JP2004061076A - 凝縮器及び車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】凝縮器の凝縮性能を向上させる条件を満たすこと。
【解決手段】蒸発器33と、コンプレッサ31と、受液部32と、冷媒配管34と、凝縮器1とを有する車両用空調装置において、凝縮器1の両側端部に冷媒が通過するヘッダパイプ2、3を配置し、ヘッダパイプ2、3の内、外表面に、突起部21または凹凸部を設け、内、外表面積を拡大させることにより、熱交換量が増大し、凝縮器1の凝縮性能が向上する。また、外表面の突起をラジエータ54側と凝縮器1の両端から前方の間に設けることにより、エンジンルーム51からの高温空気が遮られ、遮風対策品取付費用を削減できる車両用空調装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸発器33と、コンプレッサ31と、受液部32と、冷媒配管34と、凝縮器1とを有する車両用空調装置において、凝縮器1の両側端部に冷媒が通過するヘッダパイプ2、3を配置し、ヘッダパイプ2、3の内、外表面に、突起部21または凹凸部を設け、内、外表面積を拡大させることにより、熱交換量が増大し、凝縮器1の凝縮性能が向上する。また、外表面の突起をラジエータ54側と凝縮器1の両端から前方の間に設けることにより、エンジンルーム51からの高温空気が遮られ、遮風対策品取付費用を削減できる車両用空調装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、凝縮器及び本凝縮器を使用する車両空調装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の車両用空調装置の凝縮器を示す概観斜視図である。図10は、本凝縮器の主要構成部品を示す展開図である。図11は、従来の車両用空調装置の車両への装着状態及び冷却空気の流れを示す概略図である。同図において、凝縮器1は左右一対のヘッダパイプ2,3と、これら一対のヘッダパイプ2,3が相対する片側面に多数のチューブ挿入穴11を穿設し、このチューブ挿入穴11を貫通してヘッダパイプ2,3間に並列して配置され、本一対のヘッダパイプ2,3を接続している断面矩形の多数のチューブ4と、隣り合うチューブ4の間に密着挿入された多数のコルゲートフィン5と、上下最外側に位置するコルゲートフィン5の外側に組付けられた側板6,7と、ヘッダパイプ2の片面に穿設した取付け穴12に貫通して配置した冷媒入り口パイプ8及びヘッダパイプ3の側面に穿設した取付け穴(ヘッダパイプ3の取付け穴は図示省略)に貫通して配置した冷媒出口パイプ9と、ヘッダパイプ2,3の両端部に配置されたキャップ10等によって構成され、これらは全て一体ロウ付けにより組付けられている。
【0003】
冷媒入り口パイプ8からヘッダパイプ2に入った冷媒は、ヘッダパイプ2とヘッダパイプ3を接続する複数の冷媒通路を有する各チューブ4を通ってヘッダパイプ3に入り、これに設置された冷媒出口パイプ9から流出して行く。なお、ヘッダパイプ2、3の途中に仕切板を設け、冷媒入り口パイプ8から流入した冷媒を、各チューブ4を数回蛇行するよう流過させ、冷媒出口パイプ9から流出させるようにしてもよく、この場合、冷媒の入り口パイプ8と出口パイプ9は同じヘッダパイプに設けることもできるし、別のヘッダパイプに設けることもできる。この冷媒は、上記各チューブ4を流過する過程で、コルゲートフィン5の間を通過する冷却空気との間で熱交換される。また、図11において、車両用のエンジン53によって駆動されるコンプレッサ31、凝縮器1、受液部である受液器32、蒸発器33及びこれらを接続する冷媒配管34等にて構成される車両用空調装置では、凝縮器1は車両用のラジエータ54の前方部に配置され、冷却ファン55により強制空気冷却される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記凝縮器1では、凝縮性能を向上させる方法として凝縮器1の外形サイズを大きくすることや、コルゲートフィン5のフィンピッチを小さくしてコルゲートフィン5の表面積を大きくすること等が通常考えられる。
【0005】
しかしながら、図11に示すように、凝縮器1は車両50のエンジンルーム51内に設置されているため、搭載スペースが制約されてその外形サイズをむやみに大きくすることは出来ない。また、コルゲートフィン5のフィンピッチを小さくすると、凝縮器1の空気側圧力損失が大きくなり、冷却ファン55による冷却空気の通過量が減少したり、冷却ファンモータの消費電力がアップしたりする等デメリットが生じる。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、凝縮器の凝縮性能を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、放熱用突起部を設けたことを特徴とする。このように、パイプの表面に放熱用の突起部を設けることで、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量の増大できるから、凝縮性能を向上させることができる。
【0008】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設けたことを特徴とする。このように、パイプの表面に放熱用の突起部を略放射状に設けることで、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量の増大できるから、凝縮性能を向上させることができる。軸方向に放熱用突起を設けているので、押出し成形にてパイプを安価に製作できる。
【0009】
ここで、パイプの横断面での放熱用突起の形状は、略矩形状のみならず、曲線状、波状、台形状、歯車状、L字型、T時型、隣り合う突起同士の隙間が各々の突起の幅より狭い形状を含む。また、前記突起にさらに放熱性を向上するために溝を設け、外表面積を拡大させたものをも含む。また、これらの形状が組み合わされたものでもよい(以下同様)。さらに、略放射状とは、中心から四方八方に広がっていることを含み、周方向の一部区間において突起がない状態も含む。また、1箇所のみ突起している場合をも含む。さらに、中心から取付面に対し、傾斜して取り付けられた状態をも含む。
【0010】
また、この発明に係る凝縮器は、その内部に冷媒が通過する熱交換部分の両側に、当該熱交換部分の内部に連通するパイプをそれぞれ設け、このパイプの外面に、この外面に接合状態となる突起部を連続的または断続的にパイプの略軸方向に複数設けたことを特徴とする。
【0011】
凝縮器において上記熱交換部分は、例えば冷媒が通過するチューブと、当該チューブに密接するコルゲートフィンとから構成されており、パイプ部には熱交換機能を持たせていなかったが、上記構造とすることにより、パイプの外表面積を拡大することで当該パイプ部にも熱交換機能を持たせることができる。したがって、主たる熱交換部分を小さくする又は限られたスペースで熱交換量を大きくできる。
【0012】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、パイプ軸を横切る方向にリング状突起部を設けたことを特徴とする。
【0013】
このように、冷媒が通過するパイプにリング状突起部を設けたので、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、限られたスペースであってもパイプ部での熱交換量を増大できる。
