JP2004059165A - 乗客コンベア及びその制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗客コンベアにおいて、制動装置を小型化する。
【解決手段】乗客コンベアは、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する。この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段4と、負荷を検出する負荷検出手段5と、運転方向により制動力を可変な制動手段1と、この制動手段を制御する制御手段6とを設ける。制御手段は運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて、制動手段の制動力を変化させる。その際、下降運転(DN)時の制動力を上昇運転(UP)時の制動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】乗客コンベアは、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する。この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段4と、負荷を検出する負荷検出手段5と、運転方向により制動力を可変な制動手段1と、この制動手段を制御する制御手段6とを設ける。制御手段は運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて、制動手段の制動力を変化させる。その際、下降運転(DN)時の制動力を上昇運転(UP)時の制動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレーター等の傾斜を有する乗客コンベア及びその制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエスカレータの制御装置の例が、特開平10−81481号公報に記載されている。この公報に記載のエスカレータ装置では、負荷により減速度、制動距離の変化を小さくして安全性を向上させるために、ブレーキを2台に分割して設けている。それとともに、負荷検出器で負荷の大きさを検出し、負荷検出器が検出した負荷の値により2台のブレーキを適宜切換えて制動力の大きさを変えている。
【0003】
なお、ブレーキの緩急の度合いを制動距離よりも減速度で規定する例が、日本建築学会計画系論文集 第499号 第97頁〜103頁(1997年9月)「動く歩道・エスカレーターの非常停止方法に関する研究」に記載されている。この文献においては、高齢者のエスカレータ利用における安全性を向上させるために、従来用いられている減速基準を変えて減速を2段階に分け最初弱く、次いで強く減速することが推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エスカレーターのJIS規格では、乗客負荷率に応じて制動距離を変えているが、負荷率の大きいときに合わせた制動装置を用いると、軽負荷時の減速度が大きくなりすぎるおそれがある。そのため、特開平10−81481号公報では負荷の大きさに応じて使用するブレーキの種類を変え制動力を変化させている。しかしこの公報に記載制動装置では、ブレーキの大きさを多数設定するためには、多くの分岐回路が必要となり各ブレーキを制御する制御装置が複雑化するとともに、制動装置が大型化するおそれがある。また、停電時には選択されなかったブレーキが作動しないようにすることについては充分な配慮がなされていない。つまり、停電時には多大な電力が必要となることについては考慮されていない。
【0005】
また、上記文献においては、エスカレーターの非常停止については考慮されているものの、下降運転と上昇運転との違いや、乗客数の違いによる制動距離や制動時間の変化については充分には考慮されていない。
【0006】
なお、一方向クラッチやバンドブレーキを用いてエスカレータの上昇運転と下降運転とで制動力を変える例もある。この場合においても、制動力の変化は正転と逆転しかないので、下降運転においては停止保持を考慮した強力な制動力を設定せざるを得ず、乗客数が少ないときには急停止するおそれがある。
【0007】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は乗客コンベアにおいて、制動装置を小型化することにある。本発明の他の目的は、制動装置を高性能化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくするものである。
【0009】
そしてこの特徴において、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、一端部が制動手段に接続され他端部が駆動手段に接続されたレバーと、このレバーの中間部に回動可能に固定された固定部と、駆動手段の接続部と固定部との間に取付けられたばね手段とを有することが望ましい。また、ばね手段に対抗する力を付勢可能な他のばね手段をレバーに取付けるようにしてもよい。
【0010】
上記特徴において、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、穴の形成されたレバーと、この穴を貫通して配置され一端部にフランジが形成された中空のスクリューナットと、このスクリューーナットに噛み合い駆動手段からの動力を伝達するスクリュー軸と、前記レバーとスクリューナットのフランジ部間であってスクリューナットの外周に介装されたばね手段とを設け、前記レバーは一端部が制動手段に接続され、穴と制動手段の接続部との間を回動自在に固定してもよく、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、駆動手段は電磁ソレノイドまたはウォームギヤを取付けたサーボモータであってもよい。
【0011】
上記目的を達成するための本発明の他の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力と慣性モーメントを可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記制御手段の下降運転時の慣性モーメントを上昇運転時の慣性モーメントよりも負荷ゼロ近傍において大きくするものである。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくするものである。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさに基づいて、下降運転で大負荷のときから上昇運転で大負荷まで制動力を単調に減少させるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のいくつかの実施例を、エスカレーターに適用する場合を例にとり、図面を用いて説明する。図1は、エスカレーターが有する制動装置の一実施例のブロック図であり、図2は図1に示した制動装置を備えるエスカレータの側面図である。
