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JP2004013116A - スペーサー粒子の湿式散布用組成物 - Google Patents

スペーサー粒子の湿式散布用組成物 Download PDF

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JP2004013116A
JP2004013116A JP2002170514A JP2002170514A JP2004013116A JP 2004013116 A JP2004013116 A JP 2004013116A JP 2002170514 A JP2002170514 A JP 2002170514A JP 2002170514 A JP2002170514 A JP 2002170514A JP 2004013116 A JP2004013116 A JP 2004013116A
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Junko Kita
木太 純子
Norikuni Sasaki
佐々木 令晋
Takeshi Yamashita
山下 毅
Shigefumi Kuramoto
倉本 成史
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】スペーサー粒子の基板あたりの散布個数(散布個数密度)が長時間散布後でも減少することがなく、スペーサー粒子のボタ凝集が発生しない、スペーサー粒子湿式散布用組成物及びそれを用いた液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物は、スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、下記(1)または(2)の条件を満たすことを特徴とする。(1)前記溶媒は20℃における粘度が1mPa・s以上、30mPa・s以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上である。(2)前記溶媒は20℃における表面張力が0.02N/m以上、0.06N/m以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物、および、それを用いてスペーサー粒子の散布性に優れた液晶表示基板を持つ液晶表示装置を製造する方法に関する。詳しくは、例えば、個々の液晶表示基板についてみたとき基板面内でのスペーサー粒子の散布個数が面内で均一であり、かつ、スペーサー粒子が単一分散していて凝集しておらず、しかも、長時間連続して散布を行い製造ロット間で比較したとき、液晶表示基板間でスペーサー粒子の散布個数が変動せず安定しているといった液晶表示装置を得させることのできるスペーサー粒子湿式散布用組成物、および、そのような液晶表示装置を容易に得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば液晶表示装置などに用いるスペーサー粒子を、基板となるパネル上に散布するにあたり、スペーサー粒子と有機溶剤(および必要に応じて水)を含む溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物(例えば、スペーサー粒子を有機溶剤(および必要に応じて水)を含む溶媒に分散させたスペーサー粒子湿式散布用組成物)を散布することによりスペーサー粒子を湿式散布することは、従来からよく知られている。
また、液晶表示装置においてスペーサー粒子の散布を均一にすることは重要であり、そのため、スペーサー粒子を散布する工程において、スペーサー粒子の散布個数が基板面内で均一であり、かつ、スペーサー粒子が単一分散していて凝集しないようにする工夫は、これまで多々なされてきている。
【0003】
しかし、今回本発明者が詳しく観察したところによると、長時間散布を行う場合、スペーサー粒子が分散液中で沈降するために、基板当たりの散布個数(散布個数密度)が減少するという問題や、液滴がノズルまわりに付着することによりスペーサーのボタ凝集(10個以上凝集したスペーサー粒子を含む散布液滴)が生じ、この液滴がそのまま基板上に落ちることで基板上にスペーサー粒子の凝集が生じているという問題があることに気づいた。
また、通常、散布する際には予めスペーサー粒子を超音波分散させ散布を行うが、スペーサー粒子湿式散布用組成物を予め調製して長時間放置したような場合は、一旦沈降してしまったスペーサー粒子を再度分散させようとしてもなかなか元のように分散させることが困難であるということも判った。特に、上記組成物中の溶媒の粘度が高い場合は、一旦長時間スペーサー粒子が沈降してしまうと、スペーサー粒子どうしがより強固に凝集してしまい、再分散させるにはかなり強い超音波力や撹拌力が必要となることが判った。実際のところ、このような強い負荷を与えて分散処理しようとすると、スペーサー粒子が損傷を受けたり破壊したりするため、再分散できないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、スペーサー粒子の基板あたりの散布個数(散布個数密度)が長時間散布後でも減少することがなく、スペーサー粒子のボタ凝集が発生しない、スペーサー粒子湿式散布用組成物、および、それを用いた液晶表示装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、種々検討し、実験を重ねた結果、溶媒として、その粘度がある値以上であるか、その表面張力がある値以上である溶媒を用いるようにするとともに、スペーサー粒子として、その比重と前記溶媒の比重とにあまり開きがないものを用いることが必要であることに気がつき、実験により確かめて、本発明を完成した。
すわなち、本発明にかかる第1のスペーサー粒子湿式散布用組成物は、
スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、前記溶媒は20℃における粘度が1mPa・s以上、30mPa・s以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする。
【0006】
また、本発明にかかる第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物は、
スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、前記溶媒は20℃における表面張力が0.02N/m以上、0.06N/m以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする。
