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JP2004053994A - 光偏向素子及び画像表示装置 - Google Patents

光偏向素子及び画像表示装置 Download PDF

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JP2004053994A
JP2004053994A JP2002212233A JP2002212233A JP2004053994A JP 2004053994 A JP2004053994 A JP 2004053994A JP 2002212233 A JP2002212233 A JP 2002212233A JP 2002212233 A JP2002212233 A JP 2002212233A JP 2004053994 A JP2004053994 A JP 2004053994A
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JP2002212233A
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Masanori Kobayashi
小林 正典
Yasuyuki Takiguchi
滝口 康之
Hiroyuki Sugimoto
杉本 浩之
Yoshirou Futamura
二村 恵朗
Yumi Matsuki
松木 ゆみ
Toshiaki Tokita
鴇田 才明
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】従来の強誘電液晶材料を用いた光偏向素子に比べて液晶配向安定性に優れ、かつ、従来のネマティック液晶を用いた光偏向素子に比べて構成を簡易にすることができる光偏向素子を提供する。
【解決手段】光偏向素子は、入射光を偏向して出射する1つの又は複数個並べて配置された液晶セル31を備えている。この各液晶セル31は、一対の透明な基板32と、この基板32,32間に充填されたネマティック液晶の液晶層34と、この液晶層34に対し基板32の板面方向の電界を加えて液晶層34を透過する光の光路を偏向する櫛歯状の電極35とを備えている。少なくとも一方の基板32の液晶層34側の面には、他方の基板32の対向する面に対し光偏向の方向に応じて傾斜し、一方向に連続的に現れる傾斜面33が形成されている。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光偏向素子及び画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
入射光を偏向して出射する光偏向素子として、液晶材料を用いたものが各種提案されており、例えば以下のようなものが知られている。
【0003】
まず、特開平6−18940号公報には、光空間スイッチの光の損失を低減することを目的に、人工複屈折板からなる光ビームシフタが提案されている。かかる技術では、透過光ビーム幅を広く取ろうとすると、くさび型透明基板の厚みを大きくとる必要があり、特に照明光が平行光線でない場合には光学系が大きくなってしまい、光利用効率が低下してしまうなどの不具合を招く。
【0004】
また、特開平9−133904号公報には、大きな偏向を得ることが可能で、偏向効率が高く、しかも、偏向角と偏向距離とを任意に設定することができる光偏向スイッチが提案されている。かかる技術では、一対の電極により電界を発生させている為、電極間隔を広く取った場合に電界強度分布が電極からの位置によって大きく変化してしまい偏向量の位置依存が発生してしまう不具合があり、その為、透過させることが可能な光線幅が限定されてしまっていた。また、スメクチックA相による電傾効果を用いている為、キラルスメクチックC相等の自発分極を利用したスイッチングに比較して高速化が望めない不具合もあった。
【0005】
特開平5−204001号公報には、低電圧で駆動でき2次元化、小型化を目的に光偏向装置が提案されている。これは一対の透明基板間に複屈折性を有する液晶を保持しており、該透明基板の一方に鋸歯状格子が形成されている。保持されている液晶は鋸歯状格子の刻線方向にホモジニアス配向しており、液晶の長軸あるいは短軸のいずれかの屈折率は鋸歯状格子を形成する材料の屈折率と一致している。しかしながら、入射光は特開平6−18940号公報に開示の技術と同様に、偏光回転装置を用いる必要があり、装置が複雑化大型化する不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、本出願人は、これら従来技術の不具合点を解消すべく、キラルスメクチックC相よりなる液晶を用いた光偏向素子を提案している。この光偏向素子によれば、キラルスメクチックC相よりなる液晶を駆動することで、高速な光偏向を制御することが可能である。
【0007】
しかし、キラルスメクチックC相よりなる液晶は均一に基板に配向させることが難しく、製造時の温度管理などキメ細かな制御が必要である為、製造コスト上昇、タクト低下の一因となっていた。
【0008】
これに対し、いわゆる2周波駆動法やポリマースタビライズ液晶を用いることによって応答速度を速くする技術が知られており、これらの駆動方法としては基板間に電圧を印加し、液晶の配向状態を変化させるものがある。これらの液晶を、例えば、前述の特開平6−18940号公報に開示の技術や、前述のキラルスメクチックC相よりなる液晶を用いた光偏向素子に適用した場合、初期配向状態を決めるラビング方向を鋸歯状格子の刻線方向にし、電圧無印加の際には液晶分子を当該刻線方向にホモジニアス配向させ、電圧印加の際には液晶分子を基板に対してホメオトロピック配向状態にさせることで光偏向させる技術が考えられる。
【0009】
しかしながら、この動作原理では、入射光を上下左右の4方向に偏向したい場合、液晶セルを2枚以上用いれば可能ではあるが、上下方向から左右方向へ偏向する間にλ/2板を用いるか、液晶の初期配向状態を決めるラビング方向の異なった基板を用いた液晶セルが必要になる。λ/2板を用いる場合には、λ/2板による波長特性の影響や素子を通過する光の透過率を下げ、素子構成も複雑になる。また、鋸歯状格子に対してラビング方向を変えた基板を用いることは生産プロセスを増やすことになり、生産性が下がるといった不具合につながる。
【0010】
本発明の目的は、従来の強誘電液晶材料を用いた光偏向素子に比べて液晶配向安定性に優れ、かつ、従来のネマティック液晶を用いた光偏向素子に比べて構成を簡易にすることができる光偏向素子を提供することである。
【0011】
また、かかる目的を達成するため、液晶セルの少なくとも一方の基板における液晶層側の面に形成されていて、他方の基板の対向する面に対し光の偏向の方向に応じて傾斜している傾斜面を形成する場合、フォトリソグラフィ、エッチング等により形成することが可能であるが、所定の光偏向方向を得るような傾斜面のアレイ状の凹凸形状、特にピッチの小さいもの、アレイ数の多いものを形成することは難しく、形成された凹凸形状によって光偏向の方向に問題が生じる場合がある。
【0012】
例えば、凹凸形状の頂点部が緩やかな曲面になっている場合、頂点部に入射した光は集光、または散乱してしまい、所望の光偏向の方向とは異なった方向にも偏向されて漏れ光が発生する。また、凹凸形状に緩やかな傾斜角と急な傾斜角の2つの傾斜角が存在する場合、その急な傾斜角の角度が緩やかになる(つまり形状が二等辺三角形に近くなる)につれて、光偏向の方向は所定の方向とはずれるといった問題がある。
