JP2004034069A - 鋼板の熱間圧延方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅以上の鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて傾動可能に配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下あるいは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴する鋼板の熱間圧延方法。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
鋼板の熱間圧延は、図1に示すように、加熱炉1に低温のスラブ2を装入して、所定の温度に再加熱し、再加熱したスラブ2を粗圧延機3で所定の厚さに圧延して粗バー4となし、クロップシャー5を用いて粗バーの先尾端を切断し、粗バー4の幅方向両エッジ部の温度低下を回復するためにエッジヒーター6で両エッジ部を加熱して、複数基のスタンドからなる連続仕上圧延機7で所定の熱延鋼板に仕上圧延した後に、ランアウトテーブル上の冷却スタンド8において冷却し、コイラー9で巻き取ることにより行われている。
【0002】
また、仕上圧延の前に粗バー同士を接合して仕上圧延を行うエンドレス圧延がなされる場合には、図2に示すように、加熱炉1に低温のスラブ2を装入して、所定の温度に再加熱し、再加熱したスラブ2を粗圧延機3で所定の厚さに圧延して粗バー4となし、コイルボックス10で巻き取り、コイルボックスから巻き戻された粗バーの先端を接合シャー11で切断し、先行する粗バーの後端と後行する粗バーの先端を溶接装置12により接合し、粗バー4の幅方向両エッジ部の温度低下を回復するためにエッジヒーター6で両エッジ部を加熱して、複数基のスタンドからなる連続仕上圧延機7で所定の熱延鋼板に仕上圧延した後に、ランアウトテーブル上の冷却スタンド8において冷却し、コイラー9で巻き取ることにより行われている。
【0003】
このような熱延鋼板の製造工程においては、低温スラブを加熱炉で再加熱するために、加熱炉抽出の放熱や、圧延中に圧延材は板幅に対して板厚が小さくなるため、粗圧延中に粗バーの両エッジ部に温度低下が発生する。これらの温度低下は、粗バーの幅方向の温度分布の不均一を招き、仕上温度の不均一の原因となる。
【0004】
したがって、粗バーの幅方向の温度分布が不均一になると、仕上圧延中に熱延鋼板に耳波や中伸びが生じ、また熱延鋼板の幅方向の機械的性質等の材質特性が不均一となる等の問題が生ずる。
【0005】
このような粗バーの幅方向の温度分布の不均一に起因する問題を防止するために、粗圧延機と仕上圧延機との間に加熱装置とエッジヒーターとを設け、粗圧延機によって粗圧延された粗バーを加熱することが知られている。例えば、特開平3−314216号公報には、粗圧延機と仕上圧延機との間に、粗バーをその幅方向全体にわたって加熱するためのソレノイド型誘導加熱装置と、粗バーの両エッジ部を加熱するためのエッジヒータとを設け、ソレノイド型誘導加熱装置とエッジヒータとによって、仕上圧延機の入側における粗バーをその幅方向に均一な温度となるように加熱することが提案されている。
【0006】
ここで使用するソレノイド型誘導加熱装置の特徴は、板を取り囲むようにコイルを巻き、板と平行に磁場を発生させるという磁場特性があり、板全表面を集中加熱し、伝熱により温度が平均化するものであるため、板幅方向温度分布がほぼ一定の状態で全幅に均一温度だけ昇温する。
【0007】
即ち、上記提案されている技術は、圧延負荷を減少させるためにソレノイド型誘導加熱装置で粗バーの幅方向全体を均一加熱すると共に、エッジヒータで両エッジ部を加熱して幅方向が均一な温度分布となるようにしようとするものである。
【0008】
ところが、本発明者が熱延鋼板の幅方向の材質特性について研究した結果、仕上圧延機入側の粗バーについて、その温度低下の大きいエッジ部をエッジヒーターで加熱し、かつ幅方向左右の温度分布を解消するように加熱しても、仕上圧延によって得られる鋼板の幅方向材質特性が均一となっていないことを見出した。即ち、粗圧延機と仕上圧延機との間で粗バーを幅方向に全体的に加熱すると共に、エッジヒーターにより温度低下の大きい両端部を加熱する加熱方法では、幅方向左右の温度分布の不均一を解消しようとする加熱方法では、仕上圧延して得られた熱延鋼板の幅方向材質特性を均一化することは困難であった。その原因について、種々実験を行い究明したところ、加熱炉におけるスラブ加熱時に原因があることを見出した。即ち、加熱炉は高温雰囲気中でスラブを加熱するものであるので、必然的にスラブの温度分布は左右非対称となると共に、スラブの中心部の温度が低い。この温度分布は圧延により板厚が薄くなってもこの傾向は変わらないため、粗バーの温度分布は幅方向で左右非対称であって、幅方向平均温度に対して中心部は低く、エッジ部に向かって高くなっていて、エッジ部が最も低温となっている温度分布に原因があることを見出した。
【0009】
