JP2004031656A - 蓋体のロック機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓋体を確実にロックでき、しかも簡易な構造の金型で製造する。
【解決手段】一端側を支点としてケース2に回動自在に取り付けられた蓋体3の他端側におけるケース2との対向面に突設された柱状突起32をケース2の挿入孔24内に挿入することで蓋体3を閉状態にロックするロック機構1であって、柱状突起32は、対向面に対して真っ直ぐに突設されると共に突出方向と直交する断面形状が全長に亘って均一に形成され、挿入孔24は、真っ直ぐに形成されると共に深さ方向と直交する断面形状が全長に亘って均一に形成され、柱状突起32および挿入孔24は、閉状態と開状態との間の中間状態において、挿入孔24の口縁および柱状突起32の外面、または挿入孔24の内面および柱状突起32の先端部が互いに干渉し合うように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】一端側を支点としてケース2に回動自在に取り付けられた蓋体3の他端側におけるケース2との対向面に突設された柱状突起32をケース2の挿入孔24内に挿入することで蓋体3を閉状態にロックするロック機構1であって、柱状突起32は、対向面に対して真っ直ぐに突設されると共に突出方向と直交する断面形状が全長に亘って均一に形成され、挿入孔24は、真っ直ぐに形成されると共に深さ方向と直交する断面形状が全長に亘って均一に形成され、柱状突起32および挿入孔24は、閉状態と開状態との間の中間状態において、挿入孔24の口縁および柱状突起32の外面、または挿入孔24の内面および柱状突起32の先端部が互いに干渉し合うように構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケースに回動自在に取り付けられた蓋体のロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓋体のロック機構として、図6に示す蓋体のロック機構が従来から知られている。この蓋体のロック機構51は、一端側を支点として(具体的には、一端側に設けられた回動軸Lを支点として)ケース52に回動自在に取り付けられた蓋体53が閉状態(同図中のBの状態)のときに、振動等に起因して意図しない蓋体53の開状態への移行を防止可能に構成されており、蓋体53の他端側(自由端側)におけるケース52との対向面(同図中の下面)に突設されたフック片54と、ケース52に設けられた係止溝55とを備えている。この場合、フック片54は、蓋体53の他端側の下面において下方に向けてほぼ直角に突設された柱状突起54aと、柱状突起54aの先端部における閉状態時にケース52と対向する側の表面に突設された係止爪54bとを備えて構成されている。また、フック片54は、樹脂成形によって蓋体53と一体的に形成されている。一方、係止溝55は、蓋体53の閉状態において、フック片54と対向するケース52の壁部52aにおける係止爪54bとの対向部位に形成されている。
【0003】
この蓋体のロック機構51では、開状態(図6中のAの位置)の蓋体53を閉状態に向けて回動させた場合、フック片54の係止爪54bがケース52の壁部52aにおける上部に当接し、その際に、柱状突起54bが弾性変形しつつフック片54が内面52aに沿って下方に移動して、係止爪54bが係止溝55内に進入する。この状態では、係止爪54bと係止溝55とが係合しているため、振動等がケース52に加わったとしても、閉まった状態(閉状態)の蓋体53の意図しない開状態への移行を防止することができる。一方、閉状態の蓋体53を開状態に移行させる(開ける)際には、蓋体53に、その他端側から一端側に向かう向き(同図中の矢印方向)の外力を加える。この際には、蓋体53が弾性変形して係止爪54bと係止溝55との係合状態が解除される結果、蓋体53が開状態に移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の蓋体のロック機構51には、以下の問題点がある。すなわち、従来の蓋体のロック機構51では、蓋体53にフック片54を一体的に設けると共にケース52に係止溝55を設けることにより、フック片54を係止溝55に係合させて、意図しない蓋体53の開状態への移行を防止している。この場合、フック片54やケース52を製造するためには、いわゆるアンダーカットで係止爪54bや係止溝55を製作する必要がある。このため、フック片54を一体的に設けた蓋体53や、係止溝55を設けたケース52を樹脂成形する場合、これらの成形に使用される金型に、押切、スライド機構および/または倒しピンを使用しなければならず、金型構造が複雑になるという問題点がある。また、これらの複雑な構造の金型は、一般的に耐久性が低く、しかも金型自体が高価であるため、金型の構造をより簡単にできるのが好ましい。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、蓋体を確実にロックでき、しかも簡易な構造の金型で製造し得る蓋体のロック機構を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の蓋体のロック機構は、一端側を支点としてケースに回動自在に取り付けられた蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている。
