JP2004015941A - 正負直流電源装置及びこれを用いる半導体試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パフォーマンスボード上に備える個別I/F回路において、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にし、正負電源の両出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置を備える半導体試験装置を提供する。
【解決手段】絶縁型の直流電源を備え、直流電源は電源を供給する1次側と二次側とが絶縁され、二次側から正負の直流電源を供給するものであり、直流電源の二次側の3つの出力端子は正電圧を供給する正出力端子、負電圧を供給する負出力端子、正負出力端子の共通のコモン端子COMであると呼称したとき、正出力端子と負出力端子とは負荷装置へ接続され、負荷装置の回路アースGNDとコモン端子COMとの間に挿入して、所定の電圧ドロップを付与する電圧シフト手段、を具備する正負直流電源装置。
【選択図】 図2
【解決手段】絶縁型の直流電源を備え、直流電源は電源を供給する1次側と二次側とが絶縁され、二次側から正負の直流電源を供給するものであり、直流電源の二次側の3つの出力端子は正電圧を供給する正出力端子、負電圧を供給する負出力端子、正負出力端子の共通のコモン端子COMであると呼称したとき、正出力端子と負出力端子とは負荷装置へ接続され、負荷装置の回路アースGNDとコモン端子COMとの間に挿入して、所定の電圧ドロップを付与する電圧シフト手段、を具備する正負直流電源装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、正負電源を供給するDC電源装置における両方の正負電源の出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置に関する。特に、半導体試験装置のパフォーマンスボード上に備える、DUTの品種に対応するインタフェース回路を実装するときに前記インタフェース回路へ供給する正負電源の出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置を備える半導体試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は半導体試験装置のテストヘッドの概念図である。テストヘッドの上にはDUTに対応した専用のパフォーマンスボードPBが装着されてDUTの各種試験が行われる。ここで、半導体試験装置は公知であり技術的に良く知られている為、本願に係る要部を除き、その他の信号や構成要素、及びその詳細説明については省略する。
【0003】
パフォーマンスボードPBには、例えばピンエレクトロニクス側と信号接続をするケーブルや、1個以上複数個のDUTとコンタクトするコンタクタ(ICソケット等)や、個別I/F回路100や、その他の回路を搭載している。
【0004】
個別I/F回路100は、テストヘッドに備えるピンエレクトロニクスのハード資源では試験できないような場合において、DUT個別のインタフェース回路を実装するものである。但し、パフォーマンスボード上であるため、実装可能なインタフェース回路の領域は有限であり、且つ狭い領域であり、使用出来るDC電源も限定されている。
ところで、DUT個別のインタフェース回路に使用するDC電源において、テストヘッドから供給されている5v、12v電源以外のDC電源を必要とする場合がある。この場合にはパフォーマンスボード上にDC電源を備える必要性が生じる。
【0005】
次に、図1(a)は図7に示す個別I/F回路100が必要とするDC電源部についての従来の構成例である。ここでは±15vのDCDCコンバータに対して−3v電圧シフトした+12vと−18vを発生する具体例と仮定する。また、個別I/F回路100は主にオペアンプ回路によるインタフェース回路を構成しているものと仮定する。尚、実際の半導体試験装置では、DUTの個数に対応して同様の回路構成が複数系統備えている。
【0006】
図1の構成要素は、DCDCコンバータDCDC1、DCDC2と、負荷回路RLを備える。
DCDCコンバータDCDC1は、絶縁型のDCDCコンバータであり、±15vのDC電圧で数百mAの電流を供給する。
【0007】
DCDCコンバータDCDC2は、±15vの両者の電圧を、シフト電圧V3を付与する為の電圧シフト手段であって、一例として−3vのDC電圧を発生する。
【0008】
これらの接続において、DCDCコンバータDCDC1の出力側のCOM端子は、図1に示すように、DCDC2の−3v端子に接続する。DCDCコンバータDCDC2の出力側のCOM端子は回路アースGNDに接続する。この結果、正電圧V1は−3vシフトされて+12vの電圧として負荷回路RL1の一端へ供給され、負電圧V2は−3vシフトされて−18vの電圧として負荷回路RL2の他端へ供給される。
【0009】
負荷回路RLは、パフォーマンスボード上でDUTとインタフェースするインタフェース回路であって、一例としてはオペアンプ回路による交流信号の増幅を行うインタフェース回路がある。尚、図示ないが、正電圧V1及び負電圧V2と回路アースとの間には所望容量のバイパスコンデンサが接続されている。
【0010】
図1(b)はオペアンプ回路に使用するDC電源に対して電圧シフトが要求される場合の回路例である。例えばDUTから出力される入力信号Vinは−12v〜0vの直流電圧が重畳した状態の50mVの交流信号であり、これをインタフェース回路であるオペアンプ回路が受けて、例えば100倍に増幅した5vの交流信号を出力する。このとき、要求される正負の電源は、入力信号及び出力信号に対してリニアリティ良く増幅可能なDC電源を供給することが求められる。
【0011】
ここで、オペアンプ回路のような構成の回路では、回路アースGNDへ流れる電流は少ない。従って、一方の負荷回路RL1に流れる電流i1と、他方の負荷回路RL2に流れる電流i2とはほぼ同一電流に近い。これに伴って、DCDCコンバータDCDC1のCOM端子へ流れるGND電流iGNDは少ない。例えば、電流i1が100mAの場合、GND電流iGNDは数mA以下の微小電流である。