【0013】
本発明の別の目的は、前述の目的を達成する際に、所定の偏向方向とは異なった方向に進む漏れ光を遮光して、所定の偏向方向を得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、入射光を偏向して出射する1つの又は複数個並べて配置された液晶セルを備え、前記各液晶セルは、一対の透明な基板と、この基板間に充填されたネマティック液晶を含む液晶層と、この液晶層に対し前記基板の板面方向の電界を加えて液晶層を透過する光の光路を偏向する電極と、少なくとも一方の前記基板の前記液晶層側の面に形成されていて、他方の前記基板の対向する面に対し前記偏向の方向に応じて傾斜している傾斜面と、を備えている、光偏向素子である。
【0015】
したがって、液晶セルへの入射光は液晶の複屈折率、基板の傾斜面形状に起因して偏向される。そして、液晶層にネマティック液晶を用い、いわゆる横電界駆動を行なうので、配向安定性がよく、強誘電液晶を用いた光偏向素子と同様の光学作用を得ることができる。
【0016】
また、液晶セルを複数個並べて、出射光の偏向方向が4方向になるように光偏向素子を構成する場合には、液晶を横電界駆動することで、光偏向素子における傾斜面を形成した基板へのラビング方向は傾斜面の形状に対して常に同方向でよく、また、光偏向素子間にλ/2板がなくても4方向に光を偏向することが出来るので、光偏向素子の構成を比較的簡易で低製造コストなものとすることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光偏向素子において、前記ネマティック液晶は、ポリマースタビライズ液晶である。
【0018】
したがって、ポリマーネットワークにより液晶の配向状態が維持されるので、液晶に対する高分子の配向規制力が強いため、液晶の速い応答速度を得ることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光偏向素子において、前記ネマティック液晶の液晶材料は、印加される電圧の周波数に対応して誘電異方性が正又は負に変化する材料である。
【0020】
したがって、周波数によって誘電異方性の正負を選択できる、いわゆる2周波駆動液晶を用い、周波数を切替えることで液晶の配向状態を制御できるため、電気的に初期配向状態に戻す別途の電極が必要なく電極構成が簡単であり、ラビングの弱い規制力で初期配向状態に戻すより速い応答速度を得ることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の光偏向素子において、前記電極と重なる光軸を遮光する遮光部材を備えている。
【0022】
したがって、液晶の配向状態を変化させる電界は電極上ではほとんど変化がないため、液晶の配向状態も電極上ではほとんど変化せず、つまり、電極上では液晶の複屈折性の影響を受けずに、電極上を通過する光は偏向されることなく漏れ光となってしまうが、かかる漏れ光を遮光することができるので、均一な偏向方向をもつ光偏向素子を構成することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光偏向素子において、前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、前記電極は、交互に印加電圧の極性が異なる平行な複数のライン状電極であり、前記傾斜面の連続による凹凸の刻線の方向に長さ方向が平行であって、前記凹凸に起因する漏れ光位置に形成されている。
【0024】
したがって、光偏向素子への入射光は、液晶の複屈折性、傾斜面形状に起因して偏向するため、傾斜面の連続による凹凸の2つの傾斜角度に大きな差がない場合や、凹凸の頂点部が曲面になる場合には、所定の偏向方向は得られず漏れ光が発生するが、電極は傾斜面の連続による凹凸の刻線の方向に長さ方向が平行であって、凹凸に起因する漏れ光位置に形成されているため、電極に起因する漏れ光、傾斜面形状に起因する漏れ光が遮光でき、偏向しない漏れ光は遮光されて、均一な偏向方向をもつ光偏向素子となる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の光偏向素子において、前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、前記遮光部材は、この傾斜面の連続による凹凸の頂点部分及び前記傾斜面間の領域における前記液晶層の液晶配向の乱れから発生する漏れ光を遮光する。
【0026】
したがって、傾斜面の連続による凹凸の頂点部分及び傾斜面間の領域における液晶層の液晶配向の乱れから発生する漏れ光を遮光するので、液晶の乱れによる漏れ光を吸収し、偏向しない漏れ光は全て遮光され、均一な偏向方向をもつ光偏向素子となる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の光偏向素子において、前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、前記電極は、交互に印加電圧の極性が異なる平行な複数のライン状電極であり、前記基板の前記傾斜面が形成されている面の所定の光偏向を生じさせる以外の光透過領域に形成されている。
【0028】
したがって、漏れ光の起因する光透過領域に電極を形成することにより、電極幅を狭く形成でき、基板表面に対してほぼ平行な電界分布を均一に発生することができ、電極幅が狭いため光利用効率の低下が抑えられ、かつ、電界分布の均一性により配向乱れが少ない光偏向素子となる。
【0029】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかの一に記載の光偏向素子において、前記電極は、遮光性を有する。
【0030】
したがって、電極が遮光部材を兼ねることで、漏れ光となる偏向光のみを確実に遮光して、光利用効率の低下を最少に抑えることができる。
【0031】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れかの一に記載の光偏向素子において、前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、この傾斜面の連続による凹凸が前記両基板の間隔を決めるスペーサを構成している。
【0032】
したがって、傾斜面の連続による凹凸がスペーサを兼ねるので、基板間のギャップを最小にでき、薄い基板を用いて液晶セルを作製する場合でも、基板のたわみを抑えて液晶セルのギャップを均一にできる。
【0033】
請求項10に記載の発明は、照明光を画像情報に基づいて空間光変調して画像光として出射する画像表示素子と、この画像表示素子と同期し、前記画像表示素子の各画素から入射されてくる画像光の光路を前記液晶セルで偏向して前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する請求項1〜9のいずれかの一に記載の光偏向素子と、を備えている画像表示装置である。
【0034】
したがって、請求項1〜9のいずれかの一に記載の発明と同様の作用、効果を奏する。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明する。
