JP2004008488A - シートのトリム吊り込み構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、トリムをシートパッドに固定する樹脂フックのトリムへの取付作業および取外し作業が簡単となり、シート解体作業を容易に行うことができると共に、トリムをシートパッドに容易かつ確実に固定することが可能なシートのトリム吊り込み構造を提供することにある。
【解決手段】本発明は、シートパッド4の表面を覆う一対のトリム5a,5bに取付けられる軟質材製の基体部12と、基体部12の先端側に設けられ、シートパッド4側に配設されたインサートワイヤ7と係止するフック部16を有する硬質材製の本体部13とを備えた樹脂フック6により、一対のトリム5a,5bを吊り込んでインサートワイヤ7に係止させてシートパッド4に固定している。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明は、シートパッド4の表面を覆う一対のトリム5a,5bに取付けられる軟質材製の基体部12と、基体部12の先端側に設けられ、シートパッド4側に配設されたインサートワイヤ7と係止するフック部16を有する硬質材製の本体部13とを備えた樹脂フック6により、一対のトリム5a,5bを吊り込んでインサートワイヤ7に係止させてシートパッド4に固定している。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに設けられる各種シートのトリム吊り込み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図9および図10に示すような車両用シート51は、シートクッション52とシートバック53とにより構成されており、これらシートクッション52およびシートバック53は、それぞれシートパッド(ウレタンパッド)54と、該シートパッド54の表面全体を覆うトリム(表皮)55とを備えている。このため、従来の吊り込み構造では、トリム55がメイントリム55a、サイドトリム55bおよびエンドトリム55cから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56とし、エンドトリム55cの先端にはワイヤ57が縫い付けられている。一方、シートパッド54の表面には、トリム55のメインパターン部56と対応して溝部54aが設けられており、該溝部54aの底面内には、インサートワイヤ58が埋設されている。
したがって、上記トリム55は、図10に示す如く、メインパターン部56をシートパッド54の溝部54aの上に吊り込んで配置し、エンドトリム55cのワイヤ57とインサートワイヤ58とを重ね合わせると共に、Cリング(金具)59をカシメ機で変形させることにより両ワイヤ57,58を結合させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる。
【0003】
また、他の従来の吊り込み構造では、図11および図12に示す如く、トリム55がメイントリム55aおよびサイドトリム55bから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56としている。
したがって、上記トリム55は、図11に示す如く、予めシートパッド54の溝部54aおよびメイン部54bに接着剤(ホットメルト)60を塗布し、図12に示す如く、メインパターン部56をパターン形状の刃型61にてシートパッド54の溝部54a内に押し込み、溝部54aおよびメイン部54bに重ね合わせた状態で、接着剤60を加熱して反応させて接着させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる。
【0004】
さらに、他の従来の吊り込み構造では、図13〜図15に示す如く、トリム55がメイントリム55aおよびサイドトリム55bから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56とし、該メインパターン部56の裏面側にはループ状の面ファスナー62が縫い付けられている。一方、シートパッド54の表面には、トリム55のメインパターン部56と対応して溝部54aが設けられており、該溝部54aの底面には、ヤジリ状のファスナー63が挿入して設けられている。
したがって、上記トリム55は、図13に示す如く、メインパターン部56をシートパッド54の溝部54aの上に吊り込んで配置し、作業者の指などでメインパターン部56を押し込み、両ファスナー62,63を結合させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる(図15参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の吊り込み構造のうち、Cリング59を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、カシメ機でCリング59を変形させて両ワイヤ57,58を結合させる必要があるので、作業者の疲労度を増大させると共に、エンドトリム55cの先端にワイヤ57を挿入して縫い付けなくてはならず、作業工数の増加を招く上、シート解体作業も面倒になるという不具合を有していた。
【0006】
また、従来の吊り込み構造のうち、接着剤60を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、シートパッド54の溝部54aと、トリム55のメインパターン部56を押さえる刃型61とを同時に合わせて押さえ込まなければならないので、縫製ラインの位置ズレを生じることがある。そのため、刃型61を押さえ付けた状態で、縫製ラインを再度刃型61に合わせる必要があり、トリム55のセット工数増加によって多くの作業時間が掛かってしまうという問題を有していた。しかも、トリム55のセット後は熱を加えるため、刃型61に熱がこもり、トリム55の表皮毛64が倒れるおそれがあった。
【0007】
