JP2004041385A - 防臭加工した靴中敷 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリ乳酸を使用し、積層タイプで通気性、柔軟性(クッション性)、強度、さらには防臭効果に優れた靴中敷を提供する。
【解決手段】表生地2および裏生地4と、それらの間に単層もしくは複層の中間シート3とを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより作られた靴中敷1であって、前記表生地2および裏生地3は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地2、裏生地4および中間シート3のうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とする靴中敷。
【選択図】 図3
【解決手段】表生地2および裏生地4と、それらの間に単層もしくは複層の中間シート3とを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより作られた靴中敷1であって、前記表生地2および裏生地3は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地2、裏生地4および中間シート3のうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とする靴中敷。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性プラスチックのポリ乳酸よりなる生地材料を靴中敷の生地に適用するとともに、中敷材料に抗菌防臭もしくは制菌加工および/または活性炭含有処理を施した新規な靴中敷に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来靴中敷は、主に合成高分子の樹脂または樹脂繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革等からなる単層体または複層体の製品である。
従来の複層体よりなる靴中敷は、通常、表生地と裏生地と、それらの間の1層ないし3層程度の中間シートとを重ね合わせて作られる積層体製品であって、その周縁部は溶着によって一体化されている。これらの靴中敷の表裏生地としては、羊毛織布、木綿布、塩化ビニリデン樹脂の織布などが利用され、また、中間シートとしては、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニリデン樹脂からなる織布または編物地(メッシュ編み、蜂巣編み等)などが利用されている。
ところで、合成高分子樹脂製品は、使用後に廃棄される際には焼却処分の場合の有害ガスの発生や埋立て処分の場合には容易に分解しないためゴミとして長期間残存する等、環境学的な問題を有する。
【0003】
従って、近年、各種日用品においてこれらの樹脂とは異なり、微生物により分解されやすい、生分解性プラスチックを使用することが試みられており、そのような材料からなる靴中敷も製品化が試みられている。
実用新案登録第3016879号公報にはデンプンとポリビニルアルコール共重合体に植物油等を混合した混合物等の分解性高分子材料を芯材とする中敷部が開示されている。また、特開平9−234101号公報には脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂からなる熱変形性を有する靴中敷を開示する。
さらに、特開2000−313082公報には靴中敷としての利用が可能な生分解性繊維からなるフェルトの積層体およびそれらの起毛材を開示している。
これらの従来文献で記載されたものは、強度、クッション性、通気性など靴中敷としての要求性能を十分満足するものではなく、改良の必要が求められていた。
【0004】
「生分解性プラスチック」としては現在、脂肪族ポリエステル系樹脂、特にポリ乳酸の他、デンプン系樹脂(デンプン脂肪酸エステルまたは澱粉ポリエステル)、ポリヒドロキシブチレート、共重合体ポリヒドロキシブチレート−CO−ヒドロキシバリレート、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート変性体、ポリブチレンサクシネートカーボネート変性体、ボリブチレンアジペート/テレフタレート等が知られている。これらの生分解性プラスチックは数ヶ月ないし数年で水と炭酸ガスに分解することが知られている。
そしてこれらの生分解性プラスチックの中で現在、織物地や編物地の原料としてポリ乳酸がその耐熱性や強度の面で注目されている。
ポリ乳酸繊維は一般にトウモロコシを原料として、乳酸を作りこれを重合してポリ乳酸とし、さらにこのポリ乳酸を熱で溶解して繊維状に紡糸して製造される。その融点は約170℃で、強さはポリエステルに匹敵するものである。
ポリ乳酸繊維は焼却の際には燃焼ガス中にNOx等が発生せず、また燃焼熱はポリエチレンやポリプロピレンなどの1/2〜1/3程度であり、また、埋め立て廃棄の際も約2〜3年で実質的に分解される。従って、日用雑貨、包装材、農園芸分野、土木資材分野、衣料分野での利用が進められている。
しかしポリ乳酸繊維を使用した織物地、編物地または合成皮革を材料として積層した靴中敷はこれまで知られていない。
【0005】
一方、長時間靴を履いた状態では、靴内部は体温により暖められ、足から出る汗により湿度が高くなり、また皮脂等の分泌等により汚れることから、微生物が容易に繁殖するので、靴は悪臭を生じる。従って、ポリ乳酸繊維を使用した靴中敷においても、靴の防臭、衛生のため、抗菌防臭加工や、制菌加工を施すことが好ましい。
そして抗菌・制菌加工した材料を使用する靴中敷も既に知られている(例えば、実開平2−108023号公報、実用新案登録第3054968号公報、実用新案登録第3084839号公報、特開平5−68604号公報、特開2000−23711公報、特開2001−120305公報等)。
また、特開2002−20524公報は、セルロースアセテート、非木材質植物繊維粉末、低重合度ポリエチレングルコールよりなる抗菌性生分解樹脂発泡成形品において天然フラボノイド系抗菌剤を塗布して抗菌性を強化した該成形品が開示され、靴中敷に適用し得ることを記載している。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂を使用し、抗菌・脱臭加工を施した積層タイプの靴中敷は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、織物地、編物地、合成皮革等の生地を積層したタイプの靴中敷であって、使用後において廃棄物として長期間残存しない、いわゆる環境に優しいと同時に、強度、通気性やクッション性、耐久性に優れ、さらに防臭作用も有する、新規な靴中敷を提供することにある。
一般に積層タイプの靴中敷は、通常、例えば実用新案登録第3054968号公報に示したように、高周波加熱が可能な装置を備えた靴中敷の製造装置を使用して、表生地と中間材と裏生地を重ね合わせた積層物を平面盤状の下部電極の間に通電しそれら電極の間の積層物を加熱し、これにより、その積層物を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するという方法により作られる。
従って、靴中敷積層体の材料を選択する際、表裏の生地、ならびに中間材は高周波電流の通電によって、相互に接着し得る材料であることを要する。
また、靴中敷の本来の目的である、歩行時の足への衝撃吸収や疲れにくいという性質を発揮するための、ゴム弾性が高くおよびクッション性の優れていることが必要である。
さらに、必要な強度を有し、使用時にヘタリが少なく、耐久性の優れている必要もある。
さらにまた、足蒸れを防ぐために通気性の確保も必要である。
加えて、使用時の靴の臭いを抑えるために、靴中敷に靴内の微生物の繁殖を抑えるため、抗菌防臭加工や制菌加工を施すことも要する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表生地および裏生地と、それらの間に単層もしくは複層の中間シートとを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、作られた靴中敷であって、前記表生地および裏生地は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とする靴中敷に関する。
【0008】
上述のように、本発明の靴中敷は表生地、裏生地のうち少なくとも一方を生分解性プラスチックであるポリ乳酸を主材料として用いる織物地、編物地もしくは合成皮革よりなる積層体であって、その周縁部は高周波電流の通電によって接着されて一体となっているものである。そして、本発明の靴中敷は使用後に廃棄された際には、ポリ乳酸は微生物により分解されるため、最終的に分解されない廃棄物の量を低減させることができる。
本発明の靴中敷は生分解性プラスチックのうちポリ乳酸を採用するものであるが、それ以外の生分解性プラスチックの使用を排除するものではない。上述した生分解性プラスチックまたはそれ以外の繊維のうち、上記のポリ乳酸繊維の物性に匹敵するものもまた、靴中敷として同様に使用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の靴中敷を構成する材料について説明する。