【0015】
ところで、乗客負荷の増減や運転方向にかかわらず一定の減速度でエスカレーターを停止させるためには、上昇運転で負荷が大きいほど小さな制動力が、下降運転で負荷が大きいほど大きな制動力が必要となる。この要求を満たすためにこれまでは段階的に制動力を変えることが提案されているが、段階的な制御では下降時等に乗客に不安定動作が生じるおそれがあった。本実施例では、この不具合を解消するために、制動力が無段階に変化するようにしている。
【0016】
エスカレーター100では、乗客が乗るステップ7(踏み段)を多数、無端状に形成されたステップ・チェーン8に固定している。このステップ・チェーン8を駆動するために、エスカレーターの上部側端部と下部側端部には、ターミナル・ギヤ9、9が設けられ、ステップ・チェーン8のスプロケットとターミナル・ギヤ9の歯とが噛み合っている。上部側端部のターミナル・ギヤ9が取付けられたターミナル・シャフト14には、ドライブギア10aが取付けられている。ドライブギア10aには、ドライブ・チェーン10が介装されている。ドライブギア10aに介装されたドライブ・チェーン10は、減速機12の出力歯車12aにも改装されている。減速機12が備える入力軸の一端にはモータ等の駆動装置11が接続されており、他端にはブレーキ軸13として作用させるために制動手段1が取付けられている。なお、減速機の高速軸をブレーキ軸に選択すると、ブレーキに要求される制動トルクはせいぜい3000[Nm]程度までであり、ブレーキを小型化できる。
【0017】
このように構成したエスカレーターの制動手段の動作を、図1を用いて説明する。制動手段1は、ステップ・チェーン8の回転方向に応じて出力が変化する異方性のブレーキ1である。ブレーキ1を駆動するブレーキ駆動手段2は、電磁ソレノイドである。ブレーキ駆動手段2の操作量である電磁ソレノイドの変位は、変換機構3によりブレーキに直接作用する作動力に変換されてブレーキ1に伝達される。駆動手段2の操作量を決定するためには、ステップ・チェーン8の回転方向と乗客数の多寡による負荷の状態を知る必要がある。そこで本実施例では、ブレーキ駆動手段2を制御する制御装置6に、負荷検出手段5の検出情報と回転方向検出手段4の情報とを入力している。なお、制動指令信号15は、図示しない外部制御手段から制御装置6に与えられる。
【0018】
制御装置6では、エスカレーターが上昇運転(UP)であれば、−1の符号を付し、下降運転(DN)であれば+1の符号を付す。そして、負荷検出手段5が検出した負荷Lにこの符号を付してブレーキ軸換算の負荷トルクTL(=kL:kは定数)を計算する。つまり、最も単純化した例においては、上昇運転では負荷Lは負の値になり、しかも負荷Lが大きくなればなるほど作動力Qが小さい。一方、下降運転では負荷Lは正の値となり、検出負荷Lが増大すると操作量も大になる。制御手段はこの操作量の指令(REF)を駆動手段に出力する。なお、本実施例では操作量をばねの圧縮長さとしているが、他の手段、例えば電磁ソレノイドの変位量としてもよい。この場合、従来多用されているオン/オフ動作しかできないソレノイドの代わりに比例ソレノイドを用いなければならない。ただし、比例ソレノイドでは装置の小型化が困難になる。
【0019】
本実施例では、作動力を変更して制動力を調節しているが、後述するようにフライホイール等を用いてブレーキの慣性モーメントを変え、制動力を調節してもよい。つまり、本実施例では変換機構3が操作量を作動力に変換していたが、この変換機構3をフライホイールで置き換えれば結果的に制動力を調整できる。その際、負荷ゼロ近傍において上昇運転時の操作量よりも下降運転時の操作量を大きくするために、上昇運転時の慣性モーメントよりも下降運転時の慣性モーメントが大になるように慣性モーメントを付与する。
【0020】
回転方向により異方性のあるブレーキの一実施例を、図3に示す。図3はブレーキの模式図である。ブレーキ軸13には、ディスク13aが取付けられている。このディスク13aの外周部には、バンドブレーキ1aのバンド1bが巻回されている。バンド1bの一端部1cは固定され、他端部16cはレバー16に接続されている。バンド端16cには、作動力が作用している。レバー16の中間部16aは回動自由に固定されており、バンド1bとの接続端16cと反対端部16bには、電磁ソレノイド18が接続されている。レバー16の回動自由な固定部16aと電磁ソレノイド18接続端部16bとの間には、互いに反対方向の力を誘起する制動ばね17と戻しばね19が間隔をおいて接続されている。なお、戻しばね19の縮み量が操作量に相当する。この縮み量を制御手段6が操作可能にして、所望の制御力を得るようにしている。
【0021】
制動力が必要となりブレーキを作動させるときは、電磁ソレノイド18への給電が停止される。すると、制動ばね17の復元力によりレバー16の端部16bが上方に押し上げられる。レバー端部16bが押し上げられると、レバー16の固定部16aを中心に回転し、レバーの端部16cが下方に引かれる。それに伴い、バンド1bも下方に引かれる。この下方に引く力が作動力Qである。バンドブレーキ1aの作動力Qは、レバー16に作用する戻しばね19の長さを変えて調節される。このとき、制動力は作動力Qに比例して変化する。
【0022】
なお、戻しばね19の代わりにレバー端16bと電磁ソレノイド18間に長さ調節機能を有しないばねを挿入するようにしてもよい。また、電磁ソレノイドを比例ソレノイドに代え、比例ソレノイドを位置決めすることにより作動力が変化するようにしてもよい。
【0023】
一方、エスカレーターの通常運転中は電磁ソレノイド18に通電して、バンドブレーキ1aの作動を停止させる。電磁ソレノイド18に通電すると、レバー16の先端部16bが電磁ソレノイド側に引かれ、バンド1bの端部16cを上方に押し上げる。これにより、バンドブレーキ1aが解放される。このように電磁ソレノイド18をON/OFFすることによりブレーキを作動させる。
【0024】
