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JP2004020148A - 冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法 - Google Patents

冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法 Download PDF

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JP2004020148A JP2002179595A JP2002179595A JP2004020148A JP 2004020148 A JP2004020148 A JP 2004020148A JP 2002179595 A JP2002179595 A JP 2002179595A JP 2002179595 A JP2002179595 A JP 2002179595A JP 2004020148 A JP2004020148 A JP 2004020148A
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Abstract

【課題】真空断熱材を高被覆率で適用しても箱体強度として問題がなく、高い断熱性能を有する冷蔵庫を提供する。
【解決手段】真空断熱材41,43,44,44a,46を、冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面に対しては外箱23に接し配設し、底面、下部両側面および機械室を構成する面に対しては内箱22に接し配設したので、外箱23の表面温度が高くなる下部両側面、底面および機械室に配置した真空断熱材43,44,44aが高温にさらされることがなくなり、真空断熱性能の経時的な断熱性能の劣化を最低限に抑えることができ、真空断熱材43,44,44aの長期信頼性が高まる。また、下部両側面の真空断熱材44aは、内箱22に接し配設しているので、外箱23同士の複雑な嵌合部や配管を避けることができ、真空断熱材44aの破損を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空断熱材を備えた冷蔵庫及び冷蔵庫の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷蔵庫の省エネルギー化や省スペース化を狙いに、冷蔵庫の断熱性能を高める一手段として、高断熱性能を有する真空断熱材を利用する方法があり、省エネルギーの要請が益々高まる今日では、硬質ウレタンフォームと比較して数倍から10倍程度の断熱性能を有する真空断熱材を適切な範囲内で最大限に利用することにより断熱性能を向上させていくことが急務であるといえる。
【0003】
真空断熱材を備えた従来の冷蔵庫としては、特開平6ー159922号公報に開示されたものがある。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫について説明する。図12は上記従来の冷蔵庫の側面断面図を示すものである。
【0005】
図において、1は冷蔵庫本体で、外箱2と内箱3とで構成される空間全体を、成形可能な袋状の紙材4で覆い、この紙材4内部に無機多孔質からなる充填材5を充填し、内外箱2,3で囲まれた空間の形状に沿って真空断熱材6が構成されている。また、使用される真空断熱材は両面ともに金属箔を有し、形状は平面のみとなっている。
【0006】
本構成により、内外箱2,3間への真空断熱材6の収納作業が容易に行えると共に内外箱2,3と真空断熱材6との隙間を塞ぐ作業などが廃止できるうえ、硬質ウレタンフォームを使用せず真空断熱材6のみで断熱箱体を構成できるため極めて高い断熱性能を確保することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例に記載されている冷蔵庫では、硬質ウレタンフォームと比較して強度的に劣る真空断熱材6のみを使用した冷蔵庫であるため、断熱性能は高いものの強度的には非常に弱くなるといった問題があった。また、内箱や外箱の形状が平面的でないため、平面的でない部分への板状の真空断熱材の使用は困難であった。また、真空断熱材の断熱性能向上のためには、一平面にアルミ蒸着フィルムを用いた真空断熱材の使用が効果的であるが、信頼性の面からアルミ蒸着フィルムを用いた真空断熱材の使用は困難であった。板状の真空断熱材は、平面部分に貼付けていたが、被覆率向上のため放熱パイプ等の凹凸面への直接の貼付けが課題であった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、真空断熱材を多く使用しても、箱体強度として問題がなく、真空断熱材の使用を容易にし、被覆率を低コストで上げることができる。よって、高い断熱性能を確保した冷蔵庫を低コストで提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、下部に機械室を配設した冷蔵庫において、前記真空断熱材を、冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面に対しては外箱に接し配設し、底面、下部両側面および前記機械室を構成する面に対しては内箱に接し配設するものである。
【0010】
本発明によれば、真空断熱材を箱体内外の通過熱勾配の大きい箇所から配設して、真空断熱材の利用価値が高い状態で吸熱負荷量を効果的に抑え、省エネルギー効果を高めることができる。
【0011】
さらに、真空断熱材を冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面は外箱に接し配設し、底面および前記機械室を構成する面は内箱に接し配設しているので、外箱の表面温度が高くなる下部両側面、底面および機械室に配置した真空断熱材が高温にさらされることがなくなり、真空断熱性能の経時的な断熱性能の劣化を最低限に抑えることができ、真空断熱材の長期信頼性が高まる。
【0012】
また、真空断熱材を下部両側面は内箱に接し配設しているので、外箱同士の複雑な嵌合部や配管を避けることができ、前記真空断熱材の破損を防止することができる。
【0013】
さらに、真空断熱材は、箱体を構成する外箱、内箱のいずれかに接して配置しているので、硬質ウレタンフォームの形成する空間距離を充分確保できるので、硬質ウレタンフォームの荒れや発泡不足による断熱性能の低下を引き起こすことがないばかりか、箱体強度をも維持することができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1に記載の発明において、内箱に接し配設する真空断熱材を、前記真空断熱材が接し配設される前記内箱の各面からはみ出ないように配設するものであり、内箱に接し配設した真空断熱材が、真空断熱材が接し配設される前記内箱の各面からはみ出ていないので、真空断熱材を所定箇所に配設した後で、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームを流し込んだ場合に、内箱に配設された真空断熱材に対して、内箱から剥がす方向の力が加わらないため、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止でき、さらに、真空断熱材の貼付けの安定を容易に図ることができると同時に、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害しない。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1または2に記載の発明において、真空断熱材が接し配設される内箱の面に、前記真空断熱材の端面の露出面積を減らすように、前記真空断熱材の外周を囲む凸部、または前記真空断熱材を収納する凹部を設けるものであり、凸部、または凹部により、真空断熱材を貼るときに位置決めが容易となり、真空断熱材の破れを防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、凸部については、内箱と真空断熱材との段差が少なくなり、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害しない。凹部は内箱の金型の加工が容易である。さらに、凸部又は凹部はそれ自体が内箱の補強となり真空断熱材を貼付けやすい。