したがって、板幅方向の材質特性の均一化は、エッジヒーターやソレノイド型誘導加熱装置による加熱方法では解消ができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は粗バーの中央低温部及び両端エッジ低温部を加熱し、かつ、幅方向で左右非対称の温度分布を解消して、仕上圧延機入側で粗バーの幅方向全体にわたって温度分布を均一化し、要求される材質特性を得るための温度を確保して仕上圧延することにより、幅方向の材質特性のばらつきがない熱延鋼板を歩留まり高く製造する熱間圧延方法及び装置を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
幅方向の材質特性のばらつきがない熱延鋼板を得るには、仕上圧延機入側の粗バーの幅方向温度分布を均一化することが必要であるが、そのためにはスラブ加熱時に生ずるスラブの温度分布の左右非対称及びスラブ中心部の温度が低いことに起因する粗バーの幅方向温度分布の不均一を解消することが重要である。本発明者は、粗バー中央低温部を加熱昇温させると共に、粗圧延時に生ずる粗バー両端部の温度低下部を加熱昇温させ、かつ、幅方向左右の温度分布非対称を解消する幅方向の加熱昇温量を調整することにより、粗バーの幅方向温度分布を均一化できること、並びに、加熱装置として加熱特性に優れたトランスバース型誘導加熱装置を用いれば、上記加熱を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0012】
本発明の要旨は、次の通りである。
【0013】
(1) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅以上の鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて傾動可能に配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0014】
(2) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅より狭い鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置を傾動可能に配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0015】
(3) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、圧延ラインに沿って、板幅以上の鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置と板幅より狭い鉄心幅のトランスバース型郵送加熱装置とをそれぞれ粗バーの上下に対向させて各トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0016】
(4) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に昇降可能な複数のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの幅方向に並べて配設し、各トランスバース型誘導加熱装置を昇降することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0017】
(5) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅方向に複数分割しかつそれぞれ昇降可能な鉄心を付置したトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方の鉄心を昇降することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0018】
(6) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に複数のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて粗バーの幅方向に並べ、各トランスバース型誘導加熱装置の出力を調整することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0019】
(7) 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、トランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置と粗バーとの間に磁束を変化させる遮蔽体を出没させることにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
【0020】
(8) 粗バーの両端部をエッジヒーターで加熱し、追加的に補償昇温させることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延方法。
【0021】
(9) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板全幅を加熱でき、かつ中央部よりもエッジ部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0022】
(10) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板中央部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を圧延ラインの幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0023】