図3に示した実施例の他の実施例を図4に示す。図4は、バンドブレーキ1dの斜視図である。本実施例が上記図3に示した実施例と異なるのは、電磁ソレノイドの代わりに制動用のモータ26を設けたことにある。制動用のモータ26の軸端には、ウォーム・ギヤ30が取付けられている。このウォーム・ギヤ30にウォームホイール30bが噛み合っており、ウォームホイール30bねじりばね21が取付けられている。ねじりばねの他端部は、L型に形成されたレバー20の短辺側に固定されている。L型のレバー20の長辺側端部にはU型の溝が形成されており、この溝にバンド1bの端部に取付けた押さえ具1eの突起が嵌合している。レバー20と押さえ具1eのいずれかに、制動ばね17の一端が固定されている。制動ばね17の他端は、図示しないフレームに固定されている。このとき、作動力は図中矢印で示した方向に作用する。
【0025】
このように構成したブレーキ1dでは、モータ26を回動させると、ウォームホイール30bが回動してねじりばね21は制動ばね17に打ち勝ってレバー20を図中の矢印22の方向に回転させる。そして、バンド1bを図中右手前側に引く作動力を発生する。なお、ねじりばね21はウォームホイール30bの回転角に比例するねじり力を矢印22の方向に発生し、制動力を必要としないときは、このねじりばね21のばね力によりレバー20を矢印22の方向に戻して、バンド1bを解放する。ここで、モータ26の回転量が操作量に相当する。本実施例によれば、戻しばね21のねじれ量を変えることにより、作動力を調節できる。
【0026】
モータ26の回転量は図示しないロータリーエンコーダやポテンショメータを用いて検出する。なお、制動ばね17は、矢印22と逆向きの回転力をレバー20に付勢する。本実施例によれば、戻しばね21を設けているので従来のバンドブレーキ形の制動装置ではできなかった作動力の調節が可能になる。
【0027】
図1に示した実施例に用いる負荷検出装置5の一例を、図5に示す。ドライブ・チェーン10が循環する経路の途中に、負荷検出用のアイドラ・プーリ23を取付け、このアイドラ・プーリ23をばね24で弾性支持している。ドライブ・チェーン10の張力Tcは、負荷に応じて変化する。張力Tcが変化すると、アイドラ・プーリ23に加わる力Fも変化するので、ばね24の変位量を検出してドライブ・チェーン10の張力Tcを求め、負荷の大きさを検出する。なお、ばね24の変位量の代わりにアイドラ・プーリ23の回転軸と第2のアイドラ・プーリ23aの回転軸とを連結するアーム25の回転角θを計測して求めてもよい。ドライブ・チェーン10が切断すると、アイドラ・プーリ23のばね24のばね力が開放されて小さな張力しか検出されない。しかしながら、アームの回転角を検出すれば、ドライブ・チェーン10の破断を確認でき、安全装置として利用できる。
【0028】
図1の実施例に示した運転方向の検出手段4には、エスカレーターの運転開始時に運転方向を選択するスイッチを用いる。このスイッチの切換操作信号を制御装置6内部に取りむ。なお、このスイッチの代わりに一方向クラッチをエスカレーターの運転に連動する回転軸14に取り付け一方向にのみ作用させれば、運転方向を検出したのと同じ作用となる。
【0029】
図1に示した制動手段1の駆動手段2が発生した操作量を作動力に変換する機構3の一実施例を、図6に示す。この変換機構3は、ロータリー・エンコーダが検出した回転角度を用いてフィードバック制御するサーボ・モータ等の回転量を制御可能なモータ26と、スクリュー・ナット機構28を有している。スクリュー・ナット機構28は、外周側にねじ溝が形成されたシャフト28bと、一端側の内周に形成されたねじがシャフト28bの溝と係合するシリンダ27とを有している。なお、スクリュー・ナットのピッチ幅を小さくして、自動ロックさせている。
【0030】
サーボモータ26の軸端には、ピニオン29bが取付けられており、このピニオン29bに噛み合う大歯車29がシャフト28bに取付けられている。シャフト28bの一端部はボール・ジョイント34等により回転自在に図示しないフレームに固定されている。シリンダ27のシャフト28との噛み合い側端部は、レバー16に形成した穴16fからモータ26側に延在している。シリンダ27の他端部にはフランジ27bが形成されており、シリンダ27の外周部に巻回した制動ばね17を保持する。
【0031】
レバー16は、その中間部16aで回動自在に固定されており、モータ26を駆動することにより端部16cに作動力Qが発生する。詳細には、制御装置6がモータ26を駆動すると、大歯車29が回動し、シリンダ27が図6において右方に移動する。シリンダ27が右方に動くと、シリンダ27のフランジ27bとレバー16間に挟まれた制動ばね17が圧縮される。この制動ばね17のばね力が、レバー16の中間部16aを中心にレバー16を左回りに回転させる力が強まる。これにより、作動力Qが変化する。作動力Qの大きさは、制動ばね17の縮み量または伸び量を調節することにより制御される。
【0032】
このようなばねの伸び量または縮み量を調節する方法は、図3、図4に示した制動ばね17や戻しばね19の延び量や縮み量を調節するのにも適用可能である。ただし、制動ばね17は強力であるので、図3に示したように戻しばね19をレバー回転軸16cから離れた位置に設け、制動ばねに比べばね剛性の低い戻しばね19の圧縮長さを調整するほうが実用的である。ねじりばね21を用いる図4に示した実施例のときは、ウォーム・ギヤ30でねじれ角を変えて、レバー20に作用する力の大きさを調節する。なお、電源遮断のときはウォームギヤが自動ロックするので、設定したねじれ角が保持される。これにより、ブレーキは所定の制動力で確実に作動する。なお、運転状況に応じて弱い制動力で停止状態を維持させるために、補助ブレーキを併用してもよい。この補助ブレーキは従来用いられているブレーキであり、ブレーキ軸上に上述した主ブレーキと並列に配置する。主ブレーキを作動させた後、1.5秒程度経過してから補助ブレーキを作動させる。
【0033】
変換機構3の他の例を、図7に示す。この図7では、回転トルクを制御可能なサーボ・モータ31を用い、このサーボ・モータ31の軸に戻しばね21を取付けている。その他は、図4に示したのと同様である。戻しばね21のねじれ角を調整することにより、作動力Qを変えられる。なお、停電等により突然電源供給が絶たれたときは、設定したねじれ角を保持できずに、最大制動トルクで急停止するおそれがある。このような事態を避けるためには、無停電の補助電源を用意する。
【0034】