本明細書において「ポリ乳酸を主材料とする」とは、生地の総ての材料またはその過半の材料がポリ乳酸より構成されることを意味する。ここで上記ポリ乳酸には乳酸ホモポリマーの他、さらにポリ乳酸以外の他の生分解性樹脂成分で使用可能なもの、例えばポリカプロラクトン、コハク酸エステル、ポリブチレンサクシネート等を共重合体成分とする乳酸コポリマーも、本発明の目的を達成する限り含まれるものと解すべきである。
従って、本発明において特に表生地、裏生地に使用される織物地、編物地もしくは合成皮革には、総てポリ乳酸繊維またはモノフィラメントよりなる織布、編物地などの他、主要な材料がポリ乳酸であって副材料としてポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはポリアミド等よりなる繊維、モノフィラメントもしくは皮革樹脂が採用されている混紡生地もしくは積層樹脂皮革なども含まれる。
また、ポリ乳酸を主材料とする生地以外の生地としては、靴中敷向けの生地としてふさわしいものであれば、いかなる種類の生地も適用することができ、例えば、羊毛、木綿、麻等の天然繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の再成・半合成繊維もしくはこれらの混紡材よりなる織物地もしくは編物地などが適用されうる。
また、表裏生地に利用される合成皮革としては、従来汎用の合成皮革の他、プロテインレザー(特に靴用のもの)等も使用されうる。
しかしながら、好ましいのは表生地および裏生地の両方がポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる靴中敷である。
また、これら生地に使用される織物地の織り方、また編物地の編み方は、特に限定されるものでなく、例えば、平織り、蜂巣織り等の織物地、ダブルラッシェル編み、トリコット編み、メッシュ編みなどの編物地が利用されうる。
また靴中敷の表生地および裏生地は、所謂メラミン加工を行なうことにより、生地の着色、黄変を抑制することができる。メラミン加工は、例えば弾反撥硬仕上げ加工剤(主成分:自己架橋型アクリル酢酸ビニル共重合樹脂)を使用して、ポリ乳酸をはじめとする上記繊維の生地をメラミン樹脂溶液に浸漬する処理(所謂ドブヅケ)を行ない、続いておよそ160℃で乾燥することにより、なされる。
さらに、本発明の靴中敷は、靴に防臭作用を与えるために、前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とするが、特に前記表生地、裏生地のうち少なくとも一方、またはそれらの両方が、後述するような抗菌防臭加工もしくは制菌加工されているものが好ましい。
【0010】
ところで、本発明者は靴中敷の積層体の使用に適するポリ乳酸を検討するにあたり、さらに上記要求性能を満たすところのポリ乳酸の物性を鋭意検討した。その結果、以下の特別な物性値をもつポリ乳酸繊維が積層タイプの靴中敷の材料として最適であることを見出した。
すなわち好ましい靴中敷を構成する上記織物地、編物地もしくは合成皮革を構成するポリ乳酸繊維は、オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器にて測定した引張強度が250MPa以上、好ましくは350MPa以上(測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分)であり、および引張弾性率が4.5GPa〜12.0GPa、好ましくは5.5GPa〜10.0GPa(引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)という物性値をもつものである。
ポリ乳酸繊維の引張強度が250MPa未満である場合には、使用時に靴中敷にかかる荷重とその変化に対して通常要求される程度の強度が得られず、耐久性が悪い。また、歩行時の体重移動により中敷はそれにかかる荷重の変化により変形するが、引張弾性率が4.5GPa未満の場合には、ゴム弾性に乏しく、中敷が元の形状に戻る能力が低いので、短期間に中敷にヘタリが生じやすいし、快適なクッション性が得られない。また12.0GPaを超えるものは、中敷として靴に取り付けた場合、歩行中により変形しやすいため、靴内で浮きやすく、位置ずれしやすいので履き心地が悪い。
また、上記ポリ乳酸繊維の繊度は引張強度値および引張弾性率値が上述した範囲に入るものであれば特に限定されない。好ましいポリ乳酸繊維の繊度は100dtex〜2500dtex(糸径100μm〜500μm)、特に、100dtex〜900dtex(糸径100μm〜300μm)である。
【0011】
本発明の靴中敷における中間シートは、単層の中間シートの場合も、または、同種もしくは異種材料よりなる複層の中間シートの場合も含まれる。また、単層の中間シートまたは複層の中間シート中の少なくとも一つは抗菌防臭加工もしくは制菌加工シート、または活性炭含有シート、またはそれらの組合せよりなる中間シートであるものが好ましい。
すなわち、上記中間シートが複層の中間シートの場合には例えば、抗菌防臭加工もしくは制菌加工シートと、活性炭含有シートよりなる二種シート、あるいは、これら二種シートと、他のシート例えば同種もしくは異なる処理のされているまたはされていないシートとの組合せであってよい。
中間シートは、靴中敷の形状を支持すると同時にクッション材としての役割を担う部分であるので、適当な厚みまたは弾性を有するシート状のもの(例えば不織布)や表生地または裏生地と同様、各種繊維やモノフィラメントの編物地、織物地もしくは合成皮革よりなるシートであってよい。
中間シートも上記表生地、裏生地と同様に、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニリデン樹脂からなる不織布、織布または編物地(蜂巣織り、メッシュ編み等)などの材料が使用できるが、分解されない廃棄物量を低減させるという理由から上記積層体の単層の中間シートもしくは複層の中間シートの少なくとも1つがポリ乳酸を主材料とするものが好ましく、さらに、中間シートの材料の全てがポリ乳酸を主材料とするものがより好ましい。
これら中間シートに使用されるポリ乳酸繊維もまた、上記物性値をもつものが好ましい。また、単層の中間シートは、複数の材料の混紡であってもよく、さらに後述するように熱溶着の際のホットメルト材料等を含むものでもよい。
【0012】
ここで、表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種に施される、抗菌防臭加工及び制菌加工は、微生物の増殖を抑制する加工であり、靴中敷に防臭作用を与え、さらに微生物の増殖を抑えることから衛生上も好ましい。
しかしながら、本発明の靴中敷は「生分解性」樹脂のポリ乳酸樹脂を使用することを特徴とするものであり、一方微生物の増殖を防ぐ、抗菌防臭加工および制菌加工は生分解を抑制するものである。従って、抗菌防臭剤・制菌剤は靴中敷の耐用期間を越えてあまり長期間に残留しない、抗菌防臭剤・制菌剤を使用することが望ましい。しかし、廃棄方法を埋立て廃棄に限定しなければ、抗菌防臭剤・制菌剤は繊維製品用の抗菌防臭剤、制菌剤を限定なく使用できる。これらの例としては、無機抗菌剤例えば、銀系、銅系、光触媒系(酸化チタン等)抗菌剤、および有機系抗菌剤例えば第四アンモニウム塩系、有機金属系、グアニジン系、ハロシアリル尿素系、フェノール系、脂肪族エステル系、その他天然系抗菌剤(天然フラボノイド類、キチン、キトサン、カテキン、タンニン、甘草エキス、ヒノキチオール等)を挙げることができる。これらの抗菌防臭剤・制菌剤には、防カビ作用を有するものも好ましく、また、防カビ剤との併用も可能である。
上記表生地、裏生地および中間シート材料の抗菌防臭加工または制菌加工は、衣服の繊維に対して通常為されている抗菌防臭加工又は制菌加工と同様の加工、例えば、表生地、裏生地および中間シートとなる材料を抗菌防臭剤又は制菌剤含有浴に浸漬する処理(ドブヅケ)、抗菌防臭剤又は制菌剤を該材料表面に塗布する処理、該材料繊維中に練り込む処理、抗菌防臭剤または制菌剤のマイクロカプセルを該部材に付着させることによりなされるものである。
なお、「抗菌防臭加工」及び「制菌加工」は、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)により、それぞれ「抗菌防臭加工」は、試験菌種(黄色ぶどう球菌)について、「制菌加工」は、試験菌種(黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、特定用途にはさらにMRSA)について評価方法と効果の認証基準が定められているものである。
【0013】
本発明の靴中敷の表生地、裏生地および単層もしくは複層の中間シートの少なくとも一つは、上記抗菌防臭加工もしくは制菌加工に代えて、またはそれらと共に、消臭・脱臭のため、活性炭含有処理がなされる。
活性炭含有処理は、靴内の臭いを吸収することができる活性炭を、薄手ないし厚手の上述の表生地、裏生地および中間シート材料となる織物地、編物地もしくは不織布(例えば麻、木綿織布、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、ポリ乳酸不織布)などに含浸もしくは被覆したものである。活性炭としては、ビーズ活性炭、ヤシガラ(椰子殻)活性炭、もしくは竹、炭素繊維などより誘導される活性炭が利用することができる。活性炭を含有させる量は、所要の防臭効果を得るのに必要な量以上の量であればよい。好ましい含有量は50〜150g/m2である。
