなされる。こうして、表面にレジストのパターンを有する基板が得られる。この基板を、レジスト現像の後、やや高い温度でポストベーク(Post−bake)してもよい。ポストベークにより、形成される溝やピットの側壁角度が急峻になる場合もある。また、レジストのエッチング抵抗性を向上させることができる。更に、ポストベークはレジストと基板との密着性を向上させることもできる。ポストベークは、レジスト表面の硬度を上げる場合もある。
【0074】
次に、この基板においては、このレジストの一部(現像された部分)では基板が露出しているので、この露出部分をエッチングして基板に凹部を設ける。この凹部パターンはレジストのパターンと同じとなる。
【0075】
エッチング方法は湿式(wet process)でもよいが、乾式(dry process)が好ましい。乾式エッチングの中で、とりわけ反応性イオンエッチング(RIE)が有効である。他に、マグネトロンRIE、ECR(電子サイクロトロン・レゾナンス)、ICP(誘導結合型プラズマ)、ヘリコン波等を用いたエッチングも使用可能である。RIEは、通常の低プラズマ密度(1010個/cm程度以下)のプロセスでもよい。しかし、エッチング部分の肌荒れや側壁の肌荒れを低減するには、高プラズマ密度(1011個/cm程度以上)のプロセスが好ましい。後者には、ICP、ヘリコン波を用いるRIEが含まれる。後者はパターンが更に微細になった場合に効果的である。
【0076】
乾式エッチング(dry etching)を使えば、ピットの前端及び後端の側壁角度を急峻にすることができる。そのため、光ディスクの再生信号ジッタ(jitter)が低減される。乾式エッチングであれば、エッチングの後も、凹部の底面や側壁の表面粗さは極めて小さい。乾式エッチングは、急峻な側壁角度を有する凹部を形成することもできる。
【0077】
乾式に限らず、エッチングは、より深い凹部を形成することができる。凹部が深いことや、凹部の側壁角度が急峻なことは、様々な利点を光ディスクにもたらす。利点には、ノイズ低減や隣接トラック間の光学的クロストーク、熱的クロストーク、クロスイレーズ(cross−erase)の低減がある。
【0078】
表面層を有する基板を使用した場合、表面層だけをエッチングしてもよい。この場合には、表面層とその下地である基板との材質が異なれば、エッチング速度も異なるので、基板表面がエッチングストッパとなり、エッチングの終点を揃えることができるという利点がもたらされる。この場合には、表面層の厚さが溝やその他の深さを決定する。エッチングの後、残留したレジストを除去する。
【0079】
レジストの除去は、酸素プラズマによる乾式エッチング(アッシング)で可能である。あるいは、残留したレジストを「濃い酸性溶液(例えば、濃硫酸や濃硝酸)を加熱したもの」の中に浸すことで、除去が可能である。その溶液中に過酸化水素水を添加することは効果的である。こうしてレジストを除去した後、超純水等で基板表面を洗浄する。
【0080】
これにより、ピットや溝などに相当する凹部を有する原盤(セラミックス原盤)が得られる。基板材料は特にセラミックスが好ましい。何故なら、セラミックスは表面(肌)が大変に滑らかであるからである。つまり、セラミックスの表面粗さRaは極めて小さい(Ra≦10nm、場合によりRa≦1nm)。このことは、光ディスクを製造した場合、光ディスクのノイズを低くする。
【0081】
〔第2成形型(マザー)の製造〕
第2成形型(マザー)は次のように作られる。原盤の凹凸面に柔らかい樹脂を押し付け、その後、樹脂を固化(harden)又は硬化(cure)させ、その後原盤から剥がす。これが樹脂製の第2成形型(複製型)となる。第2成形型においては、固化又は硬化した樹脂は、原盤の凹凸を転写している。
【0082】
1つの原盤から第2成形型を製造した後、原盤は繰り返し再使用可能である。一般には10000回以上再使用できる。これは、マザーが樹脂でできているため、剥離時に原盤を損傷すること(特に肌を荒らすこと)がないためと推測される。原盤の肌荒れがないため、1つの原盤から製造される複数の第2成形系型は、全く同一物(クローン)である。そのため、それぞれの第2成形型を使って、それぞれ金属製スタンパー(サン、第3成形型)を製造した場合、得られたスタンパーは互いにクローンになる。
【0083】
高価な原盤に比べれば第2成形型は安価に製造できるので、原盤を繰り返し使用できることの経済的効果は大きい。
【0084】
原盤に押し付ける時の樹脂は、転写性の高い樹脂が好ましい。粘度が低いものや流動性が高いものは転写性が一般に高い。粘度を低くするには、加熱して軟化させる方法がある。この場合は、樹脂を冷やすことにより樹脂を固化することができる。あるいは、樹脂に溶剤を混ぜてもよい。この場合は、溶剤を揮発させれば樹脂は固化する。