制御手段6の具体的な制御内容を、以下に説明する。図5に示した負荷検出手段5が、乗客負荷に対応するドライブ・チェーン10の張力を検出する。この張力を、ブレーキ軸13におけるトルクTL[Nm]と慣性モーメントJL[Nms2]に換算する。乗客コンベア自身の走行抵抗による負荷トルクは、予め測定した値Tf[Nm]を用いる。
【0035】
一方、目標とする減速度αから、ブレーキ軸13における角減速度ω’を求める。具体的には、減速度α[m/s2]を設定し、ターミナル・ギヤ9のピッチ円半径DT[m]およびターミナル・シャフト14からブレーキ軸13までの減速比λを用いて、次式で角減速度ω’を求める。
【0036】
ω’=2αλ/DT [rad/s2]
乗客コンベア自体の慣性モーメントJE[Nms2]は予め知られているから、制動時にコンベアとブレーキの慣性モーメントにより発生する負荷トルクTJは、
TJ=(JE+JL)ω’ [Nm]
で表される。目標とする制動トルクT[Nm]は、
T=−TL−Tf+TJ(上昇運転時)[Nm]
T=TL−Tf+TJ(下降運転時)[Nm]
となる。
【0037】
制御手段6は、目標とする制動トルクT[Nm]に対応する作動力Q[N]を発生する操作量を、駆動手段2に指令する。必要な作動力Q[N]が得られたので、図6に示した変換機構を用いた場合には、駆動モータ26に所定の回転数を指令する。これにより、制動ばね17の縮み量が変わり作動力Q[N]が得られる。
【0038】
制動機構1であるバンドブレーキの下降運転時と上昇運転時における制動トルクの比ζは、設計段階では、ζ>1に設定する。この制動トルク比ζは、実用的にはζ=2.0〜3.0程度である。乗客が乗っていないときには、ブレーキ軸トルクTLは、TL=0[Nm]であるから、目標とする制動トルクT[Nm]は、上昇時及び下降時の双方で、T=−Tf+TJ[Nm]となる。制動トルクTを発生する作動力Qは、制動トルク比ζをζ>1に設定したから、上昇運転のときの作動力QUP[N]を用いて下降運転ではQDN=QUP/ζ[N]と表される。したがって上昇運転時の作動力QUP[N]よりも、下降運転時の作動力QDN[N]の方が、負荷が小さい場合でも小さい。なお、上昇運転においては、乗客負荷が大きいほどブレーキの作動力が小さくなり、下降運転ではその逆になる。
【0039】
なお、異方ブレーキを用いないと、制動トルク比ζがζ=1となる。下降運転時の作動力QDNは、QDN=1/ζ=1で表されるから、作動力は下降運転と上昇運転で同じになる。その結果、操作量が増大し、比例式の電磁ソレノイドを制動機構に用いると電磁ソレノイドに要求されるストロークが増大する。本実施例では、このような不具合を回避するために、異方ブレーキを制動機構に用いているので下降運転時の制動機構の作動力を低減でき、電磁ソレノイドに要求されるストロークを短くできる。
【0040】
上記実施例では、上昇運転と下降運転とで制動力を変化させていたが、制動力の代わりに慣性モーメントを変化させてもよい。その場合、ブレーキ軸13に変速機を介してフライホイールを取り付け、ブレーキ軸13の慣性モーメントを調節する。そして下降運転時には、変速機で増速してフライホイールを回す。ブレーキ軸側から見た回転モーメントは、変速比の2乗に比例して増大するから、ブレーキ軸に働く負荷が増大し、結果として制動力が低下する。
【0041】
つまり、図1に示した変換機構3を変速機とフライホイールで構成し、駆動手段2が無断変速機の変速比を調整するようにすると、ブレーキ機構1の作動力を操作して制動力を変化させるのと同じ効果が得られる。無断変速機を用いるとコスト増に繋がるが、異方性ブレーキを用いているので従来使用されているブレーキよりも変速比幅を半減できる。
【0042】
上記各実施例はエスカレーターを例にとり説明したが、傾斜部を有する他の乗客コンベア手段でも上記各実施例を適用できる。また、上記各実施例によれば、幅広く制動力を調整できる制動手段が得られる。さらに、運転方向や乗客負荷の変動、運転速度の変化に対応して緩やかに乗客コンベアを停止できるので、幼児や高齢者やハンディキャップを負った人でも安心して乗客コンベアを利用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、乗客コンベアにおいて上昇運転と下降運転とで制動力を変えるようにしたので、乗客コンベアを高性能化できる。また、乗客コンベアの制動装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗客コンベアの制動装置の一実施例のブロック図。
【図2】本発明に係るエスカレーターの一実施例の模式図。
【図3】図1に示した実施例に用いるバンドブレーキと作動機構の模式図。
【図4】図3に示したバンドブレーキと作動機構の斜視図。
【図5】図1に示した実施例に用いる負荷検出装置の模式図。
【図6】図1に示した実施例に用いる操作量を作動力に変換する機構の部分縦断面図。
【図7】図6に示した操作量を作動力に変換する機構の斜視図。
【符号の説明】
1…制動手段、2…駆動手段、3…変換機構、4…運転方向検出手段、5…負荷検出手段、6…制御手段、7…ステップ(踏段)、8…ステップ・チェーン、9…ターミナル・ギヤ、10…ドライブ・チェーン、11…駆動装置、12…減速機、13…ブレーキ軸、14…ターミナル・シャフト、15…制動司令信号、16…作動レバー、17…制動ばね、18…電磁ソレノイド、19…戻しばね、21…ねじりばね、23…アイドラ・プーリ、26…モータ、29…歯車、30…ウォーム・ギヤ、31…モータ、32…一方向クラッチ、33…フライホイール。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレーター等の傾斜を有する乗客コンベア及びその制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエスカレータの制御装置の例が、特開平10−81481号公報に記載されている。この公報に記載のエスカレータ装置では、負荷により減速度、制動距離の変化を小さくして安全性を向上させるために、ブレーキを2台に分割して設けている。それとともに、負荷検出器で負荷の大きさを検出し、負荷検出器が検出した負荷の値により2台のブレーキを適宜切換えて制動力の大きさを変えている。
【0003】