【0012】
上述の従来構成によれば、電圧シフト手段としてDCDCコンバータDCDC2を備える必要がある。DCDCコンバータは比較的大きな実装スペースを必要とする。一方で有限スペースのパフォーマンスボードPB上に他のインタフェース回路と共に実装することを考えると、DC電源部は可能な限り実装スペースを低減することが望まれる。また、DUTの品種により異なる電圧シフトの電圧値が必要となる場合がある。尚、DC電源の許容可能な電源変動は、オペアンプの電源変動除去比PSRRが一般に±90dB程度あるので、例えば±0.3v程度までの電源変動が許容可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述説明したように従来技術においては、DUTの品種に対応した電圧シフトされた正負電源を供給する為に、電圧シフト専用のDCDCコンバータを備える構成により実現している。
ところで、負荷回路RLがオペアンプ回路のように、回路アースGNDへ流れる電流は少ないインタフェース回路の場合が多くある。
電圧シフト専用のDCDCコンバータは有限スペースのパフォーマンスボードPB上で比較的大きな実装スペースを必要とする難点がある。また、電圧シフト専用のDCDCコンバータの実装に伴って、他のインタフェース回路が実装上の制限を受ける場合もある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、パフォーマンスボード上に備える個別I/F回路において、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にし、正負電源の両出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置を備える半導体試験装置を提供することである。
また、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にした正負電源を供給する正負DC電源供給装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の解決手段を示す。ここで第2図と第3図は、本発明に係る解決手段を示している。
上記課題を解決するために、絶縁型の直流電源(例えばDCDCコンバータDCDC1)を備え、前記直流電源は電源を供給する1次側と二次側とが絶縁され、二次側から正負の直流電源を供給するものであり、
直流電源の二次側の3つの出力端子は正電圧を供給する正出力端子、負電圧を供給する負出力端子、前記正負出力端子の共通のコモン端子COMであると呼称したとき、正出力端子と負出力端子とは負荷装置(負荷回路RL)へ接続され、
負荷装置の回路アースGNDとコモン端子COMとの間に挿入して、所定の電圧ドロップを付与する電圧シフト手段、を具備することを特徴とする正負直流電源装置である。
上記発明によれば、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にし、正負電源の両出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置が実現できる。
【0015】
次に、第2の解決手段を示す。ここで第2図と第6図(b)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30の一態様は、所定の電圧ドロップとなるように複数個を直列接続した第1のダイオード(順方向直列ダイオードD1)を具備し、
第1のダイオードとは逆並列に接続した第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、第1のダイオードが無電流状態とならない電流量とする所定のバイアス電流を第1のダイオードへ流す抵抗R1を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記第1のダイオードの接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0016】
次に、第3の解決手段を示す。ここで第4図(a)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30bの一態様は、所定の電圧ドロップとなるツェナー電圧特性を示すツェナーダイオードZD1を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、ツェナーダイオードZD1が無電流状態とならない所定のバイアス電流をツェナーダイオードZD1へ流す抵抗R1を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記ツェナーダイオードZD1の接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0017】
次に、第4の解決手段を示す。ここで第4図(b)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30bにおいて、更に、上記ツェナーダイオードZD1とは逆並列に接続する第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を備えることを特徴とする正負直流電源装置がある。
【0018】
次に、第5の解決手段を示す。ここで第5図は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30dの一態様は、所定の電圧ドロップ特性を示し、且つドロップする電圧を外部から可変とする可変定電圧回路VZ3を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、可変定電圧回路VZ3が無電流状態とならない所定のバイアス電流を可変定電圧回路VZ3へ流す抵抗R1を具備し、
上記可変定電圧回路VZ3とは逆並列に接続する第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記可変定電圧回路VZ3の接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0019】