【0014】
本発明における好ましい靴中敷は表生地、裏生地、中間シートのいずれもがポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる三層ないし五層またはそれ以上が積層された靴中敷であって、前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とするものである。この靴中敷は全てが生分解プラスチックで構成されているので、廃棄時に有毒ガスの発生のない焼却が可能である。また埋め立て廃棄の際も最終的には完全に分解可能であり、環境に非常にやさしいものである。
本発明のより好ましい態様は、抗菌防臭加工もしくは制菌加工処理した表生地および裏生地よりなるか、および/または、抗菌防臭加工もしくは制菌加工および活性炭含有処理した単層もしくは複層の中間シートよりなるものである。
【0015】
好都合なことには、材料の大部分あるいは全ての材料をポリ乳酸よりなる材料を使用した本発明の靴中敷は、靴中敷の製造装置で適用される水準の高周波電流の通電によって、そのまま靴中敷形状に溶断し、その周縁部を接着する方法によって製造できる。
本発明の靴中敷の代表的な製造工程を以下に示すものである。
1) 裏生地の上に、抗菌防臭加工もしくは制菌加工シートおよび/または活性炭含有シートより選択された、単層もしくは複層の中間シート、および表生地を順に重ね合わせて、積層体を形成し、
2) 靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、上記積層体を平面盤状の下部電極の上に載せ、
3) 続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極と下部電極の間に通電し、上下部の電極の間の積層体を加熱することにより、その積層体を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するものである。
高周波ウェルダー装置による加熱温度はおよそ180℃〜230℃、好ましくは200〜220℃である。
【0016】
上述のように、表生地、裏生地および中間シートのみからなる積層体を、直接高周波電流により溶断し、同時にその周縁部を接着する方法の他、各材料層間に、ホットメルト不織布もしくはホットメルト粉末を介在させることにより、高周波電流の通電によって靴中敷を作成することもできる。この方法は、特に、表生地、裏生地および中間シートの材料の一部にポリプロピレン、ポリエステル等の高周波電流の通電による接着性の悪い材料を使用する場合に有効である。
使用するホットメルト不織布は、ポリアミド系成分を主成分とするホットメルト不織布が好ましく、ポリアミド ホットメルト不織布、ポリアミド/ポリオレフィン ホットメルト不織布、さらにはポリ乳酸不織布などが好適である。例えば、蜘蛛の巣状スパンボンドのポリアミド/ポリオレフィン ホットメルト不織布製品 商標名ダイナックB−1030(東洋紡績株式会社より市販されている)が代表的に適用されうる。このホットメルト不織布製品は、その上、通気性が良好で、柔軟性が高く、上述のホットメルト不織布等を使用しない条件と同様に高周波ウェルダー(加熱温度150℃〜180℃、好ましくは165℃〜175℃)による接着性能が大変良好であるという利点をも有する。
ホットメルト粉末は上記不織布と同様の成分、例えばポリアミド系成分の粉末等が使用できる。
【0017】
さらに、上記のホットメルト不織布もしくはホットメルト粉末を使用しないで、上記の中間シートの代わりに、例えばポリアミド系成分のようなホットメルト成分を含む単層の複合中間シートを採用することも可能である。すなわち、表生地および裏生地と、それらの間に複合中間シートとを積層し、そして、得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、本発明の靴中敷を作り上げることもできる。この複合中間シートとしては、例えばポリ乳酸、ナイロン(ポリアミド)、レーヨンおよびポリエステル等よりなる連続線状ランダムループ構造の混合不織布を挙げることができる。
複合中間シートを使用する場合の本発明の靴中敷の製造工程における、高周波ウェルダー装置による加熱温度も、接着に使用されるホットメルト成分によるが、およそ150℃〜180℃である。
【0018】
本発明の靴中敷は様々な種類の靴に特に制限なく適用できる。また本発明の靴中敷は靴内に挿入して使用する他、靴の材料として靴の製造の際に直接中底として組み付けることも可能である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
なお、実施例にて使用する各材料の抗菌防臭加工・制菌加工、並びに活性炭含有は以下のように行った。
1)制菌加工:ポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地(A)およびポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地(A)
濃度3.5重量%のニッカノンRB(薬剤成分:N−ポリオキシアルキレン−N,N,N−トリアルキルアンモニウム、日華化学株式会社製)水溶液にポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地またはポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地を浸漬後、乾燥させる。これらの加工生地を、黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌についてJIS L1902−98(定量法)により静菌活性値を測定したところ、制菌加工基準を満たしていた。
2)抗菌防臭加工:ポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地(B)およびポリ乳酸不織布(A)
濃度2.5重量%のニッカノンRB水溶液にポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地またはポリ乳酸不織布を浸漬後、乾燥させる。これらの加工生地を、黄色ぶどう球菌について、JIS L1902−98(定量法)により静菌活性値を測定したところ、抗菌防臭加工基準を満たしていた。
3)活性炭含有処理:木綿織布(A)
ヤシガラ活性炭を水に分散させ、木綿織布に100g/m2となるように含浸させ、乾燥させた。
【0020】
実施例1
本実施例の靴中敷1は、表生地2、中間シート3および裏生地4を積層した三層構造の靴中敷であり、図3に積層構造を示す。
本実施例の靴中敷1は、表生地2が、東レ株式会社製の制菌加工された繊維製品(登録商標マックスペック)と同様の制菌剤を用いて制菌加工がなされたポリ乳酸繊維のジャージ織り織物地によりなり(図1(A))、裏生地4がポリ乳酸のモノフィラメントの平織りスクリーン状の織物地よりなり(図1(B))、さらに、中間シート3は必要により、上記制菌加工したポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地(A)(図2(C))よりなる(図1ないし図3)。
各ポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントの物性は以下のものである。
【表1】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
この靴中敷1は、図4に示すように、裏生地4の上に、中間シート3、および表生地2を順に重ね合わせて、積層体6を得、そして、靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、図5に示すように、積層体6を平面盤状の下部電極20の上に載せ、続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極21を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極21と下部電極20の間に通電し、それら電極20、21の間の積層体6をおよそ200℃に加熱し、これにより、その積層体6を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部7を接着するというプロセスにより作られる。
図5の製造過程には示さないが、本実施例では靴中敷使用時に、該中敷中央部で各層の生地が動き、伸びや擦れ等が生じて靴中敷の耐久性が低下するのを防ぐために、積層体を高周波電流で溶断する際、同時に該中敷表面中央部の任意の複数箇所を溶着することによって各層を固定する(図1に溶着部17を示す)。
得られた三層の靴中敷の周縁部の接着性能は大変良好であり、従来の積層タイプの靴中敷と同様に通気性およびクッション性が優れ、使用時の足裏の動きや体重のかかり具合によるヘタリが少なく耐久性を有するものであった。