【0014】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設け、このパイプの内表面積を拡大させることを特徴とする。
【0015】
このように、突起部をパイプの内表面に設けたので、外形を変化させずに伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量を増大できる。また、外形を変化させずに熱交換量を増大させることができるので、限られた収納スペースで伝熱効率を改善できる。
【0016】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設け、かつ前記パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設けたことを特徴とする。
【0017】
このように、パイプの内、外表面に突起部または凹凸部を設けたので、パイプの内外表面積をさらに拡大できる。このため、限られた収納スペースで伝熱面積をさらに大きくできるから、限られたスペースでパイプ部における熱交換量を増大できる。
【0018】
また、この発明に係る車両用空調装置は、蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、上記した凝縮器とを有し、更に前記凝縮器のパイプには、前記凝縮器の少なくとも後方外側から前部の間に突起部を設けたことを特徴とする。このように、上記凝縮器を使用することにより前記パイプの内外表面積を拡大できるから、凝縮性能の向上限られた車両内の収納スペースであっても、熱交換量を大きくして高い凝縮性能を得ることができる。
【0019】
また、車両に搭載する凝縮器では、伝熱面積を確保しようとしてコルゲートフィンのピッチを小さくすると、凝縮器の空気側圧力損失が大きくなり、冷却ファンによる冷却空気の通過量が減少したり、冷却ファンモータの消費電力がアップしたりする等のデメリットが生じる。しかしながら、本発明では、凝縮器のパイプの伝熱面積を大きくしているので、コルゲートフィンのピッチを小さくする必要がない。よって、冷却ファンによる冷却空気の通過量、および冷却ファンモータの消費電力は変化しない。
【0020】
また、この発明に係る車両用空調装置は、蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、凝縮器とを有し、上記凝縮器を、車両用のラジエータの前部に設置し、さらに、前記凝縮器のパイプには、前記ラジエータの前部側でかつ前記凝縮器の後方側に突起部を設けたことを特徴とする。
【0021】
凝縮器のパイプに、上記車両用空調装置において、更にラジエータの前部側でかつ前記凝縮器の後方側に突起部を設けたので、パイプの表面積拡大により凝縮性能を向上させると共に、エンジンルームから凝縮器およびラジエータの前部へ流れる高温空気を遮ることができる。これにり、高温空気の吸い込みによるラジエータの凝縮性能低下を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、従来例で述べたものと同一の構成については、説明を省略すると共に、符号を統一して説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。実施の形態1に係る凝縮器のヘッダパイプは、ヘッダパイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を放射状に設けた点に特徴がある。同図において、チューブ挿入穴11が形成されていない範囲のヘッダパイプ2の外表面には、上端から下端にわたり且つ外側に放射するように複数の突起21aが形成されている。そして、ヘッダパイプ2aの内部は、冷媒通路23aとなっている。突起21aの断面は矩形であり、当該複数の突起21aによりヘッダパイプ2の外表面積が拡大されるので、凝縮器の放熱性能が向上する。前記突起21aの材質は、ヘッダパイプ2と同材質もしくは熱伝導率が高いものであることが望ましい。このような材料としては、一般的に熱伝導性の良いとされる金属材料を用いるのが好ましく、特にアルミニウム、アルミニウム合金、銅等が好適である。
【0024】
突起21aは、ヘッダパイプ2の成形用ダイスに突起形状を設けておき、押出し成形時に一体形成する。このようにすれば、ヘッダパイプ2を安価に製作できる。また、突起21aは、ヘッダパイプ2にロウ付け又は溶接等にて取り付けることができる。また、図示しないがチューブ挿入穴11を塞がないようにチューブ挿入穴11同士の間に、突起21aを設けても良い。これにより、更に外表面積を拡大できる。その際、チューブ挿入穴11は機械加工により形成するので、ヘッダパイプ全周に突起21aを形成してから、所定位置に機械加工を施して前記チューブ挿入穴11を設けるようにする。
【0025】
以下に、突起の形状の変形例を示す。図2は、実施の形態1の変形例に係る突起を示す説明図である。同図(a)は、突起形状が台形状である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。このように、突起21の断面形状を台形状とすると、矩形と比較して多少表面積が小さくなるが、その分押出しでの一体成形が容易となる。同図(b)は、突起21の形状が波状である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状を波形状とすると、矩形と比較してコーナー部がなくなるので、その分押出しでの一体成形が容易となる。同図(c)は、突起21の形状がL字形である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状をL字形状とすると、ヘッダパイプ2に図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合には、表面積を大きくとれるので、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0026】
同図(d)は、突起21の形状がT字形である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状をT字形状とすると、ヘッダパイプ2に同図(c)に示したような突起21を取り付けたときの外形寸法が同じ場合には、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上させることができる。同図(e)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状が隣り合う突起21同士の隙間S1が各々の突起21の幅S2より狭い形状とすることで、従来のヘッダパイプ2よりも強度が向上し、更に表面積が大きくとれるので放熱性能を向上させることができる。同図(f)は、突起21に溝24を設けた凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21に溝24を設けることで、表面積がさらに大きくなり、放熱性能も良くなる。なお、この溝24をヘッダパイプ2に設けてもよいし、上記横断面の形状が矩形や台形等の突起にこの溝24を設けてもよい。
【0027】
