JP2004013078A - ビーム光走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確で高精度な制御を行って画質の悪化を防ぐ。
【解決手段】主制御部51は、可動ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し、センサSPとセンサSOの差分出力を測定するが、その際、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に追い込みながら、随時センサSPとセンサSOの差分出力も測定し、同様にセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御する。
【選択図】 図12
【解決手段】主制御部51は、可動ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し、センサSPとセンサSOの差分出力を測定するが、その際、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に追い込みながら、随時センサSPとセンサSOの差分出力も測定し、同様にセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御する。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のレーザ光ビームにより単一の感光体ドラム上を同時に走査露光して上記感光体ドラム上に単一の静電潜像を形成するデジタル複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置において、上記複数のレーザ光ビームを走査するビーム光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば、レーザ光ビーム(以降、単にビーム光と称す)による走査露光と電子写真プロセスとにより画像形成を行うデジタル複写機が種々開発されている。
【0003】
最近では、画像形成速度の高速化を図るために、マルチビーム方式、つまり、複数のビーム光を発生させ、これら複数のビーム光により複数ラインずつの同時走査が行われるようにしたデジタル複写機が開発されている。
【0004】
このようなマルチビーム方式のデジタル複写機においては、ビーム光を発生する複数の半導体レーザ発振器、これら複数のレーザ発振器から出力される各ビーム光を感光体ドラムへ向けて反射し、各ビーム光により感光体ドラム上を走査するポリゴンミラーなどの多面回転ミラー、及びコリメータレンズやf−θレンズなどを主体に構成される、ビーム光走査装置としての光学系ユニットを備えている。
【0005】
従来、このようなマルチビーム方式のデジタル複写機においては、高画質で画像を形成するために、前記光学系ユニットにおいては、ビーム光の走査方向露光位置制御(主走査方向のビーム光位置制御)およびビーム光の通過位置制御(副走査方向のビーム光位置制御)が行われている。
【0006】
このような技術の具体例が、特開平11−270894号公報で提案されている。これには、ビーム光を高精度で広範囲に検知して、ビーム光の位置制御を行うことを目的とし、1対のセンサが感光体ドラムの表面を走査するビーム光の副走査方向通過点を検知するものについて記載されている。
【0007】
ビーム光の走査位置は、前記対となっている各センサの出力の差を積分した値により判定される。このようなビーム光の走査位置を示す積分値は、前記対のセンサに接続された処理回路によって算出される。この処理回路は、複数のオペアンプを有し、各センサが検知した電気信号の差を積分器により積分するようになっている。
【0008】
また、特開2001−29024号公報では、ビーム光を検知する対のセンサを、のこぎり歯状の2つのパターンから構成するものについて提案されている。また、この提案では、前記特開平11−270894号公報と同様に、前記対のセンサの出力差を積分する処理回路によりビーム光の走査位置を判定する。
【0009】
さらに、特開平11−270894号公報あるいは特開2001−29024号公報では、前記対のセンサからの出力信号を処理する処理回路の出力が飽和してしまう場合、前記対のセンサからの出力信号に対する補正を行って、ビーム光の走査位置を検知するものについて提案されている。
【0010】
また、補正量を効率的に決定して制御する方法についても提案されている。
【0011】
しかしながら、せっかく制御を行っても、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等により、制御した位置からずれて出力画像の質が悪化することがある。
【0012】
また、ビーム位置を検知する際にウィンドウコンパレータを使用して指示幅を調節し、その範囲の上か下か中かを判断して測定を行う。上中下の判定方法は、ポリゴン面数分データを取って行っているが、ウインドウの幅を設定する際に時間がかかって正確な判定ができなかった。
【0013】
さらに、ノイズ等によりD/A変換器への設定データが頻繁に書き換えられて正確な制御が出来ず、正確な制御結果を出力することができなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等により画質が悪化し、ウインドウの幅を設定する際に時間がかかって正確な判定ができず、ノイズ等により正確な制御が出来ずに正確な制御結果を出力することができないといった問題があった。
【0015】
そこで、この発明は、正確で高精度な制御を行って画質の悪化を防ぐことのできるビーム光走査装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明のビーム光走査装置は、ビーム光を出力する発光手段と、この発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるビーム光走査手段と、このビーム光走査手段によって走査されるビーム光の通過位置を検知する第1の検知手段と、この第1の検知手段の検知結果に対する処理で補正が必要か否かを判断し、補正の必要があれば補正量を設定して検知結果に対する処理を行う処理手段と、前記ビーム光走査手段で走査されるビーム光の前記被走査面における通過位置を変更する変更手段と、この変更手段で通過位置が変更されたビーム光が基準位置であるか否かを検知する第2の検知手段と、この第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置でなかった際、前記変更手段を用いてビーム光の通過位置を基準位置の方向に任意量で基準位置になるまで変更し、変更する毎に前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による処理とを制御する第1の制御手段と、この第1の制御手段の制御で前記第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置になった際、前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による補正しない処理とを制御する第2の制御手段とから構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
まず、この発明の各実施例が適用されるビーム光走査装置、及び画像形成装置について説明する。
【0019】
図1は、ビーム光走査装置が適用される画像形成装置としてのデジタル複写機の構成を模式的に示すものである。このデジタル複写機は、画像を読取るスキャナ部1、および、画像を被画像形成媒体上に形成するプリンタ部2を有している。スキャナ部1は、図示矢印方向に移動可能な第1キャリジ3と第2キャリジ4、結像レンズ5、および、光電変換素子6などから構成されている。
【0020】
図1において、原稿Oは透明ガラスからなる原稿台7上に下向きに置かれ、開閉自在に設けられた原稿固定カバー8によって原稿台7上に押え付けられる。
【0021】
原稿Oは光源9によって照明され、その反射光はミラー10,11,12、および、結像レンズ5を介して光電変換素子6の受光面に集光される。ここで、上記光源9およびミラー10を搭載した第1キャリジ3と、ミラー11,12を搭載した第2キャリジ4は、光路長を常に一定にするように2:1の相対速度で移動する。第1キャリジ3および第2キャリジ4は、キャリジ駆動用モータ(図示せず)によって読取タイミング信号に同期して右から左方向に移動する。
【0022】
以上のようにして、原稿台7上に載置された原稿Oの画像は、スキャナ部1によって1ラインごとに順次読取られ、その読取り出力は、図示しない画像処理部において画像の濃淡を示す8ビットのデジタル画像信号に変換される。
【0023】
プリンタ部2は、光学系ユニット(ビーム光走査装置)13、および、被画像形成媒体である用紙P上に画像形成が可能な電子写真方式を組合わせた画像形成部14から構成されている。すなわち、原稿Oからスキャナ部1で読取られた画像信号は、図示しない画像処理部で処理された後、半導体レーザ発振器からのレーザ光ビーム(以降、単にビーム光と称す)に変換される。
【0024】
以下の説明では、半導体レーザ発振器を複数個(例えば4個)使用するマルチビーム光学系の光学系ユニット13について説明する。なお、半導体レーザ発振器が1個だけで構成されたシングルビーム光学系の光学系ユニットは、複数のビーム光に対する相対位置制御以外はマルチビーム光学系の光学系ユニットと同様な動作を行う。
【0025】
光学系ユニット13内に設けられた複数の半導体レーザ発振器は、図示しない画像処理部から出力されるレーザ変調信号にしたがって発光動作を行い、複数のビーム光を発生する。これら複数のビーム光は、ポリゴンミラーで反射されて走査光となり、ユニット外部へ出力される。光学系ユニット13の詳細については後述される。
【0026】
光学系ユニット13から出力される複数のビーム光は、像担持体としての感光体ドラム15上の露光位置Xの地点に、必要な解像度を持つスポット光として結像され、感光体ドラム15上を主走査方向(感光体ドラムの回転軸方向)に走査する。更に感光体ドラム15が回転することによって、感光体ドラム15上には、画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0027】
感光体ドラム15の周辺には、その表面を帯電する帯電チャージャ16、現像器17、転写チャージャ18、剥離チャージャ19、および、クリーナ20などが配設されている。感光体ドラム15は、駆動モータ(図示せず)により所定の外周速度で回転駆動され、その表面に対向して設けられている帯電チャージャ16によって帯電される。帯電された感光体ドラム15上の露光位置Xに複数のビーム光が副走査方向(感光体ドラム表面が移動する方向)に並んでスポット結像される。
【0028】
感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17からのトナー(現像剤)によりトナー像として現像される。感光体ドラム15上に形成されたトナー像は、給紙系によりタイミングをとって供給される用紙P上に転写チャージャ18によって転写される。
【0029】
上記給紙系は、底部に設けられた給紙カセット21内の用紙Pを、給紙ローラ22と分離ローラ23とにより1枚ずつ分離して供給する。そして、レジストローラ24まで送られ、所定のタイミングで転写位置まで供給される。転写チャージャ18の下流側には、用紙搬送機構25、定着器26、画像形成済みの用紙Pを排出する排紙ローラ27が配設されている。これにより、トナー像が転写された用紙Pは、定着器26でトナー像が定着され、その後、排紙ローラ27を経て外部の排紙トレイ28に排紙される。
【0030】
また、用紙Pへの転写が終了した感光体ドラム15は、その表面の残留トナーがクリーナ20によって取り除かれて、初期状態に復帰し、次の画像形成の待機状態となる。
【0031】
以上のプロセス動作を繰り返すことにより、画像形成動作が連続的に行われる。
【0032】
以上説明したように、原稿台7上に置かれた原稿Oは、スキャナ部1で読取られ、その読取り情報は、プリンタ部2で一連の処理を施された後、用紙P上にトナー画像として記録されるものである。
【0033】
次に、光学系ユニット(ビーム光走査装置)13について説明する。
【0034】
図2は、マルチビーム光学系の光学系ユニット13の構成と感光体ドラム15の位置関係を示している。なお、シングルビーム光学系の光学系ユニットは、1つだけのビーム光を制御する構成となる以外は図2と同様に構成される。
【0035】
図2に示すように、マルチビーム光学系の光学系ユニット13は、たとえば、4つのビーム光を発光する半導体レーザ発振器31a,31b,31c,31dを内蔵している。それぞれのレーザ発振器31a〜31dは、同時に1走査ラインずつ画像形成を行うことが可能である。これにより、マルチビーム光学系の光学系ユニットでは、ポリゴンミラーの回転数を極端に上げることなく、高速の画像形成が可能である。
【0036】
半導体レーザ発振器31aはレーザドライバ32aで駆動される。この半導体レーザ発振器31aから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ハーフミラー34aとハーフミラー34bを通過し、多面回転ミラーとしてのポリゴンミラー35に入射する。
【0037】
ポリゴンミラー35は、ポリゴンモータドライバ37で駆動されるポリゴンモータ36によって一定速度で回転されている。これにより、ポリゴンミラー35からの反射光は、ポリゴンモータ36の回転数で定まる角速度で、感光体ドラムを一定方向に走査する。ポリゴンミラー35によって走査されたビーム光は、図示しないf−θレンズを通過し、そのf−θ特性により一定速度で、ビーム光の位置、通過タイミング、およびパワー等を検知するビーム光検知部38の受光面、および、感光体ドラム15上を走査する。
【0038】
半導体レーザ発振器31bは、レーザドライバ32bで駆動される。この半導体レーザ発振器31bから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33bで反射し、さらにハーフミラー34aで反射する。ハーフミラー34aからの反射光は、ハーフミラー34bを通過し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31aの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0039】
半導体レーザ発振器31cは、レーザドライバ32cで駆動される。この半導体レーザ発振器31cから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33cで反射し、さらにハーフミラー34cを通過し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31bの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0040】
半導体レーザ発振器31dは、レーザドライバ32dで駆動される。この半導体レーザ発振器31dから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33dで反射し、さらにハーフミラー34cで反射し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31b,31cの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0041】
なお、レーザドライバ32a〜32dは、それぞれオートパワーコントロール(APC)回路を内蔵しており、後で説明する主制御部(CPU)51から設定される発光パワーレベルで常にレーザ発振器31a〜31dを発光動作させる。
【0042】
このようにして、別々のレーザ発振器31a,31b,31c,31dから出力された各ビーム光は、ハーフミラー34a,34b,34cで合成され、4つのビーム光がポリゴンミラー35の方向に進むことになる。したがって、4つのビーム光は、同時に感光体ドラム15上を走査することができる。
【0043】
ガルバノミラー33b,33c,33dは各々ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dにより駆動され、レーザ発振器31aから出力されたビーム光に対して、レーザ発振器31b,31c,31dから出力されたビーム光の副走査方向の位置を調整(制御)する。
【0044】
また、ビーム光検知部38には、その取付位置およびビーム光の走査方向に対する傾きを調整するためのビーム光検知部調整モータ38a,38bが設けられている。
【0045】
ビーム光検知部38は、上記4つのビーム光の通過位置、通過タイミングおよびパワー(すなわち光量)を検知する。ビーム光検知部38は感光体ドラム15の端部近傍に配設され、その受光面は感光体ドラム15の表面と等価である。このビーム光検知部38からの検知信号を基に、それぞれのビーム光に対応するガルバノミラー33b,33c,33dの制御(副走査方向の画像形成位置制御)、レーザ発振器31a,31b,31c,31dの発光パワーの制御、および、発光タイミングの制御(主走査方向の画像形成位置制御)が行われる(詳細は後述する)。これらの制御を行うための信号を生成するために、ビーム光検知部38には、ビーム光検知部出力処理回路(処理回路)40が接続されている。
【0046】
次に、デジタル複写機の制御系について説明する。
【0047】
図3は、マルチビーム光学系の光学系ユニットが搭載されたデジタル複写機の制御系統の構成を示している。51はデジタル複写機の全体的な制御を司る主制御部で、たとえば、CPUから構成される。この制御部51には、メモリ52、コントロールパネル53、外部通信インタフェイス(I/F)54、レーザドライバ32a,32b,32c,32d、ポリゴンモータドライバ37、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39d、ビーム光検知部出力処理回路40、同期回路55、および、画像データインタフェイス(I/F)56などが接続されている。
【0048】
同期回路55には、画像データI/F56が接続されており、画像データI/F56には、画像処理部57およびページメモリ58が接続されている。画像処理部57にはスキャナ部1が接続され、ページメモリ58には外部インタフェイス(I/F)59が接続されている。
【0049】
ここで、画像を形成する際の画像データの流れを簡単に説明すると、以下のような流れとなる。
【0050】
まず、複写動作の場合は、先に説明したように、原稿台7上にセットされた原稿Oの画像は、スキャナ部1で読取られ、画像処理部57へ送られる。画像処理部57は、スキャナ部1からの画像信号に対し、たとえば、周知のシェーディング補正、各種フィルタリング処理、階調処理、ガンマ補正などを施こす。
【0051】
画像処理部57からの画像データは、画像データI/F56へと送られる。画像データI/F56は、4つのレーザドライバ32a,32b,32c,32dへ画像データを振り分ける役割を果たしている。
【0052】
同期回路55は、各ビーム光のビーム光検知部38上を通過するタイミングに同期したクロックを発生し、このクロックに同期して、画像データI/F56から各レーザドライバ32a,32b,32c,32dへ、画像データをレーザ変調信号として送出する。
【0053】
また、同期回路55は、非画像領域で各レーザ発振器31a,31b,31c,31dを強制的に発光動作させ、各ビーム光のパワーを制御するためのサンプルタイマや、ビーム光検知部38上を各ビームが走査するときにレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させ各ビーム光の主走査方向位置を検知するための論理回路などが含まれている。
【0054】
このようにして、各ビーム光の走査と同期を取りながら画像データを転送することで、主走査方向に同期がとれた(正しい位置への)画像形成が行われるものである。
【0055】
コントロールパネル53は、複写動作の起動や、枚数設定などを行うマンマシンインタフェースである。
【0056】
本デジタル複写機は、複写動作のみでなく、ページメモリ58に接続された外部I/F59を介して外部から入力される画像データをも画像形成できる構成となっている。なお、外部I/F59から入力される画像データは、一旦ページメモリ58に格納された後、画像データI/F56を介して同期回路55へ送られる。
【0057】
また、本デジタル複写機が、たとえば、ネットワークなどを介して外部から制御される場合には、外部通信I/F54がコントロールパネル53の役割を果たす。
【0058】
ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dは、主制御部51からの指示値にしたがってガルバノミラー33b,33c,33dを駆動する回路である。したがって、主制御部51は、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dを介して、ガルバノミラー33b,33c,33dの各角度を自由に制御することができる。
【0059】
ポリゴンモータドライバ37は、先に述べた4つのビーム光を走査するポリゴンミラー35を回転させるためのポリゴンモータ36を駆動するドライバである。主制御部51は、このポリゴンモータドライバ37に対し、回転開始、停止と回転数の切換えを行うことができる。ビーム光検知部38によりビーム光の通過位置を確認する際、ポリゴンモータ36は画像形成時より低い回転数で回転される。
【0060】
レーザドライバ32a,32b,32c,32dは先に説明したように、画像データにしたがってレーザ光を発光させる以外に、主制御部51からの強制発光信号により、画像データとは無関係に強制的にレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させる機能を持っている。
【0061】
また、主制御部51は、それぞれのレーザ発振器31a,31b,31c,31dが発光するビームのパワーを、各レーザドライバ32a,32b,32c,32dを用いて設定する。発光パワーの設定は、プロセス条件の変化や、ビーム光の通過位置検知などに応じて変更される。
【0062】
メモリ52は、制御に必要な情報を記憶するためのものである。このメモリ52には、たとえば、各ガルバノミラー33b,33c,33dの制御量、ビーム光の通過位置を検知するための処理回路の種々の特性(例えば、増幅器のオフセット値など)、および、ビーム光の到来順序などが記憶される。このメモリ52に記憶された値により、例えば、電源投入後の制御動作をできるだけ即座に行えるようになっている。
【0063】
次に、ビーム光走査装置の第1の動作例について説明する。
【0064】
第1の動作例では、1本のビーム光を用いて走査を行うシングルビーム光学系を有したビーム光走査装置におけるビーム光の通過位置検知および制御について説明する。
【0065】
図4は、ビーム光検知部38の構成とビーム光の走査方向の関係を示している。1つの半導体レーザ発振器からのビーム光は、左から右へとポリゴンミラー35の回転によって走査され、ビーム光検知部38上を横切る。
【0066】
ビーム光検知部38は、縦に長い2つのセンサSL,SQ、これらの2つのセンサL,SQの間に挟まれるように配設された一対のセンサ(センサパターン)SP,SO、および、これら各センサを一体的に保持する保持基板から構成されている。
【0067】
センサSLは、ビーム光の通過を検知して、後述する積分器のリセット信号(積分開始信号)を発生するセンサである。このリセット信号は、積分コンデンサに充電された電荷を基準電圧まで放電させるための信号で、リセットが終了すると同時に積分動作が開始される。
【0068】
センサSQは、センサSLと同様にビーム光の通過を検知して、後述するアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換器(A/D変換器やウィンドウコンパレータ)の変換開始信号を発生するセンサである。ここに、A/D変換器の場合はA/D変換開始信号として、また、ウィンドウコンパレータの場合はコンパレータ出力を保持するタイミング信号として使用される。