【0036】
図1は、本実施の形態である画像表示装置1の全体構成を示す概念図である。図1に示すように、光源2は、白色あるいは任意の色の光を高速にON/OFFする様々な照明を用いることが出来る。例えば、LEDランプやレーザー光源、白色のランプ光源にシャッターを組み合わせた装置などである。照明装置3は光源2から出射した光を均一に画像表示素子4に照射する装置であり、拡散板5、コンデンサレンズ6などから構成される。
【0037】
画像表示素子4は、表示駆動回路13で駆動されて画像データに基づいて画像を表示し、入射した照明装置3の均一な照明光を空間光変調して画像光として出射する装置で、透過型液晶ライトバルブ、反射型液晶ライトバルブ、DMD素子などを用いることが出来る。
【0038】
光源駆動回路7で制御されて光源2から放出された光は、拡散板5により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ6により画像表示素子4をクリティカル照明する。ここでは、画像表示素子4の一例として透過型液晶ライトバルブを用いている。この画像表示素子4で空間光変調された照明光は、画像光として投射レンズ8で拡大されスクリーン9に投射される。
【0039】
縮小光学素子10は画像表示素子4の表示画素を縮小するもので、マイクロレンズ、コリメートレンズなどから構成される。その縮小量は画素ピッチの整数分の1であることが望ましい。
【0040】
ここで、画像表示素子4と縮小光学素子10の後方に配置された光偏向素子11に対して光偏向電圧制御回路12により印加電圧を制御することで、画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。この画素シフトの方向は、図1に示すように、紙面の上下方向及び紙面の垂直方向である。光偏向素子11の配置位置は画像表示素子4で表示される画素のデフォーカス位置に配置し、表示画像の解像度を劣化させない構成とする。光偏向素子11による画素のシフト量は縮小光学素子10による縮小量と同様に画素ピッチの整数分の1であることが望ましく、シフト量と縮小量が等しい場合、シフトした画素が重なることはない。そのため、画素シフトの効果により解像度を低下させることもない。また、このシフト量と縮小量が異なる場合にはシフトした画素は重なる、あるいは画素間が広がる等により解像度を低下させる原因となるが、表示画像に問題がない程度であれば、シフト量と縮小量は等しくなくてもよい。画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行なう場合は画素ピッチの1/2にし、3倍の画素増倍を行なう場合は画素ピッチの1/3にする。また、光路偏向電圧制御回路12の構成によってシフト量が大きくなる場合には、シフト量、画素縮小量を画素ピッチの“整数倍+整数分の1”の距離に設定しても良い。いずれの場合も、画素のシフト位置に対応したサブフィールドの画像信号で画像表示素子4を駆動し、図2のように見かけ上の画素増倍効果が得られ、使用した画像表示素子4の解像度以上の高精細でコントラストの良い画像を表示することが出来る。図2において、シフト量、画素ピッチについては矢印で示している。また、符号21は画像表示素子4で表示する1画素であり、符号22は光偏向素子11に入射する1画素、符号23は光偏向素子11により見かけ上画素増倍された画素である。
【0041】
なお、画像表示制御回路14は光源駆動回路7、表示駆動回路13、光偏向電圧制御回路12を制御し、画像表示素子4と光偏向素子11との同期もとる。
【0042】
次に、光偏向素子11の詳細について説明する。図3は、光偏向素子11に使用されている液晶セル31の構成例を示す概念図である。図3(a)に示すように、この液晶セル31は、一対の透明な基板32と、この一対の両基板32間に電圧印加条件によって配向状態の制御が可能な液晶層34と、光偏向電圧制御回路12により液晶層34へ電界を印加する櫛歯状の電極35とを有している。そして、少なくとも一方の基板32の液晶層34側の面には、鋸歯形状の一方向に連続的に現れる複数の傾斜面33が形成されている。この傾斜面33は、他方の基板32の対向する面に対して、後述の光の偏向の方向に応じて傾斜している。
【0043】
ここで、図3(a)(b)に示すように、櫛歯状の電極35は、平行な複数のライン状電極であり、交互に印加電圧の極性が異なるものである。そして、その長さ方向が連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線に平行になるよう、かつ、基板32の液晶層34側に形成されているが、これに限定するものではなく、鋸歯形状の刻線に垂直、液晶層34と反対の面に形成されていても良い。
【0044】
図3(a)(c)に示す傾斜面33の鋸歯の形状、アレイ数は特に限定する必要はないが、所定の偏向量、偏向方向になるように形成される。液晶層34の液晶は電圧印加条件によって配向状態が変化するので、電圧印加条件を設定することによって、図4に示すように、液晶分子36は第1の配向状態、第2の配向状態の2つの配向状態を取り得る。
【0045】
ここで、光偏向素子11における液晶の配向状態の変化を図4により説明する。本例の光偏向素子11は、基板平面に対してホモジニアス配向されたネマティック液晶を用いた光偏向素子に準ずる構成であり、電圧印加条件によって液晶の配向状態が変化し、それに伴って屈折率が変化するものである。対の一方の基板32には前述のように櫛歯状の電極35が形成されており、この櫛歯状の電極35はホモジニアス配向している液晶ダイレクタに対して水平方向に電界が印加されるように構成されている。さらに、傾斜面33は入射光の法線方向に対して傾きψ1をなすように傾斜状態が設定されている。
【0046】
図4(a)中のA−A′断面図を示す図4(b)のように、液晶ダイレクタは電極からの電界印加状態によって第1の配向状態、第2の配向状態の2方向に配向される。このような構成の光偏向素子11においては、液晶の2つの配向状態を図4(b)に示すように略直交する方向に規制することで、入射光を効率良く偏向させることが可能となる。即ち、図4において入射光41の直線偏光方向が図4に示すY軸方向になるよう入射光41を操作してこの光偏向素子11に入射させたとき、液晶ダイレクタがZ軸方向側を向く(第1の配向状態)ように櫛歯状の電極35によって電界を印加する。このような状態で液晶の屈折率と液晶を挟持する基板32の屈折率が等しい場合、入射光41は常光として振る舞い、偏向することなくそのまま通過する。一方、電界が無印加のときには液晶ダイレクタがこれと直交する方向(Y軸方向)を向く(第2の配向状態)ようにラビング処理を施しておく。このような状態で液晶の屈折率と液晶を挟持する基板32の屈折率が異なる場合、入射光41は異常光として振る舞い界面との屈折率差により偏向される。
【0047】
液晶をその2つの配向状態が直交する方向に規制するために、両基板32の表面に形成される配向膜(図示せず)に対して印加電界方向(Z軸方向)と直交する方向(Y軸方向)にラビング処理を行っており、ラビング方向に依存した向きに液晶ダイレクタの方向が強く規制される。配向処理には、TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜が利用でき、加えてラビング処理や光配向処理を施すことが望ましいが、ラビング処理の規制力によらず液晶ダイレクタの方向が制御できる場合は、ラビング処理、光配向処理を省略してもよい。このような構成の光偏向素子11の特徴は、入射光41に対する出射光が液晶ダイレクタの制御によって、回転移動可能な点である。従って、光偏向素子11とその出射光の受光部との距離を適切に選ぶことで、所望の光の偏向量を得ることができる。