さらに、従来の吊り込み構造のうち、ファスナー62,63を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、メインパターン部56の小さな曲線部Rに対して面ファスナー62を追従させることが難しく、かつトリム55のメインパターン部56側に縫い付ける際も縫製のバラツキを生じるので、シートパッド54に対するトリム55の位置がバラつき、その結果、シート51の外観を損ねるおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、トリムをシートパッドに固定する樹脂フックのトリムへの取付作業および取外し作業が簡単となり、シート解体作業を容易に行うことができると共に、トリムをシートパッドに容易かつ確実に固定することが可能なシートのトリム吊り込み構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明においては、シートパッドの表面を覆う一対のトリムに取付けられる軟質材製の基体部と、該基体部の先端側に設けられ、前記シートパッド側に配設された被係止部材と係止するフック部を有する硬質材製の本体部とを備えた樹脂フックにより、前記一対のトリムを吊り込んで前記被係止部材に係止させて前記シートパッドに固定している。
【0010】
また、本発明において、前記本体部は、ベース部とフック部とから構成されており、前記ベース部は連続した帯状に形成され、前記フック部は所定間隔を開けて形成されている。
さらに、本発明において、前記本体部のフック部は、前記被係止部材を係止する開口部が長手方向に沿って設けられた筒状体と、該筒状体の開口部の両側に外方へ向けて突設されたガイド片とを備えており、該ガイド片は、前記筒状体の開口部から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように形成されている。
そして、本発明において、前記ガイド片のうち、一方のガイド片は、他方のガイド片よりも前記筒状体の開口部からの距離が長く形成されている。
【0011】
また、本発明において、前記筒状体の開口部の両側には、前記筒状体の内方へ向かって突出する突起部が形成されている。
さらに、本発明において、前記本体部のベース部には、治具を挿入する複数の作業穴が設けられている。
そして、本発明において、前記基体部の基端には、位置決め用のポイントが形成されている。
しかも、本発明において、前記ポイントが前記基体部の長手方向と直交する方向へ延びるスリットで形成されている。
さらに、本発明において、前記基体部が重ねられる前記一対のトリムの端部には、ポイントが形成されており、前記一対のトリムのポイントと前記基体部のポイントとを重ね合わせた状態で、前記樹脂フックが前記一対のトリムに取付けられている。
また、本発明において、前記トリムのポイントはスリットで形成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明に係るシートのトリム吊り込み構造の実施形態を示している。図における車両用シート1は、図1に示す如く、自動車等の車室内に配設され、乗員が着座するシートクッション2と、乗員の背部を受けるシートバック3とを具備して構成されている。しかも、これらシートクッション2およびシートバック3は、図1および図2に示す如く、外形形状を形成するシートフレーム(図示せず)を覆うシートパッド(ウレタンパッド)4と、該シートパッド4の表面全体を覆うトリム(表皮)5とをそれぞれ備えており、このトリム5は、樹脂フック6により吊り込まれてシートパッド4に固定されるようになっている。
【0014】
上記シートパッド4の表面側には、図2および図3に示す如く、インサートワイヤ(被係止部材)7が挿入配置されている。このため、シートパッド4の表面には、平面視で略U字状の溝部8およびこれに架設される直線状の溝部9がトリム5のメインパターン部(縫製部)10と対応する位置などにそれぞれ設けられている。すなわち、インサートワイヤ7は、これを平面視で略U字状に折り曲げることによって溝部8内に配置されていると共に、溝部8の左右両側に掛け渡すことによって溝部9内に配置されており、その両端部には、シートパッド4に引っ掛けるための掛け止め部7aが形成されている。
また、溝部8,9の上部に位置するシートパッド4は、一定の間隔Sを置いて切欠かれており、閉塞部8a,9aと切欠き部8b,9bとが長手方向に沿って交互に配設されている。したがって、各切欠き部8b,9bでは、挿入したインサートワイヤ7が外部に露出されることになり、樹脂フック6のフック部(後述する)が係止できるように構成されている。なお、切欠き部8b,9bの間隔Sは、樹脂フック6のフック部(後述する)の長さと対応する大きさに形成されている。
【0015】
一方、上記トリム5は、図4に示す如く、一対のメイントリム5aとサイドトリム5bとから構成されており、これらトリム5a,5bの各端部と樹脂フック6の基端部(縫い代部)とを重ね合わせて一体的に同時縫製することによりメインパターン部10としている。しかも、一対のトリム5a,5bの端部には、樹脂フック6の基端部に設けた後述のV字状スリットと対応して、樹脂フック6との位置合わせ用ポイントとしての複数本のV字状スリット11が設けられており、これらスリットを利用して互いに重ね合わせることによって、トリム5および樹脂フック6を同時縫製する際のバラツキを防止している。
【0016】
上記樹脂フック6は、図4〜図6に示す如く、トリム5を構成する一対のトリム5a,5bの端部に取付けられるパネル状の基体部12と、該基体部12の先端側に設けられる本体部13とを備えた樹脂押し出し一体成形品である。基体部12は、長繊維を混入した屈曲可能な軟質樹脂材で製作されており、トリム5a,5bの端部への縫製時には、略U字状に折り曲げることが可能となっている。また、基体部12の基端部には、トリム5のV字状スリット11との位置合わせのポイントとなる複数本のV字状スリット14が設けられている。これらV字状スリット14は、長手方向と直交する方向へ延びて形成されていると共に、長手方向へ間隔を置いて配設されている。
【0017】
上記本体部13は、剛性を有する硬質樹脂材で製作されており、ベース部15とフック部16とから構成されている。ベース部15は、樹脂フック6の長手方向へ沿って連続した帯状に形成され、芯材としての機能を有しており、メインパターン部10の蛇行を防ぐ構造となっている。また、ベース部15のフック部16と対応する位置には、軽量な素材で形成された治具17の爪部17aを挿入する作業穴18がそれぞれ設けられている。
【0018】