【0069】
一対のセンサSP,SOはビーム光の通過位置を検知するための対のパターンである。センサSPのパターン及びセンサSOのパターンは、それぞれ複数の三角形あるいは台形で形成されている。複数の三角形あるいは台形で形成されるセンサSP及びセンサSOは、各三角形あるいは台形がそれぞれ対となるように配置される。例えば、センサSP及びセンサSOは、それぞれのこぎり歯状の形状で形成され、交互に噛み合うような形で所定の間隔をおいて配置されている。
【0070】
図4に示す例では、上記センサSPを形成する複数の三角形あるいは台形状のパターンをそれぞれセンサパターンSP1〜SP5とする。また、上記センサSOを形成する複数の三角形あるいは台形状のパターンをそれぞれセンサパターンSO1〜SO5とする。すると、上記センサSPの各センサパターンSP1〜SP5は、上記センサSOの各センサパターンSO1〜SO5とそれぞれ対になるように組み合わせて配置されている。
【0071】
図4に示すように、上記センサパターンSP1は、ビーム光の通過位置が図面に対して上方向に行くほど、ビーム光がセンサパターンSP1を横切る(通過する)距離が長くなる形状となっている。また、上記センサパターンSO1は、ビーム光の通過位置が図面に対して下方向に行くほど、ビーム光がセンサパターンSO1を横切る距離が長くなる形状となっている。
【0072】
すなわち、ビーム光の走査する方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)の通過位置変化に対して、一方のセンサパターンSP1(またはSO1)の出力が増加方向に連続的に変化し、他方のセンサパターンSO1(またはSP1)の出力が減少方向に連続的に変化する。
【0073】
これらのセンサSP,SOは、フォトダイオードなどの光検知部材によって構成され、保持基板上に一体的に構成されている。よって、ビーム光の通過に伴って(図4では、左から右にビームは移動する)、センサパターンSP1,SO1,SP2,SO2,SP3,SO3,SP4,SO4,SP5,SO5の順に光が検知され、センサSP及びセンサSOから検知出力が出力される。
【0074】
図5は、図4に示したビーム光検知部38を用いた場合のビーム光検知部出力処理回路40の主要部(副走査方向のビーム位置検知部)を示すブロック図である。
【0075】
図5に示すように、ビーム光検知部出力処理回路40の主要部は、センサSP及びセンサSOの検知出力の差を演算する。さらに、ビーム光検知部出力処理回路40は、センサSP、SOの検知出力の差を積分器62によって積分する。この積分器62により積分した結果(積分出力)がウィンドウコンパレータCMP1及びCMP2等を介して主制御部(CPU)51に供給されるようになっている。
【0076】
以下に、ビーム光検知部出力処理回路40の主要部について詳細に説明する。ここでは、1本のビーム光に対する検知動作について説明する。
【0077】
センサSP及びセンサSOは、ビーム光の通過に伴って電流を出力する。センサSP及びセンサSOはそれぞれ電流/電圧変換アンプIV1,IV2に接続されており、センサSP、SOの電流出力は電圧出力に変換される。
【0078】
電流/電圧変換アンプ(IV1,IV2)の出力は差動増幅器61に接続されており、差分を演算し適当なゲインで増幅された後に積分器62によって積分される。
【0079】
積分器62は、積分コンデンサに電荷を貯めて積分出力として出力するため、使用する前に、積分コンデンサに貯まった電荷を放電させる動作が必要である(以下、この動作を積分のリセットとする。)。
【0080】
積分のリセット動作は、ビーム光検知部に設けられたセンサの出力の組合せによって生成されるリセット信号によって実行される。このリセット信号は、センサSA(図示しない)とセンサSLから、リセット信号生成回路63によって生成される。
【0081】
すなわち、ビーム光の通過に伴い、センサSA,SLの出力信号が出力され、センサSAとSL間に積分器62はリセットされる。そしてリセット直後にセンサパターンSP,SOの出力信号が出力され、積分される。
【0082】
積分器62の出力信号は、ウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)に入力される。ウィンドウコンパレータ(CMP1、CMP2)は、積分器62の出力信号(アナログ電圧)と主制御部(CPU)51から与えられる閾値としての電圧値とを比較する。
【0083】
このウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)による比較結果はフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)に入力され保持される。フリップフロップ回路(F/F1,F/F2)にはセンサパターンSQから出力されるパルス状の信号が入力され、SQの出力タイミング(パルス信号の立上り)でウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)の出力を保持する。
【0084】
フリップフロップ回路(F/F1,F/F2)の出力はCPU64に送信される。CPU51には、ビーム検知部38上の図示しないタイミングセンサSRの出力信号が割り込み信号として接続されている。これにより、上記CPU51は、このタイミングセンサSRの出力信号が出力される(割り込み信号を受信する)毎にフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)のデータを読取る。
【0085】
次に、上記ウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)の動作について詳細に説明する。
【0086】
図5に示すように、積分器62の出力は、コンパレータCMP1の反転入力部及びコンパレータCMP2の非反転入力部に供給される。コンパレータCMP1の非反転入力部にはD/A変換器(D/A1)を介して主制御部51に接続される。コンパレータCMP2の反転入力部はD/A変換器(D/A2)を介して主制御部51に接続される。
【0087】
CPU51は、D/A変換器(D/A1)を介して、ウィンドウコンパレータCMP1の非反転入力部に閾値Vth1を供給する。これと共に、CPU51は、D/A変換器(D/A2)を介して、ウィンドウコンパレータCMP2の反転入力部に閾値Vth2を供給する。なお、ここでは、閾値Vth1>閾値Vth2とする。
【0088】
コンパレータCMP1及びCMP2は、積分器62の出力電圧が閾値Vth1より小さく、かつ、閾値Vth2より大きい場合にのみ、共に”1”を出力する。ウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力、つまりフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)の出力が”1,1”のとき、CPU51は、閾値Vth1〜Vth2の範囲(ウインドウ)内に積分器62の出力が存在すると判断する。CPU51は、前記ウインドウの幅を徐々に狭め位置を変更することにより、積分器62の出力電圧、つまりビーム光通過位置情報を正確に判断する。主制御部51は、このようにして得たビーム光通過位置情報に基づきビーム光の通過位置を制御する。
【0089】
なお、図5では省略してあるが、各センサSO、SPの出力電流を電圧値に変換する電流/電圧変換増幅器や、電流/電圧変換増幅器の出力を2値化する2値化回路などの信号処理回路が実際には設けられている。
【0090】
次に、ビーム光が図4に示したビーム光検知部38を通過する際の処理動作について図5を参照して説明する。
【0091】
ビーム光は、ポリゴンミラー35によって図示した矢印方向に走査される。各センサSL,SP,SO,SQは、ビーム光の通過に伴って電流を発生する。センサSLから出力された電流は、電流/電圧変換増幅器(図示せず)によって電圧値に変換され、さらに2値化回路(図示せず)によって2値化される。2値化された信号は、リセット信号生成回路63に入力される。リセット信号生成回路63は、2値化された信号と、図示しないSAセンサの出力信号とを合成してリセット信号を生成する。このリセット信号は、積分器62のリセット信号として入力され、積分器62がリセットされる。また、このリセット信号は、フリップフロップ回路F/F1、F/F2のクリア信号も兼ねており、フリップフロップ回路F/F1、F/F2をクリアする。
【0092】
ビーム光がセンサSP,SOを通過すると、センサSP,SOはビーム光が走査する位置に応じたパルス状の電流を出力する。これらの出力電流は電流/電圧変換アンプ(IV1,IV2)によって電圧値に変換される。電圧に変換された信号の差分は差動増幅器61によって増幅され、積分器62によって積分される。積分器62の出力は、アナログ/デジタル変換器として機能するウィンドウコンパレータCMP1,CMP2に入力され、D/A変換器(D/A1,D/A2)を介して設定された閾値と比較され、デジタル信号に変換される。
【0093】
さらに、ビーム光がセンサSQを通過すると、センサSQの出力電流が電流/電圧変換増幅器(図示しない)によって電圧値に変換され、その後、2値化回路によって2値化される。2値化された信号は、フリップフロップ回路F/F1、F/F2に入力される。ウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力は、2値化された信号の前縁(立上り)でフリップフロップ回路F/F1、F/F2によって保持される。
【0094】
また、図示しないセンサSRからの信号は、主制御部51に割込み信号として入力されている。この信号によって主制御部51はウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力、つまりフリップフロップ回路F/F1、F/F2の出力を読込む。
【0095】
次に、ビーム光の通過位置がP2の場合について説明する。
【0096】
図6は、ビーム光がSPとSOの副走査方向のほぼセンター位置(P2)を通過する場合の処理回路の各部の信号を示した図である。
【0097】
図6に示すように、ビーム光の通過位置は、センサSP,及びセンサSOのほぼセンター位置P2である。このため、ビーム光がセンサSPを構成する各センサパターンSP1〜SP5を通過する距離と,センサSOを構成する各センサパターンSO1〜SO5を通過する距離とは等しい。すなわち、電流/電圧変換アンプI/V1,I/V2からの出力は、パルス幅のほぼ等しい位相のずれた信号となって出力される。
【0098】
電流/電圧変換アンプI/V1,I/V2の出力は、差動増幅器61によってその差分を演算され、所定のゲインで増幅された出力となる。差動増幅器61の出力は、積分器62によって積分される。差動増幅器61の出力は、(SP1とSO1),(SP2とSO2),(SP3とSO3),(SP4とSO4),(SP5とSO5)といった組合せで積分されるような形となる。これにより、積分器62からの出力信号は、最終的に、処理回路の基準電圧(Vref)と同じ値になる。
【0099】
すなわち、ビーム光の通過位置がP2の場合、差動増幅器61の出力は、振幅が等しく、方向が逆の信号となるため、その積分結果が基準電圧に対して±0となる。
【0100】
図7は、ビーム光がセンサSP,及びセンサSOのセンター位置P2よりも下側の位置P3を通過した場合の処理回路の各部の信号を示した図である。
【0101】
この場合、図7に示すように、ビーム光の通過位置は、センサSP,及びセンサSOのほぼセンター位置P2よりも下側の位置P3である。このため、ビーム光がセンサSPを構成する各センサパターンSP1〜SP5通過する距離よりも,センサSOを構成する各センサパターンSO1〜SO5を通過する距離の方が長くなる。
【0102】
よって、それぞれの電流/電圧変換アンプI/Vの出力は、電流/電圧変換アンプI/V2の方がパルス幅の長い信号となる。よって差動増幅器61の出力も図示した信号となる。差動増幅器61の出力は、積分器62によって、図6の場合と同様に、(SP1とSO1),(SP2とSO2),(SP3とSO3),(SP4とSO4),(SP5とSO5)のペアで積分されるような形となる。これにより、積分器62からの出力信号は、差動増幅器61の出力に応じて増減を繰り返しながら、最終的に、−VP3となり、基準電圧Vrefよりも下側に出力される。
【0103】
また、ビーム光の通過位置が上記センター位置P2よりも上側の位置P1である場合、図7に示すような下側の位置P3の場合と逆の積分結果が得られる。つまり、ビーム光の通過位置が上側の位置P1である場合、積分器62からの出力信号は、最終的に、+VP3となり、基準電圧Vrefよりも上側に出力される。
【0104】
従って、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンサSP、及びセンサSOのセンター位置P1の場合に基準電圧Vrefを出力する。また、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも上側の位置P1の場合に、基準電圧Vrefよりも大きい値を出力する。また、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも下側の位置P3の場合には、基準電圧Vrefよりも小さい値を出力する。
【0105】
このように、センサSP,及びセンサSOの出力の差分信号を積分することによってビーム光の通過位置を検知することができる。
【0106】
また、図8及び図9は、センサSP及びセンサSOを構成するのこぎり歯状のセンサパターンがビーム径よりも充分に小さい場合の例を示す。例えば、図8に示すように、ビーム光の通過位置がセンター位置P1の場合、図6に示す場合と同様に、ビーム光検知部出力処理回路40は、基準電圧Vrefを出力する。また、図9に示すように、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも下側の位置P3の場合、図7に示す場合と同様に、ビーム光検知部出力処理回路40は、基準電圧Vrefよりも小さい値を出力する。
【0107】
なお、図8及び図9に示すような場合も、ビーム光検知部出力処理回路40における動作は、図6及び図7に示す場合と同様であるため、詳細な動作の説明を省略する。
【0108】
図10は、ビーム光によるセンサSP及びセンサSOの走査位置と積分器62の出力値の関係を示す図である。図10に示すように、センサSP及びセンサSOのビーム光の走査位置が中心よりもずれるにしたがって、上記積分器62の出力が基準電圧Vrefからずれる。すなわち、積分器62の出力と基準電圧Vrefと比較することにより、ビーム光の走査位置が中心からどのようにずれているかが判別できる。
【0109】
次に、ビーム光走査装置の第2の動作例について説明する。
【0110】
この第2の動作例では、複数本(たとえば、4本)のビーム光を用いて走査を行うマルチビーム光学系を有したビーム光走査装置の動作例である。各ビーム光に対する通過位置検知および制御の原理は、前述した第1の動作例と同様であるので、説明を省略する。
【0111】
ここでは、図4のビーム光検知部38を使用したマルチビーム光の通過位置制御について説明する。マルチビーム光学系は、4つのレーザ発振器を有し、それぞれのビーム光を副走査方向に移動させるための4つのアクチュエータ(本例ではガルバノミラー)を有する4ビームのマルチビーム光学系を想定して説明する。また、本マルチビーム光学系は、たとえば、600dpiの解像度を有するものとする。
【0112】
前述した第1の動作例で説明したように、ビーム光検知部38は図7のような検知特性を有する。積分出力は、およそ|VU−VL|/H=Vunit[V/μm]であるので、4ビームのピッチを解像度600dpiに調整するためには、隣接ビーム光の積分出力の差がおよそVunit×42.3[V]となるように、ガルバノミラーを調整すればよい。
【0113】
たとえば、第1のビーム光の通過目標位置をP2に設定する場合には、まず、第1のレーザ発振器を発光させ、ポリゴンミラーを回転させる。そして、センサパターン内をビーム光が通過するように、第1のビーム光用のガルバノミラーを動作させる。センサパターン内をビーム光が通過するようになったら、積分出力がVrefとなるように、ガルバノミラーを使用して、第1のビーム光の通過位置を調整する。
【0114】
次に、第2のビーム光の通過位置の調整を行う。まず、第2のレーザ発振器を発光させ、ポリゴンミラーを回転させる。そして、第1のビーム光と同様に、センサパターン内をビーム光が通過するように、第2のビーム光用のガルバノミラーを動作させる。その後、積分出力がVref−Vunit×42.3[V]となるように、第2のビーム光用のガルバノミラーを使用して、第2のビーム光の通過位置を調整する。
【0115】
このような動作によって、第1のビーム光と第2のビーム光の通過位置のピッチは、42.3[μm]に制御される。以下同様に、第3、第4のビーム光も隣接ビーム光の積分出力の差が42.3[μm]に相当するVunit×42.3[V]となるように、それぞれのガルバノミラーを調整する。
【0116】
以上の動作によって、4つのビーム光の通過位置は、例えば、42.3[μm]ピッチ等の所定の間隔に制御される。
【0117】
次に、ビーム光走査装置の第3の動作例について説明する。
【0118】
この第3の動作例では、前述した第2の動作例と同様、マルチビーム光学系を有したビーム光走査装置の動作例である。この第3の動作例では、複数のビーム光のうちの少なくとも1つは固定され、この固定ビーム光の通過位置を基準にして、残りのビーム光の通過位置を所定のピッチに制御(相対位置制御)する。
【0119】
図11は、ビーム光検知部38の構成例を示している。このビーム光検知部38は、ビーム光の走査方向と直交する方向に長い形状のセンサSA,SB,SG,SL,SQ,SR,ビーム光の走査方向に長い形状のセンサSI,SJ,SK、前記第1、第2の動作例で説明したセンサパターンと同様に構成されるセンサSP,SOが、保持基板38a上に構成されている。
【0120】
図11では、2つのセンサSA,SLの各出力で積分器62のリセット信号を生成する。さらに、図11では、積分出力をアナログ信号からデジタル信号に変換する変換開始タイミング信号をセンサSQの出力信号で、主制御部51への読込みタイミング信号をセンサSRの出力信号で行う。
【0121】
一方、センサSI,SJ,SKは、各ビーム光間の副走査方向の間隔を調整するためのセンサである。センサSI,SJ,SKは、保持基板38a上の副走査方向のほぼ中央部に配設されており、副走査方向に42.3[μm]のピッチ(解像度600dpi)で平行に配列されている。センサSJ及びSK間のギャップG1の副走査方向位置は第1の通過目標である。センサSJ及びSKはビーム光が該第1の通過目標を通過していることを確認するためのものである。また、センサSI及びSJ間のギャップG2の副走査方向位置は第2の通過目標である。センサSI及びSJはビーム光が該第2の通過目標を通過していることを確認するためのものである。
【0122】
また、センサSD,SE、センサSM,SNは、走査されるビーム光のビーム光検知部38に対する相対的な傾きを検知するためのパターンである。センサSDとSEおよびSMとSNは、それぞれ上下に配設されてペアを組んでいて、センサSDとSE、SMとSNの中心位置は同一直線上である。
【0123】
さらに、ビーム光検知部38には、補正用パルスを生成するためのタイミングセンサSSが設けられている。
【0124】
図12は、図11のようなビーム光検知部38を用いた場合のビーム光検知部出力処理回路40の構成と、図2及び図3に示すビーム光検知部出力処理回路40の周辺部の構成を示している。
【0125】
センサSO,SPの各出力信号は、それぞれ差動増幅器70の各入力端子に入力される。センサSI,SJの各出力信号は、それぞれ差動増幅器71の各入力端子に入力される。センサSJ,SKの各出力信号は、それぞれ差動増幅器72の各入力端子に入力される。なお、主制御部(CPU)51は差動増幅器70,71,72の増幅率を設定できる。
【0126】
差動増幅器70,71,72の各出力信号は、それぞれ選択回路(アナログスイッチ)73に送られる。選択回路73は、主制御部51からのセンサ選択信号により、積分器74へ入力する信号を該出力信号から1つ選択する。選択回路73により選択された信号は、積分器74に入力されて積分される。
【0127】
積分器74の出力信号は、ウィンドウコンパレータ75に入力される。ウィンドウコンパレータ75は、積分器74の積分出力(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものである。このウィンドウコンパレータ75は、主制御部51からD/A変換器76を介して閾値が設定される。上記D/A変換器76は、2つのD/A変換器(D/A1、D/A2)により構成される。
【0128】
上記ウィンドウコンパレータ75の出力は、フリップフロップ回路(F/F)77に送られる。フリップフロップ回路(F/F)77は、ウィンドウコンパレータ75の出力を保持する。フリップフロップ回路77の出力は、主制御部51に送られる。
【0129】
センサSAの出力信号は、クリア信号としてフリップフロップ回路77に送られる。センサSA,SH,SLの各出力信号は、それぞれリセット信号生成回路78に送られる。リセット信号生成回路78は、主制御部51からの選択信号に応答してセンサSA,SH,SLの出力信号からリセット信号を発生し、積分器74をリセットする。積分器74は該リセット信号によりリセットされた後、積分動作を開始する。
【0130】
センサSL,SQの各出力信号は、それぞれ変換開始信号回路79に送られる。変換開始信号79は、主制御部51からの選択信号に応答して、センサSL,SQの出力信号の一方を選択し、その選択した信号を変換開始信号としてフリップフロップ回路77に送る。センサSRの出力信号は、割込み信号として主制御部51に送られる。
【0131】
主制御部51は、センサSRからの割込み信号を受信した後、フリップフロップ回路77の出力を読込むことにより、最新のビーム光通過位置情報を得る。そして、主制御部51は、このようにして得たビーム光通過位置情報に基づき、ガルバノミラー33b,33c,33dの制御量を演算し、その演算結果を必要に応じてメモリ52に記憶するとともに、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dへ送出する。
【0132】
ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dには、上記演算結果を保持するためのラッチ44b,44c,44dが設けられており、主制御部51が一旦データを書込むと、次にデータを更新するまでは、その値を保持する。
【0133】
ラッチ44b,44c,44dに保持されているデータは、D/A変換器45b,45c,45dによりアナログ信号(電圧)に変換され、ガルバノミラー33b,33c,33dを駆動するためのドライバ46b,46c,46dに入力される。ドライバ46b,46c,46dは、D/A変換器45b,45c,45dから入力されたアナログ信号(電圧)にしたがってガルバノミラー33b,33c,33dを駆動制御する。
【0134】
したがって、第3の動作例では制御対象のビーム光を発生する半導体レーザ発振器を発光動作させ、ウィンドウコンパレータ75の出力を読込み、その読込んだ情報に基づきガルバノミラー33b,33c,33dを制御することで、ビーム光の通過位置を制御することができる。
【0135】
なお、図12では省略してあるが、各センサの出力電流を電圧値に変換する電流/電圧変換増幅器や、電流/電圧変換増幅器の出力を2値化する2値化回路などの信号処理回路が設けられている。
【0136】
図12の構成において、センサSPとSOを用いてビーム光の通過位置検知および制御を行う場合、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSPとセンサSOを選択する。