【0048】
また、図5に示すようにこのような2つの液晶セル31を光進行方向上に配列して光偏向素子11を構成し、配列した液晶セル31間の距離Xを適切に選択することで、入射光と出射光を平行に保ったまま必要な光の偏向量を得ることが可能となる。これによって、光の偏向量を簡単に調整することができ、利便性に優れた光偏向素子11を構成することができる。
【0049】
さらに、光の偏向量が一定であれば、図6に示すように厚さLの中間基板42を介して1つの光偏向素子11内に2層の液晶セル31を設けた素子構成にしてもよい。すなわち、図5の構成における2つの液晶セル31の向き合う基板32に代えて1枚の中間基板42を設けるように構成した液晶セル31を用いる。
【0050】
図3に示すような光偏向素子11の構成における光の進行方向を求める場合、厳密には、入射光41の進行方向に対する液晶ダイレクタの方向及び屈折率no,neの両者から屈折率楕円体を基に各方向における屈折率が求められ、それを基に光偏向方向が求められる。しかし、ここでは簡単に液晶の配向状態によって屈折率noと屈折率neとが切り替わるものと仮定し、図7に示すようにスネルの法則に従うと仮定すれば、光偏向方向(以後、光偏向角と呼ぶ場合もある)を求めることが可能である。
【0051】
すなわち、液晶の長軸方向の屈折率をne、短軸方向の屈折率をnoとし、光進行方向に対して液晶の手前側界面の法線方向が光偏向方向となす角がψ1(≠0)、後方側界面の法線が入射光方向となす角が0°となるよう基板32を配置する。また、液晶と接する光学部材は屈折率noのものを選ぶ。スネルの法則によって手前側液晶界面での界面法線方向からの光偏向角ψ2は、
sinψ2=(no/ne)sinψ1
より求まり、液晶を挟んだ対向基板に入射する光線の対向基板の法線方向からの光偏向角ψ3は、
ψ3=ψ1−ψ2
より求まり、対向基板に入射した光線の基板内での光偏向角ψ4は、
sinψ4=(ne/no)sinψ3
より求まる。
【0052】
また、図6に示したように中間基板42を設けて平行シフトを行なう場合、中間基板42の厚さをLとすると、シフト量xμmを得るために必要な厚さLは、
L・sinψ4=x(μm)
より、
L=x/sinψ4(μm)
となる。
【0053】
このようにして、光偏向方向は主に基板32の傾斜面33の傾斜角ψ1と液晶の屈折率異方性に起因して変化し、光の偏向量は、光偏向素子11の出射する光の受光面までの距離、液晶層34の厚さ、基板32の厚さ等によって調整することが可能である。ここで、前述した光偏向素子11の光学作用は横電界ではなく両基板32間に電界を印加し、液晶材料として強誘電液晶を用いても可能であるが、強誘電液晶は配向安定性が悪く製造工程において歩留りがよくない。
【0054】
そこで、本例の光偏向素子11のように横電界駆動を用い、ネマティック液晶を採用することによって、強誘電液晶を用いた光偏向素子と同様の光学作用が得られ、配向安定性のよい光偏向素子を作製することができる。
【0055】
図5又は図6は、2枚の液晶セル31を並べて用いる場合の具体的な構成例である。
【0056】
例えば、図6に示す構成を用いる場合、図8に示すように液晶セル43を2つ(液晶セル43a,43b)用い、連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線方向44a,44bが直交するように2つの液晶セル43a,43bを配置することで、液晶セル43aではZ方向に2方向偏向、液晶セル43bではY方向に2方向偏向可能であり、全体として偏向可能方向は4方向になる。
【0057】
ここでは連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線方向が直交するように2つの液晶セル43a,43bを配置しているが、配置関係はこれに限定するものではなく、全体の偏向方向が4方向可能になればよい。例えば、前記直交配置状態から液晶セル43a,43bのうち一方のみZ−Y面で45°回転させるなどしてもよい。また、液晶セル43a,43b間の距離は最小に設定することが望ましく、液晶セル43aと43bの隣接する2つの基板32のかわりに所定の偏向方向が得られる連続的な傾斜面33の鋸歯形状が両表面に形成されている基板を用いてもよい。
【0058】
ここで、光の偏向動作原理は4方向に偏向させる場合でも、前述した2方向に偏向する動作原理と同様であり、連続的な傾斜面33の傾斜角度、液晶の配向状態によるものである。液晶の配向状態は電界による規制力とラビング処理による規制力で変化し、電界方向とラビング方向が直交している方が偏向効率がよい。そのため、連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線方向と直交するように電界が印加されるとき、ラビングは鋸歯形状の刻線方向と平行になるように処理することが望ましい。そこで横電界駆動をさせる液晶セル43a,43bを図8に示すように配置し、ラビングを連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線方向と平行になるように処理する。この場合、液晶の配向状態は光軸に対しては常に直交しているため、電界方向とラビング方向は図9に示すような関係になり、全く同じ条件の液晶セル43を2つ以上用いて配置することで、4方向偏向が実現できるようになる。
【0059】
ここで、横電界駆動ではなく一対の基板32間に電界を印加して液晶の配向を変化させて光を偏向させる場合にも2方向偏向は可能であるが、4方向偏向をおこなう際には連続的な傾斜面33の鋸歯形状の刻線に対して直交、平行したラビング方向の異なった液晶セルが必要になる。このことは光偏向デバイスを作製する際、作製プロセスを増すことになり、製造上の歩留りや、製造コストを上げることになる。
【0060】
また、横電界の場合と同様にしてラビング方向が同じ液晶セル43を2つ用いて4方向偏向する場合、2つの液晶セル43の間に偏光方向を回転させるλ/2板が必要になる。λ/2板を用いた光偏向デバイスを作製する場合にはλ/2板の波長依存性を考慮する必要があり、デバイス全体の透過率が下がってしまう。そこで、連続的な傾斜面33が形成された基板32を用いた液晶セル31に横電界駆動を用いることで、ラビング方向に関係なく4方向偏向が可能になる。また、λ/2板を用いる必要もない。
【0061】
図19に、光偏向素子11における液晶セル43(43a,43b)の配置の概念図を示す。光偏向素子11は、複数枚、この例で2枚の液晶セル43を並べて用いている。液晶セル43の連続的な傾斜面33は、2枚の液晶セル43の一方は紙面の上下方向、他方は左右方向にそれぞれアレイ状に形成されている。画像表示素子4を出射した光が紙面に上下方向の直線偏光の場合、画像表示素子4の全体を紙面の左右方向、上下方向の順に画素シフトさせることができる。このように横電界駆動を用いた液晶セル43を2つ以上用いることで、画面の縦横方向シフトを行なう際に高精細でコントラスト低下の少ない画像表示装置1が実現できる。