同図(g)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。このように、前記突起21をヘッダパイプ2の中心から取付面に対し傾斜して取り付けると、ヘッダパイプ2に図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上できる。同図(h)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。このように、前記突起21が曲面を形成していると、図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上できる。また、図示しないが、突起が歯車形状をしていれば、矩形と比較して多少表面積が小さくなるが、その分押出しでの一体成形が容易となる。また、図示しないが、上記形状の2以上を任意に組み合わせれば、放熱効率の改善に更に有効である。
【0028】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。この実施の形態2に係る凝縮器は、ヘッダパイプの外表面に突起部を設けた点で実施の形態1に係る凝縮器と略同様の構成であるが、突起部をヘッダパイプの軸に対して傾斜させて設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0029】
同図において、前記チューブ挿入穴11が形成されていない範囲のヘッダパイプ2の外表面には、複数の突起21bがヘッダパイプ2の軸方向に対して所定角度傾斜して連続的または断続的に設けられている。なお、ヘッダパイプの軸方向に対して傾斜して成形されているので、引抜き成形が困難であり、ロウ付けもしくは溶接にて突起21bを形成するのが好ましい。ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23bとなる。前記ヘッダパイプ2の外表面には突起21bが複数個形成されているので、ヘッダパイプ2の外表面積が拡大し、凝縮器の放熱性能が向上する。前記突起21bの材質はヘッダパイプ2と同材質もしくは伝導率が高いものであることが望ましい。なお、実施の形態1で説明した突起を、実施の形態2に係る突起に適用できることはいうまでもない。
【0030】
(実施の形態3)
図4は、この発明の実施の形態3に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。この実施の形態2に係る凝縮器は、ヘッダパイプの外表面に突起部を設けた点で実施の形態1または2に係る凝縮器と略同様の構成であるが、この突起部がリング状になっている点が異なる。他の構成は実施の形態1または2と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0031】
同図において、凝縮器のヘッダパイプ2の外部片側側面には多数のチューブ挿入穴11が穿設され、隣接するチューブ挿入穴11の各中間部の外表面には、リング状突起21cがヘッダパイプ2に密着して嵌め込まれている。そして、ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23cとなる。前記ヘッダパイプ2の外表面には複数のリング状突起21cが密着して装着されているので、ヘッダパイプ2の外表面積が拡大し、それだけ凝縮器の放熱性能が向上する。
【0032】
前記突起21cの材質はヘッダパイプ2と同材質もしくは伝導率が高いものであることが望ましい。図示しないが、前記リング状突起21cは、円盤形状のものでもよいし、円盤に穴があいた形状であってもよい。また、リング状突起21cでは、プレスで抜き出すときの板材の歩留まりがあまりよくない。また、ヘッダパイプ2にリング状突起21cを挿入するとき、傷が付くことがある。そこで、リング状突起21cを分割してヘッダパイプ2に取り付けると、部材の部留りがよくなり、また、ヘッダパイプ2に挿入するときの傷がつかなくなる。
【0033】
(実施の形態4)
図5は、この発明の実施の形態4に係る凝縮器ヘッダパイプを示す説明図である。この実施の形態4に係る凝縮器は、ヘッダパイプに突起部を設けた点で実施の形態1〜3に係る凝縮器と略同様の構成であるが、ヘッダパイプの内表面に突起部または凹凸部を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1または2と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0034】
同図において、凝縮器のヘッダパイプ2の外部片側側面には多数のチューブ挿入穴11が穿設され、ヘッダパイプ2の内表面には、このヘッダパイプ2の軸方向に放熱用突起22dが設けられ、且つ当該ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23dとなっている。このヘッダパイプ2の内表面には複数の放熱用突起22dが設けられているので、ヘッダパイプ2の内表面積が拡大し、それだけ凝縮器の放熱性能が向上する。
【0035】
突起22dは、ヘッダパイプ2の成形用ダイスに突起形状を設けておき、押出し成形時に一体形成する。このようにすれば、ヘッダパイプ2を安価に製作できる。また、前記放熱用突起22dに加え、ヘッダパイプ2内表面に凹部25を設けるようにしても良い。即ち、ヘッドパイプの基準となる内面に突起22dを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を形成し、これら突起22dと凹部25により内表面積を拡大するようにしても良い。これにより、凝縮器の放熱性能を更に向上させることができる。なお、放熱用突起部もしくは放熱用凹凸部の形状は、略矩形状、台形状、歯車状、波形としてもよい。
【0036】
(実施の形態5)
図6(a)は、この発明の実施の形態5に係る凝縮器のヘッダパイプ2を示す説明図である。この実施の形態5に係る凝縮器は、ヘッダパイプ2に突起部を設けた点で実施の形態1、2または4に係る凝縮器と同様であるが、ヘッダパイプ2の内外表面に同時に突起部22eまたはヘッドパイプの基準となる内面に突起部22eを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1、2または4と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0037】
同図に示すように、ヘッダパイプ2の軸方向に放熱用突起部21eを略放射状に設けると共に、前記ヘッダパイプ2の内表面に当該ヘッダパイプ2の軸方向に向かって放熱用突起22eまたはヘッドパイプの基準となる内面に突起部22eを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を設ける。前記ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23eとなる。前記ヘッダパイプ2の内外表面には複数の突起部22eまたは、かつ凹部25が設けられているので、ヘッダパイプ2の内外表面積が拡大する。これにより、凝縮器の放熱性能が更に向上し、凝縮性能をより向上することができる。また、ヘッダパイプ2の内表面で凹部25が設けられた外表面部分に突起部21eを設けると、ヘッダパイプ2での放熱性に優れた凝縮器を提供できる。ここで、これら突起21e,22e、凹部25を有するヘッダパイプ2は一体押出し成形することにより安価に製作できる。なお、実施の形態2または4で説明した突起を、実施の形態5に係る突起に適用することもできる。また、図6(b)はヘッダパイプの変形例に係る上面図である。これは、ヘッダパイプ自身が波を打ったような形状をしている。このようにすることにより、円筒形のヘッダパイプよりも内外表面積が拡大する。これにより、凝縮器の放熱性能が更に向上し、凝縮性能をより向上することができる。さらに、このヘッダパイプに前記突起部21eを設けることにより、更なる凝縮性能の向上が期待できる。
