JP2004026139A - 空調装置の制御方法及びそのための装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】夏期等の陽射しが強い季節に炎天下に長時間曝された車両の室内が高温になった状況で乗車する場合に、従来経験しなければならなかった甚だしい不快感を回避する方法及びそのための装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置が、少なくとも一つの圧縮機と、前記圧縮機を駆動する駆動手段であって前記車両駆動用のエンジン又は前記エンジン以外の動力の少なくとも一方を選択して前記圧縮機を作動させるように構成される、駆動手段と、少なくとも前記駆動手段を制御する制御装置とを具備する。この様な車両用空調装置の制御方法において、搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号を受信し車両内のプレ空調を開始する手順と、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する手順と、前記圧縮機を停止する手順とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用空調装置が、少なくとも一つの圧縮機と、前記圧縮機を駆動する駆動手段であって前記車両駆動用のエンジン又は前記エンジン以外の動力の少なくとも一方を選択して前記圧縮機を作動させるように構成される、駆動手段と、少なくとも前記駆動手段を制御する制御装置とを具備する。この様な車両用空調装置の制御方法において、搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号を受信し車両内のプレ空調を開始する手順と、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する手順と、前記圧縮機を停止する手順とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置に係り、より特別には空調装置の制御方法及びそれを行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
陽射しが強い季節に炎天下の路上等に長時間駐車させると、車内はかなりの高温となり、車に乗車することは不快なことである。この問題に対する対処として、窓を開放し、さらに車内空気排出ブロワーを駆動して車内空気を強制排出すれば良い。その後再び窓を閉じて空調装置を駆動することが行なわれている。しかしながら、これらの措置を取るには必ず一度は乗車しなければならず、少なくとも運転者等が高温の車内で不快感を経験することは避けられない。また、高温の空気を排出せずに空調装置を駆動する場合は冷房負荷が大きく省動力の面で好ましくない。
【0003】
従来技術として、冷凍車に代表されるようにメイン圧縮機とサブ圧縮機を持ち、走行時にはメイン圧縮機で、車両停止時はサブ圧縮機で冷凍および冷房運転をするシステムがある。従来は、エンジン始動後にメイン圧縮機でクールダウン運転を行い、車室内を最適温度にし、サブ圧縮機は信号機待ちなどのエンジン停止時にだけ使用していた。この場合、メイン圧縮機でのクールダウンではエバポレータが冷えるまで車室内に温風が吹出したり、最適な温度になるまで時間がかかるという問題があった。更に上記の環境下において乗車する際の高温な車室による不快感は排除できない。
【0004】
また従来技術において例えば、車内室温が高温時にドアにキーを挿入しただけでブロワー又は空調装置のファンを運転し、車両の窓を同時に開けることにより換気することが提案されている(例えば特許文献1)。この場合車内室温を外気温程度に下げることが限界であり、従って時間を要し、圧縮機も1台であることから容量が大きくエンジンを駆動しないと空調は実施できない構成であり、車両室内温度を下げるにも温度的及び時間的な限界があった。
【特許文献1】
特公昭62−36884号(第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、夏期等の陽射しが強い季節に炎天下に長時間曝された車両の室内が高温になっており、この状況で乗車する場合に、従来経験しなければならなかった甚だしい不快感を回避する空調装置の制御方法及びその方法を実施するための装置を提供することである。
【0006】
また上記の従来技術において開示する構成では、車内室温を下げることに温度的及び時間的な限界があった。本発明はこの様な従来技術の欠点を解消する方法及びその方法を実行する装置を提供することを目的としている。本発明は、空調用圧縮機の駆動源としてエンジンまたはモータのいずれか、または両方を選択し駆動するハイブリッド圧縮機を搭載した車両、もしくはエンジンにより駆動されるメイン圧縮機とモータにより駆動されるサブ圧縮機を備えた車両を適用対象として含む。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した形態では、装置は、上述した目的を達成するために、車両用空調装置が、少なくとも一つの圧縮機と、前記圧縮機を駆動する駆動手段であって前記車両駆動用のエンジン又は前記エンジン以外の動力の少なくとも一方を選択して前記圧縮機を作動させるように構成される、駆動手段と、少なくとも前記駆動手段を制御する制御装置とを具備する。この様な車両用空調装置の制御方法において、搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号を受信し車両内のプレ空調を開始する手順と、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する手順と、前記圧縮機を停止する手順とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に記載した形態では、請求項1の空調装置の制御方法において、前記エンジン以外の動力により駆動する手段として、バッテリ等の電源から電力を供給されるモータにより、前記圧縮機を駆動することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に記載した形態では、請求項1又は2の空調装置の制御方法において、前記搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号が、車両ドアロックキー解除の信号であることを特徴とする。