【0137】
同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、積分器74のリセット信号とデジタル/アナログ変換開始信号を発生する。この場合、積分器74のリセット信号はセンサSAの出力の前縁で立ち上がり、センサSHの出力の後縁で立ち下がる。変換開始信号はセンサSLの出力信号から発生される。
【0138】
センサSIとセンサSJ、又はセンサSJとセンサSKを用いてビーム光の通過位置検知および制御を行う場合、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器72又は差動増幅器71を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSIとセンサSJ、センサSJとセンサSKのいずれかのペアを選択する。
【0139】
同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、積分器74のリセット信号とデジタル/アナログ変換開始信号を発生する。この場合、積分器74のリセット信号はセンサSAの出力の前縁で立ち上がり、センサSLの出力の後縁で立ち下がる。変換開始信号はセンサSQの出力信号から発生される。
【0140】
また、いずれのセンサが選択されても、センサSRの信号出力タイミングで、フリップフロップ回路77に保持された積分器74の積分出力は、主制御部51に読込まれる。
【0141】
なお、既に述べたように、4つのビーム光のうち1つのビーム光は固定されているため、残りの3つのビーム光を副走査方向に移動するガルバノミラーは3つである。すなわち、第2、第3、第4のビーム光用のガルバノミラーは、それぞれ、33b,33c,33dである。
【0142】
さらに図12に示す回路は、差動増幅器70の前段に差動増幅器102及び103が設けられ、さらに、補正用パルスを生成するためのタイミングセンサSS、及び補正パルス生成回路101が設けられている。
【0143】
また、図12に示す回路において、補正パルス生成回路101には、主制御部51と、タイミングセンサSS及びタイミングセンサSQとが接続され、差動増幅器102及び差動増幅器103には、それぞれセンサパターンSOあるいはSPが接続されているものである。
【0144】
図12に示す回路では、まず、ビーム光の位置に基づく積分器74の出力が主制御部51に入力される。これにより、主制御部51は、積分器74の出力に基づいて補正の必要性を判断する。この判断により補正の必要があると判断した場合、主制御部51は、補正対象とするセンサSOあるいはSPを選択するとともに、補正量として補正パルスの値を示す指示値を設定する。この際、主制御部51は、補正制御を行う旨を示す制御実行信号と、補正対象とするセンサを示すセンサ選択信号と、補正パルスの値を示す指示値とを補正パルス生成回路101へ出力する。また、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するように制御信号を送信する。
【0145】
補正パルス生成回路101は、主制御部51からのセンサ選択信号により選択されたセンサSO(あるいはSP)に接続されている差動増幅器102(あるいは103)にCPU51により指示された電圧値の補正パルスを設定する。この際、センサ選択信号により選択されていないセンサSP(あるいはSO)に接続されている差動増幅器103(あるいは102)には、補正パルスは基準電圧に設定される。上記補正パルスは、タイミングセンサSSがビーム光を検知したタイミングで上記差動増幅器102、103に供給される。
【0146】
このような補正パルスが供給された差動増幅器102及び103では、それぞれセンサSO、SPからの出力信号を入力した際に、補正パルスとセンサSO、SPとの差を差動増幅器70に供給する。これにより、差動増幅器70には、それぞれセンサSO、SPからの出力信号が主制御部51が設定した値で補正された状態で入力される。
【0147】
次に、図13に示すフローチャートを参照して、第3の動作例に係るマルチビーム光学系のビーム光相対位置制御について説明する。図13のフローチャートでは、図12に示すように構成された回路における動作を示している。
【0148】
まず、主制御部51は、固定ビーム光のレーザを所定の値で発光させる(ステップS1)。主制御部51は、たとえば、第1のレーザドライバ32aに所定の指示値を送り、第1のレーザ発振器31aを所定のパワーで発光させる。これにより、主制御部51は、第1のビーム光を出力する。ここでは、すでにポリゴンミラーモータは回転しているものとする。
【0149】
続いて主制御部51は、補正値としての指示値を選択して補正パルス生成回路101へ送る。
【0150】
同時に、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサパターンSPとセンサパターンSOとの差動出力を積分器74に送る。
【0151】
同様に、主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送信する。これにより、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本ステップによって、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0152】
ビーム光検知部出力処理回路40は、センサSO及びSPを有するビーム光検知部38により検知された固定ビームの通過位置に応じた出力信号をCPU51に出力する。CPU51は、ビーム光検知部出力処理回路40に供給した指示値により決定される補正値に基づく検知特性を判断する。この判断により判断した指示値に対応する検知特性とビーム光検知部出力処理回路40からの出力信号とに基づいて、CPU51は、固定ビームの通過位置を検知する。この検知された固定ビームの通過位置は、CPU51によりメモリ52に記録される(ステップS2)。
【0153】
以下のステップは、本ステップS2で検知した第1のビーム光の通過位置を基準として、その他の3つのビーム光の通過位置が所定のピッチ(例えば42.3μm)になるよう制御する。
【0154】
続いて主制御部51は、移動可能な第2のビーム光を所定のパワーで発光させる(ステップS3)。たとえば、主制御部51は、第2のレーザドライバ32bに所定の指示値を送り、第2のレーザ発振器31bを所定のパワーで発光させる。
【0155】
主制御部51は、上記同様に、適当な指示値を選択し、その指示値に基づいた検知特性により、センサSPとSOとの差分出力をモニタしている。このため、主制御部51は、第2のビーム光の通過位置を把握することができる。主制御部51は、センサSPとセンサSOの検知領域内を前記第2のビーム光が通過するように、ガルバノミラー33bを動作させる(ステップS4)。その後、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの中心近傍を第2のビーム光が通過するように、ガルバノミラー33bを動作させる。なお、本ステップのビーム光通過位置調整には微細な精度は要求されない。
【0156】
続いて主制御部51は、ステップS4で粗調整した第2のビーム光を、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるように制御する(ステップS5)。各センサSI,SJ,SPは、センサSPとセンサSOのほぼ中心位置に配置されている。したがって、主制御部51は、ビーム光の通過位置を大きく変化させることなしに(さらに、時間を要することなく)、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御することができる。以下、ステップS5の処理を詳細に説明する。
【0157】
まず、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器71を選択するための選択信号を送ることにより、センサSKとセンサSJとの差動出力を積分器74に入力する。同様に、主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSKとセンサSJとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本設定によって、主制御部51は、センサSKとセンサSJとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0158】
続いて主制御部51は、第2のビーム光用のガルバノミラー33bを動作させて、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に第2のビーム光の通過位置を制御する。ガルバノミラー33bを動作させるためには、まず、主制御部51は、D/A変換器45bに指示値をセットする。D/A変換器45bによってアナログ化された信号はドライバ46bに入力され、ドライバ46bはD/A変換値に応じた電流をガルバノミラー33bに出力する。ガルバノミラー33bは、ドライバ46bの出力電流値に応じて動作する。したがって、主制御部51は、D/A変換器45bへの指示値を変更することによって、第2のビーム光の通過位置を変更することができる。
【0159】
続いて主制御部51は、ステップS5におけるガルバノミラー33bの設定を保持したまま、再度、センサSPとセンサSOとの差分出力を読込む。この際、主制御部51は、補正なしを選択し、ビーム光の位置を検知する。これは、センサSI、SK、SJは、センサSP、SOのほぼセンター位置に配置されているため、補正が必要ないからである。このような位置検知によりビーム光がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御されると、主制御部51は、この時の処理回路40の出力値(POKJ)をメモリ52に記憶する(ステップS6)。このPOKJは、ビーム光の通過位置がセンサSKとセンサSJとのギャップの中心位置であることを示す処理回路40の出力値となる。
【0160】
続いて主制御部51は、ステップS6でセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御された第2のビーム光を、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置に制御する(ステップS7)。
【0161】
まず、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器72を選択するための選択信号を送ることにより、センサSJとセンサSIとの差動出力を積分器42に入力する。同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78、変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSJとセンサSIとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本設定によって、主制御部51は、センサSJとセンサSIとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0162】
続いて主制御部51は、第2のビーム光用のガルバノミラー33bを動作させて、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置に第2のビーム光の通過位置をステップS5と同様に制御する。
【0163】
続いて主制御部51は、第2のビーム光がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置を通過しているとき、再度、センサSPとセンサSOとの差分出力を読込む。この際、主制御部51は、D/A値として補正なしを選択し、ビーム光の位置を検知する。これは、センサSI、SK、センサSJは、センサSP、SOのほぼセンター位置に配置されているため、補正が必要ないからである。このような位置検知によりビーム光がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置に制御されると、主制御部51は、この時の処理回路40の出力値(POJI)をメモリ52に記憶する(ステップS8)。このPOJIは、ビーム光の通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置であることを示す処理回路40の出力値となる。
【0164】
続いて主制御部51は、ステップS6でメモリ52に記憶した値POKJと、ステップS8でメモリ52に記憶した値POJIとの差を演算する(ステップS9)。センサSKとセンサSJの中心位置とセンサSJとセンサSIの中心位置との間のピッチは、42.3μmである。このため、ステップS5(ステップS6)からステップS7(ステップS8)にビーム光を移動させた場合の移動距離は42.3μmに相当する。したがって、本ステップS9で演算したPOKJとPOJIとの差は、センサSPとセンサSOとの差分出力の差で、第2のビーム光の移動距離(42.3μm)に相当する値である。
【0165】
また、第3の動作例では、CPU51により設定された指示値に対応する検知特性を用いてビーム光の位置を検知するようにしている。このため、第1のビーム光と第2のビーム光との相対的な距離を所定のピッチ(42.3μm)にするには、上記ステップS2で選択された検知特性に基づいて第2のビーム光の位置を制御しなければならない。
【0166】
つまり、上記ステップS2で選択した指示値を設定した状態で、第2のビーム光による出力が、(上記ステップ2でメモリ52に記憶した値)−(POKJ−POJI)となるように制御する。これにより、固定ビーム光(第1のビーム光)の通過位置と移動可能な第2のビーム光の通過位置とが所定のピッチ(42.3μm)に制御される。本ステップの処理では、センサSPとセンサSOとの差分出力を使用する。
【0167】
固定ビーム光である第1のビーム光の通過位置は、ステップS2で検知され、メモリ52に記憶されている。主制御部51は、移動可能な第2のビーム光の通過位置が第1のビーム光に対して42.3μmのピッチとなるように、ガルバノミラー33bを動作させ、第2のビーム光の通過位置を制御する。
【0168】
すなわち、主制御部51は、まず、ステップS2と同様なD/A値を処理回路40に設定して第2のビーム光を発光させる。そして、主制御部51は、第2のビーム光の通過位置を表わす処理回路40の出力値が、ステップS2でメモリ52に記憶した値からステップS9で求めた値(POKJ−POJI)を引いた値に一致するように、第2のビーム光の通過位置を変更する(ステップS10)。
【0169】
以上説明した動作によって、第1のビーム光と第2のビーム光の通過位置は42.3μmのピッチに制御される。また、第3、第4のビーム光についても、上記同様な動作を行うことにより、各ビーム光は42.3μmのピッチに制御される。
【0170】
以上が、マルチビーム光学系を有するビーム光走査装置におけるビーム光の相対位置検知の仕組みである。
【0171】
次に、このような構成において第1の実施例について説明する。
【0172】
図14は、図11にある基準ピッチのセンサSI,SJ,SKと相対位置のセンサSO,SPと相対位置のセンサ出力とを示したものである。
【0173】
センサSI,SJ,SKは、相対位置検知制御の説明で述べているように、ビーム光の通過位置検知及び制御に用いる。
【0174】
ビーム光の通過位置を検知する場合、センサSI,SJ,SKから、センサSK,SJ、センサSJ,SIのいずれかの組合せを主制御部51で選択し、ビームaがセンサ上を走査した際に出力される電流を1/V変換し、それぞれの差分出力を得ることによってビーム位置を検知することが出来る。
【0175】
相対位置制御は、まず、図14に示すようにセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に可動ビームaの通過位置を制御し、そのときのセンサSO,SPの差をとり、その差分を積分した値(電圧V1)を記憶する。
【0176】
続いて同様に、図15に示すようにセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置に可動ビームaの通過位置を制御し、そのときのセンサSPとセンサSOとの差をとり、その差分を積分した値(電圧V2)を記憶する。
【0177】
図16に示すように、V1−V2が印字したい解像度になるよう、例えば、600dpiの場合に42.3μmの定数倍となる間隔に追い込んだときの電圧はVl−V2になる。
【0178】
しかし、センサSPとセンサSOとの出力までの構成は、複数のオペアンプを有し、各センサが検知した電気信号の差を積分器により積分するような回路構成になっている。オペアンプはオフセットの要因を持っており、図17に示すように、オフセットが有る場合のセンサSPとセンサSOとは、感度を良くするために測定レンジが狭くなっているため、図18に示すようにビーム位置が測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行う。
【0179】
また、図19に示すように、オフセットが逆方向(図上)にある場合も同様に図20に示すようにビーム位置が測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行う。
【0180】
ここで、従来の制御動作を図21のフローチャートを参照して説明する。
【0181】
まず、主制御部51は、上述したように固定ビームの初期化を行い(S11)、固定ビームの水平同期信号を確認し(S12)、続いて可動ビームの初期化を行い(S13)、可動ビームの出力信号を確認し(S14)、センサSK,センサSJ,センサSIとセンサSP,センサSOとのオフセットを測定する(S15)。
【0182】
続いて、主制御部51は、可動ビームを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S16)、センサSPとセンサSOでビーム位置が測定できるところまで補正を行ってからセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S17)、可動ビームを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S18)、センサSPとセンサSOでビーム位置が測定できるところまで補正を行ってからセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S19)。
【0183】
そして、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S20)、相対位置制御を行う(S21)。
【0184】
このような従来の制御方法の場合、可動ビームaの通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置、あるいはセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御しても、ビーム位置が測定できるところまで補正を行っている間にガルバノミラーのドリフトや経時変化等により、実際に測定、制御したい位置から可動ビームがずれて正確な測定、制御が出来ないという問題があった。
【0185】
そこで、本第1の実施例における制御動作を図22のフローチャートを参照して説明する。
【0186】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0187】
主制御部51は、ステップS15に続いて、可動ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S31)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定する(S32)。その際、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に追い込みながら、随時センサSPとセンサSOの差分出力も測定する。
【0188】
図23は、第1の実施例におけるセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームaを追い込んでいく過程(段階的あるいは所定量あるいは任意量づつ1回あるいは複数回で中心位置にビームaの通過位置を制御する)を示すものである。
【0189】
図に示すように、主制御部51は、まず、センサSKとセンサSJに対するビームa0の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できるところまで補正されてから測定される。
【0190】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa1の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a1まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0191】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa2の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a2まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0192】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a3まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0193】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(ビームa3の位置)、ビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S31,32)、追い込みを終了して次のステップに進む(S33)。
【0194】
ここで、センサSPとセンサSOの差分出力を確認する際、1つ前の動作で補正a3を行っているので補正する必要が無く、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームaを追い込んで、直ちにセンサSPとセンサSOの差分出力を確認することができる。これにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化の影響を受けにくく、より正確な測定、制御を行うことができる。
【0195】
図24は、第1の実施例におけるセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームaを追い込んでいく過程を示すものである。
【0196】
図に示すように、主制御部51は、まず、センサSJとセンサSIに対するビームa0の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できるところまで補正されてから測定される。
【0197】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa1の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a1まで補正されてから測定される。
【0198】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa2の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a2まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0199】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a3まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0200】