なお、ブレーキの緩急の度合いを制動距離よりも減速度で規定する例が、日本建築学会計画系論文集 第499号 第97頁〜103頁(1997年9月)「動く歩道・エスカレーターの非常停止方法に関する研究」に記載されている。この文献においては、高齢者のエスカレータ利用における安全性を向上させるために、従来用いられている減速基準を変えて減速を2段階に分け最初弱く、次いで強く減速することが推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エスカレーターのJIS規格では、乗客負荷率に応じて制動距離を変えているが、負荷率の大きいときに合わせた制動装置を用いると、軽負荷時の減速度が大きくなりすぎるおそれがある。そのため、特開平10−81481号公報では負荷の大きさに応じて使用するブレーキの種類を変え制動力を変化させている。しかしこの公報に記載制動装置では、ブレーキの大きさを多数設定するためには、多くの分岐回路が必要となり各ブレーキを制御する制御装置が複雑化するとともに、制動装置が大型化するおそれがある。また、停電時には選択されなかったブレーキが作動しないようにすることについては充分な配慮がなされていない。つまり、停電時には多大な電力が必要となることについては考慮されていない。
【0005】
また、上記文献においては、エスカレーターの非常停止については考慮されているものの、下降運転と上昇運転との違いや、乗客数の違いによる制動距離や制動時間の変化については充分には考慮されていない。
【0006】
なお、一方向クラッチやバンドブレーキを用いてエスカレータの上昇運転と下降運転とで制動力を変える例もある。この場合においても、制動力の変化は正転と逆転しかないので、下降運転においては停止保持を考慮した強力な制動力を設定せざるを得ず、乗客数が少ないときには急停止するおそれがある。
【0007】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は乗客コンベアにおいて、制動装置を小型化することにある。本発明の他の目的は、制動装置を高性能化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくするものである。
【0009】
そしてこの特徴において、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、一端部が制動手段に接続され他端部が駆動手段に接続されたレバーと、このレバーの中間部に回動可能に固定された固定部と、駆動手段の接続部と固定部との間に取付けられたばね手段とを有することが望ましい。また、ばね手段に対抗する力を付勢可能な他のばね手段をレバーに取付けるようにしてもよい。
【0010】
上記特徴において、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、穴の形成されたレバーと、この穴を貫通して配置され一端部にフランジが形成された中空のスクリューナットと、このスクリューーナットに噛み合い駆動手段からの動力を伝達するスクリュー軸と、前記レバーとスクリューナットのフランジ部間であってスクリューナットの外周に介装されたばね手段とを設け、前記レバーは一端部が制動手段に接続され、穴と制動手段の接続部との間を回動自在に固定してもよく、制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、駆動手段は電磁ソレノイドまたはウォームギヤを取付けたサーボモータであってもよい。
【0011】
上記目的を達成するための本発明の他の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力と慣性モーメントを可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記制御手段の下降運転時の慣性モーメントを上昇運転時の慣性モーメントよりも負荷ゼロ近傍において大きくするものである。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくするものである。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と負荷検出手段が検出した負荷の大きさに基づいて、下降運転で大負荷のときから上昇運転で大負荷まで制動力を単調に減少させるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のいくつかの実施例を、エスカレーターに適用する場合を例にとり、図面を用いて説明する。図1は、エスカレーターが有する制動装置の一実施例のブロック図であり、図2は図1に示した制動装置を備えるエスカレータの側面図である。
【0015】
ところで、乗客負荷の増減や運転方向にかかわらず一定の減速度でエスカレーターを停止させるためには、上昇運転で負荷が大きいほど小さな制動力が、下降運転で負荷が大きいほど大きな制動力が必要となる。この要求を満たすためにこれまでは段階的に制動力を変えることが提案されているが、段階的な制御では下降時等に乗客に不安定動作が生じるおそれがあった。本実施例では、この不具合を解消するために、制動力が無段階に変化するようにしている。
【0016】
エスカレーター100では、乗客が乗るステップ7(踏み段)を多数、無端状に形成されたステップ・チェーン8に固定している。このステップ・チェーン8を駆動するために、エスカレーターの上部側端部と下部側端部には、ターミナル・ギヤ9、9が設けられ、ステップ・チェーン8のスプロケットとターミナル・ギヤ9の歯とが噛み合っている。上部側端部のターミナル・ギヤ9が取付けられたターミナル・シャフト14には、ドライブギア10aが取付けられている。ドライブギア10aには、ドライブ・チェーン10が介装されている。ドライブギア10aに介装されたドライブ・チェーン10は、減速機12の出力歯車12aにも改装されている。減速機12が備える入力軸の一端にはモータ等の駆動装置11が接続されており、他端にはブレーキ軸13として作用させるために制動手段1が取付けられている。なお、減速機の高速軸をブレーキ軸に選択すると、ブレーキに要求される制動トルクはせいぜい3000[Nm]程度までであり、ブレーキを小型化できる。
【0017】
このように構成したエスカレーターの制動手段の動作を、図1を用いて説明する。制動手段1は、ステップ・チェーン8の回転方向に応じて出力が変化する異方性のブレーキ1である。ブレーキ1を駆動するブレーキ駆動手段2は、電磁ソレノイドである。ブレーキ駆動手段2の操作量である電磁ソレノイドの変位は、変換機構3によりブレーキに直接作用する作動力に変換されてブレーキ1に伝達される。駆動手段2の操作量を決定するためには、ステップ・チェーン8の回転方向と乗客数の多寡による負荷の状態を知る必要がある。そこで本実施例では、ブレーキ駆動手段2を制御する制御装置6に、負荷検出手段5の検出情報と回転方向検出手段4の情報とを入力している。なお、制動指令信号15は、図示しない外部制御手段から制御装置6に与えられる。