【0010】
上記の3つの形態のいずれかに記載される方法で空調装置が制御されることにより、陽射しの強い日の炎天下に長時間駐車された車両に乗る際に、運転者等は、車両室内に全く乗り込まないで、例えばドアロックキーの解除を行うこと等により、圧縮機を運転してプレ空調を実施し、車室内温度を下げておくことにより、従来必ず搭乗者が経験した上記のような炎天下での駐車後に車両に乗る際に経験した異常に不快な車室内雰囲気を排除することが可能である。その後運転者は車両に乗り込み、空調装置を通常に運転して冷房しながら運転準備をすることが出来る。
【0011】
本発明の請求項4に記載した形態では、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する前記手順において、前記圧縮機を一定期間駆動する制御にタイマーが使用されることを特徴とする。
【0012】
この様な手順を含むことにより、請求項1から3の形態の方法の効果に加えて、圧縮機を適当な設定期間の運転時間で自動的に停止して、その後エンジンにより圧縮機を駆動して通常の空調運転を行うことが可能であり、設定時間をバッテリ等の電源の容量を考慮して設定することによりバッテリ電源容量の過剰低下を防止して、エンジンの始動等に支障を来すこともない。
【0013】
本発明の請求項5に記載した形態では、請求項1から4のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記圧縮機の停止が、前記エンジンの始動信号により実施されることを特徴とする。
【0014】
この様な手順を含むことにより、請求項1から4の形態の方法の効果に加えて、搭乗者の判断により圧縮機の停止が行なわれ、エンジンの始動と圧縮機の停止を一つの作業で実施出来るので、車の操作が簡略化される。
【0015】
本発明の請求項6に記載した形態では、請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には、前記圧縮機を駆動しない手順を含むことを特徴とする。
この様な手順を含むことにより、圧縮機によるプレ空調が不要な場合は、空調装置のエアコンスウィッチをオフしておくことにより、圧縮機を始動せず、不要なプレ空調を実施しないことができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載した形態では、請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置が車室内温度の測定手段を更に具備しており、前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には、前記車室内温度が前もって決められた設定値以上であれば、前記圧縮機を一定期間駆動することを特徴とする。
【0017】
この様な制御手順を含むことにより、車両室温に応じて圧縮機によるプレ空調の要否を判断し、不要な場合は圧縮機を始動しないで不要なプレ空調を実施せず、車両室内温度の高い必要な場合のみプレ空調を実施することができる。
【0018】
本発明の請求項8に記載した形態では、請求項1から7のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置は、前記圧縮機により圧縮された冷媒が液化されて、更に冷房時において膨張弁等において膨張して温度を下げて、その後導入される蒸発器(エバポレータ)を具備しており、前記空調装置の空調運転時において、該蒸発器において、前記冷媒は空調に使用される空調用空気と熱交換するように使用されており、前記蒸発器は、前記空調用空気を前記蒸発器に供給していて電動機等により駆動される、ブロワを具備しており、この場合において前記圧縮機を駆動している間において、前記ブロワの風量が最小に設定される手順を更に具備することを特徴とする。
【0019】
この様な手順を含むことにより、請求項1から7の形態の方法の効果に加えて、圧縮機によるプレ空調においては、蒸発器のブロワの消費電力を節減して、バッテリ電力の消費を抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来すこともない。
【0020】
本発明の請求項9に記載した形態では、請求項8に記載の空調装置の制御方法において、前記ブロワの風量が最小に設定される前記手順は、前記ブロワ風量がゼロ、即ち前記ブロワが停止されることを特徴とする。
この様な手順を含むことにより、圧縮機によるプレ空調においては、蒸発器のブロワの消費電力はゼロであるので、バッテリ電力の消費をより一層抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来す可能性は、より一層低下する。
【0021】
本発明の請求項10に記載した形態では、請求項1から9のいずれか一項の方法を実施可能であることを特徴とする空調装置が提供される。
この様に構成された空調装置により、上記請求項1から9のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法が実施可能であり、上記に記載した本発明の効果が発揮できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の空調装置の実施の形態を詳細に説明する。図1に示す実施の形態の空調装置1は、2種類の駆動手段を有する、即ちエンジン及びモータにより駆動可能なハイブリッド式圧縮機2を具備する。ハイブリッド式圧縮機を具備していてアイドルストップ機能を有する自動車用の空調装置(システム)の構成について図1を参照して説明する。図1の空調装置1は、冷暖房機能を有しているが、本発明に関連する冷房時について本発明に係る空調装置を説明する。
通常の冷房運転時において、冷媒はエンジン3又はモータ12により駆動される圧縮機2で圧縮されその冷媒を冷却する凝縮器4を経由して液化される。液化された冷媒は、膨張弁5により減圧されて断熱膨張し、冷媒配管8を通り蒸発器6に供給されてここで気化するが、この際に周囲から熱を奪うことにより周囲を冷却する。蒸発器6は空調ダクト内に収容されており、ここでは電動機により駆動されるブロワ7により送られた空気が、蒸発器6を通過する際に蒸発器と熱交換して冷却され空調用空気として車両室内に吹き出され室内を冷房する。その後冷媒は圧縮機2により吸引され再循環する。
【0023】