【0038】
(実施の形態6)
図7(a)は、この発明の実施の形態6に係る車両空調装置を示す説明図である。通常、車両50の前部に装着される車両用空調装置の凝縮器1は、車両50走行風或いは冷却ファンにより車両50前方から導入される外気に晒される。複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2を凝縮器1に組込むことによって、ヘッダパイプ2には積極的な熱交換機能が付与される。この熱交換機能によって冷媒の凝縮が促進されるので、凝縮器1全体の凝縮性能をさらに向上させることができる。この車両用空調装置は、凝縮性能が向上した凝縮器1を採用しているので、従来と比べ、冷却性能が向上する。よって、消費電力が少なくてすみ、車両50の燃費向上に寄与できる。
【0039】
また、凝縮器1を通過して温度が高くなった車外からの空気の全てが、エンジンルーム51から排出される訳ではない。従来の車両においては、図11の点線矢印61で示すように、高温空気の一部が凝縮器1の前方部に逆流して高温空気の再吸い込みが発生する。この高温空気の再吸い込みによる凝縮器1の性能低下を防ぐため、従来の車両においては、凝縮器1にスポンジ等の遮風手段41を取り付ける場合が多い。このため、部品の追加、それらの取付け加工費等によるコストアップが発生する問題があった。
【0040】
図7(b)に示すように、ヘッダパイプ3の外表面において、凝縮器1の後方外側から両端部を経由し前方内側の間(図中Aで示す領域)に放熱用突起21が設けられていれば、本放熱用突起21が放熱手段のみならず遮風板としても機能し、凝縮器1を通過した高温の空気が凝縮器1の前面へ回り込み、再吸込されるのを防止する。ここで、凝縮器1の前方、前面とは、車両50の進行方向、車両50の進行方向に向かっている面を示す。高温空気の回り込み防止としては、放熱用突起21は凝縮器1の両端から車両50の進行方向の間(図中Bで示す領域)に取り付けられるのが好ましい。
【0041】
よって、放熱用突起21付きのヘッダパイプ2及び3を組込み込んだ凝縮器1により、高い熱交換機能により凝縮機能を高めることができると共に、凝縮器1前面への遮風対策部品取付け費用の削減によるコストダウンをも図ることができる。
【0042】
(実施の形態7)
図8は、この発明の実施の形態7に係る車両空調装置を示す説明図である。実施の形態7に係る車両空調装置は、実施の形態1、2、または5の凝縮器1が構成の一部である点で実施の形態6に係る車両空調装置と同様であるが、凝縮器1のヘッダパイプ2において、ラジエータ54の前部側でかつ前記凝縮器1の後方側に突起部21を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態6と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0043】
車両50の前部に装着される車両用空調装置の凝縮器1は、ラジエータ54の前方つまり、車両50の進行方向前側に設置されることが多い。これは、車両用空調装置の冷媒の温度がラジエータ54の冷媒温度よりも低く、限られたスペースで効率よく熱交換を行えるように配置されているためである。この車両用空調装置の凝縮器1は、車両走行風或いは冷却ファンにより車両前方から導入される外気に晒される。複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2を凝縮器1に組込むことによって、ヘッダパイプ2には積極的な熱交換機能が付与される。この熱交換機能によって冷媒の凝縮が促進されるので、凝縮器1全体の凝縮性能をさらに向上させることができる。この車両用空調装置は、凝縮性能が向上した凝縮器1を採用しているので、従来と比べ、冷却性能が向上する。よって、この車両用空調装置は、消費電力が少なくてすみ、車両50の燃費向上に寄与するものとなる。
【0044】
また、凝縮器1及びラジエータ54を通過する過程で、熱交換し温度が高くなった空気の全てがエンジンルーム51から排出されずに、図11の実線矢印62で示すように一部がラジエータ54と凝縮器1の間隙に逆流して高温空気の再吸い込みが発生する。この高温空気の再吸い込みによるラジエータ54の性能低下を防ぐため、凝縮器1またはラジエータ54にスポンジ等の簡単な材料で構成した遮風手段42を取り付ける場合が多い。このため、部品の追加、それらの取付け加工費等によるコストアップが発生する問題があった。
【0045】
そこで、図8に示すように、複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2において、凝縮器1とラジエータ54の間隙に突起21を設置することにより、本突起21が遮風板としても機能して、凝縮器1およびラジエータ54を通過した高温の空気がラジエータ54および凝縮器1の前面へ回り込んで再吸込されるのを防止する。よって、放熱用突起21付きのヘッダパイプ2及び3を組込み込んだ凝縮器1により、効率の良い熱交換を行うことで凝縮能力を向上させると共に、凝縮器1とラジエータ54の間隙への遮風対策部品取付け費用の削減によるコストダウンをも図ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の凝縮器では、パイプの外表面積および/または内表面積の拡大によりパイプに積極的な熱交換機能が付与され、凝縮器全体の凝縮性能が向上する。
【0047】
また、この発明の車両用空調装置では、上記凝縮器による高い凝縮効果を持つ車両用空調装置を提供できると共に、エンジンルームからの高温空気が凝縮器の前部に入るのを防止できるので、凝縮器の性能低下を防止できる。同様に、この発明の車両用空調装置では、エンジンルームからの高温空気がラジエータと凝縮器の前部に入るのを防止できるので、ラジエータの性能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッダパイプの第一実施例の側面形状図および上面図である。
【図2】本発明に係るヘッダパイプの第一実施例の変形例である。
【図3】本発明に係るヘッダパイプの第二実施例の側面形状図および上面図である。
【図4】本発明に係るヘッダパイプの第三実施例の側面形状図および上面図である。
【図5】本発明に係るヘッダパイプの第四実施例の断面形状図である。
【図6】本発明に係るヘッダパイプの第五実施例の断面形状図である。
【図7】本発明に係る凝縮器を使用した車両用空調装置の車両装着状態図である。
【図8】本発明に係る凝縮器を使用した車両用空調装置の車両装着状態図である。
【図9】凝縮器の概観斜視図である。
【図10】図9に示す凝縮器の主要構成部品の展開図である。
【図11】車両用空調装置の車両への装着状態及び冷却空気の流れを示す概略図である。
【符号の説明】
1 凝縮器
2、3 ヘッダパイプ
21 突起部または凹凸部
22 突起部
24 溝
25 凹部
31 コンプレッサ
32 受液部
33 蒸発器
34 冷媒配管
51 エンジンルーム