また、表生地1および中間シート3として制菌加工していないが実施例1と同じポリ乳酸繊維の織物地を使用し、それ以外は実施例1と同じ材料と構造の靴中敷(比較例1)を製造し、実施例1の靴中敷と比較例1の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、左右の靴の臭気を比較した。その結果実施例1の靴中敷を取り付けた側の臭気の方がより少なかった。
【0021】
比較例2および3
実施例1の靴中敷と同じ構成の三層の靴中敷において、使用する織物地、編物地を下記表2の物性をもつポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントよりなる生地に替えて、同様の方法にて作成した。
【表2】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
上記比較例2および3において得られた三層の靴中敷における周縁部の接着性能は良好であったが、比較例2の靴中敷は実施例1の靴中敷に比べ、ヘタリが早く耐久性が劣るものであり、比較例3の靴中敷は実施例1の靴中敷に比べて、変形が大きく靴中で中敷がずれて履き心地がわるかった。
【0022】
実施例2
本実施例の靴中敷10は、図7に示すように表生地2、上下二層の中間シート3a、3bおよび裏生地4を積層する四層の靴中敷である。
本実施例の靴中敷10は、図6に示すように表生地2が抗菌防臭性能を有するポリ乳酸繊維であるジャージ織りの織物地(登録商標テラマック、ユニチカファイバー株式会社製)(図6(A))よりなり、さらに裏生地4がポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編の編物地よりなる(図6(B))。
本実施例の中間シートは二層よりなり、上層の中間シート3aは抗菌防臭加工したポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地(B)よりなり、下層の中間シート3bは活性炭含有シートとして木綿布(A)よりなる。
各ポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントの物性は以下のものである。
【表3】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
この四層の靴中敷を実施例1の三層構造の靴中敷1の場合と同様、靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して製造した。本実施例の靴中敷においても、その周縁部の接着性能は大変良好であり、また、使用時にはヘタリが少なく耐久性を有するものであった。さらに、本実施例の表生地、中間シート3a、3bに代えて抗菌防臭加工、活性炭を含有処理していない同様の材料を使用して靴中敷(比較例4)を製造し、この比較例4の靴中敷と本実施例2の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、靴の臭気を比較したところ、本実施例2の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
【0023】
実施例3
実施例2の靴中敷1における表生地2を制菌加工したポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地(A)に、かつ上層の中間シート3aを未加工のポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地に、下層の中間シート3bを抗菌防臭加工したポリ乳酸不織布(A)に替え、さらに裏生地4をポリ乳酸のモノフィラメントの平織りスクリーン状の織物地に替えた四層の靴中敷を、実施例1と同様に高周波ウェルダー装置を用いて製造した。この靴中敷においても、その周縁部の接着性能は大変良好で、使用時の耐久性も優れたものであり、さらに、本実施例の表生地2、下層の中間シート3bに代えて制菌加工、抗菌防臭加工していない同様の材料を使用して靴中敷(比較例5)を製造し、この比較例5の靴中敷と本実施例3の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、靴の臭気を比較したところ、本実施例3の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
【0024】
実施例4
本実施例では、実施例1の靴中敷と同じ構成の材料を使用して表生地1、裏生地2および中間シート3を積層するが、この際、図8に示すように、蜘蛛の巣状スパンボンドのポリアミド/ポリオレフィンホットメルト不織布(商標名ダイナックB−1030、販売先:東洋紡績株式会社)5、5を表生地2と中間シート3の間および中間シート3と裏生地4の間にそれぞれ介在させる。
得られた積層体6も、実施例1に示したように靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、平面盤状の下部電極の上に載せ、続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極と下部電極の間に通電し、両方電極間の積層体6をおよそ170℃に加熱し、これにより、その積層体6を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するというプロセスにより作られる。
得られた五層の靴中敷の周縁部の接着性能も大変良好であり、従来の積層タイプの靴中敷と同様に通気性およびクッション性が優れ、使用時の足裏の動きや体重のかかり具合によるヘタリが少なく耐久性を有する。
また、実施例1と同様に、表生地1および中間シート3として制菌加工していないが本実施例4と同様のポリ乳酸繊維の織物地を使用し、その他の構成は同じ靴中敷(比較例6)を製造し、この比較例6の靴中敷と実施例4の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付けた靴を約3日間使用し、その後、靴の臭気を比較したところ、本実施例4の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
而して、本発明に示す物性を有するポリ乳酸の繊維またはモノフィラメントの織物地、編物地、不織布シートを表生地、裏生地及び中間シートに使用し、かつ表生地、裏生地、中間シートの少なくとも1種に抗菌防臭加工もしくは制菌加工、または活性炭含有処理された材料を用いた、いずれの実施例の靴中敷も、周縁部の接着性能は大変良好であり、耐久性を有するものであった。その上、通気性も高く、クッション性にも優れており、また靴の防臭効果も得られた。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、ポリ乳酸、特に上述の特別な物性をもつポリ乳酸から作られた繊維またはモノフィラメントよりなる織物地、編物地、合成皮革等の生地を表生地および裏生地に使用し、それらの間に単層もしくは複層の中間シートを積層し、しかも、これらの少なくとも1種に、抗菌防臭もしくは制菌加工、または活性炭含有処理された材料を使用する、本発明の積層タイプの靴中敷は、靴中敷としての十分な強度をもちそしてヘタリの少ないものであり、かつ靴中敷としての十分なクッション性、通気性、さらには防臭効果を持つものである。また本発明の靴中敷は、主材料として生分解性プラスチックであるポリ乳酸を使用しているので、その廃棄の際、ポリ乳酸の部分は、埋め立ての場合においては最終的に分解するので分解されない廃棄物の量を減少させることができ、焼却の場合においてはポリエステル等よりも低いエネルギーで有害ガスの心配なく処理できる。しかも製造においては、ポリ乳酸よりなる表生地、裏生地、中間シートはそのまま従来の高周波ウェルダーによる熱溶着および熱溶断することが可能であるので、製造に特別な工程を加えずに製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A) は実施例1の靴中敷の表面を示す図であり、図1(B) は実施例1の靴中敷の裏面を示す図である。図1(X) は図1(A) に示される靴中敷のx部分を拡大して示す正面図である。
【図2】図2(c) は実施例1の靴中敷の中間シートを示す図である。図2(Y) は図2(c) に示される靴中敷のy部分を拡大して示す正面図である。
【図3】実施例1の靴中敷を示す断面図である。
【図4】実施例1の靴中敷の製造の際の積層工程を示す図である。
【図5】実施例1の靴中敷の製造の際の溶着工程を示す図である。
【図6】図6(A) および図6(B) は実施例2の靴中敷の表面および裏面を示す図である。図6(Z) は図6(B) に示される靴中敷のz部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】実施例2の靴中敷を示す断面図である。
【図8】実施例4の靴中敷の製造の際の積層工程を示す図である。
【符号の説明】
1、10 靴中敷
2 表生地
3 中間シート
3a 上層の中間シート
3b 下層の中間シート
4 裏生地
5 ホットメルト不織布
6 積層体
7 周縁部
17 溶着部