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、冷却器の下方に、上面に除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成され下面が平面状で内箱に密着する断熱部材を設けるものであり、この断熱部材により冷却器の下方に位置する内箱の面を平面にでき、この内箱の面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材を貼ることができ、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、内箱における冷却器の下方に位置し除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成される部分と、前記内箱に接し配設する真空断熱材との間に、前記内箱の前記部分と前記真空断熱材との間にできる隙間を埋める断熱部材を設けるものであり、この断熱部材により、真空断熱材を貼付ける面を平面にすることができ、真空断熱材を貼付ける面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材を貼ることができ、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。さらに、あらかじめ、断熱部材に真空断熱材を配置し、箱体の組立てを行うことができ製造が容易である。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、内箱奥面に硬質ウレタンフォームの空気抜き用孔を設けるものであり、これまで、外箱背面に設けていた空気抜き用孔を、内箱奥面に設けるようにすることにより、外箱背面に真空断熱材を配設することができる。さらに、外箱に空気抜き用孔がなくなり外観の美しさを確保することができる。また、他の冷蔵庫の外箱背面を兼用することができ、部品点数と工数を削減することができる。
【0019】
また、本発明の請求項7に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、上部両側面の外箱に接し配設する真空断熱材の下端の位置が、下部両側面の内箱に接し配設する真空断熱材の上端の位置より低くなるようにするものであり、真空断熱材を配設するときに、上下方向に多少ずれても、また、真空断熱材の寸法精度が低下しても、真空断熱材を外箱に接し配設する上部両側面と、真空断熱材を内箱に接し配設する下部両側面との境界部分において、外箱と内箱の少なくともどちらか一方に真空断熱材が存在するため、真空断熱材の断熱効果の低減を防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォームの流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。
【0020】
また、本発明の請求項8に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材は、一方の面がアルミ蒸着フィルム、他方の面が金属箔を有するフィルムで構成され、前記アルミ蒸着フィルムと前記金属箔を有するフィルムのそれぞれの外周部分をシールしたシール面が前記真空断熱材における前記アルミ蒸着フィルム側の平面と同一平面上にあるものである。
【0021】
本発明によれば、真空断熱材において、高い断熱性を必要とする一平面をアルミ蒸着フィルムで、高いガスバリヤ性を必要とする他の面を金属箔を有するフィルムで構成し、両フィルムのシール面をアルミ蒸着フィルム側の平面と同一平面上に位置させたので、シール面のヒレの処理が容易となるとともに、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材の利用が可能となる。
【0022】
また、本発明の請求項9に記載の冷蔵庫の発明は、請求項8に記載の発明において、真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、外箱内側に接して配設するものであり、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材を効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0023】
また、本発明の請求項10に記載の冷蔵庫の発明は、請求項8に記載の発明において、真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、内箱外側に接して配設するものであり、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材を効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0024】
また、本発明の請求項11に記載の冷蔵庫の発明は、庫外まで配設されるシール材により放熱パイプを外箱内側に固定し、前記外箱との間に前記放熱パイプを挟むように、真空断熱材を前記外箱内側に配設するものである。
【0025】
本発明によれば、放熱パイプの熱を真空断熱材で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を効率的に減らすことができる。さらに、シール材が庫外まで配設されているので、放熱パイプと外箱との間の空気を自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプと外箱間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプの貼付け作業が容易にできる。
【0026】
また、本発明の請求項12に記載の冷蔵庫の発明は、請求項11に記載の発明において、シール材は、分割もしくは孔が明けられているものである。
【0027】
本発明によれば、放熱パイプと真空断熱材の間の空気も、自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプと真空断熱材間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプの貼付け作業が容易にできる。
【0028】
また、本発明の請求項13に記載の冷蔵庫の発明は、請求項11に記載の発明において、放熱パイプは、冷蔵庫の天面となる箇所を避けて、外箱内側に配設するものである。
【0029】
本発明によれば、放熱パイプの熱を真空断熱材で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を低減させ、また、真空断熱材は硬質ウレタンフォームより断熱性能が良いことから、冷蔵庫としての吸熱量が低減されることで、天面に放熱パイプを配設しないことが可能となり、真空断熱材を容易に天面に貼付けることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。また、天面に放熱パイプがないことで放熱パイプの形状がシンプルになり、加工性向上、工数削減、材料費低減ができる。さらに、天面に放熱パイプがないことで他の冷蔵庫の放熱パイプと兼用することも可能である。
【0030】
また、本発明の請求項14に記載の冷蔵庫の発明は、外箱に接する面に放熱パイプを組み込んだ真空断熱材を、前記外箱内側に配設するものであり、外箱と真空断熱材との間に放熱パイプを挟む前に放熱パイプを外箱内側に固定する場合よりも、放熱パイプと真空断熱材間の空隙を小さくすることができ、外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ外観の美しさを維持することができる。また、真空断熱材の断熱効果を高め、省エネルギー効果を高めることができる。また、あらかじめ、放熱パイプを真空断熱材に配置し組立てを行うことができるので製造が容易となる。
【0031】
また、本発明の請求項15に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に、硬質ウレタンフォームと、両面が金属箔を有するフィルムで構成された真空断熱材とを備えるものであり、両面のフィルムに高いガスバリヤ性のある金属箔を用いることにより、真空断熱材の両面が複雑な形状の面に接する場合であっても、信頼性が高い真空断熱材の利用が可能となる。また、両面が同一材料であるため、コスト低減ができる。さらに、両面が同一材であるため、外箱あるいは内箱に貼付ける時に真空断熱材の貼付面を間違える心配がなく作業が容易になる。
【0032】
また、本発明の請求項16に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に真空断熱材を、前記真空断熱材のフィルムの封止代が硬質ウレタンフォームが流れ込む方向に位置しない状態で配設するものである。
【0033】
本発明によれば、硬質ウレタンフォームの流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。また、外箱と内箱間に注入する際の硬質ウレタンフォームは高湿状態であり、それが直接フィルムの封止代部に接しないことで熱ストレスを受けず、真空断熱材の劣化を防止することができる。さらに、封止代数が少なくなり真空断熱材は高いガスバリヤ性を維持することができる。
