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JP2004034207A - 印刷機用シータ - Google Patents

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JP2004034207A
JP2004034207A JP2002193129A JP2002193129A JP2004034207A JP 2004034207 A JP2004034207 A JP 2004034207A JP 2002193129 A JP2002193129 A JP 2002193129A JP 2002193129 A JP2002193129 A JP 2002193129A JP 2004034207 A JP2004034207 A JP 2004034207A
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Abstract

【課題】カッタシリンダが高速回転を続けて軸受での発熱により昇温しても、裁断位置での固定刃と回転刃の位置関係が低速回転時と変わらないようにし、運転中好な切れ味を維持できるようにする。
【解決手段】カット部は、下側の固定刃取り付けベース24に装着されている固定刃25と上側のカッタシリンダ26に装着された回転刃27とが噛み合いウエブを裁断する構造である。カッタシリンダ軸の軸受本体50aを支える軸受保持部47aには、その軸受本体外周に沿って半周以上(より好ましくは3/4周程度)に及ぶ円弧スリット状に開口した通気孔60aが形成されており、且つ前記軸受保持部はファン61で強制冷却される。それによって温度上昇が抑制されると共に円弧スリット状の通気孔により区分される外側領域の熱膨張量と内側領域の熱膨張量が相殺されるようにする。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速運転に適したカット部軸受支持構造を有する印刷機用シータに関し、更に詳しく述べると、円弧スリット状の通気孔を有する軸受保持部とファンによる強制冷却を組み合わせることによって、裁断位置での固定刃と回転刃との位置関係が高速運転中の軸受発熱などの影響を受けても変動せず、良好な切れ味が維持されるようにした印刷機用シータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷機用シータは、高速で供給されてくるウエブを取り込み、そのウエブを所定寸法の枚葉に裁断し、裁断したカット紙を、前のカット紙の上に次のカット紙が大部分で重なるような瓦積み状態で低速搬送し、所定の位置にて垂直方向に積み重ねるようにした装置である。この印刷機用シータは、通常、オフセット輪転印刷機の下流側にオンラインで設備され、印刷機と同期運転される。
【0003】
より具体的には、例えば、ドローローラを備え高速で供給されてくるウエブを取り込むインフィード部と、固定刃と回転刃とが噛み合うことでウエブを所定寸法の枚葉に裁断するカット部と、該カット部の下流側に設けた高速搬送手段と、裁断したカット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段と、カット紙を積み重ねるスタック部などから構成されている。低速搬送手段に対向してその上方に回転部材(回転ドラムや回転ベルトなど)が設けられ、該回転体には、その外周面にカット紙転移用の突起物(例えばカムやブラシなど)が回転軸と平行に配列されていて、該突起物によってカット紙の後端部を押し下げることで高速搬送手段から低速搬送手段に転移させ、制動をかけて瓦積み状態を実現するようになっている。
【0004】
カット部は、下側の固定刃取り付けベースに装着されている固定刃と上側のカッタシリンダに装着されている回転刃とが噛み合うことでウエブを裁断する構造である。カッタシリンダは、その回転軸が両端部で軸受(ベアリング)によって支えられており、輪転印刷機からの駆動力などにより回転駆動される。何らかの原因で固定刃と回転刃の噛み合わせの関係が変化すると、切れ味が変わる。例えば、長期間にわたる運転によって刃先に摩耗が生じると、切れ味が悪くなる。そこで、レバー方式による固定刃の変位調整機構を付設し、回転刃と固定刃との噛み合わせを調整している。
【0005】
ところで従来の印刷機用シータでは、運転速度は一般に400〜600rpm程度までであり、回転に伴う軸受部分の温度上昇は比較的少なかった。それでも軸受における発熱により、運転中に軸受周辺温度が上昇し、熱膨張の影響で下固定刃と上回転刃の噛み合わせは多少変化する。しかし、従来、その対策はほとんど採られていない。必要な場合には、固定刃の変位調整機構を利用して調整している。
【0006】
この熱膨張による切れ味変動を抑える技術として従来提案されている唯一の方法は、軸受近傍にヒータを組み込んで、常に80℃程度まで昇温し、その温度を維持するように制御する温度制御装置を設置することである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通常の印刷作業においては、200〜300rpmで実印刷が開始され、300〜400rpmで見当などのチェック・調整などが行われ、500rpm以上で営業運転される。近年、オフセット輪転印刷機の一層の高速化に伴い、800〜1000rpmで営業運転されることも多くなっており、印刷機用シータにも高速化対応が求められている。しかし、運転速度が上昇するにつれ、カット部の軸受での発熱量は増大し(例えば運転速度が700〜800rpmになると、温度上昇は20℃以上になることもある)、熱膨張によって裁断位置での固定刃と回転刃との相対的位置関係が変化し、固定刃と回転刃との隙間がますます広がる傾向となり、切れ味が悪くなる。
【0008】