【0085】
また、低分子量の樹脂又はプレポリマー(prepo1ymer)又は樹脂原料を使用することもできる。これらの原料は低粘度であり、極端な場合には液状である。これらに溶剤を混ぜてもよい。溶剤を混ぜれば更に低粘度になる。この場合には、原盤の表面でそれらの高分子化(例えば、硬化Cure)を進めれば、固体の樹脂(高分子量の樹脂)が生成する。生成した樹脂はマザーの凹凸を転写している。
【0086】
これらの方法のうちでは、特に、低分子量の樹脂又はプレポリマー又は樹脂原料を使用する方法が好ましい。この方法で高分子化を進める手段は、加熱又は放射線照射である。あるいは、2つの樹脂液を混合し、放置することにより互いに反応させて高分子化する手段もある。放射線としては、イオンビーム、電子線、紫外線、遠紫外線、レーザー光線、X線、シンクロトロン放射線等が挙げられる。なかでも、紫外線を用いるのが一般的である。
【0087】
以上述べた方法について、好ましい方法を説明する。まず原盤を平面性の高い基板で裏打ちする。裏打ちは行わなくてもよい。基板は金属又はガラスである。金属としては、例えば、鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレス、青銅等がある。基板の厚さは1〜20mm程度である。基板は接着剤で原盤に接着する。
【0088】
この原盤を、凹凸面を上に向けて置く。上から低粘度の放射線硬化可能な樹脂液を垂らす。泡が入らないように樹脂液の上に透明板(一般にガラス板)を置く。次に透明板を通じて放射線を照射して樹脂を硬化させる。硬化した樹脂を透明板と共に原盤から剥離する。こうして硬化樹脂と透明板の2層からなる第2成形型が得られる。
【0089】
透明板としてのガラス板の厚さは、0.6mm以上、好ましくは約1.1mm〜約6mmである。ガラス板の表面粗さは、原盤の基板に比べて低くてよい。表面粗さRaは5nm〜1μmでよい。ガラス板に代えて、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル樹脂等の樹脂も使用可能である。ガラス板を使用する場合、予め洗浄を行った後、樹脂との接着性を向上させるプライマーを塗布してもよい。塗布した後、加熱ベークすることが好ましい。プライマーとして、代表的なものはシランカップリング剤である。
【0090】
シランカップリング剤としては、例えばビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等がある。ビニルシランとしてはビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等があり、アクリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等があり、エポキシシランとしてはβ−(3,4エポキジシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン等があり、アミノシランとしてはN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等がある。その他、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等も使用される。
【0091】
その他のプライマーの例は、シラン(例えば、クロロシラン、アルコキシシラン)やシラザンや特殊シリル化剤である。これらのプライマーは2種以上混合して使用してもよい。プライマーは、トルエン、キシレン、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶媒で希釈して使用してもよい。
【0092】
マザーの樹脂としては、例えば、以下のようなものが使用可能である。大別すると熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂がある。
(1)熱可塑性樹脂:
ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン系ポリマーアロイ、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アモルファス・ポリオレフィン、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート系)、ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル、ナイロンなど。