【0018】
制御装置6では、エスカレーターが上昇運転(UP)であれば、−1の符号を付し、下降運転(DN)であれば+1の符号を付す。そして、負荷検出手段5が検出した負荷Lにこの符号を付してブレーキ軸換算の負荷トルクTL(=kL:kは定数)を計算する。つまり、最も単純化した例においては、上昇運転では負荷Lは負の値になり、しかも負荷Lが大きくなればなるほど作動力Qが小さい。一方、下降運転では負荷Lは正の値となり、検出負荷Lが増大すると操作量も大になる。制御手段はこの操作量の指令(REF)を駆動手段に出力する。なお、本実施例では操作量をばねの圧縮長さとしているが、他の手段、例えば電磁ソレノイドの変位量としてもよい。この場合、従来多用されているオン/オフ動作しかできないソレノイドの代わりに比例ソレノイドを用いなければならない。ただし、比例ソレノイドでは装置の小型化が困難になる。
【0019】
本実施例では、作動力を変更して制動力を調節しているが、後述するようにフライホイール等を用いてブレーキの慣性モーメントを変え、制動力を調節してもよい。つまり、本実施例では変換機構3が操作量を作動力に変換していたが、この変換機構3をフライホイールで置き換えれば結果的に制動力を調整できる。その際、負荷ゼロ近傍において上昇運転時の操作量よりも下降運転時の操作量を大きくするために、上昇運転時の慣性モーメントよりも下降運転時の慣性モーメントが大になるように慣性モーメントを付与する。
【0020】
回転方向により異方性のあるブレーキの一実施例を、図3に示す。図3はブレーキの模式図である。ブレーキ軸13には、ディスク13aが取付けられている。このディスク13aの外周部には、バンドブレーキ1aのバンド1bが巻回されている。バンド1bの一端部1cは固定され、他端部16cはレバー16に接続されている。バンド端16cには、作動力が作用している。レバー16の中間部16aは回動自由に固定されており、バンド1bとの接続端16cと反対端部16bには、電磁ソレノイド18が接続されている。レバー16の回動自由な固定部16aと電磁ソレノイド18接続端部16bとの間には、互いに反対方向の力を誘起する制動ばね17と戻しばね19が間隔をおいて接続されている。なお、戻しばね19の縮み量が操作量に相当する。この縮み量を制御手段6が操作可能にして、所望の制御力を得るようにしている。
【0021】
制動力が必要となりブレーキを作動させるときは、電磁ソレノイド18への給電が停止される。すると、制動ばね17の復元力によりレバー16の端部16bが上方に押し上げられる。レバー端部16bが押し上げられると、レバー16の固定部16aを中心に回転し、レバーの端部16cが下方に引かれる。それに伴い、バンド1bも下方に引かれる。この下方に引く力が作動力Qである。バンドブレーキ1aの作動力Qは、レバー16に作用する戻しばね19の長さを変えて調節される。このとき、制動力は作動力Qに比例して変化する。
【0022】
なお、戻しばね19の代わりにレバー端16bと電磁ソレノイド18間に長さ調節機能を有しないばねを挿入するようにしてもよい。また、電磁ソレノイドを比例ソレノイドに代え、比例ソレノイドを位置決めすることにより作動力が変化するようにしてもよい。
【0023】
一方、エスカレーターの通常運転中は電磁ソレノイド18に通電して、バンドブレーキ1aの作動を停止させる。電磁ソレノイド18に通電すると、レバー16の先端部16bが電磁ソレノイド側に引かれ、バンド1bの端部16cを上方に押し上げる。これにより、バンドブレーキ1aが解放される。このように電磁ソレノイド18をON/OFFすることによりブレーキを作動させる。
【0024】
図3に示した実施例の他の実施例を図4に示す。図4は、バンドブレーキ1dの斜視図である。本実施例が上記図3に示した実施例と異なるのは、電磁ソレノイドの代わりに制動用のモータ26を設けたことにある。制動用のモータ26の軸端には、ウォーム・ギヤ30が取付けられている。このウォーム・ギヤ30にウォームホイール30bが噛み合っており、ウォームホイール30bねじりばね21が取付けられている。ねじりばねの他端部は、L型に形成されたレバー20の短辺側に固定されている。L型のレバー20の長辺側端部にはU型の溝が形成されており、この溝にバンド1bの端部に取付けた押さえ具1eの突起が嵌合している。レバー20と押さえ具1eのいずれかに、制動ばね17の一端が固定されている。制動ばね17の他端は、図示しないフレームに固定されている。このとき、作動力は図中矢印で示した方向に作用する。
【0025】
このように構成したブレーキ1dでは、モータ26を回動させると、ウォームホイール30bが回動してねじりばね21は制動ばね17に打ち勝ってレバー20を図中の矢印22の方向に回転させる。そして、バンド1bを図中右手前側に引く作動力を発生する。なお、ねじりばね21はウォームホイール30bの回転角に比例するねじり力を矢印22の方向に発生し、制動力を必要としないときは、このねじりばね21のばね力によりレバー20を矢印22の方向に戻して、バンド1bを解放する。ここで、モータ26の回転量が操作量に相当する。本実施例によれば、戻しばね21のねじれ量を変えることにより、作動力を調節できる。
【0026】
モータ26の回転量は図示しないロータリーエンコーダやポテンショメータを用いて検出する。なお、制動ばね17は、矢印22と逆向きの回転力をレバー20に付勢する。本実施例によれば、戻しばね21を設けているので従来のバンドブレーキ形の制動装置ではできなかった作動力の調節が可能になる。
【0027】
図1に示した実施例に用いる負荷検出装置5の一例を、図5に示す。ドライブ・チェーン10が循環する経路の途中に、負荷検出用のアイドラ・プーリ23を取付け、このアイドラ・プーリ23をばね24で弾性支持している。ドライブ・チェーン10の張力Tcは、負荷に応じて変化する。張力Tcが変化すると、アイドラ・プーリ23に加わる力Fも変化するので、ばね24の変位量を検出してドライブ・チェーン10の張力Tcを求め、負荷の大きさを検出する。なお、ばね24の変位量の代わりにアイドラ・プーリ23の回転軸と第2のアイドラ・プーリ23aの回転軸とを連結するアーム25の回転角θを計測して求めてもよい。ドライブ・チェーン10が切断すると、アイドラ・プーリ23のばね24のばね力が開放されて小さな張力しか検出されない。しかしながら、アームの回転角を検出すれば、ドライブ・チェーン10の破断を確認でき、安全装置として利用できる。