【0062】
ところで、前述の例では、液晶材料としてはネマティック液晶を用いているため、配向安定性はよいが応答速度が遅いといった不具合がある。
【0063】
そこで、ネマティック液晶と重合硬化可能なモノマーとの混合系を、モノマーを重合硬化することにより組成されたポリマースタビライズ液晶を用いれば、応答速度の改善が可能となる。これはネマティック液晶が所望の配向状態で維持される第一の状態から、電界により再配向されて所望の第二の状態へ遷移可能に構成されていることを特徴としており、該第一の状態は再配向される際に印加される電界が無い状態の配向状態で維持されていることが高速応答のために望ましい。
【0064】
このような構成とすることで、駆動の際、配向膜のみでの規制力で、液晶の配向を回復させた場合と比較し、格段の応答速度の向上が出来る。これは、液晶と高分子の接触面積が広く、液晶に対する高分子の配向規制力が強いため、液晶の電界に対する応答速度を大幅に高速化できるためである。さらに、光硬化する際に液晶の長軸(Δεが正の場合)または短軸(Δεが負の場合)を基板に平行となるように基板と平行に電界を印加した状態で光硬化させることで、より配向規制力が増し高速応答が出来る。該モノマーは光硬化型の物が素子の形成しやすさ、材料選択幅の広さの点で優れ、硬化時の条件に自由度があり熱硬化型に比べ高速化設計に適している、さらに、形成される高分子は液晶性骨格を部分構造として有すことが、屈折率の変化量が大きくなることや、白濁防止のために望ましい。さらに、液晶材料中に該重合硬化可能なモノマーの濃度は15wt%以上であることが望ましい。
【0065】
また、別の液晶材料として、印加する電圧の周波数に対応して誘電異方性が正または負に変化する材料、いわゆる2周波駆動液晶を用いることで応答速度が速くなる。例えば、液晶に対して誘電率異方性が正の周波数の電圧を印加すると電界方向に液晶分子の長軸が向き、液晶に対して誘電異方性が負の周波数の電圧を印加すると電界方向に液晶分子の短軸が向く。このような性質をもつ材料を用いることで液晶の配向状態が2つ周波数によって変化する。液晶材料としては、このような特徴を有するものであれば、シアノ系、フッ素系、塩素系などのいずれの液晶でも用いることができる。入力信号の周波数は初めどちらに設定しておいてもよい。これは電気的な規制力で液晶の配向状態を変化させているため応答速度が速くなる。またこのような駆動を行なう場合は液晶分子の配向はラビングにほとんど寄与しない。そのためラビング処理、初期配向電極が不要になり、素子作製が簡略化できるといった効果も望める。
【0066】
液晶の初期配向(ラビング処理)を電極35の鋸歯形状の刻線方向と平行に設定し、電極35に電圧を印加したときの電界分布は図10(a)のようになる。電圧は櫛歯状の電極35間に電界Eが印加されるように、隣り合う電極35が交互にON、OFF状態になるように設定されており、液晶ダイレクタは電界E方向に向くため電極35間では鋸歯形状の刻線方向と直交した方向に向く。しかし、電極35の近傍では、このような電界Eが印加されず液晶の配向状態は変化しない。つまり、図10(b)に対する図10(c)のように、光の偏向時にも電極35を通過する光は偏向されず漏れ光となる。
【0067】
そこで、図11に示すように光の出射側の基板32の基板面からみて各電極35と重なる位置、すなわち、電極35に重なる光軸を遮光して、漏れ光を遮光する位置に遮光部材51を設ける。図11では光の出射側の基板32上に遮光部材51を設けているが、これに限られず、図11中仮想線の矢印で示す漏れ光の光軸上(光の出射側の基板32の基板面からみて各電極35と重なる位置)に設けてもよい。
【0068】
ここで、遮光部材51を設ける位置を、図11に示すように光出射側の基板32とする場合、液晶セル31の作製後でも遮光部材51を設けることができ、位置精度よく遮光部材51を形成することができる。また、プリントなどの簡単な加工工程が可能である。また、遮光部材51は漏れ光を遮光する観点からみれば大きいほうが望ましいが、大きすぎると必要な光まで遮光することになり全体の光量が低下する。一方、遮光部材51が小さいと全体的な光量は増加するが漏れ光を遮光する能力が低下し、コントラストの低下を生じる。したがって、遮光部材51の大きさは、全体の光量およびコントラストの良し悪し、遮光部材51の位置等に応じて適切に設定する必要がある。
【0069】
遮光部材51の材質は光の透過を防ぐことができるものを選び、例えば、Al,Cr等の金属、カーボンを添加したアクリル樹脂、レジスト材料などの有機材料、あるいはカーボン単体などを用いることができる。また、遮光部材51の形成は、漏れ光に対応した遮光パターンマスクを用いてフォトリソグラフィ、スパッタリングなどにより行なうことができる。
【0070】
鋸歯形状の連続的な傾斜面33の形成方法としては、ガラス基板をエッチングするか透明プラスチック材料を射出成形等により加工するといったものがあるが、何れの形成方法にしても正確な鋸歯形状(理想的な鋸歯形状は直角三角形)で微小な傾斜面33をアレイ状に形成することは難しい。ガラス基板をエッチングして形成する場合、形成された鋸歯形状は鋸歯エッジが曲線になったり、あるいは、鋸歯をなす2つの傾斜角度の大きさが近い大きさ(鋸歯形状が二等辺三角形に近くなる)になり、このような鋸歯形状は光偏向方向を複数にしてしまう。また、鋸歯のエッジに相当する個所は液晶配向の乱れが生じやすいといった不具合がある。
【0071】
図12には、鋸歯をなす2つの傾斜面33の傾斜角度の大きさが近い大きさとなる基板32を用いた液晶セル31の偏向動作を示す。前述したように液晶分子36の配向状態によって、入射光は直進するか偏向される。図12(a)の液晶分子36の配向状態は入射光の偏光方向に対して屈折率noとなるように配向しているため、入射光は偏向されずそのまま直進する。また、図12(b)の液晶分子36の配向状態は入射光の偏光方向に対して屈折率neとなるように配向しているため、入射光は偏向される。光の偏向方向は傾斜面33の傾斜に起因するので、鋸歯形状に緩やかな傾斜角の傾斜面が2箇所になる場合(鋸歯をなす2つの傾斜面33,52の傾斜角の大きさに大きな差がない場合)、図12(b)に示すように、液晶分子36の1配向状態で偏向方向が2方向になり、1方向は漏れ光となる。
【0072】
前述のように液晶セル31が偏向作用を及ぼす時、その偏向方向が1方向以上となる場合は、図13に示すように、傾斜面33,52の鋸歯形状の刻線に対して平行に櫛歯状の電極35を形成する。ここで、光軸上で電極35に重なる位置には遮光部材51が設けてあるので、鋸歯形状の凹凸に起因する漏れ光となる光は遮光され、液晶分子36の1配向状態のとき、出射側では偏向方向が1方向になり、入射光を均一に偏向することができるようになる。この場合、櫛歯状の電極35の線条の数は傾斜面33,52による鋸歯形状のアレイ数(連続的な傾斜面33の数)と同数で、鋸歯形状に起因する漏れ光位置に対応して櫛歯状の電極35を形成することが望ましい。
【0073】