前述のように、印刷機用シータには、固定刃の位置を上下方向に変位し、回転刃との間隔を狭くしたり広げたりするレバー方式の上下調整機構が付設されているが、従来構造では機構的な制約上、レバー比が1:2程度であり、レバーを動かすハンドルも小径(60〜80mm程度)であったため、固定刃先端(刃先)の動きとして要求される数μm(例えば3〜5μm)の微調整は、たとえ熟練者でもかなり困難な作業であった。また、変位量はハンドルにて示されていることが多く、ねじのバックラッシュ分あるいは嵌め合いなどの精度が影響し、必ずしも実際の変位量を示すものとはなっていなかった。そのため、ウエブが適切に裁断されない事態も発生し、それによってカット部などでの紙詰まりが頻発することもある。
【0009】
他方、ヒータによって軸受保持部を強制的に昇温し、高温状態(80℃程度)を維持する方法は、運転開始から定常状態に達するまでに長時間を要する問題がある。軸受保持部及びその近辺の構造物の熱容量が大きく、なかなか一定温度にまで達しないからである。合わせて、微調整の必要があっても、温度は直ちに上下するわけではないので、調整が非常に面倒であった。また、運転中、ヒータに通電し続けねばならず、電流消費量が多く、不必要な周辺部材まで温度上昇が生じる問題もある。
【0010】
その他、輪転印刷機の高速化に伴い刃先の摩耗が甚だしくなるが、摩耗に応じて、あるいは交換の際に、固定刃と回転刃の適正な噛み合わせを容易に実現できる機構が要求されている。また運転トラブルの発生をできる限り防止する対策、万一トラブルが発生した時に機器の破損を防止し損害を最小限に止める対策も必要である。更には、当然のことながら、ウエブの安定した取り込み動作と、高い裁断精度を維持する対策も必要となる。
【0011】
ドローローラは、表面をめっき後研磨するか、もしくはサンドブラスト後にめっき処理しており、従来、単純な円筒状をなしている。他方、ニップローラは、通常、ゴムまたは樹脂製であり、これをエアシリンダなどでドローローラに押し付けている。ここでシータに何らかのトラブル(例えばカッタ部での紙詰まりなど)が発生しウエブの流れに急激な変化が発生した場合、運転速度が600rpm程度以下ではウエブがドローローラに巻き込まれることは比較的少なかった。しかし、運転速度が700rpm程度以上に高速化すると、異常時にウエブがドローローラに巻き込まれることがしばしが発生する。巻き付き量は、ウエブ厚などにもよるが、数mmから場合によっては十数mmにも達する。このように巻き付いたウエブの除去作業は、非常に面倒であり時間もかかる。また巻き込みにより機器が破損する恐れもある。
【0012】
また、低速搬送部などで紙詰まりが発生した場合、輪転印刷機を非常停止させたとしても、高速運転中では停止するまでに多量のウエブがカット部へと流れ続け、カット部が詰まって破損する恐れがある。
【0013】
更にドローローラは、特に高速運転を考慮すると、その引き率を適正な値に設定しなければウエブの安定走行は望めない。従来技術では、運転速度が低いこともあってドローローラの引き率変更手段を設けていない場合も多い。そのため、ウエブの安定走行に問題が起きた時に対応できないか、ドローローラの直径の修正、ニップ装置の改良、印刷機内部のドロー装置のバランス変更などで対処してきたため、対応に時間がかかった。また、従来ドローローラの引き率変更手段を設けている場合には、微速変速装置を装備しており、手動で調整するか、張力計など計測装置との連動で自動制御しているため、高価であるばかりでなく、メンテナンスを必要とする。そのため、ほとんど変更の必要がない箇所に多くの費用を要していた。
【0014】
本発明の目的は、カッタシリンダが高速回転を続けて軸受での発熱により昇温しても、裁断位置での固定刃と回転刃の位置関係が低速回転時と変わらないようにし、運転中良好な切れ味を維持できるようにした印刷機用シータを提供することである。本発明の他の目的は、固定刃と回転刃の適正な噛み合わせを容易に実現でき、運転トラブルの発生をできる限り防止し、万一トラブルが発生した時には損害を最小限に止めることができる印刷機用シータを提供することである。本発明の更に他の目的は、高速運転でもウエブの安定した取り込み動作が行われ、それによって高い裁断精度を維持できる印刷機用シータを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ウエブを取り込むインフィード部と、回転カッタシリンダでウエブを所定寸法の枚葉に裁断するカット部と、該カット部の下流側に設けた高速搬送手段と、カット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段と、カット紙を積み重ねるスタック部を具備する印刷機用シータにおいて、カット部は、下側の固定刃取り付けベースに装着されている固定刃と上側のカッタシリンダに装着された回転刃とが噛み合いウエブを裁断する構造であり、カッタシリンダ軸の軸受本体を支える軸受保持部には、その軸受本体外周に沿って半周以上(より好ましくは3/4周程度)に及ぶ円弧スリット状に開口した通気孔が形成されており、且つ前記軸受保持部はファンで強制冷却され、それによって温度上昇が抑制されると共に円弧スリット状の通気孔により区分される外側領域の熱膨張量と内側領域の熱膨張量が相殺されるようにしたことを特徴とする印刷機用シータである。
【0016】
固定刃取り付けベースの両側のアーム部の一端をカット紙の流れ線上で且つ回転刃と固定刃の噛み合い中心より離れた位置で両側に設けたスイング軸により揺動可能に軸支し、アーム部の他端はアームピンで軸支するようにし、スイング軸とアームピンとの距離をスイング軸と前記噛み合い中心までの距離の5倍以上に設定し、ブラケットに取り付けた上部ピンにて上下方向が規制される吊り下げねじを前記アームピンに螺合し、ハンドル操作による吊り下げねじの回転で固定刃取り付けベースの固定刃を上下方向に変位調整可能にすると共に、アームピン上部に設けたダイヤルゲージにて固定刃取り付けベースの位置を確認可能とする構成が望ましい。
【0017】