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性プラスチックのポリ乳酸よりなる生地材料を靴中敷の生地に適用するとともに、中敷材料に抗菌防臭もしくは制菌加工および/または活性炭含有処理を施した新規な靴中敷に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来靴中敷は、主に合成高分子の樹脂または樹脂繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革等からなる単層体または複層体の製品である。
従来の複層体よりなる靴中敷は、通常、表生地と裏生地と、それらの間の1層ないし3層程度の中間シートとを重ね合わせて作られる積層体製品であって、その周縁部は溶着によって一体化されている。これらの靴中敷の表裏生地としては、羊毛織布、木綿布、塩化ビニリデン樹脂の織布などが利用され、また、中間シートとしては、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニリデン樹脂からなる織布または編物地(メッシュ編み、蜂巣編み等)などが利用されている。
ところで、合成高分子樹脂製品は、使用後に廃棄される際には焼却処分の場合の有害ガスの発生や埋立て処分の場合には容易に分解しないためゴミとして長期間残存する等、環境学的な問題を有する。
【0003】
従って、近年、各種日用品においてこれらの樹脂とは異なり、微生物により分解されやすい、生分解性プラスチックを使用することが試みられており、そのような材料からなる靴中敷も製品化が試みられている。
実用新案登録第3016879号公報にはデンプンとポリビニルアルコール共重合体に植物油等を混合した混合物等の分解性高分子材料を芯材とする中敷部が開示されている。また、特開平9−234101号公報には脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂からなる熱変形性を有する靴中敷を開示する。
さらに、特開2000−313082公報には靴中敷としての利用が可能な生分解性繊維からなるフェルトの積層体およびそれらの起毛材を開示している。
これらの従来文献で記載されたものは、強度、クッション性、通気性など靴中敷としての要求性能を十分満足するものではなく、改良の必要が求められていた。
【0004】
「生分解性プラスチック」としては現在、脂肪族ポリエステル系樹脂、特にポリ乳酸の他、デンプン系樹脂(デンプン脂肪酸エステルまたは澱粉ポリエステル)、ポリヒドロキシブチレート、共重合体ポリヒドロキシブチレート−CO−ヒドロキシバリレート、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート変性体、ポリブチレンサクシネートカーボネート変性体、ボリブチレンアジペート/テレフタレート等が知られている。これらの生分解性プラスチックは数ヶ月ないし数年で水と炭酸ガスに分解することが知られている。
そしてこれらの生分解性プラスチックの中で現在、織物地や編物地の原料としてポリ乳酸がその耐熱性や強度の面で注目されている。
ポリ乳酸繊維は一般にトウモロコシを原料として、乳酸を作りこれを重合してポリ乳酸とし、さらにこのポリ乳酸を熱で溶解して繊維状に紡糸して製造される。その融点は約170℃で、強さはポリエステルに匹敵するものである。
ポリ乳酸繊維は焼却の際には燃焼ガス中にNOx等が発生せず、また燃焼熱はポリエチレンやポリプロピレンなどの1/2〜1/3程度であり、また、埋め立て廃棄の際も約2〜3年で実質的に分解される。従って、日用雑貨、包装材、農園芸分野、土木資材分野、衣料分野での利用が進められている。
しかしポリ乳酸繊維を使用した織物地、編物地または合成皮革を材料として積層した靴中敷はこれまで知られていない。
【0005】
一方、長時間靴を履いた状態では、靴内部は体温により暖められ、足から出る汗により湿度が高くなり、また皮脂等の分泌等により汚れることから、微生物が容易に繁殖するので、靴は悪臭を生じる。従って、ポリ乳酸繊維を使用した靴中敷においても、靴の防臭、衛生のため、抗菌防臭加工や、制菌加工を施すことが好ましい。
そして抗菌・制菌加工した材料を使用する靴中敷も既に知られている(例えば、実開平2−108023号公報、実用新案登録第3054968号公報、実用新案登録第3084839号公報、特開平5−68604号公報、特開2000−23711公報、特開2001−120305公報等)。
また、特開2002−20524公報は、セルロースアセテート、非木材質植物繊維粉末、低重合度ポリエチレングルコールよりなる抗菌性生分解樹脂発泡成形品において天然フラボノイド系抗菌剤を塗布して抗菌性を強化した該成形品が開示され、靴中敷に適用し得ることを記載している。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂を使用し、抗菌・脱臭加工を施した積層タイプの靴中敷は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、織物地、編物地、合成皮革等の生地を積層したタイプの靴中敷であって、使用後において廃棄物として長期間残存しない、いわゆる環境に優しいと同時に、強度、通気性やクッション性、耐久性に優れ、さらに防臭作用も有する、新規な靴中敷を提供することにある。
一般に積層タイプの靴中敷は、通常、例えば実用新案登録第3054968号公報に示したように、高周波加熱が可能な装置を備えた靴中敷の製造装置を使用して、表生地と中間材と裏生地を重ね合わせた積層物を平面盤状の下部電極の間に通電しそれら電極の間の積層物を加熱し、これにより、その積層物を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するという方法により作られる。
従って、靴中敷積層体の材料を選択する際、表裏の生地、ならびに中間材は高周波電流の通電によって、相互に接着し得る材料であることを要する。
また、靴中敷の本来の目的である、歩行時の足への衝撃吸収や疲れにくいという性質を発揮するための、ゴム弾性が高くおよびクッション性の優れていることが必要である。
さらに、必要な強度を有し、使用時にヘタリが少なく、耐久性の優れている必要もある。
さらにまた、足蒸れを防ぐために通気性の確保も必要である。
加えて、使用時の靴の臭いを抑えるために、靴中敷に靴内の微生物の繁殖を抑えるため、抗菌防臭加工や制菌加工を施すことも要する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表生地および裏生地と、それらの間に単層もしくは複層の中間シートとを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、作られた靴中敷であって、前記表生地および裏生地は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とする靴中敷に関する。
【0008】
上述のように、本発明の靴中敷は表生地、裏生地のうち少なくとも一方を生分解性プラスチックであるポリ乳酸を主材料として用いる織物地、編物地もしくは合成皮革よりなる積層体であって、その周縁部は高周波電流の通電によって接着されて一体となっているものである。そして、本発明の靴中敷は使用後に廃棄された際には、ポリ乳酸は微生物により分解されるため、最終的に分解されない廃棄物の量を低減させることができる。
本発明の靴中敷は生分解性プラスチックのうちポリ乳酸を採用するものであるが、それ以外の生分解性プラスチックの使用を排除するものではない。上述した生分解性プラスチックまたはそれ以外の繊維のうち、上記のポリ乳酸繊維の物性に匹敵するものもまた、靴中敷として同様に使用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の靴中敷を構成する材料について説明する。
本明細書において「ポリ乳酸を主材料とする」とは、生地の総ての材料またはその過半の材料がポリ乳酸より構成されることを意味する。ここで上記ポリ乳酸には乳酸ホモポリマーの他、さらにポリ乳酸以外の他の生分解性樹脂成分で使用可能なもの、例えばポリカプロラクトン、コハク酸エステル、ポリブチレンサクシネート等を共重合体成分とする乳酸コポリマーも、本発明の目的を達成する限り含まれるものと解すべきである。
従って、本発明において特に表生地、裏生地に使用される織物地、編物地もしくは合成皮革には、総てポリ乳酸繊維またはモノフィラメントよりなる織布、編物地などの他、主要な材料がポリ乳酸であって副材料としてポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはポリアミド等よりなる繊維、モノフィラメントもしくは皮革樹脂が採用されている混紡生地もしくは積層樹脂皮革なども含まれる。
また、ポリ乳酸を主材料とする生地以外の生地としては、靴中敷向けの生地としてふさわしいものであれば、いかなる種類の生地も適用することができ、例えば、羊毛、木綿、麻等の天然繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の再成・半合成繊維もしくはこれらの混紡材よりなる織物地もしくは編物地などが適用されうる。
また、表裏生地に利用される合成皮革としては、従来汎用の合成皮革の他、プロテインレザー(特に靴用のもの)等も使用されうる。