【0007】
請求項2記載の蓋体のロック機構は、一端側をケースに係合させて当該ケースに取り付ける蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている。
【0008】
請求項3記載の蓋体のロック機構は、請求項1または2記載の蓋体のロック機構において、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態において、互いの軸線同士が一致するようにそれぞれ構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る蓋体のロック機構の好適な発明の実施の形態について説明する。一例として、データカードなどを装着する計測装置において、装着されたデータカードを保護する目的で設けられる蓋体を例に挙げて説明する。
【0010】
最初に、蓋体のロック機構1(図2参照)を備えた計測装置のケース(具体的には、ケースのフロントパネル)2および蓋体3の構成について、図1を参照して説明する。
【0011】
ケース2は、図1に示すように、一例として、外形が直方状の箱体に形成されると共に、その上壁2aから側壁2bに亘って開口する開口部21が形成されて構成されている。また、開口部21側から臨む一対の対向面SE,SEの各下部には、嵌合孔22がそれぞれ形成されている。この場合、各嵌合孔22,22は、互いに対向して形成されている。また、ケース2は、開口部21を構成する上壁2aの端部から下壁2cに向けて直角に延設されて下壁2cの上面に当接する支持壁23を備えている。この場合、開口部21から臨む支持壁23の上面23aには、挿入孔24が形成されている。この挿入孔24は、図2に示すように、上面23aの延設方向に沿って真っ直ぐに(その軸線が上壁2aに対して直交するように)形成されると共に、その深さ方向と直交する断面の形状が円形で、かつその全長に亘って均一に形成されている。なお、ここでいう全長とは、後述する柱状突起32が挿入される領域の全長であって、柱状突起32が届かないさらに深い領域部分の長さを含まないことを意味する。
【0012】
蓋体3は、図1,2に示すように、一例として、閉状態(図2に示す状態)においてケース2の上壁2aと面一となる第1平板状部3aおよびケース2の側壁2bと面一となる第2平板状部3bを備え、第1平板状部3aと第2平板状部3bとが直角に連結されることによって、開口部21の開口形状に合わせて側面視L字状に屈曲する板状体に形成されている。この場合、蓋体3は、弾性変形が可能に樹脂成形によって製造されている。また、蓋体3における一端側(具体的には、第2平板状部3bの下端側)の両端面には、互いの軸線が一致する円柱状の嵌合突起31,31がそれぞれ形成されている。この場合、各嵌合突起31,31は、各嵌合孔22,22内にそれぞれ挿入可能に構成されている。
【0013】
また、蓋体3の他端側(自由端側。具体的には、図2において、第1平板状部3aにおける支持壁23側の端部)におけるケース2との対向面(同図中の下面)には、円柱状の柱状突起32がその対向面に直交する向きで真っ直ぐに突設されている。この場合、柱状突起32は、図2に示すように、その軸線が第1平板状部3aに対して直交し、かつその軸線が蓋体3の閉状態において挿入孔24の軸線と一致する位置に形成されている。また、柱状突起32は、突出方向(軸線方向)と直交する断面の形状が円形に形成されると共に、その全長に亘って均一に形成されている。なお、柱状突起32は、いわゆる抜きテーパ(先端側に向かうに従ってその断面形状が小径となる形状)に形成されることもあるが、そのテーパ角度が通常2°程度のため、本発明では、全長に亘って均一に形成されているとの概念に含まれるものとする。また、柱状突起32は、その外径が挿入孔24の内径よりも若干小径に形成されている。さらに、第1平板状部3aにおける支持壁23側の端部の上面には、閉状態の蓋体3を開ける際に指を引っ掛けるための引っ掛け部3cが突設されている。以上の構成を備えたことにより、蓋体3は、図1に示すように、各嵌合突起31,31がケース2の各嵌合孔22,22内に挿入されることにより、その一端側を支点としてケース2に回動自在に取り付けられる。この場合、図2に示す回動軸L(各嵌合突起31,31のそれぞれの軸線と同軸)が上記の支点として機能する。
【0014】
次に、蓋体のロック機構1について説明する。
【0015】
最初に、ロック機構1の構成について説明する。このロック機構1は、図2に示すように、蓋体3に突設された柱状突起32と、ケース2に設けられた挿入孔24とで少なくとも構成され、同図に示す蓋体3の閉状態において、振動等に起因して蓋体3の意図しない開状態への移行を防止する機能、つまり蓋体3を閉状態にロックするロック機能を有している。
【0016】
次いで、ロック機構1による蓋体3に対するロック動作について、図を参照して説明する。
【0017】
最初に、図3に示すように、開状態(同図中のCの状態)の蓋体3を閉状態となる向きで回動させる。この際に、柱状突起32は、円弧を描きつつ挿入孔24に向けて移動し、まず、支持壁23の上面23aにおける挿入孔24の周縁部位(回動軸L側の周縁部位)にその先端部が当接する(同図中のDの状態)。この当接によって蓋体3の回動が一旦阻止される。次いで、この状態において、蓋体3に対して挿入孔24の方向に向けた外力Fをさらに加えて蓋体3を弾性変形させることにより、その第1平板状部3aと第2平板状部3bとの接合角度を90°以上にする。この蓋体3の弾性変形により、柱状突起32が回動軸Lから離間する結果、柱状突起32の先端部が、上面23aにおける挿入孔24の周縁部位の上を挿入孔24に向けて摺動して挿入孔24内に進入する。