(11) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板全幅を加熱でき、かつ中央部よりもエッジ部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置と、鋼板中央部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置のそれぞれを上下に対向して配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を圧延ラインの幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0024】
(12) 前記傾動装置は、トランスバース型誘導加熱装置の中央部にトランスバース型誘導加熱装置を傾動可能に支持する軸を備えていることを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延装置。
【0025】
(13) 前記傾動装置は、トランスバース型誘導加熱装置を片持ち又は両持ちで傾動させる支持装置を有することを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延装置。
【0026】
(14) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、複数のトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々を昇降させる昇降装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0027】
(15) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、板幅方向に複数分割した鉄心を付置したトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々の鉄心を昇降させる昇降装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0028】
(16) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、複数のトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々の出力を調整できる出力調整装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0029】
(17) スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、トランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配置し、該トランスバース型誘導加熱装置の圧延ラインの幅方向に対する磁束を変化させる遮蔽体を出没可能に設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
【0030】
【発明の実施の形態】
幅方向の材質特性のばらつきのない熱延鋼板を得るために、仕上圧延機入側の粗バーの幅方向温度分布を均一にする必要があることが知られている。従来は、粗圧延時に生じた粗バーの両端部(エッジ部)の温度低下をエッジヒーターにより昇温させ、かつ左右の温度分布の非対称を解消させることにより粗バーの幅方向温度分布が均一になると考えられていた。
【0031】
しかしながら、本発明者が調査したところ、エッジヒーターにより粗バーの両端部を加熱することにより、幅方向の温度分布の非対称を解消して仕上圧延した熱延鋼板は、幅方向に材質特性のばらつきが生じていることを知見した。
【0032】
そこで、本発明者はその原因について種々実験を行い究明した結果、加熱炉におけるスラブ加熱時に原因があることをつきとめた。
【0033】
即ち、図3に示すように、スラブは加熱炉の高温雰囲気中において、装入側から矢印の方向に予熱帯13、加熱帯14で加熱昇温され、均熱帯15で所定の温度にして抽出されている。スラブの加熱は、加熱炉中でスラブ幅方向の装入側端部Aの方が入熱が小さく、抽出側端部Bの方が入熱が大きい。そして、均熱帯から抽出扉を開いて抽出する際には、加熱スラブは抽出側端部Bよりも装入側端部Aの方が高い温度となる。このため、加熱スラブの幅方向左右の温度は約20℃の差が生じる場合もある。また、図4(a)に示すように、加熱されたスラブ2は、その周囲は高温部16となるが、中心部に低温部17が生じるのは避けられない。そして、このスラブの粗圧延機入側の温度分布を測定すると図4(b)に示すように、幅方向平均温度に対してセンターライン(CL)の中心部は低く(1200℃)、端部に向かい高く(1240℃及び1220℃)幅方向で左右非対称の温度分布となっていた。
【0034】
このような温度分布のスラブを粗圧延して粗バーとすると、図5(a)に示すように、粗バーの両端部は放冷大18であるから、粗バーの温度分布は図5(b)に示すように、幅方向平均温度に対してセンターラインの中心部の温度は低く(1033℃)、中心部と端部の間は高く(1063℃及び1049℃)、そして、端部に向かって低くなりM字状の温度分布となっていた。このような温度分布の粗バーを仕上圧延すると、図5(c)に示すように、仕上圧延により板厚が薄くなってもM字状の温度分布は維持され中心部は842℃、左側中間部は最も温度が高く(872℃)、右側の中間部温度は858℃となっていた。