本実施の形態においては、圧縮機2は前述の如く、エンジン3及びモータ12のいずれによっても駆動可能なハイブリッド式圧縮機である。圧縮機2は、後述の如く、状況に応じて車両の駆動手段であるエンジン又はエンジン以外の駆動源であって本実施の形態ではモータ12のいずれかを選択して、駆動可能である。圧縮機2の駆動手段の選択は、制御装置20により行なわれ、制御装置20は、モータの駆動を制御するためのモータ駆動制御回路23と、種の制御信号を受信して制御シーケンスを有してモータを制御する制御回路22とを備える。圧縮機2の駆動用モータ12は、本実施の形態においては、制御装置20のモータ駆動制御回路22により、バッテリ14から給電されると共に制御される。エンジン以外の駆動源はモータに限らず、当業者に既知な別の駆動源であっても良い。
【0024】
本第1の実施の形態における空調装置1の制御方法について図2を参照して説明する。陽射しが強い日において、車両を運転する場合、運転者は車両に乗るために先ず車両ドアロックキーのロックを解除することが必要である。本第1の実施の形態において、車両ドアロックキーの解除信号が具備されており、一般的に該解除信号は電気信号であり、ドアロックキーのロック、解除等の位置に対応する電気接点により信号が発生送信されており、解除信号は少なくとも制御装置20の制御回路22に送信される。この車両ドアロックキーの解除操作が第1のステップ(S1)である。車両ドアロックキーの解除信号は制御装置20に送られて、第2のステップ(S2)において、制御装置20に具備されるタイマ21をオンさせる。更に第3のステップ(S3)において、制御装置20に送信された車両ドアロックキーの解除信号により制御装置20は、圧縮機2のモータ(電動機)12をオンし、圧縮機2を始動する。圧縮機2は、上記のごとく冷媒を圧縮して空調装置1の冷媒回路に供給し、プレ空調運転を開始する。
【0025】
制御装置20は前記タイマ21を具備しているが、タイマ21が圧縮機2のモータ12による運転時間を決定する。従って第4のステップ(S4)において、タイマ21がオンしてから、前もって決められた所定の時間期間経過すると、タイマ21はオフになる。タイマ21は一般的に、技術的に既知であるように、設定時間を任意に調整可能である。第5のステップ(S5)において、前記所定の時間期間を経過してタイマ21がオフになると、圧縮機2は停止する。これである程度のプレ空調が実施されて、次に第6のステップ(S6)において、車両エンジン3が自動始動して、その後第7のステップ(S7)においてエンジン3により圧縮機2が駆動されて、圧縮機2による通常の空調が開始される。ここで第6のステップ(S6)と第7のステップ(S7)が1つのステップにまとめられても良い(自動的に連続して実施されても良い)。
【0026】
本実施の形態において、エンジン3は第6のステップではなく、第1から第5のステップの内のいずれかのステップにおいて起動されても良い。また、第6のステップにおいて、自動始動ではなく、圧縮機2の停止の表示又は信号を運転者が受けて、運転者がエンジン3を始動しても良く、それにより第7のステップにおいて圧縮機2が再度駆動されても良い。
車両ドアロックキーの解除信号は電気信号ではなく、光信号、空圧信号等の別のタイプの信号であっても良い。
タイマ21は、ソフトタイマであっても良い。
【0027】
第2の実施の形態の制御方法について図3に示す。ここでは、第1のステップは車両ドアロックキーの解除の手順で第1の実施の形態と同じであるが、第1の実施の形態のプロセスとの相違点として、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチ(空調装置1の運転スウィッチ)のオン/オフを判断する手順が含まれる。このステップにおいて、エアコンスウィッチのオン/オフを判断して、オンの場合には、前記第1の実施の形態の第2のステップのタイマ21オンの手順であって、本第2の実施の形態では第3のステップに進む。それ以降のステップは第1の実施の形態と同様である。
一方前記運転スウィッチがオフの場合は、圧縮機2は停止状態を維持する。
【0028】
第3の実施の形態の制御方法について図4に示す。ここでは、第1のステップは車両ドアロックキーの解除の手順で第1と第2の実施の形態と同じであり、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチ(空調装置1の運転スウィッチ)のオン/オフを判断する手順を含み、このステップにおいて、空調装置1の運転スウィッチのオン/オフを判断してオンの場合には、タイマ21オンの手順である第2の実施の形態の第3のステップに進み、それ以降のステップについても第2の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態のプロセスとの相違点として、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチがオフ場合に、次に第9のステップに進み、ここにおいて車両室内温度の判断手順が含まれる。従って本第3の実施の形態においては車両室温センサを具備するが、車両室温センサを具備することは、一般的な車両において良く知られており、且つ実施されている。この第9のステップにおいて、前記室温センサにより検知された室温が設定値以上の場合には、タイマ21をオンする第10のステップに進む。第10のステップ以降は、第1の実施の形態の第2から第7のステップ、あるいは第2の実施の形態における第3から第8のステップと同じプロセスが実施される。
一方前記室温センサの検知室温の値が所定値以下の場合には、圧縮機2は停止状態を維持する。
【0029】
第4の実施の形態の制御方法について図5に示す。ここでは、第1から第3のステップは第1の実施の形態と同じであるが、第1の実施の形態のプロセスとの相違点として、第4のステップにおいて、蒸発器6のブロワ7の運転オフの手順が含まれる。このステップにおいてこれとは別に、蒸発器6のブロワ7がオンされてその風量が最小に設定される手順が含まれても良い。それ以降のステップは第1の実施の形態と同様である。(但し、圧縮機2がエンジンにより駆動される通常運転時において、ブロワ7の上記設定は解除されてブロワ7は通常に運転される。)
【0030】