次に、第6の解決手段を示す。ここで第6図(a)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30、30b、30c、30dにおいて、更に、上記電圧シフト手段の両端に交流成分をバイパスさせるコンデンサC1を並列に接続して低周波及び高周波信号等の交流成分をバイパスすることを特徴とする正負直流電源装置がある。
【0020】
次に、第7の解決手段を示す。ここで第7図は、本発明に係る解決手段を示している。
半導体試験装置が備えるテストヘッドに装着するパフォーマンスボードPB上において、上述正負直流電源装置を少なくとも1チャンネル備える、ことを特徴とする半導体試験装置がある。
これにより、電圧シフト専用のDCDCコンバータが削除できる。
【0021】
尚、本願発明手段は、所望により、上記解決手段における各要素手段を適宜組み合わせて、実用可能な他の構成手段としても良い。また、上記各要素に付与されている符号は、発明の実施の形態等に示されている符号に対応するものの、これに限定するものではなく、実用可能な他の均等物を適用した構成手段としても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を適用した実施の形態の一例を図面を参照しながら説明する。また、以下の実施の形態の説明内容によって特許請求の範囲を限定するものではないし、更に、実施の形態で説明されている要素や接続関係等が解決手段に必須であるとは限らない。更に、実施の形態で説明されている要素や接続関係等の形容/形態は、一例でありその形容/形態内容のみに限定するものではない。
【0023】
本発明について、図2〜図6を参照して以下に説明する。尚、従来構成に対応する要素は同一符号を付し、また重複する部位の説明は省略する。
【0024】
図2は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第1の構成例である。図3は電圧シフトの動作を説明する図である。ここで図2は従来同様に、±15vのDCDCコンバータに対して−3v電圧シフトした+12vと−18vを発生する具体例と仮定する。
この構成要素は、DCDCコンバータDCDC1と、電圧シフト手段30と、負荷回路RLとを備える。
【0025】
電圧シフト手段30は、±15vの両者の電圧を、所望のシフト電圧V3だけ−側へシフトする為の電圧シフト手段であって、一例として約−3vのDC電圧をシフトする。この内部要素は順方向直列ダイオードD1と、逆方向ダイオードD2と、抵抗R1とを備える。
【0026】
順方向直列ダイオードD1は、所望のシフト電圧V3となる電圧降下を付与する複数個のダイオードを直列接続したものである。例えば、ダイオード1個当たり0.6vの電圧降下と仮定したとき、約3vの電圧降下VD1を与えるには、3v/0.6v≒5個のダイオードを直列接続する。
【0027】
逆方向ダイオードD2は、逆方向のパルス的な電流を通過させる保護用のダイオードである。但し、殆どの場合、このような逆方向の電流は発生しないように、抵抗R1のバイアス電流が設定される。
【0028】
抵抗R1は、順方向直列ダイオードD1へ所望のバイアス電流iR1を供給して、約3vの電圧降下を付与するものである。バイアス電流iR1の電流量は、負荷回路RLに流れる電流i1、電流i2両者間の想定され得るアンバランス電流であるGND電流iGNDの最大値若しくはパルス電流に対して、例えば2倍程度以上の電流量を流す。一例として、GND電流iGNDの最大値が5mAとした場合、10mAのバイアス電流iR1となる抵抗値1.2KΩを使用する。
図3(a)はバイアス電流iR1の付与に伴うGND電流iGNDに対するコモン端子電流iCOMと実用範囲の関係図であり、図3(b)はコモン端子電流iCOMに対するシフト電圧V3と実用範囲の関係図である。これら関係図を説明する。
図3(a)では、GND電流iGNDが10mAのバイアス電流iR1(図3A参照)未満の範囲内の場合には、コモン端子電流iCOMが流れているので順方向直列ダイオードD1は能動状態にある。従って、順方向直列ダイオードD1による約3vの電圧降下VD1が維持される結果、この範囲内では使用可能な実用範囲(図3B参照)となる。
【0029】
図3(b)では、コモン端子電流iCOMが正方向の電流の実用範囲(図3G参照)においては、順方向直列ダイオードD1によって約3vの電圧降下VD1が得られる結果、DCDCコンバータDCDC1のコモン端子COMは−3vが維持される。従って、DCDCコンバータDCDC1の−15vの負出力端子側は回路アースGNDに対して−15v+(−3v)=−18vの電源発生と等価となる。逆に、DCDCコンバータDCDC1の+15vの正出力端子側は回路アースGNDに対して+15v+(−3v)=+12vの電源発生と等価となる。
尚、もしもコモン端子電流iCOMが負方向の電流状態(図3E参照)では、逆方向ダイオードD2により約+0.6vになってしまう。この場合には、目的とする−3vの電圧シフトにはならなくなってしまう。
【0030】
上述した図2の発明構成例によれば、電圧シフト手段30を具備する構成としたことにより、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備えるDC電源部を1/2程度に小型化できる利点が得られる。
【0031】
次に、図4(a)は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第2の構成例である。この構成で、電圧シフト手段30bの内部構成要素は、抵抗R1と、1個のツェナーダイオードZD1で所望の電圧降下を与える構成である。尚、図4(b)の電圧シフト手段30cの内部構成例に示すように、逆方向ダイオードD2を追加して備える構成としても良い。
【0032】