54 ラジエータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、凝縮器及び本凝縮器を使用する車両空調装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来の車両用空調装置の凝縮器を示す概観斜視図である。図10は、本凝縮器の主要構成部品を示す展開図である。図11は、従来の車両用空調装置の車両への装着状態及び冷却空気の流れを示す概略図である。同図において、凝縮器1は左右一対のヘッダパイプ2,3と、これら一対のヘッダパイプ2,3が相対する片側面に多数のチューブ挿入穴11を穿設し、このチューブ挿入穴11を貫通してヘッダパイプ2,3間に並列して配置され、本一対のヘッダパイプ2,3を接続している断面矩形の多数のチューブ4と、隣り合うチューブ4の間に密着挿入された多数のコルゲートフィン5と、上下最外側に位置するコルゲートフィン5の外側に組付けられた側板6,7と、ヘッダパイプ2の片面に穿設した取付け穴12に貫通して配置した冷媒入り口パイプ8及びヘッダパイプ3の側面に穿設した取付け穴(ヘッダパイプ3の取付け穴は図示省略)に貫通して配置した冷媒出口パイプ9と、ヘッダパイプ2,3の両端部に配置されたキャップ10等によって構成され、これらは全て一体ロウ付けにより組付けられている。
【0003】
冷媒入り口パイプ8からヘッダパイプ2に入った冷媒は、ヘッダパイプ2とヘッダパイプ3を接続する複数の冷媒通路を有する各チューブ4を通ってヘッダパイプ3に入り、これに設置された冷媒出口パイプ9から流出して行く。なお、ヘッダパイプ2、3の途中に仕切板を設け、冷媒入り口パイプ8から流入した冷媒を、各チューブ4を数回蛇行するよう流過させ、冷媒出口パイプ9から流出させるようにしてもよく、この場合、冷媒の入り口パイプ8と出口パイプ9は同じヘッダパイプに設けることもできるし、別のヘッダパイプに設けることもできる。この冷媒は、上記各チューブ4を流過する過程で、コルゲートフィン5の間を通過する冷却空気との間で熱交換される。また、図11において、車両用のエンジン53によって駆動されるコンプレッサ31、凝縮器1、受液部である受液器32、蒸発器33及びこれらを接続する冷媒配管34等にて構成される車両用空調装置では、凝縮器1は車両用のラジエータ54の前方部に配置され、冷却ファン55により強制空気冷却される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記凝縮器1では、凝縮性能を向上させる方法として凝縮器1の外形サイズを大きくすることや、コルゲートフィン5のフィンピッチを小さくしてコルゲートフィン5の表面積を大きくすること等が通常考えられる。
【0005】
しかしながら、図11に示すように、凝縮器1は車両50のエンジンルーム51内に設置されているため、搭載スペースが制約されてその外形サイズをむやみに大きくすることは出来ない。また、コルゲートフィン5のフィンピッチを小さくすると、凝縮器1の空気側圧力損失が大きくなり、冷却ファン55による冷却空気の通過量が減少したり、冷却ファンモータの消費電力がアップしたりする等デメリットが生じる。
【0006】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、凝縮器の凝縮性能を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、放熱用突起部を設けたことを特徴とする。このように、パイプの表面に放熱用の突起部を設けることで、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量の増大できるから、凝縮性能を向上させることができる。
【0008】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設けたことを特徴とする。このように、パイプの表面に放熱用の突起部を略放射状に設けることで、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量の増大できるから、凝縮性能を向上させることができる。軸方向に放熱用突起を設けているので、押出し成形にてパイプを安価に製作できる。
【0009】
ここで、パイプの横断面での放熱用突起の形状は、略矩形状のみならず、曲線状、波状、台形状、歯車状、L字型、T時型、隣り合う突起同士の隙間が各々の突起の幅より狭い形状を含む。また、前記突起にさらに放熱性を向上するために溝を設け、外表面積を拡大させたものをも含む。また、これらの形状が組み合わされたものでもよい(以下同様)。さらに、略放射状とは、中心から四方八方に広がっていることを含み、周方向の一部区間において突起がない状態も含む。また、1箇所のみ突起している場合をも含む。さらに、中心から取付面に対し、傾斜して取り付けられた状態をも含む。
【0010】
また、この発明に係る凝縮器は、その内部に冷媒が通過する熱交換部分の両側に、当該熱交換部分の内部に連通するパイプをそれぞれ設け、このパイプの外面に、この外面に接合状態となる突起部を連続的または断続的にパイプの略軸方向に複数設けたことを特徴とする。
【0011】
凝縮器において上記熱交換部分は、例えば冷媒が通過するチューブと、当該チューブに密接するコルゲートフィンとから構成されており、パイプ部には熱交換機能を持たせていなかったが、上記構造とすることにより、パイプの外表面積を拡大することで当該パイプ部にも熱交換機能を持たせることができる。したがって、主たる熱交換部分を小さくする又は限られたスペースで熱交換量を大きくできる。
【0012】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、パイプ軸を横切る方向にリング状突起部を設けたことを特徴とする。
【0013】
このように、冷媒が通過するパイプにリング状突起部を設けたので、パイプの外表面積が拡大し、限られた収納スペースで伝熱面積を大きくできる。これによって、限られたスペースであってもパイプ部での熱交換量を増大できる。
【0014】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設け、このパイプの内表面積を拡大させることを特徴とする。
【0015】
このように、突起部をパイプの内表面に設けたので、外形を変化させずに伝熱面積を大きくできる。これによって、パイプ部での熱交換量を増大できる。また、外形を変化させずに熱交換量を増大させることができるので、限られた収納スペースで伝熱効率を改善できる。
【0016】
また、この発明に係る凝縮器は、凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設け、かつ前記パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設けたことを特徴とする。
【0017】
このように、パイプの内、外表面に突起部または凹凸部を設けたので、パイプの内外表面積をさらに拡大できる。このため、限られた収納スペースで伝熱面積をさらに大きくできるから、限られたスペースでパイプ部における熱交換量を増大できる。
【0018】
また、この発明に係る車両用空調装置は、蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、上記した凝縮器とを有し、更に前記凝縮器のパイプには、前記凝縮器の少なくとも後方外側から前部の間に突起部を設けたことを特徴とする。このように、上記凝縮器を使用することにより前記パイプの内外表面積を拡大できるから、凝縮性能の向上限られた車両内の収納スペースであっても、熱交換量を大きくして高い凝縮性能を得ることができる。
【0019】