一方、フック部16は、押し出し成形後、カット型を用いてベース部15を残しながら本体部13を部分的にサイドカットした切欠き19により(作業穴18などの加工も同時に行う)、樹脂フック6の長手方向へ所定間隔を開けて形成されている。これらフック部16の長さ寸法Lは、溝部8,9の切欠き部8b,9bにて露出させたインサートワイヤ7と係止可能なように、切欠き部8b,9bの間隔Sと対応した大きさに形成されており、その結果、切欠き部8b,9bの間隔Sとフック部16の長さ寸法Lによっても、シートパッド4との位置ズレが防げる構造となっている。
このような切欠き19は、樹脂フック6がメインパターン部10の小さな曲線部においても追従し得るようにすべく設けられたものである。なお、切欠かれた硬質樹脂製本体部13の端材は、再生利用に供されている。
【0019】
また、上記フック部16は、インサートワイヤ7を係止する開口部20が長手方向に沿って設けられた筒状体21と、該筒状体21の開口部20の両側に外方へ向けて突設されたガイド片22,23とを備えている。筒状体21は、ワイヤ接合部として構成され、開口部20から嵌入したインサートワイヤ7を係止しながら収納保持するものであり、開口部20の両側には、筒状体21の内方へ向かって突出する返り爪形状の突起部24がそれぞれ形成され、嵌入したインサートワイヤ7が突起部24に引っ掛かって筒状体21から抜け出ないような構造にしている(図6参照)。
ガイド片22,23は、インサートワイヤ7を筒状体21の開口部20へ案内するものであり、当該開口部20から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように傾斜して形成されている。すなわち、ガイド片22,23は、インサートワイヤ7が嵌入し易くなるように、断面略八の字状に形成されている。しかも、ガイド片22,23のうち、一方のガイド片22は他方のガイド片23よりも筒状体21の開口部20からの距離が長く形成されており、インサートワイヤ7の挿入作業性を向上させた構造となっている。
【0020】
車両用シート1を構成するシートクッション2およびシートバック3を完成させるため、本発明の実施の形態に係る吊り込み構造によって、トリム5をシートパッド4に固定するには、まず、シートパッド4の溝部8,9内に対応する形状のインサートワイヤ7をそれぞれ挿入して配置する(図2および図3参照)。また、トリム5側のV字状スリット11と樹脂フック6の基体部12のV字状スリット14を目印に位置決めしながら、トリム5を構成するメイントリム5aおよびサイドトリム5bの端部に樹脂フック6の基体部12を折り曲げて重ね合わせると共に、この重ね合わせた部分の両者を同時縫製することによりメインパターン部10を形成しておく。
【0021】
次いで、図2に示す状態のシートパッド4の表面にトリム5を被せ、メインパターン部10をシートパッド4の溝部8,9の上に吊り込んで配置し、治具17の爪部17aを片側から樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込むと共に、樹脂フック6をパターン形状に沿わせ、各切欠き部8b,9bから本体部13のフック部16をそれぞれ溝部8,9内に押し込む。すると、露出したインサートワイヤ7は、ガイド片22,23に案内され、これらガイド片22,23を押し広げながら開口部20より筒状体21内に嵌入され、突起部24にて抜け止めされた状態で樹脂フック6と係止する。したがって、トリム5は、樹脂フック6とインサートワイヤ7との係止作用によって、シートパッド4の表面全体を覆って固定されることになる(図1参照)。
なお、シートクッション2およびシートバック3などの解体作業時には、治具17の爪部17aを樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込み、フック部16の筒状体21を曲げて広げれば、樹脂フック6とインサートワイヤ7との係止は解除され、トリム5はシートパッド4から取外せることになる。
【0022】
本発明の実施の形態に係るトリム吊り込み構造では、軽い治具17の爪部17aを片側から樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込んでメインパターン部10を設置し、樹脂フック6のフック部16をインサートワイヤ7に押し込んで係止させることにより、トリム5をシートパッド4の溝部8,9に固定しているため、重いカシメ機を用いてトリム5を固定する場合に比べて作業が簡易となり、作業者の疲労度を軽減させることができる。しかも、本実施形態のトリム吊り込み構造では、トリム5を構成するメイントリム5aおよびサイドトリム5bの端部と樹脂フック6の基体部12との同時縫製が可能であり、かつシート解体時も樹脂フック6の本体部13のフック部16を曲げればトリム5をシートパッド4から簡単に取外せるため、作業工数の削減および解体作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のトリム吊り込み構造では、部位の機能に応じた硬軟2つの材質で特殊な形状に形成した樹脂フック6を使用しており、刃型によってメインパターン部10を押さえる必要がない上、加熱によってトリム5を接着していないため、縫製ラインの位置ズレを生じることなく、トリム5の表皮毛が倒れるのを防ぐことができ、車両用シート1の外観品質を向上させることができる。
さらに、本実施形態のトリム吊り込み構造では、メインパターン形状の小さな曲線に追従させることが困難で、かつ縫製位置がバラつく面ファスナーを使用せず、トリム5および樹脂フック6に位置合わせ用のスリット11,14を設けていると共に、シートパッド4の溝部8,9における切欠き部8b,9bの間隔Sと樹脂フック6のフック部16の長さ寸法Lとを対応する大きさに形成しているため、縫製のバラツキやシートパッド4との位置ズレを防止でき、メインパターン部10の小さな曲線にも追従させることができる。
また、樹脂フック6の位置合わせのV字状スリット14が樹脂フック6の長手方向と直交する方向へ延びて形成され、樹脂フック6への引っ張り力の掛かる方向と直交しているため、樹脂フック6の強度低下を防止でき、メインパターン部10の小さな曲線にもさらに追従させることができる。
【0023】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
【0024】