ツェナーダイオードZD1は、3vのツェナー電圧のものを使用する。また、逆方向の電流に対しては、ツェナーダイオードのダイオード特性により逆方向のパルス的な電流を通過させる保護ができる。この構成例においても、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備える電源部を最も小型化できる利点が得られる。
【0033】
次に、図5は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第3の構成例である。この構成で、電圧シフト手段30dの内部構成要素は、抵抗R1と、可変定電圧回路VZ3と、逆方向ダイオードD2とを備える。
【0034】
可変定電圧回路VZ3は、シフトする電圧を可変とする機能を備えるものであって、内部構成例としては、図5(b)に示すように、可変抵抗VR3と、トランジスタQ3とを備える。
トランジスタQ3は、ゲート電圧が例えば1.5v以上でON状態になるとしたとき、可変抵抗VR3の設定を中点位置に設定した場合、3vのツェナーダイオードとして機能する。従って、可変抵抗VR3の設定を調整することで、例えば1.5v〜10v程度に可変可能な可変ツェナーダイオードとして機能できる利点が得られる。この結果、DUTの品種毎に異なる電圧シフトのDC電源を供給する必要性がある場合においては、最適な電圧シフト条件に調整できる利便性が得られる。
【0035】
次に、図6(a)は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第4の構成例である。この構成では、上述した電圧シフト手段30〜30dのコモン端子COMと回路アースGND間にコンデンサC1を接続した構成である。
コンデンサC1は両端に生じる低周波及び高周波信号等の交流成分をバイパスする為のものであって、例えば100μF程度の電解コンデンサと、1μF程度のセラミックコンデンサを並接したものを適用する。これにより、交流信号に対する電源供給側の内部インピーダンスを低下させることができる。
【0036】
尚、本発明の技術的思想は、上述実施の形態の具体構成例、接続形態例に限定されるものではない。更に、本発明の技術的思想に基づき、上述実施の形態を適宜変形して広汎に応用してもよい。
例えば、上述実施例では、供給する正負電源の出力電圧を負側へ−3v電圧シフトする具体例であったが、図6(b)に示すように、電圧シフト手段30を逆の回路構成とすることで、正側へ+3vシフトすることも実現可能である。従って、DUTの品種に対応するインタフェース回路に対応して、所望に電圧シフトされた正負電源を供給することが可能である。
【0037】
また、バイアス電流iR1の量は、適用するインタフェース回路におけるに想定される最大のGND電流iGNDに対応して、十分余裕のある電流量を流すようにすれば良い。従って、インタフェース回路としてオペアンプ回路以外の回路にも適用できる。
【0038】
また、上述実施例では、半導体試験装置のパフォーマンスボード上に備える場合の具体例で説明したが、GND電流iGNDの大きな変動が無く、±0.3v前後の電源変動が許容できる他の回路装置の場合においても、本発明の正負電源の出力電圧をシフトするDC電源部を適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上述の説明内容からして、下記に記載される効果を奏する。
上述説明したように本発明によれば正負のDC電源を電圧シフトする電圧シフト手段を具備する構成としたことにより、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備える電源部を小型化できる利点が得られる。また、複数4個、8個等のDUTを同時測定する場合にも、実用的に複数チャンネルのDC電源をパフォーマンスボード上にインタフェース回路と共に実装できる利点が得られる。また、安価にDC電源部を構成できる利点もある。
従って、本発明の技術的効果は大であり、産業上の経済効果も大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、個別I/F回路100が必要とするDC電源部についての構成例である。
【図2】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第1の構成例である。
【図3】バイアス電流iR1の付与に伴うGND電流iGNDに対するコモン端子電流iCOMと実用範囲の関係図と、コモン端子電流iCOMに対するシフト電圧V3と実用範囲の関係図である。
【図4】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第2の構成例である。
【図5】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第3の構成例である。
【図6】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第4の構成例と、正側へ電圧シフトする場合の構成例である。
【図7】半導体試験装置のテストヘッドの概念図である。
【符号の説明】
C1 コンデンサ
D1 順方向直列ダイオード
DCDC1,DCDC2 DCDCコンバータ
R1 抵抗
RL1,RL2,RL 負荷回路
ZD1 ツェナーダイオード
D2 逆方向ダイオード
Q3 トランジスタ
VR3 可変抵抗
VZ3 可変定電圧回路
30,30b,30c,30d 電圧シフト手段
100 個別I/F回路
DUT 被試験デバイス
PB パフォーマンスボード
【発明の属する技術分野】
この発明は、正負電源を供給するDC電源装置における両方の正負電源の出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置に関する。特に、半導体試験装置のパフォーマンスボード上に備える、DUTの品種に対応するインタフェース回路を実装するときに前記インタフェース回路へ供給する正負電源の出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置を備える半導体試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は半導体試験装置のテストヘッドの概念図である。テストヘッドの上にはDUTに対応した専用のパフォーマンスボードPBが装着されてDUTの各種試験が行われる。ここで、半導体試験装置は公知であり技術的に良く知られている為、本願に係る要部を除き、その他の信号や構成要素、及びその詳細説明については省略する。