また、車両に搭載する凝縮器では、伝熱面積を確保しようとしてコルゲートフィンのピッチを小さくすると、凝縮器の空気側圧力損失が大きくなり、冷却ファンによる冷却空気の通過量が減少したり、冷却ファンモータの消費電力がアップしたりする等のデメリットが生じる。しかしながら、本発明では、凝縮器のパイプの伝熱面積を大きくしているので、コルゲートフィンのピッチを小さくする必要がない。よって、冷却ファンによる冷却空気の通過量、および冷却ファンモータの消費電力は変化しない。
【0020】
また、この発明に係る車両用空調装置は、蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、凝縮器とを有し、上記凝縮器を、車両用のラジエータの前部に設置し、さらに、前記凝縮器のパイプには、前記ラジエータの前部側でかつ前記凝縮器の後方側に突起部を設けたことを特徴とする。
【0021】
凝縮器のパイプに、上記車両用空調装置において、更にラジエータの前部側でかつ前記凝縮器の後方側に突起部を設けたので、パイプの表面積拡大により凝縮性能を向上させると共に、エンジンルームから凝縮器およびラジエータの前部へ流れる高温空気を遮ることができる。これにり、高温空気の吸い込みによるラジエータの凝縮性能低下を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。さらに、従来例で述べたものと同一の構成については、説明を省略すると共に、符号を統一して説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。実施の形態1に係る凝縮器のヘッダパイプは、ヘッダパイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を放射状に設けた点に特徴がある。同図において、チューブ挿入穴11が形成されていない範囲のヘッダパイプ2の外表面には、上端から下端にわたり且つ外側に放射するように複数の突起21aが形成されている。そして、ヘッダパイプ2aの内部は、冷媒通路23aとなっている。突起21aの断面は矩形であり、当該複数の突起21aによりヘッダパイプ2の外表面積が拡大されるので、凝縮器の放熱性能が向上する。前記突起21aの材質は、ヘッダパイプ2と同材質もしくは熱伝導率が高いものであることが望ましい。このような材料としては、一般的に熱伝導性の良いとされる金属材料を用いるのが好ましく、特にアルミニウム、アルミニウム合金、銅等が好適である。
【0024】
突起21aは、ヘッダパイプ2の成形用ダイスに突起形状を設けておき、押出し成形時に一体形成する。このようにすれば、ヘッダパイプ2を安価に製作できる。また、突起21aは、ヘッダパイプ2にロウ付け又は溶接等にて取り付けることができる。また、図示しないがチューブ挿入穴11を塞がないようにチューブ挿入穴11同士の間に、突起21aを設けても良い。これにより、更に外表面積を拡大できる。その際、チューブ挿入穴11は機械加工により形成するので、ヘッダパイプ全周に突起21aを形成してから、所定位置に機械加工を施して前記チューブ挿入穴11を設けるようにする。
【0025】
以下に、突起の形状の変形例を示す。図2は、実施の形態1の変形例に係る突起を示す説明図である。同図(a)は、突起形状が台形状である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。このように、突起21の断面形状を台形状とすると、矩形と比較して多少表面積が小さくなるが、その分押出しでの一体成形が容易となる。同図(b)は、突起21の形状が波状である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状を波形状とすると、矩形と比較してコーナー部がなくなるので、その分押出しでの一体成形が容易となる。同図(c)は、突起21の形状がL字形である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状をL字形状とすると、ヘッダパイプ2に図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合には、表面積を大きくとれるので、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0026】
同図(d)は、突起21の形状がT字形である凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状をT字形状とすると、ヘッダパイプ2に同図(c)に示したような突起21を取り付けたときの外形寸法が同じ場合には、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上させることができる。同図(e)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。突起21の形状が隣り合う突起21同士の隙間S1が各々の突起21の幅S2より狭い形状とすることで、従来のヘッダパイプ2よりも強度が向上し、更に表面積が大きくとれるので放熱性能を向上させることができる。同図(f)は、突起21に溝24を設けた凝縮器のヘッダパイプ2の上面図である。突起21に溝24を設けることで、表面積がさらに大きくなり、放熱性能も良くなる。なお、この溝24をヘッダパイプ2に設けてもよいし、上記横断面の形状が矩形や台形等の突起にこの溝24を設けてもよい。
【0027】
同図(g)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。このように、前記突起21をヘッダパイプ2の中心から取付面に対し傾斜して取り付けると、ヘッダパイプ2に図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上できる。同図(h)は、別の変形例に係るヘッダパイプ2の上面図である。このように、前記突起21が曲面を形成していると、図1に示したような突起21aを取り付けたときの外形寸法が同じ場合、表面積を大きくとれるので、放熱性能を向上できる。また、図示しないが、突起が歯車形状をしていれば、矩形と比較して多少表面積が小さくなるが、その分押出しでの一体成形が容易となる。また、図示しないが、上記形状の2以上を任意に組み合わせれば、放熱効率の改善に更に有効である。
【0028】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。この実施の形態2に係る凝縮器は、ヘッダパイプの外表面に突起部を設けた点で実施の形態1に係る凝縮器と略同様の構成であるが、突起部をヘッダパイプの軸に対して傾斜させて設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0029】
同図において、前記チューブ挿入穴11が形成されていない範囲のヘッダパイプ2の外表面には、複数の突起21bがヘッダパイプ2の軸方向に対して所定角度傾斜して連続的または断続的に設けられている。なお、ヘッダパイプの軸方向に対して傾斜して成形されているので、引抜き成形が困難であり、ロウ付けもしくは溶接にて突起21bを形成するのが好ましい。ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23bとなる。前記ヘッダパイプ2の外表面には突起21bが複数個形成されているので、ヘッダパイプ2の外表面積が拡大し、凝縮器の放熱性能が向上する。前記突起21bの材質はヘッダパイプ2と同材質もしくは伝導率が高いものであることが望ましい。なお、実施の形態1で説明した突起を、実施の形態2に係る突起に適用できることはいうまでもない。