また、本発明にかかる液晶表示装置の製造方法は、
上記本発明にかかる第1または第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物を基板に向けてノズルからショットし基板上に散布する工程を含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるスペーサー粒子湿式散布用組成物、および、スペーサー粒子湿式散布用組成物を用いる液晶表示装置の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
〔スペーサー粒子湿式散布用組成物〕
本発明にかかる第1のスペーサー粒子湿式散布用組成物(以下、本発明の第1のスペーサー粒子湿式散布用組成物と称することがある。)は、スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、前記溶媒は20℃における粘度が1mPa・s以上、30mPa・s以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする。溶媒の粘度、および、前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が、それぞれ上記範囲を満たすことによって、前述した課題を容易に解決することができる。
【0008】
本発明にかかる第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物(以下、本発明の第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物と称することがある。)は、スペーサー粒子と溶媒とを含んでなる湿式散布用のスペーサー粒子散布液において、前記溶媒は20℃における表面張力が0.02N/m以上、0.06N/m以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする。溶媒の表面張力、および、前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が、それぞれ上記範囲を満たすことによって、前述した課題を容易に解決することができる。
【0009】
本発明の第1および第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物(以下、単に、本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物と称することがある。)は、上記溶媒中にスペーサー粒子が分散しているもの、あるいは、分散することのできるものであることが好ましい。
本発明の第1のスペーサー粒子湿式散布用組成物においては、上記溶媒は、上述のように、20℃における粘度が1mPa・s以上、30mPa・s以下であるものとするが、下限は、好ましくは5mPa・s以上であり、より好ましくは10mPa・s以上である。溶媒の粘度が1mPa・s未満であると、散布液滴がノズルのまわりに付着してスペーサー粒子のボタ凝集が生じるおそれがある。また、溶媒の粘度が30mPa・sを超える場合は、一旦スペーサー粒子を超音波で分散させた後に長時間放置したり保存したりすることによりスペーサー粒子が沈降した場合、再度元のように分散させることが困難となるおそれがあり、たとえ再度分散可能な負荷をかけたとしてもスペーサー粒子に損傷や破壊などの大きなダメージを与えるおそれがある。溶媒の粘度が30mPa・s以下の場合は、このようなおそれを避けることができ、取扱い性の優れるものにすることができる。なお、20℃における溶媒の粘度を測定するにあたっては、溶剤ポケットブック(1967年、オーム社書店より発行)を参照することとする。
【0010】
本発明の第2のスペーサー粒子湿式散布用組成物においては、上記溶媒は、上述のように、20℃における表面張力が0.02N/m以上、0.06N/m以下であるものとするが、下限は、好ましくは0.025N/m以上であり、より好ましくは0.03N/m以上である。溶媒の表面張力が0.02N/m未満であると、散布液滴がノズルのまわりに付着してスペーサー粒子のボタ凝集が生じるおそれがある。また、溶媒の表面張力が0.06N/mを超える場合は、散布後においてスペーサー粒子が凝集しやすく、散布されたスペーサー粒子が基板面内で不均一に存在することとなるおそれがある。なお、20℃における溶媒の表面張力を測定するにあたっては、溶剤ポケットブック(1967年、オーム社書店より発行)を参照することとする。
【0011】
本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物においては、溶媒としては、スペーサー粒子を良好に分散させ得るものであればよく、通常一般的にスペーサー粒子の湿式散布に用いるものとして知られている有機溶剤を挙げることができ、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アルコール類、グリコール類、エーテル類、アセタール類、ケトン類、エステル類などを好ましく挙げることができ、なかでも、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、3−ペンチルアルコール、2−メチル−1−ブチルアルコール、3−メチル−2−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;グリセリン;エチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上併用してもよい。また、上記他の溶剤は、上記各種有機溶剤のみでもよいが、さらに水を含むものであってもよい。
【0012】
本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物においては、上記溶媒とスペーサー粒子とについては、上述のように、20℃におけるスペーサー粒子の溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であるものとするが、上限は、好ましくは1.6以下であり、より好ましくは1.5以下である。この比重比が1.70を超える場合は、長時間散布する場合において、時間経過とともにスペーサー粒子が沈降しやすく、長時間経過後の散布液においてはスペーサー粒子濃度が散布開始時に比べて大きく減少し、基板上へのスペーサー粒子の散布個数が減少するおそれがある。また、この比重比が1.00未満の場合、スペーサー粒子が溶媒中に均一に分散しにくくなるおそれがある。なお、上記比重比となるようにするにあたり、20℃における溶媒の比重は溶剤ポケットブック(1967年、オーム社書店より発行)を参照することとし、20℃におけるスペーサー粒子の比重を測定するにあたっては、後述する実施例に記載の方法を用いることとする。