例えば、本発明に係るシートのトリム吊り込み構造は、図7および図8に示すようなシートバック3に設けられるアームレスト25の収納凹部26に対しても適用することができる。すなわち、トリム5は、シートパッド4の表面を覆うメイントリム5aと、サブシートパッド4aを覆うサイドトリム5bとから構成されており、これらトリム5a,5bの各端部と樹脂フック6の基端部とを同時縫製することによりメインパターン部10aとしている。また、樹脂フック6を係止させるワイヤ27は、バックフレーム28に溶接により固着されている。その他の構成および吊り込み手順などは、上記した実施形態と同様である。
【0025】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るシートのトリム吊り込み構造は、シートパッドの表面を覆う一対のトリムに取付けられる軟質材製の基体部と、該基体部の先端側に設けられ、前記シートパッド側に配設された被係止部材と係止するフック部を有する硬質材製の本体部とを備えた樹脂フックにより、前記一対のトリムを吊り込んで前記被係止部材に係止させて前記シートパッドに固定しているので、樹脂フックのトリムへの取付作業および取外し作業を簡単に行うことができ、かつシート解体作業を容易に行うことができると共に、高い強度でトリムをシートパッドに確実に固定できる。
【0026】
また、本発明の吊り込み構造において、ベース部とフック部とから本体部を構成し、ベース部を連続した帯状に形成し、フック部を所定間隔を開けながら形成すれば、ベース部を芯材として作用させることが可能となり、樹脂フックをトリムのパターンに容易に沿わせることができると共に、パターンの蛇行を防止できる。
さらに、本発明の吊り込み構造において、本体部のフック部が、被係止部材を係止する開口部が長手方向に沿って設けられた筒状体と、筒状体の開口部の両側に外方へ向けて突設されたガイド片とを備え、ガイド片を筒状体の開口部から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように形成すれば、被係止部材のフック部への挿入性を向上させることができる。しかも、ガイド片のうち、一方のガイド片を他方のガイド片よりも前記筒状体の開口部からの距離を長く形成すれば、より一層被係止部材のフック部への挿入性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の吊り込み構造において、筒状体の開口部の両側に当該筒状体の内方へ向かって突出する突起部を形成すれば、被係止部材が樹脂フックから抜け出るのを防止することができる。
そして、本発明の吊り込み構造において、本体部のベース部に治具を挿入する複数の作業穴を設ければ、樹脂フックの係止作業を容易に行うことができる。
さらに、本発明の吊り込み構造において、基体部の基端にその長手方向と直交する方向へ延びるスリットを形成すれば、基体部をトリムのパターンの曲線部に容易に沿わせることができ、トリムの確実な位置決めによってシートの外観品質を向上させることができる。しかも、基体部が重ねられる前記一対のトリムの端部にスリットを形成し、一対のトリムのそれぞれのスリットと基体部のスリットとを重ね合わせた状態で、樹脂フックを一対のトリムに取付ければ、トリムと樹脂フックとの縫製ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊り込み構造が適用されたシートの全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るトリムによって覆われる前のシートパッドを示す斜視図である。
【図3】図2におけるA部拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る一対のトリムに取付けられる樹脂フックを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る樹脂フックを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る樹脂フックを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係る吊り込み構造が適用されたシートバックを示す斜視図である。
【図8】図7におけるB−B線断面図である。
【図9】従来の吊り込み構造が適用されたシートを示す斜視図である。
【図10】図9におけるC−C線断面図であり、従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図11】図9におけるC−C線断面図であり、他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図12】他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定された後の状態を示す断面図である。
【図13】図9におけるC−C線断面図であり、更に他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図14】(a)はトリム側の面ファスナーを示す斜視図、(b)はシートパッド側のファスナーを示す断面図である。
【図15】図13における従来の吊り込み構造が適用されたシートを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4,4a シートパッド
5 トリム
5a メイントリム
5b サイドトリム
6 樹脂フック
7 インサートワイヤ(被係止部材)
8,9 溝部
8a,9a 閉塞部
8b,9b 切欠き部
10,10a メインパターン部
11 V字状スリット
12 基体部
13 本体部
14 V字状スリット
15 ベース部
16 フック部
17 治具
18 作業穴
19 切欠き
20 開口部
21 筒状体
22,23 ガイド片
24 突起部
25 アームレスト
26 収納凹部