【0034】
また、本発明の請求項17に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に配設される除霜水配管と前記内箱との間に、真空断熱材を配設するものであり、真空断熱材により除霜水の保温を図り、除霜水が冷やされて凍結することを防止することができる。
【0035】
また、本発明の請求項18に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間で、硬質ウレタンフォームの流れを阻害するおそれがある雑物がある所に真空断熱材を配設するものであり、真空断熱材により冷蔵庫の吸熱負荷を効果的に抑えることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。また、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害してしまうおそれがある雑物がある所に真空断熱材を配設することで断熱性能を確保することができる。
【0036】
また、本発明の請求項19に記載の冷蔵庫の発明は、冷蔵庫の幅方向に平面が形成された内箱底面外側に、真空断熱材を接し配設するものであり、内箱底面の真空断熱材の貼付け面積を拡大すると同時に底面の面積を小さくすることができ、省エネルギー効果を高めることができる。さらに、真空断熱材の貼付け性の向上を図ることができる。
【0037】
また、本発明の請求項20に記載の冷蔵庫の製造方法の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備える冷蔵庫の製造方法において、真空断熱材を貼付け前に真空断熱材に接する面の異物を除去する工程を加えたものであり、異物による真空断熱材の破損をなくすことができ、貼付け工程の確実性が向上する。
【0038】
また、本発明の請求項21に記載の冷蔵庫の製造方法の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、外箱に前記真空断熱材を貼付ける冷蔵庫の製造方法において、端面を保護するように外箱端面に設けた保護部材を使って真空断熱材の位置決めを行うものである。
【0039】
本発明によれば、外箱端面の保護用部材と真空断熱材の位置決め用部材との共用を図ることができる。また、真空断熱材の破損をなくすことができる。さらに、真空断熱材貼付け時の位置決めが容易になり、作業性の向上が図れる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による冷蔵庫を左右に切断したとき左側部分を右側から見た様子を示す縦断面図を、図2は、同冷蔵庫を前後に切断したとき後部分を正面から見た様子を示す縦断面図を示す。
【0042】
図1、図2において、21は冷蔵庫本体であり、ABSなどの合成樹脂からなる内箱22と鉄板などの金属からなる外箱23とから形成される空間に硬質ウレタンフォーム24が充填されている。30は、冷蔵庫本体21の後部下方に配置した機械室で、内部に圧縮機31を配設している。32は冷蔵用冷却器、33は冷蔵用送風機、34は冷凍用冷却器、35は冷凍用送風機で、36は、冷蔵庫本体21の底面部に配設した凝縮器である。
【0043】
冷蔵庫本体21の前面開口部には、冷蔵室用扉37、野菜室用扉38、冷凍室用扉39,40が設けられている。41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50は真空断熱材で、硬質ウレタンフォーム24とともに断熱箱体21aを構成している。
【0044】
ここで、真空断熱材41,42,44は、外箱23のそれぞれ天面、背面、上部側面の内側に接して貼り付けられている。また、真空断熱材43,44a,45は、内箱22のそれぞれ底面、下部側面、機械室構成面に接して貼り付けられている。
【0045】
また、冷蔵庫本体21の前面開口部に配置する冷蔵室用扉37、野菜室用扉38、冷凍室用扉39,40の内部にはそれぞれ真空断熱材47,48,49,50が、各扉の外側鉄板に接するように配設されている。
【0046】
本実施の形態の冷蔵庫は、外箱23と内箱22との間に硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50とを備え、下部に機械室30を配設した冷蔵庫において、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50を、冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面に対しては外箱23に接し配設し、底面、下部両側面および機械室30を構成する面に対しては内箱22に接し配設したものである。
【0047】
本実施の形態によれば、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50を断熱箱体内外の通過熱勾配の大きい箇所から配設して、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50の利用価値が高い状態で吸熱負荷量を効果的に抑え、省エネルギー効果を高めることができる。
【0048】
さらに、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50を冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面は外箱23に接し配設し、底面および機械室30を構成する面は内箱22に接し配設しているので、外箱23の表面温度が高くなる下部両側面、底面および機械室に配置した真空断熱材43,44a,45,46が高温にさらされることがなくなり、真空断熱性能の経時的な断熱性能の劣化を最低限に抑えることができ、真空断熱材43,44a,45,46の長期信頼性が高まる。
【0049】
また、下部両側面の真空断熱材44aは、内箱22に接し配設しているので、外箱23同士の複雑な嵌合部や配管を避けることができ、真空断熱材44aの破損を防止することができる。
【0050】
さらに、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50は、冷蔵庫の断熱箱体を構成する外箱23、内箱22のいずれかに接して配置しているので、硬質ウレタンフォーム24の形成する空間距離を充分確保できるので、硬質ウレタンフォーム24の荒れや発泡不足による断熱性能の低下を引き起こすことがないばかりか、箱体強度をも維持することができる。
【0051】
また、冷凍領域の冷凍室28,29を囲む硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材42,43,44a,45で形成される断熱箱体21aの断熱壁厚は、扉を除き、開口部の壁厚の薄い部分を含めて25〜50mmの分布に、冷蔵領域の冷蔵室26,野菜室27を囲む硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材41,42,44で形成される断熱箱体21aの断熱壁厚は、扉を除き、開口部の壁厚の薄い部分を含めて25〜40mmの分布としている。
【0052】
また、内箱22に接し配設する真空断熱材43,44a,45,46は、投影面積で内箱22より小さいものである。換言すれば、内箱22に接し配設した真空断熱材43,44a,45,46は、真空断熱材43,44a,45,46が接し配設される内箱22の各面からはみ出ていない。
【0053】
本実施の形態の冷蔵庫は、内箱22に接し配設した真空断熱材43,44a,45,46が、真空断熱材43,44a,45,46が接し配設される内箱22の各面からはみ出ていないので、真空断熱材43,44a,45,46を所定箇所に配設した後で、外箱23と内箱22との間に硬質ウレタンフォーム24を流し込んだ場合に、内箱22に配設された真空断熱材43,44a,45,46に対して、内箱22から剥がす方向の力が加わらないため、硬質ウレタンフォーム24の流入による真空断熱材43,44a,45,46の剥がれを防止でき、さらに、真空断熱材43,44a,45,46の貼付けの安定を容易に図ることができると同時に、硬質ウレタンフォーム24の流れ性を阻害しない。
【0054】
また、真空断熱材43,44a,45が接し配設される内箱22の面には、真空断熱材43,44a,45の端面の露出面積を減らすように、真空断熱材43,44a,45の外周を囲む凸部、または真空断熱材43,44a,45を収納する凹部が設けられている。
【0055】