【0018】
この状態から、蓋体3をさらに回動させると、柱状突起32は、その外面における回動軸L側の表面が挿入孔24の回動軸L側の口縁と擦れ合いつつ下方に移動する。移動の際に、柱状突起32は、挿入孔24の回動軸L側の口縁によって回動軸Lから離反する方向の押圧力を受け続ける。この状態は、本発明における中間状態に相当する。また、柱状突起32が挿入孔24の回動軸L側の口縁から受ける押圧力は、柱状突起32の軸線が挿入孔24の軸線に対して最も傾いている挿入孔24内への進入直後が最も大きく、柱状突起32が下方に移動するに従い、柱状突起32の軸線と挿入孔24の軸線とのなす角度が次第に小さくなるため、次第に減少する。また、柱状突起32の挿入孔24内への進入直後からしばらくの間は、柱状突起32の長さの設定いかんによっては、柱状突起32の先端部が、挿入孔24の内面における蓋体3の他端側(回動軸Lと離間する側)の表面に当接する場合もある。このような場合には、柱状突起32は、その先端部も挿入孔24の内面における蓋体3の他端側の表面と擦れ合いつつ下方に移動する。
【0019】
次いで、図2に示すように、蓋体3の対向面が支持壁23の上面23aに当接して、蓋体3が閉状態に移行する。この閉状態では、柱状突起32が挿入孔24内に完全に挿入されて、柱状突起32の軸線と挿入孔24の軸線とが一致する。また、この状態では、挿入孔24の内径が柱状突起32の外径よりも若干大径に形成されているため、設計上は、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の回動軸L側の表面同士と、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の蓋体3の他端側の表面同士とが、互いに近接しているものの若干の隙間を空けて対向した状態を維持する。したがって、柱状突起32は、挿入孔24の回動軸L側の口縁から押圧力を受けることなく、若干のガタが生じる状態で挿入孔24内に挿入されている。
【0020】
この閉状態では、振動等が蓋体3またはケース2に加わることに起因して、蓋体3がケース2に対して開状態となる向きで相対的に回動しようとする場合、上記した中間状態に移行する際に、挿入孔24への挿入時と同様にして、柱状突起32の外面と挿入孔24の口縁との擦れ合い(干渉)や、柱状突起32の長さによっては柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面との擦れ合い(干渉)が生じるため、その中間状態を越えての開状態への移行が回避される。したがって、柱状突起32の挿入孔24からの抜脱が防止されるため、ロック機構1によって蓋体3の閉状態(ロック状態)が維持される。
【0021】
一方、蓋体3を開ける(閉状態から開状態に移行させる)際には、柱状突起32と挿入孔24の口縁との干渉によって生じる摩擦力以上の外力を蓋体3の引っ掛け部3cに加える。この際には、挿入孔24内から柱状突起32が引き抜かれる結果、挿入孔24と柱状突起32との係合状態が解除されて蓋体3が開状態に移行する。
【0022】
このように、このロック機構1によれば、蓋体3の他端側において、その対向面に対して真っ直ぐで、かつその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一な柱状突起32を突設すると共に、支持壁23において、その上面23aに対して直角で、かつ下方に向けて真っ直ぐで、しかもその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一な挿入孔24を形成したことにより、アンダーカットを必要としないで柱状突起32および挿入孔24を構成することができる。したがって、柱状突起32が形成された蓋体3と挿入孔24が設けられたケース2とを、押切、スライド機構および/または倒しピンを備えていない簡易な構造の金型を使用して樹脂成形することができる。この結果、蓋体3およびケース2の製造コスト、ひいては、計測装置の製造コストを低減することができる。
【0023】
また、閉状態において、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の回動軸L側の表面同士または蓋体3の他端側の表面同士が互いに近接して対向するように柱状突起32および挿入孔24を形成したことにより、ケース2または閉状態の蓋体3に振動等が加わったとしても、上記した中間状態に移行する際に、柱状突起32の外面と挿入孔24の口縁との擦れ合いや、柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面との擦れ合いが生じるため、その中間状態を越えての閉状態から開状態への移行を回避することができる。したがって、柱状突起32の挿入孔24からの抜脱を防止することができる結果、ロック機構1によって蓋体3の閉状態(ロック状態)を確実に維持することができる。また、蓋体3の閉状態において柱状突起32が挿入孔24内において互いの軸線同士を一致した状態で進入するように、柱状突起32および挿入孔24を形成したことにより、閉状態において、柱状突起32に対して挿入孔24の外壁から押圧力(ストレス)が加えられるのを回避することができる。したがって、押圧力による柱状突起32の変形や損傷といった不具合の発生を回避することができる結果、ロック機構1の耐久性を高めることができる。