27 ワイヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに設けられる各種シートのトリム吊り込み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図9および図10に示すような車両用シート51は、シートクッション52とシートバック53とにより構成されており、これらシートクッション52およびシートバック53は、それぞれシートパッド(ウレタンパッド)54と、該シートパッド54の表面全体を覆うトリム(表皮)55とを備えている。このため、従来の吊り込み構造では、トリム55がメイントリム55a、サイドトリム55bおよびエンドトリム55cから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56とし、エンドトリム55cの先端にはワイヤ57が縫い付けられている。一方、シートパッド54の表面には、トリム55のメインパターン部56と対応して溝部54aが設けられており、該溝部54aの底面内には、インサートワイヤ58が埋設されている。
したがって、上記トリム55は、図10に示す如く、メインパターン部56をシートパッド54の溝部54aの上に吊り込んで配置し、エンドトリム55cのワイヤ57とインサートワイヤ58とを重ね合わせると共に、Cリング(金具)59をカシメ機で変形させることにより両ワイヤ57,58を結合させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる。
【0003】
また、他の従来の吊り込み構造では、図11および図12に示す如く、トリム55がメイントリム55aおよびサイドトリム55bから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56としている。
したがって、上記トリム55は、図11に示す如く、予めシートパッド54の溝部54aおよびメイン部54bに接着剤(ホットメルト)60を塗布し、図12に示す如く、メインパターン部56をパターン形状の刃型61にてシートパッド54の溝部54a内に押し込み、溝部54aおよびメイン部54bに重ね合わせた状態で、接着剤60を加熱して反応させて接着させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる。
【0004】
さらに、他の従来の吊り込み構造では、図13〜図15に示す如く、トリム55がメイントリム55aおよびサイドトリム55bから構成されており、これらトリムの各端部を重ね合わせて一体的に縫製することによりメインパターン部(縫製部)56とし、該メインパターン部56の裏面側にはループ状の面ファスナー62が縫い付けられている。一方、シートパッド54の表面には、トリム55のメインパターン部56と対応して溝部54aが設けられており、該溝部54aの底面には、ヤジリ状のファスナー63が挿入して設けられている。
したがって、上記トリム55は、図13に示す如く、メインパターン部56をシートパッド54の溝部54aの上に吊り込んで配置し、作業者の指などでメインパターン部56を押し込み、両ファスナー62,63を結合させれば、シートパッド54の表面に固定されることになる(図15参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の吊り込み構造のうち、Cリング59を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、カシメ機でCリング59を変形させて両ワイヤ57,58を結合させる必要があるので、作業者の疲労度を増大させると共に、エンドトリム55cの先端にワイヤ57を挿入して縫い付けなくてはならず、作業工数の増加を招く上、シート解体作業も面倒になるという不具合を有していた。
【0006】
また、従来の吊り込み構造のうち、接着剤60を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、シートパッド54の溝部54aと、トリム55のメインパターン部56を押さえる刃型61とを同時に合わせて押さえ込まなければならないので、縫製ラインの位置ズレを生じることがある。そのため、刃型61を押さえ付けた状態で、縫製ラインを再度刃型61に合わせる必要があり、トリム55のセット工数増加によって多くの作業時間が掛かってしまうという問題を有していた。しかも、トリム55のセット後は熱を加えるため、刃型61に熱がこもり、トリム55の表皮毛64が倒れるおそれがあった。
【0007】
さらに、従来の吊り込み構造のうち、ファスナー62,63を用いてトリム55をシートパッド54に固定するタイプのものでは、メインパターン部56の小さな曲線部Rに対して面ファスナー62を追従させることが難しく、かつトリム55のメインパターン部56側に縫い付ける際も縫製のバラツキを生じるので、シートパッド54に対するトリム55の位置がバラつき、その結果、シート51の外観を損ねるおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、トリムをシートパッドに固定する樹脂フックのトリムへの取付作業および取外し作業が簡単となり、シート解体作業を容易に行うことができると共に、トリムをシートパッドに容易かつ確実に固定することが可能なシートのトリム吊り込み構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明においては、シートパッドの表面を覆う一対のトリムに取付けられる軟質材製の基体部と、該基体部の先端側に設けられ、前記シートパッド側に配設された被係止部材と係止するフック部を有する硬質材製の本体部とを備えた樹脂フックにより、前記一対のトリムを吊り込んで前記被係止部材に係止させて前記シートパッドに固定している。
【0010】
また、本発明において、前記本体部は、ベース部とフック部とから構成されており、前記ベース部は連続した帯状に形成され、前記フック部は所定間隔を開けて形成されている。
さらに、本発明において、前記本体部のフック部は、前記被係止部材を係止する開口部が長手方向に沿って設けられた筒状体と、該筒状体の開口部の両側に外方へ向けて突設されたガイド片とを備えており、該ガイド片は、前記筒状体の開口部から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように形成されている。
そして、本発明において、前記ガイド片のうち、一方のガイド片は、他方のガイド片よりも前記筒状体の開口部からの距離が長く形成されている。
【0011】
また、本発明において、前記筒状体の開口部の両側には、前記筒状体の内方へ向かって突出する突起部が形成されている。
さらに、本発明において、前記本体部のベース部には、治具を挿入する複数の作業穴が設けられている。