主制御部51は、最終的に、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(ビームa3の位置)、ビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S34,35)、追い込みを終了して次のステップに進む(S36)。
【0201】
ここで、センサSPとセンサSOの差分出力を確認する際、1つ前の動作で補正a3を行っているので補正する必要が無く、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームaを追い込んで、直ちにセンサSPとセンサSOの差分出力を確認することができる。これにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化の影響を受けにくく、より正確な測定、制御を行うことができる。
【0202】
続いて、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S37)、相対位置制御を行う(S38)。
【0203】
次に、第2の実施例について説明する。
【0204】
本第2の実施例では、可動ビームを複数本有する場合に、センサSKとセンサSJ、及びセンサSJとセンサSIに1本ずつ追い込んでいくのではなく、2本を少しずつ追い込んで、センサSPとセンサSOの差分を測定する。それにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等の影響を受けにくくなり、より正確な測定、制御ができる。
【0205】
第2の実施例における制御動作を図25のフローチャートを参照して説明する。
【0206】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0207】
主制御部51は、ステップS15に続いて、ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S41)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S42)、さらに、ビームaを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S43)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S44)、それぞれの中心位置に追い込むまでステップS41〜44を繰り返す(S45)。
【0208】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S41)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S42)、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S43)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S44)、追い込みを終了して次のステップに進む(S45)。
【0209】
続いて、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S46)、相対位置制御を行う(S47)。
【0210】
次に、第3の実施例について説明する。
【0211】
図21で説明した従来の副走査制御は、センサSKとセンサSJ、及びセンサSJとセンサSIに可動ビームaを追い込んで、センサSPとセンサSOの差分出力を測定した後、図26に示すように固定ビームbの位置を確認する。
【0212】
しかしながら、固定ビームbの位置によって、もしくはセンサSPとセンサSOの差分出力までの回路等のオフセット等の影響がある場合、図27や図28に示すように、固定ビームの位置を測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行わなければならない(補正の必要がない場合は補正する必要はない)。
【0213】
固定ビームbの位置を測定できるところまで補正を行う間に、センサSPとセンサSOの感度が温度等で変化した場合、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力を測定した時の感度と異なるため、正確な制御をすることが出来ない場合がある。
【0214】
そこで、第3の実施例では、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力を測定するときと、固定ビームの位置を測定するときとの時間差を無くすようにする。すなわち、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力の測定をしながら固定ビーム位置も測定することにより、ガルバノミラーのドリフトや径時的変化の影響を受けにくくなり、より正確な測定、制御ができる。
【0215】
第3の実施例における制御動作を図29のフローチャートを参照して説明する。
【0216】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0217】
主制御部51は、ステップS15に続いて、ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S51)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S52)、さらに、可動ビームaを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S53)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S54)、さらに固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S55)、それぞれの中心位置に追い込むまでステップS51〜55を繰り返す(S56)。
【0218】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S51)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S52)、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S53)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S54)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S55)、追い込みを終了して次のステップに進む(S56)。
【0219】
続いて、主制御部51は、相対位置制御を行う(S57)。
【0220】
次に、第4の実施例について説明する。
【0221】
図30は可動ビームを複数有する構成の場合、図31は可動ビームが1本の場合に、上述した追い込みが終了した後、さらに、正確な制御が行われているかをチェックする確認制御を加えたものである。
【0222】
すなわち、相対位置制御を行って固定ビームに対して可動ビームを所定の間隔に制御した後、さらに、固定ビームの位置を確認し、前回測定した値と異なっていた場合、もう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0223】
また、振動等で何度制御しても前回の固定ビームの位置と異なっていた場合、いつまでたっても制御が終らないため、任意の回数確認したら最後に測定した値を測定値と判断して次の制御へ移るようにする。
【0224】
このような制御により、相対位置制御(固定ビームに対して可動ビームを所定の間隔に制御)をより正確に制御することができる。
【0225】
第4の実施例における可動ビームを複数有する場合の制御動作を図30のフローチャートを参照して説明する。
【0226】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0227】
また、ステップS61〜66は、図29で説明したステップS51〜56と同様であるので説明を省略する。
【0228】
主制御部51は、追い込みが終了した際(S66)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S67)、相対位置制御を行い(S68)、続いて、再度、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S69)、この時点での差分出力がステップS67で確認した値と異なっていた場合、ステップS61からもう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0229】
第4の実施例における可動ビームが1本の場合の制御動作を図31のフローチャートを参照して説明する。
【0230】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0231】
また、ステップS71〜76は、図22で説明したステップS31〜36と同様であるので説明を省略する。
【0232】
主制御部51は、追い込みが終了した際(S76)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S77)、相対位置制御を行い(S78)、続いて、再度、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S79)、この時点での差分出力がステップS77で確認した値と異なっていた場合、ステップS71からもう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0233】
次に、第5の実施例について説明する。
【0234】
上述した第4の実施例のように、固定ビームの位置が変動しているかチェックを行った後、固定ビームが変動していた場合に測定しなおしていては制御時間がかかってしまう。
【0235】
そこで、第5の実施例では、センサSPとセンサSOの差分出力が変化した場合、図32に示すように固定OP出力変化対応制御を行うことによって短時間で、より高画質な印字を行うことができる。
【0236】
図33は可動ビームを複数有する構成の場合、図34は可動ビームが1本の構成の場合における固定OP出力変化対応制御へ移行するフローチャートである。
【0237】
すなわち、図33のフローチャートに示すように、固定ビームが変動していた場合(S89)、固定OP出力変化対応制御へ移行し(S90)、この制御が終了してステップS88へ移行する。
【0238】
また、図34のフローチャートに示すように、固定ビームが変動していた場合(S99)、固定OP出力変化対応制御へ移行し(S100)、この制御が終了してステップS98へ移行する。
【0239】
続いて、固定OP出力変化対応制御の動作を図32のフローチャートを参照して説明する。
【0240】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力が変化した場合(S101)、ウィンドウコンパレータ75を用いて、前回の値を基準に今回の値が「下側(LOW)」であるか否かを確認する(S102)。
【0241】
下側であった場合、主制御部51は、反対方向に任意に決めたステップ数(n)だけガルバノミラーを動かす(S103,104)。ただし、nは大きすぎる値にしないものとする。
【0242】
また、ステップS102で下側でなかった場合、主制御部51は、ウィンドウコンパレータ75を用いて、前回の値を基準に今回の値が「上側(HIGH)」であるか否かを確認する(S105)。
【0243】
上側であった場合、主制御部51は、反対方向に任意に決めたステップ数(n)だけガルバノミラーを動かす(S106,107)。ただし、nは大きすぎる値にしないものとする。
【0244】
こうして、主制御部51は、センサ設定(OP−P)を行う(S108)。
【0245】
このようにして、実際制御したい位置により近い位置に制御することができる。
【0246】
次に、第6の実施例について説明する。
【0247】
デジタル複写機で連続印刷する場合、紙が出力されてから次の紙が出力されるまでに間があり、その間に紙間副走査制御を行う。紙間中は他に主走査制御等があるが、第6の実施例の制御は、紙間中に、上述した図32の固定OP出力変化対応制御を行う。
【0248】
第6の実施例の動作を図35のフローチャートを参照して説明する。
【0249】
紙間中に、主制御部51は、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S111)、センサSPとセンサSOの差分出力が変化していた場合(S112)、固定OP出力変化対応制御を行う(S113)。
【0250】
このように制御することにより、ガルバノミラーのステップ数(n)を小さくすればするほど、連続印字すればするほど(最終的には目標値±nステップになるが)、ガルバノミラーのドリフトやセンサの経時変化等があっても制御したい目標位置に可動ビームを制御することができる。
【0251】
次に、第7の実施例について説明する。
【0252】
デジタル複写機で全ての制御を終え、例えば、コピーボタン等の画像出力信号がくるまで、待機している間にスタンバイ副走査制御を行う。
【0253】
第7の実施例は、待機している間(スタンバイ中)に、上述した図32の固定OP出力変化対応制御を行う。
【0254】
第7の実施例の動作を図36のフローチャートを参照して説明する。
【0255】
待機中に、主制御部51は、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S121)、センサSPとセンサSOの差分出力が変化していた場合(S122)、固定OP出力変化対応制御を行う(S123)。
【0256】
そして、印刷予告がない場合(S124)、主制御部51は、ステップS121に移行して制御を行う。
【0257】
このように制御することにより、ガルバノミラーのステップ数(n)を小さくすればするほど、待機時間が長ければ長いほど(最終的には目標値±nステップになるが)、ガルバノミラーのドリフトやセンサの経時変化等があっても制御したい目標位置に可動ビームを制御することができる。
【0258】
次に、第8の実施例について説明する。
【0259】
上述したが、ビーム位置を検知する際、ウィンドウコンパレータ75を使用して指示幅を調節し、その範囲の「上」、「中」、「下」を判断して測定をしている。この「上中下」の判定は、図37のフローチャートに示すように、N=ポリゴン面数分×任意の値のデータをとって判定を行っている。
【0260】
しかしながら、ウィンドウコンパレータ75における幅の閾値は、主制御部51からD/A変換器76を介して設定されるが、設定されてから出力されるまでの間に時間がかかっている。そのため、設定された値が出力される前にデータを取り込んで正確な判定ができないことがある。
【0261】
そこで、第8の実施例における判定では、図38のフローチャートに示すように、「(n+ポリゴン面数分)×任意の値」のデータ数をとり(S141)、始めのn個のデータを無視し、その後の「{(n+ポリゴン面数分)×任意の値分}−(n+×任意の値分)」、要するに「(ポリゴン面数分)×任意の値」のデータで判定する。なお、「n」はウィンドウコンパレータ75の幅の閾値をD/A変換器76に設定してから出力されるまでの間の時間分に相当する任意の個数とする。
【0262】
すなわち、ステップS141に示すサンプリングにより、ウィンドウコンパレータ75の幅の閾値をD/A変換器76に設定し、その値が出力されるまで時間がかかる場合や、レーザパワーを設定して所定のパワーで発光するまでに時間がかかっても正確な判定をすることができる。
【0263】
次に、第9の実施例について説明する。
【0264】
ノイズ等によりD/A変換器45b、45c、45dへの設定データが頻繁に書き換えられる場合がある。
【0265】
そこで、第9の実施例では、ガルバノミラー33b、33c、33dを制御しているD/A変換器45b、45c、45dヘデータを出力する際、変更するD/A変換器だけでなく、全てのD/A変換器45b、45c、45dへのデータを上書きし、さらに定期的に上書き(リフレッシュ)する。
【0266】
それにより、画質劣化につながる危険を持つビーム位置制御の精度を着実に確保することができる。
【0267】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、ガルバノミラーのドリフトを考慮した制御を行って、さらに高精度な制御を行うことができる。
【0268】
また、制御の際、ガルバノミラーのドリフトの影響がないか否かの確認も行って、さらに高精度な制御を行うことができる。
【0269】
さらに、ウィンドウコンパレータで判定する際、「n個+必要とするポリゴン面数」のデータを取り、ウィンドウコンパレータへの幅の閾値の設定から設定値が出力されるまでにかかる時間分の初めのn個分データを使用しないことにより、ウィンドウコンパレータの設定時のタイムラグに対しても正確な判定を行うことができる。
【0270】
また、ガルバノミラーを制御しているD/A変換器へデータを出力する際、変更するD/A変換器だけでなく、全てのD/A変換器へのデータを上書きし、さらに定期的に上書き(リフレッシュ)することにより、画質劣化につながる危険を持つビーム位置制御の精度を着実に確保することができる。
【0271】
なお、本願発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0272】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、正確で高精度な制御を行って画質の悪化を防ぐことのできるビーム光走査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル複写機の概略構成を示す図。
【図2】光学系ユニットの概略構成を示す図。
【図3】光学系の制御系統の構成例を示すブロック図。
【図4】ビーム光検知部の構成図。
【図5】ビーム光検知部からの出力信号を処理する処理回路の構成を示すブロック図。
【図6】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図7】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図8】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図9】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図10】ビーム光の通過位置と積分出力の関係を示す図。
【図11】ビーム光検知部の構成例を概略的に示す図。
【図12】光学系の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図。
【図13】ビーム光の相対位置制御の動作を説明するためのフローチャート。
【図14】相対位置制御の具体例を示す図。
【図15】相対位置制御の具体例を示す図。
【図16】相対位置制御の具体例を示す図。
【図17】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図18】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図19】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図20】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図21】従来の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図22】第1の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図23】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図24】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図25】第2の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図26】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図27】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図28】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図29】第3の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図30】第4の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図31】第4の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図32】固定ビーム出力変化対応制御を説明するためのフローチャート。
【図33】第5の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図34】第5の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図35】第6の実施例の紙間副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図36】第7の実施例のスタンバイ副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図37】従来のウィンドウコンパレータの判定を説明するためのフローチャート。
【図38】第8の実施例のウィンドウコンパレータの判定を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
31a,31b,31c,31d…半導体レーザ発振器(発光手段)
32a,32b,32c,32d…レーザドライバ
35…ポリゴンミラー(光走査手段)
38…ビーム光検知部(検知手段)
33b,33c,33d…ガルバノミラー(変更手段)
39b,39c,39d…ガルバノミラー駆動回路
44b,44c,44d…ラッチ
45b,45c,45d…D/A変換器
46b,46c,46d…ドライバ
51…主制御部(第1の制御手段、第2の制御手段)
52…メモリ
75…ウィンドウコンパレータ
76…D/A変換器
70,71,72,102,103…差動増幅器
101…補正パルス生成回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のレーザ光ビームにより単一の感光体ドラム上を同時に走査露光して上記感光体ドラム上に単一の静電潜像を形成するデジタル複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置において、上記複数のレーザ光ビームを走査するビーム光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、たとえば、レーザ光ビーム(以降、単にビーム光と称す)による走査露光と電子写真プロセスとにより画像形成を行うデジタル複写機が種々開発されている。
【0003】
最近では、画像形成速度の高速化を図るために、マルチビーム方式、つまり、複数のビーム光を発生させ、これら複数のビーム光により複数ラインずつの同時走査が行われるようにしたデジタル複写機が開発されている。
【0004】
このようなマルチビーム方式のデジタル複写機においては、ビーム光を発生する複数の半導体レーザ発振器、これら複数のレーザ発振器から出力される各ビーム光を感光体ドラムへ向けて反射し、各ビーム光により感光体ドラム上を走査するポリゴンミラーなどの多面回転ミラー、及びコリメータレンズやf−θレンズなどを主体に構成される、ビーム光走査装置としての光学系ユニットを備えている。
【0005】