【0024】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、L字状に屈曲した板状体に蓋体3を形成した例を挙げて説明したが、図4に示すように、平板状に形成された蓋体41に対して本発明のロック機構1を適用できるのは勿論である。この場合、この蓋体41に対しても、その他端側(自由端側)におけるケース2との対向面に柱状突起32を突設する。また、本発明の実施の形態では、突出方向と直交する方向の断面の形状が円形(つまり円柱体)に柱状突起32を形成し、かつ、深さ方向と直交する方向の断面の形状が円形となるように挿入孔24を形成した例を挙げて説明したが、柱状突起32における外面の断面形状を多角形や楕円形に形成し、かつ挿入孔24における内面の断面形状を柱状突起32と相補的な形状の多角形や楕円形に形成してもよい。
【0025】
また、上記した本発明の実施の形態では、一端側がケース2に回動自在に取り付けられる蓋体3,41を例に挙げて説明したが、図5に示すように、一端側をケース2に係合させてケース2に取り付ける構造の蓋体45に対して本発明のロック機構1を適用できるのは勿論である。この場合、この蓋体45では、他端側(自由端側)におけるケース2との対向面に、柱状突起32が突設されている。また、一端側の端面には、ケース2の内面に係合する係合片45aが柱状突起32と平行に突設されている。また、本発明の実施の形態では、蓋体3を弾性変形可能な材料で形成した例を挙げて説明したが、蓋体3に代えてケース2を弾性変形可能な材料で形成する構成や、双方を弾性変形可能な材料で形成する構成を採用することもできる。また、この弾性変形可能な材料して樹脂材料を挙げて説明したが、金属材料を用いる構成を採用することもできる。さらに、上記したように、柱状突起32を挿入孔24内に互いの軸線同士が一致した状態で進入させる構成を採用することが好ましいが、柱状突起32の軸線を挿入孔24の軸線位置から、回動軸Lの方向や、回動軸Lから離反する方向にずらす構成を採用することもできる。この構成によれば、柱状突起32を長目に形成して挿入孔24の口縁との擦れ合い(干渉)の度合いを増加させることもできるし、柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面とを干渉させることもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,2記載の蓋体のロック機構によれば、蓋体の他端側におけるケースとの対向面に対して真っ直ぐで、かつその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一となるように柱状突起を形成し、真っ直ぐで、かつその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一となるように挿入孔を形成したことにより、アンダーカットを必要としないで柱状突起および挿入孔を構成することができる。したがって、柱状突起が形成された蓋体と挿入孔が設けられたケースとを、押切、スライド機構および/または倒しピンを備えていない簡易な構造の金型を使用して樹脂成形(製造)することができる。この結果、蓋体およびケースの製造コストを低減することができる。また、中間状態において、挿入孔の口縁および柱状突起の外面、または挿入孔の内面および柱状突起の先端部が互いに干渉し合うように柱状突起および挿入孔を構成したことにより、ケースまたは閉状態の蓋体に振動等が加わったとしても、上記した中間状態に移行する際に、挿入孔の口縁および柱状突起の外面、または挿入孔の内面および柱状突起の先端部が互いに干渉し合うため、その中間状態を越えて閉状態から開状態への移行を回避することができる。したがって、挿入孔からの柱状突起の抜脱を防止することができる結果、このロック機構によって蓋体のロック状態を確実に維持することができる。
【0027】
また、請求項3記載の蓋体のロック機構によれば、閉状態において、互いの軸線同士が一致するように柱状突起および挿入孔をそれぞれ構成したことにより、閉状態において、柱状突起に対して挿入孔の外壁から押圧力(ストレス)が加えられるのを回避することができる。したがって、押圧力による柱状突起の変形や損傷といった不具合の発生を回避することができる結果、ロック機構の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るケース2および蓋体3の構成を示す断面図である。
【図2】図1のケース2および閉状態の蓋体3を挿入孔24の位置で第2平板状部3bと直交する平面によって切断した蓋体3近傍の断面図である。
【図3】ロック機構1によるロック動作を示す蓋体3近傍の断面図である。
【図4】ロック機構1を他の構成の蓋体41に適用した状態を示す蓋体41近傍の断面図である。
【図5】ロック機構1を他の構成の蓋体45に適用した状態を示す蓋体45近傍の断面図である。
【図6】従来のロック機構51の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロック機構
2 ケース
3,41,45 蓋体
24 挿入孔
32 柱状突起
45a 係合片