【0003】
パフォーマンスボードPBには、例えばピンエレクトロニクス側と信号接続をするケーブルや、1個以上複数個のDUTとコンタクトするコンタクタ(ICソケット等)や、個別I/F回路100や、その他の回路を搭載している。
【0004】
個別I/F回路100は、テストヘッドに備えるピンエレクトロニクスのハード資源では試験できないような場合において、DUT個別のインタフェース回路を実装するものである。但し、パフォーマンスボード上であるため、実装可能なインタフェース回路の領域は有限であり、且つ狭い領域であり、使用出来るDC電源も限定されている。
ところで、DUT個別のインタフェース回路に使用するDC電源において、テストヘッドから供給されている5v、12v電源以外のDC電源を必要とする場合がある。この場合にはパフォーマンスボード上にDC電源を備える必要性が生じる。
【0005】
次に、図1(a)は図7に示す個別I/F回路100が必要とするDC電源部についての従来の構成例である。ここでは±15vのDCDCコンバータに対して−3v電圧シフトした+12vと−18vを発生する具体例と仮定する。また、個別I/F回路100は主にオペアンプ回路によるインタフェース回路を構成しているものと仮定する。尚、実際の半導体試験装置では、DUTの個数に対応して同様の回路構成が複数系統備えている。
【0006】
図1の構成要素は、DCDCコンバータDCDC1、DCDC2と、負荷回路RLを備える。
DCDCコンバータDCDC1は、絶縁型のDCDCコンバータであり、±15vのDC電圧で数百mAの電流を供給する。
【0007】
DCDCコンバータDCDC2は、±15vの両者の電圧を、シフト電圧V3を付与する為の電圧シフト手段であって、一例として−3vのDC電圧を発生する。
【0008】
これらの接続において、DCDCコンバータDCDC1の出力側のCOM端子は、図1に示すように、DCDC2の−3v端子に接続する。DCDCコンバータDCDC2の出力側のCOM端子は回路アースGNDに接続する。この結果、正電圧V1は−3vシフトされて+12vの電圧として負荷回路RL1の一端へ供給され、負電圧V2は−3vシフトされて−18vの電圧として負荷回路RL2の他端へ供給される。
【0009】
負荷回路RLは、パフォーマンスボード上でDUTとインタフェースするインタフェース回路であって、一例としてはオペアンプ回路による交流信号の増幅を行うインタフェース回路がある。尚、図示ないが、正電圧V1及び負電圧V2と回路アースとの間には所望容量のバイパスコンデンサが接続されている。
【0010】
図1(b)はオペアンプ回路に使用するDC電源に対して電圧シフトが要求される場合の回路例である。例えばDUTから出力される入力信号Vinは−12v〜0vの直流電圧が重畳した状態の50mVの交流信号であり、これをインタフェース回路であるオペアンプ回路が受けて、例えば100倍に増幅した5vの交流信号を出力する。このとき、要求される正負の電源は、入力信号及び出力信号に対してリニアリティ良く増幅可能なDC電源を供給することが求められる。
【0011】
ここで、オペアンプ回路のような構成の回路では、回路アースGNDへ流れる電流は少ない。従って、一方の負荷回路RL1に流れる電流i1と、他方の負荷回路RL2に流れる電流i2とはほぼ同一電流に近い。これに伴って、DCDCコンバータDCDC1のCOM端子へ流れるGND電流iGNDは少ない。例えば、電流i1が100mAの場合、GND電流iGNDは数mA以下の微小電流である。
【0012】
上述の従来構成によれば、電圧シフト手段としてDCDCコンバータDCDC2を備える必要がある。DCDCコンバータは比較的大きな実装スペースを必要とする。一方で有限スペースのパフォーマンスボードPB上に他のインタフェース回路と共に実装することを考えると、DC電源部は可能な限り実装スペースを低減することが望まれる。また、DUTの品種により異なる電圧シフトの電圧値が必要となる場合がある。尚、DC電源の許容可能な電源変動は、オペアンプの電源変動除去比PSRRが一般に±90dB程度あるので、例えば±0.3v程度までの電源変動が許容可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述説明したように従来技術においては、DUTの品種に対応した電圧シフトされた正負電源を供給する為に、電圧シフト専用のDCDCコンバータを備える構成により実現している。
ところで、負荷回路RLがオペアンプ回路のように、回路アースGNDへ流れる電流は少ないインタフェース回路の場合が多くある。
電圧シフト専用のDCDCコンバータは有限スペースのパフォーマンスボードPB上で比較的大きな実装スペースを必要とする難点がある。また、電圧シフト専用のDCDCコンバータの実装に伴って、他のインタフェース回路が実装上の制限を受ける場合もある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、パフォーマンスボード上に備える個別I/F回路において、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にし、正負電源の両出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置を備える半導体試験装置を提供することである。
また、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にした正負電源を供給する正負DC電源供給装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の解決手段を示す。ここで第2図と第3図は、本発明に係る解決手段を示している。
上記課題を解決するために、絶縁型の直流電源(例えばDCDCコンバータDCDC1)を備え、前記直流電源は電源を供給する1次側と二次側とが絶縁され、二次側から正負の直流電源を供給するものであり、