従来、このようなマルチビーム方式のデジタル複写機においては、高画質で画像を形成するために、前記光学系ユニットにおいては、ビーム光の走査方向露光位置制御(主走査方向のビーム光位置制御)およびビーム光の通過位置制御(副走査方向のビーム光位置制御)が行われている。
【0006】
このような技術の具体例が、特開平11−270894号公報で提案されている。これには、ビーム光を高精度で広範囲に検知して、ビーム光の位置制御を行うことを目的とし、1対のセンサが感光体ドラムの表面を走査するビーム光の副走査方向通過点を検知するものについて記載されている。
【0007】
ビーム光の走査位置は、前記対となっている各センサの出力の差を積分した値により判定される。このようなビーム光の走査位置を示す積分値は、前記対のセンサに接続された処理回路によって算出される。この処理回路は、複数のオペアンプを有し、各センサが検知した電気信号の差を積分器により積分するようになっている。
【0008】
また、特開2001−29024号公報では、ビーム光を検知する対のセンサを、のこぎり歯状の2つのパターンから構成するものについて提案されている。また、この提案では、前記特開平11−270894号公報と同様に、前記対のセンサの出力差を積分する処理回路によりビーム光の走査位置を判定する。
【0009】
さらに、特開平11−270894号公報あるいは特開2001−29024号公報では、前記対のセンサからの出力信号を処理する処理回路の出力が飽和してしまう場合、前記対のセンサからの出力信号に対する補正を行って、ビーム光の走査位置を検知するものについて提案されている。
【0010】
また、補正量を効率的に決定して制御する方法についても提案されている。
【0011】
しかしながら、せっかく制御を行っても、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等により、制御した位置からずれて出力画像の質が悪化することがある。
【0012】
また、ビーム位置を検知する際にウィンドウコンパレータを使用して指示幅を調節し、その範囲の上か下か中かを判断して測定を行う。上中下の判定方法は、ポリゴン面数分データを取って行っているが、ウインドウの幅を設定する際に時間がかかって正確な判定ができなかった。
【0013】
さらに、ノイズ等によりD/A変換器への設定データが頻繁に書き換えられて正確な制御が出来ず、正確な制御結果を出力することができなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等により画質が悪化し、ウインドウの幅を設定する際に時間がかかって正確な判定ができず、ノイズ等により正確な制御が出来ずに正確な制御結果を出力することができないといった問題があった。
【0015】
そこで、この発明は、正確で高精度な制御を行って画質の悪化を防ぐことのできるビーム光走査装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明のビーム光走査装置は、ビーム光を出力する発光手段と、この発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるビーム光走査手段と、このビーム光走査手段によって走査されるビーム光の通過位置を検知する第1の検知手段と、この第1の検知手段の検知結果に対する処理で補正が必要か否かを判断し、補正の必要があれば補正量を設定して検知結果に対する処理を行う処理手段と、前記ビーム光走査手段で走査されるビーム光の前記被走査面における通過位置を変更する変更手段と、この変更手段で通過位置が変更されたビーム光が基準位置であるか否かを検知する第2の検知手段と、この第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置でなかった際、前記変更手段を用いてビーム光の通過位置を基準位置の方向に任意量で基準位置になるまで変更し、変更する毎に前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による処理とを制御する第1の制御手段と、この第1の制御手段の制御で前記第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置になった際、前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による補正しない処理とを制御する第2の制御手段とから構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
まず、この発明の各実施例が適用されるビーム光走査装置、及び画像形成装置について説明する。
【0019】
図1は、ビーム光走査装置が適用される画像形成装置としてのデジタル複写機の構成を模式的に示すものである。このデジタル複写機は、画像を読取るスキャナ部1、および、画像を被画像形成媒体上に形成するプリンタ部2を有している。スキャナ部1は、図示矢印方向に移動可能な第1キャリジ3と第2キャリジ4、結像レンズ5、および、光電変換素子6などから構成されている。
【0020】
図1において、原稿Oは透明ガラスからなる原稿台7上に下向きに置かれ、開閉自在に設けられた原稿固定カバー8によって原稿台7上に押え付けられる。
【0021】
原稿Oは光源9によって照明され、その反射光はミラー10,11,12、および、結像レンズ5を介して光電変換素子6の受光面に集光される。ここで、上記光源9およびミラー10を搭載した第1キャリジ3と、ミラー11,12を搭載した第2キャリジ4は、光路長を常に一定にするように2:1の相対速度で移動する。第1キャリジ3および第2キャリジ4は、キャリジ駆動用モータ(図示せず)によって読取タイミング信号に同期して右から左方向に移動する。
【0022】
以上のようにして、原稿台7上に載置された原稿Oの画像は、スキャナ部1によって1ラインごとに順次読取られ、その読取り出力は、図示しない画像処理部において画像の濃淡を示す8ビットのデジタル画像信号に変換される。
【0023】
プリンタ部2は、光学系ユニット(ビーム光走査装置)13、および、被画像形成媒体である用紙P上に画像形成が可能な電子写真方式を組合わせた画像形成部14から構成されている。すなわち、原稿Oからスキャナ部1で読取られた画像信号は、図示しない画像処理部で処理された後、半導体レーザ発振器からのレーザ光ビーム(以降、単にビーム光と称す)に変換される。
【0024】
以下の説明では、半導体レーザ発振器を複数個(例えば4個)使用するマルチビーム光学系の光学系ユニット13について説明する。なお、半導体レーザ発振器が1個だけで構成されたシングルビーム光学系の光学系ユニットは、複数のビーム光に対する相対位置制御以外はマルチビーム光学系の光学系ユニットと同様な動作を行う。
【0025】
光学系ユニット13内に設けられた複数の半導体レーザ発振器は、図示しない画像処理部から出力されるレーザ変調信号にしたがって発光動作を行い、複数のビーム光を発生する。これら複数のビーム光は、ポリゴンミラーで反射されて走査光となり、ユニット外部へ出力される。光学系ユニット13の詳細については後述される。
【0026】
光学系ユニット13から出力される複数のビーム光は、像担持体としての感光体ドラム15上の露光位置Xの地点に、必要な解像度を持つスポット光として結像され、感光体ドラム15上を主走査方向(感光体ドラムの回転軸方向)に走査する。更に感光体ドラム15が回転することによって、感光体ドラム15上には、画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0027】
感光体ドラム15の周辺には、その表面を帯電する帯電チャージャ16、現像器17、転写チャージャ18、剥離チャージャ19、および、クリーナ20などが配設されている。感光体ドラム15は、駆動モータ(図示せず)により所定の外周速度で回転駆動され、その表面に対向して設けられている帯電チャージャ16によって帯電される。帯電された感光体ドラム15上の露光位置Xに複数のビーム光が副走査方向(感光体ドラム表面が移動する方向)に並んでスポット結像される。
【0028】
感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17からのトナー(現像剤)によりトナー像として現像される。感光体ドラム15上に形成されたトナー像は、給紙系によりタイミングをとって供給される用紙P上に転写チャージャ18によって転写される。
【0029】
上記給紙系は、底部に設けられた給紙カセット21内の用紙Pを、給紙ローラ22と分離ローラ23とにより1枚ずつ分離して供給する。そして、レジストローラ24まで送られ、所定のタイミングで転写位置まで供給される。転写チャージャ18の下流側には、用紙搬送機構25、定着器26、画像形成済みの用紙Pを排出する排紙ローラ27が配設されている。これにより、トナー像が転写された用紙Pは、定着器26でトナー像が定着され、その後、排紙ローラ27を経て外部の排紙トレイ28に排紙される。
【0030】
また、用紙Pへの転写が終了した感光体ドラム15は、その表面の残留トナーがクリーナ20によって取り除かれて、初期状態に復帰し、次の画像形成の待機状態となる。
【0031】
以上のプロセス動作を繰り返すことにより、画像形成動作が連続的に行われる。
【0032】
以上説明したように、原稿台7上に置かれた原稿Oは、スキャナ部1で読取られ、その読取り情報は、プリンタ部2で一連の処理を施された後、用紙P上にトナー画像として記録されるものである。
【0033】
次に、光学系ユニット(ビーム光走査装置)13について説明する。
【0034】
図2は、マルチビーム光学系の光学系ユニット13の構成と感光体ドラム15の位置関係を示している。なお、シングルビーム光学系の光学系ユニットは、1つだけのビーム光を制御する構成となる以外は図2と同様に構成される。
【0035】
図2に示すように、マルチビーム光学系の光学系ユニット13は、たとえば、4つのビーム光を発光する半導体レーザ発振器31a,31b,31c,31dを内蔵している。それぞれのレーザ発振器31a〜31dは、同時に1走査ラインずつ画像形成を行うことが可能である。これにより、マルチビーム光学系の光学系ユニットでは、ポリゴンミラーの回転数を極端に上げることなく、高速の画像形成が可能である。
【0036】
半導体レーザ発振器31aはレーザドライバ32aで駆動される。この半導体レーザ発振器31aから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ハーフミラー34aとハーフミラー34bを通過し、多面回転ミラーとしてのポリゴンミラー35に入射する。
【0037】
ポリゴンミラー35は、ポリゴンモータドライバ37で駆動されるポリゴンモータ36によって一定速度で回転されている。これにより、ポリゴンミラー35からの反射光は、ポリゴンモータ36の回転数で定まる角速度で、感光体ドラムを一定方向に走査する。ポリゴンミラー35によって走査されたビーム光は、図示しないf−θレンズを通過し、そのf−θ特性により一定速度で、ビーム光の位置、通過タイミング、およびパワー等を検知するビーム光検知部38の受光面、および、感光体ドラム15上を走査する。
【0038】
半導体レーザ発振器31bは、レーザドライバ32bで駆動される。この半導体レーザ発振器31bから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33bで反射し、さらにハーフミラー34aで反射する。ハーフミラー34aからの反射光は、ハーフミラー34bを通過し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31aの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0039】
半導体レーザ発振器31cは、レーザドライバ32cで駆動される。この半導体レーザ発振器31cから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33cで反射し、さらにハーフミラー34cを通過し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31bの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0040】
半導体レーザ発振器31dは、レーザドライバ32dで駆動される。この半導体レーザ発振器31dから出力されるビーム光は、図示しないコリメータレンズを通過した後、ガルバノミラー33dで反射し、さらにハーフミラー34cで反射し、ハーフミラー34bで反射し、ポリゴンミラー35に入射する。ポリゴンミラー35以降の経路は、上述したレーザ発振器31a,31b,31cの場合と同じで、図示しないf−θレンズを通過し、一定速度でビーム光検知部38の受光面および感光体ドラム15上を走査する。
【0041】
なお、レーザドライバ32a〜32dは、それぞれオートパワーコントロール(APC)回路を内蔵しており、後で説明する主制御部(CPU)51から設定される発光パワーレベルで常にレーザ発振器31a〜31dを発光動作させる。
【0042】
このようにして、別々のレーザ発振器31a,31b,31c,31dから出力された各ビーム光は、ハーフミラー34a,34b,34cで合成され、4つのビーム光がポリゴンミラー35の方向に進むことになる。したがって、4つのビーム光は、同時に感光体ドラム15上を走査することができる。
【0043】
ガルバノミラー33b,33c,33dは各々ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dにより駆動され、レーザ発振器31aから出力されたビーム光に対して、レーザ発振器31b,31c,31dから出力されたビーム光の副走査方向の位置を調整(制御)する。
【0044】
また、ビーム光検知部38には、その取付位置およびビーム光の走査方向に対する傾きを調整するためのビーム光検知部調整モータ38a,38bが設けられている。
【0045】
ビーム光検知部38は、上記4つのビーム光の通過位置、通過タイミングおよびパワー(すなわち光量)を検知する。ビーム光検知部38は感光体ドラム15の端部近傍に配設され、その受光面は感光体ドラム15の表面と等価である。このビーム光検知部38からの検知信号を基に、それぞれのビーム光に対応するガルバノミラー33b,33c,33dの制御(副走査方向の画像形成位置制御)、レーザ発振器31a,31b,31c,31dの発光パワーの制御、および、発光タイミングの制御(主走査方向の画像形成位置制御)が行われる(詳細は後述する)。これらの制御を行うための信号を生成するために、ビーム光検知部38には、ビーム光検知部出力処理回路(処理回路)40が接続されている。
【0046】
次に、デジタル複写機の制御系について説明する。
【0047】
図3は、マルチビーム光学系の光学系ユニットが搭載されたデジタル複写機の制御系統の構成を示している。51はデジタル複写機の全体的な制御を司る主制御部で、たとえば、CPUから構成される。この制御部51には、メモリ52、コントロールパネル53、外部通信インタフェイス(I/F)54、レーザドライバ32a,32b,32c,32d、ポリゴンモータドライバ37、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39d、ビーム光検知部出力処理回路40、同期回路55、および、画像データインタフェイス(I/F)56などが接続されている。
【0048】
同期回路55には、画像データI/F56が接続されており、画像データI/F56には、画像処理部57およびページメモリ58が接続されている。画像処理部57にはスキャナ部1が接続され、ページメモリ58には外部インタフェイス(I/F)59が接続されている。
【0049】
ここで、画像を形成する際の画像データの流れを簡単に説明すると、以下のような流れとなる。
【0050】
まず、複写動作の場合は、先に説明したように、原稿台7上にセットされた原稿Oの画像は、スキャナ部1で読取られ、画像処理部57へ送られる。画像処理部57は、スキャナ部1からの画像信号に対し、たとえば、周知のシェーディング補正、各種フィルタリング処理、階調処理、ガンマ補正などを施こす。
【0051】
画像処理部57からの画像データは、画像データI/F56へと送られる。画像データI/F56は、4つのレーザドライバ32a,32b,32c,32dへ画像データを振り分ける役割を果たしている。
【0052】
同期回路55は、各ビーム光のビーム光検知部38上を通過するタイミングに同期したクロックを発生し、このクロックに同期して、画像データI/F56から各レーザドライバ32a,32b,32c,32dへ、画像データをレーザ変調信号として送出する。
【0053】
また、同期回路55は、非画像領域で各レーザ発振器31a,31b,31c,31dを強制的に発光動作させ、各ビーム光のパワーを制御するためのサンプルタイマや、ビーム光検知部38上を各ビームが走査するときにレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させ各ビーム光の主走査方向位置を検知するための論理回路などが含まれている。
【0054】
このようにして、各ビーム光の走査と同期を取りながら画像データを転送することで、主走査方向に同期がとれた(正しい位置への)画像形成が行われるものである。
【0055】
コントロールパネル53は、複写動作の起動や、枚数設定などを行うマンマシンインタフェースである。
【0056】
本デジタル複写機は、複写動作のみでなく、ページメモリ58に接続された外部I/F59を介して外部から入力される画像データをも画像形成できる構成となっている。なお、外部I/F59から入力される画像データは、一旦ページメモリ58に格納された後、画像データI/F56を介して同期回路55へ送られる。
【0057】
また、本デジタル複写機が、たとえば、ネットワークなどを介して外部から制御される場合には、外部通信I/F54がコントロールパネル53の役割を果たす。
【0058】
ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dは、主制御部51からの指示値にしたがってガルバノミラー33b,33c,33dを駆動する回路である。したがって、主制御部51は、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dを介して、ガルバノミラー33b,33c,33dの各角度を自由に制御することができる。
【0059】
ポリゴンモータドライバ37は、先に述べた4つのビーム光を走査するポリゴンミラー35を回転させるためのポリゴンモータ36を駆動するドライバである。主制御部51は、このポリゴンモータドライバ37に対し、回転開始、停止と回転数の切換えを行うことができる。ビーム光検知部38によりビーム光の通過位置を確認する際、ポリゴンモータ36は画像形成時より低い回転数で回転される。
【0060】
レーザドライバ32a,32b,32c,32dは先に説明したように、画像データにしたがってレーザ光を発光させる以外に、主制御部51からの強制発光信号により、画像データとは無関係に強制的にレーザ発振器31a,31b,31c,31dを発光動作させる機能を持っている。
【0061】
また、主制御部51は、それぞれのレーザ発振器31a,31b,31c,31dが発光するビームのパワーを、各レーザドライバ32a,32b,32c,32dを用いて設定する。発光パワーの設定は、プロセス条件の変化や、ビーム光の通過位置検知などに応じて変更される。
【0062】
メモリ52は、制御に必要な情報を記憶するためのものである。このメモリ52には、たとえば、各ガルバノミラー33b,33c,33dの制御量、ビーム光の通過位置を検知するための処理回路の種々の特性(例えば、増幅器のオフセット値など)、および、ビーム光の到来順序などが記憶される。このメモリ52に記憶された値により、例えば、電源投入後の制御動作をできるだけ即座に行えるようになっている。
【0063】
次に、ビーム光走査装置の第1の動作例について説明する。
【0064】
第1の動作例では、1本のビーム光を用いて走査を行うシングルビーム光学系を有したビーム光走査装置におけるビーム光の通過位置検知および制御について説明する。
【0065】
図4は、ビーム光検知部38の構成とビーム光の走査方向の関係を示している。1つの半導体レーザ発振器からのビーム光は、左から右へとポリゴンミラー35の回転によって走査され、ビーム光検知部38上を横切る。
【0066】
ビーム光検知部38は、縦に長い2つのセンサSL,SQ、これらの2つのセンサL,SQの間に挟まれるように配設された一対のセンサ(センサパターン)SP,SO、および、これら各センサを一体的に保持する保持基板から構成されている。
【0067】
センサSLは、ビーム光の通過を検知して、後述する積分器のリセット信号(積分開始信号)を発生するセンサである。このリセット信号は、積分コンデンサに充電された電荷を基準電圧まで放電させるための信号で、リセットが終了すると同時に積分動作が開始される。
【0068】
センサSQは、センサSLと同様にビーム光の通過を検知して、後述するアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換器(A/D変換器やウィンドウコンパレータ)の変換開始信号を発生するセンサである。ここに、A/D変換器の場合はA/D変換開始信号として、また、ウィンドウコンパレータの場合はコンパレータ出力を保持するタイミング信号として使用される。
【0069】
一対のセンサSP,SOはビーム光の通過位置を検知するための対のパターンである。センサSPのパターン及びセンサSOのパターンは、それぞれ複数の三角形あるいは台形で形成されている。複数の三角形あるいは台形で形成されるセンサSP及びセンサSOは、各三角形あるいは台形がそれぞれ対となるように配置される。例えば、センサSP及びセンサSOは、それぞれのこぎり歯状の形状で形成され、交互に噛み合うような形で所定の間隔をおいて配置されている。
【0070】
図4に示す例では、上記センサSPを形成する複数の三角形あるいは台形状のパターンをそれぞれセンサパターンSP1〜SP5とする。また、上記センサSOを形成する複数の三角形あるいは台形状のパターンをそれぞれセンサパターンSO1〜SO5とする。すると、上記センサSPの各センサパターンSP1〜SP5は、上記センサSOの各センサパターンSO1〜SO5とそれぞれ対になるように組み合わせて配置されている。
【0071】
図4に示すように、上記センサパターンSP1は、ビーム光の通過位置が図面に対して上方向に行くほど、ビーム光がセンサパターンSP1を横切る(通過する)距離が長くなる形状となっている。また、上記センサパターンSO1は、ビーム光の通過位置が図面に対して下方向に行くほど、ビーム光がセンサパターンSO1を横切る距離が長くなる形状となっている。
【0072】
すなわち、ビーム光の走査する方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)の通過位置変化に対して、一方のセンサパターンSP1(またはSO1)の出力が増加方向に連続的に変化し、他方のセンサパターンSO1(またはSP1)の出力が減少方向に連続的に変化する。
【0073】
これらのセンサSP,SOは、フォトダイオードなどの光検知部材によって構成され、保持基板上に一体的に構成されている。よって、ビーム光の通過に伴って(図4では、左から右にビームは移動する)、センサパターンSP1,SO1,SP2,SO2,SP3,SO3,SP4,SO4,SP5,SO5の順に光が検知され、センサSP及びセンサSOから検知出力が出力される。
【0074】
図5は、図4に示したビーム光検知部38を用いた場合のビーム光検知部出力処理回路40の主要部(副走査方向のビーム位置検知部)を示すブロック図である。
【0075】
図5に示すように、ビーム光検知部出力処理回路40の主要部は、センサSP及びセンサSOの検知出力の差を演算する。さらに、ビーム光検知部出力処理回路40は、センサSP、SOの検知出力の差を積分器62によって積分する。この積分器62により積分した結果(積分出力)がウィンドウコンパレータCMP1及びCMP2等を介して主制御部(CPU)51に供給されるようになっている。