【0035】
また、粗バーの加熱装置として誘導加熱装置を用い、誘導加熱装置を幅方向に移動させて、粗バーを加熱する場合を図6により説明する。
【0036】
加熱炉から抽出したスラブの幅方向温度分布を図6(a)に示す。この温度分布のスラブを粗圧延した粗バーの幅方向温度分布は、図6(b)に示すように中央低温部が1033℃、左側中間部の最高温度が1063℃であった。この粗バーを誘導加熱装置を幅方向に移動して加熱すると、斜線で示す昇温量19だけ全体の温度が昇温し、中央部が1063℃、左側中間部が1083℃、右側中間部が1069℃となる。しかしながら、この場合も幅方向温度分布はM字状の温度分布となる。したがって、誘導加熱装置を移動させて幅方向を全体に加熱した粗バーを仕上圧延機で圧延すると、図6(c)に示すように、M字状の幅方向温度分布を有する熱延鋼板が得られる。
【0037】
以上述べたように、本発明者は、加熱炉で加熱したスラブを熱間圧延する場合に、従来のように圧延途中においてエッジヒーターで粗バーの両端部を加熱する方法、或いは誘導加熱装置を幅方向に移動させて粗バーを加熱する方法では、従来の考え方に反し、仕上圧延後の鋼板の幅方向温度分布が均一化していないという新しい知見を得た。
【0038】
そして、加熱炉で加熱したスラブの中央低温部と幅方向温度分布非対称、並びに圧延時のエッジ部の放冷の3つに基因して、粗バーの幅方向温度分布が均一化していないことが、鋼板の幅方向の材質特性のばらつきの大きな原因となっていることを究明した。
【0039】
そこで、本発明では、仕上圧延機入側における粗バーの幅方向温度分布を均一化するために、粗バーの中央低温部及び両端低温部をトランスバース型誘導加熱装置により加熱するが、その際、幅方向の温度分布の非対称を解消させるようにトランスバース型誘導加熱装置を傾動して加熱昇温させ、必要に応じて、両端低温部をエッジヒーターで追加的に補償昇温させて、粗バーの幅方向温度分布を均一化させることとした。
【0040】
粗バー中央低温部の加熱装置としては、幅方向の昇温分布を中央部だけを加熱昇温できる加熱装置であれば使用することができる。トランスバース型誘導装置は、ソレノイド型誘導加熱装置とは異なり、鉄心幅に応じて粗バーの幅方向特定部分を均一に加熱することができる特性を有している。即ち、鋼板幅よりも鉄心幅の狭いトランスバース型誘導加熱装置は、鉄心幅に応じて鋼板中央部を加熱することができる特徴を有し、また、鋼板幅よりも鉄心幅の広いトランスバース型誘導加熱装置は、鋼板全幅を加熱できるが、中央部よりも端部の昇温量が大きい加熱を行うことができる特徴を有している。
【0041】
更に、トランスバース型誘導加熱装置の特徴は、その昇温量が鉄心と鋼板とのギャップ(間隙)に理論的にほぼ反比例することである。即ち、図7に示すように、トランスバース型誘導加熱装置20を鋼板幅方向(矢印方向)に傾動21させると、トランスバース型誘導加熱装置の鉄心と鋼板とのギャップ(GAP)が変わり、昇温量が変化する。例えば図7(a)に実線で示す位置でのトランスバース型誘導加熱装置の出力20MWの場合のトランスバース型誘導加熱装置の昇温特性の一例を図7(b)に示す。図7から分かるように、ギャップが閉じられると昇温量は大きくなり、ギャップが開かれると昇温量が小さくなる。そして、昇温量は、ギャップの距離にほぼ反比例している。
【0042】
したがって、トランスバース型誘導加熱装置を傾動させることによりギャップ距離を変えることができるので、幅方向の温度分布に応じてトランスバース型誘導加熱装置を傾動させて加熱昇温すれば、幅方向の加熱昇温量を調整することができるので、板幅方向の温度分布の非対称は解消できる。
【0043】
鉄心幅の異なる複数台のトランスバース型誘導加熱装置を圧延ラインに沿って配置し、鉄心幅が粗バーの幅より狭いトランスバース型誘導加熱装置の少なくとも1台と、鉄心幅が粗バーの幅より広いトランスバース型誘導加熱装置の少なくとも1台とを併用して加熱昇温に使用すれば、粗バーの幅方向中央低温部と両端低温部の幅方向特定部分を加熱することができ幅方向の温度分布の非対称も解消できる。しかも、図8に示すように、鉄心22にコイル23を施してなるトランスバース型誘導加熱装置20は、鋼板(粗バー)21の上下位置に配置して使用するのであるから取扱いが容易であり、粗バー表面に疵を生じさせることもなく、その特性上表面が過加熱されることもなく、圧延機、デスケ等他設備との距離についても制約を受けない。
【0044】
以下、図に基いて本発明を説明する。
【0045】
図1に示す熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に図9に模式的に示すように、鉄心幅が粗バーの幅より広いトランスバース型誘導加熱装置25と鉄心幅が粗バーの幅より狭いトランスバース型誘導加熱装置24との2台の異幅のトランスバース型誘導加熱装置を鋼板幅方向に傾動可能に配設すると共に、エッジヒーター8とを配設して熱間圧延装置とした。
【0046】