直流電源の二次側の3つの出力端子は正電圧を供給する正出力端子、負電圧を供給する負出力端子、前記正負出力端子の共通のコモン端子COMであると呼称したとき、正出力端子と負出力端子とは負荷装置(負荷回路RL)へ接続され、
負荷装置の回路アースGNDとコモン端子COMとの間に挿入して、所定の電圧ドロップを付与する電圧シフト手段、を具備することを特徴とする正負直流電源装置である。
上記発明によれば、電圧シフト専用のDCDCコンバータを不要にし、正負電源の両出力電圧をシフト可能な正負直流電源装置が実現できる。
【0015】
次に、第2の解決手段を示す。ここで第2図と第6図(b)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30の一態様は、所定の電圧ドロップとなるように複数個を直列接続した第1のダイオード(順方向直列ダイオードD1)を具備し、
第1のダイオードとは逆並列に接続した第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、第1のダイオードが無電流状態とならない電流量とする所定のバイアス電流を第1のダイオードへ流す抵抗R1を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記第1のダイオードの接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0016】
次に、第3の解決手段を示す。ここで第4図(a)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30bの一態様は、所定の電圧ドロップとなるツェナー電圧特性を示すツェナーダイオードZD1を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、ツェナーダイオードZD1が無電流状態とならない所定のバイアス電流をツェナーダイオードZD1へ流す抵抗R1を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記ツェナーダイオードZD1の接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0017】
次に、第4の解決手段を示す。ここで第4図(b)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30bにおいて、更に、上記ツェナーダイオードZD1とは逆並列に接続する第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を備えることを特徴とする正負直流電源装置がある。
【0018】
次に、第5の解決手段を示す。ここで第5図は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30dの一態様は、所定の電圧ドロップ特性を示し、且つドロップする電圧を外部から可変とする可変定電圧回路VZ3を具備し、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して負荷装置の電流変動により回路アースGNDへ流れる電流量の変動に対して、可変定電圧回路VZ3が無電流状態とならない所定のバイアス電流を可変定電圧回路VZ3へ流す抵抗R1を具備し、
上記可変定電圧回路VZ3とは逆並列に接続する第2のダイオード(逆方向ダイオードD2)を具備し、
以上を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、上記可変定電圧回路VZ3の接続方向及び上記抵抗R1の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする上述正負直流電源装置がある。
【0019】
次に、第6の解決手段を示す。ここで第6図(a)は、本発明に係る解決手段を示している。
上述電圧シフト手段30、30b、30c、30dにおいて、更に、上記電圧シフト手段の両端に交流成分をバイパスさせるコンデンサC1を並列に接続して低周波及び高周波信号等の交流成分をバイパスすることを特徴とする正負直流電源装置がある。
【0020】
次に、第7の解決手段を示す。ここで第7図は、本発明に係る解決手段を示している。
半導体試験装置が備えるテストヘッドに装着するパフォーマンスボードPB上において、上述正負直流電源装置を少なくとも1チャンネル備える、ことを特徴とする半導体試験装置がある。
これにより、電圧シフト専用のDCDCコンバータが削除できる。
【0021】
尚、本願発明手段は、所望により、上記解決手段における各要素手段を適宜組み合わせて、実用可能な他の構成手段としても良い。また、上記各要素に付与されている符号は、発明の実施の形態等に示されている符号に対応するものの、これに限定するものではなく、実用可能な他の均等物を適用した構成手段としても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を適用した実施の形態の一例を図面を参照しながら説明する。また、以下の実施の形態の説明内容によって特許請求の範囲を限定するものではないし、更に、実施の形態で説明されている要素や接続関係等が解決手段に必須であるとは限らない。更に、実施の形態で説明されている要素や接続関係等の形容/形態は、一例でありその形容/形態内容のみに限定するものではない。
【0023】
本発明について、図2〜図6を参照して以下に説明する。尚、従来構成に対応する要素は同一符号を付し、また重複する部位の説明は省略する。
【0024】
図2は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第1の構成例である。図3は電圧シフトの動作を説明する図である。ここで図2は従来同様に、±15vのDCDCコンバータに対して−3v電圧シフトした+12vと−18vを発生する具体例と仮定する。
この構成要素は、DCDCコンバータDCDC1と、電圧シフト手段30と、負荷回路RLとを備える。