(2)熱硬化性樹脂:
熱硬化性ポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂など。主成分として、ウレタン化ポリ(メタ)アクリレートやポリカーボネートジ(メタ)アクリレート、アセタールグリコールジアクリレートを含む樹脂液を硬化させた樹脂も好ましい。
【0093】
熱硬化性樹脂の場合は、原盤に接触させる時は低分子量の樹脂液が使用される。その樹脂液には、硬化触媒又は硬化剤を含めてもよい。紫外線で硬化させる場合には、硬化触媒として、光増感剤が使用される。光増感剤の代表的なものとしてはアセトフェノン系、ベンゾインアルキルエーテル系、プロピオフェノン系、ケトン系、アントラキノン系、チオキサントン系が挙げられる。複数種を混合して使用してもよい。特にケトン系の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が転写性能、雛型性能、品質安定性の面で有用である。紫外線で硬化する樹脂は特に紫外線硬化型(curab1e)樹脂と呼ばれる。これらの樹脂は第2成形型の材料として好ましい。
【0094】
特に原盤から第2成形型を剥離するとき、原盤に付着しない樹脂が好ましい。また、後に第3成形型を剥離するとき、第3成形型に付着しない樹脂が好ましい。後の電鋳工程やイオンプレーティング工程における静電気対策のために、帯電防止剤を樹脂液に混合してもよい。あるいは、第2成形型が完成した後に、薄い帯電防止層(例えば、Pt層)を形成してもよい。このような対策は、焼け焦げ、変形、剥離、ゴミ付着等の問題を防止する。また、第2成形型の厚さをより均一にする上でも、これらの対策は有効である。剥離された第2成形型には、肌荒れがない。原盤の表面粗さRaが10nm以下の場合、第2成形型の表面粗さRaも10nm以下となる。原盤の表面粗さRaが1nm以下の場合は、第2成形型の表面粗さRaも1nm以下となる。
【0095】
[スタンパー(サン、第3成形型)の製造]
スタンパーは第2成形型を型として電鋳処理により形成される。ただし、第2成形型の上にいきなり導電化処理しメッキするのではなく、その前に、0.1〜2nmのフォトレジストを塗布してもよい。その後で導電化処理し、電鋳処理を行う。こうすると、RaやWaが多少改良される。
【0096】
メッキには乾式と湿式がある。湿式には、無電解メッキと電解メッキがある。乾式は真空薄膜形成技術と呼ばれる。真空薄膜形成技術には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等がある。第1の方法は乾式と無電解メッキを含む。第2の方法は電解メッキである。電鋳処理は第1の方法又は第2の方法により行われる。
【0097】
第2の方法(電解メッキ)は狭義の電鋳(e1ectro−fomimg)とも呼ばれる。電解メッキは短時間で厚いメッキ層を形成することができる。電解メッキを行う場合、原盤が導電性を持たないので、最初に原盤表面に薄い(一般に約50〜100nm)金属層を形成する。金属層は導電層と呼ばれ、この形成を導電化処理と呼ぶ。導電化処理は第1の方法によって行われる。金属はNiが好ましく、それ以外にAu、Pt、Pd、Ag、Ti、Ta、Cr等が用いられる。その他導電率の高い金属やその金属化合物が使用可能である。また、金属にリンを含有させてもよい。
【0098】
金属として、Niを使用する場合、予めNiに近いか又は等しい熱膨張係数を有する他の金属や金属化合物をプライマー層として形成しておいてもよい。そのプライマー層の上に導電層を形成する。第2プライマー層は、電解メッキ時または終了後に「電鋳層が応力で歪む現象」を軽減することができる。この現象は、場合によりピットや溝等の凹部を破壊する。プライマー層は、場合により、スタンパーが完成した後、除去される。
【0099】
その後、導電層が形成された第2成形型は、電解メッキを行うためメッキ浴に浸される。メッキ浴には、多くの場合、スルファミン酸ニッケル溶液が使用される。電解メッキを行うと導電層の上にNiメッキ層が形成される。このNiメッキ層が第3成形型(サン)であり、スタンパーとなる。Niに代えて、他の金属を使用することもできる。あるいは、Niに他の金属例えばTiや元素例えばPを混ぜてもよい。Tiを混ぜれば、比較的強固で耐久性の良好な型が得られる。Pを混ぜれば、表面硬度が高い型を得ることができる。導電層、その上のメッキ層又はその両方をNi−PやTi−P、Ni−Ti−P等の合金で構成すれば、高硬度で高耐久性のサンを得ることが可能である。
【0100】