ウエブを取り込むドローローラは、その外周面に複数の凹状溝が円周状に形成されていて、該ドローローラの下流側には、先端が櫛状の巻き込み防止プレートが設置され、前記の各凹状溝に各櫛部先端がそれぞれ差し込まれるように組み合わされて、ウエブの巻き込みを防止する構成が好ましい。
【0018】
またカット部よりも上流側に、紙詰まり検出信号に応答してカッタ・アクチュエータが駆動され、非常用カッタでウエブを強制切断し下方に落下させる構造の非常用カッタ機構を設けるのが好ましい。
【0019】
更に、シータ入力軸とドローローラ軸の間に、歯数が1だけ異なる2個のタイミングプーリによる第1のタイミングベルト駆動手段と、歯数が1又は2異なる2個のタイミングプーリによる第2のタイミングベルト駆動手段を組み合わせた引き率簡易変更装置を設け、第2のタイミングベルト駆動手段は可変式とし、その2個のタイミングプーリをそれぞれ歯数が1だけ多くするか又は少なくする交換を可能とする構成が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
印刷機用シータは、通常、オフセット輪転印刷機の下流側にオンラインで設備される。この場合、オフセット輪転印刷機の駆動軸とシータ入力軸をカップリング等で機械的に直結して運転することが多い。しかし近年、電気的な制御技術の進歩に伴って、印刷機側に高精度の回転検出エンコーダを取り付け、シータ側には独立した駆動系を設置して、前記回転検出エンコーダの信号を受けて回転制御することも行われつつある。いずれにしても、このようにして、印刷機用シータはオフセット輪転印刷機と同期して運転される。
【0021】
オフセット輪転印刷機における印刷は、例えば概略次のような手順で行われ、印刷機用シータにウエブが供給される。
(1)給紙部に装着された巻き取り紙が、適度な張力を与えられて印刷部に送られ、通常、両面同時に印刷される。
(2)次に乾燥部に送られて印刷紙面が加熱され、インクの乾燥が行われる。
(3)続いて冷却部を通ることにより、紙面温度が下げられインクのセットが促進される。
(4)シリコンアプリケータ等により紙面の滑り性を向上すると共に、静電気の発生を防止し、ドラッグローラによって一定のテンションが与えられる。
(5)製品形態が折り出しの場合は折り機内を通過するが、製品形態がシート出しの場合は、通常、折り機上部よりパスロールを経てシータ入口にある最初のフリーローラによってウエブを導入する。
【0022】
印刷機用シータは、ウエブを取り込むインフィード部と、回転カッタシリンダでウエブを所定寸法の枚葉に裁断するカット部と、該カット部の下流側に設けた高速搬送手段と、裁断したカット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段と、カット紙を積み重ねるスタック部を具備している。前記高速搬送手段は、低速搬送手段に対向してその上方に位置する回動部材を有し、該回動部材には、その外周に剥離用突起が回動軸と平行に配列されていて、該剥離用突起によってカット紙の後端部を押し下げてカット紙を高速搬送手段から低速搬送手段に転移させ瓦積み状態を実現する。
【0023】
本発明において、カット部は、下側の固定刃取り付けベースに取り付けられている固定刃と上側のカッタシリンダに装着された回転刃とが噛み合いウエブを裁断する構造である。カッタシリンダ軸の軸受本体を支える軸受保持部には、その軸受本体外周に沿って半周以上(より好ましくは3/4周程度)に及ぶ円弧スリット状に開口した通気孔が形成されており、且つ前記軸受保持部はファンで強制冷却される。それによって、温度上昇が抑制されると共に円弧スリット状の通気孔により区分される外側領域の熱膨張量と内側領域の熱膨張量が相殺されるようにし、固定刃と回転刃との噛み合い状態(位置関係)が運転速度や運転時間にかかわらずほぼ一定に維持され、良好な切れ味が保たれる。
【0024】
【実施例】
図1に印刷機用シータの一実施例の全体構成を示す。この印刷機用シータは、オフセット輪転印刷機(図示せず)から高速で供給されてくるウエブ10を取り込むインフィード部11と、そのウエブ10を所定寸法の枚葉に裁断するカット部12と、該カット部12の下流側に設けた高速搬送手段13と、裁断したカット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段14と、カット紙15を積み重ねるスタック部16を具備し、全体がカバー17で覆われている。インフィード部11とカット部12の概略構成を図2に示す。その他、オフセット輪転印刷機の駆動軸をシータ入力軸とし、機械的に直結して運転するための入力部が設置されている。
【0025】
インフィード部11は、複数のフリーローラ21a,21b、ドローローラ22a,22b、ニップローラ23a,23bなどからなるウエブ取り込み機構と各種センサ等を有し、輪転印刷機から高速で排出されるウエブ10を適切にカット部12に送り込む部分である。カット部12は、下側の固定刃取り付けベース24に装着されている固定刃25と上側のカッタシリンダ26に装着された回転刃27とを有し、輪転印刷機と同速で回転することでウエブ10を所定寸法の枚葉に裁断する部分である。高速搬送手段13は、第1エアブロー28、上第1バキュームドラム29、上第2バキュームドラム30、第2エアブロー31などを具備し、ウエブ10を緊張状態で搬送することによりカット部12での裁断精度を向上させる。低速搬送手段14は、先端プーリ32、後方のバキュームドラム33の間にバキュームベルト34を掛け渡し、該バキュームベルト34の内側上部にバキュームボックス35を設置した構造である。
【0026】
高速搬送手段13の上第2バキュームドラム30は、丁度低速搬送手段14のバキュームドラム33の上方に位置し、外周面に剥離用突起(この実施例ではナイロンなどからなる剛性のあるブラシ)36が中心軸と平行に配列されていて、該剥離用突起36によってカット紙後端部を押し下げカット紙を高速搬送手段13から低速搬送手段14に転移させる構成である。これによってカット紙の速度はウエブライン速度の1/10〜1/20程度に減速される。剥離用突起36で押し付けられたカット紙が互いに一部オーバラップして瓦積み状態となり、カット紙後端側の40mm程度がバキュームドラム33とバキュームベルト34に吸着されつつ、カット紙先端部上面を第2エアブロー31によるコアンダ効果で引かれて、次のスタック部16へと順次搬送される。