2台の鉄心幅の異なるトランスバース型誘導加熱装置の入側に入側幅方向温度計26を、出側に出側幅方向温度計27を設置してある。粗圧延機で圧延された粗バー4はテーブルロールによって矢印方向に搬送される。入側幅方向温度計26で粗バー4の幅方向温度分布を測定し、幅方向温度分布に基いて各トランスバース型誘導加熱装置24、25の加熱による粗バーの昇温量を決定する。そして、トランスバース型誘導加熱装置を所定ギャップ距離となるように傾動する。粗バーは幅狭のトランスバース型誘導加熱装置24で中央低温部だけを加熱され幅広のトランスバース型誘導加熱装置25でその全幅を加熱されるが、特に両端低温部を加熱昇温される。そして、粗バーの両端低温部は幅広のトランスバース型誘導加熱による昇温量が不足した場合に、必要に応じて、エッジヒーター6により追加加熱昇温される。加熱後の粗バーの幅方向の温度分布は、出側幅方向温度計27で測定される。出側幅方向温度計27により測定された幅方向温度分布が均一化していない場合には、その測定データをトランスバース型誘導加熱装置の昇温量制御装置にフィードバックして、制御装置により各加熱装置の昇温量を変更制御し、粗バーの幅方向温度分布を均一化する。
【0047】
トランスバース型誘導加熱装置の昇温特性を図10に基いて説明する。
【0048】
図10(a)及び(b)は、異幅トランスバース型誘導加熱装置の加熱による粗バーの昇温分布を示している。(a)は図9に示す粗バーの幅より鉄心幅が狭いトランスバース型誘導加熱装置24による平行時(実線)及び傾動時(点線)の昇温量を示し、(b)は図9に示す粗バーの幅より鉄心幅が広いトランスバース型誘導加熱装置25による平行時(実線)及び傾動時(点線)の昇温量のそれぞれの昇温分布を示している。
【0049】
図10(a)に示すように、鉄心幅が狭いトランスバース型誘導加熱装置24は、ギャップ距離200mmの平行時に鉄心幅に対応して粗バーの中央部の温度を最大40℃昇温でき、傾動時にはギャップ最短距離部で最大53℃昇温できた。そして、鉄心幅外では伝熱による昇温であるから、その昇温量は徐々に減少し、なだらかな山型状の昇温分布となる。
【0050】
また、図10(b)に示すように鉄心幅が粗バーの幅以上のトランスバース型誘導加熱装置25は、粗バーの全幅中央の温度を40℃昇温できると共に、粗バーの両端部の電流が多くなる特性上からギャップが200mmの場合では両端部の約150mm幅の温度を150℃程度昇温でき、右側ギャップが250mm、左側ギャップが150mmとなるように傾動させると左側端部が最大200℃昇温でき、右側端部が120℃昇温できた。
【0051】
したがって、図10(c)に示すように、2台の異幅のトランスバース型誘導加熱装置24、25による合計昇温量によって、粗バーの幅方向温度分布は均一化される。更に、異幅のトランスバース型誘導加熱装置を圧延ラインに沿って多数配列し、それらを併用することにより、粗バーの昇温分布状態を木目細かく調整することが可能となる。
【0052】
なお、本発明で用いる最も幅狭のトランスバース型誘導加熱装置の鉄心幅は、400〜700mmの範囲内とすることが好ましい。なぜならば、熱間圧延鋼板の代表的な最小板幅は550〜800mmであるから、エッジ加熱を抑えて中央加熱するためには、これより100〜150mm幅狭のトランスバース型加熱装置が必要となるからである。
【0053】
また、幅広のトランスバース型誘導加熱装置の鉄心幅は、1000〜2000mmの範囲内とすることが好ましい。なぜならば、エッジ加熱を行うためには、通常の幅広熱間圧延鋼板の1000〜2000mm板幅と同等以上の鉄心幅とする必要があるからである。
【0054】
本発明でのトランスバース型誘導加熱装置を傾動させるための傾動装置は、例えば図11(a)に示すように支持体28で懸垂されているトランスバース型誘導加熱装置20を傾動可能とする軸29を備え、かつトランスバース型誘導加熱装置の端部に昇降機が30配置されている。昇降機30によりトランスバース型誘導加熱装置の端部を昇降させると、軸29を中心として回動してトランスバース型誘導加熱装置を傾動できる。また、軸が固定されていて、機械的或いは電気的に軸を回転させるようにすれば、昇降機で片持ちしなくても傾動させることができる。
【0055】
他の例としては、図11(b)に示すように、トランスバース型誘導加熱装置20の両端部を2台の昇降機30で両持ちし、昇降機30により端部を昇降させることによりトランスバース型誘導加熱装置を傾動できる。なお、板の下側に配置したトランスバース型誘導加熱装置も同様な機構により傾動可能である。
【0056】
上記本発明例では、トランスバース型誘導加熱装置を傾動させる例について説明したが、傾動させることに代えて、昇降するトランスバース型誘導加熱装置を幅方向に並べて昇降を行うことによっても同様の効果が得られる。
【0057】
即ち、図12(a)に示すように、複数のトランスバース型誘導加熱装置20を幅方向に並べて昇降機33により各々の昇降を行うことによって各々のギャップ距離を制御することにより、幅方向の加熱昇温量を制御することができる。
【0058】
また、板幅方向に複数分割しかつそれぞれ昇降可能な鉄心を付置したトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて配設し、鉄心を昇降させても同様な効果が得られる。
【0059】
即ち、図12(b)に示すように鉄心22を板幅方向に複数分割しかつそれぞれ昇降可能な鉄心を昇降機33により各々の昇降を行うことによって各々の鉄心のギャップ距離を制御することにより、幅方向の加熱昇温量を制御することができる。
【0060】