【0028】
図1の実施例に示した運転方向の検出手段4には、エスカレーターの運転開始時に運転方向を選択するスイッチを用いる。このスイッチの切換操作信号を制御装置6内部に取りむ。なお、このスイッチの代わりに一方向クラッチをエスカレーターの運転に連動する回転軸14に取り付け一方向にのみ作用させれば、運転方向を検出したのと同じ作用となる。
【0029】
図1に示した制動手段1の駆動手段2が発生した操作量を作動力に変換する機構3の一実施例を、図6に示す。この変換機構3は、ロータリー・エンコーダが検出した回転角度を用いてフィードバック制御するサーボ・モータ等の回転量を制御可能なモータ26と、スクリュー・ナット機構28を有している。スクリュー・ナット機構28は、外周側にねじ溝が形成されたシャフト28bと、一端側の内周に形成されたねじがシャフト28bの溝と係合するシリンダ27とを有している。なお、スクリュー・ナットのピッチ幅を小さくして、自動ロックさせている。
【0030】
サーボモータ26の軸端には、ピニオン29bが取付けられており、このピニオン29bに噛み合う大歯車29がシャフト28bに取付けられている。シャフト28bの一端部はボール・ジョイント34等により回転自在に図示しないフレームに固定されている。シリンダ27のシャフト28との噛み合い側端部は、レバー16に形成した穴16fからモータ26側に延在している。シリンダ27の他端部にはフランジ27bが形成されており、シリンダ27の外周部に巻回した制動ばね17を保持する。
【0031】
レバー16は、その中間部16aで回動自在に固定されており、モータ26を駆動することにより端部16cに作動力Qが発生する。詳細には、制御装置6がモータ26を駆動すると、大歯車29が回動し、シリンダ27が図6において右方に移動する。シリンダ27が右方に動くと、シリンダ27のフランジ27bとレバー16間に挟まれた制動ばね17が圧縮される。この制動ばね17のばね力が、レバー16の中間部16aを中心にレバー16を左回りに回転させる力が強まる。これにより、作動力Qが変化する。作動力Qの大きさは、制動ばね17の縮み量または伸び量を調節することにより制御される。
【0032】
このようなばねの伸び量または縮み量を調節する方法は、図3、図4に示した制動ばね17や戻しばね19の延び量や縮み量を調節するのにも適用可能である。ただし、制動ばね17は強力であるので、図3に示したように戻しばね19をレバー回転軸16cから離れた位置に設け、制動ばねに比べばね剛性の低い戻しばね19の圧縮長さを調整するほうが実用的である。ねじりばね21を用いる図4に示した実施例のときは、ウォーム・ギヤ30でねじれ角を変えて、レバー20に作用する力の大きさを調節する。なお、電源遮断のときはウォームギヤが自動ロックするので、設定したねじれ角が保持される。これにより、ブレーキは所定の制動力で確実に作動する。なお、運転状況に応じて弱い制動力で停止状態を維持させるために、補助ブレーキを併用してもよい。この補助ブレーキは従来用いられているブレーキであり、ブレーキ軸上に上述した主ブレーキと並列に配置する。主ブレーキを作動させた後、1.5秒程度経過してから補助ブレーキを作動させる。
【0033】
変換機構3の他の例を、図7に示す。この図7では、回転トルクを制御可能なサーボ・モータ31を用い、このサーボ・モータ31の軸に戻しばね21を取付けている。その他は、図4に示したのと同様である。戻しばね21のねじれ角を調整することにより、作動力Qを変えられる。なお、停電等により突然電源供給が絶たれたときは、設定したねじれ角を保持できずに、最大制動トルクで急停止するおそれがある。このような事態を避けるためには、無停電の補助電源を用意する。
【0034】
制御手段6の具体的な制御内容を、以下に説明する。図5に示した負荷検出手段5が、乗客負荷に対応するドライブ・チェーン10の張力を検出する。この張力を、ブレーキ軸13におけるトルクTL[Nm]と慣性モーメントJL[Nms2]に換算する。乗客コンベア自身の走行抵抗による負荷トルクは、予め測定した値Tf[Nm]を用いる。
【0035】
一方、目標とする減速度αから、ブレーキ軸13における角減速度ω’を求める。具体的には、減速度α[m/s2]を設定し、ターミナル・ギヤ9のピッチ円半径DT[m]およびターミナル・シャフト14からブレーキ軸13までの減速比λを用いて、次式で角減速度ω’を求める。
【0036】
ω’=2αλ/DT [rad/s2]
乗客コンベア自体の慣性モーメントJE[Nms2]は予め知られているから、制動時にコンベアとブレーキの慣性モーメントにより発生する負荷トルクTJは、
TJ=(JE+JL)ω’ [Nm]
で表される。目標とする制動トルクT[Nm]は、
T=−TL−Tf+TJ(上昇運転時)[Nm]
T=TL−Tf+TJ(下降運転時)[Nm]
となる。
【0037】
制御手段6は、目標とする制動トルクT[Nm]に対応する作動力Q[N]を発生する操作量を、駆動手段2に指令する。必要な作動力Q[N]が得られたので、図6に示した変換機構を用いた場合には、駆動モータ26に所定の回転数を指令する。これにより、制動ばね17の縮み量が変わり作動力Q[N]が得られる。
【0038】
制動機構1であるバンドブレーキの下降運転時と上昇運転時における制動トルクの比ζは、設計段階では、ζ>1に設定する。この制動トルク比ζは、実用的にはζ=2.0〜3.0程度である。乗客が乗っていないときには、ブレーキ軸トルクTLは、TL=0[Nm]であるから、目標とする制動トルクT[Nm]は、上昇時及び下降時の双方で、T=−Tf+TJ[Nm]となる。制動トルクTを発生する作動力Qは、制動トルク比ζをζ>1に設定したから、上昇運転のときの作動力QUP[N]を用いて下降運転ではQDN=QUP/ζ[N]と表される。したがって上昇運転時の作動力QUP[N]よりも、下降運転時の作動力QDN[N]の方が、負荷が小さい場合でも小さい。なお、上昇運転においては、乗客負荷が大きいほどブレーキの作動力が小さくなり、下降運転ではその逆になる。
【0039】
なお、異方ブレーキを用いないと、制動トルク比ζがζ=1となる。下降運転時の作動力QDNは、QDN=1/ζ=1で表されるから、作動力は下降運転と上昇運転で同じになる。その結果、操作量が増大し、比例式の電磁ソレノイドを制動機構に用いると電磁ソレノイドに要求されるストロークが増大する。本実施例では、このような不具合を回避するために、異方ブレーキを制動機構に用いているので下降運転時の制動機構の作動力を低減でき、電磁ソレノイドに要求されるストロークを短くできる。