L 回動軸(支点)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケースに回動自在に取り付けられた蓋体のロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓋体のロック機構として、図6に示す蓋体のロック機構が従来から知られている。この蓋体のロック機構51は、一端側を支点として(具体的には、一端側に設けられた回動軸Lを支点として)ケース52に回動自在に取り付けられた蓋体53が閉状態(同図中のBの状態)のときに、振動等に起因して意図しない蓋体53の開状態への移行を防止可能に構成されており、蓋体53の他端側(自由端側)におけるケース52との対向面(同図中の下面)に突設されたフック片54と、ケース52に設けられた係止溝55とを備えている。この場合、フック片54は、蓋体53の他端側の下面において下方に向けてほぼ直角に突設された柱状突起54aと、柱状突起54aの先端部における閉状態時にケース52と対向する側の表面に突設された係止爪54bとを備えて構成されている。また、フック片54は、樹脂成形によって蓋体53と一体的に形成されている。一方、係止溝55は、蓋体53の閉状態において、フック片54と対向するケース52の壁部52aにおける係止爪54bとの対向部位に形成されている。
【0003】
この蓋体のロック機構51では、開状態(図6中のAの位置)の蓋体53を閉状態に向けて回動させた場合、フック片54の係止爪54bがケース52の壁部52aにおける上部に当接し、その際に、柱状突起54bが弾性変形しつつフック片54が内面52aに沿って下方に移動して、係止爪54bが係止溝55内に進入する。この状態では、係止爪54bと係止溝55とが係合しているため、振動等がケース52に加わったとしても、閉まった状態(閉状態)の蓋体53の意図しない開状態への移行を防止することができる。一方、閉状態の蓋体53を開状態に移行させる(開ける)際には、蓋体53に、その他端側から一端側に向かう向き(同図中の矢印方向)の外力を加える。この際には、蓋体53が弾性変形して係止爪54bと係止溝55との係合状態が解除される結果、蓋体53が開状態に移行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の蓋体のロック機構51には、以下の問題点がある。すなわち、従来の蓋体のロック機構51では、蓋体53にフック片54を一体的に設けると共にケース52に係止溝55を設けることにより、フック片54を係止溝55に係合させて、意図しない蓋体53の開状態への移行を防止している。この場合、フック片54やケース52を製造するためには、いわゆるアンダーカットで係止爪54bや係止溝55を製作する必要がある。このため、フック片54を一体的に設けた蓋体53や、係止溝55を設けたケース52を樹脂成形する場合、これらの成形に使用される金型に、押切、スライド機構および/または倒しピンを使用しなければならず、金型構造が複雑になるという問題点がある。また、これらの複雑な構造の金型は、一般的に耐久性が低く、しかも金型自体が高価であるため、金型の構造をより簡単にできるのが好ましい。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、蓋体を確実にロックでき、しかも簡易な構造の金型で製造し得る蓋体のロック機構を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の蓋体のロック機構は、一端側を支点としてケースに回動自在に取り付けられた蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている。
【0007】
請求項2記載の蓋体のロック機構は、一端側をケースに係合させて当該ケースに取り付ける蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている。
【0008】
請求項3記載の蓋体のロック機構は、請求項1または2記載の蓋体のロック機構において、前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態において、互いの軸線同士が一致するようにそれぞれ構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る蓋体のロック機構の好適な発明の実施の形態について説明する。一例として、データカードなどを装着する計測装置において、装着されたデータカードを保護する目的で設けられる蓋体を例に挙げて説明する。
【0010】
最初に、蓋体のロック機構1(図2参照)を備えた計測装置のケース(具体的には、ケースのフロントパネル)2および蓋体3の構成について、図1を参照して説明する。
【0011】
ケース2は、図1に示すように、一例として、外形が直方状の箱体に形成されると共に、その上壁2aから側壁2bに亘って開口する開口部21が形成されて構成されている。また、開口部21側から臨む一対の対向面SE,SEの各下部には、嵌合孔22がそれぞれ形成されている。この場合、各嵌合孔22,22は、互いに対向して形成されている。また、ケース2は、開口部21を構成する上壁2aの端部から下壁2cに向けて直角に延設されて下壁2cの上面に当接する支持壁23を備えている。この場合、開口部21から臨む支持壁23の上面23aには、挿入孔24が形成されている。この挿入孔24は、図2に示すように、上面23aの延設方向に沿って真っ直ぐに(その軸線が上壁2aに対して直交するように)形成されると共に、その深さ方向と直交する断面の形状が円形で、かつその全長に亘って均一に形成されている。なお、ここでいう全長とは、後述する柱状突起32が挿入される領域の全長であって、柱状突起32が届かないさらに深い領域部分の長さを含まないことを意味する。