前記第1から第4の実施の形態において、圧縮機は一基であり、その駆動手段が、エンジン又はモータで選択可能なハイブリッド式圧縮機であったが、第5の実施の形態における空調装置50においては、エンジンにより駆動されるメイン圧縮機2と、モータ12により駆動されるサブ圧縮機10とが具備されており、図6に第5の実施の形態の空調装置50の構成を示す。メイン圧縮機2による冷房運転時の空調装置50の作動については、第1の実施の形態に関して図1を参照して説明したものと同様である。
【0031】
サブ圧縮機10の場合もメイン圧縮機2と基本的に同様な作動により冷房を行う。サブ圧縮機10は、ここではモータ(電動機)12により駆動される圧縮部11により冷媒を吸引圧縮し、圧縮された冷媒を冷媒配管8に供給する。サブ圧縮機10により圧縮された冷媒は、前記メイン圧縮機2の場合と同様に、凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6を通り、空調用空気を冷却し、車両室内を冷房する。サブ圧縮機10の駆動用モータ12は、本実施の形態においては、バッテリ14により制御装置20のモータ駆動制御回路を介して給電されると共に制御される。
【0032】
第5の実施の形態における、空調装置50の制御方法は図7に示されており、この制御方法の手順は基本的に第1の実施の形態の制御方法の手順と同様である。但し第3のステップ(S3)において、駆動(オン)される圧縮機はサブ圧縮機10であり、従って第5のステップ(S5)において停止(オフ)される圧縮機もサブ圧縮機10である。また本実施の形態において、第6のステップ(S6)においてメイン圧縮機2が駆動されるが、これは第1の実施の形態の第6と第7のステップが1つのステップになったものである。本実施の形態においては、エンジン3はメイン圧縮機2のみを駆動する(サブ圧縮機10は駆動しない)ので、この様な手順になることは、理解されるはずである。制御方法は、第1の実施の形態と基本的に同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0033】
前記第2から第4の実施の形態の制御方法に対応する第6から第8の制御方法についても、第1の実施の形態の制御方法に対応する第5の実施の形態の制御方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。第2から第4の実施の形態ではエンジン又はモータのいずれによっても駆動可能な1基のハイブリッド式圧縮機2が具備されることに対して、第6と第8の実施の形態の空調装置50は、エンジンにより駆動されるメイン圧縮機2と、モータにより駆動されるサブ圧縮機10とをそれぞれ具備する点のみが、第2と第4の実施の形態との相違点である。
【0034】
以下上記実施の形態の効果について説明する。
本発明の第1及び第5の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が期待できる。
・陽射しの強い日の炎天下に長時間駐車された車両に乗る際に、運転者等は、車両室内に全く乗り込まないで、例えばドアロックキーの解除を行うこと等により、例えば車両エンジンが起動される前等に、圧縮機(又はサブ圧縮機)を運転してプレ空調を実施し、車室内温度を下げておくことにより、従来必ず搭乗者が経験した上記のような炎天下の駐車後に車両に乗る際の異常に不快な室内雰囲気を排除することが可能である。その後運転者は車両に乗り込み、空調装置を通常に運転して冷房しながら運転準備をすることが出来る。
・圧縮機(又はサブ圧縮機)を適当な設定時間の運転期間で自動的に停止して、更に圧縮機(又はメイン圧縮機)を始動して通常の空調運転に入ることが可能であり、設定時間をバッテリ等の電源の容量を考慮して設定することによりバッテリ電源容量の過剰低下を防止して、エンジンの始動等に支障を来すことはない。・圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調に続いて、通常の空調運転を遅滞なく連続的に実施できるので、運転者等の搭乗者の乗り心地はより一層快適となる。
【0035】
本発明の第2又は第6の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・空調装置のエアコンスウィッチをオフにしておけば、不要なプレ空調を止めることができる。
【0036】
本発明の第3又は第7の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・車両室温に応じて圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調の要否を判断し、不要な場合は圧縮機(又はサブ圧縮機)を始動せずに不要なプレ空調を実施しないで、車両室内温度の高い必要な場合のみプレ空調を実施できる。
【0037】
本発明の第4又は第8の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調において、蒸発器のブロワの消費電力を節減して、バッテリ電力の消費を抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来す可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1から4の実施の形態に係わる空調装置の主な構成を示す図解図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の第4の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明の第5から8の実施の形態に係わる空調装置の主な構成を示す図解図である。
【図7】図7は、本発明の第5の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【符号の説明】
1…空調装置
2…圧縮機
3…エンジン
4…凝縮器
5…膨張弁
6…蒸発器
7…ブロワ
12…モータ(電動機)
14…バッテリ
20…制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置に係り、より特別には空調装置の制御方法及びそれを行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