また、図14に示すように、傾斜面33,52による鋸歯形状に関しては、鋸歯形状の頂点部53、傾斜面52部分による液晶配向の乱れが発生する不具合がある。そのため、鋸歯形状の段差部54(傾斜面52の部分)の中心を通る法線55を含む位置に櫛歯状の電極35を形成することで、液晶層34の液晶配向の乱れ、すなわち、頂点部53、傾斜面33間の領域にある段差部54における液晶層34の液晶配向の乱れ、に起因する漏れ光成分を遮光することができる。ここで光学系の設計により入射光の斜め成分は変化するので櫛歯状の電極35の幅はとくに限定しないが、漏れ光と液晶の配向みだれの2つの観点で最適な幅を設定することが望ましい。
【0074】
また、図15に示すように漏れ光を発生させる基板32の傾斜面52に櫛歯状の電極35を形成すると、光の出射面からみた場合電極幅は小さくなり、かつ電界分布がほぼ均一になるため、電極35上にある液晶分子36も電界方向に配向変化される。そのため電極35上の漏れ光が発生せず、加えて光利用効率がよくなる。電極35の形成方法としては、フォトレジストにより傾斜面52に線上の開口パターンを形成し、その後スパッタリングにより電極35を形成することができる。
【0075】
また、偏向方向が2方向になる場合、液晶層34を狭持している連続的な傾斜面33,52を備えた基板32と、これと対向している基板32とに遮光部材51を設けると、漏れ光にならない偏向光も一部遮光してしまうこととなる。さらに、偏向光は傾斜面33,52による鋸歯形状の面粗さ、頂点部53などにより散乱されるため、遮光部材51の面積を少し大きくする必要がある。しかし、光入射側の基板32に遮光部材51を設けることによって、漏れ光となる前の光(偏向前の光)を遮光できるため、傾斜面33,52による散乱の影響はほとんどない。よって、遮光部材51は比較的小さな面積ですみ、光利用効率の低下を抑えることができる。
【0076】
さらに、図16に示すように、漏れ光を発生させる光入射側の基板32の傾斜面52に遮光部材51を設ける場合、または、電極35の材質がAl,Cr等の遮光性材料からなる場合は、漏れ光となる偏向光のみを確実に遮光できるため、光利用効率の低下を最少に抑えることができる。
【0077】
ここで、光入射側の基板32において、所定の光偏向を生じせしめる傾斜面33,52以外の領域に光を入射させないための構造を、液晶セル31の光入射側にとることも、漏れ光を抑える上で有効である。
【0078】
この1つの例としては液晶セル31の光入射側に集光素子を設けるのが有効であり、入射光を傾斜面33,52に集めることができる。この場合、所定の偏向角に不具合が生じない程度に傾斜面33,52への光入射角度を小さく設定することが望ましい。例えば、集光素子としてマイクロレンズアレイを用いる場合、このマイクロレンズのF値を大きく設定することで光入射角度を小さくすることができる。
【0079】
他の例としては、図17に示すように、光入射側にマイクロレンズ及びコリメートレンズなどの集光および平行光学レンズアレイ61を設けてもよい。この場合も、漏れ光となる光が集光されて遮光部材51での吸収、反射の影響を受ける光が少なくなるため、光利用効率が良くできる。集光および平行光学レンズアレイ61の設置は、漏れ光となる光が最小になるようにする。例えば、遮光部材51間の開口部62に対応して設置され、集光及び平行光学レンズアレイ61を透過した光が開口部62に収束する特性をもつように、レンズアレイのピッチを決める。
【0080】
図18の液晶セル31の構成は、対向する2枚の基板32と32とが接しており、液晶層34のギャップが連続的な傾斜面33,52による鋸歯形状部の凹凸の高さに設定される。鋸歯形状はアレイ状であるため、液晶セル31のギャップを均一化でき、かつスペーサを用いないので最小ギャップを確保できる。すなわち、傾斜面33,52による鋸歯形状部の凹凸が基板32間の間隔を決めるスペーサの機能を果たすものである。
【0081】
なお、図1では、カラーフィルタを組み合わせた透過型液晶ライトバルブである画像表示素子4と白色ランプの光源2とを用いたカラーの画像表示装置1の例を示したが、この他にも、単板の画像表示素子4を時間順次に三原色光で照明するフィールドシーケンシャル方式でもフルカラー画像を表示することが出来る。この場合、白色ランプの光源と回転カラーフィルタを組み合わせて時間順次の三原色光を生成しても良い。
【0082】
【実施例】
本発明の実施例について説明する。
【0083】
[実施例1]
大きさ3cm×4cm、厚さ1mmの石英ガラス基板(信越化学製)を基板32として対で用意し、一方には櫛歯状の開口部をもったマスクパターン(ピッチ110μm、ライン24μm)を用いて櫛歯パターンのITO(膜厚1400Å)電極を電極35として基板32の片面に形成した。またもう一方の基板32の片面には鋸歯形状アレイを加工して連続的な傾斜面33,52とした。鋸歯形状アレイの加工は基板32上に、グレーティングマスク(大日本印刷製)を用いてフォトレジスト、ドライエッチングにより加工した。加工した鋸歯形状を図20に示す。レジスト材(東京応化製)はスピンコーターにより膜厚2μmで形成し、フォトレジストの露光はマスク上に拡散板を設け、整合、露光量の条件を最適化して露光した。マスクは4μmのピッチで線幅を0.5〜4μm(0.5μm間隔)に変化させたパターンが配列されており、1パターンが1つの鋸歯形状(ピッチ110μm)に対応している。初期配向処理としては基板32のITO側、鋸歯形状側にポリイミド系の配向材料(JSR社のAL3046−R31を使用)をスピンコートし、約0.3μmの配向膜を形成した。基板32のアニール処理後、鋸歯形状が形成されている基板32のラビングは鋸歯形状の刻線に対して平行方向にラビング処理を行ない、櫛歯状の電極35が形成されている基板32のラビングは櫛歯に対して平行方向にラビング処理を行った。両基板32のラビング方向がパラレルとなるように鋸歯形状の基板32、櫛歯電極35の基板を張り合わせ加圧した後、UVを照射し液晶セル31の空セルを作製した。ギャップは1:100の割合で4μmの真絲球とUV硬化接着剤(スリーボンド製の3052を使用)を混合したもので調整し、鋸歯形状にかからないよう注意して2枚のガラス基板32,32間に塗布した。空セル作製後、毛細管法によりネマティック液晶材料(メルク社のZLI−2471を使用)を注入し、液晶セル31を作製した(このようにして作製したセルをサンプル1とする)。上下基板32,32のラビング処理の方向は一致しているため、液晶分子は基板に対して平行で全て同じ向きに配向(ホモジニアス配向)した状態となっている。
【0084】
このように作製したサンプル1に電圧を印加して駆動させる。駆動方法としては櫛歯状の電極35間に電界がかかるように横電界駆動とし、印加電圧はファンクションジェネレイターを用いて10Vの電圧を印加した。入力波形は矩形波とし、電圧値はテスターで確認した。液晶セル31への入射光としては1mm径のレーザー光(633nm)を用い、入射光は偏光板で直線偏光に変換し、液晶セル31の鋸歯形状アレイ位置へ入射させた。入射光の偏光方向は鋸歯形状の刻線と平行になるように設定した。液晶セル31を動作させ、その液晶セル31を通過する透過光をCCDカメラにより観察した結果、電圧によって透過光が偏向することを確認した。
【0085】
また、液晶材料を強誘電液晶(チッソ社のCS−1029を使用)にし、上述と同様の作製方法により液晶セル31を作製した。ただし液晶注入はホットプレート上(90℃)で注入し、注入後放冷した。作製した強誘電液晶の液晶セル31とサンプル1の配向性を顕微鏡で観察した結果、ネマティック液晶を用いたサンプル1の方が均一に配向した。
【0086】