【0076】
以下に、ビーム光検知部出力処理回路40の主要部について詳細に説明する。ここでは、1本のビーム光に対する検知動作について説明する。
【0077】
センサSP及びセンサSOは、ビーム光の通過に伴って電流を出力する。センサSP及びセンサSOはそれぞれ電流/電圧変換アンプIV1,IV2に接続されており、センサSP、SOの電流出力は電圧出力に変換される。
【0078】
電流/電圧変換アンプ(IV1,IV2)の出力は差動増幅器61に接続されており、差分を演算し適当なゲインで増幅された後に積分器62によって積分される。
【0079】
積分器62は、積分コンデンサに電荷を貯めて積分出力として出力するため、使用する前に、積分コンデンサに貯まった電荷を放電させる動作が必要である(以下、この動作を積分のリセットとする。)。
【0080】
積分のリセット動作は、ビーム光検知部に設けられたセンサの出力の組合せによって生成されるリセット信号によって実行される。このリセット信号は、センサSA(図示しない)とセンサSLから、リセット信号生成回路63によって生成される。
【0081】
すなわち、ビーム光の通過に伴い、センサSA,SLの出力信号が出力され、センサSAとSL間に積分器62はリセットされる。そしてリセット直後にセンサパターンSP,SOの出力信号が出力され、積分される。
【0082】
積分器62の出力信号は、ウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)に入力される。ウィンドウコンパレータ(CMP1、CMP2)は、積分器62の出力信号(アナログ電圧)と主制御部(CPU)51から与えられる閾値としての電圧値とを比較する。
【0083】
このウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)による比較結果はフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)に入力され保持される。フリップフロップ回路(F/F1,F/F2)にはセンサパターンSQから出力されるパルス状の信号が入力され、SQの出力タイミング(パルス信号の立上り)でウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)の出力を保持する。
【0084】
フリップフロップ回路(F/F1,F/F2)の出力はCPU64に送信される。CPU51には、ビーム検知部38上の図示しないタイミングセンサSRの出力信号が割り込み信号として接続されている。これにより、上記CPU51は、このタイミングセンサSRの出力信号が出力される(割り込み信号を受信する)毎にフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)のデータを読取る。
【0085】
次に、上記ウィンドウコンパレータ(CMP1,CMP2)の動作について詳細に説明する。
【0086】
図5に示すように、積分器62の出力は、コンパレータCMP1の反転入力部及びコンパレータCMP2の非反転入力部に供給される。コンパレータCMP1の非反転入力部にはD/A変換器(D/A1)を介して主制御部51に接続される。コンパレータCMP2の反転入力部はD/A変換器(D/A2)を介して主制御部51に接続される。
【0087】
CPU51は、D/A変換器(D/A1)を介して、ウィンドウコンパレータCMP1の非反転入力部に閾値Vth1を供給する。これと共に、CPU51は、D/A変換器(D/A2)を介して、ウィンドウコンパレータCMP2の反転入力部に閾値Vth2を供給する。なお、ここでは、閾値Vth1>閾値Vth2とする。
【0088】
コンパレータCMP1及びCMP2は、積分器62の出力電圧が閾値Vth1より小さく、かつ、閾値Vth2より大きい場合にのみ、共に”1”を出力する。ウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力、つまりフリップフロップ回路(F/F1,F/F2)の出力が”1,1”のとき、CPU51は、閾値Vth1〜Vth2の範囲(ウインドウ)内に積分器62の出力が存在すると判断する。CPU51は、前記ウインドウの幅を徐々に狭め位置を変更することにより、積分器62の出力電圧、つまりビーム光通過位置情報を正確に判断する。主制御部51は、このようにして得たビーム光通過位置情報に基づきビーム光の通過位置を制御する。
【0089】
なお、図5では省略してあるが、各センサSO、SPの出力電流を電圧値に変換する電流/電圧変換増幅器や、電流/電圧変換増幅器の出力を2値化する2値化回路などの信号処理回路が実際には設けられている。
【0090】
次に、ビーム光が図4に示したビーム光検知部38を通過する際の処理動作について図5を参照して説明する。
【0091】
ビーム光は、ポリゴンミラー35によって図示した矢印方向に走査される。各センサSL,SP,SO,SQは、ビーム光の通過に伴って電流を発生する。センサSLから出力された電流は、電流/電圧変換増幅器(図示せず)によって電圧値に変換され、さらに2値化回路(図示せず)によって2値化される。2値化された信号は、リセット信号生成回路63に入力される。リセット信号生成回路63は、2値化された信号と、図示しないSAセンサの出力信号とを合成してリセット信号を生成する。このリセット信号は、積分器62のリセット信号として入力され、積分器62がリセットされる。また、このリセット信号は、フリップフロップ回路F/F1、F/F2のクリア信号も兼ねており、フリップフロップ回路F/F1、F/F2をクリアする。
【0092】
ビーム光がセンサSP,SOを通過すると、センサSP,SOはビーム光が走査する位置に応じたパルス状の電流を出力する。これらの出力電流は電流/電圧変換アンプ(IV1,IV2)によって電圧値に変換される。電圧に変換された信号の差分は差動増幅器61によって増幅され、積分器62によって積分される。積分器62の出力は、アナログ/デジタル変換器として機能するウィンドウコンパレータCMP1,CMP2に入力され、D/A変換器(D/A1,D/A2)を介して設定された閾値と比較され、デジタル信号に変換される。
【0093】
さらに、ビーム光がセンサSQを通過すると、センサSQの出力電流が電流/電圧変換増幅器(図示しない)によって電圧値に変換され、その後、2値化回路によって2値化される。2値化された信号は、フリップフロップ回路F/F1、F/F2に入力される。ウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力は、2値化された信号の前縁(立上り)でフリップフロップ回路F/F1、F/F2によって保持される。
【0094】
また、図示しないセンサSRからの信号は、主制御部51に割込み信号として入力されている。この信号によって主制御部51はウィンドウコンパレータCMP1,CMP2の出力、つまりフリップフロップ回路F/F1、F/F2の出力を読込む。
【0095】
次に、ビーム光の通過位置がP2の場合について説明する。
【0096】
図6は、ビーム光がSPとSOの副走査方向のほぼセンター位置(P2)を通過する場合の処理回路の各部の信号を示した図である。
【0097】
図6に示すように、ビーム光の通過位置は、センサSP,及びセンサSOのほぼセンター位置P2である。このため、ビーム光がセンサSPを構成する各センサパターンSP1〜SP5を通過する距離と,センサSOを構成する各センサパターンSO1〜SO5を通過する距離とは等しい。すなわち、電流/電圧変換アンプI/V1,I/V2からの出力は、パルス幅のほぼ等しい位相のずれた信号となって出力される。
【0098】
電流/電圧変換アンプI/V1,I/V2の出力は、差動増幅器61によってその差分を演算され、所定のゲインで増幅された出力となる。差動増幅器61の出力は、積分器62によって積分される。差動増幅器61の出力は、(SP1とSO1),(SP2とSO2),(SP3とSO3),(SP4とSO4),(SP5とSO5)といった組合せで積分されるような形となる。これにより、積分器62からの出力信号は、最終的に、処理回路の基準電圧(Vref)と同じ値になる。
【0099】
すなわち、ビーム光の通過位置がP2の場合、差動増幅器61の出力は、振幅が等しく、方向が逆の信号となるため、その積分結果が基準電圧に対して±0となる。
【0100】
図7は、ビーム光がセンサSP,及びセンサSOのセンター位置P2よりも下側の位置P3を通過した場合の処理回路の各部の信号を示した図である。
【0101】
この場合、図7に示すように、ビーム光の通過位置は、センサSP,及びセンサSOのほぼセンター位置P2よりも下側の位置P3である。このため、ビーム光がセンサSPを構成する各センサパターンSP1〜SP5通過する距離よりも,センサSOを構成する各センサパターンSO1〜SO5を通過する距離の方が長くなる。
【0102】
よって、それぞれの電流/電圧変換アンプI/Vの出力は、電流/電圧変換アンプI/V2の方がパルス幅の長い信号となる。よって差動増幅器61の出力も図示した信号となる。差動増幅器61の出力は、積分器62によって、図6の場合と同様に、(SP1とSO1),(SP2とSO2),(SP3とSO3),(SP4とSO4),(SP5とSO5)のペアで積分されるような形となる。これにより、積分器62からの出力信号は、差動増幅器61の出力に応じて増減を繰り返しながら、最終的に、−VP3となり、基準電圧Vrefよりも下側に出力される。
【0103】
また、ビーム光の通過位置が上記センター位置P2よりも上側の位置P1である場合、図7に示すような下側の位置P3の場合と逆の積分結果が得られる。つまり、ビーム光の通過位置が上側の位置P1である場合、積分器62からの出力信号は、最終的に、+VP3となり、基準電圧Vrefよりも上側に出力される。
【0104】
従って、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンサSP、及びセンサSOのセンター位置P1の場合に基準電圧Vrefを出力する。また、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも上側の位置P1の場合に、基準電圧Vrefよりも大きい値を出力する。また、本処理回路40では、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも下側の位置P3の場合には、基準電圧Vrefよりも小さい値を出力する。
【0105】
このように、センサSP,及びセンサSOの出力の差分信号を積分することによってビーム光の通過位置を検知することができる。
【0106】
また、図8及び図9は、センサSP及びセンサSOを構成するのこぎり歯状のセンサパターンがビーム径よりも充分に小さい場合の例を示す。例えば、図8に示すように、ビーム光の通過位置がセンター位置P1の場合、図6に示す場合と同様に、ビーム光検知部出力処理回路40は、基準電圧Vrefを出力する。また、図9に示すように、ビーム光の通過位置がセンター位置P1よりも下側の位置P3の場合、図7に示す場合と同様に、ビーム光検知部出力処理回路40は、基準電圧Vrefよりも小さい値を出力する。
【0107】
なお、図8及び図9に示すような場合も、ビーム光検知部出力処理回路40における動作は、図6及び図7に示す場合と同様であるため、詳細な動作の説明を省略する。
【0108】
図10は、ビーム光によるセンサSP及びセンサSOの走査位置と積分器62の出力値の関係を示す図である。図10に示すように、センサSP及びセンサSOのビーム光の走査位置が中心よりもずれるにしたがって、上記積分器62の出力が基準電圧Vrefからずれる。すなわち、積分器62の出力と基準電圧Vrefと比較することにより、ビーム光の走査位置が中心からどのようにずれているかが判別できる。
【0109】
次に、ビーム光走査装置の第2の動作例について説明する。
【0110】
この第2の動作例では、複数本(たとえば、4本)のビーム光を用いて走査を行うマルチビーム光学系を有したビーム光走査装置の動作例である。各ビーム光に対する通過位置検知および制御の原理は、前述した第1の動作例と同様であるので、説明を省略する。
【0111】
ここでは、図4のビーム光検知部38を使用したマルチビーム光の通過位置制御について説明する。マルチビーム光学系は、4つのレーザ発振器を有し、それぞれのビーム光を副走査方向に移動させるための4つのアクチュエータ(本例ではガルバノミラー)を有する4ビームのマルチビーム光学系を想定して説明する。また、本マルチビーム光学系は、たとえば、600dpiの解像度を有するものとする。
【0112】
前述した第1の動作例で説明したように、ビーム光検知部38は図7のような検知特性を有する。積分出力は、およそ|VU−VL|/H=Vunit[V/μm]であるので、4ビームのピッチを解像度600dpiに調整するためには、隣接ビーム光の積分出力の差がおよそVunit×42.3[V]となるように、ガルバノミラーを調整すればよい。
【0113】
たとえば、第1のビーム光の通過目標位置をP2に設定する場合には、まず、第1のレーザ発振器を発光させ、ポリゴンミラーを回転させる。そして、センサパターン内をビーム光が通過するように、第1のビーム光用のガルバノミラーを動作させる。センサパターン内をビーム光が通過するようになったら、積分出力がVrefとなるように、ガルバノミラーを使用して、第1のビーム光の通過位置を調整する。
【0114】
次に、第2のビーム光の通過位置の調整を行う。まず、第2のレーザ発振器を発光させ、ポリゴンミラーを回転させる。そして、第1のビーム光と同様に、センサパターン内をビーム光が通過するように、第2のビーム光用のガルバノミラーを動作させる。その後、積分出力がVref−Vunit×42.3[V]となるように、第2のビーム光用のガルバノミラーを使用して、第2のビーム光の通過位置を調整する。
【0115】
このような動作によって、第1のビーム光と第2のビーム光の通過位置のピッチは、42.3[μm]に制御される。以下同様に、第3、第4のビーム光も隣接ビーム光の積分出力の差が42.3[μm]に相当するVunit×42.3[V]となるように、それぞれのガルバノミラーを調整する。
【0116】
以上の動作によって、4つのビーム光の通過位置は、例えば、42.3[μm]ピッチ等の所定の間隔に制御される。
【0117】
次に、ビーム光走査装置の第3の動作例について説明する。
【0118】
この第3の動作例では、前述した第2の動作例と同様、マルチビーム光学系を有したビーム光走査装置の動作例である。この第3の動作例では、複数のビーム光のうちの少なくとも1つは固定され、この固定ビーム光の通過位置を基準にして、残りのビーム光の通過位置を所定のピッチに制御(相対位置制御)する。
【0119】
図11は、ビーム光検知部38の構成例を示している。このビーム光検知部38は、ビーム光の走査方向と直交する方向に長い形状のセンサSA,SB,SG,SL,SQ,SR,ビーム光の走査方向に長い形状のセンサSI,SJ,SK、前記第1、第2の動作例で説明したセンサパターンと同様に構成されるセンサSP,SOが、保持基板38a上に構成されている。
【0120】
図11では、2つのセンサSA,SLの各出力で積分器62のリセット信号を生成する。さらに、図11では、積分出力をアナログ信号からデジタル信号に変換する変換開始タイミング信号をセンサSQの出力信号で、主制御部51への読込みタイミング信号をセンサSRの出力信号で行う。
【0121】
一方、センサSI,SJ,SKは、各ビーム光間の副走査方向の間隔を調整するためのセンサである。センサSI,SJ,SKは、保持基板38a上の副走査方向のほぼ中央部に配設されており、副走査方向に42.3[μm]のピッチ(解像度600dpi)で平行に配列されている。センサSJ及びSK間のギャップG1の副走査方向位置は第1の通過目標である。センサSJ及びSKはビーム光が該第1の通過目標を通過していることを確認するためのものである。また、センサSI及びSJ間のギャップG2の副走査方向位置は第2の通過目標である。センサSI及びSJはビーム光が該第2の通過目標を通過していることを確認するためのものである。
【0122】
また、センサSD,SE、センサSM,SNは、走査されるビーム光のビーム光検知部38に対する相対的な傾きを検知するためのパターンである。センサSDとSEおよびSMとSNは、それぞれ上下に配設されてペアを組んでいて、センサSDとSE、SMとSNの中心位置は同一直線上である。
【0123】
さらに、ビーム光検知部38には、補正用パルスを生成するためのタイミングセンサSSが設けられている。
【0124】
図12は、図11のようなビーム光検知部38を用いた場合のビーム光検知部出力処理回路40の構成と、図2及び図3に示すビーム光検知部出力処理回路40の周辺部の構成を示している。
【0125】
センサSO,SPの各出力信号は、それぞれ差動増幅器70の各入力端子に入力される。センサSI,SJの各出力信号は、それぞれ差動増幅器71の各入力端子に入力される。センサSJ,SKの各出力信号は、それぞれ差動増幅器72の各入力端子に入力される。なお、主制御部(CPU)51は差動増幅器70,71,72の増幅率を設定できる。
【0126】
差動増幅器70,71,72の各出力信号は、それぞれ選択回路(アナログスイッチ)73に送られる。選択回路73は、主制御部51からのセンサ選択信号により、積分器74へ入力する信号を該出力信号から1つ選択する。選択回路73により選択された信号は、積分器74に入力されて積分される。
【0127】
積分器74の出力信号は、ウィンドウコンパレータ75に入力される。ウィンドウコンパレータ75は、積分器74の積分出力(アナログ信号)をデジタル信号に変換するものである。このウィンドウコンパレータ75は、主制御部51からD/A変換器76を介して閾値が設定される。上記D/A変換器76は、2つのD/A変換器(D/A1、D/A2)により構成される。
【0128】
上記ウィンドウコンパレータ75の出力は、フリップフロップ回路(F/F)77に送られる。フリップフロップ回路(F/F)77は、ウィンドウコンパレータ75の出力を保持する。フリップフロップ回路77の出力は、主制御部51に送られる。
【0129】
センサSAの出力信号は、クリア信号としてフリップフロップ回路77に送られる。センサSA,SH,SLの各出力信号は、それぞれリセット信号生成回路78に送られる。リセット信号生成回路78は、主制御部51からの選択信号に応答してセンサSA,SH,SLの出力信号からリセット信号を発生し、積分器74をリセットする。積分器74は該リセット信号によりリセットされた後、積分動作を開始する。
【0130】
センサSL,SQの各出力信号は、それぞれ変換開始信号回路79に送られる。変換開始信号79は、主制御部51からの選択信号に応答して、センサSL,SQの出力信号の一方を選択し、その選択した信号を変換開始信号としてフリップフロップ回路77に送る。センサSRの出力信号は、割込み信号として主制御部51に送られる。
【0131】
主制御部51は、センサSRからの割込み信号を受信した後、フリップフロップ回路77の出力を読込むことにより、最新のビーム光通過位置情報を得る。そして、主制御部51は、このようにして得たビーム光通過位置情報に基づき、ガルバノミラー33b,33c,33dの制御量を演算し、その演算結果を必要に応じてメモリ52に記憶するとともに、ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dへ送出する。
【0132】
ガルバノミラー駆動回路39b,39c,39dには、上記演算結果を保持するためのラッチ44b,44c,44dが設けられており、主制御部51が一旦データを書込むと、次にデータを更新するまでは、その値を保持する。
【0133】
ラッチ44b,44c,44dに保持されているデータは、D/A変換器45b,45c,45dによりアナログ信号(電圧)に変換され、ガルバノミラー33b,33c,33dを駆動するためのドライバ46b,46c,46dに入力される。ドライバ46b,46c,46dは、D/A変換器45b,45c,45dから入力されたアナログ信号(電圧)にしたがってガルバノミラー33b,33c,33dを駆動制御する。
【0134】
したがって、第3の動作例では制御対象のビーム光を発生する半導体レーザ発振器を発光動作させ、ウィンドウコンパレータ75の出力を読込み、その読込んだ情報に基づきガルバノミラー33b,33c,33dを制御することで、ビーム光の通過位置を制御することができる。
【0135】
なお、図12では省略してあるが、各センサの出力電流を電圧値に変換する電流/電圧変換増幅器や、電流/電圧変換増幅器の出力を2値化する2値化回路などの信号処理回路が設けられている。
【0136】
図12の構成において、センサSPとSOを用いてビーム光の通過位置検知および制御を行う場合、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSPとセンサSOを選択する。
【0137】
同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、積分器74のリセット信号とデジタル/アナログ変換開始信号を発生する。この場合、積分器74のリセット信号はセンサSAの出力の前縁で立ち上がり、センサSHの出力の後縁で立ち下がる。変換開始信号はセンサSLの出力信号から発生される。
【0138】
センサSIとセンサSJ、又はセンサSJとセンサSKを用いてビーム光の通過位置検知および制御を行う場合、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器72又は差動増幅器71を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSIとセンサSJ、センサSJとセンサSKのいずれかのペアを選択する。
【0139】
同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、積分器74のリセット信号とデジタル/アナログ変換開始信号を発生する。この場合、積分器74のリセット信号はセンサSAの出力の前縁で立ち上がり、センサSLの出力の後縁で立ち下がる。変換開始信号はセンサSQの出力信号から発生される。
【0140】
また、いずれのセンサが選択されても、センサSRの信号出力タイミングで、フリップフロップ回路77に保持された積分器74の積分出力は、主制御部51に読込まれる。
【0141】
なお、既に述べたように、4つのビーム光のうち1つのビーム光は固定されているため、残りの3つのビーム光を副走査方向に移動するガルバノミラーは3つである。すなわち、第2、第3、第4のビーム光用のガルバノミラーは、それぞれ、33b,33c,33dである。
【0142】
さらに図12に示す回路は、差動増幅器70の前段に差動増幅器102及び103が設けられ、さらに、補正用パルスを生成するためのタイミングセンサSS、及び補正パルス生成回路101が設けられている。
【0143】
また、図12に示す回路において、補正パルス生成回路101には、主制御部51と、タイミングセンサSS及びタイミングセンサSQとが接続され、差動増幅器102及び差動増幅器103には、それぞれセンサパターンSOあるいはSPが接続されているものである。
【0144】
図12に示す回路では、まず、ビーム光の位置に基づく積分器74の出力が主制御部51に入力される。これにより、主制御部51は、積分器74の出力に基づいて補正の必要性を判断する。この判断により補正の必要があると判断した場合、主制御部51は、補正対象とするセンサSOあるいはSPを選択するとともに、補正量として補正パルスの値を示す指示値を設定する。この際、主制御部51は、補正制御を行う旨を示す制御実行信号と、補正対象とするセンサを示すセンサ選択信号と、補正パルスの値を示す指示値とを補正パルス生成回路101へ出力する。また、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するように制御信号を送信する。
【0145】