【0012】
蓋体3は、図1,2に示すように、一例として、閉状態(図2に示す状態)においてケース2の上壁2aと面一となる第1平板状部3aおよびケース2の側壁2bと面一となる第2平板状部3bを備え、第1平板状部3aと第2平板状部3bとが直角に連結されることによって、開口部21の開口形状に合わせて側面視L字状に屈曲する板状体に形成されている。この場合、蓋体3は、弾性変形が可能に樹脂成形によって製造されている。また、蓋体3における一端側(具体的には、第2平板状部3bの下端側)の両端面には、互いの軸線が一致する円柱状の嵌合突起31,31がそれぞれ形成されている。この場合、各嵌合突起31,31は、各嵌合孔22,22内にそれぞれ挿入可能に構成されている。
【0013】
また、蓋体3の他端側(自由端側。具体的には、図2において、第1平板状部3aにおける支持壁23側の端部)におけるケース2との対向面(同図中の下面)には、円柱状の柱状突起32がその対向面に直交する向きで真っ直ぐに突設されている。この場合、柱状突起32は、図2に示すように、その軸線が第1平板状部3aに対して直交し、かつその軸線が蓋体3の閉状態において挿入孔24の軸線と一致する位置に形成されている。また、柱状突起32は、突出方向(軸線方向)と直交する断面の形状が円形に形成されると共に、その全長に亘って均一に形成されている。なお、柱状突起32は、いわゆる抜きテーパ(先端側に向かうに従ってその断面形状が小径となる形状)に形成されることもあるが、そのテーパ角度が通常2°程度のため、本発明では、全長に亘って均一に形成されているとの概念に含まれるものとする。また、柱状突起32は、その外径が挿入孔24の内径よりも若干小径に形成されている。さらに、第1平板状部3aにおける支持壁23側の端部の上面には、閉状態の蓋体3を開ける際に指を引っ掛けるための引っ掛け部3cが突設されている。以上の構成を備えたことにより、蓋体3は、図1に示すように、各嵌合突起31,31がケース2の各嵌合孔22,22内に挿入されることにより、その一端側を支点としてケース2に回動自在に取り付けられる。この場合、図2に示す回動軸L(各嵌合突起31,31のそれぞれの軸線と同軸)が上記の支点として機能する。
【0014】
次に、蓋体のロック機構1について説明する。
【0015】
最初に、ロック機構1の構成について説明する。このロック機構1は、図2に示すように、蓋体3に突設された柱状突起32と、ケース2に設けられた挿入孔24とで少なくとも構成され、同図に示す蓋体3の閉状態において、振動等に起因して蓋体3の意図しない開状態への移行を防止する機能、つまり蓋体3を閉状態にロックするロック機能を有している。
【0016】
次いで、ロック機構1による蓋体3に対するロック動作について、図を参照して説明する。
【0017】
最初に、図3に示すように、開状態(同図中のCの状態)の蓋体3を閉状態となる向きで回動させる。この際に、柱状突起32は、円弧を描きつつ挿入孔24に向けて移動し、まず、支持壁23の上面23aにおける挿入孔24の周縁部位(回動軸L側の周縁部位)にその先端部が当接する(同図中のDの状態)。この当接によって蓋体3の回動が一旦阻止される。次いで、この状態において、蓋体3に対して挿入孔24の方向に向けた外力Fをさらに加えて蓋体3を弾性変形させることにより、その第1平板状部3aと第2平板状部3bとの接合角度を90°以上にする。この蓋体3の弾性変形により、柱状突起32が回動軸Lから離間する結果、柱状突起32の先端部が、上面23aにおける挿入孔24の周縁部位の上を挿入孔24に向けて摺動して挿入孔24内に進入する。
【0018】
この状態から、蓋体3をさらに回動させると、柱状突起32は、その外面における回動軸L側の表面が挿入孔24の回動軸L側の口縁と擦れ合いつつ下方に移動する。移動の際に、柱状突起32は、挿入孔24の回動軸L側の口縁によって回動軸Lから離反する方向の押圧力を受け続ける。この状態は、本発明における中間状態に相当する。また、柱状突起32が挿入孔24の回動軸L側の口縁から受ける押圧力は、柱状突起32の軸線が挿入孔24の軸線に対して最も傾いている挿入孔24内への進入直後が最も大きく、柱状突起32が下方に移動するに従い、柱状突起32の軸線と挿入孔24の軸線とのなす角度が次第に小さくなるため、次第に減少する。また、柱状突起32の挿入孔24内への進入直後からしばらくの間は、柱状突起32の長さの設定いかんによっては、柱状突起32の先端部が、挿入孔24の内面における蓋体3の他端側(回動軸Lと離間する側)の表面に当接する場合もある。このような場合には、柱状突起32は、その先端部も挿入孔24の内面における蓋体3の他端側の表面と擦れ合いつつ下方に移動する。
【0019】