【0030】
(実施の形態3)
図4は、この発明の実施の形態3に係る凝縮器のヘッダパイプの側面形状図(a)および上面図(b)である。この実施の形態2に係る凝縮器は、ヘッダパイプの外表面に突起部を設けた点で実施の形態1または2に係る凝縮器と略同様の構成であるが、この突起部がリング状になっている点が異なる。他の構成は実施の形態1または2と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0031】
同図において、凝縮器のヘッダパイプ2の外部片側側面には多数のチューブ挿入穴11が穿設され、隣接するチューブ挿入穴11の各中間部の外表面には、リング状突起21cがヘッダパイプ2に密着して嵌め込まれている。そして、ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23cとなる。前記ヘッダパイプ2の外表面には複数のリング状突起21cが密着して装着されているので、ヘッダパイプ2の外表面積が拡大し、それだけ凝縮器の放熱性能が向上する。
【0032】
前記突起21cの材質はヘッダパイプ2と同材質もしくは伝導率が高いものであることが望ましい。図示しないが、前記リング状突起21cは、円盤形状のものでもよいし、円盤に穴があいた形状であってもよい。また、リング状突起21cでは、プレスで抜き出すときの板材の歩留まりがあまりよくない。また、ヘッダパイプ2にリング状突起21cを挿入するとき、傷が付くことがある。そこで、リング状突起21cを分割してヘッダパイプ2に取り付けると、部材の部留りがよくなり、また、ヘッダパイプ2に挿入するときの傷がつかなくなる。
【0033】
(実施の形態4)
図5は、この発明の実施の形態4に係る凝縮器ヘッダパイプを示す説明図である。この実施の形態4に係る凝縮器は、ヘッダパイプに突起部を設けた点で実施の形態1〜3に係る凝縮器と略同様の構成であるが、ヘッダパイプの内表面に突起部または凹凸部を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1または2と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0034】
同図において、凝縮器のヘッダパイプ2の外部片側側面には多数のチューブ挿入穴11が穿設され、ヘッダパイプ2の内表面には、このヘッダパイプ2の軸方向に放熱用突起22dが設けられ、且つ当該ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23dとなっている。このヘッダパイプ2の内表面には複数の放熱用突起22dが設けられているので、ヘッダパイプ2の内表面積が拡大し、それだけ凝縮器の放熱性能が向上する。
【0035】
突起22dは、ヘッダパイプ2の成形用ダイスに突起形状を設けておき、押出し成形時に一体形成する。このようにすれば、ヘッダパイプ2を安価に製作できる。また、前記放熱用突起22dに加え、ヘッダパイプ2内表面に凹部25を設けるようにしても良い。即ち、ヘッドパイプの基準となる内面に突起22dを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を形成し、これら突起22dと凹部25により内表面積を拡大するようにしても良い。これにより、凝縮器の放熱性能を更に向上させることができる。なお、放熱用突起部もしくは放熱用凹凸部の形状は、略矩形状、台形状、歯車状、波形としてもよい。
【0036】
(実施の形態5)
図6(a)は、この発明の実施の形態5に係る凝縮器のヘッダパイプ2を示す説明図である。この実施の形態5に係る凝縮器は、ヘッダパイプ2に突起部を設けた点で実施の形態1、2または4に係る凝縮器と同様であるが、ヘッダパイプ2の内外表面に同時に突起部22eまたはヘッドパイプの基準となる内面に突起部22eを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態1、2または4と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0037】
同図に示すように、ヘッダパイプ2の軸方向に放熱用突起部21eを略放射状に設けると共に、前記ヘッダパイプ2の内表面に当該ヘッダパイプ2の軸方向に向かって放熱用突起22eまたはヘッドパイプの基準となる内面に突起部22eを設けると共にこの基準となる内面に対して凹部25を設ける。前記ヘッダパイプ2の内部は冷媒通路23eとなる。前記ヘッダパイプ2の内外表面には複数の突起部22eまたは、かつ凹部25が設けられているので、ヘッダパイプ2の内外表面積が拡大する。これにより、凝縮器の放熱性能が更に向上し、凝縮性能をより向上することができる。また、ヘッダパイプ2の内表面で凹部25が設けられた外表面部分に突起部21eを設けると、ヘッダパイプ2での放熱性に優れた凝縮器を提供できる。ここで、これら突起21e,22e、凹部25を有するヘッダパイプ2は一体押出し成形することにより安価に製作できる。なお、実施の形態2または4で説明した突起を、実施の形態5に係る突起に適用することもできる。また、図6(b)はヘッダパイプの変形例に係る上面図である。これは、ヘッダパイプ自身が波を打ったような形状をしている。このようにすることにより、円筒形のヘッダパイプよりも内外表面積が拡大する。これにより、凝縮器の放熱性能が更に向上し、凝縮性能をより向上することができる。さらに、このヘッダパイプに前記突起部21eを設けることにより、更なる凝縮性能の向上が期待できる。
【0038】
(実施の形態6)
図7(a)は、この発明の実施の形態6に係る車両空調装置を示す説明図である。通常、車両50の前部に装着される車両用空調装置の凝縮器1は、車両50走行風或いは冷却ファンにより車両50前方から導入される外気に晒される。複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2を凝縮器1に組込むことによって、ヘッダパイプ2には積極的な熱交換機能が付与される。この熱交換機能によって冷媒の凝縮が促進されるので、凝縮器1全体の凝縮性能をさらに向上させることができる。この車両用空調装置は、凝縮性能が向上した凝縮器1を採用しているので、従来と比べ、冷却性能が向上する。よって、消費電力が少なくてすみ、車両50の燃費向上に寄与できる。
【0039】
また、凝縮器1を通過して温度が高くなった車外からの空気の全てが、エンジンルーム51から排出される訳ではない。従来の車両においては、図11の点線矢印61で示すように、高温空気の一部が凝縮器1の前方部に逆流して高温空気の再吸い込みが発生する。この高温空気の再吸い込みによる凝縮器1の性能低下を防ぐため、従来の車両においては、凝縮器1にスポンジ等の遮風手段41を取り付ける場合が多い。このため、部品の追加、それらの取付け加工費等によるコストアップが発生する問題があった。
【0040】
図7(b)に示すように、ヘッダパイプ3の外表面において、凝縮器1の後方外側から両端部を経由し前方内側の間(図中Aで示す領域)に放熱用突起21が設けられていれば、本放熱用突起21が放熱手段のみならず遮風板としても機能し、凝縮器1を通過した高温の空気が凝縮器1の前面へ回り込み、再吸込されるのを防止する。ここで、凝縮器1の前方、前面とは、車両50の進行方向、車両50の進行方向に向かっている面を示す。高温空気の回り込み防止としては、放熱用突起21は凝縮器1の両端から車両50の進行方向の間(図中Bで示す領域)に取り付けられるのが好ましい。
【0041】