【0025】
電圧シフト手段30は、±15vの両者の電圧を、所望のシフト電圧V3だけ−側へシフトする為の電圧シフト手段であって、一例として約−3vのDC電圧をシフトする。この内部要素は順方向直列ダイオードD1と、逆方向ダイオードD2と、抵抗R1とを備える。
【0026】
順方向直列ダイオードD1は、所望のシフト電圧V3となる電圧降下を付与する複数個のダイオードを直列接続したものである。例えば、ダイオード1個当たり0.6vの電圧降下と仮定したとき、約3vの電圧降下VD1を与えるには、3v/0.6v≒5個のダイオードを直列接続する。
【0027】
逆方向ダイオードD2は、逆方向のパルス的な電流を通過させる保護用のダイオードである。但し、殆どの場合、このような逆方向の電流は発生しないように、抵抗R1のバイアス電流が設定される。
【0028】
抵抗R1は、順方向直列ダイオードD1へ所望のバイアス電流iR1を供給して、約3vの電圧降下を付与するものである。バイアス電流iR1の電流量は、負荷回路RLに流れる電流i1、電流i2両者間の想定され得るアンバランス電流であるGND電流iGNDの最大値若しくはパルス電流に対して、例えば2倍程度以上の電流量を流す。一例として、GND電流iGNDの最大値が5mAとした場合、10mAのバイアス電流iR1となる抵抗値1.2KΩを使用する。
図3(a)はバイアス電流iR1の付与に伴うGND電流iGNDに対するコモン端子電流iCOMと実用範囲の関係図であり、図3(b)はコモン端子電流iCOMに対するシフト電圧V3と実用範囲の関係図である。これら関係図を説明する。
図3(a)では、GND電流iGNDが10mAのバイアス電流iR1(図3A参照)未満の範囲内の場合には、コモン端子電流iCOMが流れているので順方向直列ダイオードD1は能動状態にある。従って、順方向直列ダイオードD1による約3vの電圧降下VD1が維持される結果、この範囲内では使用可能な実用範囲(図3B参照)となる。
【0029】
図3(b)では、コモン端子電流iCOMが正方向の電流の実用範囲(図3G参照)においては、順方向直列ダイオードD1によって約3vの電圧降下VD1が得られる結果、DCDCコンバータDCDC1のコモン端子COMは−3vが維持される。従って、DCDCコンバータDCDC1の−15vの負出力端子側は回路アースGNDに対して−15v+(−3v)=−18vの電源発生と等価となる。逆に、DCDCコンバータDCDC1の+15vの正出力端子側は回路アースGNDに対して+15v+(−3v)=+12vの電源発生と等価となる。
尚、もしもコモン端子電流iCOMが負方向の電流状態(図3E参照)では、逆方向ダイオードD2により約+0.6vになってしまう。この場合には、目的とする−3vの電圧シフトにはならなくなってしまう。
【0030】
上述した図2の発明構成例によれば、電圧シフト手段30を具備する構成としたことにより、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備えるDC電源部を1/2程度に小型化できる利点が得られる。
【0031】
次に、図4(a)は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第2の構成例である。この構成で、電圧シフト手段30bの内部構成要素は、抵抗R1と、1個のツェナーダイオードZD1で所望の電圧降下を与える構成である。尚、図4(b)の電圧シフト手段30cの内部構成例に示すように、逆方向ダイオードD2を追加して備える構成としても良い。
【0032】
ツェナーダイオードZD1は、3vのツェナー電圧のものを使用する。また、逆方向の電流に対しては、ツェナーダイオードのダイオード特性により逆方向のパルス的な電流を通過させる保護ができる。この構成例においても、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備える電源部を最も小型化できる利点が得られる。
【0033】
次に、図5は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第3の構成例である。この構成で、電圧シフト手段30dの内部構成要素は、抵抗R1と、可変定電圧回路VZ3と、逆方向ダイオードD2とを備える。
【0034】
可変定電圧回路VZ3は、シフトする電圧を可変とする機能を備えるものであって、内部構成例としては、図5(b)に示すように、可変抵抗VR3と、トランジスタQ3とを備える。
トランジスタQ3は、ゲート電圧が例えば1.5v以上でON状態になるとしたとき、可変抵抗VR3の設定を中点位置に設定した場合、3vのツェナーダイオードとして機能する。従って、可変抵抗VR3の設定を調整することで、例えば1.5v〜10v程度に可変可能な可変ツェナーダイオードとして機能できる利点が得られる。この結果、DUTの品種毎に異なる電圧シフトのDC電源を供給する必要性がある場合においては、最適な電圧シフト条件に調整できる利便性が得られる。
【0035】
次に、図6(a)は個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第4の構成例である。この構成では、上述した電圧シフト手段30〜30dのコモン端子COMと回路アースGND間にコンデンサC1を接続した構成である。
コンデンサC1は両端に生じる低周波及び高周波信号等の交流成分をバイパスする為のものであって、例えば100μF程度の電解コンデンサと、1μF程度のセラミックコンデンサを並接したものを適用する。これにより、交流信号に対する電源供給側の内部インピーダンスを低下させることができる。
【0036】
尚、本発明の技術的思想は、上述実施の形態の具体構成例、接続形態例に限定されるものではない。更に、本発明の技術的思想に基づき、上述実施の形態を適宜変形して広汎に応用してもよい。
例えば、上述実施例では、供給する正負電源の出力電圧を負側へ−3v電圧シフトする具体例であったが、図6(b)に示すように、電圧シフト手段30を逆の回路構成とすることで、正側へ+3vシフトすることも実現可能である。従って、DUTの品種に対応するインタフェース回路に対応して、所望に電圧シフトされた正負電源を供給することが可能である。