そして、本発明において、前記基体部の基端には、位置決め用のポイントが形成されている。
しかも、本発明において、前記ポイントが前記基体部の長手方向と直交する方向へ延びるスリットで形成されている。
さらに、本発明において、前記基体部が重ねられる前記一対のトリムの端部には、ポイントが形成されており、前記一対のトリムのポイントと前記基体部のポイントとを重ね合わせた状態で、前記樹脂フックが前記一対のトリムに取付けられている。
また、本発明において、前記トリムのポイントはスリットで形成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明に係るシートのトリム吊り込み構造の実施形態を示している。図における車両用シート1は、図1に示す如く、自動車等の車室内に配設され、乗員が着座するシートクッション2と、乗員の背部を受けるシートバック3とを具備して構成されている。しかも、これらシートクッション2およびシートバック3は、図1および図2に示す如く、外形形状を形成するシートフレーム(図示せず)を覆うシートパッド(ウレタンパッド)4と、該シートパッド4の表面全体を覆うトリム(表皮)5とをそれぞれ備えており、このトリム5は、樹脂フック6により吊り込まれてシートパッド4に固定されるようになっている。
【0014】
上記シートパッド4の表面側には、図2および図3に示す如く、インサートワイヤ(被係止部材)7が挿入配置されている。このため、シートパッド4の表面には、平面視で略U字状の溝部8およびこれに架設される直線状の溝部9がトリム5のメインパターン部(縫製部)10と対応する位置などにそれぞれ設けられている。すなわち、インサートワイヤ7は、これを平面視で略U字状に折り曲げることによって溝部8内に配置されていると共に、溝部8の左右両側に掛け渡すことによって溝部9内に配置されており、その両端部には、シートパッド4に引っ掛けるための掛け止め部7aが形成されている。
また、溝部8,9の上部に位置するシートパッド4は、一定の間隔Sを置いて切欠かれており、閉塞部8a,9aと切欠き部8b,9bとが長手方向に沿って交互に配設されている。したがって、各切欠き部8b,9bでは、挿入したインサートワイヤ7が外部に露出されることになり、樹脂フック6のフック部(後述する)が係止できるように構成されている。なお、切欠き部8b,9bの間隔Sは、樹脂フック6のフック部(後述する)の長さと対応する大きさに形成されている。
【0015】
一方、上記トリム5は、図4に示す如く、一対のメイントリム5aとサイドトリム5bとから構成されており、これらトリム5a,5bの各端部と樹脂フック6の基端部(縫い代部)とを重ね合わせて一体的に同時縫製することによりメインパターン部10としている。しかも、一対のトリム5a,5bの端部には、樹脂フック6の基端部に設けた後述のV字状スリットと対応して、樹脂フック6との位置合わせ用ポイントとしての複数本のV字状スリット11が設けられており、これらスリットを利用して互いに重ね合わせることによって、トリム5および樹脂フック6を同時縫製する際のバラツキを防止している。
【0016】
上記樹脂フック6は、図4〜図6に示す如く、トリム5を構成する一対のトリム5a,5bの端部に取付けられるパネル状の基体部12と、該基体部12の先端側に設けられる本体部13とを備えた樹脂押し出し一体成形品である。基体部12は、長繊維を混入した屈曲可能な軟質樹脂材で製作されており、トリム5a,5bの端部への縫製時には、略U字状に折り曲げることが可能となっている。また、基体部12の基端部には、トリム5のV字状スリット11との位置合わせのポイントとなる複数本のV字状スリット14が設けられている。これらV字状スリット14は、長手方向と直交する方向へ延びて形成されていると共に、長手方向へ間隔を置いて配設されている。
【0017】
上記本体部13は、剛性を有する硬質樹脂材で製作されており、ベース部15とフック部16とから構成されている。ベース部15は、樹脂フック6の長手方向へ沿って連続した帯状に形成され、芯材としての機能を有しており、メインパターン部10の蛇行を防ぐ構造となっている。また、ベース部15のフック部16と対応する位置には、軽量な素材で形成された治具17の爪部17aを挿入する作業穴18がそれぞれ設けられている。
【0018】
一方、フック部16は、押し出し成形後、カット型を用いてベース部15を残しながら本体部13を部分的にサイドカットした切欠き19により(作業穴18などの加工も同時に行う)、樹脂フック6の長手方向へ所定間隔を開けて形成されている。これらフック部16の長さ寸法Lは、溝部8,9の切欠き部8b,9bにて露出させたインサートワイヤ7と係止可能なように、切欠き部8b,9bの間隔Sと対応した大きさに形成されており、その結果、切欠き部8b,9bの間隔Sとフック部16の長さ寸法Lによっても、シートパッド4との位置ズレが防げる構造となっている。
このような切欠き19は、樹脂フック6がメインパターン部10の小さな曲線部においても追従し得るようにすべく設けられたものである。なお、切欠かれた硬質樹脂製本体部13の端材は、再生利用に供されている。
【0019】
また、上記フック部16は、インサートワイヤ7を係止する開口部20が長手方向に沿って設けられた筒状体21と、該筒状体21の開口部20の両側に外方へ向けて突設されたガイド片22,23とを備えている。筒状体21は、ワイヤ接合部として構成され、開口部20から嵌入したインサートワイヤ7を係止しながら収納保持するものであり、開口部20の両側には、筒状体21の内方へ向かって突出する返り爪形状の突起部24がそれぞれ形成され、嵌入したインサートワイヤ7が突起部24に引っ掛かって筒状体21から抜け出ないような構造にしている(図6参照)。
ガイド片22,23は、インサートワイヤ7を筒状体21の開口部20へ案内するものであり、当該開口部20から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように傾斜して形成されている。すなわち、ガイド片22,23は、インサートワイヤ7が嵌入し易くなるように、断面略八の字状に形成されている。しかも、ガイド片22,23のうち、一方のガイド片22は他方のガイド片23よりも筒状体21の開口部20からの距離が長く形成されており、インサートワイヤ7の挿入作業性を向上させた構造となっている。
【0020】