【0027】
スタック部16は、入口部に立設された2本の棒状の紙ガイド40と、出口部で各紙ガイド40にそれぞれ対向して位置する2個の出口ジョガー41と、カット紙の流れ方向の左右に位置する一対の幅可変方式のサイドジョガー42を具備し、それらによってスタック部16に入ってくるカット紙が揃えられ、下部に位置するパレット43上に積み重ねられる。カット紙は、パレット昇降機構によって昇降可能となっている。このようなスタック部16に近接して、グリッパ機構44及び仮積みフォーク機構45などが付設されメインパイル(積み重ねられたカット紙)の取り出し作業を可能としている。メインパイル取り出し時は、グリッパが前進して数十枚のカット紙後端を掴み支え、その下方に生じる空隙に仮積みフォークを挿入し、グリッパを離して仮積みフォーク上にカット紙を積むようにし、その状態で、メインパイルを取り出す。次に、新たなパレットを設置し上昇させて仮積みフォークに接近させ、仮積みフォークを引き抜く。このようにグリッパを用いることにより、高回転域での押し出し損紙が無くなり、非常に熟練を要する損紙処理作業を無くすることができる。
【0028】
次に、本発明の主要部を構成しているカット部12について、図3〜図5により、更に詳しく説明する。図3はシータ入口側から見た説明図、図4は駆動側軸受保持部周辺の説明図、図5は固定刃と回転刃の噛み合い状態の詳細図である。前述のように、カット部12は、インフィード部11の下流側に位置しており、回転刃27、該回転刃27が装着されるカッタシリンダ26、固定刃25、固定刃取り付けベース24、駆動側軸受保持部47aと操作側軸受保持部47b、それら軸受保持部を支持する下梁48、及び上梁49などから構成され、それらは組み上げられた上で両側のフレーム上に載せられる。下梁48は、振動などに対し強度を有する大型の一体型鋳造品とすると共に、両側の軸受保持部47a,47bも同様の鋳造品として全体剛性を高め、高速回転での対応力を高めている。
【0029】
カッタシリンダ26は、両端部で駆動側及び操作側の軸受保持部47a,47bの軸受本体(ベアリング)50a、50bで回転自在に軸支される。カッタシリンダ26には、その外面に回転軸に平行な平面を設け、その平面に回転刃27を載せ、押さえプレート51及び取り付けボルト52によって固定する。回転刃27は、その先端(刃先)が固定刃25と極く僅かに且つ均一に噛み合うように(接するか接しないかの境目状態)、他方の端面でジャッキボルト53によって支えられ調節された上で、取り付けボルト52にて規定のセットトルクで固定される。なお図5では、カッタシリンダ26の180度対称の2箇所に回転刃27が取り付けられているように図示されているが、これはハーフカット(1回転で2回の裁断を行う)動作にも対応できるような構造にしているためである。通常動作では、一方に回転刃(本刃)27を取り付け、他方にはカウンターウエイトとしてダミー刃を取り付けておく(勿論、ダミー刃はジャッキボルトによって先端を引き込めておく)。
【0030】
固定刃取り付けベース24は、固定刃25が装着される横長状の本体部分24aとその両端に連続するアーム部24bからなり、両アーム部24bが両側で駆動側及び操作側の軸受保持部47a,47bに、スイング軸54によって揺動可能に吊り下げられる。固定刃取り付けベース24に形成されている固定刃取り付け面は、操作側が駆動側に対し7mm遅れた状態で(平面的に見れば斜めに)なっている(図5参照)。その固定刃取り付け面に固定刃25を載せ、押えプレート55及び取り付けボルト56にて固定する。これに対して回転刃27は、ウエブの流れ方向に対し直角に取り付けてある。従って、裁断は操作側から始まり駆動側で終わる。これによって同時裁断による衝撃が緩和され、スムーズな回転と綺麗な裁断面が確保される。また、このことによって生じる直角度の誤差修正は、駆動側軸受保持部47aの下部にピン57を設け、フレーム貫通させて支持し、操作側軸受保持部47bの下部の入口側と出口側にそれぞれジャッキボルト58を設けて調整することで直角度を確保している(図3参照)。
【0031】
駆動側及び操作側の軸受保持部47a,47bは、ほぼ同様の構造をなし全体が大型の鋳造品として設計され、下梁48上でボルトによって固定されている。駆動側軸受保持部47aの詳細を図6に示す。Aは断面を表し、Bは側面を表している。軸受本体(ベアリング)50aの外周には複数(ここでは4箇所)の貫通構造の通気孔60a,…,60dを設け、近くにファン61を設置し間をダクト62で連結して強制冷却する。ここで、1箇所の通気孔60aは下方及び側方で約3/4周に及ぶように円弧スリット状に開口させる。その他(3箇所)の通気孔60b,…,60dは円形状であり、軸受本体50aの上方に均等間隔で形成されている。
【0032】
ファン61はシータの始動に合わせて動作させ、通気孔60a,…,60dによる通気作用と相俟って、軸受保持部47a,47bの過度の温度上昇を防止する。しかし、ファン61による強制冷却を行っても、高速運転を続けると、ある程度の昇温は避けられない。軸受保持部47a,47bは鋳造品であり、その熱線膨張係数はFC30で12.3×10−6/℃である。従って、長さ100mm当たり1℃の温度上昇で0.00123mm、10℃の温度上昇で0.0123mm伸びる。高速回転による温度上昇は、ファンによる強制冷却や通気孔形成などの対策を施しても5℃〜15℃になる。切れ味に変化が出る最小変位量は5μm(=0.005mm)程度なので、上記のような温度変化が生じれば切れ味に変化が生じてもおかしくない。
【0033】