【0037】
また、バイアス電流iR1の量は、適用するインタフェース回路におけるに想定される最大のGND電流iGNDに対応して、十分余裕のある電流量を流すようにすれば良い。従って、インタフェース回路としてオペアンプ回路以外の回路にも適用できる。
【0038】
また、上述実施例では、半導体試験装置のパフォーマンスボード上に備える場合の具体例で説明したが、GND電流iGNDの大きな変動が無く、±0.3v前後の電源変動が許容できる他の回路装置の場合においても、本発明の正負電源の出力電圧をシフトするDC電源部を適用可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、上述の説明内容からして、下記に記載される効果を奏する。
上述説明したように本発明によれば正負のDC電源を電圧シフトする電圧シフト手段を具備する構成としたことにより、従来のような電圧シフト専用のDCDCコンバータDCDC2が不要となる大きな利点が得られる。また、パフォーマンスボード上に備える電源部を小型化できる利点が得られる。また、複数4個、8個等のDUTを同時測定する場合にも、実用的に複数チャンネルのDC電源をパフォーマンスボード上にインタフェース回路と共に実装できる利点が得られる。また、安価にDC電源部を構成できる利点もある。
従って、本発明の技術的効果は大であり、産業上の経済効果も大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、個別I/F回路100が必要とするDC電源部についての構成例である。
【図2】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第1の構成例である。
【図3】バイアス電流iR1の付与に伴うGND電流iGNDに対するコモン端子電流iCOMと実用範囲の関係図と、コモン端子電流iCOMに対するシフト電圧V3と実用範囲の関係図である。
【図4】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第2の構成例である。
【図5】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第3の構成例である。
【図6】個別I/F回路100が必要とするDC電源部の第4の構成例と、正側へ電圧シフトする場合の構成例である。
【図7】半導体試験装置のテストヘッドの概念図である。
【符号の説明】
C1 コンデンサ
D1 順方向直列ダイオード
DCDC1,DCDC2 DCDCコンバータ
R1 抵抗
RL1,RL2,RL 負荷回路
ZD1 ツェナーダイオード
D2 逆方向ダイオード
Q3 トランジスタ
VR3 可変抵抗
VZ3 可変定電圧回路
30,30b,30c,30d 電圧シフト手段
100 個別I/F回路
DUT 被試験デバイス
PB パフォーマンスボード
Claims (7)
- 絶縁型の直流電源を備え、前記直流電源は電源を供給する1次側と二次側とが絶縁され、二次側から正負の直流電源を供給するものであり、
該直流電源の二次側の3つの出力端子は正電圧を供給する正出力端子、負電圧を供給する負出力端子、前記正負出力端子の共通のコモン端子COMであると呼称したとき、正出力端子と負出力端子とは負荷装置へ接続され、
負荷装置の回路アースGNDと該コモン端子COMとの間に挿入して、所定の電圧ドロップを付与する電圧シフト手段、を具備することを特徴とする正負直流電源装置。 - 該電圧シフト手段は、所定の電圧ドロップとなるように複数個を直列接続した第1のダイオードと、
該第1のダイオードとは逆並列に接続した第2のダイオードと、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して所定のバイアス電流を該第1のダイオードへ流す抵抗と、
を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、該第1のダイオードの接続方向及び該抵抗の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする請求項1記載の正負直流電源装置。 - 該電圧シフト手段は、所定の電圧ドロップとなるツェナーダイオードと、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して所定のバイアス電流を該ツェナーダイオードへ流す抵抗と、
を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、該ツェナーダイオードの接続方向及び該抵抗の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする請求項1記載の正負直流電源装置。 - 請求項3記載の電圧シフト手段において、更に、該ツェナーダイオードとは逆並列に接続する第2のダイオードを備えることを特徴とする正負直流電源装置。
- 該電圧シフト手段は、所定の電圧ドロップ特性を示し、且つドロップする電圧を外部から可変とする可変定電圧回路と、
絶縁型の直流電源の正出力端子若しくは負出力端子と負荷装置の回路アースGNDとの間に接続して所定のバイアス電流を該可変定電圧回路へ流す抵抗と、
該可変定電圧回路とは逆並列に接続する第2のダイオードと、
を具備して正出力端子と負出力端子の両者から負荷装置へ供給される両電源電圧を、該可変定電圧回路の接続方向及び該抵抗の接続条件に基づいて、負側若しくは正側へ電圧シフトすることを特徴とする請求項1記載の正負直流電源装置。 - 請求項1乃至5記載の該電圧シフト手段において、更に、該電圧シフト手段の両端に交流成分をバイパスさせるコンデンサを並列に接続して備えることを特徴とする正負直流電源装置。
- 半導体試験装置が備えるテストヘッドに装着するパフォーマンスボードPB上において、請求項1乃至6記載の該正負直流電源装置を少なくとも1チャンネル備える、ことを特徴とする半導体試験装置。
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