本実施の形態では、上記の凸部、または凹部により、真空断熱材43,44a,45を貼るときに位置決めが容易となり、真空断熱材43,44a,45の破れを防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォーム24の流入による真空断熱材43,44a,45の剥がれを防止することができる。また、凸部の場合は、内箱22と真空断熱材43,44a,45との段差が少なくなり、硬質ウレタンフォーム24の流れ性を阻害しない。凹部の場合は、内箱22の金型の加工が容易である。さらに、凸部又は凹部はそれ自体が内箱22の補強となり真空断熱材43,44a,45を貼付けやすい。
【0056】
また、冷却部34下部に真空断熱材45を配設する場合は、冷却器35下部もしくは、内箱22に断熱部材を配置し、平面形状を確保している。
【0057】
ここで、冷却器34下部に配置される断熱部材は、冷却器34の下方に設けられる、上面に除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成され下面が平面状で内箱22に密着する断熱部材である。
【0058】
この断熱部材により冷却器34の下方に位置する内箱22の面を平面にでき、この内箱22の面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材45を貼ることができ、硬質ウレタンフォーム24の流入による真空断熱材45の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材45を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。
【0059】
また、冷却部34下部の内箱22に配置される断熱部材は、内箱22における冷却器34の下方に位置し除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成される部分と、内箱22に接し配設する真空断熱材45との間に、内箱22の所定の傾斜形状が形成される部分と真空断熱材45との間にできる隙間を埋める断熱部材である。
【0060】
この断熱部材により、真空断熱材45を貼付ける面を平面にすることができ、真空断熱材45を貼付ける面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材45を貼ることができ、硬質ウレタンフォーム24の流入による真空断熱材45の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材45を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。さらに、あらかじめ、断熱部材に真空断熱材45を配置し、箱体の組立てを行うことができ製造が容易である。
【0061】
また、内箱22奥面には硬質ウレタンフォーム24の空気抜き用孔22aが設けられている。これまで、外箱23背面に設けていた空気抜き用孔を、内箱22奥面に設けるようにすることにより、外箱23背面に真空断熱材42を配設することができる。さらに、外箱23に空気抜き用孔がなくなり外観の美しさを確保することができる。また、他の冷蔵庫の外箱背面を兼用することができ、部品点数と工数を削減することができる。
【0062】
また、真空断熱材44と真空断熱材44aの境界部は真空断熱材44と真空断熱材44aが重なり合っている。
【0063】
本実施の形態では、冷蔵庫本体21の上部両側面の外箱23に接し配設する真空断熱材44の下端の位置が、下部両側面の内箱22に接し配設する真空断熱材44aの上端の位置より低くなるようにしているので、冷蔵庫本体21の両側面に真空断熱材44,44aを配設するときに、上下方向に多少ずれても、また、真空断熱材44,44aの寸法精度が低下しても、真空断熱材44を外箱23に接し配設する上部両側面と、真空断熱材44aを内箱22に接し配設する下部両側面との境界部分において、外箱23と内箱22の少なくともどちらか一方に真空断熱材44(44a)が存在するため、真空断熱材44,44aの断熱効果の低減を防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォーム24の流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。
【0064】
また、真空断熱材43,45の貼付けが容易で効果的になるよう内箱22は幅方向に平面となっている。
【0065】
本実施の形態では、冷蔵庫の幅方向に平面が形成された内箱22底面外側に、真空断熱材43,45を接し配設するものであり、内箱22底面の真空断熱材43,45の貼付け面積を拡大すると同時に底面の面積を小さくすることができ、省エネルギー効果を高めることができる。さらに、真空断熱材43,45の貼付け性の向上を図ることができる。
【0066】
また、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50を配設するときは、貼付け前に貼付け面から異物を除去する。
【0067】
本実施の形態では、真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50を貼付け前に真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50に接する面の異物を除去する工程を加えることにより、  異物による真空断熱材41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50の破損をなくすことができ、貼付け工程の確実性が向上する。
【0068】
図3は、本実施の形態の冷蔵庫に適用する真空断熱材の要部拡大縦断面図、図4、図5は同実施の形態の冷蔵庫の部分断面拡大図である。
【0069】
図において、44,44aは真空断熱材で、内部に芯材52を有する。芯材52はグラスウールなどの無機繊維集合体を加熱乾燥後、蒸着層フィルム53と金属箔層フィルム57を貼り合わせた外被材中に挿入し、内部を真空引きして開口部を封止することにより形成されている。
【0070】
蒸着層フィルム53は、アルミ蒸着フィルム55をナイロンフィルム54と高密度ポリエチレンフィルム60とで挟み込んだ複合プラスチックフィルムで、金属箔層フィルム57は、アルミ箔59をナイロンフィルム58と高密度ポリエチレンフィルム60とで挟み込んだ複合プラスチックフィルムである。
【0071】
また、蒸着層フィルム53と金属箔層フィルム57とのシール面は蒸着層フィルム53側を一平面状とし、金属箔層フィルム57側の面を立体的に構成している。そして、蒸着層フィルム53側を外箱23もしくは内箱22に接して配置している。
【0072】
本実施の形態の真空断熱材44,44aは、一方の面がアルミ蒸着フィルム55を有する蒸着層フィルム53、他方の面が金属箔(アルミ箔)59を有する金属箔層フィルム57で構成され、蒸着層フィルム53と金属箔層フィルム57のそれぞれの外周部分をシールしたシール面が真空断熱材44,44aにおける蒸着層フィルム53の平面と同一平面上にあるものであり、真空断熱材44,44aにおいて、高い断熱性を必要とする一平面をアルミ蒸着フィルム55を有する蒸着層フィルム53で、高いガスバリヤ性を必要とする他の面を金属箔(アルミ箔)59を有する金属箔層フィルム57で構成し、両フィルム53,57のシール面を蒸着層フィルム53側の平面と同一平面上に位置させたので、シール面のヒレの処理が容易となるとともに、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材44,44aの利用が可能となる。
【0073】
また、本実施の形態は、図4に示すように、真空断熱材44の蒸着層フィルム53側の平面を、外箱23内側に接して配設するものであり、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材44を効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0074】
また、本実施の形態は、図5に示すように、真空断熱材44aの蒸着層フィルム53側の平面を、内箱22外側に接して配設するものであり、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材44aを効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0075】
また、内箱22および外箱23両側共、形状が複雑で真空断熱材が貼付けられない、または、真空断熱材の信頼性確保が重要となる部位には両面共金属箔フィルムを有する真空断熱材を使用する。
【0076】
真空断熱材を構成する両面のフィルムに高いガスバリヤ性のある金属箔(金属箔フィルム)を用いることにより、真空断熱材の両面が複雑な形状の面に接する場合であっても、信頼性が高い真空断熱材の利用が可能となる。また、両面が同一材料であるため、コスト低減ができる。さらに、両面が同一材であるため、外箱23あるいは内箱22に貼付ける時に真空断熱材の貼付面を間違える心配がなく作業が容易になる。
【0077】