ところが本発明では、円弧スリット状の通気孔60aによって熱伝達の経路が上側に限られるため、その外側領域と内側領域とで平均温度上昇が異なる。各部の昇温の程度は、内側領域の平均温度上昇に対して、外側領域の平均温度上昇は約40〜45%に保たれる。従って、内側領域の熱膨張量は外側領域の熱膨張量の約2.3〜2.4倍となる。円弧スリット状の通気孔60aの上端から固定刃の先端までの外側領域の距離Xを、円弧スリット状の通気孔60aの上端から回転軸までの内側領域の距離Yの2.3〜2.4倍に設定すれば、外側領域の熱膨張量(伸びx)と内側領域の熱膨張量(伸びy)とが相殺されて(x≒y)、固定刃と回転刃の位置関係は高速運転を継続することで温度が上昇しても一定に維持され、切れ味に変化が生じることはない。特に薄紙を裁断する場合には、固定刃と回転刃の位置関係が少しでも変動すると切れ味が悪化して、カット部での紙詰まりが発生するが、本発明ではその問題を比較的単純な構造で、低コストで解決できる。
【0034】
固定刃取り付けベース24は、そのアーム部24bの一端にてカット紙の流れ線上で且つ回転刃27と固定刃25の噛み合い中心から離れた位置にてスイング軸54によって軸受保持部47a,47bに揺動可能に軸支されている。その時の停止位置は、固定刃取り付けベース24の入口側下部に固定された0点レベルプレート63が下梁48の入口側垂直面に密着した状態とし、これを基準点とする。この時、固定刃取り付けベース24のベース基準面ssは床に対し水平となる。固定刃取り付けベース24のアーム部24bの他端は反対側のアームピン64で軸支される。ここで、スイング軸54とアームピン64との距離L1は、スイング軸54と前記噛み合い中心までの距離L2の5倍以上(L1≧5×L2)に設定する(図7参照)。
【0035】
駆動側軸受保持部47aの側面にブラケット65が固定され、該ブラケット65に対して横方向に上部ピン66が貫通する。その上部ピン66を縦貫するように吊り下げねじ67の小径部を挿入し、下方からカラー68を挿入し板ばねを介してナット69で緊締する。このようにして吊り下げねじ67は、上部ピン66にて上下方向の移動が規制された状態となる。吊り下げねじ67の上端部には大径(外径200mm)のハンドル70を取り付ける。吊り下げねじ67の下端部は前記アームピン64に螺合する。アームピン64は、その一端中央にスリットが入っており、この部分をロックハンドル71で若干締め付けることでハンドル操作の際のバックラッシュの影響を最小限に調整できるようになっている。
【0036】
また図4に示すように、前記ブラケット65にはダイヤルゲージ72を取り付け、その計測片先端が、駆動側軸受保持部47aの近傍の固定刃取り付けベース24のアーム部24bの上面に固定されている磨きプレート73に当接する。このダイアルゲージ72は、前記の0点レベルプレート63が下梁48に密着した基準点で0にセットされる。この状態で、前記のように、固定刃25が押えプレート55及び取り付けボルト56で固定される。その時、固定刃25の刃先高さがベース基準面ssより一定の高さとなるように(図7において、スイング軸54の中心と固定刃25の刃先とアームピン64の中心が一直線上となるように)、基準ブロック(図示せず)を用いてジャッキボルト74で調整しつつ、固定刃25を取り付けボルト56で規定のトルクで締結する。
【0037】
即ち本発明では、固定刃取り付けベース24上の固定刃25の上下位置調整に関して、次のような対策を採っている。
(1)固定刃取り付けベース24は、その本体部分24aと両端のアーム部24bを鋳物による一体型として高剛性構造とする。
(2)レバー比(スイング軸54から刃先中心までの距離L2とスイング軸54からアームピン64までの距離L1の比率)を1:5程度に大きく設定する。
(3)ピン類の剛性と嵌め合い精度の向上を図る。
(4)吊り下げねじ67を細目ねじ(例えば送りピッチ:1mm)とし、ナットとなるアームピン64にはスリット74とロックハンドル71を設けてバックラッシュの無い構造とする。
(5)バンドル70の直径を200mm程度と大きくする。
(6)アームピン64の中心線上の固定刃取り付けベース24のアーム部24bにダイヤルゲージ72を直に取り付けて、固定刃25の刃先の動きを5倍に拡大して直に読み取る(図4のB参照)。
【0038】
吊り下げねじ67の送りピッチを1mmとすれば、ハンドル70の1回転でダイヤルゲージ72は1mm=1000μm動き、固定刃25の刃先は200μm移動することになる。ハンドル70の直径が200mmであるから周長は約628mmである。従って、固定刃25を1μm上下させるためには、ハンドル70を外周距離で3.14mm動かすこととなる。一般に、刃先が約5μm動くと切れ味の極く僅かな変化が感じ取れる。これはハンドル外周における約15mmの動きに相当する。この程度のハンドル操作は、オペレータにとっては容易なことであり、また移動量も0点設定の容易なダイヤルゲージ72で読み取れる。しかも、測定箇所が固定刃取り付けベース24そのものなので精度が高い。そのため、固定刃25と回転刃27の噛み合わせを容易に調整でき、確認できる。
【0039】
本実施例は、このように比較的簡便な構成で、固定刃取り付けベース24の動きを直接的に、非常に正確に、しかも容易に調整できるので、回転刃27及び固定刃25共に調整不足による過度の摩耗を防止できるだけでなく、長寿命化できることになる。特に近年の輪転印刷機の高速化の伴い、刃先の摩耗も甚だしく、高速化による温度上昇あるいは薄紙での刃先調整の容易さが求められている場合でもあり、非常に大きなメリットとなる。
【0040】
なお、下梁48の入口側下部には限界ストッパプレート75が固定され(図3参照)、ハンドル操作によって固定刃25を徐々に上昇させていったときに固定刃取り付けベース24に当たって揺動範囲を制限するようになっている。これによって、固定刃取り付けベース24が過度に上昇した場合に生じる弊害を防止する。そして必要に応じて、前述したように0点レベルプレート63を下梁48に密着する状態とし、固定刃25も刃先高さを基準ブロックにて再設定する。