【0040】
上記実施例では、上昇運転と下降運転とで制動力を変化させていたが、制動力の代わりに慣性モーメントを変化させてもよい。その場合、ブレーキ軸13に変速機を介してフライホイールを取り付け、ブレーキ軸13の慣性モーメントを調節する。そして下降運転時には、変速機で増速してフライホイールを回す。ブレーキ軸側から見た回転モーメントは、変速比の2乗に比例して増大するから、ブレーキ軸に働く負荷が増大し、結果として制動力が低下する。
【0041】
つまり、図1に示した変換機構3を変速機とフライホイールで構成し、駆動手段2が無断変速機の変速比を調整するようにすると、ブレーキ機構1の作動力を操作して制動力を変化させるのと同じ効果が得られる。無断変速機を用いるとコスト増に繋がるが、異方性ブレーキを用いているので従来使用されているブレーキよりも変速比幅を半減できる。
【0042】
上記各実施例はエスカレーターを例にとり説明したが、傾斜部を有する他の乗客コンベア手段でも上記各実施例を適用できる。また、上記各実施例によれば、幅広く制動力を調整できる制動手段が得られる。さらに、運転方向や乗客負荷の変動、運転速度の変化に対応して緩やかに乗客コンベアを停止できるので、幼児や高齢者やハンディキャップを負った人でも安心して乗客コンベアを利用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、乗客コンベアにおいて上昇運転と下降運転とで制動力を変えるようにしたので、乗客コンベアを高性能化できる。また、乗客コンベアの制動装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗客コンベアの制動装置の一実施例のブロック図。
【図2】本発明に係るエスカレーターの一実施例の模式図。
【図3】図1に示した実施例に用いるバンドブレーキと作動機構の模式図。
【図4】図3に示したバンドブレーキと作動機構の斜視図。
【図5】図1に示した実施例に用いる負荷検出装置の模式図。
【図6】図1に示した実施例に用いる操作量を作動力に変換する機構の部分縦断面図。
【図7】図6に示した操作量を作動力に変換する機構の斜視図。
【符号の説明】
1…制動手段、2…駆動手段、3…変換機構、4…運転方向検出手段、5…負荷検出手段、6…制御手段、7…ステップ(踏段)、8…ステップ・チェーン、9…ターミナル・ギヤ、10…ドライブ・チェーン、11…駆動装置、12…減速機、13…ブレーキ軸、14…ターミナル・シャフト、15…制動司令信号、16…作動レバー、17…制動ばね、18…電磁ソレノイド、19…戻しばね、21…ねじりばね、23…アイドラ・プーリ、26…モータ、29…歯車、30…ウォーム・ギヤ、31…モータ、32…一方向クラッチ、33…フライホイール。
Claims (8)
- 無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と前記負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて前記制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくすることを特徴とする乗客コンベア。
- 前記制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、一端部が制動手段に接続され他端部が駆動手段に接続されたレバーと、このレバーの中間部に回動可能に固定された固定部と、駆動手段の接続部と固定部との間に取付けられたばね手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
- 前記ばね手段に対抗する力を付勢可能な他のばね手段を前記レバーに取付けたことを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア。
- 前記制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、この変換機構は、穴の形成されたレバーと、この穴を貫通して配置され一端部にフランジが形成された中空のスクリューナットと、このスクリューーナットに噛み合い駆動手段からの動力を伝達するスクリュー軸と、前記レバーとスクリューナットのフランジ部間であってスクリューナットの外周に介装されたばね手段とを設け、前記レバーは一端部が制動手段に接続され、穴と制動手段の接続部との間を回動自在に固定したことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
- 前記制動手段を駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動力を制動力に変換する機構とを設け、前記駆動手段は電磁ソレノイドまたはウォームギヤを取付けたサーボモータであることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
- 無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力と慣性モーメントを可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記制御手段の下降運転時の慣性モーメントを上昇運転時の慣性モーメントよりも負荷ゼロ近傍において大きくすることを特徴とする乗客コンベア。
- 乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と前記負荷検出手段が検出した負荷の大きさとに応じて前記制動手段の作動力を変化させ、下降運転時の作動力を上昇運転時の作動力よりも負荷ゼロ近傍において小さくすることを特徴とする乗客コンベアの制御装置。
- 無端状に形成されたステップ・チェーンに多数のステップが取付けられて無限軌道を形成する乗客コンベアにおいて、この乗客コンベアの運転方向を検出する運転方向検出手段と、負荷を検出する負荷検出手段と、運転方向により制動力を可変な制動手段と、この制動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段は前記運転方向検出手段が検出した運転方向と前記負荷検出手段が検出した負荷の大きさに基づいて、下降運転で大負荷のときから上昇運転で大負荷まで制動力を単調に減少させることを特徴とすることを特徴とする乗客コンベアの制御装置。
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