車両用シート1を構成するシートクッション2およびシートバック3を完成させるため、本発明の実施の形態に係る吊り込み構造によって、トリム5をシートパッド4に固定するには、まず、シートパッド4の溝部8,9内に対応する形状のインサートワイヤ7をそれぞれ挿入して配置する(図2および図3参照)。また、トリム5側のV字状スリット11と樹脂フック6の基体部12のV字状スリット14を目印に位置決めしながら、トリム5を構成するメイントリム5aおよびサイドトリム5bの端部に樹脂フック6の基体部12を折り曲げて重ね合わせると共に、この重ね合わせた部分の両者を同時縫製することによりメインパターン部10を形成しておく。
【0021】
次いで、図2に示す状態のシートパッド4の表面にトリム5を被せ、メインパターン部10をシートパッド4の溝部8,9の上に吊り込んで配置し、治具17の爪部17aを片側から樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込むと共に、樹脂フック6をパターン形状に沿わせ、各切欠き部8b,9bから本体部13のフック部16をそれぞれ溝部8,9内に押し込む。すると、露出したインサートワイヤ7は、ガイド片22,23に案内され、これらガイド片22,23を押し広げながら開口部20より筒状体21内に嵌入され、突起部24にて抜け止めされた状態で樹脂フック6と係止する。したがって、トリム5は、樹脂フック6とインサートワイヤ7との係止作用によって、シートパッド4の表面全体を覆って固定されることになる(図1参照)。
なお、シートクッション2およびシートバック3などの解体作業時には、治具17の爪部17aを樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込み、フック部16の筒状体21を曲げて広げれば、樹脂フック6とインサートワイヤ7との係止は解除され、トリム5はシートパッド4から取外せることになる。
【0022】
本発明の実施の形態に係るトリム吊り込み構造では、軽い治具17の爪部17aを片側から樹脂フック6のベース部15の作業穴18に差し込んでメインパターン部10を設置し、樹脂フック6のフック部16をインサートワイヤ7に押し込んで係止させることにより、トリム5をシートパッド4の溝部8,9に固定しているため、重いカシメ機を用いてトリム5を固定する場合に比べて作業が簡易となり、作業者の疲労度を軽減させることができる。しかも、本実施形態のトリム吊り込み構造では、トリム5を構成するメイントリム5aおよびサイドトリム5bの端部と樹脂フック6の基体部12との同時縫製が可能であり、かつシート解体時も樹脂フック6の本体部13のフック部16を曲げればトリム5をシートパッド4から簡単に取外せるため、作業工数の削減および解体作業性の向上を図ることができる。
また、本実施形態のトリム吊り込み構造では、部位の機能に応じた硬軟2つの材質で特殊な形状に形成した樹脂フック6を使用しており、刃型によってメインパターン部10を押さえる必要がない上、加熱によってトリム5を接着していないため、縫製ラインの位置ズレを生じることなく、トリム5の表皮毛が倒れるのを防ぐことができ、車両用シート1の外観品質を向上させることができる。
さらに、本実施形態のトリム吊り込み構造では、メインパターン形状の小さな曲線に追従させることが困難で、かつ縫製位置がバラつく面ファスナーを使用せず、トリム5および樹脂フック6に位置合わせ用のスリット11,14を設けていると共に、シートパッド4の溝部8,9における切欠き部8b,9bの間隔Sと樹脂フック6のフック部16の長さ寸法Lとを対応する大きさに形成しているため、縫製のバラツキやシートパッド4との位置ズレを防止でき、メインパターン部10の小さな曲線にも追従させることができる。
また、樹脂フック6の位置合わせのV字状スリット14が樹脂フック6の長手方向と直交する方向へ延びて形成され、樹脂フック6への引っ張り力の掛かる方向と直交しているため、樹脂フック6の強度低下を防止でき、メインパターン部10の小さな曲線にもさらに追従させることができる。
【0023】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
【0024】
例えば、本発明に係るシートのトリム吊り込み構造は、図7および図8に示すようなシートバック3に設けられるアームレスト25の収納凹部26に対しても適用することができる。すなわち、トリム5は、シートパッド4の表面を覆うメイントリム5aと、サブシートパッド4aを覆うサイドトリム5bとから構成されており、これらトリム5a,5bの各端部と樹脂フック6の基端部とを同時縫製することによりメインパターン部10aとしている。また、樹脂フック6を係止させるワイヤ27は、バックフレーム28に溶接により固着されている。その他の構成および吊り込み手順などは、上記した実施形態と同様である。
【0025】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るシートのトリム吊り込み構造は、シートパッドの表面を覆う一対のトリムに取付けられる軟質材製の基体部と、該基体部の先端側に設けられ、前記シートパッド側に配設された被係止部材と係止するフック部を有する硬質材製の本体部とを備えた樹脂フックにより、前記一対のトリムを吊り込んで前記被係止部材に係止させて前記シートパッドに固定しているので、樹脂フックのトリムへの取付作業および取外し作業を簡単に行うことができ、かつシート解体作業を容易に行うことができると共に、高い強度でトリムをシートパッドに確実に固定できる。
【0026】
また、本発明の吊り込み構造において、ベース部とフック部とから本体部を構成し、ベース部を連続した帯状に形成し、フック部を所定間隔を開けながら形成すれば、ベース部を芯材として作用させることが可能となり、樹脂フックをトリムのパターンに容易に沿わせることができると共に、パターンの蛇行を防止できる。
さらに、本発明の吊り込み構造において、本体部のフック部が、被係止部材を係止する開口部が長手方向に沿って設けられた筒状体と、筒状体の開口部の両側に外方へ向けて突設されたガイド片とを備え、ガイド片を筒状体の開口部から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように形成すれば、被係止部材のフック部への挿入性を向上させることができる。しかも、ガイド片のうち、一方のガイド片を他方のガイド片よりも前記筒状体の開口部からの距離を長く形成すれば、より一層被係止部材のフック部への挿入性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の吊り込み構造において、筒状体の開口部の両側に当該筒状体の内方へ向かって突出する突起部を形成すれば、被係止部材が樹脂フックから抜け出るのを防止することができる。