ここで、無機繊維集合体52の繊維径は0.1μm〜1.0μmの範囲のものを使用し、硬質ウレタンフォーム24の熱伝導率を0.015W/mKとしたときに、同様の測定基準による熱伝導率が0.0015W/mKである断熱材として真空断熱材44,44aを適用している。つまり、硬質ウレタンフォーム24に比べ断熱性能が10倍高い真空断熱材44,44aを適用している。
【0078】
以上の構成において、圧縮機31、冷蔵用冷却器32、冷蔵用送風機33、冷凍用冷却器34、冷凍用送風機35、凝縮器36からなる冷却装置により、冷蔵室26、野菜室27は概ね0〜10℃、冷凍室28,29は概ね−15〜−25℃の温度に冷却される。
【0079】
そして、真空断熱材44を上部両側面、真空断熱材41を天面、真空断熱材42を背面、真空断熱材47,48,49,50を前面である扉体の外箱に接して配設し、底面、下部両側面および機械室30を構成する面には真空断熱材43、真空断熱材44aおよび真空断熱材45を内箱22に接し配設したので、外箱23の表面温度が高くなる底面および機械室30に配置した真空断熱材43,45が高温にさらされることがなくなり、真空断熱性能の経時的な断熱性能の劣化を最低限に抑えることができ、真空断熱材の長期信頼性が高まる。また、外箱の形状が複雑となる下部両側面には真空断熱材44aを内箱に接して配設することにより、信頼性を高めることできる。
【0080】
さらに、真空断熱材は、断熱箱体21aを構成する外箱22、内箱23のいずれかに接して配置しているので、硬質ウレタンフォーム24の形成する空間距離を充分確保でき、硬質ウレタンフォーム24の荒れや発泡不足による断熱性能の低下を引き起こすことがないばかりか、箱体強度をも維持することができる。
【0081】
また、天面の真空断熱材41は外箱23に接して配設しているので、庫内照明用取り付け部材あるいは電線(図示せず)を内箱22の天面に取り付け可能となり、冷蔵室26の天面に照明を設けることができ、使い勝手の向上が図れる。
【0082】
また、冷凍領域の冷凍室28,29を囲む硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材42,43,44a,45で形成される断熱箱体21aの断熱壁厚は、扉を除き、開口部の壁厚の薄い部分を含めて25〜50mmの分布に、冷蔵領域の冷蔵室26,野菜室27を囲む硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材41,42,44で形成される断熱箱体21aの断熱壁厚は、扉を除き、開口部の壁厚の薄い部分を含めて25〜40mmの分布としており、この断熱壁厚中に厚さ10〜15mmの真空断熱材が配設されるので、硬質ウレタンフォーム24の充填される厚みが最低10mm確保される。このため硬質ウレタンフォーム24の発泡時の流動性を妨げることなく、フォームの荒れや充填不良による断熱性の低下を引き起こさない。
【0083】
このように、真空断熱材の厚みを確保して断熱性を十分に発揮させながら硬質ウレタンフォーム24の断熱性も維持して複層断熱壁としての断熱性能を効果的に高めることができる。特に、庫内外の温度勾配が大きい冷凍温度領域においては一層効果的である。
【0084】
そして、冷凍室28,29の断熱壁厚を50mmを超えないようにすることで、真空断熱材の適用を比較的容積比率の小さい冷凍室28,29の内容積を外観レイアウトに影響を与えないで増加させることにも活用でき、真空断熱材の利用価値をより高めることができる。
【0085】
また、冷蔵室26,野菜室27の断熱壁厚を40mmを超えないようにすることで、庫内外の温度勾配が比較的小さい冷蔵温度領域において、真空断熱材の適用による省エネルギー化と断熱箱体21a内外の内容積効率向上の効果のバランスをとることができる。
【0086】
また、真空断熱材42は背面パネルにあらかじめ配設した後、平板をコの字状に折り曲げて成形した側面および天面に接合して、外箱23を形成し、外箱23形成の継ぎ目近傍に位置するように配設しているので、真空断熱材42の端面を背面パネルのほぼ同等の大きさに配置でき、断熱性能が高まるとともに、真空断熱材をあらかじめ外箱23あるいは内箱22に真空断熱材を配置し箱体の組立てを行うことができるので、製造が容易となる。
【0087】
また、真空断熱材41は、一平面が蒸着層フィルム53、他面を金属箔層フィルム57としたものであり、フィルムのシール面が真空断熱材41本体の一面と同一面となり、シール面のヒレの処理が容易となるとともに、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材の利用が可能となる。
【0088】
また、真空断熱材41の、金属箔に比べて熱伝導の悪い(断熱性能の良い)アルミ蒸着フィルム側を、外箱内側に接して配設したものであり、外箱23と真空断熱材41の伝熱が抑えられて、庫外からの吸熱を低減し、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材を効果的に断熱壁内に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0089】
なお、断熱箱体21aの背面に真空断熱材42を配設することにより、真空断熱材42が冷却装置の配管や冷蔵用冷却器32、冷凍用冷却器34の除霜水を排水するドレン管(図示せず)の邪魔になるといった問題を解決できるとともに、背面パネルと真空断熱材42を一体品として組み立てることができ、製造工程上好ましくなるという効果も有する。
【0090】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2による冷蔵庫の横断面図、図7は、同実施の形態の冷蔵庫の放熱パイプ近傍の部分拡大図である。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0091】
図において、61は冷凍サイクルの一部をなす凝縮器としての放熱パイプで、外箱23の側面あるいは背面に接して配設し、その上面より熱伝導の良いアルミテープ62で外箱23に固定されている。そして放熱パイプ61を覆うように真空断熱材44が配設されている。さらに、アルミテープ62は庫外まで配設されており、途中で分割もしくは孔が設けられている。
【0092】
本実施の形態は、庫外まで配設されるシール材(アルミテープ)62により放熱パイプ61を外箱23内側に固定し、外箱23との間に放熱パイプ61を挟むように、真空断熱材44を外箱23内側に配設するものであり、放熱パイプ61の熱を真空断熱材44で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を効率的に減らすことができる。さらに、シール材(アルミテープ)62が庫外まで配設されているので、放熱パイプ61と外箱23との間の空気を自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱23表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプ61と外箱23間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプ61の貼付け作業が容易にできる。
【0093】
また、本実施の形態のシール材(アルミテープ)62は、庫外まで配設される途中で分割もしくは孔が明けられているので、放熱パイプ61と真空断熱材44の間の空気も、自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱23表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプ61と真空断熱材44間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプ61の貼付け作業が容易にできる。
【0094】
また、放熱パイプ61を設置するときに、真空断熱材44にあらかじめ組込んでおき、外箱23に設置しても構わない。
【0095】
この場合、外箱23に接する面に放熱パイプ61を組み込んだ真空断熱材44を、外箱23内側に配設するので、外箱23と真空断熱材44との間に放熱パイプ61を挟む前に放熱パイプ61を外箱23内側に固定する場合(図7参照)よりも、放熱パイプ61と真空断熱材44間の空隙を小さくすることができ、外箱23表面の凸凹や波打ちを抑えることができ外観の美しさを維持することができる。また、真空断熱材44の断熱効果を高め、省エネルギー効果を高めることができる。また、あらかじめ、放熱パイプ61を真空断熱材44に配置し組立てを行うことができるので製造が容易となる。
【0096】
以上の構成において、外箱23と真空断熱材44の間に放熱パイプ61をはさんで取り付けているので、放熱パイプ61の熱を真空断熱材44で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を効率的に減らすことができる。