陽射しが強い季節に炎天下の路上等に長時間駐車させると、車内はかなりの高温となり、車に乗車することは不快なことである。この問題に対する対処として、窓を開放し、さらに車内空気排出ブロワーを駆動して車内空気を強制排出すれば良い。その後再び窓を閉じて空調装置を駆動することが行なわれている。しかしながら、これらの措置を取るには必ず一度は乗車しなければならず、少なくとも運転者等が高温の車内で不快感を経験することは避けられない。また、高温の空気を排出せずに空調装置を駆動する場合は冷房負荷が大きく省動力の面で好ましくない。
【0003】
従来技術として、冷凍車に代表されるようにメイン圧縮機とサブ圧縮機を持ち、走行時にはメイン圧縮機で、車両停止時はサブ圧縮機で冷凍および冷房運転をするシステムがある。従来は、エンジン始動後にメイン圧縮機でクールダウン運転を行い、車室内を最適温度にし、サブ圧縮機は信号機待ちなどのエンジン停止時にだけ使用していた。この場合、メイン圧縮機でのクールダウンではエバポレータが冷えるまで車室内に温風が吹出したり、最適な温度になるまで時間がかかるという問題があった。更に上記の環境下において乗車する際の高温な車室による不快感は排除できない。
【0004】
また従来技術において例えば、車内室温が高温時にドアにキーを挿入しただけでブロワー又は空調装置のファンを運転し、車両の窓を同時に開けることにより換気することが提案されている(例えば特許文献1)。この場合車内室温を外気温程度に下げることが限界であり、従って時間を要し、圧縮機も1台であることから容量が大きくエンジンを駆動しないと空調は実施できない構成であり、車両室内温度を下げるにも温度的及び時間的な限界があった。
【特許文献1】
特公昭62−36884号(第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、夏期等の陽射しが強い季節に炎天下に長時間曝された車両の室内が高温になっており、この状況で乗車する場合に、従来経験しなければならなかった甚だしい不快感を回避する空調装置の制御方法及びその方法を実施するための装置を提供することである。
【0006】
また上記の従来技術において開示する構成では、車内室温を下げることに温度的及び時間的な限界があった。本発明はこの様な従来技術の欠点を解消する方法及びその方法を実行する装置を提供することを目的としている。本発明は、空調用圧縮機の駆動源としてエンジンまたはモータのいずれか、または両方を選択し駆動するハイブリッド圧縮機を搭載した車両、もしくはエンジンにより駆動されるメイン圧縮機とモータにより駆動されるサブ圧縮機を備えた車両を適用対象として含む。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した形態では、装置は、上述した目的を達成するために、車両用空調装置が、少なくとも一つの圧縮機と、前記圧縮機を駆動する駆動手段であって前記車両駆動用のエンジン又は前記エンジン以外の動力の少なくとも一方を選択して前記圧縮機を作動させるように構成される、駆動手段と、少なくとも前記駆動手段を制御する制御装置とを具備する。この様な車両用空調装置の制御方法において、搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号を受信し車両内のプレ空調を開始する手順と、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する手順と、前記圧縮機を停止する手順とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に記載した形態では、請求項1の空調装置の制御方法において、前記エンジン以外の動力により駆動する手段として、バッテリ等の電源から電力を供給されるモータにより、前記圧縮機を駆動することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に記載した形態では、請求項1又は2の空調装置の制御方法において、前記搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号が、車両ドアロックキー解除の信号であることを特徴とする。
【0010】
上記の3つの形態のいずれかに記載される方法で空調装置が制御されることにより、陽射しの強い日の炎天下に長時間駐車された車両に乗る際に、運転者等は、車両室内に全く乗り込まないで、例えばドアロックキーの解除を行うこと等により、圧縮機を運転してプレ空調を実施し、車室内温度を下げておくことにより、従来必ず搭乗者が経験した上記のような炎天下での駐車後に車両に乗る際に経験した異常に不快な車室内雰囲気を排除することが可能である。その後運転者は車両に乗り込み、空調装置を通常に運転して冷房しながら運転準備をすることが出来る。
【0011】
本発明の請求項4に記載した形態では、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する前記手順において、前記圧縮機を一定期間駆動する制御にタイマーが使用されることを特徴とする。
【0012】
この様な手順を含むことにより、請求項1から3の形態の方法の効果に加えて、圧縮機を適当な設定期間の運転時間で自動的に停止して、その後エンジンにより圧縮機を駆動して通常の空調運転を行うことが可能であり、設定時間をバッテリ等の電源の容量を考慮して設定することによりバッテリ電源容量の過剰低下を防止して、エンジンの始動等に支障を来すこともない。
【0013】
本発明の請求項5に記載した形態では、請求項1から4のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記圧縮機の停止が、前記エンジンの始動信号により実施されることを特徴とする。
【0014】
この様な手順を含むことにより、請求項1から4の形態の方法の効果に加えて、搭乗者の判断により圧縮機の停止が行なわれ、エンジンの始動と圧縮機の停止を一つの作業で実施出来るので、車の操作が簡略化される。
【0015】
本発明の請求項6に記載した形態では、請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には、前記圧縮機を駆動しない手順を含むことを特徴とする。
この様な手順を含むことにより、圧縮機によるプレ空調が不要な場合は、空調装置のエアコンスウィッチをオフしておくことにより、圧縮機を始動せず、不要なプレ空調を実施しないことができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載した形態では、請求項1から5のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置が車室内温度の測定手段を更に具備しており、前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には、前記車室内温度が前もって決められた設定値以上であれば、前記圧縮機を一定期間駆動することを特徴とする。