【0041】
次に、インフィード部11について、図2に戻って更に詳しく説明する。インフィード部11は、第1フリーローラ21a及び第2フリーローラ21b、第1ドローローラ22a及び第2ドローローラ22b、第1巻き込み防止プレート77及び第2巻き込み防止プレート78、第1ニップローラ23a及び第2ニップローラ23b、コンペンセータローラ79及びコレクションモータ80、スキャナ81、非常カッタ82、紙有りセンサ83や紙詰まりセンサ84などを具備している。
【0042】
第1フリーローラ21aと第2フリーローラ21bは、シータ入口に位置し、第1ドローローラ22a及び第2ドローローラ22bまでの案内ローラである。中間に張力計85と張力検知ローラ86を設けてウエブ10にかかっている張力を検知し、第1ニップローラ23aと第2ニップローラ23bのニップ圧力を電空レギュレータ等で制御することによって、ウエブの張力を一定に維持する。
【0043】
第1ドローローラ22a及び第2ドローローラ22bは、共に駆動軸によって回転力を与えられており、その周速度はウエブ10のライン速度より僅かに増速されている。また一般的に第1ドローローラ22aよりも第2ドローローラ22bの方が増速率は大きくなっている。例えば、第1ドローローラ22aのラインに対する引き率(増速率)は+0.05〜+0.2%程度とし、第2ドローローラ22bの第1ドローローラ22aに対する引き率(増速率)も+0.05〜+0.2%程度とする。第1ドローローラ22aに対して第2ドローローラ22bの引き率が僅かながら大きいことにより、両者の中間にあるコンペンセータローラ79に張力を与えることになり、この間のウエブはたるみが生じず、裁断精度の向上が図られる。
【0044】
また、ニップローラ23a,23bはドローローラ22a,22bに対してウエブ10を押さえドロー効果を上げる。ドローローラ22a,22bの周速度はウエブのライン速度よりも速いが実際にウエブの速度が上昇するわけではなく、ドローローラ22a,22bとウエブ10の間でスリップしているので、ウエブ速度は一定だがウエブに対して張力が与えられる。どの程度の増速率、つまり張力が必要であるかは、紙質や紙秤量などの条件によっても変わるが、一般的には印刷機用シータと輪転印刷機の間の距離によってほぼ決まってしまう。他はニップ圧の調整範囲で十分といえる。従って、第2ドローローラ22bにおける引き率で+0.45%付近であれば、印刷機用シータと輪転印刷機の間の距離などの条件に対し90%以上の割合で満たすことができる。
【0045】
ウエブを搬送する各種ローラのうちドローローラのように自ら駆動力をもつローラにおいて、断紙の発生によってウエブの先端がそのローラより下流側でたるみを生じているかフリーになっている場合は、駆動されているローラにウエブが巻き付く恐れがある。ウエブの厚みにもよるが、断紙が生じて輪転印刷機が急停止するまでの数秒間に、ドローローラには8〜10mmの厚みで巻き付くこともある。この除去作業は面倒であるし、巻き付きによって機器の破損が生じることもある。
【0046】
そこでドローローラ22a,22bに巻き込み防止プレート77,78を組み合わせる。第2ドローローラ22bの場合を図8に示す。Aは平面を表し、Bは側面を表している。第2ドローローラ22bの外周面に3〜5本程度(図8のAでは4本)の凹状溝88を円周方向に設ける。巻き込み防止プレート78は、ドローローラ22bの凹状溝88に差し込まれる櫛部89を有する構造とする。巻き込み防止プレート78は、その櫛部89をウエブの接線に対し0.3〜0.5mm程度の隙間をとって平行に挿入する。また、櫛部89の先端は図示のように僅かに傾斜(符号pで示す)をつける。これは、ウエブに傷や汚れを付けないことと、ウエブ先端導入時に巻き込みを防止するためである。なお、櫛部89がドローローラ22bに接触しないように1〜2mmの隙間を設ける。このような構造によって、ドローローラにウエブが巻き付くのを防止でき、面倒な除去作業が不要となり、機器の破損を防止できる。
【0047】
ニップローラ23bはドローローラ22bに対し3〜4個設け、幅方向に移動可能とすることが紙幅変化に対応する上で好ましい。また、ニップ圧をレギュレータなどで調節できることが、紙質や紙厚の変化に対し一定のドロー効果を出す上で重要である。張力検知と連動して電空レギュレータを自動制御するのも有効である。万一断紙などでウエブがドローローラに巻き付くことを想定して、ドローローラに対するニップストロークは10〜15mm程度設ける方が機器の破損防止に有効である。また、ニップローラ幅は、少なくとも15mm以上とし、均一にウエブ及びドローローラに接することが、ウエブの傷、汚れを防止する上で好ましい。
【0048】
裁断位置の決定は、ウエブ表面の印刷絵柄の一部またはマークをスキャナ(カメラ)81が検知し、その位置を1回転毎にカットオフエンコーダからのパルス信号と比較演算することによって行われる。演算結果によってコレクションモータ80が修正の方向に回転し駆動経路に沿ってコンペンセータローラ79が移動し、裁断位置が常に一定値に保たれるようにする。ここでは、コンペンセータローラ79の上流側のウエブと下流側のウエブが互いに平行になっていることと、各部の剛性が高いこと、駆動系においてはバックラッシュなどがないことが、精度を保つ上で重要である。
【0049】
ある意味では取り扱い難いウエブを高速で搬送するので、時には紙詰まりを起こしたり断紙することがある。その大半はカット部入口に集中している。そこでカット部入口に紙詰まりセンサ78を設けて検知可能とする。勿論、その他の位置(例えば低速搬送手段)にも紙詰まりセンサを設けてもよい。そして、第2ドローローラ23bの上流側のコンペンセータローラ79近くに、非常カッタ82とその駆動部であるロータリアクチュエータ90などからなる非常カッタ機構を設けて、紙詰まり信号により非常カッタ82がウエブ10に向けて揺動し、ウエブを緊急切断可能とする。ウエブ切断時、第1ドローローラ22aの下流側には第1巻き込み防止プレート77が設けられているので、ウエブは第1ドローローラ22aに巻き付くことはなく、惰性で回り続ける下方のコンペンセータローラ79に引きずられて安全な床方向に落下する。なお、コンペンセータローラ79にはニップローラがないので巻き付くことはない。この時、第1ニップローラ23aはニップし続けることが望ましい。ウエブは床面上に広がるだけなので、後処理は非常に簡単になり、処理時間もかからず、装置の損傷も防止できる。