また、Niメッキ層の単層ではなく、Niメッキ層に加えて他のメッキ層(例えば、銀や銅、クロムのような金属又はそれらの合金)を積層した多層構造でもよい。場合によっては、電解メッキを用いることなしに、第1の方法(乾式又は無電解メッキ法)により、金属製の第3成形型を製造することも可能である。乾式はメッキ液の廃液処理の問題がない。乾式の中でもイオンプレーティングは特に低い表面粗さを有する型を与えることができる。
【0101】
形成されるメッキ層の厚さが約100μmを越えると、第2成形型の凹凸は表面に現れなくなる。即ち、外から見た場合、メッキ層の表面は平になっている。メッキ層の厚さが約200〜約600μm(一般には約250〜約300μm)になったら、メッキを止める。これで第3成形型が完成する。第3成形型は完成した直後は、第2成形型の上に付着しているので、第3成形型を第2成形型から剥がす。第3成形型は薄い金属膜の状態なので、剥がすのに注意を要する。剥がした後、第3成形型表面に汚れが付着している可能性があるので、第3成形型を洗浄する。洗浄には、有機溶剤や超純水を用いた湿式や、アッシング、プラズマ処理、UV照射、オゾン洗浄等の乾式がある。
【0102】
第2成形型は10回以上繰り返し使用可能である。第3成形型の平面性を高めるために、第3成形型の剥離前又は剥離後に、第3成形型の裏面を機械的に研磨する。剥離後に研磨する場合には、第3成形型の凹凸面を保護するため、第2成形型から剥離後、第3成形型の凹凸面に保護コートを施す。保護コートは、剥離可能型の保護塗料を塗布し、乾燥させることによって形成される。
【0103】
次に、第2成形型から剥離され、かつ、研磨された第3成形型の中心付近を機械的に打ち抜く。第3成形型の外径も同様に打ち抜く。これでドーナツ状のスタンパーが仕上がる。
【0104】
本発明の特徴として、剥離後の第3成形型の肌荒れが小さい。そのため、第2成形型の表面粗さRaがで10.nm以下の場合、第3成形型の表面粗さRaも10nm以下となる。第2成形型の表面粗さがRaで1nm以下の場合、第3成形型の表面粗さRaも1nm以下となる。本発明によれば、場合により、Raで0.5nm以下(RMSで0.3nm以下)の表面粗さを有するスタンパーも製造可能である。更に、より良好な条件を選択すれば、Raで0.3nm以下(RMSで0.2nm以下又はO.1nm以下)のスタンパーも製造可能である。
【0105】
第2成形型が原盤のクローンであることから、1つの原盤から製造された第3成形型もクローンである。よって、高価な原盤から多数の安価な第3成形型、すなわちスタンパーが多数製造される。
【0106】
[光ディスクの製造]
このようにして製造されたスタンパーを用いて、スタンパー表面の凹凸を転写する方法で、微細パターンを有する高密度光ディスク基板が製造(成形)される。成形方法には、射出成形、プレス、注型などがある。なかでも、射出成形法が高い生産性を持つ。
【0107】
樹脂基板に使用される樹脂は、一般に熱可塑性樹脂(特に比較的硬い樹脂)である。その例としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン系ポリマーアロイ、アクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート系)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル樹脂、アモルファス・ポリオレフィンなどがある。しかし、場合により熱硬化性樹脂も使用可能である。その例としては、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン、不飽和アクリル樹脂、不飽和ポリエステル、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂などがある。樹脂基板の成形方法は先行技術と同じ出公知であるので、これ以上の説明を省略する。
【0108】
なお、以上の実施の形態においては、原盤製造→第2成形型製造→第3成形型(スタンパー)製造→光ディスク製造の工程に従って光ディスクを製造している。よって、原盤に形成された凹凸パターンとスタンパーの凹凸パターンが同じとなり、その結果、原盤に形成された凹凸パターンと光ディスクの凹凸パターンが逆転する。
【0109】
原盤に形成された凹凸パターンと光ディスクの凹凸パターンとを同じとしたい場合は、原盤を型として電鋳を行って、原盤から直接第3成形型(スタンパー)を得るようにすればよい。しかし、この方法では、1つの原盤から1枚のスタンパーしか得られないことがある。これが不都合な場合には、前述の例において原盤から第2成形方を製造したのと同様な方法(樹脂成形)で、第2成形型から第3成形型を製造し、前述の例に置いて第2成形型から第3成形型を製造したのと同様の方法(電鋳)で、第3成形型から第4成形型を製造し、第4成形型をスタンパーとすれば、1つの原盤から多数のスタンパーを製造することができる。