よって、放熱用突起21付きのヘッダパイプ2及び3を組込み込んだ凝縮器1により、高い熱交換機能により凝縮機能を高めることができると共に、凝縮器1前面への遮風対策部品取付け費用の削減によるコストダウンをも図ることができる。
【0042】
(実施の形態7)
図8は、この発明の実施の形態7に係る車両空調装置を示す説明図である。実施の形態7に係る車両空調装置は、実施の形態1、2、または5の凝縮器1が構成の一部である点で実施の形態6に係る車両空調装置と同様であるが、凝縮器1のヘッダパイプ2において、ラジエータ54の前部側でかつ前記凝縮器1の後方側に突起部21を設けた点が異なる。他の構成は実施の形態6と同様なので同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0043】
車両50の前部に装着される車両用空調装置の凝縮器1は、ラジエータ54の前方つまり、車両50の進行方向前側に設置されることが多い。これは、車両用空調装置の冷媒の温度がラジエータ54の冷媒温度よりも低く、限られたスペースで効率よく熱交換を行えるように配置されているためである。この車両用空調装置の凝縮器1は、車両走行風或いは冷却ファンにより車両前方から導入される外気に晒される。複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2を凝縮器1に組込むことによって、ヘッダパイプ2には積極的な熱交換機能が付与される。この熱交換機能によって冷媒の凝縮が促進されるので、凝縮器1全体の凝縮性能をさらに向上させることができる。この車両用空調装置は、凝縮性能が向上した凝縮器1を採用しているので、従来と比べ、冷却性能が向上する。よって、この車両用空調装置は、消費電力が少なくてすみ、車両50の燃費向上に寄与するものとなる。
【0044】
また、凝縮器1及びラジエータ54を通過する過程で、熱交換し温度が高くなった空気の全てがエンジンルーム51から排出されずに、図11の実線矢印62で示すように一部がラジエータ54と凝縮器1の間隙に逆流して高温空気の再吸い込みが発生する。この高温空気の再吸い込みによるラジエータ54の性能低下を防ぐため、凝縮器1またはラジエータ54にスポンジ等の簡単な材料で構成した遮風手段42を取り付ける場合が多い。このため、部品の追加、それらの取付け加工費等によるコストアップが発生する問題があった。
【0045】
そこで、図8に示すように、複数の放熱用突起21を装着して外気と熱交換する外表面積を拡大したヘッダパイプ2において、凝縮器1とラジエータ54の間隙に突起21を設置することにより、本突起21が遮風板としても機能して、凝縮器1およびラジエータ54を通過した高温の空気がラジエータ54および凝縮器1の前面へ回り込んで再吸込されるのを防止する。よって、放熱用突起21付きのヘッダパイプ2及び3を組込み込んだ凝縮器1により、効率の良い熱交換を行うことで凝縮能力を向上させると共に、凝縮器1とラジエータ54の間隙への遮風対策部品取付け費用の削減によるコストダウンをも図ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の凝縮器では、パイプの外表面積および/または内表面積の拡大によりパイプに積極的な熱交換機能が付与され、凝縮器全体の凝縮性能が向上する。
【0047】
また、この発明の車両用空調装置では、上記凝縮器による高い凝縮効果を持つ車両用空調装置を提供できると共に、エンジンルームからの高温空気が凝縮器の前部に入るのを防止できるので、凝縮器の性能低下を防止できる。同様に、この発明の車両用空調装置では、エンジンルームからの高温空気がラジエータと凝縮器の前部に入るのを防止できるので、ラジエータの性能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッダパイプの第一実施例の側面形状図および上面図である。
【図2】本発明に係るヘッダパイプの第一実施例の変形例である。
【図3】本発明に係るヘッダパイプの第二実施例の側面形状図および上面図である。
【図4】本発明に係るヘッダパイプの第三実施例の側面形状図および上面図である。
【図5】本発明に係るヘッダパイプの第四実施例の断面形状図である。
【図6】本発明に係るヘッダパイプの第五実施例の断面形状図である。
【図7】本発明に係る凝縮器を使用した車両用空調装置の車両装着状態図である。
【図8】本発明に係る凝縮器を使用した車両用空調装置の車両装着状態図である。
【図9】凝縮器の概観斜視図である。
【図10】図9に示す凝縮器の主要構成部品の展開図である。
【図11】車両用空調装置の車両への装着状態及び冷却空気の流れを示す概略図である。
【符号の説明】
1 凝縮器
2、3 ヘッダパイプ
21 突起部または凹凸部
22 突起部
24 溝
25 凹部
31 コンプレッサ
32 受液部
33 蒸発器
34 冷媒配管
51 エンジンルーム
54 ラジエータ
Claims (8)
- 凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、放熱用突起部を設けたことを特徴とする凝縮器。
- 凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設けたことを特徴とする凝縮器。
- 内部に冷媒が通過する熱交換部分の両側に、当該熱交換部分の内部に連通するパイプをそれぞれ設け、このパイプの外面に、この外面に接合状態となる突起部を連続的または断続的にパイプの略軸方向に複数設けたことを特徴とする凝縮器。
- 凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、パイプ軸を横切る方向にリング状突起部を設けたことを特徴とする凝縮器。
- 凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設けたことを特徴とする凝縮器。
- 凝縮器の両側端部に冷媒が通過するパイプを配置し、パイプの外表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部を略放射状に設け、
かつ前記パイプの内表面に、このパイプの軸方向に放熱用突起部または放熱用凹凸部を設けたことを特徴とする凝縮器。 - 蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、凝縮器とを有する車両用空調装置において、
前記凝縮器は請求項1〜6に記載のいずれか一つに記載の凝縮器であって、さらに、前記凝縮器のパイプには、前記凝縮器の少なくとも後方外側から両端部を経由し前方内側の間に突起部を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 蒸発器と、コンプレッサと、受液部と、冷媒配管と、凝縮器とを有する車両用空調装置において、
請求項7に記載の凝縮器を、車両用のラジエータの前部に設置し、さらに、前記凝縮器のパイプには、前記ラジエータの前部側でかつ前記凝縮器の後方側に突起部を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
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2002
- 2002-07-31 JP JP2002224083A patent/JP2004061076A/ja not_active Withdrawn
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