【0097】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3による冷蔵庫の外箱平板の折り曲げ前の斜視図である。なお、実施の形態1から3と同一構成については同一符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0098】
図において、61は冷凍サイクルの一部をなす凝縮器としての放熱パイプで、外箱23の側面となる面67に接して配設し、天面となる面66には放熱パイプ61を配設しないものである。換言すれば、放熱パイプ61は、冷蔵庫の天面となる箇所を避けて、外箱23内側に配設するものである。
【0099】
本実施の形態では、上記構成により、放熱パイプ61の熱を真空断熱材44で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を低減させ、また、真空断熱材44は硬質ウレタンフォーム24より断熱性能が良いことから、冷蔵庫としての吸熱量が低減されることで、天面に放熱パイプ61を配設しないことが可能となり、真空断熱材41を容易に天面に貼付けることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。
【0100】
また、天面に放熱パイプ61がないことで放熱パイプ61の形状がシンプルになり、加工性向上、工数削減、材料費低減ができる。さらに、天面に放熱パイプ61がないことで他の冷蔵庫の放熱パイプ61と兼用することも可能である。
【0101】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4による冷蔵庫の要部拡大図である。なお、実施の形態1から3と同一構成については同一符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0102】
図において、44は真空断熱材で、外箱23に接して配設し、硬質ウレタンフォーム24が流れ込む方向には真空断熱材44のフィルム封止代を設けない。換言すれば、外箱23と内箱22との間に真空断熱材44を、真空断熱材44のフィルムの封止代が硬質ウレタンフォーム24が流れ込む方向に位置しない状態で配設するものである。
【0103】
以上の構成より、真空断熱材44が硬質ウレタンフォーム24の流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。
【0104】
さらに、外箱23と内箱22間に注入する際の硬質ウレタンフォーム24は高湿状態であり、それが直接フィルムの封止代部に接しないことで熱ストレスを受けず、真空断熱材44の劣化を防止することができる。
【0105】
さらに、封止代数が少なくなり真空断熱材44は高いガスバリヤ性を維持することができる。
【0106】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5による冷蔵庫の要部断面図である。なお、実施の形態1から4と同一構成については同一符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0107】
図において、72は除霜水配管で、真空断熱材44aは除霜水配管72や配線等(図示せず)雑物がある所から、優先的に配置する。
【0108】
本実施の形態は、外箱23と内箱22との間で、硬質ウレタンフォーム24の流れを阻害するおそれがある雑物(除霜水配管72や配線等)がある所に真空断熱材44aを配設するものであり、真空断熱材44aにより冷蔵庫の吸熱負荷を効果的に抑えることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。また、硬質ウレタンフォーム24の流れ性を阻害してしまうおそれがある雑物がある所に真空断熱材44aを配設することで断熱性能を確保することができる。
【0109】
また、除霜水配管72を設置するときは、真空断熱材44と外箱23との間に設置する。
【0110】
本実施の形態は、外箱23と内箱22との間に配設される除霜水配管72と内箱22との間に、真空断熱材44aを配設するものであり、真空断熱材44aにより除霜水の保温を図り、冷凍室28,29の庫内温度の影響で除霜水が冷やされて凍結することを防止することができる。
【0111】
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6による冷蔵庫の要部断面図である。なお、実施の形態1から5と同一構成については同一符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0112】
図において、73は外箱23端面を保護する保護部材で、保護部材73を真空断熱材44を貼付けるときの位置決め部材と兼用している。
【0113】
本実施の形態は、外箱23と内箱22との間に硬質ウレタンフォーム24と真空断熱材とを備え、外箱23に真空断熱材を貼付ける冷蔵庫の製造方法において、端面を保護するように外箱23端面に設けた保護部材73を使って真空断熱材44の位置決めを行うので、外箱23端面の保護用部材73と真空断熱材44の位置決め用部材との共用を図ることができる。また、真空断熱材44の破損をなくすことができる。さらに、真空断熱材44貼付け時の位置決めが容易になり、作業性の向上が図れる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、下部に機械室を配設した冷蔵庫において、前記真空断熱材を、冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面に対しては外箱に接し配設し、底面、下部両側面および前記機械室を構成する面に対しては内箱に接し配設したことにより、真空断熱材の利用価値が高い状態で吸熱負荷量を効果的に抑え、省エネルギー効果を高めることができる。
【0115】
さらに、外箱の表面温度が高くなる下部両側面、底面および機械室に配置した真空断熱材が高温にさらされることがなくなり、真空断熱性能の経時的な断熱性能の劣化を最低限に抑えることができ、真空断熱材の長期信頼性が高まる。また、真空断熱材を下部両側面は内箱に接し配設しているので、外箱同士の複雑な嵌合部や配管を避けることができ、真空断熱材の破損を防止することができる。
【0116】
さらに、真空断熱材は、箱体を構成する外箱、内箱のいずれかに接して配置しているので、硬質ウレタンフォームの形成する空間距離を充分確保できるので、硬質ウレタンフォームの荒れや発泡不足による断熱性能の低下を引き起こすことがないばかりか、箱体強度をも維持することができる。
【0117】
また、本発明の請求項2に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1に記載の発明において、内箱に接し配設する真空断熱材を、前記真空断熱材が接し配設される前記内箱の各面からはみ出ないように配設することにより、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止でき、さらに、真空断熱材の貼付けの安定を容易に図ることができると同時に、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害しない。
【0118】
また、本発明の請求項3に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1または2に記載の発明において、真空断熱材が接し配設される内箱の面に、前記真空断熱材の端面の露出面積を減らすように、前記真空断熱材の外周を囲む凸部、または前記真空断熱材を収納する凹部を設けることにより、真空断熱材を貼るときに位置決めが容易となり、真空断熱材の破れを防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、凸部については、内箱と真空断熱材との段差が少なくなり、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害しない。凹部は内箱の金型の加工が容易である。さらに、凸部又は凹部はそれ自体が内箱の補強となり真空断熱材を貼付けやすい。
【0119】
また、本発明の請求項4に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、冷却器の下方に、上面に除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成され下面が平面状で内箱に密着する断熱部材を設けることにより、冷却器の下方に位置する内箱の面を平面にでき、この内箱の面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材を貼ることができ、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。