補正パルス生成回路101は、主制御部51からのセンサ選択信号により選択されたセンサSO(あるいはSP)に接続されている差動増幅器102(あるいは103)にCPU51により指示された電圧値の補正パルスを設定する。この際、センサ選択信号により選択されていないセンサSP(あるいはSO)に接続されている差動増幅器103(あるいは102)には、補正パルスは基準電圧に設定される。上記補正パルスは、タイミングセンサSSがビーム光を検知したタイミングで上記差動増幅器102、103に供給される。
【0146】
このような補正パルスが供給された差動増幅器102及び103では、それぞれセンサSO、SPからの出力信号を入力した際に、補正パルスとセンサSO、SPとの差を差動増幅器70に供給する。これにより、差動増幅器70には、それぞれセンサSO、SPからの出力信号が主制御部51が設定した値で補正された状態で入力される。
【0147】
次に、図13に示すフローチャートを参照して、第3の動作例に係るマルチビーム光学系のビーム光相対位置制御について説明する。図13のフローチャートでは、図12に示すように構成された回路における動作を示している。
【0148】
まず、主制御部51は、固定ビーム光のレーザを所定の値で発光させる(ステップS1)。主制御部51は、たとえば、第1のレーザドライバ32aに所定の指示値を送り、第1のレーザ発振器31aを所定のパワーで発光させる。これにより、主制御部51は、第1のビーム光を出力する。ここでは、すでにポリゴンミラーモータは回転しているものとする。
【0149】
続いて主制御部51は、補正値としての指示値を選択して補正パルス生成回路101へ送る。
【0150】
同時に、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器70を選択するための選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサパターンSPとセンサパターンSOとの差動出力を積分器74に送る。
【0151】
同様に、主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送信する。これにより、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本ステップによって、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0152】
ビーム光検知部出力処理回路40は、センサSO及びSPを有するビーム光検知部38により検知された固定ビームの通過位置に応じた出力信号をCPU51に出力する。CPU51は、ビーム光検知部出力処理回路40に供給した指示値により決定される補正値に基づく検知特性を判断する。この判断により判断した指示値に対応する検知特性とビーム光検知部出力処理回路40からの出力信号とに基づいて、CPU51は、固定ビームの通過位置を検知する。この検知された固定ビームの通過位置は、CPU51によりメモリ52に記録される(ステップS2)。
【0153】
以下のステップは、本ステップS2で検知した第1のビーム光の通過位置を基準として、その他の3つのビーム光の通過位置が所定のピッチ(例えば42.3μm)になるよう制御する。
【0154】
続いて主制御部51は、移動可能な第2のビーム光を所定のパワーで発光させる(ステップS3)。たとえば、主制御部51は、第2のレーザドライバ32bに所定の指示値を送り、第2のレーザ発振器31bを所定のパワーで発光させる。
【0155】
主制御部51は、上記同様に、適当な指示値を選択し、その指示値に基づいた検知特性により、センサSPとSOとの差分出力をモニタしている。このため、主制御部51は、第2のビーム光の通過位置を把握することができる。主制御部51は、センサSPとセンサSOの検知領域内を前記第2のビーム光が通過するように、ガルバノミラー33bを動作させる(ステップS4)。その後、主制御部51は、センサSPとセンサSOとの中心近傍を第2のビーム光が通過するように、ガルバノミラー33bを動作させる。なお、本ステップのビーム光通過位置調整には微細な精度は要求されない。
【0156】
続いて主制御部51は、ステップS4で粗調整した第2のビーム光を、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるように制御する(ステップS5)。各センサSI,SJ,SPは、センサSPとセンサSOのほぼ中心位置に配置されている。したがって、主制御部51は、ビーム光の通過位置を大きく変化させることなしに(さらに、時間を要することなく)、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御することができる。以下、ステップS5の処理を詳細に説明する。
【0157】
まず、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器71を選択するための選択信号を送ることにより、センサSKとセンサSJとの差動出力を積分器74に入力する。同様に、主制御部51は、リセット信号生成回路78及び変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSKとセンサSJとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本設定によって、主制御部51は、センサSKとセンサSJとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0158】
続いて主制御部51は、第2のビーム光用のガルバノミラー33bを動作させて、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に第2のビーム光の通過位置を制御する。ガルバノミラー33bを動作させるためには、まず、主制御部51は、D/A変換器45bに指示値をセットする。D/A変換器45bによってアナログ化された信号はドライバ46bに入力され、ドライバ46bはD/A変換値に応じた電流をガルバノミラー33bに出力する。ガルバノミラー33bは、ドライバ46bの出力電流値に応じて動作する。したがって、主制御部51は、D/A変換器45bへの指示値を変更することによって、第2のビーム光の通過位置を変更することができる。
【0159】
続いて主制御部51は、ステップS5におけるガルバノミラー33bの設定を保持したまま、再度、センサSPとセンサSOとの差分出力を読込む。この際、主制御部51は、補正なしを選択し、ビーム光の位置を検知する。これは、センサSI、SK、SJは、センサSP、SOのほぼセンター位置に配置されているため、補正が必要ないからである。このような位置検知によりビーム光がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御されると、主制御部51は、この時の処理回路40の出力値(POKJ)をメモリ52に記憶する(ステップS6)。このPOKJは、ビーム光の通過位置がセンサSKとセンサSJとのギャップの中心位置であることを示す処理回路40の出力値となる。
【0160】
続いて主制御部51は、ステップS6でセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に制御された第2のビーム光を、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置に制御する(ステップS7)。
【0161】
まず、主制御部51は、選択回路73に差動増幅器72を選択するための選択信号を送ることにより、センサSJとセンサSIとの差動出力を積分器42に入力する。同様に主制御部51は、リセット信号生成回路78、変換開始信号回路79にセンサ選択信号を送る。これにより、主制御部51は、センサSJとセンサSIとの差分信号を積分する際のリセット信号とアナログ/デジタル変換開始信号を発生する。本設定によって、主制御部51は、センサSJとセンサSIとの差分出力を取込むことが可能になる。
【0162】
続いて主制御部51は、第2のビーム光用のガルバノミラー33bを動作させて、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置に第2のビーム光の通過位置をステップS5と同様に制御する。
【0163】
続いて主制御部51は、第2のビーム光がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置を通過しているとき、再度、センサSPとセンサSOとの差分出力を読込む。この際、主制御部51は、D/A値として補正なしを選択し、ビーム光の位置を検知する。これは、センサSI、SK、センサSJは、センサSP、SOのほぼセンター位置に配置されているため、補正が必要ないからである。このような位置検知によりビーム光がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置に制御されると、主制御部51は、この時の処理回路40の出力値(POJI)をメモリ52に記憶する(ステップS8)。このPOJIは、ビーム光の通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置であることを示す処理回路40の出力値となる。
【0164】
続いて主制御部51は、ステップS6でメモリ52に記憶した値POKJと、ステップS8でメモリ52に記憶した値POJIとの差を演算する(ステップS9)。センサSKとセンサSJの中心位置とセンサSJとセンサSIの中心位置との間のピッチは、42.3μmである。このため、ステップS5(ステップS6)からステップS7(ステップS8)にビーム光を移動させた場合の移動距離は42.3μmに相当する。したがって、本ステップS9で演算したPOKJとPOJIとの差は、センサSPとセンサSOとの差分出力の差で、第2のビーム光の移動距離(42.3μm)に相当する値である。
【0165】
また、第3の動作例では、CPU51により設定された指示値に対応する検知特性を用いてビーム光の位置を検知するようにしている。このため、第1のビーム光と第2のビーム光との相対的な距離を所定のピッチ(42.3μm)にするには、上記ステップS2で選択された検知特性に基づいて第2のビーム光の位置を制御しなければならない。
【0166】
つまり、上記ステップS2で選択した指示値を設定した状態で、第2のビーム光による出力が、(上記ステップ2でメモリ52に記憶した値)−(POKJ−POJI)となるように制御する。これにより、固定ビーム光(第1のビーム光)の通過位置と移動可能な第2のビーム光の通過位置とが所定のピッチ(42.3μm)に制御される。本ステップの処理では、センサSPとセンサSOとの差分出力を使用する。
【0167】
固定ビーム光である第1のビーム光の通過位置は、ステップS2で検知され、メモリ52に記憶されている。主制御部51は、移動可能な第2のビーム光の通過位置が第1のビーム光に対して42.3μmのピッチとなるように、ガルバノミラー33bを動作させ、第2のビーム光の通過位置を制御する。
【0168】
すなわち、主制御部51は、まず、ステップS2と同様なD/A値を処理回路40に設定して第2のビーム光を発光させる。そして、主制御部51は、第2のビーム光の通過位置を表わす処理回路40の出力値が、ステップS2でメモリ52に記憶した値からステップS9で求めた値(POKJ−POJI)を引いた値に一致するように、第2のビーム光の通過位置を変更する(ステップS10)。
【0169】
以上説明した動作によって、第1のビーム光と第2のビーム光の通過位置は42.3μmのピッチに制御される。また、第3、第4のビーム光についても、上記同様な動作を行うことにより、各ビーム光は42.3μmのピッチに制御される。
【0170】
以上が、マルチビーム光学系を有するビーム光走査装置におけるビーム光の相対位置検知の仕組みである。
【0171】
次に、このような構成において第1の実施例について説明する。
【0172】
図14は、図11にある基準ピッチのセンサSI,SJ,SKと相対位置のセンサSO,SPと相対位置のセンサ出力とを示したものである。
【0173】
センサSI,SJ,SKは、相対位置検知制御の説明で述べているように、ビーム光の通過位置検知及び制御に用いる。
【0174】
ビーム光の通過位置を検知する場合、センサSI,SJ,SKから、センサSK,SJ、センサSJ,SIのいずれかの組合せを主制御部51で選択し、ビームaがセンサ上を走査した際に出力される電流を1/V変換し、それぞれの差分出力を得ることによってビーム位置を検知することが出来る。
【0175】
相対位置制御は、まず、図14に示すようにセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置に可動ビームaの通過位置を制御し、そのときのセンサSO,SPの差をとり、その差分を積分した値(電圧V1)を記憶する。
【0176】
続いて同様に、図15に示すようにセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置に可動ビームaの通過位置を制御し、そのときのセンサSPとセンサSOとの差をとり、その差分を積分した値(電圧V2)を記憶する。
【0177】
図16に示すように、V1−V2が印字したい解像度になるよう、例えば、600dpiの場合に42.3μmの定数倍となる間隔に追い込んだときの電圧はVl−V2になる。
【0178】
しかし、センサSPとセンサSOとの出力までの構成は、複数のオペアンプを有し、各センサが検知した電気信号の差を積分器により積分するような回路構成になっている。オペアンプはオフセットの要因を持っており、図17に示すように、オフセットが有る場合のセンサSPとセンサSOとは、感度を良くするために測定レンジが狭くなっているため、図18に示すようにビーム位置が測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行う。
【0179】
また、図19に示すように、オフセットが逆方向(図上)にある場合も同様に図20に示すようにビーム位置が測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行う。
【0180】
ここで、従来の制御動作を図21のフローチャートを参照して説明する。
【0181】
まず、主制御部51は、上述したように固定ビームの初期化を行い(S11)、固定ビームの水平同期信号を確認し(S12)、続いて可動ビームの初期化を行い(S13)、可動ビームの出力信号を確認し(S14)、センサSK,センサSJ,センサSIとセンサSP,センサSOとのオフセットを測定する(S15)。
【0182】
続いて、主制御部51は、可動ビームを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S16)、センサSPとセンサSOでビーム位置が測定できるところまで補正を行ってからセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S17)、可動ビームを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S18)、センサSPとセンサSOでビーム位置が測定できるところまで補正を行ってからセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S19)。
【0183】
そして、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S20)、相対位置制御を行う(S21)。
【0184】
このような従来の制御方法の場合、可動ビームaの通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置、あるいはセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御しても、ビーム位置が測定できるところまで補正を行っている間にガルバノミラーのドリフトや経時変化等により、実際に測定、制御したい位置から可動ビームがずれて正確な測定、制御が出来ないという問題があった。
【0185】
そこで、本第1の実施例における制御動作を図22のフローチャートを参照して説明する。
【0186】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0187】
主制御部51は、ステップS15に続いて、可動ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S31)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定する(S32)。その際、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置に追い込みながら、随時センサSPとセンサSOの差分出力も測定する。
【0188】
図23は、第1の実施例におけるセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームaを追い込んでいく過程(段階的あるいは所定量あるいは任意量づつ1回あるいは複数回で中心位置にビームaの通過位置を制御する)を示すものである。
【0189】
図に示すように、主制御部51は、まず、センサSKとセンサSJに対するビームa0の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できるところまで補正されてから測定される。
【0190】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa1の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a1まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0191】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa2の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a2まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0192】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S33)、さらに、センサSKとセンサSJに対するビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S31,32)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a3まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0193】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(ビームa3の位置)、ビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S31,32)、追い込みを終了して次のステップに進む(S33)。
【0194】
ここで、センサSPとセンサSOの差分出力を確認する際、1つ前の動作で補正a3を行っているので補正する必要が無く、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームaを追い込んで、直ちにセンサSPとセンサSOの差分出力を確認することができる。これにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化の影響を受けにくく、より正確な測定、制御を行うことができる。
【0195】
図24は、第1の実施例におけるセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームaを追い込んでいく過程を示すものである。
【0196】
図に示すように、主制御部51は、まず、センサSJとセンサSIに対するビームa0の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できるところまで補正されてから測定される。
【0197】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa1の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a1まで補正されてから測定される。
【0198】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa2の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a2まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0199】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力を確認した後(S36)、さらに、センサSJとセンサSIに対するビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認する(S34,35)。ここで、センサSPとセンサSOは、ビーム位置が測定できる補正a3まで補正されてから測定される(なお、補正する必要がない場合は補正をしない)。
【0200】
主制御部51は、最終的に、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(ビームa3の位置)、ビームa3の位置でセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S34,35)、追い込みを終了して次のステップに進む(S36)。
【0201】
ここで、センサSPとセンサSOの差分出力を確認する際、1つ前の動作で補正a3を行っているので補正する必要が無く、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームaを追い込んで、直ちにセンサSPとセンサSOの差分出力を確認することができる。これにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化の影響を受けにくく、より正確な測定、制御を行うことができる。
【0202】
続いて、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S37)、相対位置制御を行う(S38)。
【0203】
次に、第2の実施例について説明する。
【0204】
本第2の実施例では、可動ビームを複数本有する場合に、センサSKとセンサSJ、及びセンサSJとセンサSIに1本ずつ追い込んでいくのではなく、2本を少しずつ追い込んで、センサSPとセンサSOの差分を測定する。それにより、ガルバノミラーのドリフトや経時変化等の影響を受けにくくなり、より正確な測定、制御ができる。
【0205】
第2の実施例における制御動作を図25のフローチャートを参照して説明する。
【0206】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0207】
主制御部51は、ステップS15に続いて、ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S41)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S42)、さらに、ビームaを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S43)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S44)、それぞれの中心位置に追い込むまでステップS41〜44を繰り返す(S45)。
【0208】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S41)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S42)、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S43)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S44)、追い込みを終了して次のステップに進む(S45)。