【0017】
この様な制御手順を含むことにより、車両室温に応じて圧縮機によるプレ空調の要否を判断し、不要な場合は圧縮機を始動しないで不要なプレ空調を実施せず、車両室内温度の高い必要な場合のみプレ空調を実施することができる。
【0018】
本発明の請求項8に記載した形態では、請求項1から7のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法において、前記空調装置は、前記圧縮機により圧縮された冷媒が液化されて、更に冷房時において膨張弁等において膨張して温度を下げて、その後導入される蒸発器(エバポレータ)を具備しており、前記空調装置の空調運転時において、該蒸発器において、前記冷媒は空調に使用される空調用空気と熱交換するように使用されており、前記蒸発器は、前記空調用空気を前記蒸発器に供給していて電動機等により駆動される、ブロワを具備しており、この場合において前記圧縮機を駆動している間において、前記ブロワの風量が最小に設定される手順を更に具備することを特徴とする。
【0019】
この様な手順を含むことにより、請求項1から7の形態の方法の効果に加えて、圧縮機によるプレ空調においては、蒸発器のブロワの消費電力を節減して、バッテリ電力の消費を抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来すこともない。
【0020】
本発明の請求項9に記載した形態では、請求項8に記載の空調装置の制御方法において、前記ブロワの風量が最小に設定される前記手順は、前記ブロワ風量がゼロ、即ち前記ブロワが停止されることを特徴とする。
この様な手順を含むことにより、圧縮機によるプレ空調においては、蒸発器のブロワの消費電力はゼロであるので、バッテリ電力の消費をより一層抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来す可能性は、より一層低下する。
【0021】
本発明の請求項10に記載した形態では、請求項1から9のいずれか一項の方法を実施可能であることを特徴とする空調装置が提供される。
この様に構成された空調装置により、上記請求項1から9のいずれか一項に記載の空調装置の制御方法が実施可能であり、上記に記載した本発明の効果が発揮できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の空調装置の実施の形態を詳細に説明する。図1に示す実施の形態の空調装置1は、2種類の駆動手段を有する、即ちエンジン及びモータにより駆動可能なハイブリッド式圧縮機2を具備する。ハイブリッド式圧縮機を具備していてアイドルストップ機能を有する自動車用の空調装置(システム)の構成について図1を参照して説明する。図1の空調装置1は、冷暖房機能を有しているが、本発明に関連する冷房時について本発明に係る空調装置を説明する。
通常の冷房運転時において、冷媒はエンジン3又はモータ12により駆動される圧縮機2で圧縮されその冷媒を冷却する凝縮器4を経由して液化される。液化された冷媒は、膨張弁5により減圧されて断熱膨張し、冷媒配管8を通り蒸発器6に供給されてここで気化するが、この際に周囲から熱を奪うことにより周囲を冷却する。蒸発器6は空調ダクト内に収容されており、ここでは電動機により駆動されるブロワ7により送られた空気が、蒸発器6を通過する際に蒸発器と熱交換して冷却され空調用空気として車両室内に吹き出され室内を冷房する。その後冷媒は圧縮機2により吸引され再循環する。
【0023】
本実施の形態においては、圧縮機2は前述の如く、エンジン3及びモータ12のいずれによっても駆動可能なハイブリッド式圧縮機である。圧縮機2は、後述の如く、状況に応じて車両の駆動手段であるエンジン又はエンジン以外の駆動源であって本実施の形態ではモータ12のいずれかを選択して、駆動可能である。圧縮機2の駆動手段の選択は、制御装置20により行なわれ、制御装置20は、モータの駆動を制御するためのモータ駆動制御回路23と、種の制御信号を受信して制御シーケンスを有してモータを制御する制御回路22とを備える。圧縮機2の駆動用モータ12は、本実施の形態においては、制御装置20のモータ駆動制御回路22により、バッテリ14から給電されると共に制御される。エンジン以外の駆動源はモータに限らず、当業者に既知な別の駆動源であっても良い。
【0024】
本第1の実施の形態における空調装置1の制御方法について図2を参照して説明する。陽射しが強い日において、車両を運転する場合、運転者は車両に乗るために先ず車両ドアロックキーのロックを解除することが必要である。本第1の実施の形態において、車両ドアロックキーの解除信号が具備されており、一般的に該解除信号は電気信号であり、ドアロックキーのロック、解除等の位置に対応する電気接点により信号が発生送信されており、解除信号は少なくとも制御装置20の制御回路22に送信される。この車両ドアロックキーの解除操作が第1のステップ(S1)である。車両ドアロックキーの解除信号は制御装置20に送られて、第2のステップ(S2)において、制御装置20に具備されるタイマ21をオンさせる。更に第3のステップ(S3)において、制御装置20に送信された車両ドアロックキーの解除信号により制御装置20は、圧縮機2のモータ(電動機)12をオンし、圧縮機2を始動する。圧縮機2は、上記のごとく冷媒を圧縮して空調装置1の冷媒回路に供給し、プレ空調運転を開始する。
【0025】
制御装置20は前記タイマ21を具備しているが、タイマ21が圧縮機2のモータ12による運転時間を決定する。従って第4のステップ(S4)において、タイマ21がオンしてから、前もって決められた所定の時間期間経過すると、タイマ21はオフになる。タイマ21は一般的に、技術的に既知であるように、設定時間を任意に調整可能である。第5のステップ(S5)において、前記所定の時間期間を経過してタイマ21がオフになると、圧縮機2は停止する。これである程度のプレ空調が実施されて、次に第6のステップ(S6)において、車両エンジン3が自動始動して、その後第7のステップ(S7)においてエンジン3により圧縮機2が駆動されて、圧縮機2による通常の空調が開始される。ここで第6のステップ(S6)と第7のステップ(S7)が1つのステップにまとめられても良い(自動的に連続して実施されても良い)。