【0110】
同様にして、第5成形型、第6成形型のように、次々に前の成形型を型としてレプリカをとり、最後に得られたレプリカをスタンパーとして使用するようにしてもよい。しかし、実際には1枚の原盤から10000枚ものスタンパーが得られることから、原盤に形成された凹凸パターンと光ディスクの凹凸パターンとを同じとしたい場合には第3成形型、原盤に形成された凹凸パターンと光ディスクの凹凸パターンとを逆にしたい場合は第4成形型までで十分対応できると思われる。
【0111】
【実施例】
<原盤の製造>
まず、基板材料として合成石英板を1枚用意した。この板を外径185mm、厚み6mmの円板に加工し、基板とした。その後、基板表面を、表面粗さ:Ra:0.5nm以下に精密研磨した。洗浄後、基板表面にプライマーとしてのヘキサメチルジシラザンをスピンコートし、続いてSi系ポリマー含有レジスト(DLR−501:NTTアドバンステクノロジ社製)をスピンコートした。そして、200℃のクリーンオーブン内でプリベークを30分間行った。その結果、厚さ約3nmの第1レジスト層が基板上に形成された。次にこのレジスト基板にノボラック系レジスト(DVR300、日本ゼオン社製)をスピンコートした。そして100℃のホットプレートで10分間プリベークを行った。その結果、厚さ200nmの第2レジスト層が第2レジスト層上に形成された。
【0112】
次にレーザーカッティング装置を用いて、基板上のフォトレジストを露光した。カッティング装置のレーザーはアルゴンイオンレーザーであり波長は351nmである。対物レンズNAはO.90である。
【0113】
露光のパターンは、ウォッブル(wobb1e)ガイド溝パターン、及びTOC(tab1eof contents)パターンとなるプリピット(pre−pits)とした。トラックピッチは、0.30μm、溝幅は0.12μm、溝のウォッブル(wobb1e)振幅は約5〜10nm、TOCパターンにおけるプリピット幅は約0.1μmとした。通常、形成できる最小溝幅は照明光の波長程度であるとされている。しかし、この実施例においては、それより大幅に狭い幅0.12μmの溝を形成することを目的としている。
【0114】
露光を終えた基板上のレジストを、それぞれ無機アルカリ現像液で現像した。レジスト表面をスピン洗浄し、その後、60℃で10分ポストベークした。これによりレジストパターンが形成された。基板を反応性イオンエッチング(RIE)装置内に入れ、ドライエッチングを行った。
【0115】
残ったレジストを除去し、洗浄すると、原盤が得られた。これらの原盤は石英基板に直接にパターンが食刻されたものである。原盤に形成されたパターン(高密度書き換え型DVDフォーマット)は、ピット及び溝深さが約21nmであった。
【0116】
この原盤は、RIEプロセスで製造されたので、溝の側壁、ピットの側壁及びピット前後のエッジがいずれも非常にシャープであった。このことは、光ディスクに次の(a)〜(f)の利点をもたらす。
(a)ウォッブル信号の再生が正確である。
(b)CNRが向上する。
(c)クロスイレーズ及ぴクロストークが低くなる。
(e)書き込み、読み取りの各信号のドロップアウトが非常に少なくなる。
【0117】
また、ピットの底及び側壁の表面粗さ、溝の底及び側壁の表面粗さが非常に小さいために、ノイズが小さくなる。
【0118】
<第2成形型の製造>
紫外線硬化型樹脂液を用意した。この樹脂液は、アセタールグリコールジアクリレートを70部、ウレタンアクリレートを30部、1−ヒドロキシシクロヘキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルカキュアー184:チバ・ガイギー(株)製)を3部混合することで調製された。
【0119】
樹脂液としては、熱や光の吸収特性、雛型性、耐光性、耐久性、硬度を考えると、色数(APHA)が30〜50、屈折率が25℃で1.4〜1.8程度のものが好ましい。本実施例では、剥離性、及び後で電鋳を複数回数行うことを考えて、色数40、屈折率1.47〜1.48の樹脂液を用いた。
【0120】
樹脂液の比重は、25℃で0.8〜1.3程度、粘度は25℃で10〜4800cps程度のものが、転写性の点で好ましい。本実施例では、第2成形型の複製時間の短縮化及び混入する泡の低減を目的として、比重が1.08程度、粘度が4500〜4780cps程度の樹脂液を用いた。粘度は、低分子量の成分を用いることで、より小さくすることが可能である。つまり、ウレタンアクリレートの分子量は、1000〜2000程度と大きいので、別の低分子量の成分を用いれば粘度を低くすることができる。