【0050】
ところで、印刷機用シータを自動運転する条件の1つとして、ウエブが存在していることがある。もし運転途中で紙有りセンサ83が作動すれば、この紙有りセンサ83の上流側で断紙が発生したこととなり、輪転印刷機には急停止信号が発せられる。またカット部入口の紙詰まりセンサ84が動作すると、輪転印刷機には急停止信号を、また印刷機用シータには非常カッタ動作信号を出すと共にそれぞれの標示灯が点灯する。
【0051】
ところで、カッタシリンダ26及びドローローラ22a,22bなどは、輪転印刷機の駆動軸に直結されたシータ入力軸で駆動される。図9に示すように、シータ入力軸91からカップリング92a、ギアボックス93a、カップリング92b、クラッチ94、ユニバーサル中間駆動軸95、トルクリミッタ96、ギアボックス93bなどを経て、ドローローラ系駆動用タイミングプーリT1やカッタシリンダ26などを駆動する。なお、速度検出エンコーダ98はシータ入力軸の回転速度を検出する。前記ドローローラ系駆動用タイミングプーリT1には、複数のタイミングプーリとタイミングベルトなどを備えた引き率簡易変更装置99が接続され、第1ドローローラ22a及び第2ドローローラ22bの引き率が変更可能になっている。
【0052】
引き率簡易変更装置99の詳細を図9及び図10に示す。引き率簡易変更装置99は、1組のタイミングベルト駆動手段(固定部)100と、もう1組のタイミングベルト駆動手段(変速部)101のそれぞれ近接した歯数のタイミングプーリを使用し、変速部の歯数をそれぞれ1歯ずつ増すか減らすかで極く僅かな変速を可能としている。このため非常に簡素化化され経済的であると同時に、スリップもなく、メンテナンスもほとんど必要としない装置となる。
【0053】
この装置では、図10に示すように、3本の中間軸(第1中間軸102、第2中間軸103、第3中間軸104)にそれぞれ2個ずつ(入力側と出力側)タイミングプーリ(T2〜T7)を取り付け、他方、第1ドローローラ22a及び第2のドローローラ22bにそれぞれのタイミングプーリT8,T9を設け、テンションプーリによって適切な張力を付与しつつ、タイミングベルトで駆動するように構成されている。なお、図10において符号106はギアボックスを示している。符号を付していないプーリはテンションプーリである。
【0054】
引き率簡易変更装置99におけるタイミングプーリの歯数の関係を図11に示す。第1のタイミングベルト駆動手段(固定部)100は、歯数が1だけ異なるタイミングプーリの組み合わせ(T3=33,T4=32)とする。第2のタイミングベルト駆動手段(変速部)101は、標準型ではタイミングプーリの組み合わせをT5=34,T6=36とする。第1ドローローラ22aの外径を116.200mm、第2ドローローラ22bの外径は第1ドローローラの0.2%増(経験値)として116.432mmとする。この組み合わせによって、第1ドローローラ22aでは引き率を+0.25%、第2ドローローラ22bでは+0.45%となり、この引き率設定で、ほとんど全てのウエブパス並びに紙質変化に対応できる。
【0055】
もし、ウエブパスが極端に長いなどの事情で引き率を上げる必要があれば、第2のタイミングベルト駆動手段(変速部)のタイミングプーリの組み合わせを、歯数を1つずつ増してT5=35,T6=37とする。すると同じドローローラの外径のままで、第1ドローローラの引き率を+0.40%に、第2ドローローラの引き率を+0.60%にまで高めることができる。逆に、第2のタイミングベルト駆動手段(変速部)のタイミングプーリの組み合わせを、歯数を1つずつ減らしてT5=33,T6=35にすると、同じドローローラの外径のままで、第1ドローローラの引き率を+0.08%に、第2ドローローラの引き率を+0.28%に引き下げることができる。
【0056】
このようにして、第2のタイミングベルト駆動手段(変速部)101のタイミングプーリの組み合わせにおいて、歯数を1つずつ増減するだけで、ドローローラの引き率変更が可能となる。また、それぞれのドローローラに付属するニップローラのエア圧を変えるだけでもある程度の範囲をカバーできる。従って、印刷機用シータのドローローラでは、標準のタイミングプーリの組み合わせの他に、増減各1組のタイミングプーリの組み合わせを用意すれば十分である。1組だけのタイミングプーリの歯数変更では1%以下の変更は大きさなどの関係により非常に困難であるが、上記のように2組の近似した歯数の組み合わせによれば、非常に簡便に対処でき、極めて実用的である。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、カッタシリンダ軸の軸受本体を支える軸受保持部には、その軸受本体外周に沿って半周以上に及ぶ円弧スリット状に開口した通気孔が形成されており、且つファンで強制冷却されるように構成されているため、温度上昇を抑制できるばかりでなく、円弧スリット状の通気孔により区分される外側領域の熱膨張量と内側領域の熱膨張量が相殺されて、固定刃と回転刃の相対位置関係が運転状態によらずほぼ一定となり、良好な切れ味を維持できる。
【0058】