そして、本発明の吊り込み構造において、本体部のベース部に治具を挿入する複数の作業穴を設ければ、樹脂フックの係止作業を容易に行うことができる。
さらに、本発明の吊り込み構造において、基体部の基端にその長手方向と直交する方向へ延びるスリットを形成すれば、基体部をトリムのパターンの曲線部に容易に沿わせることができ、トリムの確実な位置決めによってシートの外観品質を向上させることができる。しかも、基体部が重ねられる前記一対のトリムの端部にスリットを形成し、一対のトリムのそれぞれのスリットと基体部のスリットとを重ね合わせた状態で、樹脂フックを一対のトリムに取付ければ、トリムと樹脂フックとの縫製ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊り込み構造が適用されたシートの全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るトリムによって覆われる前のシートパッドを示す斜視図である。
【図3】図2におけるA部拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る一対のトリムに取付けられる樹脂フックを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る樹脂フックを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る樹脂フックを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係る吊り込み構造が適用されたシートバックを示す斜視図である。
【図8】図7におけるB−B線断面図である。
【図9】従来の吊り込み構造が適用されたシートを示す斜視図である。
【図10】図9におけるC−C線断面図であり、従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図11】図9におけるC−C線断面図であり、他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図12】他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定された後の状態を示す断面図である。
【図13】図9におけるC−C線断面図であり、更に他の従来の吊り込み構造によって一対のトリムがシートパッドに固定される前の状態を示している。
【図14】(a)はトリム側の面ファスナーを示す斜視図、(b)はシートパッド側のファスナーを示す断面図である。
【図15】図13における従来の吊り込み構造が適用されたシートを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4,4a シートパッド
5 トリム
5a メイントリム
5b サイドトリム
6 樹脂フック
7 インサートワイヤ(被係止部材)
8,9 溝部
8a,9a 閉塞部
8b,9b 切欠き部
10,10a メインパターン部
11 V字状スリット
12 基体部
13 本体部
14 V字状スリット
15 ベース部
16 フック部
17 治具
18 作業穴
19 切欠き
20 開口部
21 筒状体
22,23 ガイド片
24 突起部
25 アームレスト
26 収納凹部
27 ワイヤ
Claims (10)
- シートパッドの表面を覆う一対のトリムに取付けられる軟質材製の基体部と、該基体部の先端側に設けられ、前記シートパッド側に配設された被係止部材と係止するフック部を有する硬質材製の本体部とを備えた樹脂フックにより、前記一対のトリムを吊り込んで前記被係止部材に係止させて前記シートパッドに固定したことを特徴とするシートのトリム吊り込み構造。
- 前記本体部は、ベース部とフック部とから構成されており、前記ベース部は連続した帯状に形成され、前記フック部は所定間隔を開けて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記本体部のフック部は、前記被係止部材を係止する開口部が長手方向に沿って設けられた筒状体と、該筒状体の開口部の両側に外方へ向けて突設されたガイド片とを備えており、該ガイド片は、前記筒状体の開口部から離れるに従って相互間の距離が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記ガイド片のうち、一方のガイド片は、他方のガイド片よりも前記筒状体の開口部からの距離が長く形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記筒状体の開口部の両側には、前記筒状体の内方へ向かって突出する突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記本体部のベース部には、治具を挿入する複数の作業穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記基体部の基端には、位置決め用のポイントが形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記ポイントが前記基体部の長手方向と直交する方向へ延びるスリットで形成されていることを特徴とする請求項7に記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記基体部が重ねられる前記一対のトリムの端部には、ポイントが形成されており、前記一対のトリムのポイントと前記基体部のポイントとを重ね合わせた状態で、前記樹脂フックが前記一対のトリムに取付けられていることを特徴とする請求項7に記載のシートのトリム吊り込み構造。
- 前記トリムのポイントはスリットで形成されていることを特徴とする請求項9に記載のシートのトリム吊り込み構造。
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