【0121】
別に、外径200mm、厚み1.1mmの青板ガラス円板を用意した。そして、円板を洗浄し、表面にプライマーであるシランカップリング剤を塗布した。シランカップリング剤は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを溶媒(トルエン)に溶かして、2%程度の溶液としたものである。塗布法はスピンシャワー法である。塗布後、140℃で30分間ベークした。
【0122】
そして、凹凸面を上にした原盤の上に樹脂液を垂らした。上からガラス円板を押し付け、樹脂液を円板と原盤でサンドイッチした。このとき、樹脂液に泡が入らないように注意した。更に青ガラス円板を加圧して粘彫な樹脂液を原盤表面全体に均一に押し拡げた。
【0123】
ガラス円板を通して、樹脂液に水銀ランプからの紫外線を5〜60秒程照射する。これにより樹脂液は硬化し、硬い樹脂層が生成した。ここでは樹脂層とガラス円板の2層構造物が第2成形型である。次に第2成形型を原盤から剥離した。剥離は両者を損傷しないように注意深く実施した。第2成形型の表面粗さRaは1nm以下であった。
【0124】
剥離した後に残された原盤は、損傷していないので繰り返し使用可能である。驚くべきことに、原盤には樹脂が付着しておらず、残存樹脂の除去は不要であった。そこで、再び、そのまま原盤を使用してマザーを製造した。原盤は繰り返し1000回使用した。その結果、1枚の原盤から1000個の第2成形型が製造された。1000回の使用後も、原盤の損傷は認められなかった。よって、原盤は、10000回程度は繰り返し使用が可能であると推定される。第2成形型の製造時間は短く、本実施例においては、5〜10分で1枚が製造された。
【0125】
<スタンパーの製造>
第2成形型をスパッタリング装置にセットし、表面に厚さ約50〜70nmのNi層(導電層)を付着(deposition)させた。これにより導電化処理を終えた。第2成形型の凹凸が深い場合は、RF放電下でスパッタリングすることが好ましい。RF放電下では、原盤の帯電による悪影響(例えばスパッタリング速度ムラ)を受け難くなる。そこで本実施例では、PF放電(電力:400W)下でスパッタリングを実施した。Ni層が厚いと、後でNiメッキ層が剥がれる場合がある。その場合には、Ni層(導電層)の厚さを10nm〜40nm程度に薄くする。
【0126】
次に、第2成形型を、スルファミン酸ニッケルを溶かしたメッキ浴に入れた。浴の温度は約45〜55℃にした。そして、通電することによりNi電解メッキを開始した。開始時は、電流密度を低くし、徐々に電流密度を上げた。電解メッキは、得られたNiメッキ層の厚さが293μmになったときに止めた。
【0127】
主にこのメッキが第3成形型を構成する。第3成形型を第2成形型から剥した。第3成形型の表面粗さRaは1nm以下であった。第3成形型の凹凸面に保護塗料として商品名:クリンコートS(ファインケミカルジャパン社製)をスピンコート法により塗布した。これにより凹凸面は保護コートで覆われた。続いて第3成形型の裏面を研磨した後、その内径と外径を打ち抜いて落とした。こうして、ドーナツ状のスタンパーが仕上がった。各第2成形型からそれぞれスタンパーを製造した。こうして、Niスタンパーが完成した。スタンパーの厚みは293μmであった。スタンパーの表面粗さRa及びうねりWaは1nm以下であった。スタンパーを剥した後の第2成形型は、損傷しておらず、第2成形型は10回以上繰り返し使用可能であった。驚くべきことに、第3成形型には樹脂が付着しておらず、残存樹脂の除去は不要であった。
【0128】
各第2成形型より10枚のスタンパーを複製したので、10000枚のスタンパーが得られた。これらのスタンパーから、100枚のスタンパーを無作為に抽出し、それぞれ順に「専用の再生装置」にセットして、その再生信号をチェックした。信号の種類は、トラッキング信号、ノイズ、ウォブル信号、アドレス信号、欠陥数である。その結果、信号の品質は良好であった。
【0129】
<光ディスクの製造>
射出成形機として、住友重機械工業株式会社製の「SD30」を用意した。光ディスク樹脂基板用の樹脂として、帝人株式会社製のポリカーボネート(商品名「AD5503」)を用意し、上記射出成形機に供給可能にセットした。
【0130】
製造された前記10000枚のスタンパーの中から、無作為に10枚を選びだした。各スタンパーを上記射出成形機にセットした。金型温度を125℃、樹脂温度を340℃、射出圧力を30t、サイクルタイムを12秒とし、この成形条件で樹脂基板を成形した。基板の厚さは0.6mmである。1枚のスタンパーから、2時間で600枚の光ディスク基板が製造された。