【0013】
上記スペーサー粒子は、例えば液晶表示装置に使用する場合では、液晶層をはさむ両電極基板間の隙間距離を決めるものであって、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持するために必要な粒子である。
スペーサー粒子の平均粒子径は、1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは1〜20μm、さらにより好ましくは1〜15μmである。スペーサー粒子の平均粒子径が上記範囲外である場合、液晶表示装置用のスペーサー粒子としては通常用いられない領域である。
スペーサー粒子の粒子径の変動係数(CV)は、10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらにより好ましくは6%以下である。粒子径の変動係数が10%を超えると、例えば液晶表示装置用のスペーサー粒子として用いた場合に、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持することが困難となり、画像ムラを起こしやすくなるおそれがあるので好ましくない。
【0014】
なお、前記平均粒子径および前記粒子径の変動係数の定義や測定方法は、下記実施例において記載する。
スペーサー粒子について、理論表面積と実測表面積の比(理論表面積/実測表面積)は、特に限定はされないが、具体的には、500以下であることが好ましく、より好ましくは100以下、さらにより好ましくは50以下である。上記比が、500を超える場合は、スペーサー粒子表面の溶剤が揮散しにくく、スペーサー粒子の凝集が多く発生し、また、液晶表示装置の信頼性が低下するおそれがある。
【0015】
スペーサー粒子としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、有機架橋重合体粒子、無機系粒子、有機質無機質複合体粒子などを好ましく挙げることができる。これらの中でも、有機架橋重合体粒子および/または有機質無機質複合体粒子が、電極基板、配向膜またはカラーフィルタの損傷防止や両電極基板間の隙間距離((セル)ギャップ)の均一性を得やすいという点で好ましく、有機質無機質複合体粒子が最も好ましい。
スペーサー粒子の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、粉砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されるわけではないが、両電極基板間の隙間距離を均一に一定とする上で球状が好ましい。これは、球状であると、すべてまたはほぼすべての方向について一定またはほぼ一定の粒形を有するからである。
【0016】
スペーサー粒子は、染料および/または顔料を含むことで好ましく着色されていてもよい。
上記有機架橋重合体粒子としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ベンゾグアナミン、メラミンおよび尿素からなる群の中から選ばれた少なくとも1種のアミノ化合物とホルムアルデヒドとから縮合反応により得られるアミノ樹脂の硬化粒子(特開昭62−068811号公報参照);ジビニルベンゼンを単独で重合あるいは他のビニル単量体と共重合させて得られるジビニルベンゼン架橋樹脂粒子(特開平1−144429号公報参照)等を好ましく挙げることができる。
【0017】
上記無機系粒子としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ等の球状微粒子等を好ましく挙げることができる。
上記有機質無機質複合体粒子は、好ましくは、有機質部分と無機質部分とを含む複合粒子である。この有機質無機質複合体粒子において、上記無機質部分の割合は、特に限定されるわけではないが、例えば、上記有機質無機質複合体粒子の重量に対して、無機酸化物換算で、10〜90重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜85重量%、さらに好ましくは30〜80重量%である。上記無機酸化物換算とは、好ましくは、有機質無機質複合体粒子を空気中などの酸化雰囲気中で高温(たとえば1000℃)で焼成した前後の重量を測定することにより求めた重量百分率で示される。上記有機質無機質複合体粒子の上記無機質部分の割合が、無機酸化物換算で10重量%を下回ると、上記有機質無機質複合体粒子は軟らかくなり、電極基板への散布個数密度が増えることになるので好ましくなく、また、90重量%を上回ると、硬すぎて配向膜の損傷やTFTの断線が生じやすくなるおそれがあるので好ましくない。
【0018】
上述したような有機質無機質複合体粒子としては、特に限定されるわけではないが、例えば、有機ポリマー骨格と、上記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、上記ポリシロキサン骨格を構成するSiOの量が10重量%以上である、有機質無機質複合体粒子A等を好ましく挙げることができる。有機ポリマー骨格としては、ビニル系ポリマーがギャップコントロールを制御できる高復元性を与えるため好ましい。ここで、上記有機質無機質複合体粒子Aが、G≧14・Y1.75(ここで、Gは破壊強度〔kg〕を示し;Yは粒子径〔mm〕を示す)を満足する破壊強度であると好ましく、10%圧縮弾性率が300〜2000kg/mm、10%変形後の残留変位が0〜5%であるとさらに好ましい。
【0019】
上記有機質無機質複合体粒子Aの製造方法については、特に限定されるわけではないが、例えば、下記に示す縮合工程と重合工程と熱処理工程とを含む製造方法を好ましく挙げることができる。
上記縮合工程とは、ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用いて加水分解・縮合する工程であることが好ましく、この縮合工程では、触媒としてアンモニア等の塩基性触媒を好ましく用いても良い。
ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物は、下記一般式(1):
【0020】
【化1】
Figure 2004013116
【0021】
(ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し;Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;Rは、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とからなる群から選ばれた少なくとも1種の1価の基を示す。lは1または2であり、pは0または1である。)
と、下記一般式(2):
【0022】
【化2】
Figure 2004013116
【0023】
(ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し;Rは、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とからなる群から選ばれた少なくとも1種の1価の基を示す。mは1または2であり、qは0または1である。)
と、下記一般式(3):
【0024】
【化3】
Figure 2004013116
【0025】
(ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し;Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の2価の有機基を示し;Rは、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。Rは、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とからなる群から選ばれた少なくとも1種の1価の基を示す。nは1または2であり、rは0または1である。)
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表される化合物またはその誘導体であることが好ましい。
【0026】
上記重合工程は、上記縮合工程中および/または上記縮合工程後に、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させて粒子を得る工程であることが好ましい。
上記熱処理工程は、上記重合工程で生成した重合体粒子を800℃以下、より好ましくは100〜600℃の温度で乾燥および焼成する工程であり、たとえば、10容量%以下の酸素濃度を有する雰囲気中や減圧下で行われることが好ましい。
上記の縮合工程、重合工程および熱処理工程から選ばれる少なくとも1つの工程中および/または後に、生成した上記スペーサー粒子を着色する着色工程をさらに含んでいてもよく、詳しくは、上記スペーサー粒子は染料および顔料からなる群から選ばれる少なくとも1つ等を含むことで着色されていてもよい。その色は、光が透過しにくいか、または、透過しない色が、スペーサー粒子自身の光抜けを防止でき画質のコントラストを向上できる点で好ましい。光が透過しにくいか、または、透過しない色としては、たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、茶、赤等の色を好ましく挙げることができるが、特に好ましくは、黒、濃青、紺色である。なお、染料および/または顔料は、単にスペーサー粒子に含まれるものでもよく、あるいは、染料および/または顔料とスペーサー粒子を構成するマトリックスとが化学結合によって結び付けられた構造を有するものでもよいが、特にこれらに限定されない。
【0027】
上記染料は、着色しようとする色に応じて適宜選択して使用され、たとえば、染色方法によって分類された、分散染料、酸性染料、塩基性染料、反応染料、硫化染料等が挙げられる。これらの染料の具体例は、「化学便覧応用化学編 日本化学会編」(1986年丸善株式会社発行)の1399頁〜1427頁、「日本化薬染料便覧」(1973年日本化薬株式会社発行)に記載されている。
スペーサー粒子を染色する方法としては、従来公知の方法がとられる。たとえば、上記の「化学便覧応用化学編 日本化学会編」や「日本化薬染料便覧」に記載されている方法等で行うことができる。
【0028】
上記顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、カーボンブラック、鉄黒、クロムバーミリオン、モリブデン赤、べんがら、黄鉛、クロム緑、コバルト緑、群青、紺青などの無機顔料;フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系などの有機顔料が挙げられる。なお、上記顔料は、その平均粒子径が0.4μm以下でないと、スペーサー粒子中に導入されない場合があるので、この場合は染料を使用する方が好ましい。上記スペーサー粒子が着色されている場合、液晶表示装置用スペーサー粒子として用いると、バックライトの光抜けを防止でき、液晶表示装置の画質向上を達成することができる。
【0029】
上記の縮合工程、重合工程および熱処理工程から選ばれた少なくとも1種の工程中および/または後に、生成した上記スペーサー粒子を表面処理する表面処理工程をさらに含んでいても良い。
上記表面処理に用いる表面処理剤としては、特に限定されないが、下記一般式(4)〜(6)から選ばれる少なくとも1種のシラン化合物が好ましい。
SiX         (4)
SiX      (5)
SiX   (6)
(ここで、Xは塩素原子、水素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基および炭素数2〜5のアシロキシ基から選ばれた少なくとも1種;RおよびRは、いずれも、炭素数1〜22のアルキル基および炭素数6〜22のアリール基から選ばれる少なくとも1種であり、その基の中の1つ以上の水素原子が、アミノ基、メルカプト基、アルキレンオキシド基、エポキシ基、シアノ基、塩素原子およびフッ素原子から選ばれる少なくとも1種で置換されていても良い;Rは、炭素数1〜5のアルキル基とフェニル基とからなる群から選ばれる少なくとも1種の1価の基である。)
本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物においては、該組成物全体中、スペーサー粒子の含有割合は0.005〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜20重量%、さらにより好ましくは0.05〜10重量%である。上記スペーサー粒子の含有割合が0.005重量%未満であると、所望の散布個数密度とするにあたり散布時間がかかりすぎるおそれがあり、30重量%を超える場合は、スペーサー粒子湿式散布用組成物がスラリー状になり流動性が低下し、また、スペーサー粒子の凝集が発生するおそれがある。