また本発明において、固定刃取り付けベースの両側のアーム部の一端をカット紙の流れ線上で且つ回転刃と固定刃の噛み合い中心より離れた位置で両側に設けたスイング軸により揺動可能に軸支し、アーム部の他端はアームピンで軸支し、スイング軸とアームピンとの距離をスイング軸と前記噛み合い中心までの距離の5倍以上に設定し、ブラケットに取り付けた上部ピンにて上下方向が規制される吊り下げねじをアームピンに螺合し、ハンドル操作による吊り下げねじの回転で固定刃取り付けベースの固定刃を上下方向に変位調整可能にすると共に、アームピン上部に設けたダイヤルゲージにて固定刃取り付けベースの位置を確認可能とすると、比較的簡便な構成で固定刃取り付けベースの動きを直接正確にしかも容易に制御できる。
【0059】
更に本発明において、ウエブを取り込むドローローラは、その外周面に複数の凹状溝が円周状に形成されていて、該ドローローラの下流側には、先端が櫛状の巻き込み防止プレートが設置され、前記の各凹状溝に各櫛部先端がそれぞれ差し込まれるように組み合わせると、ウエブの巻き込みを完全に防止でき、装置の破損を防止できる。
【0060】
また本発明において、カット部よりも上流側に、紙詰まり検出信号に応答してカッタ・アクチュエータが駆動され、非常用カッタでウエブを強制切断し下方に落下させる構造の非常用カッタ機構を設けると、非常時に切断したウエブは床面上に広がるだけで済むので、後処理が容易となり、装置の損傷を防止できる。
【0061】
更に本発明において、シータ入力軸とドローローラ軸の間に、歯数が1だけ異なる2個のタイミングプーリによる第1のタイミングベルト駆動手段と、歯数が1又は2異なる2個のタイミングプーリによる第2のタイミングベルト駆動手段を組み合わせた引き率簡易変更装置を設け、第2のタイミングベルト駆動手段は可変式とし、その2個のタイミングプーリをそれぞれ歯数が1だけ多くするか又は少なくする交換を可能とすると、非常に簡単なしかも安価な機構で微変速が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷機用シータの一実施例を示す全体構成図。
【図2】インフィード部とカット部の説明図。
【図3】カッタ部のシータ入口側から見た説明図。
【図4】カッタ部における軸受保持部近傍の詳細説明図。
【図5】固定刃と回転刃の噛み合い状態を示す説明図。
【図6】軸受保持部の詳細説明図。
【図7】固定刃取り付けベースの支持状態を示す説明図。
【図8】第2ドローローラ及び第2巻き込み防止プレートの説明図。
【図9】シータ入力軸からの動力伝達機構の説明図。
【図10】引き率簡易変更装置の説明図。
【図11】引き率簡易変更装置における歯数の関係を示す説明図。
【符号の説明】
10 ウエブ
11 インフィード部
12 カット部
13 高速搬送手段
14 低速搬送手段
16 スタック部
24 固定刃取り付けベース
25 固定刃
26 カッタシリンダ
27 回転刃
47a 駆動側軸受保持部
48 下梁
50a 軸受本体
60a  円弧スリット状に開口した通気孔
60b,60c,60d 通気孔
61 ファン
62 ダクト

Claims (5)

  1. ウエブを取り込むインフィード部と、回転カッタシリンダでウエブを所定寸法の枚葉に裁断するカット部と、該カット部の下流側に設けた高速搬送手段と、カット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段と、カット紙を積み重ねるスタック部を具備する印刷機用シータにおいて、
    カット部は、下側の固定刃取り付けベースに装着されている固定刃と上側のカッタシリンダに装着された回転刃とが噛み合いウエブを裁断する構造であり、カッタシリンダ軸の軸受本体を支える軸受保持部には、その軸受本体外周に沿って半周以上に及ぶ円弧スリット状に開口した通気孔が形成されており、且つ前記軸受保持部はファンで強制冷却され、それによって温度上昇が抑制されると共に円弧スリット状の通気孔により区分される外側領域の熱膨張量と内側領域の熱膨張量が相殺されるようにしたことを特徴とする印刷機用シータ。
  2. 固定刃取り付けベースの両側のアーム部の一端をカット紙の流れ線上で且つ回転刃と固定刃の噛み合い中心より離れた位置で両側に設けたスイング軸により揺動可能に軸支し、アーム部の他端はアームピンで軸支するようにし、スイング軸とアームピンとの距離をスイング軸と前記噛み合い中心までの距離の5倍以上に設定し、ブラケットに取り付けた上部ピンにて上下方向が規制される吊り下げねじを前記アームピンに螺合し、ハンドル操作による吊り下げねじの回転で固定刃取り付けベースの固定刃を上下方向に変位調整可能にすると共に、アームピン上部に設けたダイヤルゲージにて固定刃取り付けベースの位置を確認可能とした請求項1記載の印刷機用シータ。
  3. ウエブを取り込むドローローラは、その外周面に複数の凹状溝が円周状に形成されていて、該ドローローラの下流側には、先端が櫛状の巻き込み防止プレートが設置され、前記の各凹状溝に各櫛部先端がそれぞれ差し込まれるように組み合わされて、ウエブの巻き込みを防止するようにした請求項1記載の印刷機用シータ。
  4. カット部よりも上流側に、紙詰まり検出信号に応答してカッタ・アクチュエータが駆動され、非常用カッタでウエブを強制切断し下方に落下させる構造の非常用カッタ機構を設けた請求項1記載の印刷機用シータ。
  5. シータ入力軸とドローローラ軸の間に、歯数が1だけ異なる2個のタイミングプーリによる第1のタイミングベルト駆動手段と、歯数が1又は2異なる2個のタイミングプーリによる第2のタイミングベルト駆動手段を組み合わせた引き率簡易変更装置を設け、第2のタイミングベルト駆動手段は可変式とし、その2個のタイミングプーリをそれぞれ歯数が1だけ多くするか又は少なくする交換が可能となっている請求項1記載の印刷機用シータ。
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JP2011152595A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Asahi Machinery Ltd クロスカッター装置
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