【0026】
本実施の形態において、エンジン3は第6のステップではなく、第1から第5のステップの内のいずれかのステップにおいて起動されても良い。また、第6のステップにおいて、自動始動ではなく、圧縮機2の停止の表示又は信号を運転者が受けて、運転者がエンジン3を始動しても良く、それにより第7のステップにおいて圧縮機2が再度駆動されても良い。
車両ドアロックキーの解除信号は電気信号ではなく、光信号、空圧信号等の別のタイプの信号であっても良い。
タイマ21は、ソフトタイマであっても良い。
【0027】
第2の実施の形態の制御方法について図3に示す。ここでは、第1のステップは車両ドアロックキーの解除の手順で第1の実施の形態と同じであるが、第1の実施の形態のプロセスとの相違点として、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチ(空調装置1の運転スウィッチ)のオン/オフを判断する手順が含まれる。このステップにおいて、エアコンスウィッチのオン/オフを判断して、オンの場合には、前記第1の実施の形態の第2のステップのタイマ21オンの手順であって、本第2の実施の形態では第3のステップに進む。それ以降のステップは第1の実施の形態と同様である。
一方前記運転スウィッチがオフの場合は、圧縮機2は停止状態を維持する。
【0028】
第3の実施の形態の制御方法について図4に示す。ここでは、第1のステップは車両ドアロックキーの解除の手順で第1と第2の実施の形態と同じであり、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチ(空調装置1の運転スウィッチ)のオン/オフを判断する手順を含み、このステップにおいて、空調装置1の運転スウィッチのオン/オフを判断してオンの場合には、タイマ21オンの手順である第2の実施の形態の第3のステップに進み、それ以降のステップについても第2の実施の形態と同様であるが、第2の実施の形態のプロセスとの相違点として、第2のステップにおいて、エアコンスウィッチがオフ場合に、次に第9のステップに進み、ここにおいて車両室内温度の判断手順が含まれる。従って本第3の実施の形態においては車両室温センサを具備するが、車両室温センサを具備することは、一般的な車両において良く知られており、且つ実施されている。この第9のステップにおいて、前記室温センサにより検知された室温が設定値以上の場合には、タイマ21をオンする第10のステップに進む。第10のステップ以降は、第1の実施の形態の第2から第7のステップ、あるいは第2の実施の形態における第3から第8のステップと同じプロセスが実施される。
一方前記室温センサの検知室温の値が所定値以下の場合には、圧縮機2は停止状態を維持する。
【0029】
第4の実施の形態の制御方法について図5に示す。ここでは、第1から第3のステップは第1の実施の形態と同じであるが、第1の実施の形態のプロセスとの相違点として、第4のステップにおいて、蒸発器6のブロワ7の運転オフの手順が含まれる。このステップにおいてこれとは別に、蒸発器6のブロワ7がオンされてその風量が最小に設定される手順が含まれても良い。それ以降のステップは第1の実施の形態と同様である。(但し、圧縮機2がエンジンにより駆動される通常運転時において、ブロワ7の上記設定は解除されてブロワ7は通常に運転される。)
【0030】
前記第1から第4の実施の形態において、圧縮機は一基であり、その駆動手段が、エンジン又はモータで選択可能なハイブリッド式圧縮機であったが、第5の実施の形態における空調装置50においては、エンジンにより駆動されるメイン圧縮機2と、モータ12により駆動されるサブ圧縮機10とが具備されており、図6に第5の実施の形態の空調装置50の構成を示す。メイン圧縮機2による冷房運転時の空調装置50の作動については、第1の実施の形態に関して図1を参照して説明したものと同様である。
【0031】
サブ圧縮機10の場合もメイン圧縮機2と基本的に同様な作動により冷房を行う。サブ圧縮機10は、ここではモータ(電動機)12により駆動される圧縮部11により冷媒を吸引圧縮し、圧縮された冷媒を冷媒配管8に供給する。サブ圧縮機10により圧縮された冷媒は、前記メイン圧縮機2の場合と同様に、凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6を通り、空調用空気を冷却し、車両室内を冷房する。サブ圧縮機10の駆動用モータ12は、本実施の形態においては、バッテリ14により制御装置20のモータ駆動制御回路を介して給電されると共に制御される。
【0032】
第5の実施の形態における、空調装置50の制御方法は図7に示されており、この制御方法の手順は基本的に第1の実施の形態の制御方法の手順と同様である。但し第3のステップ(S3)において、駆動(オン)される圧縮機はサブ圧縮機10であり、従って第5のステップ(S5)において停止(オフ)される圧縮機もサブ圧縮機10である。また本実施の形態において、第6のステップ(S6)においてメイン圧縮機2が駆動されるが、これは第1の実施の形態の第6と第7のステップが1つのステップになったものである。本実施の形態においては、エンジン3はメイン圧縮機2のみを駆動する(サブ圧縮機10は駆動しない)ので、この様な手順になることは、理解されるはずである。制御方法は、第1の実施の形態と基本的に同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0033】
前記第2から第4の実施の形態の制御方法に対応する第6から第8の制御方法についても、第1の実施の形態の制御方法に対応する第5の実施の形態の制御方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。第2から第4の実施の形態ではエンジン又はモータのいずれによっても駆動可能な1基のハイブリッド式圧縮機2が具備されることに対して、第6と第8の実施の形態の空調装置50は、エンジンにより駆動されるメイン圧縮機2と、モータにより駆動されるサブ圧縮機10とをそれぞれ具備する点のみが、第2と第4の実施の形態との相違点である。
【0034】
以下上記実施の形態の効果について説明する。