次いで、図2に示すように、蓋体3の対向面が支持壁23の上面23aに当接して、蓋体3が閉状態に移行する。この閉状態では、柱状突起32が挿入孔24内に完全に挿入されて、柱状突起32の軸線と挿入孔24の軸線とが一致する。また、この状態では、挿入孔24の内径が柱状突起32の外径よりも若干大径に形成されているため、設計上は、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の回動軸L側の表面同士と、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の蓋体3の他端側の表面同士とが、互いに近接しているものの若干の隙間を空けて対向した状態を維持する。したがって、柱状突起32は、挿入孔24の回動軸L側の口縁から押圧力を受けることなく、若干のガタが生じる状態で挿入孔24内に挿入されている。
【0020】
この閉状態では、振動等が蓋体3またはケース2に加わることに起因して、蓋体3がケース2に対して開状態となる向きで相対的に回動しようとする場合、上記した中間状態に移行する際に、挿入孔24への挿入時と同様にして、柱状突起32の外面と挿入孔24の口縁との擦れ合い(干渉)や、柱状突起32の長さによっては柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面との擦れ合い(干渉)が生じるため、その中間状態を越えての開状態への移行が回避される。したがって、柱状突起32の挿入孔24からの抜脱が防止されるため、ロック機構1によって蓋体3の閉状態(ロック状態)が維持される。
【0021】
一方、蓋体3を開ける(閉状態から開状態に移行させる)際には、柱状突起32と挿入孔24の口縁との干渉によって生じる摩擦力以上の外力を蓋体3の引っ掛け部3cに加える。この際には、挿入孔24内から柱状突起32が引き抜かれる結果、挿入孔24と柱状突起32との係合状態が解除されて蓋体3が開状態に移行する。
【0022】
このように、このロック機構1によれば、蓋体3の他端側において、その対向面に対して真っ直ぐで、かつその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一な柱状突起32を突設すると共に、支持壁23において、その上面23aに対して直角で、かつ下方に向けて真っ直ぐで、しかもその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一な挿入孔24を形成したことにより、アンダーカットを必要としないで柱状突起32および挿入孔24を構成することができる。したがって、柱状突起32が形成された蓋体3と挿入孔24が設けられたケース2とを、押切、スライド機構および/または倒しピンを備えていない簡易な構造の金型を使用して樹脂成形することができる。この結果、蓋体3およびケース2の製造コスト、ひいては、計測装置の製造コストを低減することができる。
【0023】
また、閉状態において、挿入孔24の内面および柱状突起32の外面における各々の回動軸L側の表面同士または蓋体3の他端側の表面同士が互いに近接して対向するように柱状突起32および挿入孔24を形成したことにより、ケース2または閉状態の蓋体3に振動等が加わったとしても、上記した中間状態に移行する際に、柱状突起32の外面と挿入孔24の口縁との擦れ合いや、柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面との擦れ合いが生じるため、その中間状態を越えての閉状態から開状態への移行を回避することができる。したがって、柱状突起32の挿入孔24からの抜脱を防止することができる結果、ロック機構1によって蓋体3の閉状態(ロック状態)を確実に維持することができる。また、蓋体3の閉状態において柱状突起32が挿入孔24内において互いの軸線同士を一致した状態で進入するように、柱状突起32および挿入孔24を形成したことにより、閉状態において、柱状突起32に対して挿入孔24の外壁から押圧力(ストレス)が加えられるのを回避することができる。したがって、押圧力による柱状突起32の変形や損傷といった不具合の発生を回避することができる結果、ロック機構1の耐久性を高めることができる。
【0024】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、L字状に屈曲した板状体に蓋体3を形成した例を挙げて説明したが、図4に示すように、平板状に形成された蓋体41に対して本発明のロック機構1を適用できるのは勿論である。この場合、この蓋体41に対しても、その他端側(自由端側)におけるケース2との対向面に柱状突起32を突設する。また、本発明の実施の形態では、突出方向と直交する方向の断面の形状が円形(つまり円柱体)に柱状突起32を形成し、かつ、深さ方向と直交する方向の断面の形状が円形となるように挿入孔24を形成した例を挙げて説明したが、柱状突起32における外面の断面形状を多角形や楕円形に形成し、かつ挿入孔24における内面の断面形状を柱状突起32と相補的な形状の多角形や楕円形に形成してもよい。
【0025】