【0030】
本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物は、スペーサー粒子と溶媒とを含むものであるが、これら以外にも適宜必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
〔液晶表示装置の製造方法〕
本発明にかかる液晶表示装置の製造方法(以下、本発明の液晶表示装置の製造方法、本発明の製造方法と称することがある。)は、上記本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物を用いてスペーサー粒子を基板上等に湿式散布する工程を含む、液晶表示装置の製造方法である。
本発明の液晶表示装置の製造方法においては、電極基板、シール材、液晶材料などについては従来と同様のものを従来と同様に材料として使用することができる。また、スペーサー粒子は、使用する上記本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物に含まれる。よって、本発明の製造方法に用いるスペーサー粒子としては、上記本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物に含むスペーサー粒子として記載したものと同様のものが好ましい。
【0031】
電極基板としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに有する。また、カラー対応の液晶表示装置の場合、カラーフィルタを有する。
シール材としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、エポキシ樹脂接着シール材などが使用される。
液晶(液晶材料)としては、特に限定はされず、従来より用いられているものでよく、具体的には、例えば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0032】
本発明の液晶表示装置を製造する方法としては、具体的には、例えば、2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に上記本発明のスペーサー粒子湿式散布用組成物を散布してスペーサー粒子(面内スペーサー粒子)を所定の位置に分散配置したものの上に、エポキシ樹脂等の接着シール材にシール部スペーサー粒子を分散させたものをもう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cmの紫外線照射により、接着シール材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止する方法を挙げることができるが、特にこのような製法に限定されるわけではない。
【0033】
ここで、本発明の製造方法により得られる液晶表示装置の構成について、図1を参照しながら説明するが、液晶表示装置の構成は特にこれに限定されるわけではない。すなわち、得られた液晶表示装置は、液晶材料を介在して対向配置された一対の電極基板(第1電極基板110と第2電極基板120)と、スペーサー粒子とを備える。第1電極基板110は、第1基板11と、第1基板11の表面に形成された電極5とを有する。第2電極基板120は、第2基板12と、第2基板12の表面に形成された電極5とを有する。第1電極基板110と第2電極基板120とはその周辺部でシール材2によって接着されている。スペーサー粒子は、前記基板間に選択的に分散配置されて、前記基板の間隔を保持するものであり、シール材2中に分散するシール部スペーサー粒子3と、面内に分散する面内スペーサー粒子8とが存在する。液晶材料7は、第1電極基板110と第2電極基板120との間に封入されており、第1電極基板110と第2電極基板120とシール材2とで囲まれた空間に充填されている。
【0034】
本発明の液晶表示装置の製造方法においては、上記スペーサー粒子湿式散布用組成物を散布することによりスペーサー粒子を湿式散布するが、該組成物の散布方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、スプレー方式やインクジェット方式などを採用した機器等を用いて散布することが好ましい。なかでも、インクジェット方式が、基板上の所望の位置にスペーサー粒子を分散配置しやすいためより好ましい。
インクジェット方式は、インクとして用いるスペーサー粒子湿式散布用組成物の液滴生成原理により、連続ジェット方式とドロップ・オン・デマンド方式の2方式に分類される。本発明の製造方法では、いずれの方式も好ましく採用できる。(なお、以下、「スペーサー粒子湿式散布用組成物の液滴」を、単に「液滴」と称する。)
連続ジェット方式は、液滴を連続して生成させ、記録信号に応じて液滴を選択して記録を行う方式である。連続ジェット方式では液滴の発生を定常状態で行わせるため、液滴の発生周期を短くすることができ高速記録が可能である。また、噴出した液滴の飛翔速度も速いため、ノズルと記録媒体までの間隔を離すことができるので、曲面などへの記録も可能である。連続ジェット方式には、Sweet型、マイクロドット型、Herz型、IRIS型などがある。
【0035】
Sweet型では、外部からノズルに機械的振動を与え、その周波数を液滴の自然発生的な分裂速度と一致させ、分裂した液滴の質量が同一の質量になるように発生した液滴を利用する。具体的には、ノズル部にピエゾ圧電素子を取り付け、スペーサー粒子湿式散布用組成物の分裂周期で加振し、均一な液滴を発生させる。スペーサー粒子湿式散布用組成物が分裂する部分に荷電電極を設け、液滴を帯電させる。この帯電した液滴は偏向電極の間を通過する。液滴は電界により垂直方向の静電力を受けて、その軌道が変化する。このときの偏向電圧の加え方により、2値偏向型と多値偏向型がある。
【0036】
マイクロドット型は、液滴が分裂する際に液滴の間にサテライトと呼ばれる小滴を取り出して記録を行う方式である。この方法では一対の電極の各々に異なる電圧を印加することにより、帯電と偏向の両方の動作を行わせる。
Herz型では、細いノズルから加圧したスペーサー粒子湿式散布用組成物を噴出させ、液滴をリング状の電極中を通過させる。電極に電圧を印加すると液滴に帯電した電荷の反発力によって、スプレー状の細かい霧へ分裂する。分裂してスプレーとなったときは記録せず、分裂しないときの液滴を記録に用いる。
IRIS型は、Herz型の改良形で、ピエゾ振動子をノズルに設置することにより液滴の大きさを一定に保つようにしているのが特徴である。
【0037】