なお、昇降機30、31としては、一般に用いられている、例えば、油圧、空気圧等のピストン機構の昇降機、クランク機構の昇降機や電動機を用いる昇降機等を用いることができる。
【0061】
更に、複数のトランスバース型誘導加熱装置を幅方向に並べて各々の出力を変えても同様の効果が得られる。
【0062】
即ち、図12(c)に示すように複数のトランスバース型誘導加熱装置20を幅方向に並べて、各々の出力を出力制御装置31により制御することにより、各々のトランスバース型誘導加熱装置20の加熱昇温量を制御することができる。
【0063】
或いは、図12(d)に示すように、トランスバース型誘導加熱装置と粗バーとの間に磁束を変化させる(少なくする)遮蔽板32を出没させることによりトランスバース型誘導加熱装置の加熱昇温量を制御しても同様の効果が得られる。なお、図12(d)においては粗バー4の粗バー長手方向(反圧延方向)に遮蔽板32を上下加熱装置の間から出し入れして、磁束を遮蔽して変化させるようにしているが、粗バー幅方向に遮蔽板32を出没させても構わない。
【0064】
【発明の効果】
本発明の熱間圧延方法によれば、仕上圧延前の幅方向温度分布が不均一の粗バーの幅方向温度分布を均一化することができ、仕上圧延によって幅方向の機械的性質等の材質特性のばらつきのない熱間圧延鋼板を得ることができるという顕著な効果が生じる。また、本発明の熱間圧延装置によれば、トランスバース型誘導加熱装置を用いて仕上圧延前の粗バーの幅方向左右非対称の温度分布を解消できると共に、中央低温部及び両端低温部を選択的に加熱昇温することができるので、幅方向温度分布を均一化することができるという顕著な効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の連続熱間圧延装置の概要を示す図である。
【図2】従来のエンドレス圧延装置の概要を示す図である。
【図3】スラブを加熱炉で加熱するとスラブの幅方向温度が非対称になることを説明する図である。
【図4】加熱炉で再加熱したスラブの幅方向温度分布を説明する図で、(a)はスラブ中心部に低温部があること、(b)はスラブの幅方向温度分布が非対称であり、幅方向中央部に低温部があることを示す図である。
【図5】粗圧延後及び仕上圧延後の鋼板の幅方向温度分布を示す図で(a)は粗バー、(b)は粗圧延後の左右非対称の幅方向温度分布、(c)は仕上圧延後の左右非対称の幅方向温度分布を示す図である。
【図6】粗バーを幅方向に移動する誘導加熱装置により、加熱して熱間圧延した場合の幅方向温度分布を示す図で、(a)はスラブ、(b)は誘導加熱装置を幅方向に移動させて加熱した粗バー、そして(c)は仕上圧延後の鋼板についてのそれぞれの幅方向温度分布を示す図である。
【図7】トランスバース型誘導加熱装置を傾動させてギャップ距離を変更した場合のギャップと昇温との関係を示す図である。
【図8】トランスバース型誘導加熱装置を説明するための図である。
【図9】鉄心幅の異なる2台の傾動可能なトランスバース型誘導加熱装置を圧延ラインに配置した例を示す図である。
【図10】トランスバース型誘導加熱装置昇温分布を示す図で、(a)は幅狭トランスバース型誘導加熱装置の昇温分布、(b)は幅広トランスバース型誘導加熱装置の昇温分布、(c)は2台のトランスバース型誘導加熱装置の合計昇温分布を示す図である。
【図11】トランスバース型誘導加熱装置の傾動装置を説明する図である。
【図12】トランスバース型誘導加熱装置の幅方向昇温量を制御する説明図である。
(a)は、板幅方向に複数並べたトランスバース型誘導加熱装置のそれぞれ昇降させる例で、(b)はトランスバース型誘導加熱装置の鉄心を板幅方向に複数分割し、それぞれの鉄心を昇降させる例で、(c)は板幅方向に複数並べたトランスバース型誘導加熱装置の加熱昇温量を制御する例で、(d)はトランスバース型誘導加熱装置と粗バーとの間に磁束を変化させる遮蔽板を設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
2 スラブ
3 粗圧延機
4 粗バー
5 クロップシャー
6 エッジヒーター
7 連続仕上圧延機
8 冷却スタンド
9 コイラー
10 コイルボックス
11 接合シャー
12 溶接装置
13 予熱帯
14 加熱帯
15 均熱帯
16 高温部
17 低温部
18 放冷大
19 誘導加熱装置による昇温量
20 トランスバース型誘導加熱装置
21 傾動
22 鉄心
23 コイル
24 トランスバース型誘導加熱装置(幅狭)
25 トランスバース型誘導加熱装置(幅広)
26 温度計(入側)
27 温度計(出側)
28 支持体
29 軸
30 昇降機
31 出力制御装置
32 遮蔽板
33 昇降機
Claims (17)