また、前述の方法で作製されたサンプル1の液晶セル31を2つ用意し、鋸歯形状の刻線が直交するように2つの液晶セル31を配置した。そして前述と同様にしてそれぞれの液晶セル31を横電界駆動したところ、電圧の印加条件を変えることで4方向の偏向が得られた。
【0087】
ここで横電界駆動を用いず、基板32,32間に電界を印加する駆動方法において4方向の偏向を行なうには、液晶の配向処理(ラビング処理)が鋸歯形状の刻線に対して平行と直交方向の作製条件の異なる液晶セルを用意しなければならなかった。また、ラビング処理が同方向の液晶セルを用いた場合は、液晶セル間にλ/2板を用いなければならなかったため、前述の横電界駆動による液晶セル31によって、構成が比較的簡単で低コストな4方向偏向可能光偏向素子が作製できた。
【0088】
[実施例2]
実施例1の液晶セル31の作製法において、液晶は液晶性骨格を部分構造として有する光硬化高分子のプレポリマーをネマティック液晶(メルク社のZLI−2471を使用)と混合した材料を毛細管法によりセル中に注入し、上記重合性液晶に対して光重合開始剤(チバガイギー社のIRG−651を使用)を1wt%混合して液晶セル31を作製した。該プレポリマーは20mW/cmの強度の紫外線を1分間室温無電界で照射し高分子化し、プレポリマーの濃度は0〜20%とした。
【0089】
液晶セル31の応答速度は、櫛歯状の電極35に633nmの波長のレーザーを照射し、液晶の複屈折性による光偏向の偏向光をレンズで集光し、その一部を光ダイオードにより受光し、電圧変化に変換してオシロスコープで観測することで速度を決定した。印加電圧のスイッチングにより偏向光の強度は小さくなるため、光強度が100%からまた回復し、90%まで変化する速度を応答速度とした。その結果、プレポリマー濃度5%までは応答速度は0%のときと変わらないが、10%以上でμ秒オーダーの応答速度を示し、15%で500μsecを切り、動画表示に十分耐えられる応答速度が得られた。
【0090】
[実施例3]
実施例1と同様にして作製した液晶セル31の電極35の形成されている反対の面の電極35に対応する位置に、遮光部材51として黒いインクを24μmのライン幅でプリント加工した。遮光部材51を設ける位置は傾斜面52に起因する漏れ光を遮光する位置にプリントした。このような液晶セル31をサンプル2とする。
【0091】
作製した液晶セル31に電圧を印加して駆動させる。駆動方法としては櫛歯状の電極35間に電界がかかるように横電界駆動とし、印加電圧はファンクションジェネレイターを用いて10Vの電圧を印加した。入力波形は矩形波とし、電圧値はテスターで確認した。液晶セル31への入射光は1mm径のレーザー光(633nm)を用い、入射光は偏光板で直線偏光に変換し、液晶セル31の鋸歯形状アレイ位置へ入射させた。入射光の偏光方向は鋸歯形状の刻線と平行になるように設定した。液晶セル31を動作させ、その液晶セル31を通過する透過光をCCDカメラにより観察した結果、電圧によって透過光が偏向することを確認した。
【0092】
しかし、偏向後の透過光はサンプル1では2つに分かれ、サンプル2では分かれなかった。よって、漏れ光に対応した遮光部材51を設けることによって、偏向光の方向を均一にできることがわかる。サンプル1とサンプル2の観察結果を図21に示す。図21(a)はサンプル1、図21(b)はサンプル2をそれぞれ示している。図21(a)のサンプル1において、偏向1の観察像数は2つ、偏向方向数は2方向であったのに対して、図21(b)のサンプル2においては、偏向1の観察像数は1つ、偏向方向数は1方向であった。
【0093】
[実施例4]
実施例1の液晶セル31の作製方法において、鋸歯形状を加工した基板32の傾斜面52に対応してCrを材料とした電極35を形成した。形成方法としては、110μmピッチで24μm幅のストライプ状の開口部をもったマスクパターンを用いた。このようにして傾斜面52に遮光材料の電極35(遮光部材51)を設けた液晶セル31をサンプル3とする。サンプル2とサンプル3において、光の出射側の基板32に遮光部材51を設置した場合と鋸歯形状を形成した光の入射側の基板32に遮光部材51を設置した場合の液晶セル31の透過光の光量エネルギーを比較した結果は次のとおりである。すなわち、前者の透過光のエネルギー(相対値)は12.3%、後者の透過光のエネルギー(相対値)は16%であった。このように、鋸歯形状を形成した光の入射側の基板32に遮光部材51を設置した場合の方が、光量が3.7%大きかった。よって、鋸歯形状を形成した光の入射側の基板32に遮光部材51を設けた方が光利用効率がよい。
【0094】
[実施例5]
実施例1の液晶セル31の作製方法において、張り合わせ時にギャップとなる真絲球を用いず、UV硬化接着剤のみで基板32,32を張り合わせ、その他は実施例1と同様にして液晶セル31を作製した。この液晶セル31をサンプル4とする。サンプル1とサンプル4のセルギャップについて、鋸歯形状周辺の1mm×1mm範囲を縦横方向で等間隔に5点ずつ、顕微偏光分光光度計(オーク社製を使用)により測定した。この場合、スペーサとして真絲球を用いたセルギャップ(サンプル3)のばらつきは±2μm、真絲球を用いず、鋸歯形状をスペーサとしたときのセルギャップ(サンプル4)のばらつきは±1μmであった。このことから鋸歯形状をスペーサとして用いた液晶セル31の方がギャップを均一化できる。
【0095】
[実施例6]
図1のような画像表示装置1を作製した。画像表示素子4として対角0.9インチXGA(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶セルを用いた。画素ピッチは縦横ともに約18μmである。画素の開口率は約50%である。また、画像表示素子4の光源2側に照明装置3を設けて照明光の集光率を高める構成とした。光源2としては白色ランプを用い、カラーフィルタを各画素表面に設けた透過型液晶ライトバルブである画像表示素子4により、カラー表示を行なった。また、マイクロレンズ、コリメートレンズを用いて縮小光学素子10を構成し、画像表示素子4の直後に設置して、画素位置との位置合わせを調整した。
【0096】
そして、実施例1で作製したサンプル1を2つ用い、図5のような構成にしたものをサンプル5とし、サンプル5の基板32,32間の幅はシフト量が9μmになるように調整した。また、サンプル5と同様な構成のサンプル6を用意し、サンプル5の鋸歯形状の刻線とサンプル6の鋸歯形状の刻線を直交するように配置し、縮小光学素子10の後に設置した。液晶セル31の出射側に薄い拡散層を有する拡散板を合わせて、出射面での拡散光を拡大し、表示画像を観察した結果、縦横方向の画素密度が2倍の高精細でコントラストのよい画像が得られた。
【0097】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、配向安定性がよく、強誘電液晶を用いた光偏向素子と同様の光学作用を得ることができる。また、液晶セルを複数個並べて、出射光の偏向方向が4方向になるように光偏向素子を構成する場合には、液晶を横電界駆動することで、光偏向素子における傾斜面を形成した基板へのラビング方向は傾斜面の形状に対して常に同方向でよく、また、光偏向素子間にλ/2板がなくても4方向に光を偏向することが出来るので、光偏向素子の構成を比較的簡易で低製造コストなものとすることができる。