ドロップ・オン・デマンド方式は、記録信号に応じてスペーサー粒子湿式散布用組成物を噴出させる方式である。記録速度は連続ジェット方式に比べ遅いが、全体の機構としては簡単になる。ドロップ・オン・デマンド方式には、圧力パルス方式、サーマルジェット方式、ERF方式などがある。
圧力パルス方式は、ピエゾ圧電素子などを用い、インクチャンバ内で圧力波を発生させ、スペーサー粒子湿式散布用組成物を噴出させる方式であり、プリントヘッドの構造により、Stemme方式、Gould方式、Kyser方式などがある。
【0038】
サーマルジェット方式は、ノズル内に発熱素子を設け、スペーサー粒子湿式散布用組成物を気化させて気泡とし、この気泡により該組成物が押し出されてノズルにより噴出される。
ERF方式は、プリントヘッドがスペーサー粒子湿式散布用組成物の流路とそれを挟むように設けられた一対の電極からなり、該組成物はポンプなどにより加圧されている。電極間に電圧が印加されるとスペーサー粒子湿式散布用組成物に加わる見かけの圧力が0となり、該組成物はノズルから噴出されず、電極の電圧を0にすると該組成物は加圧されているのでノズルより噴出する。
【0039】
本発明の製造方法においては、スペーサー粒子湿式散布用組成物を散布してスペーサー粒子を湿式散布し分散配置する場合に、通常は、まず液晶表示装置の電極基板上あるいはカラーフィルタ上の、どの位置にスペーサー粒子を配置するのか決めておく。得られる液晶表示装置のコントラスト向上や高表示品位を達成するためには、画素領域すなわち表示領域にスペーサー粒子を分散配置するのは好ましくなく、非画素領域すなわち非表示領域にスペーサー粒子を分散配置することが好ましい。画素領域に分散配置されるとスペーサー粒子の存在部分が表示されず、スペーサー粒子自身や、液晶の配向乱れによりスペーサー粒子周囲は光抜けが発生するからである。したがって、例えば、TNモードの場合には、文字や図案の周辺や間隙等、表示に直接かかわらない領域のみにスペーサー粒子を分散配置させることが好ましい。また、例えば、STNモードの場合には、電極基板の透明電極がストライプ状に配列されているので、それらの透明電極の間隙にスペーサー粒子を分散配置させることが好ましい。また、例えば、TFTやSTNのカラー表示の場合、カラーフィルタの画素のR、G、B以外の部分、すなわち、ブラックマトリクス上に分散配置させることが好ましい。また、カラーフィルタのある基板と対向させる電極基板上に分散配置する場合は、ブラックマトリクスの位置に対応する部分に分散配置させることが好ましい。
【0040】
また、分散配置させるスペーサー粒子の位置の数は、液晶表示装置のセルギャップが均一に保持できれば特に限定はなく、適宜設定すればよいが、少なすぎるとギャップの均一性が悪くなり、多すぎると低温発泡等が発生し易くなる。また、分散配置の数は表示領域の一つの画素の大きさによっても左右される。
ここで、分散配置されるスペーサー粒子は、単粒子であることが好ましいが、非画素領域であれば複数個であってもよく、適宜設定すればよいが、多すぎるとギャップ均一性が悪くなり、また、表示領域に配置されるスペーサー粒子の割合が多くなり表示品位が低下することとなるおそれがある。
【0041】
本発明の製造方法により得られる液晶表示装置は、従来の液晶表示装置と同じ用途、例えば、テレビ、モニター、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、カーナビゲーションシステム、DVD、デジタルビデオカメラ、PHS(携帯情報端末)などの画像表示装置として使用され得る。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、または、「重量%」を単に「wt%」と記すことがある。
まず、本発明の実施例において記載する溶媒およびスペーサー粒子に関する値の定義、測定方法、出典などについて以下に示す。
〔溶媒の表面張力、粘度、比重〕
溶剤ポケットブック(1967年、オーム社書店発行)を参照する。
〔スペーサー粒子の平均粒子径、粒子径の変動係数〕
スペーサー粒子の平均粒子径および粒子径の変動係数は、下記測定方法により測定した。すなわち、平均粒子径は、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)により、30000個の粒子の粒子径を測定し、その平均の粒子径として求めた。また、粒子径の変動係数は、下記式に従って求めた。
【0043】
【数1】
Figure 2004013116
【0044】
〔スペーサー粒子の破壊強度〕
スペーサー粒子の破壊強度は、島津微小圧縮試験機(島津製作所社製、MCTM−200)により、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS平板)上に散布した試料粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度で荷重をかけ、試料粒子が破壊したときの圧縮荷重(N)の値とする。
〔スペーサー粒子の10%圧縮弾性率〕
スペーサー粒子の10%圧縮弾性率とは、上記破壊強度の測定と同様の装置により、試料台の上に散布した試料粒子1個について、円形平板圧子を用いて、粒子の中心方向へ一定の負荷速度で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%となる時の荷重と圧縮変位のミリメートル数を測定する。測定した圧縮荷重、粒子の圧縮変位、粒子の半径を、下記式:
【0045】
【数2】
Figure 2004013116
【0046】
(ここで、E:圧縮弾性率(GPa)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
に代入し、値を算出する。この操作を、異なる3個の粒子について行い、その平均値を粒子の10%圧縮弾性率とする。
〔スペーサー粒子の比重〕
マイクロウルトラピクノメーター1000(カンタクローム社製の比重測定装置)を用いて測定した。
−製造例1−
〔スペーサー粒子の製造例〕
冷却管、温度計、滴下口のついた4つ口フラスコ中に、25%アンモニア水溶液2.9g、メタノール10.1g、水141.1gを混合した溶液(A液)を入れ、25±2℃に保持し、撹拌しながら該溶液中に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン29g、メタノール55g、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.14g、テトラエトキシシランの2〜5量体(多摩化学株式会社製、製品名:シリケート40(SiO換算で40wt%))5.0gを混合した溶液(B液)を滴下口から添加して、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・重縮合を行った。撹拌を継続しながら20分後、窒素雰囲気中で70±5℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0047】