【0209】
続いて、主制御部51は、固定ビームのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S46)、相対位置制御を行う(S47)。
【0210】
次に、第3の実施例について説明する。
【0211】
図21で説明した従来の副走査制御は、センサSKとセンサSJ、及びセンサSJとセンサSIに可動ビームaを追い込んで、センサSPとセンサSOの差分出力を測定した後、図26に示すように固定ビームbの位置を確認する。
【0212】
しかしながら、固定ビームbの位置によって、もしくはセンサSPとセンサSOの差分出力までの回路等のオフセット等の影響がある場合、図27や図28に示すように、固定ビームの位置を測定できるところまで補正を行ってから測定、制御を行わなければならない(補正の必要がない場合は補正する必要はない)。
【0213】
固定ビームbの位置を測定できるところまで補正を行う間に、センサSPとセンサSOの感度が温度等で変化した場合、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力を測定した時の感度と異なるため、正確な制御をすることが出来ない場合がある。
【0214】
そこで、第3の実施例では、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力を測定するときと、固定ビームの位置を測定するときとの時間差を無くすようにする。すなわち、可動ビームaを追い込んでセンサSPとセンサSOの差分出力の測定をしながら固定ビーム位置も測定することにより、ガルバノミラーのドリフトや径時的変化の影響を受けにくくなり、より正確な測定、制御ができる。
【0215】
第3の実施例における制御動作を図29のフローチャートを参照して説明する。
【0216】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0217】
主制御部51は、ステップS15に続いて、ビームaを、その通過位置がセンサSKとセンサSJのギャップの中心位置になるよう制御し(S51)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S52)、さらに、可動ビームaを、その通過位置がセンサSJとセンサSIのギャップの中心位置になるよう制御し(S53)、センサSPとセンサSOの差分出力を測定し(S54)、さらに固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S55)、それぞれの中心位置に追い込むまでステップS51〜55を繰り返す(S56)。
【0218】
主制御部51は、最終的に、センサSKとセンサSJのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S51)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S52)、センサSJとセンサSIのギャップの中心位置にビームa追い込んだ際(S53)、センサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S54)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S55)、追い込みを終了して次のステップに進む(S56)。
【0219】
続いて、主制御部51は、相対位置制御を行う(S57)。
【0220】
次に、第4の実施例について説明する。
【0221】
図30は可動ビームを複数有する構成の場合、図31は可動ビームが1本の場合に、上述した追い込みが終了した後、さらに、正確な制御が行われているかをチェックする確認制御を加えたものである。
【0222】
すなわち、相対位置制御を行って固定ビームに対して可動ビームを所定の間隔に制御した後、さらに、固定ビームの位置を確認し、前回測定した値と異なっていた場合、もう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0223】
また、振動等で何度制御しても前回の固定ビームの位置と異なっていた場合、いつまでたっても制御が終らないため、任意の回数確認したら最後に測定した値を測定値と判断して次の制御へ移るようにする。
【0224】
このような制御により、相対位置制御(固定ビームに対して可動ビームを所定の間隔に制御)をより正確に制御することができる。
【0225】
第4の実施例における可動ビームを複数有する場合の制御動作を図30のフローチャートを参照して説明する。
【0226】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0227】
また、ステップS61〜66は、図29で説明したステップS51〜56と同様であるので説明を省略する。
【0228】
主制御部51は、追い込みが終了した際(S66)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S67)、相対位置制御を行い(S68)、続いて、再度、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S69)、この時点での差分出力がステップS67で確認した値と異なっていた場合、ステップS61からもう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0229】
第4の実施例における可動ビームが1本の場合の制御動作を図31のフローチャートを参照して説明する。
【0230】
ステップS11〜15までは、従来の制御動作と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0231】
また、ステップS71〜76は、図22で説明したステップS31〜36と同様であるので説明を省略する。
【0232】
主制御部51は、追い込みが終了した際(S76)、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S77)、相対位置制御を行い(S78)、続いて、再度、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S79)、この時点での差分出力がステップS77で確認した値と異なっていた場合、ステップS71からもう一度可動ビームに対する測定、制御を行う。
【0233】
次に、第5の実施例について説明する。
【0234】
上述した第4の実施例のように、固定ビームの位置が変動しているかチェックを行った後、固定ビームが変動していた場合に測定しなおしていては制御時間がかかってしまう。
【0235】
そこで、第5の実施例では、センサSPとセンサSOの差分出力が変化した場合、図32に示すように固定OP出力変化対応制御を行うことによって短時間で、より高画質な印字を行うことができる。
【0236】
図33は可動ビームを複数有する構成の場合、図34は可動ビームが1本の構成の場合における固定OP出力変化対応制御へ移行するフローチャートである。
【0237】
すなわち、図33のフローチャートに示すように、固定ビームが変動していた場合(S89)、固定OP出力変化対応制御へ移行し(S90)、この制御が終了してステップS88へ移行する。
【0238】
また、図34のフローチャートに示すように、固定ビームが変動していた場合(S99)、固定OP出力変化対応制御へ移行し(S100)、この制御が終了してステップS98へ移行する。
【0239】
続いて、固定OP出力変化対応制御の動作を図32のフローチャートを参照して説明する。
【0240】
主制御部51は、センサSPとセンサSOの差分出力が変化した場合(S101)、ウィンドウコンパレータ75を用いて、前回の値を基準に今回の値が「下側(LOW)」であるか否かを確認する(S102)。
【0241】
下側であった場合、主制御部51は、反対方向に任意に決めたステップ数(n)だけガルバノミラーを動かす(S103,104)。ただし、nは大きすぎる値にしないものとする。
【0242】
また、ステップS102で下側でなかった場合、主制御部51は、ウィンドウコンパレータ75を用いて、前回の値を基準に今回の値が「上側(HIGH)」であるか否かを確認する(S105)。
【0243】
上側であった場合、主制御部51は、反対方向に任意に決めたステップ数(n)だけガルバノミラーを動かす(S106,107)。ただし、nは大きすぎる値にしないものとする。
【0244】
こうして、主制御部51は、センサ設定(OP−P)を行う(S108)。
【0245】
このようにして、実際制御したい位置により近い位置に制御することができる。
【0246】
次に、第6の実施例について説明する。
【0247】
デジタル複写機で連続印刷する場合、紙が出力されてから次の紙が出力されるまでに間があり、その間に紙間副走査制御を行う。紙間中は他に主走査制御等があるが、第6の実施例の制御は、紙間中に、上述した図32の固定OP出力変化対応制御を行う。
【0248】
第6の実施例の動作を図35のフローチャートを参照して説明する。
【0249】
紙間中に、主制御部51は、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S111)、センサSPとセンサSOの差分出力が変化していた場合(S112)、固定OP出力変化対応制御を行う(S113)。
【0250】
このように制御することにより、ガルバノミラーのステップ数(n)を小さくすればするほど、連続印字すればするほど(最終的には目標値±nステップになるが)、ガルバノミラーのドリフトやセンサの経時変化等があっても制御したい目標位置に可動ビームを制御することができる。
【0251】
次に、第7の実施例について説明する。
【0252】
デジタル複写機で全ての制御を終え、例えば、コピーボタン等の画像出力信号がくるまで、待機している間にスタンバイ副走査制御を行う。
【0253】
第7の実施例は、待機している間(スタンバイ中)に、上述した図32の固定OP出力変化対応制御を行う。
【0254】
第7の実施例の動作を図36のフローチャートを参照して説明する。
【0255】
待機中に、主制御部51は、固定ビームbのセンサSPとセンサSOの差分出力を確認し(S121)、センサSPとセンサSOの差分出力が変化していた場合(S122)、固定OP出力変化対応制御を行う(S123)。
【0256】
そして、印刷予告がない場合(S124)、主制御部51は、ステップS121に移行して制御を行う。
【0257】
このように制御することにより、ガルバノミラーのステップ数(n)を小さくすればするほど、待機時間が長ければ長いほど(最終的には目標値±nステップになるが)、ガルバノミラーのドリフトやセンサの経時変化等があっても制御したい目標位置に可動ビームを制御することができる。
【0258】
次に、第8の実施例について説明する。
【0259】
上述したが、ビーム位置を検知する際、ウィンドウコンパレータ75を使用して指示幅を調節し、その範囲の「上」、「中」、「下」を判断して測定をしている。この「上中下」の判定は、図37のフローチャートに示すように、N=ポリゴン面数分×任意の値のデータをとって判定を行っている。
【0260】
しかしながら、ウィンドウコンパレータ75における幅の閾値は、主制御部51からD/A変換器76を介して設定されるが、設定されてから出力されるまでの間に時間がかかっている。そのため、設定された値が出力される前にデータを取り込んで正確な判定ができないことがある。
【0261】
そこで、第8の実施例における判定では、図38のフローチャートに示すように、「(n+ポリゴン面数分)×任意の値」のデータ数をとり(S141)、始めのn個のデータを無視し、その後の「{(n+ポリゴン面数分)×任意の値分}−(n+×任意の値分)」、要するに「(ポリゴン面数分)×任意の値」のデータで判定する。なお、「n」はウィンドウコンパレータ75の幅の閾値をD/A変換器76に設定してから出力されるまでの間の時間分に相当する任意の個数とする。
【0262】
すなわち、ステップS141に示すサンプリングにより、ウィンドウコンパレータ75の幅の閾値をD/A変換器76に設定し、その値が出力されるまで時間がかかる場合や、レーザパワーを設定して所定のパワーで発光するまでに時間がかかっても正確な判定をすることができる。
【0263】
次に、第9の実施例について説明する。
【0264】
ノイズ等によりD/A変換器45b、45c、45dへの設定データが頻繁に書き換えられる場合がある。
【0265】
そこで、第9の実施例では、ガルバノミラー33b、33c、33dを制御しているD/A変換器45b、45c、45dヘデータを出力する際、変更するD/A変換器だけでなく、全てのD/A変換器45b、45c、45dへのデータを上書きし、さらに定期的に上書き(リフレッシュ)する。
【0266】
それにより、画質劣化につながる危険を持つビーム位置制御の精度を着実に確保することができる。
【0267】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、ガルバノミラーのドリフトを考慮した制御を行って、さらに高精度な制御を行うことができる。
【0268】
また、制御の際、ガルバノミラーのドリフトの影響がないか否かの確認も行って、さらに高精度な制御を行うことができる。
【0269】
さらに、ウィンドウコンパレータで判定する際、「n個+必要とするポリゴン面数」のデータを取り、ウィンドウコンパレータへの幅の閾値の設定から設定値が出力されるまでにかかる時間分の初めのn個分データを使用しないことにより、ウィンドウコンパレータの設定時のタイムラグに対しても正確な判定を行うことができる。
【0270】
また、ガルバノミラーを制御しているD/A変換器へデータを出力する際、変更するD/A変換器だけでなく、全てのD/A変換器へのデータを上書きし、さらに定期的に上書き(リフレッシュ)することにより、画質劣化につながる危険を持つビーム位置制御の精度を着実に確保することができる。
【0271】
なお、本願発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0272】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、正確で高精度な制御を行って画質の悪化を防ぐことのできるビーム光走査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル複写機の概略構成を示す図。
【図2】光学系ユニットの概略構成を示す図。
【図3】光学系の制御系統の構成例を示すブロック図。
【図4】ビーム光検知部の構成図。
【図5】ビーム光検知部からの出力信号を処理する処理回路の構成を示すブロック図。
【図6】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図7】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図8】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図9】ビーム光の通過位置に対するセンサの出力、差動増幅器の出力、及び積分器の出力例を示す図。
【図10】ビーム光の通過位置と積分出力の関係を示す図。
【図11】ビーム光検知部の構成例を概略的に示す図。
【図12】光学系の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図。
【図13】ビーム光の相対位置制御の動作を説明するためのフローチャート。
【図14】相対位置制御の具体例を示す図。
【図15】相対位置制御の具体例を示す図。
【図16】相対位置制御の具体例を示す図。
【図17】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図18】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図19】相対位置制御の補正処理の具体例を示す図。
【図20】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図21】従来の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図22】第1の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図23】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図24】実施例の相対位置制御の具体例を示す図。
【図25】第2の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図26】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図27】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図28】固定ビームの位置を検出する具体例を示す図。
【図29】第3の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図30】第4の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図31】第4の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図32】固定ビーム出力変化対応制御を説明するためのフローチャート。
【図33】第5の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図34】第5の実施例の副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図35】第6の実施例の紙間副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図36】第7の実施例のスタンバイ副走査制御を説明するためのフローチャート。
【図37】従来のウィンドウコンパレータの判定を説明するためのフローチャート。
【図38】第8の実施例のウィンドウコンパレータの判定を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
31a,31b,31c,31d…半導体レーザ発振器(発光手段)
32a,32b,32c,32d…レーザドライバ
35…ポリゴンミラー(光走査手段)
38…ビーム光検知部(検知手段)
33b,33c,33d…ガルバノミラー(変更手段)
39b,39c,39d…ガルバノミラー駆動回路
44b,44c,44d…ラッチ
45b,45c,45d…D/A変換器
46b,46c,46d…ドライバ
51…主制御部(第1の制御手段、第2の制御手段)
52…メモリ
75…ウィンドウコンパレータ
76…D/A変換器
70,71,72,102,103…差動増幅器
101…補正パルス生成回路
Claims (7)
- ビーム光を出力する発光手段と、
この発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるビーム光走査手段と、
このビーム光走査手段によって走査されるビーム光の通過位置を検知する第1の検知手段と、
この第1の検知手段の検知結果に対する処理で補正が必要か否かを判断し、補正の必要があれば補正量を設定して検知結果に対する処理を行う処理手段と、
前記ビーム光走査手段で走査されるビーム光の前記被走査面における通過位置を変更する変更手段と、
この変更手段で通過位置が変更されたビーム光が基準位置であるか否かを検知する第2の検知手段と、
この第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置でなかった際、前記変更手段を用いてビーム光の通過位置を基準位置の方向に任意量で基準位置になるまで変更し、変更する毎に前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による処理とを制御する第1の制御手段と、
この第1の制御手段の制御で前記第2の検知手段で検知されたビーム光の通過位置が基準位置になった際、前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による補正しない処理とを制御する第2の制御手段と、
を具備したことを特徴とするビーム光走査装置。 - 前記第2の検知手段は、第1の基準位置と第2の基準位置とを有することを特徴とする請求項1記載のビーム光走査装置。
- 前記第1の制御手段は、前記第2の検知手段で検知される第1の基準位置と第2の基準位置とに任意量でそれぞれ基準位置になるまで変更し、変更する毎に前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による処理とを制御することを特徴とする請求項1記載のビーム光走査装置。
- 前記第2の制御手段は、前記第2の検知手段で検知されたビーム光の前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による補正しない処理とを終了した際、予め設けられた前記ビーム光とは異なる固定ビームの前記第1の検知手段による検知と前記処理手段による補正しない処理とを制御することを特徴とする請求項1記載のビーム光走査装置。
- 用紙が供給されて連続して画像形成する画像形成装置が有するビーム光走査装置において、
固定ビーム光を出力する第1の発光手段と、
可動ビーム光を出力する第2の発光手段と、
前記第1、第2の発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるビーム光走査手段と、
前記第2の発光手段からの可動ビーム光の前記被走査面における通過位置を変更する変更手段と、
前記連続して画像形成される用紙と用紙の間の画像形成がされない間、前記第1の発光手段からの固定ビーム光の通過位置を検知する検知手段と、
この検知手段による検知結果が前回の検知結果に対して変化があった際、変化量に基づいて前記変更手段で変更する変更量を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とするビーム光走査装置。 - 用紙に画像を形成する画像形成装置が有するビーム光走査装置において、
固定ビーム光を出力する第1の発光手段と、
可動ビーム光を出力する第2の発光手段と、
前記第1、第2の発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるビーム光走査手段と、
前記第2の発光手段からの可動ビーム光の前記被走査面における通過位置を変更する変更手段と、
前記画像形成装置で画像形成動作がされない間、前記第1の発光手段からの固定ビーム光の通過位置を検知する検知手段と、
この検知手段による検知結果が前回の検知結果に対して変化があった際、変化量に基づいて前記変更手段で変更する変更量を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とするビーム光走査装置。 - ビーム光を出力する発光手段と、
この発光手段から出力されるビーム光が被走査面上を主走査方向に走査するよう前記被走査面に向けて前記ビーム光を走査させるポリゴンミラーと、
前記被走査面上あるいは被走査面上と同等の位置に配置され、前記ポリゴンミラーによって走査されるビーム光を検知する検知手段と、
この検知手段で検知される検知データを、ダミーデータとして最初にn個続いて前記ポリゴンミラーのポリゴン面数個を取得するのを1回として任意回数だけ取得し、この取得した複数個の検知データのうち前記ダミーデータを無視した複数個の検知データを用いて前記ポリゴンミラーによって走査されるビーム光の通過位置を判定する判定手段と、
を具備したことを特徴とするビーム光走査装置。
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