しかしながら、好ましいのは表生地および裏生地の両方がポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる靴中敷である。
また、これら生地に使用される織物地の織り方、また編物地の編み方は、特に限定されるものでなく、例えば、平織り、蜂巣織り等の織物地、ダブルラッシェル編み、トリコット編み、メッシュ編みなどの編物地が利用されうる。
また靴中敷の表生地および裏生地は、所謂メラミン加工を行なうことにより、生地の着色、黄変を抑制することができる。メラミン加工は、例えば弾反撥硬仕上げ加工剤(主成分:自己架橋型アクリル酢酸ビニル共重合樹脂)を使用して、ポリ乳酸をはじめとする上記繊維の生地をメラミン樹脂溶液に浸漬する処理(所謂ドブヅケ)を行ない、続いておよそ160℃で乾燥することにより、なされる。
さらに、本発明の靴中敷は、靴に防臭作用を与えるために、前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とするが、特に前記表生地、裏生地のうち少なくとも一方、またはそれらの両方が、後述するような抗菌防臭加工もしくは制菌加工されているものが好ましい。
【0010】
ところで、本発明者は靴中敷の積層体の使用に適するポリ乳酸を検討するにあたり、さらに上記要求性能を満たすところのポリ乳酸の物性を鋭意検討した。その結果、以下の特別な物性値をもつポリ乳酸繊維が積層タイプの靴中敷の材料として最適であることを見出した。
すなわち好ましい靴中敷を構成する上記織物地、編物地もしくは合成皮革を構成するポリ乳酸繊維は、オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器にて測定した引張強度が250MPa以上、好ましくは350MPa以上(測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分)であり、および引張弾性率が4.5GPa〜12.0GPa、好ましくは5.5GPa〜10.0GPa(引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)という物性値をもつものである。
ポリ乳酸繊維の引張強度が250MPa未満である場合には、使用時に靴中敷にかかる荷重とその変化に対して通常要求される程度の強度が得られず、耐久性が悪い。また、歩行時の体重移動により中敷はそれにかかる荷重の変化により変形するが、引張弾性率が4.5GPa未満の場合には、ゴム弾性に乏しく、中敷が元の形状に戻る能力が低いので、短期間に中敷にヘタリが生じやすいし、快適なクッション性が得られない。また12.0GPaを超えるものは、中敷として靴に取り付けた場合、歩行中により変形しやすいため、靴内で浮きやすく、位置ずれしやすいので履き心地が悪い。
また、上記ポリ乳酸繊維の繊度は引張強度値および引張弾性率値が上述した範囲に入るものであれば特に限定されない。好ましいポリ乳酸繊維の繊度は100dtex〜2500dtex(糸径100μm〜500μm)、特に、100dtex〜900dtex(糸径100μm〜300μm)である。
【0011】
本発明の靴中敷における中間シートは、単層の中間シートの場合も、または、同種もしくは異種材料よりなる複層の中間シートの場合も含まれる。また、単層の中間シートまたは複層の中間シート中の少なくとも一つは抗菌防臭加工もしくは制菌加工シート、または活性炭含有シート、またはそれらの組合せよりなる中間シートであるものが好ましい。
すなわち、上記中間シートが複層の中間シートの場合には例えば、抗菌防臭加工もしくは制菌加工シートと、活性炭含有シートよりなる二種シート、あるいは、これら二種シートと、他のシート例えば同種もしくは異なる処理のされているまたはされていないシートとの組合せであってよい。
中間シートは、靴中敷の形状を支持すると同時にクッション材としての役割を担う部分であるので、適当な厚みまたは弾性を有するシート状のもの(例えば不織布)や表生地または裏生地と同様、各種繊維やモノフィラメントの編物地、織物地もしくは合成皮革よりなるシートであってよい。
中間シートも上記表生地、裏生地と同様に、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニリデン樹脂からなる不織布、織布または編物地(蜂巣織り、メッシュ編み等)などの材料が使用できるが、分解されない廃棄物量を低減させるという理由から上記積層体の単層の中間シートもしくは複層の中間シートの少なくとも1つがポリ乳酸を主材料とするものが好ましく、さらに、中間シートの材料の全てがポリ乳酸を主材料とするものがより好ましい。
これら中間シートに使用されるポリ乳酸繊維もまた、上記物性値をもつものが好ましい。また、単層の中間シートは、複数の材料の混紡であってもよく、さらに後述するように熱溶着の際のホットメルト材料等を含むものでもよい。
【0012】
ここで、表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種に施される、抗菌防臭加工及び制菌加工は、微生物の増殖を抑制する加工であり、靴中敷に防臭作用を与え、さらに微生物の増殖を抑えることから衛生上も好ましい。
しかしながら、本発明の靴中敷は「生分解性」樹脂のポリ乳酸樹脂を使用することを特徴とするものであり、一方微生物の増殖を防ぐ、抗菌防臭加工および制菌加工は生分解を抑制するものである。従って、抗菌防臭剤・制菌剤は靴中敷の耐用期間を越えてあまり長期間に残留しない、抗菌防臭剤・制菌剤を使用することが望ましい。しかし、廃棄方法を埋立て廃棄に限定しなければ、抗菌防臭剤・制菌剤は繊維製品用の抗菌防臭剤、制菌剤を限定なく使用できる。これらの例としては、無機抗菌剤例えば、銀系、銅系、光触媒系(酸化チタン等)抗菌剤、および有機系抗菌剤例えば第四アンモニウム塩系、有機金属系、グアニジン系、ハロシアリル尿素系、フェノール系、脂肪族エステル系、その他天然系抗菌剤(天然フラボノイド類、キチン、キトサン、カテキン、タンニン、甘草エキス、ヒノキチオール等)を挙げることができる。これらの抗菌防臭剤・制菌剤には、防カビ作用を有するものも好ましく、また、防カビ剤との併用も可能である。
上記表生地、裏生地および中間シート材料の抗菌防臭加工または制菌加工は、衣服の繊維に対して通常為されている抗菌防臭加工又は制菌加工と同様の加工、例えば、表生地、裏生地および中間シートとなる材料を抗菌防臭剤又は制菌剤含有浴に浸漬する処理(ドブヅケ)、抗菌防臭剤又は制菌剤を該材料表面に塗布する処理、該材料繊維中に練り込む処理、抗菌防臭剤または制菌剤のマイクロカプセルを該部材に付着させることによりなされるものである。
なお、「抗菌防臭加工」及び「制菌加工」は、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)により、それぞれ「抗菌防臭加工」は、試験菌種(黄色ぶどう球菌)について、「制菌加工」は、試験菌種(黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、特定用途にはさらにMRSA)について評価方法と効果の認証基準が定められているものである。
【0013】
本発明の靴中敷の表生地、裏生地および単層もしくは複層の中間シートの少なくとも一つは、上記抗菌防臭加工もしくは制菌加工に代えて、またはそれらと共に、消臭・脱臭のため、活性炭含有処理がなされる。
活性炭含有処理は、靴内の臭いを吸収することができる活性炭を、薄手ないし厚手の上述の表生地、裏生地および中間シート材料となる織物地、編物地もしくは不織布(例えば麻、木綿織布、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、ポリ乳酸不織布)などに含浸もしくは被覆したものである。活性炭としては、ビーズ活性炭、ヤシガラ(椰子殻)活性炭、もしくは竹、炭素繊維などより誘導される活性炭が利用することができる。活性炭を含有させる量は、所要の防臭効果を得るのに必要な量以上の量であればよい。好ましい含有量は50〜150g/m2である。
【0014】
本発明における好ましい靴中敷は表生地、裏生地、中間シートのいずれもがポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる三層ないし五層またはそれ以上が積層された靴中敷であって、前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とするものである。この靴中敷は全てが生分解プラスチックで構成されているので、廃棄時に有毒ガスの発生のない焼却が可能である。また埋め立て廃棄の際も最終的には完全に分解可能であり、環境に非常にやさしいものである。
本発明のより好ましい態様は、抗菌防臭加工もしくは制菌加工処理した表生地および裏生地よりなるか、および/または、抗菌防臭加工もしくは制菌加工および活性炭含有処理した単層もしくは複層の中間シートよりなるものである。
【0015】
好都合なことには、材料の大部分あるいは全ての材料をポリ乳酸よりなる材料を使用した本発明の靴中敷は、靴中敷の製造装置で適用される水準の高周波電流の通電によって、そのまま靴中敷形状に溶断し、その周縁部を接着する方法によって製造できる。
本発明の靴中敷の代表的な製造工程を以下に示すものである。