2時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体をろ過により固液分離し、得られたケーキをメタノールによるデカンテーションで3回洗浄し、真空乾燥機中で200℃で2時間真空乾燥して有機質無機質複合体粒子である複合粒子(1)を得た。得られた複合体粒子(1)は、平均粒子径4.27μm、粒子径の変動係数3.1%、ポリシロキサン骨格を構成するSiOの量33.5wt%、10%圧縮弾性率478kg/mm、10%変形後の残留変位3.0%、破壊強度2.5gであった。
−実施例1−
溶媒としてのイソプロピルアルコール(20℃での表面張力:0.021(N/m)、粘度:2.4(mPa・s))に、スペーサー粒子として複合粒子(1)を0.5wt%となるように混合し、超音波分散させ、スペーサー粒子湿式散布用組成物を得た。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.65であった。
【0048】
次に14インチTFT型液晶表示装置用の、カラーフィルタが設置された電極基板のブラックマトリックス上に、従来公知のインクジェット装置を用いて、上記スペーサー粒子湿式散布用組成物を散布した後、150℃で乾燥し、スペーサー粒子である複合粒子(1)の散布個数密度が約200個/mmとなるようにした。
電極基板1000枚に連続的に散布を行い、20枚おきに電極基板上のスペーサー粒子の分散配置状態を観察し、散布個数密度、平均凝集箇所率(10個以上のスペーサー粒子の凝集箇所の割合)を測定した。その結果を表1に示す。
【0049】
また、スペーサー粒子湿式散布用組成物を6ヶ月間放置した後、再び超音波照射により分散させ、再分散性を観察した。その結果を表1に示す。
スペーサー粒子である複合粒子(1)は、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていた。また、再分散性についても良好であった。
なお、それぞれの測定方法、評価基準を以下に示す。
〔散布個数密度〕
電極基板上の任意の1mmの観察区域を9か所選び、各区域内のスペーサー粒子の個数を光学顕微鏡により計数し、計9区域の個数の平均値をもって、散布個数密度(個/mm)とした。散布個数の目安となる値である。
【0050】
測定した電極基板50枚について散布個数密度を算出し、その上限下限をもって表1に示した。
〔平均凝集箇所率(10個以上のスペーサー粒子の凝集箇所の割合)〕
上記散布個数の測定と同時に、スペーサー粒子が複数凝集している箇所を計数し、その全計数箇所に対する「10個以上のスペーサー粒子が凝集している箇所」の割合を、平均凝集箇所率(%)として求めた。
測定した電極基板50枚についての平均値をもって表1に示した。
〔再分散性〕
一旦スペーサー粒子の分散処理を行ったスペーサー粒子湿式散布用組成物を、6ヶ月間放置し、スペーサー粒子を沈降させた後、超音波照射(強度:150W、28kHz、15分間)により分散させたときのスペーサー粒子の再分散性を、以下の基準で評価した。
【0051】
○:すぐに均一に分散した。
△:分散したがやや凝集が見られた。
×:ほとんど分散しなかった。
−実施例2−
実施例1において、溶媒をエチレングリコール(20℃での表面張力:0.046(N/m)、粘度:20(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.05であった。
【0052】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子である複合粒子(1)は、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていた。また、再分散性についても良好であった。
−実施例3−
実施例1において、スペーサー粒子をジビニルベンゼンの架橋球状微粒子(平均粒子径:4.31μm、変動係数:3.8%)に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.57であった。
【0053】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるジビニルベンゼンの架橋球状微粒子は、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていた。また、再分散性についても良好であった。
−実施例4−
実施例1において、スペーサー粒子をジビニルベンゼンの架橋球状微粒子(平均粒子径:4.31μm、変動係数:3.8%)とし、溶媒をエチレングリコール(20℃での表面張力:0.046(N/m)、粘度:20(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.10であった。
【0054】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるジビニルベンゼンの架橋球状微粒子は、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていた。また、再分散性についても良好であった。
−実施例5−
実施例1において、スペーサー粒子をベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子(平均粒子径:4.35μm、変動係数:5.0%)とし、溶媒をエチレングリコール(20℃での表面張力:0.046(N/m)、粘度:20(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.25であった。
【0055】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子は、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていた。また、再分散性についても良好であった。
−比較例1−
実施例1において、溶媒をヘキサン(20℃での表面張力:0.018(N/m)、粘度:2.4(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.98であった。