【0131】
各スタンパーから成形した樹脂基板の中から任意の10枚を選びだした。この10枚の樹脂基板について、電子顕微鏡(HR−SEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)で溝形状及びピット形状を観察した。その結果、トラックピッチ0.30ミクロン、溝幅0.12ミクロンの溝形成が問題無くできていた。原盤製造の際のカッティングマシンの露光条件を変更し、トラックピッチを小さくしていったところ、トラックピッチ0.20μm、溝幅0.08μmの光ディスクが上記に述べたような方法で形成できることがわかった。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長やNAの改良ではない新たな手法により、微細なパターンを有する光ディスクを形成可能な光ディスク製造用スタンパーの製造方法、この製造方法により製造された光ディスク製造用スタンパー、及びこのスタンパーを使用した光ディスクの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1:基板
2:第1のレジスト
3:第2のレジスト
4:原盤

Claims (8)

  1. 基板の表面に、第1のレジスト層を形成する第1の工程、第1のレジスト層の上に第1のレジストより感度の高い第2のレジスト層を、第1のレジスト層の厚さより厚く形成する第2の工程、第2のレジスト層の上から、光を照射してレジストを感光させる第3の工程、感光したレジストを現像する第4の工程、残存するレジストをマスクとして基板をエッチングする第5の工程、エッチングが終了した基板からレジストを除去する第6の工程、レジストを除去した基板を型として電鋳を行い、電鋳品を基板から除去してスタンパーとする第7の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  2. 請求項1に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法における第7の工程に変えて、レジストを除去した基板のレプリカを作成し、当該レプリカを型として電鋳を行い、電鋳品を型から外してスタンパーとする第8の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  3. 請求項2に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法における第8の工程に変えて、レジストを除去した基板のレプリカを作成し、さらにレプリカのレプリカをとる工程を1回又は複数回繰り返し、最後に得られたレプリカを型として電鋳を行い、電鋳品を型から外してスタンパーとする第9の工程を有することを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法であって、第2のレジストを第1のレジストよりも低温でベーキングすることにより、第2のレジストの感度を、第1のレジストの感度より高くすることを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  5. 請求項4に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法であって、第1のレジストがSi含有型レジストであり、第2のレジストがノボラック樹脂ベースのレジストであって、第1のレジストのベーキング温度が150〜250℃、第2のレジストのベーキング温度が80〜120℃であることを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  6. 請求項5に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法であって、第1のレジストの厚さが3〜10nm、第2のレジストの厚さが200〜1000nmであることを特徴とする光ディスク製造用スタンパーの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の光ディスク製造用スタンパーの製造方法により製造された光ディスク製造用スタンパー。
  8. 請求項7に記載の光ディスク製造用スタンパーを使用し、当該スタンパーの表面に形成された凹凸を、表面に転写する工程を有することを特徴とする光ディスクの製造方法。
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