また、上記した本発明の実施の形態では、一端側がケース2に回動自在に取り付けられる蓋体3,41を例に挙げて説明したが、図5に示すように、一端側をケース2に係合させてケース2に取り付ける構造の蓋体45に対して本発明のロック機構1を適用できるのは勿論である。この場合、この蓋体45では、他端側(自由端側)におけるケース2との対向面に、柱状突起32が突設されている。また、一端側の端面には、ケース2の内面に係合する係合片45aが柱状突起32と平行に突設されている。また、本発明の実施の形態では、蓋体3を弾性変形可能な材料で形成した例を挙げて説明したが、蓋体3に代えてケース2を弾性変形可能な材料で形成する構成や、双方を弾性変形可能な材料で形成する構成を採用することもできる。また、この弾性変形可能な材料して樹脂材料を挙げて説明したが、金属材料を用いる構成を採用することもできる。さらに、上記したように、柱状突起32を挿入孔24内に互いの軸線同士が一致した状態で進入させる構成を採用することが好ましいが、柱状突起32の軸線を挿入孔24の軸線位置から、回動軸Lの方向や、回動軸Lから離反する方向にずらす構成を採用することもできる。この構成によれば、柱状突起32を長目に形成して挿入孔24の口縁との擦れ合い(干渉)の度合いを増加させることもできるし、柱状突起32の先端部と挿入孔24の内面とを干渉させることもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,2記載の蓋体のロック機構によれば、蓋体の他端側におけるケースとの対向面に対して真っ直ぐで、かつその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一となるように柱状突起を形成し、真っ直ぐで、かつその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一となるように挿入孔を形成したことにより、アンダーカットを必要としないで柱状突起および挿入孔を構成することができる。したがって、柱状突起が形成された蓋体と挿入孔が設けられたケースとを、押切、スライド機構および/または倒しピンを備えていない簡易な構造の金型を使用して樹脂成形(製造)することができる。この結果、蓋体およびケースの製造コストを低減することができる。また、中間状態において、挿入孔の口縁および柱状突起の外面、または挿入孔の内面および柱状突起の先端部が互いに干渉し合うように柱状突起および挿入孔を構成したことにより、ケースまたは閉状態の蓋体に振動等が加わったとしても、上記した中間状態に移行する際に、挿入孔の口縁および柱状突起の外面、または挿入孔の内面および柱状突起の先端部が互いに干渉し合うため、その中間状態を越えて閉状態から開状態への移行を回避することができる。したがって、挿入孔からの柱状突起の抜脱を防止することができる結果、このロック機構によって蓋体のロック状態を確実に維持することができる。
【0027】
また、請求項3記載の蓋体のロック機構によれば、閉状態において、互いの軸線同士が一致するように柱状突起および挿入孔をそれぞれ構成したことにより、閉状態において、柱状突起に対して挿入孔の外壁から押圧力(ストレス)が加えられるのを回避することができる。したがって、押圧力による柱状突起の変形や損傷といった不具合の発生を回避することができる結果、ロック機構の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るケース2および蓋体3の構成を示す断面図である。
【図2】図1のケース2および閉状態の蓋体3を挿入孔24の位置で第2平板状部3bと直交する平面によって切断した蓋体3近傍の断面図である。
【図3】ロック機構1によるロック動作を示す蓋体3近傍の断面図である。
【図4】ロック機構1を他の構成の蓋体41に適用した状態を示す蓋体41近傍の断面図である。
【図5】ロック機構1を他の構成の蓋体45に適用した状態を示す蓋体45近傍の断面図である。
【図6】従来のロック機構51の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロック機構
2 ケース
3,41,45 蓋体
24 挿入孔
32 柱状突起
45a 係合片
L 回動軸(支点)
Claims (3)
- 一端側を支点としてケースに回動自在に取り付けられた蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、
前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、
前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、
前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている蓋体のロック機構。 - 一端側をケースに係合させて当該ケースに取り付ける蓋体の他端側における当該ケースとの対向面に突設された柱状突起を当該ケースに設けられた挿入孔内に挿入することで当該蓋体を閉状態にロックする蓋体のロック機構であって、
前記柱状突起は、前記対向面に対して真っ直ぐに突設されると共にその突出方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、
前記挿入孔は、真っ直ぐに形成されると共にその深さ方向と直交する断面の形状がその全長に亘って均一に形成され、
前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態と開状態との間の中間状態において、当該挿入孔の口縁および当該柱状突起の外面、または当該挿入孔の内面および当該柱状突起の先端部が互いに干渉し合うようにそれぞれ構成されている蓋体のロック機構。 - 前記柱状突起および前記挿入孔は、前記閉状態において、互いの軸線同士が一致するようにそれぞれ構成されている請求項1または2記載の蓋体のロック機構。
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