【0056】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子である複合粒子(1)は、散布個数密度が散布時間の経過とともにおよそ上限値から下限値へと大きく減少し、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていない箇所が多く10個以上の凝集が多く存在していた。また、再分散は可能であった。
−比較例2−
実施例1において、溶媒をジエチレングリコール(20℃での表面張力:0.0485(N/m)、粘度:38(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.05であった。
【0057】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子である複合粒子(1)は、所定位置であるブラックマトクス上に分散配置されていた。また、再分散することができなかった。
−比較例3−
実施例1において、溶媒をグリセリン(20℃での表面張力:0.064(N/m)、粘度:1499(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.04であった。
【0058】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子である複合粒子(1)は、基板によって散布個数密度のばらつきが非常に大きく(最大で、上下値と下限値との幅でのばらつき)、10個以上の凝集が多く、表示領域にもスペーサー粒子が存在していた。また、再分散することができなかった。
−比較例4−
実施例1において、スペーサー粒子をジビニルベンゼンの架橋球状微粒子(平均粒子径:4.31μm、変動係数:3.8%)とし、溶媒をヘキサン(20℃での表面張力:0.018(N/m)、粘度:2.4(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.87であった。
【0059】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるジビニルベンゼンの架橋球状微粒子は、散布個数密度が散布時間の経過とともにおよそ上限値から下限値へと大きく減少し、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていない箇所が多く10個以上の凝集が多く存在していた。また、再分散は可能であった。
−比較例5−
実施例1において、スペーサー粒子をベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子(平均粒子径:4.35μm、変動係数:5.0%)とし、溶媒をヘキサン(20℃での表面張力:0.018(N/m)、粘度:2.4(mPa・s))に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、2.12であった。
【0060】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子は、散布個数密度が散布時間の経過とともにおよそ上限値から下限値へと大きく減少し、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていない箇所が多く10個以上の凝集が多く存在していた。また、再分散は可能であった。
−比較例6−
実施例1において、スペーサー粒子をベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子(平均粒子径:4.35μm、変動係数:5.0%)に代えたこと以外は同様にして電極基板上に散布を行った。ここで、スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比は、1.77であった。
【0061】
実施例1と同様の方法により散布個数密度、平均凝集箇所率、再分散性の測定および評価を行った。その結果を表1に示す。スペーサー粒子であるベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリンの縮合架橋硬化球状微粒子は、散布個数密度が散布時間の経過とともにおよそ上限値から下限値へと大きく減少し、所定位置であるブラックマトリクス上に分散配置されていない箇所が多く存在していた。また、再分散性については可能であった。
【0062】
【表1】
Figure 2004013116
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、スペーサー粒子の基板あたりの散布個数(散布個数密度)が長時間散布後でも減少することがなく、スペーサー粒子のボタ凝集が発生しない、スペーサー粒子湿式散布用組成物、および、それを用いた液晶表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
7   液晶
8   面内スペーサー粒子
110 電極基板
113 シール部スペーサー粒子
120 電極基板

Claims (5)

  1. スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、前記溶媒は20℃における粘度が1mPa・s以上、30mPa・s以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする、スペーサー粒子湿式散布用組成物。
  2. スペーサー粒子と溶媒とを含んでなるスペーサー粒子湿式散布用組成物において、前記溶媒は20℃における表面張力が0.02N/m以上、0.06N/m以下であり、かつ、20℃における前記スペーサー粒子の前記溶媒に対する比重比が1.70以下、1.00以上であることを特徴とする、スペーサー粒子湿式散布用組成物。
  3. 前記スペーサー粒子が有機質無機質複合体粒子である、請求項1または2に記載のスペーサー粒子湿式散布用組成物。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載のスペーサー粒子湿式散布用組成物を基板に向けてノズルからショットし基板上に散布する工程を含む、液晶表示装置の製造方法。
  5. 前記散布する工程は、インクジェット方式によりスペーサー粒子湿式散布用組成物を散布してスペーサー粒子を湿式散布する工程である、請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。
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