【0098】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、液晶の速い応答速度を得ることができる。
【0099】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、電気的に初期配向状態に戻す別途の電極が必要なく電極構成が簡単であり、ラビングの弱い規制力で初期配向状態に戻すより速い応答速度を得ることができる。
【0100】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の発明において、均一な偏向方向をもつ光偏向素子を構成することができる。
【0101】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、電極に起因する漏れ光、傾斜面形状に起因する漏れ光が遮光でき、偏向しない漏れ光は遮光されて、均一な偏向方向をもつ光偏向素子となる。
【0102】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、液晶のみだれによる漏れ光を吸収し、偏向しない漏れ光は全て遮光され、均一な偏向方向をもつ光偏向素子となる。
【0103】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかの一に記載の発明において、電極幅を狭く形成でき、基板表面に対してほぼ平行な電界分布を均一に発生することができ、電極幅が狭いため光利用効率の低下がおさえられ、かつ、電界分布の均一性により配向乱れが少ない光偏向素子となる。
【0104】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかの一に記載の発明において、漏れ光となる偏向光のみを確実に遮光して、光利用効率の低下を最少に抑えることができる。
【0105】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れかの一に記載の発明において、基板間のギャップを最小にでき、薄い基板を用いて液晶セルを作製する場合でも、基板のたわみを抑えて液晶セルのギャップを均一にできる。
【0106】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかの一に記載の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である画像表示装置の概念図である。
【図2】画像表示装置の光偏向素子による画素シフトについて説明する説明図である。
【図3】光偏向素子の構成について説明する説明図である。
【図4】光偏向素子の液晶の配向について説明する説明図である。
【図5】液晶セルを2つ用いる場合の構成例について説明する説明図である。
【図6】液晶セルを2つ用いる場合の他の構成例について説明する説明図である。
【図7】スネルの法則について説明する説明図である。
【図8】4方向に光偏向を行なう光偏向素子の構成例について説明する説明図である。
【図9】図8の光偏向素子について説明する説明図である。
【図10】光偏向素子の動作について説明する説明図である。
【図11】遮光部材を設けた光偏向素子の説明図である。
【図12】光偏向素子における漏れ光の説明図である。
【図13】光偏向素子における基板の凹凸と電極とを平行に構成し、遮光部材で漏れ光を遮光した構成例の説明図である。
【図14】光偏向素子における基板の凹凸の頂点部、段差部に起因する漏れ光を遮光した構成例の説明図である。
【図15】光偏向素子における基板の凹凸の段差部に電極を設けた構成例の説明図である。
【図16】光偏向素子における基板の凹凸の段差部に遮光性の電極を設けた構成例の説明図である。
【図17】集光および平行光学レンズアレイを設けた光偏向素子の構成例の説明図である。
【図18】光偏向素子における基板の凹凸をスペーサとした光偏向素子の構成例の説明図である。
【図19】図8の構成における各素子の配置の説明図である。
【図20】実施例1の説明図である。
【図21】実施例3の説明図である。
【符号の説明】
1  画像表示装置
4  画像表示素子
11 光偏向素子
31 液晶セル
32 基板
33 傾斜面
34 液晶層
35 電極
43 液晶セル
51 遮光部材

Claims (10)

  1. 入射光を偏向して出射する1つの又は複数個並べて配置された液晶セルを備え、
    前記各液晶セルは、
    一対の透明な基板と、
    この基板間に充填されたネマティック液晶を含む液晶層と、
    この液晶層に対し前記基板の板面方向の電界を加えて液晶層を透過する光の光路を偏向する電極と、
    少なくとも一方の前記基板の前記液晶層側の面に形成されていて、他方の前記基板の対向する面に対し前記偏向の方向に応じて傾斜している傾斜面と、
    を備えている、
    光偏向素子。
  2. 前記ネマティック液晶は、ポリマースタビライズ液晶である、
    請求項1に記載の光偏向素子。
  3. 前記ネマティック液晶の液晶材料は、印加される電圧周波数に対応して誘電異方性が正又は負に変化する材料である、
    請求項1に記載の光偏向素子。
  4. 前記電極と重なる光軸を遮光する遮光部材を備えている、
    請求項1〜3の何れかの一に記載の光偏向素子。
  5. 前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、
    前記電極は、交互に印加電圧の極性が異なる平行な複数のライン状電極であり、前記傾斜面の連続による凹凸の刻線の方向に長さ方向が平行であって、前記凹凸に起因する漏れ光位置に形成されている、
    請求項4に記載の光偏向素子。
  6. 前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、
    前記遮光部材は、この傾斜面の連続による凹凸の頂点部分及び前記傾斜面間の領域における前記液晶層の液晶配向の乱れから発生する漏れ光を遮光する、
    請求項4に記載の光偏向素子。
  7. 前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、
    前記電極は、交互に印加電圧の極性が異なる平行な複数のライン状電極であり、前記基板の前記傾斜面が形成されている面の所定の光偏向を生じさせる以外の光透過領域に形成されている、
    請求項1〜6の何れかの一に記載の光偏向素子。
  8. 前記電極は、遮光性を有する、
    請求項1〜7の何れかの一に記載の光偏向素子。
  9. 前記傾斜面は、一方向に連続的に現れる複数の傾斜面であり、この傾斜面の連続による凹凸が前記両基板の間隔を決めるスペーサを構成している、
    請求項1〜8の何れかの一に記載の光偏向素子。
  10. 照明光を画像情報に基づいて空間光変調して画像光として出射する画像表示素子と、
    この画像表示素子と同期し、前記画像表示素子の各画素から入射されてくる画像光の光路を前記液晶セルで偏向して前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する請求項1〜9のいずれかの一に記載の光偏向素子と、
    を備えている画像表示装置。
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