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅以上の鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて傾動可能に配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅より狭い鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置を傾動可能に配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、圧延ラインに沿って、板幅以上の鉄心幅のトランスバース型誘導加熱装置と板幅より狭い鉄心幅のトランスバース型郵送加熱装置とをそれぞれ粗バーの上下に対向させて各トランスバース型誘導加熱装置の上又は下あるいは両方を板幅方向に傾動することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に昇降可能な複数のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの幅方向に並べて配設し、各トランスバース型誘導加熱装置を昇降することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に板幅方向に複数分割しかつそれぞれ昇降可能な鉄心を付置したトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方の鉄心を昇降することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に複数のトランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて粗バーの幅方向に並べ、各トランスバース型誘導加熱装置の出力を調整することにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で粗圧延し、仕上圧延機で仕上圧延する鋼板の熱間圧延方法において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、トランスバース型誘導加熱装置を粗バーの上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置と粗バーとの間に磁束を変化させる遮蔽体を出没させることにより、粗圧延された粗バーの幅方向温度分布が均一化するように加熱昇温量を調整することを特徴とする鋼板の熱間圧延方法。
- 粗バーの両端部をエッジヒーターで加熱し、追加的に補償昇温させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延方法。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板全幅を加熱でき、かつ中央部よりもエッジ部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を板幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板中央部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を圧延ラインの幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に鋼板全幅を加熱でき、かつ中央部よりもエッジ部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置と、鋼板中央部の昇温量が大きい加熱ができるトランスバース型誘導加熱装置のそれぞれを上下に対向して配設し、該トランスバース型誘導加熱装置の上又は下或いは両方を圧延ラインの幅方向に傾動させる傾動装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- 前記傾動装置は、トランスバース型誘導加熱装置の中央部にトランスバース型誘導加熱装置を傾動可能に支持する軸を備えていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延装置。
- 前記傾動装置は、トランスバース型誘導加熱装置を片持ち又は両持ちで傾動させる支持装置を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、複数のトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々を昇降させる昇降装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、板幅方向に複数分割した鉄心を付置したトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々の鉄心を昇降させる昇降装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、複数のトランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて圧延ラインの幅方向に並べて配置し、各トランスバース型誘導加熱装置の各々の出力を調整できる出力調整装置を設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
- スラブを加熱する加熱炉と、スラブを粗圧延する粗圧延機と、粗圧延された粗バーを仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼板の熱間圧延装置において、粗圧延機と仕上圧延機との間に、トランスバース型誘導加熱装置を上下に対向させて配置し、該トランスバース型誘導加熱装置の圧延ラインの幅方向に対する磁束を変化させる遮蔽体を出没可能に設置したことを特徴とする鋼板の熱間圧延装置。
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