【0120】
また、本発明の請求項5に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、内箱における冷却器の下方に位置し除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成される部分と、前記内箱に接し配設する真空断熱材との間に、前記内箱の前記部分と前記真空断熱材との間にできる隙間を埋める断熱部材を設けることにより、真空断熱材を貼付ける面を平面にすることができ、真空断熱材を貼付ける面に傾斜部がないため効率よく真空断熱材を貼ることができ、硬質ウレタンフォームの流入による真空断熱材の剥がれを防止することができる。また、傾斜部が平面になることで、辺長が短くなり、真空断熱材を小さくすることができると共に辺長が短くなることで冷蔵庫内への吸熱負荷を低減できる。さらに、あらかじめ、断熱部材に真空断熱材を配置し、箱体の組立てを行うことができ製造が容易である。
【0121】
また、本発明の請求項6に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、内箱奥面に硬質ウレタンフォームの空気抜き用孔を設けることにより、外箱背面に真空断熱材を配設することができる。さらに、外箱に空気抜き用孔がなくなり外観の美しさを確保することができる。また、他の冷蔵庫の外箱背面を兼用することができ、部品点数と工数を削減することができる。
【0122】
また、本発明の請求項7に記載の冷蔵庫の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、上部両側面の外箱に接し配設する真空断熱材の下端の位置が、下部両側面の内箱に接し配設する真空断熱材の上端の位置より低くなるようにすることにより、真空断熱材を配設するときに、上下方向に多少ずれても、また、真空断熱材の寸法精度が低下しても、真空断熱材を外箱に接し配設する上部両側面と、真空断熱材を内箱に接し配設する下部両側面との境界部分において、外箱と内箱の少なくともどちらか一方に真空断熱材が存在するため、真空断熱材の断熱効果の低減を防止することができる。さらに、硬質ウレタンフォームの流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。
【0123】
また、本発明の請求項8に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材は、一方の面がアルミ蒸着フィルム、他方の面が金属箔を有するフィルムで構成され、前記アルミ蒸着フィルムと前記金属箔を有するフィルムのそれぞれの外周部分をシールしたシール面が前記真空断熱材における前記アルミ蒸着フィルム側の平面と同一平面上にあるものであり、真空断熱材において、高い断熱性を必要とする一平面をアルミ蒸着フィルムで、高いガスバリヤ性を必要とする他の面を金属箔を有するフィルムで構成し、両フィルムのシール面をアルミ蒸着フィルム側の平面と同一平面上に位置させたので、シール面のヒレの処理が容易となるとともに、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材の利用が可能となる。
【0124】
また、本発明の請求項9に記載の冷蔵庫の発明は、請求項8に記載の発明において、真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、外箱内側に接して配設することにより、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材を効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0125】
また、本発明の請求項10に記載の冷蔵庫の発明は、請求項8に記載の発明において、真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、内箱外側に接して配設することにより、信頼性が高く断熱性能の優れた真空断熱材を効果的に配置でき、シール面のヒレの処理も必要なくなる。
【0126】
また、本発明の請求項11に記載の冷蔵庫の発明は、庫外まで配設されるシール材により放熱パイプを外箱内側に固定し、前記外箱との間に前記放熱パイプを挟むように、真空断熱材を前記外箱内側に配設することにより、放熱パイプの熱を真空断熱材で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を効率的に減らすことができる。さらに、シール材が庫外まで配設されているので、放熱パイプと外箱との間の空気を自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプと外箱間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプの貼付け作業が容易にできる。
【0127】
また、本発明の請求項12に記載の冷蔵庫の発明は、請求項11に記載の発明におけるシール材に、分割もしくは孔が明けられているものを用いることにより、放熱パイプと真空断熱材の間の空気も、自由に庫外へ移動でき、空気の熱収縮による外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ、外観の美しさを維持することができる。さらに、放熱パイプと真空断熱材間の空気量を気にすることがなく、放熱パイプの貼付け作業が容易にできる。
【0128】
また、本発明の請求項13に記載の冷蔵庫の発明は、請求項11に記載の発明において、放熱パイプは、冷蔵庫の天面となる箇所を避けて、外箱内側に配設することにより、放熱パイプの熱を真空断熱材で確実に断熱し、冷蔵庫内への吸熱負荷を低減させ、また、真空断熱材は硬質ウレタンフォームより断熱性能が良いことから、冷蔵庫としての吸熱量が低減されることで、天面に放熱パイプを配設しないことが可能となり、真空断熱材を容易に天面に貼付けることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。また、天面に放熱パイプがないことで放熱パイプの形状がシンプルになり、加工性向上、工数削減、材料費低減ができる。さらに、天面に放熱パイプがないことで他の冷蔵庫の放熱パイプと兼用することも可能である。
【0129】
また、本発明の請求項14に記載の冷蔵庫の発明は、外箱に接する面に放熱パイプを組み込んだ真空断熱材を、前記外箱内側に配設することにより、外箱と真空断熱材との間に放熱パイプを挟む前に放熱パイプを外箱内側に固定する場合よりも、放熱パイプと真空断熱材間の空隙を小さくすることができ、外箱表面の凸凹や波打ちを抑えることができ外観の美しさを維持することができる。また、真空断熱材の断熱効果を高め、省エネルギー効果を高めることができる。また、あらかじめ、放熱パイプを真空断熱材に配置し組立てを行うことができるので製造が容易となる。
【0130】
また、本発明の請求項15に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に、硬質ウレタンフォームと、両面が金属箔を有するフィルムで構成された真空断熱材とを備えるものであり、両面のフィルムに高いガスバリヤ性のある金属箔を用いることにより、真空断熱材の両面が複雑な形状の面に接する場合であっても、信頼性が高い真空断熱材の利用が可能となる。また、両面が同一材料であるため、コスト低減ができる。さらに、両面が同一材であるため、外箱あるいは内箱に貼付ける時に真空断熱材の貼付面を間違える心配がなく作業が容易になる。
【0131】
また、本発明の請求項16に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に真空断熱材を、前記真空断熱材のフィルムの封止代が硬質ウレタンフォームが流れ込む方向に位置しない状態で配設することにより、硬質ウレタンフォームの流れを阻害することなく安定した流れを可能とする。また、外箱と内箱間に注入する際の硬質ウレタンフォームは高湿状態であり、それが直接フィルムの封止代部に接しないことで熱ストレスを受けず、真空断熱材の劣化を防止することができる。さらに、封止代数が少なくなり真空断熱材は高いガスバリヤ性を維持することができる。
【0132】
また、本発明の請求項17に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間に配設される除霜水配管と前記内箱との間に、真空断熱材を配設することにより、真空断熱材により除霜水の保温を図り、除霜水が冷やされて凍結することを防止することができる。
【0133】