本発明の第1及び第5の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が期待できる。
・陽射しの強い日の炎天下に長時間駐車された車両に乗る際に、運転者等は、車両室内に全く乗り込まないで、例えばドアロックキーの解除を行うこと等により、例えば車両エンジンが起動される前等に、圧縮機(又はサブ圧縮機)を運転してプレ空調を実施し、車室内温度を下げておくことにより、従来必ず搭乗者が経験した上記のような炎天下の駐車後に車両に乗る際の異常に不快な室内雰囲気を排除することが可能である。その後運転者は車両に乗り込み、空調装置を通常に運転して冷房しながら運転準備をすることが出来る。
・圧縮機(又はサブ圧縮機)を適当な設定時間の運転期間で自動的に停止して、更に圧縮機(又はメイン圧縮機)を始動して通常の空調運転に入ることが可能であり、設定時間をバッテリ等の電源の容量を考慮して設定することによりバッテリ電源容量の過剰低下を防止して、エンジンの始動等に支障を来すことはない。・圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調に続いて、通常の空調運転を遅滞なく連続的に実施できるので、運転者等の搭乗者の乗り心地はより一層快適となる。
【0035】
本発明の第2又は第6の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・空調装置のエアコンスウィッチをオフにしておけば、不要なプレ空調を止めることができる。
【0036】
本発明の第3又は第7の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・車両室温に応じて圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調の要否を判断し、不要な場合は圧縮機(又はサブ圧縮機)を始動せずに不要なプレ空調を実施しないで、車両室内温度の高い必要な場合のみプレ空調を実施できる。
【0037】
本発明の第4又は第8の実施の形態における方法で空調装置が制御されることにより、以下の効果が加えて期待できる。
・圧縮機(又はサブ圧縮機)によるプレ空調において、蒸発器のブロワの消費電力を節減して、バッテリ電力の消費を抑えてバッテリ電源容量の過剰低下を防止するので、エンジンの始動等に支障を来す可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1から4の実施の形態に係わる空調装置の主な構成を示す図解図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の第4の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明の第5から8の実施の形態に係わる空調装置の主な構成を示す図解図である。
【図7】図7は、本発明の第5の実施の形態に係わる空調装置の制御方法の主な制御ステップを示すフロー図である。
【符号の説明】
1…空調装置
2…圧縮機
3…エンジン
4…凝縮器
5…膨張弁
6…蒸発器
7…ブロワ
12…モータ(電動機)
14…バッテリ
20…制御装置
Claims (10)
- 車両用空調装置が、
少なくとも一基の圧縮機と、
前記圧縮機を駆動する駆動手段であって、前記車両駆動用のエンジン、又は前記エンジン以外の動力の少なくとも一方を選択して前記圧縮機を作動させるように構成される駆動手段と、
少なくとも前記駆動手段を制御する制御装置と、
を具備する車両用空調装置の制御方法において、
搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号を受信し車両内のプレ空調を開始する手順と、
前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する手順と、
前記圧縮機を停止する手順と、
を具備することを特徴とする制御方法。 - 前記エンジン以外の動力により駆動する手段として、バッテリ等の電源から電力を供給されるモータにより、前記圧縮機を駆動することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記搭乗者が車両に搭乗しようとすることを示す信号が、車両ドアロックキー解除の信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記圧縮機を一定期間駆動してプレ空調を実施する前記手順において、前記圧縮機を一定期間駆動する制御にタイマーが使用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記圧縮機の停止が、前記エンジンの始動信号により実施されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には前記圧縮機を駆動しない、手順を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記空調装置が車室内温度の測定手段を更に具備しており、
前記空調装置のエアコンスウィッチがオフ状態にある場合には、前記車室内温度が前もって決められた設定値以上であれば、前記圧縮機を一定期間駆動することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 - 前記空調装置は、前記圧縮機により圧縮された冷媒が液化されて、更に冷房時において膨張弁等において膨張して温度を下げて、その後導入される蒸発器を具備しており、
前記空調装置の空調運転時において、該蒸発器において、前記冷媒は空調に使用される空調用空気と熱交換するように使用されており、
前記蒸発器は、前記空調用空気を前記蒸発器に供給していて電動機等により駆動される、ブロワを具備しており、この場合において
前記圧縮機を駆動している間において、前記ブロワの風量が最小に設定される手順を更に具備することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 - 前記ブロワの風量が最小に設定される前記手順は、前記ブロワ風量がゼロ、即ち前記ブロワが停止されることである請求項8に記載の方法。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実施可能であることを特徴とする空調装置。
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