1) 裏生地の上に、抗菌防臭加工もしくは制菌加工シートおよび/または活性炭含有シートより選択された、単層もしくは複層の中間シート、および表生地を順に重ね合わせて、積層体を形成し、
2) 靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、上記積層体を平面盤状の下部電極の上に載せ、
3) 続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極と下部電極の間に通電し、上下部の電極の間の積層体を加熱することにより、その積層体を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するものである。
高周波ウェルダー装置による加熱温度はおよそ180℃〜230℃、好ましくは200〜220℃である。
【0016】
上述のように、表生地、裏生地および中間シートのみからなる積層体を、直接高周波電流により溶断し、同時にその周縁部を接着する方法の他、各材料層間に、ホットメルト不織布もしくはホットメルト粉末を介在させることにより、高周波電流の通電によって靴中敷を作成することもできる。この方法は、特に、表生地、裏生地および中間シートの材料の一部にポリプロピレン、ポリエステル等の高周波電流の通電による接着性の悪い材料を使用する場合に有効である。
使用するホットメルト不織布は、ポリアミド系成分を主成分とするホットメルト不織布が好ましく、ポリアミド ホットメルト不織布、ポリアミド/ポリオレフィン ホットメルト不織布、さらにはポリ乳酸不織布などが好適である。例えば、蜘蛛の巣状スパンボンドのポリアミド/ポリオレフィン ホットメルト不織布製品 商標名ダイナックB−1030(東洋紡績株式会社より市販されている)が代表的に適用されうる。このホットメルト不織布製品は、その上、通気性が良好で、柔軟性が高く、上述のホットメルト不織布等を使用しない条件と同様に高周波ウェルダー(加熱温度150℃〜180℃、好ましくは165℃〜175℃)による接着性能が大変良好であるという利点をも有する。
ホットメルト粉末は上記不織布と同様の成分、例えばポリアミド系成分の粉末等が使用できる。
【0017】
さらに、上記のホットメルト不織布もしくはホットメルト粉末を使用しないで、上記の中間シートの代わりに、例えばポリアミド系成分のようなホットメルト成分を含む単層の複合中間シートを採用することも可能である。すなわち、表生地および裏生地と、それらの間に複合中間シートとを積層し、そして、得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、本発明の靴中敷を作り上げることもできる。この複合中間シートとしては、例えばポリ乳酸、ナイロン(ポリアミド)、レーヨンおよびポリエステル等よりなる連続線状ランダムループ構造の混合不織布を挙げることができる。
複合中間シートを使用する場合の本発明の靴中敷の製造工程における、高周波ウェルダー装置による加熱温度も、接着に使用されるホットメルト成分によるが、およそ150℃〜180℃である。
【0018】
本発明の靴中敷は様々な種類の靴に特に制限なく適用できる。また本発明の靴中敷は靴内に挿入して使用する他、靴の材料として靴の製造の際に直接中底として組み付けることも可能である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
なお、実施例にて使用する各材料の抗菌防臭加工・制菌加工、並びに活性炭含有は以下のように行った。
1)制菌加工:ポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地(A)およびポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地(A)
濃度3.5重量%のニッカノンRB(薬剤成分:N−ポリオキシアルキレン−N,N,N−トリアルキルアンモニウム、日華化学株式会社製)水溶液にポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地またはポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地を浸漬後、乾燥させる。これらの加工生地を、黄色ぶどう球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌についてJIS L1902−98(定量法)により静菌活性値を測定したところ、制菌加工基準を満たしていた。
2)抗菌防臭加工:ポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地(B)およびポリ乳酸不織布(A)
濃度2.5重量%のニッカノンRB水溶液にポリ乳酸モノフィラメントの蜂巣織りの織物地またはポリ乳酸不織布を浸漬後、乾燥させる。これらの加工生地を、黄色ぶどう球菌について、JIS L1902−98(定量法)により静菌活性値を測定したところ、抗菌防臭加工基準を満たしていた。
3)活性炭含有処理:木綿織布(A)
ヤシガラ活性炭を水に分散させ、木綿織布に100g/m2となるように含浸させ、乾燥させた。
【0020】
実施例1
本実施例の靴中敷1は、表生地2、中間シート3および裏生地4を積層した三層構造の靴中敷であり、図3に積層構造を示す。
本実施例の靴中敷1は、表生地2が、東レ株式会社製の制菌加工された繊維製品(登録商標マックスペック)と同様の制菌剤を用いて制菌加工がなされたポリ乳酸繊維のジャージ織り織物地によりなり(図1(A))、裏生地4がポリ乳酸のモノフィラメントの平織りスクリーン状の織物地よりなり(図1(B))、さらに、中間シート3は必要により、上記制菌加工したポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地(A)(図2(C))よりなる(図1ないし図3)。
各ポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントの物性は以下のものである。
【表1】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
この靴中敷1は、図4に示すように、裏生地4の上に、中間シート3、および表生地2を順に重ね合わせて、積層体6を得、そして、靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、図5に示すように、積層体6を平面盤状の下部電極20の上に載せ、続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極21を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極21と下部電極20の間に通電し、それら電極20、21の間の積層体6をおよそ200℃に加熱し、これにより、その積層体6を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部7を接着するというプロセスにより作られる。
図5の製造過程には示さないが、本実施例では靴中敷使用時に、該中敷中央部で各層の生地が動き、伸びや擦れ等が生じて靴中敷の耐久性が低下するのを防ぐために、積層体を高周波電流で溶断する際、同時に該中敷表面中央部の任意の複数箇所を溶着することによって各層を固定する(図1に溶着部17を示す)。
得られた三層の靴中敷の周縁部の接着性能は大変良好であり、従来の積層タイプの靴中敷と同様に通気性およびクッション性が優れ、使用時の足裏の動きや体重のかかり具合によるヘタリが少なく耐久性を有するものであった。
また、表生地1および中間シート3として制菌加工していないが実施例1と同じポリ乳酸繊維の織物地を使用し、それ以外は実施例1と同じ材料と構造の靴中敷(比較例1)を製造し、実施例1の靴中敷と比較例1の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、左右の靴の臭気を比較した。その結果実施例1の靴中敷を取り付けた側の臭気の方がより少なかった。
【0021】
比較例2および3
実施例1の靴中敷と同じ構成の三層の靴中敷において、使用する織物地、編物地を下記表2の物性をもつポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントよりなる生地に替えて、同様の方法にて作成した。
【表2】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
上記比較例2および3において得られた三層の靴中敷における周縁部の接着性能は良好であったが、比較例2の靴中敷は実施例1の靴中敷に比べ、ヘタリが早く耐久性が劣るものであり、比較例3の靴中敷は実施例1の靴中敷に比べて、変形が大きく靴中で中敷がずれて履き心地がわるかった。
【0022】
実施例2
本実施例の靴中敷10は、図7に示すように表生地2、上下二層の中間シート3a、3bおよび裏生地4を積層する四層の靴中敷である。
本実施例の靴中敷10は、図6に示すように表生地2が抗菌防臭性能を有するポリ乳酸繊維であるジャージ織りの織物地(登録商標テラマック、ユニチカファイバー株式会社製)(図6(A))よりなり、さらに裏生地4がポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編の編物地よりなる(図6(B))。