また、本発明の請求項18に記載の冷蔵庫の発明は、外箱と内箱との間で、硬質ウレタンフォームの流れを阻害するおそれがある雑物がある所に真空断熱材を配設することにより、真空断熱材により冷蔵庫の吸熱負荷を効果的に抑えることができ、省エネルギーの効果を高めることができる。また、硬質ウレタンフォームの流れ性を阻害してしまうおそれがある雑物がある所に真空断熱材を配設することで断熱性能を確保することができる。
【0134】
また、本発明の請求項19に記載の冷蔵庫の発明は、冷蔵庫の幅方向に平面が形成された内箱底面外側に、真空断熱材を接し配設することにより、内箱底面の真空断熱材の貼付け面積を拡大すると同時に底面の面積を小さくすることができ、省エネルギー効果を高めることができる。さらに、真空断熱材の貼付け性の向上を図ることができる。
【0135】
また、本発明の請求項20に記載の冷蔵庫の製造方法の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備える冷蔵庫の製造方法において、真空断熱材を貼付け前に真空断熱材に接する面の異物を除去する工程を加えたことにより、異物による真空断熱材の破損をなくすことができ、貼付け工程の確実性が向上する。
【0136】
また、本発明の請求項21に記載の冷蔵庫の製造方法の発明は、外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、外箱に前記真空断熱材を貼付ける冷蔵庫の製造方法において、端面を保護するように外箱端面に設けた保護部材を使って真空断熱材の位置決めを行うことにより、外箱端面の保護用部材と真空断熱材の位置決め用部材との共用を図ることができる。また、真空断熱材の破損をなくすことができる。さらに、真空断熱材貼付け時の位置決めが容易になり、作業性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図
【図2】同実施の形態の冷蔵庫の縦断面図
【図3】同実施の形態の冷蔵庫に適用する真空断熱材の要部拡大縦断面図
【図4】同実施の形態の冷蔵庫の部分拡大断面図
【図5】同実施の形態の冷蔵庫の部分拡大断面図
【図6】本発明の実施の形態2における冷蔵庫の横断面図
【図7】同実施の形態の冷蔵庫の放熱パイプ近傍の部分拡大断面図
【図8】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の外箱平板の折り曲げ前の斜視図
【図9】本発明の実施の形態4における冷蔵庫の要部拡大断面図
【図10】本発明の実施の形態5における冷蔵庫の要部拡大断面図
【図11】本発明の実施の形態6における冷蔵庫における外箱への真空断熱材の位置決め時の要部拡大断面図
【図12】従来の冷蔵庫の縦断面図
【符号の説明】
22 内箱
22a 硬質ウレタンフォーム空気抜き用孔
23 外箱
24 硬質ウレタンフォーム
30 機械室
41,42,43,44,44a,45,46,47,48,49,50 真空断熱材
53 蒸着層フィルム
55 アルミ蒸着フィルム
57 金属箔層フィルム
59 アルミ箔
61 放熱パイプ
62 アルミテープ
72 除霜水配管
73 保護部材

Claims (21)

  1. 外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、下部に機械室を配設した冷蔵庫において、前記真空断熱材を、冷蔵庫の上部両側面、天面、背面、前面に対しては外箱に接し配設し、底面、下部両側面および前記機械室を構成する面に対しては内箱に接し配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 内箱に接し配設した真空断熱材は、前記真空断熱材が接し配設される前記内箱の各面からはみ出ていないことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 真空断熱材が接し配設される内箱の面に、前記真空断熱材の端面の露出面積を減らすように、前記真空断熱材の外周を囲む凸部、または前記真空断熱材を収納する凹部を設けることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 冷却器の下方に、上面に除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成され下面が平面状で内箱に密着する断熱部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の冷蔵庫。
  5. 内箱における冷却器の下方に位置し除霜水処理のための所定の傾斜形状が形成される部分と、前記内箱に接し配設する真空断熱材との間に、前記内箱の前記部分と前記真空断熱材との間にできる隙間を埋める断熱部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の冷蔵庫。
  6. 内箱奥面に硬質ウレタンフォームの空気抜き用孔を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の冷蔵庫。
  7. 上部両側面の外箱に接し配設する真空断熱材の下端の位置が、下部両側面の内箱に接し配設する真空断熱材の上端の位置より低くなるようにしたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の冷蔵庫。
  8. 外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材は、一方の面がアルミ蒸着フィルム、他方の面が金属箔を有するフィルムで構成され、前記アルミ蒸着フィルムと前記金属箔を有するフィルムのそれぞれの外周部分をシールしたシール面が前記真空断熱材における前記アルミ蒸着フィルム側の平面と同一平面上にあることを特徴とする冷蔵庫。
  9. 真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、外箱内側に接して配設したことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
  10. 真空断熱材のアルミ蒸着フィルム側の平面を、内箱外側に接して配設したことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
  11. 庫外まで配設されるシール材により放熱パイプを外箱内側に固定し、前記外箱との間に前記放熱パイプを挟むように、真空断熱材を前記外箱内側に配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  12. シール材は、分割もしくは孔が明けられていることを特徴とする請求項11記載の冷蔵庫。
  13. 放熱パイプは、冷蔵庫の天面となる箇所を避けて、外箱内側に配設することを特徴とする請求項11記載の冷蔵庫。
  14. 外箱に接する面に放熱パイプを組み込んだ真空断熱材を、前記外箱内側に配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  15. 外箱と内箱との間に、硬質ウレタンフォームと、両面が金属箔を有するフィルムで構成された真空断熱材とを備えた冷蔵庫。
  16. 外箱と内箱との間に真空断熱材を、前記真空断熱材のフィルムの封止代が硬質ウレタンフォームが流れ込む方向に位置しない状態で配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  17. 外箱と内箱との間に配設される除霜水配管と前記内箱との間に、真空断熱材を配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  18. 外箱と内箱との間で、硬質ウレタンフォームの流れを阻害するおそれがある雑物がある所に真空断熱材を配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  19. 冷蔵庫の幅方向に平面が形成された内箱底面外側に、真空断熱材を接し配設したことを特徴とする冷蔵庫。
  20. 外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備える冷蔵庫の製造方法において、真空断熱材を貼付け前に真空断熱材に接する面の異物を除去する工程を有することを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
  21. 外箱と内箱との間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、外箱に前記真空断熱材を貼付ける冷蔵庫の製造方法において、端面を保護するように外箱端面に設けた保護部材を使って真空断熱材の位置決めを行うことを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
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