本実施例の中間シートは二層よりなり、上層の中間シート3aは抗菌防臭加工したポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地(B)よりなり、下層の中間シート3bは活性炭含有シートとして木綿布(A)よりなる。
各ポリ乳酸繊維および、ポリ乳酸モノフィラメントの物性は以下のものである。
【表3】
*測定装置:オリエンテック社製、テンシロンUCT−100型測定器
引張強度の測定条件:試料長300mm;引張速度300mm/分
引張弾性率の測定:引張強度測定において、荷重/歪曲線における初期勾配より求めた弾性率)
この四層の靴中敷を実施例1の三層構造の靴中敷1の場合と同様、靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して製造した。本実施例の靴中敷においても、その周縁部の接着性能は大変良好であり、また、使用時にはヘタリが少なく耐久性を有するものであった。さらに、本実施例の表生地、中間シート3a、3bに代えて抗菌防臭加工、活性炭を含有処理していない同様の材料を使用して靴中敷(比較例4)を製造し、この比較例4の靴中敷と本実施例2の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、靴の臭気を比較したところ、本実施例2の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
【0023】
実施例3
実施例2の靴中敷1における表生地2を制菌加工したポリ乳酸繊維のダブルラッシェル編みの編物地(A)に、かつ上層の中間シート3aを未加工のポリ乳酸のモノフィラメントの蜂巣織りの織物地に、下層の中間シート3bを抗菌防臭加工したポリ乳酸不織布(A)に替え、さらに裏生地4をポリ乳酸のモノフィラメントの平織りスクリーン状の織物地に替えた四層の靴中敷を、実施例1と同様に高周波ウェルダー装置を用いて製造した。この靴中敷においても、その周縁部の接着性能は大変良好で、使用時の耐久性も優れたものであり、さらに、本実施例の表生地2、下層の中間シート3bに代えて制菌加工、抗菌防臭加工していない同様の材料を使用して靴中敷(比較例5)を製造し、この比較例5の靴中敷と本実施例3の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付け、この靴を約3日間使用した後、靴の臭気を比較したところ、本実施例3の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
【0024】
実施例4
本実施例では、実施例1の靴中敷と同じ構成の材料を使用して表生地1、裏生地2および中間シート3を積層するが、この際、図8に示すように、蜘蛛の巣状スパンボンドのポリアミド/ポリオレフィンホットメルト不織布(商標名ダイナックB−1030、販売先:東洋紡績株式会社)5、5を表生地2と中間シート3の間および中間シート3と裏生地4の間にそれぞれ介在させる。
得られた積層体6も、実施例1に示したように靴中敷の製造装置(高周波ウェルダー装置)を使用して、平面盤状の下部電極の上に載せ、続いて、その上に、靴中敷形の型で外周縁を尖らせた上部電極を押し当て、そして加圧しながら、高周波電流を上部電極と下部電極の間に通電し、両方電極間の積層体6をおよそ170℃に加熱し、これにより、その積層体6を靴中敷形状に溶断し、同時にその周縁部を接着するというプロセスにより作られる。
得られた五層の靴中敷の周縁部の接着性能も大変良好であり、従来の積層タイプの靴中敷と同様に通気性およびクッション性が優れ、使用時の足裏の動きや体重のかかり具合によるヘタリが少なく耐久性を有する。
また、実施例1と同様に、表生地1および中間シート3として制菌加工していないが本実施例4と同様のポリ乳酸繊維の織物地を使用し、その他の構成は同じ靴中敷(比較例6)を製造し、この比較例6の靴中敷と実施例4の靴中敷を一足の靴の左足側、右足側にそれぞれ取り付けた靴を約3日間使用し、その後、靴の臭気を比較したところ、本実施例4の靴中敷を取り付けた側の靴の臭気の方がより少なかった。
而して、本発明に示す物性を有するポリ乳酸の繊維またはモノフィラメントの織物地、編物地、不織布シートを表生地、裏生地及び中間シートに使用し、かつ表生地、裏生地、中間シートの少なくとも1種に抗菌防臭加工もしくは制菌加工、または活性炭含有処理された材料を用いた、いずれの実施例の靴中敷も、周縁部の接着性能は大変良好であり、耐久性を有するものであった。その上、通気性も高く、クッション性にも優れており、また靴の防臭効果も得られた。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、ポリ乳酸、特に上述の特別な物性をもつポリ乳酸から作られた繊維またはモノフィラメントよりなる織物地、編物地、合成皮革等の生地を表生地および裏生地に使用し、それらの間に単層もしくは複層の中間シートを積層し、しかも、これらの少なくとも1種に、抗菌防臭もしくは制菌加工、または活性炭含有処理された材料を使用する、本発明の積層タイプの靴中敷は、靴中敷としての十分な強度をもちそしてヘタリの少ないものであり、かつ靴中敷としての十分なクッション性、通気性、さらには防臭効果を持つものである。また本発明の靴中敷は、主材料として生分解性プラスチックであるポリ乳酸を使用しているので、その廃棄の際、ポリ乳酸の部分は、埋め立ての場合においては最終的に分解するので分解されない廃棄物の量を減少させることができ、焼却の場合においてはポリエステル等よりも低いエネルギーで有害ガスの心配なく処理できる。しかも製造においては、ポリ乳酸よりなる表生地、裏生地、中間シートはそのまま従来の高周波ウェルダーによる熱溶着および熱溶断することが可能であるので、製造に特別な工程を加えずに製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A) は実施例1の靴中敷の表面を示す図であり、図1(B) は実施例1の靴中敷の裏面を示す図である。図1(X) は図1(A) に示される靴中敷のx部分を拡大して示す正面図である。
【図2】図2(c) は実施例1の靴中敷の中間シートを示す図である。図2(Y) は図2(c) に示される靴中敷のy部分を拡大して示す正面図である。
【図3】実施例1の靴中敷を示す断面図である。
【図4】実施例1の靴中敷の製造の際の積層工程を示す図である。
【図5】実施例1の靴中敷の製造の際の溶着工程を示す図である。
【図6】図6(A) および図6(B) は実施例2の靴中敷の表面および裏面を示す図である。図6(Z) は図6(B) に示される靴中敷のz部分を拡大して示す斜視図である。
【図7】実施例2の靴中敷を示す断面図である。
【図8】実施例4の靴中敷の製造の際の積層工程を示す図である。
【符号の説明】
1、10 靴中敷
2 表生地
3 中間シート
3a 上層の中間シート
3b 下層の中間シート
4 裏生地
5 ホットメルト不織布
6 積層体
7 周縁部
17 溶着部
Claims (6)
- 表生地および裏生地と、それらの間に単層もしくは複層の中間シートとを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、作られた靴中敷であって、前記表生地および裏生地は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されていることを特徴とする靴中敷。
- 表生地および裏生地と、それらの間に単層もしくは複層の中間シートとを積層し、そして得られた積層体を高周波電流の通電によって靴中敷形状に溶断し同時にその周縁部を接着することにより、作られた靴中敷であって、前記表生地および裏生地は少なくとも一方がポリ乳酸を主材料とする織物地、編物地もしくは合成皮革からなり、かつ前記表生地、裏生地および中間シートのうち少なくとも一種は、抗菌防臭加工、制菌加工または活性炭含有処理されており、さらに該織物地、編物地もしくは合成皮革を構成するポリ乳酸繊維は250MPa以上の引張強度および4.5GPa〜12.0GPaの引張弾性率を有することを特徴とする靴中敷。
- 表生地および裏生地が抗菌防臭加工もしくは制菌加工されている請求項1または2記載の靴中敷。
- 前記単層の中間シートもしくは複層の中間シートの中の少なくとも一つのシートが抗菌防臭加工もしくは制菌加工シート、または活性炭含有シート、またはそれらの組合せよりなる請求項1ないし3記載の靴中敷。
- 表生地および裏生地の両方がポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる請求項1ないし4記載の靴中敷。
- 表生地、裏生地および中間シートの全てがポリ乳酸繊維よりなる織物地、編物地もしくは合成皮革からなる請求項1ないし5記載の靴中敷。
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-
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- 2002-07-10 JP JP2002201835A patent/JP2004041385A/ja active Pending
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